位置情報監視システム及び方法
【課題】監視対象が客なのか従業員なのか、徒歩による移動なのか、乗り物による移動なのかなど、監視対象の属性に応じて監視方式を変更し、監視対象の属性に基づく特有の行動を把握することで、適正な監視を行う。
【解決手段】 移動端末1a〜1cにより、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、当該移動端末において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報し、監視側において、アクセスポイントを通じ、移動端末1a〜1cから周辺情報及び無線情報を収集し、各移動端末の位置情報を生成し、各移動端末の属性に応じて、生成された位置情報を修正し、移動端末の位置情報と、移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する。
【解決手段】 移動端末1a〜1cにより、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、当該移動端末において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報し、監視側において、アクセスポイントを通じ、移動端末1a〜1cから周辺情報及び無線情報を収集し、各移動端末の位置情報を生成し、各移動端末の属性に応じて、生成された位置情報を修正し、移動端末の位置情報と、移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗や駅、空港等の所定領域内における位置情報監視システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、監視対象をリアルタイムで追跡することによって、店舗や駅、空港などの場所において、盗難、誘拐等の緊急事態の発生を予防するセキュリティシステムが提案されており、サービス提供者は、監視対象とともに移動する通信端末から位置情報を無線で受信し、監視対象の現在位置を把握し、緊急を要する場合に現場に対処員を急行させて状況の収拾に当たるとともに、適切な対応を行うことができる。
【0003】
このような監視システムとして、特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1に開示された技術では、監視する領域を定義し、その領域に応じた発信間隔で監視対象が所持する位置情報発信装置の現在位置を、監視側の位置情報受信部に送信するようにして、監視対象の現在位置を把握する。このとき、この特許文献1に開示された技術では、監視対象が危険度の低い領域にあるときは発信間隔を大にすることで消費電力を抑える一方、監視対象が危険度の高い領域にあるときは発信間隔を小にして現在位置の送信頻度を高めることにより、監視側の追跡性を高めている。
【特許文献1】特開2004−58737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、監視対象が客なのか従業員なのか、徒歩による移動なのか、乗り物による移動なのかなど、監視対象の属性に関わらず一律に監視するものであるため、監視対象の属性に基づく特有の行動を把握できず、緊急事態の発生を正確に検知することができない惧れがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、監視対象が客なのか従業員なのか、徒歩による移動なのか、乗り物による移動なのかなど、監視対象の属性に応じて監視方式を変更し、監視対象の属性に基づく特有の行動を把握することで、適正な監視を行うことのできる位置情報監視システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、自機において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する移動端末と、所定領域内に複数配置され、無線通信により移動端末とデータ通信を行うアクセスポイントと、アクセスポイントを通じて、移動端末から周辺情報を収集するイベント受信部と、アクセスポイントを通じて、移動端末から無線情報を収集する無線情報受信部と、無線情報に基づいて、移動端末の位置情報を生成する位置情報計算部と、移動端末の属性に応じて、位置情報計算部により生成された位置情報を修正する位置情報修正部と、位置情報修正部により修正された移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示インターフェース部とを備えることを特徴とする位置情報監視システムである。
【0007】
また、他の発明は、
(1) 移動端末により、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、当該移動端末において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する情報送信ステップと、
(2) 所定領域内に複数配置されたアクセスポイントにおいて、前記無線通信により前記移動端末とデータ通信を行い、監視側において、前記アクセスポイントを通じ、前記移動端末から前記周辺情報及び前記無線情報を収集する情報受信ステップと、
(3) 監視側において、前記無線情報に基づいて、前記移動端末の位置情報を生成する位置情報計算ステップと、
(4) 前記移動端末の属性に応じて、前記位置情報計算ステップで生成された位置情報を修正する位置情報修正ステップと、
(5) 前記監視サーバに接続され、前記移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示ステップと
を有することを特徴とする位置情報監視方法である。
【0008】
上記発明によれば、店舗や駅のホームなどの所定領域内において、業務員や関係者、客などに移動端末を携帯させ、その位置情報を捕捉して、監視装置の表示インターフェースにてリアルタイムに表示をすることができるため、監視側に表示インターフェースを設置することにより、移動端末の位置情報が参照可能となる。このとき、本発明では、移動端末を所持している者が、業務員なのか、関係者なのか、客なのか、など属性に応じて監視手法を切り換えることができるため、所有者の属性に基づく特有の行動などを正確に把握することができる。
【0009】
上記発明において、移動端末は、無線により通話を行う無線通話機能が備えられ、監視側と通話可能であることが好ましい。この場合には、携帯端末の音声通話により、有事の際、発生現場における業務員と音声を通じて報告を受けることができ、より迅速な状況把握、及び対応が可能となる。
【0010】
上記発明において、位置情報修正に際し、監視対象の属性に応じて定められた、位置情報を修正するための基準値データを用い、無線情報から得られた位置情報と、基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行うことが好ましい。
【0011】
ここで、上記「基準値データ」とは、例えば、監視対象が業務員であるのか、客であるのかなど監視対象の属性毎に設定された、領域範囲の座標群や移動速度、時間帯などの基準値(閾値)の集合である。例えば、監視対象が業務員であるか客であるか、或いはその時間帯に応じて、店舗内における進入できる領域が異なるため、時間帯毎にその監視対象が存在し得る領域を画成する座標情報などが基準値データに含まれる。また、その他の「基準値データ」の例としては、駅構内では、ホームと線路上などのように、監視対象が徒歩なのか、乗り物で移動しているのか、それがどの領域に属しているのかなどによって判別する必要があり、監視対象それぞれの属性(ホームの客或いは駅係員、電車内の乗客)に応じて、単位時間当たりの変位量(徒歩の速度、電車の速度)の閾値を、領域毎(ホーム上か、或いは線路(走行中の電車)上か等)に設定した基準値(閾値)の集合が挙げられる。
【0012】
このような発明によれば、移動端末の属性に応じた基準値データを参照することによって、監視対象毎に設定された基準値(閾値)を用いて各監視対象の位置情報を修正することができ、監視対象の属性に基づく特有の行動を加味してより高精度の位置情報を取得することができる。
【0013】
上記発明において、移動端末は、自機を識別するための端末識別子を、無線情報に付して送信し、監視側では、予め各端末識別子と各移動端末の属性とを関連づけて端末情報データベースに記憶しておき、位置情報修正では、情報受信ステップにより受信された端末識別子によって特定される移動端末の属性を、端末情報データベースを照合することにより取得し、この取得された属性に基づいて、移動端末毎に位置情報の修正の要否、又は計算方法の選択を行うことが好ましい。
【0014】
この場合には、端末識別子により各端末を区別するとともに、端末毎に属性を付与して端末情報データベースに記憶しておき、監視に際しては、この端末情報データベースを照合することによって、端末毎に固有の行動パターンを加味して、より詳細な監視を行うことができる。
【0015】
上記発明において、位置情報修正は、移動端末が位置する位置属性に応じて定められた、位置情報を修正するための基準値データを有し、位置情報計算ステップで生成した位置情報と、基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行うことが好ましい。
【0016】
この場合には、所定領域内に区画された領域範囲毎に、上述した基準値データを設定することができ、例えば、店舗内の接客スペースでは店員と客とが混在してもよいが、店舗奥の事務室には客は立ち入り禁止であるとか、駅のホームでは徒歩程度の移動速度しかあり得ないが、線路内では電車の速度で移動し得るといったように、その領域範囲毎に基準値(閾値)を定めることができ、監視に際しての注意・警報の設定値を詳細に設定することができる。
【0017】
上記発明において、位置情報計算では、予め移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積するとともに、移動端末毎の位置情報の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出し、その表示に際しては、位置情報に変化がないとして検出された移動端末を報知することが好ましい。 この場合には、監視対象が移動していないのか、或いは何らかの通信障害で位置情報が更新されていないのか、といった一概に認定できない不審な行動パターンを報知することにより、監視者に対し注意を喚起することができる。
【0018】
