説明

入出力表示装置

【課題】表示画面の拡大または縮小を2本の指の相対移動によって操作自在とし、かつ、そのスクロールを2本の指の同時同方向移動によって行い、表示画面の拡大または縮小とスクロールを1タッチ動作で入力自在とする。
【解決手段】拡大縮小検出部96でディスプレイ3の地図の拡大または縮小要求と判断されたとき、読み込んだ各指の移動距離から拡大率を拡大率算出部99で算定し、スクロール検出部97でディスプレイ3の地図のスクロールの要求と判断されたとき、読み込んだ各指の移動距離及び移動速度からスクロール距離をスクロール算出部98で算定する。したがって、地図等の表示画面の拡大または縮小を2本の指の相対移動によって操作でき、また、スクロールを2本の指の同時同方向移動によって行い、表示画面の拡大または縮小とスクロールを2指の1タッチ動作で入力自在とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図または写真上の特定位置の表示が可能な入出力表示装置に関するもので、特に、地図または写真上の位置を地図の拡大、縮小、スクロールによって特定の場所を拡大、縮小表示するナビゲーション装置、携帯電話を含む携帯情報機器、電子ブック等の表示出力及び表示入力が可能な入出力表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置としては、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)衛星を利用し、自己の位置や移動速度をリアルタイムに求めている。この種のナビゲーション装置は、自動車等の移動体または携帯用として普及している。
このナビゲーション装置の構成形態としては、電子化された地図データに基づいてモニタ上に地図を表示し、その地図上で自己の位置を示している。また、利用者が出発地、目的地、経由地等を指定することによって、その設定されたルートに基づいて走行を案内する機能を有している。
【0003】
また、地図画像を表示可能なディスプレイに接触させた指の動作履歴により、地図画像の回転、拡大、縮小及びスクロールの少なくとも1つの操作の実行指示及び操作量を同時に入力可能な携帯情報機器が公知である。例えば、2本の指を遠ざける動作により地図画像の拡大指示及び拡大量を入力でき、2本の指を近づける動作により地図画像の縮小指示及び縮小量を入力でき、1本の指の摺動動作によりスクロールを入力でき、1本の指を軸に他の1本の指を回転させる動作により地図画像を回転指示及び回転量を入力できる特許文献1の技術が公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−163031
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1の技術は、地図画像を表示可能なディスプレイを含む携帯情報機器であって、地図画像が表示されたディスプレイに接触させた指の移動履歴を検出する指動作検出部と、前記指の移動履歴にもとづき、地図画像の回転、拡大、縮小及びスクロールの少なくとも1つの操作が入力されたと判断する操作内容判断部と、前記判断に基づき、ディスプレイに表示された地図画像に回転、拡大、縮小及びスクロールの少なくとも1つの操作を施した地図画像を生成する地図画像生成部とを含む携帯情報機器に使用され、地図画像の回転、拡大、縮小、スクロール等の機能を使い勝手のよいヒューマンインターフェースで実現している。このように、ディスプレイに表示された地図画像の回転、拡大、縮小及びスクロールの少なくとも1つの操作の実行指示のみならず、操作量をも同時に入力することができる。
【0006】
ところが、例えば、特許文献1の操作内容判断部は、指の移動履歴に基づき、地図画像の回転量、拡大量、縮小量及びスクロール量の少なくとも1つの操作量を決定し、地図画像生成部が決定された操作量に基づきディスプレイに表示された地図画像に回転、拡大、縮小及びスクロールの少なくとも1つの操作を施した地図画像を生成するものであるからと表現されているものの、スクロールは人差し指1本で移動操作するものであり、拡大量及び縮小量の入力が2本の指で移動操作するものである。
地図画像の拡大、縮小を行っているときにスクロールの必要性が生じると、地図画像の拡大、縮小の後に、スクロール量を記憶しておき、再度、指を2本から1本に代えてスクロール操作する必要性があった。
【0007】
そこで、本発明は、表示画面の拡大または縮小を2本の指の相対移動によって操作自在とし、かつ、そのスクロールを2本の指の同時同方向移動によって行い、表示画面の拡大または縮小とスクロールを1タッチ動作で入力自在とした入出力表示装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明にかかる入出力表示装置は、指初期位置検出部によって、画像を表示したディスプレイに接触させた2本の指の初期位置を検出する。指移動位置検出部によって2本の指の移動方向及び移動距離を読み込み、読み込んだ各指の移動距離から拡大率を算定すると共に、読み込んだ各指の移動距離及び移動速度からスクロールする表示対象の距離を算定する。
ここで、上記ディスプレイとは、画像表示する表示手段に対して表示手段に接触させた指を検出するタッチスイッチ等で構成されたもので、表示及びタッチ入力を行うものである。
また、上記指初期位置検出部は、指を接触させた初期位置を検出するものである。
そして、上記指移動位置検出部は、検出された2本の指が、画像を表示したディスプレイに接触し、当該2本の指がどのように移動したかの移動方向を読み込み、記憶するものであり、接触した初期位置から、接触解除されるまでの位置を所定のタイミングで読み取るものである。
更に、上記操作指示部は、読み込んだ2本の指の相対距離が長くなるか、短くなるかの移動によって、前記ディスプレイの画像の拡大または縮小要求を判断するものである。
また、読み込んだ2本の指の移動方向及び移動速度によって、前記ディスプレイの画像のスクロールの要求を判断するものである。
そして、上記操作指示部で前記ディスプレイの画像の拡大または縮小を行うとき、読み込んだ各指の移動距離から指の移動距離が長いものの拡大率を大きく、指の移動距離の短いものの拡大率を小さく設定する。この拡大縮小は、前記ディスプレイの画像中心とすることもできるし、2指から中心位置を算出しても良い。なお、上記2本の指を結ぶ直線上の位置は、前記2本の指の中間を中心としてもよいし、また、2本の指の特性を考慮して下の指よりに中心位置を設定してもよい。何れにせよ、人の使い勝手から、違和感のない中心が設定できればよい。
加えて、操作指示部で前記ディスプレイの画像のスクロールを行うとき、読み込んだ各指の移動距離及び移動速度からスクロールする表示対象の距離を算定するものである。
なお、拡大率は、1倍未満の場合は縮小を意味し、1倍を超える場合は拡大を意味する。
【0009】
請求項2の発明にかかる入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指の移動距離の少ない方の指の初期位置を固定位置として前記画像の拡大率の変更並びにスクロールを行うものである。
ここで、上記2本の指は、人の習性から一方のみを変化させようとしても、両方を変化させてしまう場合があるので、動きの少ない方の指を固定位置の基準として拡大率及びスクロール位置を決定するものである。
【0010】
請求項3の発明にかかる入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指のうち一方の指が所定誤差範囲内の移動のとき、その指の初期位置を固定位置として前記画像の拡大率の変更並びにスクロールの1以上を行うものである。
ここで、上記2本の指は、人の習性から一方のみを変化させようとしても、両方を変化させてしまう場合があるので、動きの少ない方の指を所定の動きの範囲内であれば固定位置の基準として拡大率及びスクロール位置を決定するものである。
【0011】
請求項4の発明にかかる入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指間の初期位置における距離と移動位置における距離との比率に対応して前記画像の拡大率を決定するものである。
