説明

光モジュール及び光モジュールの作製方法

【課題】2つの光デバイスの端面間の距離を高精度に測定して光接続した光モジュール及びその作製方法を提供する。
【解決手段】光モジュール100は、第1PLC110と第2PLC120の2つのPLCを接続して構成されている。そして、第1PLC110および第2PLC120を跨いでMZI回路101が形成されている。MZI回路101は、一部が第2PLC120に形成され、他の部分が第1PLC110に形成されている。MZI回路101を端面距離測定用光回路として用い、これにより端面間距離Dを高精度に測定することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの光デバイスを接続して構成される光モジュール及びその作製方法に関し、特に光デバイス間の距離を高精度に位置合わせして接続された光モジュール及びその作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信の高度化に伴って、これに用いられる光デバイスの高機能化が進められている。光デバイスには、信号光を受発光するような光能動部品や、信号光を分波/合波するような光受動部品等があり、これらの光デバイスには他の光デバイスまたは光ファイバ等と光学的に接続するための導波路が形成されている。光能動部品は、半導体レーザや半導体フォトダイオードといった半導体材料をベースとして形成されており、導波路として半導体導波路が形成されている。一方、光受動部品としては、シリカ系材料(SiO)等をベースとした導波路を有する平面光波回路(PLC;Planar Lightwave Circuit)が製品化されている。
【0003】
上記の各光デバイスは、それぞれが単体で用いられるだけでなく、2以上の光デバイスを組み合せてより高機能化された光モジュールの開発も進められている(たとえば、特許文献1、2)。光モジュールを作製するためには、光接続する2つの光デバイス間でそれぞれの導波路を高精度に位置合わせして光学的に接続する必要がある。具体的には、光接続する導波路の入出力端を有する端面同士を対向させ、たとえば一方の光デバイスの導波路から他方の光デバイスの導波路に所定の光を入射させ、他方の光デバイスの導波路に入射される光強度が最大となるように、端面に平行な方向の位置合わせを行うことができる。
【0004】
また、対向する端面間の距離が所定の大きさとなるように位置合わせするために、図12に示すような方法が用いられている。この方法では、まずはじめに2つの光デバイス901、902の端面同士を押し当てて端面間の距離がゼロとなる状態にする(図12(a))。次に、この状態から、たとえば接触感知機能の付いたステッピングモータで駆動する高精度自動ステージを用いて、いずれか一方の光デバイスを所定の距離だけ移動させることにより両者の対向する端面間を所定の距離に合わせることができる(図12(b))。
【0005】
端面間の距離を位置合わせする別の方法として、図13に示すような方法も用いられている。図13に示す方法は、十分に倍率の高い顕微鏡903を光接続する光デバイス901、902の上部に配置し、これを用いて対向する端面間の距離を測定しながら位置合わせを行うものである。
【特許文献1】特開平10−227936号公報
【特許文献2】特開2002−31731号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図12に示した従来の方法では、端面同士を押し当てたとき各導波路に荷重をかけることになる。比較的強度の高いシリカ系PLC同士を光接続する場合には、その荷重によって導波路が破損するといったおそれは低い。しかし、いずれか一方の光デバイスが、たとえばInP系半導体導波路のように強度の低い光デバイスの場合には、端面同士を押し当てたときにその荷重で半導体導波路を破損してしまうおそれがあった。シリカ系PLCは厚さが1mm程度あるのに対し、半導体導波路は厚さが0.1〜0.2mm程度と薄いため、シリカ系PLCに比べて強度が低い。そのため、半導体導波路をシリカ系PLCに押し当てたときに、半導体導波路が破損する恐れがあった。
【0007】
また、図13に示した従来の顕微鏡を用いる方法では、2つの光デバイスを押し当てる必要がないため、半導体導波路を損傷するといった問題はなくなる。しかし、上面から導波路までの高さが異なる2つの光デバイスを光接続する場合には(図13(b))、導波路の高さを一致させたときにそれぞれの上面の高さが異なってしまう。そのため、両者に同時に焦点を合わせることはできず、顕微鏡を用いて端面間の距離を高精度に測定することができないといった問題があった。
【0008】
また、2つの光デバイス間で屈折率が異なっている場合には、一方の光デバイスから出射した光が他方の光デバイスの端面で反射してもとの光デバイスの導波路に再び入射して逆方向に伝搬してしまうおそれがある。これを防止するために、他方の光デバイスの端面を斜めに切断する方法が取られる。端面を斜めに切断する方法として、導波路の上面側が前方に突き出すように切断された場合には(図13(c))、一方の光デバイスの端面が前方に突き出した上面の下に隠れて見えなくなってしまう。その結果、顕微鏡を用いて端面間の距離を高精度に測定することができなくなるといった問題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、2以上の光デバイスの端面間の距離を高精度に測定して光接続した光モジュール及びその作製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の光モジュールの第1の態様は、2つの光デバイスを対向するそれぞれの接続端面で光学的に接続して構成された光モジュールであって、第1の光デバイスが、一の接続端面と、2つの方向性結合器と、両端が前記2つの方向性結合器のそれぞれに接続された第1導波路と、前記2つの方向性結合器のそれぞれと前記一の接続端面との間に形成された第1分割導波路及び第2分割導波路と、を備え、第2の光デバイスが、他の接続端面と、両端が前記他の接続端面に形成された第3分割導波路を備え、前記一の接続端面と前記他の接続端面とが所定距離だけ離して配置され、前記第1分割導波路と前記第3分割導波路との間、及び前記第2分割導波路と前記第3分割導波路との間、がそれぞれ光学的に接続されて第2導波路を形成し、前記第1導波路、前記第2導波路および前記2つの方向性結合器が端面距離測定用光回路を形成していることを特徴とする。
