説明

ユーザ行跡追跡システム、方法および媒体

【課題】ユーザ行跡追跡システム、方法および媒体に関するものであって、より一層詳細に紛失物が発生し易い位置でのユーザの行動を感知して、これを所定の指標行動として認識して、前記感知された位置および前記認識された指標行動をユーザの行跡として保存して、前記保存された行跡情報をユーザに提供することによってユーザが紛失物を容易に追跡することができるようにするユーザ行跡追跡システム、方法および媒体を提供する。
【解決手段】ユーザ行跡追跡システムは、ユーザの位置を感知する位置感知部、前記ユーザの行動を感知する行動感知部、前記感知されたユーザの行動を所定の指標行動として認識する行動認識部、前記感知された位置および前記認識された指標行動を前記ユーザの行跡として保存する行跡保存部、および前記ユーザの要請によって前記保存された行跡を前記ユーザに提供する情報提供部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はユーザ行跡追跡システム、方法および媒体に関するものであって、より詳細には紛失物が発生し易い位置でのユーザの行動を感知して、これを所定の指標行動として認識し、前記感知された位置および前記認識された指標行動を前記ユーザの行跡として保存し前記保存された行跡情報をユーザに提供することによって、ユーザが紛失物を容易に追跡することができるようにするユーザ行跡追跡システム、方法および媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地下鉄の棚にカバンをおいておりたり財布をなくすこと、昨日使用したはさみを家のどこに置いたかを記憶しておらず、すぐに使用できないことなどは複雑な社会を忙しく生きる現代人にめずらしくなく起きることであり、発生時にストレスを誘発するだけでなく、紛失物の種類によって相当な経済的被害を伴うようになる。
【0003】
特に、記憶力の減退傾向をみせる老人たちにはこのような紛失が日常生活自体を妨害する程度に頻繁に発生するようになり、社会の高齢化が進みつつ、これ以上個人の不便さに留まらず社会全体の費用増加につながっている。
【0004】
このような問題に対応するために紛失物の追跡のため多様な方法が提案されてきたが、従来の提案は基本的に管理しようとする物に無線送信機またはRF IDタグを付着し、物とユーザ間の距離が一定水準以上離れると警報を鳴ならすようにしたり、紛失後、別途の無線受信機またはRF IDリーダー機を使用して紛失した物の位置を探知する方式が主に使用されている。
【0005】
このような方法は紛失が予想されるすべての物に無線送信機を付着しなければならないというユーザの前提を要求するがユーザビリティ(usability)の観点からこれは非現実的で管理しようとする物の個数に比例して、送信機による追加費用が発生するという問題点がある。
【特許文献1】米国特許第5461711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はユーザの主要身体部位にユーザの行動を感知し得る装置を装着して、感知されたユーザの行動を所定の指標行動として認識し、これを感知された位置と一緒に行跡として保存し、ユーザ要請時に保存された行跡をユーザに提供してユーザが容易に行跡を辿ることができるようにするユーザ行跡追跡システム、方法および媒体を提供することにその目的がある。
【0007】
本発明の目的は以上で言及した目的に制限されず、言及されていないまた他の目的は次の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡システムは、ユーザの位置を感知する位置感知部、前記ユーザの行動を感知する行動感知部、前記感知されたユーザの行動を所定の指標行動として認識する行動認識部、前記感知された位置および前記認識された指標行動をユーザの行跡として保存する行跡保存部、および前記ユーザの要請によって前記保存された行跡を前記ユーザに提供する情報提供部を含む。
【0009】
また、前記目的を達成するために、本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡方法は、ユーザの位置を感知する段階、前記ユーザの行動を感知する段階、前記感知された行動を所定の指標行動として認識する段階、前記感知された位置および前記認識された指標行動をユーザの行跡として保存する段階、および前記ユーザの要請によって前記保存された行跡を前記ユーザに提供する段階を含む。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡方法は、ユーザの行動を感知する段階、前記感知された行動を所定の指標行動として認識する段階、前記認識された指標行動を該当位置および時間と共に前記ユーザの行跡として保存する段階、および要請によって前記保存された行跡を提供する段階を含む。
