説明

半導体ウエハ収納容器

【課題】半導体ウエハ全面を均等に押さえることができ、複数の厚みの半導体ウエハや、反った半導体ウエハにも、同一仕様の収納方法により対応ができ、半導体ウエハの割れを防止することができる半導体ウエハの収納容器および収納方法を提供する。
【解決手段】積層可能な複数のトレイ2と、積層された複数のトレイを密封して覆うラミネート袋10とを備え、ラミネート袋が真空脱気されて用いられる。トレイは、上下が開口した筒状の本体部と、本体部の内腔を上下の空間に区画する隔壁14と、隔壁より上部の本体部を貫通した通気孔5とを有し、隔壁によりウエハ載置部が形成され、隔壁の下部の空間により気体室7が形成され、気体室の開口部は、気体室を不通気に密閉する伸縮可能な密閉膜8により封口されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハの運搬、保管に使用する半導体ウエハ収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばガリウム砒素ウエハのようにシリコンウエハよりさらに脆弱で割れやすいウエハを収納可能な半導体ウエハ収納容器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図17は、従来の半導体ウエハ収納容器101に半導体ウエハ109を収納した状態を示す断面図である。図18は、トレイ102とトレイ102に載置された半導体ウエハ109の配置関係を示す断面図である。
【0004】
トレイ102は、円形の合成樹脂シートの周縁部分の一定範囲をシートと同心上の環状に立ち上がらせた突起部114と、突起部114内側に平坦に形成されたウエハ載置部103とを有する。突起部114は、断面が中空の台形をなし、内周壁面と、外周壁面との立ち上がり角度を末広がり状に拡径している。ウエハ載置部103には、上下面をウエハ保護シート115で挟まれた半導体ウエハ109が載置される。
【0005】
半導体ウエハ109を載置したトレイ102を2段以上積み重ね、クッション129、130を介してその積層体を輸送容器121(図17参照)に格納する。輸送容器121は、容器本体122と、容器本体122を覆う蓋体123と、蓋体123を容器本体122に固定するための保持具124とを有している。保持具124は、側面視がコの字形状にされたもので、容器本体122と、蓋体123との周囲の複数箇所(例えば、2〜4箇所)に設けられて容器本体122と蓋体123とを上下から一体的に把持する。
【0006】
容器本体122は、円形の底板125と、底板125の上面の左右にそれぞれ所定高さでもって立設された上面視が円弧状の保持部材126とを有する。両保持部材126の内側に、複数個のトレイ102が積層して収納される。
【0007】
また、蓋体123は、円形の蓋板127と、蓋板127の下面に設けられて、左右の保持部材126を外側から且つ全周囲に亘って囲うように形成された円筒状の側壁部材128とを有する。なお、この側壁部材128は、容器本体122の保持部材126と略同一高さに形成されている。
【0008】
次に、半導体ウエハ収納容器101に半導体ウエハ109を収納する方法について、図19A〜図19Hに基づき説明する。図19Bおよび図19Dは、それぞれ図19Aおよび図19CのH−H線に沿った断面図である。
【0009】
まず、図19Aおよび図19Bに示すように、空状態の容器本体122を準備し、次に図19Cおよび図19Dに示すように、底板125の上面に円形の下部クッション材129を緩衝用として配置する。その後、トレイ102を、両保持部材126間に収納する。次に、上下面をウエハ保護シート115ではさんだ半導体ウエハ109をトレイ102のウエハ載置部103上に載置する。次に、トレイ102上に別のトレイ102を配置して半導体ウエハ109をトレイ102上に載置する。
【0010】
これを繰り返し、図19Eに示すように、所定数のトレイ102を積み重ねる。そして、半導体ウエハ109が収納されたトレイ102の最上段の上には、空のトレイ102を蓋として配置する。次に、積層された最上部の空トレイ102の上面に円形の上部クッション材130を配置した後、蓋体123でトレイ102の全体を覆う。蓋体123でトレイ102の全体を覆うことにより、クッション材129、130が圧縮され、その圧縮力を各段のトレイ102に作用させることにより、トレイ102を固定することができるとともに、外部から半導体ウエハ109へ伝わる振動を低減することができる。また、トレイ102は、突起部114が上部のトレイ102の突起部114の裏側にはまり込み固定されるため、ウエハ載置部103に空間が生じ、重量や締め付け力によって半導体ウエハ109が破損することを防止することができる。
【0011】
次に、図19Fに示すように、複数個の固定具124により、蓋体123を容器本体122に対して固定する。次に、図19Gに示すように、輸送容器121全体をラミネート袋110で覆う。ラミネート袋110は、表面に帯電防止コーティングがされたものであり、樹脂のみで構成されたものでも、樹脂層の間にアルミニウム箔を挟んだものでもよい。そして、ラミネート袋110内の空気をポンプにより排出する。そして、空気が排出された状態を維持したまま、図17に示すように、ラミネート袋110の開口部を熱と圧力を印加し、溶着させる(袋熱圧着部111)。なお、蓋体123と容器本体122には、空気の排出を行いやすくするために、通気孔を設けてもよい。
【0012】
この収納構造によれば、上段のトレイ102の突起部114の裏側に下段のトレイ102の突起部114がはまり込み、ウエハ載置部103に所定の空間が生じることにより、トレイ102に載置された半導体ウエハ109に重量の負担がかからない。このため、多段に積層しても各トレイ102内の半導体ウエハ109の破損を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−191419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
