説明

免疫抑制剤としての医薬組成物

【課題】免疫作用に関連する疾患の予防又は治療薬として優れた医薬組成物を提供する。
【解決手段】
HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つと、下記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つとを含有する医薬組成物。
【化1】



[式中、
及びRは、同一又は異なって水素原子等;Rは、低級アルキル基等;Rは、水素原子等;Rは、水素原子、ハロゲン原子、フェニル基等;Xは、ビニレン基(CH=CH基)、メチル化された窒素原子等;Yは、単結合,酸素原子,硫黄原子,カルボニル基;
Zは、炭素数1乃至8のアルキレン基等;nは、2又は3の整数;置換基群aは、低級アルキル基、低級アルコキシ基フェニル基等を示す。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoA(以下、HMG−CoAと省略する。)還元酵素阻害剤と、免疫抑制作用を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる1種又は2種以上の化合物とを有効成分として含有し、臓器移植及び皮膚移植における拒絶反応、関節リウマチやその他の自己免疫疾患等の免疫作用に関連する疾患の予防又は治療薬として優れる医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関節リウマチやその他の自己免疫疾患等の治療においては、異常な免疫反応によって生じる炎症反応に対してステロイドなどの抗炎症薬が使用されてきた。しかしながら、これらは対症療法であること又重篤な副作用が存在することが問題となっている。また、糖尿病、腎炎の発症においても免疫系の異常が関与することは報告されているが(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)、現在その異常を改善するような薬剤の開発には至っていない。
【0003】
既存の免疫抑制剤であるサイクロスポリンA(CsA)やタクロリムス(TRL)等は、臓器移植及び皮膚移植における拒絶反応を防いだり種々の自己免疫疾患を治療及び予防する上でも極めて重要である。しかし、これらの免疫抑制剤は腎臓及び肝臓に対して毒性を示すことが知られており、そのような副作用を軽減するために、ステロイド類を併用するなどの治療が広く用いられてきたが、必ずしも副作用を示すことなく十分な免疫抑制効果を発揮するには至っていないのが現状である。
【0004】
また、最近新規免疫抑制剤として、アミノアルコール誘導体等の研究開発が報告されているが実際に臨床において広く使用されるには至っていない。
【0005】
アミノアルコール誘導体としては、例えば、以下の化合物が知られている。
【0006】
(1)一般式(a)
【0007】
【化1】

【0008】
{上記化合物(a)において、
は置換基を有してもよい直鎖または分岐鎖状の炭素鎖[当該鎖中に、二重結合、三重結合、酸素、硫黄、−N(R6)−(式中、R6は水素を示す。)、置換基を有してもよいアリ−レン、置換基を有してもよいヘテロアリ−レンを有してもよく、当該鎖端に、置換基を有してもよいアリ−ル、置換基を有してもよいシクロアルキル、置換基を有してもよいヘテロアリ−ルを有してよい。]であり、R2、R、R、Rは、同一または異なって、水素、アルキルである。}を有する化合物(例えば、特許文献1参照)、
(2)一般式(b)
【0009】
【化2】

【0010】
[上記化合物(b)において、
、R2及びRは、水素原子等であり、Wは、水素原子、アルキル基等であり、Zは、単結合又はアルキレン基であり、Xは、水素原子又はアルコキシ基であり、Yは、水素原子、アルキル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アシルアミノ基等を示す。」
を有する化合物(例えば、特許文献2参照)、
(3)一般式(c)
【0011】
【化3】

【0012】
[上記化合物(c)において、
、R2、R、Rは同一又は異なって、水素又はアシル基である。]を有する化合物(例えば、特許文献3参照)及び
(4)一般式(d)
【0013】
【化4】

【0014】
[上記化合物(d)において、
1は、ハロゲン原子、トリハロメチル基、ヒドロキシ基、炭素数1〜7の低級アルキル基、フェノキシメチル基等;R2は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基等;R3は、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル基等;Xは、O、S、SO、SO;nは1〜4の整数である。]を有する化合物(例えば特許文献4、5参照)である。
【0015】
一方、下記一般式(e)
【0016】
【化5】

【0017】
[式中、R1及びR2は、水素原子、アミノ基の保護基;R3は、水素原子、ヒドロキシ基の保護基;R4は、低級アルキル基;nは1乃至6の整数;Xは、エチレン基等;Yは、C1−C10アルキレン基等;R5は、アリ−ル基、置換されたアリ−ル基等;R6及びR7は、水素原子等;但し、R5が水素原子であるとき、Yは単結合及び直鎖のC1−C10アルキレン基以外の基を示す。]を有する化合物を、本出願人は、特開2002−167382号公報(特許文献6)において、開示している。
【0018】
又、下記一般式(f)
【0019】
【化6】