【0011】
この態様によれば、接続端面が対向する2つの光デバイスを跨って端面距離測定用光回路を形成することにより、端面距離測定用光回路を用いて端面間の距離を高精度に測定して光接続した光モジュールを提供することができる。
【0012】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記第1導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も近い距離にある端子間に接続され、前記第2導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も遠い距離にある端子間に接続されていることを特徴とする。この態様によれば、第1導波路と第2導波路とが第1の光デバイス上で重なることがないように形成することが可能となる。
【0013】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記第1導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も遠い距離にある端子間に接続され、前記第2導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も近い距離にある端子間に接続され、前記第1導波路と前記第2導波路とが、モード結合が生じないように重ねて配置されていることを特徴とする。この態様によれば、第2の光デバイス上の第3分割導波路の曲率半径を小さくすることが可能となり、端面距離測定用光回路の寸法を小さくして光損失を低減することが可能となる。
【0014】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記端面距離測定用光回路は、前記接続端面の長手方向のいずれか一端側に配置されていることを特徴とする。端面距離測定用光回路と別の光回路とが重ならないように配置することで、それぞれの導波路が相互に干渉するのを容易に防止することができる。
【0015】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記端面距離測定用光回路は、前記2つの光デバイス上に形成されている別の光回路とモード結合が生じないように重ねて配置されていることを特徴とする。導波路間でモード結合が生じないように配置することで、端面距離測定用光回路と別の光回路の導波路とを重ねて配置することが可能となり、端面距離測定用光回路の配置の自由度を高めることができる。
【0016】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記第1分割導波路及び前記2つの方向性結合器の一方と、前記第2分割導波路及び前記方向性結合器の他方とが前記第1の光デバイスの接続端面の長手方向の両端にそれぞれ配置されていることを特徴とする。この態様によれば、端面距離測定用光回路と別の光回路とが重なる範囲を限定することで、別の光回路の導波路レイアウトの自由度を高めることが可能となる。
【0017】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記端面距離測定用光回路は、前記接続端面の両端側にそれぞれ1つずつ配置されていることを特徴とする。この態様によれば、2つの端面距離測定用光回路を接続端面の両端側に配置することにより、それぞれで左右の端面間距離を測定することが可能となり、接続端面間を高精度に平行に配置することができる。
【0018】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記第1導波路及び前記第2導波路のいずれか一方が前記2つの方向性結合器の一方に設けられた入射用端子と他方に設けられた出射用端子との間に接続され、前記第1導波路及び前記第2導波路の他方が前記2つの方向性結合器のそれぞれの終端間に接続されており、前記第1導波路、前記第1分割導波路、前記第2分割導波路、および前記第3分割導波路のそれぞれの長さは、前記端面間距離が所定の大きさの時に前記入射用端子から前記出射用端子までの光路長と前記2つの終端間の光路長とが等しくなるように決定されていることを特徴とする。端面間距離が所定の大きさのときに第1導波路を経由する光路長と第2導波路を経由する光路長とが等しくなるようにすることで、端面間距離を所定の大きさに調整するのが容易となる。
【0019】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記端面距離測定用光回路は、マッハツェンダ−干渉計(MZI)回路を形成していることを特徴とする。MZI回路を形成することで、第1導波路と第2導波路の光路差を容易に測定することが可能となる。
【0020】
本発明の光モジュールの他の態様は、前記2つの光デバイスの少なくとも一方は、シリコン基板上に導波路が形成された平面光波回路(PLC)であることを特徴とする。本発明の光モジュールは、PLCを用いた光モジュールに適用することが可能である。
【0021】
