説明

入力制御装置、および入力制御方法

【課題】利用者が操作ボタンを見ることなく、操作要求を行うことができる車載用装置を提供する。
【解決手段】利用者が接触した画面上の位置データを出力するタッチパネル420を有する表示ユニット400に接続され、車載用装置に対する操作要求を受け付ける入力制御装置100に、操作ボタンを含む画面を表示ユニット400に表示する手段と、タッチパネル420からの位置データを用いて利用者が画面に接触しているか否か、および操作ボタンに接触したか否かを判定する手段と、利用者が操作ボタンに接触した場合にその接触した操作ボタンを案内する音声データを出力する手段と、操作ボタンに接触したと判定した後、利用者が画面への接触を断ち、かつ接触を断ってから所定時間内に画面上の任意の位置を接触した場合、上記の接触した操作ボタンに対応する操作要求を車載用装置に行う手段と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用装置に対する操作を受付ける入力装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置、カーオーディオ、エアコン等の車載用装置は、車両が走行している場合、その操作が利用者の運転の妨げにならないことが求められている。車載用装置には、ハードスイッチにより各種機能を受付けるタイプのものがある。ハードスイッチを用いる場合、スイッチの形状やスイッチの配置されている位置等により、利用者は、所望する操作スイッチを触った感覚等で確認できることがある。そのため、ハードスイッチで各種機能を受付けるタイプの車載用装置では、利用者は、操作スイッチを見ないである程度の操作を行うことができる。
【0003】
ハードスイッチにより利用者からの操作を受付ける車載用装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に記載の車載用装置は、運転ハンドル付近に設けられたハードスイッチにより電話をかけるための短縮ダイヤルの番号を受付ける。そして、車載用装置は、操作した短縮ダイヤルに対応する電話番号を音声で出力する。利用者は、音声出力により、自分が押した短縮番号の内容を確認し、音声出力された番号が正しければ、再び、ハードスイッチを操作して、その番号に電話をかける指示をする。このように、特許文献1では、利用者がハードスイッチを見ないで操作した内容を音声により確認できるようにしている。
【0004】
【特許文献1】実開昭62−57455号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、ナビゲーション装置等の車載用装置は、提供する機能が増加する傾向にある。多種の機能を提供する車載用装置では、利用者にわかりやすく各種の機能を提供するため、ディスプレイに操作案内画面を表示するものがある。また、ディスプレイに操作ボタンを表示し、タッチパネルにより、利用者からの操作を受付けるようにしている機種もある。
【0006】
上記特許文献1は、ラジオおよび自動車電話の簡単な機能(例えば、短縮ダイヤルを利用した相手局の呼び出し、ラジオのチャンネル選局等)だけを受付けるものであり、操作するスイッチの数も限られている。そのため、利用者がスイッチの形状等でそのスイッチに対応する機能を記憶しておくことも可能である。しかしながら、上記特許文献1の技術では、提供する機能が増加した場合に以下のような問題が生じる。具体的には、提供する機能が増加した場合、操作スイッチの数を増加させるか、或は、利用者に複雑な操作(ボタンを何度か押す等)を要求する必要が生じる。そのため、利用者がスイッチの形状や配置された位置だけで、対応する機能を記憶しておくのは困難となる。すなわち、特許文献1の技術では、多種類の機能を持つ車載用装置を利用者がスイッチを見ないで操作することが難しい。
【0007】
また、上記特許文献1の技術は、ハードスイッチの操作に関するものであり、タッチパネルの操作については特に考慮されていない。タッチパネルは、ハードスイッチと異なり、利用者が触れる接触面(タッチパネル上)に凹凸がない。そのため、利用者が接触した感覚だけで操作ボタンの位置を特定することが難しい。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、利用者が操作を受付けるための操作ボタンを見ることなく、各種の操作要求を行うことができる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、画面を表示する表示装置に接続され、車載用装置に対する操作要求を受け付ける入力制御装置に適用される。ここで、前記表示装置には、利用者が接触した画面上の位置を検出し、当該検出した画面上の位置を示す位置データを出力するタッチパネルが設けられている。
【0010】
そして、前記入力制御装置は、操作ボタンが含まれる画面を前記表示装置に表示する表示手段と、前記画面に含まれる操作ボタン毎に、前記画面上の操作ボタンの表示位置を示すデータと、当該操作ボタンにより受付ける操作の内容を音声で案内するための音声データと、当該操作ボタンにより受付ける操作要求とを対応付けた画面データとを記憶する手段と、前記タッチパネルが出力する位置データを受信する手段と、前記受信した位置データを用いて利用者が前記画面に接触しているか否かを判定するとともに、当該位置データおよび前記画面データを用いて、利用者が画面上の操作ボタンに接触したか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が前記操作ボタンに接触したと判定した場合、前記画面データを用いて、前記接触した操作ボタンに対応付けられている音声データを音声出力する手段と、前記車載用装置に対する操作要求を行う制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記判定手段が前記操作ボタンに接触したと判定した後、利用者が画面への接触を断ち、かつ当該接触を断ってから所定時間内に前記画面上の任意の位置を接触したと判定した場合、前記画面データを用いて、前記接触したと判定した操作ボタンに対応付けられている操作要求を前記車載用装置に対して行う。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明の入力制御装置は、利用者が画面に表示された操作ボタンに接触した場合、操作ボタンの内容を音声で案内する音声データを出力するようにしている。また、本発明では、利用者が操作ボタンに接触した後、画面への接触を断ち、かつ当該接触を断ってから所定時間内に前記画面上の任意の位置を接触した場合、利用者が接触した操作ボタンによる操作を受付けるようにしている。
