説明

ミラー装置、および、ミラーシステム

【課題】表示装置の着脱を可能とし、車両に固定配置されたバックミラーに装着されるミラー装置の技術を提供する。
【解決手段】車両に固定配置されたバックミラーのミラー面を覆うように着脱可能なミラー装置であって、ユーザがミラーに映る物体を視認するミラー部と、ユーザの操作により所定の画像を表示する可搬性の表示装置を装着する表示装置装着部とを備える。これにより、表示装置をミラー装置に装着することで、表示装置を車両における視認性の高い位置に容易に搭載することできる。また、表示装置の車両からの取り外しや、車両間の乗せ替えも容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に固定配置されたバックミラーに着脱可能なミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車室内のダッシュボード上などに設けられる設置台から着脱可能なナビゲーション装置であるPND(Personal Navigation Device)などの可搬性の表示装置が知られており、ユーザはこの表示装置を車内外へ持ち運ぶことができる。しかし、表示装置をダッシュボード上に設置した場合、ドライバーであるユーザの運転時の視界を遮ることがある。この問題を解決する先行技術として、車両に固定配置されたバックミラーに装着する鏡面を備えた枠板に、車両周辺の様子などを表示する表示器を設ける技術が登録実用新案第3061122号(特許文献1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3061122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の表示器は、鏡面と一体化されてバックミラーに装着される枠板に固定されており、ユーザが自由に取り外すことはできない。これにより、例えばユーザが表示器のみを取り外して車内外で使用できないという問題があった。
【0005】
また、特許文献1記載の表示器を車両に固定されたバックミラーに引っ掛けて使用する技術も開示されているが、この構成の場合には、車両に固定されているバックミラーのミラー部分を表示器が覆ってしまい、ユーザがミラー部分を用いて確認する視界を狭くするため、安全性に劣るという問題があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、表示装置の着脱を可能とし、車両に固定配置されたバックミラーに装着されるミラー装置の技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に固定配置されたバックミラーのミラー面を覆うように着脱可能なミラー装置であって、ユーザがミラーに映る物体を視認するミラー部と、前記ユーザの操作により所定の画像を表示する可搬性の表示装置を装着する表示装置装着部と、を備える。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のミラー装置において、前記表示装置装着部は、前記表示装置を一方向に着脱可能とする第1の開口部、を有する。
【0009】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のミラー装置において、前記表示装置装着部は、前記ミラー装置の長手方向の一端に設けられる。
【0010】
また、請求項4の発明は、請求項3に記載のミラー装置において、前記バックミラーに対して係合し、前記表示装置装着部の位置を運転席側および助手席側の双方に変更可能とする係合部、をさらに備える。
【0011】
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のミラー装置において、前記表示装置装着部は、前記表示装置の装着時に前記表示装置の音声出力部と対抗する位置に第2の開口部、を備える。
【0012】
また、請求項6の発明は、車両に搭載されるミラーシステムであって、請求項1ないし5のいずれかに記載のミラー装置と、前記ユーザの操作により所定の画像を表示する可搬性の前記表示装置と、を備える。
【0013】
さらに、請求項7の発明は、請求項6に記載のミラーシステムにおいて、前記表示装置装着部は、前記表示装置を一方向に着脱可能とする第1の開口部、を有し、前記表示装置は、装着時において前記表示装置装着部の前記第1の開口部の側に操作部を備える。
【発明の効果】
【0014】
請求項1ないし7の発明によれば、ミラー装置は車両のバックミラーに着脱可能であるため、表示装置をミラー装置に装着することで、表示装置を車両における視認性の高い位置に容易に搭載することできる。また、表示装置の車両からの取り外しや、車両間の乗せ替えも容易に行うことができる。
【0015】
また、特に請求項2の発明によれば、表示装置を一方向に着脱可能とする開口部を有するため、ユーザによる表示装置の着脱が容易となる。
【0016】
また、特に請求項3の発明によれば、ミラー装置の長手方向の一端に設けられていることにより、ミラー部の視認性に影響を与えることがない。また、ユーザが表示装置の着脱を容易に行える。
【0017】
また、特に請求項4の発明によれば、ユーザの座席位置に応じて、表示装置装着部の位置を運転席側および助手席側の双方に変更可能であるため、表示装置を実際に使用するユーザ側に表示装置装着部を設けることができ、表示装置を使用するユーザによる表示装置の着脱が容易になるとともに、表示装置の視認性が向上する。
【0018】
また、特に請求項5の発明によれば、表示装置装着部の表示装置の音声出力部と重なる位置に第2の開口部を設けることで、ミラー装置に装着された表示装置の音声出力を表示装置がミラー装置に装着されていない場合と同じ状態で行える。
【0019】