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡システムは、ユーザの行動を感知する行動感知部、前記感知された行動を所定の指標行動として認識する行動認識部、前記認識された指標行動を該当位置および時間と共に前記ユーザの行跡として保存する行跡保存部、要請によって前記保存された行跡を提供する情報提供部を含む。
【発明の効果】
【0012】
前記したような本発明のユーザ行跡追跡システム、方法および媒体によれば次のような効果が一つあるいはそれ以上ある。
【0013】
ユーザの指標行動を指標行動が認識された時間および位置と一緒に行跡として保存した後、ユーザの要請によってユーザの移動経路と連係してユーザの行跡を照会し得るためユーザが記憶を取り戻すのを助け、紛失物発生時に容易に紛失物を追跡することができるという効果がある。
【0014】
また、物ごとに別途の紛失防止のための装置を装着する必要がないためユーザの便宜性が向上し、紛失防止のための費用を節減することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
その他、実施形態の具体的な事項は詳細な説明および図に含まれている。
【0016】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付された図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で具現され、単に本実施形態は本発明の開示が完全なようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるもので、本発明は請求項の範囲によってのみ定義される。 明細書全体にかけて、同一参照符号は同一構成要素を指称する。
【0017】
以下、本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡システム、方法および媒体を説明するためのブロック図または処理フローチャートに対する図を参照し、本発明に対して説明する。この時、処理フローチャート図の各ブロックとフローチャート図の組合せはコンピュータプログラムインストラクションによって、遂行され得る可能性があることを理解するはずである。
【0018】
これらコンピュータプログラムインストラクションは凡庸コンピュータ、特殊用コンピュータまたはその他プログラム可能なデータプロセシング装備のプロセッサに搭載され得るため、コンピュータまたはその他プログラム可能なデータプロセシング装備のプロセッサを通して、遂行されるそのインストラクションがフローチャートブロックで説明された機能を遂行する手段を生成するようになる。これらコンピュータプログラムインストラクションは特定方式で機能を具現するためにコンピュータまたはその他プログラム可能なデータプロセシング装備を指向できるコンピュータ利用可能またはコンピュータ判読可能メモリに保存されるのも可能なため、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ判読可能メモリに保存されたインストラクションはフローチャートブロックで説明された機能を遂行するインストラクション手段を内包する製造品目を生産することも可能である。
【0019】
コンピュータプログラムインストラクションはコンピュータまたはその他プログラム可能なデータプロセシング装備上に搭載されることも可能なため、コンピュータまたはその他プログラム可能なデータプロセシング装備上で一連の動作段階が遂行され、コンピュータで実行されるプロセスを生成し、コンピュータまたはその他プログラム可能なデータプロセシング装備を遂行するインストラクションはフローチャートブロックで説明された機能を実行するための段階を提供することも可能である。
【0020】
また、各ブロックは特定された論理的機能を実行するための一つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示し得る。また、いくつかの代替実行例ではブロックで言及された機能が順序をはずれ、発生することも可能であることに注目しなければならない。例えば、次々に図示される二つのブロックは事実、実質的に同時に遂行されることも可能で、またはそのブロックが時々該当する機能によって逆順で遂行されることも可能である。
【0021】
図1は本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡システムが図示された図である。
図示されたように、本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡装置100は、ユーザの位置を感知する位置感知部110、ユーザの行動を感知する行動感知部120、感知されたユーザの行動を所定の指標行動として認識する行動認識部130、感知された位置および認識された指標行動をユーザの行跡として保存する行跡保存部140、およびユーザの要請によって保存された行跡をユーザに提供する情報提供部150を含む。
【0022】