【0012】
そのため、本発明によれば、利用者は操作ボタンを見ないでタッチパネルが設けられた画面を指等で触り、所望する操作ボタンを案内する音声データが出力された場合に画面から手を離し、その後、画面の任意の位置を触ることで、車載用機器に対する操作を行うことができる。すなわち、本発明によれば、利用者は操作ボタンを見ることなく、所望する操作要求を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
最初に本実施形態が適用された車載用システムの概略構成について図1を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態が適用された車載用システムの構成図である。
【0016】
図示するように、車載用システムは、入力制御装置100、オーディオ装置200、ナビゲーション装置300、表示ユニット400、および自動車の速度を検知する速度センサ500を有する。
【0017】
入力制御装置100は、車載用システム全体の動作を制御する。具体的には、入力制御装置100は、利用者からの各種要求を受付けるため、表示ユニット400に操作入力画面を表示し、利用者からの各種要求を受付ける。そして、入力制御装置100は、受付けた各種要求に応じた指示をオーディオ装置200或いはナビゲーション装置300に与える。なお、入力制御装置100のハードウェア構成は後述する。
【0018】
オーディオ装置200は、AM/FMチューナ、CDプレーヤー等の再生装置、およびスピーカ等を有する自動車用のオーディオ装置である。オーディオ装置200は、利用者が指定した電波局からの音楽情報や音声情報をスピーカから出力する。また、オーディオ装置200は、CDプレーヤー等の再生装置が再生した音楽等をスピーカから出力する。なお、オーディオ装置200の動作は、入力制御装置100からの指示により制御される。
【0019】
ナビゲーション装置300は、車両の現在位置を算出し、入力制御装置100を介して表示ユニット400に地図上に現在位置を示した画面を表示したり、目的地までの推奨経路を探索し、利用者に対して目的地に至るように経路誘導を行う。
【0020】
具体的には、ナビゲーション装置300は、CPUおよびメモリを有する演算処理部と、地図データ等が記憶された記憶装置と、各種センサ(例えば、車輪速センサ、地磁気センサと、ジャイロ)、GPS(Global Positioning System)受信装置とを有する。そして、演算処理部は、各種センサやGPS受信装置から出力される情報を基にして現在位置を検出する。演算処理部は、検出した現在位置の周辺の地図データを記憶装置から読み出し、その読み出した地図データに現在位置を示すマークを重ねた画面(図2参照)を入力制御装置100を介して表示ユニット400に表示する。また、演算処理部は、目的地までの推奨経路の探索し、利用者に対して目的地に至るように経路誘導を行う。なお、ナビゲーション装置の動作は、入力制御装置100からの指示により制御される。
【0021】
表示ユニット400は、入力制御装置100から出力される画像データを表示する。また、表示ユニット400は、利用者からの操作要求を受付け、受付けた操作要求を入力制御装置100に出力する。具体的には、表示ユニット400は、液晶ディスプレイ等の表示装置410と、表示装置410の画面表示部の前面に設けられたタッチパネル420とを有する。タッチパネル420は、利用者の指等が接触した場合、その接触した画面上の位置を示す位置データを入力制御装置100に出力する。なお、後述するが、入力制御装置100は、タッチパネル420からの位置データを利用して利用者からの要求を特定し、その特定した要求に応じた指示をオーディオ装置200或いはナビゲーション装置300に送信する。
【0022】
続いて、入力制御装置100の機能構成を説明する。具体的には、入力制御装置100は、入力制御部110、音声出力部120、およびI/O部130を有する。
【0023】
I/O部130は、入力制御装置100と外部の装置との間で行われるデータの送受信を制御する。具体的には、I/O部130は、入力制御装置100とオーディオ装置200との間のデータの送受信、入力制御装置100とナビゲーション装置300との間のデータの送受信、表示ユニット400との間で行われるデータの送受信を制御する。また、I/O部130は、車速センサ500が出力する信号を受信する。
【0024】
入力制御部110は、表示装置410に画像を表示させ、タッチパネル420からの位置データにより、利用者からの操作要求を受付ける。また、入力制御部110は、車速センサ500からのデータをI/O部130を介して受付ける。入力制御部110は、車速センサ500からのデータを用いて車両が走行しているか停止しているかを判断する。そして、本実施形態の入力制御部110は、車両が停止している場合と、走行している場合とで異なる手順により、利用者からの操作要求を受付ける。
【0025】
具体的には、入力制御部110は、ナビゲーション装置300が出力した画像データ(例えば「地図上に現在位置を示したデータ」)をI/O部130を介して受付ける。入力制御部110は、上記の受付けた画像データの上に利用者からの各種の操作を受付けるための操作ボタンを重ねた画像データを生成し、生成した画像データを表示装置410に画面表示する(図2参照)。
【0026】