ここで、上記拡大率は、前記2本の指間の初期位置における距離と移動位置における距離との比率に対応して決定するものであるから、人が指間の距離で大きさを表現する習性が活用でき、かつ、拡大、縮小も自由に表現できる。
【0012】
請求項5の発明にかかる入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指間の初期位置における中点位置と移動位置における中点位置を算出し、中点の移動方向に対応して、前記画像のスクロール方向を決定するものである。
ここで、2指による拡大、縮小は、イメージ的に表現されやすいが、2指によるスクロールのイメージは、2指を全体に同一方向へ移動させるのは、1本指の場合に近似した処理であることが理解できる。そこで、前記2本の指間の初期位置における中点位置と移動位置における中点位置を算出し、中点の移動方向に対応して、前記画像のスクロール方向を決定する。
【0013】
請求項6の発明にかかる入出力表示装置の前記操作指示部は、前記ディスプレイに表示される画像が地図画像であり、操作指示部による拡大率の変更は地図の縮尺変更としたものである。
ここで、特に、拡大及び縮小の頻度が高い処理として、用途的にもナビゲーション等の需要が高い地図画像を特定したものである。
【0014】
請求項7の発明にかかる入出力表示装置の指示検出部は、拡大縮小検出部及びスクロール検出部からなるものである。
ここで、上記指示検出部は、拡大縮小検出機能及びスクロール検出機能を有するものである。
【0015】
請求項8の発明にかかる入出力表示装置の指示検出部の拡大縮小検出部は、指初期位置検出部と指移動位置検出部で読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して互いに略同一直線方向に沿った移動と見做す範囲内の相対距離が長くなるか、短くなるかの移動であれば、前記ディスプレイの画像の拡大または縮小要求と判断するものである。
ここで、上記拡大縮小検出部は、読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して互いに略同一直線方向と見做す範囲内の相対距離が長くなるか、短くなるかの移動であれば、前記ディスプレイの画像の拡大または縮小要求と判断するものである。
【0016】
請求項9の発明にかかる入出力表示装置の指示検出部のスクロール検出部は、指初期位置検出部と指移動位置検出部で読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して互いに略同一直線方向に沿って指の移動方向が互いに同一方向の移動と見做す範囲内の移動のとき、スクロールの要求と判断するものである。
ここで、上記スクロール検出部は、読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して互いに略同一直線上の互いに同一方向の移動と見做す範囲内の移動のとき、前記ディスプレイの画像のスクロールの要求と判断するものである。
【0017】
請求項10の発明にかかる入出力表示装置の前記拡大縮小検出部及びスクロール検出部は、拡大縮小検出及びスクロール検出ができた時点で、前記ディスプレイの画像の拡大または縮小及びスクロールを行うものである。
ここで、上記拡大縮小検出部及びスクロール検出部は、拡大縮小検出及びスクロール検出ができた時点で、前記ディスプレイの画像の拡大及び縮小並びにスクロールを行うものであり、順序を問わず、同時に、前記ディスプレイの画像の拡大、縮小、スクロールを行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の入出力表示装置は、画像を表示したディスプレイに指を接触させ、その2本の指の初期位置を指初期位置検出部で検出する。前記指初期位置検出部によって2本の指が、画像を表示したディスプレイに接触したこと及び前記2本の指の移動方向及び移動距離を指移動位置検出部で読み込み、読み込んだ各指の移動距離から拡大率を算定すると共に、各指の移動距離及び移動速度からスクロールする対象の距離を算定する。
したがって、表示画面の拡大または縮小とスクロールを1タッチ動作で入力自在とすることができる。
【0019】
請求項2の入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指の移動距離の少ない方の指の初期位置を固定位置として前記画像の拡大率の変更並びにスクロールの1以上を行うものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、人の指の移動の正確性の個人差をなくし、2本指の入力を操作者の意図を正確に判断することができる。
【0020】
請求項3の入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指のうち一方の指が所定誤差範囲内の移動のとき、その指の初期位置を固定位置として前記画像の拡大率の変更並びにスクロールの1以上を行うものであるから請求項1に記載の効果に加えて、請求項2と同様、人の指の移動の正確性の個人差をなくす所定の誤差範囲内の移動のとき、それを加味することにより、2本指の入力を操作者の意図を正確に判断することができる。
【0021】
請求項4の入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指間の初期位置における距離と移動位置における距離との比率に対応して前記画像の拡大率を決定ものであるから請求項1乃至請求項3のうちの何れか1つに記載の効果に加えて、拡大率を操作者の目分量で2指入力でき、初期値として2本の指の間隔をあまり意識することなく、移動中及び移動後の距離によって設定することができる。
【0022】
請求項5の入出力表示装置の前記操作指示部は、前記2本の指間の初期位置における中点位置と移動位置における中点位置を算出し、中点の移動方向に対応して、前記画像のスクロール方向を決定するものであるから請求項1乃至請求項4のうちの何れか1つに記載の効果に加えて、前記2本の指間の初期位置が開いているときには、請求項2及び請求項3の発明であれば、特定の指が基準になるが、更に、2本の指が共通して移動した場合には、2指の間隔に中央を中心位置として、拡大、縮小を行うものである。
【0023】
請求項6の入出力表示装置は、前記ディスプレイに表示される画像が地図画像で、操作指示部による拡大率の変更は地図の縮尺変更であるものであるから請求項1乃至請求項5のうちの何れか1つに記載の効果に加えて、最も使用可能性が大であり、拡大縮小及びスクロールの使用可能性が高いことから、使用効率及び使用頻度を高くすることができる。
【0024】
請求項7の入出力表示装置の前記指示検出部は、拡大縮小検出部及びスクロール検出部からなるものであるから請求項1乃至請求項6のうちの何れか1つに記載の効果に加えて、同時に、拡大縮小検出機能及びスクロール検出機能によって2指の動きを分析判断できるから、指を前記ディスプレイに接触させ、前記ディスプレイに目を向けてから、次の動作を判断すればよいから、操作に余裕ができる。
【0025】
請求項8の入出力表示装置の前記指示検出部の拡大縮小検出部は、指初期位置検出部と指移動位置検出部で読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して互いに略同一直線方向に沿った反対方向への移動と見做す範囲内の相対距離が長くなるか、短くなるかの移動であれば、前記ディスプレイの画像の拡大または縮小要求と判断するものであるから請求項7に記載の効果に加えて、人のイメージに合致した拡大縮小が行える。
【0026】
請求項9の入出力表示装置の前記指示検出部のスクロール検出部は、指初期位置検出部と指移動位置検出部で読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して互いに略同一直線上に沿った同一方向への移動と見做す範囲内の移動のとき、前記ディスプレイの画像のスクロールの要求と判断するものであるから請求項7または請求項8に記載の効果に加えて、人のイメージに合致した拡大縮小が行える。
【0027】
