説明

上皮起源からのガン転移を防ぎ又は処置する為のアミノペプチダーゼインヒビター又はアザインドール化合物の使用

本発明は、ヒト又は動物におけるガンの転移を予防し又は処置するための医薬の製造の為に、アミノペプチダーゼを抑制する化合物およびアザインドール化合物から選ばれる化合物を使用する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、ガンの治療的処置の分野、及びより特にはヒト又は動物におけるガンの場合における、転移の予防又は処置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術
一般的に言うと、ガンを患っていると新たに診断される約35%の患者が転移を有さない。これらの患者は、腫瘍に対して向けられた局所的な処置、例えば手術又は或る種の放射線への曝露など、により治されうる。
【0003】
該新たに診断された患者の残りは、(i)検出可能な転移をすでに有する患者(患者の30%)及び(ii)診断のときに検出可能な転移を有さない患者(患者の35%)を含む。これらの残りの患者の処置は一般に、全身的な処置、例えばガン性細胞の増殖を阻害する化学療法的薬剤の投与、である。
【0004】
腫瘍の浸潤のプロセスは、ガンを患う患者における死亡の必須の原因を構成する。
【0005】
或るガンにおいて、腫瘍細胞は、高い増殖能力を有するだけでなく、組織を破壊し及び近隣組織、血管及びリンパ管を含む、へ浸潤する高い能力も有し、そして次に、原発性腫瘍から非常に遠く離れた体内の部位での局所的組織へと、血液循環又はリンパ循環を通じて遊走することにおける高い能力を有することが知られている。従って、或るガンにおいて、腫瘍細胞は、循環しそして次に二次性腫瘍(転移とも呼ばれる)を原発性腫瘍とは離れた組織に形成する能力を有する。
【0006】
転移の形成は、多段階の生理学的現象であり、その過程において、腫瘍細胞は原発性腫瘍から離れ、細胞外マトリックスに入り、血管を通って進入し、脈管内への進入により血管系へと入り、次に、離れた部位で血液循環又はリンパ循環内のそれらの遊走を止め、管外遊出により該循環から出てきて、そして次に、離れた組織において固定され、そして増殖して二次性腫瘍を形成する。
【0007】
さらに、上皮は、ヒトの体又は動物の体の中に最も広く広がっている組織タイプを表す。これは、疑いなく、ヒトのガンの90%超がなぜ上皮細胞の悪性形質転換に由来するかの理由の一つである。特に、結腸直腸タイプの上皮ガンは、先進国におけるガンによる死亡の第二の原因を構成する。
【0008】
上皮ガンに関連するものを含むガンの症例の大部分において、死亡は、原発性腫瘍に起因するのでなく、該原発性腫瘍から体内に全身的に広がる転移に起因する。この悪性進行、これは腫瘍の浸潤をもたらし、これは転移の生成において臨床的に明らかにされる、は或る腫瘍細胞の一部についての細胞接着の喪失により最初は条件付けられ、そして、細胞運動性の増加によっても条件付けられ、これはこれらの浸潤性腫瘍細胞が原発性腫瘍の組織を離れそして次に1又はそれより多い標的組織(これはいくつかの場合においてヒト又は動物の体内において原発性腫瘍の部位とは非常に離れている)にコロニー形成することを意味する。上皮ガンにおいて、悪性進行は、原発性腫瘍での、E−カドヘリンにより誘発される細胞間結合の喪失を伴う。
【0009】
上皮ガンのうち、直腸結腸ガンは、先進国において二番目に最も頻発するガンを表す。直腸結腸ガンの進化は、細胞の増殖特性を損なわせる遺伝子調節解除に起因する開始期とともに始まる一連の出来事である。第二の期は、腫瘍進行の期であり、細胞形態学における変化をもたらし及び形質転換した細胞クローンの出現をもたらす。最後に、最終期は、上皮間葉移行(近隣細胞から離れそして体内の他の部位に向けて遊走する上皮細胞の能力として定義される移行)に続く浸潤の期を含む。
【0010】
実際には、全身的な治療的抗ガン処置は、転移に対してほとんど効果を有さないこと、及び特にはマクロ転移に対してほとんど効果を有さないことが示されており、これは原発性腫瘍の部位から離れた臓器、例えば肺、肝臓、骨髄又は脳など、の中に居住する。それ故に、ガン患者はしばしば、ガン性細胞の該転移により引き起こされた転移ガンの故に死ぬ。
【0011】
さらに、今日までに、抗浸潤性分子への研究は、一般的に、(i)腫瘍細胞の増殖を抑制する候補化合物の能力に基づき、又は(ii)細胞の遊走を抑制する為の候補化合物の適性に基づいてきた。しかしながら、第一の戦略に従い、選択された化合物は、浸潤性細胞が広がることに対して効果を有さず、そして、それ故に、転移プロセスそれ自体に対して効果を有さない。そして、第二の場合、該化合物は、体内で遊走し及び転移を形成する細胞の能力に対して抑制活性を有しうるが、すでに遊走した転移細胞に対して効果を有さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
それ故に、当技術分野内に、これらの患者における治癒の可能性を有意に増加する為に、ガンを患う患者における転移を予防し又は処置する能力を有しうる活性物質の同定についてのニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ヒト又は動物におけるガンの転移の予防又は処置を目的とする医薬の製造の為に、アミノペプチダーゼインヒビター化合物及びアザインドール化合物から選ばれる化合物を使用する方法を提供する。
【0014】
