説明

制御装置、基板処理方法、基板処理システム、基板処理システムの運用方法、ロードポート制御装置及びそれを備えた基板処理システム

【課題】ロードポートの個数を見かけ上増加させることにより、装置コストを抑制しつつも収納器の搬送効率を向上させることができる。
【解決手段】仮想ロードポート管理部は、物理ロードポートR−LP1,2に対して2個の仮想ロードポートV−LP1,2を割り当てる。さらに、仮想ロードポート管理部は、基板処理装置5と、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して、2個の仮想ロードポートV−LP1,2を2個の物理ロードポートとして扱わせる。したがって、現実の物理ロードポートの個数以上にロードポートが存在するようにFOUP3の搬送を行うことができ、見かけ上、ロードポートの個数を増加させることができる。その結果、装置コストを抑制しつつも、FOUP3の搬送効率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を収納器ごと基板処理装置の内部との間で受け渡す制御や、キャリア搬送システムとの間で収納器を受け渡す制御を行う制御装置、基板処理方法、基板処理システム、基板処理システムの運用方法、ロードポート制御装置及びそれを備えた基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の基板処理システムとして、基板処理ユニットと、収納器収容・搬送ユニットと、ロードポートと、ロードポート制御装置とを備えた基板処理装置と、ホストコンピュータの指示により収納器を搬送するキャリア搬送システムと、全体の制御を行うホストコンピュータとを備えたものが挙げられる。
【0003】
基板処理ユニットは、基板に対して各種処理を行う。収納器収容・搬送ユニットは、基板処理ユニットに並設され、基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を収容したり、搬送したりする。ロードポートは、収納器収容・搬送ユニットに並設され、FOUPを載置する。ロードポート制御装置は、収納器収容・搬送ユニットとの間や、キャリア搬送システムとの間におけるFOUPの受け渡しを制御する。キャリア搬送システム(Automated Material Handling System)は、無人搬送車(AGV: Automatic Guided Vehicles)や、天井走行式無人搬送車(Overhead Hoist Transfer)であり、ロードポートとの間でFOUPの受け渡しを行う。ホストコンピュータは、ロードポート制御装置やキャリア搬送システムとの間で通信を行い、収納器の搬送に係る制御を行う。
【0004】
一台の基板処理装置は、一般的に複数個のロードポートを備えているが、基板処理ユニットの処理効率が高くなると、搬送する収納器の個数が増大し、キャリア搬送システムによる収納器の搬送間隔が短くしなければ基板処理ユニットの効率を生かし切れなくなる。しかしながら、この種のキャリア搬送システムにおいては、1個のロードポートに対してキャリア搬送システム中の複数の搬送車が同時に搬入動作を行うことはなく、1個のロードポートに対しては1台の搬送車のみが搬入動作を行うのが一般的な使用(規格)となっている。そして、当該ロードポートに対して1台の搬送車が収納器を搬入するのに要する時間は、そのキャリア搬送システムのレイアウトなどによって制約を受けることになり、一定以上に短くすることは不可能である。そのため、キャリア搬送システムによる搬送が間に合わなくなって処理効率の低下という問題が生じている。
【0005】
そこで、このようなロードポートの個数を高さ方向に増やし、さらにキャリア搬送システムの走行レーンを二つに増やして対処した第1の装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ロードポート付近に、収納器の一時的な待避場所となる可動バッファを設けて、ロードポートが短時間で開放されるようにした第2の装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−192855号公報
【特許文献2】特表2008−508731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の第1の装置は、ロードポートを増やすとともに、キャリア搬送システムの走行レーンを増やす必要があり、装置コストが高くなるという問題がある。
【0008】
また、従来の第2の装置は、ロードポート付近に特殊な可動バッファを設ける必要があり、やはり装置コストが高くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ロードポートなどの機械構成を増加あるいは複雑化させることなく、装置コストを抑制しつつも収納器の搬送効率を向上させることができる制御装置、基板処理方法、基板処理システム、基板処理システムの運用方法、ロードポート制御装置及びそれを備えた基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備えた基板処理装置と、前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、を備えた基板処理システムにおける制御装置であって、前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロートポート制御装置を備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備えた基板処理装置と、前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、を備えた基板処理システムによる基板処理方法であって、前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備えた基板処理装置と、前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、を備えた基板処理システムにおいて、前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置を備えることを特徴とするものである。
【0013】
[作用・効果]請求項1〜3に記載の発明によれば、仮想ロードポート制御装置は、物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、その仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想ロードポートに対してキャリア搬送システムに搬送動作を指示する。したがって、物理ロードポートの実際の個数以上に物理ロードポートが存在するかのようにキャリア搬送システムに搬送動作を行わせることができ、その結果、基板処理装置の機械的構成を増加させることなく、装置コストを抑制しつつも、収納器の搬送効率を向上させることができる制御装置、基板処理方法及び基板処理システムを実現することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートと、当該物理ロードポートの動作を制御する物理ロードポート制御装置とを備えた基板処理装置と、前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、を備えた基板処理システムの運用方法において、前記ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置を、前記物理ロードポート制御装置と、前記キャリア搬送システムとの間に介在させることを特徴とするものである。
【0015】
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、一般的な基板処理装置の物理ロードポート制御装置とキャリア搬送システムとの間に仮想ロードポート制御装置を介挿させることで、物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、その仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想ロードポートに対してキャリア搬送システムに搬送動作を指示することができる。したがって、一般的な基板処理装置や既存の基板処理装置に対しても、物理ロードポートの実際の個数以上に物理ロードポートが存在するかのようにキャリア搬送システムに搬送動作を行わせることができる。その結果、一般的な基板処理装置や既存の基板処理装置に対しても、容易に収納器の搬送効率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明において、前記仮想ロードポート制御装置は、前記物理ロードポート制御装置からのキャリア搬送システムに対する信号を前記仮想的なロードポートからの信号に変換して前記キャリア搬送システムに送信し、前記キャリア搬送システムからの前記仮想的なロードポートに対する信号を前記物理ロードポートに対する信号に変換して前記物理ロードポート制御装置に送信するものであることが好ましい(請求項5)。
【0017】
また、本発明において、前記仮想ロードポート制御装置は、前記物理ロードポート1台に対して複数の仮想的なロードポートを割り当てることが好ましい(請求項6)。
【0018】
また、本発明において、前記仮想ロードポート制御装置による前記仮想的なロードポートへの搬送動作の指示は、当該仮想的なロードポートが割り当てられている物理ロードポートの所在場所まで搬送動作を行う指令であることが好ましい(請求項7)。
【0019】
また、請求項8に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しした収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおける前記ロードポートを制御するロードポート制御装置において、前記物理ロードポートに対して複数個の仮想ロードポートを割り当てるとともに、前記キャリア搬送システムと、前記ホストコンピュータとに対して、前記複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる仮想ロードポート管理部を備えていることを特徴とするものである。
【0020】
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、仮想ロードポート管理部は、物理ロードポートに対して複数個の仮想ロードポートを割り当てる。さらに、仮想ロードポート管理部は、キャリア搬送システムと、ホストコンピュータとに対して、複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる。したがって、物理ロードポートの個数以上にロードポートが存在するように収納器の搬送を行うことができ、見かけ上、ロードポートの個数を増加させることができる。その結果、基板処理装置の機械的構成を増加させることなく、装置コストを抑制しつつも、収納器の搬送効率を向上させることができるロードポート制御装置を実現することができる。
