説明

ロアアームの取付構造

【課題】 操縦安定性および、ロアアームの支持剛性を確保しつつ、サスペンションメンバに装着される装着部材のレイアウトの制約を排除し、もってエンジンルームの小型化に寄与すること。
【解決手段】 ロアアーム後端部を支持するロアアーム取付ブラケットに形成された固定部8bは、サスペンションメンバに形成される挿入穴10に挿入された状態でボルトにより締結固定される。ここで、固定部8bは切り欠き部81を有し、サスペンションメンバに装着される装着部材11は、切り欠き部81を貫通する締結部材21aによってサスペンションメンバに締結固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サスペンション装置のロアアーム、特に、サスペンションメンバ側に2点取付け部を有するA型、L型のロアアームの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サスペンション装置のロアアームは、操縦安定性の観点から車輪の上下動に伴う車輪のキャンバ変化を少なくするためには、ロアアーム長は長く設定されることが望ましい。
【0003】
そこで、ロアアーム長を長くするためにロアアームに予めスピンドルを設定し、このスピンドルに取付けられる内筒と、この内筒に弾性部材を介して取付けられる外筒とを有する取付けブラケットをサスペンションメンバ下方に取り付けることで、ロアアーム長を確保したものが知られている。
【0004】
しかしながら、この種の技術では、車両のコーナーリング時に車輪から加わる横力によって、取付けブラケットとサスペンションメンバとの間で回転モーメントが発生してしまい、取付けブラケットとサスペンションメンバの取付け部は、高い支持剛性を確保する必要がある。
【0005】
これに対し、ロアアームの取付部をサスペンションメンバ内に設定することで、ロアアーム長を長く設定しつつ、モーメントの発生を抑制したものが知られている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0006】
ところで近年では、車室内を広くするためにエンジンルームをコンパクトにするニーズが非常に高い。しかし、エンジンルームのコンパクト化は、部材同士の干渉の問題を引き起こす。たとえば、エンジンルームをコンパクトにしようとすると、スタビライザなどをサスペンションメンバに取り付けるための締結部材と、サスペンションメンバ内に設けられたロアアームの取付部とが干渉してしまうという問題が生じる。
【0007】
従来は、このような干渉は甘受して、ロアアームの取付部にも上記締結部材用の穴を設け、そこに装着部材を締結部材で締結固定する構成が採られていた。つまりスタビライザなどの装着部材は、サスペンションメンバおよびロアアームの取付部を貫通する穴に締結部材を締結することによって装着されていた。
【0008】
【特許文献2】特開2002−200909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記した従来のロアアームの取付構造では、例えばサービス時にロアアームをサスペンションメンバから取り外す際には、上記装着部材用の締結部材まで抜き取る必要があり、手間がかかる。もちろん、その後にロアアームをサスペンションメンバに取り付ける際には、再びその装着部材用の締結部材を締結する必要もある。このように、従来の取付構造はロアアームの組み付け性に劣るものであった。
【0010】
したがって本発明の目的は、操縦安定性および、ロアアームの支持剛性を確保しつつ、サスペンションメンバに装着される装着部材のレイアウトの制約を排除し、もってエンジンルームの小型化に寄与するとともに、ロアアームの組付け性をも向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面は、車体に対して車輪を上下方向に揺動自在に支持するロアアームのサスペンションメンバへの取付構造に係り、前記車輪を回転自在に支持する回転支持部材から車両内方に延びるとともに、前記サスペンションメンバに前後の2点で上下方向に揺動自在に取付けられるロアアーム本体と、前記ロアアーム本体の後側の取付部に設けられるとともに、一端部に前記ロアアーム本体を上下方向に揺動自在に支持する揺動部が形成される一方、かつ、他端部に前記サスペンションメンバ内に挿入された状態で前記サスペンションメンバに固定される固定部が形成されたロアアーム取付ブラケットと、前記固定部と平面視でオーバーラップする位置に設けられ、前記サスペンションメンバ上面に装着される装着部材を前記サスペンションメンバに取り付けるための締結部材とを有し、前記固定部は、前記締結部材が挿通可能となるように一方が開放する切り欠き部を有することを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、操縦安定性および、ロアアームの支持剛性を確保しつつ、サスペンションメンバに装着される装着部材のレイアウトの制約を排除することができる。これにより、エンジンルームの小型化が図られる。また、ロアアームの組み付け性を向上させることもできる。