また、特に請求項6の発明によれば、ミラー装置と表示装置がミラーシステムとして一体となることで、ユーザは視線移動が少ない状態で、ミラーおよび表示装置を視認できる。
【0020】
さらに、特に請求項7の発明によれば、表示装置が、装着時において表示装置装着部の第1の開口部の側に操作部を備えることにより、表示装置をミラー装置に装着したままで操作を行っても予め設定した位置が異なることなく、ミラーを視認するユーザの安全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、ミラーシステムを備えた車室内を示した図である。
【図2】図2は、ミラー装置の車両に固定配置されたバックミラーに対する着脱の構成を示した図である。
【図3】図3は、表示装置のミラー装置に対する側方からの着脱の構成を示した図である。
【図4】図4は、表示装置のミラー装置に対する上方からの着脱の構成を示した図である。
【図5】図5は、表示装置のミラー装置に対する側方からの着脱構成を詳細に示した図である。
【図6】図6は、表示装置のミラー装置に対する着脱構成の変形例を示した図である。
【図7】図7は、表示装置のミラー装置に対する上方からの着脱構成を詳細に示した図である
【図8】図8は、ミラー装置と表示装置との別の第1の形態を示した図である。
【図9】図9は、ミラー装置と表示装置とのの別の第2の形態を示した図である。
【図10】図10は、表示装置における電気的構成のブロック図である。
【図11】図11は、表示装置の上下方向の設置状態における表示装置の状態を示す図である。
【図12】図12は、表示装置をミラー装置の表示装置装着部に装着させた状態を示す図である。
【図13】図13は、表示装置の上下方向の向きの変更に伴う制御部の処理フローである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
<実施の形態1>
<1−1.システム構成>
図1は、ミラーシステム10を備えた車室内を示した図である。このミラーシステム10はミラー装置11と表示装置100との組み合わせにより構成され、ミラー装置11は車両1(本実施の形態では、自動車)に搭載されるものであり、車両1のフロントガラス50付近に固定配置されたバックミラーBR1(図2参照)のミラー面を覆うように着脱可能に係合して固定される。
【0024】
ミラー装置11は、ユーザがミラーに映る物体を視認するミラー部12と、表示装着100を着脱可能とする表示装置装着部13とを備える。表示装置装着部13の構成については後で詳述する。
【0025】
表示装置100は、たとえばナビゲーション装置およびオーディオ装置などであり、ユーザの操作により所定の画像を表示する可搬性の装置である。
【0026】
ミラー装置11は車両1のシガー電源20とケーブルを介して接続されており、このシガー電源20からの電力供給により動作する。また、車両1のACC/OFFによりシガー電源20からの電力供給が停止し、ミラー装置11に装着された表示装置100は電源OFF状態となる。また、表示装置100はバッテリー駆動状態となる。なお、ACC/ON状態の際に表示装置100がミラー装置11に装着され、表示装置100の充電回路107(図10参照)により蓄電池に充電がなされていた場合は、表示装置100の電源ボタン1021(図11参照)を操作することにより表示装置100は電源ON状態となる。
【0027】
またミラー装置11に装着された表示装置100の操作は、後述する表示装置100に設けられた操作部、表示装置100の表示部をユーザが接触することにより操作されるタッチパネル、および、ユーザが表示装置100を遠隔操作する場合の操作手段となるサブコントローラ30などにより行われる。
【0028】
なお、表示装置100は図1では運転手席D1側に後述する表示装置装着部13(図3参照)に装着されているが、以下に説明するミラー装置11の係合部14による固定配置されたバックミラーへの係合により、表示装置装着部13の位置を助手席S1側に変更できる。
【0029】
また、本実施の形態では表示装置100は、ミラー装置11の表示装置装着部13に着脱される構成について説明を行うが、表示装置100は車両1のダッシュボード40上に表示装置100を着脱可能とする図示しない設置台を設けて設置する等、汎用性がある設置が可能で、ユーザの任意の選択により表示装置100の設置場所を変更できる。
<1−2.ミラー装置のバックミラーに対する着脱構成>
図2は、ミラー装置11の車両1に固定配置されたバックミラーBR1に対する着脱の構成を示す図である。車両1のフロントガラス50付近に固定配置されたバックミラーBR1に対してミラー装置11を装着する。この装着はミラー装置11の背面の上下略対称に備えられた爪形状の係合部14を順にバックミラーBR1に係合して固定する。
【0030】
また、ミラー装置11をバックミラーBR1から取り外して、ミラー装置11の上下方向の向きを反転させる。そして、係合部14をバックミラーBR1に係合させ、バックミラーBR1に固定することで、ミラー装置11を反転させた状態(表示装置装着部13の位置を運転席D1側から助手席S1側へ変更した状態、または、表示装置装着部13の位置を助手席S1側から運転席D1側へ変更した状態)とすることができる。これにより、車両1の車種や表示装置100を実際に使用するユーザの座席位置に応じて、表示装置100を運転席側D1側または助手席S1側の任意の側に設置できる。その結果、表示装置100をユーザが座席に着座した状態の目線の高さに設置することができ、車両1における視認性の高い位置で、ユーザが座席に着座した状態で容易に搭載することができ、ユーザは誰でも簡単に表示装置100の車両1からの取り外しや、車両間の乗せ替えを容易に行える。
【0031】