位置感知部110はGPS(Global Position System)およびインドア(Indoor) GPSなどの公知された室内外位置感知技術を利用してユーザの位置を感知することができ、位置感知部110は所定の時間間隔でユーザの位置を感知したりユーザの行動が所定の指標行動として認識された時、ユーザの位置を感知することができるが、これに限定されない。本発明の実施形態では位置感知部110がユーザの行動が所定の指標行動として認識された時、ユーザの位置を感知する場合を例をあげ説明しているが、これは本発明の理解を助けるための一例として理解され得る。
【0023】
具体的に、位置感知部110は室内および室外でユーザの位置を感知することができる。また、ユーザの位置をより具体的に生成するために、位置感知部110は室内および室外に対する内蔵されたマップ(map)を参照したり外部に保存されたマップをネットワークを通して参照することができる。
【0024】
行動感知部120はユーザの主要身体部位に装着される多様なセンサを利用してユーザの行動を感知することができる。具体的に、行動感知部120は慣性センサ(inertial sensor)、圧力センサ(pressure sensor)、筋電図センサ(electromyogram sensor)およびパルスセンサ(pulse sensor)等を利用してユーザの行動を感知することができる。このようなセンサはユーザの身体主要部位に装着されてユーザの動き、脈博などを測定するようになる。
【0025】
例えば、慣性センサはユーザの腰や手首部位に装着され歩行や衝突のような身体の移動を測定することができ、圧力センサや筋電図センサは手首部位に装着され握る、置くなどの手の動作を測定することができる。一例として、Kanasugi et al、「Measurement of Human Behavior and Identification of Activity Modes by Wearable Sensors」、The 24th Asian Conference on Remote Sensingではユーザが着用した慣性センサの信号から歩行および階段の上り下りという特定の行動を感知する実例をみせている。
【0026】
このような多様なセンサの測定結果によって行動感知部120が感知するユーザの行動を例をあげて、説明すれば次の通りである。
【0027】
行動感知部120はユーザの動きの測定結果によってぶつかる行動および落ちる行動を感知することができ、ユーザの眼球運動、アルファ波、脈博および呼吸などの測定結果、うとうとする行動を感知することができる。また、行動感知部120は腕の筋力信号測定結果、掴む行動を感知することができ、ユーザの四肢の相対的位置、動きおよび圧力などの測定結果、座る行動を感知することができる。また、行動感知部120は四肢の相対的位置、動きおよび脈博などの測定結果、走る行動を感知することができ、アルファ波、脈博およびアドレナリン数値などの測定結果、急ぐ行動を感知することができる。もちろん、前述したことのような行動感知部120によって感知される行動は本発明の理解を助けるための一例に過ぎないものでこれに限定されない。
【0028】
行動認識部130は行動感知部120によって感知されたユーザの行動を所定の指標行動として認識することができる。この時、指標行動とは、ユーザの日常で発生する多様な行動のうち特定結果を誘発するに容易な行動を指称するものと理解し得る。例えば、車から降りる瞬間にはポケットの中の財布やキーホルダーを落とし易く、食堂で食事を終えて出てくる時、傘やカバンをおいて出て来やすいという体験に基づいて、紛失物が発生し易い指標行動として“体を起こし、車から降りる行動”や“突然立ち上がる行動”などが紛失物の発生と密接な指標行動として指摘され得るものである。
【0029】
また、本発明の実施形態では行動認識部130によって認識される指標行動が紛失物が発生し易い行動の場合を例をあげて、説明することにしながら、行動認識部130は行動感知部120によって、感知された行動が、紛失物が発生し易い指標行動に該当するかを認識することができる。
【0030】
この時、紛失物が発生し易い指標行動としては、衝突、墜落、眠気、握ること、横になること、起きること、走ること、急ぐことが含まれるが、これに限定されない。
【0031】
行跡保存部140は感知された位置および認識された指標行動をユーザの行跡情報として保存することができる。また、行跡保存部140に保存される行跡情報としては感知された位置および認識された指標行動とさらに指標行動が認識された時間が含まれ得るが、これに限定されない。この時、行跡保存部140に保存される行跡は時間単位、月単位および年単位などで保存されることでき、所定時間が経過するようになれば以前に保存されたユーザの行跡は削除され得る。
【0032】
情報提供部150はユーザの要請によって行跡保存部140に保存された行跡情報を根拠として所定時間単位または指標行動が発生した時点単位で保存されたユーザの行跡をユーザに提供することができる。
【0033】
