説明

分波器

【課題】小型化した場合でも、アイソレーション特性の劣化が少ない、特に送信信号帯域でのアイソレーション特性の劣化が少ない分波器を提供する。
【解決手段】第1フィルタ2は、第1直列共振器S11〜S1nを直列に接続してなる第1直列部と、第1並列共振器P11〜P1nのそれぞれを互いに並列に第1直列部に接続してなる第1並列部と、第1並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された第1インダクタL11〜L1nと、を有する。第2フィルタ3は、第2直列共振器S21〜S2mを直列に接続してなる第2直列部と、第2並列共振器P21〜P2nのそれぞれを互いに並列に第2直列部に接続してなる第2並列部と、第2並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された第2インダクタL21〜L2mと、を有する。第1インダクタL12と第2インダクタL22との間に容量性結合7が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器において用いられ送信フィルタおよび受信フィルタを備える分波器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体通信機器において、小型化の要求や高機能化に伴う高周波化が進んでいる。このような背景から高周波通信用のフィルタにおいて、従来の誘電体フィルタやセラミックフィルタに比べて外形サイズを小さすることができる表面弾性波フィルタや薄膜圧電フィルタが多く利用されている。
【0003】
表面弾性波フィルタや薄膜圧電フィルタは、ラダー型フィルタとして構成することにより、フィルタの段数や共振器の容量を変化させ、また、並列共振器とグランドとの間に伸長インダクタを設置するなどして、フィルタの挿入損失や減衰特性を容易に変化させることができる。
【0004】
この表面弾性波フィルタや薄膜圧電フィルタを用いた応用部品として、送受信信号を周波数によって分けることのできる分波器がある。
【0005】
分波器は、送信フィルタおよび受信フィルタのうちの一方のフィルタの通過域において信号を低損失で通過させ、かつ他方のフィルタにその信号を入力させず、かつ他方のフィルタの通過域信号を大きく減衰させ、かつ二つのフィルタの入力端子対と出力端子対との間でのアイソレーション量を大きくした分波器が必要とされる。特に、信号レベルの大きな送信信号については、受信端子への漏洩を抑制することが強く求められており、送信信号の周波数帯域におけるアイソレーション特性の改善は重要である。
【0006】
例えば、特許文献1に記載の技術においては、複数の薄膜圧電共振器を用いて通過域の異なる二つのラダー型フィルタを構成し、これらのラダー型フィルタの入出力端子のうち1個を共通端子に接続し、さらにラダー型フィルタと共通端子との間に移相器を挿入して分波器を構成しており、並列共振器には伸長インダクタが接続されている。さらに、特許文献2に記載の技術においては、複数の表面弾性波共振器を用いて通過域の異なる二つのラダー型フィルタを構成し、これらのラダー型フィルタの入出力端子のうち1個を共通端子に接続し、さらに共通端子に整合用のインダクタを接続して分波器を構成している。
【0007】
一方で、移動体通信機器の小型化及び高機能化に伴い、非常に小型の分波器が要求されている。しかし、分波器を小型化した場合、アンテナ端子と二つのフィルタの入出力端子対との距離は短くなり、他方のフィルタの通過帯域における減衰量が低下するとともに、二つのフィルタの入力端子と出力端子との距離が短くなることで、前述のアイソレーション量は低下することになる。
【0008】
そこで、例えば、薄膜圧電共振器を用いた分波器に関する特許文献3に記載の技術においては、ラダー型フィルタを構成し、並列共振器とグランドとの間に接続された伸長インダクタのパターン配置を考慮することにより、アイソレーション量を大きくするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−24476号公報
【特許文献2】特開平10−313229号公報
【特許文献3】特開2007−259296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、移動体通信機器における小型化の要求は一層厳しくなっており、分波器についても一層の小型化が望まれている。しかしながら、小型化に伴って、分波器を構成している整合回路または移相器に用いられている構成要素や、ラダー型フィルタを構成している伸長インダクタなどの素子同士の間隔が近接した場合に、特許文献1および2に記載の技術では、信号のクロストークが生じ、阻止域における減衰量の低下やアイソレーション特性の劣化を招いていた。また、特許文献3に開示されているように、ラダー型フィルタを構成している伸長インダクタのパターン配置を考慮した場合には、分波器の設計自由度が低下するとともに、小型化に対して不利となっていた。
【0011】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化した場合でも、アイソレーション特性の劣化が少ない、特に送信信号帯域でのアイソレーション特性の劣化が少ない分波器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、
