説明

ローディングユニット及び処理システム

【課題】昇降エレベータ機構の能力を大きくする必要性を回避して、この昇降エレベータ機構の高コスト化を抑制することが可能なローディングユニットを提供する。
【解決手段】基板Wに対して熱処理を施すために基板を複数枚保持した基板保持具58を、筒体状の処理容器に対して昇降させるようにしたローディングユニットにおいて、基板保持具とキャップ62とを保持して昇降させる昇降エレベータ機構と、処理容器の下端の開口部44に位置するキャップを上方向へ押圧するために設けられた、圧電素子を用いた圧電アクチュエータ88を有する押圧機構86とを備える。これにより、昇降エレベータ機構の能力を大きくする必要性を回避して、この昇降エレベータ機構の高コスト化を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の基板に対して熱処理を行う処理システム及びこれに用いるローディングユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICやLSI等の半導体集積回路を製造するためには、半導体ウエハ等の基板に対して成膜処理、酸化拡散処理、エッチング処理、アニール処理、シリコン酸化膜形成処理、シンタリング処理等の各種の熱処理が施される。この基板を一度に複数枚処理するために例えば特許文献1〜5等に示されているように縦型のバッチ式の熱処理装置が用いられている。
【0003】
この熱処理装置では、縦型の石英製の処理容器内へ、その下方に位置された不活性ガス雰囲気のローディング室より複数枚、例えば100〜150枚程度の半導体ウエハよりなる基板を載置したウエハボートを昇降エレベータ機構で上昇させてロード(挿入)し、そして、処理容器の下端の開口部を、Oリング付きのキャップで密閉し、密閉された処理容器内で成膜処理等の熱処理を行なう。そして、熱処理を行った後に上記ウエハボートをアンロード(降下)し、処理済みの基板と未処理のウエハとを入れ換えるように移載する。そして、前述したと同様な熱処理が繰り返されることになる。
【0004】
上記ウエハボートを昇降させるためには上記ローディング室内に設けられたボートエレベータが用いられており、また基板の移載は上記ローディング室内に設けられた移載機構により行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平02−130925号公報
【特許文献2】特開平06−224143号公報
【特許文献3】特開2001−093851号公報
【特許文献4】特開2007−027772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記熱処理を行っている間は、上述のように処理容器の下端の開口部は、キャップにより密閉されており、そしてシール性を高めるために熱処理中は昇降エレベータ機構により所定の力で継続的に押し付けている。
【0007】
この場合、昇降エレベータ機構には、基板を含むウエハボートの荷重とキャップに加わる内部圧力の双方の負荷が加わり、特に、シンタリング処理等の大気圧以上の高いプロセス圧力での処理を行う場合には、上記負荷は非常に大きくなり、その分、昇降エレベータ機構の構造を強化すると共に、駆動モータの能力を大きくする必要があり、装置コストの増大を招く、といった問題があった。
【0008】
特に、最近にあっては、半導体集積回路の生産効率を更に向上させるために、基板の直径も更に大口径化することが期待されており、例えば基板の直径を300mmから450mmへと拡大することが求められている。このように基板の直径が大きくなると、150枚の基板を保持したウエハボート等を含む荷重が400kg程度に達する上に、処理容器の開口部を閉じるキャップの面積も大きくなるので、大気圧以上の高いプロセス圧力の熱処理を行う場合には、キャップ面積の増大分だけ更に下方向への負荷が増大し、昇降エレベータ機構の強度向上による高コスト化を招く、といった問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明は、基板保持具を昇降させる昇降エレベータ機構の他にキャップを押圧するために圧電アクチュエータを有する押圧機構を設けることにより、昇降エレベータ機構の能力を大きくする必要性を回避して、この昇降エレベータ機構の高コスト化を抑制することが可能なローディングユニット及び処理システムである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、基板に対して熱処理を施すために前記基板を複数枚保持した基板保持具を、下端が開口されてキャップにより閉じられる筒体状の処理容器に対して昇降させるようにしたローディングユニットにおいて、前記基板保持具と前記キャップとを保持して昇降させる昇降エレベータ機構と、前記処理容器の下端の開口部に位置する前記キャップを上方向へ押圧するために設けられた、圧電素子を用いた圧電アクチュエータを有する押圧機構と、を備えたことを特徴とするローディングユニットである。
【0011】
このように、基板保持具を昇降させる昇降エレベータ機構の他にキャップを押圧するために圧電アクチュエータを有する押圧機構を設けることにより、昇降エレベータ機構の能力を大きくする必要性を回避して、この昇降エレベータ機構の高コスト化を抑制することが可能となる。
【0012】
請求項12に係る発明は、基板に対して熱処理を施す処理ユニットと、前記処理ユニットの下方に設けられた請求項1乃至11のいずれか一項に記載のローディングユニットと、前記ローディングユニットに並設されて、複数枚の前記基板を収容した基板容器を待機させるストッカユニットと、を備えたことを特徴とする処理システムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るローディングユニット及び処理システムによれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
