説明

分析器械

本発明は、マイクロ流体デバイスを処理するための分析器械であって、試料貯蔵手段と、マイクロ流体デバイスホルダと、試料をホルダ内に配置されたマイクロ流体デバイスにロードするための試料ロード手段と、マイクロ流体デバイス内で反応を可能にするための処理手段と、反応を検出及び/又は計測するための検出手段とを有する分析器械であって、マイクロ流体デバイスホルダが、処理及び/又は検出のために、適所にテープを有し又は含むマイクロ流体デバイスを保持するようになされていることを特徴とする分析器械に関する。本発明はさらに、反応チャンバと、試料を内部に注入可能な試料ロードチャンバとを有するマイクロ流体処理デバイスであって、反応チャンバは、試料ロードチャンバに連動しており、上記デバイスは、試料ロードチャンバの少なくとも一部に延在するカバーを有し、カバー及び反応チャンバが、穿通可能な材料を有して、注入された試料のいかなるあふれた分も受け入れるように構成された過剰分キャビティにより分離されている、マイクロ流体処理デバイスに関する。最後に、本発明は、上述の分析器械とマイクロ流体処理デバイスとを有するキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫測定法、細胞に基づく検査、及びPCRを含む様々な技術を用いて、生体試料及び/又は生化学試料の性質の測定において使用するための分析器械(analysis instrument)に関する。特に、本発明は、電気泳動法を用いた、RNA、DNA、又はタンパク質を含有する試料の分析に関する。
【背景技術】
【0002】
利用可能な多数の分析器械及び装置がある。生体試料の分析は、広範囲に渡って大規模に行われ続けており、しばしば多数の処理ステップを必要とする。
【0003】
生命科学実験室において最も広範囲に使用される分析技術の1つは、ゲル浴ベースの電気泳動である。この処理により、例えば核酸又はタンパク質等の荷電分子の複合混合物を分離することが、それらの電気泳動の移動度に応じて可能となる。この方法を受けて、相対分子量及び構成分子の量を測定することができる。しかしながら、この良好に確立された技術は、時間がかかり、労力がかかり、かなりの量の作業台スペースを要する。試料調製、試料分析、及び試料クリーンアップは全て、使用される試薬のいくつか(例えば臭化エチジウム)が有毒である湿式化学を伴い、特殊化されたハンドリング及び廃棄方法を必要とする。
【0004】
スラブゲルを用いたDNA断片の電気泳動及び分析のための通常の作動構成は、以下を含む。
超高純度の脱塩水供給、
大量供給ボトル入りの緩衝剤試薬、
化学染色液又は染料、
ゲル粉末、
ゲル調製のための実験室のガラス器械、
ゲル調製(粉末を緩衝剤と混ぜる)のための加熱・攪拌装置、
ゲルタンク及びその付属品全て、
電源ユニット、
試料ロードピペット、
ゲル内の蛍光色素を活性化できるように、処理されたゲルがその上に搬送されるライトボックス、及び
その最も基本的な配置が、ライトボックスに対する対光性の配置に適合させることができる金属フードに取り付けられたインスタントカメラである、ゲルカメラ。
【0005】
この伝統的な処理に対する利用可能な改良は、例えばインビトロジェン・コーポレーション(Invitrogen Corporation)のノヴェックス(Novex(登録商標))ブランド、或いはバイオ−ラッド・ラボラトリーズ(Bio‐Rad Laboratories)のレディ・アガロース(ReadyAgarose(登録商標))ブランドにより提供されるような、標準ゲルタンクに「滴下する」プレキャストゲルである。しかしながら、これらのゲルはやはり「湿式化学」のハンドリング手順を要し、時間及び労力はかかったままである。
【0006】
別の改良は以下を含む。
使用者がその中にゲルマトリックスを形成できる剛体のゲル板、
複数のプレキャスト又は自製ゲルを同時に処理できるが、多くのハンドリング及び湿式化学調製を要するゲルタンク、
ゲルタンク又は緩衝剤が不要であるプレキャストゲル、例えばインビトロジェン・コーポレーション(Invitrogen Corporation)により提供される「イーゲル(E‐Gel(商標))」システム(米国特許第5,582,702号及び第5,865,924号参照)。
【0007】
「イーゲル(E‐Gel(商標))」システムはやはり、手動の試料ロード及び分析のための個別の画像キャプチャステーションの使用の不便さ及び運搬経費を招く。
【0008】
電気泳動分離及び画像化中に使用される最も一般的な核酸の着色剤の1つに臭化エチジウムがある。この着色剤は、電気泳動画像化が依存する螢光発光をトリガするために紫外線(UV)光源を必要とするという欠点を有する。UV画像化システムの必要条件は、完全に閉鎖された遮蔽ライトボックスを使用するか又は暗室内において保護眼鏡を使用するかのいずれかにより、使用者を紫外線から保護することである。
【0009】
通常の使用における処置として、多数の商業的に利用可能なゲル画像化システムのうちの1つを使用することがある。ゲルはゲル浴内において伝統的な方法で処理されるが、その後、ゲル浴から、ビューア又は画像印刷装置にケーブルで外部接続されたディジタルカメラを含む対光性のエンクロージャ内に含まれる個別のライトボックスの上面に、手動で搬送される。利用可能なシステムの例は、ユーヴィピー・インコーポレイテッド(UVP Incorporated)(ブランド名 ゲルドック−イット(GelDoc‐It))、バイオ−ラッド・ラボラトリーズ(Bio‐Rad Laboratories)(ブランド名 ゲル・ドック(Gel Doc))、又は、シノプティック・リミテッド(Synoptics Limited)(ブランド名 シンジーン(Syngene))により製造されている。
【0010】
同様の解決法として、UVライトボックス及びカメラを納める立入り形の暗室を使用することがある。しかしながら、これらの画像化技術を含むシステムは、やはり、かなりの水準の試薬調製や、注意深い手動による試料ロードや、複数個の機器の設定及び使用を必要とする。
【0011】
伝統的なスラブゲル処理を自動化するシステムの例には、ヘレナ・バイオサイエンス(Helena BioSciences)の米国特許第4,954,237号及び第5,147,522号がある。これらのシステムは比較的かさばっており、それらの自動化処理はやはり伝統的な湿式化学スラブゲルの調製、処理、及び自動化されたハンドリングを伴っている。
【0012】
(スラブゲル電気泳動とは異なるものとしての)キャピラリ電気泳動を使用する完全に自動化された電気泳動装置は、ゲル浴電気泳動に関する幾つかの問題を扱っている。しかしながら、これらの種類の機器は大きくて高価であり、特別に訓練された操作者を必要とする。これらの機器は、通常、核酸の高分離能(単一の塩基対まで)の分離、又は自動化が基本である高スループットの一塩基多型(SNP)分析を実行するのに使用される。この種のシステムの1例に、アプライド・バイオシステム・インク・プリズム3100・ジェネティック・アナライザ(Applied Biosystems Inc Prism3100 Genetic Analyser)がある。これらのシステムのコスト及び複雑さが、いつも、小さい実験室におけるそれらの使用を妨げている。
【0013】
分子生物学において、マイクロ流体デバイスが使用され始めている。アジレント・バイオ−アナライザ2100(Agilent Bio‐analyser2100)は、キャリパー(Caliper)社の「ラブチップ(Labchip(登録商標))」を用いるベンチトップ型デバイスである。このシステムは、マイクロ流体技術を利用して迅速な分離を達成する。しかしながら、このシステムは完全には自動化されておらず、試料は(並列とは逆に)直列的な方法で処理される。
【0014】
スラブゲル電気泳動を置き換えようとし、分離時間の著しい減少を達成することを目標とするシステムの課題は、テスト試料の調製に関連する必要性のほか、試薬の調製(ゲル、緩衝剤、電解液)の必要性を排除することである。
【0015】