【0021】
また、本発明において、前記仮想ロードポート管理部は、前記複数個の仮想ロードポートと、前記物理ロードポートとの対応関係を規定した変換テーブルを備え、前記複数個の仮想ロードポートを搬入用に設定した場合には、(A1)前記仮想ロートポート管理部は、前記ホストコンピュータに対して前記複数個の仮想ロードポートごとに搬入可能であるか否かを通知し、(A2)前記ホストコンピュータは、前記キャリア搬送システムに対して収納器を前記複数個の仮想ロードポートのいずれか一つに搬入するための指示を行い、(A3)前記キャリア搬送システムは、指示された一つの仮想ロードポートに収納器を搬送するために、収容器を保持したまま前記基板処理装置に移動し、(A4)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートへの収納器の搬入を開始するために、前記一つの仮想ロードポートへ収納器を搬入することを前記仮想ロードポート管理部に通知し、(A5)前記仮想ロードポート管理部は、前記変換テーブルに基づいて、前記一つの仮想ロードポートを一つの物理ロードポートに対応付け、(A6)前記仮想ロードポート管理部は、前記一つの仮想ロードポートへの収納器の搬入が開始されたことを前記ホストコンピュータへ通知し、(A7)前記仮想ロードポート管理部は、前記一つの仮想ロードポートへの搬入を受け付け、前記キャリア搬送システムに対して搬入要求を行い、(A8)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートに割り当てられた物理ロードポートへ収納器を搬送し、(A9)前記基板処理装置は、前記一つの仮想ロードポートに搬入された収納器を、前記内部バッファに搬送し、(A10)前記仮想ロードポート管理部は、前記搬入過程において、前記一つの仮想ロードポートへの搬入状況を前記ホストコンピュータへ通知する際に、指示された一つの収納器を前記キャリア搬送システムが搬送するために、前記基板処理装置へ前記キャリア搬送システムが移動を開始した時点から、指示された一つの収納器が前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに載置される前まで、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知し、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートから前記内部バッファへ収納器が搬送され始めた時点で、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知することが好ましい(請求項9)。搬入時において、仮想ロードポート管理部は、一つの仮想ロードポートへの搬入状況をホストコンピュータへ通知する。その際、仮想ロードポート管理部は、キャリア搬送システムが一つの収納器を搬送するために、基板処理装置へ移動を開始した時点から、一つの収納器が一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに載置されるまでは、その一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であるとしてホストコンピュータへ通知する。また、一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートから内部バッファへ収納器が搬送され始めた時点で、その一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であるとしてホストコンピュータへ通知する。したがって、搬入時に従来は占有されていた期間においても、ホストコンピュータが搬入の指示を行うことができる。したがって、効率的な搬入処理を行うことができる。
【0022】
また、本発明において、前記仮想ロードポート管理部は、前記複数個の仮想ロードポートと、前記物理ロードポートとの対応関係を規定した変換テーブルを備え、前記複数個の仮想ロードポートを搬出用に設定した場合には、(B1)前記ホストコンピュータは、前記基板処理装置に対して、複数個の仮想ロードポートのうちのいずれか一つに対して、指示した収納器を払い出すことを指示し、(B2)前記基板処理装置は、指示された収納器が前記一つの仮想ロードポートへ払い出しが可能になったら、搬出可能であることを前記ホストコンピュータへ通知し、(B3)前記ホストコンピュータは、前記キャリア搬送システムに対して、指示された収納器の搬送を行うための指示を行い、(B4)前記キャリア搬送システムは、指示された収納器を有する前記基板処理装置に移動し、(B5)前記キャリア搬送システムは、指示された収納器を前記一つの仮想ロードポートから搬出するために、前記一つの仮想ロードポートへ収納器を払い出すように前記仮想ロードポート管理部に指示し、(B6)前記仮想ロードポート管理部は、前記変換テーブルに基づいて、前記一つの仮想ロードポートを一つの物理ロードポートに対応付け、(B7)前記基板処理装置は、指示された収納器が前記一つの仮想ロードポートに対して払い出しされ始めたことを前記ホストコンピュータへ通知し、(B8)前記基板処理装置は、前記一つの仮想ロードポートに割り当てられた物理ロードポートに対して、指示された収納器を払い出し、(B9)前記基板処理装置は、前記キャリア搬送システムに対して搬出要求を通知し、(B10)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートから前記収納器を搬出し、(B11)前記仮想ロードポート管理部は、前記搬出過程において、前記一つの仮想ロードポートからの搬出状況を前記ホストコンピュータへ通知する際に、指示された収納器が、前記内部バッファから前記一つの仮想ロードポートに対応する前記物理ロードポートへ払い出しされた時点から、前記収納器が前記キャリア搬送システムにより前記物理ロードポートから搬出され始めた時点までの間を除いて、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬出に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知することが好ましい(請求項10)。搬出時において、仮想ロードポート管理部は、一つの仮想ロードポートからの搬出状況を前記ホストコンピュータへ通知する。その際、仮想ロードポート管理部は、指示された収納器が、内部バッファから一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートへ払い出しされた時点から、収納器がキャリア搬送システムにより物理ロードポートから搬出され始めた時点までの間を除いて、その一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬出に利用可能であることをホストコンピュータへ通知する。したがって、搬出時に従来は占有されていた期間においても、ホストコンピュータが搬出の指示を行うことができる。したがって、効率的な搬出処理を行うことができる。
【0023】
また、本発明において、前記仮想ロードポート管理部は、前記複数個の仮想ロードポートを搬入用のみに設定することが好ましく(請求項11)、前記複数個の仮想ロードポートを搬出用のみに設定することが好ましく(請求項12)、前記複数個の仮想ロードポートを搬入用または搬出用に設定することが好ましい(請求項13)。仮想ロードポート管理部は、複数個の仮想ロードポートを搬入用のみに設定したり、搬出用のみに設定したり、それらを混在させることにより、柔軟な運用を行うことができる。
【0024】
また、請求項14に記載の基板処理システムは、基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しした収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータと、前記物理ロードポートに対して複数個の仮想ロードポートを割り当てるとともに、前記キャリア搬送システムと、前記ホストコンピュータとに対して、前記複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる仮想ロードポート管理部を備えているロードポート制御装置と、を備えたことを特徴とするものである。
【0025】
[作用・効果]請求項14に記載の発明によれば、ロードポート制御装置の仮想ロードポート管理部は、物理ロードポートに対して複数個の仮想ロードポートを割り当てる。さらに、仮想ロードポート管理部は、キャリア搬送システムと、ホストコンピュータとに対して、複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる。したがって、物理ロードポートの個数以上にロードポートが存在するように収納器の搬送を行うことができ、見かけ上、ロードポートの個数を増加させることができる。その結果、装置コストを抑制しつつも、収納器の搬送効率を向上できる基板処理システムを実現することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、物理ロードポートの個数以上にロードポートが存在するように収納器の搬送を行うことができ、その結果、装置コストを抑制しつつも、収納器の搬送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図である。
【図2】実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。
【図4】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータへの通知を示す。
【図5】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータの搬送指示を示す。
【図6】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図7】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムによる搬入開始を示す。
【図8】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートの対応付けを示す。
【図9】搬入処理時の過程を示す模式図であり、仮想ロードポートの状態変化の報告を示す。