基板に対して熱処理を施すために基板を複数枚保持した基板保持具を、筒体状の処理容器に対して昇降させるようにしたローディングユニットにおいて、基板保持具を昇降させる昇降エレベータ機構の他にキャップを押圧するために圧電アクチュエータを有する押圧機構を設けることにより、昇降エレベータ機構の能力を大きくする必要性を回避して、この昇降エレベータ機構の高コスト化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るローディングユニットをする処理システム全体を示す断面図である。
【図2】図1中のA−A線に沿った断面図である。
【図3】上昇されたキャップと押圧機構との位置関係を示す下面図である。
【図4】押圧機構の第1実施例の動作を説明するための説明図である。
【図5】押圧機構の先端部の一例を示す拡大平面図である。
【図6】押圧機構の第2実施例の動作を説明するための説明図である。
【図7】押圧機構の第3実施例の動作を説明するための説明図である。
【図8】上昇させたキャップと押圧機構との位置関係を示す下面図である。
【図9】押圧機構の第4実施例の動作を説明するための説明図である。
【図10】押圧機構の第5実施例の動作を説明するための説明図である。
【図11】押圧機構の第6実施例の動作を説明するための説明図である。
【図12】圧電アクチュエータの他の例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係るローディングユニット及び処理システムの一実施例を添付図面に基づいて詳述する。図1は本発明に係るローディングユニットをする処理システム全体を示す断面図、図2は図1中のA−A線に沿った断面図、図3は上昇されたキャップと押圧機構との位置関係を示す下面図、図4は押圧機構の第1実施例の動作を説明するための説明図、図5は押圧機構の先端部の一例を示す拡大平面図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、この処理システム2全体は、清浄空気のダウンフローが形成されているクリーンルーム内の床面に設置されている。そして、処理システム2の全体は、例えばステンレススチール等よりなる大きな筐体4によりその外殻が形成されている。
【0017】
この筐体4内には高さ方向に例えばステンレススチールよりなる中央区画壁6が設けられており、内部を左右に2分割してフロント側(図1中の右側)がストッカユニット8として形成されている。また、上記中央区画壁6と筐体4のリア側の裏面区画壁10との間には、水平方向に例えばステンレススチールよりなる区画壁としてのベースプレート12が設けられており、内部を上下に2分割して上側に処理ユニット14を形成し、下側にローディングユニット16を形成している。従って、上記ローディングユニット16と先のストッカユニット8とは互いに並設された状態となっている。
【0018】
そして、この筐体4の底部を区画する底板区画壁18により、この処理システム2の全体の荷重が支えられている。上記ストッカユニット8の前面区画壁20の下部には、半導体ウエハ等よりなる複数枚の基板Wが収容された基板容器22を載置する搬出入ポート24が設けられている。この基板容器22の前面には、開閉可能な蓋22Aが取り付けられている。そして、この搬出入ポート24に対応する前面区画壁20には、開閉ドア26で開閉される搬出入口28が設けられており、上記基板容器22をストッカユニット8内へ搬出入できるようになっている。
【0019】
上記基板容器22としては、例えば25枚程度の基板Wを収容し得るカセットやFOUP(登録商標)と称される密閉容器を用いることができる。ここでは密閉容器が用いられており、その内部には基板Wの酸化を防止するためにN ガス等の不活性ガスが封入されている。
【0020】
上記ストッカユニット8内には、上下方向に沿って複数段になされたストック棚30が設けられており、このストック棚30に未処理の基板Wや処理済みの基板Wを収容した基板容器22を載置して待機させるようになっている。そして、このストッカユニット8内には容器移載機構32が設けられている。具体的には、この容器移載機構32は、上下方向へ起立させて設けた案内レール34と、この案内レール34に沿って上下動する容器搬送アーム36とを有している。この案内レール34には、例えば駆動モータ34Aにより駆動されるボールネジが含まれる。また容器搬送アーム36は、水平方向へ向けて屈曲自在になされると共に、水平面内で回転可能になされており、上記搬出入ポート24と上記ストック棚30との間で基板容器22を搬送し得るようになっている。
【0021】
また、このストッカユニット8内には、上記中央区画壁6に取り付けた容器移載ポート38が設けられると共に、この容器移載ポート38上に上記基板容器22を載置できるようになっている。この容器移載ポート38と上記ストック棚30又は搬出入ポート24との間の基板容器22の搬送は上記容器搬送機構32を用いて行われる。
【0022】
また、この容器移載ポート38を取り付ける上記中央区画壁6には開閉ドア40で開閉される基板搬出入口42が設けられており、この基板搬出入口42を介して上記容器移載ポート38とローディングユニット16内との間で基板Wを搬出入できるようになっている。また、上記ストッカユニット8内には、清浄空気のダウンフローが形成されている。
【0023】
