説明

半導体基体をテクスチャ化する改良された方法

【課題】光起電力素子などの入射光を低減させるのに適したテクスチャ構造を形成するための、改善された製造方法を提供する。
【解決手段】半導体基体をケイ素エッチングアルカリもしくは酸溶液で清浄化し、清浄化された半導体基体の表面を、1種以上の酸化剤を含み、7を超えるpHを有する酸化性組成物で酸化し、酸化された半導体基体をテクスチャ化組成物でテクスチャ化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2009年12月7日に出願された米国仮出願第61/284,375号についての、35U.S.C.119(e)の下での優先権の利益を主張し、この仮出願の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、入射光の反射率を低減させるために半導体基体をテクスチャ化(texturing)する改良された方法に関する。より具体的には、本発明は、半導体基体を洗浄した後で、かつ半導体基体をテクスチャ化する前に半導体基体をアルカリ溶液で酸化することによって、入射光の反射率を低減させるために、半導体基体をテクスチャ化する改良された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体基体は次の工程によって製造されうる:
(1)半導体インゴットが内周刃切断機(inner diameter saw)で切断されて、ウェハ形状の基体を得る;
(2)ウェハが水で洗浄されて、汚染物質を除去する;並びに
(3)次いで、ウェハが清浄化されて、水洗浄で除去されない重金属、粒子および有機物質のようなさらなる汚染物質を除去し、次いでウェハが乾燥させられる。
【0003】
切断プロセス中に、鉄、酸化鉄、銅、酸化銅および亜鉛のような切断機からの金属はスライスされた半導体の表面を汚染する。鉄および銅のような金属、特に鉄は除去するのが困難である。ウェハから鉄が除去されない場合には、ブラックスポットによって示されるような酸化鉄がウェハ上に形成する。この酸化鉄は、ウェハが使用される物品または素子においてウェハの性能を悪化させうる。例えば、ウェハが光起電力素子、例えば、太陽電池に使用される場合には、酸化鉄はウェハの入射光吸収を低減させる場合があり、よって、その素子の最適な性能を悪化させうる。さらに、切断中に切断機に適用されるスラリーも半導体を汚染する。炭化ケイ素のような自由研磨粒子と有機物質もしくは鉱物油のようなオイルベースとの混合物、または自由研磨粒子とポリエチレングリコールのような水溶液ベースとの混合物のいずれかであるスラリーを用いて半導体インゴットを切断することは、残留加工歪みを低減することによって切断プロセスを改良し、加工応力を抑制し、並びに切断熱を抑制する。さらに、このようなスラリーにアルカリ水酸化物を添加することにより、切断により生じる加工応力(残留歪み)は除去されて、低歪みウェハを提供する。このような研磨粒子および有機物質は半導体ウェハを汚染する。この汚染物質が除去されない場合には、この汚染物質はその後の加工工程および最終物品の品質を悪化させうる。よって、この汚染物質の除去が重要である。
【0004】
半導体産業において、ウェハから汚染物質を清浄化するために、様々な種類の清浄化配合物が使用されている。一般に、清浄化配合物はアルカリ、酸および中性:の3つのカテゴリーに分けられる。中性の清浄化剤は典型的には望ましくない、なぜなら、中性の清浄化剤はウェハをエッチングしないので中性の清浄化剤は切断用流体および残留金属が焼き付いたようなウェハの汚染物質を効果的に清浄化しないからである。このような汚染物質の除去は、ウェハを含む多くの素子に望まれる性能を達成するのに重要である。よって、アルカリ清浄化剤および酸清浄化剤はそのエッチング能力のせいで好まれる。このアルカリ清浄化剤および酸清浄化剤における正確な成分および成分の量は一般的に変動することができ、アルカリ清浄化剤はその主成分として1種以上のアルカリ水酸化物を含み、並びに酸清浄化剤はその主成分として1種以上の無機酸を含む。フッ化水素酸は最も一般的に使用される酸の1種である。
【0005】
切断用流体および残留金属を除去することに加えて、アルカリ清浄化剤および酸清浄化剤はケイ素含有ウェハの表面から自然酸化物(native oxide)(SiO)を除去する。自然酸化物はウェハ表面が大気に曝露されるとウェハ表面上に形成される。典型的には、自然酸化物がシリコンウェハ上に形成されるには5日間以上かかる場合がある。ウェハが積層で包装されるかまたは真空包装される場合には、自然酸化物形成は、形成するのに1ヶ月以上かかる場合がある。この自然酸化物はウェハ表面上に望ましい場合があるし、望ましくない場合もある。ソースもしくはドレインのような電極が含まれる半導体の製造においては、自然酸化物の存在は電極の通常の機能を妨げる。自然酸化物は、米国特許第5,571,375号に開示されるように、フッ化水素およびメタノールの溶液を用いて除去されうる。あるいは、自然酸化物は、国際公開第2008/039067号に開示されるように入射光反射率を低減させるために、太陽電池製造において不動態化層を形成するのに望まれる場合がある。この公開された特許出願は、フッ化水素酸の溶液で0.5ナノメートルの厚みを有する自然酸化物層を最初に除去する方法を開示する。0.5ナノメートルの自然酸化物膜は不動態化目的には適していない。自然酸化物層の除去後、硝酸、過酸化水素、硫酸、塩化水素酸、オゾン、沸騰水およびアンモニウムヒドリド(ammonium hydride)の1種以上を含む溶液に、室温から150℃未満の温度で基体を浸漬することによって、0.5〜10ナノメートルの厚みを有するあらたな酸化ケイ素層が成長させられる。次いで、不導体化層は、水素、窒化ケイ素、非晶質炭化ケイ素またはこれらの組み合わせの誘電体コーティングで被覆される。誘電体層と組み合わせた不導体化層は、太陽電池の入射光反射率を低減させると言われている。
【0006】
しかし、半導体産業において、光起電力素子、例えば、太陽電池の製造において入射光を低減させるのに好ましい方法は、半導体ウェハの表面上にピラミッド型構造をテクスチャ化するかまたはこれを形成することである。テクスチャ化された半導体ウェハ表面は、広いバンドの入射光にわたる反射を低減し、それにより、吸収される光の強度を増大させる。しかし、テクスチャ化方法は問題がないわけではない。(100)−配向ケイ素表面の湿潤化学ピラミッド(正方晶)構造テクスチャ化のための周知技術はアルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩、アンモニアまたはコリンの溶液のようなアルカリ媒体を使用する。このアルカリ水酸化物はそれのみで、不均一にテクスチャ化された表面を生じさせ、これは結果的に高反射率の領域を生じさせる。テクスチャ化速度を制御するために、および繰り返し可能なピラミッド構造を形成するために添加剤が必要である。ヒドラジンまたはエチレンジアミンまたはピロカテコールの溶液も使用されうるが、それらは作業者に対するその毒性の観点から不都合である。最も一般的な配合物は、水、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、およびアルコールを含む。使用されるアルコール成分はエチレングリコールまたはイソプロパノールでありうる。
【0007】