半導体ウエハ収納容器101は、上段のトレイ102の突起部114の裏側に、下段のトレイ102の突起部114がはまり込む構造であるため、半導体ウエハ109の厚さに応じてウエハ載置部103に生じる空間の高さを調整することができない。そこで、隙間を埋めるウエハ保護シート115の枚数を増減して、半導体ウエハ109をトレイ102に固定しなければならない。ウエハ保護シート115が少な過ぎた場合には、半導体ウエハ109が回転し半導体ウエハ表面に傷が付く。また、多過ぎた場合には上部のトレイ102に接触し、半導体ウエハ109を過度に押さえつけることになり、半導体ウエハ109が割れることがある。また、薄く削った半導体ウエハ109は、反りやすく、図20の破線で囲んだ領域に示すように、半導体ウエハ109の外周部の一部が上部のトレイ102に接触することで、反った部分に上段のトレイ102から力が加わり、半導体ウエハ109が割れるという問題がある。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みたものであり、半導体ウエハ全面を均等に押さえることができ、複数の厚みの半導体ウエハや、反った半導体ウエハにも、同一仕様の収納方法により対応ができ、半導体ウエハの割れを防止することができる半導体ウエハの収納容器および収納方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の半導体ウエハ収納容器は、積層可能な複数のトレイと、積層された前記複数のトレイを密封して覆うラミネート袋とを備え、前記ラミネート袋が真空脱気されて用いられる。上記課題を解決するために、前記トレイは、上下が開口した筒状の本体部と、前記本体部の内腔を上下の空間に区画する隔壁と、前記隔壁より上部の前記本体部を貫通した通気孔とを有し、前記隔壁によりウエハ載置部が形成され、前記隔壁の下部の空間により気体室が形成され、前記気体室の開口部は、前記気体室を不通気に密閉する伸縮可能な密閉膜により封口されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第2の半導体ウエハ収納容器は、積層可能な複数のトレイと、積層された前記複数のトレイを密封して覆うラミネート袋とを備え、前記ラミネート袋が真空脱気されて用いられる。上記課題を解決するために、前記トレイは、上下が開口した筒状の本体部と、前記本体部の内腔を上下の空間に区画する隔壁と、前記隔壁より上部の前記本体部を貫通した通気孔とを有し、前記隔壁によりウエハ載置部が形成され、前記隔壁の下部の空間により気体室が形成され、前記気体室の開口部は、前記気体室を不通気に密閉する、半導体ウエハが載置されたダイシングシートにより封口されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第3の半導体ウエハ収納容器は、積層可能な複数のトレイと、積層された前記複数のトレイを密封して覆うラミネート袋とを備え、前記ラミネート袋が真空脱気されて用いられる。上記課題を解決するために、前記トレイは、上下が開口した筒状の本体部と、前記本体部の内腔を上下の空間に区画する隔壁と、前記隔壁より上部の前記本体部を貫通した通気孔とを有し、前記隔壁によりウエハ載置部が形成され、前記隔壁の下部の空間により気体室が形成され、前記気体室の開口部は、前記気体室を不通気に密閉する密閉膜により封口され、前記密閉膜は、たわむように前記開口部を封口していることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第1の半導体ウエハの収納方法は、上記第1の半導体ウエハ収納容器における複数のトレイのウエハ載置部に、それぞれ半導体ウエハを載置し、前記半導体ウエハが載置されたトレイを積層し、前記積層されたトレイを上記ラミネート袋で覆った後に、前記ラミネート袋を真空脱気する。
【0020】
また、本発明の第2の半導体ウエハの収納方法は、上記複数のダイシングシートに、それぞれ半導体ウエハを載置し、上記第2の半導体ウエハ収納容器におけるトレイの開口部にダイシングシートを貼り付け、前記トレイを積層し、前記積層されたトレイを上記ラミネート袋で覆った後に、前記ラミネート袋を真空脱気する。
【0021】
また、本発明の第3の半導体ウエハの収納方法は、上記第3の半導体ウエハ収納容器における複数のトレイのウエハ載置部に、それぞれ半導体ウエハを載置し、前記半導体ウエハが載置されたトレイを積層し、前記積層されたトレイを上記ラミネート袋で覆った後に、前記ラミネート袋を真空脱気する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ウエハ載置部の下部が、底面が不通気性の伸縮可能な密閉膜により密閉された気体室を有しているトレイを用いて、伸縮可能な密閉膜により、半導体ウエハ全面を均等に押さえることにより、複数種の厚みの半導体ウエハや、反った半導体ウエハにも、同一仕様の収納方法により対応ができ、半導体ウエハの割れを防止することができる半導体ウエハの収納容器および収納方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納した状態を示す断面図
【図2A】同上半導体ウエハ収納容器のトレイの構成を示す下面図
【図2B】図2AのA−A線に沿った断面図
【図3A】実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納する工程を示す工程断面図
【図3B】図3Aの次の工程を示す断面図