さらに、生体及び/又は生化学試料を分析する一般的な分野において、以下のような多数の課題が存在する。例えば、
さまざまな異なる標準実験用容器の種類において使用者が試料をロードできるようにすること、
微小規模の分離デバイスを使用して、ジュール加熱の危険性なく分子の分離を迅速化すること、
試料のスループットの改善を導く高度に並列な試験を達成すること、
使用される試薬及びテスト試料の量(従ってコスト)を低減すること、
処理を自動化して処理ステップを統合し使用者の介入を最小にすること、
非常に小さい設置面積によりこれらの改善を達成すること、
伝統的なスラブゲル処理にコストで競合できる方法で上記の全てを達成すること。
【0016】
上記の課題に取り組み、それによって、迅速、清潔かつ効果的な方法で試料を分析する分析器械を提供することが本発明の目的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様によれば、マイクロ流体デバイスを処理するための分析器械であって、試料貯蔵手段と、マイクロ流体デバイスホルダと、試料をホルダ内に配置されたマイクロ流体デバイスにロードするための試料ロード手段と、マイクロ流体デバイス内において反応を可能にするための処理手段と、反応を検出及び/又は計測するための検出手段とを備え、マイクロ流体デバイスホルダが、処理及び/又は検出のために適所にテープを有し又は含むマイクロ流体デバイスを保持するようになされていることを特徴とする分析器械が提供される。
【0018】
マイクロ流体デバイス内において実行される反応は、電気化学的及び/又は生化学的であっても良い。
【0019】
好ましくは、試料ロード手段は、試料貯蔵手段に対して、及びマイクロ流体デバイスホルダに対して移動可能である。
【0020】
器械は、マイクロ流体デバイスを開けるための開口手段をさらに備えても良い。
【0021】
好ましくは、試料ロード手段及びマイクロ流体デバイス開口手段は、移動可能な共通の支持体上に固定距離だけ離して配置されており、マイクロ流体デバイス開口手段がマイクロ流体デバイスを開けるのと同時に、試料ロード手段が試料貯蔵手段から試料を取得できるように離間されている。
【0022】
試料ロード手段はノズルを備えても良く、該ノズルはピペットチップを取り外し可能に装着するようになされており、該ノズルはさらに、装着されたピペットチップに液体を投入するためのポンプに作動可能に取り付けられている。
【0023】
或いは、試料ロード手段はポンプを備えており、該ポンプは、試料貯蔵手段から液体を吸引しマイクロ流体デバイスへ液体を分配できる。好ましくは、ポンプはポンプノズルを有し、該ポンプノズルはピペットチップに取り付け可能である。
【0024】
好ましくは、ポンプ及びマイクロ流体デバイス開口手段は、共通の支持構造に装着されており、新規の試料を受けるためにマイクロ流体デバイス開口手段がマイクロ流体デバイスを準備するのと同時にポンプが新規の試料を取得できるように、固定距離だけ離間している。
【0025】
任意で、ポンプ及びマイクロ流体デバイス開口手段は共通の支持構造に装着されており、新規の試料を受けるためにマイクロ流体デバイス開口手段がマイクロ流体デバイスを準備するのと同時にポンプがピペットチップを取り出すことができるように、固定距離だけ離間している。
【0026】
器械は、使用済みピペットチップをノズルから取り外すための手段をさらに含んでも良い。取り外し手段はフランジを備えても良く、該ピペットチップは、装着されたピペットチップとフランジとの間の相対運動により取り外される。好ましくは、器械は、使用済みのピペットチップを受けるための容器を含む。
【0027】
好ましくは、器械は、ノズルが該ノズルに取り付けるためのピペットチップに接触できるように、ピペットチップを貯蔵するようになされた未使用ピペットチップ貯蔵部を含む。この実施形態において、容器及び貯蔵部は、好ましくは、単一の取り外し可能なユニットの一部である。
【0028】
好ましくは、マイクロ流体デバイス開口手段は、マイクロ流体デバイスの膜を貫通するための穿孔具を備える。穿孔具は、移動可能な共通の支持体に取り外し可能に装着されても良く、該穿孔具は針を備えても良い。
【0029】
好ましくは、針は、成形された先端部を備え、該先端部は、マイクロ流体デバイスにおいて、デバイスにつながったままのフラップ状に開口部をカットすることができる。
【0030】
器械は、使用済み針を移動可能な共通の支持体から取り外すための手段を含んでも良い。
【0031】
好ましくは、取り外し手段はフランジを備え、使用済み針は、針とフランジとの間の相対運動により取り外される。器械は、好ましくは、使用済み針を受けるための容器を含む。
【0032】
好ましくは、分析器械は、使用により針が鈍くなった場合の自動針交換手段を備える。
【0033】
好ましくは、針は、自動針交換手段への自動取付け手段を備える。
【0034】
これにより、任意の道具を使用することなく、また使用者が介入する必要なく、迅速な取り付け及び取り外しが可能となる。
【0035】
好ましくは、自動針交換手段は、使用済み針を受けるための容器と新規の針を含む容器とを含むカートリッジを備える。
【0036】
好ましくは、カートリッジは、器械内の自動針交換手段に自動的にロード可能である。これにより、使用者が古い針と新規の針の両方のハンドリングをしなくてもよいので危険要因が排除される。
【0037】
好ましくは、カートリッジは、機械ソフトウェアの制御下で分析器械に自動的に引き込むことができる。
【0038】
好ましくは、分析器械の針取付け手段、針カートリッジ、及び運動システムは、協動して、自動化された針交換を達成することができる。
【0039】
好ましくは、器械は、針の使用のカウントを持続して、使用者に針交換の必要を警告するようになされている。
【0040】
好ましくは、この処理は、針の使用(穿孔の数)のカウントを持続して、外部パーソナルコンピュータが使用者に針交換の必要を警告できる器械制御ソフトウェアにより、支援される。従って、鈍くなった針の潜在的な欠点が克服される。
【0041】
器械は、共通の支持体がそこに取り付けるための針に接触できるように、針を貯蔵するようになされた未使用針貯蔵部を含んでも良い。好ましくは、容器及び貯蔵部は、単一の取り外し可能なユニットの一部である。
【0042】
好ましくは、試料貯蔵手段は試料ホルダを備え、この試料ホルダは、1つ又はそれ以上の標準実験用ガラス瓶又は標準実験用マルチ孔プレートを収容することができる。
【0043】
器械は、マイクロ流体デバイスの単一の要素を用いて単一の試料を処理するように作動しても良い。
【0044】
或いは、器械は、単一の試料ロード手段のみを備えることにより、マイクロ流体デバイスの単一の要素を用いて単一の試料を処理するように作動しても良く、該単一の試料ロード手段は、複数の試料ホルダから一度に1つの試料をロードし、各々の該試料をマイクロ流体デバイスの個別の要素に運ぶことができる。
【0045】
好ましくは、器械は、複数の試料のバッチを、1つのマイクロ流体デバイスのテスト要素容量の限界まで処理できるように作動する。
【0046】
或いは、器械は、複数の試料のバッチを、マイクロ流体デバイスフィーダモジュールの容量の限界まで処理できるように作動する。
【0047】
したがって、システムは、1つから多くに渡る試料に対処する柔軟性を有する。
【0048】
好ましくは、試料貯蔵手段はピペットチップホルダを含み、このピペットチップホルダは、使用済みピペットチップホルダであっても良い。
【0049】
好ましくは、ポンプは、ピペットチップをポンプに取り外し可能に取り付けるための手段を含む。
【0050】
ポンプは、試料のハンドリング中に、1回限りの使用としてピペットチップを取り出すように構成されなければならない。さらに、いったん試料がマイクロ流体デバイスにロードされると、ポンプは使用済みピペットチップを処分することができる。
【0051】
好ましくは、使用済みピペットチップホルダに、ピペットチップをポンプから取り外すための取り外し手段が提供されている。
【0052】
