説明

半導体装置およびこれを用いた無線装置

【課題】半導体装置を無線装置の基板に実装した場合に、実装前後で導電層のインダクタ周辺の寄生容量に変化が生じインダクタとの結合容量が変わり、インダクタ値が変化してしまうことのない、WLCSP構造の半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、半導体基盤101と、半導体基盤の上層側に導電体で形成される遮蔽体20Bと、半導体基盤の上層側に導電体および半導体で形成される能動体20Aと、遮蔽体と能動体の間に形成され、遮蔽体と能動体とを電気的に絶縁する絶縁層106P、106Qとを有し、遮蔽体は、板状に形成される第1導電層110Bと、第1導電層の上層側に形成され、第1導電層に接続される第1外部電極102Bとを含み、能動体は、半導体基盤と第1導電層の間に形成され、半導体基盤に接続される第2導電層103、110Aを含む構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線装置基板に実装したとき、無線基板からの影響を低減する技術に関し、さらに詳しくは半導体装置およびこれを用いた無線装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの無線装置の小型に伴い、この無線装置に搭載される半導体装置の小型化が必要とされている。
【0003】
これに対応するために、半導体チップの外形寸法とほぼ同じ寸法のウェハレベルチップサイズパッケージ(Wafer Level Chip Size Package 以下WLCSPとする)と呼ばれる半導体装置のパッケージ構造が無線装置の半導体装置として主流になりつつある。
【0004】
このWLCSP構造は、半導体基板上の電極に絶縁膜を介し、銅などの導電体を接続させ、この銅の導電体上に柱状の外部電極を形成し、さらに銅の導電体を樹脂などで覆い、電極だけを露出させた構造のものである。
【0005】
このWLCSP構造を利用した半導体装置で、半導体基板上の導電体でインダクタを形成し、半導体基板上の回路と接続させたものが知られている(特許文献1参照)。
【0006】
また、半導体基板上の導電体からのノイズの影響から、半導体基板上の回路への影響を保護する構造が知られている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−057292号公報
【特許文献2】特開2005−005741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術で、半導体基板上の導電体でインダクタを形成したWLCSP構造の半導体装置を無線装置の基板に実装した場合、実装前後で導電体のインダクタ周辺の寄生容量に変化が生じ、インダクタとの結合容量が変わり、インダクタ値が変化してしまう。
【0008】
図19Aに従来例の図面を示す。従来の半導体装置100pは、半導体基板101p、外部電極102p、および導電体103pを有する。図19Bは、図19Aの線A1−A1に沿った断面図を示す。半導体基板101p上に、内部回路105pに接続される電極104pと、絶縁膜106pを介し接続する導電体103pにおいてインダクタを形成し、この導電体103p上に外部電極102pを形成し、封止層107pで導電体103pを覆い、外部電極102pを露出させた半導体装置100pにおいて、外部電極102pを無線装置109pの電極108pに接続させたものである。
【0009】
このとき導電体103pのインダクタを含む共振器で電圧制御発振器を構成し、WLCSP半導体装置として無線装置109pに実装したとき、導電体103pのインダクタ上層側の寄生容量値が無線装置実装前と比較して変化する。これによりインダクタとの結合容量が変わり、インダクタ値が変化するため、半導体装置検査工程の検査時と無線基板実装時との電圧制御発振周波数値に、差が生じる課題がある。
【0010】
また電源系からの外乱を除去する目的で、一般的に半導体装置の端子に外付け部品を実装している。また外乱の影響は端子からだけではなく、微細チップになると、実装基板から直接半導体チップ上の回路素子に影響を及ぼす事もある。図19Cのように、電源に直列に接続されるインダクタ素子を有するフィルタによって、電源電圧Vccに重畳された低周波成分のノイズが伝達される事を防止している。例えば一般的に電源系のノイズに弱いとされるPLLにおいては、発振器は電源電圧から重畳されたノイズの回り込みにより、位相ノイズ劣化として現われる。特に電源系からの低周波の電源ノイズは、PLLのループフィルタでは低減できずにそのまま出力されてしまうので、問題になるのが一般的である。
【0011】
また、高周波信号の入出力端子には、図19Dのように、入力端子に直列に結合されるインダクタ素子を有するフィルタによって、信号ロスを低減する目的でマッチング回路が必要となるのが一般的である。これらの部品は、入出力端子において全て必要な為、マルチバンドの無線通信機器においては実装面積の増大をまねくことになる。上述した電源系ノイズ除去フィルタにおいても、近年の半導体ICの多ピン化においては実装面積増大をまねく要因でもある。また、半導体チップにインダクタを埋め込む構成もあるが、チップ面積の増大及び干渉等の課題もあり困難である。
【0012】
本発明は、上述した従来の課題を解決するもので、WLCSP構造の半導体装置に関して、無線装置に実装したときの影響を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するために、本発明の半導体装置は、半導体基盤と、前記半導体基盤の上層側に導電体で形成される遮蔽体と、前記半導体基盤の上層側に導電体および半導体で形成される能動体と、前記遮蔽体と前記能動体の間に形成され、前記遮蔽体と前記能動体とを電気的に絶縁する絶縁層とを有し、前記遮蔽体は、板状に形成される第1導電層と、前記第1導電層の上層側に形成され前記第1導電層に接続される第1外部電極とを含み、前記能動体は、前記半導体基盤と前記第1導電層の間に形成され前記半導体基盤に接続される第2導電層を含むことを特徴としている。