本発明は、より特には、ヒト又は動物におけるガンの転移の予防又は処置を目的とする医薬の製造の為に、式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物(これらは本明細書においてあとで詳細に記載される)から選ばれる抗転移化合物の使用方法に関する。
【0015】
本発明は、直腸結腸ガン並びに乳ガン、肝臓ガン、膵臓ガン、前立腺ガン、及び子宮ガンの場合を含む、上皮ガンの場合における転移の予防又は処置の為の上記定義された使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物の夫々の抗転移効果を示す図である。縦軸上に、試験された細胞の浸潤能力、SW620株(ATCC No.CCL-227)からの細胞の浸潤能力(これが任意的に100%で設定された)に対する百分率として。横軸上に、左から右へと、(i)培養培地だけによりインキュベートされた直腸結腸転移株SW620の細胞;(ii)該培地だけによりインキュベートされた、非転移株Hct116の細胞;及び(iii)式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物のそれぞれの添加を有する該培養培地によりインキュベートされた転移株SW620の細胞。図1に示される結果は3つの実験の平均である。
【図2】他の細胞株における、本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物のそれぞれの抗転移効果を示す図である。縦軸上に、試験された細胞の浸潤能力、株CoLo205(ATCC No.CCL−222)の細胞の浸潤能力(これが任意的に100%で設定された)に対する百分率として。横軸上に、左から右へと、(i)培養培地だけでインキュベートされた、又は式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物のそれぞれの添加を有する培養培地でインキュベートされた、直腸結腸転移株CoLo205の細胞(ATCC No.CCL−222)。図2に示された結果は、3つの実験からの平均である。
【図3】本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物のそれぞれの抗転移効果を示す図である。縦軸上に、試験された細胞の浸潤能力、直腸結腸転移株SK−Co1(ATCC No.HTB−77)からの細胞の浸潤能力(これが任意的に100%で設定された)に対する百分率として。横軸上に、左から右へと、(i)培養培地だけでインキュベートされた、又は式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物のそれぞれの添加を有する培養培地でインキュベートされた、直腸結腸転移株SK−Co1の細胞(ATCC No.HTB−77)。図3に示された結果は、3つの実験からの平均である。
【図4】本発明の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物のそれぞれの抗転移効果を示す図である。縦軸上に、試験された細胞の浸潤能力、乳腺腺癌転移株MDA−MB−231(ATCC No.HTB−26)の細胞の浸潤能力(これが任意的に100%で設定された)に対する百分率として。横軸上に、左から右へと、(i)培養培地だけによりインキュベートされた該転移株SW620の細胞;(ii)培地だけによりインキュベートされた、非転移株Hct116の細胞;及び(iii)培養培地単独によりインキュベートされた、又は式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物のそれぞれの添加を有する培養培地でインキュベートされた乳腺腺癌転移株MDA−MB−231(ATCC No.HTB−26)の転移細胞。図4に示される結果は3つの実験の平均である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、種々のガン、特には上皮ガン、直腸結腸ガン、乳ガン、肝臓ガン、膵臓のガン、前立腺のガン、及び子宮のガンを含む、における転移を予防又は処置する為の新規手段を提供する。
【0018】
驚くべきことに、本発明に従い、アミノペプチダーゼインヒビター化合物及びアザインドールのクラスからの化合物が、当初は転移を生成することができるガン細胞の浸潤特性を抑制し又は妨げる能力を有することが示された。
【0019】
より特には、本発明に従い、アミノペプチダーゼインヒビター化合物及びアザインドールのクラスからの化合物が、起源を種々の上皮ガン、例えば直腸結腸ガン又は乳ガンなど、に有する転移細胞の遊走特性を抑制し又は妨げる能力を有することが示される。
【0020】
これらの化合物の抗転移特性の同定は、ヒト又は動物におけるガン転移を予防し又は処置する為の医薬組成物の開発を本出願人に許し、該組成物は、活性成分として、アミノペプチダーゼインヒビター化合物及びアザインドール化合物から選ばれる少なくとも1つの化合物を含む。新規な治療的又は予防的特性のこの同定は、これらの化合物の、抗転移活性を有する医薬組成物の製造の為の使用を可能とした。
【0021】
従って、本発明は、ヒト又は動物におけるガン転移を予防し又は処置する為のアミノペプチダーゼインヒビター化合物及びアザインドール化合物から選ばれる化合物を提供する。
【0022】
本発明はさらに、ヒト又は動物におけるガン転移の予防又は処置を目的とする医薬の製造の為の、アミノペプチダーゼインヒビター化合物及びアザインドール化合物から選ばれる化合物の使用方法を提供する。
【0023】
