充放電制御装置および車両
【課題】 電池の保護を十分にして信頼性がより高められた充放電制御装置および車両を提供する。
【解決手段】 自動車100Aは、車室25を空調する図6に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態を検知する検知部として動作する温度センサ15と、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30とを含む。自動車100Aでは空調装置の状態を考慮して充放電制御が行なわれる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【解決手段】 自動車100Aは、車室25を空調する図6に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態を検知する検知部として動作する温度センサ15と、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30とを含む。自動車100Aでは空調装置の状態を考慮して充放電制御が行なわれる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、充放電制御装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車および燃料電池自動車等のように、車両推進用の駆動源としてモータを採用し、このモータを駆動する電力を蓄積する大容量の電池を搭載する自動車が登場している。
【0003】
特許第3125198号明細書(特許文献1)には、電気自動車に搭載されている電池が所定の温度範囲内に保たれるようにすることを目的とする技術が開示されている。
【0004】
この技術では電気自動車の動力源である電池は電池収容室に収容されている。その電気自動車にはヒートポンプ式空調装置が装備されており、その空調装置によって温度調整された空気が電池収容室内にも供給されるようになっている。充電時などに電池の温度が高くなると、空調装置が冷房側に駆動され、その空調装置から供給される冷気によって電池が冷却される。また、電池温度が低いときには空調装置が暖房側に駆動され、その空調装置から供給される暖気によって電池が加熱される。
【特許文献1】特許第3125198号明細書
【特許文献2】特開2003−219510号公報
【特許文献3】特開2003−185504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許第3125198号明細書(特許文献1)では、車室内用の空調装置によって電池を収容する電池収容室の空気温度は温度調整される。しかし、空調装置から得られる空気温度は、乗員の好みや走行時の設定等により左右される。
【0006】
たとえば、乗員が冷房による空調を好まない場合もあり、このような場合は気温が高ければ電池を冷却するために最適な冷風が得られない。また、空調装置の設定により冷風の量が十分でない場合もある。たとえば、外気を取り入れる設定にしておけば座席後部のほうまで冷風が届くが、外気を取り入れずに内気を循環させる設定では座席後部までは冷風が届きにくい。
【0007】
このように、空調装置の作動状態によっては電池に過剰な負荷をかけると、電池温度が最適範囲から外れてしまうという問題があった。
【0008】
この発明の目的は、電池の保護を十分にして信頼性がより高められた充放電制御装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、要約すると、充放電制御装置であって、電池の温度調節に使用される空調装置の作動状態を検知する検知部と、作動状態に応じて電池に対する充電量または放電量の制限値を設定する設定部とを含む。
【0010】
好ましくは、検知部は、空調装置から電池に供給される吸気温に応じて作動状態を検知する。
【0011】
好ましくは、検知部は、空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を受けて作動状態を検知する。
【0012】
好ましくは、設定部は、予め複数の作動状態ごとに定められた制限値のうちから空調装置の作動状態に対応する制限値を選択する。
【0013】
より好ましくは、設定部は、電池の温度にさらに応じて制限値を選択する。予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0014】
この発明の他の局面に従うと、車両であって、車室を空調する空調装置と、空調装置を温度調節に利用する電池と、空調装置の作動状態を検知する検知部と、電池に対して充電または放電を行なう電気機器と、作動状態に応じて電池に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部とを含む。
【0015】
好ましくは、検知部は、空調装置から電池に供給される空気の通路に設置される温度センサを含む。
【0016】
好ましくは、検知部は、空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を空調装置から受けて作動状態を検知する。
【0017】
好ましくは、制御部は、予め複数の作動状態ごとに定められた制限値のうちから空調装置の作動状態に対応する制限値を選択する。
【0018】
より好ましくは、車両は、電池の温度を検知する電池温度センサをさらに備える。予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0019】
好ましくは、車両は、空調装置の作動状態に対応させて電池に対して供給する空気の流路を変更するための切替ダンパをさらに備える。
【0020】
好ましくは、電気機器は、電池から電力供給を受けるインバータと、インバータによって力行運転が行なわれる回転電機とを含む。制御部は、インバータに対して回転電機の出力の制限値を設定する。
【0021】
好ましくは、電気機器は、電池に対して電力を供給するインバータと、インバータによって回生運転が行なわれる回転電機とを含む。制御部は、インバータに対して回転電機における発電量の制限値を設定する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、電池の保護がより一層考慮され、電池寿命をさらに延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る自動車100の構成要素の概略配置を示す図である。
【0025】
図1を参照して、自動車100は、運転者等の乗員が乗車する車室25と、車室25の前方のフロント部に配置されるエンジン23と、モータジェネレータ24と、空調装置とを含む。
【0026】
エンジン23およびモータジェネレータ24は、車輪21を駆動する。空調装置は、具体的にはエアコンであり、車内外熱交換器4と圧縮機5と電動圧縮機6と熱交換器7が「空調装置」に該当する。なお、「空調装置」としては、エンジンの冷却水で加熱されるヒーターを用いることもできる。
【0027】
車内外熱交換器4と圧縮機5と電動圧縮機6と熱交換器7とは冷媒通路27によって接続されており、エンジン23が動作中は圧縮機5によって冷媒が圧縮され、エンジン23が停止中には電動圧縮機6によって冷媒が圧縮され、冷媒が冷媒通路を循環する。
【0028】
暖房時には、圧縮機5または電動圧縮機6で圧縮された冷媒が熱交換器7から車内外熱交換器4を経由して圧縮機5または電動圧縮機6に戻ることにより、車内に熱が汲み入れられる。また、冷房時には、圧縮機5または電動圧縮機6で圧縮された冷媒が車内外熱交換器4から熱交換器7を経由して圧縮機5または電動圧縮機6に戻ることにより、車外に熱が排出される。
【0029】
自動車100は、エンジン23とモータジェネレータ24とを併用して車両を駆動するハイブリッド自動車である。このため、自動車100は、電池1と、モータジェネレータ24と図示しないインバータとをさらに含む。電池1としては、例えばニッケル水素電池が好適に用いられる。