情報提供部150はユーザの行跡をテキストの形態で提供する事もでき、所定のグラフィックユーザインターフェースを通して提供することもできる。本発明の実施形態では情報提供部150が所定のグラフィックユーザインターフェースを通してユーザの提供する場合を例をあげて説明することにする。もちろん、情報提供部150がテキストの形態でユーザの行跡を提供する場合であるといっても、ユーザの行跡を、グラフィックユーザインターフェースを通して提供される場合と提供される行跡に含まれる情報は同一に提供され得る。
【0034】
情報提供部150がユーザの行跡を提供する時、利用するグラフィックユーザインターフェースは、所定マップ上にユーザの移動軌跡、指標行動、指標行動が認識された位置、および指標行動が認識された時間などを含み得る。したがって、ユーザは情報提供部150から提供するユーザの行跡に従いつつ紛失物が発生した瞬間および位置に対する記憶を思い出したり、少なくともその照会範囲を狭めることができるようになる。
【0035】
図2ないし図4は本発明の実施形態によるグラフィックユーザインターフェースが図示された図である。
【0036】
本発明の実施形態によるグラフィックユーザインターフェース200は、図2と共に所定マップ210上にユーザの移動軌跡220、行動認識部130によって認識された指標行動を示す多数のシンボル(symbol)230、240、250がディスプレイされ得る。
【0037】
例えば、ユーザが財布を紛失したことを悟り記憶を確かめたところ最後に財布を取り出して使用した位置が昨日空港ターミナルの売店だとすると、ユーザは150から提供するユーザの行跡を利用して空港ターミナルを訪問した時点を基準として所定の時間指標行動、すなわち財布を紛失した可能性が高い行動をしたこと等を順次的に照会することによって、その過程で最後に財布をおいた位置に対する記憶をよみがえらせることができる。
【0038】
前述した図2ではユーザが情報提供部150から提供するユーザの行跡として照会地点を金浦(キンポ)空港230と設定した場合、マップ範囲を調節して金浦空港230で指標行動、指標行動が認識された位置、指標行動が認識された時間などをユーザに提供することができる。
【0039】
また、ユーザが照会地点を延世大240と設定した場合、情報提供部150は図3と共に、金浦空港230に続き指標行動が認識された位置の延世大240がみられるようにマップの範囲を調節するようになる。もちろん、前述した図2および図3では金浦空港230および延世大240の間に移動軌跡220が表示された場合を例をあげ説明しているが、これは本発明の理解を助けるための一例に過ぎないもので、これに限定されず移動軌跡220は省略されることもあり、実際移動軌跡と必ずしも一致しないこともある。また、前述した図2および図3ですでにユーザが照会した照会地点の間は実線で表示して、照会していない照会地点は点線で表示され、ユーザがどの地点まで照会したのかを容易に判断することができるようになる。
【0040】
また、ユーザは照会地点を時間順またはその逆順に移動させることができ、照会地点の移動は所定のキー入力を通してなされ得る。この時、キーボードのキー、タッチパッド、ジョイスティックなど方向を変更できる多様な形態でなされ得る。
【0041】
一方、室内でのように指標行動が認識された位置間の距離が短い場合には図4のようにマップを変更してディスプレイすることができる。言い換えれば、前述した図2および図3のように室外で指標行動が認識された場合には室外マップを使用するようになるが、室内では図4にように室内マップを使用することができるものである。
【0042】
この時、図4の場合には多用途室250で指標行動の「何か下ろした」のようなメッセージを見てユーザは始めて財布を多用途室250にあるカバンの中に入れておいたことを思い出すことができる。
【0043】
したがって、ユーザは情報提供部150によって提供されるユーザ行跡を利用して指標行動、指標行動が認識された位置および指標行動が認識された時間を時間順序およびその逆順のうち少なくとも一つによって照会されることによって、物を紛失した位置および時間などを検索していけるようになる。
【0044】
このような本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡装置100は、ハードウェア的に統合され構成されることもでき、別途に構成され得る。例えば、位置感知部110、行動感知部120、行動認識部130および行跡保存部140はユーザの身体部位に装着され、情報提供部150はユーザが所持した携帯電話などのような携帯用端末機に装着され得る。
【0045】
この時、情報提供部150が図5のように、ユーザが所持した携帯用端末機に装着された場合、情報提供部150は近距離無線通信を利用して行跡保存部140からユーザ行跡を抽出し、抽出されたユーザ行跡をグラフィックユーザインターフェースを利用してユーザに提供することができる。このために、情報提供部150は抽出されたユーザ行跡をグラフィックユーザインターフェースを利用してユーザに提供するためのディスプレイ部(151)を含むことができ、ディスプレイ部(151)は携帯用端末機の液晶として理解することができる。