上記発明において、位置情報計算では、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積し、位置情報の表示に際しては、位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報を関連づけて表示することが好ましい。この場合には、時間を遡って位置情報の変遷を把握することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたように、本発明によれば、監視対象が客なのか業務員なのか、徒歩による移動なのか、乗り物による移動なのかなど、監視対象の属性に応じて監視方式を変更し、監視対象の属性に基づく特有の行動を把握することで、適正な監視を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る位置情報監視システムの実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る位置情報監視システムを、駅構内に設置した場合を例に説明する。図1は、本実施形態に係る位置情報監視システムの全体構成を示す概念図である。図2は、位置情報監視システムを構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0021】
(システム構成)
図1に示すように、本実施形態では、システムサーバ4aが計算機室4に設置されるとともに、店舗や駅構内というの所定領域(監視対象エリア)に分散配置された移動端末1a〜1cを通じて、各エリアの情報がシステムサーバ4aに集められ、この集められた位置情報や周辺情報等に基づいて、監視ルームに設置された位置情報表示端末2aを通じて、統合的に監視する。
【0022】
詳述すると、本実施形態の位置情報監視システムは、通信ネットワーク5に接続された位置情報表示端末2aと、システムサーバ4aと、アクセスポイント51a〜51cと、移動端末1a〜1cとから概略構成される。また、本実施形態において、移動端末1a〜1cは、店舗内において各種の業務に携わる業務員に携帯されている。
【0023】
前記通信ネットワーク5は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網であり、このIP網には、インターネットの他、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)やLANなども含まれる。
【0024】
移動端末1a〜1cは、電波信号を介した無線通信を利用した、携帯可能な無線通話機能が備えられた電話機であり、基地局等の中継点と無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この移動端末1a〜1cの通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、この移動端末1a〜1cは、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、或いはGPS機能等の機能が搭載可能であり、携帯情報端末としての機能も果たす。なお、この移動端末1a〜1cとしては、例えばデータ通信機能を備えた移動電話やPDA(Personal Digital Assistance)、モバイルコンピュータ等が含まれる。
【0025】
特に、本実施形態における移動端末1a〜1cは、無線LANを介したデータ通信により自機周辺の状況を周辺情報として発報する機能を備えている。本実施形態における発報機能は、移動端末1a〜1c上でアプリケーションを起動し、イベント送信部11や無線情報送信部12を有するモジュールを仮想的に構築することによって実現される。かかるアプリケーションを実行することにより、図8に示すような、液晶タッチパネル上にGUI(Graphical User Interface)を表示させ、このGUIや操作ボタン等によりユーザー操作を受け付け、アクセスポイント51a〜51cとの無線LAN通信を介して、通信ネットワーク5に接続し、操作信号や緊急発報等の周辺情報をシステムサーバ4a等に送信する。
【0026】
アクセスポイント51a〜51cは、店舗等の所定領域内に複数分散配置され、無線LAN通信により移動端末1a〜1cとデータ通信を行う中継装置である。位置情報表示端末2aは、CPUを備えた演算処理装置であり、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機としてもよい。
【0027】
そして、位置情報表示端末2aは、Webブラウザを実行することにより、通信ネットワーク5を通じて配信される情報を表示する表示インターフェース部として機能するとともに、HTTP等のプロトコルによるデータ送受信により、種々の手続を実行することができる。例えば、この位置情報表示端末2aは、Webブラウザ等のアプリケーションによって、通信ネットワーク5を通じ、システムサーバ4aをはじめとする各装置に接続可能となっており、例えば図3や図4に示すように、各移動端末1a〜1cの位置情報と周辺情報とを関連づけて表示する。
【0028】
詳述すると、この位置情報表示端末2aでは、図3や図4に示すように、店舗内のフロアマップ20aが表示可能となっており、各フロアにおける周辺情報及びフロア内における業務員の位置を確認することができる。特に、緊急発報時には、図4に示すように、緊急発報が発行された業務員をハイライトやアイコン等によって強調表示し、そのアイコンをクリックすることにより、当該業務員に関する詳細情報、及びその位置を確認することができる。この詳細情報には、発行されたイベント(周辺情報)や位置表示と併せて、その移動端末の端末識別子(端末ID)、及びこれを携帯している店員の氏名や属性(所属名、業種、勤務エリア名等)、発報の種別(状態)、当該移動端末の通話用の電話番号等が表示される。
【0029】
また、この位置情報表示端末2aには、設置場所に応じて他の装置が接続され、必要に応じた機能と連携可能となっている。例えば、本実施形態において、監視ルームでは、警報システム3aが接続されている。
【0030】
警報システム3aは、パトライト等の警告灯とサイレンやスピーカー等の音声出力装置から構成された装置群であり、無線LANや有線により通信ネットワーク5に接続され、その鳴動を遠隔操作できるようになっている。この警報システムは、例えば、監視ルームやその他の店舗内の要所に設置される。
【0031】
システムサーバ4aは、各移動端末1a〜1cから受信された周辺情報を収集し、蓄積する監視装置であり、上述した位置情報表示端末など、他の機能を実現する種々の装置が接続されている。具体的にこのシステムサーバ4aは、Webサーバ及びアプリケーションサーバ、データベースサーバなどの複数のサーバ群で構成され、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどの情報送信を行うサーバコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、アプリケーションを実行したり、通信ネットワーク5を通じてデータの配信も行う。
【0032】
具体的にシステムサーバ4aは、図2(a)に示すように、Webシステム41と、位置情報修正部42と、位置情報計算部43と、イベント受信部44と、無線情報受信部45と、管理データベース46とを備えている。
【0033】
Webシステム41は、Webブラウザで表示可能な表示データを生成し、配信するモジュールであり、店員の位置情報や発生されたイベント(緊急発報)に応じ、HTMLやFlash等により画面表示のための静止画や動画、文字情報を生成し、各位置情報表示端末のWebブラウザ20に送出する。
【0034】
イベント受信部44は、各移動端末1a〜1cのイベント送信部11から送信される周辺情報を受信し、周辺情報に応じたイベントの発生を制御するモジュールであり、移動端末1a〜1cから緊急発報が受信されたときには、警報システム3aに対する緊急警報処理や、各Webシステム41に対する画面描画処理等の各種イベントを発生させる。
【0035】
無線情報受信部45は、各移動端末において、近隣のアクセスポイントから受信される電波信号の強度である無線情報を受信し、位置情報計算部43へ入力するモジュールである。
【0036】
位置情報計算部43は、各移動端末1a〜1cから受信された電波情報をリアルタイムに収集し、各移動端末1a〜1cにおける電波信号強度や三点測量方式によって、アクセスポイントに対する相対位置関係を算出し、各移動端末の現在位置を計算し位置情報として生成するモジュールであり、生成された位置情報は、必要に応じて、位置情報修正部42において修正され、履歴情報として管理データベース46に蓄積される。この各監視対象の位置情報履歴は、例えば、図4(a)及び(b)に示すように、店員などの監視対象が、店舗内の部屋間を移動した軌跡とともに、各地点での周辺情報(「異常なし」又は「異常あり」等)を表示されるなど、各移動端末(監視対象)の位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報が関連づけられて表示される。
【0037】
さらに、位置情報計算部43は、管理データベース46に蓄積された移動端末毎の位置情報の履歴情報に基づいて、移動端末毎の位置の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出して報知する機能を有している。この報知は、管理データベース46内の移動端末毎のデータに、異常検知のフラグを設定することにより行われ、このフラグが設定されることにより、Webシステム41は、該当する対象のアイコンなどに所定の強調表示を行い、Webブラウザ20は、位置情報に変化がないとして検出された移動端末をアイコンやメッセージボックスなどで報知する機能を有する。
【0038】
管理データベース46に蓄積された位置情報は、必要に応じて読み出され、Webシステム41に送出される。管理データベース46には、各フロア、各店員の情報、位置情報の変位に基づく移動履歴、及び発行された発報イベント(周辺情報)の履歴、そのイベントに対する処置の報告等が記録されている。
【0039】
上記位置情報修正部42は、各移動端末周辺の電波環境を取得して解析し、解析された電波環境に応じて各移動端末の位置情報を修正するモジュールである。図2(b)は、位置情報修正部42の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、位置情報修正部42は、管理データベース46に対するデータ入力を制御するデータベース制御部42aと、位置情報計算部43が算出した位置情報を解析するとともに、解析の結果、必要に応じて移動端末の属性に応じた位置情報修正処理を実行する位置情報修正処理部42bとを有している。
