光学式操作装置
【課題】携帯機器にも搭載可能な省スペースの操作装置を提供する。
【解決手段】距離認識部20bは、EEPROM146の受光量−距離曲線とバッファメモリ135−2の受光量データx3、x4とを参照し、指Fの距離Lp、Lnを認識する。操作認識部20cは、指Fの距離が増減していると判断した場合、動作量の入力があったと認識する。これに応じ、動作制御部20eは、指Fの距離の増減量ΔL=Ln−Lpに応じた制御を行う。具体的には、メインCPU20は、指Fの距離の増減ΔLに比例した繰出量でレンズ鏡胴60を移動する指令をモータドライバ62に出力する。
【解決手段】距離認識部20bは、EEPROM146の受光量−距離曲線とバッファメモリ135−2の受光量データx3、x4とを参照し、指Fの距離Lp、Lnを認識する。操作認識部20cは、指Fの距離が増減していると判断した場合、動作量の入力があったと認識する。これに応じ、動作制御部20eは、指Fの距離の増減量ΔL=Ln−Lpに応じた制御を行う。具体的には、メインCPU20は、指Fの距離の増減ΔLに比例した繰出量でレンズ鏡胴60を移動する指令をモータドライバ62に出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学式の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ操作による動作量を入力する装置が考案されている。例えば特許文献1によると、電子カメラが発光した光を受光して当該電子カメラの動作量を検出し、その動作量をパソコンに送信する。すなわち、カメラをパソコンのマウスとして機能させることができる。
【特許文献1】特開2003−134376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のように機器を平面上で動作させて動作量を入力する場合、動作用の平面が必要であり、あらゆる場所で使用する可能性のある携帯機器に適用すると使い勝手が悪い。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、携帯機器にも搭載可能な省スペースの操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題を解決するため、本発明に係る光学式操作装置は、操作体へ発光する発光部と、前記発光部からの光が前記操作体に反射した反射光を受光して前記反射光の受光量に応じた電気信号を出力する受光部と、前記受光部の出力した電気信号に従って前記反射光の受光量を認識する受光量認識部と、前記受光量認識部の認識した前記反射光の受光量に従って前記操作体までの距離を認識する距離認識部と、前記距離認識部の認識した前記操作体までの距離に応じた入力操作を認識する操作認識部と、を備える。
【0005】
この発明によると、指やペンなどの操作体までの距離に応じた入力操作が可能となる。このため、ユーザは、操作体の距離を変化させるだけで動作量の入力が可能となる。また、従来のように、平面的な動作量の入力手段(ボタン、レバーなど)を設ける必要がなく、操作装置の省スペース化に役立つ。
【0006】
前記操作認識部は前記受光量認識部が前記反射光の受光量を認識することができなくなったことに応じて前記動作量を指定する入力操作が終了したことを認識するとよい。
【0007】
こうすると、ユーザが操作体を離すだけで入力操作を終了できる。
【0008】
前記操作認識部は前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで1回目の押下操作を認識し、かつ前記1回目の押下操作から所定の認識停止時間を隔てた後で前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで2回目の押下操作を認識することにより、ダブルクリック操作を認識するようにしてもよい。
【0009】
前記発光部はR,G,Bの可視光を発光するLEDからなるLED群を備え、かつ前記操作体までの距離に応じてR,G,Bの発光色の組み合わせを切り替えてもよい。
【0010】
こうすると、指の距離の変動に応じ、距離の認識に必要な色だけを発光させることで、無意味な電力消費を抑えることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によると、指やペンなどの操作体までの距離に応じた入力操作が可能となる。このため、ユーザは、操作体の距離を変化させるだけで動作量の入力が可能となる。また、従来のように、平面的な動作量の入力手段(ボタン、レバーなど)を設ける必要がなく、操作装置の省スペース化に役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るデジタルカメラ(以下カメラと略す)100の正面図である。
【0014】
カメラ100の正面に配備されたレンズ鏡胴60には、ズームレンズ101a及びフォーカスレンズ101bを含む撮影レンズ101が内蔵されており、ズームレンズ101aを光軸方向に移動させることで焦点距離調節が行なわれるとともに、フォーカスレンズ101bを光軸方向に移動させることによりピント調節が行なわれる。
【0015】
レンズ鏡筒60は、カメラボディ180に沈胴した状態から、予め設定された最短焦点距離位置であるワイド端と最長焦点距離位置であるテレ端との間で進退することで、カメラボディ180から繰り出し、また収納される。この図では、レンズ鏡胴60がカメラボディ180に沈胴した状態が示されている。
【0016】
またカメラ100には、非撮影時には撮影レンズ101の前面を覆って撮像レンズ101と外界とを遮ることで撮像レンズ101を保護する状態をつくり出すとともに、撮像時には撮像レンズを外界に露出するレンズカバー61が設けられている。
【0017】
レンズカバー61は開閉自在な機構で構成されており、開放状態で撮影レンズ101の前面を覆い、閉鎖状態で撮影レンズ101の前面を外界に露出する。レンズカバー61は電源スイッチ121のオン/オフに連動して開放/閉鎖される。この図ではレンズカバー61は開放状態となっている。
【0018】
カメラ100の上面には、中央部分にレリーズスイッチ104の配備されたモードダイヤル123と電源スイッチ121とが配備されており、正面には、ストロボ105a、AF補助光ランプ105b、セルフタイマランプ105c等が配備されている。
【0019】
図2はカメラ100の背面図である。カメラ100の背面には、画像表示LCD102、光学式操作機器124が配備されている。光学式操作機器124は、表面積の広い親指を載せるためのガイド125を備え、ガイド125の中心付近には穴34が形成されている。光学式操作機器124は、右手親指を良好に載置できるように、カメラ背面右上に配備されている。光学式操作機器124は、穴34を介した光の発光/受光によってユーザの指などの動きを検出する。光学式操作機器124は、従来のカメラに配備されるズームスイッチ、切替レバー、十字キー、情報位置指定キー等の操作系の役割を果たす。
【0020】
図3はカメラ100のブロック図である。カメラ100にはユーザがこのカメラ100を使用するときに種々の操作を行なうための操作部120が設けられている。この操作部120には、カメラ100を作動させるための電源投入用の電源スイッチ121、オート撮影やマニュアル撮影等を選択するためのモードダイヤル123、光学式操作機器124が備えられている。
【0021】
また、カメラ100には、撮影画像や再生画像等を表示するための画像表示LCD102と、操作の手助けを行なうための操作LCD表示103が備えられている。
【0022】
このカメラ100にはレリーズスイッチ104が配備されている。このレリーズスイッチ104によって撮影の開始指示がメインCPU20へと伝えられる。このカメラ100では光学式操作機器124によって撮影と再生との切り替えが自在になっていて、撮影を行なうときにはユーザによって光学式操作機器124が撮影側に切り替えられ、再生を行なうときには光学式操作機器124が再生側に切り替えられる。また、カメラ100には、閃光を発光する閃光発光管105aを有する閃光発光装置が配備されている。
【0023】
また、カメラ100には、撮影レンズ101と、絞り131と、それら撮影レンズ101および絞り131を経由して結像された被写体像をアナログの画像信号に変換する撮像素子であるCCDセンサ132(以下CCD132と略記する)とが備えられている。CCD132は、詳細には、そのCCD132に照射された被写体光により発生した電荷を可変の電荷蓄積時間(露光期間)の間蓄積することにより画像信号を生成するものである。CCD132からは、CG部136から出力される垂直同期信号VDに同期したタイミングでフレーム毎の画像信号が順次出力される。
【0024】
撮像素子にCCD132を用いた場合には、色偽信号やモアレ縞等の発生を防止するために、入射光内の不要な高周波成分を除去する光学的ローパスフィルタ132aが配設されている。また、入射光内の赤外線を吸収若しくは反射して、長波長域で感度が高いCCDセンサ132固有の感度特性を補正する赤外カットフィルタ132bが配設されている。光学的ローパスフィルタ132a及び赤外カットフィルタ132bの具体的な配設の態様は特に限定されない。
【0025】
また、カメラ100には、CCDセンサ132からのアナログ画像信号が表わす被写体像のホワイトバランスを合わせるとともにその被写体像の階調特性における直線の傾き(γ)を調整し、さらにアナログ画像信号を増幅する増幅率可変の増幅器を含む白バランス・γ処理部133が備えられている。
【0026】
さらに、カメラ100には、白バランス・γ処理部133からのアナログ信号をディジタルのR,G,B画像データにA/D変換するA/D部134と、そのA/D部134からのR,G,B画像データを格納するバッファメモリ135が備えられている。
【0027】
本実施形態では、A/D部134は、8ビットの量子化分解能を有し、白バランス・γ処理部133から出力されるアナログR,G,B撮像信号をレベル0〜255のR,G,Bデジタル画像データに変換して出力する。ただし、この量子化分解能はあくまで一例であって本発明に必須の値ではない。
【0028】
また、カメラ100には、CG(クロックジェネレータ)部136と、測光・測距用CPU137と、充電・発光制御部138と、通信制御部139と、YC処理部140と、電源電池68とが備えられている。
【0029】
CG部136は、CCDセンサ132を駆動するための垂直同期信号VD,高速掃き出しパルスPを含む駆動信号、白バランス・γ処理部133,A/D部134を制御する制御信号、および通信制御部139を制御する制御信号を出力する。また、このCG部136には、測光・測距用CPU137からの制御信号が入力される。
【0030】
測光・測距用CPU137は、ズーム用モータ110、フォーカス用モータ111、絞り調整を行う絞り用モータ112を制御してズームレンズ101a、フォーカスレンズ101b、絞り131をそれぞれ駆動することにより測距を行ない、CG部136および充電・発光制御部138を制御する。ズーム用モータ110、フォーカス用モータ111、絞り用モータ112の駆動は、モータドライバ62によって制御され、モータドライバ62の制御コマンドは、測光・測距用CPU137あるいはメインCPU20から送られる。