請求項10の入出力表示装置の前記指示検出部は、拡大縮小検出及びスクロール検出ができた時点で、前記ディスプレイの画像の拡大、縮小及びスクロールの1以上を行うものであるから請求項1乃至請求項9のうちの何れか1つに記載の効果に加えて、拡大、縮小及びスクロールの1以上を同時に行うことができ、短時間で目的の画像出力が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明の入出力表示装置をナビゲーション装置に使用した実施の形態にかかる一部機能表現を含む全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置のメインメニュー画面の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の目的地設定画面の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の「地図検索ルーチン」の前半のフローチャートである。
【図5】図5は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の「地図検索ルーチン」の後半のフローチャートである。
【図6】図6は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の地図検索画面の説明図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の入力画面の説明図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の入力操作画面の説明図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の地図を2倍に拡大した画面の説明図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の地図を拡大及びスクロールした画面の説明図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の地図を入力操作する画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0030】
図1は、本実施の形態の入出力表示装置として、ナビゲーション装置に使用した事例で説明するものである。
その概略構成は、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うマイクロプロセッサからなる演算・制御部1と、操作者からの操作を受け付けるエンジンの駆動を行うイグニッションスイッチ21を含む各種キー入力、音声入力、タッチスイッチ等の操作部2と、操作者に対して操作情報、地図等の情報を表示する液晶、EL等からなるディスプレイ3と、ルート案内、交通規制情報、渋滞情報の案内に関する音声ガイダンスを行うスピーカ4と、更に、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)に至るまでの距離等を検出することが可能となるように各種センサからなる自車の現在位置を検出する現在地検出部7と、道路交通情報通信システムセンター(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System)62等の情報センタとの間でネットワーク61を介して通信を行う通信部6、各種のデータが記録され、書込み、読み出しが可能な記憶容量が大きいハードディスクからなるナビ情報処理部8と、ナビゲーション機能による目的地、経由地、登録地の設定によってルート探索される目的地設定部9等から構成されている。なお、本実施の形態のディスプレイ3は、操作部2としてのタッチスイッチを兼ねるものである。
【0031】
マイクロプロセッサからなる演算・制御部1は、全体の制御を行う演算及び制御を行うCPU11、及びCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用すると共に、ルートが探索されたときのルートデータや交通規制情報が存在するリンクID等が記憶されるRAM12、制御用プログラムの他、渋滞回避ルートへの変更をユーザに案内するルート変更案内処理プログラム等が記憶されたROM13、ROM13から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ14等の内部記憶装置や、タイマ15等を備え、RAM12、ROM13、フラッシュメモリ14等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用され、演算及び制御を行うCPU11は、MPU等の演算機能を有するものの使用が可能である。
【0032】
ROM13には、各種のプログラムが記憶され、RAM12に各種のデータが記憶されるようになっており、また、プログラム、データ等を外部記憶装置、メモリカード等からプログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリ14に書き込む。更に、メモリカード等を交換することによってプログラム、データ等を更新することができる。
そして、自車の現在位置を検出する現在地検出部7は、GPSセンサ71、地磁気センサ72、距離センサ73、ステアリングセンサ74、方位検出部としてのジャイロセンサ75、高度計76、更に、自車の走行速度及び走行距離を検出する車速センサ77等からなる。
【0033】
なお、本実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置は、ネットワーク61を介して道路交通情報通信システムセンター62から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や、交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報としては、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、後述のVICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0034】
また、ネットワーク61としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0035】
更に、本実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置を構成する各構成要素について図1に基づいて具体的に説明する。
GPSセンサ71は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在位置及び現在時刻を検出する。地磁気センサ72は、地磁気を測定することによって自車方位を検出する。距離センサ73は、道路上の所定位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ73としては、例えば、自車の車輪の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するが、車速センサ77の出力を積分して距離を算出してもよい。
【0036】
また、ステアリングセンサ74は自車の操舵角を検出するものである。ここで、ステアリングセンサ74としては、例えば、ステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ75は自車の旋回角を検出するものである。ここで、ジャイロセンサ75としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ75によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0037】
また、本実施の形態のナビ情報処理部8、目的地設定部9としてハードディスクが使用されているが、ハードディスクの他に、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置の一部として使用することができる。また、メモリカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、ICカード等を外部記憶装置の一部として使用することもできる。なお、内部構成については、後述する。