【0030】
モータジェネレータ24は、力行運転時には電池1から電気エネルギーを受けて車輪21を駆動し、回生運転時には車輪21から受けた回転エネルギーによって発生した電気エネルギーを電池1に戻す。インバータは、電池1の直流とモータジェネレータ24の交流とを相互に変換する。
【0031】
自動車100は、さらに、非駆動輪の後輪である車輪22と、車両後部に設けられるトランクルーム18と、車室25の後部の吸気口から電池温度調節用に空気を吸い込むファン16と、ファン16から電池1に至る送風通路に設けられる温度センサ15と、電池1に取付けられる温度センサ11〜14とを含む。温度センサ11〜15としては、例えばサーミスタ等を用いることができる。熱交換器7によって加熱されまたは冷却された空気は通風路26を介して車室25に導かれる。
【0032】
電池1には、最適温度があり、冬期など外気の温度が低い環境下で始動時に電池温度が低くなってしまっているときには、速やかに暖機を行なうことが望ましい。このため、空調装置の熱交換器7からの暖かい空気が車室を経て電池に直接与えられる。電池1の表面に形成された熱交換フィン8を介して暖かい空気から熱が電池1に与えられる。
【0033】
また、夏期などで外気の温度が高い環境下では、空調装置は冷房運転され、熱交換器7からの冷風が車室を経て電池1に直接与えられる。冷風によって電池1の表面に形成された熱交換フィン8を介して電池1から放熱が行なわれる。
【0034】
図2は、自動車100の制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【0035】
図2を参照して、自動車100は、車室25を空調する図1に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態を検知する検知部として動作する温度センサ15と、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30とを含む。
【0036】
電気機器は、電池1から電力供給を受けるインバータ32と、インバータ32によって力行運転または回生運転が行なわれるモータ33およびジェネレータ34とを含む。モータ33およびジェネレータ34は、図1のモータジェネレータ24に対応する。
【0037】
ジェネレータ34は、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。モータ33は、力行運転時は、インバータ32からの交流出力を受けて車輪21を駆動する。モータ33は、回生運転時には、車輪21の回転による動力または、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。
【0038】
制御部30は、インバータ32に対してモータ33の出力の制限値を設定する。また、制御部30は、インバータ32に対してモータ33およびジェネレータ34の発電量の制限値を設定する。
【0039】
図3は、図2の制御部30で実行される制御を説明するためのフローチャートである。メインルーチンからこのフローチャートの処理ルーチンが、一定時間毎あるいは所定条件を満たすごとに実行される。
【0040】
図2、図3を参照して、まず処理が開始されるとステップS1において、温度センサ15の出力を制御部30が取込み、電池1に送風される吸気温が測定される。
【0041】
続いてステップS2において、電池1に取付けられる温度センサ11の出力を制御部30が取込み、電池1の温度が測定される。なお、図1に示したように電池1が複数の電池ユニットから構成される場合は、制御部30は複数の温度センサ11〜14の出力を順次取込む。
【0042】
続いてステップS3において吸気温度ごとに予め定められていたマップから入出力制限値が算出される。そして、制限値設定処理が終了するとステップS4に進み、処理はメインルーチンに戻る。
【0043】
図4は、図3のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【0044】
図2、図4を参照して、制御部30は、予め複数の空調装置の作動状態ごとに定められた制限値を配置したマップD1、D2…を参照する。たとえば、空調装置の作動状態は、吸気温で判断することができる。マップD1は吸気温25℃に対応するものであり、マップD2は吸気温30℃に対応するものである。入力制限値および出力制限値の両方に対して、マップD1、D2…のようなマップが予め用意されており、制御部30の内部のメモリに記憶されている。
【0045】
マップD1、D2…のうちから、図3のステップS1で得られた吸気温に対応するマップが選択される。
【0046】
続いて、図3のステップS2で得られた電池温度に対応する制限値が設定される。
【0047】
このようにして図3のステップS3での制限値の設定が行われる。
【0048】
図5は、図4に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【0049】
図5を参照して、温度T3は、電池が劣化が著しくなってしまう使用可能上限温度である。この使用可能上限温度T3に対してある程度のマージンをもって目標上限温度T2が定められている。
【0050】
各マップにおいて、温度T1までは一律に制限値がP1に設定されている。また、温度T1〜T3の範囲においては、例えば吸気温度が25℃の場合の制限値W1よりも吸気温度が30℃の場合の制限値W2の方が小さい値に設定される。
【0051】
つまり、空調装置の作動状態ごとの予め定められた制限値は、所定の電池温度範囲内T1〜T3において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0052】
これは、吸気温度が25℃の場合よりも吸気温度が30℃の場合のほうが冷却能力が小さいので、電池1に対する負担を早めに減らしてやり目標上限温度T2を超えないように電池に対して充放電を行なってやるほうが良いからである。
【0053】
したがって、実際の運転時においては、電池温度はT2をほぼ超えないように管理される。このため、実際に運転時に適用される制限値はT3に近い温度の制限値が適用されることはまずなく、ほぼT2までの電池温度に対応する制限値である。
【0054】
温度T1〜T2の間において入力値の制限値がP1よりも小さく設定された場合には、たとえば、車両制動時に図2のモータ33で回収される回生ブレーキによる電力が通常よりも少ない値に制御される。この場合、同じ制動力を得るために油圧による図示しない摩擦ブレーキの比率は電池温度がT1以下の場合よりも大きくなるように制御される。この場合は燃費が少し低下するが電池の保護が良好になされ電池寿命が一層延びることになる。
【0055】
また、温度T1〜T2の間において出力値の制限値がP1よりも小さく設定された場合には、たとえば、エンジン23を使用せずにモータ33のみで走行するいわゆるEV走行を行なう時間を電池温度がT1以下の場合よりも少なくするように制御が行なわれる。
【0056】
また、温度T1〜T2の間において出力値の制限値がP1よりも小さく設定された場合の他の例としては、たとえば、加速性をよくするためにエンジン23をモータ33で補助するアシスト走行の頻度を電池温度がT1以下の場合よりも少なくする等の制御が行なわれる。
【0057】
このような制御が行われる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0058】
[実施の形態1の変形例]
図6は、本発明の実施の形態1の変形例に係る自動車100Aの構成要素の概略配置を示す図である。
【0059】
図6を参照して、自動車100Aは、図1に示した自動車100の構成において、切替ダンパ17をさらに含む。他の部分の構成については自動車100Aは図1の自動車100と同様であるので説明は繰返さない。