米国特許第3,998,659号は、イソプロパノール(IPA)ベースの湿潤テクスチャ化方法を開示する。このテクスチャ化溶液はケイ酸塩と共に使用されて良く、ケイ酸塩なしで使用されても良い。一般に、このようなテクスチャ化は約80℃の温度で、10分間〜30分間行われる。IPAの沸点が82℃なので、これはIPAの高速の蒸発をもたらす。IPAは12℃の引火点を有し非常に揮発性でもある。このことは、結果的に、均一なテクスチャ化およびピラミッド型構造の再現性、並びにIPAの莫大な消費に関連する問題を生じさせる。半導体基体の不均一なテクスチャ化は、結果的に、増大した入射光反射率を生じさせる。再現性は、欠陥品の可能性を低減し、信頼性のある効率的な製造を提供し、よって、消費者および製造者の双方のコストを低減するために重要である。IPAの高い消費は、高い製造コスト、および使用された化学物質についての高い廃棄物処理コストも追加する。また、一般的には、このようなIPAシステムは360nm〜750nmの入射光波長範囲で14%〜27%の反射率を有する傾向がある。理想的には、この波長範囲での反射率は13%〜14%である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,571,375号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/039067号パンフレット
【特許文献3】米国特許第3,998,659号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、ピラミッド型構造を形成するために半導体ウェハの表面をテクスチャ化する方法が存在するが、このピラミッド型構造を形成する改良された方法についての必要性が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
方法は、a)半導体基体をケイ素エッチングアルカリもしくは酸溶液で清浄化し;b)清浄化された半導体基体の表面を、1種以上の酸化剤を含み、7を超えるpHを有する酸化性組成物で酸化し;並びにc)酸化された半導体基体をテクスチャ化組成物でテクスチャ化する;ことを含む。
【発明の効果】
【0011】
清浄化酸もしくはアルカリ溶液は、インゴットから半導体基体を切り出すのに使用された切断機から半導体上に堆積された鉄、酸化鉄、銅、酸化銅および亜鉛のような望まれない汚染物質を除去する。切断用流体からの炭化ケイ素のような研磨粒子、並びに鉱物油およびポリエチレングリコールのような有機物質も除去される。清浄化アルカリもしくは酸溶液のエッチング作用は、半導体上の実質的に全ての汚染物質を除去する。清浄化アルカリもしくは酸溶液のエッチング作用は、半導体基体から自然酸化物(SiO)も除去する。
ケイ素含有基体をエッチングするアルカリもしくは酸溶液で半導体基体を清浄化することは、自然酸化物除去のせいで、その清浄化の後のテクスチャ化における欠陥を生じさせることが見いだされている。これは、単結晶性、多結晶性および非晶質半導体基体に典型的である。単結晶性半導体基体の場合には、テクスチャ化は不均一であり、ピラミッド再現性は悪い。さらに、そのピラミッド構造は、自然酸化物が存在する場合に形成されるピラミッドよりも小さなピークを有する傾向がある。このことは、半導体基体の反射防止性能を低減させる。テクスチャ化が行われる場合には、接触角(例えば、水接触角 ASTM方法 ASTM D7334−08によってモニターされる)は望ましくはゼロであり、均一なテクスチャ化、そして、単結晶性半導体基体の場合には、ピラミッド再現性、並びに実質的に中程度の高さのピークを有するピラミッド構造を達成する。自然酸化物除去は、多くの半導体基体について、単結晶性、多結晶性または非晶質であるかにかかわらず、典型的に50度以上の接触角をもたらし、そしてテクスチャ化は30%〜40%低減させられる場合があり、30%もの入射光反射率の低減を伴う場合がある。半導体基体を清浄化するためにフッ化水素酸が使用される場合には、接触角は60度以上である場合があり、30%を超えて低減されたテクスチャ化を伴う場合がある。また、反射率は、典型的には10%増大され、そして、単結晶性半導体基体の場合には、より小さなピークもしくはマイクロピークが形成される。さらに、清浄化工程とテクスチャ化工程との間での作業者による半導体基体の取り扱いも、半導体の反射防止性能をさらに低減させるテクスチャ化の欠陥を生じさせうる。
清浄化された半導体基体を、7を超えるpHの酸化性組成物で酸化することにより、自然酸化物を修復させることによって、ケイ素エッチングアルカリもしくは酸溶液での清浄化によって生じさせられるこのテクスチャ化欠陥は低減されもしくは防止され、そして作業者による何らかの取り扱いにより引き起こされる損傷が回復させられる。接触角は実質的にゼロに修復させられ、テクスチャ化が改良される。テクスチャ化は均一であり、かつ単結晶性基体上のピラミッド形成は再現性があり、かつピラミッド高さは自然酸化物のない半導体基体上に形成されるピラミッドよりも高い傾向がある。酸化工程は自然酸化物を再形成するので、テクスチャ化性能を悪化させることなく、多くの既存のアルカリおよび酸清浄化剤をはじめとする様々な種類のアルカリおよび酸清浄化剤が使用されることができる。自然酸化物を修復させることは、多くのテクスチャ化組成物の全体的な性能を向上させる。
本方法は、一般的に、太陽電池の製造における半導体をはじめとする、光起電力素子のための半導体をテクスチャ化するために使用されうる。本方法は、光学および電気化学検出器/センサー、バイオ検出器/バイオセンサー、触媒、オーミック接触、相互接続ライン、ショットキー障壁ダイオード接触、光電子部品、並びに入射光の反射率の低減がデバイスの効率を改良する他の物品の製造における半導体をテクスチャ化するためにも使用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、作業者によるウェハの取り扱いによって引き起こされた損傷したピラミッド構造を示す単結晶性シリコンウェハのテクスチャ化表面の5000倍SEMである。
【図2】図2は、損傷したウェハに対して酸化性組成物の適用後にテクスチャ化が修復された後の、図1において示される単結晶性シリコンウェハの5000倍SEMである。
【図3】図3は、酸化性酸組成物を用いて自然酸化物が再形成された後で形成されたピラミッド構造を示す、単結晶性シリコンウェハの5000倍SEMである。
【図4】図4は、酸化性アルカリ組成物を用いて自然酸化物が再形成された後で形成されたピラミッド構造を示す、単結晶性シリコンウェハの5000倍SEMである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
用語「引火点」とは、燃焼性の液体の蒸気が空気中で発火しうる最も低い温度を意味する。用語「接触角」とは、半導体ウェハのような基体の表面に接触している水の滴の角度を意味する。文脈が他のことを明確に示さない限りは、次の略語は次の意味を有する:℃=摂氏度;g=グラム;ppm=100万あたりの部;ppb=10億あたりの部;mL=ミリリットル;L=リットル;μm=ミクロン;nm=ナノメートル;Å=オングストローム=1×10−4μm;bv=体積基準;min.=分;SEM=走査型電子顕微鏡写真。他に示されなければ、全てのパーセンテージおよび比率は重量基準である。全ての範囲は包括的であり、そのような数値範囲が合計で100%になることに制約されるのが論理的である場合を除いて任意に組み合わせ可能である。
【0014】