【図3C】図3Bの次の工程を示す断面図
【図4A】実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器の別のトレイの底面を示す下面図
【図4B】図4AのB−B線に沿った断面図
【図5】本発明の実施の形態2に係る半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納した状態を示す断面図
【図6A】同上半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納する工程を示す工程断面図
【図6B】図6Aの次の工程を示す断面図
【図6C】図6Bの次の工程を示す断面図
【図7A】実施の形態2に係る半導体ウエハ収納容器のトレイの構成を示す下面図
【図7B】図7AのC−C線に沿った断面図
【図8A】実施の形態2における半導体ウエハが配置されたダイシングシートを示す上面図
【図8B】図8AのD−D線に沿った断面図
【図9A】実施の形態2におけるトレイにダイシングシートを装着した状態の下面図
【図9B】図9AのE−E線に沿った断面図
【図10】本発明の実施の形態3に係る半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納した状態を示す断面図
【図11A】同上半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納する工程を示す工程上面図
【図11B】図11AのF−F線に沿った断面図
【図11C】図11Aの次の工程を示す上面図
【図11D】図11CのF−F線に沿った断面図
【図11E】図11Dの次の工程を示す断面図
【図11F】図11Eの次の工程を示す断面図
【図11G】図11Fの次の工程を示す断面図
【図11H】図11Gの次の工程を示す断面図
【図12】本発明の実施の形態4に係る半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納した状態を示す断面図
【図13A】同上半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納する工程を示す工程断面図
【図13B】図13Aの次の工程を示す断面図
【図13C】図13Bの次の工程を示す断面図
【図13D】図13Cの次の工程を示す断面図
【図13E】図13Dの次の工程を示す断面図
【図13F】図13Eの次の工程を示す断面図
【図14】本発明の実施の形態5に係る半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納した状態を示す断面図
【図15A】実施の形態5に係る半導体ウエハ収納容器のトレイの構成を示す下面図
【図15B】図15AのG−G線に沿った断面図
【図16A】同上半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納する工程を示す工程断面図
【図16B】図16Aの次の工程を示す断面図
【図16C】図16Bの次の工程を示す断面図
【図17】従来の半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納した状態を示す断面図
【図18】同上半導体ウエハ収納容器のトレイとトレイに載置された半導体ウエハの配置関係を示す断面図
【図19A】同上半導体ウエハ収納容器に半導体ウエハを収納する工程を示す工程上面図
【図19B】図19AのH−H線に沿った断面図
【図19C】図19Aの次の工程を示す上面図
【図19D】図19CのH−H線に沿った断面図
【図19E】図19Dの次の工程を示す断面図
【図19F】図19Eの次の工程を示す断面図
【図19G】図19Fの次の工程を示す断面図
【図20】同上半導体ウエハ収納容器のトレイに載置された半導体ウエハを示す拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の半導体ウエハ収納容器および半導体ウエハの収納方法は、上記構成および方法を基本として以下のような種々の態様をとることができる。本発明の第1〜3の半導体ウエハ収納容器において、前記積層されたトレイを、緩衝材を介して格納する輸送容器を備えた構成にすることができる。
【0025】
また、本発明の第1〜3の半導体ウエハの収納方法において、前記積層したトレイを前記ラミネート袋で覆う前に、前記積層したトレイを、緩衝材を介して輸送容器に格納してもよい。
【0026】
以下、本発明の半導体ウエハ収納容器における実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器1aに半導体ウエハ9を収納した状態を示す断面図である。半導体ウエハ9を収納したトレイ2が多段に積層され、積層されたトレイ2がラミネート袋10で覆われている。なお、図1におけるラミネート袋10内は、脱気されてラミネート袋10とトレイ2は接しているが、見易さを考慮してラミネート袋10との間に隙間を空けて描いている。
【0028】
図2Aはトレイ2の構成を示す下面図であり、図2Bは図2AのA−A線に沿った断面図である。トレイ2は、導電性フィラーが添加された導電性プラスチックス、あるいはポリマーアロイ処理された導電性プラスチックスを素材として一体成形されている。添加される導電性フィラーとして、カーボンブラック、グラファイトカーボン、グラファイト、炭素繊維、金属粉末、金属繊維、金属酸化物の粉末、並びに金属コートされた無機質微粉末、有機質微粉末および繊維が使用できる。また、トレイ2の導電処理として、表面に導電性または、帯電防止の物質を塗布しても良い。
【0029】