アンテナ端子、第1端子、第2端子、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続された第1フィルタ、及び、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され前記第1フィルタに比べ高い通過周波数を有する第2フィルタ、を備える分波器であって、
前記第1フィルタは、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続され且つ複数の第1直列共振器を直列に接続してなる第1直列部と、複数の第1並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第1直列部に接続してなる第1並列部と、複数の前記第1並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第1インダクタと、を有し、
前記第2フィルタは、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され且つ複数の第2直列共振器を直列に接続してなる第2直列部と、複数の第2並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第2直列部に接続してなる第2並列部と、複数の前記第2並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第2インダクタと、を有し、
複数個の前記第1インダクタのうちの何れか1つである特定第1インダクタと複数個の前記第2インダクタのうちの何れか1つである特定第2インダクタとの間に容量性結合が形成されており、
前記特定第1インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第1直列部に接続された前記第1並列共振器と接続されており、
前記特定第2インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第2直列部に接続された前記第2並列共振器と接続されていることを特徴とする分波器、
が提供される。
【0013】
これによれば、小型化した場合でもアイソレーション特性に優れた分波器を提供することができる。
【0014】
上記構成において、好ましくは、前記容量性結合はキャパシタにより形成されており、該キャパシタの一方の電極は前記特定第1インダクタに接続されており、前記キャパシタの他方の電極は前記特定第2インダクタに接続されている。これによれば、大型化を伴うことなく、アイソレーション特性に優れた分波器を提供することができる。
【0015】
本発明の他の態様によれば、
アンテナ端子、第1端子、第2端子、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続された第1フィルタ、及び、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され前記第1フィルタに比べ高い通過周波数を有する第2フィルタ、を備える分波器であって、
前記第1フィルタは、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続され且つ複数の第1直列共振器を直列に接続してなる第1直列部と、複数の第1並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第1直列部に接続してなる第1並列部と、複数の前記第1並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第1インダクタと、を有し、
前記第2フィルタは、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され且つ複数の第2直列共振器を直列に接続してなる第2直列部と、複数の第2並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第2直列部に接続してなる第2並列部と、複数の前記第2並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第2インダクタと、を有し、
複数個の前記第1インダクタのうちの何れか1つである特定第1インダクタと複数個の前記第2インダクタのうちの何れか1つである特定第2インダクタとが誘導性結合を形成しており、
前記特定第1インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第1直列部に接続された前記第1並列共振器と接続されており、
前記特定第2インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第2直列部に接続された前記第2並列共振器と接続されていることを特徴とする分波器、
が提供される。
【0016】
これによれば、小型化した場合でもアイソレーション特性に優れた分波器を提供することができる。
【0017】
上記構成において、好ましくは、前記誘導性結合は、前記特定第1インダクタと前記特定第2インダクタとで電流の向きが反対となるように形成されている。これによれば、前記特定第1インダクタと前記特定第2インダクタとの相互インダクタンスを小さくすることができ、アイソレーション特性に優れた分波器を提供することができる。
【0018】