半導体基体は典型的にはウェハの形態である。半導体ウェハは結晶性または非晶質ケイ素であることができる。結晶のタイプは単結晶性または多結晶性であることができる。ウェハは、当該技術分野における従来の既知の方法を用いて、インゴットから切り出されうる。一般に、インゴットは従来のワイヤ切断機(wire saw apparatus)を用いて切断される。このようなワイヤ切断機の例は、米国特許第6,568,384号に開示され、図示されている。この切断機に使用されるワイヤは、#100〜#6000のサイズを有する、カーボランダム、ダイアモンド、炭化ケイ素または他の研磨粒子のような研磨粒子がワイヤに付着しているようなものである。研磨剤をワイヤに付着させるために、ワイヤに接着剤が適用されうる。
【0015】
切断プロセスに使用されるスラリーは自由研磨粒子とオイルベースまたは水溶液ベースとの混合物である。使用されるオイルベースは分散剤および増粘剤が混合されている鉱物油である。使用される水溶液ベースは30%〜80%の水またはポリエチレングリコールに添加される様々な添加剤を含む。炭化ケイ素、グリーン炭化ケイ素または様々な金属および酸化物粒子が自由研磨粒子として使用されうる。典型的には、#600〜#1000の粒子サイズを有する炭化ケイ素が使用される。
スラリー中の成分の具体的な配合および量は、作業者の好みによって決定されるように変動しうる。典型的には、スラリーは、炭化ケイ素が添加されるベースとしての鉱物油の溶液の混合物である。混合比はベース:炭化ケイ素=1:1〜1:1.3の範囲であり得る。水性ベーススラリーは、0.8〜0.9:1のベース:炭化ケイ素の混合物中で、30%〜80%の水またはポリエチレングリコールに添加される炭化ケイ素を含みうる。
【0016】
インゴットを切断し、半導体ウェハを形成するプロセスは、結果的にウェハの表面上に多くの汚染物質をもたらす。ワイヤ切断機からの金属、例えば、鉄、酸化鉄、銅、酸化銅および亜鉛、並びに有機物質、例えば、鉱物油およびポリエチレングリコール、並びに研磨粒子、並びにスラリー中に従来含まれる他の添加剤が、ウェハの表面を覆う。何らかのさらなる処理工程の前に、水性アルカリ清浄化組成物または水性清浄化酸組成物を用いて、半導体ウェハは清浄化され、かつマイクロエッチングされる。「マイクロエッチング」とは、ケイ素がウェハから除去されて、0.025μm〜2μm(ピークと谷との間の高さ)の不規則な表面粗さを意味する。マイクロエッチングにおいて、表面にある残留物だけでなく自然酸化物(SiO)も除去される。
【0017】
ケイ素をエッチングする水性清浄化アルカリ組成物には、これに限定されないが、1種以上の水酸化アルカリ、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、並びに1種以上の水酸化第四級アンモニウムが挙げられうる。このような水酸化物は、典型的には、清浄化組成物の0.01重量%〜15重量%の量で含まれる。ケイ素をエッチングする酸清浄化剤には、これに限定されないが、1種以上の無機酸、例えば、塩化水素酸、硫酸、硝酸およびフッ化水素酸が挙げられうる。このような無機酸は、0.5重量%〜10重量%の量で含まれる。1種以上の界面活性剤が、清浄化アルカリ組成物および清浄化酸組成物中に含まれうる。清浄化組成物において使用される従来の界面活性剤が使用されうる。典型的には、非イオン性界面活性剤が清浄化アルカリ組成物および清浄化酸組成物中に含まれる。これらは従来の量で含まれうる。キレート化剤、アルコール、ポリオール、例えば、グリコールなどの添加剤も含まれうる。これらは従来の量で含まれうる。
【0018】
水性清浄化アルカリ溶液および水性清浄化酸溶液は、当該技術分野において知られているあらゆる好適な方法で、切断プロセスの直後に、半導体ウェハに適用されうる。半導体ウェハはこの清浄化溶液中に浸漬されることができ、この溶液は半導体ウェハに噴霧されることができ、またはこの溶液は従来の超音波清浄化プロセスにおいて使用されうる。水性清浄化アルカリ溶液のpHは11以上、典型的には12〜13の範囲である。清浄化酸溶液は、6以下、典型的には1〜4のpHの範囲である。水性清浄化アルカリ溶液および水性清浄化酸溶液は、30℃〜90℃、典型的には45℃〜60℃の温度範囲で適用されうる。この清浄化溶液は、半導体基体の表面に様々な滞留時間にわたって、典型的には、1分間〜40分間、より典型的には5分間〜30分間の範囲の滞留時間で適用される。半導体基体は、次いで、場合によって水ですすがれる。
【0019】
典型的には、清浄化溶液はアルカリ組成物である。より典型的には、清浄化アルカリ溶液は、1種以上の水酸化第四級アンモニウム;1種以上の水酸化アルカリ;および1種以上のミッドレンジ(mid−range)アルコキシラート;を含む水性アルカリ組成物である。水酸化第四級アンモニウム:水酸化アルカリ金属の重量比は2:1〜1:2、典型的には1.5:1〜1:1.5、より典型的には1.25:1〜1:1.25、最も典型的には1:1の範囲である。水酸化第四級アンモニウムには、これに限定されないが、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム(コリン)、水酸化トリメチル−3−ヒドロキシプロピルアンモニウム、水酸化トリメチル−3−ヒドロキシブチルアンモニウム、水酸化トリメチル−4−ヒドロキシブチルアンモニウム、水酸化トリトリエチル−2−ヒドロキシルエチルアンモニウム、水酸化トリプロピル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、水酸化トリブチル−2−ヒドロキシルエチルアンモニウム、水酸化ジメチルエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化モノメチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化モノメチルトリエチルアンモニウム、水酸化モノメチルトリプロピルアンモニウム、水酸化モノメチルトリブチルアンモニウム、水酸化モノエチルトリメチルアンモニウム、水酸化モノエチルトリブチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、および水酸化ジメチルジブチルアンモニウムが挙げられる。水酸化第四級アンモニウムは、水性清浄化組成物の0.01重量%〜15重量%の量で含まれる。典型的には水酸化第四級アンモニウムは1重量%〜10重量%の量で含まれる。
【0020】
水酸化アルカリ金属には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムが挙げられる。典型的には、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが使用される。より典型的には、水酸化カリウムが使用される。このような水酸化アルカリ金属は、水性清浄化およびマイクロエッチング組成物の0.01重量%〜10重量%の量で含まれる。典型的には、水酸化アルカリ金属は0.5重量%〜8重量%の量で含まれる。
【0021】
非イオン性ミッドレンジアルコキシラート界面活性剤は半導体表面の動的濡れを提供し、かつ低発泡性でもある。動的濡れとは、界面活性剤が半導体ウェハの表面から別の液体または空気を移動させることを意味する。このことは、ウェハ表面に付着している多くの汚染物質の素早く効率的な除去を可能にする。さらに、この非イオン性ミッドレンジアルコキシラート界面活性剤は生物分解性であり、よってこれらは環境に優しい。ある実施形態においては、ミッドレンジアルコキシラート非イオン性界面活性剤には、一般式:
【化1】

(式中、xは独立してそれぞれの存在において、0または1〜11の実数であり、ただし、少なくとも1つの存在においては、xは0より大きい;yは独立してそれぞれの存在において、0または1〜20の実数であり、ただし、少なくとも1つの存在においては、yは0より大きい;zは1〜50の整数であり;RはC6−10分岐または線状アルコールであり;Rは独立してそれぞれの存在において、−CHまたは−CHCHである)
を有する化合物が挙げられる。
【0022】
「x」および「y」は、それぞれ、Rの種類に応じて平均のプロポキシ化またはブトキシ化度、並びにエトキシ化度を表すと理解される。よって、xおよびyは整数であることを必要としない。まとめると、xおよびyはオリゴマー分布におけるアルコキシ化度を規定する。xおよびyの順序は、ブロックまたはランダムであり、xは最初または最後のブロックであることが明らかである。
【0023】
同様に、「z」は整数であり、それは式の繰り返しの数を表す。例えば、PO−EO−BOオリゴマーについては、zは2であり、第二のyは0である。EO−BO−POオリゴマーについては、zは3であり、第一のx、並びに第二および第三のyは0である。
【0024】
別の実施形態においては、ミッドレンジアルコキシラート非イオン性界面活性剤には、一般式:
【化2】

(式中、xは1〜11の実数であり;yは1〜20の実数であり;RはC6−10の分岐または線状アルコールであり;Rは−CHまたは−CHCHである)
を有する化合物が挙げられる。
【0025】
ある実施形態においては、xは典型的には4、5または6であり、より典型的には5である。ある実施形態においては、yは典型的には3,6,9または11であり、より典型的には6である。RはC6−10分岐または線状アルコールであり得る。典型的には、RはC8−9分岐アルコールである。ある実施形態においては、Rは2−エチルへキサノールまたは2−プロピルへキサノールであり、より典型的には2−エチルへキサノールである。
【0026】
ある実施形態においては、Rは内部(internal)オクテンから生じたアルコールである。内部オクテンとは、エチレンが1−オクテンと反応してエチレン/1−オクテンコポリマーを生じる際に、後に残る未反応の残留物または副生成物をいう。これらの内部オクテンはプロセスからのパージ流れとして得られることができ、次いで、後述のプロセスによってアルコールに変換されうる。内部オクテンから生じたアルコールには、1−ノナノール、2−メチル−1−オクタノール、2−エチル−1−セプタノール、2−プロピル−1−ヘキサノール、3−メチル−4−ヒドロキシメチルセプタン、3−メチル−3ヒドロキシメチル−セプタン、または2−ヒドロキシメチル−3−メチルセプタンの少なくとも1種が挙げられる。典型的には、このアルコールは1−オクテン源に応じてブレンドである。
【0027】
ある実施形態においては、Rは−CHであって、プロピレンオキシドを表す。他の実施形態においては、Rは−CHCHであって、ブチレンオキシドを表す。
【0028】
式IIの典型的な界面活性剤は、xが4、5または6であり;yが3,6,9または11であり;RはC8−9分岐アルコールであり;Rは−CHであるものである。最も典型的な式IIの界面活性剤は、xが5であり;yが6であり;Rが2−エチルヘキサノールであり;Rが−CHであるものである。典型的には、POまたはBO部分、およびEO部分はブロックフィードの結果である。
【0029】
アルコールは米国特許出願公開第2005/0170991A1号に論じられる方法のような方法によってアルコールアルコキシラートに変換されうる。金属シアン化物触媒、例えば、これに限定されないが、米国特許第6,429,342号に開示される触媒を用いて、脂肪酸アルコールがアルコキシ化されることもできる。
【0030】
アルコキシ化プロセスは、酸触媒またはアルカリ触媒の存在下で行われうる。典型的には、ナトリムもしくはカリウムの水酸化物もしくはアルコラートのようなアルカリ触媒、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドおよびカリウムエトキシドが使用される。塩基触媒は、開始物質に基づいて、0.05重量%〜5重量%、より典型的には0.1重量%〜1重量%の量で典型的に使用される。ある非限定的な実施形態においては、C8オレフィン混合物は最初にアルコールに変換され、次いで、2〜5モルのプロピレンオキシドおよび1〜10モルのエチレンオキシドでのアルコキシ化を介して変換されて、非イオン性界面活性剤を形成する。
【0031】
アルキレンオキシドの付加は、ある非限定的な実施形態においては、10psig(ポンド/平方インチゲージ)〜200psig、典型的には60psig〜100psigの圧力下で、オートクレーブにおいて行われうる。アルコキシ化の温度は30℃〜200℃、典型的には100℃〜160℃の範囲であり得る。オキシドフィードの完了後、残留するオキシドが10ppm未満になるまで、生成物が反応させられる。反応器を20℃〜130℃の範囲の好適な温度まで冷却したあとで、残留する触媒は中和されないままであることができるか、または有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸もしくはクエン酸で中和されうる。あるいは、生成物は無機酸、例えば、リン酸または二酸化炭素で中和されうる。イオン交換または吸着媒体、例えば、珪藻土を用いて、残留する触媒も除去されうる。最終的なミッドレンジアルコキシラートは容易に生分解可能であり、かつ清浄化およびマイクロエッチング組成物中に0.001重量%〜10重量%、または例えば0.05重量%〜5重量%の量で使用されうる。
【0032】
場合によっては、水性清浄化アルカリ溶液は、170g/モル以上の重量平均分子量および100℃以上の引火点を有する、1種以上のアルコキシ化グリコールを含む。典型的には、このアルコキシ化グリコールの重量平均分子量は、170g/モル〜4000g/モル、より典型的には190g/モル〜500g/モルの範囲である。引火点は典型的には100℃〜300℃である。より典型的には、引火点は140℃〜200℃の範囲である。水性清浄化アルカリ溶液に使用されるアルコキシ化グリコールは、水可溶性または少なくとも水混和性である。100℃以上の引火点は、組成物成分の実質的な蒸発を妨げる不揮発性組成物を提供する。さらに、190℃以上の沸点を有するアルコキシ化グリコールは操作温度で失われる量をさらに低減させる。よって、この組成物は、従来の多くの清浄化組成物よりも長期間にわたって使用されうる。
【0033】
アルコキシ化グリコールは、水溶液の0.01重量%〜2重量%の量で水性組成物中に含まれる。典型的には、アルコキシ化グリコールは、水性組成物の0.1重量%〜1重量%の量で含まれる。アルコキシ化グリコールは、非環式であって、線状または分岐の化合物である。アルコキシ化グリコールには、これに限定されないが、一般式:
【化3】

(式中、mは3以上の、または例えば8〜66の整数である)
を有する化合物が挙げられる。典型的には、mは3〜6の、より典型的には3〜5の整数であり、aは3から6の、または例えば、3〜4の整数である。このようなアルコキシ化グリコールの例は、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ポリブチレングリコール、トリペンチレングリコール、テトラペンチレングリコールおよびポリペンチレングリコールである。