【0038】
更に、演算・制御部1には、操作部2、ディスプレイ3、スピーカ4、通信部6の各周辺装置が電気的に接続されている。操作部2は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種キー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、演算・制御部1は、操作部2の各スイッチの操作により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。イグニッションスイッチ21はエンジンの始動及び停止を行うものである。
なお、操作部2としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0039】
ディスプレイ3には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの探索ルート、探索ルートに沿った案内情報、後述のルート変更案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
なお、ディスプレイ3の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL等を使用し、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することもできる。
【0040】
スピーカ4は、演算・制御部1からの指示に基づいて、探索ルートに沿った走行を案内する音声ガイダンスや、探索ルートのルート変更を案内する音声案内を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「有料道路を利用するルートに変更されました。」等がある。特に、本実施の形態においては、操作順序等のメッセージを出力する。
なお、スピーカ4より出力される音声としては、合成された音声の他に、各種効果音、予めICメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
【0041】
更にまた、通信部6は、情報センター、例えば、道路交通情報通信システムセンター62等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信部6は、ネットワーク61としてLAN、WAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信部6は道路交通情報通信システムセンター62からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0042】
ナビ情報処理部8の交通情報DB81には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報82が格納されている。また、この交通情報DB81には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報83が格納されている。
道路交通情報通信システムセンター62から受信した各道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報と共に、VICSリンクIDが含まれる。VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0043】
なお、地図情報DB84に記憶される道路とVICSリンクとは同一ではない。即ち、一般的には、道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。そこで、交通情報DB81には、各道路に識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。そのため、本実施の形態のナビゲーション装置は、道路交通情報通信システムセンター62からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。そして、道路交通情報通信システムセンター62から受信した現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて渋滞情報82として格納される。また、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制情報83等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて交通規制情報83として格納される。
【0044】
また、地図情報DB84には、本実施の形態のナビゲーション装置の走行案内やルート探索に使用されるナビ地図情報85が格納されている。ここで、ナビ地図情報85には、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図32(図6参照)を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路に関するリンクデータ、ルートを探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、地図情報DB84の内容は、地図情報配信センターから通信部6を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0045】
目的地設定部9は、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成されるディスプレイ3に接触させた指及び指の移動方向を検出する指検出部91を有している。指検出部91はディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって指の接触を検出する。
また、指検出部91及び指初期位置検出部92及び指移動位置検出部93で構成される指移動位置記憶部94を有している。指初期位置検出部92は、図7に示すように、ディスプレイ3の前面のタッチパネルに接触した指の位置A,Bをタッチパネル上の位置としてRAM12に格納する。このとき、通常、2本の指を検出するが1本の指の検出であってもよい。結果的に、1本の指の検出の場合には、拡大縮小の機能がなくなるだけである。即ち、指初期位置検出部92は、ディスプレイ3に接触した2本の指の初期位置を検出するものであり、また、指移動位置検出部93は検出された2本の指が移動した移動後の移動位置を検出するものである。
【0046】
指移動位置記憶部94を構成する指移動位置検出部93は、指初期位置検出部92で検出した指の位置が移動したことを検出するもので、図7及び図8に示すように、指初期位置検出部92で記録した位置A(x1,y1),B(x2,y2)からどれだけ指の移動があったかを、移動を開始した時間の経過とともに移動後の位置A'(x'1,y'1),B'(x'2,y'2)を検出する。このとき、連続的に接触状態が維持されているか否かで指の移動を判断する。指移動速度検出部95は、指初期位置検出部92で記録した位置A(x1,y1),B(x2,y2)からどれだけ指の移動があったかを指移動位置検出部93の移動位置A'(x'1,y'1),B'(x'2,y'2)で検出し、かつ、移動を開始した時間の経過から指の移動速度を検出する。これら指移動位置検出部93及び指移動速度検出部95は、2本の指の位置を各々検出する。勿論、1本の指のみであれば、1本の指の動作として記憶する。
【0047】
また、目的地設定部9は、拡大縮小検出部96及びスクロール検出部97を有している。拡大縮小検出部96は、2本の指の接触を検出した後、その相互間の距離が拡大するか、縮小するかによって、拡大または縮小を検出するものである。具体的には、2指の指を結ぶ直線(Y=aX+b)上で拡大するか、縮小するかによって拡大縮小の判断をなす。但し、2指のうち1本の指が拡大縮小を指示する際に、殆ど動きがなかった指が存在する場合には、その位置を中心に拡大縮小を行う中心位置Nの指示と解釈する。また、2指の指が2指の指を結ぶ直線(Y=aX+b)上を拡大または縮小方向に動いた場合、その直線上の中心位置N等の任意の位置を中心位置Nとする。
