説明

充電情報を表示するナビゲーション装置およびその装置を備えた車両

【課題】日中に車両を使用しているユーザが、充電施設を容易に選択できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ECUは、GPSシステムを用いて現在位置を検出するステップ(S1000)と、現在位置近傍の地図データを読み出して(S1010)、太陽光利用充電設備を含む充電設備を自車位置とともに地図上に表示するステップ(S1020)と、表示切替要求があって(S1030にてYES)かつリアルタイム日射補正要求があると(S1050にてYES)、日射量を検出して(S1060)、検出された日射量から太陽光利用発電設備の単位時間あたりの充電量を補正するステップ(S1070)と、バッテリのSOCを検出して充電設備までの放電量を算出して(S1080、S1090)、満充電までの充電に必要な時間を算出して(S1100)、充電に必要な時間を地図上に表示するステップ(S1200)とを含む、プログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電機構(バッテリ、キャパシタ等)を搭載し、その電力を用いて走行する車両に関し、特に、車両保管登録場所以外で効率的に充電する情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
環境に配慮した車両として、ハイブリッド車両(Hybrid Vehicle)が知られている。ハイブリッド車両は、従来の内燃機関に加え、蓄電機構とインバータとインバータによって駆動される電動機とを車両走行用の動力源として搭載する。
【0003】
このようなハイブリッド車両において、電動機のみを用いての走行距離拡大を目的として、近年、車両外部の電源(家庭用電源など)から蓄電機構を充電可能ないわゆるプラグイン・ハイブリッド車両が注目されている。また、内燃機関を備えない電気自動車は、ハイブリッド車両の電動機のみを用いた走行のみを行なう点で類似する。これらのプラグイン・ハイブリッド車両や電気自動車において、車両外部の電源として太陽電池により発電された電力を用いると、さらに環境に配慮できることになる。
【0004】
プラグイン・ハイブリッド車両における充電には、従来の内燃機関に用いられる燃料の補給に比較して長い時間を必要とするのが一般的である。車両保管登録場所(多くの個人ユーザの場合には自宅の駐車場)において、たとえば、車両を使用しない夜間に、家庭に供給されている電力を用いて蓄電機構を充電することになる。このように充電された車両を、昼間に、蓄電機構の電力を用いて駆動された電動機により走行すると、蓄電機構に蓄えられた電力が消費される。このような場合、外部電源を用いた充電が必要となる場合がある。上述したように、この充電には長い時間を必要とするため、ユーザが車両を走行させる必要がない時に行なうことが好ましい。さらに、外部電源として太陽電池により発電された電力を用いる場合、日射量(気象条件)により充電に必要な時間が変動する。
【0005】
ナビゲーション装置に気象情報を表示する技術が、特開2000−258174号公報(特許文献1)に開示され、太陽電池を搭載した車両において太陽光の日射量が多い経路を案内するナビゲーション装置についての技術が、特開2000−353295号公報(特許文献2)に開示されている。
【特許文献1】特開2000−258174号公報
【特許文献2】特開2000−353295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
太陽電池を搭載していない車両の蓄電機構を太陽電池により発電された電力により充電する場合や、太陽電池を搭載している車両の蓄電機構を車両に搭載された太陽電池により発電された電力により充電する場合には、気象条件によって充電に必要とする時間(車両停止時間)が異なる。また、太陽電池により発電された電力ではない電力により充電する場合であっても、太陽電池により発電された電力ではない電力(発電所および送電設備を有する電力会社により供給された電力)により充電する場合であっても、従来の燃料補給よりも長い時間を必要とする。
【0007】
このような充電時間中には車両を停止させる必要がある(車両に搭載された太陽電池で充電しながら走行したり、蓄電機構を充電したりすることを想定していない)。すなわち、この充電時間中は、ユーザは車両を走行させることができない。逆に言うと、車両が目的地まで到達して、その目的地での所望の行動(ショッピング、食事、レクレーション等)をしている時間は、車両を走行させる必要がないとも言える。
【0008】
しかしながら、上述した特許文献を考慮しても、目的地での行動に必要な時間と充電に必要な時間との関係は不明であり、かつ、様々な充電施設が存在する場合、ユーザは適切な充電施設を選択することが困難である。特に、太陽光を用いて充電する場合には、気象条件によっても充電に必要な時間が変動するので、ユーザによる充電施設の選択判断は、ますます困難になる。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、日中に車両を使用しているユーザが、充電施設を容易に選択できるように、蓄電機構への充電情報を表示するナビゲーション装置およびその装置を備えた車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明に係るナビゲーション装置は、検出された車両の位置および記憶された地図情報を表示するための表示手段と、太陽光エネルギーにより発電された電力を用いて、車両に搭載された蓄電機構を充電する太陽電池を備えた充電施設の位置情報を記憶するための記憶手段と、充電施設についての情報を表示手段に表示するように表示手段を制御するための制御手段とを含む。
【0011】