【0040】
また、データベース制御部42aは、位置情報計算部43が計算した位置情報、又は位置情報修正処理部42bが修正した位置情報の履歴を管理データベース46に蓄積するモジュールである。また、データベース制御部42aは、位置情報の修正に際し、履歴上の過去の位置情報が必要な場合に、管理データベース46から所定のデータを読み出す機能も果たしている。
【0041】
この位置情報修正処理部42bは、移動端末の属性に応じて定められた、位置情報を修正するための基準値データ42dを有し、位置情報計算部43から得られた位置情報と、基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行うモジュールである。
【0042】
この基準値データは、監視対象の端末IDや属性と、各属性に対する修正要否の判断基準(閾値の集合)、修正処理に用いる計算式の選択基準を関連づけて記憶するテーブルデータである。位置情報修正処理部42bは、位置情報に含まれる端末IDや属性に基づいて、基準値データを照合し、その端末若しくは属性に対応した必要な閾値(エリアを画成する座標群、監視対象の移動速度、時間帯毎のセキュリティの度合い)を抽出し、現在の位置情報がその閾値の範囲にあるか否かを判断し、閾値の範囲外であるときに修正処理が必要であると判断し、範囲内であれば、現在の位置情報をそのまま用いることを判断する。
【0043】
位置情報修正処理部42bには、計算方法選択処理部42cが含まれ、この計算方法選択処理部42cは、位置情報修正処理部42bが位置情報修正が必要であると判断した場合に、基準値データを照合して、適切な計算方法を選択する。この計算方法の選択は、監視対象が業務員であるか、客であるか等の監視対象属性や、そのエリアにおいて想定される移動速度、監視対象エリアのセキュリティ程度等の位置属性に基づいて行われる。図5〜7は、位置情報の補正方法(計算方法1〜N)の説明図である。
【0044】
例えば計算方法1として、図5に示すように、位置表示上の移動量制限に基づいて行うものが挙げられる。この方法は、監視対象が徒歩による移動なのか、車や電車等の移動手段による移動なのかによって、現実には起こりえない移動を検出して、制限量内に収まるように補正する方法である。具体的には、同図に示すように、時刻tに位置情報計算部43が計算した位置Ptと前回の位置Pt-1との差分から単位時間当たりの移動量を算出するとともに、基準値データとして記憶保持された、監視対象の属性に応じた移動量の制限値Lをよみだし、移動量が制限量Lを超えた場合は、制限量内となるように計算値を補正値Pt′とする。
【0045】
また、他の計算方法2として、図6に示すように、エリア単位の座標変換に基づくものが挙げられる。この方法は、店舗など、所定領域が複数の部屋に区画されているような場合に、各部屋の中央や所定箇所に位置させるように座標を変換するものであり、位置情報計算部43が計算した位置Ptが壁際や室外など、実際にあり得ない場所の補正や、アイコン表示処理の便宜上、座標を変換して計算値を補正値Pt′とする。
【0046】
さらに、他の計算方法として、図7に示すような、過去の移動履歴に基づいて、移動距離の制限量をその都度算出し、その制限範囲内に収まるように、計算値を修正するようにしてもよい。具体的には、位置情報履歴内の過去のデータをN個分抽出し、その間の移動量DX,DYを求め、これをデータの個数(N−1)当たりの平均を求める。そして、X方向及びY方向の制限距離を超える場合に、制限距離内に収まるように補正を行う。なお、本実施形態では、制限量と比較する際に、方向毎に重み係数cを掛け合わせてあり、監視エリアの特性に適合させている。また、履歴情報がN個分ない場合には、存在するデータ個数分の平均を取るか、或いは、この平均値を求める処理をスキップする。
【0047】
(システム通信フロー)
以上の構成を有する位置情報監視システムを動作させることによって、本発明の位置情報監視を実施することができる。図9及び図10は、本実施形態に係る位置情報監視システムの動作を示すフローチャート図である。
【0048】
先ず、図9(a)に示すように、領域内の店員が携帯している移動端末において、各アクセスポイントにおける電波強度を収集し(S101)、収集された電波強度は、無線情報としてアクセスポイントを通じ、無線情報受信部45に送信される(S202)。この無線情報では、例えばチャンネル(周波数)に基づいていずれのアクセスポイントからの電波であるかを識別可能としたうえで、当該移動端末を識別する端末IDが付されて送信される。そして、これら電波強度の収集、及び無線情報の送信は、ループ処理により周期的に繰り返される(S103)。
【0049】
次いで、無線情報受信部45で受信された無線情報に基づいて、各移動端末の座標が算出され、位置情報が生成される(S204)。この位置情報の生成は、領域内(店舗内)の各座標点における各アクセスポイントからの電波強度の分布パターンを照合することにより行われる。このようにして生成された位置情報は、位置情報修正部42に送出される。
【0050】
位置情報修正部42では、必要に応じて位置情報計算部43で生成された位置情報の修正が行われ(S105)、DB46に位置情報の履歴として蓄積される。
【0051】
一方、監視側の位置情報表示端末2aにおいて、各移動端末の位置情報を閲覧する場合には、先ず、位置情報表示端末2aのWebブラウザ20からシステムサーバ4aのWebシステム41にアクセスし、画面表示のための表示情報を要求する(画面要求:S108)。この画面要求に応じて、システムサーバ4a側では、画面の生成処理を開始する(S107)。具体的には、Webシステム41により、管理データベース46から位置情報及びイベント情報(周辺情報)を読み込む(S110)。これらの情報に基づいて、例えば図3に示すような、各業務員の位置に対応したアイコンが表示されたフロアマップ20aと、業務員に関する情報が表示されたリストがフレーム内に組み合わされた、HTMLベースの表示情報を生成し(S111)、Webブラウザ20へ送信する(S112)。
【0052】
位置情報表示端末2aでは、受信した表示情報をWebブラウザ20に表示させる(S113)。なお、上記表示要求は、位置情報の閲覧中、ループ処理により周期的にWebブラウザ20から送信され、表示情報が周期的に最新の情報に更新される。
【0053】
そして、監視対象エリアにおいて緊急事態が発生した場合、緊急報知のイベントが発生され(S201)、イベント情報(周辺情報)がアクセスポイントを通じて、システムサーバ4aのイベント受信部44に送信される(S202)。このイベント情報をイベント受信部44により受信したシステムサーバ4a側では(S203)、警報システム3aを制御して、警報装置を点灯させたり警報等を鳴動させるとともに(S204)、発生したイベント情報(周辺情報)を管理データベース46に書き込む(S205)。
【0054】
一方、監視側の位置情報表示端末2aにおいて、上記緊急事態発生のイベントを閲覧する場合には、先ず、位置情報表示端末2aのWebブラウザ20からシステムサーバ4aのWebシステム41にアクセスし、画面表示のための表示情報を要求する。ここでは、既に位置情報表示端末2aはWebシステム41にアクセス済みであり、ループ処理により画面更新として画面要求を行っている(S206及びS208)。この画面更新要求に応じて、システムサーバ4a側では画面生成の処理を開始する(S207)。具体的には、Webシステム41により、管理データベース46から位置情報及びイベント情報(周辺情報)を読み込み(S209)、HTMLベースの表示情報を生成し(S210)、Webブラウザ20へ送信する(S211)。ここでは、緊急事態報知のイベントが発生していることから、ステップS210の画面生成では、図4に示すように、フロアマップ20a上において、イベント発生を報知した業務員の対象アイコン20cが変更されて強調表示されるとともに、「緊急事態発生中」の強調文字、場所、送信者、日時等の文字情報が含まれたメッセージボックス20bが表示される。
【0055】
位置情報表示端末2aでは、受信された表示情報がWebブラウザ20に表示され(S212)、その表示に従って、緊急事態が発生した場所、関係する業務員を特定し、緊急事態に対応することができる(S213)。そして、緊急事態が解消された後には、Webブラウザにおいて解除操作を行う(S214)。
【0056】
この解除操作は、メッセージボックス20b内に表示されたボタンをクリックすることにより、解除イベントが周辺情報としてWebシステム41に送信され、Webシステム41を通じて、イベント受信部44にて受信される(S215及びS216)。この解除イベントをイベント受信部44により受信したシステムサーバ4a側では、解除イベントである周辺情報を管理データベース46に書き込む(S217)とともに、警報システム3aを制御して、警報装置を消灯したり警報等の鳴動を停止させる(S218)。
【0057】
なお、上述したWebブラウザ20からの画面要求は、表示させたい画面モードを切り換える時にも送信され、例えば図4に示すような、位置情報と周辺情報の履歴をフロアマップ20a上に表示した画面を要求することもできる。この履歴表示処理は、図10(a)に示すように、Webブラウザ20において表示させたい情報の検索条件を入力する(S301)。この検索条件としては、例えば、業務員の氏名、フロアエリア、時間、発生イベント種別等が挙げられる。
【0058】
次いで、この検索条件を含む履歴情報要求をWebシステム41に送信する(S302)。この要求に応じて、システムサーバ4a側では画面生成の処理を開始する(S303)。具体的には、Webシステム41により、管理データベース46から検索条件に合致する位置情報及びイベント情報(周辺情報)を読み込み(S304)、HTMLベースの表示情報を生成し(S305)、Webブラウザ20へ送信し(S306)、Webブラウザ20に表示させる(S307)。
【0059】
上述した画面情報の生成処理に際しては、上述した位置情報の修正処理を適宜行う。図10(b)は、位置情報修正処理のフローチャート図である。
先ず、位置情報計算部43において位置情報の算出を行い(S401)、その算出された位置情報を、端末IDとともに位置情報修正部42で受け取り、基準データと位置情報を比較することにより、修正の要否を判断する(S402)。修正が必要なければ、位置情報計算部43から受け取った位置情報をそのまま管理データベース46に記録し、修正の必要があれば、管理データベース46から利用すべき計算方法に関する情報を読み込む(S403)。そして、上述した基準値データ42dに基づいて計算方法の選択を行い(S404)、選択された計算方法により位置情報の修正処理を実行した後(S405)、その修正した位置情報を管理データベース46に記録する(S406)。