【図10】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入受付を示す。
【図11】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図12】搬入処理時の過程を示す模式図であり、FOUPの内部バッファへの移動を示す。
【図13】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入状況の報告を示す。
【図14】搬出処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。
【図15】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータからの搬出指示を示す。
【図16】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータへの搬出可能の通知を示す。
【図17】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータからの搬出の指示を示す。
【図18】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図19】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムによる搬出開始を示す。
【図20】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートの対応付けを示す。
【図21】搬出処理時の過程を示す模式図であり、仮想ロードポートの状態変化の報告を示す。
【図22】搬出処理時の過程を示す模式図であり、払い出しを示す。
【図23】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムへの搬送要求を示す。
【図24】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムによるFOUPの搬出を示す。
【図25】搬出処理時の過程を示す模式図であり、搬出状況の報告を示す。
【図26】搬入処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【図27】搬出処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図であり、図2は、実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0029】
実施例に係る基板処理システム1は、基板WをFOUP3ごと搬入して基板Wに対して処理を行い、処理を終えた基板WをFOUP3ごと搬出する機能を備えている。FOUP3は、Front Opening Unified Podの略称であり、清浄な環境に密閉した状態で基板Wを収納するものである。
【0030】
この基板処理システム1は、基板処理装置5と、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とを備えている。基板処理装置5は、複数台であるのが一般的であり、図1では、一例として二台の基板処理装置5を示している。
【0031】
基板処理装置5は、基板処理ユニット11と、ロードポート13と、内部バッファ15とを備えている。この基板処理ユニット11は、FOUP3から取り出された基板Wに対して所定の処理を行う。所定の処理としては、例えば、洗浄処理、エッチング処理、フォトレジスト除去処理などがある。ロードポート13は、基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間でFOUP3を受け渡すためのものである。この例では、ロードポート13が二台の物理ロードポートR−LP1,R−LP2を備えている。内部バッファ15は、基板処理ユニット11とロードポート13との間に配置され、ロードポート13との間でFOUP3を受け渡すとともに、基板処理ユニット11との間でFOUP3から取り出された基板Wの受け渡しを行う。また、内部バッファ15は、ロードポート13からFOUP3を搬入され、基板処理ユニット11が基板Wを受け入れられない状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したり、ロードポート13がFOUP3を搬出できない状態状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したりする、バッファリングとしての機能を備えている。
【0032】
なお、上記のFOUP3が本発明における「収納器」に相当する。
【0033】
キャリア搬送システム7は、基板処理装置5と、FOUP3を複数収納して保管する保管庫(図示せず)との間、あるいは他の基板処理装置との間でFOUP3を搬送したりするものである。キャリア搬送システム7としては、例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle)、OHT(Overhead Hoist Transport)などのAMHS(Automated Material Handling Systems)が挙げられる。この実施例では、一例として、二台の基板処理装置5の周辺において、複数台のOHT17が周回移動する構成を採っている。
【0034】
ホストコンピュータ9は、上述した基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間で通信を行う。ホストコンピュータ9は、基板処理装置5の状況に応じてキャリア搬送システム7によるFOUP3の搬送を指示する。ここでいう「搬送」とは、基板処理装置5へのFOUP3を運び入れるための搬送である「搬入」と、基板処理装置5からFOUP3を運び出すための搬送である「搬出」とを表している。
【0035】
図2に示すように、基板処理装置5は、ロードポート制御装置20を構成する対ホスト制御部21とロードポート管理部23と対キャリア搬送システム制御部25とを備えている。このロードポート制御装置20を構成するこれら対ホスト制御部21、ロードポート管理部23、対キャリア搬送システム25は、一般的な基板処理装置に含まれるものと同じ機能を有する。すなわち、一般的な基板処理システムにおいては、ロードポート管理部23は、基板処理装置5に設けられるロードポート13の物理ロードポートR−LP1,R−LP2および内部バッファ15と接続され、それらと通信してそれらの状態を認識し、その動作を制御するなどの管理を行う。また、一般的な基板処理システムにおいては、対ホスト制御部21は、ホストコンピュータ9と接続され、ロードポート管理部23が認識する物理ロードポートR−LP1,R−LP2の状態を参照して、ホストコンピュータ9に対してFOUP3の搬入要求などの通信を行う。また、一般的な基板処理システムにおいては、対キャリア搬送システム制御部25は、キャリア搬送システム7と接続され、ロードポート管理部23が認識する物理ロードポートR−LP1,R−LP2の状態等を参照して、キャリア搬送システム7との間のFOUP3の搬入動作制御にかかわる通信(後述するCS信号など)を行う。
【0036】
そして、本実施形態においては、前述の一般的な基板処理システムとは異なり、これら対ホスト制御部21とホストコンピュータ9の間、および対キャリア搬送システム制御部25とキャリア搬送システム7との間に、仮想ロードポート制御部19が介挿接続される。すなわち、本実施形態の基板処理システム1は、一般的な基板処理装置とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7の間に、仮想ロードポート制御装置19を後付けで介挿させて構成したものである。ここでは後付けで接続した仮想ロードポート制御装置19も基板処理装置5に含まれるものとする。
【0037】
ロードポート制御装置19は、二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2のそれぞれに対して、複数個の仮想ロードポートを割り当てる。そして、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる。換言すると、仮想ロードポート制御装置19は、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して、実在する二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2より多くの物理ロードポートが存在するかのようにみせるように信号処および通信を行う。
【0038】
また、基板処理装置5の対ホスト制御部21と、対キャリア搬送システム制御部25とに対しては、実在するよりも多くの物理ロードポートがあるかのようにふるまうホストコンピュータ5およびキャリア搬送システム7の動作に対して、その対応を、実在する二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に割り当てる。具体的には、仮想ロードポート制御装置19は、対ホスト制御部27と、仮想ロードポート管理部29と、対キャリア搬送システム制御部31とを備えている。仮想ロードポート管理部29は、変換テーブル記憶部33を備えている。変換テーブル記憶部33は、物理ロードポートと仮想ロードポートとの対応関係を規定した「変換テーブル」を予め記憶する。この変換テーブルは、設定部35によってオペレータによって適宜に設定される。
【0039】
対ホスト制御部27は、ロードポート管理部23からの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる物理ロードポートに割り当てられている仮想ロードポートに関する通知に変換し、ホストコンピュータ9に送信する。
【0040】
対キャリア搬送システム制御部31は、キャリア搬送システム7からの仮想ロードポートV−LP1〜V−LP4に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる仮想ロードポートが割り当てられている物理ロードポートに関する通知に変換し、対キャリア搬送システム25に送信し、あるいは逆に対キャリア搬送システム25からの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる物理ロードポートに割り当てられている仮想ロードポートに関する通知に変換し、キャリア搬送システム7に送信する。
【0041】
<A:搬入処理>
【0042】
次に、図3〜図13,図26を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の「搬入」の流れについて説明する。
【0043】