好ましくは、取り外し手段に、使用済みピペットチップを捕捉するために成形された開口が提供され、それにより、ポンプが収縮したときに使用済みピペットチップは使用済みピペットチップホルダ内に保持される。
【0053】
好ましくは、試料ロード手段は、使用済みピペットチップが、使用済みピペットホルダの開口上に確実に捕捉されるように移動可能である。
【0054】
任意で、試料貯蔵手段は、試料検出手段に対して移動可能なプラットホームに装着される。
【0055】
好ましくは、試料検出手段及びマイクロ流体デバイスホルダは、マイクロ流体デバイス内の試料を所定の検出用の位置に位置決めできるように、相互に対して移動可能である。
【0056】
好ましくは、マイクロ流体デバイスホルダは、複数のマイクロ流体処理要素を有するマイクロ流体デバイスを収容するようになされており、それにより、各々の該要素を検出手段によって個々に検出することができる。
【0057】
好ましくは、マイクロ流体デバイスホルダは、試料貯蔵手段と同じプラットホームに装着されている。
【0058】
好ましくは、マイクロ流体デバイスホルダは、試料内の反応をモニタできるようにするための1つ又はそれ以上のアパーチャを有する。
【0059】
任意で、試料処理準備ホルダには、マイクロ流体処理機器を装着可能な位置の近傍に反射面が提供される。
【0060】
好ましくは、処理手段は、生体分子分離を促進するようになされている。
【0061】
好ましくは、試料処理手段は、試料に電圧を印加するためのプローブであって、マイクロ流体デバイス上の導電性パッドの等価アレイに対応するようにアレイ内に構成されたプローブを備える。
【0062】
好ましくは、プローブの電気的極性は制御可能である。
【0063】
任意で、処理手段は、以下の任意の組み合わせを備えることができる。
分別、単離、又は精製を含む試料調製、
ポリメラーゼ鎖反応、
生体分子分離、
親和力による分子結合、
任意の反応最終生成物の単離、
任意の反応最終生成物の回収。
【0064】
任意で、マイクロ流体デバイスホルダ内のマイクロ流体デバイスは、任意の反応過程の結果用に1つ又はそれ以上のテスト要素をモニタできるように、一定の検出点を越えて指標付けすることができる。複数のテスト要素を同時にモニタしても良い。
【0065】
好ましくは、試料ロード手段は、試料貯蔵手段上方のフレームに装着され、それにより、試料貯蔵手段を往復し、試料貯蔵手段の移動方向に対して実質的に垂直な方向に移動する。
【0066】
任意で、試料処理手段は、ホルダ内に装着されたマイクロ流体デバイス内の試料に電圧を印加するための複数のプローブを備える。プローブは、マイクロ流体デバイスの導電性パッドに接触するように配置されても良い。器械は、DNA又はRNA又はタンパク質の分子を含む試料の電気泳動分離をできるようになされていても良い。
【0067】
任意で、器械は、1つ又はそれ以上の抗体を含むマイクロ流体デバイス内の区域を通り過ぎて、生体試料を動電輸送できるようになされていても良く、それにより試料と任意の抗体物質との間の結合が可能になる。
【0068】
好ましくは、検出手段は、試料内の導電率の変化を検出するようになされている。
【0069】
任意で、検出手段は電気化学的とすることができ、その作用は、試料反応過程からの導電率の任意の変化を検出することができるように、マイクロ流体デバイスに接触する電気プローブによって可能となる。
【0070】
好ましくは、試料検出手段は、光学アセンブリを備える。
【0071】
好ましくは、光学アセンブリは、マイクロ流体デバイスホルダ内の試料を励起するための光源と、該マイクロ流体デバイスホルダからの信号を受信するように配置された受信機であって、マイクロ流体デバイスホルダに対する光路に配置された受信機とを含む。
【0072】
好ましくは、光学アセンブリは、試料の構成物質を励起するための所定の第1の周波数で放射して、試料に第2の周波数で光を放射させることができる光源と、光受信機とを含む。受信機は、電荷結合素子又はライン走査カメラを備えても良い。受信機は、外部データ処理装置に画像データを送信するように構成されても良い。
【0073】
好ましくは、受信機は、電荷結合素子を備える。
【0074】
或いは、受信機はライン走査カメラである。
【0075】
好ましくは、光源及び受信機は、マイクロ流体デバイスホルダの同じ側にある。
【0076】
任意で、光源及び受信機は、マイクロ流体デバイスホルダの反対側に置かれる。
【0077】
任意で、光源は、光学アセンブリの光路に直接投影する。
【0078】
任意で、光源は、電磁スペクトルの紫外線領域において放射する。
【0079】
好ましくは、受信機は、電磁スペクトルの可視領域において光を検出することができる。
【0080】
好ましくは、受信機は、外部データ処理装置に画像データを送信するように構成することができる。
【0081】
好ましくは、データ処理装置はパーソナルコンピュータである。
【0082】
任意で、データ処理装置はパーソナルコンピュータとしても良く、このデータ処理装置は分析器械に統合することができる。
【0083】
好ましくは、分析器械のシステム制御は、同じパーソナルコンピュータ上に納められる。
【0084】
器械は内蔵システム制御器を含んでも良く、制御器は、自動化されたマイクロ流体デバイスの処理を実行するように使用者によりプログラム可能であり、又は、代案として、器械を、外部システム制御器によって制御されるようになされても良い。
【0085】
好ましくは、分析器械は、低電圧電源供給から作動するように構成されており、例えばラップトップ型コンピュータによって使用されるような外部DC電源供給をその電源供給の一次電源とすることができる。
【0086】
システムをモジュール式に拡張して、例えば、マイクロ滴定プレートの連続的な処理、及び/又はピペットチップの自動化されたハンドリング、及び/又は使用済みマイクロ流体デバイスの自動化されたハンドリング及び貯蔵を可能にする、複数のマイクロ流体デバイスの自動化されたハンドリングを組み込むことができる。
【0087】
好ましくは、自動化されたハンドリングは、分析器械に取り外し可能に取り付けることができるフィーダモジュールにより提供されており、このモジュールは、マイクロ流体デバイスホルダに自動的にロードされ、又は、アンロードされる複数のマイクロ流体デバイスを貯蔵することができる。
【0088】
技術の現状を超える、本明細書に記載された発明の1つの利益は、本発明において、新規のマイクロ流体デバイスと、適合可能なハンドリング構成を有する新規の分析器械とが統合されるということである。その結果として生じるシステムは、非常に容易に使用でき、非常に小さい設置面積内において高テストスループットを達成することができる。
【0089】
試料ロード機構は、予め処理された試料からの汚染の危険性を排除する消耗実験用ピペットチップを使用することができ、チップを貯蔵し廃棄する手段を含み、任意で試料ロードピペットを機器内部の洗浄場において洗浄できるようにする。
【0090】
器械は、該器械に取り外し可能に取り付けることができ、且つ、マイクロ流体デバイスホルダに自動的にロード又はアンロードするために複数のマイクロ流体デバイスを貯蔵するフィーダモジュールを含んでも良い。
【0091】
試料ロード機構は、予め処理された試料からの汚染の危険性を排除する消耗実験用ピペットチップを使用することができ、チップを貯蔵及び廃棄する手段を含み、任意で試料ロードピペットを機器内部の洗浄場において洗浄するのを可能にする。
【0092】
本発明の第2の態様によれば、マイクロ流体処理デバイスであって、反応チャンバと、試料を内部に注入可能な試料ロードチャンバとを備え、反応チャンバは、試料ロードチャンバに動作可能に接続されており、試料ロードチャンバの少なくとも一部に延在するカバーを備え、該カバー及び反応チャンバは穿通可能な材料を備えており、注入された試料のいかなるあふれた分も受け入れるように構成された過剰分キャビティにより分離されている、マイクロ流体処理デバイスが提供される。
【0093】
