説明

全周画像入出力装置

【課題】360度の全周にわたる映像の表示と画像の取り込みとを両立できる構成を実現すること。
【解決手段】本発明は、光の透過率を変更可能で、全周にわたる画像の表示を行う球状の調光スクリーン2と、調光スクリーン2の内側から全周にわたる画像の表示を行う光変調素子3と、調光スクリーン2の外側から入射する光を取り込む光センサ4と、調光スクリーン2の光の透過率を制御するとともに、その透過率の制御に応じて光変調素子3による画像の表示と光センサ4による光の取り込みとを制御する制御装置5とを備える全周画像入出力装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状の調光スクリーンによって360度の画像表示および360度の光取り込みを行う全周画像入出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、360度カメラや、マルチスクリーンモニタ等によって全周にわたる画像の取り込み、映像の出力を行う技術がある。例えば、特許文献1では、360度球面に画像を写し出す装置が開示されている。また、調光スクリーンとしては、特許文献2に示される透かしスクリーンや、特許文献3、4に示される書き込み機能を有するスクリーンが開示されている。
【0003】
この特許文献1に開示される技術では、カメラとモニタとが別体で構成されており、かつ360度の映像は、平面モニタに映し出され臨場感のないモニタ映像となっている。また、特許文献5では、半球状スクリーンにタッチパネルを設けた技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−271094号公報
【特許文献2】特開2005−95596号公報
【特許文献3】特開2004−233584号公報
【特許文献4】特開2003−121943号公報
【特許文献5】特開平8−19005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いずれの技術においても全周にわたる映像の表示と画像の取り込みとを両立できる構成は考えられておらず、各々の構成では用途が限られてしまい様々なアプリケーションへの展開が望めないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、光の透過率を変更可能で、全周にわたる画像の表示を行う球状の調光スクリーンと、調光スクリーンの内側から全周にわたる画像の表示を行う光変調素子と、調光スクリーンの外側から入射する光を取り込む光センサと、調光スクリーンの光の透過率を制御するとともに、その透過率の制御に応じて光変調素子による画像の表示と光センサによる光の取り込みとを制御する制御手段とを備える全周画像入出力装置である。
【0007】
このような本発明では、制御手段による制御によって調光スクリーンの光の透過率を制御し、これによって光変調素子による変調された画像を調光スクリーンの全周にわたり表示したり、調光スクリーンの外側から入射する光を光センサによって取り込んだりすることができる。
【0008】
つまり、調光スクリーンに画像を表示したい場合には、制御手段によって調光スクリーンの透過率を光が散乱するよう程度の値に設定する。これにより、光変調素子によって変調された光が調光スクリーンに映し出されることになる。一方、調光スクリーンを介して外部の光を取り込みたい場合には、制御手段によって調光スクリーンの透過率を所望の光が透過する程度の値に設定する。これにより、外部の光が調光スクリーンを通過して光センサで取り込まれるようになる。
【0009】
また、調光スクリーンの透過率の設定によって、光変調素子による画像の表示と、外部からの光の取り込みとの両方を同時に行うこともできるようになる。
【発明の効果】
【0010】
したがって、このような本発明によれば、360度ディスプレイと360度カメラを一体化し、光学部品を共通化することにより、全周にわたる映像の表示と画像の取り込みとを両立できる装置を提供することが可能となる。また、このような構成により、様々なアプリケーションへの適用が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。図1は、本実施形態に係る全周画像入出力装置を説明する模式図である。本実施形態に係る全周画像入出力装置1は、全周にわたる画像の表示および光の取り込みを行うことができるもので、次に示す構成を備えている。
【0012】
すなわち、本実施形態の全周画像入出力装置1は、光の透過率を変更可能で、全周にわたる画像の表示を行う球状の調光スクリーン2と、調光スクリーン2の内側から全周にわたる画像の表示を行う光変調素子3と、調光スクリーン2の外側から入射する光を取り込む光センサ4と、調光スクリーン2の光の透過率を制御するとともに、その透過率の制御に応じて光変調素子3による画像の表示と光センサ4による光の取り込みとを制御する制御装置5とを備えている。