【0034】
アルコキシ化グリコールには、これに限定されないが、一般式:
【化4】

(式中、nは3以上の、または例えば5〜200の整数である)
を有する化合物も挙げられる。典型的には、nは3〜5の、より典型的には3〜4の整数である。このようなアルコキシ化グリコールの例は、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコールである。
【0035】
場合によっては、水性清浄化アルカリ溶液は1種以上のキレート化剤を含む。キレート化剤は、組成物中に、0.001重量%〜5重量%、または例えば0.01重量%〜1重量%の量で含まれる。このようなキレート化剤には、これに限定されないが、エチレンジアミン四酢酸およびその塩、ポリカルボン酸およびその塩が挙げられる。ジカルボン酸の例は、イミド二酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フマル酸およびフタル酸並びにこれらの塩である。トリカルボン酸の例は、ニトリロ三酢酸、トリメリット酸、トリカルバリル酸およびこれらの塩である。典型的には、これら酸の塩、例えば、そのアルカリ金属塩が使用されて、pH11以上のアルカリ環境を維持するのを助ける。
【0036】
1種以上のミッドレンジアルコキシラート非イオン性界面活性剤に加えて、水性アルカリ清浄化およびマイクロエッチング溶液は、組成物の清浄化およびマイクロエッチング性能を悪化させない1種以上の追加の界面活性化剤を含むことができる。このような界面活性剤は従来の非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性およびジェミニ(ダイマー)界面活性剤であることができる。典型的には、この界面活性剤は非イオン性である。このような界面活性剤は組成物中に0.001重量%〜3重量%、または例えば0.01重量%〜1重量%の量で含まれる。
【0037】
清浄な表面は、光起電力素子の最適な外観および効率を達成するのに重要である。ウェハの表面上の何らかの汚染物質は、光起電力素子の性能を最終的に悪化させる場合がある。アルカリ清浄化剤は実質的に全ての金属、金属酸化物および有機化合物をウェハ表面から除去する。鉄および銅は水を用いて除去するのが特に困難である。特に、鉄は問題がある、というのは、鉄は酸化鉄をウェハ表面上に形成するからである。ウェハ表面上に一旦酸化鉄が形成したら、酸化鉄は除去するのが非常に困難であり、ウェハの全体的な入射光吸収を悪化させる。さらに、実質的な量の鉄がウェハ表面上に残っていると、酸化鉄形成の特徴であるブラックスポットが時間の経過と共により悪化する。アルカリ清浄化剤は汚染物質をppb範囲以下の水準まで低減させる。典型的には、水性アルカリ清浄化およびマイクロエッチング組成物が半導体ウェハに適用された後、汚染物質は0ppb〜10ppbの範囲である。
【0038】
場合によっては、半導体ウェハは水ですすがれる。清浄化または水でのすすぎ工程のすぐ後で、かつテクスチャ化の前に、7を超えるpHを有する酸化性アルカリ組成物を半導体ウェハの清浄化表面に適用することによって、自然酸化物が修復される。自然酸化物の厚みは変動することができる。典型的には、その厚みは1〜30Åの範囲である。酸化性組成物は1種以上の酸化剤をを含み、この酸化剤には、これに限定されないが、オゾン、過酸化物、例えば、過酸化水素および尿素過酸化水素、過ホウ酸塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム(一水和物もしくは四水和物)、過炭酸塩、例えば、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム、過マンガン酸塩、次亜塩素酸塩、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸カリウムおよび次亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜臭素酸塩、臭素酸塩、次亜ヨウ素酸塩並びにヨウ素酸塩が挙げられる。自然酸化物の修復のために1種以上の有機および無機過酸も使用されることができるが、ただし、酸化性組成物のpHは7超に調節される。過酸は他の酸化剤の1種以上と一緒にされうる。過酸には、これに限定されないが、過カルボン酸および過カルボン酸塩、過炭酸および過炭酸塩、過イミド酸および過イミド酸塩、ペルオキシモノ硫酸およびペルオキシモノ硫酸塩、過硫酸塩、例えば、モノ過硫酸塩、ペルオキシ酸、例えば、ジペルオキシドデカン酸(DPDA)、ペルフタル酸マグネシウム、ペルラウリン酸、フタロイルアミドペルオキシカプロン酸(PAP)、過安息香酸およびアルキル過安息香酸、並びに重硫酸塩、例えば、重硫酸カリウムをはじめとするアルカリ金属重硫酸塩が挙げられる。
【0039】
典型的には、酸化性組成物は水性ベースであって、かつ7を超える、より典型的には8〜12のpHを有する。酸化性組成物に含まれる酸化剤は、酸化性組成物の0.01重量%〜20重量%、または例えば、1重量%〜10重量%の範囲である。
【0040】
場合によっては、酸化性組成物は、酸化性組成物を安定化し、テクスチャ化組成物のテクスチャ化性能を向上させるための1種以上の添加剤を含むことができる。このような添加剤には、これに限定されないが、1種以上の界面活性剤、キレート化剤、およびホスホン酸が挙げられる。
【0041】
酸化性組成物に含まれる界面活性剤には、酸化性組成物中で安定なあらゆる界面活性剤が挙げられる。このような界面活性剤には、酸化性組成物中で安定な、非イオン性、両性、カチオン性およびアニオン性界面活性剤が挙げられうる。典型的には、ヒドロキシル非含有界面活性剤が使用される。ヒドロキシル非含有アニオン性界面活性剤は、スルホナート、スルファートおよびホスファート官能基を含む界面活性剤である。スルホン化界面活性剤の例は、アルキルジスルホン化ジフェニルオキシドであり、アルキルジスルホン化ジフェニルオキシドのアルカリ金属塩、例えば、ナトリウムモノ−およびジ−デシルジスルホン化ジフェニルオキシドが挙げられる。酸化性組成物中で安定である半分極(semi−polar)非イオン性界面活性剤の例は、アミンオキシド界面活性剤である。一般的に、界面活性剤は、酸化性組成物の0.01重量%〜5重量%、または例えば、0.5重量%〜3重量%の量で含まれる。
【0042】
キレート化剤には、これに限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミドジ酢酸(IDA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、酢酸、アセトンオキシム、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、安息香酸、ベタイン、クエン酸、ジメチルグリオキシム、フマル酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリシン、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスタジン、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リシン、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、2,4−ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プラリン、ピロメタル酸、キニン酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、テラフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、チロシン、バリンおよびキシリトールが挙げられる。キレート化剤は、酸化性組成物中に0.01重量%〜5重量%、または例えば、0.5重量%〜3重量%の量で含まれる。