【0020】
[式中、R1及びR2は、水素原子、アミノ基の保護基等;R3は、水素原子、ヒドロキシ基の保護基等;R4は、低級アルキル基;nは1乃至6の整数;Xは、酸素原子又は無置換若しくは低級アルキル基等により置換された窒素原子;Yは、エチレン基等;Zは、炭素数1乃至10個のアルキレン基等;R5は、アリ−ル基、置換されたアリ−ル基等;R6及びR7は、水素原子等;但し、R5が水素原子であるとき、Zは単結合及び直鎖の炭素数1乃至10個のアルキレン基以外の基を示す。]を有する化合物を、本出願人は、特開2003−267950号公報(特許文献7)において、開示している。
【0021】
また、上記アミノアルコール誘導体は、その分子中の水酸基が生体内でリン酸化され活性を発現することが広く知られるようになった。
【0022】
一方最近になって、HMG−CoA還元酵素阻害剤が、関節リウマチの治療に効果があると報告(非特許文献3及び非特許文献4参照)されたが、一部の限定された場合における試験のみで一般的に有効であるかは不明である。
【0023】
以上のような背景から、毒性が低く優れた免疫抑制作用を有する医薬組成物を見出すことが望まれている。
【非特許文献1】Kidney International, vol.51, 94(1997)
【非特許文献2】Journal of Immunology, vol.157, 4691(1996)
【非特許文献3】Journal of Rheumatol. 2002 Sep;29(9):2024−6.
【非特許文献4】Lupus. 2003;12(8):607−11.
【特許文献1】WO94/08943(EP627406)
【特許文献2】WO96/06068
【特許文献3】WO98/45249
【特許文献4】WO03/029184
【特許文献5】WO03/029205
【特許文献6】特開2002−167382号公報
【特許文献7】特開2003−267950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の課題は、臓器移植及び皮膚移植における拒絶反応、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸炎、多発性硬化症やその他の自己免疫疾患等の免疫作用に関連する疾患の予防又は治療薬として優れる医薬組成物を提供することである。
【0025】
本発明者らは、免疫抑制作用を有する医薬組成物について鋭意研究を行った結果、本発明の医薬組成物が、毒性が低く優れた免疫抑制作用を有し、該組成物中に含有される免疫抑制剤のいずれの薬理効果をも増強して発揮し、かつ該免疫抑制剤単独では持ちうる副作用も低減させ、全身性エリトマト−デス、関節リウマチ、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、ベ−チェット病、Chron病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、多発性硬化症、自己免疫性水疱症、尋常性乾癬、血管炎症群、Wegener肉芽腫、ぶどう膜炎、特発性間質性肺炎、Goodpasture症候群、サルコイド−シス、アレルギ−性肉芽腫性血管炎、気管支喘息、心筋炎、心筋症、大動脈炎症候群、心筋梗塞後症候群、原発性肺高血圧症、微小変化型ネフロ−ゼ、膜性腎症、膜性増殖性腎炎、巣状糸球体硬化症、半月体形成性腎炎、重症筋無力症、炎症性ニュ−ロパチ−、アトピ−性皮膚炎、慢性光線性皮膚炎、急性多発性関節炎,Sydenham舞踏病,全身性硬化症、成人発症糖尿病、インスリン依存性糖尿病、若年性糖尿病、アテロ−ム性動脈硬化症、糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、劇症肝炎、ウイルス性肝炎、GVHD、各種臓器移植での拒絶反応、接触皮膚炎、敗血症等の自己免疫疾患又はその他免疫関連疾患(特に、自己免疫疾患)に有用であることを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0026】
(1)本発明の医薬組成物は、
HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つと、下記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つとを含有する医薬組成物である。
【0027】
【化7】

【0028】
[式中、
及びRは、同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示し、
は、低級アルキル基又はヒドロキシメチル基を示し、
は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、シクロヘキシル基、フェニル基又は置換基群aから選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基を示し、
Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチル化された窒素原子を示し、
Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を示し、
Zは、単結合、炭素数1乃至8のアルキレン基又はフッ素原子で2乃至8個置換された炭素数1乃至8のアルキレン基を示し、
nは、2又は3の整数を示す。
【0029】
置換基群aは、ハロゲン原子、シアノ基、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群を示す。]
上記医薬組成物(1)において、好適な医薬組成物を下記に記す。
【0030】
(2)上記(1)において、
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、下記一般式(Ia)である医薬組成物、
【0031】
【化8】

【0032】
(3)上記(1)又は(2)において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はピタバスタチンからなる群より選択される少なくとも一つの薬剤である医薬組成物、
(4)上記(1)又は(2)において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、プラバスタチン、シンバスタチン又はアトルバスタチンからなる群より選択される少なくとも一つの薬剤である医薬組成物、
(5)上記(1)又は(2)において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、プラバスタチンである医薬組成物、
(6)上記(1)又は(2)において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、アトルバスタチンである医薬組成物、
(7)上記(1)乃至(6)から選択されるいずれか1項において、
及びRが、水素原子である医薬組成物、
(8)上記(1)乃至(7)から選択されるいずれか1項において、
が、メチル基、エチル基又はヒドロキシメチル基である医薬組成物、
(9)上記(1)乃至(7)から選択されるいずれか1項において、
が、メチル基又はエチル基である医薬組成物、
(10)上記(1)乃至(7)から選択されるいずれか1項において、
が、ヒドロキシメチル基である医薬組成物、
(11)上記(1)乃至(7)から選択されるいずれか1項において、
が、メチル基である医薬組成物、
(12)上記(1)乃至(11)から選択されるいずれか1項において、
が、水素原子である医薬組成物、
(13)上記(1)乃至(11)から選択されるいずれか1項において、
が、塩素原子である医薬組成物、
(14)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、フェニル基又は置換基群aから選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基である医薬組成物、
(15)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、フッ素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基又はフェニル基からなる群より選ばれる基で1乃至3個置換されたフェニル基である医薬組成物、
(16)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、フッ素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基又はフェニル基からなる群より選ばれる基で1個置換されたフェニル基である医薬組成物、
(17)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、フッ素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基又はフェニル基からなる群より選ばれる基でパラ位に置換されたフェニル基である医薬組成物。
【0033】
(18)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、トリフルオロメチル基又はベンジルオキシ基で1個置換されたフェニル基である医薬組成物、
(19)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、トリフルオロメチル基又はベンジルオキシ基でメタ位に置換されたフェニル基である医薬組成物、
(20)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、低級アルキル基及び低級アルコキシ基からなる群より選ばれる基で1乃至3個置換されたフェニル基である医薬組成物、
(21)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、メチル基及びメトキシ基からなる群より選ばれる基で1乃至3個置換されたフェニル基である医薬組成物、
(22)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、フェニル基である医薬組成物、
(23)上記(1)乃至(13)から選択されるいずれか1項において、
が、水素原子である医薬組成物、
(24)上記(1)乃至(23)から選択されるいずれか1項において、
Xが、ビニレン基(CH=CH基)である医薬組成物、
(25)上記(1)乃至(23)から選択されるいずれか1項において、
Xが、酸素原子、硫黄原子又はメチル基で置換された窒素原子である医薬組成物、
(26)上記(1)乃至(23)から選択されるいずれか1項において、
Xが、メチル基で置換された窒素原子である医薬組成物、
(27)上記(1)乃至(26)から選択されるいずれか1項において、
Yが、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である医薬組成物、
(28)上記(1)乃至(26)から選択されるいずれか1項において、
Yが、単結合である医薬組成物、
(29)上記(1)乃至(26)から選択されるいずれか1項において、
Yが、酸素原子である医薬組成物、
(30)上記(1)乃至(26)から選択されるいずれか1項において、
Yが、硫黄原子である医薬組成物、
(31)上記(1)乃至(26)から選択されるいずれか1項において、
Yが、カルボニル基である医薬組成物、
(32)上記(1)乃至(31)から選択されるいずれか1項において、
Zが、単結合又は炭素数1乃至8のアルキレン基である医薬組成物、
(33)上記(1)乃至(31)から選択されるいずれか1項において、
Zが、単結合である医薬組成物、
(34)上記(1)乃至(31)から選択されるいずれか1項において、
Zが、炭素数1乃至8のアルキレン基である医薬組成物、
(35)上記(1)乃至(31)から選択されるいずれか1項において、
Zが、炭素数8のアルキレン基である医薬組成物、
(36)上記(1)乃至(31)から選択されるいずれか1項において、
Zが、炭素数2乃至5のアルキレン基である医薬組成物、
(37)上記(1)乃至(31)から選択されるいずれか1項において、
Zが、炭素数3のアルキレン基である医薬組成物、
(38)上記(1)乃至(37)から選択されるいずれか1項において、
nが、2である医薬組成物、
(39)上記(1)乃至(37)から選択されるいずれか1項において、
nが、3である医薬組成物、
(40)上記(1)乃至(6)から選択されるいずれか1項において、
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、下記化合物である医薬組成物:
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−エチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−イソプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シクロプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−t−ブチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−フルオロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−クロロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−エチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−イソプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シクロプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−t−ブチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−フルオロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−クロロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,3−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−シアノフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール。
【0034】
(41)上記(1)乃至(6)から選択されるいずれか1項において、
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、下記化合物である医薬組成物:
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,3−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−シアノフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール。
【0035】
(42)上記(1)乃至(6)から選択されるいずれか1項において、
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、下記化合物である医薬組成物:
2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルオキシフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(7−フェニルヘプタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−[2−(4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−[2−(4−エトキシフェニル)エトキシ]フェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロピオニル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[3−メトキシ−4−(4−フェニルブトキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−(4−ヘキシルオキシフェニル)ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−フェニルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−ヘプチルオキシフェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール及び
(43)(1)において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤がアトルバスタチンであり、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオールである医薬組成物である。
【0036】
また本発明は、
(44)哺乳動物に(1)乃至(43)から選択されるいずれか1項に記載された医薬組成物の有効量を投与することを特徴とする、自己免疫疾患の予防方法又は治療方法、
(45)自己免疫疾患治療剤を製造するための、(1)乃至(43)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物の使用、
(46)HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つと、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つとを同一の医薬組成物中に含有させる(1)乃至(43)から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法、
(47)HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つと、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つとを同時に、順次又は別個に投与する方法、
(48)配合剤であることを特徴とする、(1)乃至(43)に記載の医薬組成物からなる自己免疫疾患治療剤及び
(49)HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有してなる薬剤と、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有してなる薬剤とからなるキットであることを特徴とする、(1)乃至(43)に記載の医薬組成物からなる自己免疫疾患治療剤を提供する。