【0013】
本発明の好適な実施形態によれば、前記切り欠き部は、前記固定部が前記締結部材の前後で二股形状に分かれて車幅方向に延びるように、該締結部材から車両内方側に開放したU字形状に形成されることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、固定部の延び方向を軸とする回転方向のバタツキを抑えつつ、ロアアームの組み付け性を向上させることができる。
【0015】
本発明の好適な実施形態によれば、前記切り欠き部は、前記固定部の二股形状の股の部分に前記締結部材が当接する当接部を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、締結部材をロアアームの車幅方向の位置決め基準として利用することができ、これによりロアアームの組み付け性を向上させることができる。
【0017】
本発明の好適な実施形態によれば、前記切り欠き部は、車両内方側の端部が車両内方ほど前後方向の幅が広がるように形成されることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、ロアアームの取り付け時に締結部材を切り欠き部に入れやすくなり、これによりロアアームの組み付け性を向上させることができる。
【0019】
本発明の好適な実施形態によれば、前記締結部材は、前記固定部及び前記装着部材を前記サスペンションメンバに共締め可能となるように構成されることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、締結部材が固定部及び装着部材をサスペンションメンバに取り付ける機能を兼ねることができ、固定部をサスペンションメンバに取り付けるための締結部材を少なくすることができる。これにより、部品コストの削減を達成可能である。
【0021】
本発明の好適な実施形態によれば、前記固定部は、該固定部を前記サスペンションメンバに取り付ける固定部締結部材を備え、該固定部締結部材は、前記切り欠き部内を上下方向に挿通して設けられることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、固定部締結部材が、切り欠き部を利用して固定部をサスペンションメンバに取り付けることができる。このため、締結穴を別途設ける必要がなくなり、締結穴を形成するコストを削減することができる。
【0023】
本発明の好適な実施形態によれば、前記固定部締結部材は、前記切り欠き部内を上下方向に挿通して設けられる第1固定部締結部材と、前記固定部に形成された締結穴を上下方向に挿通して設けられる第2固定部締結部材とを備え、前記締結穴は、位置決め用の締結穴として設定されることが好ましい。
【0024】
この構成によれば、第2固定部締結部材が固定部の全方位の移動を規制できる。これにより、固定部をサスペンションメンバにより確実に支持させることができる。
【0025】
本発明の好適な実施形態によれば、前記固定部は、前記サスペンションメンバの上面および下面に当接する上下の当接面を備えることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、サスペンションメンバの上面および下面を利用して固定部をサスペンションメンバに支持させることができるため、簡単な構成で固定部をサスペンションメンバにより確実に支持させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、操縦安定性および、ロアアームの支持剛性を確保しつつ、サスペンションメンバに装着される装着部材のレイアウトの制約を排除し、もってエンジンルームの小型化に寄与するとともに、ロアアームの組付け性をも向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決手段として必須のものであるとは限らない。
【0029】
図1は、本発明のロアアーム取付構造が適用されるサスペンション装置の平面図、図2は図1を右側方から見た側面図、図3は図1を後方から見た右側方部の正面図である。ここではサスペンション装置の一例としてダブルウィッシュボーン式のサスペンションを示すが、本発明のロアアームの取付構造はその他の方式、たとえば、ストラット式のサスペンションにも適用することができる。
【0030】