上記構成において、好ましくは、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのうちの少なくとも一方はラダー型フィルタである。これによれば、通過帯域近傍の減衰特性を大きくすることができる。
【0019】
上記構成において、好ましくは、分波器は、更に、前記アンテナ端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとの接続部と、グランドとの間に接続された第3インダクタを有する。これによれば、複数の素子からなる整合回路や線路長の長い移相器を用いることなく分波器を構成することができるので、一層小型の分波器を実現することができる。
【0020】
上記構成において、好ましくは、前記第1直列部及び前記第1並列部並びに前記第2直列部及び前記第2並列部はチップに形成されており、該チップは基板上に実装されており、複数個の前記第1インダクタ及び複数個の前記第2インダクタは、前記基板に形成された線路パターンにより構成されている。これによれば、インダクタ素子を前記基板内に内蔵することにより一層の小型化を実現できる。
【0021】
上記構成において、好ましくは、前記特定第1インダクタと前記特定第2インダクタとの間の距離は、複数の前記第1インダクタ及び複数の前記第2インダクタの他の如何なる組合せの間の距離よりも小さい。これによれば、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタ以外の新規の素子の付加を最小限にし又は新規の素子を付加することなく、容量性結合または誘導性結合を形成することができ、より一層小型の分波器を実現できる。
【0022】
上記構成において、好ましくは、前記第1直列共振器、前記第1並列共振器、前記第2直列共振器及び前記第2並列共振器は、表面弾性波共振器または薄膜圧電共振器である。これによれば、より一層小型の分波器を実現できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、小型化した場合でも、送信フィルタ及び受信フィルタのうちの一方のフィルタにおいて他方のフィルタの通過帯域における減衰特性に優れるとともに、アイソレーション特性が劣化しにくい分波器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の分波器の実施形態を示す回路図である。
【図2】本発明の分波器の実施形態を示す回路図である。
【図3】薄膜圧電共振器の縦断面図である。
【図4】表面弾性波共振器の平面図である。
【図5】本発明の分波器の実施形態の構成を示す縦断面図である。
【図6】実施例1の分波器の回路図である。
【図7】実施例1の分波器における多層基板の構成図である。
【図8】実施例1および比較例1の分波器における通過特性を示す図である。
【図9】実施例1および比較例1の分波器におけるアイソレーション特性を示す図である。
【図10】実施例5の分波器の回路図である。
【図11】実施例5の分波器における多層基板の構成図である。
【図12】実施例5および比較例1の分波器における通過特性を示す図である。
【図13】実施例5および比較例1の分波器におけるアイソレーション特性を示す図である。
【図14】比較例1の分波器の回路図である。
【図15】比較例2の分波器の回路図である。
【図16】比較例2および比較例1の分波器における通過特性を示す図である。
【図17】比較例2および比較例1の分波器におけるアイソレーション特性を示す図である。
【図18】比較例3の分波器の回路図である。
【図19】比較例3および比較例1の分波器における通過特性を示す図である。
【図20】比較例3および比較例1の分波器におけるアイソレーション特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は本発明の分波器の一実施形態を示す回路図である。本実施形態の分波器は、アンテナ端子(ANT)1、第1端子(送信機接続端子)TX、第2端子(受信機接続端子)RX、アンテナ端子と第1端子との間に接続された第1フィルタ(送信フィルタ)2、アンテナ端子と第2端子との間に接続され第1フィルタに比べ高い通過周波数を有する第2フィルタ(受信フィルタ)3、及び、アンテナ端子と第1フィルタと第2フィルタとの接続部とグランドとの間に接続され整合回路または移相器として機能する第3インダクタ6を有する。
【0027】
第1フィルタ2は、ラダー型フィルタであり、表面弾性波共振器及び薄膜圧電共振器等の圧電共振器からなるn個(ここで、nは2以上の整数)の第1直列共振器S11,S12,・・・S1nとn個の第1並列共振器P11,P12,・・・P1nとを含んでいる。第1直列共振器S11,S12,・・・S1nは直列に接続されて第1直列部を構成しており、第1並列共振器P11,P12,・・・P1nは互いに並列に第1直列部に接続されて第1並列部を構成している。第1直列部に対する第1並列共振器P11,P12,・・・P1nの接続位置は、図示されるように、第1直列共振器S11,S12,・・・S1nの互いに隣接するもの同士の間のノードまたは第1直列共振器S1nと第1端子TXとの間のノードである。第1フィルタ2は、更に、第1並列共振器P11,P12,・・・P1nとグランドとの間にそれぞれ接続されたn個の第1インダクタL11,L12,・・・L1nを有する。ここで、第1インダクタL12は、2つの部分L12−1,L12−2からなる。
【0028】