なお、拡大率は、1倍未満の場合は縮小を意味し、1倍を超える場合は拡大を意味する。
【0048】
スクロール検出部97は、指初期位置検出部92で記録した位置A(x1,y1),B(x2,y2)と、指移動後の移動位置A'(x'1,y'1),B'(x'2,y'2)との位置関係に基づいてスクロールを検出するものである。
【0049】
また、スクロール算出部98は、スクロール検出部97によってスクロール方向を決定し、かつ、指初期位置検出部92で検出した指の位置が移動したことを指移動位置検出部93で検出し、その移動を開始した時間の経過と共に指示する指の速度を検出し、また、そのスクロールの指示する距離長を検出することにより、ディスプレイ3の地図32等の画像のスクロール対象の距離を計算し、出力する。
このとき、2指の動きが必ずしも同一ではないから、1指または2指の移動速度、移動距離によって最大移動速度、最大移動距離または平均移動速度、平均移動距離として捉えることができる。一般的には、大きい値を自動選択するのが、操作者の意向に合った対応となる。
拡大率算出部99は、拡大縮小検出部96で検出した値から、拡大縮小の拡大率を決定し、ディスプレイ3の地図32等の画像の拡大率を計算し、それを出力する。
【0050】
このように、目的地設定部9は、指移動位置記憶部94を構成する指検出部91、指初期位置検出部92、指移動位置検出部93と、操作指示部100を構成する指移動速度検出部95、拡大縮小検出部96、スクロール検出部97、そして、それらの結果を出力するスクロール算出部98及び拡大率算出部99でなり、通常、2指の動きを検出するが、1指のみの指示の場合もあり得るので、1指のみの検出の場合には、拡大縮小検出部96の機能が動作しなくなる。
【0051】
ここで、本実施の形態の検出された2本の指の初期位置及び移動位置に応じてディスプレイ3に表示されている画像の操作を行う操作指示部100を構成している指移動速度検出部95、拡大縮小検出部96、スクロール検出部97、スクロール算出部98及び拡大率算出部99は、ディスプレイ3に接触した2本の指のうち少なくとも一方の指が移動したとき、2本の指の間の距離変化に応じてディスプレイ3の画像の拡大率の変更を行うと同時に、前記指の移動方向に応じてディスプレイ3の画像のスクロールを行うものである。
【0052】
次に、演算・制御部1が処理する本実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の制御について、ディスプレイ3の画面表示の図2及び図3と共に説明する。
図2は、車両のメインプログラムの実行によってディスプレイ3にメインメニュー画面が表示される。このメインメニュー画面から目的地設定30のメニューを選択することにより、図3に示す目的地設定画面が表示される。ここで地図検索31のメニューを選択すると、「地図検索」のプログラムが実行される。
【0053】
図4及び図5は、本実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の「地図検索ルーチン」のフローチャートであり、車両のメインプログラムの実行中に地図検索31のメニューを選択するとコールされる。
まず、車両のメインプログラムの実行中に地図検索31が選択されると、続いて、ステップS1で図3の地図検索31のタッチスイッチがオンされているかを判断し、このルーチンの処理に入る。同時に画面は図6に示すようにディスプレイ3に現在位置33の地図32に「地図検索」が表示され、地図検索モードに入っていることを示している。
【0054】
ステップS2で1本目の指のタッチスイッチへの接触を判断し、1本目の指のタッチスイッチへの接触を判断すると、ステップS3で第1指のタッチスイッチ上の位置A(x1,y1)を読込み、ステップS4で第1指のタッチスイッチ上の位置をRAM12に記憶する。ステップS5で第1指の位置A(x1,y1)の移動がなされたか否かを判断し、第1指の位置A(x1,y1)の移動がなされたときには、2本の指で制御しないことを意味するので、スクロールの制御のみを行う意味でステップS18からの処理に移行する。
【0055】
2本の指で制御する場合には、若干の時間遅れがあるにせよ、1本目の指に引き続き、2本目の指の接触が行われる。ステップS6でそれを検出し、ステップS7で第2指のタッチスイッチ上の位置B(x2,y2)を読込み、ステップS8で第2指のタッチスイッチ上の位置B(x2,y2)をRAM12に記憶する。ステップS9で2指の位置からその直線(Y=aX+b)を計算する。この傾きaは(y1−y2)/(x1−x2)で算出され、切片bはY−aXで算出される。なお、本発明を実施する場合には、傾きaは必要であるが、切片bは直線(Y=aX+b)方向の計算を省略することもできる。しかし、中心位置Nには直線(Y=aX+b)の方程式は必要である。
【0056】
ステップS10で2指の位置からその中心位置(Y=aX+b線上の所定の点)Nを計算する。2指の位置から求める中心位置Nは、Y=aX+bの線上の所定の点Nとして求めるが、(x1+x2)/2,(y1+y2)/2として中心位置Nを求めてもよいし、或いは、通常、右手でも、左手でも親指側が下の位置になることから、本来の移動距離から下よりの1/3の位置または1/4の位置を中心位置Nとすることもできる。そして、ステップS11で2指が誤差範囲内を含む所定の範囲内よりも大きく移動したか判断する。ここで、2指が所定の範囲以上に動きを示さない場合とは、2指がタッチスイッチ上にあっても、その接触圧によって中心位置が変化し、また、正確に静止が保てる人と、若干の力の入れ具合によって接触状態が変化する人がいるので、そのような意図しない動きに対して人為誤差として無視するものである。
【0057】
ステップS11で2指の移動が、所定の範囲以上に動きを示さない場合には、ステップS2乃至ステップS11のルーチンの処理を繰り返し行う。ステップS11で2指の移動が初定の範囲内よりも大きい移動であると判断したとき、ステップS12で2指の位置が略直線(Y=aX+b)方向(傾き)の移動であるか判断し、ステップS13で2指の位置の第1指のタッチスイッチ上の位置A'(x'1,y'1),B'(x'2,y'2)を読込み、ステップS14で指のタッチスイッチ上の位置A'(x'1,y'1),B'(x'2,y'2)をRAM12に記憶する。
【0058】
ステップS15で、図7に示すように、2指のタッチスイッチ上の位置A(x1,y1)からA'(x'1,y'1),B(x2,y2)からB'(x'2,y'2)の移動距離を計算し、その値からステップS16で拡大縮小の計算を行う。ステップS17で2指が同時に同一直線(Y=aX+b)方向の増加側または減少側に動いたかを判断する。2指が同一方向側に移動したときには、その方向にスクロールを行うものとして判断する。即ち、ステップS12では、2指の位置A',B'が所定の誤差範囲を含む直線(Y=aX+b)方向の移動であるかを判断し、拡大または縮小を決定する。また、ステップS17では2指の位置A',B'が所定の誤差範囲を含む直線(Y=aX+b)上の移動であり、かつ、2指が互いに同一方向の移動であると判断したときには、スクロールの指示と解釈する。そして、2指の位置が所定の誤差範囲を含む直線(Y=aX+b)上の移動であり、かつ、2指の動きが互いに同一方向の動きでないときには、拡大縮小の指示と判断する。2指の位置が所定の誤差範囲を含む直線(Y=aX+b)方向の移動ではないとき、スクロールを指示するものと判断するものである。したがって、ステップS17で2指が同一方向側に移動したか否かを判断する。
【0059】
ステップS17でスクロールの移動であると判断すると、ステップS18でそのスクロール方向を検出する。ステップS19で2指の移動速度からスクロールの地図移動速度を検出し、ステップS20でスクロールする2指の移動距離からスクロールの地図移動距離を検出する。ステップS21でスクロール速度から地図上のスクロールの距離をマップを用いて決定し、また、スクロールの指の移動距離からスクロールの地図上の距離を、同様にマップを用いて決定する。即ち、スクロール入力する場合には、スクロール速度から地図上のスクロールの距離を決定するか、または、スクロールの指の移動距離からスクロールの地図32上の距離を決定することができる。