【0046】
また、図5にはユーザの行動を感知することができる行動感知部120がユーザの手首部位と腰部位に装着されたものと理解することができ、各々互いに異なるセンサが装着され得る。この時、前述した図5には行動感知部120だけがユーザの身体主要部位に装着されたものと図示されているが、これは本発明の理解を助けるための一例に過ぎないもので、これに限定されず位置感知部110、行動感知部120、行動認識部130および行跡保存部140が一体型で構成され装着されることもできる。
【0047】
以下、本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡方法を詳細に察し見る。
本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡方法は、大きくユーザの行跡を保存する方法と保存された行跡をユーザに提供する方法に分けることができる。
【0048】
図6は本発明の実施形態によるユーザの行跡を保存する方法が図示された図である。
図示されたように、本発明の実施形態によるユーザの行跡を保存する方法は、まず行動感知部120がユーザの身体の主要部位に装着された多様なセンサを利用してユーザの行動を感知するようになる(S110)。この時、ユーザの身体主要部位に装着されるセンサとしては、前述したように慣性センサ、圧力センサ、筋電図センサおよび心臓拍動センサなどが含まれ得るが、これに限定されない。
【0049】
行動認識部130は多様なセンサによって感知されたユーザの行動を所定の指標行動と比較し(S120)、比較の結果、感知された行動が指標行動であるかの可否を認識するようになる。
【0050】
本発明の実施形態で指標行動は、ユーザが物を紛失し易い行動の場合を例をあげ、説明しているため、行動認識部130は行動感知部120によって感知されたユーザの行動を事前保存された指標行動、例えば衝突する行動、墜落する行動、うとうとする行動、眠る行動、座る行動、横になる行動、起きる行動、走る行動、急ぐ行動などと比較して、比較結果によって感知された行動が指標行動であるかの可否を認識するものである。
【0051】
もちろん、本発明の実施形態では指標行動が、ユーザが物を紛失し易い行動の場合の例をあげ説明しているが、これに限定されず特定結果を生じ易いユーザの行動であり得る。したがって、本発明は単に紛失物を追跡するのに限定されず、ユーザの行動を感知して、感知された行動による特定結果を類推する分野に適用され得る。
【0052】
行動認識部130によって感知された行動が指標行動として認識された場合(S130)、位置感知部110は指標行動が認識された位置を感知して、指標行動が認識された時間を感知するようになる(S140)。この時、本発明の実施形態では位置感知部110が、指標行動が認識された位置および時間をすべて感知する場合を例をあげて説明しているが、これに限定されず指標行動が認識された時間を感知する構成要素が別途に利用され得る。
【0053】
行跡保存部140は行動認識部130によって認識された指標行動とそれによって感知される指標行動が認識された位置および時間を含む行跡情報を保存するようになる(S150)。
【0054】
図7は本発明の実施形態によるユーザの行跡をユーザに提供する方法が図示された図である。
図示されたように、本発明の実施形態によるユーザの行跡をユーザに提供する方法は、先にユーザが物を紛失した時、ユーザの行跡を要請するようになる(S210)。この時、ユーザが行跡を要請する方式は、情報提供部150が装着された携帯用端末機を利用することができるが、これに限定されない。
【0055】
ユーザがユーザの行跡を要請すれば、情報提供部150は行跡保存部140に保存された行跡情報を抽出するようになり(S220)、抽出された行跡情報を前述したグラフィックユーザインターフェースを利用してユーザに提供するようになる(S230)。この時、S230段階で情報提供部150はグラフィックユーザインターフェースだけでなく、テキスト形態にも行跡をユーザに提供することができる。
【0056】
ユーザは情報提供部150によって提供されたグラフィックユーザインターフェースを確認し、指標行動が認識された位置と時間を時間順序およびその逆順のうち少なくとも一つの順序によって照会し、物を紛失した位置と時間を照会するようになる(S240)。
【0057】
このように、ユーザは紛失物が発生した時、指標行動、指標行動が認識された位置および指標行動が認識された時間を連係した行跡を利用して記憶を辿ることによって、物を紛失した位置と時間を特定し得るようになるものである。
【0058】
本発明の実施形態で使用される用語のうち「〜部(Unit)」はソフトウェアまたはField Programmable Gate Array(FPGA)または注文型半導体(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)のようなハードウェア構成要素を意味し、部はある役割を遂行する。ところが部はソフトウェアまたはハードウェアに限定される意味ではない。