第1の発明によると、電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車両で蓄電機構(バッテリやキャパシタ)の電力を用いて駆動された電動機により走行すると、蓄電機構に蓄えられた電力が消費されていく。このような車両に搭乗して走行している場合、充電する必要が発生すると、ナビゲーション装置の表示手段に、太陽光エネルギーにより発電された電力を用いて蓄電機構を充電する充電施設(以下、充電設備や充電ステーションと記載する場合があるが同義である)の位置情報が表示されるとともに、充電施設についての情報が表示される。充電施設についての情報としては、たとえば、太陽電池の発電量に基づく充電能力や充電時間(充電時間とは自車両の蓄電機構を所定の充電量にするまでの時間を意味する)である。このため、ユーザは、どの充電施設がどの程度の充電能力を有していることを容易に認識したり、充電に必要な時間を容易に認識したりすることができる。特に、目的地近傍(レストラン、ショッピングセンター、レジャー施設の駐車場を含む近傍)に太陽光エネルギーにより発電された電力を用いて蓄電機構を充電する充電施設が存在する場合、その充電施設での蓄電機構の充電時間と、目的地での所要時間とから、どの程度の充電をすることができるのかが容易に認識できる。その結果、日中に車両を使用中におけるユーザによる充電施設の選択判断を容易にできる蓄電機構への充電情報を表示するナビゲーション装置を提供することができる。
【0012】
第2の発明に係るナビゲーション装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、充電施設における太陽電池の発電量に基づく充電能力についての情報を、充電施設の位置に対応付けて表示手段に表示するための手段を含む。
【0013】
第2の発明によると、充電対象の車両1台あたりの太陽電池パネルが多いほど、かつ、太陽電池のエネルギー変換効率が高いほど、充電施設における充電能力が高くなる等、通常、充電施設ごとに充電能力が異なる。このため、充電能力が高い充電施設を容易に認識することができるので、ユーザは効率的に充電することができる。
【0014】
第3の発明に係るナビゲーション装置においては、第2の発明の構成に加えて、充電能力についての情報は、単位時間あたりの充電電力量、単位時間あたりの充電量の増加割合であって満充電に対する増加割合および単位時間あたりの充電電力量による走行可能距離の少なくともいずれかの情報である。
【0015】
第3の発明によると、表示手段に、各充電施設ごとの、単位時間あたりの充電電力量、単位時間あたりの充電量の増加割合であって満充電に対する増加割合(バッテリの場合にはSOC(States Of Charge)の増加割合)および単位時間あたりの充電電力量による走行可能距離の少なくともいずれかが表示される。このため、ユーザは自分の車両に適した充電施設を容易に認識することができる。
【0016】
第4の発明に係るナビゲーション装置においては、第3の発明の構成に加えて、制御手段は、気象条件により変動する太陽電池の発電量を考慮して、充電能力についての情報を表示するための手段を含む。
【0017】
第4の発明によると、太陽電池の発電量(エネルギー変換効率)は、気象条件(日照量)により異なる。このため、通信装置で受信したり、車両に備えられた日射量検出センサを用いたりして、気象条件を取得して、気象条件により変動する太陽電池の発電量を考慮して、充電能力についての情報を表示できる。このため、日中であっても季節や天候によって変動する太陽電池による発電の変動を考慮して、充電能力に着目して、ユーザは自分の車両に適した充電施設を容易に認識することができる。
【0018】
第5の発明に係るナビゲーション装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、太陽電池の発電量に基づく充電時間についての情報を、充電施設の位置に対応付けて表示手段に表示するための手段を含む。
【0019】
第5の発明によると、太陽電池の発電量に基づく充電時間についての情報を、充電施設の位置に対応付けて表示手段に表示される。このため、目的地近傍(レストラン、ショッピングセンター、レジャー施設の駐車場を含む近傍)に太陽光エネルギーにより発電された電力を用いて蓄電機構を充電する充電施設における充電時間を容易に認識できる。これを用いて、目的地での所要時間を考慮して、充電施設を選択することができる。
【0020】
第6の発明に係るナビゲーション装置においては、第5の発明の構成に加えて、制御手段は、気象条件により変動する太陽電池の発電量を考慮して、充電時間についての情報を表示するための手段を含む。
【0021】
第6の発明によると、太陽電池の発電量(エネルギー変換効率)は、気象条件(日照量)により異なる。このため、通信装置で受信したり、車両に備えられた日射量検出センサを用いたりして、気象条件を取得して、気象条件により変動する太陽電池の発電量を考慮して、充電時間についての情報が表示できる。このため、日中であっても季節や天候によって変動する太陽電池による発電の変動を考慮して、充電時間に着目して、ユーザは自分の車両に適した充電施設を容易に認識することができる。
【0022】
第7の発明に係るナビゲーション装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、車両が充電施設まで到達する間の走行による放電量を考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む。
【0023】
第7の発明によると、ナビゲーション装置で表示された充電施設の位置までユーザが運転する車両が到達するまでには、蓄電機構(バッテリやキャパシタ)の電力を用いて駆動された電動機により走行すると蓄電機構に蓄えられた電力が消費されていく。これを考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するので、実際に必要な充電時間を容易に認識することができる。
【0024】
第8の発明に係るナビゲーション装置においては、第7の発明の構成に加えて、制御手段は、車両が充電施設まで到達する間の渋滞状況をさらに考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む。
【0025】