そして、上記処理ユニット14内には、下端部が開口された開口部44を有する円筒体状の処理容器46が設けられている。この処理容器46は、例えば耐熱性及び耐腐食性の石英よりなる容器本体48と、この容器本体48の下端部に設けられる例えばステンレススチール製のマニホールド50とを有する。そして、このマニホールド50の下端が上記開口部44となり、この開口部44の周辺にはフランジ部44Aが形成されている。この処理容器46の下部は、上記ベースプレート12により支持されており、ここで処理容器46の荷重を支えるようになっている。
【0024】
そして、この処理容器46の外周側には、筒体状の加熱ヒータ部54が同心円状に設けられており、この処理容器46内へ収容される基板を加熱するようになっている。またこの処理容器46のマニホールド50の側壁には、熱処理に必要な各種のガスを供給するガス供給系(図示せず)や処理容器46内の雰囲気を圧力制御しつつ排気する排気系(図示せず)がそれぞれ接続されている。そして、この処理容器46内には、基板Wを多段に保持した基板保持具56が収容できるようになっている。
【0025】
この基板保持具56は、上記基板Wを所定のピッチで多段に支持する石英製のウエハボート58と、このウエハボート58の下部に設けられてこれを支持しつつ基板Wの温度を維持する石英製の保温筒60とを有している。この保温筒60は、上記処理容器46の開口部44を閉じる例えばステンレススチールよりなるキャップ62側に回転可能に、或いは固定的に支持される。そして、このキャップ62の周辺部と上記マニホールド50の下端部との間には、例えばOリング等よりなるシール部材64が介在され、処理容器46内を気密に密封できるようになっている。上記基板保持具56の昇降は、ローディングユニット16に設けた昇降エレベータ機構66(図2参照)により行うようになっている。ここで、基板Wの直径が450mmの場合には、キャップ62の直径は600〜650mm程度の大きさである。
【0026】
そして、上記ローディングユニット16の外殻は、ローディング用筐体68により構成され、この内側が気密に密閉されたローディング室70となっている。従って、このローディング室70は、図1中においてローディング用筐体68を形成する上記ベースプレート12、裏面区画壁10の下側部分、中央区画壁6の下側部分、底板区画壁18の左側部分及び筐体4の側面区画壁19の下側部分(図2参照)により区画されている。
【0027】
このように、上記ローディング用筐体68は、上記処理ユニット14の下部に連設された状態となっている。また、上記ベースプレート12は、処理ユニット14を区画する区画壁と共用され、また、中央区画壁6はストッカユニット8を区画する区画壁と共用されることになる。
【0028】
そして、上記処理容器46の直下の部分とストッカユニット8の容器移載ポート38との間には、基板保持具56のウエハボート58に対して基板Wの移載を行う基板移載機構72が設けられている。具体的には、この基板移載機構72は、中央区画壁6より延びる固定アーム部74により上下端が支持されて上下方向へ起立させて設けた案内レール76と、この案内レール76に沿って上下動する移載アーム78とを有している。この案内レール76には、例えば駆動モータ76Aにより駆動されるボールネジが含まれる。また上記移載アーム78は、複数本設けられており、水平面内で旋回及び屈伸可能になされて、上記ウエハボート58と上記容器移載ポート38上に設置された基板容器22との間で一度に複数板の基板Wを移載できるようになっている。
【0029】
また、上記基板保持具56を昇降させる上記昇降エレベータ機構66は、図2にも示すように上下方向へ起立させて設けた案内レール80と、この案内レール80に沿って上下動する保持アーム82とを有している。この案内レール80には、例えば駆動モータ80Aにより駆動されるボールネジが含まれる。ここでは、この案内レール80の上端をベースプレート12に固定し、下端を底部区画壁18に固定している。
【0030】
そして、上記保持アーム82は、水平方向に延びて、この保持アーム82で上記基板保持具58の下部を支えて保持するようになっている。また処理容器46の下端部の外周側には、処理容器46内の排気熱がローディング室70内へ流れ込むことを防止するために箱状に形成されたスカベンジャ(図示せず)が設けられている。
【0031】
そして、上記処理容器46の下端の開口部44に位置された上記キャップ62を上方向へ押圧するために本発明の特徴とする押圧機構86が設けられている。図3に示すように、この押圧機構86は、処理容器46、すなわちキャップ62の周方向に沿って複数個、図3中では4個設けられている。尚、この個数は3個以上であればよく、その数は特には限定されない。
【0032】
ここで上記押圧機構86は、圧電素子を用いた圧電アクチュエータ88を有している。具体的には、この押圧機構86は、固定アーム部90と、スライド板92と、上記圧電アクチュエータ88とを有している。上記固定アーム部90は、垂直部94と水平部96とよりなり、全体がL字状に成形されている。この垂直部94の上端を上記ベースプレート12の下面に接続して固定しており、水平部96の先端を処理容器48の中心に向けている。この水平部96の先端は、上記キャップ62の上下方向への移動軌跡よりも僅かな距離だけ外側へ位置されており、昇降するキャップ62と干渉(衝突)しないようにしている。
【0033】
この固定アーム部90は、例えばステンレススチール等の金属により形成されている。そして、この固定アーム部90の水平部96上に、上記スライド板92が、処理容器48の中心方向に向けてスライド移動可能に設けられている。具体的には、この水平部96の上面には、図5に示すように断面形状において上部が長くて下部が短くなされた逆三角形状に似た案内レール96Aが設けられており、スライド板92の下面には上記案内レール96Aと嵌め合わされて係合する係合溝92Aが設けられている。この結果、このスライド板92は、この水平部96に、水平方向への移動は許容されるが垂直方向への移動は規制されて係合されている。