ここで、入力制御部110が表示装置410に表示させる表示画面について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態の入力制御装置100が表示する表示画面の一例を示した図である。なお、図示する例は、入力制御部110がナビゲーション装置300から受け付けた「地図上に現在位置を示したデータ」の上に複数種の操作ボタンを重ねた画面を表示装置410に表示させた場合を示している。なお、以下の説明では、複数種の操作ボタンを表示する場合を例にするが、操作ボタンは、少なくとも1つあればよい。
【0027】
図示するように、表示画面1000には、地図上に現在位置を示すマーク2000が表示され、画面の左右の両側部分に操作ボタン210〜217が表示されている。操作ボタン210〜213は、ナビゲーション装置300への各種要求を受付けるためのボタンを示している。操作ボタン214〜217は、オーディオ装置200への各種要求を受付けるためのボタンを示している。
【0028】
また、入力制御部110は、表示装置410に表示する操作ボタンに関するデータ(以下、「操作ボタンデータ」という)を保持している。「操作ボタンデータ」は、操作ボタン毎に、操作ボタンを識別するためのボタン番号(ボタンID)と、その操作ボタンの画面上での表示位置(座標)と、操作ボタンを音声案内するための音声データと、操作ボタンにより受付ける「操作対象の機種」および「受付ける処理」を示すデータとが対応付けられている。なお、この「操作ボタンデータ」は、画面に表示する操作ボタンの構成毎に設けられている。
【0029】
ここで、操作ボタンデータのデータ構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態の操作ボタンデータのデータ構造の一例を模擬的に示した図である。なお、図3は、図2で例示した操作ボタン210〜217を表示するための操作ボタンデータを示したものである。
【0030】
さて、図示するように、操作ボタンデータ1100は、操作ボタンの名称を登録するためのフィールド1110と、操作ボタンを識別するためのボタン番号を登録するためのフィールド1120と、操作ボタンの画面上での表示位置(座標)を登録するためのフィールド1130と、操作ボタンを案内するための音声データを登録するためのフィールド1140と、操作ボタンにより受付ける操作対象の機種および受付ける処理を示すデータを登録するフィールド1150と、を備えて1つのレコードが構成されている。
【0031】
そして、入力制御部110は、操作ボタンデータ1100を利用して、ナビテーション装置300から受付けた画像データの上に操作ボタンを重ねた画像データを生成し、生成した画像データを表示装置410に表示する。例えば、入力制御部110は、図示する操作ボタンデータ1100を利用して、画面上の座標位置が「(xa、ya)〜(xb〜yb)」の領域に「地図拡大ボタン」を表示する。また、例えば、画面上の座標位置が「(xa、yc)〜(xb〜yd)」の領域に「目的地設定ボタン」を表示する。
【0032】
図1に戻り、説明を続ける。入力制御部110は、タッチパネル420が出力する位置データをI/O部130を介して受付ける。入力制御部110は、受付けた位置データを用いて、利用者が表示装置410の画面上に指等を接触させているか否かについての判定を行う。具体的には、入力制御部110は、タッチパネル420からの位置データを受付けている場合、利用者が指等で表示装置410の表示画面(タッチパネル420)を触っていると判断する。また、入力制御部110は、タッチパネル420からの位置データを受付けていない場合、利用者が表示装置410の表示画面(タッチパネル420)を触っていないと判断する。
【0033】
さらに、入力制御部110は、受付けた位置データおよび操作ボタンデータ1100を用いて利用者が画面上の操作ボタンに接触したか否かを判定し、操作ボタンを接触していると判定した場合、その接触した操作ボタンを特定する。例えば、タッチパネル420が出力する位置データが操作ボタンの表示位置の範囲(例えば、(xa、yc)〜(xb〜yd))に入る位置データの場合、入力制御部110は、利用者が指等で触った操作ボタンを触っていると判定し、かつその操作ボタン(例えば「目的地設定ボタン」)を特定する。
【0034】
入力制御部110は、車両が停止している際に、利用者が指等で操作ボタンを触っていると判定した場合、その触っている操作ボタンに対応付けられている操作対象の機種および受付ける処理を特定する。入力制御部110は、特定した機種(オーディオ装置200或いはナビゲーション装置300)に、特定した処理の要求を行う。
【0035】
入力制御部110は、車両が走行している際に、利用者が指等で操作ボタンを触っていると判定した場合、その触っている操作ボタンに対応付けられている音声データを音声出力する。また、入力制御部110は、利用者が指等で操作ボタンを触っていると判定した後、利用者からの後述する手順の操作を受付けた場合、当該操作ボタンにより受付ける操作対象の機種および受付ける処理を特定する。そして、入力制御部110は、特定した機種(オーディオ装置200或いはナビゲーション装置300)に特定した処理の要求を行う。
【0036】
次に、入力制御装置100のハードウェア構成について図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施形態の入力制御装置100のハードウェア構成を例示した図である。
【0037】
図示するように、入力制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ハードディスク装置等の補助記憶装置102と、ナビゲーション装置300等の外部装置との間で行うデータの送受信を制御するI/OIFと、主記憶装置104と、音声データを出力するスピーカ105とを有する。
【0038】
補助記憶装置102には、入力制御装置100が有する各部(入力制御部110、音声出力部120、I/O部130)の機能を実現するためのプログラム(入力制御プログラム、音声出力プログラム、I/Oプログラム)が格納されている。そして、入力制御装置100が有する各部(入力制御部110、音声出力部120、I/O部130)の機能は、CPU101が補助記憶装置に格納されているプログラム(表示制御プログラム、音声出力プログラム、I/Oプログラム)を主記憶装置104にロードして実行することにより実現される。