同様に、第2フィルタ3は、ラダー型フィルタであり、表面弾性波共振器及び薄膜圧電共振器等の圧電共振器からなるm個(ここで、mは2以上の整数)の第2直列共振器S21,S22,・・・S2mとm個の第2並列共振器P21,P22,・・・P2mとを含んでいる。第2直列共振器S21,S22,・・・S2mは直列に接続されて第2直列部を構成しており、第2並列共振器P21,P22,・・・P2mは互いに並列に第2直列部に接続されて第2並列部を構成している。第2直列部に対する第2並列共振器P21,P22,・・・P2mの接続位置は、図示されるように、第2直列共振器S21,S22,・・・S2mの互いに隣接するもの同士の間のノードまたは第2直列共振器S2mと第2端子RXとの間のノードである。第2フィルタ3は、更に、第2並列共振器P21,P22,・・・P2mとグランドとの間にそれぞれ接続されたm個の第2インダクタL21,L22,・・・L2mを有する。ここで、第2インダクタL22は、2つの部分L22−1,L22−2からなる。
【0029】
第1インダクタL11,L12,・・・L1nのうちのL12が特定第1インダクタとされており、第2インダクタL21,L22,・・・L2mのうちのL22が特定第2インダクタとされている。特定第1インダクタL12は、アンテナ端子1への経路(回路上の経路)の近さが第2番目となる位置にて第1直列部に接続された第1並列共振器P12と接続されている。アンテナ端子1への経路の近さが第1番目となる位置にて第1直列部に接続されているのは、第1並列共振器P11である。特定第2インダクタL22は、アンテナ端子1への経路(回路上の経路)の近さが第2番目となる位置にて第2直列部に接続された第2並列共振器P22と接続されている。アンテナ端子1への経路の近さが第1番目となる位置にて第2直列部に接続されているのは、第2並列共振器P21である。
【0030】
特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL22との間に容量性結合7が形成されている。容量性結合7はキャパシタにより形成されており、該キャパシタの一方の電極は特定第1インダクタL12に接続されており、キャパシタの他方の電極は特定第2インダクタL22に接続されている。
【0031】
図2は本発明の分波器の他の実施形態を示す回路図である。図2において、図1に示されるものと同様の機能を有する部分または素子には同一の符号が付されている。
【0032】
本実施形態では、第1インダクタL11,L12,・・・L1nのうちのL12が特定第1インダクタとされており、第2インダクタL21,L22,・・・L2mのうちのL2mが特定第2インダクタとされている。特定第1インダクタL12は、アンテナ端子1への経路(回路上の経路)の近さが第2番目となる位置にて第1直列部に接続された第1並列共振器P12と接続されている。特定第2インダクタL2mは、アンテナ端子1への経路(回路上の経路)の近さが第m番目となる位置にて第2直列部に接続された第2並列共振器P2mと接続されている。
【0033】
特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL2mとが誘導性結合8を形成している。誘導性結合は、特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL2mとで電流の向きが反対となるように形成されている。
【0034】
以上の図1及び図2の実施形態のそれぞれにおいて第1フィルタ2及び第2フィルタ3を構成している圧電共振器は、図3に示すような薄膜圧電共振器(FBAR)または図4に示すような表面弾性波共振器からなる。
【0035】
図3に縦断面図を示される薄膜圧電共振器9は、基板10上に、下部電極11、圧電膜12及び上部電極13をこの順に形成したものである。圧電膜12を挟んで下部電極11と上部電極13とが重なり合った箇所が共振部14となり、基板10と共振部14との間には空洞部15が形成されている。なお、基板10は、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、ガリウム砒素(GaAs)及びガラスのいずれかからなるか、もしくはこれらの積層構造からなる。下部電極11及び上部電極13は、いずれも、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、タングステン(W)及びチタン(Ti)のいずれかからなるか、もしくはこれらの積層構造からなる。圧電膜12は、窒化アルミニウム(AlN)及び酸化亜鉛(ZnO)のいずれかからなるか、もしくはこれらの積層構造からなる。
【0036】
また、薄膜圧電共振器9は、図3に示すように基板10の平坦な表面と下部電極11との間に空洞部15を有するメンブラン型の薄膜圧電共振器以外に、基板10に空洞部形成のための凹みがあるピット型の薄膜圧電共振器(図示せず)、基板10に空洞部形成のための貫通孔があるDeep−RIE型の薄膜圧電共振器(図示せず)、または、空洞部15に代えて音響ミラー層を用いたSMR型の薄膜圧電共振器(図示せず)とすることもできる。
【0037】
図4は表面弾性波共振器の平面図である。表面弾性波共振器16は、圧電基板17上にて入力端子及び出力端子にそれぞれ接続され互いに入り組むように配列された電極指を備えた1対の櫛形電極を有するすだれ電極(IDT:Interdigital Transducer)18とIDTの両側の反射器19とが設けられている。IDT18および反射器19は、例えばアルミニウム(Al)等の金属で形成される。なお、図中の反射器19およびIDT18の電極指の数は実際より少なく記載されている。