好ましくは、反応チャンバは分子分離媒体を含む。
【0094】
反応チャンバはチャネルであっても良く、マイクロ流体処理デバイスは、試料ロードチャンバから離れた反応チャネルの端部に、受けチャンバをさらに含んでも良い。マイクロ流体デバイスは、本発明の第1の態様の分析器械と共に使用しても良い。
【0095】
過剰分キャビティがあることにより、さもなくば分析器械に流出するであろう過剰な試薬を、カバーとロードチャンバとの間に収容することができる。
【0096】
好ましくは、カバー及び/又はロードチャンバは、高分子フィルムから製造されている。好ましくは、マイクロ流体処理デバイスはさらに電極を備える。
【0097】
単一のマイクロ流体要素のチャンバ及び電極は、結合して単一の処理要素となる。好ましくは、単一の処理要素には3つの電気接点が提供される。
【0098】
好ましくは、3つの電気接点は、カソード、圧縮電極、及びアノードとして作動する。
【0099】
好ましくは、カソードはロードチャンバ内に配置され、圧縮電極は反応チャネルの上端に配置され、アノードは受けチャンバに配置される。
【0100】
電気接点の極性は反転させても良い。
【0101】
好ましくは、電気接点は、マイクロ流体デバイスの外側の位置からマイクロ流体デバイスの内側の位置まで延びている。
【0102】
好ましくは、電気接点は、それらを外部電源供給に結合し、反応チャンバを組み込む回路の生成を可能にするための連結手段を有する。
【0103】
好ましくは、マイクロ流体デバイス内部の試薬は製造時点で予め充填されており、それにより、使用時点における試薬のハンドリングの必要性を回避する。
【0104】
好ましくは、ロードチャンバには電解液が予め充填されている。
【0105】
好ましくは、反応チャネルには分子分離媒体が予め充填されている。
【0106】
好ましくは、受けポケットには、分子分離媒体か電解緩衝剤かのいずれかが予め充填されている。
【0107】
マイクロ流体処理デバイスは積層構造を有しても良い。
【0108】
好ましくは、マイクロ流体処理デバイスは、反応チャンバに対する位置が既知であり、反応過程の位置を正確に識別するために分析器械の検出手段によって取得することができる光学的基準マークを含む。マイクロ流体デバイスホルダ。
【0109】
好ましくは、デバイスはさらに、識別ラベル又はタブを備える。
【0110】
好ましくは、このタブを、マイクロ流体デバイスをロード及びアンロードするためのハンドリングタブとして使用することができ、それにより、デバイスの任意の光学的表面との手の接触が回避される。
【0111】
本発明の第3の態様によれば、以上に規定された器械と、本明細書に規定されたマイクロ流体デバイスとを備えるキットが提供される。
【0112】
技術の現状に超える、本明細書に記載された発明の1つの利益は、本発明において、新規のマイクロ流体デバイスと、適合可能なハンドリング構成を有する新規の分析器械とが統合されることである。結果として生じるシステムは、非常に容易に使用でき、非常に小さい設置面積内において高テストスループットを達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0113】
図1は、標準的な器械筐体を示す。主要な筐体部品60は、ロード及びアンロード場への操作者のアクセスのための前面に蓋61を有しており、内蔵された駆動及び制御回路基板へのアクセスのための裏カバー62を有している。
【0114】
図2は、操作者のロード場を示す。場63は試料のロード及びアンロード場であり、場64はピペットチップのロード及びアンロード場であり、場65はマイクロ流体デバイスのロード及びアンロード場である。
【0115】
図3a及び図3bは、ホルダ21内に保持されているマイクロ流体デバイス1を示しており、このホルダは、スライド28に沿った1つの軸内で移動可能なプラットホーム27に装着されている。これらのスライドは底板38に取り付けられている。また、プラットホーム27には、電気プローブブロックアセンブリ22、ならびに、未使用のピペットチップ24及び使用済みピペットチップ25を貯蔵できるピペットチップホルダ23も装着されている。適切なピペットチップは、例えば「エッペンドルフ(Eppendorf) PMP−885−501W」であり、標準的な試料ロード量は、約1マイクロリットルであるが、好都合なことに、0.1〜5マイクロリットルの範囲内とすることができると考えられる。また、このプラットホームには、テスト試料貯蔵装置も装着されており、この場合には、96孔マイクロ滴定プレート26である。マイクロ滴定プレート(例えば384孔)以外の種類、又は、試料貯蔵用の個別のガラス瓶の使用であっても排除されない。
【0116】
移動可能なプラットホーム27の上方には、底板38上の支柱37により支持された固定構台梁(fixed gantry beam)36がある。また、底板38は、下部ケーシング39に取り付けられている。スライド35は構台(gantry)36に取り付けられており、キャリッジ板34はスライド35に沿って移動できる。この移動はプラットホーム27の移動を横断する。
【0117】
キャリッジ板31がそれに沿って移動できる垂直なスライド33は、キャリッジ板34に取り付けられている。ポンプ30、及び穿孔具40の場所を決めるアーム32は、キャリッジ板31に取り付けられている。
【0118】
底板38は、CCDカメラ42と、レンズ43と、フィルタ44と、ミラー(又はプリズム)45と、ランプ管47を含むランプソケット46と、反射板48と、レンズ49と、カメラ光路が通過できるスリット50とを備える画像キャプチャアセンブリ41も支持している。
【0119】
器械の種々の活性機能の制御及び取り込まれた画像の送出は、電子制御器51により提供され、この電子制御器は、そのプログラムシーケンスが外部パーソナルコンピュータから例えばUSBケーブルを介して送出されるマイクロコントローラを備えている。特別なアーキテクチャにより、器械筐体を、一方はDC電源の送出用、他方は外部PCへの通信ケーブルである2つのケーブルのみによって使用可能とすることができる。この設計は、器械筐体の非常にコンパクトな設置面積に寄与する。
【0120】
図3a及び図3bは、また、マイクロ滴定プレート26の第2列の第1孔からテスト試料を前もって引き出すように位置決めされたポンプ30を示す。これは、3軸デカルト座標ロボットの要素として制御されるプラットホーム27、キャリッジ34、及びキャリッジ31の位置を適切に同期することにより達成される。このXYZシステムのための駆動及び制御は、これを達成する手段は既に知られているので、説明しないが、例えば、駆動は、ステッピングモータによって駆動される送りねじとすることができ、制御は、マイクロコントローラに内蔵されたソフトウェアシーケンスから得ることができる。
【0121】
図4a〜図4gは、処理シーケンスの「スナップショット」を示しており、この処理シーケンスによってプラットホーム27が操作者のロード場51から試料の搬送場に移動したところである。この場は隔壁52の後ろにあり、それによりロード場51は器械の内部機構から隔離されている。
【0122】
このシーケンスにおける有利なステップは、穿孔具40が、ポケット7及びキャビティ11を貫通することによりマイクロ流体デバイス1内にアクセスポートを開くこと、及び、これを、ピペットチップ24を取り出すのと同時に行うことである。
【0123】
図5a〜図5cは、使用者がテスト試料を、個別のガラス瓶20に、又は細長いガラス瓶(例えばPCRストリップ)に、又はマルチ孔プレート26のいずれかにロードすることができる配置を示しており、マルチ孔プレート26は、96孔マイクロ滴定プレート又は96孔PCRサーマルサイクラープレートとすることができる。これらのガラス瓶及びプレートは、共通の支持ブロック29上に装着されている。また、この配置は、例えば384孔プレートのような別の種類のマイクロ滴定プレートとの互換性もある。図5bは、ヒンジで連結された蓋202を有するガラス瓶201の使用を示す。蓋は、アクセスアパーチャ204を有する蓋保定板203の下に捕えられている。
