説明

位相同期ループ回路

【課題】 ディジタル信号伝送においてキャリア引き込み特性の改善を図り、それを実現する位相同期ループ回路の構成を提供すること。
【解決手段】 位相同期ループ回路が複素乗算器71、位相比較器73、ループフィルタ74、数値制御発振器75等を備え、位相比較器73において、複素数信号の実数部及び虚数部から逆タンジェント特性を得て位相を算出する検出位相算出部76と、位相が異なる2つの直交ディジタル位相変調の信号点配置パターンにおける近傍引き込み点の位相と、上記で算出した受信信号の検出位相とのそれぞれの位相誤差を求める位相誤差計算部77とを備え、各ブロックにおけるパターン毎の位相誤差の2乗から尤度を求めて尤度の高い位相誤差の積分値を位相誤差として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディジタルデータ伝送方式において用いる搬送波再生回路に係り、より詳しくは同回路における位相同期ループ回路の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衛星通信などで画像伝送を行うために、大容量のディジタル信号伝送方式が研究されている。伝送方式としてはパーシャルレスポンス方式によって波形等化を行い、最尤復号方式によってデータの検出を行うトレリス符号化変調方式などのトレリス構造を持つ符号化方式が開発されている。
従来の技術では、ディジタル信号伝送において伝送されるデータビットに等しい誤り率特性を与えて伝送を行っている。この場合、伝送路での何らかの障害によって伝送路の提供できる信号対雑音比が所要値に以下に落ちると、伝送するデータビットに許容することのできない大きな誤り率が生じ、伝送品質は一遍に大きく劣化してしまうという問題があった。
【0003】
ここで、伝送されるデータビットは異なる重要度を有しているため、重要度の高いデータビットに対してより良い誤り率特性を割り当てることによって、伝送品質の大きな劣化が避けられ、全体の伝送品質の向上を図ることができる。これを提案したのが本件出願人らによる特許文献1に開示される技術である。
【0004】
【特許文献1】特許第3051914号
【0005】
本件特許の多重ブロック符号化変調に基づく不均一誤り保護方式によれば、伝送されるデータビット中の重要度の高いビットに対して、より容易に良いビット誤り率特性(BER特性)を与えることを可能にする。そして、全体の伝送品質を改善することが可能であり、また、復号トレリス線図がブロック構造とトレリス構造を同時に有することを利用して、ビタビ復号を実現させながら、符号長をより短くすることができ、復号に要されるメモリ、計算を減らすことができる。
【0006】
ディジタル信号伝送における変調波から再生波を再生する際、位相同期ループを形成した搬送波再生回路を用いて安定した搬送波を再生することが考えられている。
特許文献2にも開示されているように、従来から図15に示すような位相同期ループ回路が用いられている。該回路は通信伝送路を経てアナログ/ディジタル変換されたディジタル信号を、入力端子(200)(201)から入力する。ディジタル信号は複素数信号であり、それを構成するI信号・Q信号は、複素乗算部(202)に入力される。
【0007】
複素乗算部(202)は、入力されたI信号、Q信号と、後述するデータ変換部(203)からのサイン(SIN)、コサイン(CON)特性の信号とを乗算して、その結果を位相比較部(204)に供給する。
位相比較部(204)は、複素乗算部(202)から供給される乗算結果の実数部及び虚数部からタンジェント特性を得て、この逆特性(TAN-1)から位相を検出している。すなわち、図16は入力変調波がQPSKの場合のデータベクトルを示しており、同図に示した白丸印は本来のシンボルの位置を、同図に示した黒丸印は受信シンボルの位置を示している。白丸印のシンボル位置を基準にして受信シンボルである黒丸印との位相誤差θは逆タンジェント特性(数1)で求めることができる。
【0008】
(数1) θ=TAN-1(y/x)−(π/4)
【0009】
そして、検出された位相と所定の位相との位相差θを求め、この位相差θに比例した位相誤差信号をループフィルタ部(205)へ出力する。なお、複素乗算部(202)から出力される実数部及び虚数部からなる信号は復調信号として利用されるもので、例えばビタビ復号を用いたデータ復調部へ供給される。
【0010】