【0031】
測光・測距用CPU137は、レリーズスイッチ104が半押し(S1オン)されると、CCD132によって周期的(1/30秒から1/60秒ごと)に得られる画像データに基づいて被写体の明るさの測光(EV値の算出)を行う。
【0032】
即ち、AE演算部151は、A/D変換部134から出力されたR、G、Bの画像信号を積算し、その積算値を測光・測距用CPU137に提供する。測光・測距用CPU137は、AE演算部151から入力する積算値に基づいて被写体の平均的な明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(EV値)を算出する。
【0033】
そして、測光・測距用CPU137は、得られたEV値に基づいて絞り131の絞り値(F値)及びCCD132の電子シャッタ(シャッタスピード)を含む露出値を所定のプログラム線図にしたがって決定する(AE動作)。
【0034】
レリーズスイッチ104が全押し(S2オン)されると、測光・測距用CPU137は、その決定した絞り値に基づいて絞り131を駆動し、絞り131の開口径を制御するとともに、決定したシャッタスピードに基づき、CG136を介してCCD132での電荷蓄積時間を制御する。
【0035】
AE動作は、絞り優先AE,シャッタ速度優先AE,プログラムAEなどがあるが、いずれにおいても、被写体輝度を測定し、この被写体輝度の測光値に基づいて決められた露出値、すなわち絞り値とシャッタスピードとの組み合わせで撮影を行うことにより、適正な露光量で撮像されるように制御しており、面倒な露出決定の手間を省くことができる。
【0036】
AF検出部150は、測光・測距CPU137により選定された検出範囲に対応する画像データをA/D変換部134から抽出する。焦点位置を検出する方法は、合焦位置で画像データの高周波成分が最大振幅になるという特徴を利用して行う。AF検出部150は、抽出された画像データの高周波成分を1フィールド期間積分することにより、振幅値を算出する。AF検出部150は、測光・測距CPU137がフォーカス用モータ110を駆動制御してフォーカスレンズ101aを可動範囲内、即ち無限遠側の端点(INF点)から至近側の端点(NEAR点)の間で移動させている間に順次振幅値の計算を実行し、最大振幅を検出した時に検出値を測光・測距CPU137に送信する。
【0037】
測光・測距CPU137は、この検出値を取得して対応する合焦位置に、フォーカスレンズ101bを移動させるようにフォーカス用モータ111に指令を出す。フォーカス用モータ111は、測光・測距CPU137の指令に応じてフォーカスレンズ101bを合焦位置に移動させる(AF動作)。
【0038】
測光・測距用CPU137は、メインCPU20とのCPU間通信によってレリーズスイッチ104と接続されており、ユーザによりレリーズスイッチ104が半押しされた時に、この合焦位置の検出が行われる。また、測光・測距用CPU137には、ズーム用モータ111が接続されており、メインCPU20が、ズームスイッチ127によってユーザからのTELE方向又はWIDE方向へのズームの指令を取得した場合に、ズーム用モータ110を駆動させることにより、ズームレンズ101aをWIDE端とTELE端との間で移動させる。
【0039】
充電・発光制御部138は,閃光発光管105aを発光させるために電源電池68からの電力の供給を受けて図示しない閃光発光用のコンデンサを充電したり、その閃光発光管105aの発光を制御する。
【0040】
充電・発光制御部138は,電源電池68の充電開始、レリーズスイッチ104の半押し・全押し操作信号等の各種の信号や、発光量、発光タイミングを示す信号をメインCPU20や測光・測距CPU137から取り込んだことに応じ、セルフタイマランプ105cやAF補助光105bへの電流供給制御を行い、所望の発光量が所望のタイミングで得られるように制御する。
【0041】
具体的には、メインCPU20あるいは測光・測距CPU137から充電・発光制御部138へハイ(H)レベルの信号が入力されると、セルフタイマランプ105cは通電状態となり点灯する。一方、充電・発光制御部138へロー(L)レベルの信号が入力されると、セルフタイマランプ105cは非通電状態となり消灯する。
【0042】
メインCPU20あるいは測光・測距CPU137は、H・Lレベル信号の出力時間の比率(デューティ比)を変化させて設定することでセルフタイマランプ105cの輝度(明るさ)を変化させる。
【0043】
なお、セルフタイマランプ105cはLEDで構成してもよく、AF補助光ランプ105bを構成するLEDと共通にしてもよい。
【0044】
メインCPU20には、セルフタイマ回路83が接続されている。メインCPU20は、セルフ撮影モードが設定されている場合、レリーズスイッチ104の全押し信号に基づいて計時を行なう。この計時中に、メインCPU20は測光・測距CPU137を介し、残り時間に合わせて点滅速度をだんだんと早めながら、セルフタイマランプ105cを点滅させる。セルフタイマ回路83は、計時完了後に計時完了信号をメインCPU20に入力する。メインCPU20は、計時完了信号に基づいて、CCD132にシャッタ動作を実施させる。
【0045】
通信制御部139には、通信ポート107が備えられており、この通信制御部139は、カメラ100により撮影された被写体の画像信号をUSB端子が備えられたパーソナルコンピュータ等の外部装置に出力し、およびこのような外部装置からカメラ100に画像信号を入力することにより、その外部装置との間のデータ通信を担うものである。また、このカメラ100は、ロール状の写真フイルムに写真撮影を行なう通常のカメラが有するISO感度100,200,400,1600等に切り替える機能を模擬した機能を有し、ISO感度400以上に切り替えられた場合、白バランス・γ処理部133の増幅器の増幅率が所定の増幅率を越えた高増幅率に設定された高感度モードとなる。通信制御部139は、高感度モードでの撮影中は、外部装置との通信を停止する。
【0046】
また、カメラ100には、圧縮・伸長&ID抽出部143と、I/F部144が備えられている。圧縮・伸長&ID抽出部143は、バッファメモリ135に格納された画像データを、バスライン142を介して読み出して圧縮し、I/F部144を経由してメモリカード200に格納する。また、圧縮・伸長&ID抽出部143は、メモリカード200に格納された画像データの読み出しにあたり、メモリカード200固有の識別番号(ID)を抽出し、そのメモリカード200に格納された画像データを読み出して伸長し、バッファメモリ135に格納する。
【0047】
バッファメモリ135に格納されたY/C信号は、圧縮・伸長&ID抽出部143によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、I/F144を介してメモリカード200のようなリムーバブルメディアないしハードディスク(HDD)75のような内蔵型大容量記憶媒体に所定の形式(例えばExif(Exchangeable Image File Format)ファイル)で記録される。ハードディスク(HDD)75へのデータ記録またはハードディスク(HDD)75からのデータの読込みは、メインCPU20の指令に応じてハードディスクコントローラ74によって制御される。
【0048】
また、カメラ100には、メインCPU20と、EEPROM146と、YC/RGB変換部147と、表示用のドライバ148とが備えられている。メインCPU20は、このカメラ100全体の制御を行なう。EEPROM146には、このカメラ100固有の固体データやプログラム等が格納されている。YC/RGB変換部147は、YC処理部140で生成されたカラー映像信号YCを3色のRGB信号に変換して表示用のドライバ148を経由して画像表示LCD102に出力する。
【0049】
CPU20は、ドライバ148に内蔵されたOSD信号発生回路148aに対し、シャッタ速度や絞り値、撮影可能枚数、撮影日時、警告メッセージ、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)等の文字及び記号情報を表示するための信号を発生させるコマンドを送る。OSD信号発生回路148aはこのコマンドに従って映像情報を出力する。OSD信号発生回路148aから出力される信号は、必要に応じてYC/RGB変換部147からの画像信号に混合されて、液晶パネル71に供給される。これにより、スルー画像や再生画像に文字等が合成された合成画像が表示される。
【0050】
また、カメラ100は、AC電源から電力を得るためのACアダプタ48と電源電池68とが着脱可能な構成となっている。電源電池68は充電可能な二次電池、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池で構成される。電源電池68は使い切り型の一次電池、例えばリチウム電池、アルカリ電池で構成してもよい。電源電池68は図示しない電池収納室に装填することにより、カメラ100の各回路と電気的に接続される。
【0051】
ACアダプタ48がカメラ100に装填されAC電源からACアダプタ48を介してカメラ100に電力が供給される場合には、電源電池68が電池収納室に装填されている場合であっても、優先的に当該ACアダプタ48から出力された電力がカメラ100の各部に駆動用の電力として供給される。また、ACアダプタ48が装填されておらず、かつ電源電池68が電池収納室に装填されている場合には、当該電源電池68から出力された電力がカメラ100の各部に駆動用の電力として供給される。
【0052】
なお、図示しないが、カメラ100には、電池収納室内に収納される電源電池68とは別にバックアップ電池が設けられている。内蔵バックアップ電池には例えば専用の二次電池が用いられ、電源電池68によって充電される。バックアップ電池は、電源電池68の交換や取り外し等、電源電池68が電池収納室に装填されていない場合、カメラ100の基本機能に給電する。
【0053】
即ち、電源電池68又はACアダプタ48からの電源供給が停止すると、バックアップ電池がスイッチング回路(図示せず)によってRTC15等に接続され、これらの回路に給電する。これにより、バックアップ電池29が寿命に達しない限り、RTC15等の基本機能には、電源供給が間断なく継続する。
【0054】
RTC(Real Time Clock)15は計時専用のチップであり、電源電池68やACアダプタ48からの給電がオフされていてもバックアップ電池から電源供給を受けて継続的に動作する。
【0055】
画像表示LCD102には透過型又は半透過型の液晶パネル71を背面側から照明するバックライト70が配設されており、省電力モードの場合には、メインCPU20によりそのバックライト70の明るさ(輝度)がバックライトドライバ72を介して制御され、バックライト70の消費電力が低減されるようになっている。また、省電力モードは、光学式操作機器124を操作して画像表示LCD102にメニュー画面を表示させ、そのメニュー画面で所定の操作を行うことによってオン/オフを設定することができるようになっている。
【0056】