【0060】
切替ダンパ17には、空調装置の熱交換器7からの暖気または冷気が車室25を介さずに通風路26から直接導かれている。また、切替ダンパ17には車室25およびトランクルーム18からの吸気も導かれている。
【0061】
図7は、自動車100Aの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【0062】
図7を参照して、自動車100Aは、車室25を空調する図6に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態を検知する検知部として動作する温度センサ15と、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30とを含む。
【0063】
電気機器は、電池1から電力供給を受けるインバータ32と、インバータ32によって力行運転または回生運転が行なわれるモータ33およびジェネレータ34とを含む。モータ33およびジェネレータ34は、図6のモータジェネレータ24に対応する。
【0064】
ジェネレータ34は、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。モータ33は、力行運転時は、インバータ32からの交流出力を受けて車輪21を駆動する。モータ33は、回生運転時には、車輪21の回転による動力または、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。
【0065】
制御部30は、インバータ32に対してモータ33の出力の制限値を設定する。また、制御部30は、インバータ32に対してモータ33およびジェネレータ34の発電量の制限値を設定する。この制限値の設定については、図3〜5で説明した自動車100の場合と同様であるので説明は繰返さない。
【0066】
自動車100Aでは、切替ダンパ17は空調装置が稼動状態でありこれが電池の予熱または冷却等に適する温度の空気を供給する場合であれば空調装置の熱交換器7からの空気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0067】
そうでない場合は、切替ダンパ17は、車室25、トランクルーム18のいずれか一方からの吸気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0068】
自動車100Aも自動車100と同様に空調装置の状態を考慮して充放電制御が行なわれる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0069】
[実施の形態2]
実施の形態1では、電池に導かれる吸気温で空調装置の状態を判断して制限値を設定したが、実施の形態2では、空調装置の稼動に直接関連する情報を得て制限値を設定する。
【0070】
図8は、本発明の実施の形態2に係る自動車100Bの構成要素の概略配置を示す図である。
【0071】
図8を参照して、自動車100Bは、図1に示した自動車100の構成とは、温度センサ15が設けられておらず、切替ダンパ17Bを含む点が異なる。他の部分の構成については自動車100Aは図1の自動車100と同様であるので説明は繰返さない。
【0072】
切替ダンパ17Bには、空調装置の熱交換器7からの暖気または冷気が車室25を介さずに通風路26から直接導かれている。また、切替ダンパ17Bには車室25からの吸気も導かれている。
【0073】
図9は、自動車100Bの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【0074】
図9を参照して、自動車100Bは、車室25を空調する図8に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態をしめす信号を出力するエアコンスイッチ7Bと、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30Bとを含む。
【0075】
電気機器は、電池1から電力供給を受けるインバータ32と、インバータ32によって力行運転または回生運転が行なわれるモータ33およびジェネレータ34とを含む。モータ33およびジェネレータ34は、図8のモータジェネレータ24に対応する。
【0076】
ジェネレータ34は、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。モータ33は、力行運転時は、インバータ32からの交流出力を受けて車輪21を駆動する。モータ33は、回生運転時には、車輪21の回転による動力または、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。
【0077】
制御部30Bは、インバータ32に対してモータ33の出力の制限値を設定する。また、制御部30Bは、インバータ32に対してモータ33およびジェネレータ34の発電量の制限値を設定する。
【0078】
自動車100Bでは、切替ダンパ17Bは空調装置が稼動状態でありこれが電池の予熱または冷却等に適する温度の空気を供給する場合であれば空調装置の熱交換器7からの空気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0079】
そうでない場合は、切替ダンパ17Bは、車室25からの吸気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0080】
図10は、図9の制御部30Bで実行される制御を説明するためのフローチャートである。メインルーチンからこのフローチャートの処理ルーチンが、一定時間毎あるいは所定条件を満たすごとに実行される。
【0081】
図9、図10を参照して、まず処理が開始されるとステップS11において、スイッチ7Bの出力を制御部30Bが取込み空調装置の作動状態が制御部30Bに認識される。
【0082】
続いてステップS12において、電池1に取付けられる温度センサ11の出力を制御部30Bが取込み、電池1の温度が測定される。なお、図8に示したように電池1が複数の電池ユニットから構成される場合は、制御部30は複数の温度センサ11〜14の出力を順次取込む。
【0083】
続いてステップS13において空調装置の作動状態ごとに予め定められていたマップから入出力制限値が算出される。そして、制限値設定処理が終了するとステップS14に進み、処理はメインルーチンに戻る。
【0084】
図11は、図10のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【0085】
図9、図11を参照して、制御部30Bは、予め複数の空調装置の作動状態ごとに定められた制限値を配置したマップD3、D4を参照する。たとえば、空調装置の作動状態は、エアコンスイッチ7Bのオン/オフ設定を読込むことにより判断することができる。入力制限値および出力制限値の両方に対して、マップD3、D4のようなマップが予め用意されており、制御部30Bの内部のメモリに記憶されている。
【0086】
マップD3、D4のうちから、図10のステップS11で得られた作動状態に対応するマップが選択される。具体的にはエアコンスイッチ7BがオンであればマップD3が選択され、オフであればマップD4が選択される。
【0087】
続いて、図10のステップS12で得られた電池温度に対応する制限値が設定される。
【0088】
このようにして図10のステップS13での制限値の設定が行われる。
【0089】
図12は、図11に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【0090】
図12を参照して、温度T6は、電池が劣化が著しくなってしまう使用可能上限温度である。この使用可能上限温度T6に対してある程度のマージンをもって目標上限温度T5が定められている。
【0091】