【0124】
図6aは、ピペットチップ24を取り外し可能なピペットチップホルダ23内にロードできる配置を示しており、このピペットチップホルダは、掛け金機構161により支持ブロック160内にしっかりと保定されており、この掛け金機構は、枢動可能なレバー163の舌片162を、ピペットチップホルダ23の下面のアンダカット機構164に係合させる。ピペットチップホルダ23は溝付きフランジ165を組み込んでおり、ピペットチップ25が小さく横向きに動くとピペットチップと溝付きフランジ165の下面とが係合し、ピペットチップを保持しているポンプノズルが上方に垂直に収縮したときに、使用済みピペットチップが解放されてピペットチップホルダ内に落ちるというように、使用済みチップをピペットチップホルダ23に入れることができる。掛け金機構161は、ピペットチップホルダ23がこの動作中に確実に引き出されないようにする。図6bは、掛け金機構161が解放されて、操作者がピペットチップホルダを矢印「A」の方向に取り外して交換できることを示す。
【0125】
図6cは、この同じ配置をどのように使用すれば、針167を備える、マイクロ流体デバイス用の穿孔具の自動化された交換を行うことができるかを示す。針カートリッジ166(ピペットチップホルダ23の代わりに)は、新しい針167と、使用済み針168を収容するための空間とを含む。カートリッジは、新しい針を剥き出しにするために、剥離式又は取り外し可能な蓋を有しても良い。新しい針は、ロード処理の間、フォームプラグ170により一時的に保定することができる。針交換は、例えば図3aのアーム32に装着された針ホルダ169の動作シーケンスを含む。図3aをさらに参照すると、ポンプ30を操作できる運動システムが、自動化された交換シーケンスの一部として、同様に針167を操作できるということがわかる。図6dを参照すると、針ホルダ169は、ピペットチップホルダ23で使用しているのと同様の溝付きフランジ165を組み込んだ針カートリッジ166のキャビティに使用済み針168を入れ、それにより、使用済み針を取り外すことができる。針ホルダ166は、掛け金機構161の保定作用により、引き出しが防止される。したがって、ホルダ160及び掛け金機構161は、重要な二重の機能、つまり、通常の使用中のピペットチップホルダの保持、又は、穿孔具を交換するための保全シーケンス中の針カートリッジの保持を果たすことができる。針交換シーケンスは、実行された穿孔の数のカウントを保存し(例えばEEPROMに)、いったん事前設定したカウントに達するとシステムPCの操作者に警告するシステムにより、開始することができる。
【0126】
図7は、その機能が、複数のマイクロ流体デバイスを自動的にロードしたり廃棄したりできるようにすることである、個別の離散的フィーダモジュール66を統合したものを示している。使用済みマイクロ流体デバイスは、開放して空にできる引出し67に廃棄される。この構成は、テスト試料の1つの完全なマルチ孔プレートの自動化処理のために、「手動操作不要な」動作を提供することを目的としている。
【0127】
図8は、フィーダ機構の詳細を示す。ロードホッパ70は、複数のマイクロ流体デバイス1を積み重ねることができる。これらのデバイスは、ばねが装着されたパドル71によってまとめられており、このパドルは、マイクロ流体デバイス1のスタックを、各側がスタックの前部においてマイクロ流体デバイスの底縁に沿って上に延びる制限リップ73に押し付けている。パドル71は、支持板72に取り付けられたスライドに乗っている。側板74と横板75とを備えるフレームは、ホッパ領域を包囲している。このフレームは、支持板72に取り付けられている。側板74は、横梁77を保持するスライド76を組み込んでおり、この横梁は、取出し具79が装着されている垂直なスライド78を保持している。この取出し具は、位置79aにおいては、ホッパスタック70の前部からマイクロ流体デバイスを取り出すことができ、位置79bにおいては、マイクロ流体デバイスをホルダ21にロードでき、位置79cにおいては、使用済みテープを、引出し67と統合された廃棄物トラップ80に置けるように、適切な線形アクチュエータ駆動装置(図示せず)によって位置決めすることができる。
【0128】
次に、完全に自動化されたハンドリングのための残りの要件は、自動化されたピペットチップのハンドリングを提供することである。これは、ピペットチップを標準ピペット保持トレイからチップホルダ23にロードする取出し及び配置ユニット84により、達成することができる。
【0129】
代案は、チップホルダ23を洗浄浴82に置き換えることである。液体搬送ポンプ30に洗浄用合成物が供給され、このポンプは未使用の洗浄剤を液体搬送ノズルを通して洗浄浴82へポンピングし、この洗浄剤は集水トレイ83に溢れ、テスト試料ロード区域の下部の汚水コンテナに流出する。
【0130】
図9は、本発明の分析器械の別の実施形態を示す。分析器械のベース領域102は平面図で示されており、その上にカートリッジホルダ107及びテープホルダ115が装着された試料アセンブリプラットホーム105を有する試料アセンブリ103を備えている。カートリッジホルダ107は、ピペットチップホルダ109と、使用済みピペットチップホルダ111と、試料チャンバ113とを含んでいる。分析される試料はチャンバ113内で保管され、ピペットチップは使用前にはピペットチップホルダ109内で保管される。
【0131】
使用済みピペットチップホルダ111は、鍵の形状を有する。つまり、ピペットチップホルダの入り口はその一端に向かって狭窄している。この狭窄により、ピペットチップの縁部を使用済みピペットチップホルダの狭窄部分に引っ掛けることができ、ポンプノズル147からピペットチップを取り外すのを助ける(図10)。カートリッジホルダ107は、8つのピペットチップホルダ109と、使用済みピペットチップホルダ111と、試料チャンバ113とを収容するということに留意すべきである。このカートリッジホルダ107のサイズは、利便性のため選ばれたものであり、8つを超える、又は8つより少ない試料のための空間を有するカートリッジホルダを使用できることが予測される。
【0132】
テープホルダ115は、1つの開口側面157を有する箱形部分(図13)と、マイクロ流体処理機器を内部に挿入できる開口上端116とから成る。
【0133】
分析器械は、マイクロ流体処理チャネルの各々が、対応する試料チャンバ113と実質的に一直線になるように設計されている。その結果、本発明のこの実施形態と共に使用されるようなマイクロ流体処理テープは、8つの個別のマイクロ流体処理領域を含むことになる。プラットホーム5は、プローブブロック133の位置まで往復して移動できるレール上に装着されている。
【0134】
光学アセンブリ117は、アセンブリ全体が方向Bへ移動できるプラットホーム118から成る。カメラ119には、レンズ121と、使用中に試料から反射された光線を向け直すのに使用されるプリズム123とが提供される。プリズムは、不透明な囲い125内に部分的に取り囲まれており、この囲いは、2つの放射線源129も部分的に取り囲む。この例において、これらの源は、約310nmの波長で紫外放射線を放出する。行われる分析によっては、別の波長で放射線を放出する放射線源を使用できることが理解されよう。放射線源には透明なスクリーン127が提供され、このスクリーンにより、放射線は、不透明な囲い125から、試料の分析が行われるプローブブロック131に向けて出て行くことができる。
【0135】
プローブブロック131は、多数のピン135を含むこの例である。図15を見てわかるように、これらのピンは、各列の2つのピンがプローブブロックの頂部の方に位置決めされ、ただ1つのピンが底部の方に位置決めされるように配置される。試料の分析を増進するために、各ピンの極性を変更しても良い。
【0136】
図10は、図9の分析器械の実施形態の側面図を示す。この図では、上述したような光学アセンブリ117、カートリッジホルダ107、及びテープホルダ115を示す。
【0137】
