説明

レニン阻害剤

本発明は、アミノ末端基を含有する式を有するピペリジニル系レニン阻害化合物、ならびに心血管イベントおよび腎不全の治療におけるこれらの使用に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求にかかる発明は、Merck & Co.,IncとActelion Pharmaceuticals Ltd.との間の共同研究契約の範囲内で進められた活動の結果としてなされた。本契約は2003年12月4日に発効された。本発明の分野を以下に記載する。
【0002】
本発明は、一般式(I)の新規レニン阻害剤に関する。本発明はまた、本化合物を調製する方法、1種または複数の式(I)の化合物を含有する医薬組成物、特に心血管イベントおよび腎機能障害におけるレニン阻害剤としてのこれらの使用を含む関連態様に関する。
【背景技術】
【0003】
レニン−アンジオテンシン系(RAS)において、生物学的に活性なアンジオテンシンII(AngII)は2段階機序により生成される。高度に特異的な酵素であるレニンは、アンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンI(Ang I)に開裂させ、次いで、AngIは、特異性が小さいアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりAngIIにさらに処理される。AngIIは、ATおよびATと称される少なくとも2種の受容体サブタイプに作用することが知られている。ATはAngIIの既知の機能の大部分を伝達すると考えられている一方、ATの役割は依然として不明である。
【0004】
RASの調節は、心血管疾患治療における主要な進歩を表している。ACE阻害剤およびAT遮断剤は、高血圧の治療に承認されている(Waeber B.ら、「The renin−angiotensin system:role in experimental and human hypertension」、Birkenhager W.H.、Reid J.L.(編):Hypertension、Amsterdam、Elsevier Science Publishing Co、1986、489−519頁;Weber M.A.、Am.J.Hypertens.、1992、5、247頁)。さらに、ACE阻害剤は、腎臓保護(Rosenberg M.E.ら、Kidney International、1994、45、403頁;Breyer J.A.ら、Kidney International、1994、45、156頁)に使用され、欝血性心不全(Vaughan D.E.ら、Cardiovasc.Res.、1994、28、159頁;Fouad−Tarazi F.ら、Am.J.Med、1988、84(増補3A)、83頁)および心筋梗塞(Pfeffer M.A.ら、N.Engl.J.Med.、1992、327、669頁)の予防に使用される。
【0005】
レニン阻害剤を開発する根拠は、レニンの特異性である(Kleinert H.D.、Cardiovasc.Drugs、1995、9、645頁)。レニンについて公知の唯一の基質はアンジオテンシノーゲンであり、アンジオテンシノーゲンは(生理学的条件下で)レニンによってのみ処理され得る。これに対し、ACEはAngIの他にブラジキニンを開裂させることもでき、セリンプロテアーゼであるキマーゼにより迂回され得る(Husain A.、J.Hypertens.、1993、11、1155頁)。したがって、患者において、ACEを阻害することによりブラジキニンが蓄積し、咳(5−20%)および潜在的に重篤な血管神経性浮腫(0.1−0.2%)が惹起される(Israili Z.H.ら、Annals of Internal Medicine、1992、117、234頁)。キマーゼはACE阻害剤によっては阻害されない。したがって、ACE阻害剤により治療された患者においてはAngIIの形成が依然として考えられる。一方、(例えば、ロサルタンによって)AT受容体を遮断することにより、他のAT受容体サブタイプ(例えば、AT)が、AT受容体の遮断により濃度が顕著に増大したAngIIに過剰に曝露される。要約すると、レニン阻害剤は、RASの遮断および安全性の面における効力に関して、ACE阻害剤およびAT遮断剤とは異なる薬学的プロファイルを示すことが予期される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Waeber B.ら、「The renin−angiotensin system:role in experimental and human hypertension」、Birkenhager W.H.、Reid J.L.(編):Hypertension、Amsterdam、Elsevier Science Publishing Co、1986、489−519頁
【非特許文献2】Weber M.A.、Am.J.Hypertens.、1992、5、247頁
【非特許文献3】Rosenberg M.E.ら、Kidney International、1994、45、403頁
【非特許文献4】Breyer J.A.ら、Kidney International、1994、45、156頁
【非特許文献5】Vaughan D.E.ら、Cardiovasc.Res.、1994、28、159頁
【非特許文献6】Fouad−Tarazi F.ら、Am.J.Med、1988、84(増補3A)、83頁
【非特許文献7】Pfeffer M.A.ら、N.Engl.J.Med.、1992、327、669頁
【非特許文献8】Kleinert H.D.、Cardiovasc.Drugs、1995、9、645頁
【非特許文献9】Husain A.、J.Hypertens.、1993、11、1155頁
【非特許文献10】Israili Z.H.ら、Annals of Internal Medicine、1992、117、234頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、非ペプチド性低分子量のレニン阻害剤の同定に関する。組織のレニン−キマーゼ系を活性化し、局所的機能、例えば腎臓、心臓および血管のリモデリング、アテローム性動脈硬化症、ならびにおそらく再狭窄を病態生理学的に変化させることができる、血圧調節を越えた適応症に活性である、長い作用持続時間の経口的に活性なレニン阻害剤を記載する。したがって、本発明は、これらの非ペプチドレニン阻害剤を記載する。
【0008】
本発明に記載の化合物は、レニン阻害剤の新規構造クラスを表す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、ある種の化合物およびレニン系に関連することが知られている病態の治療を含む、レニン酵素の阻害におけるこれらの使用を対象とする。本発明は、式Iの化合物を含む:
本発明は、式(I)
【0010】
【化1】

の化合物または薬学的に許容されるこれらの塩
[式中、
は、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルからなる群から選択され;
は、アリール環、N、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員ヘテロアリール環、またはN、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する縮合9員もしくは10員ヘテロアリール環系であり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリール環は、非置換であり、または
1)ハロゲン、
2)O−C1−5アルキレン−O−C1−5アルキル、
3)C1−5アルキレン−O−C1−5アルキル、
4)C1−5アルキレン−N(C1−5アルキル)−C(O)−C1−5アルキル、
5)C1−5アルキレン−NH−C(O)−C1−5アルキルおよび
6)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されており;
は、アリール環、N、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員ヘテロアリール環、N、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する縮合9員もしくは10員ヘテロアリール環系、またはC3−8シクロアルキルであり、ここで、前記アリール環、ヘテロアリール環またはC3−8シクロアルキルは、非置換であり、または
1)ハロゲン、
2)C1−5アルコキシ、
3)CF
4)NH
5)O−(C1−5アルキレン)−アリール、
6)C1−5アルキル、
7)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されており、
は、
水素、
1−5アルキル、
1−5アルキレン−アリール、
1−5アルキレン−O−C1−5アルキル、
3−8シクロアルキル、
1−5アルキレンNHC(O)−C1−5アルキル、
C(O)−O−C1−5アルキルおよび
1−5アルキレン−ヘテロアリール
からなる群から選択され、
ここで、アリールは、非置換であり、またはハロゲンで一置換もしくは二置換されており、アルキルは、非置換であり、またはOHで一置換もしくは二置換されており、ヘテロアリールは、N、OおよびSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有する5員または6員不飽和環である。]に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
式Iの化合物の一実施形態において、
は、シクロプロピルであり、全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0012】
式Iの化合物の別の実施形態において、
は、非置換であり、または
1)Cl、
2)O(CHOCH
3)(CH2−3OCH
4)CHN(CH)C(O)CHおよび
5)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されているフェニル、ピリジン、ピリミジンまたはインドールであり;
全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0013】
式Iの化合物の別の実施形態において、
は、非置換であり、または
1)Cl、
2)F、
3)C1−4アルコキシ、
4)CF
5)NH
6)OCHフェニル、
7)C1−4アルキル、
8)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されているフェニル、ピリジニル、チアゾール、イミダゾールまたはベンゾオキサゾールであり;
全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0014】
式Iの化合物の別の実施形態において、
は、
水素、
1−5アルキル、
CHフルオロフェニル、
(CHOCH
CHCH(OH)CHOHおよび
CHトリアゾール
からなる群から選択され;
全ての他の可変部は上記定義の通りである。
【0015】
式Iの化合物の別の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【0016】
【化2】

を有するジアステレオマーである。
【0017】
式Iの化合物の別の実施形態において、化合物は、以下の構造:
【0018】
【化3】

を有するエナンチオマーである。
【0019】
式Iの化合物および薬学的に許容されるこれらの塩の具体例は、以下の列記のものを含む:
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−フェニルピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−3−イルピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−4−イルピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(3−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(3−アミノフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1,3−チアゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−チエニル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−{[1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−N−(2,3−ジクロロベンジル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−(5−{[アセチル(メチル)アミノ]メチル}−2−クロロベンジル)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−{[1−(3−メトキシプロピル)−1H−インドール−3−イル]メチル}ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−N−(2,3−ジクロロベンジル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−4−(1−ブチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−エトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メトキシエトキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミドトリフルオロアセテート、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イルメトキシ)ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、および
(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピペリジン−3−カルボキサミド。
【0020】
上記式Iの化合物および薬学的に許容されるこれらの塩は、レニン阻害剤である。本化合物は、レニンを阻害し、高血圧などの病態を治療するのに有用である。式(I)の化合物に対するあらゆる表記はまた、このような化合物の光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物、例えばラセミ体、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマーラセミ体、ジアステレオマーラセミ体の混合物、メソ体および互変異性体、ならびに塩(特に薬学的に許容される塩)および溶媒和物(水和物を含む。)、ならびに形態学的形態を必要に応じて便宜的に意味すると解されるべきである。本発明は、これら全ての形態を包含する。混合物は、自体公知の手段、例えばカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または結晶化において分離される。本発明の化合物は、キラル中心を有することができ、例えば1個のキラル中心(2種の立体異性体(R)および(S)を提供する。)または2個のキラル中心(最大4種の立体異性体(R,R)、(S,S)、(R,S)、(S,R)を提供する。)を有することができる。本発明は、これらの光学異性体およびこれらの混合物全てを含む。特に記載のない限り、1種の異性体に対する表記は考えられる異性体のいずれにも当てはまる。異性体組成が明示されていない場合は、考えられる全ての異性体が含まれる。
【0021】
式Iに定義の化合物の互変異性体も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、カルボニル−CHC(O)−基(ケト体)を含む化合物は、互変異性に供してヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール体)を形成させることができる。ケト体およびエノール体は、両方とも本発明の範囲内に含まれる。さらに、炭素−炭素二重結合を有する化合物がZ体およびE体で生じ得、この化合物の全ての異性形態が本発明に含まれる。本発明の化合物は、1個または複数の部位、例えば酸素(ヒドロキシル縮合)、硫黄(スルフィドリル縮合)および/または窒素を介してニトロソ化された式(I)のニトロソ化化合物をも含む。本発明のニトロソ化化合物は、当業者に公知の慣用の方法を使用して調製することができる。例えば、化合物をニトロソ化する公知の方法は、米国特許第5,380,758号明細書、米国特許第5,703,073号明細書、米国特許第5,994,294号明細書、米国特許第6,242,432号明細書および米国特許第6,218,417号明細書;国際公開第98/19672号パンフレットおよびOaeら、Org.Prep.Proc.Int.、15(3):165−198頁(1983)に記載されている。
【0022】
塩は、好ましくは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。表現「薬学的に許容される塩」は、生物体に毒性を示さない無機酸もしくは有機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、亜リン酸、亜硝酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、マンデル酸、桂皮酸、パモ酸、ステアリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、トリフルオロ酢酸などとの塩、または式(I)の化合物が酸性である場合、無機塩基、例えばアルカリもしくはアルカリ土類塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどとの塩を包含する。薬学的に許容される塩の他の例については、特に「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217頁を参照することができる。
【0023】
本発明はまた、プロドラッグとして作用する式(I)の化合物の誘導体を含む。これらのプロドラッグは、患者への投与に続き、通常の代謝プロセスにより体内で式Iの化合物に変換される。このようなプロドラッグは、式Iの化合物の薬物吸収を改善するためのバイオアベイラビリティの向上(以下の表4を参照のこと。)、組織特異性および/または細胞送達を示すプロドラッグを含む。このようなプロドラッグの作用は、物理化学的特性、例えば親油性、分子量、電荷および薬物の浸透特性を決定する他の物理化学的特性の改変から得ることができる。
【0024】
式Iにおいて上記および下記に使用の一般用語は、好ましくは、本開示内で、特に記載のない限り以下の意味を有する。複数の形態が化合物、塩、医薬組成物、疾患などについて使用される場合、この形態は単一の化合物、塩などをも意味するものとする。
【0025】
用語「アルキル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、特に記載のない限り、1個から6個の炭素原子を有する飽和の直鎖および分枝鎖基(「C1−6アルキル」または「C−Cアルキル」により表すことができる。)を意味する。意図される意味がこれ以外の場合、例えば、炭素原子数が1個から4個の炭素原子の範囲内である場合、この意味は、「C1−4アルキル」または「C−Cアルキル」のような様式で表される。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルである。メチル、エチルおよびイソプロピル基が好ましい。化合物の構造表現は、末端メチル基を「−CH」、「Me」または
【0026】
【化4】