【0060】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態の位置情報監視システムによれば、店舗や駅のホームなどの所定領域内において、店員などに移動端末1a〜1cを携帯させ、その位置情報を捕捉することにより、システムサーバ4aにてリアルタイムに表示をすることができるため、監視ルーム2において、業務員の位置情報が参照可能となる。また、移動端末1a〜1cから有事の際に緊急発報を実行することによって、該当監視ルームへの伝達が可能となる。
【0061】
特に、本実施形態によれば、移動端末1a〜1cの属性に応じた基準値データ42dを参照することによって、監視対象毎に設定された基準値(閾値)や計算式を用いて位置情報を修正することができ、監視対象の属性に基づく特有の行動を加味してより高精度の位置情報を取得することができる。
【0062】
また、移動端末1a〜1cは、無線により通話を行う無線通話機能が備えられているため、音声通話により、有事の際、発生現場における店員と音声を通じて報告を受けることができ、より迅速な状況把握、及び対応が可能となる。
【0063】
さらに、本実施形態では、監視対象の位置情報履歴を蓄積し、その変遷をエリアマップ上に、イベント情報(周辺情報)とともに軌跡として表示するため、時間を遡って監視対象の位置情報の変遷を把握することができる。また、一定時間位置情報が変化しない場合に、その監視対象を報知するようにしているため、監視対象が移動していないのか、或いは何らかの通信障害で位置情報が更新されていないのか、といった一概に認定できない不審な行動パターンを報知することができ、監視者に対し注意を喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態に係る位置情報監視システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】実施形態に係る位置情報監視システムを構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る位置情報表示端末の表示画面を示す説明図である。
【図4】実施形態に係る位置情報表示端末における移動履歴の表示画面を示す説明図である。
【図5】実施形態に係る位置情報修正処理の計算式の例を示す説明図である。
【図6】実施形態に係る位置情報修正処理の計算式の例を示す説明図である。
【図7】実施形態に係る位置情報修正処理の計算式の例を示す説明図である。
【図8】実施形態に係る移動端末の表示画面を示す説明図である。
【図9】実施形態に係る位置情報監視システムの動作を示すフローチャート図である。
【図10】実施形態に係る位置情報監視システムの動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0065】
1a〜1c…移動端末
2…監視ルーム
2a…位置情報表示端末
3a…警報システム
4…計算機室
4a…システムサーバ
5…通信ネットワーク
11…イベント送信部
12…無線情報送信部
20…Webブラウザ
20a…フロアマップ
20b…メッセージボックス
20c…対象アイコン
41…Webシステム
42…位置情報修正部
42a…データベース制御部
42b…位置情報修正処理部
42c…計算方法選択処理部
42d…基準値データ
43…位置情報計算部
44…イベント受信部
45…無線情報受信部
46…管理データベース
51a〜51c…アクセスポイント
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗や駅、空港等の所定領域内における位置情報監視システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、監視対象をリアルタイムで追跡することによって、店舗や駅、空港などの場所において、盗難、誘拐等の緊急事態の発生を予防するセキュリティシステムが提案されており、サービス提供者は、監視対象とともに移動する通信端末から位置情報を無線で受信し、監視対象の現在位置を把握し、緊急を要する場合に現場に対処員を急行させて状況の収拾に当たるとともに、適切な対応を行うことができる。
【0003】
このような監視システムとして、特許文献1に開示された技術がある。この特許文献1に開示された技術では、監視する領域を定義し、その領域に応じた発信間隔で監視対象が所持する位置情報発信装置の現在位置を、監視側の位置情報受信部に送信するようにして、監視対象の現在位置を把握する。このとき、この特許文献1に開示された技術では、監視対象が危険度の低い領域にあるときは発信間隔を大にすることで消費電力を抑える一方、監視対象が危険度の高い領域にあるときは発信間隔を小にして現在位置の送信頻度を高めることにより、監視側の追跡性を高めている。
【特許文献1】特開2004−58737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、監視対象が客なのか従業員なのか、徒歩による移動なのか、乗り物による移動なのかなど、監視対象の属性に関わらず一律に監視するものであるため、監視対象の属性に基づく特有の行動を把握できず、緊急事態の発生を正確に検知することができない惧れがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、監視対象が客なのか従業員なのか、徒歩による移動なのか、乗り物による移動なのかなど、監視対象の属性に応じて監視方式を変更し、監視対象の属性に基づく特有の行動を把握することで、適正な監視を行うことのできる位置情報監視システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、自機において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する移動端末と、所定領域内に複数配置され、無線通信により移動端末とデータ通信を行うアクセスポイントと、アクセスポイントを通じて、移動端末から周辺情報を収集するイベント受信部と、アクセスポイントを通じて、移動端末から無線情報を収集する無線情報受信部と、無線情報に基づいて、移動端末の位置情報を生成する位置情報計算部と、移動端末の属性に応じて、位置情報計算部により生成された位置情報を修正する位置情報修正部と、位置情報修正部により修正された移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示インターフェース部とを備えることを特徴とする位置情報監視システムである。
【0007】
また、他の発明は、
(1) 移動端末により、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、当該移動端末において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する情報送信ステップと、
(2) 所定領域内に複数配置されたアクセスポイントにおいて、前記無線通信により前記移動端末とデータ通信を行い、監視側において、前記アクセスポイントを通じ、前記移動端末から前記周辺情報及び前記無線情報を収集する情報受信ステップと、
(3) 監視側において、前記無線情報に基づいて、前記移動端末の位置情報を生成する位置情報計算ステップと、
(4) 前記移動端末の属性に応じて、前記位置情報計算ステップで生成された位置情報を修正する位置情報修正ステップと、
(5) 前記監視サーバに接続され、前記移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示ステップと
を有することを特徴とする位置情報監視方法である。
【0008】
上記発明によれば、店舗や駅のホームなどの所定領域内において、業務員や関係者、客などに移動端末を携帯させ、その位置情報を捕捉して、監視装置の表示インターフェースにてリアルタイムに表示をすることができるため、監視側に表示インターフェースを設置することにより、移動端末の位置情報が参照可能となる。このとき、本発明では、移動端末を所持している者が、業務員なのか、関係者なのか、客なのか、など属性に応じて監視手法を切り換えることができるため、所有者の属性に基づく特有の行動などを正確に把握することができる。
【0009】
上記発明において、移動端末は、無線により通話を行う無線通話機能が備えられ、監視側と通話可能であることが好ましい。この場合には、携帯端末の音声通話により、有事の際、発生現場における業務員と音声を通じて報告を受けることができ、より迅速な状況把握、及び対応が可能となる。
【0010】
上記発明において、位置情報修正に際し、監視対象の属性に応じて定められた、位置情報を修正するための基準値データを用い、無線情報から得られた位置情報と、基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行うことが好ましい。
【0011】
ここで、上記「基準値データ」とは、例えば、監視対象が業務員であるのか、客であるのかなど監視対象の属性毎に設定された、領域範囲の座標群や移動速度、時間帯などの基準値(閾値)の集合である。例えば、監視対象が業務員であるか客であるか、或いはその時間帯に応じて、店舗内における進入できる領域が異なるため、時間帯毎にその監視対象が存在し得る領域を画成する座標情報などが基準値データに含まれる。また、その他の「基準値データ」の例としては、駅構内では、ホームと線路上などのように、監視対象が徒歩なのか、乗り物で移動しているのか、それがどの領域に属しているのかなどによって判別する必要があり、監視対象それぞれの属性(ホームの客或いは駅係員、電車内の乗客)に応じて、単位時間当たりの変位量(徒歩の速度、電車の速度)の閾値を、領域毎(ホーム上か、或いは線路(走行中の電車)上か等)に設定した基準値(閾値)の集合が挙げられる。
【0012】
このような発明によれば、移動端末の属性に応じた基準値データを参照することによって、監視対象毎に設定された基準値(閾値)を用いて各監視対象の位置情報を修正することができ、監視対象の属性に基づく特有の行動を加味してより高精度の位置情報を取得することができる。
【0013】
上記発明において、移動端末は、自機を識別するための端末識別子を、無線情報に付して送信し、監視側では、予め各端末識別子と各移動端末の属性とを関連づけて端末情報データベースに記憶しておき、位置情報修正では、情報受信ステップにより受信された端末識別子によって特定される移動端末の属性を、端末情報データベースを照合することにより取得し、この取得された属性に基づいて、移動端末毎に位置情報の修正の要否、又は計算方法の選択を行うことが好ましい。