また、本発明の無線装置は、半導体基盤と、前記半導体基盤の上層側に導電体で形成される遮蔽体と、前記半導体基盤の上層側に導電体および半導体で形成される能動体と、前記遮蔽体と前記能動体の間に形成され前記遮蔽体と前記能動体とを電気的に絶縁する絶縁層とを有し、前記遮蔽体は板状に形成される第1導電層と前記第1導電層の上層側に形成され前記第1導電層に接続される第1外部電極とを含み、前記能動体は前記半導体基盤と前記第1導電層の間に形成され、前記半導体基盤に接続される第2導電層を含む半導体装置と、前記第1外部電極の上層側に前記第1導電層よりも広く形成され前記第1外部電極に接続される第3導電層と、前記第3導電層を取り付ける実装基板とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る半導体装置によると、半導体基板上の最上層の板状の導電層を有することにより板状の導電層の下層側に位置する素子を遮蔽し、無線基板に実装したときの影響を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に関するいくつかの例について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において、実質的に同一の構成、動作、および効果を表す要素については、同一の符号を付す。また、以下において記述される数字は、すべて本発明を具体的に説明するために例示したものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
(第1の実施形態)
【0016】
図1Aは、第1の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図1Bは、図1Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図1Aの半導体装置100に対して、さらに封止層107が形成される。ここで図1Bの断面図において、図面の上方に対応する封止層107側を上層側とし、図面の下方に対応する半導体基板101側を下層側とする。
【0017】
内部回路105は、半導体で構成され、半導体基板101に設けられる。電極104は、例えばアルミニウムで構成され、内部回路105に接続される一方、導電層103を介して最上層の導電層110Aに接続される。導電層103および最上層の導電層110Aは、例えば銅で構成される。さらに、最上層の導電層110Aは、上層側に形成される外部電極102Aに接続される。電極104、導電層103、および最上層の導電層110Aは、各絶縁層106P、106Qを貫通する。板状に形成された最上層の導電層110Bは、半導体基盤101を覆い、少なくとも1つ以上の外部電極102Bに接続される。半導体装置100は、各外部電極102A、102Bの一部分を露出させたまま、封止層107で覆われる。
【0018】
内部回路105、電極104、導電層103、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20Aを構成する。最上層の導電層110Bおよび少なくとも1つ以上の外部電極102Bは、遮蔽体20Bを構成する。半導体装置100は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A、および遮蔽体20Bを含む。遮蔽体20Bは、能動体20Aに対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0019】
第1の実施形態によると、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層に位置する導電層103および内部回路105を、上層から静電的に遮蔽する。その結果、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、導電層103および内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に低減させることができる。これにより、導電層103および内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
(第2の実施形態)
【0020】
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1の実施形態と同等であるので、省略する。
【0021】
図2Aは、第2の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図2Bは、図2Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図2Aに対して、さらに封止層107が形成される。
【0022】
図2Bにおいて、外部電極102Bは、板状に形成された最上層の導電層110Bの外周に、一様に形成される。最上層の導電層110Bは、半導体基盤101を覆い、外周に形成される外部電極102Bに接続される。
【0023】
内部回路105、電極104、導電層103、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20Aを構成する。最上層の導電層110Bおよび外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20Bを構成する。半導体装置100は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A、および遮蔽体20Bを含む。遮蔽体20Bは、能動体20Aに対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0024】
第2の実施形態によると、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層に位置する導電層103および内部回路105を、上層から静電的に遮蔽する。その結果、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、導電層103および内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、導電層103および内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