本発明の光モジュール他の態様は、前記2の光デバイスの少なくとも一方は、半導体導波路を有することを特徴とする。本発明の光モジュールは、半導体チップを用いた光モジュールに適用することが可能である。
【0022】
本発明の光モジュールの作製方法の第1の態様は、一の接続端面と、2つの方向性結合器と、両端が前記2つの方向性結合器のそれぞれに接続された第1導波路と、前記2つの方向性結合器のそれぞれと前記一の接続端面との間に形成された第1分割導波路及び第2分割導波路とを備えた第1の光デバイスと、他の接続端面と、両端が前記他の接続端面に形成された第3分割導波路を備えた第2の光デバイスとを、前記一の接続端面と前記他の接続端面とを対向させて光学的に接続する光モジュールの作製方法であって、前記第1分割導波路と前記第3分割導波路との間、及び前記第2分割導波路と前記第3分割導波路との間、をそれぞれ光学的に接続させて第2導波路を形成し、前記第1導波路、前記第2導波路及び前記2つの方向性結合器で端面距離測定用光回路を形成し、前記第1導波路及び前記第2導波路のいずれか一方が前記2つの方向性結合器の一方に設けられた入射用端子と他方に設けられた出射用端子との間に接続され、前記第1導波路及び前記第2導波路の他方が前記2つの方向性結合器のそれぞれの終端間に接続されており、前記入射用端子から所定の入射光を入射させて前記出射用端子から出射される出射光を所定の測定手段で測定し、前記測定手段による測定結果に基づいて前記一の接続端面と前記他の接続端面との端面間距離が所定の大きさとなるように位置合わせすることを特徴とする。
【0023】
この態様によれば、2つの光デバイスに跨って形成された端面距離測定用光回路に所定の光を入射させてその出射光を測定し、その測定結果に基づいて端面間距離を決定することで、端面間距離を所定の大きさに高精度に位置合わせすることが可能となる。
【0024】
本発明の光モジュールの作製方法の他の態様は、前記入射光として所定波長の連続光を用い、前記測定手段として自由スペクトル領域(FSR)を測定可能な光スペクトラム・アナライザ(OSA)を用い、前記端面間距離が所定の大きさとなるときの前記FSRの目標値を事前に決定し、前記OSAで測定された前記FSRの値が前記目標値に一致するように前記端面間距離を調整することを特徴とする。OSAを用いてFSRを容易に測定することができ、FSRが所定の値になるように調整することで端面間距離を所定の大きさに調整することができる。
【0025】
本発明の光モジュールの作製方法の他の態様は、前記端面間距離が所定の大きさの時に前記入射用端子から前記出射用端子までの光路長と前記2つの終端間の光路長とが等しくなるように、前記第1導波路、前記第1分割導波路、前記第2分割導波路、および前記第3分割導波路のそれぞれの長さを決定し、前記入射光として所定波長のパルス光を用い、前記測定手段としてSHG光を発生させてその出力を測定する出力装置を用い、前記SHG光の出力が最大となるように前記端面間距離を調整することを特徴とする。この態様によれば、SHG光が最大出力となるように調整することで、端面間距離を所定の大きさに調整することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、光接続する2以上の光デバイス上に端面距離測定用光回路を形成することにより、端面間の距離を高精度に測定して光接続した光モジュール及びその作製方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(第1の実施形態)
本発明の好ましい実施の形態における光モジュール及び光モジュールの作製方法について、図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0028】
2つ以上の光デバイスをそれぞれの対向する端面で接続して光モジュールを作製する場合、接続端面間の距離(以下では端面間距離という)を高精度に測定して位置合わせする必要がある。本発明の光モジュールは、端面間距離を高精度に測定するために、接続する2つの光デバイスを跨いでマッハツェンダ−干渉計(MZI)回路が形成される構成としている。本発明の光モジュールの作製方法では、このMZI回路の一端から所定の光を入力し、他端から出力される光を測定するといった光学的な方法を用いており、光デバイス間の距離に応じて変化するMZI回路の位相変化量を読み取って距離を測定している。このような光学的な測定方法を用いることで、接続端面間の距離を高精度に測定することが可能となっている。
【0029】
以下では、本発明の2つの光デバイスからなる光モジュールについて説明する。また、光デバイスとしてPLCを用いた場合を例に説明するが、PLCに限らずたとえば半導体導波路を用いる場合にも適用できる。また、PLCを構成する材料としては、シリカ(SiO)系に限らず、LiNbO、Si、InP等を用いることもできる。
【0030】
本発明の第1の実施の形態に係る光モジュールおよびその作製方法を、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の光モジュール100の基本構造を示す概略構成図である。光モジュール100は、第1PLC110と第2PLC120の2つのPLCを接続して構成されている。そして、第1PLC110および第2PLC120を跨いでMZI回路101が形成されている。第1PLC110および第2PLC120には、MZI回路101以外に所定の機能を有する本来の回路が形成されているが、ここでは簡単のためMZI回路101のみを示している。
【0031】