【0038】
本発明においては、図5に示すように、第1フィルタの圧電共振器からなる構成部分(すなわち第1直列部及び第1並列部)、及び第2フィルタの圧電共振器からなる構成部分(すなわち第2直列部及び第2並列部)を、それぞれ前述したように半導体、絶縁体または圧電体基板上に形成したフィルタチップ22の形態となし、これらのフィルタチップ22を、第1フィルタの第1インダクタおよび第2フィルタの第2インダクタを線路パターン20にて形成した低温焼成セラミックス基板(LTCC:Low Temperature Co−fired Ceramics)などの多層基板21に実装する形態が望ましい。これにより、より一層小型の分波器を実現することができる。また、図5に示したように、フィルタチップ22を金属バンプ23を用いてフェースダウン実装することにより、より低背化した分波器の実現が可能となり望ましい。多層基板21には、フィルタチップ22を覆うようにキャップ24が付される。
【0039】
尚、本発明においては、図1及び図2に示されるように、アンテナ端子1とグランドとの間に接続された第3インダクタ6を用いることにより、複数の電気素子からなる整合回路や長い線路長を有する移相器を用いる必要がなくなり、より一層小型の分波器を実現できる。
【0040】
本発明においては、特定第1インダクタは図1及び図2におけるL12に限定されることはなくL13〜L1nのうちの何れかであってもよく、また特定第2インダクタは図1におけるL22または図2におけるL2mに限定されることはなくL23〜L2mまたはL22〜L2(m−1)のうちの何れかであってもよい。
以下、本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
【0041】
(実施例1)
図6は本実施例の分波器の回路図である。本実施例の分波器は、図1の実施形態においてn=3及びm=3のものに相当する。
【0042】
本実施例においては、第1フィルタを構成している第2番目の第1インダクタL12−1,L12−2と、第2フィルタを構成している第2番目の第2インダクタL22−1,L22−2との間に容量性結合を実現するキャパシタ7が接続されている。このように、アンテナ端子1への経路の近さが第2番目となる位置にて第1直列部及び第2直列部にそれぞれ接続された第1並列共振器P12及び第2並列共振器P22とそれぞれ接続されている特定第1インダクタ及び特定第2インダクタの間に容量性結合を挿入することにより、第1フィルタの送信波入力ポート(TXポート)と第2フィルタの受信波出力ポート(RXポート)との間が近接する小型の分波器においても、アイソレーション特性が良好な分波器を実現できる。
【0043】
図7は、本実施例における配線形態を示した模式的分解図である。図5に示される多層基板21は、上から順に第1層(図7では1層と表記)、第2層(図7では2層と表記)及び第3層(図7では3層と表記)の順に積層されている。多層基板21に第1及び第2のフィルタに対応する2つのフィルタチップ22がフェースダウンで実装されている。第1層及び第2層には、線路パターンにより、第1インダクタL11,L12,L13、第2インダクタL21,L22,L23、および第3インダクタ6(図7では符号L3で示されている)が形成されている。特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL22とが近接した位置に配置されており、これらのインダクタに接続されたキャパシタ7を構成するパターン電極C11,C12が、第1層を介して互いに対向するようにそれぞれ第1層及び第2層に形成されている。図7の多層基板は比誘電率(εr)が7.5のLTCCで作製されており、キャパシタ7のパターン電極間ギャップを形成している層の厚みは50μmであり、パターン電極C11,C12の寸法は400μm×200μmとしており、従って、キャパシタ7の容量は0.1[pF]となっている。第3層には、アンテナ端子(Ant)1、第1端子(送信機接続端子)Tx、第2端子(受信機接続端子)Rx、及びそれ以外の領域の大半を占めるグランドパターンが形成されている。
【0044】
本実施例は、W−CDMA(Wide Band Code Division Multiple Access)のBandI帯の分波器である。第1フィルタ2は送信用フィルタであり、通過帯域周波数は1920から1980MHzである。第2フィルタ3は受信用フィルタであり、通過帯域周波数は2110から2170MHzである。
【0045】
図8は、本実施例の通過特性を示している。本実施例においては、第2フィルタ(受信フィルタ)の送信帯域における減衰特性が、後述の比較例1のものに比べ改善していることがわかる。
【0046】
さらに、図9は本実施例のアイソレーション特性を示す図である。1920−1980MHzの第1フィルタ(送信フィルタ)の通過帯域におけるアイソレーション特性が良好となることがわかる。
【0047】
さらに、表1に本実施例における減衰特性およびアイソレーション特性を記載しており、図8および図9と同様に、比較例1に比べ実施例1の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0048】
(実施例2)