(第3の実施形態)
【0025】
第3の実施形態では、第1および第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1および第2の実施形態と同等であるので、省略する。
【0026】
図3Aは、第3の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図3Bは、図3Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図3Aに対して、さらに封止層107が形成される。
【0027】
図3Bにおいて、板状に形成された最上層の導電層110Bには、一部分がくり貫かれたくり貫き領域10が形成され、このくり貫き領域10に、最上層の導電層110Bと大略同層で、導電層110Bとは絶縁された導電層110Aが形成される。この導電層110Aは、上層側に形成された外部電極102Aに接続され、下層側では、導電層103A1および電極104を介して、半導体基板101の内部回路105に接続される。導電層103A1および内部回路105は、最上層の板状の導電層110Bの下層側に位置する。
【0028】
内部回路105、電極104、導電層103A1、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A1を構成する。最上層の導電層110Bおよび外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20Bを構成する。半導体装置100は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A1、および遮蔽体20Bを含む。遮蔽体20Bは、能動体20A1に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0029】
第3の実施形態によると、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層側に位置する導電層103A1および内部回路105を、上層側から静電的に遮蔽する。その結果、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、導電層103A1および内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、導電層103A1および内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
(第4の実施形態)
【0030】
第4の実施形態では、第1ないし第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1ないし第3の実施形態と同等であるので、省略する。
【0031】
図4Aは、第4の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図4Bは、図4Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図4Aに対して、さらに封止層107が形成される。
【0032】
図4Bにおいて、板状に形成された最上層の導電層110Bの下層側に、インダクタなどの機能素子が形成された導電層103A2が設けられる。このインダクタはらせん状に形成され、両端が電極104を介して内部回路105にそれぞれ接続される。導電層103A2および内部回路105は、最上層の板状の導電層110Bの下層側に位置する。
【0033】
内部回路105、電極104、導電層103A2は、能動体20A2を構成する。最上層の導電層110Bおよび外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20Bを構成する。半導体装置100は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A2、および遮蔽体20Bを含む。遮蔽体20Bは、能動体20A2に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0034】
第4の実施形態によると、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層側に位置する導電層103A2に形成されたインダクタなどの機能素子を、上層側から静電的に遮蔽する。その結果、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、導電層103A2および内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、導電層103A2および内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
(第5の実施形態)
【0035】
第5の実施形態では、第1ないし第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1ないし第4の実施形態と同等であるので、省略する。
【0036】
図5Aは、第5の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図5Bは、図5Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図5Aに対して、さらに封止層107が形成される。
【0037】
図5Bにおいて、板状に形成された最上層の導電層110Bには、一部分がくり貫かれたくり貫き領域10が形成され、このくり貫き領域10に、最上層の導電層110Bと大略同層で、導電層110Bとは絶縁された導電層110Aが形成される。この導電層110Aは、上層側に形成された外部電極102Aに接続され、下層側では、導電層103A3および電極104を介して、半導体基板101の内部回路105に接続される。導電層103A3には、らせん状のインダクタが形成され、らせん状曲線の中心に位置する一端が電極104を介して内部回路105に接続され、他端が導電層110Aに接続される。導電層103A3および内部回路105は、最上層の板状の導電層110Bの下層側に位置する。