本発明における医薬組成物の有効成分の一つであるHMG−CoA還元酵素阻害剤は、微生物由来の天然物質、それから誘導される半合成物質、及び全合成化合物のすべてが含まれ、例えば、(+)−(3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−7−[(1S,2S,6S,8S,8aR)−6−ヒドロキシ−2−メチル−8−[(S)−2−メチルブチリルオキシ]−1,2,6,7,8,8a−ヘキサヒドロ−1−ナフチル]ヘプタン酸(プラバスタチン、特開昭57−2240号公報(USP4346227))、(+)−(1S,3R,7S,8S,8aR)−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−[(2R,4R)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル]エチル]−1−ナフチル (S)−2−メチルブチレート(ロバスタチン、特開昭57−163374号公報(USP4231938))、(+)−(1S,3R,7S,8S,8aR)−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロ−3,7−ジメチル−8−[2−[(2R,4R)−テトラヒドロ−4−ヒドロキシ−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル]エチル]−1−ナフチル 2,2−ジメチルブチレート(シンバスタチン、特開昭56−122375号公報(USP4444784))、(±)(3R*,5S*,6E)−7−[3−(4−フルオロフェニル)−1−(1−メチルエチル)−1H−インド−ル−2−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸(フルバスタチン、特表昭60−500015号公報(USP4739073))、(3R,5S)−7−[2−(4−フルオロフェニル)−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−フェニルアミノカルボニル−1H−ピロ−ル−1−イル]−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸(アトルバスタチン、特開平3−58967号公報(USP5273995))、(+)−(3R,5S)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(N−メチル−N−メタンスルフォニルアミノ)ピリミジン−5−イル]−3,5−ジヒドロキシ−6(E)−ヘプテン酸(ロスバスタチン、特開平5−178841号公報(USP5260440))又は(E)−3,5−ジヒドロキシ−7−[4’−(4’’−フルオロフェニル)−2’−シクロプロピルキノリン−3’−イル]−6−ヘプテン酸(ピタバスタチン、特開平1−279866号公報(USP5854259及びUSP5856336))のようなスタチン化合物である。
【0037】
HMG−CoA還元酵素阻害剤として好適には、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はピタバスタチンであり、更に好適には、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はピタバスタチンであり、より好適には、プラバスタチン、シンバスタチン又はアトルバスタチンであり、更により好適には、プラバスタチン又はアトルバスタチンであり、特に好適には、アトルバスタチンである。
【0038】
以下に、HMG−CoA還元酵素阻害剤の代表的なものの平面構造式を示す。
【0039】
【化9】