【0013】
ここで、光源6は、LED、レーザ等の固体光源を搭載することにより、瞬時点灯が可能となる。
【0014】
また、調光スクリーン2は、球状(半球状や楕円球状を含む)のスクリーン部材の内面に液晶等の光の透過率を変更できる調光材料を設けたものである。具体的には、例えば球状のスクリーン部材の内面に、カプセル型の液晶を塗布したものから成る。カプセル型の液晶は、微小カプセル内に液晶を封入し、これを紫外線照射硬化型樹脂等の透明樹脂に混入させてスクリーン部材の内面に塗布またはコーティングする。これに紫外線を照射して硬化させることでスクリーン部の内面に一様に液晶層を形成することができる。
【0015】
また、透過率の調整は、塗布した液晶に対して所定の電圧を印加することで行う。このため、液晶を塗布したスクリーン部材には透明電極が形成されている。この透明電極への電圧印加を制御装置5によって制御することで、調光スクリーン2の光透過率を制御することができる。
【0016】
本実施形態では、調光スクリーン2へ電圧が印加されていない状態では光の透過率が低くなる散乱モード、調光スクリーン2へ所定の電圧が印加された状態では光の透過率が高くなる透過モードとなり、また、印加する電圧の調整によって透過率を所望の値に制御できるようになる。
【0017】
調光スクリーン2の内面に画像を表示する構成としては、光源6、コンデンサレンズL1、光変調素子3、ミラーM1、投射レンズL2、円錐型非球面反射ミラーM2が設けられる。これらの構成は、一部が調光スクリーン2の内部に配置され、他の一部が例えば調光スクリーン2の土台部分に配置される。
【0018】
この構成において画像表示を行うには、光源6から出射した光をコンデンサレンズL1で平行光にして光変調素子3に入射する。光変調素子3は液晶表示デバイスであり、表示する画像に応じて光の透過率が変化する。
【0019】
光変調素子3を介して変調された光(画像)は反射ミラーM1で反射し、投射レンズ2を介して円錐型非球面反射ミラーM2に当てられる。円錐型非球面反射ミラーM2に当てられた光(画像)は、球状の調光スクリーン2の内面に全周に渡って到達することになる。これにより、360度ディスプレイとしての役目を果たすことになる。
【0020】
また、本実施形態では、調光スクリーン2への画像の全周表示だけでなく、調光スクリーン2の外側から内側に入射する光を光センサ4で取り込むこともできる。光を取り込むための構成としては、円錐型非球面反射ミラーM2、投射レンズL2、反射ミラーM1、光センサ4が設けられる。このうち、円錐型非球面反射ミラーM2、投射レンズ2および反射ミラーM1は先に説明した画像表示のための構成と共用である。
【0021】
この構成によって、調光スクリーン2の外側の全周から入射してきた光が円錐型非球面反射ミラーM2によって中心に集約され、投射レンズ2、反射ミラーM1を介して光センサ4に達する。この光を光センサ4で検出することにより、360度カメラとして役目を果たすことになる。
【0022】
特に、本実施形態では、360度ディスプレイおよび360度カメラを一つの光学システムで実現するため、光変調素子3と光センサ4とを同一基板に一体的に形成したものを用いている。
【0023】
図2は、本実施形態で液晶表示デバイスとして適用されるセンシングディスプレイデバイスの構造を説明する模式断面図である。すなわち、このデバイスの基本構成は液晶表示装置であり、各画素ごとに駆動トランジスタ10が形成されたTFT基板S1と、対向電極S2およびマイクロレンズML、もしくはブラックマトリクスBMが形成された対向基板S2とを所定の間隔で貼り合わせ、その間隔内に液晶30を封入したものから成る。
【0024】
液晶表示装置には、TFT基板S1と対向基板S2とのギャップを制御するため、所定位置にオンチップスペーサ31が設けられており、また、駆動トランジスタ10に不要光が入射しないよう駆動トランジスタ10の上下に遮光膜11が設けられている。
【0025】
このような液晶表示装置の構成を基本として、本実施形態では、各画素ごとにTFT基板S1側にフォトダイオード20が形成されたものを用いている。フォトダイオード20は、液晶30による画像表示の透過光に影響のない位置で、各画素ごとに配置される。
【0026】
このセンシングディスプレイデバイスによって画像を表示する場合には、対向基板S2側から照射光を入射し、マイクロレンズMLおよび液晶30を介してTFT基板s1側へ変調光(画像)を出力(透過)する。この透過光が画像となって図1に示す反射ミラーM1や投射レンズL2を介して調光スクリーン2へ写し出されることになる。
【0027】