として示すことができ、すなわち、これらは等価の意味を有する。
【0027】
用語「アルケニル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、特に記載のない限り、2個から6個の炭素原子を有する不飽和(すなわち、少なくとも1個の二重結合を有する。)の直鎖および分枝鎖基(「C2−6アルケニル」または「C−Cアルケニル」により表すことができる。)を意味する。意図される意味がこれ以外の場合、例えば、炭素原子数が2個から4個の炭素原子の範囲内である場合、この意味は、「C2−4アルケニル」または「C−Cアルケニル」のような様式で表される。
【0028】
用語「アルコキシ」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、R−O−基(式中、Rはアルキル基である。)を意味する。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシである。
【0029】
用語「ヒドロキシ−アルキル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、HO−R−基(式中、Rはアルキル基である。)を意味する。ヒドロキシ−アルキル基の例は、HO−CH−、HO−CHCH−、HO−CHCHCH−およびCHOH(OH)−である。
【0030】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味し、好ましくはフッ素、塩素または臭素を意味し、特にフッ素または塩素を意味する。
【0031】
用語「シクロアルキル」は、単独で、または他の基との組合せにおいて、特に記載のない限り、3個から8個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素環系、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルを意味する。この飽和環式炭化水素環系は、「C3−8シクロアルキル」または「C−Cシクロアルキル」により表すことができる)。意図される意味がこれ以外の場合、例えば、炭素原子数が3個から6個の炭素原子の範囲内である場合、この意味は、「C3−6シクロアルキル」または「C−Cシクロアルキル」のような様式で表される。
【0032】
用語「アリール」は、単独で、または組合せにおいて、フェニル、ナフチルまたはインダニル基に関し、好ましくはフェニル基に関する。略語「Ph」はフェニルを表す。
【0033】
用語「ヘテロアリール」は、単独でまたは組合せにおいて、N、OまたはSから独立して選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有する5員または6員芳香族環を意味し、芳香族環は、例えば、1個の窒素原子を含有する5員環(ピロール)、1個の酸素を含有する5員環(ピラン)または1個の硫黄原子を含有する5員環(チオフェン)、1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員環(チアゾール)、1個の窒素原子および1個の酸素原子を含有する5員環(オキサゾールまたはイソオキサゾール)、2個の窒素原子を含有する5員環(イミダゾールまたはピラゾール)、3個の窒素原子を含有する5員芳香族環、1個の酸素原子、1個の窒素原子または1個の硫黄原子を含有する5員芳香族環、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される2個のヘテロ原子を含有する5員芳香族環、1個の窒素原子を含有する6員環(ピリジン)または1個の酸素原子を含有する6員環(フラン)、2個の窒素原子を含有する6員環(ピラジン、ピリミジンまたはピリダジン)、3個の窒素原子を含有する6員環(トリアジン)、テトラゾリル環;チアジニル環;またはクマリニルである。このような環系の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、イミダゾリル、トリアジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピラゾリル、オキサゾリル、およびイソオキサゾリルである。
【0034】
用語「縮合ヘテロアリール」は、単独で、または組合せにおいて、N、OおよびSから独立して選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有し、ベンゼン環に縮合している9員もしくは10員芳香族環系、例えば、1個から3個の窒素原子を含有するベンゾ縮合6員芳香族環、ならびに1個の酸素、1個の窒素または1個の硫黄原子を含有するベンゾ縮合5員芳香族環を意味する。このような環系の例は、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニルおよびキノキサリニルである。
【0035】
本発明はまた、薬学的に許容される担体および式Iの化合物または薬学的に許容されるこれらの結晶形態もしくは水和物を含む医薬配合物を包含する。好ましい実施形態は、第2の薬剤をさらに含む、式Iの化合物の医薬組成物である。
【0036】
略語リスト:
ABTS 2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH
AgCO 炭酸銀
BOC(Boc) t−ブチルオキシカルボニル
BOCO 二炭酸ジ−tert−ブチル
n−BuLi n−ブチルリチウム
BSA ウシ血清アルブミン
CBr 四臭化炭素
CHCl ジクロロメタン
CuI ヨウ化銅
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
DIBAH 水素化ジイソブチルアルミウム
DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EIA 酵素免疫測定法
EtOAc 酢酸エチル
EtO ジエチルエーテル
EtN トリエチルアミン
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩酸
Hex ヘキサン
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
CO 炭酸カリウム
Fe(CN) フェリシアン化カリウム
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
MeCN アセトニトリル
MeI ヨードメタン
MeOH メタノール
MgBr 臭化マグネシウム
MgSO 硫酸マグネシウム
NaI ヨウ化ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
NaBH 水素化ホウ素ナトリウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NHCl 塩化アンモニウム
NMR 核磁気共鳴
PBS リン酸緩衝生理食塩水
iPrOH イソプロパノール
PPh トリフェニルホスフィン
RT(rt) 室温
SiO 二酸化ケイ素
S−PHOS ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−6’−ジメトキシ−1−1’−ビフェニル
TBS tert−ブチルジメチルシリル
TBSO tert−ブチルジメチルシリルオキシ
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
Tol トルエン
【0037】
特段の記載がない限り、本明細書に引用される全範囲が包括的である。例えば、C−Cアルキルと記載されるアルキル基は、このアルキル基が1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を含有することができることを意味する。
【0038】
任意の可変部が本発明の化合物を表現および説明する任意の成分または任意の式において1回以上生じる場合、各出現時のこの定義は、あらゆる他の出現時のこの定義から独立している。また、置換基および/または可変部の組合せは、このような組合せが安定な化合物をもたらす場合にのみ許容される。
【0039】
用語「置換されている」(例えば、「・・・1個または複数の置換基で場合によって置換されているアルキル」におけるような)は、指定の置換基による一置換および多置換を、このような単一置換および複数置換(同一部位における複数置換を含む。)が化学的に許容される程度に含む。
【0040】
ピリジル−N−オキシド部分を有する本発明の化合物において、このピリジル−N−オキシド部は、等価の意味を有する慣用表示、例えば
【0041】
【化5】