MZI回路101は、一部が第2PLC120に形成され、他の部分が第1PLC110に形成されている。第1PLC110には、導波路として第1導波路102、第1分割導波路103a、および第2分割導波路103bが形成されており、第2PLC120には第3分割導波路103cが形成されている。第1導波路102は、2つの方向性結合器111、112の間で最も近い距離にある端子111bと112aとの間に接続され、第1分割導波路103aと第2分割導波路103bが、方向性結合器111、112の間で最も遠い距離にある端子111aと112bにそれぞれ接続されている。
【0032】
方向性結合器111では、端子111a、111bがそれぞれ入射用端子111c、終端111dに接続され、方向性結合器112では、端子112a、112bがそれぞれ終端112c、出射用端子112dに接続されている。これより、第1導波路102の長さを、第1PLC110内の方向性結合器111の終端111dから方向性結合器112の終端112cまでの長さとする。また、第1分割導波路103aおよび第2分割導波路103bのそれぞれの長さを、それぞれ方向性結合器111の入射用端子111cおよび方向性結合器112の出射用端子112dから接続端面110aまでの長さとする。
【0033】
本実施形態の光モジュール100は、第1PLC110の接続端面110aと第2PLC120の接続端面120aとを対向させ、所定の距離Dを空けて接続されている。第1分割導波路103aの接続端面110a側の端部と第3分割導波路103cの一端とが距離Dをおいて接続され、第2分割導波路103bの接続端面110a側の端部と第3分割導波路103cの他端とが距離Dをおいて接続されている。これにより、第1分割導波路103aと第3分割導波路103cと第2分割導波路103bとが光学的に接続されて第2導波路103を形成している。
【0034】
第2導波路103は、第1PLC110と第2PLC120の両方に跨って形成されており、第1PLC110側のみに形成されている第1導波路102および方向性結合器111、112とともにMZI回路101を形成している。第1導波路102が第1PLC110側のみに形成されているためその長さが一定であるのに対し、第2導波路103は第1PLC110及び第2PLC120に形成されている導波路に加えて接続端面110aと120aとの間の空間も含むため、その長さは接続端面110aと120aとの間の端面間距離Dによって変化する。そこで、MZI回路101を端面距離測定用光回路として用い、これにより端面間距離Dを測定することが可能となる。
【0035】
本実施形態の光モジュールの作製方法では、MZI回路101を用いて端面間距離Dを測定することによって、端面間距離Dを所定の大きさに設定している。なお、第1PLC110と第2PLC120との接続では、距離Dだけでなく端面110a(および120a)に平行な方向(PLC110、120の幅方向および厚さ方向)の位置合わせも必要であるが、これは、第1PLC110と第2PLC120との間で接続された第2導波路103を導光する光強度が最大となるように調整することで行うことができる。
【0036】
入射用端子111cから所定の光をMZI回路101に入射すると、入射光が方向性結合器111で第1導波路102と第2導波路103とに分岐され、それぞれを導光した光が方向性結合器112で合波されて出射用端子112dから出射される。第1導波路102を導光する光と第2導波路103を導光する光との間には、第1導波路102と第2導波路103との距離差に応じた位相差が生じており、これにより出射用端子112dからは位相差に応じた干渉光が出射される。これを測定することにより、両者の距離差を知ることができる。
【0037】
上記のように測定された距離差は、第1分割導波路103a、第2分割導波路103bおよび第3分割導波路103cの長さを加算したものから第1導波路102の長さを減算したものに、さらに端面間距離Dの2倍を加算したものに等しい。端面間距離D以外の長さは既知であることから、測定された距離差から距離Dを求めることができる。
【0038】
以下では、端面間距離Dの算出方法を、図2を用いて説明する。図2は、距離Dを測定するために、本実施形態の光モジュール100に光源130及び測定装置140を接続した状態を示す概略構成図である。ここでは、光源130から波長λの連続光が出射されるものとする。また、測定装置140として光スペクトラム・アナライザ(Optical Spectrum Analyzer;OSA)を用いるものとする。
【0039】
第1PLC110に形成される導波路102、103a、103bの屈折率をn、第2PLC120に形成される導波路103cの屈折率をn、および端面110aと120aとの間の屈折率をnとするとき、第1導波路102および第2導波路103のそれぞれの光路長(それぞれS、Sとする)は次式で与えられる。
【数1】

ここで、Lは第1導波路102の長さ、L21は第1分割導波路103aおよび第2分割導波路103bの合計長さ、L22は第3分割導波路103cの長さである。
【0040】
式(1)、(2)より、第1導波路102および第2導波路103のそれぞれで生じる位相変化量(それぞれΔφ、Δφとする)は次式で与えられる。
【数2】

ここで、kは真空中の伝搬定数を示す(k=2π/λ)。
【0041】
第2導波路103および第1導波路102に、仮に電界振幅Ain、Binの入射光がそれぞれ入射され、電界振幅Aout、Boutの出射光がそれぞれから出射されるとすると、入射光と出射光との間にはMZI回路101の伝達関数を用いて次式が成り立つ。
【数3】

【0042】
本実施形態では、第2導波路103側の入射用端子111cのみに光を入射し、第1導波路102には光を入射しない。そこで、式(5)においてBin=0とすることにより、光出射部114から出射される光の出力光強度Pは次式で与えられる。
【数4】

ここで、光路長差S=S−Sとしている。
【0043】