本実施例は、キャパシタ7を構成するパターン電極C11,C12の寸法を400μm×550μmとして、キャパシタ7の容量を0.3[pF]としている以外は実施例1と同様である。表1に記載されているように、比較例1に比べ実施例2の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0049】
(実施例3)
本実施例は、特定第2インダクタとしてL23を用い、特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL23とが近接した位置に配置されており、これらのインダクタにキャパシタ7を構成するパターン電極C11,C12が接続されている以外は実施例1と同様である。表1に記載されているように、比較例1に比べ実施例3の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0050】
(実施例4)
本実施例は、特定第1インダクタとしてL13を用い、特定第1インダクタL13と特定第2インダクタL22とが近接した位置に配置されており、これらのインダクタにキャパシタ7を構成するパターン電極C11,C12が接続されている以外は実施例1と同様である。表1に記載されているように、比較例1に比べ実施例4の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0051】
(実施例5)
図10は本実施例の分波器の回路図である。本実施例の分波器は、図2の実施形態においてn=3及びm=3のものに相当する。
【0052】
本実施例においては、第1フィルタを構成している第2番目の第1インダクタL12と、第2フィルタを構成している第3番目の第2インダクタL23とが誘導性結合8を形成している。さらに、誘導結合している2個のインダクタを流れる電流の向きが反対となるように配置されている。このように、アンテナ端子1への経路の近さがそれぞれ第2番目及び第3番目となる位置にて第1直列部及び第2直列部に接続された第1並列共振器P12及び第2並列共振器P23とそれぞれ接続されている特定第1インダクタと特定第2インダクタとが誘導性結合することにより、第1フィルタの送信波入力ポート(TXポート)と第2フィルタの受信波出力ポート(RXポート)との間が近接する小型の分波器においても、アイソレーション特性が良好な分波器を実現できる。
【0053】
図11は、本実施例における配線形態を示した模式的分解図である。図11において、図7に示されるものと同様の機能を有する部分または素子には同一の符号が付されている。
【0054】
本実施形態では、特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL23とが近接した位置に配置されており、これらの間の距離すなわちスペースGが第1インダクタL11〜L13及び第2インダクタL21〜L23の他の如何なる組合せの間の距離よりも小さく、200μmに設定されている。これにより、誘導性結合8の相互インダクタンスを良好に制御している。さらに、特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL23とで線路パターンを流れる電流が反対向きとなるようにインダクタパターンを配置している。
【0055】
本実施例は、W−CDMA(Wide Band Code Division Multiple Access)のBandI帯の分波器である。第1フィルタ2は送信用フィルタであり、通過帯域周波数は1920から1980MHzである。第2フィルタ3は受信用フィルタであり、通過帯域周波数は2110から2170MHzである。
【0056】
図12は、本実施例の通過特性を示している。本実施例においては、第2フィルタ(受信フィルタ)の送信帯域における減衰特性が、後述の比較例1のものに比べ改善していることがわかる。
【0057】
さらに、図13は本実施例のアイソレーション特性を示す図である。1920−1980MHzの第1フィルタ(送信フィルタ)の通過帯域におけるアイソレーション特性が良好となることがわかる。
【0058】
さらに、表1に本実施例における減衰特性およびアイソレーション特性を記載しており、図12および図13と同様に、比較例1に比べ実施例5の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0059】
(実施例6)
本実施例は、誘導性結合している特定第1インダクタL12と特定第2インダクタL23との間のスペース(G)を100μmとする以外は実施例5と同様としている。表1に記載されているように、比較例1に比べ実施例6の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0060】
(実施例7)
本実施例は、特定第2インダクタとしてL22を用いた以外は実施例5と同様としている。表1に記載されているように、比較例1に比べ実施例7の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0061】
(実施例8)
本実施例は、特定第1インダクタとしてL13を用いた以外は実施例7と同様としている。表1に記載されているように、比較例1に比べ実施例8の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が改善されていることがわかる。
【0062】
(比較例1)
図14は比較例1の分波器を示す回路図である。本比較例は、第1インダクタと第2インダクタとの間に接続された容量性結合を有していない以外は、実施例1と同一である。
【0063】