図4は本発明に係る光学式操作機器124周辺の要部構成を示す。光学式操作機器124は、発光輝度や発光色の調節が可能なLED群124−1(R、G、BのLED124R、124G、124B)ならびに電源電池68からLEDへの供給電流量の制御、LEDのオンオフのタイミング制御、LEDの発光量の制御を行うLEDドライバ124Dで構成された発光部124−1、発光部124−1の発光した光が指Fで反射して穴34から入射する反射光を受光して電気信号に変換する受光部124−2を備えている。
【0057】
受光部124−2は、反射光の受光量に応じた電気信号をA/D変換部134−2に出力する。この電気信号を受光量信号と呼ぶ。受光部124−2は、具体的には、CCDセンサ132を用いることができる。あるいは、本出願人による特開2001−352491に記載の撮像素子など、受光量に応じた電気信号を出力する回路であればなんでもよい。
【0058】
以下、受光部124−2はCCDセンサ132と同等の構成とし、受光部124−2の被写体は指Fであるものとして説明するが、形状的特徴を有するその他の物体(ペンなど)であってもよい。
【0059】
A/D変換部134−2は、受光部124−2からの受光量信号をデジタルデータに変換してバッファメモリ135−2に出力する。A/D変換部134−2から出力されたデータを受光量データと呼ぶ。受光量データは、受光部124−2から受光量信号が出力されるごとに、バッファメモリ135−2の2つの領域に交互に記憶される。これにより、時刻の異なる2つの受光量データが同時に記憶され、受光量信号が出力されるごとに古い時刻の受光量データが新しいものに書き換えられる。なお、3つ以上の受光量データを同時に記憶してもよい。
【0060】
CPU20は、発光部124−1の発光量や発光開始・終了タイミングを制御するモジュールである発光制御部20a、ガイド125と略垂直な軸Zに沿った指Fの移動方向及びガイド125からの距離を、受光量データに基づいて認識するモジュールである距離認識部20b、指Fの移動方向及び距離に応じて入力操作を認識するモジュールである操作認識部20cを実行する。発光制御部20a、距離認識部20b、操作認識部20cはCPU20によって実行されるプログラムであり、EEPROM146に記憶されている。
【0061】
図5は、操作認識部20cが受光量から距離を認識するために参照する、受光量と距離の関係を規定した曲線(受光量−距離曲線)の一例を示す。この受光量−距離曲線は、L0〜L6までの7つの離散的な距離と、受光量データによって識別される反射光の受光量との関係を規定する。操作認識部20cは、EEPROM146に記憶されている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する距離L0〜L6のいずれかを特定することで、指Fの距離を認識する。
【0062】
ここで、図6(a)に示すように、距離L0はガイド125と指が最も近接する最小距離であり、図6(b)に示すように、距離L6は操作認識部20cが認識可能な遠方側の限界距離である。距離L0〜L7は段階的な距離であり、L0<L1<..<L6となっている。
【0063】
以下、図7のフローチャートを参照し、本発明に係る入力操作認識動作の流れを説明する。
【0064】
S1では、デジタルカメラ100の電源スイッチ121がオンされると、A/D変換部134−2は受光量データの出力を開始する。なお、この時点で発光部124−1は発光を開始しない。
【0065】
S2、3では、バッファメモリ135−2は、A/D変換部134−2から順次出力される受光量データx1、x2を記憶する。
【0066】
S4では、発光制御部20aは、RAM149に記憶された新旧2つの受光量データx1、x2を比較し、受光量が減少したかを判断することで、穴34に指Fがかざされたか否かを判断する。受光量が減少した場合は穴34に指Fがかざされたと判断してS6に移行し、受光量が減少していない場合は穴34に指Fがかざされていないと判断してS5に移行する。
【0067】
なお、単に受光量が減少すればそのままS6に移行するのでなく、さらに、受光量の減少量が所定の閾値以上であるか否かを判断し、所定の閾値以上であればS6に移行するようにしてもよい。こうすると、急激な受光量の減少に限って指が穴34にかざされたと判断することになり、指Fをかざす動作と穴34に関係ない微小な受光量の減少も指がかざされたと判断することを防げる。
【0068】
S5では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を停止する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1の発光を停止する。なお、発光自体が開始していなければ、この指令を受け取っても引き続き発光を停止したままの状態を維持するのはいうまでもない。
【0069】
S6では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を開始する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1を所定の発光量、所定の発光タイミングで発光させる。LED群124−1の発光は、発光制御部20aから発光を停止する指令が送られる(S5)限り継続する。
【0070】
S7、8では、発光制御部20aは、バッファメモリ135−2に対し、受光量データx1、x2を消去し、空いた領域に、A/D変換部134−2から新たに出力される受光量データx3、x4を記憶するよう指令する。x3を第1データ、x4を第2データと称する。
【0071】
S9では、距離認識部20bは、EEPROM146の受光量−距離曲線とバッファメモリ135−2の基準データx3とを参照し、基準データx3によって示される指Fの距離Lp(これを基準距離とよぶ)を認識する。また、距離認識部20bは、受光量−距離曲線と移動データx4とを参照し、移動データx4によって示される指Fの距離Lnを認識する。ここで、距離LpとLnの両方を認識できた場合はS101に移行し、少なくとも距離LpかLnの一方を認識できなかった場合はS10に移行する。
【0072】
S10では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に対し、受光量データx3、x4を消去するよう指令する。そして、S1に戻り、新たに受光量データの記憶を行う。これは、ユーザがガイド125から指Fを離して入力操作を止める場合を考慮し、この場合に発光を停止させるかどうかを発光制御部20aに再び判断させるためである。
【0073】
S101では、操作認識部20cは、|ΔL|=|Ln−Lp|>0であるか、すなわち指Fの距離Lが増減しているか否かを判断する。増減していると判断した場合はS12に移行し、増減していないと判断した場合はS8に戻る。
【0074】
S102では、操作認識部20cは、動作量の入力があったと認識する。これに応じ、動作制御部20eは、指Fの距離の増減量ΔLに応じた制御を行う。具体的には、メインCPU20は、指Fの距離の増減ΔLに比例した繰出量でレンズ鏡胴60を移動する指令をモータドライバ62に出力する。
【0075】
例えば、
Δx=rΔL・・(1)
を満たす繰出量Δxを指令する。rは所定の比例定数である。
【0076】
図8はかかる制御動作による鏡胴60の移動の様子を例示する。
【0077】
説明の簡略のため、基準位置までの距離Lp=0とし、かつ、そのときの第1の鏡胴60−1の前面はワイド端位置WPに位置(レンズ繰り出し量x=0)するものとする。指Fをガイド125から離していくと、これに従ってΔxが増大し、徐々に第1の鏡胴60−1の前面がテレ端TPに向けて繰り出されていく。指Fの距離が認識できなくなると繰り出しが停止する。
【0078】
逆に、指Fをガイド125に向かって近づけていくと、これに従ってΔxが減少し、徐々に第1の鏡胴60−1の前面がワイド端WPに向けて沈胴していく。
【0079】
なお、S12の終了後はS8に戻り、第1データx3を消去して、新たにA/D変換部134−2から出力される受光量データを新たな第2データx4として記憶する。かつ、既に記憶されている古い方の第2データx4は消去せず、第1データx3として保持する。
【0080】
このように、指Fの距離を増減することによって鏡胴60の繰出量が増減するから、ユーザは、鏡胴60の繰り出し量を容易に調整することができる。なお、指Fの距離の増減量に応じた動作制御は、レンズ鏡胴60の繰出量に限定されず、OSD信号発生回路148aに対するズームバーの移動量の指令などにも応用できるのはいうまでもない。
【0081】
<第2実施形態>
第1実施形態では動作量の入力を認識させていたが、指Fの距離の変動でダブルクリックを認識させることも可能である。
【0082】
図9はダブルクリックを認識させる動作の一例を示すフローチャートである。
【0083】
S11では、デジタルカメラ100の電源スイッチ121がオンされると、受光部124−2及びA/D変換部134−2は、それぞれ受光量信号、受光量データの出力を開始する。受光量データを順次RAM149に記憶する動作を繰り返すことで、RAM149には異なる時点で得られた2つの受光量データが記憶される。
【0084】
S12では、操作認識部20cは、RAM149に記憶された新旧2つの受光量データを比較し、外光の入射量が増加したかまたは減少したかを判断することで、穴34に指Fがかざされたか否かを判断する。増加したと判断した場合はS13、減少したと判断した場合はS14に移行する。
【0085】
S13では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を停止する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1の発光を停止する。
【0086】
S14では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を開始する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1を所定の発光量、所定の発光タイミング(例えば10W、50kHz)で発光させる。LED群124−1の発光は、発光制御部20aから発光を停止する指令が送られる(S13)限り継続する。
【0087】
S15では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された古い方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線(図5参照)を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL0であるか否かを判断する。L=L0の場合はS16に移行し、L≠L0の場合はS11に戻る。
【0088】
S16では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された新しい方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL1であるか否かを判断する。L=L1の場合はS16に移行し、L≠L1の場合はS11に戻る。
【0089】