トレイ2は、上下が開口した筒状であり、筒の内腔が隔壁14により上下の空間に区画された形状である。ウエハ載置部3は、トレイ2の隔壁14により形成され、半導体ウエハ9が載置可能である。外周壁4は、トレイ2の隔壁より上部の筒状部分であり、トレイ2が多段に積層可能なように形成されている。外周壁4には、ウエハ載置部3側と外側とを貫通する通気孔5が複数形成されている。
【0030】
トレイ2のウエハ載置部3が形成された面の裏面には、トレイ2の隔壁14により形成され、図2Bの下側向きに開口を有する凹部形状の気体室7が形成されている。気体室7の開口には、不通気性の伸縮可能な密閉膜8が設けられ、気体室7が不通気に密閉されている。密閉膜8は、例えば導電性または表面に帯電防止性能が施された、ゴムまたは樹脂フィルムで構成されている。
【0031】
図1に示すように、ラミネート袋10は、表面に帯電防止コーティングが施されたものであり、樹脂のみで構成されたものでも、樹脂層の間にアルミニウム箔を挟んだものでもよい。ラミネート袋10は、半導体ウエハを収納時に、袋熱圧着部11が溶着されることにより、密封可能である。
【0032】
以上のような構成により、本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1aは、ラミネート袋10内の気圧を下げてラミネート袋10を密封すると、気体室7の圧力がラミネート袋10内の圧力より大きくなり、図1に示すように、密閉膜8が伸びて半導体ウエハ9を押圧する。このため、半導体ウエハ9はウエハ載置部3に固定される。
【0033】
次に、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1aに収納する工程について、図面を参照しながら説明する。図3A〜3Cは、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1aに収納する工程を示す工程断面図である。
【0034】
まず、図3Aに示すように、半導体ウエハ9をトレイ2のウエハ載置部3上に載置する。そして、そのトレイ2上に別のトレイ2を重ねる。さらに半導体ウエハ9を別のトレイ2のウエハ載置部3上に載置する。これを繰り返し、所定数のトレイ2を積層する。積層されたトレイ2の最上段のトレイ2は、ウエハ載置部3に半導体ウエハ9を載置せず、蓋として用いる。なお、この状態においては、ウエハ載置部3に載置された半導体ウエハ9は、上部のトレイ2の密閉膜8と接触しておらず、ウエハ載置部3と、外周壁4と、密閉膜8とで載置空間6が形成されている。
【0035】
次に、図3Bに示すように、積層されたトレイ2全体をラミネート袋10で覆う。次に、図3Cに示すように、ラミネート袋10内の空気をポンプ(図示せず)により排出する。ラミネート袋10内の空気を排出することにより、載置空間6の空気が通気孔5から排出されて載置空間6の気圧が下がる。このため、密閉されている気体室7中の気体が膨張し、伸縮可能な密閉膜8が半導体ウエハ9の方向へ伸張する。さらに、排気を行うと、密閉膜8が半導体ウエハ9全面を均等に覆い、半導体ウエハ9がトレイ2のウエハ載置部3に固定される。
【0036】
最後に、図1に示すように、気体室7以外の空気が排出された状態を維持したまま、ラミネート袋10の開口部を熱と圧力を印加して溶着させ(袋熱圧着部11)、ラミネート袋10を密封する。
【0037】
以上のような工程により、半導体ウエハ9をウエハ載置部3に固定して、半導体ウエハ収納容器1a内に収納することができる。
【0038】
本実施の形態では、気体室7の開口がトレイ2の底面全面に形成され、密閉膜8がトレイ2の底面全面を覆う構成を示したが、密閉膜8がトレイ2の底面の1部のみを覆う構成にすることもできる。図4Aはトレイ2bの底面を示す下面図であり、図4Bは図4AのB−B線に沿った断面図である。トレイ2bの底面に複数の開口が設けられ、開口ごとに密閉膜8bが配置されている。この構成においても、積層されたトレイ2bの一段下の載置空間6の気圧が下がると、密閉膜8bが伸張しウエハ載置部3上の半導体ウエハ9を固定することができる。
【0039】
(実施の形態2)
実施の形態1においては、トレイ2に伸縮可能な密閉膜8を取り付けたが、半導体ウエハをダイシングシートに貼り付けた状態に対しては、ダイシングシートを密閉膜として使用することができる。本発明の実施の形態2に係る半導体ウエハ収納容器は、ダイシングシートに貼り付けられた状態の半導体ウエハを収納する。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態2に係る半導体ウエハ収納容器1bに半導体ウエハ9を収納した状態を示す断面図である。なお、図5におけるラミネート袋10内は、脱気されてラミネート袋10とトレイ2は接しているが、見易さを考慮してラミネート袋10との間に隙間を空けて描いている。
【0041】
本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1bは、実施の形態1における半導体ウエハ収納容器1aの密閉膜8がダイシングシート12に置き換わり、半導体ウエハ9が載置される位置が異なった構成のものである。本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1bにおいて、実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器1aと同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
ダイシングシート12は、伸張性のある材料で構成され、ダイシングリング13によりトレイ2の開口に気体室7が密封されるように取り付けられている。なお、密閉度を高めるために、トレイ2のダイシングリング13に接触する部分にOリングを設置したり、柔軟性のある樹脂を貼り付けたりしても良い。半導体ウエハ9は、気体室7に収納されるように、ダイシングシート12上に配置されている。なお、半導体ウエハ9は、ダイシング前の状態でも、ダイシング後の各チップに分割された状態でも良い。