【0039】
続いて、入力制御部110が行う利用者からの操作要求を受付ける処理について図5〜図7を用いて説明する。
【0040】
図5〜図7は、本実施形態の入力制御装置が行う利用者からの操作要求を受付ける操作要求受付処理のフローを説明するための図である。
【0041】
本実施形態の入力制御装置は、3種類の操作要求受付けモード(モード1〜3)を有し、設定されているモード毎に異なる処理を行う。具体的には、入力制御部110は、3つのモードが設定可能に構成されている。モードを設定する方法は、特に限定しないが、例えば、入力制御部110にモードフラグを保持させ、そのフラグを1〜3のいずれかに設定することにより、いずれかのモード(モード1〜3)に設定するようにしてもよい。
【0042】
さらに、本実施形態の入力制御部110は、利用者が画面上の操作ボタンに接触している状態であるか否かを確認するための領域フラグ(「ON」および「OFF」のいずれかに設定)を保持している。また、入力制御部110は、少なくとも2種類のビープ音(音1、音2)をスピーカ105から出力可能に構成されている。そして、入力制御部110は、設定されているモード(モード1〜3)で、以下の操作要求を受付ける処理を行う。
【0043】
最初に図5を用いて、モードが「モード1」に設定されている場合に入力制御部110が行う処理を説明する。
【0044】
先ず、入力制御部110は、操作入力処理に用いるモードの設定、領域フラグ、ボタン番号を初期化する処理を行う。具体的には、入力制御部110は、モードを「モード1」に設定し、ボタン番号を保持している場合はそのボタン番号を消去し、さらに領域内フラグを「OFF」に設定し(S100〜S102)、S103の処理に進む。
【0045】
S103では、入力制御部110は、速度センサ500からの速度を示すデータにより車両が走行中であるか否かの判定を行う(S103)。入力制御部110は、車両が走行中であると判定した場合、S104の処理に進む。一方、入力制御部110は、車両が停止していると判定した場合、S110の処理に進む。
【0046】
S110では、入力制御部110は、従来技術による入力処理を行い、S100の処理に戻る。具体的には、入力制御部110は、表示装置410に表示画面を表示する(例えば図2の表示画面を表示)。そして、利用者が表示画面の前面に設けられたタッチパネル420に指等を接触させた場合、タッチパネル420は、利用者が接触した画面上の位置を示す位置データを出力する。入力制御部110は、保持している操作ボタンデータ1100(図3参照)、および、タッチパネル420からの位置データを用いて、利用者が操作ボタンを触ったか否かを判定する。入力制御部110は、利用者が指等で操作ボタンを触ったと判定した場合、操作ボタンにより受付ける操作対象の機種および受付ける処理を特定する。そして、入力制御部110は、特定した機種(オーディオ装置200或いはナビゲーション装置300)に、特定した処理の要求を行う。
【0047】
なお、入力制御部110は、本ステップ(S110)を行っている際にも、速度センサ500からの速度を示すデータにより車両が走行中であるか否かの判定を行う。そして、入力制御部110は、車両が走行中であると判定された場合には、S100の処理に戻る。
【0048】
一方、S103において、車両が走行中であると判定した場合に進むS104の処理について説明する。
【0049】
S104では、入力制御部110は、利用者がタッチパネル420を介して表示画面上に触れているか否かの判定を行う(S104)。入力制御部110は、タッチパネル420が位置データを出力している場合、すなわち、I/O部130を介してタッチパネル420からの位置データを受信している場合、利用者が表示画面に触れていると判定して、S105の処理に進む。入力制御部110は、タッチパネル420が位置データを出力していない場合、すなわち、I/O部130を介してタッチパネル420からの位置データを受信していない場合、利用者が表示画面に触れていないと判定して、S100の処理に戻る。
【0050】
S105では、入力制御部110は、モードを「モード2」に設定し、モード1における処理を終了し、図6に示すモード2における入力制御処理に移行する。
【0051】
次に、図6を用いて、モードが「モード2」に設定されている場合に入力制御装置100が行う処理を説明する。
【0052】
まず、入力制御部110は、図5のS104と同様の手順により、利用者がタッチパネル420を介して表示画面上に触れているか否かの判定を行う(S200)。入力制御部110は、利用者が表示画面に触れていないと判定した場合、S230の処理に進む。一方、入力制御部110は、利用者が表示画面に触れていると判定した場合、S201の処理に進む。
【0053】
S201では、入力制御部110は、利用者が表示画面の操作ボタン(操作ボタンの領域)に触れているか否かの判定を行う。具体的には、入力制御部110は、タッチパネル420からの位置データが、操作ボタンデータ1100(図3参照)のフィールド1130に登録されている表示位置に含まれるデータであるか否かを判定する。入力制御部110は、タッチパネル420からの位置データが上記の表示位置に含まれるデータである場合、利用者が表示画面の中の操作ボタン(操作ボタンのボタン領域)に触れていると判定してS210に進む。なお、本ステップにおいて、入力制御部110は、タッチパネル420からの位置データが上記の表示位置に含まれるデータである場合、タッチパネル420からの位置データが含まれる表示位置に対応する「ボタン名」を特定する。一方、入力制御部110は、タッチパネル420からの位置データが上記の表示位置(図3のフィールド1130)に含まれるデータではない場合、利用者が表示画面の中の操作ボタン(操作ボタンのボタン領域)に触れていないと判定してS220に進む。
【0054】
S210では、入力制御部110は、保持している領域内フラグが「OFF」に設定されているか否かを確認し、「OFF」に設定されている場合にS211の処理に進む。一方、入力制御部110は、領域内フラグが「ON」に設定されている場合に、S200の処理に戻る。