S17では、計時部20dは、所定時間T0(例えば0.2秒間)の経過を計時する。動作制御部20eは、計時部20dが所定時間T0を計時する間、受光部124−2及びA/D変換部134−2、それぞれ受光量信号、受光量データの出力を停止するよう制御する。これに合わせ、計時部20dが所定時間T0を計時する間、距離認識部20bも指Fの距離Lの認識を停止する。
【0090】
S18では、計時部20dによる所定時間T0の経過の計時完了後、動作制御部20eは、受光部124−2及びA/D変換部134−2は、それぞれ受光量信号、受光量データの出力を再開するよう制御する。これに合わせ、距離認識部20bも、指Fの距離Lの認識を再開する。距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された古い方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL0であるか否かを判断する。L=L0の場合はS19に移行し、L≠L0の場合はS21に移行する。
【0091】
S19では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された新しい方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL1であるか否かを判断する。L=L1の場合はS20に移行し、L≠L1の場合はS21に移行する。
【0092】
S20では、操作認識部20cは、ダブルクリック操作があったと認識する。動作制御部20eは、ダブルクリック操作に応じた制御を行う。例えば、動作制御部20eは、グラフィカルユーザインターフェースの所望のメニューを選択した旨の表示を行う指令をOSD信号発生回路148aに送る。
【0093】
S21では、操作認識部20cは、クリック操作があったと認識する。動作制御部20eは、クリック操作に応じた制御を行う。例えば、動作制御部20eは、グラフィカルユーザインターフェースのカーソルの上下左右方向への移動表示を行う指令をOSD信号発生回路148aに送る。
【0094】
以上の動作によれば、指Fの距離を、近接側(L0)と遠望側(L1)の間で2往復させるだけで、簡単にダブルクリック操作を行うことができる。なお、L0とL1の関係は、L0≠L1であれば足りる。
【0095】
<第3実施形態>
第1ないし第2実施形態では、受光部124−2は、指Fからの反射光に基づいて距離を認識するが、指Fがガイド125に近い場合も、発光部124―1から強い光を発するのは無駄である。逆に、指Fがガイド125から離れている場合、発光部124―1から弱い光を発すると、外乱光の影響などで受光部124−2が良好に反射光を受光できない。このため、発光部124―1は、指Fの距離Lに応じて発光量や発光色を調整することが好ましい。
【0096】
例えば、図10に例示するように、発光色の組み合わせと受光量−距離曲線の対応関係をEEPROM146に記憶する。ここでは、LED124R単独の発光には曲線C1、LED124RとLED124Gを組み合わせた発光には曲線C2、LED124RとLED124GとLED124Bを組み合わせた発光には曲線C3が対応している。最長照射距離は、Rのみ、RとGの組み合わせ、RとGとBの組み合わせの順に長くなるため、指Fの距離が長くなるに従って最長照射距離の長くなる発光色で発光させる。
【0097】
発光制御部20aは、距離認識部20bの認識した指Fの距離Lに応じてLED群の発光色を切り替え、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC1〜C3に切り替える動作を行う。
【0098】
図11は発光色変更動作を具体的に示すフローチャートである。
【0099】
S31では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、G、Bの3色全てを発光させるよう指令を送る。LEDドライバ124Dはこの指令を受け取ったことに応じ、LED124R、G、Bの全てに電流を供給することでRGBからなる白色光を発光させる。
【0100】
S32では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC3に切り替える。
【0101】
S33は、バッファメモリ135−2は、A/D変換部134−2からの受光量データを記憶する。このステップで記憶された受光量データを古いほうの受光量データx1とよぶ。
【0102】
S34は、バッファメモリ135−2は、古いほうの受光量データx1が記憶された後、さらにA/D変換部134−2からの受光量データを記憶する。このステップで記憶された受光量データを古いほうの受光量データx2とよぶ。
【0103】
S35では、距離認識部20bは、受光量−距離曲線Cとバッファメモリ135−2に記憶された古い方の受光量データx1とを参照し、古い方の受光量データx1に対応する指Fの距離Lpを認識する。また、距離認識部20bは、受光量−距離曲線Cとバッファメモリ135−2に記憶された新しい方の受光量データx2とを参照し、新しい方の受光量データx2に対応する指Fの距離Lnを認識する。
【0104】
そして、ΔL=Ln−Lp>0であるか、すなわち指Fの距離Lが増加しているか否かを判断する。増加していると判断した場合はS36に移行し、引き続き白色光を発光させる。増加していないと判断した場合はS41に移行する。
【0105】
S36では、距離認識部20bは、Lnが曲線変更の第1の閾値(ここでは一例としてL4とするがこれに限定されず任意に設定可能)を超えているか否かを判断する。Ln>L4の場合はS37に移行し、Ln≦L4の場合はS39に移行する。
【0106】
S37では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、G、Bの3色全てを発光させるよう指令を送る。この動作はS31と同様である。
【0107】
S38では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC3に切り替える。この動作はS32と同様である。
【0108】
S39では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、Gの2色で発光させるよう指令を送る。LEDドライバ124Dは、LED124Bへの電流供給を停止する。
【0109】
S40では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC2に切り替える。
【0110】
S41では、距離認識部20bは、Lnが曲線変更の第2の閾値(ここでは一例としてL3とするがこれに限定されず任意に設定可能)を下回っているか否かを判断する。Ln<L3の場合はS42移行し、Ln≧L3の場合はS44に移行する。
【0111】
S42では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、の1色で発光させるよう指令を送る。LEDドライバ124Dは、LED124G、Bへの電流供給を停止し、LED124Rの1色のみを発光させる。
【0112】
S43では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC1に切り替える。
【0113】
S44では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、Gの2色で発光させるよう指令を送る。この動作はS39と同様である。
【0114】
S45では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC2に切り替える。この動作はS40と同様である。
【0115】
以上の動作によると、指Fの距離がL3を下回って短くなっていくと、LED124Rのみが発光する。同時に、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC1に切り替える動作を行い、LED124Gのみの発光でL3を下回る指Fの距離を認識できる。
【0116】
また、指Fの距離がL4を超えて長くなっていくと、LED124R,G,Bが全て発光する。同時に、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC3に切り替える動作を行い、指Fの距離がL4を超えても指Fの距離を認識できる。
【0117】
指Fの距離がL3〜L4の場合はLED124R,Gが発光する。同時に、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC2に切り替える動作を行い、LED124R,Gのみの発光でL3〜L4の間にある指Fの距離を認識できる。
【0118】
このように、指の距離の変動に応じ、距離の認識に必要な色だけを発光させることで、無意味な電力消費を抑えることができる。
【0119】
<第4実施形態>
発光部124−1は赤外線発光装置で構成してもよい。そして、受光部124−2は、赤外線フィルタを配置することで、赤外線のみを受光するように構成してもよい。こうすると、受光部124−2が受光する外乱光の影響を極力排除できる。
【0120】
あるいは、発光部124−1、受光部124−2、距離認識部20bの代わりに超音波、赤外線、レーザーなどを利用した測距センサを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】デジタルカメラの正面図
【図2】デジタルカメラの背面図
【図3】デジタルカメラのブロック構成図
【図4】光学式操作機器周辺の要部構成図
【図5】受光量−距離曲線の一例を示す図
【図6】認識可能な指の距離を示す図
【図7】第1実施形態に係る入力操作認識動作の流れを示すフローチャート
【図8】レンズ繰り出し量を例示する図
【図9】第2実施形態に係る入力操作認識動作の流れを示すフローチャート
【図10】発光色に応じた受光量−距離曲線の一例を示す図
【図11】第3実施形態に係る発光色変更動作の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0122】
20a:発光制御部、20b:距離認識部、20c:操作認識部、20d:計時部、20e:動作制御部124−1:発光部、124−2:受光部
【技術分野】
【0001】
本発明は光学式の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザ操作による動作量を入力する装置が考案されている。例えば特許文献1によると、電子カメラが発光した光を受光して当該電子カメラの動作量を検出し、その動作量をパソコンに送信する。すなわち、カメラをパソコンのマウスとして機能させることができる。
【特許文献1】特開2003−134376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のように機器を平面上で動作させて動作量を入力する場合、動作用の平面が必要であり、あらゆる場所で使用する可能性のある携帯機器に適用すると使い勝手が悪い。本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、携帯機器にも搭載可能な省スペースの操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題を解決するため、本発明に係る光学式操作装置は、操作体へ発光する発光部と、前記発光部からの光が前記操作体に反射した反射光を受光して前記反射光の受光量に応じた電気信号を出力する受光部と、前記受光部の出力した電気信号に従って前記反射光の受光量を認識する受光量認識部と、前記受光量認識部の認識した前記反射光の受光量に従って前記操作体までの距離を認識する距離認識部と、前記距離認識部の認識した前記操作体までの距離に応じた入力操作を認識する操作認識部と、を備える。