第8の発明によると、ナビゲーション装置で表示された充電施設の位置までの道路が渋滞していると、蓄電機構からの放電状態が、非渋滞時と異なる。これを考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するので、実際に必要な充電時間を容易に認識することができる。
【0026】
第9の発明に係るナビゲーション装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、車両に搭載された太陽電池による発電量を考慮して、充電施設についての情報を表示するための手段を含む。
【0027】
第9の発明によると、車両には太陽電池が搭載されており、充電施設で充電中においては、この車両に搭載された太陽電池によって発電された電力により蓄電機構を充電できる。このため、この車両に搭載された太陽電池による充電能力を考慮して、たとえば充電時間においての情報を表示できる。このとき、充電施設ごとの能力の差異を考慮したり、充電能力についての情報に気象条件を考慮したりすることができる点は、上述の通りである。
【0028】
第10の発明に係るナビゲーション装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、車両が充電施設まで到達する間に車両に搭載された太陽電池による発電量および走行による放電量の少なくともいずれかを考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む。
【0029】
第10の発明によると、ナビゲーション装置で表示された充電施設の位置までユーザが運転する車両が到達するまでには、蓄電機構(バッテリやキャパシタ)の電力を用いて駆動された電動機により走行すると蓄電機構に蓄えられた電力が消費されていくとともに、車両に搭載された太陽電池で蓄電機構が充電される(そのまま電動機に供給されることもある)。これを考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するので、実際に必要な充電時間を容易に認識することができる。
【0030】
第11の発明に係るナビゲーション装置においては、第10の発明の構成に加えて、制御手段は、車両が充電施設まで到達する間の渋滞状況をさらに考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む。
【0031】
第11の発明によると、ナビゲーション装置で表示された充電施設の位置までの道路が渋滞していると、蓄電機構の充放電状態が、非渋滞時と異なる。これを考慮して、充電施設における充電時間についての情報を表示するので、実際に必要な充電時間を容易に認識することができる。
【0032】
第12の発明に係る車両は、第1〜11のいずれかの発明に係るナビゲーション装置を搭載した車両である。
【0033】
第12の発明によると、ナビゲーション装置の表示手段に表示された充電施設についての情報を見て、車両のユーザが充電施設の選択を容易に判断できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0035】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態においては、太陽電池を搭載していない車両に適用される場合について説明する。また、この車両は、ハイブリッド車両であっても電気自動車であっても燃料電池車であっても構わず、走行用の駆動源である電動機に電力を供給する蓄電機構(バッテリやキャパシタ)を備えた車両であって、かつ、この蓄電機構を外部電源で充電できる機能を備えていれば良い。なお、以下においては、蓄電機構は、バッテリ(二次電池)であるものとして説明する。
【0036】
図1に本実施の形態に係るナビゲーション装置を備えた車両の制御ブロック図を示す。図1に示すように、この車両には、ナビゲーション装置1000と、バッテリECU2000と、日射量検出部3000とを備える。
【0037】
ナビゲーション装置1000は、GPS(Global Positioning System)アンテナと、地図データベース1020(記録媒体を問わないで電子的に記録された地図情報)と、後述するプログラムを実行するECU(Electronic Control Unit)1030と、タッチパネル機能付きの表示装置1040とを含む。本実施の形態においては、ナビゲーション装置1000のECU1030が、ナビゲーション装置1000の表示装置1040に充電施設についての情報を表示させて、車両のユーザが充電施設の選択を容易に判断できるようにするプログラムを実行する。しかしながら、別のECUで実行されるプログラムにより、充電施設についての情報を表示させるようにしても構わない。
【0038】
GPSアンテナ1010は、公知のものであって、地球を周回する少なくとも3個のGPS衛星からの信号を受信する。ECU1030は、GPSアンテナ1010が受信した信号に基づいて、車両の位置を特定する。
【0039】
地図データベース1020は、公知のナビゲーション装置に用いられる地図情報に加えて、図2に示すような充電ステーションについての情報を格納している。
【0040】
図2に示すように、この地図データベース1020には、充電ステーションの情報として、充電ステーションの管理ID(identification)、充電ステーションの位置情報(緯度データおよび経度データ)と、充電ステーションの設備種別の情報と、充電ステーションの単位時間あたりの充電量(充電能力)についての情報とが記憶されている。
【0041】
たとえば、図2に示すように、管理IDが「0001」の充電ステーションは、電力(この電力とは発電所および送電設備を有する電力会社により供給された電力と意味する)による充電設備であって、通常充電であると(A)kWh/min(ここでは単位時間の一例として「分」を採用している)の充電能力を備え、急速充電であると(B)kWh/minの充電能力を備えていることを記憶している。
【0042】