【0055】
S211では、入力制御部110は、領域内フラグを「ON」に設定してS212の処理に進む。S212では、入力制御部110は、音1(例えば、「ピッ」と鳴るビープ音)をスピーカ105から出力する。
【0056】
続いて、入力制御部110は、操作ボタンデータ1100の中からS201で特定した「ボタン名」に対応付けられている操作ボタンの名称を案内する音声データおよびボタン番号を特定する。入力制御部110は、特定した操作ボタンを案内する音声データ(例えば、ボタン名を案内する音声データ)を音声出力し、特定したボタン番号を保持する(S213〜214)。例えば、利用者が図2に示す地図の拡大を受付けるための操作ボタン210に触ったとする。その場合、入力制御部110は、スピーカ105から操作ボタン210を案内する音声データ(例えば、「地図拡大ボタンです」と案内する音声データ)を出力する。その後、入力制御部110は、モードを「モード3」に設定してS200の処理に戻る(S215)。
【0057】
続いて、S201において、利用者が表示画面の中の操作ボタンの領域を触れていないと判定した場合に進むS220の処理を説明する。
【0058】
S220では、入力制御部110は、保持している領域内フラグを参照して、領域内フラグの設定が「ON」であるか否かを確認する。入力制御部110は、領域内フラグが「ON」の場合にS221の処理に進み、「OFF」の場合にS200の処理に戻る。なお、本ステップにおいて、入力制御フラグが「ON」に設定されているのは、以下のような場合である。具体的には、入力制御部110が、S201において利用者ある操作ボタンに触れている判定し、S210〜215処理を行い、S200に戻り、その後のS200〜201において、利用者が表示画面には触れているが画面上の操作ボタンに振れていないと判定し、S220の処理に進んだ場合である。
【0059】
S221では、入力制御部110は、領域内フラグの設定を「OFF」に変更する。入力制御部110は、音2(例えば、「ピッ、ピッ」と鳴るビープ音)をスピーカ105から出力し(S222)、上述したS213から行っている操作ボタンを案内する音声データの出力を停止する(S223)。その後、入力制御部110は、上述したS214で保持している「ボタン番号」を消去し(S225)、モードを「モード1」に設定して、S200の処理に戻る。
【0060】
本実施形態の入力制御装置100が上述のS220〜S225の処理を行うのは、利用者が触った操作ボタンが所望するものではないことがある場合を考慮したためである。本実施形態によれば、利用者は、音声データにより触った操作ボタンが所望するものであるか否かを確認できる。そして、利用者が触った操作ボタンが所望するものではないと確認した場合、表示画面に触れている指等を移動させることで、所望していない操作ボタンを案内する音声データを停止させることができる。また、利用者は、所望する操作ボタンを案内する音声データが音声出力されるまで、指等を表示画面の上で移動させるようにすれば、表示画面を見ないで操作ボタンを検索することができる。
【0061】
続いて、S200において、利用者が表示画面に触れていないと判定した場合に進むS230の処理を説明する。
【0062】
S230では、入力制御部110は、モードの設定が「モード3」であるか否かを判定し、モードの設定が「モード3」である場合、処理を終了して、図7に示すモード3における入力制御処理に移行する。一方、モードの設定が「モード3」ではない場合、図4のS100の処理に戻る。
【0063】
「モード3」に設定されていない場合とは、S225で「モード1」に設定された後、S200に戻り、利用者が画面にふれていないと判定された場合と、図5のS105の処理により「モード2」が設定された後、S200に進み、利用者が画面に触れていないと判定された場合とである。
【0064】
最後に、図7を用いて、モードが「モード3」に設定されている場合の入力制御装置100が行う処理を説明する。
【0065】
先ず、入力制御部110は、タイマーにより時間の計測を開始する(S300)。本ステップに入るのは、上述した図6のS230において、モードが「モード3」に設定されている場合である。具体的には、利用者が表示画面上の操作ボタンを触り、その後、他の操作ボタンに指等を移動させないで、表示画面から指等を離した場合(表示画面からの接触を断った場合)、上記のS230において、モードが「モード3」に設定されていると判定され、本ステップが開始される。
【0066】
続いて、入力制御装置110は、S100により計測を開始した時間(タイマ計測値)が予め保持するしきい値(所定時間)より大きいか否かを判定する(S301)。入力制御部110は、タイマー計測値が所定時間より大きい場合、S304の処理に進む。一方、入力制御部110は、タイマー計測値が所定時間より小さい場合、S302の処理に進む。
【0067】
S302では、入力制御部110は、図5のS104と同様の手順により、利用者が表示画面に触れているか否かの判定を行い、表示画面に触れていると判定した場合にS303に進み、表示画面に触れていないと判定した場合にS301に戻る。
【0068】
S303では、入力制御部110は、保持しているボタン番号に対応する処理を行い、S304の処理に進む。具体的には、入力制御部110は、操作ボタンデータ1100の中から、フィールド1120に保持しているボタン番号が登録されているレコードを特定する。そして、特定したレコードのフィールド1150に登録されたデータから、そのボタン番号が示す操作ボタンにより受付ける操作対象の機種および受付ける処理を特定する。そして、入力制御部110は、特定した機種(オーディオ装置200或いはナビゲーション装置300)に、特定した処理の要求を行う。
【0069】
S304では、入力制御部110は、モードを「モード1」に設定する。その後、入力制御部110は、保持しているボタン番号を消去し(S305)、タイマー計測値を消去し(S306)、モード3での処理を終了して、上述した図5に示すモード1における入力制御処理に戻る。なお、入力制御部110は、S304において、上述した図6のS213から行っている操作ボタンを案内する音声データの出力を停止する。また、入力制御部110は、S300で開始したタイマー計測処理についても、S304を行う際に停止する。