ループフィルタ部(205)は、位相比較部(204)から供給される位相誤差信号を平滑化して制御信号を得て、これを数値制御発振部(206)の制御端子に供給する。数値制御発振部(206)は制御信号に基づいて発振周波数が制御された位相信号を得て、データ変換部(203)へ供給する。データ変換部(203)は、数値制御発振部(206)から供給される位相信号を2信号に分配してSIN、CON特性の信号に変換し、これをキャリアとして複素乗算部(202)の他方側入力に供給する。
【0011】
以上のように、複素乗算部(202)、位相比較部(204)、ループフィルタ部(205)、数値制御発振部(206)及びデータ変換部(203)を経て複素乗算部(202)に戻るディジタル構成のループにより、周波数引込み及び位相同期が行われる。
【0012】
【特許文献2】特開平7−193609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記のようなディジタル信号伝送においてキャリア引き込み特性の改善を図るものであり、それを実現する位相同期ループ回路の構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するために、符号化方式で用いられるディジタル位相変調の信号点配置は信号点数が半減した2つの子信号点配置パターンに分けられ、1つの符号ブロックにおいてどちらかの子信号点配置しか用いないことに着眼し、キャリア引き込み特性の改善を図るものである。そして、次のような位相同期ループ回路の構成を提供する。
すなわち、請求項1に記載の発明は、時間と共に変化する単位ディジタル信号に対応する要素の集合からなる符号ブロック構造を有する符号化方式の搬送波再生回路に用いる位相同期ループ回路である。
そして、該位相同期ループ回路は、複素乗算器と、位相比較器と、ループフィルタと、数値制御発振器とを少なくとも備え、複素乗算器には複素数信号と数値制御発振器からのキャリアとを入力するループにより位相同期を行う構成において、位相比較器が、複素数信号の実数部及び虚数部から位相を算出する位相算出部と、用いられた直交ディジタル位相変調の位相が異なる2つの子信号点配置パターンにおける近傍引き込み点の位相と、上記で算出した受信信号の検出位相とのそれぞれの位相誤差を求める位相誤差計算部と、各ブロック毎に各位相誤差の2乗を積分して尤度を算出する尤度算出部と、該尤度の高い直交ディジタル位相変調の信号点配置パターンにおける位相誤差の積分値から平均位相誤差を算出して出力する位相誤差選択部とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記符号化方式で用いられるディジタル位相変調の信号点配置は、前記信号点数が半減した2つの子信号点配置パターンに分けられ、ある時系列長の符号ブロックにおいて、どちらかの子信号点配置しか使用されないことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記直交ディジタル位相変調の2つの子信号点配置パターンが、それぞれπ/4位相がずれていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の位相同期ループ回路では、前記符号化方式が、ブロック符号化変調(BCM)である構成を、請求項5では、多重ブロック符号化変調(MBCM)である構成をそれぞれ提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
以上の発明により次の効果を奏する。すなわち、本発明に係る位相同期ループ回路は、8相PSKの信号点配置を2つのQPSK配置パターンに分けてそれぞれの近傍点との誤差を比較することにより、正しい引き込み処理を行える確率を高めることができる。
これにより、キャリア引き込み特性の改善が図られ、優れた搬送波再生回路の構成に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面に示す実施例を基に説明する。なお、実施形態は下記に限定されるものではない。
図1は、本発明の位相同期ループ回路を実装するディジタル通信伝送システムの1例であって、地上局A(1)と地上局B(2)の間で通信衛星(3)を用いて構成している。
【0018】
各地上局(1)(2)には、それぞれ動画像撮影用のビデオカメラ(10)、撮影した画像を入力してディジタルデータとして処理する公知のパソコン(11)、該パソコン(11)をネットワーク接続するルータ(12)、本発明の要部に係る変復調装置(13)を配設している。
また、変復調装置(13)において出入力される140MHzの信号を、地上局A(1)からはKaバンドで、地上局B(2)からはSバンドでアンテナ(14)(15)から送受信するために周波数変換装置(16)(17)を設けている。
【0019】