【0040】
【化10】



【0041】
本発明の医薬組成物の有効成分の一つであるアミノアルコール誘導体は、下記一般式(I)を有する。
【0042】
【化11】

【0043】
上記式中、R、R、R、R及び置換基群aの定義における「低級アルキル基」とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−メチルプロピル基、3−メチルプロピル基、2,2,2−トリメチルメチル基、ペンチル基又はヘキシル基であり得、好適には、メチル基、エチル基又はプロピル基であり、更に好適には、メチル基又はエチル基である。
【0044】
上記式中、R、R及び置換基群aの定義における「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、好適には、フッ素原子又は塩素原子である。
【0045】
上記式中、R及び置換基群aの定義における「低級アルコキシ基」とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、3−メチルプロポキシ基、2,2,2−トリメチルメトキシ基、ペンチルオキシ基又はヘキシルオキシ基である。
【0046】
上記式中、Zの定義における「炭素数1乃至8基のアルキレン基」とは、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基又はオクタメチレン基であり得、好適には、炭素数2乃至8のアルキレン基であり、更に好適には、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘプタメチレン基又はオクタメチレン基である。
【0047】
上記式中、Zの定義における「フッ素原子で2乃至8個置換された炭素数1乃至8のアルキレン基」とは、例えば、ジフルオロメチレン基、1,1−ジフルオロエチレン基、1,1,2,2−テトラフルオロエチレン基、1,1−ジフルオロプロピレン基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピレン基、1,1−ジフルオロテトラメチレン基、1,1,2,2−テトラフルオロテトラメチレン基、1,1−ジフルオロペンタメチレン基又は1,1,2,2−テトラフルオロペンタメチレン基であり得、好適には、1,1−ジフルオロプロピレン基、1,1,2,2−テトラフルオロプロピレン基、1,1−ジフルオロテトラメチレン基、1,1,2,2−テトラフルオロテトラメチレン基、1,1−ジフルオロペンタメチレン基又は1,1,2,2−テトラフルオロペンタメチレン基である。
【0048】
上記式中、置換基群aの定義における「シクロアルキル基」とは、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基であり得、好適には、シクロヘキシル基である。
【0049】
上記における「その薬理上許容される塩」とは、上記一般式(I)を有する化合物が、塩基性基としてアミノ基を有するため、酸と反応させることにより得られる塩であり、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;又は、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、塩酸塩、酢酸塩、フマール酸塩、コハク酸塩又はマレイン酸塩である。
【0050】
上記における「その薬理上許容されるエステル」とは、上記一般式(I)を有する化合物が、その分子中に水酸基が存在し、エステルにすることができるので、そのエステルをいい、そのようなエステルとしては、通常の「水酸基の保護基」である。
【0051】
「水酸基の保護基」とは、加水素分解、加水分解、電気分解、光分解のような化学的方法により開裂し得る「反応における保護基」、及び、「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」を示す。
【0052】
斯かる「反応における保護基」としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、3−メチルノナノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオクタノイル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、1−メチルペンタデカノイル、14−メチルペンタデカノイル、13,13−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイル、15−メチルヘキサデカノイル、オクタデカノイル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル、アイコサノイル及びヘナイコサノイルのようなアルキルカルボニル基、スクシノイル、グルタロイル、アジポイルのようなカルボキシ化アルキルカルボニル基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲノ低級アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのような低級アルコキシ低級アルキルカルボニル基、(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基等の「脂肪族アシル基」;ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリ−ルカルボニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲノアリ−ルカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリ−ルカルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリ−ルカルボニル基、2−カルボキシベンゾイル、3−カルボキシベンゾイル、4−カルボキシベンゾイルのようなカルボキシ化アリ−ルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリ−ルカルボニル基、2−(メトキシカルボニル) ベンゾイルのような低級アルコキシカルボニル化アリ−ルカルボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリ−ル化アリ−ルカルボニル基等の「芳香族アシル基」;テトラヒドロピラン−2−イル、3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン−4−イルのような「テトラヒドロピラニル又はテトラヒドロチオピラニル基」;テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロチオフラン−2−イルのような「テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基」;トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル基、ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような1乃至2個のアリ−ル基で置換されたトリ低級アルキルシリル基等の「シリル基」;メトキシメチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキシメチル基、2−メトキシエトキシメチルのような低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチルのようなハロゲノ低級アルコキシメチル等の「アルコキシメチル基」;1−エトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのような低級アルコキシ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチルのようなハロゲン化エチル基等の「置換エチル基」;ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個のアリ−ル基で置換された低級アルキル基、4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジル、メチル、ピペロニルのような低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ基でアリ−ル環が置換された1乃至3個のアリ−ル基で置換された低級アルキル基等の「アラルキル基」;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニルのようなハロゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基等の「アルコキシカルボニル基」;ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルのような「アルケニルオキシカルボニル基」;ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような、1乃至2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリ−ル環が置換されていてもよい「アラルキルオキシカルボニル基」であり、好適には、脂肪族アシル基である。
【0053】
一方、「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」としては、例えば、エチルカルボニルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、ジメチルアミノアセチルキシメチル、1−アセトキシエチルのようなアシルオキシアルキル基;1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、エトキシカルボニルオキシメチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルのような1−(アルコキシカルボニルオキシ)アルキル基;フタリジル基;4−メチル−オキソジオキソレニルメチル、4−フェニル−オキソジオキソレニルメチル、オキソジオキソレニルメチルのようなオキソジオキソレニルメチル基等の「カルボニルオキシアルキル基」;上記「脂肪族アシル基」;上記「芳香族アシル基」;「コハク酸のハーフエステル塩残基」;「燐酸エステル塩残基」;「アミノ酸等のエステル形成残基」;カルバモイル基;1乃至2個の低級アルキル基で置換されたカルバモイル基であり、そのような誘導体か否かは、ラットやマウスのような実験動物に静脈注射により投与し、その後の動物の体液を調べ、元となる化合物又はその薬理学的に許容される塩を検出できることにより決定できる。この中で、好適には、リン酸エステル塩残基である。
【0054】
本発明の一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルは、その分子内に不斉炭素原子を有するので、光学異性体が存在する。一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体においては、光学異性体および光学異性体の混合物がすべて単一の式、即ち一般式(I)で示されている。従って、本発明は光学異性体および光学異性体の任意の割合の混合物をもすべて含むものである。例えば、本発明の一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体において、アミノ基は不斉炭素原子に置換しているが、特にRの絶対配位を有する化合物が好適である。
【0055】
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルは、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明の一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体の薬理上許容される塩に包含される。
【0056】
本発明の一般式(I)を有する化合物の具体例としては、例えば、下記表1に記載の化合物であるが、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。
【0057】
表中の略号は以下の通りである。
Ac : アセチル基
tBu : t−ブチル基
Et : エチル基
EtO : エトキシ式
Me : メチル基
MeO : メトキシ基
Ph : フェニル基
cPr : シクロプロピル基
iPr : イソプロピル基
(表1)
【0058】
【化12】