なお、図3は、搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。また、図4〜図13は、搬入処理時の過程を示す模式図であり、図4は、ホストコンピュータへの通知を示すものであり、図5は、ホストコンピュータの搬送指示を示すものであり、図6は、キャリア搬送システムの移動を示すものであり、図7は、キャリア搬送システムによる搬入開始を示すものであり、図8は、ロードポートの対応付けを示すものであり、図9は、仮想ロードポートの状態変化の報告を示すものであり、図10は、搬入受付を示すものであり、図11は、キャリア搬送システムの移動を示すものであり、図12は、FOUPの内部バッファへの移動を示すものであり、図13は、搬入状況の報告を示すものであり、図26は、搬入処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【0044】
以下の説明においては、図4に示すように、物理ロードポートR−LP1が二つの仮想ロードポートV−LP1,2に対応付けられ、物理ロードポートR−LP2が二つの仮想ロードポートV−LP3,4に対応付けられているものとする。この対応関係は、上述した変換テーブル記憶部33の変換テーブルに規定されている。また、ここでは、二つの仮想ロートポートV−LP1,2が搬入用に設定されているものとし、以下の説明においては、理解を容易にするために仮想ロードポートV−LP1,2についてのみ説明する。
【0045】
1.基板処理装置5は、ホストコンピュータ9に対して、二つの仮想ロードポートV−LP1,2の搬入可能であるか否かについて通知する(図4)。具体的には、仮想ロードポート制御装置19の対ホスト制御部27が仮想ロードポート管理部29を参照して、仮想ロードポートV−LP1,2というロードポートが搬入可能であることをホストコンピュータ9に通知する。
【0046】
さらに詳細に説明すると、まず、物理ロードポートR−LP1を管理するロードポート管理部23が、物理ロードポートR−LP1の状態を「搬入可能」と認識する。これに応じて対ホスト制御部21がロードポート管理部23の認識を参照して、「搬入可能」の通知を出力する。この出力は、従来の一般的な構成であれば、ホストコンピュータ9に直接送信されていたものである。しかし、本発明においては、対ホスト制御部21が出力した「搬入可能」の通知は、仮想ロードポート制御部19の対ホスト制御部27に送信される。対ホスト制御部29は、この通知を受けて、内部の変換テーブル記憶部33が記憶している変換テーブルを参照し、「搬入可能」と通知された物理ロードポートR−LP1が仮想ロードポートV−LP1,V−LP2と対応付けられていることを認識する。そして、仮想ロードポート管理部29は、「搬入可能」と通知された物理ロードポートR−LP1に代えて、仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であると扱うように、対ホスト制御部27に通知する。対ホスト制御部27は、かかる通知に基づき、仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であると、ホストコンピュータ9に通知する。
【0047】
2.上記の通知を受けたホストコンピュータ9は、キャリア搬送システム7に対して、基板処理装置5で処理すべき2個のFOUP3について、仮想ロードポートV−LP1,2の両方にそれぞれ搬入の指示を行う(図5)。
【0048】
3.キャリア搬送システム7は、前工程の基板処理装置あるいは保管庫から第1、第2のFOUP3を取り出し、第1のFOUP3を第1のOHT17が保持し、さらに第2のFOUP3を第2のOHT17が保持し、それぞれ搬入指示を行った基板処理装置5に向かって移動を開始する。ここでは、第1のOHT17、第2のOHT17ともに同じ基板処理装置5に搬入するものとし、第1のOHT17が基板処理装置5に」対して最も早く到達する位置にあり、第2のOHT17がそれよりも遅れて基板処理装置5に到着する位置にあるものとする。
【0049】
4.第1のOHT17が移動して基板処理装置5に到達すると、キャリア搬送システム7は、仮想ロードポートV−LP1へ第1のFOUP3を搬入することを基板処理装置5に対して通知する(図7)。具体的には、キャリア搬送システム7は、CS_0信号をONにし、さらに搬送開始を示すVALID信号をONにして、対キャリア搬送システム制御部31に送信する。なお、CS信号は、ロードポートの指定のために利用されるキャリア・ステージ信号であり、SEMI規格E84で規定されている。
【0050】
5.基板処理装置5は、キャリア搬送システム7から受けたCS_0信号(仮想ロードポートV−LP1を表す)と変換テーブルとを参照して、仮想ロードポートV−LP1を対応する一つの物理ロードポートR−LP1に対応付ける(図8)。具体的には、対キャリア搬送システム31が受けた信号に基づき仮想ロードポート管理部29が対応付けを行う。
【0051】
6−1.基板処理装置5は、仮想ロードポートV−LP1への搬入が開始されたことを、ホストコンピュータ9へ状態変化があったとして報告する(図9)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が対ホスト制御部27を介して、ホストコンピュータ9へ報告を行う。
【0052】
6−2.報告を受けたホストコンピュータ9は、仮想ロードポートV−LP1において搬入が開始されたことを認識する(図9)。
【0053】
7.基板処理装置5は、キャリア搬送システム7が仮想ロードポートV−LP1に向けて搬送してきた第1のFOUP3を物理ロードポートR−LP1に受け入れるために、物理ロードポートR−LP1に対して受け入れを指示するとともに、キャリア搬送システム7に対して搬入要求を行う(図10)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が対キャリア搬送システム制御部31を介し、対キャリア搬送システム制御部25に対して物理ロードポートR−LP1への搬入を通信指示する。対キャリア搬送システム制御部25は、かかる通信を受けてロードポート管理部23に対して物理ロードポートR−LP1への搬入動作を指示するとともに、対キャリア搬送システム制御部31に対して物理ロードポートR−LP1への「搬入開始」を要求する。なお、かかる要求信号は、従来の基板処理システムであれば、キャリア搬送システム7へ送信されたものであるが、本発明では、仮想ロードポート制御部19の対キャリア搬送システム制御部31に送信される。
【0054】
対キャリア搬送システム制御部31は、対キャリア搬送システム制御部25からのかかる「搬入開始」の要求信号が、上記4でキャリア搬送システム7から受けた、仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対キャリア搬送システム制御部31は、かかる「搬入開始」の要求信号を、仮想ロードポートV−LP1への「搬入開始」要求であるとして、キャリア搬送システム7に送信する。かかる要求信号として、対キャリア搬送システム制御部31は、キャリア搬送システム7に対してL_REQ信号をONする。なお、L_REQは、ロード・リクエストであり、搬入の要求を表している。
【0055】
8.キャリア搬送システム7は、第1のOHT17が保持している第1のFOUP3を、対キャリア搬送システム制御部31からの「搬入開始」要求に応じて仮想ロードポートV−LP1に向けて搬送する動作を行う。ここで、キャリア搬送システム7には、このときの搬送先である仮想ロードポートV−LP1の位置情報として、物理ロードポートR−LP1の現実の位置が設定されており、キャリア搬送システム7による仮想ロードポートV−LP1への搬送は、実際には、物理ロードポートR−LP1への搬送として実行されることになる(図11)。
【0056】
9.基板処理装置5は、物理ロードポートR−LP1に搬入された第1のFOUP3を内部バッファ15の適宜の位置に搬送する(図12)。
【0057】
10.基板処理装置5は、上述した搬入過程において、物理ロードポートR−LP1への第1のFOUP3の搬入完了を、仮想ロードポートV−LP1の搬入完了としてホストコンピュータ9に対して報告する(図13)。具体的には、ロードポート管理部23が物理ロードポートR−LP1の状況を認識し、対ホスト制御部21、対ホスト制御部27を介して、ホストコンピュータ9へ報告する。
【0058】
このとき、対ホスト制御部21は、ロードポート管理部23からの物理ロードポートR−LP1への「搬入完了」報告を対ホスト制御部27に報告する。対ホスト制御部27は、対ホスト制御部21からのかかる「搬入完了」報告が、上記6で仮想ロードポート管理部29から受けた、仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入開始通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対ホスト制御部27は、かかる「搬入完了」の報告を、仮想ロードポートV−LP1への「搬入完了」報告であるとして、ホストコンピュータ9に送信する。
【0059】
また、上記9による物理ロードポートR−LP1に搬入された第1のFOUP3が内部バッファ15に搬送されると、物理ロードポートR−LP1が再びFOUP3を受け入れ可能な状態になるので、上記1と同様に、ロードポート管理部23が、物理ロードポートR−LP1の状態を「搬入可能」と認識する。これに応じて対ホスト制御部21がロードポート管理部23の認識を参照して、「搬入可能」の通知を仮想ロードポート制御部19の対ホスト制御部27に送信する。対ホスト制御部27はこれを受けて、上記「搬入完了」報告と同様に、仮想ロードポートV−LP1が「搬入可能」になったと認識し、これをホストコンピュータ9に通知する。かかる「搬入可能」通知は、内部バッファ15へのFOUP3の搬送のタイミングによっては、上記の「搬入完了」報告の直後であるかまたは若干遅れてなされることになる。なお、仮想ロードポートV−LP2が「搬入可能」であることは既に上記1で通知され、それに対応する第2のOHT17が既に第2のFOUP3の搬送を開始しているので、ここでは仮想ロードポートV−LP2に関する新たな通知は行われない。
【0060】
11.第1のOHT17より少し遅れて第2のOHT17が基板処置装置5に到着すると、上記4と同様に、キャリア搬送システム7は仮想ロードポートV−LP2へ第2のFOUP3を搬入することを基板処理装置5に対して通知する。具体的には、キャリア搬送システム7は、CS_1(仮想ロードポートV−LP2を表す)をONにし、さらに搬送開始を示すVALID信号をONにして、対キャリア搬送システム制御部31に送信する。以下、上記と同様に、仮想ロードポートV−LP2への搬入として、物理ロードポートR−LP1への搬入が行われる。
【0061】