【0034】
この場合、1つの押圧機構86で数100kgの荷重に耐えられるようになっている。そして、このスライド板92は、この固定アーム部90に設けた駆動部98によって水平方向へ移動可能になされている。上記スライド板92の先端の上面には、上記圧電アクチュエータ88が設けられており、これに通電することにより例えば数mm程度だけ上下方向へ伸長するようになっている。そして、スライド板92を処理容器48の中心方向へ移動させた時に、上記圧電アクチュエータ88がキャップ62の直ぐ下方に位置するようになっている。
【0035】
この圧電アクチュエータ88としては、圧電素子を複数枚、例えば20枚程度積層してなる、いわゆるスタック型の圧電素子体100を用いることができ、移動ストロークは小さいが、大きな力を発揮できるようになっている。そして、以上のように形成された処理システム2の全体の動作は、図示しないコンピュータ等よりなるシステム制御部により制御される。
【0036】
次に、以上のように構成された本発明の処理システムの動作について説明する。まず、全体の流れについて説明すると、ローディング室70内は、不活性ガスである窒素ガス雰囲気に満たされており、酸素濃度は一定の値以下に設定されている。
【0037】
そして、前工程にて処理が完了された複数枚の基板Wは、不活性ガスである窒素ガス雰囲気で満たされた基板容器22内に収容された状態で、処理システム2のフロント側の搬出入ポート24上に設置される。この搬出入ポート24に設置された基板容器22は、この搬出入ポート24の開閉ドア26を開いた後に、容器移載機構32の容器搬送アーム36により保持されて、ストッカユニット8内に取り込まれる。
【0038】
この取り込まれた基板容器22は、一時的にストック棚30上に載置されて待機される。そして、処理の順番がきた時に、この基板容器22は上記容器移載機構32を再度用いて、中央区画壁6に設けた容器移載ポート38上に載置されることになる。この容器移載ポート38上に基板容器22を載置したならば、反対側の基板搬出入口42側の開閉ドア40を開く。
【0039】
この際、基板搬出入口42に設けた蓋開閉機構(図示せず)により基板容器22の蓋22Aを同時に取り外して基板容器22内を開放する。この場合、上記容器移載ポート38上に載置した基板容器22を図示しないアクチュエータで基板搬出入口42の周縁部に気密状態になるように押し付け、このように押し付けた状態で上記基板容器22の蓋22Aを、ローディング室70内の開閉ドア40と共に開放させる。
【0040】
そして、ローディング室70内の基板移載機構72の移載アーム78を用いて、上記基板容器22内の全ての基板Wを、アンロードされている基板保持具56のウエハボート58上に移載する。そして、上記操作を繰り返すことにより、複数の基板容器22内の基板Wが全てウエハボート58に移載され、例えば満載状態にされる。この際、移載アーム78は、移載のためにウエハボート58の高さ方向に沿って上下移動される。
【0041】
上述のように、基板Wがウエハボート58に満載されたならば、上記昇降エレベータ機構66の駆動モータ80Aを作動して保持アーム82を上昇させ、このウエハボート58を処理ユニット14の処理容器46内へその下方より挿入して図1中の仮想線で示すように基板Wを処理容器46内へロードする。
【0042】
ここで、ウエハボート58をロードする際、この基板保持具56を最上端まで完全に上昇させるのではなく、図4(A)に示すように、キャップ62の周辺部が、処理容器48の下端の開口部44のフランジ部44Aに非常に接近させて接するか、或いは接しない程度までキャップ62を上昇させる。この場合、キャップ62がフランジ部44Aに押圧力がそれ程高くない状態で接するまで駆動モータ80Aを作動させるようにしてもよい。
【0043】
このように、図4(A)に示すようにキャップ62が処理容器48の下端部に非常に接近した時に駆動モータ80Aを停止させてウエハボート58の上昇を停止したならば、次に図4(B)に示すように、ベースプレート12側に設けた4つの各押圧機構86のスライド板92を矢印101に示すように前方に向けて、すなわち、処理容器48の中心側に向けて同時にスライド移動させる。これにより、スライド板92の先端に設けた圧電アクチュエータ88は、キャップ62の周辺部の直ぐ下方に位置された状態となる。
【0044】
この状態で、次に、図4(C)に示すように、スライド板92に設けた圧電アクチュエータ88に通電して、圧電素子体100を矢印102に示すように数mm程度だけ上方向へ伸長させる。これにより、圧電アクチュエータ88の上端はキャップ62の周辺部の下面と当接して、これを上方向へ矢印104に示すように強い力で押し上げ、キャップ62の周辺部と処理容器48のフランジ部44Aとの間には、シール部材64が介在されて密着し、シールされる。この結果、処理容器48内は密閉される。
【0045】
この場合、前述したように、直径が450mmの基板を150枚程度収容したウエハボート58等を含む基板保持具56の全荷重は400kg程度になるので、大気圧よりも高い圧力のプロセス圧力で熱処理するためには、矢印104に示す全ての押圧力は例えば800kg程度になるように設定するのがよい。
【0046】
この操作によりウエハボート58を含む基板保持具56は完全に上昇して処理容器46内へロードされることになり、上記キャップ62により処理容器46の下端の開口部44が密閉されることになる。この状態では、ウエハボート58を含む基板保持具56の荷重は4つの押圧機構86で受けられており、昇降エレベータ機構66へは負荷がほとんど加わっていない。すなわち、熱処理中において昇降エレベータ機構66によりキャップ62を強く押し続ける必要がない。従って、昇降エレベータ機構66の構造を過剰に強くする必要もなく、また駆動モータ80Aの能力も過剰に大きくする必要はない。