【0043】
ホスホン酸には、これに限定されないが、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、エチレンジアミンジメチレンホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸およびその塩が挙げられる。ホスホン酸は、酸化性組成物中に0.01重量%〜5重量%、または例えば、0.5重量%〜3重量%の量で含まれる。
【0044】
酸化性組成物は、当該技術分野において知られている好適なプロセスによって半導体ウェハに適用されうる。酸化性組成物は、ウェハ上に噴霧されることができ、またはウェハは酸化性組成物中に浸漬されうる。自然酸化物を修復させるために、ウェハ上の酸化性組成物の滞留時間は3秒〜5分間、典型的には30秒から5分間の範囲である。自然酸化物の修復は室温から50℃で行われうる。典型的には、自然酸化物の修復は室温から30℃で行われる。
【0045】
清浄なウェハ表面を提供し、そして半導体ウェハ上に自然酸化物を修復させることにより、ウェハ表面は直ちにテクスチャ化準備完了となる。清浄化された半導体基体を酸化性組成物で酸化して自然酸化物を修復させることにより、アルカリもしくは酸溶液での清浄化によって引き起こされるテクスチャ化の欠陥は妨げられ、そして作業者による何らかの取り扱いによるテクスチャ化ウェハへの損傷が正常化される。接触角が実質的にゼロまで修復させられ、テクスチャ化が改良される。テクスチャ化は均一であり、単結晶性基体の場合には、ピラミッド形成は再現性がある。理論に拘束されるわけではないが、接触角をゼロまで低減させることは、テクスチャ化中の表面の濡れさえ可能にし、結果的に均一で、かつ単結晶性基体の場合には再現可能にピラミッド型表面を生じさせる。テクスチャ化は入射光反射率を低減させ、かつ光起電力素子もしくはウェハを含む他のデバイスにおける光エネルギーの電気エネルギーへの変換率を向上させる。一般的に、テクスチャ化は1μ以上、典型的には1μm〜10μmの均一な表面粗さを提供することに関する。
【0046】
自然酸化物はテクスチャ化の前に修復されるので、多くの従来のテクスチャ化配合物が使用されうる。典型的な配合物は、水、1種以上の水酸化アルカリ、例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、および1種以上のアルコールまたはグリコールを含む。水酸化アルカリは0.5重量%〜50重量%の量で含まれうる。アルコールおよびグリコールは0.001重量%〜20重量%の量で含まれうる。テクスチャ化配合物の残部は水である。従来の水性酸テクスチャ化組成物も使用されうる。このようなテクスチャ化酸組成物は、これに限定されないが、5%bv〜20%bvの49重量%フッ化水素酸および10%bv〜50%bvの65重量%硝酸を含む。
【0047】
より典型的には、半導体基体をテクスチャ化するための水溶液は、上述のような1種以上のアルコキシ化グリコールを含む。アルコキシ化グリコールはテクスチャ化水溶液中に、この水溶液の0.001重量%〜2重量%の量で含まれる。典型的には、アルコキシ化グリコールは水溶液の0.1重量%〜1重量%の量で含まれる。
【0048】
アルコキシ化グリコールと組み合わせて、テクスチャ化組成物中に含まれるアルカリ化合物には、これに限定されないが、水酸化アルカリ金属、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウム、並びに水酸化第四級アンモニウム、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム(コリン)、水酸化トリメチル−3−ヒドロキシプロピルアンモニウム、水酸化トリメチル−3−ヒドロキシブチルアンモニウム、水酸化トリメチル−4−ヒドロキシブチルアンモニウム、水酸化トリトリエチル−2−ヒドロキシルエチルアンモニウム、水酸化トリプロピル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、水酸化トリブチル−2−ヒドロキシルエチルアンモニウム、水酸化ジメチルエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化モノメチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化モノメチルトリエチルアンモニウム、水酸化モノメチルトリプロピルアンモニウム、水酸化モノメチルトリブチルアンモニウム、水酸化モノエチルトリメチルアンモニウム、水酸化モノエチルトリブチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、および水酸化ジメチルジブチルアンモニウムが挙げられる。
【0049】
アルコキシ化グリコールと共に含まれうる他のアルカリ成分には、水酸化アンモニウム、アルカノールアミン、例えば、2−アミノエタノール(モノエタノールアミン)、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−(2−アミノ−エトキシ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールが挙げられる。他の好適なアルカリ化合物には、3−メトキシプロピルアミン、モルホリン、アルカンジアミン、例えば、1,3−ペンタンジアミンおよび2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、並びにグアニジンが挙げられる。
【0050】
典型的には、アルコキシ化グリコールと組み合わせてテクスチャ化水溶液に含まれるアルカリ化合物は、1種以上の水酸化物から選択される。より典型的には、アルカリ化合物は、1種以上の水酸化アルカリ金属および水酸化アルキルアンモニウムから選択される。アルカリ化合物は、テクスチャ化水溶液中に、水溶液の0.5重量%〜15重量%の量で含まれる。典型的には、アルカリ化合物はテクスチャ化水溶液中に、1重量%〜10重量%の量で含まれる。
【0051】
場合によっては、テクスチャ化水溶液は、1種以上のアルカリ金属塩化物、例えば、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、並びに1種以上のケイ酸塩、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、例えば、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムを含むことができる。金属塩化物と金属ケイ酸塩との混合物が使用されてもよい。このような金属塩化物および金属ケイ酸塩は、水溶液中に、水溶液の0.01重量%〜2重量%、または例えば0.5重量%〜1重量%の量で含まれうる。
【0052】