なお、本実施の形態の係合部14は図2ではバックミラーBR1に上下の係合部14を係合させて固定する構成を図示しているが、これ以外にも係合部14をバックミラーBR1の運転席D1側または助手席S1側のいずれかの側方からスライドさせて固定するなど表示装置装着部13の位置を運転席D1側、および、助手席S1側の双方に変更可能な構成であれば別の構成を用いてもよい。また、上下の係合部14を互いに近接する方向に付勢力を与える弾性体(例えば、バネやゴムなど)などの付勢手段を設けてもよい。これによれば、係合部14によるバックミラーBR1への固定力が向上するとともに、さまざまなサイズのバックミラーに装着可能となり、ミラー装置11の汎用性がさらに向上する。
<1−3.表示装置の表示装置装着部に対する着脱構成>
図3は、表示装置100のミラー装置11に対する側方からの着脱構成を示した図である。なお、以下に述べる表示装置100のミラー装置への着脱はミラー装置11の背面に設けられた係合部14を用いて、ミラー装置11を車両1に固定配置されたバックミラーBR1に係合して固定した状態で行われる。
【0032】
図3に示す図では、表示装置装着部13がミラー装置11の長手方向の一端に設けられている。このように表示装置装着部13が、長手方向の一端にミラー部12とは独立して構成されているため、表示装着100を装着した際においても、ミラー部12の視認性に影響を与えることがない。
【0033】
図3の上段の図では、ミラー装置11のミラー部12が助手席S1側に位置し、表示装置装着部13が運転席D1側に位置している。そして、表示装置装着部13の運転席D1側の側方に側面開口部130が設けられている。表示装置100は、この側面開口部130に車両1の進行方向に対して右側の運転席D1側(以下、「車両右側」ともいう。)から、車両1の進行方向に対して左側の助手席S1側(以下、「車両左側」ともいう。)に向かって装着される。なお、表示装置100を表示装置装着部13から取り外す場合は、車両左側から車両右側へ表示装置100を取り外す。このように表示装置100を一方向に着脱可能とする側面開口部130を有することで、ユーザによる表示装置100の着脱が容易となる。
【0034】
図3の下段の図は、ミラー装置11の表示装置装着部13の位置を車両右側から車両左側に変更した図である。また、この変更に伴い、ミラー部12は車両左側から車両右側へ変更される。なお、この表示装置装着部13の位置変更は、図2により説明したミラー装置11の係合部14をバックミラーBR1へ係合する方法により行われる。
【0035】
表示装置100の装着は、車両左側の表示装置装着部13の側方の側面開口部130に車両左側から車両右側に向かって行われる。また、表示装置100の取り外しは車両右側から車両左側へ向かって行われる。なお、本実施の形態では表示装置100を車両右側にある運転席D1側および車両左側にある助手席S1側のユーザが使用する場合を考えて、双方いずれにも表示装置装着部13を設けられることとしたが、車両1の車種に応じて運転席D1が車両左側にある場合は、ミラー装置11の表示装置装着部13を車両左側の位置として、係合部14をバックミラーBR1に係合させて固定する。これにより、ユーザの任意の側に表示装置装着部13を設けるようミラー装置11をバックミラーBR1に設置できる。
【0036】
このように、表示装置100を使用するユーザの座席位置に応じて、表示装置装着部13の位置を運転席D1側および助手席S1側の双方に変更可能であるため、表示装置100を実際に使用するユーザ側に表示装置装着部13を設けることができ、ユーザが座席に着座した状態でユーザの目線の高さにある表示装置100の着脱が容易になるとともに、表示装置100への視認性が向上する。
【0037】
図4は、図3の別の形態を示した図であり、表示装置100のミラー装置11に対する上方からの着脱の構成を示した図である。図3で説明した構成と異なる点は、表示装置装着部13の側方に設けられていた側面開口部130が上方向(以下、「車両上側」ともいう。)に設けられていることである。
【0038】
図4の上段の図では、表示装置装着部13がミラー装置11の長手方向の一端に設けられ、その表示装置装着部13の車両上側に設けられた側面開口部130から表示装置100を装着する。なお、表示装置100の取り外しは、車両上側の反対方向である下方向(以下、「車両下側」という。)から車両上側に向かって行われる。
【0039】
また、図4の下段の図では、図3で説明した構成と側面開口部130が車両下側に設けられた点が異なる。これは、図4の上段における車両上側に設けられたミラー装置を反転させることにより側面開口部130が車両下側となったものである。これにより、運転席D1側ユーザはミラー部12の視認性に影響を与えることなく、助手席S1側のユーザは座席に着座した状態で表示装置100の着脱を容易に行える。また、表示装置100への視認性が向上する。
【0040】
なお、本実施の形態では、表示装置装着部13に対する表示装置100の着脱方向について車両左側および車両右側、または、車両上側および車両下側の方向について説明したが、これ以外にも車両1の進行方向に対して逆方向の車両後方から車両の進行方向である車両前方に向けて表示装置100をミラー装置11に装着し、車両前方から車両後方に向けて表示装置100を取り外す構成としてもよい。
<1−4.表示装置の表示装置装着部への詳細な着脱構成>
図5は、図3で説明した表示装置100をミラー装置11に対して側方から着脱する構成を詳細に示した図である。なお、以下においては、図中に示すxyz座標軸を用いて、方向を適宜示す。このxyz座標軸はミラー装置11に対して相対的に固定されるものであり、ミラー装置11の長手方向がx軸方向、奥行方向がy軸方向、上下方向がz軸方向にそれぞれ対応する。ミラー装置11はミラー部12、表示装置装着部13、および、係合部14を備えている。この表示装置装着部13には上述のとおり側面開口部130から表示装置100が装着される。