式(6)に示す出力光強度Pは、図3に示すような変化を示す。ここで、横軸を(π/λ)Sとし、縦軸を出力光強度Pとしている。光路長差のあるMZIの出力光強度は、図3に示すように、波長の逆数に対して周期的な依存性を持っている。ここで、出力光強度がピークとなる基準波長をλとすると、(π/λ)S=Nπより基準波長λは次式で表される。
【数5】

【0044】
これより、基準波長λを中心とする1周期内の波長領域である自由スペクトル領域(Free Spectrum Range;FSR)は、隣接するピーク波長との間隔から求めることができ、次式で与えられる。
【数6】

【0045】
上記の式(8)は、OSA140による測定結果から求まるFSRと、2つのPLC110、120の間隔である端面間距離Dとの関係を近似的に示している。端面間距離Dに対するFSRの測定結果の一例を図4に示す。同図において、各測定点11は、実際の端面間距離DとOSA140の測定結果から求めたFSRとの関係を示しており、曲線10は、式(8)の関係を示している。これより、式(8)を用いてFSRから端面間距離Dを高精度に推定できることがわかる。
【0046】
そこで、端面間距離Dの目標値をDとしたとき、図4に示すように端面間距離Dに対応する目標のFSR(これをFSRとする)を式(8)からあらかじめ求めておき、OSA140による測定から得られるFSRがFSRに一致するように端面間距離Dを調整することができる。
【0047】
端面間距離Dを算出するための別の測定方法を、図5を用いて以下に説明する。図5は、端面間距離Dを測定するために本実施形態の光モジュール100にパルス光源150及び測定装置160を接続した状態を示す概略構成図である。ここでは、パルス光源150から波長λのパルス光が出射されるものとする。また、測定装置160は、SHG(Second-Harmonic Generation)導波路161、SPF(Short Pass Filter)162、PD(Photodiode)163、および出力装置(オシロスコープまたはデジタルボルトメータ)164を備えている。
【0048】
SHG導波路161はSHG結晶を有しており、これに光モジュール100から位相差(時間差)を有する2つのパルス光を集光させてSHG光を発生させる。すなわち、図5はSHGオートコリレーションを構成している。SHG導波路161から出射されるSHG光は、パルス光源150から出射されるパルス光の波長λの1/2の波長(以下ではλとする)を有しており、第1導波路102の光路長S1と第2導波路103の光路長S2との差Sに応じてSHG光の出力が変化する。
【0049】
SHG導波路161から出力されるSHG光は、SPF162を通過してPD163に伝送され、ここで電気信号に変換される。PD163から出力される電気信号は、出力装置164に伝送されて所定の形式で表示される。出力装置164に出力される測定結果の一例を図6に示す。図6は、光路長S1とS2との差Sに対するSHG光出力の変化の一例を示している。
【0050】
図6に示すように、SHG光の出力は、第1導波路102の光路長S1と第2導波路103の光路長S2とが等しくなるときに最大になるといった特性がある。そこで、本実施例の測定方法では、端面間距離Dが目標の大きさの時に光路長S1とS2とが等しくなるように第1導波路102と第2導波路103の長さを形成しておく。これにより、SHG光の出力が最大となるように端面間距離Dを調整することで、端面間距離Dを目標の大きさに設定することが可能となる。
【0051】
上記の通り、本実施形態の光モジュール及び光モジュールの作製方法によれば、光接続する2以上の光デバイス上に端面距離測定用光回路としてMZI回路を形成し、これを用いて端面間距離を高精度に測定することが可能となる。端面間距離を高精度に測定可能とすることにより、接続端面間を高精度に位置合わせした光モジュールを提供することができる。
【0052】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施の形態に係る光モジュールを、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態の光モジュール200の基本構造を示す概略構成図である。本実施形態の光モジュール200は、PLC210と220とを接合して構成されており、第1の実施形態と同様に、端面距離測定用光回路として両方のPLCに跨ってMZI回路201が形成されている。
【0053】
本実施形態の光モジュール200では、MZI回路201に加えて、PLC210、220にそれぞれの所定の機能を有する第1回路211および第2回路221が形成されている。第1回路211および第2回路221として、たとえばAWG、スプリッタ等の光学回路が形成される。第1回路211と第2回路221は、所定の端面間距離Dだけ離して接続されることで、それぞれが好適に機能するように構成されている。
【0054】
本実施形態の光モジュール200は、端面間距離Dを測定するためのMZI回路201を、第1回路211および第2回路221とは重ならないようにPLC210および220の左端に配置している。あるいは、第1回路211および第2回路221とは重ならない右端に配置してもよい。このように、MZI回路201を第1回路211および第2回路221と重ならないように配置することで、それぞれの導波路が相互に干渉するおそれがないことから、それぞれの回路設計を独立して行うことができる。
【0055】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施の形態に係る光モジュールを、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の光モジュール300の基本構造を示す概略構成図である。本実施形態の光モジュール300は、PLC310と320とを接合して構成されており、第1の実施形態と同様に、端面距離測定用光回路として両方のPLCに跨ってMZI回路301が形成されている。