【0047】
このように処理容器46内を密閉したならば、処理容器46の外周に設けた加熱ヒータ部54により処理容器46内へロードされた基板Wをプロセス温度まで昇温し、この処理容器46内に所定の処理ガスを流すと共に所定のプロセス圧力、例えば大気圧よりも40Torr程度高いプロセス圧力に維持し、成膜処理等の所定の熱処理を施すことになる。
【0048】
このようにして、基板Wに対する所定の熱処理が終了したならば、前述した動作と逆の操作を行って処理済みの基板Wを搬出する。まず、押圧機構86の圧電アクチュエータ88の通電を遮断してこれを縮退させ、スライド板92を外方向へ移動させてキャップ62の下方より横方向へ退避させる。そして、昇降エレベータ機構66を駆動して保持アーム82を降下させることにより、ウエハボート58を含む基板保持具56を処理容器46内から下方へ取り出すことにより基板Wをアンロードする。
【0049】
このように、本発明によれば、基板Wに対して熱処理を施すために基板を複数枚保持した基板保持具56を、筒体状の処理容器46に対して昇降させるようにしたローディングユニットにおいて、基板保持56具を昇降させる昇降エレベータ機構66の他にキャップ62を押圧するために圧電アクチュエータ88を有する押圧機構86を設けることにより、昇降エレベータ機構66の能力を大きくする必要性を回避して、この昇降エレベータ機構66の高コスト化を抑制することができる。
【0050】
<第2実施例>
次に、本発明のローディングユニットに用いる押圧機構の第2実施例について説明する。先に説明した第1実施例においては、押圧機構86のスライド板92と圧電アクチュエータ88を固定アーム部90側に設けたが、これに限定されず、キャップ62の下面側に設けるようにしてもよい。図6はこのような押圧機構の第2実施例の動作を説明するための説明図である。尚、図1乃至図5に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0051】
図6(A)に示すように、ここでは押圧機構86のスライド板92と圧電アクチュエータ88は、キャップ62の下面側の周縁部に設けられており、駆動部98によってキャップ62の半径方向外方に向けて水平方向へスライド移動可能に設けられている。そして、このスライド板92の先端部の下面側に上記圧電アクチュエータ88が下方向に向けて取り付けられており、この圧電アクチュエータ88が伸長することで上記固定アーム部90の水平部96に当接できるようになっている。
【0052】
この第2実施例の場合には、図6(A)に示すように、上昇してきたキャップ62を処理容器48の下端部の開口部44に接近、或いは軽く接触した状態で停止させたならば、次に図6(B)に示すようにスライド板92をキャップ62の半径方向外方へ向けて矢印106に示すようにスライド移動させる。次に、図6(C)に示すように、圧電アクチュエータ88に通電し、これを矢印108に示すように下方向へ伸長させる。これにより、圧電アクチュエータ88は固定アーム部90の水平部96に当接して押し付け、この時に発生する反作用によりキャップ62には矢印104に示すように上向きの押圧力が発生し、処理容器48内は密閉されることになる。
【0053】
この場合にも、上記押圧機構86で大きな荷重を受けることができるので、昇降エレベータ機構66を過剰に強い構造にする必要もなく、また駆動モータ80Aの能力も過剰に大きくする必要はなく、第1実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
【0054】
<第3実施例>
次に、本発明のローディングユニットに用いる押圧機構の第3実施例について説明する。先に説明した第1及び第2実施例にあっては、昇降するキャップ62との衝突を避けるために水平移動可能なスライド板92を設けたが、これに限定されず、キャップ側に押圧突起板を設けて上記スライド板92と似た機能を持たせるようにしてもよい。図7はこのような押圧機構の第3実施例の動作を説明するための説明図、図8は上昇させたキャップと押圧機構との位置関係を示す下面図である。尚、図1乃至図6に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0055】
図7に示すように、ここでは押圧機構86の固定アーム部90には、スライド板92を設けないで、水平部96に圧電アクチュエータ88を直接的に固定して設けている。そして、図8にも示すように、上記固定アーム90の取り付け位置よりもキャップ62の周方向へ所定の角度θだけ位置ずれした所のキャップ62の周縁部に、その半径方向外方に向けて突出させて押圧突起板110を設けている。この角度θは、固定アーム部90と押圧突起板110とが衝突しないような角度であり、例えば
度程度である。更に、昇降エレベータ機構66の保持アーム82には、回転台112が設けられており、この回転台112上に上記キャップ62を取り付けて、キャップ62自体をある程度の角度、例えば角度θだけ正逆回転できるようにしている。
【0056】
この第3実施例の場合には、図8に示すように固定アーム部90と押圧突起板110とがキャップ62の中心に対してその周方向へ角度θだけ位置ずれした状態で基板保持具56のロードを行って、図7(A)に示すようにキャップ62を処理容器48の下端部の開口部44に接近、或いは軽く接触した状態で停止させる。この状態で図7(B)に示すようにキャップ62を矢印114に示すように角度θだけ回転させることにより、押圧突起板110を固定アーム部90の場所に位置させる。
【0057】