を使用して構造的に表現される。
【0042】
本発明はまた、上記定義の化合物をヒトまたは動物に投与することを含む、高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、収縮期高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎仙痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害、緑内障、眼圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管または心臓の術後合併症、勃起不全、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤による治療の合併症に関連する疾患、ならびにレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られている他の疾患を治療および/または予防する方法に関する。
【0043】
別の実施形態において、本発明は、高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害に関連する疾患を治療および/または予防する方法に関する。
【0044】
別の実施形態において、本発明は、レニン−アンジオテンシン系の調節不全に伴う疾患を治療および/または予防する方法、ならびに上記疾患を治療する方法に関する。
【0045】
本発明はまた、上記疾患を治療および/または予防する医薬品の調製のための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0046】
式(I)の化合物または上記医薬組成物は、ACE阻害剤、中性エンドペプチダーゼ阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、エンドセリン受容体アンタゴニスト、血管拡張剤、カルシウムアンタゴニスト、カリウム活性化物質、利尿薬、交感神経遮断薬、ベータ−アドレナリンアンタゴニスト、アルファ−アドレナリンアンタゴニストを含む、他の薬理学的に有効な化合物と組み合わせても有用であり、または上記疾患の予防もしくは治療に有益な他の薬物と組み合わせても有用である。
【0047】
式Iの化合物に関する用語「投与」およびこの変形(例えば、化合物を「投与する」)は、治療または予防が必要とされる個体に化合物または該化合物のプロドラッグを提供することを意味する。本発明の化合物またはこのプロドラッグが1種または複数の他の有効薬剤(例えば、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、ACE阻害剤などの薬剤または血圧を降下させることが知られている他の有効薬剤)と組み合わせて提供される場合、「投与」およびこの変形は、化合物またはプロドラッグおよび他の薬剤を同時に、または異なる時間に提供することを含むとそれぞれ解される。組合せ薬剤が同時投与される場合、組合せ薬剤は単一組成物として一緒に投与することができ、または別個に投与することができる。
【0048】
本明細書において使用される用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物および特定の成分を特定の量で組み合わせることから直接的または間接的に得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0049】
「薬学的に許容される」は、医薬組成物の成分が、互いに適合性でなければならず、このレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0050】
本明細書において使用される用語「対象」は、治療、観察または実験の目的である動物を意味し、好ましくは哺乳動物を意味し、最も好ましくはヒトを意味する。
【0051】
本明細書において使用される用語「有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床家により求められている、組織、系、動物またはヒトにおいて生物学的または医学的応答を誘発する有効化合物または医薬剤の量を意味する。一実施形態において、有効量は、治療されている疾患または病態の症状を緩和する「治療有効量」である。別の実施形態において、有効量は、防止されている疾患または病態の症状を予防する「予防有効量」である。この用語は、本明細書において、レニンを阻害し、これにより、求められている応答を誘発させるのに十分な有効化合物の量(すなわち、「阻害有効量」)をも含む。有効化合物(すなわち、有効成分)が塩として投与される場合、有効成分の量という表記は、化合物の遊離形態(すなわち、非塩形態)に対するものである。
【0052】
好ましい実施形態において、この量は1日当たり1mgから1000mgである。特に好ましい実施形態において、この量は1日当たり1mgから500mgである。さらに特に好ましい実施形態において、この量は1日当たり1mgから200mgである。
【0053】
本発明の(すなわち、レニンを阻害する)方法において、場合によって塩の形態である式Iの化合物を、有効薬剤を薬剤作用部位と接触させる任意の手段により投与することができる。本発明の化合物は、個々の治療剤として、または治療剤の組合せにおいて、医薬に関連する使用に利用可能な任意の慣用手段により投与することができる。本発明の化合物は、単独で投与することができるが、典型的には、選択される投与経路および標準的な医薬実務に基づいて選択される医薬担体とともに投与される。本発明の化合物は、化合物の有効量、ならびに慣用の非毒性の薬学的に許容される担体、補助剤およびビヒクルを含有する医薬組成物の単位投与量の形態で、例えば経口投与、非経口投与(皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射または注入技術を含む。)、吸入噴霧投与または直腸投与することができる。経口投与に好適な液体製剤(例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤など)は、当該分野において公知の技術により調製することができ、通常の媒体、例えば水、グリコール、油、アルコールなどのいずれかを使用することができる。経口投与に好適な固体製剤(例えば、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤)は、当該分野で公知の技術により調製することができ、固体賦形剤、例えばデンプン、糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを使用することができる。非経口組成物は、当該分野において公知の技術により調製することができ、典型的には、担体として滅菌水を使用し、他の成分、例えば溶解助剤を場合によって使用することができる。注射液剤は、当該分野で公知の方法により調製することができ、ここで、担体は、生理食塩水、グルコース溶液または生理食塩水およびグルコースの混合物を含有する溶液を含む。
【0054】
本発明に使用される医薬組成物の調製に使用するのに好適な方法および前記組成物に使用するのに適切な成分のさらなる記載は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、18版、A.R.Gennaro編、Mack Publishing Co.、1990に提供されている。
【0055】
合成方法
本発明の化合物は、下記に示され、記載されている例示の合成反応スキームに表現されている種々の方法により作製することができる。これらの化合物の調製において使用される出発材料および試薬は、一般に、供給業者、例えばAldrich Chemical Co.から入手可能であり、または当業者に公知の方法により、参考文献、例えばFieserおよびFieser’s Reagents for Organic Synthesis;Wiley & Sons:New York、1−21巻;R.C.LaRock、Comprehensive Organic Transformations、増補2版 Wiley−VCH、New York 1999;Comprehensive Organic Synthesis、B.TrostおよびI.Fleming(編)1−9巻 Pergamon、Oxford、1991;Comprehensive Heterocyclic Chemistry、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees(編)Pergamon、Oxford 1984、1−9巻;Comprehensive Heterocyclic Chemistry II、A.R.KatritzkyおよびC.W.Rees(編)Pergamon、Oxford 1996、1−11巻;およびOrganic Reactions、Wiley & Sons:New York、1991、1−40巻に記載の手順に従って調製される。以下の合成反応スキームおよび実施例は、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法を単に例示するためのものにすぎず、本出願に含まれる開示を参照して、これらの合成反応スキームの種々の改変をなすことができ、当業者に示唆される。
【0056】
合成反応スキームの出発材料および中間体は、限定されるものではないが、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む慣用の技術を使用して所望により単離および精製することができる。このような材料は、物理定数およびスペクトルデータを含め、慣用の手段により特性決定することができる。特に記載のない限り、実験手順を以下の条件下で実施した。溶媒の蒸発は、ロータリーエバポレーターを使用し、減圧(600−4000パスカル:4.5−30mmHg)下で、最高60℃の浴温度により実施した。反応は、特に記載のない限り、典型的には窒素雰囲気下で周囲温度で実行する。無水溶媒、例えばTHF、DMF、EtO、DMEおよびトルエンは、市販グレードである。試薬は市販グレードであり、さらに精製することなく使用した。フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル(230−400メッシュ)上で実行する。反応過程を薄層クロマトグラフィー(TLC)または核磁気共鳴(NMR)分光法により追跡し、所与の反応時間は単に例示するためのものにすぎない。全ての最終生成物の構造および純度をTLC、質量分析法、H NMRおよび/または高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により確認した。化学記号は、これらの通常の意味を有する。以下の略語も使用した:v(体積)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq.(当量)。特に記載がない限り、下記の全ての可変部は上記の意味を有する。
【0057】
本発明の化合物は、スキーム1に記載の以下の一般方法により調製することができる。例えば、公知のN−BOC保護ケトエステル1(Tetrahedron:Asymmetry、15(20)、3281−3287;2004;European Journal of Organic Chemistry、(4)、721−726;2003;Journal of the Chemical Society、Perkin Transactions 1:Organic and Bio−Organic Chemistry、(22)、3673−3684;1998)を一般構造式2の第二級アミンと熱縮合させることによって、対応するケトアミド3を提供することができる。ハロゲン化アリールまたはヘテロアリールマグネシウム試薬(市販されているものまたは下記の通り調製されたもの)をLiClの存在下または不存在下でケトアミド3に添加することにより、所望の異性体4が単離される容易に分離可能なジアステレオマー第三級アルコールの混合物を提供する。この段階において、4のR基は、後続の化学反応によって誘導体化することができ、または誘導体化することはできない。次いで、第三級アルコール4を、標準的なN−BOC脱保護条件(HClまたはZnBr)を使用して脱保護してピペリジン5を得ることができる。脱保護した後、第三級アルコールを分割して活性エナンチオマー6を得ることもできる。第三級アルコール4をアルキル基によって誘導体化し、脱保護してラセミ第三級アルキルエーテル7を得ることもできる。エナンチオ純粋な第三級アルコール4は、ピペリジン6の再保護またはラセミ体4の分割によって直接得ることができる。エナンチオ純粋な第三級アルコール4をアルキル基によって誘導体化し、脱保護してキラル第三級アルキルエーテル8を得ることができる。
【0058】
【化6】

アミン2は、下記の通り調製することができる。
【0059】
【表1】


【0060】
アミン2.1;N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]シクロプロパンアミン
段階1:1,3−ジブロモ−5−(2−メトキシエトキシ)ベンゼン
3,5−ジブロモフェノール(1当量)および1−ブロモ−3−メトキシプロパン(1.5当量)のTHF:DMF(4:1、0.19M)中混合物に、炭酸セシウム(1.3当量)を添加した。混合物を80℃に3時間加熱した。次いで、反応物を室温に冷却し、酢酸エチルによって希釈し、有機相をNHClによって洗浄し、水によって洗浄し、次いでブラインによって洗浄した。次いで、有機相を分離し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。次いで、粗製混合物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10%のEtOAc)によって精製して表題化合物を得た。
【0061】
段階2:3−ブロモ−5−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒド
n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、0.8当量)のトルエン中(0.8M)−15℃溶液(0.8M)に、n−ブチルマグネシウムクロリド(THF中2.0M、0.4当量)を5分間にわたり滴加した。反応混合物を−15℃において20分間撹拌してから、段階1からの1,3−ジブロモ−5−(2−メトキシエトキシ)ベンゼン(1当量)のトルエン溶液(0.3M)を−15℃において45分間の時間にわたり滴加した。次いで、得られた懸濁液を0℃に加温し、1.5時間撹拌した。次いで、反応物を−10℃に再度冷却してからDMF(3当量)を滴加した。次いで、反応混合物を0℃にゆっくり加温し、0℃において30分間撹拌しておいた。次いで、反応物を−5℃に冷却し、この温度においてさらに一晩撹拌した。次いで、反応物を酢酸カリウム(5当量)によって慎重にクエンチし、次いでエーテルによって希釈した。有機相を水によって2回洗浄し、次いでブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。粗製残留物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中5%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0062】
段階3:3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンズアルデヒド
アリルメチルエーテル(2.16当量)を、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(THF中0.5M、1.9当量)に室温において直接添加し、1時間撹拌した。次いで、混合物を70℃に5分間加温し、この混合物に1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(3mol%)、段階2からの3−ブロモ−5−(2−メトキシエトキシ)ベンズアルデヒド(1当量)およびリン酸三カリウム(2.5当量)のガス抜きしたDMF中(0.3M)混合物(Nによって5分間パージすることによってガス抜きした混合物)を添加した。反応混合物を70℃において一晩撹拌し、次いで室温に冷却した。次いで、粗製反応混合物をEtOによって希釈し、有機相を水によって2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。粗製残留物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中25−35%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0063】
段階4:N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]シクロプロパンアミン
段階3からの3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンズアルデヒド(1当量)のジクロロメタン中(0.5M)溶液に、シクロプロピルアミン(2当量)、次いで硫酸マグネシウム(2.7当量)を添加した。得られた懸濁液を室温において一晩撹拌した。不溶物を濾過を介して除去した。濾液を真空中で濃縮することによって、粗製イミンを得た。次いで、イミンをメタノール中に取り(0.3M)、0℃に冷却し、このイミンに酢酸カリウム(2.5当量)、次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.2当量)を添加した。次いで、反応混合物を0℃において20分間撹拌し、次いで室温において10分間撹拌した。次いで、反応混合物を低温水性NaHCO中に注ぐことによって逆クエンチし、粗製物をEtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を得た。
【0064】
アミン2.2;5−[(シクロプロピルアミノ)メチル]−1,3−ビス(3−メトキシプロピル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
段階1:1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルバルデヒド
2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルバルデヒド(1当量)および1−ブロモ−3−メトキシプロパン(2.2当量)のDMF中(0.36M)室温溶液に、DBU(2.2当量)を添加した。反応混合物を室温において3日間撹拌し、真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;EtOAc)によって精製して表題化合物を得た。
【0065】
段階2:5−[(シクロプロピルアミノ)メチル]−1,3−ビス(3−メトキシプロピル)ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン
段階1からの表題化合物(1当量)およびシクロプロピルアミン(1.1当量)のCHCl中(0.1M)室温溶液に、MgSO(1当量)を添加し、得られた混合物を室温において16時間撹拌し、濾過し、濃縮した。残留物をMeOH中に取り(0.1M)、0℃に冷却した。NaBH(1.1当量)を添加し、得られた混合物を室温に16時間にわたり加温しておいた。混合物を冷却し、NaHCO(水性飽和)によってクエンチし、EtOAcによって希釈した。有機相をNaHCO(水性飽和)、ブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を無色油状物として得た。
【0066】
アミン2.3;N−(2,3−ジクロロベンジル)シクロプロパンアミン
表題化合物を、特許WO2007/009250A1に記載の手順によって調製した。
【0067】
アミン2.4;N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]シクロプロパンアミン
表題化合物を、特許WO2007/009250A1に記載の手順によって調製した。
【0068】
アミン2.5;N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]シクロプロパンアミン
表題化合物を、特許WO2007/009250A1に記載の手順によって調製した。
【0069】
アミン2.6;N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}シクロプロパンアミン
表題化合物を、特許WO2007/009250A1に記載の手順によって調製した。
【0070】
アミン2.7;N−{4−クロロ−3−[(シクロプロピルアミノ)メチル]ベンジル}−N−メチルアセトアミド
表題化合物を、特許WO2007/009250A1に記載の手順によって調製した。
【0071】
アミン2.8;N−{[1−(3−メトキシプロピル)−1H−インドール−3−イル]メチル}シクロプロパンアミン
表題化合物を、特許WO2006/125621A1に記載の手順によって調製した。
【0072】
ケトアミド3は、下記の通り調製することができる。
【0073】
【表2】