【0059】
化合物
番号 R
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1 Me 2−F−Ph
2 Me 3−F−Ph
3 Me 4−F−Ph
4 Me 2,3−di−F−Ph
5 Me 2,4−di−F−Ph
6 Me 2,5−di−F−Ph
7 Me 3,4−di−F−Ph
8 Me 3,5−di−F−Ph
9 Me 2−Cl−Ph
10 Me 3−Cl−Ph
11 Me 4−Cl−Ph
12 Me 2,3−di−Cl−Ph
13 Me 2,4−di−Cl−Ph
14 Me 2,5−di−Cl−Ph
15 Me 3,4−di−Cl−Ph
16 Me 3,5−di−Cl−Ph
17 Me 2−Me−Ph
18 Me 3−Me−Ph
19 Me 4−Me−Ph
20 Me 2,3−di−Me−Ph
21 Me 2,4−di−Me−Ph
22 Me 2,5−di−Me−Ph
23 Me 3,4−di−Me−Ph
24 Me 3,5−di−Me−Ph
25 Me 2−Et−Ph
26 Me 3−Et−Ph
27 Me 4−Et−Ph
28 Me 2−cPr−Ph
29 Me 3−cPr−Ph
30 Me 4−cPr−Ph
31 Me 2−iPr−Ph
32 Me 3−iPr−Ph
33 Me 4−iPr−Ph
34 Me 2−tBu−Ph
35 Me 3−tBu−Ph
36 Me 4−tBu−Ph
37 Me 2−tBu−Ph
38 Me 3−tBu−Ph
39 Me 4−tBu−Ph
40 Me 2−MeO−Ph
41 Me 3−MeO−Ph
42 Me 4−MeO−Ph
43 Me 2,3−di−MeO−Ph
44 Me 2,4−di−MeO−Ph
45 Me 2,5−di−MeO−Ph
46 Me 3,4−di−MeO−Ph
47 Me 3,5−di−MeO−Ph
48 Me 2−EtO−Ph
49 Me 3−EtO−Ph
50 Me 4−EtO−Ph
51 Me 2−iPrO−Ph
52 Me 3−iPrO−Ph
53 Me 4−iPrO−Ph
54 Me 2−Me−3−MeO−Ph
55 Me 2−Me−4−MeO−Ph
56 Me 2−Me−5−MeO−Ph
57 Me 3−Me−4−MeO−Ph
58 Me 3−Me−5−MeO−Ph
59 Me 2−MeO−3−Me−Ph
60 Me 2−MeO−4−Me−Ph
61 Me 2−MeO−5−Me−Ph
62 Me 3−MeO−4−Me−Ph
63 Me 3−MeO−5−Me−Ph
64 Me 2−CF−Ph
65 Me 3−CF−Ph
66 Me 4−CF−Ph
67 Me 3,5−di−CF−Ph
68 Me 2−Ac−Ph
69 Me 3−Ac−Ph
70 Me 4−Ac−Ph
71 Me 2−CN−Ph
72 Me 3−CN−Ph
73 Me 4−CN−Ph
74 Et 2−F−Ph
75 Et 3−F−Ph
76 Et 4−F−Ph
77 Et 2,3−di−F−Ph
78 Et 2,4−di−F−Ph
79 Et 2,5−di−F−Ph
80 Et 3,4−di−F−Ph
81 Et 3,5−di−F−Ph
82 Et 2−Cl−Ph
83 Et 3−Cl−Ph
84 Et 4−Cl−Ph
85 Et 2,3−di−Cl−Ph
86 Et 2,4−di−Cl−Ph
87 Et 2,5−di−Cl−Ph
88 Et 3,4−di−Cl−Ph
89 Et 3,5−di−Cl−Ph
90 Et 2−Me−Ph
91 Et 3−Me−Ph
92 Et 4−Me−Ph
93 Et 2,3−di−Me−Ph
94 Et 2,4−di−Me−Ph
95 Et 2,5−di−Me−Ph
96 Et 3,4−di−Me−Ph
97 Et 3,5−di−Me−Ph
98 Et 2−Et−Ph
99 Et 3−Et−Ph
100 Et 4−Et−Ph
101 Et 2−cPr−Ph
102 Et 3−cPr−Ph
103 Et 4−cPr−Ph
104 Et 2−iPr−Ph
105 Et 3−iPr−Ph
106 Et 4−iPr−Ph
107 Et 2−tBu−Ph
108 Et 3−tBu−Ph
109 Et 4−tBu−Ph
110 Et 2−tBu−Ph
111 Et 3−tBu−Ph
112 Et 4−tBu−Ph
113 Et 2−MeO−Ph
114 Et 3−MeO−Ph
115 Et 4−MeO−Ph
116 Et 2,3−di−MeO−Ph
117 Et 2,4−di−MeO−Ph
118 Et 2,5−di−MeO−Ph
119 Et 3,4−di−MeO−Ph
120 Et 3,5−di−MeO−Ph
121 Et 2−EtO−Ph
122 Et 3−EtO−Ph
123 Et 4−EtO−Ph
124 Et 2−iPrO−Ph
125 Et 3−iPrO−Ph
126 Et 4−iPrO−Ph
127 Et 2−Me−3−MeO−Ph
128 Et 2−Me−4−MeO−Ph
129 Et 2−Me−5−MeO−Ph
130 Et 3−Me−4−MeO−Ph
131 Et 3−Me−5−MeO−Ph
132 Et 2−MeO−3−Me−Ph
133 Et 2−MeO−4−Me−Ph
134 Et 2−MeO−5−Me−Ph
135 Et 3−MeO−4−Me−Ph
136 Et 3−MeO−5−Me−Ph
137 Et 2−CF−Ph
138 Et 3−CF−Ph
139 Et 4−CF−Ph
140 Et 3,5−di−CF−Ph
141 Et 2−Ac−Ph
142 Et 3−Ac−Ph
143 Et 4−Ac−Ph
144 Et 2−CN−Ph
145 Et 3−CN−Ph
146 Et 4−CN−Ph
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