ここで、押圧突起板110と固定アーム部90は、上下方向において同一場所に位置することになる。そして、この状態で図7(C)に示すように圧電アクチュエータ88に通電することにより、これを矢印102に示すように伸長させて押圧突起板110を上方へ向けて押し付けることになる。これにより、キャップ62は矢印104に示すように上向きの押圧力で押し付けられ、処理容器48内は密閉されることになる。尚、基板保持具58を処理容器46からアンロードさせるには、上記操作を逆に行えばよい。
【0058】
この場合にも、上記押圧機構86で大きな荷重を受けることができるので、昇降エレベータ機構66を過剰に強い構造にする必要もなく、また駆動モータ80Aの能力も過剰に大きくする必要はなく、第1実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
【0059】
<第4実施例>
次に本発明のローディングユニットに用いる押圧機構の第4実施例について説明する。先に説明した第3実施例では圧電アクチュエータを固定アーム部に設けたが、これに限定されず、キャップ側に設けるようにしてもよい。図9はこのような押圧機構の第4実施例の動作を説明するための説明図である。図9(A)に示すように、ここでは圧電アクチュエータ88を固定アーム部90に設けずに、キャップ62に設けた押圧突起板110の下面に、下向きになるように取り付け固定している。
【0060】
この第4実施例の場合にも、先の第3実施例の場合と同様に、図8に示すように固定アーム部90と押圧突起板110とがキャップ62の中心に対してその周方向へ角度θだけ位置ずれした状態で基板保持具56のロードを行って、図9(A)に示すようにキャップ62を処理容器48の下端部の開口部44に接近、或いは軽く接触した状態で停止させる。この状態で図9(B)に示すようにキャップ62を矢印114に示すように角度θだけ回転させることにより、押圧突起板110を固定アーム部90の場所に位置させる。
【0061】
ここで、押圧突起板110と固定アーム部90は、上下方向において同一場所に位置することになる。そして、この状態で図9(C)に示すように圧電アクチュエータ88に通電することにより、これを矢印108に示すように下方向へ伸長させて固定アーム部90の水平部96を下方へ向けて押し付けることになる。これにより、キャップ62は反作用により矢印104に示すように上向きの押圧力で押し付けられ、処理容器48内は密閉されることになる。尚、基板保持具58を処理容器46からアンロードさせるには、上記操作を逆に行えばよい。
【0062】
この場合にも、上記押圧機構86で大きな荷重を受けることができるので、昇降エレベータ機構66を過剰に強い構造にする必要もなく、また駆動モータ80Aの能力も過剰に大きくする必要はなく、第1実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
【0063】
<第5実施例>
次に本発明のローディングユニットに用いる押圧機構の第5実施例について説明する。先に説明した第1〜第4実施例の押圧機構では固定アーム部90をベースプレート12に対して固定的に設けたが、これに限定されず、アーム部を回動可能に設けるようにしてもよい。図10はこのような押圧機構の第5実施例の動作を説明するための説明図である。尚、図1乃至図9に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
図10に示すように、ここでは押圧機構86は回動アーム部120を有している。この回動アーム部120は、第1実施例と同様にL字状になされており、垂直部126と水平部128とにより構成されている。この回動アーム部120の垂直部94の上端は、ベースプレート12に形成した取付孔122内を挿通されて回動アクチュエータ124に連結して支持されており、上記垂直部94を軸として回動可能になされている。また、上記回動アクチュエータ124の全体は、シール板130で気密に覆われている。
【0065】
これにより、この回動アーム部120の先端部である水平部126は、上記処理容器48の開口部44の下方位置とこの外側位置、すなわち水平面内において開口部44よりも外側位置との間で移動できるようになっている。そして、水平部128の先端に圧電アクチュエータ88を上方に向けて取り付け固定している。
【0066】
この第5実施例の場合には、上記回動アーム部120を外側へ回動させて回動アーム部120の水平部128を処理容器48の開口部44の下方よりも外側へ位置させておき、回動アーム部120と上昇してくるキャップ62とが衝突しないようにしておく。そして、この状態で基板保持具56のロードを行って図10(A)に示すようにキャップ62を処理容器48の下端部の開口部44に接近、または軽く接触した状態で停止させる。この状態で図10(B)に示すように回動アーム部120を矢印132に示すように例えば90度だけ内側へ回動乃至回転させることにより、水平部128に設けた圧電アクチュエータ88を開口部44の下方位置、すなわちキャップ62の下方位置に位置させる。
【0067】
次に、この状態で図10(C)に示すように圧電アクチュエータ88に通電することにより、これを矢印102に示すように伸長させてキャップ62を上方へ向けて押し付けることになる。これにより、キャップ62は矢印104に示すように上向きの押圧力で押し付けられ、処理容器48内は密閉されることになる。尚、基板保持具58を処理容器46からアンロードさせるには、上記操作を逆に行えばよい。
【0068】
この場合にも、上記押圧機構86で大きな荷重を受けることができるので、昇降エレベータ機構66を過剰に強い構造にする必要もなく、また駆動モータ80Aの能力も過剰に大きくする必要はなく、第1実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