【0014】
この場合には、端末識別子により各端末を区別するとともに、端末毎に属性を付与して端末情報データベースに記憶しておき、監視に際しては、この端末情報データベースを照合することによって、端末毎に固有の行動パターンを加味して、より詳細な監視を行うことができる。
【0015】
上記発明において、位置情報修正は、移動端末が位置する位置属性に応じて定められた、位置情報を修正するための基準値データを有し、位置情報計算ステップで生成した位置情報と、基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行うことが好ましい。
【0016】
この場合には、所定領域内に区画された領域範囲毎に、上述した基準値データを設定することができ、例えば、店舗内の接客スペースでは店員と客とが混在してもよいが、店舗奥の事務室には客は立ち入り禁止であるとか、駅のホームでは徒歩程度の移動速度しかあり得ないが、線路内では電車の速度で移動し得るといったように、その領域範囲毎に基準値(閾値)を定めることができ、監視に際しての注意・警報の設定値を詳細に設定することができる。
【0017】
上記発明において、位置情報計算では、予め移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積するとともに、移動端末毎の位置情報の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出し、その表示に際しては、位置情報に変化がないとして検出された移動端末を報知することが好ましい。 この場合には、監視対象が移動していないのか、或いは何らかの通信障害で位置情報が更新されていないのか、といった一概に認定できない不審な行動パターンを報知することにより、監視者に対し注意を喚起することができる。
【0018】
上記発明において、位置情報計算では、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積し、位置情報の表示に際しては、位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報を関連づけて表示することが好ましい。この場合には、時間を遡って位置情報の変遷を把握することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたように、本発明によれば、監視対象が客なのか業務員なのか、徒歩による移動なのか、乗り物による移動なのかなど、監視対象の属性に応じて監視方式を変更し、監視対象の属性に基づく特有の行動を把握することで、適正な監視を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る位置情報監視システムの実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る位置情報監視システムを、駅構内に設置した場合を例に説明する。図1は、本実施形態に係る位置情報監視システムの全体構成を示す概念図である。図2は、位置情報監視システムを構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0021】
(システム構成)
図1に示すように、本実施形態では、システムサーバ4aが計算機室4に設置されるとともに、店舗や駅構内というの所定領域(監視対象エリア)に分散配置された移動端末1a〜1cを通じて、各エリアの情報がシステムサーバ4aに集められ、この集められた位置情報や周辺情報等に基づいて、監視ルームに設置された位置情報表示端末2aを通じて、統合的に監視する。
【0022】
詳述すると、本実施形態の位置情報監視システムは、通信ネットワーク5に接続された位置情報表示端末2aと、システムサーバ4aと、アクセスポイント51a〜51cと、移動端末1a〜1cとから概略構成される。また、本実施形態において、移動端末1a〜1cは、店舗内において各種の業務に携わる業務員に携帯されている。
【0023】
前記通信ネットワーク5は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型のIP網であり、このIP網には、インターネットの他、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)やLANなども含まれる。
【0024】
移動端末1a〜1cは、電波信号を介した無線通信を利用した、携帯可能な無線通話機能が備えられた電話機であり、基地局等の中継点と無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この移動端末1a〜1cの通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、この移動端末1a〜1cは、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、或いはGPS機能等の機能が搭載可能であり、携帯情報端末としての機能も果たす。なお、この移動端末1a〜1cとしては、例えばデータ通信機能を備えた移動電話やPDA(Personal Digital Assistance)、モバイルコンピュータ等が含まれる。
【0025】
特に、本実施形態における移動端末1a〜1cは、無線LANを介したデータ通信により自機周辺の状況を周辺情報として発報する機能を備えている。本実施形態における発報機能は、移動端末1a〜1c上でアプリケーションを起動し、イベント送信部11や無線情報送信部12を有するモジュールを仮想的に構築することによって実現される。かかるアプリケーションを実行することにより、図8に示すような、液晶タッチパネル上にGUI(Graphical User Interface)を表示させ、このGUIや操作ボタン等によりユーザー操作を受け付け、アクセスポイント51a〜51cとの無線LAN通信を介して、通信ネットワーク5に接続し、操作信号や緊急発報等の周辺情報をシステムサーバ4a等に送信する。
【0026】
アクセスポイント51a〜51cは、店舗等の所定領域内に複数分散配置され、無線LAN通信により移動端末1a〜1cとデータ通信を行う中継装置である。位置情報表示端末2aは、CPUを備えた演算処理装置であり、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機としてもよい。
【0027】
そして、位置情報表示端末2aは、Webブラウザを実行することにより、通信ネットワーク5を通じて配信される情報を表示する表示インターフェース部として機能するとともに、HTTP等のプロトコルによるデータ送受信により、種々の手続を実行することができる。例えば、この位置情報表示端末2aは、Webブラウザ等のアプリケーションによって、通信ネットワーク5を通じ、システムサーバ4aをはじめとする各装置に接続可能となっており、例えば図3や図4に示すように、各移動端末1a〜1cの位置情報と周辺情報とを関連づけて表示する。
【0028】
詳述すると、この位置情報表示端末2aでは、図3や図4に示すように、店舗内のフロアマップ20aが表示可能となっており、各フロアにおける周辺情報及びフロア内における業務員の位置を確認することができる。特に、緊急発報時には、図4に示すように、緊急発報が発行された業務員をハイライトやアイコン等によって強調表示し、そのアイコンをクリックすることにより、当該業務員に関する詳細情報、及びその位置を確認することができる。この詳細情報には、発行されたイベント(周辺情報)や位置表示と併せて、その移動端末の端末識別子(端末ID)、及びこれを携帯している店員の氏名や属性(所属名、業種、勤務エリア名等)、発報の種別(状態)、当該移動端末の通話用の電話番号等が表示される。
【0029】
また、この位置情報表示端末2aには、設置場所に応じて他の装置が接続され、必要に応じた機能と連携可能となっている。例えば、本実施形態において、監視ルームでは、警報システム3aが接続されている。
【0030】
警報システム3aは、パトライト等の警告灯とサイレンやスピーカー等の音声出力装置から構成された装置群であり、無線LANや有線により通信ネットワーク5に接続され、その鳴動を遠隔操作できるようになっている。この警報システムは、例えば、監視ルームやその他の店舗内の要所に設置される。
【0031】
システムサーバ4aは、各移動端末1a〜1cから受信された周辺情報を収集し、蓄積する監視装置であり、上述した位置情報表示端末など、他の機能を実現する種々の装置が接続されている。具体的にこのシステムサーバ4aは、Webサーバ及びアプリケーションサーバ、データベースサーバなどの複数のサーバ群で構成され、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイルなどの情報送信を行うサーバコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、アプリケーションを実行したり、通信ネットワーク5を通じてデータの配信も行う。
【0032】
具体的にシステムサーバ4aは、図2(a)に示すように、Webシステム41と、位置情報修正部42と、位置情報計算部43と、イベント受信部44と、無線情報受信部45と、管理データベース46とを備えている。
【0033】
Webシステム41は、Webブラウザで表示可能な表示データを生成し、配信するモジュールであり、店員の位置情報や発生されたイベント(緊急発報)に応じ、HTMLやFlash等により画面表示のための静止画や動画、文字情報を生成し、各位置情報表示端末のWebブラウザ20に送出する。
【0034】
イベント受信部44は、各移動端末1a〜1cのイベント送信部11から送信される周辺情報を受信し、周辺情報に応じたイベントの発生を制御するモジュールであり、移動端末1a〜1cから緊急発報が受信されたときには、警報システム3aに対する緊急警報処理や、各Webシステム41に対する画面描画処理等の各種イベントを発生させる。
【0035】
無線情報受信部45は、各移動端末において、近隣のアクセスポイントから受信される電波信号の強度である無線情報を受信し、位置情報計算部43へ入力するモジュールである。
【0036】