【0041】
表示装置100はユーザの操作により所定の画像を表示する表示部101、表示装置100の所定の機能を実現する際にユーザが操作する操作部102、および、後述する表示装置装着部13のガイド部材1032と嵌合する案内溝103を備えている。
【0042】
表示装置装着部13は、上下対向する位置に2つの装着面部材1031を備え、この2つの装着面部材1031を結合する結合面である背面部材1033との三面(+z側、−z側及び+y側)で、装着される表示装置100を囲み、これらの三面(+z側の装着面部材1031、−z側の装着面部材1031、および、+y側の背面部材1033)とは異なる一方向(x軸方向)に表示装置100を着脱するための側面開口部130を有する枠体で構成される。
【0043】
ガイド部材1032は表示装置100が側面開口部130から装着される際に、表示装置100の案内溝103と嵌合して、表示装置100を表示装置装着部13内に導く。これにより、表示装置100の着脱方向(x軸方向)と直交する方向(−y方向)への脱落を防止できる。
【0044】
なお、本実施の形態のガイド部材1032は、表示装置100を側面開口部130から表示装置装着部13内へと表示装置を導きやすいように表示装置100の案内溝103とガイド部材1032とが略平行となるようにガイド部材1032が設けられている。このガイド部材1032は、表示装置100の案内方向(x軸方向)と交差する方向に傾きを持たせてもよい。また、表示装置100の案内溝103に案内方向(x軸方向)と交差する方向に傾きを持たせてもよい。これにより、ガイド部材1032と案内溝103との嵌合をより強固なものにできる。
【0045】
さらに、表示装置100の表面をゴムなどの摩擦力の大きい部材により構成することで、表示装置100の脱落を確実に防止することもできる。
【0046】
そして、表示装置100が、案内溝103とガイド部材1032とが嵌合した状態で、表示装置装着部13内の接続コネクタ部1034と接合される位置まで移動したことにより、係止部1038が表示装置100の背面に設けられた係止溝119と係合する。これにより、表示装置100の側面開口部130からの脱落を防止できる。
【0047】
また、表示装置100を表示装置装着部13に装着すると側面開口部130の側に表示装置100の操作部102が備えられることとなり、表示装置100をミラー装置11に装着したままでミラー装置11の側方から操作部102による操作を行うことができる。これにより操作部102の操作を行ってもミラー装置11の側方からの操作であるため、ミラー装置11が予め設定した位置から動き難く、再度ミラーの位置(向き)を調整するといった面倒な操作を行うことが少なくなる。
【0048】
また、表示装置100は、表示装置装着部13への装着時に、接続コネクタ部1034と電気的に接続するコネクタ112を備えており、このコネクタ112を介してミラー装置11から電力の供給を受けて動作したり、充電を行ったりする。また、表示装置100は、このコネクタ112を介してミラー装置11から車両1の本体からの車速情報や図示しないカメラで撮影した車両周囲等の画像情報などの車両情報を受信する。
【0049】
表示装置装着部13の背面部1033には音声開口部1035が設けられている。この音声開口部1035は、ミラー装置11に表示装置100が装着された際、表示装置100の背面に設けられた音声出力部105と対向する位置に設けられている。これにより、ミラー装置11に装着された表示装置100の音声出力を表示装置100がミラー装置11に装着されていない場合と同じ状態で行える。
【0050】
なお、音声開口部1035は本実施の形態以外の位置に設けてもよい。つまり、表示装置100の音声出力部105と音声開口部1035とが対向する位置に設けように、表示装置100の音声出力部105の位置に応じて、表示装置装着部13における音声開口部1035位置を変更してもよい。例えば、音声出力部105が表示装置11の下側に存在する場合は、下側の装着面部材1031に音声開口部1035を設ければよい。また、強度を保つためには、音声開口部1035を多数の微小な孔部で構成してもよい。これにより、ミラー装置11に装着された表示装置100の音声出力を表示装置100がミラー装置11に装着されていない場合と同じ状態で、つまりミラー装置11の壁面の出力音声が遮られない状態で音声出力を行える。
【0051】
ミラー装置11に装着された表示装置100を取り外す際にはイジェクトボタン1036をユーザが押下すると、表示装置100の係止溝119と係止部1038の係合が解消される。そして、表示装置装着部13に備えられた押出し部材1037が表示装置100を取り外す方向へ押し出すことにより、ユーザは表示装置100を取り外すことが可能となる。これにより、車室内で表示装置100をミラー装置11から取り外して、目的地検索などを行ったり、表示装置100を車外に持ち出すなどの表示装置100単体での操作や携帯が可能となる。
【0052】
また、ユーザがミラー部12の面積を拡大したい場合は、表示装置100を表示装置装着部13に装着した状態で、表示装置100の機能により表示部101を鏡面とすることで、ユーザは視認性を向上させられる。さらに、表示装置装着部13から表示装置を取り外した状態で、ミラー部12と表示装置装着部13との境界部分にロール状に巻かれて収納された鏡面を引き出したり、ミラー部分12の内側に配置された平面上の鏡面を引き出して、表示装置装着部13を覆う構成を用いて、表示装置装着部全体を鏡面としてもよい。このように、表示装置100をユーザが使用しない場合には、ミラー部分の面積が拡大する構成とすることで、ユーザのミラー装置11を用いた視認性を向上させられる。
【0053】