【0038】
内部回路105、電極104、導電層103A3、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A3を構成する。最上層の導電層110Bおよび外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20Bを構成する。半導体装置100は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A3、および遮蔽体20Bを含む。遮蔽体20Bは、能動体20A3に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0039】
第5の実施形態によると、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層側に位置する導電層103A3に形成されたインダクタなどの機能素子を、上層側から静電的に遮蔽する。その結果、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、導電層103A3および内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、導電層103A3および内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
(第6の実施形態)
【0040】
第6の実施形態では、第1ないし第5の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1ないし第5の実施形態と同等であるので、省略する。
【0041】
図6Aは、第6の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図6Bは、図6Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図6Aに対して、さらに封止層107が形成される。図6Cは、図6Aの線B1−B1に沿った断面図であり、図6Aに対して、さらに封止層107が形成される。
【0042】
図6Bにおいて、板状に形成された最上層の導電層110Bの下層側に、半導体基板101の内部回路105が設けられる。また、最上層の導電層110Bは、上層側に形成された外部電極102Bを介して接地され、下層側では、導電層103B、電極104、および接地導体111を介して、半導体基板101に接続される。
【0043】
図6Cにおいて、外部電極102Bは板状の導電層110Bの外周に接続されるとともに接地され、その下層側も、図6Bと同様に半導体基板101に接続される。
【0044】
内部回路105は、能動体20A4を構成する。接地導体111、電極104、導電層103B、最上層の導電層110B、および外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20B1を構成する。半導体装置100は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A4、および遮蔽体20B1を含む。遮蔽体20B1は、能動体20A4に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0045】
遮蔽体20B1の間隔、すなわち外部電極102Bの間隔は、使用周波数帯の電磁波を十分遮断できる値に設定される。第1の観点によれば、使用周波数に対応する波長の4分の1以下に設定される。第2の観点によれば、使用周波数の2倍または3倍高調波に対応する波長の4分の1以下に設定される。第3の観点によれば、導波管の遮断周波数を考慮し、遮蔽体20B1の高さの2倍以下に設定される。使用周波数が2GHzの場合、第1の観点によれば、3.75cm以下になり、第2の観点によれば、2倍高調波で1.87cm以下になり、3倍高調波で1.25cm以下になる。第3の観点によれば、遮蔽体20B1の高さは、例えば0.105mmであるので、0.21mm以下になる。
【0046】
このように、遮蔽体20B1の間隔は、例えば3.75cm以下であり、好ましくは1.25cm以下、さらに好ましくは0.21mm以下である。
【0047】
第6の実施形態によると、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層側に位置する半導体基板101上の内部回路105を、上層側から静電的に遮蔽する。その結果、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
【0048】
さらに、下端は半導体基板101に接続され、上端は接地される遮蔽体20B1で囲まれた領域と、それ以外の領域に半導体装置100を電磁的に遮蔽する。これにより、例えば能動体20Aから内部回路105への電磁妨害を、低減することができる。
(第7の実施形態)
【0049】
第7の実施形態では、第1ないし第6の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1ないし第6の実施形態と同等であるので、省略する。
【0050】
図7Aは、第7の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図7Bは、図7Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図7Aに対して、さらに封止層107が形成される。図7Cは、図7Aの線B1−B1に沿った断面図であり、図7Aに対して、さらに封止層107が形成される。
【0051】