【0005】
この発明によると、指やペンなどの操作体までの距離に応じた入力操作が可能となる。このため、ユーザは、操作体の距離を変化させるだけで動作量の入力が可能となる。また、従来のように、平面的な動作量の入力手段(ボタン、レバーなど)を設ける必要がなく、操作装置の省スペース化に役立つ。
【0006】
前記操作認識部は前記受光量認識部が前記反射光の受光量を認識することができなくなったことに応じて前記動作量を指定する入力操作が終了したことを認識するとよい。
【0007】
こうすると、ユーザが操作体を離すだけで入力操作を終了できる。
【0008】
前記操作認識部は前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで1回目の押下操作を認識し、かつ前記1回目の押下操作から所定の認識停止時間を隔てた後で前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで2回目の押下操作を認識することにより、ダブルクリック操作を認識するようにしてもよい。
【0009】
前記発光部はR,G,Bの可視光を発光するLEDからなるLED群を備え、かつ前記操作体までの距離に応じてR,G,Bの発光色の組み合わせを切り替えてもよい。
【0010】
こうすると、指の距離の変動に応じ、距離の認識に必要な色だけを発光させることで、無意味な電力消費を抑えることができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によると、指やペンなどの操作体までの距離に応じた入力操作が可能となる。このため、ユーザは、操作体の距離を変化させるだけで動作量の入力が可能となる。また、従来のように、平面的な動作量の入力手段(ボタン、レバーなど)を設ける必要がなく、操作装置の省スペース化に役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明の好ましい実施形態に係るデジタルカメラ(以下カメラと略す)100の正面図である。
【0014】
カメラ100の正面に配備されたレンズ鏡胴60には、ズームレンズ101a及びフォーカスレンズ101bを含む撮影レンズ101が内蔵されており、ズームレンズ101aを光軸方向に移動させることで焦点距離調節が行なわれるとともに、フォーカスレンズ101bを光軸方向に移動させることによりピント調節が行なわれる。
【0015】
レンズ鏡筒60は、カメラボディ180に沈胴した状態から、予め設定された最短焦点距離位置であるワイド端と最長焦点距離位置であるテレ端との間で進退することで、カメラボディ180から繰り出し、また収納される。この図では、レンズ鏡胴60がカメラボディ180に沈胴した状態が示されている。
【0016】
またカメラ100には、非撮影時には撮影レンズ101の前面を覆って撮像レンズ101と外界とを遮ることで撮像レンズ101を保護する状態をつくり出すとともに、撮像時には撮像レンズを外界に露出するレンズカバー61が設けられている。
【0017】
レンズカバー61は開閉自在な機構で構成されており、開放状態で撮影レンズ101の前面を覆い、閉鎖状態で撮影レンズ101の前面を外界に露出する。レンズカバー61は電源スイッチ121のオン/オフに連動して開放/閉鎖される。この図ではレンズカバー61は開放状態となっている。
【0018】
カメラ100の上面には、中央部分にレリーズスイッチ104の配備されたモードダイヤル123と電源スイッチ121とが配備されており、正面には、ストロボ105a、AF補助光ランプ105b、セルフタイマランプ105c等が配備されている。
【0019】
図2はカメラ100の背面図である。カメラ100の背面には、画像表示LCD102、光学式操作機器124が配備されている。光学式操作機器124は、表面積の広い親指を載せるためのガイド125を備え、ガイド125の中心付近には穴34が形成されている。光学式操作機器124は、右手親指を良好に載置できるように、カメラ背面右上に配備されている。光学式操作機器124は、穴34を介した光の発光/受光によってユーザの指などの動きを検出する。光学式操作機器124は、従来のカメラに配備されるズームスイッチ、切替レバー、十字キー、情報位置指定キー等の操作系の役割を果たす。
【0020】
図3はカメラ100のブロック図である。カメラ100にはユーザがこのカメラ100を使用するときに種々の操作を行なうための操作部120が設けられている。この操作部120には、カメラ100を作動させるための電源投入用の電源スイッチ121、オート撮影やマニュアル撮影等を選択するためのモードダイヤル123、光学式操作機器124が備えられている。
【0021】
また、カメラ100には、撮影画像や再生画像等を表示するための画像表示LCD102と、操作の手助けを行なうための操作LCD表示103が備えられている。
【0022】
このカメラ100にはレリーズスイッチ104が配備されている。このレリーズスイッチ104によって撮影の開始指示がメインCPU20へと伝えられる。このカメラ100では光学式操作機器124によって撮影と再生との切り替えが自在になっていて、撮影を行なうときにはユーザによって光学式操作機器124が撮影側に切り替えられ、再生を行なうときには光学式操作機器124が再生側に切り替えられる。また、カメラ100には、閃光を発光する閃光発光管105aを有する閃光発光装置が配備されている。
【0023】
また、カメラ100には、撮影レンズ101と、絞り131と、それら撮影レンズ101および絞り131を経由して結像された被写体像をアナログの画像信号に変換する撮像素子であるCCDセンサ132(以下CCD132と略記する)とが備えられている。CCD132は、詳細には、そのCCD132に照射された被写体光により発生した電荷を可変の電荷蓄積時間(露光期間)の間蓄積することにより画像信号を生成するものである。CCD132からは、CG部136から出力される垂直同期信号VDに同期したタイミングでフレーム毎の画像信号が順次出力される。
【0024】
撮像素子にCCD132を用いた場合には、色偽信号やモアレ縞等の発生を防止するために、入射光内の不要な高周波成分を除去する光学的ローパスフィルタ132aが配設されている。また、入射光内の赤外線を吸収若しくは反射して、長波長域で感度が高いCCDセンサ132固有の感度特性を補正する赤外カットフィルタ132bが配設されている。光学的ローパスフィルタ132a及び赤外カットフィルタ132bの具体的な配設の態様は特に限定されない。
【0025】
また、カメラ100には、CCDセンサ132からのアナログ画像信号が表わす被写体像のホワイトバランスを合わせるとともにその被写体像の階調特性における直線の傾き(γ)を調整し、さらにアナログ画像信号を増幅する増幅率可変の増幅器を含む白バランス・γ処理部133が備えられている。
【0026】
さらに、カメラ100には、白バランス・γ処理部133からのアナログ信号をディジタルのR,G,B画像データにA/D変換するA/D部134と、そのA/D部134からのR,G,B画像データを格納するバッファメモリ135が備えられている。
【0027】
本実施形態では、A/D部134は、8ビットの量子化分解能を有し、白バランス・γ処理部133から出力されるアナログR,G,B撮像信号をレベル0〜255のR,G,Bデジタル画像データに変換して出力する。ただし、この量子化分解能はあくまで一例であって本発明に必須の値ではない。
【0028】
また、カメラ100には、CG(クロックジェネレータ)部136と、測光・測距用CPU137と、充電・発光制御部138と、通信制御部139と、YC処理部140と、電源電池68とが備えられている。
【0029】
CG部136は、CCDセンサ132を駆動するための垂直同期信号VD,高速掃き出しパルスPを含む駆動信号、白バランス・γ処理部133,A/D部134を制御する制御信号、および通信制御部139を制御する制御信号を出力する。また、このCG部136には、測光・測距用CPU137からの制御信号が入力される。
【0030】
測光・測距用CPU137は、ズーム用モータ110、フォーカス用モータ111、絞り調整を行う絞り用モータ112を制御してズームレンズ101a、フォーカスレンズ101b、絞り131をそれぞれ駆動することにより測距を行ない、CG部136および充電・発光制御部138を制御する。ズーム用モータ110、フォーカス用モータ111、絞り用モータ112の駆動は、モータドライバ62によって制御され、モータドライバ62の制御コマンドは、測光・測距用CPU137あるいはメインCPU20から送られる。
【0031】
測光・測距用CPU137は、レリーズスイッチ104が半押し(S1オン)されると、CCD132によって周期的(1/30秒から1/60秒ごと)に得られる画像データに基づいて被写体の明るさの測光(EV値の算出)を行う。
【0032】
即ち、AE演算部151は、A/D変換部134から出力されたR、G、Bの画像信号を積算し、その積算値を測光・測距用CPU137に提供する。測光・測距用CPU137は、AE演算部151から入力する積算値に基づいて被写体の平均的な明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(EV値)を算出する。
【0033】
そして、測光・測距用CPU137は、得られたEV値に基づいて絞り131の絞り値(F値)及びCCD132の電子シャッタ(シャッタスピード)を含む露出値を所定のプログラム線図にしたがって決定する(AE動作)。
【0034】
レリーズスイッチ104が全押し(S2オン)されると、測光・測距用CPU137は、その決定した絞り値に基づいて絞り131を駆動し、絞り131の開口径を制御するとともに、決定したシャッタスピードに基づき、CG136を介してCCD132での電荷蓄積時間を制御する。
【0035】
AE動作は、絞り優先AE,シャッタ速度優先AE,プログラムAEなどがあるが、いずれにおいても、被写体輝度を測定し、この被写体輝度の測光値に基づいて決められた露出値、すなわち絞り値とシャッタスピードとの組み合わせで撮影を行うことにより、適正な露光量で撮像されるように制御しており、面倒な露出決定の手間を省くことができる。
【0036】
AF検出部150は、測光・測距CPU137により選定された検出範囲に対応する画像データをA/D変換部134から抽出する。焦点位置を検出する方法は、合焦位置で画像データの高周波成分が最大振幅になるという特徴を利用して行う。AF検出部150は、抽出された画像データの高周波成分を1フィールド期間積分することにより、振幅値を算出する。AF検出部150は、測光・測距CPU137がフォーカス用モータ110を駆動制御してフォーカスレンズ101aを可動範囲内、即ち無限遠側の端点(INF点)から至近側の端点(NEAR点)の間で移動させている間に順次振幅値の計算を実行し、最大振幅を検出した時に検出値を測光・測距CPU137に送信する。