【0043】
以上のような構成により、本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1bは、ラミネート袋10内の気圧を下げて密封されると、気体室7の圧力がラミネート袋10内の圧力より大きくなり、図5に示すように、ダイシングシート12が伸びてウエハ載置部3に固定される。すなわち、半導体ウエハ9がウエハ載置部3に固定される。
【0044】
次に、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1bに収納する工程について、図面を参照しながら説明する。図6A〜図6Cは、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1bに収納する工程を示す図である。まず、トレイ2を用意する。図7Aは、本実施の形態に係るトレイ2の下面図であり、図7Bは図7AのC−C線に沿った断面図である。
【0045】
次に、半導体ウエハ9をダイシングシート12上に配置する。図8Aは半導体ウエハ9が配置されたダイシングシート12を示す上面図であり、図8Bは図8AのD−D線に沿った断面図である。ダイシングシート12には、ダイシングリング13も配置する。
【0046】
次に、図6Aに示すように、トレイ2上に、半導体ウエハ9が貼り付けられたダイシングシート12を載置する。次に、ダイシングシート12が気体室7の開口を覆うように、ダイシングシート12上に別のトレイ2を載置する。これを繰り返し、所定数のトレイ2を積層する。そして、最下段のトレイ2には、ダイシングシート12を貼り付けず、載置部2の部分のみを用いる。
【0047】
トレイ2とダイシングシート12とが交互に積層されることにより、トレイ2の気体室7がダイシングシート12により密封される。図9Aはトレイ2にダイシングシート12を装着した状態の下面図であり、図9Bは図9AのE−E線に沿った断面図である。
【0048】
次に、図6Bに示すように、積層されたトレイ2全体をラミネート袋10で覆う。次に、図6Cに示すように、ラミネート袋10内の空気をポンプ(図示せず)により排出する。ラミネート袋10内の空気を排出することにより、気体室7以外の空間にあった空気は排出され、ラミネート袋10内の気圧が下がる。このため、密閉されている気体室7中の空気が膨張し、ダイシングシート12がトレイ2のウエハ載置部3の方向へ伸張する。さらに、空気を排出すると、ダイシングシート12がウエハ載置部3に密着し、それにより半導体ウエハ9がトレイ2のウエハ載置部3に固定される。
【0049】
最後に、図5に示すように、気体室7以外の空気が排出された状態を維持したまま、ラミネート袋10の開口部を熱と圧力を印加し、溶着させ(袋熱圧着部11)、ラミネート袋10を密封する。
【0050】
以上のように、本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1bは、半導体ウエハ9を、ダイシングシート12に貼り付けた状態でウエハ載置部3に固定することができる。
【0051】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3に係る半導体ウエハ収納容器1cに半導体ウエハ9を収納した状態を示す断面図である。なお、図10におけるラミネート袋10内は、脱気されてラミネート袋10とトレイ2は接しているが、見易さを考慮してラミネート袋10との間に隙間を空けて描いている。
【0052】
本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1cは、実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器1aにおける積層されたトレイ2が輸送容器21により固定された構成である。本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1cにおいて、実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器1aと同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
輸送容器21は、容器本体22と、蓋体23と、積層されたトレイ2を覆った状態で、蓋体23を容器本体22に固定するための保持具24とを有する。図11Aは容器本体22の構成を示す上面図であり、図11Bは図11AのF−F線に沿った断面図である。容器本体22は、円形の底板25と、底板25の上面の左右にそれぞれ所定高さでもって立設された上面視が円弧状の保持部材26とを有する。保持部材26は、トレイ2を保持するとともにトレイ2の位置決めを行う。容器本体22は、これら両保持部材26の内側に、複数個のトレイ2が積層されて収納されるように構成されている。
【0054】
蓋体23は、図10に示すように、円形の蓋板27と、蓋板27の下面に設けられて左右の保持部材26を外側から且つ全周囲に亘って囲うように形成された円筒状の側壁部材28とを有する。なお、側壁部材28は、容器本体22の保持部材26と略同一高さに形成されている。
【0055】
容器本体22および蓋体23は、それぞれ導電性フィラーを添加した導電性プラスチックス、あるいはポリマーアロイ処理した導電性プラスチックスを素材として一体成形されている。添加されている導電性フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイトカーボン、グラファイト、炭素繊維、金属粉末、金属繊維、金属酸化物の粉末、並びに金属コートした無機質微粉末、有機質微粉末および繊維が使用できる。