上記表1において、本発明の化合物(I)として好適には、
例示化合物番号:17−24、40−47、54−63、72、73、90−97、113−120、127−136、145、146
であり、より好適には、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−エチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−イソプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シクロプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−t−ブチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−フルオロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−クロロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−エチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−イソプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シクロプロピルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−t−ブチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−フルオロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−クロロフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
2−アミノ−2−エチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール
であり、更に好適には、
17−24、54−63、72、73
であり、より更に好適には、
例示化合物番号 17:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 18:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 19:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 20:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 21:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 22:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 23:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 24:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 57:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
例示化合物番号 62:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
例示化合物番号 73:2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール
である。
【発明の効果】
【0060】
本発明の医薬組成物は、優れた免疫抑制作用を有し、毒性も弱いため、哺乳動物(特に、ヒト)に対する、臓器移植及び皮膚移植における拒絶反応、関節リウマチやその他の自己免疫疾患等の免疫作用に関連する疾患の予防又は治療薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
本発明の医薬組成物の有効成分であるHMG−CoA還元酵素阻害剤は、上記特許文献8乃至特許文献14(特開昭57−2240号公報(USP4346227)、特開昭57−163374号公報(USP4231938)、特開昭56−122375号公報(USP4444784)、特表昭60−500015号公報(USP4739073)、特開平3−58967号公報(USP5273995)、特開平5−178841号公報(USP5260440)、特開平1−279866号公報(USP5854259及びUSP5856336))等に記載の方法に従い、容易に製造することができる。
【0062】
また、本発明の医薬組成物の有効成分である上記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体は、例えば、上記特許文献1乃至特許文献7(WO94/08943(EP627406)、WO96/06068、WO98/45249、WO03/029184、WO03/029205、特開2002−167382号公報、特開2003−267950号公報)等に記載する方法に従って製造することができる。
【0063】
本発明の医薬組成物は、該組成物中に含有するHMG−CoA還元酵素阻害剤とアミノアルコール誘導体との双方の薬理効果を増強して発揮し、優れた免疫抑制作用を示し、かつ該免疫抑制剤が持ちうる副作用も低減させ、毒性も弱いため、全身性エリトマト−デス、関節リウマチ、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、ベ−チェット病、Chron病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性肝炎、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、自己免疫性溶血性貧血、多発性硬化症、自己免疫性水疱症、尋常性乾癬、血管炎症群、Wegener肉芽腫、ぶどう膜炎、特発性間質性肺炎、Goodpasture症候群、サルコイド−シス、アレルギ−性肉芽腫性血管炎、気管支喘息、心筋炎、心筋症、大動脈炎症候群、心筋梗塞後症候群、原発性肺高血圧症、微小変化型ネフロ−ゼ、膜性腎症、膜性増殖性腎炎、巣状糸球体硬化症、半月体形成性腎炎、重症筋無力症、炎症性ニュ−ロパチ−、アトピ−性皮膚炎、慢性光線性皮膚炎、急性多発性関節炎,Sydenham舞踏病,全身性硬化症、成人発症糖尿病、インスリン依存性糖尿病、若年性糖尿病、アテロ−ム性動脈硬化症、糸球体腎炎、尿細管間質性腎炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、劇症肝炎、ウイルス性肝炎、GVHD、各種臓器移植での拒絶反応、接触皮膚炎、敗血症等の自己免疫疾患又はその他免疫関連疾患(特に、自己免疫疾患)の予防薬又は治療薬(特に、治療薬)として有用である。
【0064】
本発明の医薬組成物を、上記疾患の予防薬又は治療薬として使用する場合には、本発明の医薬組成物を、適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤若しくは坐剤等による非経口的に投与することができる。
【0065】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニト−ル、ソルビト−ルのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロ−スのようなセルロ−ス誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;リン酸水素カルシウムのようなリン酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビ−ガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコ−ル;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、ポリビニルピロリドン、マクロゴ−ル、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−スカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロ−スナトリウムのようなセルロ−ス誘導体;カルボキシメチルスタ−チ、カルボキシメチルスタ−チナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロ−ス類を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノ−ル、ベンジルアルコ−ル、フェニルエチルアルコ−ルのようなアルコ−ル類;塩化ベンザルコニウム;フェノ−ル、クレゾ−ルのようなフェノ−ル類;チメロサ−ル;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0066】
本発明の医薬組成物は、前述の特定の群より選択される少なくとも一つのHMG−CoA還元酵素阻害剤と、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルよりなる群から選択される少なくともひとつの化合物とを、同時に、順次又は別個に投与することもできるが、臨床上は、同時に投与されることが便宜であり、それゆえ、該HMG−CoA還元酵素阻害剤と、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルよりなる群から選択される少なくともひとつの化合物とは、配合剤の形態で投与することができる。