ある実施形態においては、テクスチャ化水溶液は、170g/モル以上の重量平均分子量および100℃以上の引火点を有する、1種以上のアルコキシ化グリコールと、1種以上のアルカリ化合物と、水とから本質的になる。別の実施形態においては、テクスチャ化水溶液は、170g/モル以上の重量平均分子量および100℃以上の引火点を有する1種以上のアルコキシ化グリコールと、1種以上のアルカリ化合物と、アルカリ金属塩化物およびアルカリ金属ケイ酸塩から選択される1種以上の化合物と、水とから本質的になる。
【0053】
一般的には、テクスチャ化溶液は当該技術分野において知られている好適な方法によって半導体基体の表面に適用されうる。テクスチャ化溶液は、70℃以上、典型的には、80℃〜200℃、または例えば、90℃〜150℃の温度で半導体基体の表面に適用される。典型的には、テクスチャ化溶液は水平または垂直プロセスによって半導体基体の表面に適用される。このような方法は当該技術分野において周知である。簡単に言うと、水平方法は、半導体基体をコンベアシステム上に通過させ、基体の表面に水溶液を噴霧することを含む。垂直プロセスにおいては、基体はテクスチャ化溶液中に沈められる。このようなプロセスに使用される様々な従来の装置が当該技術分野において周知である。
【0054】
概して、単結晶性ウェハのためのテクスチャ化方法は異方性であり、半導体基体の処理される表面全体にわたって、均一で繰り返し可能なピラミッド(テトラゴナル)構造を形成する。このピラミッド構造は、処理される表面の全体にわたってランダムに分布する。このピラミッド構造は1μm〜10μmの高さの範囲でありうる。多結晶性ウェハの場合には、このテクスチャ化は等方性であり、ピラミッド構造の代わりに、連続した波形模様の表面が形成される。
【0055】
本方法でテクスチャ化された半導体は、そのテクスチャ化表面に適用される入射光からの反射率を低減させる。360nmから1000nmの波長範囲における入射光の反射率は典型的には14%以下、より典型的には12%〜14%である。反射率は、当該技術分野において周知の従来の反射率計を用いて測定されうる。よって、この水溶液を用いる方法によってテクスチャ化された半導体は、太陽光、レーザー、蛍光光並びに他の光源からの光のような入射光を電気エネルギーに変換する装置において使用するのに好適である。このような装置には、これに限定されないが、光起電力素子、例えば、太陽電池、光学および電気化学検出器/センサー、バイオ検出器/バイオセンサー、触媒、電極、ゲート電極、オーミック接触、相互接続ライン、ショットキー障壁ダイオード接触および光電子部品が挙げられる。
【0056】
上記水溶液でテクスチャ化される半導体の表面は、多くの従来のテクスチャ化方法とは異なって、入射光の反射率を低減させる半導体を提供する。このことは、この半導体によって吸収される入射光の量を増大させ、光を電気エネルギーに変換する効率を向上させる。
【0057】
以下の実施例は本発明の例示のために記載され、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0058】
実施例1−4
以下の表1に示されるように4種の清浄化水溶液が調製された。
【0059】
【表1】

18〜16コの炭素原子のアルキル基を有し、1.6の平均重合度を有するアルキルポリグリコシド(グルコポン(Glucopon登録商標)425N)。
【0060】
従来のワイヤ切断機を用いて、8枚の単結晶性シリコンウェハがインゴットから切り出された。切断プロセスに使用されたスラリーは炭化ケイ素とポリエチレングリコールとの混合物(ベース:炭化ケイ素=0.8〜0.9:1の混合物)であった。この切断プロセスは、ウェハの表面上に多くの汚染物質、すなわち、ワイヤ切断機からの金属、例えば、鉄、酸化鉄、銅、酸化銅および亜鉛、並びに、スラリーからのポリエチレングリコールおよび炭化ケイ素粒子:をもたらした。水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよびアルキルポリグリコシドを含むアルカリエッチング清浄化剤で、8枚のウェハのうちの5枚が清浄化された。残りのウェハは、アルキルポリグリコシドおよび水を含む中性清浄化剤(非エッチング)、フッ化水素酸エッチング清浄化剤またはシュウ酸清浄化剤(非酸エッチング)の1種で清浄化された。
ウェハは、50℃で、10分間の滞留時間で、超音波をかけつつ、清浄化水溶液に浸漬された。清浄化した後で、アルカリ清浄化剤で清浄化されたウェハの4枚を室温で15秒間すすいだ。1つは20%シュウ酸すすぎ剤ですすがれ、1つは30℃の温水ですすがれ、別のものは10℃の冷水ですすがれた。四番目のものは、自然酸化物を修復させるために、以下の表2に開示される配合を有する7を超えるpHの酸化性溶液ですすがれた。すすぎは15秒間行われた。残りのウェハはすすがれなかった。
【0061】
【表2】

【0062】
ウェハが清浄化された後で、ウェハ表面の目に見える均一性によって、および従来の金属分析試験によってその清浄度が決定された。この清浄化は以下の表4に記録される。アルカリ清浄化剤で清浄化されたウェハは何ら汚染を示さなかった。これに対して、酸清浄化剤および中性清浄化剤で清浄化されたウェハは、依然として許容できない量の汚染物質を有していた。中性清浄化剤、フッ化水素酸清浄化剤およびアルカリ清浄化剤で清浄化されたウェハのそれぞれの接触角が、ASTM方法 ASTM D7334−08を用いて測定された。酸化性すすぎが使用された、中性清浄化剤およびアルカリ清浄化剤を用いて清浄化されたウェハについての接触角は0であった。フッ化水素酸を用いて清浄化されたウェハについての接触角は75度であり、アルカリ清浄化剤で清浄化されたウェハの残りについての接触角は65度であった。
次いで、それぞれのウェハは、ピラミッド構造を形成するために、以下の表3に開示されたテクスチャ化組成物を用いてエッチングされた。
【0063】
【表3】

【0064】
各ウェハは60℃で5分間テクスチャ化溶液中に浸漬された。テクスチャ化後に、各ウェハから除去されたケイ素の量が決定され、ピラミッド形成の質が検討された。各ウェハから除去されたケイ素の量は、テクスチャ化前およびテクスチャ化後に各ウェハを秤量し、その重量の差をとることによって決定された。各ウェハから除去されたケイ素は以下の表4に示される。各ウェハの表面は走査型電子顕微鏡(AMRAY1510電界放射型走査電子顕微鏡)を用いて検討された。反射率も決定された。テクスチャ化表面の反射率は、360nm〜750nmの波長範囲でマクベスカラーアイ反射率計(MacBeth Coloreye Reflectometer)7000を用いて測定された。入射光源はパルスキセノン電球であった。6回の反射率の読み取り値の平均が、その表面にわたって測定された。結果は以下の表4に開示される。
【0065】
【表4】

【0066】
小ピラミッド構造を有するウェハは1μm〜3μmの範囲のピーク高さを有していたが、それらはウェハの表面にわたって均一ではなかった。中ピラミッド構造を有するウェハは6μm〜8μmの範囲のピーク高さおよび少量の1μm〜3μmの範囲のピーク高さを有していた。このピラミッド構造はウェハの表面にわたって外見上は均一であった。