【0056】
下部クッション材29は、ポリエチレンフォームなどで構成され、緩衝用として底板25とトレイ2との間に配置されている。上部クッション材30は、ポリエチレンフォームなどで構成され、緩衝用として蓋板27とトレイ2との間に配置されている。
【0057】
保持具24は、側面視がコの字形状に形成されたもので、容器本体22と蓋体23との周囲の複数箇所(例えば、2〜4箇所)に設けられて、容器本体22に蓋体23を固定する。
【0058】
なお、容器本体22、蓋体23、下部クッション材29、上部クッション材30は、いずれも静電気対策として導電処理が施されている。
【0059】
次に、本発明の実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1cに半導体ウエハ9を収納する工程について図面を参照しながら説明する。図11A〜図11Hは、半導体ウエハ収納容器1cに半導体ウエハ9を収納する工程を示す工程図であり、図11Cは上面図であり、図11D〜図11Hは図11CのF−F線に沿った断面図である。
【0060】
まず、図11Aおよび図11Bに示すように、空状態の容器本体22を準備する。次に、図11Cおよび図11Dに示すように、底板25の上面の保持部材26に囲まれた領域に円形の下部クッション材29を緩衝用として配置する。次に、下部クッション材29上にトレイ2を載置する。
【0061】
次に、トレイ2のウエハ載置部3上に半導体ウエハ9を載置する。さらに、図11Eに示すように、トレイ2上に別のトレイ2を積層する。これを繰り返して、所定数のトレイ2を積層する。そして、半導体ウエハ9が収納されたトレイ2の最上段の上には、空のトレイ2を蓋として配置する。
【0062】
次に、積層された最上部の空トレイ2の上面に円形の上部クッション材30を配置した後、蓋体23でトレイ2の全体を覆う。蓋体23は、側壁部材28が両保持部材26の外周を覆うように配置される。
【0063】
次に、図11Fに示すように、複数個の固定具24により、蓋体23を容器本体22に対して固定する。次に、図11Gに示すように、輸送容器21全体をラミネート袋10で覆う。
【0064】
そして、図11Hに示すように、ラミネート袋10内の空気をポンプにより排出する。このとき、載置空間6を含む気体室7以外の空間にあった空気は排出され、ラミネート袋10内の気圧が下がる。そのため、密閉されている気体室7中の気体が膨張し、伸縮可能な密閉膜8が半導体ウエハ9の方向へ伸びていく。さらに、空気を排出すると、密閉膜8が半導体ウエハ9全面を均等に覆い、半導体ウエハ9をトレイ2のウエハ載置部3に固定することができる。
【0065】
最後に、図10に示すように、気体室7以外の空気が排出された状態を維持したまま、ラミネート袋10の開口部を熱と圧力を印加し、溶着する(袋熱圧着部11)。なお、蓋体23と容器本体22には空気の排出しやすくするために、通気孔を設けてもよい。
【0066】
以上のように、本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1cは、半導体ウエハ9をウエハ載置部3に固定することができる。
【0067】
さらに、輸送用容器に緩衝材を介してトレイを入れることにより、半導体ウエハ収納容器の外部からの衝撃を緩和することができ、半導体ウエハの割れを実施の形態1における半導体ウエハ収納容器に収納した場合よりもさらに低減することができる。
【0068】
(実施の形態4)
図12は、本発明の実施の形態4に係る半導体ウエハ収納容器1dに半導体ウエハ9を収納した状態を示す断面図である。なお、図12におけるラミネート袋10内は、脱気されてラミネート袋10とトレイ2は接しているが、見易さを考慮してラミネート袋10との間に隙間を空けて描いている。
【0069】
本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1dは、実施の形態2に係る半導体ウエハ収納容器1bにおける積層されたトレイ2が輸送容器21に固定された構成である。本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1dにおいて、実施の形態2に係る半導体ウエハ収納容器1bと同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0070】
輸送容器21は、実施の形態3における輸送容器と同様であり、容器本体22と、蓋体23と、積層されたトレイ2を覆った状態で、蓋体23を容器本体22に固定するための保持具24とを有する。下部クッション材29および上部クッション材30は、実施の形態3における下部クッション材および上部クッション材と同様であり、緩衝用として用いられる。
【0071】
次に、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1dに収納する工程について、図面を参照しながら説明する。図13A〜図13Fは、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1dに収納する工程を示す断面図である。まず、図13Aに示すように、空状態の容器本体22を準備する。次に、図13Bに示すように、底板25の上面の保持部材26に囲まれた領域に円形の下部クッション材29を緩衝用として配置する。次に、下部クッション材29上にトレイ2を載置する。
【0072】
次に、トレイ2の外周壁4に半導体ウエハ9を配置したダイシングシート12を載置する。ダイシングシート12には、ダイシングリング13も配置する。次に、図13Cに示すように、ダイシングシート12が気体室7の開口を覆うように、ダイシングシート12上に別のトレイ2を載置する。これを繰り返し、所定数のトレイ2を積層する。トレイ2とダイシングシート12とが交互に積層されることにより、トレイ2の気体室7がダイシングシート12により密閉される。なお、積層されたトレイ2の最下段のトレイ2には、ダイシングシート12を貼り付けず、ウエハ載置部3の部分のみを用いる。