図8および図12並びに表1に示したように、第2フィルタ(受信フィルタ)の減衰特性が、実施例1乃至実施例8のものに比べ劣化していることがわかる。さらに、図9及び図13並びに表1に示したように、1920−1980MHzの第1フィルタ(送信フィルタ)の通過帯域におけるアイソレーション特性が実施例1乃至実施例8のものに比べ劣化している。
【0064】
(比較例2)
図15は比較例2の分波器を示す回路図である。本比較例は、第3番目の第2インダクタL23と誘導性結合する第1インダクタを第1番目の第1インダクタL11とした以外は、実施例5と同様としている。
【0065】
図16は、比較例1および比較例2の通過特性を示している。比較例2においては、第2フィルタ(受信フィルタ)の減衰特性が、比較例1に比べても劣化していることがわかる。さらに、図17は比較例1および比較例2のアイソレーション特性を示す図である。1920−1980MHzの第1フィルタ(送信フィルタ)の通過帯域におけるアイソレーション特性が劣化していることがわかる。さらに、表1に比較例2における減衰特性およびアイソレーション特性を記載しており、図16および図17と同様に、比較例1に比べ比較例2の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が劣化していることがわかる。
【0066】
このように、第1番目の第1インダクタと第2番目以降の第2インダクタとが誘導性結合することにより、誘導性結合を有していない比較例1に比べても送信帯域における受信フィルタの減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が劣化することがわかる。
【0067】
(比較例3)
図18は比較例3の分波器を示す回路図である。本比較例は、第2番目の第1インダクタL12−1,L12−2と容量性結合を形成する第2インダクタを第1番目の第1インダクタL21(すなわちL21−1,L21−2)とした以外は実施例1と同様である。
【0068】
図19は、比較例1および比較例3の通過特性を示している。比較例3においては、第2フィルタ(受信フィルタ)の減衰特性が、比較例1に比べても劣化していることがわかる。さらに、図20は比較例1および比較例3のアイソレーション特性を示す図である。1920−1980MHzの第1フィルタ(送信フィルタ)の通過帯域におけるアイソレーション特性が劣化していることがわかる。さらに、表1に比較例3における減衰特性およびアイソレーション特性を記載しており、図19および図20と同様に、比較例1に比べ比較例3の受信フィルタの送信帯域における減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が劣化していることがわかる。
【0069】
このように、第1番目の第2インダクタと第2番目以降の第1インダクタとの間に容量性結合を導入することにより、容量性結合を有していない比較例1に比べても送信帯域における受信フィルタの減衰特性および送信帯域におけるアイソレーション特性が劣化することがわかる。
【0070】
【表1】

【符号の説明】
【0071】
1 アンテナ端子
2 第1フィルタ
3 第2フィルタ
6 第3インダクタ
7 容量性結合(キャパシタ)
8 誘導性結合(相互結合した2個のインダクタ)
9 薄膜圧電共振器
10 基板
11 下部電極
12 圧電膜
13 上部電極
14 共振部
15 空洞部
16 表面弾性波共振器
17 圧電基板
18 すだれ電極(IDT)
19 反射器
20 線路パターン
21 多層基板
22 フィルタチップ
23 金属バンプ
24 キャップ
S11,S12,S13,S1n 第1直列共振器
S21,S22,S23,S2m 第2直列共振器
P11,P12,P13,P1n 第1並列共振器
P21,P22,P23,P2m 第2並列共振器
L11,L12,L13,L1n 第1インダクタ
L21,L22,L23,L2m 第2インダクタ
C11,C12 キャパシタのパターン電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ端子、第1端子、第2端子、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続された第1フィルタ、及び、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され前記第1フィルタに比べ高い通過周波数を有する第2フィルタ、を備える分波器であって、
前記第1フィルタは、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続され且つ複数の第1直列共振器を直列に接続してなる第1直列部と、複数の第1並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第1直列部に接続してなる第1並列部と、複数の前記第1並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第1インダクタと、を有し、
前記第2フィルタは、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され且つ複数の第2直列共振器を直列に接続してなる第2直列部と、複数の第2並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第2直列部に接続してなる第2並列部と、複数の前記第2並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第2インダクタと、を有し、