なお、もし上記2の時点において、基板処理装置5で処理すべきFOUP3が第1のFOUP3の一つしかない場合には、ホストコンピュータ9は仮想ロードポートV−LP1への搬送指示は行うが、仮想ロードポートV−LP2への搬送の指示は直ちには行わず、処理すべき第2のFOUP3の準備ができるのを待つことになる。
【0062】
このような実施形態によれば、1つの物理ロードポートV−LP1に対して2つの仮想ロードポートV−LP1,V−LP2を割り当てて、その2つの仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であるとして、それぞれに対して同時に2台のOHT17を動かして搬送動作を行うことができ、1つの物理ロードポートR−LP1に対して1台のOHT17だけで搬送動作をしていた場合に比べて単位時間あたりに搬送可能なFOUP3の個数を増大させることができ、換言すると、1つのFOUP3あたりの搬送に要する時間を短縮できる。
【0063】
また、図26からも明らかなように、仮想ロードポート制御装置19は、基板処理装置5がもともと備えている対ホスト制御部21及び対キャリア搬送システム制御部25に対しては物理ロードポートR−LP1に関する信号だけを扱い、ホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7に対しては仮想ロードポートV−LP1,V−LP2に関する信号だけを扱う。すなわち、仮想ロードポート制御装置19は、基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7との間にあって、物理ロードポートR−LP1と仮想ロードポートV−LP1,V−LP2との対応付けと信号の変換を行っている。したがって、従来の基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7のハードウエア、ソフトウエアの構成は何ら変更することなく、それらの間に仮想ロードポート制御装置19を介挿するだけで、本発明による制御を容易に実施することができ、また仮想ロードポート制御装置19を取り外すだけで、容易に従来の基板処理システムの構成に戻すこともできる。
【0064】
なお、仮想ロードポートV−LP2は、同じ物理ロードポートR−LP1に対応付けられた他の仮想ロードポートである。上述した搬入過程において、キャリア搬送システム7のOHT17が一つのFOUP3を搬送するために、基板処理装置5へ移動を開始した時点から、そのFOUP3が一つの仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1に実際に載置されるまでは、もう一つの仮想ロードポートである仮想ロードポートV−LP2への搬入が可能であると、仮想ロードポート制御装置19は、ホストコンピュータ9へ報告する。また、一つの仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1から内部バッファ15へFOUP3が搬送され始めた時点で、仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1に対応付けられている、仮想ロードポートV−LP1とは異なる他の仮想ロードポートV−LP2への搬入が可能であるとホストコンピュータ9へ報告する。
【0065】
したがって、ホストコンピュータ9は、上記の期間において、キャリア搬送システム7に対して、仮想ロードポートV−LP2を表すCS_1信号をONにして、同じ物理ロードポートR−LP1への搬入指示を行うことができる。したがって、搬入時に従来は占有されていた期間においても、ホストコンピュータ9が搬入の指示を行うことができる。したがって、効率的な搬入処理を行うことができる。
【0066】
なお、上記の例では、仮想ロードポートV−LP1へ搬送された先の(第1の)FOUP3の搬送が完了して、内部バッファ15への取り込まれ、その後、同一の物理ロードポートR−LP1へ割り当てられた仮想ロードポートV−LP2へ次の(第2の)FOUP3が搬入される。したがって、同一の物理ロードポートR−LP1への搬入で問題が生じることはない。もし仮に、先の(第1の)FOUP3が取り込まれるのに時間を要し、次の(第2の)FOUP3が同一の物理ロードポートR−LP1に到着した場合には、その場所で次の(第2の)FOUP3を待機させることになる。この制御は、例えば、次のような処理を行うことで実現可能である。すなわち、上記4で、対キャリア搬送システム制御部31に対してキャリア搬送システム7から仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入開始通知が入力された後には、その直後に引き続いて他の仮想ロードポートV−LP2への第2のFOUP3の搬入開始通知が入力されたとしても、その第2のFOUP3の搬入開始通知に対しては、次の5の段階に移らず保留しておく。そして、第1のFOUP3についての上記10の段階の物理ロードポートR−LP1への「搬入完了」通知が対ホスト制御部27に送信されたときに対ホスト制御部27から対キャリア搬送システム制御部31に通知してこの保留状態を解除すればよい。あるいは、他の処理として、上記4で、対キャリア搬送システム制御部31に対してキャリア搬送システム7から仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入開始通知が入力された後には、その時点から所定時間(例えば、ロードポート13から内部バッファ15への搬送が十分に行える時間)だけは他の仮想ロードポートV−LP2への搬入開始通知が入力されたとしても、その搬入開始通知は次の5の段階に移らず保留しておく、といったことも考えられる。
【0067】
そして、このように次なるFOUP3の搬入開始を保留したとしても、従来の基板処理システムのように内部バッファ15へFOUP3が取り込まれて物理ロードポートR−LP1が次の搬入を受けられるようになってから次の(第2の)FOUP3の搬送指示を行うものと比べると、本発明では早くから次なる(第2の)FOUP3の搬送を開始しているので、このような待機が生じても従来よりも効率的な搬送を行うことができる。
【0068】
<B:搬出処理>
【0069】
次に、図14〜図25,図27を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の搬出の流れについて説明する。
【0070】
なお、図14は、搬出処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。また、図15〜図25は、搬出処理時の過程を示す模式図であり、図15は、ホストコンピュータからの搬出指示を示すものであり、図16は、ホストコンピュータへの搬出可能の通知を示すものであり、図17は、ホストコンピュータからの搬出の指示を示すものであり、図18は、キャリア搬送システムの移動を示すものであり、図19は、キャリア搬送システムによる搬出開始を示すものであり、図20は、ロードポートの対応付けを示すものであり、図21は、仮想ロードポートの状態変化の報告を示すものであり、図22は、払い出しを示すものであり、図23は、キャリア搬送システムへの搬送要求を示すものであり、図24は、キャリア搬送システムによるFOUPの搬出を示すものであり、図25は、搬出状況の報告を示すものであり、図27は、搬出処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【0071】
以下の説明においては、図15に示すように、物理ロードポートR−LP1が二つの仮想ロードポートV−LP1,2に対応付けられ、物理ロードポートR−LP2が二つの仮想ロードポートV−LP3,4に対応付けられているものとする。また、ここでは、二つの仮想ロードポートV−LP3,4が搬出用に設定されているものとする。以下の説明においては、理解を容易にするために、仮想ロードポートV−LP3,4についてのみ説明する。
【0072】
1.ホストコンピュータ9は、基板処理装置5へ処理済の基板Wを収納したFOUP3の払い出しを指示する(図15)。ここでは、例えば、基板処理装置5の内部バッファ15に収容されている処理済のFOUP3を、順に図示しない次工程の基板処理装置あるいはFOUP3の保管庫に払い出すように指示したとする。かかる指示は、対ホスト制御部27および対ホスト制御部21を経由してロードポート管理部23へ伝えられる(図27では図示省略)。
【0073】
2.基板処理装置5は、指定されたFOUP3の物理ロードポートR−LP2へ払い出しが可能になったら、実際には払い出しを行うことなく、搬出可能であることをホストコンピュータ9へ通知する(図16)。
【0074】
さらに詳細に説明すると、まず、搬出用の物理ロードポートR−LP2を管理するロードポート管理部23が、物理ロードポートR−LP2および内部バッファ15の状態を確認する。そして、ホストコンピュータ9からの指示に対応して、内部バッファ15内に収納されている処理済のFOUP3a、3bが物理ロードポートR−LP2から「搬出可能」であることを認識する。これに基づき対ホスト制御部21がロードポート管理部23の認識を参照して、物理ロードポートR−LP2からFOUP3a、3bが「搬出可能」の通知を出力する。この出力は、従来の一般的な構成であれば、ホストコンピュータ5に直接送信されていたものである。しかし、本発明においては、対ホスト制御部21が出力した「搬出可能」の通知は、仮想ロードポート制御部19の対ホスト制御部27に送信される。対ホスト制御部27はこれを受けて、仮想ロードポート管理部29に送信し通知する。仮想ロードポート管理部29はこの通知を受けて、内部の変換テーブル記憶部33が記憶している変換テーブルを参照し、「搬出可能」と通知された物理ロードポートR−LP2が仮想ロードポートV−LP3,V−LP4と対応付けられていることを認識する。そして、仮想ロードポート管理部29は、「搬出可能」と通知された物理ロードポートR−LP2に代えて、仮想ロードポートV−LP3,V−LP4の両方から、FOUP3a、3bが「搬出可能」であると扱うように、対ホスト制御部27に通知する。対ホスト制御部27は、かかる通知に基づき、仮想ロードポートV−LP3,V−LP4の両方から、FOUP3a、3bが「搬出可能」であると、ホストコンピュータ9に通知する。
【0075】
3.ホストコンピュータ9は、キャリア搬送システム7に対して、指示されたFOUP3a、3bの引き取りを行うための搬送を指示する(図17)。
【0076】