製剤技術上、両製剤を物理的に同時に混合することが好ましくない場合は、それぞれの単剤をキットとして同時に投与することもできるし、同時に投与しなくても優れた効果を示すので、それぞれの単剤を適当な間隔をおいて相前後して投与することもできる。
【0067】
すなわち、本発明において、同時に投与するとは、ほぼ同じ時間に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、単一の組成物として投与するのが好ましい。
【0068】
本発明において、順次又は別個に投与するとは、異なった時間に別々に投与できる投与形態であれば特に限定はなく、例えば、最初に、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルよりなる群から選択される少なくともひとつの化合物を投与し、次いで、決められた時間後に、前述の特定の群より選択される少なくとも一つHMG−CoA還元酵素阻害剤を投与したり、或いは、最初に該HMG−CoA還元酵素阻害剤を投与し、次いで、決められた時間後に、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルよりなる群から選択される少なくともひとつの化合物を投与したりすることをいう。本発明に於いて、該HMG−CoA還元酵素阻害剤と、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルよりなる群から選択される少なくともひとつの化合物とによりもたらされる優れた効果が達成されるのに許容される最大限の上記2系統の薬剤の投与間隔は、臨床上又は動物実験により確認することができる。
【0069】
本発明の医薬組成物の有効成分である前述の特定の群より選択される少なくとも一つのHMG−CoA還元酵素阻害剤と、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物との投与量と投与比率は、個々の薬剤の活性、患者の症状、年齢、体重等の種々の条件により変化し得る。
【0070】
その投与量は、症状、年齢等により異なるが、各々、経口投与の場合には、成人(体重約60kg)に対して、1回当たり0.05mg乃至200mg、好適には、5mg乃至40mgであり、静脈内投与の場合には、成人(体重約60kg)に対して、1回当たり0.01mg乃至100mg、好適には、1mg乃至10mgである。その投与回数は、成人(体重約60kg)に対して、1日当たり1乃至6回を、症状に応じて、同時に又は時間を置いて別々に投与することができる。
【0071】
また、本発明の医薬組成物の有効成分である前述の特定の群より選択される少なくとも一つのHMG−CoA還元酵素阻害剤と、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物との投与量の比率も、また、大幅に変わりうるが、例えば、該HMG−CoA還元酵素阻害剤と、前記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物との投与量比率は、重量比で、1:500乃至500:1の範囲内であり得る。
【実施例】
【0072】
以下に、製造例、試験例及び製剤例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定するものではない。

(試験例1)
ラットHvGR(Host versus Graft Reaction)に対する抑制活性の測定
(1) 2系統のラット[Lewis(雄、6週齢、日本チャールス・リバー株式会社)とWKAH/Hkm(雄、7週齢、日本エスエルシー株式会社)]を使用した。1群5匹のラット(宿主)を用いる。
(2)HvGRの誘導
WKAH/HkmラットまたはLewisラットの脾臓から脾臓細胞を単離し、RPMI1640培地(ライフテクノロジー社製)で濃度1x10個/mlの脾臓細胞浮遊液を作製した。WKAH/Hkmラット脾臓細胞浮遊液0.1mlをLewisラットの両後肢足蹠皮内(HvGR誘発群)、またはLewisラットの脾臓細胞浮遊液0.1mlをLewisラットの両後肢足蹠皮内(同系群)に注射する。
(3)化合物の投与
試験用化合物を、0.5%トラガカント液で、それぞれ0.8 mg/5 ml 、0.08 mg/5 ml および0.008 mg/5 mlの濃度に懸濁する。
【0073】
スタチン類及び免疫抑制剤投与群には、スタチン類懸濁液と免疫抑制剤懸濁液を、体重1kg当たり5mlの割合で、1日1回、脾臓細胞注射日から4日間連日でラットに経口投与する。
【0074】
なお、スタチン類投与群には、スタチン類懸濁液と0.5%トラガカント液を、免疫抑制剤投与群には、免疫抑制剤懸濁液と0.5%トラガカント液を、それぞれ、体重1kg当たり5mlの割合で、1日1回、脾臓細胞注射日から4日間連日でラットに経口投与する。
【0075】
また、同系群(Lewisラット脾臓細胞を注射され、化合物を投与されないLewisラット)と対照群(WKAH/Hkmラット脾臓細胞を注射され、化合物を投与されないLewisラット)には、0.5%トラガカント液を経口投与する。
(4)HvGRに対する抑制活性の測定方法
各個体の膝窩リンパ節重量から同系群の平均膝窩リンパ節重量を引き(「HvGRによる膝窩リンパ節重量」)、対照群の平均「HvGRによる膝窩リンパ節重量」に対する化合物投与群の各個体の「HvGRによる膝窩リンパ節重量」から抑制率を算出する(式1)。
【0076】
(数1)
対照群の平均「HvGRによる膝窩リンパ節重量」
−化合物投与群の各個体の「HvGRによる膝窩リンパ節重量」
抑制率(%)=―――――――――――――――――――――――――――×100
対照群の平均「HvGRによる膝窩リンパ節重量」

(試験例2)抗関節炎作用の評価
ヒトの関節リウマチに類似した関節炎を発症するラットアジュバント関節炎モデルを用い、足蹠体積増加抑制率を指標にして、関節炎に対する本発明の医薬組成物の効果を評価する。試験には8週齢雌性Lewisラットを用いる。
(1)アジュバントの調製
Mycobacterium butyricum加熱死菌体をメノウ乳鉢で微細化後、乾熱滅菌した流動パラフィンに2mg/mLになるよう懸濁し、超音波処理をしてアジュバントを調製する。
(2)被験化合物の調製
被験化合物は0.5%トラガカント液に懸濁または溶解する。
(3)アジュバント関節炎の誘導
(1)で調製したアジュバント0.05mlを対照群および被験化合物投与群のラットの右後肢足蹠皮内に注射する。なお、試験群毎にラットを5匹用いる。また、アジュバントを注射しない群として正常対照群を設ける。
(4)被験化合物の投与
(2)で調製した被験化合物を、アジュバント注射日から18日間、1日1回、5ml/kg経口投与する。対照群には0.5%トラガカント液のみを同様に投与する。
(5)被験化合物の足蹠体積増加抑制率の算出法
投与開始後、11日目と18日目に右後肢の体積を足体積測定装置で測定し、各群の腫脹体積の平均値を算出する。
【0077】
次式により足蹠体積増加抑制率(%)を算出し、評価を行う。
【0078】
足蹠体積増加抑制率(%)=(1−([被験化合物投与群の足蹠体積]−[正常対照群の足蹠体積])/[対照群の足蹠体積]−[正常対照群の足蹠体積]))×100

(試験例3)ラット末梢血リンパ球数減少作用の評価
LEWラット(雄、5週齢、日本チャールス・リバー株式会社)を使用する。1群5匹のラットを用いる。
【0079】
(1)被験化合物の投与
被験化合物は1%トラガント液(溶媒)に懸濁させる。被験化合物懸濁液を、ラットの体重1kgあたり5mLの割合で強制経口投与する。
なお、正常群には被験化合物懸濁液の代わりに溶媒を投与する。
【0080】
(2)末梢血リンパ球数の測定
溶媒あるいは被験化合物懸濁液投与後3時間において、エーテル麻酔下で下大静脈より採血を行い、EDTA入りチューブに移す。採取した血液について血液学検査装置でリンパ球の絶対数を測定する。正常群のリンパ球数を100%としたときの被験化合物によるリンパ球数減少作用を相対値(%)で算出する。