一方、光の取り込みを行うには、TFT基板S1側から入射した光を各画素ごとに設けられたフォトダイオード20によって受光することになる。フォトダイオード20は各画素ごとに設けられていることから、調光スクリーンのどの位置から入射した光なのかといった位置情報を取得することもできるとともに、取り込んだ光を画像(360度カメラの画像)として取得することもできる。
【0028】
このように、画像の表示および受光を一つのデバイスで行うことで、全周画像入出力装置のシステム構成を大幅に小型化することが可能となる。
【0029】
制御装置5は、上記説明した調光スクリーン2に対する電圧印加を制御して、調光スクリーン2での光の透過率を制御する。また、制御装置5は、光変調素子3を駆動して、表示対象となる画像の表示を制御する。さらに、制御装置5は、光センサ4によって検出した光信号によって取り込んだ光の調光スクリーン2上の位置やその位置に応じた画像の取り込みを制御する。
【0030】
つまり、制御装置5は、画像の表示および取り込みの各動作モードに応じて調光スクリーン2の光の透過率制御や、それと連動した光変調素子3の駆動および光センサ4で取り込んだ信号の処理を行うことになる。
【0031】
ここで、図示する制御装置5は全ての機能を一つで行う構成になっているが、調光スクリーン2の制御、光変調素子3の制御、光センサ4の制御といった各部の制御ごとに分かれた構成となっていてもよい。
【0032】
次に、本実施形態の全周画像入出力装置による動作モードの説明を行う。図3は、各動作モードを説明する模式図で、(a)は全周画像表示モード、(b)は全周画像入力モード、(c)同時モードの場合である。
【0033】
先ず、図3(a)に示す全周画像表示モード(360度ディスプレイモード)について説明する。このモードでは、制御装置5から調光スクリーン2へ電圧を印加しないようにし、調光スクリーン2の光透過率を散乱モード(投射型ディスプレイとして画像表示可能な透過率)に設定する。
【0034】
次に、この状態で制御装置5の制御によって光源6から光を出射するとともに、光変調素子3を表示画像に応じて駆動し、光源6から出射された光の変調を行う。変調光(画像)は、ミラーM1から投射レンズL2を介して円錐型非球面反射ミラーM2に照射され、ここで360度方向に反射して調光スクリーン2の内面に照射される。
【0035】
これにより、調光スクリーン2の内側から外側にかけて360度全周に渡る映像が投射されることになる。したがって、ユーザは、球状の調光スクリーン2の表面に写し出される360度の映像を調光スクリーン2の外側より参照できることになる。
【0036】
次に、図3(b)に示す全周画像入力モード(360度カメラモード)について説明する。このモードでは、制御装置5から調光スクリーン2への所定の電圧を印加して、調光スクリーン2の光透過率を透過モード(外部からの光を内部に導くことができる透過率)に設定する。
【0037】
これにより、360度周囲より入射した光は調光スクリーン2を透過して円錐型非球面反射ミラーM2にて反射し、投射レンズL2および反射ミラーM1を介して光センサ4に入射することになる。
【0038】
光センサ4は、図2に示すように各画素ごとに形成されたフォトダイオード20から構成されるため、受光した位置によって調光スクリーン2のどの位置から入射した光かを検出することができる。また、この光を画像としてとらえることで、360度カメラとしての映像を取得することができる。
【0039】
次に、図3(c)に示す同時モードについて説明する。このモードでは、制御装置5から調光スクリーン2への所定の電圧を印加して、調光スクリーン2の光透過率を散乱モードと透過モードとの間に設定する。
【0040】
次に、この状態で制御装置5の制御によって光源6から光を出射するとともに、光変調素子3を表示画像に応じて駆動し、光源6から出射された光の変調を行う。変調光(画像)は、ミラーM1から投射レンズL2を介して円錐型非球面反射ミラーM2に照射され、ここで360度方向に反射して調光スクリーン2の内面に照射される。これにより、調光スクリーン2の外側には360度全周に渡る映像が投射されることになる。ユーザは、球状の調光スクリーン2の表面に写し出される360度の映像を調光スクリーン2の外側より参照できることになる。
【0041】
また、この画像表示と同時に、360度周囲より入射した光は調光スクリーン2を透過して円錐型非球面反射ミラーM2にて反射し、投射レンズL2および反射ミラーM1を介して光センサ4に入射する。これにより、調光スクリーン2のどの位置から入射した光かを検出したり、360度カメラとしての映像を取得したりすることができる。
【0042】
なお、この同時モードにおいて、調光スクリーン2にレーザポインタ等の強い光を照射して、これを検出する場合には、図3(a)に示す散乱モードの場合と同じ光透過率に設定してもよい。これにより、360度の画像表示を鮮明に行うことができ、また、外部から入射するレーザポインタ等の光を検出して、調光スクリーン2上のどの位置に光が照射されているかも検出できることになる。