【0073】
次に、図13Dに示すように、複数個の固定具24により、蓋体23を容器本体22に対して固定する。次に、図13Eに示すように、輸送容器21全体をラミネート袋10で覆う。
【0074】
そして、図13Fに示すように、ラミネート袋10内の空気をポンプにより排出する。このとき、気体室7以外の空間にあった空気は排出され、ラミネート袋10内の気圧が下がる。そのため密閉されている気体室7中の気体が膨張し、ダイシングシート12がウエハ載置部3の方向へ伸びていく。さらに、空気を排出すると、ダイシングシート12がウエハ載置部3に密着し、半導体ウエハ9がトレイ2のウエハ載置部3に固定される。
【0075】
最後に、図12に示したように、気体室7以外の空気が排出された状態を維持したまま、ラミネート袋10の開口部を熱と圧力を印加し、溶着させる(袋熱圧着部11)。
【0076】
以上のように、本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1dは、半導体ウエハ9をウエハ載置部3に固定することができる。
【0077】
さらに、輸送用容器に緩衝材を介してトレイを入れることにより、半導体ウエハ収納容器の外部からの衝撃を緩和することができ、半導体ウエハの割れを実施の形態2における半導体ウエハ収納容器に収納した場合よりもさらに低減することができる。
【0078】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態1においては、トレイ2に伸縮可能な密閉膜8を取り付けた構成を示したが、不通気性の密閉膜がたるみをもって取り付けられていれば、伸縮可能な密閉膜でも伸縮不可能な密閉膜でも、同様に半導体ウエハを固定させる効果が得られる。
【0079】
以下、本発明の実施の形態5における半導体ウエハの収納形態について、図面を参照しながら説明する。図14は、本発明の実施の形態5に係る半導体ウエハ収納容器1eに半導体ウエハ9を収納した状態を示す断面図である。なお、図14におけるラミネート袋10内は、脱気されてラミネート袋10とトレイ2は接しているが、見易さを考慮してラミネート袋10との間に隙間を空けて描いている。
【0080】
本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1eは、実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器1aの密閉膜8がたるみをもたせて取り付けられた密閉膜8cに置き換わった構成である。本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1eの構成要素のうち実施の形態1に係る半導体ウエハ収納容器1aと同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0081】
図15Aは、本実施の形態5に係る密閉膜8cが取り付けられたトレイ2を示す下面図である。図15Bは、図15AのG−G線に沿った断面図である。
【0082】
トレイ2の気体室7には、不通気性の密閉膜8cがたるみを持って取り付けられ、気体室7は密閉されている。密閉膜8cは、不通気性の伸縮可能な密閉膜でも伸縮不可能な密閉膜でもどちらでもよく、それらは、例えば、導電性または、表面に帯電防止を施したゴム、または、樹脂フィルムで構成される。
【0083】
次に、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1eに収納する工程について、図面を参照しながら説明する。図16A〜16Cは、半導体ウエハ9を半導体ウエハ収納容器1eに収納する工程を示す工程断面図である。
【0084】
まず、図16Aに示すように、半導体ウエハ9をトレイ2のウエハ載置部3上に載置する。そして、そのトレイ2上に別のトレイ2を重ねる。さらに半導体ウエハ9をトレイ2のウエハ載置部3上に載置する。これを繰り返し、所定数のトレイ2を積層する。そして、積層されたトレイ2の最上段のトレイ2には、ウエハ載置部3に半導体ウエハ9を載置せず、蓋として用いる。
【0085】
次に、図16Bに示すように、積層されたトレイ2全体をラミネート袋10で覆う。次に、図16Cに示すように、ラミネート袋10内の空気をポンプ(図示せず)により排出する。ラミネート袋10内の空気を排出することにより、載置空間6の空気が通気孔5から排出されて気圧が下がる。このため、密閉されている気体室7中の気体が膨張し、たるんでいる密閉膜8cが半導体ウエハ9の方向へ張り出す。さらに、空気を排出すると、密閉膜8cが半導体ウエハ9全面を均等に覆い、半導体ウエハ9がトレイ2のウエハ載置部3に固定される。
【0086】
最後に、図14に示したように、気体室7以外の空気が排出された状態を維持したまま、ラミネート袋10の開口部を熱と圧力を印加して溶着させ(袋熱圧着部11)、ラミネート袋10を密封する。
【0087】
以上のように、本実施の形態に係る半導体ウエハ収納容器1eは、半導体ウエハ9をウエハ載置部3に固定することができる。
【0088】
なお、たわみをもった密閉膜8cが取り付けられたトレイ2に対して、本発明の形態3で示した、輸送容器21を取り付けて使用することもできる。
【0089】