【0069】
<第6実施例>
次に、本発明のローディングユニットに用いる押圧機構の第6実施例について説明する。先に説明した第1〜第5実施例では、圧電アクチュエータ88を直接的にキャップ62に接触、或いは取り付けるようにしてこれを押し上げていたが、これに限定されない。図11はこのような押圧機構の第6実施例の動作を説明するための説明図である。尚、図1乃至図10に示す構成部分と同一構成部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0070】
図11に示すように、ここでは押圧機構86は、先の第5実施例と同様に垂直部126と水平部128とによりL字状になされた揺動アーム部136を有している。この揺動アーム136の垂直部126の上端側は、ベースプレート12に形成した取付孔122に挿通されると共に、この垂直部126の長さ方向の中央部は、ベースプレート12より下方に延びて設けられた取付台138に支点140において軸支されており、垂直面内において揺動自在になされている。この場合、この揺動アーム部136の水平部128が処理容器48の開口部44側に向けて内側方向へ回転乃至揺動した場合には、この水平部128の先端部がキャップ62の周縁部の下面に当接できるようになっている。
【0071】
そして、この揺動アーム部136の基端部、すなわち垂直部126の上端部とベースプレート12との間には、圧電アクチュエータ88が取り付けられており、この圧電アクチュエータ88を伸縮させることにより、上記揺動アーム部136は支点140を中心として垂直面内において揺動することになる。また、上記圧電アクチュエータ88及び取付孔122を覆うようにしてシール板130が気密に取り付けられており、ローディング室70の気密性を維持するようになっている。
【0072】
この第6実施例の場合には、上記揺動アーム部136を外側へ揺動させて揺動アーム部136の水平部128を処理容器48の開口部44の下方よりも外側へ位置させておき、揺動アーム部136と上昇してくるキャップ62とが衝突しないようにしておく。そして、この状態で基板保持具56のロードを行って図11(A)に示すようにキャップ62を処理容器48の下端部の開口部44に接近、または軽く接触した状態で停止させる。この状態で圧電アクチュエータ88に通電することによりこの圧電アクチュエータ88を伸長させて図11(B)に示すように揺動アーム部136を矢印142に示すように支点140を中心として内側へ揺動乃至回転させる。
【0073】
これにより、水平部128の先端をキャップ62の下面に当接させて、押し付ける。これにより、キャップ62は矢印104に示すように上向きの押圧力で押し付けられ、処理容器48内は密閉されることになる。尚、基板保持具58を処理容器46からアンロードさせるには、上記操作を逆に行えばよい。
【0074】
この場合にも、上記押圧機構86で大きな荷重を受けることができるので、昇降エレベータ機構66を過剰に強い構造にする必要もなく、また駆動モータ80Aの能力も過剰に大きくする必要はなく、第1実施例と同様な作用効果を発揮することができる。
【0075】
尚、以上の各実施例では圧電アクチュエータ88として例えば特開平04−370987号公報等に開示されているように、圧電素子を積層して形成したスタック型の圧電素子体100を例にとって説明したが、これに限定されず、図12に示すような圧電アクチュエータ88も用いることができる。図12は圧電アクチュエータの他の例を示す概略斜視図である。
【0076】
図12(A)は圧電アクチュエータ88として例えば特開平07−046868号公報に開示されているように円筒体状の本体149内に配列された複数の圧電素子と接触するように移動体150を設け、この移動体150を摩擦力によって駆動とするようにしている。また、図12(B)は圧電アクチュエータ88として例えば特開平11−220894号公報に開示されているように、複数の圧電素子を用いた超音波ロータリーモータ151の回転子にピニオン152を設け、このピニオン152にラックよりなる移動体154を歯合させて、この移動体154を上下方向又は前後方向へ移動できるようになっている。
【0077】
この場合には、上記移動体150、154を前後或いは、上下に移動させることによってキャップ62に対する押圧力を発生させる。特に、圧電アクチュエータ88として超音波リニアモータや超音波ロータリーモータを用いた場合には、圧電素子と移動体との間に生ずる摩擦力や圧電素子と回転子との間に生ずる摩擦力が非常に大きいことから、圧電素子に対する通電を遮断した状態でも大きな押圧力を維持することができ、また移動体150、154の移動距離も大きくとることができる。
【0078】
また、ここでは直径が450mmの基板を熱処理する場合を例にとって説明したが、基板のサイズは上記値に限定されず、例えば直径が300mm等の基板に対する処理システムにも本発明を適用することができるのは勿論である。
【0079】
また、上記各実施例において、固定アーム部90はベースプレート12に固定する場合を例にとって説明したが、これに限定されず、処理システムの筐体4側ならばどこに支持固定させるようにしてもよい。例えば、固定アーム部90を裏面区画壁10側や中央区画壁6側へ固定させてもよいし、底部区画壁18側から起立させるようにして設けてもよく、更には、処理容器48の開口部44を囲むスカベンジャの区画壁に固定させるようにしてもよい。この場合、上記固定アーム部90は、特にL字状に限定されるものではなく、圧電アクチュエータ88を設ける、或いは圧電アクチュエータ88と接触する水平部96を有する形状ならば、どのような形状でもよい。
【0080】