位置情報計算部43は、各移動端末1a〜1cから受信された電波情報をリアルタイムに収集し、各移動端末1a〜1cにおける電波信号強度や三点測量方式によって、アクセスポイントに対する相対位置関係を算出し、各移動端末の現在位置を計算し位置情報として生成するモジュールであり、生成された位置情報は、必要に応じて、位置情報修正部42において修正され、履歴情報として管理データベース46に蓄積される。この各監視対象の位置情報履歴は、例えば、図4(a)及び(b)に示すように、店員などの監視対象が、店舗内の部屋間を移動した軌跡とともに、各地点での周辺情報(「異常なし」又は「異常あり」等)を表示されるなど、各移動端末(監視対象)の位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報が関連づけられて表示される。
【0037】
さらに、位置情報計算部43は、管理データベース46に蓄積された移動端末毎の位置情報の履歴情報に基づいて、移動端末毎の位置の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出して報知する機能を有している。この報知は、管理データベース46内の移動端末毎のデータに、異常検知のフラグを設定することにより行われ、このフラグが設定されることにより、Webシステム41は、該当する対象のアイコンなどに所定の強調表示を行い、Webブラウザ20は、位置情報に変化がないとして検出された移動端末をアイコンやメッセージボックスなどで報知する機能を有する。
【0038】
管理データベース46に蓄積された位置情報は、必要に応じて読み出され、Webシステム41に送出される。管理データベース46には、各フロア、各店員の情報、位置情報の変位に基づく移動履歴、及び発行された発報イベント(周辺情報)の履歴、そのイベントに対する処置の報告等が記録されている。
【0039】
上記位置情報修正部42は、各移動端末周辺の電波環境を取得して解析し、解析された電波環境に応じて各移動端末の位置情報を修正するモジュールである。図2(b)は、位置情報修正部42の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、位置情報修正部42は、管理データベース46に対するデータ入力を制御するデータベース制御部42aと、位置情報計算部43が算出した位置情報を解析するとともに、解析の結果、必要に応じて移動端末の属性に応じた位置情報修正処理を実行する位置情報修正処理部42bとを有している。
【0040】
また、データベース制御部42aは、位置情報計算部43が計算した位置情報、又は位置情報修正処理部42bが修正した位置情報の履歴を管理データベース46に蓄積するモジュールである。また、データベース制御部42aは、位置情報の修正に際し、履歴上の過去の位置情報が必要な場合に、管理データベース46から所定のデータを読み出す機能も果たしている。
【0041】
この位置情報修正処理部42bは、移動端末の属性に応じて定められた、位置情報を修正するための基準値データ42dを有し、位置情報計算部43から得られた位置情報と、基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行うモジュールである。
【0042】
この基準値データは、監視対象の端末IDや属性と、各属性に対する修正要否の判断基準(閾値の集合)、修正処理に用いる計算式の選択基準を関連づけて記憶するテーブルデータである。位置情報修正処理部42bは、位置情報に含まれる端末IDや属性に基づいて、基準値データを照合し、その端末若しくは属性に対応した必要な閾値(エリアを画成する座標群、監視対象の移動速度、時間帯毎のセキュリティの度合い)を抽出し、現在の位置情報がその閾値の範囲にあるか否かを判断し、閾値の範囲外であるときに修正処理が必要であると判断し、範囲内であれば、現在の位置情報をそのまま用いることを判断する。
【0043】
位置情報修正処理部42bには、計算方法選択処理部42cが含まれ、この計算方法選択処理部42cは、位置情報修正処理部42bが位置情報修正が必要であると判断した場合に、基準値データを照合して、適切な計算方法を選択する。この計算方法の選択は、監視対象が業務員であるか、客であるか等の監視対象属性や、そのエリアにおいて想定される移動速度、監視対象エリアのセキュリティ程度等の位置属性に基づいて行われる。図5〜7は、位置情報の補正方法(計算方法1〜N)の説明図である。
【0044】
例えば計算方法1として、図5に示すように、位置表示上の移動量制限に基づいて行うものが挙げられる。この方法は、監視対象が徒歩による移動なのか、車や電車等の移動手段による移動なのかによって、現実には起こりえない移動を検出して、制限量内に収まるように補正する方法である。具体的には、同図に示すように、時刻tに位置情報計算部43が計算した位置Ptと前回の位置Pt-1との差分から単位時間当たりの移動量を算出するとともに、基準値データとして記憶保持された、監視対象の属性に応じた移動量の制限値Lをよみだし、移動量が制限量Lを超えた場合は、制限量内となるように計算値を補正値Pt′とする。
【0045】
また、他の計算方法2として、図6に示すように、エリア単位の座標変換に基づくものが挙げられる。この方法は、店舗など、所定領域が複数の部屋に区画されているような場合に、各部屋の中央や所定箇所に位置させるように座標を変換するものであり、位置情報計算部43が計算した位置Ptが壁際や室外など、実際にあり得ない場所の補正や、アイコン表示処理の便宜上、座標を変換して計算値を補正値Pt′とする。
【0046】
さらに、他の計算方法として、図7に示すような、過去の移動履歴に基づいて、移動距離の制限量をその都度算出し、その制限範囲内に収まるように、計算値を修正するようにしてもよい。具体的には、位置情報履歴内の過去のデータをN個分抽出し、その間の移動量DX,DYを求め、これをデータの個数(N−1)当たりの平均を求める。そして、X方向及びY方向の制限距離を超える場合に、制限距離内に収まるように補正を行う。なお、本実施形態では、制限量と比較する際に、方向毎に重み係数cを掛け合わせてあり、監視エリアの特性に適合させている。また、履歴情報がN個分ない場合には、存在するデータ個数分の平均を取るか、或いは、この平均値を求める処理をスキップする。
【0047】
(システム通信フロー)
以上の構成を有する位置情報監視システムを動作させることによって、本発明の位置情報監視を実施することができる。図9及び図10は、本実施形態に係る位置情報監視システムの動作を示すフローチャート図である。
【0048】
先ず、図9(a)に示すように、領域内の店員が携帯している移動端末において、各アクセスポイントにおける電波強度を収集し(S101)、収集された電波強度は、無線情報としてアクセスポイントを通じ、無線情報受信部45に送信される(S202)。この無線情報では、例えばチャンネル(周波数)に基づいていずれのアクセスポイントからの電波であるかを識別可能としたうえで、当該移動端末を識別する端末IDが付されて送信される。そして、これら電波強度の収集、及び無線情報の送信は、ループ処理により周期的に繰り返される(S103)。
【0049】
次いで、無線情報受信部45で受信された無線情報に基づいて、各移動端末の座標が算出され、位置情報が生成される(S204)。この位置情報の生成は、領域内(店舗内)の各座標点における各アクセスポイントからの電波強度の分布パターンを照合することにより行われる。このようにして生成された位置情報は、位置情報修正部42に送出される。
【0050】
位置情報修正部42では、必要に応じて位置情報計算部43で生成された位置情報の修正が行われ(S105)、DB46に位置情報の履歴として蓄積される。
【0051】
一方、監視側の位置情報表示端末2aにおいて、各移動端末の位置情報を閲覧する場合には、先ず、位置情報表示端末2aのWebブラウザ20からシステムサーバ4aのWebシステム41にアクセスし、画面表示のための表示情報を要求する(画面要求:S108)。この画面要求に応じて、システムサーバ4a側では、画面の生成処理を開始する(S107)。具体的には、Webシステム41により、管理データベース46から位置情報及びイベント情報(周辺情報)を読み込む(S110)。これらの情報に基づいて、例えば図3に示すような、各業務員の位置に対応したアイコンが表示されたフロアマップ20aと、業務員に関する情報が表示されたリストがフレーム内に組み合わされた、HTMLベースの表示情報を生成し(S111)、Webブラウザ20へ送信する(S112)。
【0052】
位置情報表示端末2aでは、受信した表示情報をWebブラウザ20に表示させる(S113)。なお、上記表示要求は、位置情報の閲覧中、ループ処理により周期的にWebブラウザ20から送信され、表示情報が周期的に最新の情報に更新される。
【0053】
そして、監視対象エリアにおいて緊急事態が発生した場合、緊急報知のイベントが発生され(S201)、イベント情報(周辺情報)がアクセスポイントを通じて、システムサーバ4aのイベント受信部44に送信される(S202)。このイベント情報をイベント受信部44により受信したシステムサーバ4a側では(S203)、警報システム3aを制御して、警報装置を点灯させたり警報等を鳴動させるとともに(S204)、発生したイベント情報(周辺情報)を管理データベース46に書き込む(S205)。
【0054】
一方、監視側の位置情報表示端末2aにおいて、上記緊急事態発生のイベントを閲覧する場合には、先ず、位置情報表示端末2aのWebブラウザ20からシステムサーバ4aのWebシステム41にアクセスし、画面表示のための表示情報を要求する。ここでは、既に位置情報表示端末2aはWebシステム41にアクセス済みであり、ループ処理により画面更新として画面要求を行っている(S206及びS208)。この画面更新要求に応じて、システムサーバ4a側では画面生成の処理を開始する(S207)。具体的には、Webシステム41により、管理データベース46から位置情報及びイベント情報(周辺情報)を読み込み(S209)、HTMLベースの表示情報を生成し(S210)、Webブラウザ20へ送信する(S211)。ここでは、緊急事態報知のイベントが発生していることから、ステップS210の画面生成では、図4に示すように、フロアマップ20a上において、イベント発生を報知した業務員の対象アイコン20cが変更されて強調表示されるとともに、「緊急事態発生中」の強調文字、場所、送信者、日時等の文字情報が含まれたメッセージボックス20bが表示される。
【0055】
位置情報表示端末2aでは、受信された表示情報がWebブラウザ20に表示され(S212)、その表示に従って、緊急事態が発生した場所、関係する業務員を特定し、緊急事態に対応することができる(S213)。そして、緊急事態が解消された後には、Webブラウザにおいて解除操作を行う(S214)。
【0056】