実施例において説明されるとおり、本発明に従い同定された該アミノペプチダーゼインヒビター化合物及び該アザインドール化合物は、ガン細胞、例えば転移性直腸結腸癌細胞及び転移性乳腺腺癌細胞など、の浸潤性表現型の逆戻り(reversion)を誘発する能力を有する。
【0024】
さらに、本出願人は、本発明に従い同定された該アミノペプチダーゼインヒビター化合物及び該アザインドール化合物が細胞毒性でないことを示した。
【0025】
いずれの理論にとらわれることを望まないで、本出願人は、本発明に従い同定された該アミノペプチダーゼインヒビター化合物及び該アザインドール化合物の抗転移特性が、転移性ガン細胞の表面でのE−カドヘリンの発現に伴う細胞結合の再確立を誘発する能力(これらの化合物の全体に共通する)に起因すると考える。
【0026】
本発明の抗転移化合物の、ガン性細胞の表面でのE−カドヘリンの発現を誘発しそしてそれ故にE−カドヘリンのこの発現に伴う細胞間結合の再確立を誘発する能力は、特に、国際公開第2006/134305号パンフレット下で刊行されたPCT出願(Centre National de la Recherche Scientifique - Pierre Roux and Marion De Toledo)において記載された試験を実施することにより検証されうる。
【0027】
本発明に従い用いられる抗転移化合物の第一の実施態様に従い、該化合物は、以下の式(I)
【化1】

[本発明者らにより特定されるべき化合物(I)の構造的アナログ]
のアミノペプチダーゼインヒビター化合物からなる。
【0028】
式(I)の化合物は、本明細書において、化合物2-(4-[(4-アミノ-1,2,5-オキサジアゾール-3-イル)(ヒドロキシイミノ)メチル]-1-ピペラジニル)エタノールとも表示される。
【0029】
式(I)の該化合物は、当技術分野の当業者に既知の任意の合成プロセスにより合成されうる。式(I)の化合物を合成する為に、当技術分野の当業者は特に、以下の文献:Synthesis of secondary and tertiary aminofurazans. Sheremetev, A.B.; Andrianov, V. G.; Mantseva, E. V.; Shatunova, E. V.; Aleksandrova, N. S.; Yudin, I. L.; Dmitriev, D. E.; Averkiev, B. B.; Antipin, M. Yu. N. D. Zelinsky Institute of Organic Chemistry, Russian Academy of Sciences, Moscow, Russia. Russian Chemical Bulletin (Translation of Izvestiya Akademii Nauk, Seriya Khimicheskaya) (2004), 53(3), 596-614. Publisher: Kluwer Academic/Consultants Bureau, CODEN: RCBUEY ISSN: 1066-5285. Journal written in English. CAN 142:219211 AN 2004: 589877 CAPLUS、に記載されたプロセスを参照しうる。
【0030】
本発明に従い用いられる抗転移化合物の第二の実施態様に従い、該化合物は、以下の式(II)
【化2】

のアザインドール化合物からなり、
ここで、基Rは、1〜8の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキルである。
【0031】
「アルキル」により、直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素基が意味され、これは任意的に、ヘテロ原子により中断されており、該アルキルにとって、1又はそれより多い同一の又は異なる置換基により該炭素原子で置換されていないこと又は置換されていることが可能であり、該置換基は、アリール、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシから選ばれる。「分枝状の」アルキルにより、直鎖状アルキル鎖に結合されている、1、2、3、4又は5の炭素原子を有する低級アルキル、例えばメチル、エチル又はプロピルなど、が意味される。好ましいアルキル基は、1、2、3、4、5、6、7又は8の炭素原子を有するアルキル基からなる。アルキル基の例は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヘプチル、デシル又はシクロヘキシルメチルである。
【0032】
「アルコキシ」により、アルキル−O−基が意味され、ここで該アルキル基は、上記で定義されたとおりである。アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ及びヘプトキシを含む。
【0033】
「アリールオキシ」により、アリール−O基が意味され、ここで該アリール基は、上記で定義されたとおりである。アリールオキシ基はフェノキシ及びナフトキシを含む。
【0034】
「アラルキル」により、1又はそれより多いアリール基により置換されたアルキル基が意味される。
【0035】
「アラルキルオキシ」により、アラルキル−O−基が意味され、ここで該アラルキル基は、上記で定義されたとおりである。アラルキルオキシ基は、ベンジルオキシを含む。
【0036】