さらに、試料搬送手段を示す。試料搬送手段はポンプ145を有するテープ充填器から成り、このテープ充填器は、カートリッジホルダ107の位置へ向かって下方へ延びるポンプノズル147に接続されている。試料搬送手段には、本例ではテープホルダ115の位置に向かって下に延びる、成形された先端部を備えた針を有するテープ穿刺手段149がさらに提供される。
【0138】
これらの装置は移動可能なフレーム41に装着されており、このフレームにより、図10に示す方向D及びEにおける移動が可能になる。さらに、ポンプノズル147とテープ穿刺手段149との間の距離をxと定義する。この距離は、テープホルダ115と試料チャンバ113との間の距離と実質的に同じであり、図10ではそれをXで表す。
【0139】
図13はテープホルダ115の側面図を示し、多数の反射パッド159を示す。使用中、これらのパッドは、図14に示すマイクロ流体処理デバイス上にある四分円マーカ155の位置の後ろにある反射型背景を提供する。
【0140】
これらの反射パッドと四分円マーカとを組み合わせることにより、光学アセンブリ117を容易に整列して、カメラ119により検出される、反射された放射線の量を最大にすることができる。
【0141】
使用中、1組の試料が試料チャンバ113にロードされ、1組のピペットチップがピペットチップホルダ109にロードされる。そして、8つのマイクロ流体処理領域を有するマイクロ流体処理デバイス、例えばマイクロ流体処理テープが、テープホルダ115にロードされる。その後、移動可能なフレーム141が、テープ充填器143をピペットチップホルダ109の上方の位置へ移動させ、そして、ピペットを取り出すために下げられる。
【0142】
その後、テープ充填器は、試料チャンバ113の上方の位置に移動し、そして、試料チャンバ113内に下げられ、そこでポンプが動作して、テープ充填器143のポンプノズル147に連結されたピペットに試料が引き込まれる。テープ穿刺手段149は、実質的に同時にテープホルダ115まで下げられ、そこでテープ穿刺手段は(本例ではテープ形状である)マイクロ流体処理機構のマイクロ流体処理領域に孔を開ける。
【0143】
従って、有利には、ただ1つの処理ステップにより、マイクロ流体処理機構に孔を開けることができ、ピペットを充填させることができる。
【0144】
その後、ポンプノズル47の端部のピペットがテープホルダ15の上方の位置に移動させられ、続いて下げられることにより、マイクロ流体処理領域に試料を充填することができる。
【0145】
これらの処理ステップは、試料が試料チャンバ13の各々から除去されて、テープホルダ15にある対応するマイクロ流体処理領域に加えられるまで反復される。
【0146】
図9に戻ると、いったん試料がマイクロ流体処理領域115に置かれると、試料アセンブリプラットホームがプローブブロック131に向かって方向Aに移動させられ、プローブブロック131はテープホルダに向かって移動する。プローブブロックのピンは、テープホルダの開放側157を通って移動し、マイクロ流体処理領域に電気結合される。
【0147】
図15からわかるように、各マイクロ流体処理領域に連結された3つのピンの組がある。これらのピンの極性は反転することができる。例えば、DNAの分析において、負に帯電したDNA試料がマイクロ流体処理領域にいったん加えられると、ピン135aの極性は負に設定され、ピン135bの極性は正に設定される。それにより、DNAは、電極135bで、又はその付近で、一貫性のある質量を形成することができる。その後、この電極はオフにされ、DNA試料はカラムを下って移動できるように、電極135cに正の極性が与えられる。
【0148】
この処理の間、放射線源129は、試料に310nmで放射線を放出する。DNA試料の場合、このような入射放射線は、可視スペクトルの600nmの出力を提供する。この放射線は、プリズム23による全反射によってカメラに提供され、カメラは光を検出し、それに応じて結果を提供する。
【0149】
図11及び図12は、マイクロ流体デバイスの概略プロファイルを示しており、その構成は、既に説明した器械処理方法と互換性を有する。マイクロ流体デバイス上のテスト要素間の間隔は、例えば8ウェイ・マイクロ流体デバイスを示す図11のように、好適には標準的な実験用マイクロ滴定プレートの孔と同じ間隔で設定されており、要素間の間隔は96孔プレートに対応する9mmである。16ウェイ・マイクロ流体デバイスを示す図12においても同様に、要素間の間隔は、384孔プレートに対応する4.5mmである。図11はまた、デバイス内部において試薬と接触する電極であるが、図18の外部プローブ18によってアクセスできるようにデバイスの層間を通る場所12、13、16を示す。
【0150】
図16〜図18は、適切なマイクロ流体デバイスのさらなる図を示す。例示する目的で、3層のポリマー積層を示す。透明層2は、その内面に電極パッド3を組み込み、処理層4に取り付けられており、処理層は、化学試薬を含むチャネル構造とキャビティ構造とを組み込み、それらは共にマイクロ流体アセンブリ5を備えている。キャリア層6はアイテム5を支持及び保護して、ポケット7を組み込んでいる。アイテム4及び6を通るアクセス孔8により、外部電気プローブは電極3と相互作用することができる。デバイスは通常平面であり、標準的には、その上縁が処理器械にロードポートを与えるように、垂直な面で処理される。この例において、デバイスは分離ゲル9を備える搭載試薬を有しており、この分離ゲルは、適切な着色剤、例えば臭化エチジウム、及びマイクロ流体アセンブリ5の上側キャビティ11を充填する電解緩衝剤10をと共に予めロードすることができる。電極3は、上側キャビティ11の内部のアノード12と、ゲル表面15の頂部のすぐ上方でキャピラリチャネル14と交差する圧縮電極13と、下側キャビティ17の内部のカソード16とを備える。
【0151】
図18を参照すると、生体分子分離は、
‐低イオン強度緩衝剤で希釈され、グリセロールと混合された試料をロードし、それによって、ロードされた試料が重力下で上側キャビティ11の下端に沈むことによって可能になる。
‐カソード12とアノード16との間に低電圧DC電位(例えば10ボルト)を印加することにより、DNA試料が、ゲル表面15の上部に迅速に移動することになる。この方法は、不連続な緩衝剤を使用により積み重ねる、既に知られた方法である。この電圧によるゲルへの試料の移動は、5〜30秒の範囲内とすることができる積み重ね持続時間の間、(ゲルのイオン強度が高くなっているために)大きく遅延する。
‐例えば120〜200ボルトの範囲内の非常に高いレベルに電圧を切り替え、積み重ねた試料をゲルに入れて分離する。長さが20mmの分離カラムにより、標準的には60〜75秒で濃度0.8%のアガロースゲルを使用する際、25〜2000塩基対の範囲内のDNA試料の分離が可能になるだろう。
【0152】
図18を参照すると、別の積み重ね方法は、圧縮電極13を使用して、上部電極12を負に、圧縮電極13を正に切り替えることにより、ロードされたDNA試料を上側キャビティ11に密に詰め込み、それにより、試料を、好ましくは金又は白金又は銀である圧縮電極に集中させ、それにより、電極とDNA試料との間の化学親和力を回避することである。標準的には、使用する電圧は20秒で100Vとすることができる。そして、圧縮電極をオフにし、正電荷を分離チャネルの他端の下部電極16に切り替え、試料を分離することができる。標準的には、これは75秒で150Vとすることができる。
【0153】
図17bは、図17aのピペット挿入ステップの拡大図であり、過剰部112及びフラップ114の構成を示している。
【0154】
マイクロ流体デバイスのさらなる特徴とは、
好適にはスクリーン印刷とすることができるが、インクジェット、ホットフォイル、フレキソ印刷又はその他同様の印刷技術とすることもできる処理により、電極12、13、16と同時に適用できる基準マークの実施形態、及び