【0056】
本実施形態の光モジュール300では、PLC310、320にそれぞれ形成されている第1回路311および/あるいは第2回路321とMZI回路301とが重なる位置に配置されている。本実施形態でも、第1回路311と第2回路321とが所定の端面間距離Dだけ離して接続されることで、それぞれが好適に機能するように構成されている。好適な端面間距離DでPLC310と320とが接続されるように、MZI回路301を用いて高精度に測定して位置合わせを行っている。
【0057】
本実施形態では、第1回路311および第2回路321とMZI回路301とが重なる位置に配置されていることから、それぞれの導波路間でモード結合が生じないような配置を行っている。第1回路311の導波路あるいは第2回路321の導波路とMZI回路301の導波路との間でモード結合が生じないように重ねる方法として、たとえば両者の導波路をできるだけ直交させて配置するのがよい。
【0058】
上記のように、MZI回路301を第1回路311あるいは第2回路221と重ねて配置可能とすることにより、MZI回路301の配置位置に対する自由度を高めることが可能となる。すなわち、MZI回路301をPLC310、320の左右端に限らず中央部付近に配置することも可能とすることで、端面間距離Dを測定する位置をより自由に選択することができる。
【0059】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施の形態に係る光モジュールを、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態の光モジュール400の基本構造を示す概略構成図である。本実施形態の光モジュール400は、PLC410と420とを接合して構成されており、第1の実施形態と同様に、端面距離測定用光回路として両方のPLCに跨ってMZI回路401が形成されている。
【0060】
本実施形態の光モジュール400では、MZI回路401の一部のみがPLC410、420にそれぞれ形成されている第1回路415および第2回路425と重なる位置に配置され、MZI回路401の他の部分は第1回路415および第2回路425と重ならない位置に配置されている。本実施形態でも、第1回路415と第2回路425とが所定の端面間距離Dだけ離して接続されることで、それぞれが好適に機能するように構成されている。好適な端面間距離DでPLC410と420とが接続されるように、MZI回路401を用いて高精度に測定して位置合わせを行っている。
【0061】
本実施形態では、PLC410に形成される第1分割導波路403aと方向性結合器411、および第2分割導波路403bと方向性結合器412を、それぞれ第1回路415と重ならないPLC410の左右端の位置に配置している。そして、第1導波路402の中央部のみが第1回路415と重なる位置に配置されている。また、PLC420に形成される第3分割導波路403cについては、その中央部のみが第2回路425と重なる位置に配置されている。
【0062】
本実施形態のMZI回路401は、第1回路415または第2回路425と重なる導波路を、第1導波路402の中央部および第3分割導波路403cの中央部のみに限定しており、これにより導波路間でモード結合が生じる可能性のある部分を限定している。第1導波路402の中央部は、図9に示すように、接続端面410bと略平行に配置することができ、第1回路415と第2回路425とを接続する導波路とは略直交するように配置することが容易である。また、第3分割導波路403cの中央部も、図9に示すようにPLC420の端辺に沿って配置することができ、第2回路425の導波路と略直交するように配置する、あるいは重ならないように配置することが比較的容易である。
【0063】
上記のように、本実施形態の光モジュール400では、MZI回路401と第1回路415あるいは第2回路425とが重なる範囲を限定することで、第1回路415および第2回路425の導波路レイアウトの自由度を高めることが可能となる。また、方向性結合器411、412をPLC410の左右両端に分離することで、第1導波路402および第3分割導波路403cの曲率を小さくして緩やかに折り曲げることができる。
【0064】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施の形態に係る光モジュールを、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態の光モジュール500の基本構造を示す概略構成図である。本実施形態の光モジュール500は、端面距離測定用光回路として2つのMZI回路501、502を備えており、接続する2つのPLC510、520の両方に跨ってそれぞれが形成されている。
【0065】
本実施形態の光モジュール500では、MZI回路501、502がPLC510、520にそれぞれ形成されている第1回路511および第2回路521とは重ならない左右両端部に配置されている。本実施形態でも、第1回路511と第2回路521とが所定の端面間距離Dだけ離して接続されることで、それぞれが好適に機能するように構成されている。好適な端面間距離DでPLC510と520とが接続されるように、MZI回路501、502を用いて高精度に測定して位置合わせを行っている。
【0066】
本実施形態では、2組のMZI回路501、502を、PLC510、520のそれぞれ左右両側に配置することにより、それぞれで左右の端面間距離D1、D2を測定することができるように構成されている。これにより、MZI回路を1組だけ備えた第2の実施形態の光モジュール200よりは回路構成が複雑になるが、左右両側の端面間距離D1、D2を測定して両者が等しくなるように調整することで、PLC510、520のそれぞれの接続端面を高精度に平行に配置することができる。