【0043】
このように、360度ディスプレイと360度カメラとを一体化し、コンパクトなシステムにすることができるとともに、光学部品を共通化することにより、コストダウンを図ることが可能となる。
【0044】
また、調光スクリーン2にタッチセンサ7(図1参照)を付けることで、指等による接触の位置を検出できるようにしてもよい。
【0045】
図4は、本実施形態の全周画像入出力装置の利用例を説明する模式図である。この利用例では、調光スクリーン2上に360度の映像として、例えば、図4(a)に示すように、地球の映像が表示されている。映像を表示するには、先に説明した散乱モードにすればよい。
【0046】
この状態で、ユーザが指によって所望の位置を触ると、タッチセンサによってその位置を検出し、制御装置はその位置を中心とした映像の拡大表示を行う。図4(b)は、ユーザが指で触った位置の拡大表示が成された状態である。
【0047】
制御装置は、ユーザによる指の接触回数に応じて順次拡大していく制御を行うこともできる。また、指が接触している間、この拡大動作を連続的に行うこともできる。これにより、ユーザは地球の外側から指で接触した地球上の位置へ短時間でズームしていく映像を楽しむことができる。また、ユーザは、所望の位置を指で接触しながら滑らせることで、360度表示の位置を回転移動(スクロール)させることもできる。
【0048】
さらに、制御装置は、ユーザが指で接触した位置と対応する地図上の場所に関する各種の情報を調光スクリーン2上へ表示させることもできる。例えば、ユーザが指で接触した場所の天気や観光ガイド、詳細な地図情報といったその場所に関連した情報を表示できるようになる。
【0049】
また、必要に応じて、この関連する情報を音声ガイドや動画映像として出力してもよい。これによる、ユーザは臨場感のある情報取得を行うことが可能となる。
【0050】
さらに、本実施形態の全周画像入出力装置1に通信手段を設けることで、ネットワークを介した双方向通信システムとして利用することができる。図5は、複数の全周画像入出力装置がネットワークを介して接続された状態を示す模式図である。各全周画像入出力装置1にはLANやインターネット等のネットワークNと接続するための通信手段が設けられている。
【0051】
通信手段は対応するネットワークNの通信プロトコルに準拠した情報の入出力を行うことができ、ネットワークN経由で自らの情報を外部に出力したり、ネットワークN経由で外部から送られる情報を受信したりすることができる。
【0052】
全周画像入出力装置1がネットワークNに接続されている状態で、全周画像入出力装置1を同時モードに設定することにより、所定の相手先の映像を調光スクリーン2に360度表示するとともに、自らの映像および周辺映像を360度で取り込んで相手先にネットワークN経由で送信することができる。
【0053】
ネットワークNを介した相手先の全周画像入出力装置1では、他の全周画像入出力装置1から送られてきた映像を自分の調光スクリーン2に表示する。映像とともに音声を送受信すれば、ネットワークN経由での全方向映像付きテレビ電話システムやテレビ会議システムを構築することができる。
【0054】
また、全周画像入出力装置1がネットワークNに接続されることで、ネットワークNに接続されるWebサーバやメールサーバ等の各種情報サーバから所望の情報を取得して調光スクリーン2へ360度表示できるとともに、調光スクリーン2のタッチパネルを介して指示されたコマンドを各種情報サーバへ送ることもできる。
【0055】
また、最近では、ネットワーク対戦型のゲームが実現されているが、本実施形態の全周画像入出力装置1を映像入出力端末として利用すれば、臨場感のあるモニタリングや、立体感のあるゲームを実現することが可能である。
【0056】
さらに、世界中に本システムを設置することによりリアルタイムに、全世界の風景や情景を360度表示でモニタリングでき、今後のセキュリティ社会の実現に向けて役立てることが期待される。
【0057】
さらに、半球状の表示の特徴を生かした、地球儀、星座等の表示や照明機器として利用が可能であり、また、タッチセンサと組み合わせた教育玩具等の新しいアプリケーションを実現することも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本実施形態における全周画像入出力装置の主なアプリケーションとしては、下記の応用が期待される。
(1)業務用の監視モニタシステムにタッチセンサ付き半球ディスプレイと双方向の広告・情報端末機能が付与されることにより、セキュリティと広告収入の両用が可能となり、各種店舗やホテル客室等での利用が期待される。
(2)自動車等に設置することにより、360度モニタリングと表示が可能となる。