【0060】
本実施の形態では、スクロール速度から地図上のスクロールの距離を決定する値と、スクロールの指の移動距離からスクロールの地図上の距離を決定する値とが大きい方を図示しないスクロール速度−スクロール距離マップ及びスクロール距離−スクロール距離マップから地図32上の距離を選択するものである。特に、タッチスイッチ上を接触させて指を速く移動させると、タッチスイッチとの接触が断たれる場合がある。このようなときでも、速度を重要視すれば、利用者の意思に沿った対応になる。また、慎重に操作する人はタッチスイッチとの接触が断たれないようにするから、そのような場合には、操作距離を選択すると利用者の意思に沿った対応になる。
なお、ステップS5で第1指の位置A(x1,y1)の移動がなされたか否かを判断し、第1指の位置A(x1,y1)の移動がなされないときには、1本の指でスクロールを指示することを意味するから、即ち、2本の指で制御しないことを意味するので、ステップS18以降のスクロールの処理に入る。
【0061】
次に、ステップS22で2指の中心Nを拡大縮小の中心Nとして拡大縮小を行い、また、ステップS23でスクロールによって地図32を所定距離移動させ、それをステップS24で表示出力する。なお、ステップS22で拡大縮小の指示がないときには初期化された値によってゼロとなっている。これによって地図32上に目的地が現れた場合には、ディスプレイ3上の目的地設定34のキーの押圧によって地図上の位置の設定が可能となる。しかし、地図32上に目的地が現れていないとき、ステップS2からステップS25のルーチンを繰り返し実行する。
【0062】
ディスプレイ3上の目的地設定34のキーの押圧があったとき、ステップS25からステップS26に進み、ステップS26で地図32の上で特定の目的地設定を行う。なお、図9は★で示した登録地点35で、地図32として拡大のみを行ったものである。また、図10は地図32の拡大及びスクロールを行ったもので、新規な場所を表示したものである。そして、図11は地図32の拡大及びスクロールを行った地図32を基に、再度、拡大、スクロールを行う動作を示すものである。
【0063】
図9は★で示した登録地点35を指で指定すると、ディスプレイ上の目的地設定34が目的地設定完36となり、ステップS27で目的地設定完36のキーを押圧するとそれによってステップS28で★で示した登録地点35を目的地として設定する。
ステップS28で登録地点35を目的地設定すると、本ルーチンを脱して、登録地点35を目的地として地図検索ルーチンを終了する。したがって、ルート検索等のプログラムを動作させることができる。
【0064】
上記実施の形態の入出力表示装置としてのナビゲーション装置の事例で説明したが、ディスプレイ3の表示内容は、その実施に拘束される要因がないから、特に、地図または写真上の位置を地図の拡大、縮小、スクロールによって特定の場所を拡大、縮小表示するナビゲーション装置、携帯電話を含む携帯情報機器、電子ブック等の表示出力及び表示入力が可能な入出力表示装置として使用できるものである。
【0065】
このように、本実施の形態の入出力表示装置は、地図32等の画像を表示したディスプレイ3に接触させた指及び指の移動方向を検出するステップS2及びステップS6からなる指検出部91と、指検出部91によって2本の指が、地図32等の画像を表示したディスプレイ3に接触したこと及び2本の指の移動方向を記憶するステップS3及びステップS4、ステップS7及びステップS8からなる指初期位置検出部92、ステップS13及びステップS14からなる指移動位置検出部93と、読み込んだ2本の指の位置A,Bの移動方向の位置A',B'が、前記2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)の方向(傾きa)に沿った移動と見做す範囲内の相対距離が拡大されるか、縮小されるかの移動であれば、ディスプレイ3の地図32等の画像の拡大または縮小要求と判断するステップS11及びステップS12からなる拡大縮小検出部96と、読み込んだ2本の指の移動方向(傾きa)が、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)方向に沿った移動と見做す範囲内の移動でないとき、または読み込んだ2本の指の移動方向が同一方向に添った移動と見做す範囲内の移動のとき、ディスプレイ3の地図32等の画像のスクロールの要求と判断するステップS17からなるスクロール検出部97と、拡大縮小検出部96でディスプレイ3の地図32等の画像の拡大または縮小要求と判断されたとき、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離から画像の拡大率を算定するステップS15及びステップS16からなる拡大率算出部99と、スクロール検出部97でディスプレイ3の画像のスクロールの要求が判断されたとき、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離及び移動速度からスクロール距離を算定するステップS18乃至ステップS20からなるスクロール算出部98を具備するものである。
【0066】
ここで、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)方向に沿った移動と見做す範囲内の移動とは、2本の指を結ぶ直線に対して所定の傾きaの特定の範囲内の傾き、2本の指を結ぶ直線に対して平行方向に所定の距離の範囲内の切片bの直線を意味する。傾きaの特定の範囲内の傾きとは傾きが、概ね10〜20度以内である。また、切片bの特定の範囲内とは、画面で指の幅10〜20mm程度以内に設定されるが、厳格なものではない。
【0067】
上記実施の形態において、指移動速度検出部95は、指初期位置検出部92で記録した位置A(x1,y1),B(x2,y2)からどれだけ指の移動があったかを指移動位置検出部93の移動位置A'(x'1,y'1),B'(x'2,y'2)で検出し、かつ、移動を開始した時間の経過から指の移動速度を検出する指移動速度検出部95、読み込んだ2本の指の位置A,Bの移動方向の位置A',B'が、前記2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)の方向(傾きa)に沿った移動と見做す範囲内の相対距離が拡大されるか、縮小されるかの移動であれば、ディスプレイ3の地図32等の画像の拡大または縮小要求と判断する拡大縮小検出部96と、読み込んだ2本の指の移動方向(傾きa)が、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)方向に沿った移動と見做す範囲内の移動でないとき、または読み込んだ2本の指の移動方向が同一方向に添った移動と見做す範囲内の移動のとき、ディスプレイ3の地図32等の画像のスクロールの要求と判断するスクロール検出部97と、拡大縮小検出部96でディスプレイ3の地図32等の画像の拡大または縮小要求と判断されたとき、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離から画像の拡大率を算定する拡大率算出部99と、スクロール検出部97でディスプレイ3の画像のスクロールの要求が判断されたとき、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離及び移動速度からスクロール距離を算定するスクロール算出部98は、検出された2本の指の初期位置及び移動位置に応じて表示されている画像の操作を行う操作指示部100構成している。
【0068】
本実施の形態の入出力表示装置は、地図32等の画像を表示したディスプレイ3に指を接触させ、その指の接触をステップS3、ステップS7、ステップS13からなる指検出部91で検出する。指検出部91によって2本の指が、地図32等の画像を表示したディスプレイ3に接触したこと及び2本の指の移動方向を指初期位置検出部92、指移動位置検出部93で構成される指移動位置記憶部94で読み込み、その読み込んだ2本の指の移動方向が、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)方向と見做す範囲内の相対距離が長くなるか、短くなるかの移動であれば、ディスプレイ3の画像の拡大または縮小要求とステップS11及びステップS12からなる拡大縮小検出部96で判断する。