各マップにおいて、温度T4までは一律に制限値がP2に設定されている。また、温度T4〜T6の範囲においては、例えばエアコンがオンの場合の制限値W3よりもエアコンがオフの場合の制限値W4の方が小さい値に設定される。
【0092】
つまり、空調装置の作動状態ごとの予め定められた制限値は、所定の電池温度範囲内T4〜T6において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0093】
これは、エアコンがオンの場合よりもエアコンがオフの場合のほうが空調装置の冷却能力が小さいので、電池1に対する負担を早めに減らしてやり目標上限温度T2を超えないように電池に対して充放電を行なってやるほうが良いからである。
【0094】
したがって、実際の運転時においては、電池温度はT5をほぼ超えないように管理される。このため、実際に運転時に適用される制限値はT6に近い温度の制限値が適用されることはまずなく、ほぼT5までの電池温度に対応する制限値である。
【0095】
温度T4〜T5の間において入力値の制限値がP2よりも小さく設定された場合には、たとえば、車両制動時に図9のモータ33で回収される回生ブレーキによる電力が通常よりも少ない値に制御される。この場合、同じ制動力を得るために油圧による図示しない摩擦ブレーキの比率は電池温度がT4以下の場合よりも大きくなるように制御される。この場合は燃費が少し低下するが電池の保護が良好になされ電池寿命が一層延びることになる。
【0096】
また、温度T4〜T5の間において出力値の制限値がP2よりも小さく設定された場合には、たとえば、エンジン23を使用せずにモータ33のみで走行するいわゆるEV走行を行なう時間を電池温度がT4以下の場合よりも少なくするように制御が行なわれる。
【0097】
また、温度T1〜T2の間において出力値の制限値がP2よりも小さく設定された場合の他の例としては、たとえば、加速性をよくするためにエンジン23をモータ33で補助するアシスト走行の頻度を電池温度がT4以下の場合よりも少なくする等の制御が行なわれる。
【0098】
このような制御が行われる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0099】
なお、実施の形態2では、空調装置の稼動状態を直接示す情報としてエアコンスイッチ7Bのオンオフを例にあげて説明した。この情報は、電気信号で制御部30Bや切替ダンパ17Bに伝達されても良いがスイッチの物理的な設定に応じて切り替わる機構で切替ダンパ17Bを切換えても良い。また、例えばオンオフ信号でなくても、エアコンに対する設定温度の情報に基づいて制限値を設定しても良い。
【0100】
以上説明したように、実施の形態2においても、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲
によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施の形態1に係る自動車100の構成要素の概略配置を示す図である。
【図2】自動車100の制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【図3】図2の制御部30で実行される制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【図5】図4に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例に係る自動車100Aの構成要素の概略配置を示す図である。
【図7】自動車100Aの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る自動車100Bの構成要素の概略配置を示す図である。
【図9】自動車100Bの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【図10】図9の制御部30Bで実行される制御を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【図12】図11に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【符号の説明】
【0103】
1 電池、2 エンジン、4 車内外熱交換器、5 圧縮機、6 電動圧縮機、7B エアコンスイッチ、7 熱交換器、8 熱交換フィン、11〜15 温度センサ、16 ファン、36 プラネタリギヤ、17,17B 切替ダンパ、18 トランクルーム、21,22 車輪、23 エンジン、24 モータジェネレータ、25 車室、26 通風路、27 冷媒通路、30,30B 制御部、32 インバータ、33 モータ、34 ジェネレータ、100,100A,100B 自動車、D1,D2,D3,D4 マップ。
【技術分野】
【0001】
この発明は、充放電制御装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、ハイブリッド自動車および燃料電池自動車等のように、車両推進用の駆動源としてモータを採用し、このモータを駆動する電力を蓄積する大容量の電池を搭載する自動車が登場している。
【0003】
特許第3125198号明細書(特許文献1)には、電気自動車に搭載されている電池が所定の温度範囲内に保たれるようにすることを目的とする技術が開示されている。
【0004】
この技術では電気自動車の動力源である電池は電池収容室に収容されている。その電気自動車にはヒートポンプ式空調装置が装備されており、その空調装置によって温度調整された空気が電池収容室内にも供給されるようになっている。充電時などに電池の温度が高くなると、空調装置が冷房側に駆動され、その空調装置から供給される冷気によって電池が冷却される。また、電池温度が低いときには空調装置が暖房側に駆動され、その空調装置から供給される暖気によって電池が加熱される。
【特許文献1】特許第3125198号明細書
【特許文献2】特開2003−219510号公報
【特許文献3】特開2003−185504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、特許第3125198号明細書(特許文献1)では、車室内用の空調装置によって電池を収容する電池収容室の空気温度は温度調整される。しかし、空調装置から得られる空気温度は、乗員の好みや走行時の設定等により左右される。
【0006】
たとえば、乗員が冷房による空調を好まない場合もあり、このような場合は気温が高ければ電池を冷却するために最適な冷風が得られない。また、空調装置の設定により冷風の量が十分でない場合もある。たとえば、外気を取り入れる設定にしておけば座席後部のほうまで冷風が届くが、外気を取り入れずに内気を循環させる設定では座席後部までは冷風が届きにくい。
【0007】
このように、空調装置の作動状態によっては電池に過剰な負荷をかけると、電池温度が最適範囲から外れてしまうという問題があった。
【0008】
この発明の目的は、電池の保護を十分にして信頼性がより高められた充放電制御装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、要約すると、充放電制御装置であって、電池の温度調節に使用される空調装置の作動状態を検知する検知部と、作動状態に応じて電池に対する充電量または放電量の制限値を設定する設定部とを含む。
【0010】
好ましくは、検知部は、空調装置から電池に供給される吸気温に応じて作動状態を検知する。
【0011】
好ましくは、検知部は、空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を受けて作動状態を検知する。
【0012】
好ましくは、設定部は、予め複数の作動状態ごとに定められた制限値のうちから空調装置の作動状態に対応する制限値を選択する。
【0013】
より好ましくは、設定部は、電池の温度にさらに応じて制限値を選択する。予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0014】