また、管理IDが「0002」の充電ステーションは、太陽電池を備えた充電設備であって、(C)kWh/minの充電能力を備えていることを記憶している。また、管理IDが「0003」の充電ステーションのように、電力(この電力とは発電所および送電設備を有する電力会社により供給された電力と意味する)と太陽電池による電力との併用タイプの充電設備であっても構わない。なお、これらの充電能力に加えて、充電費用についての情報を記憶するようにすると、ユーザがより安価な充電ステーションの選択が容易になる点で好ましい。この場合において、充電費用が太陽電池の電力を用いた充電ステーションの方がより安価であるという情報を表示装置1040に表示できると、ユーザがその太陽電池の電力による充電ステーションを選択し、より環境に配慮できる場合が多くなると考えられる。
【0043】
ここでは、これらの充電ステーションの充電能力(単位時間あたりの充電量)よりも大きな電力を車両のバッテリが受入可能であることを前提とする。すなわち、最も大きな単位時間あたりの充電量以上の充電能力を、車両の蓄電機構であるバッテリが備えるものとする。なお、これを満たさない場合には、車両の充電能力を別途記憶しておいて、表示装置1040に表示する充電ステーションの対象としないことにすることもできる。
【0044】
ECU1030は、GPSアンテナ1010を介して受信した3個以上のGPS衛星からの信号に基づいて自車両の位置を特定して、地図データベース1020に記憶された地図情報上に基づいて表示装置1040に表示された地図上に、自車両の位置を表示する。このような表示に加えて、ECU1030は、後述するように、充電設備の情報をこの表示装置1040に表示された地図上に表示する。
【0045】
表示装置1040は、ユーザが希望する地図の縮尺を、タッチパネルで入力できるように構成される。また、充電設備である充電ステーションの電力が太陽電池による電力である場合には、日照量により発電電力が変動するので(結果的に充電能力も変動する)、表示装置1040は、リアルタイムに日射量変動に基づく補正を要求(リアルタイム日射補正要求)するか否かを入力することができるように構成される。さらに、ユーザが単に充電設備である充電ステーションの充電能力表示画面から、自車両のバッテリの空き容量から満充電や80%充電するために必要な充電時間を表示する画面への切換を要求(表示切替要求)するか否かを入力することができるように、表示装置1040は構成される。
【0046】
バッテリECU2000は、たとえばSOCを管理指標として用いて、車両に搭載された走行用バッテリの充放電を制御する。SOCは、バッテリECU2000が、バッテリの開放電圧値やバッテリへの充電電流値を積算することにより算出される。
【0047】
日射量検出部3000は、たとえば、フロンドガラスに取り付けられて、日射の度合いを検出する。なお、日射量検出部3000は、気象情報を配信するサーバ装置との間で通信して、自車両が走行中の日射量についての情報や自車両が走行予定の場所の日射量についての情報を取得するようにしても構わない。
【0048】
このような本実施の形態に係るナビゲーション装置における充電ステーションの表示制御は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECU1030に含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとしてナビゲーション装置における充電ステーションの表示制御を実現した場合を説明する。なお、このようなプログラムを記録した記録媒体についても本発明の一態様である。
【0049】
図3を参照して、本実施の形態に係るナビゲーション装置の充電ステーションを表示を制御するために、ECU1030が実行する、プログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。また、このプログラムは、ナビゲーション装置1000のの充電ステーションの表示制御処理のみを記載している。
【0050】
ステップ(以下、ステップをSと記載する)1000にて、ECU1030は、GPSアンテナを介してGPS衛星から受信したデータに基づいて自車両の現在位置を検出する。S1010にて、ECU1030は、現在位置近傍領域内の地図データを、地図データベース1020から読出す。このとき、表示が要求されている縮尺に連動させて、地図データベース1020から読み出される現在位置近傍領域内の地図データが決定される。S1010にて、ECU1030は、充電設備(充電ステーション)ととに、読み出した地図情報上に自車両の位置を表示装置1040に表示する。これにより、表示装置1040には、地図情報とともに自車両の位置、充電設備の位置、充電能力が表示される。
【0051】
S1030にて、ECU1030は、表示切替がユーザにより要求されたか否かを判断する。具体的には、表示装置1040のタッチパネルに設定された「表示切替」ボタンが押されたか否かにより判断される。なお、この表示切替は、「単位時間あたりの充電能力」の表示から、「満充電やSOC80%充電までに必要な充電時間」の表示への切替要求であると想定する。表示切替要求を検出すると(S1030にてYES)、処理はS1040へ移される。もしそうでないと(S1030にてNO)、この処理(サブルーチン)は終了する。なお、この表示切替は、「太陽電池の標準的な能力に基づく単位時間あたりの充電能力」の表示から、「現在の日照量を考慮した太陽電池の能力に基づく単位時間あたりの充電能力」の表示への切替要求であっても構わない。
【0052】
S1040にて、ECU1030は、表示されている領域内に太陽光を利用した充電設備があるか否かを判断する。このとき、図2に示した地図データベース1020に基づいて、充電設備の位置情報と設備種別に基づいて、太陽光を利用した充電設備があるか否かが判断される。表示されている領域内に太陽光を利用した充電設備があると判断されると(S1040にてYES)、処理はS1050へ移される。もしそうでないと(S1040にてNO)、処理はS1080へ移される。
【0053】
S1050にて、ECU1030は、リアルタイムでの太陽電池による発電量の変動を補正して充電能力を表示する要求(リアルタイム日射補正要求)があるか否かを判断する。このリアルタイム日射補正要求の要否は、ナビゲーション装置1000の初期設定画面で設定できるものであると想定する。