【0070】
続いて、上述した図5〜図7で示した操作要求の入力処理について、利用者からの操作例を挙げて説明する。
【0071】
図8は、本実施形態の入力制御装置100が行う操作要求の入力処理を説明するための表示画面を例示した図である。なお、図8では、上述した図2と同様の構成の操作ボタン210〜217が含まれる表示画面を示している。
【0072】
図8では、表示画面1000の位置A800に利用者が指を接触させ(矢印730)、続いて、表示画面1000を指で触れた状態のままで、位置A800から操作ボタン214のボタン領域(表示領域)に指を移動させ(矢印731)、さらに、操作ボタン214のボタン領域から操作ボタン210のボタン領域に指を移動させて(矢印732)、表示画面1000から指を離して(矢印733)、その後再び、表示画面1000の位置B810に指を接触させた(矢印734)場合を示している。以下、この場合に行う入力制御装置100の処理を説明する。なお、図8の説明において、車両は走行しているものとする。
【0073】
まず、利用者が表示画面1000の位置A800に指を接触させた場合(矢印730)に、入力制御装置100が行う処理を説明する。入力制御装置100は、タッチパネル420からの位置データにより利用者が表示画面に触れていると判定し、モードを2に設定する(図5のS104〜105)。
【0074】
続いて、表示画面1000を指で触れたままで、位置A800から操作ボタン214のボタン領域に利用者が指を移動させた(矢印731)場合に、入力制御装置100が行う処理を説明する。入力制御装置100は、タッチパネル420からの位置データにより、利用者が表示画面1000に触れた状態のままで、操作ボタン214のボタン領域内に入ったと判定する(図6のS200、201)。そして、入力制御装置100は、領域内フラグを「ON」に設定して、音1(例えば、「ピッ」と鳴るビープ音)をスピーカ105から出力し、操作ボタン214を案内する音声データ(例えば、「音量アップボタンです」と案内する音声データ)を出力する(図6のS210〜213)。また、入力制御装置100は、操作ボタン214を示すボタン番号を保持して、モードをモード3に設定する(図6のS214〜215)。
【0075】
次に、利用者が操作ボタン214のボタン領域から操作ボタン210のボタン領域に指を移動させた(矢印732)場合に、入力制御装置100が行う処理を説明する。なお。この場合の処理については、操作ボタン214のボタン領域から当該ボタン領域の外の対置(位置C820)に利用者の接触位置が移動した場合と、操作ボタン214のボタン領域の外の位置(位置C820)から操作ボタン210のボタン領域に利用者の接触位置が移動した場合とに分けて説明する。
【0076】
先ず、操作ボタン214のボタン領域から当該ボタン領域の外の位置(位置C820)に利用者の接触位置が移動した場合(表示画面1000には触れたままである)の処理を説明する。この場合、入力制御装置100は、S200で利用者の指が表示画面1000に触れていることを確認し、S201でボタン領域外と判定してS220の処理に進む(図6)。なお、入力制御装置100が保持する領域フラグは「ON」になっている。入力制御装置100は、領域内フラグを「OFF」に変更し、音2(例えば、「ピッ、ピッ」と鳴るビープ音)をスピーカ105から出力する(図6のS221〜222)。入力制御装置100は、操作ボタン214を案内する音声データ(「音量アップボタンです」と案内する音声データ)の出力を停止して、保持している操作ボタン214を示すボタン番号を消去し、モードをモード1に設定する(図6のS223〜S225)。
【0077】
続いて、操作ボタン214のボタン領域の外の位置(位置C820)から操作ボタン210のボタン領域に利用者の接触位置が移動した場合の処理を説明する。この場合、S200で利用者の指が表示画面1000に触れていることを確認し、S201でボタン領域内と判定し、S210に進む。なお、入力制御装置100が保持する領域フラグは「OFF」になっている。入力制御装置100は、領域フラグが「OFF」であるため、S211に進む。入力制御装置100は、領域フラグを「ON」にして、音1(例えば、「ピッ」と鳴るビープ音)をスピーカ105から出力し、操作ボタン210を案内する音声データ(例えば、「地図拡大ボタンです」と案内する音声データ)を出力する(S211〜213)。また、入力制御装置100は、操作ボタン210を示すボタン番号を保持して、モードをモード3に設定する(S214〜215)。
【0078】
次に、利用者が操作ボタン210に触れている状態において、表示画面1000から指を離した(矢印733)場合に行う処理を説明する。
【0079】
入力制御装置100は、利用者が表示画面1000の操作ボタン210のボタン領域から指を離した場合、S200で利用者の指が表示画面1000から離れたと判定して、S230の処理に進む。なお、表示画面100から指を離すまでは、操作ボタン210に指が触れていたため、入力制御装置100のモードは「モード3」に設定されている(S210〜S215を経てS200が行われているため)。入力制御装置100は、「モード3」に設定されているため、図7の処理に移行する。
【0080】
次に、表示画面1000から利用者が指を離した後で、再び、表示画面1000の位置B810に指を接触させた(矢印734)場合の処理を説明する。なお、利用者が指を離してから、再び表示画面1000に触れるまでの時間は、入力制御装置100が保持するしきい値(所定時間)より短いものとする。
【0081】
この場合、入力制御装置100は、タイマーで計測している時間が所定時間を越える前に、利用者が画面を触れたと判定して(図7のS300〜302)、S303の処理に進む。そして、入力制御装置100は、操作ボタン210に対応する処理を行う。具体的には、ナビゲーション装置300を制御して、表示装置410の地図データを拡大表示する。
【0082】