【0074】
ケトアミド3.1;tert−ブチル3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
1−tert−ブチル3−エチル4−オキソピペリジン−1,3−ジカルボキシレート1(1.1当量)、アミン2.1(1.0当量)およびジメチルアミノピリジン(0.2当量)を丸底フラスコ中で合わせ、粗製物のH NMRが反応の完了を示すまでN2下で140Cに加熱した。わずかに冷却し、トルエンを添加した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中15−100%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物をオフホワイト色固体として得た。
【0075】
ケトアミド3.2;tert−ブチル3−{[{[1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−イル]メチル}(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物を、表題化合物3.1について記載の通り同様に、アミン2.2を使用して調製した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(CHCl中3−5%のMeOH)によって精製することによって、表題化合物を黄色油状物として得た。
【0076】
ケトアミド3.3;tert−ブチル3−{[シクロプロピル(2,3−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物を、表題化合物3.1について記載の通り同様に、アミン2.3を使用して調製した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−60%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0077】
ケトアミド3.4;tert−ブチル3−{[[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物を、表題化合物3.1について記載の通り同様に、アミン2.4を使用して調製した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−100%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0078】
ケトアミド3.5;tert−ブチル3−{[[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物を、表題化合物3.1について記載の通り同様に、アミン2.5を使用して調製した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−100%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0079】
ケトアミド3.6;tert−ブチル3−{[{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物を、表題化合物3.1について記載の通り同様に、アミン2.6を使用して調製した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−75%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を黄色固体として得た。
【0080】
ケトアミド3.7;tert−ブチル3−{[(5−{[アセチル(メチル)アミノ]メチル}−2−クロロベンジル)(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物を、表題化合物3.1について記載の通り同様に、アミン2.7を使用して調製した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中0−10%のMeOH)によって精製することによって、表題化合物を黄色泡状物として得た。
【0081】
ケトアミド3.8;tert−ブチル3−[(シクロプロピル{[1−(3−メトキシプロピル)−1H−インドール−3−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート
表題化合物を、表題化合物3.1について記載の通り同様に、アミン2.8を使用して調製した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30−100%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0082】
実施例を、FRET(消光蛍光共鳴エネルギー移動)およびヒト血漿アッセイを使用して得た結果による代表例についてのレニンIC50(nM)データとともに以下に示す。
【実施例】
【0083】
【表3】