【0054】
S1060にて、ECU1030は、日射量検出部3000から入力された日射量検出信号に基づいて、自車両近傍の現在の日射量を検出する。なお、自車両の位置から(日射量が異なるほどに)離れた場所の太陽電池を利用した充電ステーションの情報を表示装置1040に表示する場合には、気象情報を配信するサーバ装置から受信した情報に基づいて、その充電ステーション近傍の日射量を検出するようにすればよい。
【0055】
S1070にて、ECU1030は、検出した日射量から太陽光利用充電設備の単位時間あたりの充電量を補正する。たとえば、図2に示す地図データベース1020の太陽電池を利用した充電ステーションの単位時間あたりの充電量(充電能力)を特定の日射量に対応付けて100%の能力として記憶しておいて、検出された日射量から発電量の低減割合を算出するようにして充電量を補正する。
【0056】
S1080にて、ECU1030は、バッテリECU2000から受信した情報に基づいて、自車両の現在のバッテリのSOCを検出する。S1090にて、ECU1030は、自車両の現在位置から各充電設備までの距離に基づいてバッテリの放電量を算出する。このとき、ECU1030は、自車両の現在位置から各充電設備までの距離(勾配や渋滞状況を考慮すると実際の放電量を精度高く算出できる点でさらによい)に基づいて、別途記憶しておいた走行データベース(たとえば、走行パターンと充放電電力量やSOCとの関係をマップ化したデータベース)に基づいて、各充電設備に到達するまでにバッテリから放電される電力量(放電量)を推定している。
【0057】
S1100にて、ECU1030は、検出された自車両の現在のSOCと、推定された各充電設備に到達するまでにバッテリから放電される電力量(放電量)とに基づいて、各充電設備に到達したときのバッテリのSOCを推定して、その推定されたSOCから満充電(この場合の満充電とはSOC100%であっても、ハイブリッド車両においていわゆる制御上限値として設定されるSOC80%であってもよいことを意味する)まで充電するために必要な時間を算出する。なお、この満充電を、どの程度のSOCに対応付けるのかは、ナビゲーション装置1000の初期設定画面で設定できるものとする。このとき、ECU1030は、不足SOC(充電されるべきSOC)から充電必要電力量を算出して、その充電必要電力量と、単位時間あたりの充電量(太陽電池を利用した充電ステーションについてはリアルタイム日射量補正されている場合がある)とを用いて演算して、満充電までの必要時間を算出する。
【0058】
S1200にて、ECU1030は、各充電ステーションの位置を表わすものとして表示されたアイコンの近傍に対応付けて、充電必要時間を地図上に表示する。
【0059】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ECU1030により制御される、本実施の形態に係るナビゲーション装置の動作について説明する。
【0060】
ナビゲーション装置1000を備えた車両が走行中に、GPS衛星から受信したデータに基づいて自車両の位置が検出されて(S1000)、地図データベース1020から縮尺に連動させて地図データが読み出されて(S1010)、充電設備(充電ステーション)の位置とともに、自車両の位置が、地図上に表示装置1040に表示される(S1020)。
【0061】
図4に、このときに表示装置1040に表示される地図の一態様を示す。図4には、図2の地図データベースの管理IDが「0001」および「0002」の充電設備がアイコンとして表示されるとともに、リアルタイム日射量補正を行なわない状態での充電能力が表示されている。また、表示装置1040の画面左下には表示切替ボタン(タッチパネル用)が表示されており、表示装置1040の画面左上にはバッテリの充電量のイメージが表示されている。
【0062】
ユーザが図4の表示切替ボタンに触れた場合であって(S1030にてYES)、現在表示装置1040に表示している地図上に太陽電池を利用した充電設備がある場合には(S1040にてYES)、リアルタイム日射補正要求の要否が判断される。このリアルタイム日射補正要求は、図4に示す画面とは別の画面においてユーザが初期値として、リアルタイム日射補正要求を必要と設定しているとする。
【0063】
太陽電池を利用した充電設備についてのリアルタイム日射補正要求が必要と設定されているので(S1050にてYES)、日射量が検出される(S1060)。標準的な(あるいは最大の)日射量に対応する発電量に対して、検出された日射量に基づく発電量に基づいて単位時間あたりの充電量が補正される(S1070)。
【0064】
現在(現在は充電設備に到達していないと想定する)のバッテリのSOCが検出され(S1080)、充電設備までの距離から充電設備に到達するまでのバッテリの放電量が、路面の勾配状況や渋滞状況を考慮して、算出される(S1090)。充電設備に到達したときのバッテリのSOCが推定されて、その推定SOCから満充電(SOC100%や80%)まで充電するための必要な充電時間が算出される(S1100)。このとき、太陽電池を利用した充電設備についてのリアルタイム日射補正要求が必要と設定されているので(S1050にてYES)、現在の日射量に基づいて、実際に太陽電池を用いた充電設備で可能な充電能力に基づいて、必要な充電時間が算出される。
【0065】
充電に必要な時間が、図5に示すように、各充電設備を示すアイコンの位置(すなわち、地図上の位置)に対応付けて表示される(S1200)。図5に示す管理IDが「0002」の太陽電池を利用した充電ステーションにおける、充電時間である「(c)時間で満充電」の情報は、リアルタイム日射量補正が考慮され、かつ、自車両の現在の位置からこの充電ステーションまでにバッテリからの放電量が考慮されている。
【0066】