【0069】
また、指移動位置記憶部94で読み込んだ2本の指の移動方向が、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)方向と見做す範囲内の移動でないとき、ディスプレイ3の地図32等の画像のスクロールの要求と判断し、そして、指移動位置記憶部94で読み込んだ2本の指の移動方向が同一方向の移動のときにも、ディスプレイ3の画像のスクロールの要求とステップS17からなるスクロール検出部97で判断する。
【0070】
更に、ステップS11及びステップS12からなる拡大縮小検出部96でディスプレイ3の地図32等の画像の拡大または縮小要求と判断されたとき、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離から拡大率を拡大率算出部99で算定し、スクロール検出部97でディスプレイ3の地図32等の画像のスクロールの要求が判断されたとき、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離及び移動速度からスクロール距離をスクロール算出部98で算定する。
したがって、地図32等の表示画面の拡大または縮小を2本の指の相対移動によって操作自在とし、同時に、そのスクロールを2本の指の同方向移動によって行い、表示画面の拡大または縮小とスクロールを1タッチ動作で入力自在となる。
【0071】
上記実施の形態の入出力表示装置は、画像を表示すると共に、ステップS2またはステップS6で接触させた指及びステップS12及びステップS17で指の移動方向を検出するディスプレイ3と、ディスプレイ3に接触した2本の指の初期位置を検出するステップS2乃至ステップS4及びステップS6乃至ステップS8からなる指初期位置検出部92と、検出された2本の指が移動した移動後の移動位置を検出するステップS11乃至ステップS14からなる指移動位置検出部93と、検出された2本の指の初期位置及び移動位置に応じて表示されている画像の操作を行う操作指示部100を具備し、操作指示部100は、ディスプレイ3に接触した2本の指のうち少なくともステップS5で一方の指が移動したとき、ステップS6で2本の指の間の距離変化に応じてステップS12乃至ステップS16、ステップS22、ステップS24で画像の拡大率の変更を行うと同時に、前記指の移動方向に応じてステップS17乃至ステップS21、ステップS23、ステップS24で前記画像のスクロールを行う発明の構成とまとめることができる。
【0072】
したがって、ステップS17のスクロール検出、ステップS12の拡大縮小検出、2指を結ぶ直線上において、2指のうち1指が固定で他の1指が移動のとき、または2指が互いに異なった方向に移動するとき、拡大または縮小要求と判断することができ、そして、1指が特定の方向に移動したときを含み2指が互いに同一方向に移動したとき、スクロール要求と判断し、表示画面の拡大または縮小を2本の指の相対移動によって操作自在とし、かつ、そのスクロールを2本の指の同時同方向移動によって行い、表示画面の拡大または縮小とスクロールを1タッチ動作で入力自在とすることができる
【0073】
本実施の形態の入出力表示装置は、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離から拡大率を算定する拡大率算出部99は、前記2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)上の位置としたものである。したがって、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)上の位置としたものであるから、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)上の位置は、中心位置としてもよいし、親指よりの位置とし、移動しやすい指との距離の比率を人差し指等の上側の指と、親指側の指との距離の配分位置、即ち、中心位置Nを2対1または3対1とすることもできる。
【0074】
本実施の形態の入出力表示装置は、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離から拡大率を算定するステップS11及びステップS12、ステップS15及びステップS16からなる拡大率算出部99は、2本の指の移動距離の少ない方の指の位置を中心位置Nとすることができる。特に、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)上の移動距離の少ない指を基準とすることにより、人の感覚による違いを少なくすることができる。また、手袋等を付けている場合の滑りを考慮した対応が可能となる。
【0075】
本実施の形態の入出力表示装置は、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離から拡大率を算定するステップS11及びステップS12、ステップS15及びステップS16からなる拡大率算出部99は、2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)の位置を下側の移動が上側の移動に対して移動距離に対する係数を大きくして拡大率を決定することもできる。即ち、相対移動する指の移動距離を大きくしたいときに、片側の親指の移動量が少なくなるので、それを相手方の移動に対応できるように定数を付与するものであるから、特定の位置を中心に拡大率を大きくすることができる。
【0076】
本実施の形態の入出力表示装置は、指移動位置記憶部94で読み込んだ各指の移動距離から拡大率を算定するステップS11及びステップS12、ステップS15及びステップS16からなる拡大率算出部99は、2本の指のうち、一方の指が所定誤差範囲内の移動のとき、それを中心位置Nとし、それを中心に拡大縮小を行うことができる。したがって、2本の指のうち、一方の指が所定誤差範囲内の移動のとき、それを中心に拡大縮小を行うことにより、人為的な誤差を排除して入力することができ、操作に格別神経を使わなくてもよい。
【0077】
本実施の形態の入出力表示装置は、拡大縮小検出部96及びスクロール検出部97は、拡大縮小判断及びスクロール判断ができた時点で、ディスプレイ3の地図32等の画像の拡大または縮小及びスクロールを行うものであるから、2本の指によって1度に拡大縮小及びスクロールを同時に行うことができ、操作性に捕らわれることなく使用できる。しかし、本発明を実施する場合には、拡大縮小判断またはスクロール判断ができた時点で、ディスプレイ3の地図32等の画像の拡大または縮小を行い、またはスクロールを個々に行うこともできる。制御回路の速度から、何れを選択しても大きな違いはない。
【0078】
更に、本実施の形態の入出力表示装置のスクロール検出部97は、1指が特定の方向に移動したとき、または2指が互いに同一方向に移動したとき、スクロール要求と判断するものであるから、例えば、1指がその放射状の方向に移動したとき、2指が同一方向に移動したとき、仮にそこに拡大縮小の成分が含まれていたとしても、その方向にスクロールの要求として対応できるから、2指の使用によって同時に拡大縮小とスクロールの判断及び実行を行うことができる。
【0079】
更にまた、本実施の形態の入出力表示装置の拡大縮小検出部96は、2指を結ぶ直線上において、2指のうち1指が固定で他の1指が移動のとき、または2指が互いに異なった方向に移動するとき、拡大または縮小要求と判断するものであるから、拡大または縮小要求は、2指を結ぶ直線上において、2指のうち1指が固定で他の1指が移動のとき、または2指が互いに異なった方向に移動するときと判断できるので、2指の使用によって同時に拡大縮小とスクロールの判断をすることができ、また、同時に表示制御することができる。
【0080】