この発明の他の局面に従うと、車両であって、車室を空調する空調装置と、空調装置を温度調節に利用する電池と、空調装置の作動状態を検知する検知部と、電池に対して充電または放電を行なう電気機器と、作動状態に応じて電池に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部とを含む。
【0015】
好ましくは、検知部は、空調装置から電池に供給される空気の通路に設置される温度センサを含む。
【0016】
好ましくは、検知部は、空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を空調装置から受けて作動状態を検知する。
【0017】
好ましくは、制御部は、予め複数の作動状態ごとに定められた制限値のうちから空調装置の作動状態に対応する制限値を選択する。
【0018】
より好ましくは、車両は、電池の温度を検知する電池温度センサをさらに備える。予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0019】
好ましくは、車両は、空調装置の作動状態に対応させて電池に対して供給する空気の流路を変更するための切替ダンパをさらに備える。
【0020】
好ましくは、電気機器は、電池から電力供給を受けるインバータと、インバータによって力行運転が行なわれる回転電機とを含む。制御部は、インバータに対して回転電機の出力の制限値を設定する。
【0021】
好ましくは、電気機器は、電池に対して電力を供給するインバータと、インバータによって回生運転が行なわれる回転電機とを含む。制御部は、インバータに対して回転電機における発電量の制限値を設定する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、電池の保護がより一層考慮され、電池寿命をさらに延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0024】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る自動車100の構成要素の概略配置を示す図である。
【0025】
図1を参照して、自動車100は、運転者等の乗員が乗車する車室25と、車室25の前方のフロント部に配置されるエンジン23と、モータジェネレータ24と、空調装置とを含む。
【0026】
エンジン23およびモータジェネレータ24は、車輪21を駆動する。空調装置は、具体的にはエアコンであり、車内外熱交換器4と圧縮機5と電動圧縮機6と熱交換器7が「空調装置」に該当する。なお、「空調装置」としては、エンジンの冷却水で加熱されるヒーターを用いることもできる。
【0027】
車内外熱交換器4と圧縮機5と電動圧縮機6と熱交換器7とは冷媒通路27によって接続されており、エンジン23が動作中は圧縮機5によって冷媒が圧縮され、エンジン23が停止中には電動圧縮機6によって冷媒が圧縮され、冷媒が冷媒通路を循環する。
【0028】
暖房時には、圧縮機5または電動圧縮機6で圧縮された冷媒が熱交換器7から車内外熱交換器4を経由して圧縮機5または電動圧縮機6に戻ることにより、車内に熱が汲み入れられる。また、冷房時には、圧縮機5または電動圧縮機6で圧縮された冷媒が車内外熱交換器4から熱交換器7を経由して圧縮機5または電動圧縮機6に戻ることにより、車外に熱が排出される。
【0029】
自動車100は、エンジン23とモータジェネレータ24とを併用して車両を駆動するハイブリッド自動車である。このため、自動車100は、電池1と、モータジェネレータ24と図示しないインバータとをさらに含む。電池1としては、例えばニッケル水素電池が好適に用いられる。
【0030】
モータジェネレータ24は、力行運転時には電池1から電気エネルギーを受けて車輪21を駆動し、回生運転時には車輪21から受けた回転エネルギーによって発生した電気エネルギーを電池1に戻す。インバータは、電池1の直流とモータジェネレータ24の交流とを相互に変換する。
【0031】
自動車100は、さらに、非駆動輪の後輪である車輪22と、車両後部に設けられるトランクルーム18と、車室25の後部の吸気口から電池温度調節用に空気を吸い込むファン16と、ファン16から電池1に至る送風通路に設けられる温度センサ15と、電池1に取付けられる温度センサ11〜14とを含む。温度センサ11〜15としては、例えばサーミスタ等を用いることができる。熱交換器7によって加熱されまたは冷却された空気は通風路26を介して車室25に導かれる。
【0032】
電池1には、最適温度があり、冬期など外気の温度が低い環境下で始動時に電池温度が低くなってしまっているときには、速やかに暖機を行なうことが望ましい。このため、空調装置の熱交換器7からの暖かい空気が車室を経て電池に直接与えられる。電池1の表面に形成された熱交換フィン8を介して暖かい空気から熱が電池1に与えられる。
【0033】
また、夏期などで外気の温度が高い環境下では、空調装置は冷房運転され、熱交換器7からの冷風が車室を経て電池1に直接与えられる。冷風によって電池1の表面に形成された熱交換フィン8を介して電池1から放熱が行なわれる。
【0034】
図2は、自動車100の制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【0035】
図2を参照して、自動車100は、車室25を空調する図1に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態を検知する検知部として動作する温度センサ15と、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30とを含む。
【0036】
電気機器は、電池1から電力供給を受けるインバータ32と、インバータ32によって力行運転または回生運転が行なわれるモータ33およびジェネレータ34とを含む。モータ33およびジェネレータ34は、図1のモータジェネレータ24に対応する。
【0037】
ジェネレータ34は、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。モータ33は、力行運転時は、インバータ32からの交流出力を受けて車輪21を駆動する。モータ33は、回生運転時には、車輪21の回転による動力または、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。
【0038】
制御部30は、インバータ32に対してモータ33の出力の制限値を設定する。また、制御部30は、インバータ32に対してモータ33およびジェネレータ34の発電量の制限値を設定する。
【0039】
図3は、図2の制御部30で実行される制御を説明するためのフローチャートである。メインルーチンからこのフローチャートの処理ルーチンが、一定時間毎あるいは所定条件を満たすごとに実行される。
【0040】
図2、図3を参照して、まず処理が開始されるとステップS1において、温度センサ15の出力を制御部30が取込み、電池1に送風される吸気温が測定される。
【0041】
続いてステップS2において、電池1に取付けられる温度センサ11の出力を制御部30が取込み、電池1の温度が測定される。なお、図1に示したように電池1が複数の電池ユニットから構成される場合は、制御部30は複数の温度センサ11〜14の出力を順次取込む。
【0042】
続いてステップS3において吸気温度ごとに予め定められていたマップから入出力制限値が算出される。そして、制限値設定処理が終了するとステップS4に進み、処理はメインルーチンに戻る。
【0043】
図4は、図3のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【0044】