この解除操作は、メッセージボックス20b内に表示されたボタンをクリックすることにより、解除イベントが周辺情報としてWebシステム41に送信され、Webシステム41を通じて、イベント受信部44にて受信される(S215及びS216)。この解除イベントをイベント受信部44により受信したシステムサーバ4a側では、解除イベントである周辺情報を管理データベース46に書き込む(S217)とともに、警報システム3aを制御して、警報装置を消灯したり警報等の鳴動を停止させる(S218)。
【0057】
なお、上述したWebブラウザ20からの画面要求は、表示させたい画面モードを切り換える時にも送信され、例えば図4に示すような、位置情報と周辺情報の履歴をフロアマップ20a上に表示した画面を要求することもできる。この履歴表示処理は、図10(a)に示すように、Webブラウザ20において表示させたい情報の検索条件を入力する(S301)。この検索条件としては、例えば、業務員の氏名、フロアエリア、時間、発生イベント種別等が挙げられる。
【0058】
次いで、この検索条件を含む履歴情報要求をWebシステム41に送信する(S302)。この要求に応じて、システムサーバ4a側では画面生成の処理を開始する(S303)。具体的には、Webシステム41により、管理データベース46から検索条件に合致する位置情報及びイベント情報(周辺情報)を読み込み(S304)、HTMLベースの表示情報を生成し(S305)、Webブラウザ20へ送信し(S306)、Webブラウザ20に表示させる(S307)。
【0059】
上述した画面情報の生成処理に際しては、上述した位置情報の修正処理を適宜行う。図10(b)は、位置情報修正処理のフローチャート図である。
先ず、位置情報計算部43において位置情報の算出を行い(S401)、その算出された位置情報を、端末IDとともに位置情報修正部42で受け取り、基準データと位置情報を比較することにより、修正の要否を判断する(S402)。修正が必要なければ、位置情報計算部43から受け取った位置情報をそのまま管理データベース46に記録し、修正の必要があれば、管理データベース46から利用すべき計算方法に関する情報を読み込む(S403)。そして、上述した基準値データ42dに基づいて計算方法の選択を行い(S404)、選択された計算方法により位置情報の修正処理を実行した後(S405)、その修正した位置情報を管理データベース46に記録する(S406)。
【0060】
(作用・効果)
以上説明した本実施形態の位置情報監視システムによれば、店舗や駅のホームなどの所定領域内において、店員などに移動端末1a〜1cを携帯させ、その位置情報を捕捉することにより、システムサーバ4aにてリアルタイムに表示をすることができるため、監視ルーム2において、業務員の位置情報が参照可能となる。また、移動端末1a〜1cから有事の際に緊急発報を実行することによって、該当監視ルームへの伝達が可能となる。
【0061】
特に、本実施形態によれば、移動端末1a〜1cの属性に応じた基準値データ42dを参照することによって、監視対象毎に設定された基準値(閾値)や計算式を用いて位置情報を修正することができ、監視対象の属性に基づく特有の行動を加味してより高精度の位置情報を取得することができる。
【0062】
また、移動端末1a〜1cは、無線により通話を行う無線通話機能が備えられているため、音声通話により、有事の際、発生現場における店員と音声を通じて報告を受けることができ、より迅速な状況把握、及び対応が可能となる。
【0063】
さらに、本実施形態では、監視対象の位置情報履歴を蓄積し、その変遷をエリアマップ上に、イベント情報(周辺情報)とともに軌跡として表示するため、時間を遡って監視対象の位置情報の変遷を把握することができる。また、一定時間位置情報が変化しない場合に、その監視対象を報知するようにしているため、監視対象が移動していないのか、或いは何らかの通信障害で位置情報が更新されていないのか、といった一概に認定できない不審な行動パターンを報知することができ、監視者に対し注意を喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施形態に係る位置情報監視システムの全体構成を示す概念図である。
【図2】実施形態に係る位置情報監視システムを構成する各装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態に係る位置情報表示端末の表示画面を示す説明図である。
【図4】実施形態に係る位置情報表示端末における移動履歴の表示画面を示す説明図である。
【図5】実施形態に係る位置情報修正処理の計算式の例を示す説明図である。
【図6】実施形態に係る位置情報修正処理の計算式の例を示す説明図である。
【図7】実施形態に係る位置情報修正処理の計算式の例を示す説明図である。
【図8】実施形態に係る移動端末の表示画面を示す説明図である。
【図9】実施形態に係る位置情報監視システムの動作を示すフローチャート図である。
【図10】実施形態に係る位置情報監視システムの動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0065】
1a〜1c…移動端末
2…監視ルーム
2a…位置情報表示端末
3a…警報システム
4…計算機室
4a…システムサーバ
5…通信ネットワーク
11…イベント送信部
12…無線情報送信部
20…Webブラウザ
20a…フロアマップ
20b…メッセージボックス
20c…対象アイコン
41…Webシステム
42…位置情報修正部
42a…データベース制御部
42b…位置情報修正処理部
42c…計算方法選択処理部
42d…基準値データ
43…位置情報計算部
44…イベント受信部
45…無線情報受信部
46…管理データベース
51a〜51c…アクセスポイント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、自機において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する移動端末と、
所定領域内に複数配置され、前記無線通信により前記移動端末とデータ通信を行うアクセスポイントと、
前記アクセスポイントを通じて、前記移動端末から前記周辺情報を収集するイベント受信部と、
前記アクセスポイントを通じて、前記移動端末から前記無線情報を収集する無線情報受信部と、
前記無線情報に基づいて、前記移動端末の位置情報を生成する位置情報計算部と、
前記移動端末の属性に応じて、前記位置情報計算部により生成された位置情報を修正する位置情報修正部と、
前記位置情報修正部により修正された前記移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示インターフェース部と
を備えることを特徴とする位置情報監視システム。
【請求項2】
前記移動端末は、無線により通話を行う無線通話機能が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項3】
前記位置情報修正部は、前記移動端末の属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを有し、前記無線情報から得られた位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う機能を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項4】
前記移動端末は、自機を識別するための端末識別子を、前記無線情報に付して送信し、
前記位置情報修正部は、各端末識別子と各移動端末の属性とを関連づけて記憶する端末情報データベースを有しているとともに、前記無線情報受信部により受信された前記端末識別子によって特定される移動端末の属性を、前記端末情報データベースを照合することにより取得し、この取得された属性に基づいて、移動端末毎に位置情報の修正の要否、又は計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の位置情報監視システム。
【請求項5】
前記位置情報修正部は、前記移動端末が位置する位置属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを有し、前記位置情報計算部が生成した位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う機能を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項6】
前記位置情報計算部は、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積するとともに、移動端末毎の位置情報の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出する機能を有し、
前記表示インターフェース部は、位置情報に変化がないとして検出された移動端末を報知する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項7】
前記位置情報計算部は、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積する機能を有し、
前記表示インターフェース部は、位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報を関連づけて表示する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項8】
移動端末により、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、当該移動端末において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する情報送信ステップと、
所定領域内に複数配置されたアクセスポイントにおいて、前記無線通信により前記移動端末とデータ通信を行い、監視側において、前記アクセスポイントを通じ、前記移動端末から前記周辺情報及び前記無線情報を収集する情報受信ステップと、
監視側において、前記無線情報に基づいて、前記移動端末の位置情報を生成する位置情報計算ステップと、
前記移動端末の属性に応じて、前記位置情報計算ステップで生成された位置情報を修正する位置情報修正ステップと、
前記監視サーバに接続され、前記移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示ステップと
を有することを特徴とする位置情報監視方法。
【請求項9】
前記移動端末は、無線により通話を行う無線通話機能が備えられ、前記監視側との通話を行う通話ステップをさらに有することを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項10】