以上のようにして、本実施の形態に係るナビゲーション装置によると、外出先でバッテリの充電が必要になった場合や、目的地近傍に複数の充電ステーションが存在する場合に、車両のユーザが充電ステーションを容易に選択できる。これにより、たとえば、天候に応じて発電量が変動する太陽電池を用いた充電ステーションであって、自車両がその充電ステーションに到達していない場合において、どの程度の充電時間が必要であるのかを、容易に判断できる。
【0067】
なお、表示切替ボタンに加えて/代えて、リアルタイム日射補正要求ボタンを表示するようにして、リアルタイム日射補正要求ボタンが押されると、充電時間ではなく充電能力の表示であって、太陽電池を利用した充電ステーションの充電能力については日射量補正された能力を表示するようにしても良い。
【0068】
<第2の実施の形態>
以下の実施の形態においては、太陽電池を搭載している車両に適用される場合について説明する。また、第1の実施の形態と同じく、この車両は、ハイブリッド車両であっても電気自動車であっても燃料電池車であっても構わず、走行用の駆動源である電動機に電力を供給する蓄電機構(バッテリやキャパシタ)を備えた車両であって、かつ、この蓄電機構を外部電源で充電できる機能を備えていれば良い。なお、以下においては、蓄電機構は、バッテリ(二次電池)であるものとして説明する。この車両に搭載された太陽電池は、バッテリを充電することができたり、走行用の駆動源である電動機に電力を供給できたりする。さらに、本実施の形態における車両には太陽電池が搭載されており、常に日射量を考慮して車両に搭載された太陽電池の発電によるバッテリの充電を考慮する必要があるので、第1の実施の形態におけるリアルタイム日射補正要求が必要であると、初期状態から設定されているものとする。
【0069】
図6に、前述の図1に対応する、本実施の形態に係るナビゲーション装置1100を備えた車両の制御ブロック図を示す。なお、図6に示す制御ブロック図において図1と同じ機能を備えた要素には同じ参照符号を付してある。このため、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。なお、地図データベース2020については地図データベース1020と同じハードウェア構成であって、異なるデータを記録する。データベースの異なる点については後述する。また、ECU2030についてはECU1030と同じハードウェア構成であって、異なるプログラムを実行する。プログラムの異なる点については後述する。これらの構成が異なるため、ナビゲーション装置1100として上述した第1の実施の形態のナビゲーション装置1000と区別している。
【0070】
図6に示すように、この車両には、ナビゲーション装置1000と、バッテリECU2000と、日射量検出部3000とに加えて、車両に搭載された太陽電池を制御する太陽電池ECU4000を備える。
【0071】
太陽電池ECU4000は、車両に搭載された太陽電池を制御する。たとえば、発電量や発電効率をECU2030へ送信する。
【0072】
地図データベース2020は、上述した地図データベース1020に加えて、図7に示すような、自車両に搭載された太陽電池による発電に基づくパーキングにおける充電量についての情報を格納している。
【0073】
この地図データベース2020には、太陽電池を搭載した自車両は、日中時間帯であれば、駐車している間においてもバッテリを充電することができる。このため、充電ステーションの情報として、パーキングを充電ステーションとして把握している。図7に示すように、管理ID、充電ステーションであるパーキングの位置情報(緯度データおよび経度データ)と、充電ステーションの設備種別であるパーキングとしての情報と、パーキングにおける自車両に搭載された太陽電池による単位時間あたりの充電量(充電能力)についての情報とが記憶されている。このとき、パーキングの状況によっては、100%の日射を得られない場合があるので(たとえば、ビルの谷間や人工的な光源しかない地下駐車場)、日射量の割合を百分率で記憶している。なお、地下駐車場は管理対象から除外することも可能である。
【0074】
たとえば、図7に示す、管理IDが「1003」の充電ステーションは、日当たりのよい(日射量の割合100%)のパーキングであって、この車両に搭載された太陽電池によると、(D)kWh/minの充電能力がある充電ステーションとして管理される。
【0075】
また、管理IDが「1004」の充電ステーションは、ビルの谷間であるものの日当たりがややよい(日射量の割合80%)のパーキングであって、この車両に搭載された太陽電池によると、(E)kWh/minの充電能力がある充電ステーションとして管理される。なお、これらの充電能力に加えて、駐車費用についての情報を記憶するようにすると、ユーザがより安価なパーキングであって充電能力の優れたパーキングの選択が容易になる点で好ましい。
【0076】
図8を参照して、本実施の形態に係るナビゲーション装置の充電ステーションを表示を制御するために、ECU2030が実行する、プログラムの制御構造について説明する。なお、図8のフローチャートの中で上述した図3と同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらの処理についての説明は、ここでは繰り返さない。
【0077】
S2000にて、ECU2030は、表示されている領域内に、パーキングを含む太陽光を利用した充電設備があるか否かを判断する。このとき、図6に示した地図データベース2020に基づいて、充電設備の位置情報と設備種別に基づいて、パーキングを含む太陽光を利用した充電設備があるか否か判断される。表示されている領域内にパーキングを含む太陽光を利用した充電設備があると判断されると(S2000にてYES)、処理はS1060へ移される。もしそうでないと(S2000にてNO)、処理はS1080へ移される。
【0078】
S2010にて、ECU2030は、検出した日射量から、パーキングを含む太陽光利用充電設備の単位時間あたりの充電量を補正する。たとえば、図7に示す地図データベース2020の車載太陽電池を利用した充電ステーション(パーキング)の単位時間あたりの充電量(充電能力)を特定の日射量に対応付けて100%の能力として記憶しておいて、検出された日射量から発電量の低減割合を算出するようにして充電量を補正する。この場合において、そもそも車載太陽電池の80%でしか発電できないパーキングを充電設備として管理している管理IDが「1004」の場合、日射量が60%しかない場合には、80%の60%である48%の発電能力しか有しないことになる。