本発明に従う式(II)の一つの好ましい化合物は、R基がプロピル基を意味する化合物であり、そして本明細書において、化合物メチル4-[([3-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-2-チオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル)ベンゾエートとしても表示されうる。
【0037】
式(II)の化合物は、当技術分野の当業者に既知の任意の合成プロセスにより合成されうる。式(II)の化合物を合成する為に、当技術分野の当業者は特に、以下の文献に記載されたプロセスを言及しうる:quinazolinone compounds. (Tanabe Seiyaku Co., Ltd., Japan). Jpn. Kokai Tokkyo Koho (1982), 5 pp.CODEN: JKXXAF JP 57011970 A 19820121 Showa. Patent written in Japanese. Application: JP 80-86044 19800624. Priority: CAN 97:72383 AN 1982:472383 CAPLUS。
【0038】
本発明に従い用いられる抗転移性化合物の第三の実施態様に従い、該化合物は、以下の式(III)
【化3】

のアザインドール化合物からなり、
ここで基R、R、R、及びRはそれぞれ互いに独立に1〜8の炭素原子のアルキルを表し、その定義は式(II)の化合物における基Rのものと同一である。
【0039】
式(III)の一つの好ましい化合物は、R1基がメチル基を意味し及びR、R及びR基がエチル基を意味する該化合物であり、該化合物について、化合物3,4,5-トリエトキシ-N-(2-メチル-4-ニトロフェニル)-ベンズアミドと表示されることも可能である。
【0040】
式(III)の化合物は、当技術分野の当業者に既知の合成プロセスにより合成されうる。式(III)の化合物を合成する為に、当技術分野の当業者は特に、以下の文献に記載されたプロセスを参照しうる:Microwave-assisted synthesis of salicylamide via BCl3 mediated coupling. Zhang, Lei; Zhang, John Y. CytRx Laboratories, Inc., Worcester, MA, USA. Journal of Combinatorial Chemistry (2005), 7(4), 622-626. Publisher: American Chemical Society, CODEN: JCCHFF ISSN: 1520-4766. Journal written in English. CAN 143:211699 AN 2005:538799 CAPLUS。
【0041】
本発明に従い用いられる抗転移性化合物の第4の実施態様に従い、該化合物は、以下の式(IV)
【化4】

のアザインドール化合物からなり、
ここで基R、R及びRはそれぞれ、互いに独立に、フッ素(F),塩素(C)l、ヨウ素(I)、及び臭素(B)r原子から選ばれるハロゲンを表す。
【0042】
本発明に従う式(IV)の一つの好ましい化合物は、基R及びRがそれぞれ塩素原子を意味し及び基Rが臭素原子を意味する該化合物であり、該化合物について5-(5-ブロモ-3-クロロ-2-ヒドロキシベンジリデン)-1-(4-クロロフェニル)-2,4,6-(1H,3H,5H)-ピリミジントリオンと表示されることも可能である。
【0043】
式(IV)の化合物は、当技術分野の当業者に既知の任意の合成プロセスにより合成されうる。式(IV)の化合物を合成する為に、当技術分野の当業者は特に、以下の文献に記載されるプロセスを参照しうる:Synthesis of pyrimidine derivatives possessing an antioxidative property and their inhibitory effects on picryl chloride-induced contact hypersensitivity reaction. Isobe, Yoshiaki; Hirota, Kosaku. Pharmaceuticals and Biotechnology Laboratory, Japan Energy Corporation, Saitama, Japan. Chemical & Pharmaceutical Bulletin (2003), 51(12), 1451-1454. Publisher: Pharmaceutical Society of Japan, CODEN: CPBTAL ISSN: 0009-2363. Journal written in English. CAN 140:174446 AN 2003:989349 CAPLUS。
【0044】
本発明に従い用いられる抗転移化合物の第5の実施態様に従い、該化合物は、以下の式(V)
【化5】

のアザインドール化合物からなり、
ここで:
基Rは、フッ素(F),塩素(C)l、ヨウ素(I)、及び臭素(B)rの原子から選ばれるハロゲンであり、且つ
基Rは、1〜8の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキルであり、この定義は、式(II)の化合物における基Rのものと同一である。
【0045】
式(V)の一つの好ましい化合物は、基Rが臭素原子を意味し且つ基Rがエチル基を意味する該化合物であり、該化合物について、化合物5-ブロモ-N-(4-ブトキシフェニル)ニコチンアミドとして表示されることも可能である。
【0046】