変復調装置(13)の構成を図2に示す。図示の通り、変復調装置(13)にはルータ(12)との動画像ディジタル入出力信号を同時に2個処理できるように、2つのインターフェース(20)(20)を備え、データバッファ(21)を介してベースバンドユニット(30)に至る。
ベースバンドユニット(30)には送信側の送信ベースバンド処理部(31)と、受信側の受信ベースバンド処理部(32)を設けている。
【0020】
本実施形態では、データインターフェース(22)で画像の重要度や動画像ディジタルデータに含まれる情報の重要度に応じて、データビットを3つのレベル(L1,L2,L3)の3系統に振り分ける。
送信ベースバンド処理部(31)では、それぞれのレベル毎に、公知のR/S符号化処理部(33)、畳み込み符号化処理部(34)を備えており、各レベルを後述のようにブロック符号化処理部(35)で符号化処理する。
【0021】
ブロック符号化された信号点をいくつかの部分集合に分割していき、その各々の部分集合に含まれる信号点間の最小距離が単調に増大するようにする。このような位相マッピングを、I・Qマッピング処理部(36)で行い、フレーム化処理(37)、ロールオフフィルタ(38)(38)を経て、ディジタル・アナログコンバータ(39)(39)によりアナログ信号に変換される。
そして、送信IFユニット(40)から140MHzの送信IF信号を送出する。
【0022】
一方、通信衛星(3)から受信した信号は周波数変換装置を経て、受信IFユニット(41)に入力し、ベースバンドユニット(30)で復調処理される。
このとき、フィルタ群を経てアナログ・ディジタルコンバータ(42)(42)によりディジタル信号に変換され、ロールオフフィルタ(43)(43)を介して本発明に係るCAL・CLK同期処理部(44)に入力する。該処理については後段で詳述する。
【0023】
搬送波再生されたディジタル信号は、フレーム周期処理部(45)、ブロック信号処理部(46)を経て、各レベルL1,L2,L3毎にビタビ復号処理部(47)で復号化処理される。ビタビ復号の処理方法は公知の技術を用いることができる。復号信号はR/S復号化処理部(48)を介してデータインターフェース(23)に出力される。
【0024】
また、本実施形態では、外部データをレベル毎に入力及び出力する外部端子(49)(50)や、誤り率を測定するための実験用として疑似雑音符号を発生するPN符号部(51)を送信側に、ビット誤り率特性(BER特性)を測定する内部BER測定部(52)を受信側にそれぞれ設けている。これらは通常の変復調器では特に配設しなくともよい。
【0025】
以上のような構成により本実施形態では、次のような2通りの動画像伝送を行うことができる。すなわち、本件出願人が上記特許文献1で開示した方式を用いて動画像ディジタルデータを重要度によって複数のレベルに振り分けることができるので、次のような伝送形態を実現できる。
その1つは、図3に示すように地上局A(1)・地上局B(2)における変復調装置(13)のX21インターフェース(20)にそれぞれPC1台(11)(11)を接続する方法である。本実施形態では動画像ディジタルデータに含まれる制御コード等やデータの重要度によってレベルL1〜L3に分配し、不均一誤り訂正を行う。
【0026】
他の1つは、図4に示すように、それぞれの地上局(1)(2)にPCを2台ずつ配置し、X21インターフェース(20)に異なる2種類の動画像ディジタルデータを入力する。このとき、動画像の重要度により、例えば重要な画面A(60)はレベルL1・L2に入力し、あまり重要でない画面B(61)はL3に振り分ける。この結果、伝搬環境が悪い場合、受信側では画面A(62)は十分な誤り訂正が行われて画質を損ねることがなく、一方画面B(63)はノイズを含んで受信される。なお、図3・図4のノイズソース(64)は実験用に伝送路でのノイズを擬似的に発生する装置である。
【0027】
ここで、特許文献1に係る技術を簡単に説述する。ブロック符号化変調は予め決められたビット数ごとにまとめてブロック化し、それぞれのブロックごとにブロック符号化変調の操作を行うものである。
図5に1例として8相PSK信号点配置を用いた符号化器のビットマトリクスおよび8相PSK信号の生成法を示す。但し、これはトレリスの1ブランチにk個のシンボルが割り当てられている場合を示している。
【0028】
図において、横の列を符号レベルと呼び、上からの順でl1、l2、…、lk+2でラベルされている。また、縦の1つの列は後で述べる復号トレリス線図の1ブランチと対応する。従って、縦の1つの列からk個のシンボルを構成する必要がある。