このように、本実施形態では、タッチパネル420からの位置データが表示画面上の操作ボタンの位置を示す場合に、操作ボタンを案内する音声データを出力するようにしている。すなわち、本実施形態によれば、利用者が画面上に表示している操作ボタンを触った場合に、その操作ボタンを案内する音声データが出力される。そのため、利用者は、操作ボタンを表示している画面を見ることなく、表示画面を触ったままで指を移動させるだけで、操作ボタンの内容を確認することができる。
【0083】
また、本実施形態では、音声案内された操作ボタンが所望する操作を要求するための操作ボタンである場合、利用者は、表示画面から指を離し、その後、所定時間内に表示画面の任意の位置(表示画面上であればどこでもよい)を触るようにすれば、所望する操作を車載用装置に要求することができる。そのため、本実施形態によれば、利用者は、操作ボタンを表示している画面見ることなく、所望する操作要求を車載用装置に行うことができるようになる。本実施形態によれば、例えば、車両が走行している際、利用者は、操作ボタンを見ることなく、車載用装置の操作を行えるため、車両の運転に専念することができるようになる。
【0084】
なお、本発明は以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、車両が走行している場合にだけ、図5に示すS104〜105と、図6および図7で示す処理ステップで利用者からの操作を受け付けるようにしたが、車両が停止している際も同様の処理を行うようにしてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、車両が走行している場合にも操作ボタンを画面上に表示するようにしたが、走行中は、操作ボタンを表示しないようにしてもかまわない。そのようにしても、利用者は、表示画面上を指等で触りながら移動させることで、操作したい操作ボタンを音声データにより探すことができる。
【0086】
上記実施形態では、入力制御装置100にスピーカ105を設けるようにしたが、スピーカは、他の装置(例えば、オーディオ装置200)が有するものを利用するようにしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、入力制御装置100がオーディオ装置200およびナビゲーション装置300に対する操作要求を受付ける場合を例にしたが、これは、例示に過ぎない。例えば、オーディオ装置200およびナビゲーション装置300に加えて、空調装置等の他の装置の操作要求を受け付けるための操作ボタンを画面に表示して、空調装置等に対する操作要求を受付けるようにしてもかまわない。
【0088】
また、上記実施形態では、入力制御装置100、オーディオ装置200、およびナビゲーション装置が別々の装置として構成されている場合を例にしたが、入力制御装置100、オーディオ装置200、およびナビゲーション装置が1つの装置として構成されていてもかまわない。
【0089】
また、本実施形態の入力制御装置を車載用以外の装置の操作要求の受付処理に用いるようにしてもかまわない。この場合、入力制御装置は、車両が走行しているか否かの判断を行わないで、上述した、図6および図7で示す処理ステップで利用者からの操作を受け付けるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態が適用された車載用システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態の車載用システムが表示する表示画面の一例を示した図である。
【図3】本発明の実施形態の操作ボタンデータのデータ構造の一例を模擬的に示した図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態の入力制御装置100のハードウェア構成を例示した図である。
【図5】本発明の実施形態の入力制御装置が行う利用者からの操作要求を受付ける操作要求受付処理のフローを説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態の入力制御装置が行う利用者からの操作要求を受付ける操作要求受付処理のフローを説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の入力制御装置が行う利用者からの操作要求を受付ける操作要求受付処理のフローを説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態の入力制御装置が行う操作要求の入力処理を説明するための表示画面を例示した図である。
【符号の説明】
【0091】
100…入力制御装置、101…CPU、102…補助記憶装置、103…I/OIF、104…主記憶装置、105…スピーカ、110…入力制御部、120…音声出力部、130…I/O部、200…オーディオ装置、300…ナビゲーション装置、400…表示ユニット、410…表示装置、420…タッチパネル、500…速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を表示する表示装置に接続され、車載用装置に対する操作要求を受け付ける入力制御装置であって、
前記表示装置には、利用者が接触した画面上の位置を検出し、当該検出した画面上の位置を示す位置データを出力するタッチパネルが設けられていて、
操作ボタンが含まれる画面を前記表示装置に表示する表示手段と、
前記画面に含まれる操作ボタン毎に、前記画面上の操作ボタンの表示位置を示すデータと、当該操作ボタンにより受付ける操作の内容を音声で案内するための音声データと、当該操作ボタンにより受付ける操作要求とを対応付けた画面データとを記憶する手段と、
前記タッチパネルが出力する位置データを受信する手段と、
前記受信した位置データを用いて利用者が前記画面に接触しているか否かを判定するとともに、当該位置データおよび前記画面データを用いて、利用者が画面上の操作ボタンに接触したか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が前記操作ボタンに接触したと判定した場合、前記画面データを用いて、前記接触した操作ボタンに対応付けられている音声データを音声出力する手段と、