図2、図4を参照して、制御部30は、予め複数の空調装置の作動状態ごとに定められた制限値を配置したマップD1、D2…を参照する。たとえば、空調装置の作動状態は、吸気温で判断することができる。マップD1は吸気温25℃に対応するものであり、マップD2は吸気温30℃に対応するものである。入力制限値および出力制限値の両方に対して、マップD1、D2…のようなマップが予め用意されており、制御部30の内部のメモリに記憶されている。
【0045】
マップD1、D2…のうちから、図3のステップS1で得られた吸気温に対応するマップが選択される。
【0046】
続いて、図3のステップS2で得られた電池温度に対応する制限値が設定される。
【0047】
このようにして図3のステップS3での制限値の設定が行われる。
【0048】
図5は、図4に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【0049】
図5を参照して、温度T3は、電池が劣化が著しくなってしまう使用可能上限温度である。この使用可能上限温度T3に対してある程度のマージンをもって目標上限温度T2が定められている。
【0050】
各マップにおいて、温度T1までは一律に制限値がP1に設定されている。また、温度T1〜T3の範囲においては、例えば吸気温度が25℃の場合の制限値W1よりも吸気温度が30℃の場合の制限値W2の方が小さい値に設定される。
【0051】
つまり、空調装置の作動状態ごとの予め定められた制限値は、所定の電池温度範囲内T1〜T3において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0052】
これは、吸気温度が25℃の場合よりも吸気温度が30℃の場合のほうが冷却能力が小さいので、電池1に対する負担を早めに減らしてやり目標上限温度T2を超えないように電池に対して充放電を行なってやるほうが良いからである。
【0053】
したがって、実際の運転時においては、電池温度はT2をほぼ超えないように管理される。このため、実際に運転時に適用される制限値はT3に近い温度の制限値が適用されることはまずなく、ほぼT2までの電池温度に対応する制限値である。
【0054】
温度T1〜T2の間において入力値の制限値がP1よりも小さく設定された場合には、たとえば、車両制動時に図2のモータ33で回収される回生ブレーキによる電力が通常よりも少ない値に制御される。この場合、同じ制動力を得るために油圧による図示しない摩擦ブレーキの比率は電池温度がT1以下の場合よりも大きくなるように制御される。この場合は燃費が少し低下するが電池の保護が良好になされ電池寿命が一層延びることになる。
【0055】
また、温度T1〜T2の間において出力値の制限値がP1よりも小さく設定された場合には、たとえば、エンジン23を使用せずにモータ33のみで走行するいわゆるEV走行を行なう時間を電池温度がT1以下の場合よりも少なくするように制御が行なわれる。
【0056】
また、温度T1〜T2の間において出力値の制限値がP1よりも小さく設定された場合の他の例としては、たとえば、加速性をよくするためにエンジン23をモータ33で補助するアシスト走行の頻度を電池温度がT1以下の場合よりも少なくする等の制御が行なわれる。
【0057】
このような制御が行われる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0058】
[実施の形態1の変形例]
図6は、本発明の実施の形態1の変形例に係る自動車100Aの構成要素の概略配置を示す図である。
【0059】
図6を参照して、自動車100Aは、図1に示した自動車100の構成において、切替ダンパ17をさらに含む。他の部分の構成については自動車100Aは図1の自動車100と同様であるので説明は繰返さない。
【0060】
切替ダンパ17には、空調装置の熱交換器7からの暖気または冷気が車室25を介さずに通風路26から直接導かれている。また、切替ダンパ17には車室25およびトランクルーム18からの吸気も導かれている。
【0061】
図7は、自動車100Aの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【0062】
図7を参照して、自動車100Aは、車室25を空調する図6に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態を検知する検知部として動作する温度センサ15と、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30とを含む。
【0063】
電気機器は、電池1から電力供給を受けるインバータ32と、インバータ32によって力行運転または回生運転が行なわれるモータ33およびジェネレータ34とを含む。モータ33およびジェネレータ34は、図6のモータジェネレータ24に対応する。
【0064】
ジェネレータ34は、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。モータ33は、力行運転時は、インバータ32からの交流出力を受けて車輪21を駆動する。モータ33は、回生運転時には、車輪21の回転による動力または、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。
【0065】
制御部30は、インバータ32に対してモータ33の出力の制限値を設定する。また、制御部30は、インバータ32に対してモータ33およびジェネレータ34の発電量の制限値を設定する。この制限値の設定については、図3〜5で説明した自動車100の場合と同様であるので説明は繰返さない。
【0066】
自動車100Aでは、切替ダンパ17は空調装置が稼動状態でありこれが電池の予熱または冷却等に適する温度の空気を供給する場合であれば空調装置の熱交換器7からの空気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0067】
そうでない場合は、切替ダンパ17は、車室25、トランクルーム18のいずれか一方からの吸気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0068】
自動車100Aも自動車100と同様に空調装置の状態を考慮して充放電制御が行なわれる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0069】
[実施の形態2]
実施の形態1では、電池に導かれる吸気温で空調装置の状態を判断して制限値を設定したが、実施の形態2では、空調装置の稼動に直接関連する情報を得て制限値を設定する。
【0070】
図8は、本発明の実施の形態2に係る自動車100Bの構成要素の概略配置を示す図である。
【0071】
図8を参照して、自動車100Bは、図1に示した自動車100の構成とは、温度センサ15が設けられておらず、切替ダンパ17Bを含む点が異なる。他の部分の構成については自動車100Aは図1の自動車100と同様であるので説明は繰返さない。
【0072】
切替ダンパ17Bには、空調装置の熱交換器7からの暖気または冷気が車室25を介さずに通風路26から直接導かれている。また、切替ダンパ17Bには車室25からの吸気も導かれている。
【0073】
図9は、自動車100Bの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【0074】
図9を参照して、自動車100Bは、車室25を空調する図8に図示した空調装置を温度調節に利用する電池1と、空調装置の作動状態をしめす信号を出力するエアコンスイッチ7Bと、電池1に対して充電または放電を行なう電気機器と、空調装置の作動状態に応じて電池1に対する充電量または放電量の制限値を電気機器に対して設定する制御部30Bとを含む。
【0075】
電気機器は、電池1から電力供給を受けるインバータ32と、インバータ32によって力行運転または回生運転が行なわれるモータ33およびジェネレータ34とを含む。モータ33およびジェネレータ34は、図8のモータジェネレータ24に対応する。