式(V)の化合物は、当技術分野の当業者に既知の任意の合成プロセスにより合成されうる。式(V)の化合物を合成する為に、当技術分野の当業者は特に、以下の文献を参照しうる:Applicationof organolithium and related reagents in synthesis, 30. Behavior ofN-pyridylbenzamides versus benzanilides in the ortho-directedlithiation of masked aromatic carboxylic acids.Jozwiak, Andrzej; Brzezinski, Jacek Z.;Plotka, Mieczyslaw W.; Szczesniak, Aleksandra K.; Malinowski,Zbigniew; Epsztajn, Jan. Department of Organic Chemistry, Instituteof Chemistry, University of Lodz, Lodz, Pol. European Journal ofOrganic Chemistry (2004), (15), 3254-3261. Publisher: Wiley-VCHVerlag GmbH & Co. KGaA, CODEN: EJOCFK ISSN: 1434-193X. Journalwritten in English. CAN 141:295825 AN 2004:636845CAPLUS。
【0047】
本発明に従い用いられる抗転移性化合物の第6の実施態様に従い、該化合物は以下の式(VI)
【化6】

のアザインドール化合物からなり、
ここで、基Rは、フッ素(F),塩素(C)l、ヨウ素(I)、及び臭素(B)rの原子から選ばれるハロゲンである。
【0048】
式(VI)の化合物は、化合物3-クロロ-1-フェニル-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]-1H-ピロール-2,5-ジオンとも表示されうる。
【0049】
式(VI)の化合物は、当技術分野の当業者に既知の任意の合成プロセスにより合成されうる。式(VI)の化合物は、市販で容易に入手できる化合物である。特に、3-クロロ-1-フェニル-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]-1H-ピロール-2,5-ジオンである式VIの化合物が言及されることができ、これは特に会社Chembridge(サンディエゴ、アメリカ合衆国)により、参照ID6137235下で販売される。
【0050】
すなわち、本発明に従い、ヒト又は動物におけるガン転移の予防又は処置を目的とする医薬の製造の為に用いられる好ましい活性成分は、
メチル4-[([3-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-2-チオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル)ベンゾエート;
3,4,5-トリエトキシ-N-(2-メチル-4-ニトロフェニル)-ベンズアミド;
5-(5-ブロモ-3-クロロ-2-ヒドロキシベンジリデン)-1-(4-クロロフェニル)-2,4,6-(1H,3H,5H)ピリミジントリオン;
5-ブロモ-N-(4-ブトキシフェニル)ニコチンアミド;及び
3-クロロ-1-フェニル-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]-1H-ピロール-2,5-ジオン
から選ばれる。
【0051】
第一の好ましい局面に従い、本発明に従う、関心のある該アミノペプチダーゼインヒビター化合物及び該アザインドール化合物は、上皮ガンの予防を目的とした又は処置を目的とした医薬の製造の為に用いられる。
【0052】
第二の好ましい局面に従い、本発明に従う、関心のある該アミノペプチダーゼインヒビター化合物及び該アザインドール化合物は、直腸結腸ガン及び乳ガンから選ばれる上皮ガンの予防を目的とした又は処置を目的とした医薬の製造の為に用いられる。
【0053】
本発明に従う医薬組成物はより特には、経口投与、非経口投与、鼻投与、経皮投与(percutaneous)、経皮投与(transcutaneous)、直腸投与、経舌投与又は吸入的投与にとって適当なもの、特には、プレーン錠剤若しくは被覆された錠剤、舌下錠剤、ゲルカプセル、ウェハー、座薬、クリーム、軟膏、皮膚ゲル、及び摂取可能な若しくは注射可能なアンプルを包含する。
【0054】
用量は、患者の性別、齢及び体重に従い、投与の経路に従い、及びガンの種類、ガンの進行の状態に従い、特には転移が患者に検出されたか又はされていないかに従い、変わる。用量は、任意の付随する抗ガン処置又は抗ガン処置群の種類に従っても変わりうる。
【0055】
一般的に言うと、本明細書において定義されたとおりの抗転移化合物は、80キロの平均体重を有する成人男性若しくは女性について、24時間当たりで、0.01mg〜1gの量で、1又はそれより多い投与で、用いられる。
【0056】
本発明に従う医薬組成物は、医薬的に許容できる賦形剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの賦形剤と一緒に、該抗転移化合物を含む。
【0057】
一般的に言うと、本発明に従う医薬組成物は、該組成物の合計重量に対して、0.01重量%〜99重量%、そして有利には1重量%〜90重量%の抗転移性化合物を含む。
【0058】