このk個のシンボルは同図の下部に示すように、符号レベルl1 とl2からの2ビットを共通ビットとして各自の先頭の2ビットに用い、そして3ビット目にそれぞれl3、l4、…、lk+2 からのビットを用いる。
【0029】
図5において、a1 、a2 、…、a6k+7はデータビットであり、c1 、c2 、…、ck+1 はそれぞれ符号レベルl3 、l4 、…、lk+2 におけるパリティ検査ビットである。検査ビットは数2に従う。
【0030】
【数2】

【0031】
ここで、各符号レベルにおける最小2乗ユークリッド距離MSEDは、それぞれのレベルの最小ハミング距離MHDとセット分割の際にそのレベルと対応するサブセットのMSEDの積から得られる。ここで、符号レベルl1とl2のビットがk個のシンボルで重複使用されていることから、レベルの総MHDがそのレベルの符号のMHDのk倍となる。従って、各符号レベルのMSEDは数3のように計算できる。
【0032】
【数3】

【0033】
従って、k>2であれば、符号レベルl3とその以下の符号レベルのMSEDが大きい値に保持されるまま、符号レベルl1とl2のMSEDを更に大きくすることができる。このように、本件出願人らによる方法を適用することで、データの重要度によって符号レベルl1〜l3(或いはそれ以上の符号レベル)に振り分けることで不均一な誤り訂正特性を実現することができる。シミュレーションによると、k=6の場合、l2はl3以下に比して3.5dB程度耐性を向上させることができる。
【0034】
次に、本発明の要部である位相同期ループ回路につき説述する。該回路の構成を図7に示す。位相同期ループ回路(70)は、複素乗算器(71)、位相比較器(72)、ループフィルタ(73)、数値制御発振器(74)、データ変換器(75)から構成されている。
本発明は位相比較器(72)における処理方法に特徴を有しており、その他の複素乗算器(71)、ループフィルタ(73)、数値制御発振器(74)、データ変換器(75)は公知の構成を用いている。
【0035】
そして、位相比較器(72)においては、まず位相算出部(76)において、入力した複素数信号を逆タンジェント変換処理し、位相を算出する。なお、位相を算出する方法としては、必ずしも逆タンジェント変換を用いる構成に限らず、他の三角関数演算など任意の方法を用いることができる。
そして、従来そのままの8相PSK信号点配置を用いて復調した場合、誤った近傍点に引き込む可能性があり、ノイズの多い伝搬環境では同期を行うことが困難であった。
【0036】
これに対し、本発明では、8相PSK信号点配置が図9に示すように座標軸I・Qからπ/4位相をずらした4つのシンボル点のAパターンと、図10に示す座標軸I・Q上の4つのシンボル点のBパターンとに分けられ、1つの符号ブロックにおいて、パターンAとパターンBの片方のみが用いられることを利用して、パターンAとパターンBとのそれぞれの位相誤差を求める。
すなわち、位相誤差計算部(77)において、図8に示す位相誤差の計算処理を行う。ここで、図11に示すように、受信信号の信号点(90)と、Aパターンにおける最寄りのシンボル点(91)との位相誤差ΔθA、Bパターンにおける最寄りのシンボル点(92)との位相誤差ΔθBを計算する。
【0037】
そして、尤度算出部(80)において、ブロック符号における各ブロック毎に、全ての位相誤差を2乗した値の積分値を、それぞれのパターンについて求め、尤度として算出する。言うまでもなく、積分値が小さな方が尤度が高くなる。
一方、それぞれのパターンとの位相誤差ΔθA・ΔθBの積分値を位相誤差積分算出部(81)で求めた上、位相誤差選択部(82)で上記尤度の高い方の位相誤差積分値から、数4によって算出される平均位相誤差を位相誤差Δθとして出力する。
本発明はこのような構成により、キャリア引き込み特性の改善を図るものである。
【0038】
(数4)
Δθ=ΣΔθA/M 又は Δθ=ΣΔθB/M
ただし、Mは1つの符号ブロックに含まれる信号シンボルの数
【0039】
本発明は、様々なブロック符号化方式に対応することができる手法である。図12はBCMの場合のトレリス線図である。図12の線図左側に4行記載された数字0/4−2/6〜3/7−1/5は、4つの節点におけるそれぞれのブランチラベルを示すものである。0〜7の8つの数字は8相PSKの8つの信号点を表す。
例えば、1行目の数字は1番上の節点から出ている2つのブランチレベルは上のブランチが0か4の値をとり、下のブランチが2か6の値をとることを示す。
【0040】
このトレリスは上下交差しない2つの子トレリスに分けることができ、上では0,2,4,6の値のみを用い、下では1,3,5,7の値のみを用いる。すなわち、上と下で用いられる信号点は図10のBパターン、図9のAパターンにそれぞれ対応する。