なお、実施の形態1〜5に示した半導体ウエハ収納容器において、半導体ウエハ9の上または下、あるいはどちらにも、表面の更なる保護のため、ウエハ保護シート11を挿入しても良いが、厚み調整のために入れる枚数を増減させる必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、破損しやすい半導体ウエハ、特に割れやすいガリウム砒素ウエハであっても、それぞれトレイ内に収容することによって、その多数枚を安全に収納ででき、搬送中の振動や衝撃による破損から有効に保護することができ、半導体ウエハ収納容器等として利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
1a〜1e 半導体ウエハ収納容器
2、2b トレイ
3 ウエハ載置部
4 外周壁
5 通気孔
6 載置空間
7 気体室
8、8b、8c 密閉膜
9 半導体ウエハ
10 ラミネート袋
11 袋熱圧着部
12 ダイシングシート
13 ダイシングリング
14 隔壁
21 輸送容器
22 容器本体
23 蓋体
24 固定具
25 底板
26 保持部材
27 蓋板
28 側壁部材
29 下部クッション材
30 上部クッション材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層可能な複数のトレイと、
積層された前記複数のトレイを密封して覆うラミネート袋とを備え、前記ラミネート袋が真空脱気されて用いられる半導体ウエハ収納容器において、
前記トレイは、上下が開口した筒状の本体部と、前記本体部の内腔を上下の空間に区画する隔壁と、前記隔壁より上部の前記本体部を貫通した通気孔とを有し、前記隔壁によりウエハ載置部が形成され、前記隔壁の下部の空間により気体室が形成され、
前記気体室の開口部は、前記気体室を不通気に密閉する伸縮可能な密閉膜により封口されていることを特徴とする半導体ウエハ収納容器。
【請求項2】
前記積層されたトレイを、緩衝材を介して格納する輸送容器を備えた請求項1記載の半導体ウエハ収納容器。
【請求項3】
請求項1に記載の複数のトレイのウエハ載置部に、それぞれ半導体ウエハを載置し、
前記半導体ウエハが載置されたトレイを積層し、
前記積層されたトレイを請求項1に記載のラミネート袋で覆った後に、前記ラミネート袋を真空脱気する半導体ウエハの収納方法。
【請求項4】
前記積層したトレイを前記ラミネート袋で覆う前に、
前記積層したトレイを、緩衝材を介して輸送容器に格納する請求項3記載の半導体ウエハの収納方法。
【請求項5】
積層可能な複数のトレイと、
積層された前記複数のトレイを密封して覆うラミネート袋とを備え、前記ラミネート袋が真空脱気されて用いられる半導体ウエハ収納容器において、
前記トレイは、上下が開口した筒状の本体部と、前記本体部の内腔を上下の空間に区画する隔壁と、前記隔壁より上部の前記本体部を貫通した通気孔とを有し、前記隔壁によりウエハ載置部が形成され、前記隔壁の下部の空間により気体室が形成され、
前記気体室の開口部は、前記気体室を不通気に密閉する、半導体ウエハが載置されたダイシングシートにより封口されていることを特徴とする半導体ウエハ収納容器。
【請求項6】
前記積層されたトレイを、緩衝材を介して格納する輸送容器を備えた請求項5記載の半導体ウエハ収納容器。
【請求項7】
請求項5に記載の複数のダイシングシートに、それぞれ半導体ウエハを載置し、
請求項5に記載のトレイの開口部にダイシングシートを取り付け、
前記トレイを積層し、
前記積層されたトレイを請求項5に記載のラミネート袋で覆った後に、前記ラミネート袋を真空脱気する半導体ウエハの収納方法。
【請求項8】
前記積層したトレイを前記ラミネート袋で覆う前に、
前記積層したトレイを、緩衝材を介して輸送容器に格納する請求項7記載の半導体ウエハの収納方法。
【請求項9】
積層可能な複数のトレイと、
積層された前記複数のトレイを密封して覆うラミネート袋とを備え、前記ラミネート袋が真空脱気されて用いられる半導体ウエハ収納容器において、
前記トレイは、上下が開口した筒状の本体部と、前記本体部の内腔を上下の空間に区画する隔壁と、前記隔壁より上部の前記本体部を貫通した通気孔とを有し、前記隔壁によりウエハ載置部が形成され、前記隔壁の下部の空間により気体室が形成され、
前記気体室の開口部は、前記気体室を不通気に密閉する密閉膜により封口され、
前記密閉膜は、たわむように前記開口部を封口していることを特徴とする半導体ウエハ収納容器。
【請求項10】
前記積層されたトレイを、緩衝材を介して格納する輸送容器を備えた請求項9記載の半導体ウエハ収納容器。
【請求項11】
請求項9に記載の複数のトレイのウエハ載置部に、それぞれ半導体ウエハを載置し、
前記半導体ウエハが載置されたトレイを積層し、
前記積層されたトレイを請求項9に記載のラミネート袋で覆った後に、前記ラミネート袋を真空脱気する半導体ウエハの収納方法。
【請求項12】
前記積層したトレイを前記ラミネート袋で覆う前に、
前記積層したトレイを、緩衝材を介して輸送容器に格納する請求項11記載の半導体ウエハの収納方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図13F】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図19E】
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【図19F】
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【図19G】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−1106(P2011−1106A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146745(P2009−146745)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】