図6は、図5の表示装置100のミラー装置11の変形例である。図5で説明した構成と異なる点は、図5のガイド部材1032の替わりに、装着面部材1031の表示装置100の着脱方向に直交する方向(−y側)に面部材1039を設けた点である。この構成により、表示装置100を側面開口部130から表示装置装着部13に装着した場合に、表示装置100の着脱方向に直交する方向(−y側)への脱落を防止できる。なお、その他の構成は図5で示した構成と同一である。
【0054】
このように、図5のガイド部材1032、および、図6の面部材1039は、表示装置100の着脱方向(x軸方向)と直交する方向(−y側)に表示装置100が脱落することを防止する制止部材として機能する。
【0055】
また、表示装置装着部13に図5のガイド部材1032と図6の面部材1039とを両方設けてもよい。これにより、表示装置100が着脱方向と直交する方向に脱落することを確実に防止できる。また、表示装置100の面部材1039との接触部分ゴムなどの弾性部材を設けることで、表示装置100の装着時の安定性が向上する。
【0056】
図7は、表示装置100をミラー装置11に対して上方から着脱する構成を詳細に示した図である。図5で説明した構成と異なる点は、側面開口部130の位置が表示装置装着部13の側方から上方に変更された点である。つまり、側面開口部130が車両上側に設けられている点である。
【0057】
側面開口部130が車両上側(+z側)に設けられることに伴い、各部材の配置位置が図5と異なっている。具体的には、表示装置装着部13では、装着面部材1031が+x側、および、−x側に設けられている。また、装着面部材1031に備えられたガイド部材1032がz軸方向と平行に設けられ、接続コネクタ部1034が−z側に設けられている。そして、イジェクトボタン1036+x側に設けられ、押し出し部材1037が−z側に設けられ、および、係止部1038が+y側に設けられている。
【0058】
また、表示装置100では操作部102が+z側に設けられ、案内溝103が+x側および−x側に設けられ、係止溝119が+y側に設けられ、コネクタ112が−z側に設けられている。なお、これらの部材は、上述の図5とは設置位置は異なるが図5で説明した機能と同じ機能を有し、その他の構成は図5で説明した構成と同一である。
【0059】
なお、図7のミラー装置11は表示装置装着部13の位置を図7で示す車両右側から車両左側へ変更することもでき、その際には側面開口部130は車両下側の向きとなる。
【0060】
この場合においても、係止部1038により、表示装置100の側面開口部130からの脱落を防止するとともに、ガイド部材1032により表示装置100の着脱方向(z軸方向)と直交する方向(−y方向)への脱落を防止する。なお、図7のガイド部材1032の替わりに図6で説明した面部材1039をz軸と平行に装着面部材1031に設けて用いることで、表示装置100が着脱方向(z軸方向)と直交する方向(−y方向)に脱落することを防止できる。
【0061】
また、ガイド部材1032および面部材1039の双方を用いることで、表示装置100が側面開口部130からの脱落防止、および、着脱方向と直交する方向への脱落を確実に防止できる。
<1−5.ミラー装置の変形例>
図8は、ミラー装置11と表示装置100との別の第1の形態を示した図である。図8のミラー装置11において、図5で説明した構成と異なる点は、ミラー部12が表示装置装着部13の表面を覆い、ミラー装置11に表示装置100が装着された場合、表示装置装着部13における表示装置100の表示部101とミラー部12とが重なる位置に表示装置開口部1050が設けてられている点である。これにより、ミラー部12の面積が図5のミラー部12よりも拡大し、ユーザのミラー装置11への視認性が向上する。
【0062】
なお、図8では図5で説明した背面部材1033および背面部材1033に設けられた音声開口部1035が設けられていないが、表示装置装着部13のガイド部材1032と案内溝103との嵌合により、背面部材1033がなくとも車両前方への表示装置100の脱落を防止できる。この場合、装置開口部1050の周辺のミラー部12が、2つの装着面部材1031を結合する結合面として機能する。
【0063】
また、表示装置100の背面に図示しない音声出力部が設けられている場合、表示装置装着部13に背面部材1033が設けられていないことにより、音声開口部1035も不要となる。
【0064】
なお、ガイド部材1032の替わりに図6で説明したよう面部材1039と同様の面部材を設けてもよいし、ガイド部材1032およびそのような面部材の両方を設けてもよい。さらに、図5で説明したような背面部材1033のような背面部材を設けてもよく、その際、表示装置100の背面部に音声出力部が備えられている場合は、図5で示したように背面部材における音声出力部に対応する位置に音声開口部1035を設けることもできる。なお、その他の構成は図5で説明した構成と同一である。
【0065】
図9は、ミラー装置11と表示装置100との別の第2の形態を示した図である。図9のミラー装置11において、図5で説明した構成と異なる点は、ミラー装置11の表示装置装着部13の対向する装着面部材1031が存在せず、背面部材1033により、表示装置100を装着する点である。
【0066】
より詳細には、図5では装着面部材1031に設けられていたガイド部材1032が背面部材1033設けられており、ガイド部材1032と表示装置100の背面に設けられた案内溝103とが嵌合することにより、表示装置100がミラー装置11に装着される。これにより、表示装置100の車両後方(−y方向)への脱落を防止する。なお、その他の構成は図5で説明した構成と同一である。
【0067】