【0037】
測光・測距CPU137は、この検出値を取得して対応する合焦位置に、フォーカスレンズ101bを移動させるようにフォーカス用モータ111に指令を出す。フォーカス用モータ111は、測光・測距CPU137の指令に応じてフォーカスレンズ101bを合焦位置に移動させる(AF動作)。
【0038】
測光・測距用CPU137は、メインCPU20とのCPU間通信によってレリーズスイッチ104と接続されており、ユーザによりレリーズスイッチ104が半押しされた時に、この合焦位置の検出が行われる。また、測光・測距用CPU137には、ズーム用モータ111が接続されており、メインCPU20が、ズームスイッチ127によってユーザからのTELE方向又はWIDE方向へのズームの指令を取得した場合に、ズーム用モータ110を駆動させることにより、ズームレンズ101aをWIDE端とTELE端との間で移動させる。
【0039】
充電・発光制御部138は,閃光発光管105aを発光させるために電源電池68からの電力の供給を受けて図示しない閃光発光用のコンデンサを充電したり、その閃光発光管105aの発光を制御する。
【0040】
充電・発光制御部138は,電源電池68の充電開始、レリーズスイッチ104の半押し・全押し操作信号等の各種の信号や、発光量、発光タイミングを示す信号をメインCPU20や測光・測距CPU137から取り込んだことに応じ、セルフタイマランプ105cやAF補助光105bへの電流供給制御を行い、所望の発光量が所望のタイミングで得られるように制御する。
【0041】
具体的には、メインCPU20あるいは測光・測距CPU137から充電・発光制御部138へハイ(H)レベルの信号が入力されると、セルフタイマランプ105cは通電状態となり点灯する。一方、充電・発光制御部138へロー(L)レベルの信号が入力されると、セルフタイマランプ105cは非通電状態となり消灯する。
【0042】
メインCPU20あるいは測光・測距CPU137は、H・Lレベル信号の出力時間の比率(デューティ比)を変化させて設定することでセルフタイマランプ105cの輝度(明るさ)を変化させる。
【0043】
なお、セルフタイマランプ105cはLEDで構成してもよく、AF補助光ランプ105bを構成するLEDと共通にしてもよい。
【0044】
メインCPU20には、セルフタイマ回路83が接続されている。メインCPU20は、セルフ撮影モードが設定されている場合、レリーズスイッチ104の全押し信号に基づいて計時を行なう。この計時中に、メインCPU20は測光・測距CPU137を介し、残り時間に合わせて点滅速度をだんだんと早めながら、セルフタイマランプ105cを点滅させる。セルフタイマ回路83は、計時完了後に計時完了信号をメインCPU20に入力する。メインCPU20は、計時完了信号に基づいて、CCD132にシャッタ動作を実施させる。
【0045】
通信制御部139には、通信ポート107が備えられており、この通信制御部139は、カメラ100により撮影された被写体の画像信号をUSB端子が備えられたパーソナルコンピュータ等の外部装置に出力し、およびこのような外部装置からカメラ100に画像信号を入力することにより、その外部装置との間のデータ通信を担うものである。また、このカメラ100は、ロール状の写真フイルムに写真撮影を行なう通常のカメラが有するISO感度100,200,400,1600等に切り替える機能を模擬した機能を有し、ISO感度400以上に切り替えられた場合、白バランス・γ処理部133の増幅器の増幅率が所定の増幅率を越えた高増幅率に設定された高感度モードとなる。通信制御部139は、高感度モードでの撮影中は、外部装置との通信を停止する。
【0046】
また、カメラ100には、圧縮・伸長&ID抽出部143と、I/F部144が備えられている。圧縮・伸長&ID抽出部143は、バッファメモリ135に格納された画像データを、バスライン142を介して読み出して圧縮し、I/F部144を経由してメモリカード200に格納する。また、圧縮・伸長&ID抽出部143は、メモリカード200に格納された画像データの読み出しにあたり、メモリカード200固有の識別番号(ID)を抽出し、そのメモリカード200に格納された画像データを読み出して伸長し、バッファメモリ135に格納する。
【0047】
バッファメモリ135に格納されたY/C信号は、圧縮・伸長&ID抽出部143によって所定のフォーマットに従って圧縮された後、I/F144を介してメモリカード200のようなリムーバブルメディアないしハードディスク(HDD)75のような内蔵型大容量記憶媒体に所定の形式(例えばExif(Exchangeable Image File Format)ファイル)で記録される。ハードディスク(HDD)75へのデータ記録またはハードディスク(HDD)75からのデータの読込みは、メインCPU20の指令に応じてハードディスクコントローラ74によって制御される。
【0048】
また、カメラ100には、メインCPU20と、EEPROM146と、YC/RGB変換部147と、表示用のドライバ148とが備えられている。メインCPU20は、このカメラ100全体の制御を行なう。EEPROM146には、このカメラ100固有の固体データやプログラム等が格納されている。YC/RGB変換部147は、YC処理部140で生成されたカラー映像信号YCを3色のRGB信号に変換して表示用のドライバ148を経由して画像表示LCD102に出力する。
【0049】
CPU20は、ドライバ148に内蔵されたOSD信号発生回路148aに対し、シャッタ速度や絞り値、撮影可能枚数、撮影日時、警告メッセージ、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)等の文字及び記号情報を表示するための信号を発生させるコマンドを送る。OSD信号発生回路148aはこのコマンドに従って映像情報を出力する。OSD信号発生回路148aから出力される信号は、必要に応じてYC/RGB変換部147からの画像信号に混合されて、液晶パネル71に供給される。これにより、スルー画像や再生画像に文字等が合成された合成画像が表示される。
【0050】
また、カメラ100は、AC電源から電力を得るためのACアダプタ48と電源電池68とが着脱可能な構成となっている。電源電池68は充電可能な二次電池、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池で構成される。電源電池68は使い切り型の一次電池、例えばリチウム電池、アルカリ電池で構成してもよい。電源電池68は図示しない電池収納室に装填することにより、カメラ100の各回路と電気的に接続される。
【0051】
ACアダプタ48がカメラ100に装填されAC電源からACアダプタ48を介してカメラ100に電力が供給される場合には、電源電池68が電池収納室に装填されている場合であっても、優先的に当該ACアダプタ48から出力された電力がカメラ100の各部に駆動用の電力として供給される。また、ACアダプタ48が装填されておらず、かつ電源電池68が電池収納室に装填されている場合には、当該電源電池68から出力された電力がカメラ100の各部に駆動用の電力として供給される。
【0052】
なお、図示しないが、カメラ100には、電池収納室内に収納される電源電池68とは別にバックアップ電池が設けられている。内蔵バックアップ電池には例えば専用の二次電池が用いられ、電源電池68によって充電される。バックアップ電池は、電源電池68の交換や取り外し等、電源電池68が電池収納室に装填されていない場合、カメラ100の基本機能に給電する。
【0053】
即ち、電源電池68又はACアダプタ48からの電源供給が停止すると、バックアップ電池がスイッチング回路(図示せず)によってRTC15等に接続され、これらの回路に給電する。これにより、バックアップ電池29が寿命に達しない限り、RTC15等の基本機能には、電源供給が間断なく継続する。
【0054】
RTC(Real Time Clock)15は計時専用のチップであり、電源電池68やACアダプタ48からの給電がオフされていてもバックアップ電池から電源供給を受けて継続的に動作する。
【0055】
画像表示LCD102には透過型又は半透過型の液晶パネル71を背面側から照明するバックライト70が配設されており、省電力モードの場合には、メインCPU20によりそのバックライト70の明るさ(輝度)がバックライトドライバ72を介して制御され、バックライト70の消費電力が低減されるようになっている。また、省電力モードは、光学式操作機器124を操作して画像表示LCD102にメニュー画面を表示させ、そのメニュー画面で所定の操作を行うことによってオン/オフを設定することができるようになっている。
【0056】
図4は本発明に係る光学式操作機器124周辺の要部構成を示す。光学式操作機器124は、発光輝度や発光色の調節が可能なLED群124−1(R、G、BのLED124R、124G、124B)ならびに電源電池68からLEDへの供給電流量の制御、LEDのオンオフのタイミング制御、LEDの発光量の制御を行うLEDドライバ124Dで構成された発光部124−1、発光部124−1の発光した光が指Fで反射して穴34から入射する反射光を受光して電気信号に変換する受光部124−2を備えている。
【0057】
受光部124−2は、反射光の受光量に応じた電気信号をA/D変換部134−2に出力する。この電気信号を受光量信号と呼ぶ。受光部124−2は、具体的には、CCDセンサ132を用いることができる。あるいは、本出願人による特開2001−352491に記載の撮像素子など、受光量に応じた電気信号を出力する回路であればなんでもよい。
【0058】
以下、受光部124−2はCCDセンサ132と同等の構成とし、受光部124−2の被写体は指Fであるものとして説明するが、形状的特徴を有するその他の物体(ペンなど)であってもよい。
【0059】
A/D変換部134−2は、受光部124−2からの受光量信号をデジタルデータに変換してバッファメモリ135−2に出力する。A/D変換部134−2から出力されたデータを受光量データと呼ぶ。受光量データは、受光部124−2から受光量信号が出力されるごとに、バッファメモリ135−2の2つの領域に交互に記憶される。これにより、時刻の異なる2つの受光量データが同時に記憶され、受光量信号が出力されるごとに古い時刻の受光量データが新しいものに書き換えられる。なお、3つ以上の受光量データを同時に記憶してもよい。
【0060】
CPU20は、発光部124−1の発光量や発光開始・終了タイミングを制御するモジュールである発光制御部20a、ガイド125と略垂直な軸Zに沿った指Fの移動方向及びガイド125からの距離を、受光量データに基づいて認識するモジュールである距離認識部20b、指Fの移動方向及び距離に応じて入力操作を認識するモジュールである操作認識部20cを実行する。発光制御部20a、距離認識部20b、操作認識部20cはCPU20によって実行されるプログラムであり、EEPROM146に記憶されている。
【0061】