(製剤例1)
錠剤
スタチン類 50.0mg
免疫抑制剤 10.0mg
乳糖 113.0mg
トウモロコシデンプン 25.0mg
ステアリン酸マグネシウム 2.0mg

200 mg
上記処方の粉末を混合し、打錠機により打錠して、1錠200mgの錠剤とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つと、下記一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つとを含有する医薬組成物。
【化1】


[式中、
及びRは、同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基を示し、
は、低級アルキル基又はヒドロキシメチル基を示し、
は、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、
は、水素原子、ハロゲン原子、シクロヘキシル基、フェニル基又は置換基群aから選択される基で1乃至3個置換されたフェニル基を示し、
Xは、ビニレン基(CH=CH基)、酸素原子、硫黄原子又はメチル化された窒素原子を示し、
Yは、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基を示し、
Zは、単結合、炭素数1乃至8のアルキレン基又はフッ素原子で2乃至8個置換された炭素数1乃至8のアルキレン基を示し、
nは、2又は3の整数を示す。
置換基群aは、ハロゲン原子、シアノ基、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基及びベンジルオキシ基からなる群を示す。]
【請求項2】
請求項1において、
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、下記一般式(Ia)である医薬組成物。
【化2】

【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、プラバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン又はピタバスタチンからなる群より選択される少なくとも一つの薬剤である医薬組成物。
【請求項4】
請求項1又は請求項2において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、プラバスタチンである医薬組成物。
【請求項5】
請求項1又は請求項2において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤が、アトルバスタチンである医薬組成物。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5から選択されるいずれか1項において、
及びRが、水素原子である医薬組成物。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6から選択されるいずれか1項において、
が、メチル基、エチル基又はヒドロキシメチル基である医薬組成物。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6から選択されるいずれか1項において、
が、ヒドロキシメチル基である医薬組成物。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6から選択されるいずれか1項において、
が、メチル基である医薬組成物。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9から選択されるいずれか1項において、
が、水素原子である医薬組成物。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10から選択されるいずれか1項において、
が、フッ素原子、シアノ基、メチル基、メトキシ基、エトキシ基又はフェニル基からなる群より選ばれる基で1乃至3個置換されたフェニル基である医薬組成物。
【請求項12】
請求項1乃至請求項10から選択されるいずれか1項において、
が、メチル基及びメトキシ基からなる群より選ばれる基で1乃至3個置換されたフェニル基である医薬組成物。
【請求項13】
請求項1乃至請求項10から選択されるいずれか1項において、
が、フェニル基である医薬組成物。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13から選択されるいずれか1項において、
Xが、ビニレン基(CH=CH基)である医薬組成物。
【請求項15】
請求項1乃至請求項13から選択されるいずれか1項において、
Xが、酸素原子、硫黄原子又はメチル基で置換された窒素原子である医薬組成物。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15から選択されるいずれか1項において、
Yが、単結合、酸素原子、硫黄原子又はカルボニル基である医薬組成物。
【請求項17】
請求項1乃至請求項15から選択されるいずれか1項において、
Yが、カルボニル基である医薬組成物。
【請求項18】
請求項1乃至請求項17から選択されるいずれか1項において、
Zが、単結合又は炭素数1乃至8のアルキレン基である医薬組成物。
【請求項19】
請求項1乃至請求項18から選択されるいずれか1項において、
nが、2である医薬組成物。
【請求項20】
請求項1において、
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、下記化合物である医薬組成物:
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,3−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(2,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,4−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3,5−ジメチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[4−(4−シアノフェニル)ブタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,3−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(2,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,4−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3,5−ジメチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メチル−4−メトキシフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール及び
2−アミノ−2−メチル−4−{1−メチル−5−[5−(4−シアノフェニル)ペンタノイル]ピロール−2−イル}ブタン−1−オール。
【請求項21】
請求項1において、
一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が、下記化合物である医薬組成物:
2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−ヘプチルオキシフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−{2−[4−(7−フェニルヘプタノイル)フェニル]エチル}プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−[2−(4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−[2−(4−エトキシフェニル)エトキシ]フェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−[2−(4−[2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)エトキシ]フェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−ビフェニル−4−イルプロピオニル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[3−メトキシ−4−(4−フェニルブトキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンチルオキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−フェニルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−(4−ヘキシルオキシフェニル)ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−フェニルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(3−シクロヘキシルプロポキシ)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−(5−シクロヘキシルペンタノイル)フェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−メチル−4−[4−ヘプチルオキシフェニル]ブタン−1−オール、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−アミノ−2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピル−1,3−プロパンジオール、
2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェノキシ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール及び
2−アミノ−2−メチル−5−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]ペンタン−1−オール。
【請求項22】
請求項1において、
HMG−CoA還元酵素阻害剤がアトルバスタチンであり、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体が2−アミノ−2−[2−(4−オクチルフェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオールである医薬組成物。
【請求項23】
哺乳動物に請求項1乃至請求項22から選択されるいずれか1項に記載された医薬組成物の有効量を投与することを特徴とする、自己免疫疾患の予防方法又は治療方法。
【請求項24】
自己免疫疾患治療剤を製造するための、請求項1乃至請求項22から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
【請求項25】
HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つと、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つとを同一の医薬組成物中に含有させる請求項1乃至請求項22から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物の製造方法。
【請求項26】
HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つと、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つとを同時に、順次又は別個に投与する方法。
【請求項27】
配合剤であることを特徴とする、請求項1乃至請求項22に記載の医薬組成物からなる自己免疫疾患治療剤。
【請求項28】
HMG−CoA還元酵素阻害剤からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有してなる薬剤と、一般式(I)を有するアミノアルコール誘導体、その薬理上許容される塩及びその薬理上許容されるエステルからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有してなる薬剤とからなるキットであることを特徴とする、請求項1乃至請求項22に記載の医薬組成物からなる自己免疫疾患治療剤。

【公開番号】特開2006−63068(P2006−63068A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216996(P2005−216996)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(000001856)三共株式会社 (98)
【Fターム(参考)】