一般的に言うと、本発明に従う医薬組成物は、1重量%〜99.99重量%、そして有利には10重量%〜99重量%の医薬的に許容できる賦形剤又はそのような賦形剤の組み合わせを含む。
【0059】
本発明の医薬組成物は、非経口的投与、局所的(topical)投与又は局部的(local)投与の為に用いられてよく、そして、予防的に及び/又は治療的に用いられうる。従って、本発明に従う抗転移化合物は、例えば、液体の形又は凍結乾燥された形など、選ばれた投与のタイプにとって適切な形で調製される。本発明に従う抗転移化合物を含む該医薬組成物は、医薬的に許容できる、好ましくは水性の、賦形剤及び/又はビヒクルを含みうる。多数の医薬的に許容できる賦形剤及び/又はビヒクルが用いられることができ、例は水、緩衝用水、生理食塩水溶液、グリシン及びその誘導体の溶液、そしてまた、生理学的条件を再現する為に必要とされる剤、例えばバッファー及びpH修正剤、界面活性剤、例えば酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウムなど、である(このリストは限定的でない)。さらに、該医薬組成物は、当技術分野の当業者に良く知られた滅菌技術により滅菌されうる。
【0060】
不活性であり、非毒性であり、且つ医薬的に許容できる賦形剤又はビヒクルについて、示唆により及び限定によるのでなく、希釈剤、溶媒、保存料、湿潤剤、乳化剤、分散剤、結合剤、膨張剤、崩壊剤、遅延剤、滑剤、吸収剤、懸濁剤、着色料、香料なども言及されうる。
【0061】
固体の組成物が、錠剤の形で調製される場合、主要な活性成分は、医薬的なビヒクル、例えばゼラチン、デンプン、ラクトース、マグネシウムステアレート、タルク、アラビアガム又は同様のものなど、と混合される。
【0062】
該錠剤は、スクロース又は他の適切な出発材料により被覆されてよく、又は延長された又は遅延された活性を有する為に及び予め決定された量の活性成分を連続的に放出する為に処理されてもよい。
【0063】
ゲルカプセルの形にある調製物は、活性成分を希釈剤と混合することそして該得られた混合物をソフト若しくはハードのゲルカプセルに注ぐことにより得られる。
【0064】
シロップ又はエリキシル剤の形にある医薬組成物は、甘味料、好ましくは非発熱性(noncalorific)甘味料と一緒に、防腐剤としてメチルパラベン及びプロピルパラベンと一緒に、及び、味を与える剤及び適切な着色剤と一緒に、該活性成分を含みうる。
【0065】
水中に分散可能な粉又は顆粒は、活性成分を、分散剤又は湿潤剤又は懸濁剤、例えばポリビニルピロロジノンなどを有し、及び甘味料又は矯味剤を有する混合物中に含みうる。
【0066】
該活性成分は、任意的に1又はそれより多いキャリア又は添加剤と一緒に、マイクロカプセルの形で処方されてもよい。
【0067】
一般的にいうと、本発明に従う医薬組成物の製造の為に、当技術分野の当業者は有利に、欧州薬局方の最も最近の版を参照することができ、例えば2005年1月に発行された欧州薬局方の第5版、又は2007年6月の発行で利用可能な欧州薬局方第6版を参照することができる。
【0068】
本発明に従う医薬組成物を調製する為の技術は、当技術分野の当業者により容易に見つけられることができ、例えば、業績Remmingston's Pharmaceutical Sciences, Mid. Publishing Co., Easton, PA, USA、におけるとおりである。
【0069】
生理学的に許容できるアジュバント、ビヒクル、及び賦形剤は、"Handbook of Pharmaceutical Excipients", second edition, American Pharmaceutical Association, 1994、と題名を付けられた業績においても記載されている。
【0070】
本発明に従う医薬組成物を処方する為に、当技術分野の当業者は有利に、欧州薬局方又は米国薬局方(USP)の最も最近の版を参照することができるであろう。
【0071】
当技術分野の当業者は特には、有利に、米国薬局方(U.S. Pharmacopeia)のUSP−NF 25版を参照することができるであろう。
【0072】
有利に、上記で定義されたとおりの医薬組成物は、経口投与、非経口投与又は静脈投与のために採用される。
【0073】
本発明に従う医薬組成物が、医薬的に又は生理学的に許容できる少なくとも1つの賦形剤を含む場合、問題の賦形剤はより特には、経口的な該組成物の投与にとって適切な賦形剤、又は非経口的な該組成物の投与にとって適切な賦形剤である。
【0074】
本発明は、骨代謝における不均衡に関連する疾患、より特には骨質量の損失に関連する疾患、を予防し又は処置する方法にも関し、該方法は、患者が本明細書に記載されたとおりの、治療的に有効な量の抗転移化合物又は該抗転移化合物を含む医薬組成物を投与されるステップを含む。
【0075】
本発明に従う抗転移化合物を含む医薬組成物は、固形の形又は液状の形において同様に良好に存在しうる。
【0076】
経口投与の為に、錠剤、プレーンカプセル又はゲルカプセルの形にある、固形の医薬組成物、が優先されるであろう。
【0077】
液体の形にある場合、水性懸濁物又は非水性懸濁物の形にあるか又は油中水型若しくは水中油型エマルジョンの形にある医薬組成物が優先されるであろう。
【0078】
固形の医薬組成物の形において存在するビヒクル、アジュバント又は賦形剤は、少なくとも1つの希釈剤、香料、可溶化剤、滑剤、懸濁剤、結合剤、崩壊剤、及びカプセル材料を含みうる。
【0079】