1はサスペンションメンバ(サブフレーム)である。このサスペンションメンバ1は、平面から見て略コ字状に形成された前半部分の第1フレーム1aと、平面から見て略コ字状に形成された後半部分の第2フレーム1bとを有し、この第2フレーム1bの前端部に第1フレーム1aの後端部が挿入されて溶接されるなどの手段で接合されることにより、平面視で略ロ字状に形成されている。この閉領域内に、パワートレイン60が配置されることになる。
【0031】
2,2は車体前後方向に延びる左右一対のボデーサイドフレーム、2aは上記左右一対のボデーサイドフレーム2,2に橋渡され、車幅方向に横断するクロスメンバである。サスペンションメンバ1は後述するような取付構造にてロアアームを連結した状態で、このボデーサイドフレーム2,2およびクロスメンバ2aに組み付けられる。具体的には、この組付けのために、サスペンションメンバ1の第1フレーム1aの前端部左右に前方マウント12,12が設けられ、第2フレーム1bの車体前後方向の中間部にブラケット16,16を介して中間マウント13,13が設けられ、同じく第2フレーム1bの後端部左右に後方マウント14,14が設けられている。すなわち、このサスペンションメンバ1は、左右片側3点、全6点のマウントを備えている。そして、前方マウント12,12および中間マウント13,13はボデーサイドフレーム2,2と接合され、後方マウント14,14はそれぞれクロスメンバ2aに接合される。
【0032】
3,3はロアアーム、4,4はアッパアームである。また、5,5はロアアーム3およびアッパアーム4を介して連結され、車輪を回転自在に支持する車輪支持部材、6,6は下端部がロアアーム3,3に支持されたコイルスプリングおよびオイルダンパを有する緩衝装置、7は左右のロアアーム、4,4を互いに連結する装着部材としてのスタビライザである。なお、このスタビライザ7の前方にはステアリングラック20が配され、タイロッド20a,20aを介して車輪支持部材5,5に連結されている。
【0033】
8,8は、ロアアーム3,3をサスペンションメンバ1に取り付けるためのロアアーム取付ブラケットである。以下、このロアアーム取付ブラケット8を用いたロアアーム3のサスペンションメンバ1への取付構造について、詳しく説明する。
【0034】
図4は、図1の要部拡大図であり、代表的に右側のロアアーム3周りの取付構成を示している。図5は、図4のA−A断面図である。左側のロアアーム3の取付構造も同様であるので、説明は省略する。
【0035】
図示のように、ロアアーム3は、車輪支持部材5から車両内側に延びる第1アーム部31と、車輪支持部材5から車両内側後方に延びる第2アーム部32とを有し、これら第1および第2アーム部31,32でロアアーム本体が構成される。第1アーム部31は、サスペンションメンバ1内に設けられた第1アーム取付け部33に上下方向に揺動自在に取付けられる。一方の第2アーム部32は、ロアアーム取付ブラケット8を介してサスペンションメンバ1に上下方向に揺動自在に取付けられる。
【0036】
ロアアーム取付ブラケット8の車外方の一端には、第2アーム部32を上下方向に揺動自在に支持する揺動部8aが形成される一方、車内方の他端にはサスペンションメンバ1に形成された挿入穴10に挿入された状態でサスペンションメンバ1に固定される固定部8bが形成されている。揺動部8aは、路面からの振動、衝撃の緩和、操縦安定性の確保などをねらって、ラバーブッシュ9を介在させて第2アーム部32の後端部から後方に延びるスピンドルにナット締めによって取付けられている。
【0037】
本実施形態では、サスペンションメンバ1に挿入穴10を形成するとともに、固定部8bには、挿入穴10の上面および下面にそれぞれ当接する上下の当接面を形成する。したがって、挿入穴10に固定部8bを挿入すると、固定部8bの上下の当接面がそれぞれサスペンションメンバ1の上面および下面に当接する。こうして固定部8bはサスペンションメンバ1内に挿入されることにより、サスペンションメンバ1の上面および下面で支持されることになり、ロアアーム3の支持剛性を確保する上で有利である。
【0038】
ところで、上記したように、本実施形態に係るサスペンションは装着部材としてのスタビライザ7を備えている。図1に示されるように、このスタビライザ7の中間部は、ステアリングラック20の直後にてステアリングラック20に沿うように車幅方向を横断している。また、スタビライザ7の端部は、図2および図4に示されるように、第2アーム部32の上方にて車両前方に屈曲され、第2アーム部32の前端で固定されている。なお、スタビライザ7は、左右両輪が同時に上下する場合にはばね作用が生じないように取り付けられ、両輪のストロークに差が生じたときにトーションバーのねじれによって、このストローク差を小さくするようにばね作用を生じさせる働きをするものである。
【0039】