複数個の前記第1インダクタのうちの何れか1つである特定第1インダクタと複数個の前記第2インダクタのうちの何れか1つである特定第2インダクタとの間に容量性結合が形成されており、
前記特定第1インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第1直列部に接続された前記第1並列共振器と接続されており、
前記特定第2インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第2直列部に接続された前記第2並列共振器と接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項2】
前記容量性結合はキャパシタにより形成されており、該キャパシタの一方の電極は前記特定第1インダクタに接続されており、前記キャパシタの他方の電極は前記特定第2インダクタに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の分波器。
【請求項3】
アンテナ端子、第1端子、第2端子、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続された第1フィルタ、及び、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され前記第1フィルタに比べ高い通過周波数を有する第2フィルタ、を備える分波器であって、
前記第1フィルタは、前記アンテナ端子と前記第1端子との間に接続され且つ複数の第1直列共振器を直列に接続してなる第1直列部と、複数の第1並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第1直列部に接続してなる第1並列部と、複数の前記第1並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第1インダクタと、を有し、
前記第2フィルタは、前記アンテナ端子と前記第2端子との間に接続され且つ複数の第2直列共振器を直列に接続してなる第2直列部と、複数の第2並列共振器のそれぞれを互いに並列に前記第2直列部に接続してなる第2並列部と、複数の前記第2並列共振器とグランドとの間にそれぞれ接続された複数個の第2インダクタと、を有し、
複数個の前記第1インダクタのうちの何れか1つである特定第1インダクタと複数個の前記第2インダクタのうちの何れか1つである特定第2インダクタとが誘導性結合を形成しており、
前記特定第1インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第1直列部に接続された前記第1並列共振器と接続されており、
前記特定第2インダクタは、前記アンテナ端子への経路の近さが第2番目以降の何れかとなる位置にて前記第2直列部に接続された前記第2並列共振器と接続されていることを特徴とする分波器。
【請求項4】
前記誘導性結合は、前記特定第1インダクタと前記特定第2インダクタとで電流の向きが反対となるように形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の分波器。
【請求項5】
前記第1フィルタ及び前記第2フィルタのうちの少なくとも一方はラダー型フィルタであることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の分波器。
【請求項6】
更に、前記アンテナ端子と前記第1フィルタと前記第2フィルタとの接続部と、グランドとの間に接続された第3インダクタを有することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の分波器。
【請求項7】
前記第1直列部及び前記第1並列部並びに前記第2直列部及び前記第2並列部はチップに形成されており、該チップは基板上に実装されており、複数個の前記第1インダクタ及び複数個の前記第2インダクタは、前記基板に形成された線路パターンにより構成されていることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか一項に記載の分波器。
【請求項8】
前記特定第1インダクタと前記特定第2インダクタとの間の距離は、複数の前記第1インダクタ及び複数の前記第2インダクタの他の如何なる組合せの間の距離よりも小さいことを特徴とする、請求項1乃至7の何れか一項に記載の分波器。
【請求項9】
前記第1直列共振器、前記第1並列共振器、前記第2直列共振器及び前記第2並列共振器は、表面弾性波共振器であることを特徴とする、請求項1乃至8の何れか一項に記載の分波器。
【請求項10】
前記第1直列共振器、前記第1並列共振器、前記第2直列共振器及び前記第2並列共振器は、薄膜圧電共振器であることを特徴とする、請求項1乃至8の何れか一項に記載の分波器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2010−192974(P2010−192974A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32586(P2009−32586)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】