そのような化合物は、例えば、マグネシウムカーボネート、マグネシウムステアレート、タルク、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース材料、ココアバターなどである。
【0080】
液体の形にある該組成物は、水、必要に応じてプロピレングリコール又はポリエチレングリコールとの混合物として、及びまた、任意的に、着色剤、香料、安定剤、及び増粘剤も含みうる。
【0081】
本発明は、以下の実施例により、さらに説明されるが、限定されない。
【実施例1】
【0082】
本発明の抗転移化合物の抗浸潤特性
【0083】
A.装置及び方法
【0084】
1.96ウェルプレートにおけるE−カドヘリンラベリングプロトコル
1−直腸結腸株について、ウェル当たり約10000細胞をプレートする(Falcon 96ウェルプレート(参照番号353072)中に)。
2−必要な処置(対照、化合物(I)、(II)など、48時間)を実施し、そして、ホルマリン(PBS中の3.7%ホルムアルデヒド)による10分間の固定化を実施する。
3−飽和、10分、PBS−BSA。
4−PBS−BSA中に1:500希釈された一次抗体のインキュベーション、37℃で2時間(マウス抗E−カドヘリン、Zymed、参照番号:13−1700)。
5−PBS−0.1%Tweenによる2回の迅速なリンス。
6−PBS−BSA中に1:1000希釈されたビオチン化抗マウスAbのインキュベーション、37℃で30分(抗マウスIgG、重鎖及び軽鎖特異的ビオチンコンジュゲート、Calbiochem、参照番号:401213)。
7−PBS−0.1%Tweenによる2回の迅速なリンス。
8−PBS−BSA中に1:1000希釈されたストレプトアビジン−HRPのインキュベーション、37℃で30分(ECL ストレプトアビジン−ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲート、Amersham Biosciences、参照番号:RPN1231)。
9−PBS−0.1%Tweenによる2回の迅速なリンス。
10−可視化:
過ホウ酸ナトリウムを有するホスフェート−シトレートバッファーの1カプセル(Sigma、参照番号:P4922)を、100mlの脱イオン水中に溶解する。このバッファーは、その再構成後30分以内に用いられなければならない。
O−フェニレンジアミン(OPD)ジヒドロクロリド(Sigma、参照番号:P6787)のウェハーを、このバッファー中に溶解して、0.4mg/mlの最終濃度を与える(40mlの過ホウ酸バッファー中に、10mgでの1ペレットのOPD)。
ウェル当たり100μlのOPD/過ホウ酸を導入し、そして、室温で5分間インキュベーションを実施する。
50μlの3N HClにより反応を止める。
490nmでのODを読み取る。
【0085】
2.浸潤試験
1−D−2日目で、Matrigelを4℃で一晩解かす。
2−D−1日目で、Matrigelをチャンバーに注ぐ。
必要な装置の全てを氷上に置く(Matrigel、培養培地、チップ、エッペンドルフなど)。
Fluoroblockインサート(Falcon、参照番号:351152)を、24ウェルプレート(Falcon、参照番号:353504)中に導入する。
Matrigelを冷無血清培養培地中に2mg/mlへと希釈する(もし細胞が処置Xを受けることになるならば、Matrigel中に製品を含ませる、例えば:Y27632)。
インサート当たり2mg/mlのmatrigelの100μlを分配し、バブルの形成を回避する。
湿った雰囲気中で37℃で一晩置く。
3−D日目で、matrigel上に細胞をプレートする。
最初に、24ウェルプレート中に、10%血清培地700μlを導入し、そしてこのプレートに該インサートを移す。
該細胞(前処理された又はそうでない)をトリプシン処理し、そして、2%血清培地中にそれらをとる。
matrigel上に、2%血清培地200μl中の、インサート当たり50000細胞をまく(必要に応じて、該プレートされた細胞中にY27632を置く)。
4−遊走時間は細胞タイプによって変わるが、一般に、8時間の遊走を許し、2時間毎に点を固定することが、適当であるとみえる。
固定化を実施する為に、1mlのホルマリン(PBS中の3.7%ホルムアルデヒド)を有する24ウェルプレートに、該インサートを移し、該チャンバー内の培養培地を除き、そして、ホルマリンを添加する(非常に重要、該細胞がmatrigel内を遊走することを続けることを防ぐ)。
10分間インキュベートする。
PBSによる3回の迅速なリンスを実施する。
次に、1mlのヨウ化プロピジウム(Sigma、参照番号:P4864)(PBS中に1:500)内に該インサートを、4℃で一晩、暗所でインキュベートすることにより、ヨウ化プロピジウムによるラベリングを実施する。
【0086】
B.結果
【0087】
B.1. 細胞間結合の再確立を誘発する、本発明の抗転移化合物の能力
【0088】
式(I)〜(VI)の化合物が、装置及び方法のセクションにおいて記載されたE−カドヘリンラベリング試験を用いて、株SW620の細胞のin vitro培養において、細胞間結合の再確立を引き起こすそれらの能力について試験された。
【0089】
陰性対照として、株SW620からの細胞が用いられ、抗転移化合物の不在下において、培養培地単独中でインキュベートされた。0.147の平均ODが得られた。
【0090】
陽性対照として、株HCT116からの細胞が用いられ、抗転移化合物の不在下において、培養培地単独中でインキュベートされた。0.734の平均ODが得られた。
【0091】