4.キャリア搬送システム7は、搬出するため、指定されたFOUP3a、3bを有する基板処理装置5へ2台のOHT17a、17bを移動する(図18)。ここで、OHT17aはFOUP3aを仮想ロードポートV−LP3から、OHT17bはFOUP3bを仮想ロードポートV−LP4から、それぞれの搬出を担当するものとする。ここで、キャリア搬送システム7には、このときの搬送先である仮想ロードポートV−LP3,V−LP4の位置情報として、対応する物理ロードポートR−LP2の現実の位置が設定されており、キャリア搬送システム7のOHT17a、17bの移動は、実際には、物理ロードポートR−LP2への移動として実行されることになる。
【0077】
5.FOUP3aを搬出する予定のOHT17aが移動して基板処理装置5の仮想ロードポートV−LP3(物理ロードポートR−LP2)に到着すると、キャリア搬送システム7は、仮想ロードポートV−LP3からの搬出を開始するために、仮想ロードポートV−LP3を表すCS_0信号をONし、VALID信号(搬送開始)をONする(図19)。これらの信号は、対キャリア搬送システム制御部31を介して、仮想ロードポート管理部29が受信する。
【0078】
6.基板処理装置5は、CS_0信号を受けて、仮想ロードポートV−LP3を特定する(図20)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が仮想ロードポートV−LP3を特定する。
【0079】
7−1.基板処理装置5は、仮想ロードポートV−LP3での搬出が開始されたので、ホストコンピュータ9へ仮想ロードポートV−LP3の状態変化を報告する(図21)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が対ホスト制御部27を介してホストコンピュータ9へ報告を行う。
【0080】
7−2.報告を受けたホストコンピュータ9は、仮想ロードポートV−LP3での搬送が開始されたことを認識する(図21)。
【0081】
8.基板処理装置5は、指示されたFOUP3aを仮想ロードポートV−LP3に払い出す(図22)。実際には、仮想ロードポートV−LP3が物理ロードポートR−LP2に対応付けられているので、物理ロードポートR−LP2へFOUP3aを払い出すことになる。具体的に説明すると、上記6において仮想ロードポートV−LP3を特定した仮想ロードポート管理部29は、変換テーブル記憶部33が記憶している変換テーブルにより、特定した仮想ロードポートV−LP3が物理ロードポートR−LP2と対応していることを認識し、対キャリア搬送システム制御部31に対して物理ロードポートR−LP2からの搬出を指示する。対キャリア搬送システム制御部31はかかる指示を受けて、対キャリア搬送システム制御部25に対して物理ロードポートR−LP2からの搬出を通信指示する。対キャリア搬送システム制御部25はかかる通信を受けてロードポート管理部23に対して物理ロードポートR−LP2へのFOUP3aの搬出動作を指示するとともに、対キャリア搬送システム制御部31に対して物理ロードポートR−LP2からの「搬出開始」を要求する。なお、かかる要求信号は、従来の基板処理システムであれば、キャリア搬送システム7へ送信されたものであるが、本発明では仮想ロードポート制御部19の対キャリア搬送システム制御部31に送信される。ロードポート管理部23はかかる指示に基づき、内部バッファ15に格納されているFOUP3aを物理ロードポートR−LP2へ払い出す動作を行う。
【0082】
9.基板処理装置5は、キャリア搬送システム7に対して搬送要求を表す信号をONする(図23)。具体的には、対キャリア搬送システム制御部31は、対キャリア搬送システム制御部25からの上記物理ロードポートR−LP2からの「搬出開始」の要求信号が、上記5でキャリア搬送システム7から受けた、仮想ロードポートV−LP3からのFOUP3aの搬出通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対キャリア搬送システム制御部31は、かかる「搬出開始」の要求信号を、仮想ロードポートV−LP3からの「搬出開始」要求であるとして、キャリア搬送システム7に送信する。かかる要求信号として、対キャリア搬送システム制御部31は、キャリア搬送システム7に対してU_REQ信号をONする。このU_REQ信号は、アンロード・リクエストを意味する。
【0083】
10.キャリア搬送システム7は、仮想ロードポートV−LP3からFOUP3aを搬出する(図24)。実際には、仮想ロードポートV−LP3が物理ロードポートR−LP2に対応しているので、物理ロードポートR−LP2からFOUP3aを搬出する。
【0084】
11.基板処理装置5は、上述した搬出過程において、仮想ロードポートV−LP3において搬出が行われたことをホストコンピュータ9に対して報告する(図25)。具体的には、ロードポート管理部23が物理ロードポートR−LP2の状況を認識し、対ホスト制御部21,対ホスト制御部27を介して、ホストコンピュータ9に対して報告を行う。
【0085】
このとき、対ホスト制御部21は、ロードポート管理部23からの物理ロードポートR−LP2からの「搬出完了」報告を対ホスト制御部27に報告する。対ホスト制御部27は、対ホスト制御部21からのかかる「搬出完了」報告が、上記7で仮想ロードポート管理部29から受けた、仮想ロードポートV−LP3からのFOUP3aの搬出開始通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対ホスト制御部27は、かかる「搬出完了」の報告を、仮想ロードポートV−LP3からの「搬出完了」報告であるとして、ホストコンピュータ9に送信する。
【0086】
そして、その後、処理が完了した基板Wを収納した次のFOUP3cが内部バッファ15に搬送されると、物理ロードポートV−LP2が再び搬出可能な状態になる。すなわち、物理ロードポートR−LP2に対応する仮想ロードポートV−LP3が再び搬出可能な状態になるので、上記2と同様に、ロードポート管理部23が、物理ロードポートR−LP2の状態を「搬出可能」と認識する。これに応じて対ホスト制御部21がロードポート管理部23の認識を参照して、「搬出可能」の通知を仮想ロードポート制御装置19の対ホスト制御部27に送信する。対ホスト制御部27はこれを受けて、上記「搬出完了」報告と同様に、仮想ロードポートV−LP3が「搬出可能」になったと認識し、これをホストコンピュータ9に通知する。かかる「搬出可能」通知は、内部バッファ15へのFOUP3cの搬送のタイミングによっては、上記の「搬出完了」報告の直後であるかまたは若干遅れてなされることになる。なお、仮想ロードポートV−LP4が「搬出可能」であることは既に上記2で通知され、それに対応するOHT17bが既にFOUP3bを搬出するために基板処理装置5へ向かって移動を開始しているので、ここでは仮想ロードポートV−LP4に関する新たな通知は行われない。
【0087】
12.OHT17aより少し遅れてOHT17bが基板処理装置5に到着すると、上記4と同様に、キャリア搬送システム7は仮想ロードポートV−LP4からFOUP3bを搬出することを基板処理装置5に対して通知する。具体的には、キャリア搬送システム7は、CS_1(仮想ロードポートV−LP4を表す)をONにし、さらに搬送開始を示すVALID信号をONにして、対キャリア搬送システム制御部31に送信する。以下、上記と同様に、仮想ロードポートV−LP4からの搬出として、物理ロードポートR−LP2からの搬出が行われる。
【0088】
なお、仮想ロードポートV−LP4は、同じ物理ロードポートR−LP2に対応付けられた他の仮想ロードポートである。上述した搬出過程において、もし、上記搬出処理の1の段階において、内部バッファ15内に収納されている処理済のFOUPがFOUP3aのみであった場合でも、仮想ロードポート制御装置19はいつでも、その一つの仮想ロードポートV−LP3に対応する物理ロードポートR−LP2に割り当てられている他の仮想ロードポートV−LP4が搬出に利用可能であることをホストコンピュータ9へ通知する。
【0089】
したがって、ホストコンピュータ9は、上記の期間において、キャリア搬送システム7に対して、仮想ロードポートV−LP4を表すCS_1信号をONにして、同じ物理ロードポートR−LP2への搬出指示を行うことができる。したがって、効率的な搬出処理を行うことができる。
【0090】
このように本実施形態によれば、1つの物理ロードポートR−LP2に対して2つの仮想ロードポートV−LP3,V−LP4を割り当てて、その2つの仮想ロードポートV−LP3,V−LP4を割り当てて、その2つの仮想ロードポートV−LP3,V−LP4の両方が「搬出可能」であるとして、それぞれに対して同時に2台のOHT17を動かして搬送動作を行うことができ、1つの物理ロードポートR−LP2に対して1台のOHT17だけで搬送動作をしていた場合に比べて単位時間あたりに搬送可能なFOUPの個数を増大させることができる。換言すると、FOUP1つあたりの搬送に要する時間を短縮できる。
【0091】
また、図27から明らかなように、仮想ロードポート制御装置19は、基板処理装置5がもともと備えている対ホスト制御部21および対キャリア搬送システム制御部25に対しては物理ロードポートR−LP2に関する信号だけを扱い、ホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7に対しては仮想ロードポートV−LP3,V−LP4に関する信号だけを扱う。すなわち、仮想ロードポート制御装置19は、基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7との間にあって、物理ロードポートR−LP2と仮想ロードポートV−LP3,V−LP4との対応付けと信号の変換を行っている。したがって、従来の基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7のハードウエア、ソフトウエアの構成は何ら変更することなく、それらの間に仮想ロードポート制御装置19を介挿するだけで、本発明による制御を容易に実施することができ、また仮想ロードポート制御装置19を取り外すだけで、容易に従来の基板処理システムの構成に戻すこともできる。
【0092】
上述したように、本実施例装置によると、仮想ロードポート制御装置19は、物理ロードポートR−LP1,2に対してそれぞれ2個の仮想ロードポートV−LP1,2、V−LP3,4を割り当てる。さらに、仮想ロードポート制御装置19は、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して、4個の仮想ロードポートV−LP1,2,3,4を4個の物理ロードポートとして扱わせる。したがって、現実の物理ロードポートの個数以上にロードポートが存在するようにFOUP3の搬送を行うことができ、見かけ上、ロードポートの個数を増加させることができる。その結果、装置コストを抑制しつつも、FOUP3の搬送効率を向上させることができる。
【0093】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0094】