【0084】
(実施例1)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−フェニルピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン−1−カルボキシレート
ケトアミド3.1(1.0当量)のTHF中(0.1M)室温N下溶液に、市販の塩化フェニルマグネシウム(THF中2M、2.07当量)を添加した。反応物を室温において15分間撹拌した。次いで、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−60%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0085】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−フェニルピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.1M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において45分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(5%のMeOH中2MのNH/95%のCHCl)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve497.4(MH+)。
【0086】
(実施例2)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−3−イルピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−N−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−ピリジン−3−イルピペリジン−1−カルボキシレート
臭化3−ピリジルマグネシウムを以下の通り調製した:3−ブロモピリジン(1当量)のTHF中(0.147M)室温溶液に、塩化イソプロピルマグネシウム(1当量)を添加した。反応混合物を室温において30分間撹拌し、即時使用しなければならない臭化3−ピリジルマグネシウムの0.1M溶液を得た。ケトアミド3.1(1.0当量)のTHF中(0.1M)室温N下溶液に、臭化3−ピリジルマグネシウム(THF中0.1M、1.56当量)を添加した。反応物を室温において5分間撹拌した。次いで、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30−100の%EtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0087】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−3−イルピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.02M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において1時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(10%のMeOH中2MのNH/90%のCHCl)によって精製することによって、表題化合物を得た。MS:498.5ESI+ve(MH+)。
【0088】
(実施例3)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−4−イルピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−ピリジン−4−イルピペリジン−1−カルボキシレート
臭化4−ピリジルマグネシウムを下記の通り調製した:4−ブロモピリジン塩酸塩(1当量)のTHF中(0.146M)室温溶液に、塩化イソプロピルマグネシウム(2当量)を添加した。反応混合物を室温において30分間撹拌し、ベンズアルデヒドとの反応によって0.09Mと定量された臭化4−ピリジルマグネシウムの溶液を生じさせた。丸底フラスコ中の塩化リチウムを真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(5当量)に、臭化4−ピリジルマグネシウム(THF中0.09M、3当量)を添加した。塩化リチウムが全て溶解するまで、混合物を室温において撹拌した(15分間)。次いで、混合物をケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−100%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0089】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−4−イルピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.02M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において35分間撹拌し、次いで0℃において16時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve498.0(MH+)。
【0090】
(実施例4)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。室温の塩化リチウム(3当量)に、臭化4−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において15分間撹拌し、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において20分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−50%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0091】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.05M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、38当量)を添加した。反応物を室温において25分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:APCI+ve515.5(MH+)。
【0092】
(実施例5)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化3−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において15分間撹拌した。次いで、混合物をケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において25分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−50%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0093】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.05M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において25分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve515.1(MH+)。
【0094】
(実施例6)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化3,4−ジフルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において15分間撹拌した。次いで、混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を白色固体として得た。
【0095】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.04M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において2時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:APCI+ve533.5(MH+)。
【0096】
(実施例7)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化3,5−ジフルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において15分間撹拌した。次いで、混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0097】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.03M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において45分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve533.1(MH+)。
【0098】
(実施例8)
rac−(3S,4R)−4−(3−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(3−クロロフェニル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化3−クロロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。室温において15分間撹拌した後、次いで、混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において20分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0099】
段階2:rac−(3S,4R)−4−(3−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.05M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、45当量)を添加した。反応物を室温において25分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve531.0(MH+)。
【0100】
(実施例9)
rac−(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化4−クロロフェニルマグネシウム(THF中1.0M、6当量)を添加した。塩化リチウムの全てが溶解するまで混合物を室温において撹拌した。次いで、混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において14分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0101】
段階2:rac−(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.03M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において25分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:APCI+ve531.5(MH+)。
【0102】
(実施例10)
rac−(3S,4R)−4−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化4−クロロ−3−フルオロ−フェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。塩化リチウムの全てが溶解するまで混合物を室温において撹拌した。次いで、混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−50%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0103】
段階2:rac−(3S,4R)−4−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.06M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において25分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve549.0(MH+)。
【0104】
(実施例11)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の室温の塩化リチウム(3当量)に、臭化3,4−ジクロロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。室温において45分間撹拌した後、混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)室温溶液に滴加した。室温において15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOおよびEtOAcによって抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0105】
段階2:rac:−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.05M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において30分間撹拌し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve565.1(MH+)。
【0106】
(実施例12)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
ケトアミド3.1(1.0当量)のTHF中(0.1M)室温N下溶液に、市販の塩化2−メトキシフェニルマグネシウム(THF中0.5M、2.0当量)を添加した。反応物を室温において15分間撹拌した。次いで、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−70%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0107】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.05M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、36当量)を添加した。反応物を室温において45分間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve527.2(MH+)。
【0108】
(実施例13)
rac−(3S,4R)−4−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−4−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
n−BuLi(ヘキサン中2.50M、3.03当量)を、4−ブロモ−1−クロロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.11当量)のTHF中(0.4M)撹拌溶液に−78℃において添加した。混合物を−78℃において15分間撹拌し、次いでMgBr.EtO(THF中0.4M、3.18当量)を滴加した。混合物を−78℃において30分間撹拌した。得られた溶液を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.15M)溶液中に−78℃においてカニューレ添加した。最終反応混合物を−78℃において1時間撹拌し、次いで撹拌しながら12時間にわたり室温にゆっくり加温しておいた。混合物を飽和NHClによってクエンチし、EtOによって希釈した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10−100%のEtOAc)によって精製して表題化合物を油状物として生じさせた。
【0109】
段階2:rac−(3S,4R)−4−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.03M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、30当量)を添加した。反応物を室温において1時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve599.0(MH+)。
【0110】
(実施例14)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
n−BuLi(THF中2.50M、3.11当量)を、1−ブロモ−2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(3.24当量)のTHF中(1.6M)−78℃撹拌溶液に添加した。混合物を−78℃において15分間撹拌し、次いでMgBr.EtO(THF中0.4M、3.32当量)を滴加した。混合物を−78℃において30分間撹拌した。得られた溶液を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.15M)溶液中に−78℃においてカニューレ添加した。反応混合物を−78℃において1時間撹拌し、次いで撹拌しながら12時間にわたり室温にゆっくり加温しておいた。混合物を飽和NHClによってクエンチし、EtOによって希釈した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10−75%のEtOAc)によって精製して表題化合物を油状物として生じさせた。
【0111】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.03M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、29当量)を添加した。反応物を室温において1時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中4%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve583.0(MH+)。
【0112】
(実施例15)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に、火炎乾燥させた塩化リチウム(5当量)を添加した。次いで、臭化3−メトキシフェニルマグネシウム溶液(THF中1M、3当量)を添加し、混合物を0℃において30分間撹拌し、次いで室温において15分間撹拌した。次いで、反応物をHOによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中10%のアセトン)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0113】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.1M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、10当量)を添加した。反応物を室温において4時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve527.2(MH+)。
【0114】
(実施例16)
rac−(3S,4R)−4−(3−アミノフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−{3−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]フェニル}−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)0C溶液に、火炎乾燥させた塩化リチウム(5当量)を添加した。次いで、3−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]フェニルマグネシウムブロミド(3当量)の溶液を添加し、混合物を0℃において30分間撹拌し、次いで室温において15分間撹拌した。次いで、反応物をHOによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中10%のアセトン)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0115】
段階2:rac−(3S,4R)−4−(3−アミノフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−4−{3−[ビス(トリメチルシリル)アミノ]フェニル}−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.1M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、10当量)を添加した。反応物を室温において5時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve512.1(MH+)。
【0116】
(実施例17)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1,3−チアゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1,3−チアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
n−BuLi(ヘキサン中2.5M、1.45当量)を、チアゾール(1.46当量)のTHF中(0.14M)撹拌溶液に−78℃において添加した。混合物を−78℃において15分間撹拌し、次いで臭化マグネシウムジエチルエーテレート(THF中0.5M、1.50当量)を滴加した。混合物を−78℃において1時間撹拌した。次いで、この混合物にカニューレを介してケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.1M)溶液を−78℃において添加した。最終反応混合物を−78℃において1時間撹拌し、次いで−10℃において1時間撹拌した。混合物を飽和NHClによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(トルエン中25%のアセトン)によって精製して表題化合物を得た。
【0117】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1,3−チアゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.02M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、48当量)を添加した。反応物を室温において1時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中4−8%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve504.1(MH+)。
【0118】
(実施例18)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
n−BuLi(ヘキサン中2.5M、2.98当量)を、1−メチルイミダゾール(3.0当量)のTHF中(0.3M)撹拌溶液に−78℃において添加した。混合物を−78℃において15分間撹拌し、次いで臭化マグネシウムジエチルエーテレート(THF中0.5M、3.11当量)を滴加した。混合物を−78℃において30分間撹拌した。得られた溶液を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.1M)溶液中に−78℃においてカニューレ添加した。反応混合物を−78℃において1時間撹拌し、次いで撹拌しながら12時間にわたりゆっくり室温に加温させ、飽和NHClによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中10−100%のEtOAc)によって精製して表題化合物を無色油状物として生じさせた。
【0119】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からのrac−1−メチル−1H−イミダゾール−2−イルアルコール(1当量)のCHCl中(0.03M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、30当量)を添加した。反応物を室温において1時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中4%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve501.3(MH+)。
【0120】
(実施例19)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−エチニル−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に、火炎乾燥させた塩化リチウム(5当量)を添加した。次いで、臭化エチニルマグネシウム溶液(THF中0.5M、3当量)を添加し、最終混合物を0℃において30分間撹拌し、次いで室温において撹拌した。次いで、反応物をHOによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中10%のアセトン)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0121】
段階2:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの表題化合物(1当量)、アジ化トリメチルシリル(1.5当量)およびCuI(0.05当量)のDMFおよびMeOHの混合物(それぞれ9:1、0.18M溶液)中混合物を、100℃に16時間加熱し、室温に冷却し、EtOAcによって希釈し、水およびブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;トルエン中20%のアセトン)によって精製して表題化合物を得た。
【0122】
段階3:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階2からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.06M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、10当量)を添加した。反応物を室温において4時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve488.2(MH+)。
【0123】
(実施例20)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−チエニル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(2−チエニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(5当量)に、臭化2−チエニルマグネシウム(THF中1M、3当量)を添加した。混合物を室温において数分間撹拌して塩化リチウムを溶解させ、次いで0℃に冷却した。次いで、混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)溶液に0℃において滴加した。0℃において30分後、混合物を室温に加温させ、次いでHOによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中10%のアセトン)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0124】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−チエニル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(2−チエニル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.1M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、10当量)を添加した。反応物を室温において4時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve503.3(MH+)。
【0125】
(実施例21)
rac−(3S,4R)−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
ベンゾオキサゾール(3当量)のTHF中(0.6M)−78℃溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、3当量)を添加した。30分後、臭化マグネシウムジエチルエーテレート溶液(THF中0.5M、3当量)を添加し、混合物を−78℃において30分間撹拌した。次いで、この混合物を、ケトアミド3.1(1当量)のTHF中(0.2M)溶液に−78℃において添加した。次いで、反応混合物を16時間にわたり室温にゆっくり加温しておいた。次いで、反応物をHOによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(トルエン中10%のアセトン)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0126】
段階2:rac−(3S,4R)−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.03M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、10当量)を添加した。反応物を室温において4時間撹拌し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve539.7(MH+)。
【0127】
(実施例22)
rac−(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:2−(ベンジルオキシ)−4−ブロモピリジン
火炎乾燥させた丸底に、4−ブロモピリジン−2−オール(1当量)、ベンゼン(0.14M)、AgCO(0.6当量)および臭化ベンジル(1.2当量)をN下で入れた。反応物を暗所で55℃に一晩加熱した。次いで、反応物を冷却し、濾過し、ジクロロメタンによって洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中2−4%のEtO)によって精製して所望生成物を澄明油状物として生じさせた。
【0128】
段階2:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
前段階からの2−(ベンジルオキシ)−4−ブロモピリジン(1当量)のTHF中(0.1M)−78℃溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、2.1当量)を添加した。混合物を−78℃において30分間撹拌した。MgBr(固体、2.5当量)を添加し、得られた混合物を−78℃において20分間撹拌し、0℃において30分間撹拌した。ケトアミド3.1のTHF中(0.04M)溶液を添加し、得られた混合物を0℃において1時間撹拌し、室温において0.5時間撹拌した。反応物を飽和水性NHCl溶液によってクエンチし、EtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(SiO;トルエン中0−15%のアセトン)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0129】
段階3:rac−(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階2からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.02M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、30当量)を添加した。反応物を室温において2時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。逆相HPLC(C18;水中5−95%のMeCN+0.1%のTFA)によって精製することによって塩を得、この塩をNaHCO(水性飽和)からEtOAcによって抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve604.3(MH+)。
【0130】
(実施例23)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシピリジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
実施例22;段階2からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)および酢酸(1.64当量)のEtOAc中(0.02M)溶液を、10%のPd/C(0.4当量)上で室温において4.5時間水素化した。触媒をCHClによって洗浄しながらセライト上で濾過し、濾液を真空中で濃縮して表題化合物を得た。
【0131】
段階2:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
前段階からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシピリジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のMeOH中(0.04M)0℃溶液に、2MのNaOH(3当量)を添加し、次いで硫酸ジメチル(4.36当量)を添加した。反応物を一晩室温にゆっくり加温しておいた。溶媒を真空中で蒸発させ、得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中3%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を得た。
【0132】
段階3:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
前段階からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−l−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.02M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、30当量)を添加した。反応物を室温において2時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。逆相HPLC(C18;水中5−95%のMeCN+0.1%のTFA)によって精製することによって塩を得、この塩をNaHCO(水性飽和)からEtOAcによって抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve527.9(MH+)。
【0133】
(実施例24)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:2−(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリジン
火炎乾燥させた丸底に、5−ブロモピリジン−2−オール(1当量)、ベンゼン(0.19M)、AgCO(0.6当量)および臭化ベンジル(1.2当量)をN下で入れた。反応物を暗所で50℃に一晩加熱した。次いで、反応物を冷却し、ジクロロメタンによって洗浄しながら濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中2−4%のEtO)によって精製して表題化合物を白色固体として得た。
【0134】
段階2:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−[6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの2−(ベンジルオキシ)−5−ブロモピリジンの(2.26当量)のTHF中(0.1M)−78℃溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、2.3当量)を添加した。混合物を−78℃において30分間撹拌し、MgBr(EtO中0.5M、2.5当量)を添加した。−78℃において30分後、混合物を、ケトアミド3.1のTHF中(0.05M、1当量)−78℃溶液にシリンジを介して滴加し、14時間にわたり0℃に加温した。反応物を飽和水性NaHCOによってクエンチし、EtOAcによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。次いで、粗製物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−80%のEtOAc)によって精製して表題化合物を得た。
【0135】
段階3:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階2から調製されたrac−tert−ブチル(3S,4R)−4−[6−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)および酢酸(1.2当量)のEtOAc中(0.02M)溶液を、10%のPd/C(0.4当量)上で、水素雰囲気下で室温において4.5時間水素化した。反応混合物をCHClによって洗浄しながらセライトに通して濾過し、濾液を真空中で濃縮して表題化合物を得た。
【0136】
段階4:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
前段階からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のMeOH中(0.04M)0℃溶液に、2MのNaOH(3当量)を添加し、次いで硫酸ジメチル(4.36当量)を添加した。反応物を一晩室温にゆっくり加温しておいた。メタノールを真空中で蒸発させ、水層を飽和水性NHClによってクエンチした。次いで、水相をEtOAcによって2回抽出し、合わせた有機抽出物を水、ブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、次いで真空中で濃縮した。得られた残留物をカラムクロマトグラフィー(CHCl中2−3%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を得た。
【0137】
段階5:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階4からのrac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のCHCl中(0.04M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、30当量)を添加した。反応物を室温において2時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮し、逆相HPLC(C18;5−95%のMeCN/水+0.1%のTFA)によって精製し、真空中で濃縮した。残留物を水性NaHCOからCHClによって抽出し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve528.0(MH+)。
【0138】
(実施例25)
rac−(3S,4R)−N−{[1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[{[1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−イル]メチル}(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(5当量)に、臭化3,4−ジフルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において15分間撹拌し、次いで0℃に冷却した。次いで、冷却混合物を、ケトアミド3.2(1当量)のTHF中(9.0M)溶液に0℃において滴加した。15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中5%のMeOH)によって精製することによって、表題化合物をいくつかの不純物とともに得た。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50−100%のEtOAc)に再度かけて表題化合物を得た。
【0139】
段階2:rac−(3S,4R)−N−{[1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.06M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、35当量)を添加した。反応物を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(CHCl中10%の(MeOH中2MのNH))によって精製することによって、表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve565.1(MH+)。
【0140】
(実施例26)
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化3,4−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において15分間撹拌した。次いで、混合物を、ケトアミド3.4(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に滴加した。0℃において15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOによって抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を白色固体として得た。
【0141】
段階2:rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]ル−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.1M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、41当量)を添加した。反応物を室温において2.5時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をCHCl中に取り、NaOH(1M)、ブラインによって洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を無色ガラス状物として得た。MS:ESI+ve478.8(MH+)。
【0142】
(実施例27)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−N−(2,3−ジクロロベンジル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[シクロプロピル(2,3−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(3当量)に、臭化3,4−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において15分間撹拌した。次いで、混合物を、ケトアミド3.3(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に滴加した。0℃において15分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOによって抽出した。有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を白色固体として得た。
【0143】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−N−(2,3−ジクロロベンジル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.1M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、34当量)を添加した。反応物を室温において2.5時間撹拌した。次いで、反応物を真空中で濃縮した。残留物をCHCl中に取り、NaOH(1M)によって洗浄し、次いでブラインによって洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して表題化合物を澄明油状物として生じさせた。MS:ESI+ve454.9(MH+)。
【0144】
(実施例28)
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−{[[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(9.8当量)に、臭化3,4−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、2.6当量)を添加した。混合物を室温において3時間撹拌し、この後、塩化リチウムは全て溶解した。次いで、混合物を、ケトアミド3.5(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に滴加した。0℃において7分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−80%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0145】
段階2:rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.1M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、31当量)を添加した。反応物を室温において1.5時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をCHCl中に取り、NaOH(1M)によって洗浄し、次いでブラインによって洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して表題化合物を淡黄色泡状物として得た。MS:ESI+ve493.1(MH+)。
【0146】
(実施例29)
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−{[{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(10.7当量)に、臭化3,4−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、2.8当量)を添加した。混合物を室温において3時間撹拌し、この後、塩化リチウムは全て溶解した。次いで、混合物を、ケトアミド3.6(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に滴加した。0℃において7分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30−100%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0147】
段階2:rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.1M)溶液に、HCl(ジオキサン中4M、30当量)を添加した。反応物を室温において1.5時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をCHCl中に取り、NaOH(1M)によって洗浄し、次いでブラインによって洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して表題化合物を無色泡状物として生じさせた。MS:ESI+ve494.1(MH+)。
【0148】
(実施例30)
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−{[{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例29の段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.08M)溶液に、3−クロロペルオキシ安息香酸(1当量)を添加した。得られた無色溶液を25℃において6時間撹拌した。溶液を飽和水性Naによってクエンチし、1N水性NaOHによって洗浄した。水性洗液をCHClによって逆抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインによってさらに洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を無色油状物として得た。
【0149】
段階2:rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.01M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、35当量)を添加した。反応物を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をCHCl中に取り、NaOH(1M)によって洗浄し、次いでブラインによって洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で濃縮して表題化合物を無色泡状物として得た。MS:ESI+ve510.2(MH+)。
【0150】
(実施例31)
rac−(3S,4R)−N−(5−{[アセチル(メチル)アミノ]メチル}−2−クロロベンジル)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−{[(5−{[アセチル(メチル)アミノ]メチル}−2−クロロベンジル)(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(12当量)に、臭化3,4−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において3時間撹拌し、この後、塩化リチウムは全て溶解した。次いで、混合物を、ケトアミド3.7(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に滴加した。0℃において7分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−80%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0151】
段階2:rac−(3S,4R)−N−(5−{[アセチル(メチル)アミノ]メチル}−2−クロロベンジル)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.006M)室温溶液に、HCl(ジオキサン中4M、23当量)を添加した。反応物を室温において1.5時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をCHCl中に取り、NaOH(1M)によって洗浄し、次いでブラインによって洗浄し、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して表題化合物を無色泡状物として生じさせた。MS:ESI+ve506.1(MH+)。
【0152】
(実施例32)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−{[1−(3−メトキシプロピル)−1H−インドール−3−イル]メチル}ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−[(シクロプロピル{[1−(3−メトキシプロピル)−1H−インドール−3−イル]メチル}アミノ)カルボニル]−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
丸底フラスコ中の塩化リチウムを、真空下で120℃において一晩乾燥させた。これを真空下でさらに火炎乾燥させてから使用した。N下の塩化リチウム(12当量)に、臭化3,4−フルオロフェニルマグネシウム(THF中0.5M、3当量)を添加した。混合物を室温において3時間撹拌し、この後、塩化リチウムは全て溶解した。次いで、混合物を、ケトアミド3.8(1当量)のTHF中(0.2M)0℃溶液に滴加した。0℃において7分後、反応物をNHClによってクエンチし、EtOAcによって抽出した。有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上での自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中10−80%のEtOAc)によって精製することによって、表題化合物を得た。
【0153】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−{[1−(3−メトキシプロピル)−1H−インドール−3−イル]メチル}ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のCHCl中(0.07M)溶液に、臭化亜鉛(10当量)を添加した。得られた懸濁液を1分間超音波処理してから、反応物を周期的に超音波処理しながら室温において18時間撹拌しておいた。反応懸濁液をNaOH(1M)によってクエンチし、次いでCHClによって抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して油状物を生じさせた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中3−20%の(MeOH中5%のNHOH)によって精製することによって、表題化合物を無色油状物として得た。MS:ESI+ve498.2(MH+)。
【0154】
【表4】