また、ここでは被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、この半導体ウエハにはシリコン基板やGaAs、SiC、GaNなどの化合物半導体基板も含まれ、更にはこれらの基板に限定されず、液晶表示装置に用いるガラス基板やセラミック基板等にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
2 処理システム
4 筐体
8 ストッカユニット
12 ベースプレート
14 処理ユニット
16 ローディングユニット
44 開口部
46 処理容器
58 基板保持体
60 保温筒
62 キャップ
66 昇降エレベータ機構
68 ローディング用筐体
70 ローディング室
80 案内レール
80A 駆動モータ
82 保持アーム
86 押圧機構
88 圧電アクチュエータ
90 固定アーム部
92 スライド板
94 垂直部
96 水平部
100 圧電素子体
110 押圧突起板
120 回動アーム部
136 揺動アーム部
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して熱処理を施すために前記基板を複数枚保持した基板保持具を、下端が開口されてキャップにより閉じられる筒体状の処理容器に対して昇降させるようにしたローディングユニットにおいて、
前記基板保持具と前記キャップとを保持して昇降させる昇降エレベータ機構と、
前記処理容器の下端の開口部に位置する前記キャップを上方向へ押圧するために設けられた、圧電素子を用いた圧電アクチュエータを有する押圧機構と、
を備えたことを特徴とするローディングユニット。
【請求項2】
前記押圧機構は、前記処理容器の周方向に沿って複数個配置されていることを特徴とする請求項1記載のローディングユニット。
【請求項3】
前記圧電アクチュエータは、圧電素子を複数枚積層してなる圧電素子体を有することを特徴とする請求項1又は2記載のローディングユニット。
【請求項4】
前記圧電アクチュエータは、複数の圧電素子に接触する移動体を摩擦力によって駆動する超音波リニアモータを有することを特徴とする請求項1又は2記載のローディングユニット。
【請求項5】
前記圧電アクチュエータは、複数の圧電素子によって回転される超音波ロータリーモータを有することを特徴とする請求項1又は2記載のローディングユニット。
【請求項6】
前記押圧機構は、
固定アーム部と、
前記固定アーム部に設けられて、前記開口部に位置された前記キャップの下方において水平方向へ移動可能になされたスライド板と、
前記スライド板に設けられて、前記キャップに対して押圧可能になされた前記圧電アクチュエータとを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のローディングユニット。
【請求項7】
前記押圧機構は、
固定アーム部と、
前記キャップの下面に、前記キャップの周縁部よりその外側に向けて水平方向へ移動可能に設けられたスライド板と、
前記スライド板に設けられて、前記固定アーム部に対して押圧可能になされた前記圧電アクチュエータとを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のローディングユニット。
【請求項8】
前記キャップは、前記昇降エレベータ機構に対して所定の角度だけ回動可能に支持されており、
前記押圧機構は、
前記キャップに、その半径方向外方に向けて突出させて設けた押圧突起板と、
固定アーム部と、
前記固定アーム部に設けられて、前記押圧突起板に対して押圧可能になされた前記圧電アクチュエータとを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のローディングユニット。
【請求項9】
前記キャップは、前記昇降エレベータ機構に対して所定の角度だけ回動可能に支持されており、
前記押圧機構は、
前記キャップに、その半径方向外方に向けて突出させて設けた押圧突起板と、
固定アーム部と、
前記押圧突起板に設けられて、前記固定アーム部に対して押圧可能になされた前記圧電アクチュエータとを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のローディングユニット。
【請求項10】
前記押圧機構は、
先端部が前記処理容器の開口部の下方位置と外側位置との間で移動するように回動可能に支持された回動アーム部と、
前記回動アーム部の先端部に設けられて、前記開口部に位置された前記キャップに対して押圧可能になされた前記圧電アクチュエータとを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のローディングユニット。
【請求項11】
前記押圧機構は、
先端部が前記開口部に位置されたキャップと接触できるように垂直面内において揺動可能に支持された揺動アーム部と、
前記揺動アーム部の基端部を押圧するように設けられた前記圧電アクチュエータとを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のローディングユニット。
【請求項12】
基板に対して熱処理を施す処理ユニットと、
前記処理ユニットの下方に設けられた請求項1乃至11のいずれか一項に記載のローディングユニットと、
前記ローディングユニットに並設されて、複数枚の前記基板を収容した基板容器を待機させるストッカユニットと、
を備えたことを特徴とする処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−222098(P2012−222098A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85205(P2011−85205)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】