さらに、上記の実施の形態では表示装置100の着脱が可能なミラー装置11として、車両1に固定されたバックミラーBR1を覆うように着脱可能なミラー装置11について説明したが、上記の車両1に固定されたバックミラーBR1自体に表示装置装着部13を付加して設け、表示装置100の着脱を可能とする構成としてもよい。
<2−1.表示装置の構成>
図10は表示装置100における電気的構成のブロック図である。表示装置100は、表示部101、操作部102、GPS情報受信部104、音声出力部105、蓄電池106、充電回路107、無線通信送受信部108、メモリ109、ナビゲーション部110、制御部111、コネクタ112、および、加速度センサ113を備えている。
【0068】
表示部101は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部110で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、および、図示しない車両1に備えられたカメラからの画像情報などを表示する。
【0069】
操作部102は、表示装置100に設けられた複数の操作部材、例えばスイッチ、ボリューム等、回転式バルススイッチ等から構成されており、表示装置100の電源をオン、オフするための電源ボタンや、音声出力部105から出力される音声の音量を調整する音量切替ボタンなどからなる。また、表示装置の操作手段としては、これ以外に、表示部101をユーザが指や専用のペンによりタッチパネルを接触すると、その接触された位置が検出され操作するタッチパネルや、遠隔で操作する赤外線や電波式のリモートコントローラー30などがある。
【0070】
GPS情報受信部104は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部110に出力され、GPS信号に基づいて車両1の位置を特定する。
【0071】
音声出力部105は、ナビゲーション部110からの音声情報を出力するためのものであり、表示装置100が単体で使用される場合や、ミラー装置11に装着された場合に音声情報を出力する。
【0072】
蓄電池106は、表示装置100がミラー装置11から取り外された状態では表示装置100の各部に電力を供給する。また、表示装置100がミラー装置11の表示装置装着部13に装着された状態ではコネクタ112の電力供給端子を介して、シガー電源20からの電力供給がなされ、充電回路107によって蓄電池106を充電する。
【0073】
無線通信送受信部108は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得する。無線通信送受信部108には、たとえば、2.4GHz帯域の短距離無線伝送方式であるBluetooth(登録商標)が用いられる。
【0074】
メモリ109はたとえば、読出しと書き込みとが可能なRAMであり、各種制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。
【0075】
ナビゲーション部110は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶したSD(Secure Digital)カード(登録商標)やUSBメモリから取得し、記憶する図示しない地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部104からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーションのための地図画像を作成する。作成した地図画像は、表示部101で表示させることができる。
【0076】
制御部111は、表示装置100の各部を制御する。また、制御部111は、コネクタ112を介して車両本体からの車速情報や図示しないカメラからの画像情報などの各種信号の情報を取得し、それらの情報に基づいて表示装置100を制御する。
また、制御部111は後述する加速度センサ113からの重力加速度情報に基づいて、表示装置100の上下方向の向きの変更を判定し、その向きの変更に伴い、操作部102の複数の操作部材間で操作機能の変更を行う。この操作機能の変更については以下に詳述する。
【0077】
コネクタ112は、ミラー装置11の表示装置装着部13に設けられている接続コネクタ部1034と接続され、シガー電源20からの電力供給を受けたり、車速情報や車両1に備えられたカメラからの画像情報などの車両情報を受信するためのインターフェイスとして機能する。
【0078】
加速度センサ113は、表示装置100の重力加速度を検出する。この重力加速度の情報と、後述する表示装置100に予め設定された座標軸に基づいて、制御部111が表示装置100の上下方向の向きの変更を検出する。
<2−2.表示装置の複数の操作部材間での機能変更>
図11は表示装置100の上下方向の設置状態における表示装置の状態を示す図である。表示装置100は、表示装置100の上下方向の向きの変更を検出するための3次元のXYZ直交座標をメモリなどの記憶装置に記憶して予め設定している。そして、この座標軸と加速度センサ113により検出される重力加速度の情報に基づいて、表示装置100の向きの変更を検出する。
【0079】
具体的には図11の上段に示すように、表示装置100は予め座標軸を設定している。この座標軸は、表示装置100の+Z軸方向が表示装置100の上方向、−Z軸方向が表示装置100の下方向、+X軸方向が表示装置100の右方向、−X軸方向が表示装置100の左方向、+Y軸方向が表示装置100の背面方向、および、−Y軸方向が表示装置100の前面方向として規定されている。この設定では、表示装置100の前面方向に表示部101が設けられ、右方向に操作部102が設けられている。
【0080】