【0155】
(実施例33)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド(実施例6)(100mg/mLのヘキサン中40%のEtOH中溶液)を、キラルHPLC(Chiralpak ADカラム;ヘキサン中40%のEtOH+0.15%のEtN)によって分離した。最初に溶出したエナンチオマー(表題化合物)をer>99:1において澄明無色油状物として単離した。MS:ESI+ve533.0(MH+)。
【0156】
(実施例34)
(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド(実施例26)を、キラルHPLC(Chiralpak ADカラム;ヘキサン中15%のEtOH、15%のiPrOH、0.25%のTEA)によって分離した。二番目に溶出したエナンチオマー(澄明無色油状物)を表題化合物として単離した。MS:ESI+ve479.0(MH+)。
【0157】
【表5】


【0158】
(実施例35)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例6の段階1の表題化合物(1当量)およびNaH(1.05当量)(油中60%分散液)の混合物に、MeI(10当量)およびDMF(0.1M溶液)を添加した。反応混合物を80℃に2時間加熱し、水からEtOによって3回抽出した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中20−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0159】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、40当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を、室温において30分間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve547.2(MH+)。
【0160】
(実施例36)
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例26の段階1からの表題化合物(1当量)およびNaH(1.05当量)(油中60%分散液)の混合物に、MeI(10当量)およびDMF(0.1M溶液)を添加した。反応混合物を80℃に25分間加熱し、水からEtOによって3回抽出した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中20−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0161】
段階2:rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、59当量)およびジクロロメタン(HClと等容量)中溶液を室温において2.5時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に取り、NaOH(水性、1M)およびブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して表題化合物を澄明ガラス状物として得た。MS:ESI+ve493.1(MH+)。
【0162】
(実施例37)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−N−(2,3−ジクロロベンジル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[シクロプロピル(2,3−ジクロロベンジル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例27の段階1からの表題化合物(1当量)およびNaH(1.1当量)(油中60%分散液)の混合物に、MeI(10当量)およびDMF(0.1M溶液)を添加した。反応混合物を80℃に25分間加熱し、水からEtOによって3回抽出した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中20−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0163】
段階2:rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、57当量)およびジクロロメタン(HClと等容量)中溶液を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に取り、NaOH(水性、1M)およびブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、0.5/5/95のNHOH/MeOH/CHCl)によって精製して表題化合物を澄明ガラス状物として得た。MS:ESI+ve469.1(MH+)。
【0164】
(実施例38)
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例28の段階1からの表題化合物(1当量)のDMF中(0.056M溶液)室温溶液を、NaH(油中60%分散液、1.1当量)によって処理した。混合物を1分間超音波処理し、室温において10分間撹拌した。MeI(1.1当量)を添加し、溶液を室温において18分間撹拌し、NHCl(水性飽和)によってクエンチし、EtOによって抽出した。有機相を水、ブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中20−80%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0165】
段階2:rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、31当量)およびジクロロメタン(HClと等容量)中溶液を室温において1.5時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に取り、NaOH(水性、1M)、ブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1/9/90のNHOH/MeOH/CHCl)によって精製して表題化合物を淡黄色泡状物として得た。MS:ESI+ve507.2(MH+)。
【0166】
(実施例39)
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例29の段階1からの表題化合物(1当量)のDMF中(0.084M溶液)室温溶液を、NaH(油中60%分散液、1.1当量)によって処理した。混合物を1分間超音波処理し、室温において4分間撹拌した。MeI(1.1当量)を添加し、溶液を室温において18分間撹拌し、NHCl(水性飽和)によってクエンチし、EtOによって抽出した。有機相を水、ブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中30−100%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0167】
段階2:rac−(3S,4R)−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、31当量)およびジクロロメタン(HClと等容量)中溶液を室温において1.5時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に取り、NaOH(水性、1M)およびブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を淡黄色泡状物として得た。MS:ESI+ve508.2(MH+)。
【0168】
(実施例40)
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−{[{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}(シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシラレート
実施例39の段階1の表題化合物(1当量)のCHCl中(0.077M)溶液に、mCPBA(1.0当量)を添加した。反応混合物を室温において6時間撹拌し、Na(水性飽和)によってクエンチし、NaOH(水性1N)によって洗浄した。水性洗液をCHClによって逆抽出した。合わせた有機抽出物を水およびブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0169】
段階2:rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、36当量)およびジクロロメタン(HClと等容量)中溶液を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に取り、NaOH(水性、1M)およびブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を無色泡状物として得た。MS:ESI+ve524.2(MH+)。
【0170】
(実施例41)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例7の段階1からの表題化合物(1当量)およびMeI(10当量)のDMF中(0.1M溶液)混合物に、NaH(油中60%分散液、1.05当量)を添加した。反応混合物を80℃に2時間加熱し、室温に冷却し、EtO中に取り、HOによって3回洗浄した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中30−100%のEtOAc)によって精製して表題化合物を白色固体として得た。
【0171】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、52当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を室温において50分間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve547.1(MH+)。
【0172】
(実施例42)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−メトキシ−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
実施例23の段階2からの表題化合物(1当量)のDMF中(0.04M溶液)溶液に、NaH(油中60%分散液、1.2当量)を添加し、次いでMeI(5当量)を添加した。反応混合物を80℃に30分間加熱し、水によってクエンチし、EtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0173】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、30当量)およびジクロロメタン(HClの3倍容量)中溶液を室温において2時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(C18;5−95%のMeCN/水+0.1%のTFA)によって精製し、真空中で濃縮した。残留物を水性NaHCOからCHClによって抽出し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve542.6(MH+)。
【0174】
(実施例43)
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−メトキシ−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
実施例24の段階4からの表題化合物(1当量)のDMF中(0.04M溶液)溶液に、NaH(油中60%分散液、1.2当量)を添加し、次いでMeI(5当量)を添加した。反応混合物を80℃に30分間加熱し、水によってクエンチし、EtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0175】
段階2:rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、30当量)およびジクロロメタン(HClの3倍容量)中溶液を室温において2時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(C18;5−95%のMeCN/水+0.1%のTFA)によって精製し、真空中で濃縮した。残留物を水性NaHCOからCHClによって抽出し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve542.0(MH+)。
【0176】
(実施例44)
rac−(3S,4R)−4−(1−ブチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:2−(ベンジルオキシ)−4−ブロモピリジン
火炎乾燥させた丸底フラスコに、4−ブロモ−2−ピリジノール(1当量)ベンゼン(0.14M溶液)、AgCO(0.6当量)および臭化ベンジル(1.2当量)を入れ、暗所で55℃に15時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、CHClによって洗浄しながらセライトに通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中2−4%のEtO)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0177】
段階2:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの表題化合物(1.47当量)のTHF中(0.3M)−78℃溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、1.6当量)を添加した。得られた溶液を−78℃において30分間撹拌した。MgBr(EtO中0.5M、1.9当量)を添加し、得られた溶液を−78℃において30分間撹拌した。ケトアミド3.1の溶液(THF中0.1M、1当量)を添加し、反応混合物を室温に16時間にわたって加温し、NaHCO(水性飽和)によってクエンチし、EtOAcによって2回抽出した。合わせた有機相をブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中10−80%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0178】
段階3:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
段階2からの表題化合物(1当量)のDMF中(0.09M溶液)溶液に、NaH(油中60%分散液、1.4当量)を添加し、次いでMeI(5当量)を添加した。反応混合物を80℃に40分間加熱し、EtOによって希釈し、水によって2回洗浄し、ブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中0−100%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0179】
段階4:rac−tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階3からの表題化合物(1当量)およびパラジウム(炭素上10%)のEtOAc中(0.05M)溶液をH雰囲気下で4時間撹拌し、CHClによって洗浄しながらセライトに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0180】
段階5:rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(1−ブチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
段階4からの表題化合物(1当量)のDMF中(0.53M)溶液に、BuI(3当量)およびCsCO(1.5当量)を添加し、得られた混合物を60℃において16時間撹拌した。反応混合物を水からEtOAcによって2回抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(C18;5−95%のMeCN/水+0.1%のTFA)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。副生物としてO−アルキル化生成物、rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレートも形成され、澄明無色油状物として単離した。
【0181】
段階6:rac−(3S,4R)−4−(1−ブチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階5からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、30当量)およびジクロロメタン(HClの4.5倍容量)中溶液を室温において2時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(C18;5−95%のMeCN/水+0.1%のTFA)によって精製し、真空中で濃縮した。残留物を水性NaHCOからCHClによって抽出し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve584.3(MH+)。
【0182】
(実施例45)
rac−(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:rac−(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
実施例44の段階5からのO−アルキル化副生物rac−tert−ブチル(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、30当量)およびジクロロメタン(HClの8倍容量)中溶液を室温において2時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(C18;5−95%のMeCN/水+0.1%のTFA)によって精製し、真空中で濃縮した。残留物を水性NaHCOからCHClによって抽出し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve584.3(MH+)。
【0183】
【表6】