図5は、操作認識部20cが受光量から距離を認識するために参照する、受光量と距離の関係を規定した曲線(受光量−距離曲線)の一例を示す。この受光量−距離曲線は、L0〜L6までの7つの離散的な距離と、受光量データによって識別される反射光の受光量との関係を規定する。操作認識部20cは、EEPROM146に記憶されている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する距離L0〜L6のいずれかを特定することで、指Fの距離を認識する。
【0062】
ここで、図6(a)に示すように、距離L0はガイド125と指が最も近接する最小距離であり、図6(b)に示すように、距離L6は操作認識部20cが認識可能な遠方側の限界距離である。距離L0〜L7は段階的な距離であり、L0<L1<..<L6となっている。
【0063】
以下、図7のフローチャートを参照し、本発明に係る入力操作認識動作の流れを説明する。
【0064】
S1では、デジタルカメラ100の電源スイッチ121がオンされると、A/D変換部134−2は受光量データの出力を開始する。なお、この時点で発光部124−1は発光を開始しない。
【0065】
S2、3では、バッファメモリ135−2は、A/D変換部134−2から順次出力される受光量データx1、x2を記憶する。
【0066】
S4では、発光制御部20aは、RAM149に記憶された新旧2つの受光量データx1、x2を比較し、受光量が減少したかを判断することで、穴34に指Fがかざされたか否かを判断する。受光量が減少した場合は穴34に指Fがかざされたと判断してS6に移行し、受光量が減少していない場合は穴34に指Fがかざされていないと判断してS5に移行する。
【0067】
なお、単に受光量が減少すればそのままS6に移行するのでなく、さらに、受光量の減少量が所定の閾値以上であるか否かを判断し、所定の閾値以上であればS6に移行するようにしてもよい。こうすると、急激な受光量の減少に限って指が穴34にかざされたと判断することになり、指Fをかざす動作と穴34に関係ない微小な受光量の減少も指がかざされたと判断することを防げる。
【0068】
S5では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を停止する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1の発光を停止する。なお、発光自体が開始していなければ、この指令を受け取っても引き続き発光を停止したままの状態を維持するのはいうまでもない。
【0069】
S6では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を開始する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1を所定の発光量、所定の発光タイミングで発光させる。LED群124−1の発光は、発光制御部20aから発光を停止する指令が送られる(S5)限り継続する。
【0070】
S7、8では、発光制御部20aは、バッファメモリ135−2に対し、受光量データx1、x2を消去し、空いた領域に、A/D変換部134−2から新たに出力される受光量データx3、x4を記憶するよう指令する。x3を第1データ、x4を第2データと称する。
【0071】
S9では、距離認識部20bは、EEPROM146の受光量−距離曲線とバッファメモリ135−2の基準データx3とを参照し、基準データx3によって示される指Fの距離Lp(これを基準距離とよぶ)を認識する。また、距離認識部20bは、受光量−距離曲線と移動データx4とを参照し、移動データx4によって示される指Fの距離Lnを認識する。ここで、距離LpとLnの両方を認識できた場合はS101に移行し、少なくとも距離LpかLnの一方を認識できなかった場合はS10に移行する。
【0072】
S10では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に対し、受光量データx3、x4を消去するよう指令する。そして、S1に戻り、新たに受光量データの記憶を行う。これは、ユーザがガイド125から指Fを離して入力操作を止める場合を考慮し、この場合に発光を停止させるかどうかを発光制御部20aに再び判断させるためである。
【0073】
S101では、操作認識部20cは、|ΔL|=|Ln−Lp|>0であるか、すなわち指Fの距離Lが増減しているか否かを判断する。増減していると判断した場合はS12に移行し、増減していないと判断した場合はS8に戻る。
【0074】
S102では、操作認識部20cは、動作量の入力があったと認識する。これに応じ、動作制御部20eは、指Fの距離の増減量ΔLに応じた制御を行う。具体的には、メインCPU20は、指Fの距離の増減ΔLに比例した繰出量でレンズ鏡胴60を移動する指令をモータドライバ62に出力する。
【0075】
例えば、
Δx=rΔL・・(1)
を満たす繰出量Δxを指令する。rは所定の比例定数である。
【0076】
図8はかかる制御動作による鏡胴60の移動の様子を例示する。
【0077】
説明の簡略のため、基準位置までの距離Lp=0とし、かつ、そのときの第1の鏡胴60−1の前面はワイド端位置WPに位置(レンズ繰り出し量x=0)するものとする。指Fをガイド125から離していくと、これに従ってΔxが増大し、徐々に第1の鏡胴60−1の前面がテレ端TPに向けて繰り出されていく。指Fの距離が認識できなくなると繰り出しが停止する。
【0078】
逆に、指Fをガイド125に向かって近づけていくと、これに従ってΔxが減少し、徐々に第1の鏡胴60−1の前面がワイド端WPに向けて沈胴していく。
【0079】
なお、S12の終了後はS8に戻り、第1データx3を消去して、新たにA/D変換部134−2から出力される受光量データを新たな第2データx4として記憶する。かつ、既に記憶されている古い方の第2データx4は消去せず、第1データx3として保持する。
【0080】
このように、指Fの距離を増減することによって鏡胴60の繰出量が増減するから、ユーザは、鏡胴60の繰り出し量を容易に調整することができる。なお、指Fの距離の増減量に応じた動作制御は、レンズ鏡胴60の繰出量に限定されず、OSD信号発生回路148aに対するズームバーの移動量の指令などにも応用できるのはいうまでもない。
【0081】
<第2実施形態>
第1実施形態では動作量の入力を認識させていたが、指Fの距離の変動でダブルクリックを認識させることも可能である。
【0082】
図9はダブルクリックを認識させる動作の一例を示すフローチャートである。
【0083】
S11では、デジタルカメラ100の電源スイッチ121がオンされると、受光部124−2及びA/D変換部134−2は、それぞれ受光量信号、受光量データの出力を開始する。受光量データを順次RAM149に記憶する動作を繰り返すことで、RAM149には異なる時点で得られた2つの受光量データが記憶される。
【0084】
S12では、操作認識部20cは、RAM149に記憶された新旧2つの受光量データを比較し、外光の入射量が増加したかまたは減少したかを判断することで、穴34に指Fがかざされたか否かを判断する。増加したと判断した場合はS13、減少したと判断した場合はS14に移行する。
【0085】
S13では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を停止する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1の発光を停止する。
【0086】
S14では、発光制御部20aは、発光部124−1に発光を開始する指令を送る。発光部124−1は、この指令を受け取ると、LED群124−1を所定の発光量、所定の発光タイミング(例えば10W、50kHz)で発光させる。LED群124−1の発光は、発光制御部20aから発光を停止する指令が送られる(S13)限り継続する。
【0087】
S15では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された古い方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線(図5参照)を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL0であるか否かを判断する。L=L0の場合はS16に移行し、L≠L0の場合はS11に戻る。
【0088】
S16では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された新しい方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL1であるか否かを判断する。L=L1の場合はS16に移行し、L≠L1の場合はS11に戻る。
【0089】
S17では、計時部20dは、所定時間T0(例えば0.2秒間)の経過を計時する。動作制御部20eは、計時部20dが所定時間T0を計時する間、受光部124−2及びA/D変換部134−2、それぞれ受光量信号、受光量データの出力を停止するよう制御する。これに合わせ、計時部20dが所定時間T0を計時する間、距離認識部20bも指Fの距離Lの認識を停止する。
【0090】
S18では、計時部20dによる所定時間T0の経過の計時完了後、動作制御部20eは、受光部124−2及びA/D変換部134−2は、それぞれ受光量信号、受光量データの出力を再開するよう制御する。これに合わせ、距離認識部20bも、指Fの距離Lの認識を再開する。距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された古い方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL0であるか否かを判断する。L=L0の場合はS19に移行し、L≠L0の場合はS21に移行する。
【0091】
S19では、距離認識部20bは、バッファメモリ135−2に記憶された新しい方の受光量データとEEPROM146に記憶さている受光量−距離曲線を参照し、受光量データに対応する指Fの距離L(L0〜L6のいずれか)を認識する。そして、この距離LがL1であるか否かを判断する。L=L1の場合はS20に移行し、L≠L1の場合はS21に移行する。
【0092】
S20では、操作認識部20cは、ダブルクリック操作があったと認識する。動作制御部20eは、ダブルクリック操作に応じた制御を行う。例えば、動作制御部20eは、グラフィカルユーザインターフェースの所望のメニューを選択した旨の表示を行う指令をOSD信号発生回路148aに送る。
【0093】
S21では、操作認識部20cは、クリック操作があったと認識する。動作制御部20eは、クリック操作に応じた制御を行う。例えば、動作制御部20eは、グラフィカルユーザインターフェースのカーソルの上下左右方向への移動表示を行う指令をOSD信号発生回路148aに送る。
【0094】
以上の動作によれば、指Fの距離を、近接側(L0)と遠望側(L1)の間で2往復させるだけで、簡単にダブルクリック操作を行うことができる。なお、L0とL1の関係は、L0≠L1であれば足りる。
【0095】
<第3実施形態>
第1ないし第2実施形態では、受光部124−2は、指Fからの反射光に基づいて距離を認識するが、指Fがガイド125に近い場合も、発光部124―1から強い光を発するのは無駄である。逆に、指Fがガイド125から離れている場合、発光部124―1から弱い光を発すると、外乱光の影響などで受光部124−2が良好に反射光を受光できない。このため、発光部124―1は、指Fの距離Lに応じて発光量や発光色を調整することが好ましい。