前記位置情報修正ステップでは、前記移動端末の属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを用い、前記無線情報から得られた位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項11】
前記情報送信ステップにおいて、前記移動端末は、自機を識別するための端末識別子を、前記無線情報に付して送信し、
前記監視側では、予め各端末識別子と各移動端末の属性とを関連づけて端末情報データベースに記憶しておき、前記位置情報修正ステップでは、前記情報受信ステップにより受信された前記端末識別子によって特定される移動端末の属性を、前記端末情報データベースを照合することにより取得し、この取得された属性に基づいて、移動端末毎に位置情報の修正の要否、又は計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項10に記載の位置情報監視方法。
【請求項12】
前記位置情報修正ステップでは、前記移動端末が位置する位置属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを有し、前記位置情報計算ステップで生成した位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項13】
前記位置情報計算ステップでは、予め移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積するとともに、移動端末毎の位置情報の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出し、
前記表示ステップでは、位置情報に変化がないとして検出された移動端末を報知する
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項14】
前記位置情報計算ステップでは、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積し、
前記表示ステップでは、位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報を関連づけて表示する
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項1】
電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、自機において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する移動端末と、
所定領域内に複数配置され、前記無線通信により前記移動端末とデータ通信を行うアクセスポイントと、
前記アクセスポイントを通じて、前記移動端末から前記周辺情報を収集するイベント受信部と、
前記アクセスポイントを通じて、前記移動端末から前記無線情報を収集する無線情報受信部と、
前記無線情報に基づいて、前記移動端末の位置情報を生成する位置情報計算部と、
前記移動端末の属性に応じて、前記位置情報計算部により生成された位置情報を修正する位置情報修正部と、
前記位置情報修正部により修正された前記移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示インターフェース部と
を備えることを特徴とする位置情報監視システム。
【請求項2】
前記移動端末は、無線により通話を行う無線通話機能が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項3】
前記位置情報修正部は、前記移動端末の属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを有し、前記無線情報から得られた位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う機能を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項4】
前記移動端末は、自機を識別するための端末識別子を、前記無線情報に付して送信し、
前記位置情報修正部は、各端末識別子と各移動端末の属性とを関連づけて記憶する端末情報データベースを有しているとともに、前記無線情報受信部により受信された前記端末識別子によって特定される移動端末の属性を、前記端末情報データベースを照合することにより取得し、この取得された属性に基づいて、移動端末毎に位置情報の修正の要否、又は計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の位置情報監視システム。
【請求項5】
前記位置情報修正部は、前記移動端末が位置する位置属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを有し、前記位置情報計算部が生成した位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う機能を備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項6】
前記位置情報計算部は、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積するとともに、移動端末毎の位置情報の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出する機能を有し、
前記表示インターフェース部は、位置情報に変化がないとして検出された移動端末を報知する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項7】
前記位置情報計算部は、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積する機能を有し、
前記表示インターフェース部は、位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報を関連づけて表示する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の位置情報監視システム。
【請求項8】
移動端末により、電波信号を介した無線によりデータ通信を行い、該データ通信により、当該移動端末において受信される電波強度に関する情報を無線情報として送信するとともに、自機周辺の状況を周辺情報として発報する情報送信ステップと、
所定領域内に複数配置されたアクセスポイントにおいて、前記無線通信により前記移動端末とデータ通信を行い、監視側において、前記アクセスポイントを通じ、前記移動端末から前記周辺情報及び前記無線情報を収集する情報受信ステップと、
監視側において、前記無線情報に基づいて、前記移動端末の位置情報を生成する位置情報計算ステップと、
前記移動端末の属性に応じて、前記位置情報計算ステップで生成された位置情報を修正する位置情報修正ステップと、
前記監視サーバに接続され、前記移動端末の位置情報と、該移動端末からの周辺情報とを関連づけて表示する表示ステップと
を有することを特徴とする位置情報監視方法。
【請求項9】
前記移動端末は、無線により通話を行う無線通話機能が備えられ、前記監視側との通話を行う通話ステップをさらに有することを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項10】
前記位置情報修正ステップでは、前記移動端末の属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを用い、前記無線情報から得られた位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項11】
前記情報送信ステップにおいて、前記移動端末は、自機を識別するための端末識別子を、前記無線情報に付して送信し、
前記監視側では、予め各端末識別子と各移動端末の属性とを関連づけて端末情報データベースに記憶しておき、前記位置情報修正ステップでは、前記情報受信ステップにより受信された前記端末識別子によって特定される移動端末の属性を、前記端末情報データベースを照合することにより取得し、この取得された属性に基づいて、移動端末毎に位置情報の修正の要否、又は計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項10に記載の位置情報監視方法。
【請求項12】
前記位置情報修正ステップでは、前記移動端末が位置する位置属性に応じて定められた、前記位置情報を修正するための基準値データを有し、前記位置情報計算ステップで生成した位置情報と、該基準値データとを比較し、その比較結果に応じて、該位置情報の修正の要否、又は、計算方法の選択を行う
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項13】
前記位置情報計算ステップでは、予め移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積するとともに、移動端末毎の位置情報の変化量を監視し、所定時間以上、位置情報に変化がない移動端末を検出し、
前記表示ステップでは、位置情報に変化がないとして検出された移動端末を報知する
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【請求項14】
前記位置情報計算ステップでは、移動端末毎の位置情報の変化を履歴情報として蓄積し、
前記表示ステップでは、位置情報の変遷とともに、各位置における周辺情報を関連づけて表示する
ことを特徴とする請求項8に記載の位置情報監視方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2009−282930(P2009−282930A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137165(P2008−137165)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(307022424)ソフトバンクテレコム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(307022424)ソフトバンクテレコム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】
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