【0079】
S2020にて、ECU2030は、自車両の現在位置から各充電設備までの距離に基づいて、かつ、渋滞状況を考慮して、バッテリの充放電量を算出する。このとき、ECU2030は、自車両の現在位置から各充電設備までの距離(路面の勾配状況や渋滞状況を考慮すると実際の放電量を精度高く算出できる点でさらによい)に基づいて、別途記憶しておいた走行データベース(たとえば、走行パターンと充放電電力量やSOCとの関係をマップ化したデータベース)に基づいて、各充電設備に到達するまでにバッテリから放電される電力量(放電量)を推定することに加えて、その走行中における車載太陽電池による発電量を算出している。これにより、検出された自車両の現在のSOC(充電設備であるパーキング到達前)と、推定された各充電設備に到達するまでにバッテリから放電される放電量と車載太陽電池により充電される充電量とに基づいて、各充電設備に到達したときのバッテリのSOCを推定して、その推定されたSOCから満充電するまでの充電時間を算出できる。
【0080】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、ECU2030により制御される、本実施の形態に係るナビゲーション装置の動作について説明する。
【0081】
太陽電池およびナビゲーション装置1000を備えた車両が走行中に、GPS衛星から受信したデータに基づいて自車両の位置が検出されて(S1000)、地図データベース1020から縮尺に連動させて地図データが読み出されて(S1010)、パーキングを含む充電設備(充電ステーション)の位置とともに、自車両の位置が、地図上に表示装置1040に表示される(S1020)。
【0082】
図9に、このときに表示装置1040に表示される地図の一態様を示す。図9には、図7の地図データベースの管理IDが「0001」および「0002」の充電設備がアイコンとして表示されるとともに、管理IDが「1003」および「1004」の充電設備がアイコンとして表示されている。なお、屋外パーキングが管理IDが「1003」の充電量に対応し、コンビニエンスストアのパーキングが管理ID「1004」の充電量に対応している。また、表示装置1040の画面左下には表示切替ボタン(タッチパネル用)が表示されており、表示装置1040の画面左上にはバッテリの充電量のイメージが表示されている。
【0083】
ユーザが図9の表示切替ボタンに触れた場合であって(S1030にてYES)、現在表示装置1040に表示している地図上にパーキングを含む太陽電池を利用した充電設備がある場合には(S2000にてYES)、日射量が検出される(S1060)。標準的な(あるいは最大の)日射量に対応する発電量に対して、検出された日射量に基づく発電量に基づいて単位時間あたりの充電量が補正される(S1070)。
【0084】
現在(現在は充電設備に到達していないと想定する)のバッテリのSOCが検出され(S1080)、充電設備までの距離および渋滞状況を考慮して、充電設備に到達するまでのバッテリの放電量および車載太陽電池による充電量(リアルタイム日射補正されている)が算出される(S2020)。充電設備に到達したときのバッテリのSOCが推定されて、その推定SOCから満充電(SOC100%や80%)まで充電するための必要な充電時間が算出される(S1100)。このとき、太陽電池を利用した充電設備についてのリアルタイム日射量補正されているので、現在の日射量に基づいて、実際に太陽電池を用いた充電設備(パーキングでの車載太陽電池での充電を含む)で可能な充電能力に基づいて、必要な充電時間が算出される。
【0085】
充電に必要な時間が、図10に示すように、各充電設備を示すアイコンの位置(すなわち、地図上の位置)に対応付けて表示される(S1200)。
【0086】
図10に示すように、管理IDが「0001」の充電ステーションは、電力(この電力とは発電所および送電設備を有する電力会社により供給された電力と意味する)による充電設備であって、かつ、この車両には太陽電池が搭載されている。このため、車両に搭載された太陽電池による充電量が加算されて、通常充電時間および急速充電時間が表示されることになる(太陽電池非搭載車両よりも充電時間が短く表示される)。
【0087】
また、図10に示すように、管理IDが「0002」の充電ステーションは、充電設備に備えられた太陽電池による充電設備であって、かつ、この車両には太陽電池が搭載されている。このため、車両に搭載された太陽電池による充電量が加算されて、充電時間が表示されることになる(太陽電池非搭載車両よりも充電時間が短く表示される)。
【0088】
さらに、図10に示すように、管理IDが「1003」や「1004」のパーキングは、車載太陽電池により満充電されるまでに必要な充電時間が表示されることになる。このとき、リアルタイム日射量補正が行なわれているので、パーキングの場所に基づく日射量による発電量に加えて、そのときの天候に基づく日射の状態が考慮されて、車載太陽電池による充電時間が表示される。
【0089】
本実施の形態においても、いずれの充電設備(パーキングを含む)の充電時間についての情報は、リアルタイム日射量補正が考慮され、かつ、自車両の現在の位置からこの充電ステーションまでにバッテリからの放電量および車載太陽電池による充電量(リアルタイム日射補正されている)が考慮されている。
【0090】
以上のようにして、本実施の形態に係るナビゲーション装置によると、太陽電池を搭載した車両において、外出先でバッテリの充電が必要になった場合や、目的地近傍に充電ステーションや、パーキングがある場合に、車両のユーザがパーキングを含む充電ステーションを容易に選択できる。これにより、たとえば、天候に応じて発電量が変動する太陽電池を用いた充電ステーションであって、自車両がその充電ステーションに到達していない場合において、どの程度の充電時間が必要であるのかを、車載太陽電池による充電量を考慮して、容易に判断できる。