部はアドレッシングできる保存媒体にあるように構成されることもできてするがまたはそれ以上のプロセッサを実行させるように構成され得る。
【0059】
したがって、一例として部はソフトウェア構成要素、オブジェクト指向のソフトウェア構成要素、クラス構成要素およびタスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシーザ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および変数を含む。構成要素と部で提供される機能はさらに小さい数の構成要素および部に結びついたり追加的な構成要素と部にさらに分離することができる。
【0060】
本発明の実施形態は媒体、例をあげればコンピュータ判読媒体内(in)/上(on)にコンピュータ判読コード/命令語を通して具現され、前述した実施形態を具現する少なくとも一つのプロセシング要素(element)を制御することもできる。前記媒体はコンピュータ判読コードの保存および/または伝送を許容する媒体/メディアに該当し得る。
【0061】
コンピュータ判読コードは多様な方法で媒体上に記録/伝送され得る。前記媒体は例をあげれば、マグネチック保存メディア(例をあげれば、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)および光学記録メディア(例をあげれば、CD−ROM、またはDVD)およびインターネットを通したものだけでない搬送波(carrier wave)のような伝送メディアを含み得る。したがって、本発明の実施形態による媒体は合成信号やビットストリーム(bitstream)のような信号でもあり得る。メディアはまた分散ネットワークでもあり得、コンピュータ判読コードが分散方式で保存/伝送および実行され得る。また、プロセシング要素はプロセッサまたはコンピュータプロセッサを含むことができ、プロセシング要素は分散して/分散したり単一(single)デバイス内に含み得る。
【0062】
以上のように本発明によるユーザ行跡追跡システム、方法および媒体を例示された図面を参照として説明したが、本明細書に開示された実施形態と図面によって、本発明は限定されず、その発明の技術思想の範囲内で当業者によって、多様な変形が成され得るのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態によるユーザ行跡追跡システムを図示した図である。
【図2】本発明の実施形態によるグラフィックユーザインターフェースが図示された概略図である。
【図3】本発明の実施形態によるグラフィックユーザインターフェースが図示された概略図である。
【図4】本発明の実施形態によるグラフィックユーザインターフェースが図示された概略図である。
【図5】本発明の実施形態によりユーザの身体部位に装着されたユーザ行跡保存装置が図示された概略図である。
【図6】本発明の実施形態によるユーザ行跡を保存する方法が図示された順序図である。
【図7】本発明の実施形態による保存されたユーザ行跡をユーザに提供する方法が図示された順序図である。
【符号の説明】
【0064】
110 位置感知部
120 行動感知部
130 行動認識部
140 行跡保存部
150 情報提供部
151 ディスプレイ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置を感知する位置感知部と、
前記ユーザの行動を感知する行動感知部と、
前記感知されたユーザの行動を所定の指標行動として認識する行動認識部と、
前記感知された位置および前記認識された指標行動を前記ユーザの行跡として保存する行跡保存部、および
前記ユーザの要請によって前記保存された行跡を前記ユーザに提供する情報提供部を含むユーザ行跡追跡システム。
【請求項2】
前記位置感知部は、GPS(Global Positioning System)およびインドア(Indoor)GPSのうち少なくとも一つを利用して前記位置を感知する請求項1に記載のユーザ行跡追跡システム。
【請求項3】
前記行動感知部は、慣性センサ(inertial sensor)、圧力センサ(pressure sensor)、筋電図センサ(electromyogram sensor)およびパルスセンサ(pulse sensor)のうち少なくとも一つを利用して前記ユーザの行動を感知する請求項1に記載のユーザ行跡追跡システム。
【請求項4】
前記行動認識部、前記感知された行動と既保存された指標行動を比較して、前記比較結果によって前記感知された行動を前記指標行動として認識する請求項1に記載のユーザ行跡追跡システム。
【請求項5】
前記情報提供部は、所定マップに前記ユーザの移動軌跡、前記指標行動、前記指標行動が認識された時間、前記指標行動が認識された位置のうち少なくとも一つをディスプレイするためのディスプレイ部を含む請求項1に記載のユーザ行跡追跡システム。