さて、このスタビライザ7は、図4に示すように、アッパプレート11によってサスペンションメンバ1に装着される。したがって本実施形態では、サスペンションメンバ1に装着される装着部材は、スタビライザ7およびアッパプレート11の両方を含む。そしてこのアッパプレート11は、固定部8bと平面視でオーバーラップする位置、つまり、ほぼ同じ位置に設けられており、アッパプレート11のサスペンションメンバ1への固定部8bの直下にはロアアーム取付ブラケット8の固定部8bが位置しているという状況である。
【0040】
アッパプレート11とサスペンションメンバ1との固定には締結部材としてのボルト21aおよびナット21bが使用される。ボルト21aは、図5に示すように固定部8bを貫通することになる。くわえて、本実施形態では、車幅方向において上記した締結部材であるボルト21aおよびナット21bを挟む位置で、ロアアーム取付ブラケット8の固定部8bとサスペンションメンバ1とを締結固定するために、第1固定締結部材としてのボルト22aおよびナット22bと、第2固定締結部材としてのボルト23aおよびナット23bとが使用される。
【0041】
ただし、本実施形態におけるロアアーム取付ブラケット8の固定部8bは、ボルト穴を単に設けただけのものとは異なる。図6に、本実施形態におけるロアアーム取付ブラケット8の構造例を示す。同図において、ボルト21a用のボルト穴およびボルト22a用の単純なボルト穴は設けられていない。そのかわりに、ボルト21aおよびボルト22aの干渉を避けるための切り欠き部81が形成されている。一方、82は第2固定締結部材であるボルト23aが貫通するボルト穴である。このボルト穴82は基本的には、位置決め用の締結穴として設定されるものである。しかし、このボルト穴82に第2固定締結部材23aが締結固定されることにより、固定部8bの全方位の移動が規制されることになる点で好ましい。
【0042】
図7は、ロアアーム取付ブラケット8のサスペンションメンバ1への取付構造を示す分解斜視図である。図示のとおり、本実施形態における切り欠き部81は、固定部8bがボルト21aおよびボルト22aの前後で二股状に分かれ、車幅方向に延びるように、ボルト21aから車両内方側に開放したU字形状に形成される。
【0043】
例えばサービス時にロアアーム3をサスペンションメンバ1から抜き取ることを考える。上記の構成によれば、ボルト23aは取り外す必要はあるが、ボルト21aおよびボルト22aはその締結を緩めるだけでよく、ボルト自体は取り外すことなくロアアーム取付ブラケット8(すなわちロアアーム3)を抜き取ることができる。さらに、この状態でロアアーム取付ブラケット8を挿入穴10に再び挿入することも容易である。このため、ロアアームの組み付け容易性を格段に向上させることができる。また、切り欠き部81は車両前後方向に二股状に分かれる二股形状をなしているので、少なくともロアアーム3の車両前後方向の揺動に対する支持剛性は十分に維持されている。したがって、固定部8bの延び方向を軸とする回転方向のバタツキを抑制することが可能である。
【0044】
また、ボルト21aは、上記した二股形状の股の部分に当接する当接部8cを設定するように構成すると良い。こうすればボルト21aを車幅方向の位置決め基準として利用することができ、ロアアームの組み付け性を向上させることができる。
【0045】
ところで、ロアアーム3の支持剛性が確保されることを条件に、第1固定締結部材であるボルト22aおよびナット22b、および/または、第2固定締結部材であるボルト23aおよびナット23bを設けない構造とすることも可能である。図8は、第1固定締結部材であるボルト22aおよびナット22bを省略した構造例に係る、図5に対応する図である。この場合、締結部材であるボルト21aおよびナット21bは、単にアッパプレート11をサスペンションメンバ1に固定する役割を果たすだけでなく、固定部8bを締結固定する役割も果たす。つまり、この締結部材21aおよび21bは、アッパプレート11および固定部8bを、サスペンションメンバ1に共締め可能とするものである。この構成によれば、締結部材が固定部をサスペンションメンバに取り付ける機能を兼ねることができ、固定部をサスペンションメンバに取り付けるための固定締結部材を少なくすることができる。これにより、部品コストの削減を達成可能である。
【0046】
また、二股形状の切り欠き部81は、図9に示すような末広がりの形状を有するとよい。より具体的には、切り欠き部81は、車両内方側の端部が車両内方ほど前後方向の幅が広がるように形成される。このように固定部8bの先端では切り欠きの間口が広げられているので、組み付けの際に、既に挿入されているボルト21a、22aを切り欠き部81内に容易にガイドすることができ、ロアアームの組み付け性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施形態に係るサスペンション装置の平面図である。
【図2】実施形態に係るサスペンション装置の側面図である。