加えて、本実施の形態の入出力表示装置は、拡大縮小検出部96に指移動位置記憶部94で読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)方向に沿った移動と見做す範囲内の相対距離が長くなるか、短くなるかの移動であれば、ディスプレイ3の画像の拡大または縮小要求と判断するものであり、2指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して所定の誤差範囲を設定して当該同一直線(Y=aX+b)方向に沿った移動と見做すことができる範囲内の相対距離の変化であれば、それを検出するものである。
したがって、運転手が入出力表示装置として車載用ナビゲーション装置を操作する場合には、車両が出発する直前に、右利きの運転手が左手で操作しても許容誤差範囲が認められているから、的確な入力を行うことができる。よって、無理な体勢で操作する必要がなく、また、助手席側からの操作も可能となる。
【0081】
同様に、スクロール検出部97は、指移動位置記憶部94で読み込んだ2指の移動方向が、2指を結ぶ直線(Y=aX+b)に対して互いに略同一直線(Y=aX+b)方向に沿った移動と見做す範囲内の移動でないとき、または指移動位置記憶部94で読み込んだ2指の移動方向が同一方向に添った移動と見做す範囲内の移動のとき、ディスプレイ3の画像のスクロールの要求と判断するものであり、略同一直線(Y=aX+b)方向に沿った移動と見做す範囲内の誤差範囲を許容誤差として加味しているから、前者同様、運転手が入出力表示装置として車載用ナビゲーション装置を操作する場合にも、車両が出発する直前に、右利きの運転手が左手で操作しても的確な入力を行うことができる。よって、無理な体勢で操作する必要がなく、また、助手席側からの操作も可能となる。
【0082】
また、地図または写真上の特定位置の表示が可能な入出力表示装置においては、地図または写真上の位置を地図の拡大、縮小、スクロールによって特定の場所を拡大、縮小表示する携帯電話を含む携帯情報機器、電子ブック等の表示出力及び表示入力が可能な装置に使用するものであり、入力に正確さが要求されないので、その扱いが容易である。
【0083】
そして、拡大縮小検出部96及びスクロール検出部97からなる操作指示部100は、2本の指のうち一方の指が所定誤差範囲内の移動のとき、その指の初期位置を固定位置として画像の拡大率の変更並びにスクロールの1以上を行うものである。また、2本の指の移動距離の少ない方の指の初期位置を固定位置として画像の拡大率の変更並びにスクロールの1以上を行うこともできる。
したがって、人の指の移動の正確性のない個人差をなくす所定の誤差範囲内の移動のとき、それを加味することにより、2本指の入力を操作者の意図を正確に判断することができる。
【0084】
更に、操作指示部100は、2本の指間の初期位置における距離と移動位置における距離との比率に対応して画像の拡大率を決定ものである。したがって、拡大率を操作者の目分量で入力でき、初期値として2本の指の間隔をあまり意識することなく、移動中及び移動後の距離によって設定することができる。したがって拡大率を操作者の目分量で入力でき、初期値として2本の指の間隔をあまり意識することなく、移動中及び移動後の距離によって設定することができる。
また、2本の指間の初期位置における中点位置と移動位置における中点位置を算出し、中点の移動方向に対応して、前記画像のスクロール方向を決定することもできる。よって、2本の指間の初期位置が開いているときに、2本の指が共通して互いに反対方向に移動した場合には、2指の間隔に中央を中心位置として、拡大、縮小を行うことができる。
【符号の説明】
【0085】
1 演算・制御部
3 ディスプレイ
12 RAM
32 地図
33 現在位置
34 目的地設定(目的地設定のキー)
36 目的地設定完(目的地設定完のキー)
9 目的地設定部
91 指検出部
92 指初期位置検出部
93 指移動位置検出部
94 指移動位置記憶部
95 指移動速度検出部
96 拡大縮小検出部
97 スクール検出部
98 スクロール算出部
99 拡大率算出部
100 操作指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示すると共に、接触させた指及び前記指の移動方向を検出するディスプレイと、
前記ディスプレイに接触した2本の指の初期位置を検出する指初期位置検出部と、
前記検出された2本の指が移動した後の移動位置を検出する指移動位置検出部と、
前記検出された2本の指の初期位置及び移動位置に応じて前記表示されている画像の操作を行う操作指示部とを具備し、
前記操作指示部は、前記ディスプレイに接触した2本の指のうち少なくとも一方の指が移動したとき、2本の指の間の距離変化に応じて前記画像の拡大率の変更を行うと同時に、前記指の移動方向に応じて前記画像のスクロールを行うことを特徴とする入出力表示装置。
【請求項2】
前記操作指示部は、前記2本の指の移動距離の少ない方の指の初期位置を固定位置として前記画像の拡大率の変更並びにスクロールの1以上を行うことを特徴とする請求項1に記載の入出力表示装置。
【請求項3】
前記操作指示部は、前記2本の指のうち一方の指が所定誤差範囲内の移動のとき、その指の初期位置を固定位置として前記画像の拡大率の変更並びにスクロールの1以上を行うことを特徴とする請求項1に記載の入出力表示装置。
【請求項4】
前記操作指示部は、前記2本の指間の初期位置における距離と移動位置における距離との比率に対応して前記画像の拡大率を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れか1つに記載の入出力表示装置。
【請求項5】
前記操作指示部は、前記2本の指間の初期位置における中点位置と移動位置における中点位置を算出し、中点の移動方向に対応して、前記画像のスクロール方向を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れか1つに記載の入出力表示装置。
【請求項6】
前記ディスプレイに表示される画像は地図画像であり、操作指示部による拡大率の変更は地図の縮尺変更であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れか1つに記載の入出力表示装置。
【請求項7】
前記指示検出部は、拡大縮小検出部及びスクロール検出部からなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちの何れか1つに記載の入出力表示装置。
【請求項8】
前記指示検出部の拡大縮小検出部は、指初期位置検出部と指移動位置検出部で読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して互いに略同一直線方向に沿った互いに反対方向への移動と見做す範囲内の相対距離が長くなるか、短くなるかの移動であれば、前記ディスプレイの画像の拡大または縮小要求と判断することを特徴とする請求項7に記載の入出力表示装置。
【請求項9】
前記指示検出部のスクロール検出部は、指初期位置検出部と指移動位置検出部で読み込んだ2本の指の移動方向が、前記2本の指を結ぶ直線に対して略同一直線上に沿った互いに同一方向の移動と見做す範囲内の移動のとき、前記ディスプレイの画像のスクロールの要求と判断することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の入出力表示装置。
【請求項10】
前記指示検出部は、拡大縮小検出及びスクロール検出ができた時点で、前記ディスプレイの画像の拡大及び縮小並びにスクロールの1以上を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項9のうちの何れか1つに記載の入出力表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−59952(P2011−59952A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−208415(P2009−208415)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】