【0184】
(実施例46)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例33からの表題化合物(1当量)のTHF中(0.14M)室温溶液に、BOCO(1.2当量)を添加した。反応混合物を室温において4時間撹拌し、真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中10−70%のEtOAc)によって精製して表題化合物を白色固体として得た。
【0185】
段階2:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの表題化合物(1当量)およびNaH(1.2当量)(油中60%分散液)の混合物に、MeI(5当量)およびDMF(0.1M溶液)を添加した。反応混合物を80−90℃に40分間加熱し、この時間の後、別のさらなるNaH(1.25当量)およびMeI(6.2当量)を添加し、さらに反応しなくなるまで同一温度において加熱し、室温に一晩冷却し、水性NHClからEtOによって2回抽出した。有機相をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中40−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0186】
段階3:(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階2からの化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、40当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を室温において40分間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH3))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve547.5(MH+)。
【0187】
(実施例47)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−エトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−エトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例46の段階1からの表題化合物(1当量)およびNaH(油中60%分散液、1.2当量)のDMF中(0.1M溶液)溶液に、ヨウ化エチル(11当量)を添加した。溶液を80℃に30分間加熱し、室温に冷却し、水からEtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中30−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0188】
段階2:(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−エトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、44当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH3))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve561.7(MH+)。
【0189】
(実施例48)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]ピペリジン−1−カルボキシレート
実施例46の段階1からの表題化合物(1当量)およびNaH(油中60%分散液、2当量)のDMF中(0.1M溶液)溶液に、臭化4−フルオロベンジル(20当量)を添加した。溶液を80℃に1時間加熱し、室温に冷却し、水からEtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中30−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0190】
段階2:(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、36当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を室温において2時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH3))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve640.9(MH+)。
【0191】
(実施例49)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メトキシエトキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メトキシエトキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
実施例46の段階1からの表題化合物(1当量)、NaI(1当量)およびNaH(油中60%分散液、2当量)のDMF中(0.1M溶液)溶液に、1−ブロモ−2−メトキシエタン(11当量)を添加した。溶液を80℃に30分間加熱し、室温に冷却し、水からEtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中30−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0192】
段階2:(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メトキシエトキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1からの化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、50当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−10%の(MeOH中2MのNH3))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve591.0(MH+)。
【0193】
(実施例50)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミドトリフルオロアセテート
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−4−(アリルオキシ)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
実施例46の段階1からの表題化合物(1当量)およびNaH(油中60%分散液、2当量)のDMF中(0.095M溶液)溶液に、臭化アリル(14.5当量)を添加した。溶液を80℃に2.5時間加熱し、室温に冷却し、水からEtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中20−40%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0194】
段階2:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの表題化合物(1当量)、OsCI(0.01当量)、キヌクリジン(0.05当量)、KCO(3当量)およびKFe(CN)のtert−ブタノール/水混合物(1:1 v/v、0.14M溶液)中混合物を、室温において一晩撹拌した。反応混合物を水からEtOAcによって3回抽出し、合わせた有機抽出物を真空中で濃縮した(乾燥剤不使用)。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中80−100%のEtOAc、次いでEtOAc中4%のMeOH)によって精製して表題化合物(ジアステレオマーの混合物)を澄明無色油状物として得た。
【0195】
段階3:(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミドトリフルオロアセテート
段階2からの化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、36.5当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物を逆相HPLC(C18;水中10−90%のMeCN+1%のTFA)によって精製して表題化合物(ジアステレオマーの混合物)を澄明無色油状物として得た。MS:APCI+ve607.4(MH+)。
【0196】
(実施例51)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イルメトキシ)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
実施例46の段階1からの表題化合物(1当量)およびNaH(油中60%分散液、1.4当量)のDMF中(0.1M溶液)溶液に、臭化プロパルギル(トルエン中80%溶液、5当量)を添加した。溶液を80℃に2時間加熱し、室温に冷却し、EtO中に取り、水によって2回洗浄し、ブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中20−60%のEtOAc)によって精製して表題化合物を淡褐色油状物として得た。
【0197】
段階2:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イルメトキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの表題化合物(1当量)、アジ化トリメチルシリル(3当量)およびCuI(0.2当量)のDMFおよびMeOHの混合物(それぞれ9:1、0.15M溶液)中混合物を100℃に16時間加熱し、室温に冷却し、EtOAcによって希釈し、水およびブラインによって洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5−8%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を暗緑色油状物として得た。
【0198】
段階3:(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イルメトキシ)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階2からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、40当量)およびジクロロメタン(HClの2倍容量)中溶液を室温において2時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中10%の(MeOH中2MのNH3))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:ESI+ve614.2(MH+)。
【0199】
(実施例52)
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例22の段階2からの表題化合物をキラルHPLC(Chiralpak AD;ヘキサン中40%のEtOH)によって分割して表題化合物(最初に溶出したエナンチオマー)を澄明無色油状物として得た。
【0200】
段階2:tert−ブチル(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの表題化合物(1当量)のDMF中(0.14M)室温溶液に、MeI(1.2当量)およびNaH(1.2当量)を添加した。反応混合物を室温において30分間撹拌し、EtOAcによって希釈し、水によって4回洗浄し、ブラインによって1回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0201】
段階3:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−ヒドロキシ−4−(2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階2からの表題化合物(1当量)、酢酸(1当量)およびPd(炭素上10%)のEtOAc中(0.1M)混合物を、室温においてH雰囲気下で5時間撹拌した。反応混合物をEtOAcによって洗浄しながらセライトに通して濾過した。濾液を真空中で濃縮して表題化合物を得た。
【0202】
段階4:tert−ブチル(3S,4R)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−メトキシ−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階3からの表題化合物(1当量)のMeOH中(0.05M)0℃溶液に、NaOH(水性、3M、3当量)を添加し、次いでMeSO(4.4当量)を添加した。反応混合物を16時間にわたりゆっくりと室温に加温させ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0203】
段階5:(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階4からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、15当量)およびCHCl(HClの2.5倍容量)中溶液を、室温において2時間撹拌した。残留物を真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:APCI+ve542.3(MH+)。
【0204】
(実施例53)
(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−3−({シクロプロピル[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−4−メトキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例52の段階3からの表題化合物(1当量)のベンゼン中(0.1M溶液)溶液に、1−ヨードブタン(1.2当量)およびAgCO(0.6当量)を添加した。反応混合物を50℃において暗所で一晩撹拌し、室温に冷却し、CHClによって洗浄しながらセライトに通して濾過し、真空中で濃縮した。残留物をこの反応条件に再度供し、次いで同様に後処理した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中60%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0205】
段階2:(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階4からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、15当量)およびCHCl(HClの2.5倍容量)中溶液を、室温において5時間撹拌した。残留物を真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;CHCl中5%の(MeOH中2MのNH))によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。MS:APCI+ve584.2(MH+)。
【0206】
(実施例54)
(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階1:tert−ブチル(3S,4R)−3−{[[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート
実施例34からの表題化合物(1当量)のTHF中(0.1M溶液)室温溶液に、THF(実施例34からの表題化合物を溶解させるために使用した容量の2分の1の容量)中の(BOC)O(1.2当量)を添加した。反応混合物を室温において1時間撹拌し、真空中で濃縮し、残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中10−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を澄明ガラス状物として得た。
【0207】
段階2:tert−ブチル(3S,4R)−4−(アリルオキシ)−3−{[[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階1からの表題化合物(1当量)および臭化アリル(3当量)のDMF中(0.1M溶液)室温溶液に、NaH(2当量)を添加した。溶液を室温において8分間撹拌し、水からEtOによって2回抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中10−50%のEtOAc)によって精製して表題化合物を淡黄色油状物として得た。
【0208】
段階3:tert−ブチル(3S,4R)−3−{[[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル](シクロプロピル)アミノ]カルボニル}−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
段階2からの表題化合物(1当量)を、tert−ブタノールおよび水の1;1混合物中に取り(0.1M)、0℃に冷却し、AD−mix− (1当量)を添加した。得られた混合物を0℃において4時間撹拌し、Na(水性飽和)によってクエンチし、EtOによって抽出し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;EtOAc中2−3%のMeOH)によって精製して表題化合物を澄明無色油状物として得た。
【0209】
段階4:(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピペリジン−3−カルボオキサミド
段階3からの表題化合物(1当量)のHCl(ジオキサン中4N、29当量)およびジクロロメタン(HClと等容量)中溶液を、室温において2時間撹拌し、真空中で濃縮した。残留物をジクロロメタン中に取り、NaOH(水性、1M)およびブラインによって洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して表題化合物を澄明ガラス状物として得た。MS:ESI+ve553.1(MH+)。
【0210】
生物学的活性を実証するアッセイ
ヒト組換えレニンの阻害
酵素的インビトロアッセイを384ウェルポリプロピレンプレート(Nunc)中で実施した。アッセイ緩衝液は、1mMのEDTAおよび0.1%のBSAを含むPBS(Gibco BRL)からなるものであった。反応混合物は、DMSO中の1ウェル当たり47.5μLの酵素混合物および2.5μLのレニン阻害剤から構成されるものであった。酵素混合物を4℃で予備混合し、酵素混合物は、以下の成分からなる:
・ヒト組換えレニン(40pM)
・合成ヒトアンジオテンシン(1−14)(0.5μM)
・硫酸ヒドロキシキノリン(1mM)
次いで、混合物を37℃で3時間インキュベートした。酵素反応を、反応プレートを湿潤氷上に配置することにより停止させた。
【0211】
酵素的活性およびこの阻害を求めるため、蓄積したAngIを384ウェルプレート(Nunc)中で酵素免疫測定法(EIA)により検出した。5μLの反応混合物または標準液を、AngIおよびウシ血清アルブミンの共有結合複合体(AngI−BSA)が事前にコートされている免疫プレートに移した。0.01%のTween20を含む75μLの上記アッセイ緩衝液中のAngI−抗体を添加し、プレートを4℃で一晩インキュベートした。
【0212】
代替プロトコールを、最終濃度0.02NのHClにより酵素的反応を停止させることにより使用することもできた。5μLの反応混合物または標準液を免疫プレートに移し、0.01%のTween20を含む75μLの上記アッセイ緩衝液中のAngI−抗体を添加し、プレートを室温で4時間インキュベートした。
【0213】
プレートを、0.01%のTween20を含むPBSで3回洗浄し、次いで抗ウサギ−ペルオキシダーゼ結合抗体(WA934、Amersham)とともに室温で2時間インキュベートした。プレートを3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ基質のABTS((2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH)を添加し、プレートを室温で60分間インキュベートした。プレートをマイクロプレートリーダーにおいて405nmで評価した。阻害率を各濃度点について計算し、酵素活性を50%だけ阻害するレニン阻害濃度(IC50)を求めた。
【0214】
ヒト血漿におけるレニンの阻害
酵素的インビトロアッセイを384ウェルポリプロピレンプレート(Nunc)中で実施した。アッセイ緩衝液は、1mMのEDTAおよび0.1%のBSAを含むPBS(Gibco BRL)からなるものであった。反応混合物は、DMSO中の1ウェル当たり80μLのヒト血漿、酵素、AngI−抗体の混合物および5μLのレニン阻害剤から構成されるものであった。ヒト血漿混合物を4℃で予備混合し、ヒト血漿混合物は、
・10名の正常ドナーから得られたヒト血漿
・ヒト組換えレニン(3pM)
・AngI−抗体
からなる。
【0215】
次いで、混合物を37℃で2時間インキュベートした。
【0216】
酵素的活性およびこの阻害を求めるため、蓄積したAngIを384ウェルプレート(Nunc)中で酵素免疫測定法(EIA)により検出した。10μLの反応混合物または標準液を、AngIおよびウシ血清アルブミンの共有結合複合体(AngI−BSA)が事前にコートされている免疫プレートに移した。70μLのアッセイ緩衝液を添加し、プレートを4℃で一晩インキュベートした。プレートを、0.01%のTween20を含むPBSにより3回洗浄し、次いで抗ウサギ−ペルオキシダーゼ結合抗体(WA934、Amersham)とともに室温で2時間インキュベートした。プレートを3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ基質のABTS((2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)2NH)を添加し、プレートを室温で60分間インキュベートした。プレートをマイクロプレートリーダーにより405nmで評価した。インビボ動物モデル−雌性二重トランスジェニックラットをRCC Ltd、Fullingsdorf、Switzerlandから購入した。全動物を同一条件下で維持し、通常のペレット化ラット飼料および水を自由に摂取させた。ラットを最初にエナラプリル(1mg/kg/日)により2ヵ月間処置した。エナラプリル処置を中止して約2週間後、二重トランスジェニックラットは高血圧になり、160−170mmHgの範囲の平均動脈圧に達する。
【0217】
送信機移植−ラットを90mg/kgのKetamin−HCl(Ketavet、Parke−Davis、Berlin FRG)および10mg/kgのキシラジン(xylazin)(Rompun、Bayer、Leverkusen、FRG)の混合物により腹腔内麻酔した。圧力送信機を無菌条件下で腹腔内に移植し、検出カテーテルを下行大動脈中に腎動脈下で上流に向けて配置した。送信機を腹部筋系に縫合し、皮膚を閉じた。
【0218】
遠隔測定システム−遠隔測定装置をData Sciences(St.Paul、MN)から入手した。移植されるセンサは、真空と比較した絶対動脈圧を計測する極めて安定な低コンダクタンスひずみゲージ式圧力変換器に接続された液体充填カテーテル(直径0.7mm、長さ8cm;モデルTA11PA−C40)および無線送信機からなるものであった。カテーテルの先端に、血液逆流を防止する粘稠性ゲルを充填し、血栓形成を阻害する抗血栓性皮膜を被覆した。移植片(長さ=2.5cm、直径=1.2cm)は重量9gであり、典型的な電池寿命は6ヵ月である。受信機プラットフォーム(RPC−1、Data Sciences)により、無線信号を専用パーソナルコンピュータ(Compaq、deskpro)に送信されるデジタル化入力に接続した。動脈圧を、周囲圧力基準(APR−1、Data Sciences)からの入力を使用して較正した。収縮期血圧、平均血圧および拡張期血圧を水銀柱ミリメートル(mmHg)で表した。
【0219】
血行力学的計測−圧力送信機が移植された二重トランスジェニックラットに、ビヒクルまたは10mg/kgの試験物質(1群当たりn=6)を強制経口投与し、平均動脈圧を連続的にモニタリングした。試験物質の効果を、対照群に対する処置群における平均動脈圧(MAP)の最大減少として表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