【0041】
図13はMBCM、k=2の場合のトレリス線図である。上記BCMの場合と同様で、線図の左側8行の数字は対応する8つの節点におけるブランチラベルを示すものである。ここでは1つの節点から4つのブランチが出ていて、1つのブランチのラベルが2つの信号点の組み合わせで与えられる。
BCMと同様、図13のトレリス線図も上下2つの子トレリスに分けることができ、2つの子トレリスが2つの異なるQPSKパターンに対応する。
【0042】
MBCM、k>2の場合のトレリス線図は図13と同じ構造を有するが、1つのブランチラベルを記述する信号点組み合わせの数が増える。
以上によって、用いられるパターンで見る場合、BCMとMBCMは共に図14に示すように、単純な2状態のトレリス線図と見ることができる。ただし、方式によって1つの符号ブロックに送られる信号シンボルの数が異なる。すなわち、BCMの場合は7個、MBCMでk=2の場合は14個、k=4の場合は28個、k=6の場合は42個である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の位相同期ループ回路を実装する通信システムの全体図である。
【図2】本発明の位相同期ループ回路を実装する変復調装置の構成図である。
【図3】本発明の通信システムの利用形態の1つである。
【図4】本発明の通信システムの利用形態の1つである。
【図5】不均一誤り保護を提供するビットマトリクスの1例である。
【図6】同、トレリス線図である。
【図7】本発明に係る位相同期ループ回路の構成図である。
【図8】本発明に係る位相誤差計算部の構成図である。
【図9】QPSKのAパターンの説明図である。
【図10】QPSKのBパターンの説明図である。
【図11】位相誤算の計算方法を説明する説明図である。
【図12】BCMに適用する場合のトレリス線図である。
【図13】MBCMに適用する場合のトレリス線図である。
【図14】これらを簡略化して回路に適用する場合のトレリス線図である。
【図15】従来の位相同期ループ回路の構成図である。
【図16】同、位相誤差の計算方法の説明図である。
【符号の説明】
【0044】
70 位相同期ループ回路
71 複素乗算器
72 ロールオフフィルタ
73 位相比較器
74 ループフィルタ
75 数値制御発振器NCO
76 検出位相算出部
77 位相誤差計算部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間と共に変化する単位ディジタル信号に対応する要素の集合からなる符号ブロック構造を有する符号化方式の搬送波再生回路に用いる位相同期ループ回路が、
複素乗算器と、位相比較器と、ループフィルタと、数値制御発振器とを少なくとも備え、複素乗算器には複素数信号と数値制御発振器からのキャリアとを入力するループにより位相同期を行う構成において、
位相比較器が、
複素数信号の実数部及び虚数部から位相を算出する位相算出部と、
用いられた直交ディジタル位相変調の位相が異なる2つの子信号点配置パターンにおける近傍引き込み点の位相と、上記で算出した受信信号の検出位相とのそれぞれの位相誤差を求める位相誤差計算部と、
各ブロック毎に各位相誤差の2乗を積分して尤度を算出する尤度算出部と、
該尤度の高い直交ディジタル位相変調の信号点配置パターンにおける位相誤差の積分値から平均位相誤差を算出して出力する位相誤差選択部と
を備えることを特徴とする位相同期ループ回路
【請求項2】
前記符号化方式で用いられるディジタル位相変調の信号点配置は、前記信号点数が半減した2つの子信号点配置パターンに分けられ、ある時系列長の符号ブロックにおいて、どちらかの子信号点配置しか使用されないことを特徴とする
請求項1に記載の位相同期ループ回路。
【請求項3】
前記直交ディジタル位相変調の2つの子信号点配置パターンが、それぞれπ/4位相がずれている
請求項1又は2に記載の位相同期ループ回路。
【請求項4】
前記符号化方式が、ブロック符号化変調(BCM)である
請求項1ないし3に記載の位相同期ループ回路。
【請求項5】
前記符号化方式が、多重ブロック符号化変調(MBCM)である
請求項1ないし3に記載の位相同期ループ回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−49984(P2006−49984A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224197(P2004−224197)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】