該試験は、化合物(I)〜(VI)のそれぞれと、株SE620からの細胞をインキュベートすることにより実施された。
【0092】
これらの試験において、化合物(I)〜(VI)のそれぞれにより得られた平均ODは、0.300よりも常に大きく、これは、化合物(I)〜(VI)が、細胞拡散を誘発すること、ぎっしり詰まった細胞の小島の形成を誘発すること、及び新規の細胞間E−カドヘリン結合の形成を引き起こすことができることを示す。
【0093】
B.2.本発明の抗転移化合物の抗浸潤特性
【0094】
装置及び方法のセクションにおいて記載された浸潤試験を用いて、転移性ガン細胞の浸潤特性を抑制し又は防ぐ、式(I)〜(VI)の化合物のそれぞれの能力の測定が行われた。
【0095】
抗転移化合物の不在下においてインキュベートされた転移性株SW620からの細胞が、陰性対照として用いられ、該対照値が任意に100%に設定された。
【0096】
非転移性ガン株HCT116からの細胞が、陽性対照として用いられた。
【0097】
結果が図1に示される。
【0098】
図1において、 式(I)〜(VI)の化合物の全てが、転移性直腸結腸ガン細胞株の細胞の浸潤特性を阻止することができ、一方で処置された細胞は、非転移性直腸結腸ガン株HCT116の浸潤活性と同様の又はそれより少ない浸潤活性を有することが示される。
【0099】
さらに、図2、3、及び4の結果は、式(I)〜(VI)の化合物のそれぞれの抗浸潤特性が、乳ガンに由来する細胞も含め(図4)、さまざまな種類の転移性ヒトガン細胞について実証されることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトまたは動物におけるガン転移の予防または処置を目的とする医薬の製造の為に、アミノペプチダーゼインヒビター化合物およびアザインドール化合物から選ばれる化合物を使用する方法。
【請求項2】
該アミノペプチダーゼインヒビター化合物が、以下の式(I)
【化1】

の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該アザインドール化合物が、以下の式(II)
【化2】

の化合物であることを特徴とし、
ここで基R1が、1〜6の炭素原子を有する直鎖状または分枝状のアルキルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該アザインドール化合物が、以下の式(III)
【化3】

の化合物であることを特徴とし、
ここで基R1、R2、R3、およびR4がそれぞれ互いに独立に1〜6の炭素原子を有するアルキルを表す、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
該アザインドール化合物が、以下の式(IV)
【化4】

の化合物であることを特徴とし、
ここで基R1、R2、およびR3がそれぞれ互いに独立に、F、Cl、I、およびBrから選ばれるハロゲンを表す、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
該アザインドール化合物が、以下の式(V)
【化5】

の化合物であることを特徴とし、
ここで
基R1が、F、Cl、I、およびBrから選ばれるハロゲンであり、且つ
基R2が、1〜6の炭素原子を有する直鎖状または分枝上のアルキルである、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該アザインドール化合物が、以下の式(VI)
【化6】

の化合物であることを特徴とし、
ここで基R1が、F、Cl、I、およびBrから選ばれるハロゲンである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該アザインドール化合物が、以下の化合物
メチル 4-[([3-(4-フルオロフェニル)-4-オキソ-2-チオキソ-1,3-チアゾリジン-5-イリデン)メチル)ベンゾエート;
3,4,5-トリエトキシ-N-(2-メチル-4-ニトロフェニル)ベンズアミド;
5-(5-ブロモ-3-クロロ-2-ヒドロキシベンジリデン)-1-(4-クロロフェニル)-2,4,6-(1H,3H,5H)ピリミジントリオン;
5-ブロモ-N-(4-ブトキシフェニル)ニコチンアミド;および
3-クロロ-1-フェニル-4-[(2-フェニルエチル)アミノ]-1H-ピロール-2,5-ジオン
から選ばれることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該医薬が、上皮ガンの予防又は処置を目的とすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該上皮ガンが、直腸結腸ガンおよび乳ガンから選ばれることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−509982(P2011−509982A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542670(P2010−542670)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【国際出願番号】PCT/FR2009/050081
【国際公開番号】WO2009/095583
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(500531141)セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク (84)
【Fターム(参考)】