(1)上述した実施例では、一つの物理ロードポートR−LP1に対して二つの仮想ロードポートV−LP1,2を割り当てた。本発明はこれに限定されるものではない。例えば、一つの物理ロードポートR−LP1に3つ以上の仮想ロードポートを割り当てるようにしてもよい。
【0095】
(2)上述した実施例では、一つの物理ロードポートR−LP1に二つの仮想ロードポートV−LP1,2を割り当て、また他の物理ロードポートR−LP2に仮想ロードポートV−LP3,4を割り当て、それらを搬入または搬出の一方に割り当てた。本発明は、これ以外に、一つの物理ロートポートに割り当てられた二つの仮想ロードポートのうち、一方を搬入に割り当て、他方を搬出に割り当てるようにしてもよい。また、搬入用または搬出用のいずれか一方のみに仮想ロードポートを割り当てるようにしてもよい。
【0096】
(3)上述した実施例では、設定部35を介して変換テーブル記憶部33に記憶されている変換テーブルを固定的な設定としたが、それらを状況に応じて適宜に書き換えることにより、仮想ロードポートの使用/不使用や、仮想ロードポートの割り当てを動的に変更することができる。したがって、基板処理システム1の状況に応じた柔軟な運用を行うことができる。例えば、搬入を速く行いたいときには、搬入に搬入に割り当てる仮想ロードポートを増やせばよい。
【0097】
(4)上述した実施例では、キャリア搬送システム7がOHT17を備える場合を例示したが、これに代えてAGV(Automatic Guided Vehicle)を採用してもよい。
【0098】
(5)上記実施形態では、一般的な基板処理装置とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7の間に、仮想ロードポート制御装置19を後付で介挿させて構成したものであり、一般的な基板処理装置または工場等に既に設置された既存の基板処理装置に、本発明の仮想ロードポート制御装置19を付加することで、FOUPの搬送効率を向上させたものであるが、これに限らず、例えば、ロードポート制御装置20と、仮想ロードポート制御装置19の両方の機能を有する一つの制御装置として、当初から基板処理装置5に組み込んだものとしてもよい。また、仮想ロードポート制御装置19を基板処理装置5とは独立して、ホストコンピュータ9とキャリア搬送システム7の間に設置してもよい。また、仮想ロードポート制御装置19の機能をホストコンピュータ9に一体的に組み込んでもよい。
【0099】
(6)上記実施形態によれば、基板処理装置5に対するFOUP3の搬入時と搬出時の両方において、2台のOHT17が2つの仮想ロードポートに対して同時に搬送動作を行った。これは、例えば、搬入時においては、内部バッファ15に十分な空き容量がある場合に有効であり、搬出時においては、内部バッファ15に搬出すべきFOUPが十分に収納されている場合に有効である。仮に、搬入時において、内部バッファ15にFOUP一つ分の空き容量しかない場合には、同時に2台のOHT17が2つの仮想ロードポートに対して同時に搬送動作を行うと、基板処理装置5へ搬送したFOUPを搬入しても内部バッファ15に収納すべき場所がなく、OHT17が長時間、基板処理装置5の前で待たされる、といったことが起こりえる。また、仮に、搬出時において、内部バッファ15にFOUP一つしか収納されていない場合には、同時に2台のOHT17が2つの仮想ロードポートに対して同時に搬送動作を行うと、2台目のOHT17が基板処理装置5へ到着しても、そのOHT17が搬出すべきFOUPが存在せず、OHT17が長時間、基板処理装置5の前で待たされる、といったことが起こりえる。したがって、仮想ロードポート生魚装置19によるホストコンピュータ9への「搬入可能」あるいは「搬出可能」の通知は、内部バッファ15の状態を考慮して、内部バッファ15に十分な空き容量がある場合、あるいは、内部バッファ15に搬出すべきFOUPが十分に収納されている場合であることを判断または確認し、その場合に限り行うようにすることが好ましい。かかる判断または確認は、ロードポート管理部23が認識している内部バッファ15の状態を、ロードポート管理部23から直接、あるいは対ホスト制御部21を経由して仮想ロードポート制御装置19が受信する構成とすれば可能である。
【符号の説明】
【0100】
W … 基板
1 … 基板処理システム
3 … FOUP
5 … 基板処理装置
7 … キャリア搬送システム
9 … ホストコンピュータ
11 … 基板処理ユニット
13 … ロードポート
15 … 内部バッファ
17 … OHT
19 … 仮想ロードポート制御装置
29 … 仮想ロードポート管理部
R−LP1,2 … 物理ロードポート
V−LP1,2,3,4 … 仮想ロードポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備えた基板処理装置と、前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、を備えた基板処理システムにおける制御装置であって、
前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロートポート制御装置を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備えた基板処理装置と、前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、を備えた基板処理システムによる基板処理方法であって、
前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示することを特徴とする基板処理方法。
【請求項3】
基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備えた基板処理装置と、
前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、
を備えた基板処理システムにおいて、
前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置を備えることを特徴とする基板処理システム。
【請求項4】
基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートと、当該物理ロードポートの動作を制御する物理ロードポート制御装置とを備えた基板処理装置と、
前記収納器を搬送して前記物理ロードポートに対する搬送動作を行うキャリア搬送システムと、
を備えた基板処理システムの運用方法において、
前記ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置を、前記物理ロードポート制御装置と、前記キャリア搬送システムとの間に介在させることを特徴とする基板処理システムの運用方法。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理システムの運用方法において、
前記仮想ロードポート制御装置は、前記物理ロードポート制御装置からのキャリア搬送システムに対する信号を前記仮想的なロードポートからの信号に変換して前記キャリア搬送システムに送信し、前記キャリア搬送システムからの前記仮想的なロードポートに対する信号を前記物理ロードポートに対する信号に変換して前記物理ロードポート制御装置に送信するものであることを特徴とする基板処理システムの運用方法。
【請求項6】
請求項1に記載の制御装置において、
前記仮想ロードポート制御装置は、前記物理ロードポート1台に対して複数の仮想的なロードポートを割り当てることを特徴とする制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の制御装置において、
前記仮想ロードポート制御装置による前記仮想的なロードポートへの搬送動作の指示は、当該仮想的なロードポートが割り当てられている物理ロードポートの所在場所まで搬送動作を行う指令であることを特徴とする制御装置。
【請求項8】
基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しした収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、
収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、
前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおける前記ロードポートを制御するロードポート制御装置において、
前記物理ロードポートに対して複数個の仮想ロードポートを割り当てるとともに、前記キャリア搬送システムと、前記ホストコンピュータとに対して、前記複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる仮想ロードポート管理部を備えていることを特徴とするロードポート制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載のロードポート制御装置において、
前記仮想ロードポート管理部は、
前記複数個の仮想ロードポートと、前記物理ロードポートとの対応関係を規定した変換テーブルを備え、前記複数個の仮想ロードポートを搬入用に設定した場合には、
(A1)前記仮想ロートポート管理部は、前記ホストコンピュータに対して前記複数個の仮想ロードポートごとに搬入可能であるか否かを通知し、
(A2)前記ホストコンピュータは、前記キャリア搬送システムに対して収納器を前記複数個の仮想ロードポートのいずれか一つに搬入するための指示を行い、
(A3)前記キャリア搬送システムは、指示された一つの仮想ロードポートに収納器を搬送するために、収容器を保持したまま前記基板処理装置に移動し、
(A4)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートへの収納器の搬入を開始するために、前記一つの仮想ロードポートへ収納器を搬入することを前記仮想ロードポート管理部に通知し、
(A5)前記仮想ロードポート管理部は、前記変換テーブルに基づいて、前記一つの仮想ロードポートを一つの物理ロードポートに対応付け、
(A6)前記仮想ロードポート管理部は、前記一つの仮想ロードポートへの収納器の搬入が開始されたことを前記ホストコンピュータへ通知し、
(A7)前記仮想ロードポート管理部は、前記一つの仮想ロードポートへの搬入を受け付け、前記キャリア搬送システムに対して搬入要求を行い、
(A8)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートに割り当てられた物理ロードポートへ収納器を搬送し、