【0096】
例えば、図10に例示するように、発光色の組み合わせと受光量−距離曲線の対応関係をEEPROM146に記憶する。ここでは、LED124R単独の発光には曲線C1、LED124RとLED124Gを組み合わせた発光には曲線C2、LED124RとLED124GとLED124Bを組み合わせた発光には曲線C3が対応している。最長照射距離は、Rのみ、RとGの組み合わせ、RとGとBの組み合わせの順に長くなるため、指Fの距離が長くなるに従って最長照射距離の長くなる発光色で発光させる。
【0097】
発光制御部20aは、距離認識部20bの認識した指Fの距離Lに応じてLED群の発光色を切り替え、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC1〜C3に切り替える動作を行う。
【0098】
図11は発光色変更動作を具体的に示すフローチャートである。
【0099】
S31では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、G、Bの3色全てを発光させるよう指令を送る。LEDドライバ124Dはこの指令を受け取ったことに応じ、LED124R、G、Bの全てに電流を供給することでRGBからなる白色光を発光させる。
【0100】
S32では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC3に切り替える。
【0101】
S33は、バッファメモリ135−2は、A/D変換部134−2からの受光量データを記憶する。このステップで記憶された受光量データを古いほうの受光量データx1とよぶ。
【0102】
S34は、バッファメモリ135−2は、古いほうの受光量データx1が記憶された後、さらにA/D変換部134−2からの受光量データを記憶する。このステップで記憶された受光量データを古いほうの受光量データx2とよぶ。
【0103】
S35では、距離認識部20bは、受光量−距離曲線Cとバッファメモリ135−2に記憶された古い方の受光量データx1とを参照し、古い方の受光量データx1に対応する指Fの距離Lpを認識する。また、距離認識部20bは、受光量−距離曲線Cとバッファメモリ135−2に記憶された新しい方の受光量データx2とを参照し、新しい方の受光量データx2に対応する指Fの距離Lnを認識する。
【0104】
そして、ΔL=Ln−Lp>0であるか、すなわち指Fの距離Lが増加しているか否かを判断する。増加していると判断した場合はS36に移行し、引き続き白色光を発光させる。増加していないと判断した場合はS41に移行する。
【0105】
S36では、距離認識部20bは、Lnが曲線変更の第1の閾値(ここでは一例としてL4とするがこれに限定されず任意に設定可能)を超えているか否かを判断する。Ln>L4の場合はS37に移行し、Ln≦L4の場合はS39に移行する。
【0106】
S37では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、G、Bの3色全てを発光させるよう指令を送る。この動作はS31と同様である。
【0107】
S38では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC3に切り替える。この動作はS32と同様である。
【0108】
S39では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、Gの2色で発光させるよう指令を送る。LEDドライバ124Dは、LED124Bへの電流供給を停止する。
【0109】
S40では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC2に切り替える。
【0110】
S41では、距離認識部20bは、Lnが曲線変更の第2の閾値(ここでは一例としてL3とするがこれに限定されず任意に設定可能)を下回っているか否かを判断する。Ln<L3の場合はS42移行し、Ln≧L3の場合はS44に移行する。
【0111】
S42では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、の1色で発光させるよう指令を送る。LEDドライバ124Dは、LED124G、Bへの電流供給を停止し、LED124Rの1色のみを発光させる。
【0112】
S43では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC1に切り替える。
【0113】
S44では、発光制御部20aは、LEDドライバ124Dに対し、LED124R、Gの2色で発光させるよう指令を送る。この動作はS39と同様である。
【0114】
S45では、距離認識部20bは、受光量から距離を認識するために参照すべき受光量−距離曲線CをC2に切り替える。この動作はS40と同様である。
【0115】
以上の動作によると、指Fの距離がL3を下回って短くなっていくと、LED124Rのみが発光する。同時に、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC1に切り替える動作を行い、LED124Gのみの発光でL3を下回る指Fの距離を認識できる。
【0116】
また、指Fの距離がL4を超えて長くなっていくと、LED124R,G,Bが全て発光する。同時に、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC3に切り替える動作を行い、指Fの距離がL4を超えても指Fの距離を認識できる。
【0117】
指Fの距離がL3〜L4の場合はLED124R,Gが発光する。同時に、距離認識部20bは、発光色に応じて参照すべき受光量−距離曲線CをC2に切り替える動作を行い、LED124R,Gのみの発光でL3〜L4の間にある指Fの距離を認識できる。
【0118】
このように、指の距離の変動に応じ、距離の認識に必要な色だけを発光させることで、無意味な電力消費を抑えることができる。
【0119】
<第4実施形態>
発光部124−1は赤外線発光装置で構成してもよい。そして、受光部124−2は、赤外線フィルタを配置することで、赤外線のみを受光するように構成してもよい。こうすると、受光部124−2が受光する外乱光の影響を極力排除できる。
【0120】
あるいは、発光部124−1、受光部124−2、距離認識部20bの代わりに超音波、赤外線、レーザーなどを利用した測距センサを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】デジタルカメラの正面図
【図2】デジタルカメラの背面図
【図3】デジタルカメラのブロック構成図
【図4】光学式操作機器周辺の要部構成図
【図5】受光量−距離曲線の一例を示す図
【図6】認識可能な指の距離を示す図
【図7】第1実施形態に係る入力操作認識動作の流れを示すフローチャート
【図8】レンズ繰り出し量を例示する図
【図9】第2実施形態に係る入力操作認識動作の流れを示すフローチャート
【図10】発光色に応じた受光量−距離曲線の一例を示す図
【図11】第3実施形態に係る発光色変更動作の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0122】
20a:発光制御部、20b:距離認識部、20c:操作認識部、20d:計時部、20e:動作制御部124−1:発光部、124−2:受光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作体へ発光する発光部と、
前記発光部からの光が前記操作体に反射した反射光を受光して前記反射光の受光量に応じた電気信号を出力する受光部と、
前記受光部の出力した電気信号に従って前記反射光の受光量を認識する受光量認識部と、
前記受光量認識部の認識した前記反射光の受光量に従って前記操作体までの距離を認識する距離認識部と、
前記距離認識部の認識した前記操作体までの距離に応じた入力操作を認識する操作認識部と、
を備える光学式操作装置。
【請求項2】
前記操作認識部は前記操作体までの距離に応じた動作量を指定する入力操作を認識する請求項1に記載の光学式操作装置。
【請求項3】
前記操作認識部は前記受光量認識部が前記反射光の受光量を認識することができなくなったことに応じて前記動作量を指定する入力操作が終了したことを認識する請求項2に記載の光学式操作装置。
【請求項4】
前記操作認識部は前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで1回目の押下操作を認識し、かつ前記1回目の押下操作から所定の認識停止時間を隔てた後で前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで2回目の押下操作を認識することにより、ダブルクリック操作を認識する請求項1に記載の光学式操作装置。
【請求項5】
前記発光部はR,G,Bの可視光を発光するLEDからなるLED群を備え、かつ前記操作体までの距離に応じてR,G,Bの発光色の組み合わせを切り替える請求項1〜3のいずれかに記載の光学式操作装置。
【請求項1】
操作体へ発光する発光部と、
前記発光部からの光が前記操作体に反射した反射光を受光して前記反射光の受光量に応じた電気信号を出力する受光部と、
前記受光部の出力した電気信号に従って前記反射光の受光量を認識する受光量認識部と、
前記受光量認識部の認識した前記反射光の受光量に従って前記操作体までの距離を認識する距離認識部と、
前記距離認識部の認識した前記操作体までの距離に応じた入力操作を認識する操作認識部と、
を備える光学式操作装置。
【請求項2】
前記操作認識部は前記操作体までの距離に応じた動作量を指定する入力操作を認識する請求項1に記載の光学式操作装置。
【請求項3】
前記操作認識部は前記受光量認識部が前記反射光の受光量を認識することができなくなったことに応じて前記動作量を指定する入力操作が終了したことを認識する請求項2に記載の光学式操作装置。
【請求項4】
前記操作認識部は前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで1回目の押下操作を認識し、かつ前記1回目の押下操作から所定の認識停止時間を隔てた後で前記操作体までの距離が所定の第1の距離から所定の第2の距離へ変化することで2回目の押下操作を認識することにより、ダブルクリック操作を認識する請求項1に記載の光学式操作装置。
【請求項5】
前記発光部はR,G,Bの可視光を発光するLEDからなるLED群を備え、かつ前記操作体までの距離に応じてR,G,Bの発光色の組み合わせを切り替える請求項1〜3のいずれかに記載の光学式操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−72668(P2007−72668A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257753(P2005−257753)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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