【0076】
ジェネレータ34は、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。モータ33は、力行運転時は、インバータ32からの交流出力を受けて車輪21を駆動する。モータ33は、回生運転時には、車輪21の回転による動力または、プラネタリギヤ36を介してエンジン2の動力を受けて発電を行なう。
【0077】
制御部30Bは、インバータ32に対してモータ33の出力の制限値を設定する。また、制御部30Bは、インバータ32に対してモータ33およびジェネレータ34の発電量の制限値を設定する。
【0078】
自動車100Bでは、切替ダンパ17Bは空調装置が稼動状態でありこれが電池の予熱または冷却等に適する温度の空気を供給する場合であれば空調装置の熱交換器7からの空気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0079】
そうでない場合は、切替ダンパ17Bは、車室25からの吸気がファン16に導かれるように切替が行なわれる。
【0080】
図10は、図9の制御部30Bで実行される制御を説明するためのフローチャートである。メインルーチンからこのフローチャートの処理ルーチンが、一定時間毎あるいは所定条件を満たすごとに実行される。
【0081】
図9、図10を参照して、まず処理が開始されるとステップS11において、スイッチ7Bの出力を制御部30Bが取込み空調装置の作動状態が制御部30Bに認識される。
【0082】
続いてステップS12において、電池1に取付けられる温度センサ11の出力を制御部30Bが取込み、電池1の温度が測定される。なお、図8に示したように電池1が複数の電池ユニットから構成される場合は、制御部30は複数の温度センサ11〜14の出力を順次取込む。
【0083】
続いてステップS13において空調装置の作動状態ごとに予め定められていたマップから入出力制限値が算出される。そして、制限値設定処理が終了するとステップS14に進み、処理はメインルーチンに戻る。
【0084】
図11は、図10のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【0085】
図9、図11を参照して、制御部30Bは、予め複数の空調装置の作動状態ごとに定められた制限値を配置したマップD3、D4を参照する。たとえば、空調装置の作動状態は、エアコンスイッチ7Bのオン/オフ設定を読込むことにより判断することができる。入力制限値および出力制限値の両方に対して、マップD3、D4のようなマップが予め用意されており、制御部30Bの内部のメモリに記憶されている。
【0086】
マップD3、D4のうちから、図10のステップS11で得られた作動状態に対応するマップが選択される。具体的にはエアコンスイッチ7BがオンであればマップD3が選択され、オフであればマップD4が選択される。
【0087】
続いて、図10のステップS12で得られた電池温度に対応する制限値が設定される。
【0088】
このようにして図10のステップS13での制限値の設定が行われる。
【0089】
図12は、図11に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【0090】
図12を参照して、温度T6は、電池が劣化が著しくなってしまう使用可能上限温度である。この使用可能上限温度T6に対してある程度のマージンをもって目標上限温度T5が定められている。
【0091】
各マップにおいて、温度T4までは一律に制限値がP2に設定されている。また、温度T4〜T6の範囲においては、例えばエアコンがオンの場合の制限値W3よりもエアコンがオフの場合の制限値W4の方が小さい値に設定される。
【0092】
つまり、空調装置の作動状態ごとの予め定められた制限値は、所定の電池温度範囲内T4〜T6において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される。
【0093】
これは、エアコンがオンの場合よりもエアコンがオフの場合のほうが空調装置の冷却能力が小さいので、電池1に対する負担を早めに減らしてやり目標上限温度T2を超えないように電池に対して充放電を行なってやるほうが良いからである。
【0094】
したがって、実際の運転時においては、電池温度はT5をほぼ超えないように管理される。このため、実際に運転時に適用される制限値はT6に近い温度の制限値が適用されることはまずなく、ほぼT5までの電池温度に対応する制限値である。
【0095】
温度T4〜T5の間において入力値の制限値がP2よりも小さく設定された場合には、たとえば、車両制動時に図9のモータ33で回収される回生ブレーキによる電力が通常よりも少ない値に制御される。この場合、同じ制動力を得るために油圧による図示しない摩擦ブレーキの比率は電池温度がT4以下の場合よりも大きくなるように制御される。この場合は燃費が少し低下するが電池の保護が良好になされ電池寿命が一層延びることになる。
【0096】
また、温度T4〜T5の間において出力値の制限値がP2よりも小さく設定された場合には、たとえば、エンジン23を使用せずにモータ33のみで走行するいわゆるEV走行を行なう時間を電池温度がT4以下の場合よりも少なくするように制御が行なわれる。
【0097】
また、温度T1〜T2の間において出力値の制限値がP2よりも小さく設定された場合の他の例としては、たとえば、加速性をよくするためにエンジン23をモータ33で補助するアシスト走行の頻度を電池温度がT4以下の場合よりも少なくする等の制御が行なわれる。
【0098】
このような制御が行われる結果、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0099】
なお、実施の形態2では、空調装置の稼動状態を直接示す情報としてエアコンスイッチ7Bのオンオフを例にあげて説明した。この情報は、電気信号で制御部30Bや切替ダンパ17Bに伝達されても良いがスイッチの物理的な設定に応じて切り替わる機構で切替ダンパ17Bを切換えても良い。また、例えばオンオフ信号でなくても、エアコンに対する設定温度の情報に基づいて制限値を設定しても良い。
【0100】
以上説明したように、実施の形態2においても、電池に対する充放電が電池の目標上限温度を超えないように最適制御され、結果として電池寿命を一層延ばすことができる。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲
によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の実施の形態1に係る自動車100の構成要素の概略配置を示す図である。
【図2】自動車100の制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【図3】図2の制御部30で実行される制御を説明するためのフローチャートである。
【図4】図3のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【図5】図4に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例に係る自動車100Aの構成要素の概略配置を示す図である。
【図7】自動車100Aの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る自動車100Bの構成要素の概略配置を示す図である。
【図9】自動車100Bの制御を説明するための構成を示したブロック図である。
【図10】図9の制御部30Bで実行される制御を説明するためのフローチャートである。
【図11】図10のステップS3で用いられるマップについて説明するための図である。
【図12】図11に示した各マップの制限値を説明するための図である。
【符号の説明】
【0103】