を有する化合物または薬学的に許容されるこの塩
[式中、
は、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルからなる群から選択され;
は、アリール環、N、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員ヘテロアリール環、またはN、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する縮合9員もしくは10員ヘテロアリール環系であり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリール環は、非置換であり、または
1)ハロゲン、
2)O−C1−5アルキレン−O−C1−5アルキル、
3)C1−5アルキレン−O−C1−5アルキル、
4)C1−5アルキレン−N(C1−5アルキル)−C(O)−C1−5アルキル、
5)C1−5アルキレン−NH−C(O)−C1−5アルキルおよび
6)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されており;
は、アリール環、N、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する5員もしくは6員ヘテロアリール環、N、OもしくはSから選択される1個、2個、3個もしくは4個のヘテロ原子を含有する縮合9員もしくは10員ヘテロアリール環系、またはC3−8シクロアルキルであり、ここで、前記アリール環、ヘテロアリール環またはC3−8シクロアルキルは、非置換であり、または
1)ハロゲン、
2)C1−5アルコキシ、
3)CF
4)NH
5)O−(C1−5アルキレン)−アリール、
6)C1−5アルキルおよび
7)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されており、
は、
水素、
1−5アルキル、
1−5アルキレン−アリール、
1−5アルキレン−O−C1−5アルキル、
3−8シクロアルキル、
1−5アルキレンNHC(O)−C1−5アルキル、
C(O)−O−C1−5アルキルおよび
1−5アルキレン−ヘテロアリール
からなる群から選択され、
ここで、アリールは、非置換であり、またはハロゲンで一置換もしくは二置換されており、アルキルは、非置換であり、またはOHで一置換もしくは二置換されており、ヘテロアリールは、N、OおよびSからなる群から選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有する5員または6員不飽和環である。]。
【請求項2】
がシクロプロピルである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項3】
が、非置換であり、または
1)Cl、
2)O(CHOCH
3)(CH2−3OCH
4)CHN(CH)C(O)CHおよび
5)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されているフェニル、ピリジン、ピリミジンまたはインドールである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項4】
が、非置換であり、または
1)Cl、
2)F、
3)C1−4アルコキシ、
4)CF
5)NH
6)OCHフェニル、
7)C1−4アルキルおよび
8)オキソ
から独立して選択される基で一置換、二置換、三置換もしくは四置換されているフェニル、ピリジニル、チアゾール、イミダゾールまたはベンゾオキサゾールである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項5】
が、
水素、
1−5アルキル、
CHフルオロフェニル、
(CHOCH
CHCH(OH)CHOHおよび
CHトリアゾール
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項6】
ジアステレオマー構造
【化2】

を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項7】
エナンチオマー構造
【化3】

を有する、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項8】
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−フェニルピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−3−イルピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−ピリジン−4−イルピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(3−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジクロロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−[2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(3−メトキシフェニル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(3−アミノフェニル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1,3−チアゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(2−チエニル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−(1,3−ベンゾオキサゾール−2−イル)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−4−[2−(ベンジルオキシ)ピリジン−4−イル]−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)N−シクロプロピル4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−{[1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−N−(2,3−ジクロロベンジル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−(5−{[アセチル(メチル)アミノ]メチル}−2−クロロベンジル)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−{[1−(3−メトキシプロピル)−1H−インドール−3−イル]メチル}ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−N−(2,3−ジクロロベンジル)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)ピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−{[5−クロロ−2−(3−メトキシプロピル)−1−オキシドピリジン−4−イル]メチル}−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−4−(1−ブチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
Rac−(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−エトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−[(4−フルオロベンジル)オキシ]−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2−メトキシエトキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミドトリフルオロアセテート、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1H−1,2,3−トリアゾール−5−イルメトキシ)ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]−4−(1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)ピペリジン−3−カルボキサミド、
(3S,4R)−4−(2−ブトキシピリジン−4−イル)−N−シクロプロピル−4−メトキシ−N−[3−(2−メトキシエトキシ)−5−(3−メトキシプロピル)ベンジル]ピペリジン−3−カルボキサミド、および
(3S,4R)−N−[2−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ベンジル]−N−シクロプロピル−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピペリジン−3−カルボキサミド
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩の有効量および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎仙痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害、緑内障、眼圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管または心臓の術後合併症、勃起不全、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤による治療の合併症に関連する疾患、ならびにレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られている他の疾患を治療または予防する医薬品の製造のための、請求項1に記載の化合物または請求項9に記載の組成物の使用。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物の薬学有効量を患者に投与することを含む、高血圧、欝血性心不全、肺高血圧、腎機能障害、腎虚血、腎不全、腎線維症、心機能障害、心肥大、心線維症、心筋虚血、心筋症、糸球体腎炎、腎仙痛、糖尿病に起因する合併症、例えば腎症、脈管障害および神経障害、緑内障、眼圧亢進、アテローム性動脈硬化症、血管形成術後の再狭窄、血管または心臓の術後合併症、勃起不全、高アルドステロン症、肺線維症、強皮症、不安症、認知障害、免疫抑制剤による治療の合併症に関連する疾患、ならびにレニン−アンジオテンシン系に関連することが知られている他の疾患を治療または予防する方法。

【公表番号】特表2011−505388(P2011−505388A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536295(P2010−536295)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/CA2008/002069
【国際公開番号】WO2009/070869
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】