【請求項6】
前記ユーザは、現在時間を始まりとして前記指標行動が認識された時間まで、あるいは前記指標行動が認識された時間を始まりとして現在時間まで前記行跡を照会する請求項5に記載のユーザ行跡追跡システム。
【請求項7】
前記指標行動は、衝突する行動、墜落する行動、倒れる行動、うとうとする行動、走る行動、座る行動、立ち上がる行動、急ぐ行動および下ろす行動のうち少なくとも一つを含む 請求項1に記載のユーザ行跡追跡システム。
【請求項8】
ユーザの位置を感知する段階と、
前記ユーザの行動を感知する段階と、
前記感知された行動を所定の指標行動として認識する段階と、
前記感知された位置および前記認識された指標行動をユーザの行跡として保存する段階と、
前記ユーザの要請によって前記保存された行跡を前記ユーザに提供する段階を含むユーザ行跡追跡方法。
【請求項9】
前記指標行動は、衝突する行動、墜落する行動、倒れる行動、うとうとする行動、走る行動、座る行動、立ち上がる行動、急ぐ行動のうち少なくとも一つを含む請求項8に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項10】
前記行動を感知する段階は、前記ユーザの手首部位および腰部位のうち少なくとも一つに装着された慣性センサを利用して前記ユーザの慣性の動きを感知する段階を含む請求項8に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項11】
前記行動を感知する段階は、前記ユーザの手首部位に装着された圧力センサおよび筋電図センサのうち少なくとも一つを利用して前記ユーザの手の動作を感知する段階を含む請求項8に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項12】
前記行動を感知する段階は、パルスセンサを利用して前記ユーザの心拍数を感知する段階を含む請求項8に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項13】
前記指標行動を認識する段階は、前記感知されたユーザの行動と既保存された指標行動を比較する段階、および
前記比較結果によって前記感知された行動を所定の指標行動として認識する段階を含む 請求項8に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項14】
前記位置を感知する段階は、GPSおよびインドアGPSのうち少なくとも一つを利用して前記位置を感知する段階を含む請求項8に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項15】
前記行跡を提供する段階は、所定マップに前記指標行動に該当するシンボル(symbol)がオーバーレイ(overlay)された前記ユーザの移動軌跡をディスプレイする段階をさらに含む請求項8に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項16】
前記行跡を提供する段階は、前記提供された行跡を現在時間を始まりとして前記指標行動が認識された時間まで照会する段階を含む請求項15に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項17】
前記行跡を提供する段階は、前記指標行動が認識された時間を始まりとして現在時間まで前記提供された行跡を照会する段階を含む請求項15に記載のユーザ行跡追跡方法。
【請求項18】
第8項の方法を具現する少なくとも一つのプロセシング要素(element)を制御するためのコンピュータリーダブル(readable)コードを含む少なくとも一つの媒体。
【請求項19】
ユーザの行動を感知する段階と、
前記感知された行動を所定の指標行動として認識する段階と、
前記認識された指標行動を該当位置および時間と共に前記ユーザの行跡として保存する段階と、
要請によって前記保存された行跡を提供する段階を含む、ユーザ行跡追跡方法。
【請求項20】
第19項の方法を具現する少なくとも一つのプロセシング要素を制御するためのコンピュータリーダブルコードを含む少なくとも一つの媒体。
【請求項21】
ユーザの行動を感知する行動感知部と、
前記感知された行動を所定の指標行動として認識する行動認識部と、
前記認識された指標行動を該当位置および時間と共に前記ユーザの行跡として保存する行跡保存部と、
要請によって前記保存された行跡を提供する情報提供部を含む、ユーザ行跡追跡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−175816(P2008−175816A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339953(P2007−339953)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】