前記車載用装置に対する操作要求を行う制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記判定手段が前記操作ボタンに接触したと判定した後、利用者が画面への接触を断ち、かつ当該接触を断ってから所定時間内に前記画面上の任意の位置を接触したと判定した場合、前記画面データを用いて、前記接触したと判定した操作ボタンに対応付けられている操作要求を前記車載用装置に対して行うこと
を特徴とする入力制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力制御装置であって、
前記判定手段は、
前記受信手段が前記タッチパネルからの位置データを受信している場合に利用者が前記画面に接触していると判定し、前記受信手段が前記タッチパネルからの位置データを受信していない場合に利用者が前記画面に接触していないと判定すること
を特徴とする入力制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入力制御制御装置であって、
前記制御手段は、
前記判定手段が、前記操作ボタンに接触したと判定した後に受信した位置データにより、当該接触したと判定した後で利用者が画面への接触を断つことなく、前記接触したと判定した操作ボタン以外の画面の位置に接触位置を移動させたと判定した場合、前記接触したと判定した操作ボタンに対応付けられている操作要求を行わないこと
を特徴とする入力制御装置。
【請求項4】
画面を表示する表示装置に接続され、車載用装置に対する操作要求を受け付ける入力制御装置であって、
前記表示装置には、利用者が接触した画面上の位置を検出し、当該検出した画面上の位置を示す位置データを出力するタッチパネルが設けられていて、
車両が走行しているか或いは停止しているかを判定する走行判定手段と、
操作ボタンが含まれる画面を前記表示装置に表示する表示手段と、
前記画面に含まれる操作ボタン毎に、前記画面上の操作ボタンの表示位置を示すデータと、当該操作ボタンにより受付ける操作の内容を音声で案内するための音声データと、当該操作ボタンにより受付ける操作要求とを対応付けた画面データとを記憶する手段と、
前記タッチパネルが出力する位置データを受信する手段と、
前記受信した位置データを用いて利用者が前記画面に接触しているか否かを判定するとともに、当該位置データおよび前記画面データを用いて、利用者が画面上の操作ボタンに接触したか否かを判定する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記走行判定手段が、前記車両が停止していると判定している場合において、利用者が前記画面に接触していると判定した際、
前記タッチパネルからの位置データにより利用者が画面面上の操作ボタンに接触したか否かを判定し、利用者が画面面上の操作ボタンに接触したと判定した場合、前記画面データを用いて当該接触したと判定した操作ボタンに対応付けられている操作要求を前記車載用装置に対して行い、
前記走行判定手段が、前記車両が走行していると判定している場合において、利用者が前記画面に接触していると判定した際、
前記タッチパネルからの位置データにより利用者が画面面上の操作ボタンに接触したか否かを判定し、利用者が画面面上の操作ボタンに接触したと判定した場合、前記画面データを用いて当該接触したと判定した操作ボタンに対応付けられている音声データを音声出力し、さらに、前記操作ボタンに接触したと判定した後、利用者が画面への接触を断ち、かつ当該接触を断ってから所定時間内に前記画面上の任意の位置に接触したと判定した場合、前記画面データを用いて前記接触したと判定した操作ボタンに対応付けられている操作要求を前記車載用装置に対して行うこと
を特徴とする入力制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の入力制御装置であって、
前記車載用装置とは、ナビゲーション装置、車載用オーディオ装置、および空調装置のいずれかであること
を特徴とする入力制御装置。
【請求項6】
画面を表示する表示装置に接続され、車載用装置に対する操作要求を受け付ける入力制御装置が行う入力制御方法であって、
前記入力制御装置は、操作ボタンが含まれる画面を前記表示装置に表示する手段と、前記画面に含まれる操作ボタン毎に、前記画面上の操作ボタンの表示位置を示すデータと、当該操作ボタンにより受付ける操作の内容を音声で案内するための音声データと、当該操作ボタンにより受付ける操作要求とを対応付けた画面データとを記憶する手段と、音声データを出力する音声出力装置とが設けられていて、
前記表示装置には、利用者が接触した画面上の位置を検出し、当該検出した画面上の位置を示す位置データを出力するタッチパネルが設けられていて、
前記入力制御装置は、
前記タッチパネルが出力する位置データを受信するステップと、
前記受信した位置データを用いて利用者が前記画面に接触しているか否かを判定するとともに、当該位置データおよび前記画面データを用いて、利用者が画面上の操作ボタンに接触したか否かを判定する判定ステップと、
前記前記操作ボタンに接触したと判定した場合、前記画面データを用いて、前記接触した操作ボタンに対応付けられている音声データを前記音声出力装置に出力するステップと、
前記判定ステップにおいて、前記操作ボタンに接触したと判定された後、利用者が画面への接触を断ち、かつ当該接触を断ってから所定時間内に前記画面上の任意の位置を接触したと判定された場合に、前記画面データを用いて、前記接触したと判定された操作ボタンに対応付けられている操作要求を前記車載用装置に行うステップとを実行すること
を特徴とする入力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−244231(P2006−244231A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60496(P2005−60496)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】