(A9)前記基板処理装置は、前記一つの仮想ロードポートに搬入された収納器を、前記内部バッファに搬送し、
(A10)前記仮想ロードポート管理部は、前記搬入過程において、前記一つの仮想ロードポートへの搬入状況を前記ホストコンピュータへ通知する際に、指示された一つの収納器を前記キャリア搬送システムが搬送するために、前記基板処理装置へ前記キャリア搬送システムが移動を開始した時点から、指示された一つの収納器が前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに載置される前まで、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知し、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートから前記内部バッファへ収納器が搬送され始めた時点で、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知することを特徴とするロードポート制御装置。
【請求項10】
請求項8に記載のロードポート制御装置において、
前記仮想ロードポート管理部は、
前記複数個の仮想ロードポートと、前記物理ロードポートとの対応関係を規定した変換テーブルを備え、前記複数個の仮想ロードポートを搬出用に設定した場合には、
(B1)前記ホストコンピュータは、前記基板処理装置に対して、複数個の仮想ロードポートのうちのいずれか一つに対して、指示した収納器を払い出すことを指示し、
(B2)前記基板処理装置は、指示された収納器が前記一つの仮想ロードポートへ払い出しが可能になったら、搬出可能であることを前記ホストコンピュータへ通知し、
(B3)前記ホストコンピュータは、前記キャリア搬送システムに対して、指示された収納器の搬送を行うための指示を行い、
(B4)前記キャリア搬送システムは、指示された収納器を有する前記基板処理装置に移動し、
(B5)前記キャリア搬送システムは、指示された収納器を前記一つの仮想ロードポートから搬出するために、前記一つの仮想ロードポートへ収納器を払い出すように前記仮想ロードポート管理部に指示し、
(B6)前記仮想ロードポート管理部は、前記変換テーブルに基づいて、前記一つの仮想ロードポートを一つの物理ロードポートに対応付け、
(B7)前記基板処理装置は、指示された収納器が前記一つの仮想ロードポートに対して払い出しされ始めたことを前記ホストコンピュータへ通知し、
(B8)前記基板処理装置は、前記一つの仮想ロードポートに割り当てられた物理ロードポートに対して、指示された収納器を払い出し、
(B9)前記基板処理装置は、前記キャリア搬送システムに対して搬出要求を通知し、
(B10)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートから前記収納器を搬出し、
(B11)前記仮想ロードポート管理部は、前記搬出過程において、前記一つの仮想ロードポートからの搬出状況を前記ホストコンピュータへ通知する際に、指示された収納器が、前記内部バッファから前記一つの仮想ロードポートに対応する前記物理ロードポートへ払い出しされた時点から、前記収納器が前記キャリア搬送システムにより前記物理ロードポートから搬出され始めた時点までの間を除いて、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬出に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知することを特徴とするロードポート制御装置。
【請求項11】
請求項8または9に記載のロードポート制御装置において、
前記仮想ロードポート管理部は、
前記複数個の仮想ロードポートを搬入用のみに設定することを特徴とするロードポート制御装置。
【請求項12】
請求項8または10に記載のロードポート制御装置において、
前記仮想ロードポート管理部は、
前記複数個の仮想ロードポートを搬出用のみに設定することを特徴とするロードポート制御装置。
【請求項13】
請求項8に記載のロードポート制御装置において、
前記仮想ロードポート管理部は、
前記複数個の仮想ロードポートを搬入用または搬出用に設定することを特徴とするロードポート制御装置。
【請求項14】
基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しした収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、
収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、
前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータと、
前記物理ロードポートに対して複数個の仮想ロードポートを割り当てるとともに、前記キャリア搬送システムと、前記ホストコンピュータとに対して、前記複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる仮想ロードポート管理部を備えているロードポート制御装置と、
を備えたことを特徴とする基板処理システム。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理システムにおいて、
前記仮想ロードポート管理部は、
前記複数個の仮想ロードポートと、前記物理ロードポートとの対応関係を規定した変換テーブルを備え、前記複数個の仮想ロードポートを搬入用に設定した場合には、
(A1)前記仮想ロートポート管理部は、前記ホストコンピュータに対して前記複数個の仮想ロードポートごとに搬入可能であるか否かを通知し、
(A2)前記ホストコンピュータは、前記キャリア搬送システムに対して収納器を前記複数個の仮想ロードポートのいずれか一つに搬入するための指示を行い、
(A3)前記キャリア搬送システムは、指示された一つの仮想ロードポートに収納器を搬送するために、収容器を保持したまま前記基板処理装置に移動し、
(A4)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートへの収納器の搬入を開始するために、前記一つの仮想ロードポートへ収納器を搬入することを前記仮想ロードポート管理部に通知し、
(A5)前記仮想ロードポート管理部は、前記変換テーブルに基づいて、前記一つの仮想ロードポートを一つの物理ロードポートに対応付け、
(A6)前記仮想ロードポート管理部は、前記一つの仮想ロードポートへの収納器の搬入が開始されたことを前記ホストコンピュータへ通知し、
(A7)前記仮想ロードポート管理部は、前記一つの仮想ロードポートへの搬入を受け付け、前記キャリア搬送システムに対して搬入要求を行い、
(A8)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートに割り当てられた物理ロードポートへ収納器を搬送し、
(A9)前記基板処理装置は、前記一つの仮想ロードポートに搬入された収納器を、前記内部バッファに搬送し、
(A10)前記仮想ロードポート管理部は、前記搬入過程において、前記一つの仮想ロードポートへの搬入状況を前記ホストコンピュータへ通知する際に、指示された一つの収納器を前記キャリア搬送システムが搬送するために、前記基板処理装置へ前記キャリア搬送システムが移動を開始した時点から、指示された一つの収納器が前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに載置される前まで、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知し、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートから前記内部バッファへ収納器が搬送され始めた時点で、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬入に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知することを特徴とする基板処理システム。
【請求項16】
請求項14に記載の基板処理システムにおいて、
前記仮想ロードポート管理部は、
前記複数個の仮想ロードポートと、前記物理ロードポートとの対応関係を規定した変換テーブルを備え、前記複数個の仮想ロードポートを搬出用に設定した場合には、
(B1)前記ホストコンピュータは、前記基板処理装置に対して、複数個の仮想ロードポートのうちのいずれか一つに対して、指示した収納器を払い出すことを指示し、
(B2)前記基板処理装置は、指示された収納器が前記一つの仮想ロードポートへ払い出しが可能になったら、搬出可能であることを前記ホストコンピュータへ通知し、
(B3)前記ホストコンピュータは、前記キャリア搬送システムに対して、指示された収納器の搬送を行うための指示を行い、
(B4)前記キャリア搬送システムは、指示された収納器を有する前記基板処理装置に移動し、
(B5)前記キャリア搬送システムは、指示された収納器を前記一つの仮想ロードポートから搬出するために、前記一つの仮想ロードポートへ収納器を払い出すように前記仮想ロードポート管理部に指示し、
(B6)前記仮想ロードポート管理部は、前記変換テーブルに基づいて、前記一つの仮想ロードポートを一つの物理ロードポートに対応付け、
(B7)前記基板処理装置は、指示された収納器が前記一つの仮想ロードポートに対して払い出しされ始めたことを前記ホストコンピュータへ通知し、
(B8)前記基板処理装置は、前記一つの仮想ロードポートに割り当てられた物理ロードポートに対して、指示された収納器を払い出し、
(B9)前記基板処理装置は、前記キャリア搬送システムに対して搬出要求を通知し、
(B10)前記キャリア搬送システムは、前記一つの仮想ロードポートから前記収納器を搬出し、
(B11)前記仮想ロードポート管理部は、前記搬出過程において、前記一つの仮想ロードポートからの搬出状況を前記ホストコンピュータへ通知する際に、指示された収納器が、前記内部バッファから前記一つの仮想ロードポートに対応する前記物理ロードポートへ払い出しされた時点から、前記収納器が前記キャリア搬送システムにより前記物理ロードポートから搬出され始めた時点までの間を除いて、前記一つの仮想ロードポートに対応する物理ロードポートに割り当てられている他の仮想ロードポートが搬出に利用可能であることを前記ホストコンピュータへ通知することを特徴とする基板処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−16665(P2013−16665A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148772(P2011−148772)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】