器械を往復するマイクロ流体デバイスのロード及びアンロードの間、ハンドリングタブとして使用でき、また、デバイスの種類、使用期限、バッチコードによる使用等の有益なデータが組み込まれているので、このデータを1D又は2Dバーコードの形態とすることができる識別ラベルとしても使用できる側面ラベルの実施形態、である。
【0155】
まず穿孔具40を使用してポケット7及びキャビティ11を貫通させた後にピペットチップ24を用いて上側キャビティ11にテスト試料をロードすることが分析器械の機能である。
【0156】
次に、ロードされた試料は、電気泳動装置又はカラムクロマトグラフィ装置のいずれかにおいて、試料を積み重ねるための技術を用いて、ゲルの上部で狭い帯域に積み重ねることができる。これらは、例えば試料を希釈した不連続な緩衝剤の使用、或いは、試料分離で使用される電圧よりもはるかに低い電圧を試料に過渡的に印加することを含む。
【0157】
図18を参照すると、3つの電極を利用するさらなる別の方法は、
電極12、16の間に低DC電圧で(標準的には2V〜10Vの範囲内で)約20秒間電圧を印加し、ゲルの上面にテスト試料19を積み重ねる、
電極12、13の間に(標準的には150Vで20秒間)電圧を印加し、それにより、上側キャビティ11にある残りの任意のテスト試料19の、具体的には炭素からなる電極13への吸光度を生じさせ、従ってDNAの吸光度が高くなる(従って、残りの物質が吸収されることから、後続の分離過程の間、この上側キャビティ11内の残りのDNAにより汚れることが回避される)、及び、電極12、16の間に(標準的には150Vで60秒間)電圧を印加し、テスト試料19をキャピラリチャネル14内で動電学的に移動させ分離する、ことである。
【0158】
テスト試料の着色剤(例えば臭化エチジウム、又はサイバーグリーン(cybrgreen))を適切な波長の光源により励起し、キャピラリチャネルの画像を取り込んで、結果として生じる、チャネル14内の分離した核酸断片により表示される螢光パターンを示す。
【0159】
図19を参照すると、図3a及び図3bで説明した自動化されたハンドリングと結合されたマイクロ流体デバイスの微小規模の性質と組み合わされた上記の動作シーケンスにより、1つのマイクロ流体デバイス(少なくとも16までの並列テスト切片を組み込むことができる)を、6分未満かつ3ステップで処理できるようになる。これは、、標準的には約135分を要し22の処理ステップを含み得る同等のスラブゲル処理に比べて、勝るとも劣らない。
【0160】
有利には、本発明は、特に、これが電気泳動分離を含む場合には、生物分析結果を提供する、極めてコンパクトで自動化された、使用するのに単純で迅速かつ効率的な手段を提供する。
【0161】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に改良及び修正を組み込んでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】マイクロ流体デバイス用の処理器械の概略的な外観図を示す。
【図2】システムをロードするために操作者がアクセスする器械の区域を示す。
【図3A】本発明の一実施形態の側面図である。
【図3B】本発明の一実施形態に対応する平面図である。
【図4A】テスト試料用の自動化されたハンドリングシーケンスを示す。
【図4B】テスト試料用の自動化されたハンドリングシーケンスを示す。
【図4C】テスト試料用の自動化されたハンドリングシーケンスを示す。
【図4D】テスト試料用の自動化されたハンドリングシーケンスを示す。
【図4E】テスト試料用の自動化されたハンドリングシーケンスを示す。
【図4F】テスト試料用の自動化されたハンドリングシーケンスを示す。
【図4G】テスト試料用の自動化されたハンドリングシーケンスを示す。
【図5A】どのようにテスト試料を蓋のない実験用ガラス瓶からロードできるかを示す。
【図5B】どのようにテスト試料をヒンジで連結された蓋を有する実験用ガラス瓶からロードできるかを示す。
【図5C】どのようにテスト試料をマルチ孔プレートからロードできるかを示す。
【図6A】器械内でピペットチップホルダを保定するための配置を示す。
【図6B】器械内でピペットチップホルダを保定するための配置を示す。
【図6C】図6a及び図6bに示すのと同じ配置を使用して針カートリッジを保定し、それによってマイクロ流体デバイス用の穿孔具を自動的に交換できることを示す。
【図6D】図6a及び図6bに示すのと同じ配置を使用して針カートリッジを保定し、それによってマイクロ流体デバイス用の穿孔具を自動的に交換できることを示す。
【図7】マイクロ流体デバイス用の自動フィーダモジュールを収容するように構成された器械筐体を示す。
【図8】より詳細なフィーダモジュール構成の側面図を示す。
【図9】本発明による分析器械の別の実施形態のベース部分の平面図である。
【図10】図9の分析器械の側面図である。
【図11】8つの個別のマイクロ流体処理領域を有するマイクロ流体処理デバイスの平面図である。
【図12】16の個別のマイクロ流体処理領域を有するマイクロ流体処理デバイスの平面図である。
【図13】図9及び図10に示す本発明の実施形態のマイクロ流体デバイスホルダの側面図である。
【図14】本発明の分析器械において使用されるマイクロ流体処理機器上にある四分円マーカ及び関心領域を示す。
【図15】本発明の図9及び図10の実施形態において使用されるプローブブロックの側面図である。
【図16】本発明の第2の態様によるマイクロ流体デバイスの1つのテスト要素の上部の詳細を示す。
【図17A】どのようにテスト試料をマイクロ流体デバイスにロードするかを示す。
【図17B】マイクロ流体デバイスを穿孔する方法、及び任意の流出を抑制する方法のさらなる詳細を示す。
【図18】外部プローブを相互作用させる方法の説明図を含む、マイクロ流体デバイスの1つの完全な断片を示す。
【図19】スラブゲル処理と、本発明の一実施形態による処理との比較を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ流体デバイスを処理するための分析器械であって、試料貯蔵手段と、マイクロ流体デバイスホルダと、試料を前記ホルダ内に配置されたマイクロ流体デバイスにロードするための試料ロード手段と、マイクロ流体デバイス内において反応を可能にするための処理手段と、前記反応を検出及び/又は計測するための検出手段とを備え、前記マイクロ流体デバイスホルダが、処理及び/又は検出のために適所にテープを有し又は含む前記マイクロ流体デバイスを保持するようになされていることを特徴とする分析器械。
【請求項2】
前記試料ロード手段が、前記試料貯蔵手段に対して、及び前記マイクロ流体デバイスホルダに対して移動可能である、請求項1に記載の器械。
【請求項3】
マイクロ流体デバイスを開けるための開口手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の器械。
【請求項4】
前記試料ロード手段及び前記マイクロ流体デバイス開口手段が、移動可能な共通の支持体上に固定距離だけ離して配置されており、前記マイクロ流体デバイス開口手段が前記マイクロ流体デバイスを開けるのと同時に、前記試料ロード手段が前記試料貯蔵手段から試料を取得できるように離間されている、請求項3に記載の器械。
【請求項5】
前記試料ロード手段がノズルを備え、前記ノズルはピペットチップを取り外し可能に装着するようになされており、前記ノズルがさらに、装着されたピペットチップに液体を投入するためのポンプに作動可能に取り付けられている、請求項3又は4に記載の器械。
【請求項6】
前記ノズルから使用済みピペットチップを取り外すための手段を含む、請求項5に記載の器械。
【請求項7】
前記取り外し手段がフランジを備え、前記ピペットチップが、前記装着されたピペットチップと前記フランジとの間の相対運動により取り外される、請求項6に記載の器械。
【請求項8】
使用済みのピペットチップを受けるための容器を含む、請求項7に記載の器械。
【請求項9】
前記ノズルが該ノズルに取り付けるためのピペットチップに接触できるように、ピペットチップを貯蔵するようになされた未使用ピペットチップ貯蔵部を含む、請求項5〜8のいずれかに記載の器械。