1 電池、2 エンジン、4 車内外熱交換器、5 圧縮機、6 電動圧縮機、7B エアコンスイッチ、7 熱交換器、8 熱交換フィン、11〜15 温度センサ、16 ファン、36 プラネタリギヤ、17,17B 切替ダンパ、18 トランクルーム、21,22 車輪、23 エンジン、24 モータジェネレータ、25 車室、26 通風路、27 冷媒通路、30,30B 制御部、32 インバータ、33 モータ、34 ジェネレータ、100,100A,100B 自動車、D1,D2,D3,D4 マップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の温度調節に使用される空調装置の作動状態を検知する検知部と、
前記作動状態に応じて前記電池に対する充電量または放電量の制限値を設定する設定部とを含む、充放電制御装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記空調装置から前記電池に供給される吸気温に応じて前記作動状態を検知する、請求項1に記載の充放電制御装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を受けて前記作動状態を検知する、請求項1に記載の充放電制御装置。
【請求項4】
前記設定部は、予め複数の作動状態ごとに定められた前記制限値のうちから前記空調装置の作動状態に対応する前記制限値を選択する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の充放電制御装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記電池の温度にさらに応じて前記制限値を選択し、
前記予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される、請求項4に記載の充放電制御装置。
【請求項6】
車室を空調する空調装置と、
前記空調装置を温度調節に利用する電池と、
前記空調装置の作動状態を検知する検知部と、
前記電池に対して充電または放電を行なう電気機器と、
前記作動状態に応じて前記電池に対する充電量または放電量の制限値を前記電気機器に対して設定する制御部とを含む、車両。
【請求項7】
前記検知部は、
前記空調装置から前記電池に供給される空気の通路に設置される温度センサを含む、請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記検知部は、前記空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を前記空調装置から受けて前記作動状態を検知する、請求項6に記載の車両。
【請求項9】
前記制御部は、予め複数の作動状態ごとに定められた前記制限値のうちから前記空調装置の作動状態に対応する前記制限値を選択する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の車両。
【請求項10】
前記電池の温度を検知する電池温度センサをさらに備え、
前記予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記空調装置の作動状態に対応させて前記電池に対して供給する空気の流路を変更するための切替ダンパをさらに備える、請求項6〜10のいずれか1項に記載の車両。
【請求項12】
前記電気機器は、
前記電池から電力供給を受けるインバータと、
前記インバータによって力行運転が行なわれる回転電機とを含み、
前記制御部は、前記インバータに対して前記回転電機の出力の制限値を設定する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の車両。
【請求項13】
前記電気機器は、
前記電池に対して電力を供給するインバータと、
前記インバータによって回生運転が行なわれる回転電機とを含み、
前記制御部は、前記インバータに対して前記回転電機における発電量の制限値を設定する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の車両。
【請求項1】
電池の温度調節に使用される空調装置の作動状態を検知する検知部と、
前記作動状態に応じて前記電池に対する充電量または放電量の制限値を設定する設定部とを含む、充放電制御装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記空調装置から前記電池に供給される吸気温に応じて前記作動状態を検知する、請求項1に記載の充放電制御装置。
【請求項3】
前記検知部は、前記空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を受けて前記作動状態を検知する、請求項1に記載の充放電制御装置。
【請求項4】
前記設定部は、予め複数の作動状態ごとに定められた前記制限値のうちから前記空調装置の作動状態に対応する前記制限値を選択する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の充放電制御装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記電池の温度にさらに応じて前記制限値を選択し、
前記予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される、請求項4に記載の充放電制御装置。
【請求項6】
車室を空調する空調装置と、
前記空調装置を温度調節に利用する電池と、
前記空調装置の作動状態を検知する検知部と、
前記電池に対して充電または放電を行なう電気機器と、
前記作動状態に応じて前記電池に対する充電量または放電量の制限値を前記電気機器に対して設定する制御部とを含む、車両。
【請求項7】
前記検知部は、
前記空調装置から前記電池に供給される空気の通路に設置される温度センサを含む、請求項6に記載の車両。
【請求項8】
前記検知部は、前記空調装置が稼動しているか非稼動であるかを示す情報を前記空調装置から受けて前記作動状態を検知する、請求項6に記載の車両。
【請求項9】
前記制御部は、予め複数の作動状態ごとに定められた前記制限値のうちから前記空調装置の作動状態に対応する前記制限値を選択する、請求項6〜8のいずれか1項に記載の車両。
【請求項10】
前記電池の温度を検知する電池温度センサをさらに備え、
前記予め定められた作動状態ごとの制限値は、所定の電池温度範囲内において冷却能力が高い作動状態よりも冷却能力が低い作動状態の方が小さい値に設定される、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記空調装置の作動状態に対応させて前記電池に対して供給する空気の流路を変更するための切替ダンパをさらに備える、請求項6〜10のいずれか1項に記載の車両。
【請求項12】
前記電気機器は、
前記電池から電力供給を受けるインバータと、
前記インバータによって力行運転が行なわれる回転電機とを含み、
前記制御部は、前記インバータに対して前記回転電機の出力の制限値を設定する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の車両。
【請求項13】
前記電気機器は、
前記電池に対して電力を供給するインバータと、
前記インバータによって回生運転が行なわれる回転電機とを含み、
前記制御部は、前記インバータに対して前記回転電機における発電量の制限値を設定する、請求項6〜11のいずれか1項に記載の車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−172931(P2006−172931A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364517(P2004−364517)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]