操作部102には、上下方向(Z軸方向)に並べて、複数の操作部材が設けられている。具体的には、表示装置100の上方向から下方向にかけて、表示装置100の電源をON/OFFする電源ボタン1021、表示装置100のナビゲーション機能とオーディオ機能とを切替える機能切替ボタン1022が備えられている。
【0081】
また、表示装置100の音声出力部から出力される音声情報の音量を調整し、上向き矢印が音量を増加させる操作機能の方向部材である音量切替ボタン1023a、下向き矢印が音量を減少させる操作機能の方向部材である音量切替ボタン1023bが備えられている。
【0082】
さらに、ナビゲーション画像と車両1に備えられた後方カメラからの映像とを切替えて表示部101へ出力するカメラ画像切替ボタン1024などが備えられている。なお、ここで示した操作部102の操作部材については一例であり、他の操作部材を備えることもできる。
【0083】
そして、図11の下段に示すように表示装置100の上方向と下方向とを変更することで、操作部102の複数の操作部材間の操作機能を変更する。ここで、表示装置100の上方向と下方向との変更の判定は、制御部111により行われる。
【0084】
具体的には、図11の上段では、加速度センサ113により検出された表示装置100の重力加速度が−Z軸の方向に検出されている。
【0085】
次に、表示装置100の上方向と下方向とを変更することで、図11の下段に示されているように表示装置100の重力加速度が+Z軸方向に検出される。このように座標軸に基づいた重力加速度の検出方向の変化により、表示装置100の上方向と下方向との向きが変更されたと制御部111が判定する。
【0086】
表示装置100の上方向と下方向との変更に伴い、操作部102の操作部材であるボタンの配列も変化する。ここで、各ボタンには電源ボタン1021のようにマークで表示がなされていたり、機能切替ボタン1022のようにその機能について文字表示がなされていることにより、表示装置100が反転したとしてもユーザはそれぞれのボタンの機能を間違うことなく操作できる。
【0087】
また、音量切替ボタン1023a、および、音量切替ボタン1023bは表示装置100の上方向(音量増加)と下方向(音量減少)との向きの変更によって、その位置が反転している。このように一方が上方向を指示する操作機能で、他方が下方向を指示する操作機能に対応した2つの方向部材である場合は、表示装置100の上方向と下方向との変更に伴い、複数の操作部材である2つの方向部材間で対応する方向を反転させる。具体的には、音量切替ボタン1023が音量を上下させる操作機能に対応する方向部材となり、音量切替ボタン1023bが上方向(音量増加)を指示する操作機能となり方向部材となる。また、音量切替ボタン1023aが下方向(音量減少)を指示する操作機能となり方向部材となる。この処理は制御部111が行う。これにより、表示装置100の上下方向の向きに応じてユーザは操作を迷うことなく行える。
【0088】
なお、本実施の形態では音量切替ボタンが1023aおよび音量切替ボタン1023bとが別々の操作部材として構成されている例について述べたが、これらの音量切替ボタンが一体となって、機能的に別々の操作部材となった場合、つまり音量を上下させるボタンが一つの操作部材として設けられた場合でも、表示装置100の上下方向の向きの変更に伴う、操作機能の変更を行うことで、ユーザは操作を迷わず行える。
【0089】
なお、制御部111は、表示装置の上下方向の向きに応じて、表示部101に表示される画像の表示方向を上下方向の向きに応じて反転させる。これにより、ユーザは表示部101と表示部101の上下の向きに応じた向きの画像を視認でき、その画像の表示内容に応じた操作ができる。また、表示部101に表示される画像の表示方向の上下方向の向きの反転は、2つの方向部材が対応する方向を反転させることに伴い行われてもよい。
【0090】
図12は、表示装置100をミラー装置11に装着した状態を示す図である。この図を用いて、音量切替ボタン1023a、および、音量切替ボタン1023b機能変更について詳細に説明を行う。
【0091】
図12の上段はミラー装置11が係合部14により、車両1に固定配置されたバックミラーBR1に係合して固定した状態を示す。そして、車両右側に位置する表示装置装着部13に表示装置100が装着されている構成を示している。
【0092】
ミラー装置11に装着された表示装置100を矢印方向AR1からみると、表示装置装着部13のガイド部材1032に表示装置100の案内溝103が嵌合している。これにより表示装置100の車両後方への脱落を防止できる。
【0093】
表示装置100の操作部102には車両上側から下側にかけて電源ボタン1021、機能切替ボタン1022、音量切替ボタン1023a、音量切替ボタン1023b、および、カメラ画像切替ボタン1024が設けられている。
【0094】
ここで、上方向を指示する操作部材である音量切替ボタン1023aは音量の増加の機能を有し、下方向を指示する操作部材である音量切替ボタン1023bは音量の減少機能を有する。
【0095】
図12下段は図12の上段に示したミラー装置11の上下方向の向きが変更された状態を示し、係合部14によりバックミラーBR1に係合して固定された状態を示している。そして、ミラー装置11の上下方向の向きの変更に伴い、車両左側に位置するミラー装置11に装着されている表示装置100も操作部102の操作部材の配列が反転している状態を示している。
【0096】
ミラー装置11に装着された表示装置100を矢印方向AR2からみると、表示装置装着部13のガイド部材1032に表示装置100の案内溝103が嵌合している。これにより表示装置100の車両後方への脱落を防止できる。
【0097】