【0067】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施の形態に係る光モジュールを、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態の光モジュール600の基本構造を示す概略構成図である。本実施形態の光モジュール600では、MZI回路601の構成が上記の各実施形態と異なっている。第1PLC610に形成された第1導波路602は、方向性結合器611、612の間で最も遠い距離にある端子611aと612bとの間に接続され、第1分割導波路603aと第2分割導波路603bが、方向性結合器611、612の間で最も近い距離にある端子611bと612aにそれぞれ接続されている。本実施形態では、方向性結合器611、612の各端子と第1導波路602、第1分割導波路603a、及び第2分割導波路603bとの接続の仕方が、上記の実施形態と逆になっている。
【0068】
第1分割導波路603aと第2分割導波路603bを方向性結合器611、612の間で最も近い距離にある端子611bと112aにそれぞれ接続することにより、第2PLC620に形成される第3分割導波路603cを、曲率半径を小さくしてその寸法を小さくすることができる。その結果、MZI回路601の全体の寸法を小さくして光損失を低減することが可能となる。なお、第1PLC610において、第1導波路602と第1分割導波路603a及び第2分割導波路603bとの間で重なりができてしまうが、それぞれの導波路間でモード結合が生じないように、たとえば両者の導波路をできるだけ直交させて配置するのがよい。本実施形態のMZI回路601は、上記第2〜第5の実施形態のいずれにも適用可能である。
【0069】
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る光モジュール及びその作製方法の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における光モジュール等の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光モジュールの基本構造を示す概略構成図である。
【図2】端面間距離を測定するための光源および測定装置を接続した状態を示す概略構成図である。
【図3】測定装置で測定された出力光強度の一例を示す図である。
【図4】端面間距離に対するFSRの測定結果の一例を示す図である。
【図5】端面間距離を測定するためのパルス光源および測定装置を接続した状態を示す概略構成図である。
【図6】SHG光の一例を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る光モジュールの基本構造を示す概略構成図である。
【図8】第3の実施形態に係る光モジュールの基本構造を示す概略構成図である。
【図9】第4の実施形態に係る光モジュールの基本構造を示す概略構成図である。
【図10】第5の実施形態に係る光モジュールの基本構造を示す概略構成図である。
【図11】第6の実施形態に係る光モジュールの基本構造を示す概略構成図である。
【図12】従来の端面間を位置合わせする方法を説明する概略図である。
【図13】従来の端面間を位置合わせする別の方法を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0071】
100、200、300、400、500、600 光モジュール
101、201、301、401、501、601 MZI回路
102、602 第1導波路
103a、403a、603a 第1分割導波路
103b、403b、603b 第2分割導波路
103c、403c、603c 第3分割導波路
110、210、310、410、510、610 第1PLC
110a、120a 接続端面
111、112、411、412、611、612 方向性結合器
111a、111b、112a、112b、611a、611b、612a、612b 端子
111c、611c 入射用端子
111d、112c、611d、612c 終端
112d、612d 出射用端子
120、220、320、420、520、620 第2PLC
130 光源
140 OSA
150 パルス光源
160 測定装置
161 SHG導波路
162 SPF
163 PD
164 出力装置
211、311、415、511 第1回路
221、321、425、521 第2回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの光デバイスを対向するそれぞれの接続端面で光学的に接続して構成された光モジュールであって、
第1の光デバイスが、一の接続端面と、2つの方向性結合器と、両端が前記2つの方向性結合器のそれぞれに接続された第1導波路と、前記2つの方向性結合器のそれぞれと前記一の接続端面との間に形成された第1分割導波路及び第2分割導波路と、を備え、
第2の光デバイスが、他の接続端面と、両端が前記他の接続端面に形成された第3分割導波路を備え、
前記一の接続端面と前記他の接続端面とが所定距離だけ離して配置され、前記第1分割導波路と前記第3分割導波路との間、及び前記第2分割導波路と前記第3分割導波路との間、がそれぞれ光学的に接続されて第2導波路を形成し、
前記第1導波路、前記第2導波路および前記2つの方向性結合器が端面距離測定用光回路を形成している
ことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記第1導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も近い距離にある端子間に接続され、