(3)調光スクリーンは、球状のもの以外でも、立方体や直方体、多面体などの立体的形状であっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本実施形態に係る全周画像入出力装置を説明する模式図である。
【図2】本実施形態で適用されるセンシングディスプレイデバイスの構造を説明する模式断面図である。
【図3】各動作モードを説明する模式図で、(a)は全周画像表示モード、(b)は全周画像入力モード、(c)同時モードを示す図である。
【図4】本実施形態の全周画像入出力装置の利用例を説明する模式図である。
【図5】複数の全周画像入出力装置がネットワークを介して接続された状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0060】
1…全周画像入出力装置、2…調光スクリーン、3…光変調素子、4…光センサ、5…制御装置、6…光源、7…タッチセンサ、L1…コンデンサレンズ、L2…投射レンズ、M1…反射ミラー、M2…円錐型非球面反射ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の透過率を変更可能で、全周にわたる画像の表示を行う球状の調光スクリーンと、
前記調光スクリーンの内側から全周にわたる画像の表示を行う光変調素子と、
前記調光スクリーンの外側から入射する光を取り込む光センサと、
前記調光スクリーンの光の透過率を制御するとともに、その透過率の制御に応じて前記光変調素子による画像の表示と前記光センサによる光の取り込みとを制御する制御手段と
を備えることを特徴とする全周画像入出力装置。
【請求項2】
前記調光スクリーンに画像を表示する第1のモードでは、前記制御手段によって前記調光スクリーンの光の透過率を前記画像が表示可能な値に制御して前記光変調素子による画像の表示制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。
【請求項3】
前記調光スクリーンの外側から入射する光を取り込む第2のモードでは、前記制御手段によって前記調光スクリーンの光の透過率を前記光が外側から内側に透過可能な値に制御して前記光センサによる前記光の取り込み制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。
【請求項4】
前記調光スクリーンに画像を表示すると同時に前記調光スクリーンの外側から入射する光を取り込む第3のモードでは、前記制御手段によって前記調光スクリーンの光の透過率を前記画像が表示可能でかつ前記光が外側から内側に透過可能な値に制御して前記光変調素子による前記画像の表示制御と前記光センサによる前記光の取り込み制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。
【請求項5】
前記光変調素子と前記光センサとは同一基板に一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。
【請求項6】
前記光センサは、前記光が入射する際の前記調光スクリーン上の位置を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。
【請求項7】
前記調光スクリーンの球状における内側の頂点部分には円錐型非球面反射手段が設けられており、
前記円錐型非球面反射手段を介して前記光変調素子による画像の表示および前記光センサによる前記調光スクリーンの外側から入射する光の取り込みを行う
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。
【請求項8】
前記調光スクリーンには、その表面の座標を読み取るタッチセンサが設けられており、
前記制御手段は、前記タッチセンサによって検出した座標に基づき前記光変調素子による画像の表示を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。
【請求項9】
外部の装置との間で少なくとも画像の入出力通信を行う通信手段を備えており、
前記制御手段は、前記通信手段によって受信した外部から送られる画像を前記光変調素子によって前記調光スクリーンに表示するとともに、前記調光スクリーンを介して前記光センサで取り込んだ光に基づく画像を前記通信手段によって外部の装置へ出力する制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の全周画像入出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−145809(P2008−145809A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334098(P2006−334098)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】