【0091】
なお、上述した第1の実施の形態においても第2の実施の形態においても、単位時間あたりの充電電力量(充電能力)ではなく、あるいは、充電能力に加えて、単位時間あたりの充電電力量によりこの車両が走行可能な距離についての情報を表示するようにしても構わない。
【0092】
さらに、上述した第1の実施の形態においても第2の実施の形態における、一部の制御のみを考慮(路面勾配のみを考慮、渋滞状況のみを考慮、リアルタイム日射補正のみを考慮等)する制御態様であっても構わない。
【0093】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るナビゲーション装置を備えた車両の制御ブロック図である。
【図2】図1の地図データベースに記憶される充電ステーションの情報の一例を示す図である。
【図3】図1のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図4】図4のフローチャートが実行された場合の表示装置に表示される画面の一例を示す図(その1)である。
【図5】図4のフローチャートが実行された場合の表示装置に表示される画面の一例を示す図(その2)である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るナビゲーション装置を備えた車両の制御ブロック図である。
【図7】図6の地図データベースに記憶される充電ステーションの情報の一例を示す図である。
【図8】図6のECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートが実行された場合の表示装置に表示される画面の一例を示す図(その1)である。
【図10】図8のフローチャートが実行された場合の表示装置に表示される画面の一例を示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0095】
1000 ナビゲーション装置、1010 GPSアンテナ、1020 地図データベース、1030 ECU、1040 表示装置、2000 バッテリECU、3000 日射量検出部、4000 太陽電池ECU。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出された車両の位置および記憶された地図情報を表示するための表示手段と、
太陽光エネルギーにより発電された電力を用いて、前記車両に搭載された蓄電機構を充電する太陽電池を備えた充電施設の位置情報を記憶するための記憶手段と、
前記充電施設についての情報を前記表示手段に表示するように前記表示手段を制御するための制御手段とを含む、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記充電施設における前記太陽電池の発電量に基づく充電能力についての情報を、前記充電施設の位置に対応付けて前記表示手段に表示するための手段を含む、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記充電能力についての情報は、単位時間あたりの充電電力量、単位時間あたりの充電量の増加割合であって満充電に対する増加割合および単位時間あたりの充電電力量による走行可能距離の少なくともいずれかの情報である、請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、気象条件により変動する前記太陽電池の発電量を考慮して、充電能力についての情報を表示するための手段を含む、請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記太陽電池の発電量に基づく充電時間についての情報を、前記充電施設の位置に対応付けて前記表示手段に表示するための手段を含む、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、気象条件により変動する前記太陽電池の発電量を考慮して、充電時間についての情報を表示するための手段を含む、請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記車両が前記充電施設まで到達する間の走行による放電量を考慮して、前記充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記車両が前記充電施設まで到達する間の渋滞状況をさらに考慮して、前記充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む、請求項7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記車両には太陽電池が搭載され、
前記制御手段は、前記車両に搭載された太陽電池による発電量を考慮して、充電施設についての情報を表示するための手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記車両には太陽電池が搭載され、
前記制御手段は、前記車両が前記充電施設まで到達する間に前記車両に搭載された太陽電池による発電量および走行による放電量の少なくともいずれかを考慮して、前記充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記車両が前記充電施設まで到達する間の渋滞状況をさらに考慮して、前記充電施設における充電時間についての情報を表示するための手段を含む、請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載のナビゲーション装置を搭載した車両。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−30993(P2009−30993A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192185(P2007−192185)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】