前記第2導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も遠い距離にある端子間に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記第1導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も遠い距離にある端子間に接続され、
前記第2導波路は、前記2つの方向性結合器の間で最も近い距離にある端子間に接続され、
前記第1導波路と前記第2導波路とが、モード結合が生じないように重ねて配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記端面距離測定用光回路は、前記接続端面の長手方向のいずれか一端側に配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記端面距離測定用光回路は、前記2つの光デバイス上に形成されている別の光回路とモード結合が生じないように重ねて配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記第1分割導波路及び前記2つの方向性結合器の一方と、前記第2分割導波路及び前記方向性結合器の他方とが前記第1の光デバイスの接続端面の長手方向の両端にそれぞれ配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記端面距離測定用光回路は、前記接続端面の両端側にそれぞれ1つずつ配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記第1導波路及び前記第2導波路のいずれか一方が前記2つの方向性結合器の一方に設けられた入射用端子と他方に設けられた出射用端子との間に接続され、前記第1導波路及び前記第2導波路の他方が前記2つの方向性結合器のそれぞれの終端間に接続されており、
前記第1導波路、前記第1分割導波路、前記第2分割導波路、および前記第3分割導波路のそれぞれの長さは、前記端面間距離が所定の大きさの時に前記入射用端子から前記出射用端子までの光路長と前記2つの終端間の光路長とが等しくなるように決定されている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記端面距離測定用光回路は、マッハツェンダ−干渉計(MZI)回路を形成している
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項10】
前記2つの光デバイスの少なくとも一方は、シリコン基板上に導波路が形成された平面光波回路(PLC)である
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項11】
前記2つの光デバイスの少なくとも一方は、半導体導波路を有する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光モジュール。
【請求項12】
一の接続端面と、2つの方向性結合器と、両端が前記2つの方向性結合器のそれぞれに接続された第1導波路と、前記2つの方向性結合器のそれぞれと前記一の接続端面との間に形成された第1分割導波路及び第2分割導波路とを備えた第1の光デバイスと、
他の接続端面と、両端が前記他の接続端面に形成された第3分割導波路を備えた第2の光デバイスとを、
前記一の接続端面と前記他の接続端面とを対向させて光学的に接続する光モジュールの作製方法であって、
前記第1分割導波路と前記第3分割導波路との間、及び前記第2分割導波路と前記第3分割導波路との間、をそれぞれ光学的に接続させて第2導波路を形成し、
前記第1導波路、前記第2導波路及び前記2つの方向性結合器で端面距離測定用光回路を形成し、
前記第1導波路及び前記第2導波路のいずれか一方が前記2つの方向性結合器の一方に設けられた入射用端子と他方に設けられた出射用端子との間に接続され、前記第1導波路及び前記第2導波路の他方が前記2つの方向性結合器のそれぞれの終端間に接続されており、
前記入射用端子から所定の入射光を入射させて前記出射用端子から出射される出射光を所定の測定手段で測定し、
前記測定手段による測定結果に基づいて前記一の接続端面と前記他の接続端面との端面間距離が所定の大きさとなるように位置合わせする
ことを特徴とする光モジュールの作製方法。
【請求項13】
前記入射光として所定波長の連続光を用い、前記測定手段として自由スペクトル領域(FSR)を測定可能な光スペクトラム・アナライザ(OSA)を用い、前記端面間距離が所定の大きさとなるときの前記FSRの目標値を事前に決定し、前記OSAで測定された前記FSRの値が前記目標値に一致するように前記端面間距離を調整する
ことを特徴とする請求項12に記載の光モジュールの作製方法。
【請求項14】
前記端面間距離が所定の大きさの時に前記入射用端子から前記出射用端子までの光路長と前記2つの終端間の光路長とが等しくなるように、前記第1導波路、前記第1分割導波路、前記第2分割導波路、および前記第3分割導波路のそれぞれの長さを決定し、前記入射光として所定波長のパルス光を用い、前記測定手段としてSHG光を発生させてその出力を測定する出力装置を用い、前記SHG光の出力が最大となるように前記端面間距離を調整する
ことを特徴とする請求項12に記載の光モジュールの作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−113082(P2010−113082A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284575(P2008−284575)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】