この結果は、清浄化中にその自然酸化物が保持される中性清浄化溶液を除いて、清浄化後に酸化性組成物で処理されなかったこれらウェハについて劣ったテクスチャ化を示した。中性清浄化剤の清浄化作用によって自然酸化物は除去されずそして良好なテクスチャ化が達成されたが、この中性清浄化剤は汚染物質を清浄化することができなかった。酸化性組成物ですすがれた清浄化されたウェハ上では自然酸化物が修復され、よって良好なテクスチャ化がもたらされた。さらに、自然酸化物の存在は接触角を低減させ、これはピラミッド形成の向上に貢献した。残留している清浄化溶液は、全てまたは少なくとも充分な量の自然酸化物を除去し、その結果劣ったテクスチャ化またはピラミッド形成がもたらされた。自然酸化物が除去されたか否かを決定するために使用された試験は、水の接触角を決定することによりなされた。自然酸化物存在する場合には、ウェハは親水性であり、接触角は0度であった。自然酸化物が除去されている場合には、ウェハは疎水性であり、接触角は0度を超えていた。さらに、自然酸化物を有するウェハとは異なり、自然酸化物が除去されているウェハに対するテクスチャ化でより小さなピークが達成された。
【0067】
劣ったテクスチャ化またはピラミッド形成を有するこれらウェハによって反射率も悪化させられた。テクスチャ化前のすすぎを行わずに、中性清浄化剤で清浄化されたウェハ、並びに酸化性組成物ですすがれたウェハについての平均反射率は14%であった。中性清浄化剤で清浄化されたウェハは、酸化性組成物ですすがれたウェハと匹敵する反射率を有していたが、この清浄化剤は汚染物質を除去できなかった。残りのウェハは15%〜25%の劣った平均反射率値を有していた。よって、テクスチャ化中に自然酸化物を有していたこれらウェハのみが、良好なピラミッド形成および反射率値を有するウェハをもたらした。
【0068】
実施例5
複数の単結晶性シリコンウェハが、実施例4の清浄化アルカリ配合物および方法で清浄化された。清浄化後、作業者の手を清浄化アルカリ溶液から保護するために安全グローブをはめた作業者によってウェハが取り扱われた。このウェハは、次いで、実施例1−4において使用されるテクスチャ化組成物中に、同じ条件下で浸漬された。テクスチャ化後、このウェハは上記走査型電子顕微鏡下に配置され、ウェハ上に形成されたピラミッド構造のSEMをとった。全ては劣ったピラミッド形成を示した。さらに、作業者の指がウェハと接触した場所では幾分かの損傷が認められた。図1は、これらウェハの1つについての劣ったテクスチャ化および指での損傷を示す。
ウェハは次いで、実施例1−4に記載される酸化性組成物で、同じすすぎ条件下ですすがれた。このウェハは、次いで、再テクスチャ化され、その表面は電子顕微鏡を用いてピラミッド構造の質について試験された。図2は酸化性組成物で処理され、次いでテクスチャ化されたウェハの1つについてのSEMである。図2は図1のとは対照的に、向上したピラミッド形成を示す。損傷したウェハの酸化性組成物でのすすぎは、ウェハ表面上に自然酸化物を修復させた。このことは、作業者の取り扱いによって生じる損傷の再テクスチャ化および正常化を可能にする。
【0069】
実施例6
0.5重量%の水酸化テトラメチルアンモニウム、0.4重量%の水酸化カリウム、0.12重量%のポリカルボン酸キレート化剤のナトリウム塩、0.05重量%のアルコールアルコキシラート界面活性剤および0.25重量%のトリプロピレングリコールを含んでいた水性清浄化アルカリ配合物が調製され、次いで、水で5%bvまで希釈された。水性アルカリ清浄化剤を用いて、1分間、55℃で、単結晶性ウェハが清浄化された。このウェハの接触角が決定され、30〜40°であった。清浄化後、このウェハは水性酸化性組成物中に60秒間、55℃で浸漬され、清浄化中にウェハから除かれた自然酸化物を修復させた。この水性酸化性組成物はpH=1.1で、3g/Lの過酸化水素を含んでいた。ウェハ接触角は30−40°であると決定された。このウェハは、次いで、60g/Lの水酸化カリウムおよび0.6%bvのトリプロピレングリコールを含むアルカリ水溶液で、30分間、80℃でテクスチャ化された。テクスチャ化の後で、ウェハは走査型電子顕微鏡下に置かれ、ウェハ上に形成されたピラミッド構造のSEMをとった。テクスチャ化によるケイ素の損失は7.6%であったと決定された。図3は形成されたピラミッド構造についてとられたSEMである。テクスチャ化後のこのウェハの平均入射光反射率は14.4%であったと決定された。
【0070】
実施例7
実施例6の水性アルカリ清浄化剤を用いて、同じ条件下で、単結晶性シリコンウェハが清浄化された。ウェハが清浄化された後で、pH=12.8で、3g/Lの過酸化水素を含んでいた水性酸化性アルカリ組成物を用いて、自然酸化物が修復された。酸化は20℃で60秒間行われた。このウェハの接触角は0°であったと決定された。このウェハは、次いで、実施例6におけるウェハについてのと同じアルカリ水溶液で、同じ時間量で、同じ温度でテクスチャ化された。テクスチャ化によるケイ素の損失は10.1%であったと決定された。図4はテクスチャ化の後のウェハのSEMである。図3のピラミッド構造に対して、図4のピラミッド構造はより均一に見える。さらに、このウェハの平均入射光反射率は13.3%であったと決定され、これは実施例6におけるウェハのよりも向上されていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)半導体基体をケイ素エッチングアルカリもしくは酸溶液で清浄化し;
b)清浄化された半導体基体の表面を、1種以上の酸化剤を含み、7を超えるpHを有する酸化性組成物で酸化し;並びに
c)酸化された半導体基体をテクスチャ化する;
ことを含む方法。
【請求項2】
1種以上の酸化剤が、オゾン、過酸化物、過ホウ酸塩、過炭酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜臭素酸塩、臭素酸塩、次亜ヨウ素酸塩、ヨウ素酸塩、有機過酸およびその塩、無機過酸およびその塩から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸化性組成物が1種以上のキレート化剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
酸化性組成物が1種以上のヒドロキシル非含有界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
酸化性組成物が1種以上のホスホン酸をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
テクスチャ化組成物がアルカリ組成物または酸組成物である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
テクスチャ化アルカリ組成物が1種以上の水酸化第四級アンモニウムを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
テクスチャ化アルカリ組成物が1種以上のアルコキシ化グリコールを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
清浄化アルカリ溶液が1種以上の水酸化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
清浄化アルカリ溶液が1種以上のミッドレンジアルコキシラートをさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−205058(P2011−205058A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−281128(P2010−281128)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】