【図3】実施形態に係るサスペンション装置の右側方部の正面図である。
【図4】実施形態におけるロアアームの取付構造を示す図1の要部拡大図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】実施形態におけるロアアーム取付ブラケットの構造例を示す図である。
【図7】実施形態におけるロアアーム取付ブラケットのサスペンションメンバへの取付構造を示す分解斜視図である。
【図8】ロアアームの取付構造の変形例を示す図である。
【図9】ロアアーム取付ブラケットに形成される切り欠き部形状の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1:サスペンションメンバ
1a:サスペンションメンバの第1フレーム
1b:サスペンションメンバの第2フレーム
2:ボデーサイドフレーム
2a:クロスメンバ
3:ロアアーム
31:第1アーム部
32:第2アーム部
4:アッパアーム
5:車輪支持部材
6:緩衝装置
7:スタビライザ
8:ロアアーム取付ブラケット
8a:ロアアーム取付ブラケットの揺動部
8b:ロアアーム取付ブラケットの固定部
8c:当接部
9:ラバーブッシュ
11:アッパプレート
12:前方マウント
13:中間マウント
14:後方マウント
20:ステアリングラック
20a:タイロッド
21a,21b:締結部材
22a,22b:第1固定締結部材
23a,23b:第2固定締結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対して車輪を上下方向に揺動自在に支持するロアアームのサスペンションメンバへの取付構造であって、
前記車輪を回転自在に支持する回転支持部材から車両内方に延びるとともに、前記サスペンションメンバに前後の2点で上下方向に揺動自在に取付けられるロアアーム本体と、
前記ロアアーム本体の後側の取付部に設けられるとともに、一端部に前記ロアアーム本体を上下方向に揺動自在に支持する揺動部が形成され、かつ、他端部に前記サスペンションメンバ内に挿入された状態で前記サスペンションメンバに固定される固定部が形成されたロアアーム取付ブラケットと、
前記固定部と平面視でオーバーラップする位置に設けられ、前記サスペンションメンバ上面に装着される装着部材を前記サスペンションメンバに取り付けるための締結部材と、
を有し、
前記固定部は、前記締結部材が挿通可能となるように一方が開放する切り欠き部を有することを特徴とするロアアームの取付構造。
【請求項2】
前記切り欠き部は、前記固定部が前記締結部材の前後で二股形状に分かれて車幅方向に延びるように、該締結部材から車両内方側に開放したU字形状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のロアアームの取付構造。
【請求項3】
前記切り欠き部は、前記固定部の二股形状の股の部分に前記締結部材が当接する当接部を有することを特徴とする請求項2に記載のロアアームの取付構造。
【請求項4】
前記切り欠き部は、車両内方側の端部が車両内方ほど前後方向の幅が広がるように形成されることを特徴とする請求項2または3に記載のロアアームの取付構造。
【請求項5】
前記締結部材は、前記固定部及び前記装着部材を前記サスペンションメンバに共締め可能となるように構成されたことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載のロアアームの取付構造。
【請求項6】
前記固定部は、該固定部を前記サスペンションメンバに取り付ける固定部締結部材を備え、該固定部締結部材は、前記切り欠き部内を上下方向に挿通して設けられることを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載のロアアームの取付構造。
【請求項7】
前記固定部締結部材は、前記切り欠き部内を上下方向に挿通して設けられる第1固定部締結部材と、前記固定部に形成された締結穴を上下方向に挿通して設けられる第2固定部締結部材とを備え、前記締結穴は、位置決め用の締結穴として設定されることを特徴とする請求項6に記載のロアアームの取付構造。
【請求項8】
前記固定部は、前記サスペンションメンバの上面および下面に当接する上下の当接面を備えることを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載のロアアームの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−90957(P2007−90957A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280282(P2005−280282)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】