表示装置100の操作部102には車両上側から下側にかけてカメラ画像切替ボタン1024、音量切替ボタン1023b、音量切替ボタン1024a、機能切替ボタン1022、および、電源ボタン1021が設けられている。
【0098】
ここで、表示装置100の上下方向の向きの変更による音量切替ボタン1023a、および、音量切替ボタン1023bとの上下方向の向きの反転に伴い、変更前は下方向で、変更後は上方向を指示する操作部材である音量切替ボタン1023bは音量の増加の機能を有する。また、変更前は上方向で、変更後は下方向を指示する操作部材である音量切替ボタン1023bは音量の減少機能を有する。
【0099】
なお、この変更は制御部111が操作機能を変更する。これにより、表示装置100の上下方向の向きの変更に伴い操作部102の操作部材の位置に変更が生じた場合も、ユーザは迷うことなく操作部102の操作を行える。
【0100】
なお、本実施の形態では、制御部111が表示装置100の上下方向の向きに応じて、操作部102の上下方向を指示する操作部材間の操作機能の変更について述べたが、これ以外にも左右方向を指示する操作部材間での操作機能の変更を行ってもよい。例えば、+x側にz軸と略平行に設けられた操作部102を+z側にx軸と略平行に設けて、これらの操作部材間での操作機能の変更を行ってもよい。
【0101】
<3.処理フロー>
次に、図13の処理フローを用いて、表示装置100の上下方向の向きの変更に伴う制御部111の処理について述べる。なお、この処理は表示装置100の電源ON時に開始され、所定時間ごとに繰り返し実行される。表示装置100の制御部111が加速度センサ113からの表示装置100の重力加速度情報を読み込んだ場合(ステップS202がYes)は、制御部111は予め設定された座標軸に基づいて、表示装置100の重力加速度の方向を検出する。
【0102】
ステップS202の判定に戻り、加速度センサ113からの表示装置100の重力加速度情報を受信した場合に、制御部111が検出した表示装置100の重力加速度の方向が予め設定された座標軸に基づいて表示装置100が反転している判定された場合(ステップS203がYes)は、操作部102の操作部材間の操作機能の設定を変更する(ステップS204)。
【0103】
具体的には、上方向を指示して音量の増加機能を有する音量切替ボタン1023aと、下方向を指示して音量の減少機能を有する音量切替ボタン1023bとの複数の操作部材間での操作機能を変更する。
【0104】
これにより、ユーザは表示装置100の上下方向の向きの変更が行われても、操作を迷うことなく行える。
【0105】
ステップS204の処理終了後は、表示機能の設定変更を行う。具体的には、表示装置100の上下方向の向きの変更に伴い、表示部101に表示されている画像の表示方向を反転させる。これにより、ユーザは表示部101と操作部102との位置に適した画像を視認でき、その画像表示に応じた操作ができる。
【0106】
なお、ステップS203で表示装置100の上下方向の向きの変更が検出されていない場合は、処理を終了する。
【符号の説明】
【0107】
11・・・・・ミラー装置
12・・・・・ミラー部
13・・・・・表示装置装着部
14・・・・・係合部
100・・・・表示装置
101・・・・表示部
102・・・・操作部
103・・・・案内溝
1032・・・ガイド部材
1038・・・係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に固定配置されたバックミラーのミラー面を覆うように着脱可能なミラー装置であって、
ユーザがミラーに映る物体を視認するミラー部と、
前記ユーザの操作により所定の画像を表示する可搬性の表示装置を装着する表示装置装着部と、
を備えることを特徴とするミラー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のミラー装置において、
前記表示装置装着部は、前記表示装置を一方向に着脱可能とする第1の開口部、
を有することを特徴とするミラー装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のミラー装置において、
前記表示装置装着部は、前記ミラー装置の長手方向の一端に設けられることを特徴とするミラー装置。
【請求項4】
請求項3に記載のミラー装置において、
前記バックミラーに対して係合し、前記表示装置装着部の位置を運転席側および助手席側の双方に変更可能とする係合部、
をさらに備えることを特徴とするミラー装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のミラー装置において、
前記表示装置装着部は、前記表示装置の装着時に前記表示装置の音声出力部と対向する位置に第2の開口部、
を備えることを特徴とするミラー装置。
【請求項6】
車両に搭載されるミラーシステムであって、
請求項1ないし5のいずれかに記載のミラー装置と、
前記ユーザの操作により所定の画像を表示する可搬性の前記表示装置と、
を備えることを特徴とするミラーシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のミラーシステムにおいて、
前記表示装置装着部は、前記表示装置を一方向に着脱可能とする第1の開口部、
を有し、
前記表示装置は、装着時において前記表示装置装着部の前記第1の開口部の側に操作部を備えることを特徴とするミラーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−156895(P2011−156895A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−17967(P2010−17967)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】