【請求項10】
前記容器及び前記貯蔵部が、取り外し可能な単一のユニットの一部である、請求項8にに従属する場合の請求項9に記載の器械。
【請求項11】
前記開口手段が、前記移動可能な共通の支持体に取り外し可能に装着された穿孔具を備える、請求項4〜10のいずれかに記載の器械。
【請求項12】
前記穿孔具が針を備える、請求項11に記載の器械。
【請求項13】
使用済み針を前記移動可能な共通の支持体から取り外すための手段を含む、請求項11又は12に記載の器械。
【請求項14】
前記取り外し手段がフランジを備え、前記使用済み針が、前記針と前記フランジとの間の相対運動により取り外される、請求項13に記載の器械。
【請求項15】
使用済み針を受けるための容器を含む、請求項14に記載の器械。
【請求項16】
前記共通の支持体がそこに取り付けるための針に接触できるように、針を貯蔵するようになされた未使用針貯蔵部を含む、請求項12〜15のいずれかに記載の器械。
【請求項17】
前記容器及び前記貯蔵部が、取り外し可能な単一のユニットの一部である、請求項15に従属する場合の請求項16に記載の器械。
【請求項18】
針の使用のカウントを持続して、使用者に針交換の必要を警告するようになされている、請求項12〜17のいずれかに記載の器械。
【請求項19】
マイクロ流体デバイスの単一の要素を用いて単一の試料を処理するように作動する、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項20】
単一の試料ロード手段のみを備えることにより、マイクロ流体デバイスの単一の要素を用いて単一の試料を処理するように作動し、前記単一の試料ロード手段は、複数の試料ホルダから一度に1つの試料をロードし、各々の前記試料をマイクロ流体デバイスの個別の要素に運ぶことができる、請求項19に記載の器械。
【請求項21】
複数の試料のバッチを、1つのマイクロ流体デバイスのテスト要素容量の限界まで処理できるように作動する、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項22】
複数の試料のバッチを、マイクロ流体デバイスフィーダモジュールの容量の限界まで処理できるように作動する、請求項1〜18のいずれかに記載の器械。
【請求項23】
前記試料貯蔵手段が、前記試料検出手段に対して移動可能なプラットホームに装着されている、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項24】
前記試料検出手段及び前記マイクロ流体デバイスホルダは、前記マイクロ流体デバイス内の試料を、所定の検出用の位置に位置決めすることができるように、相互に移動可能である、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項25】
前記マイクロ流体デバイスホルダは、各々の前記要素を前記検出手段によって個々に検出できるように、複数のマイクロ流体処理要素を有するマイクロ流体デバイスを収容するようになされている、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項26】
前記マイクロ流体デバイスホルダが、前記試料貯蔵手段と同じプラットホームに装着されている、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項27】
前記試料処理手段が、前記ホルダ内に装着されたマイクロ流体デバイス内の試料に電圧を印加するための複数のプローブを備える、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項28】
前記プローブが、前記マイクロ流体デバイスの導電性パッドに接触するように配置されている、請求項27に記載の器械。
【請求項29】
DNA又はRNA又はタンパク質の分子を含有する試料を電気泳動分離することができるようになされている、請求項27又は28に記載の器械。
【請求項30】
1つ又はそれ以上の抗体を含む前記マイクロ流体デバイス内の区域を通って、生体試料を動電輸送できるようになされており、それにより前記試料と任意の抗体物質との間の結合が可能となる、請求項27又は28に記載の器械。
【請求項31】
前記検出手段が、試料内の導電率の変化を検出するようになされている、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項32】
前記試料検出手段が光学アセンブリを備える、請求項1〜30のいずれかに記載の器械。
【請求項33】
前記光学アセンブリが、前記試料の構成物質を励起するための所定の第1の周波数で放射して、前記試料に第2の周波数で光を放射させることができる光源と、光受信機とを含む、請求項32に記載の器械。
【請求項34】
前記受信機が、電荷結合素子又はライン走査カメラを備える、請求項33に記載の器械。
【請求項35】
前記受信機が、外部データ処理装置に画像データを送信するように構成されている、請求項33又は34に記載の器械。
【請求項36】
内蔵システム制御器を含み、前記制御器が、自動化されたマイクロ流体デバイスの処理を実行するように使用者によりプログラム可能である、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項37】
外部システム制御器により制御されるようになされた、請求項1〜35のいずれかに記載の器械。
【請求項38】
前記器械に取り外し可能に取り付けることができ、前記マイクロ流体デバイスホルダへ自動的にロードするための複数のマイクロ流体デバイスを貯蔵するフィーダモジュールを含む、先行請求項のいずれかに記載の器械。
【請求項39】
反応チャンバと、試料を内部に注入可能な試料ロードチャンバとを備え、前記反応チャンバは前記試料ロードチャンバに動作可能に接続されており、前記試料ロードチャンバの少なくとも一部に延在するカバーを備え、前記カバー及び前記反応チャンバは穿通可能な材料を備えており、注入された試料のいかなるあふれた分も受け入れるように構成された過剰分キャビティにより分離されている、マイクロ流体処理デバイス。
【請求項40】
前記反応チャンバが分子分離媒体を含む、請求項39に記載のマイクロ流体処理デバイス。
【請求項41】
前記反応チャンバがチャネルである、請求項39又は40に記載のマイクロ流体処理デバイス。
【請求項42】
前記マイクロ流体処理デバイスが、前記試料ロードチャンバから離れた前記反応チャネルの端部に、受けチャンバをさらに含む、請求項41に記載のマイクロ流体処理デバイス。
【請求項43】
前記カバー及び/又は前記ロードチャンバが、高分子フィルムから製造されている、請求項40〜42のいずれかに記載のマイクロ流体処理デバイス。
【請求項44】
積層構造を有する、請求項39〜43のいずれかに記載のマイクロ流体処理デバイス。
【請求項45】
前記反応チャンバに対する位置が既知である光学的基準マークを含み、該光学的基準マークは、反応過程の位置を正確に識別するために分析器械の前記検出手段によって取得することができる、請求項39〜44のいずれかに記載のマイクロ流体処理デバイス。
【請求項46】
請求項1〜38のいずれかに記載の分析器械、及び請求項39〜45のいずれかに記載のマイクロ流体処理デバイスを備えるキット。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2008−530524(P2008−530524A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553713(P2007−553713)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/000444
【国際公開番号】WO2006/085071
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(507136073)ラブ901 リミテッド (2)
【Fターム(参考)】