図7Bにおいて、板状に形成された最上層の導電層110Bには、一部分がくり貫かれたくり貫き領域10が形成され、このくり貫き領域10に、最上層の導電層110Bと大略同層で、導電層110Bとは絶縁された導電層110Aが形成される。この導電層110Aは、上層側に形成された外部電極102Aに接続され、下層側では、導電層103A5および電極104を介して、半導体基板101の内部回路105に接続される。導電層103A5および内部回路105は、最上層の板状の導電層110Bの下層側に位置する。
【0052】
さらに、最上層の導電層110Bは、上層側に形成された外部電極102Bを介して接地され、下層側では、導電層103B、電極104、および接地導体111を介して、半導体基板101に接続される。
【0053】
図7Cにおいて、外部電極102Bは板状の導電層110Bの外周に接続されるとともに接地され、その下層側も、図7Bと同様に半導体基板101に接続される。
【0054】
内部回路105、電極104、導電層103A5、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A5を構成する。接地導体111、電極104、導電層103B、最上層の導電層110B、および外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20B1を構成する。半導体装置100は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A5、および遮蔽体20B1を含む。遮蔽体20B1は、能動体20A5に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0055】
第7の実施形態によると、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層側に位置する導電層103A5および内部回路105を、上層側から静電的に遮蔽する。その結果、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、導電層103A5および内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、導電層103A5および内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
【0056】
さらに、下端は半導体基板101に接続され、上端は接地される遮蔽体20B1で囲まれた領域と、それ以外の領域に半導体装置100を電磁的に遮蔽する。これにより、例えば能動体20Aから、導電層103A5および内部回路105への電磁妨害を、低減することができる。また、能動体20A5において、内部回路105の出力信号を外部電極102Aから半導体装置100の外部に、例えば能動体20Aからの電磁妨害を受けずに取り出すことができる。
(第8の実施形態)
【0057】
第8の実施形態では、第1ないし第7の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1ないし第7の実施形態と同等であるので、省略する。
【0058】
図8Aは、第8の実施形態に係る半導体装置100の平面図である。図8Bは、図8Aの線A1−A1に沿った断面図であり、図8Aに対して、さらに封止層107が形成される。図8Cは、図8Aの線B1−B1に沿った断面図であり、図8Aに対して、さらに封止層107が形成される。
【0059】
第8の実施形態では、半導体装置100は、第7の実施形態と同様な構成の各半導体装置100P、100Qを有する。半導体装置100P、100Qのそれぞれに含まれる内部回路105は、互いに異なる回路構成であってもよい。
【0060】
第8の実施形態によると、半導体装置100P、100Qのそれぞれにおいて、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層側に位置する導電層103A5および内部回路105を、上層側から静電的に遮蔽する。その結果、半導体装置100P、100Qのそれぞれにおいて、各外部電極102A、102Bを介して、最上層の導電層110Bの上層に設けられる無線装置などの実装基板と、導電層103A5および内部回路105との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、導電層103A5および内部回路105がこの実装基板から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。
【0061】
さらに、下端は半導体基板101に接続され、上端は接地される遮蔽体20B1でそれぞれ囲まれた半導体装置100P、100Qを、電磁的に互いに遮蔽する。これにより、一方の半導体装置における導電層103A5および内部回路105から、他方の半導体装置における導電層103A5および内部回路105への電磁妨害を、低減することができる。さらに、一方の能動体20A5において、内部回路105の出力信号を外部電極102Aから半導体装置100の外部に、他方の導電層103A5および内部回路105からの電磁妨害を受けずに取り出すことができる。このように、2個の半導体装置100P、100Q間の干渉を低減させることができる。
【0062】
なお、半導体装置100が第7の実施形態と同様の構成を3個以上有する場合も、同様にして説明できる。
(第9の実施形態)
【0063】
第9の実施形態では、第1ないし第8の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1ないし第8の実施形態と同等であるので、省略する。
【0064】
まず、図9Aは、第1および第2の実施形態と同様な半導体装置100において、最上層の板状の導電層110Bの一部分に、長辺が比較的長いスリット112Pと、長辺が比較的短いスリット112Qを備えた平面図である。スリットは開口部とも呼ぶ。
【0065】
図9Bは、第3の実施形態と同様な半導体装置100において、最上層の板状の導電層110Bの一部分に、少なくとも1つ以上のスリット112を備えた平面図である。
図9Cは、図9Bの線A1−A1に沿った断面図である。
図9Dは、第4の実施形態と同様な半導体装置100において、最上層の板状の導電層110Bの一部分に、少なくとも1つ以上のスリット112を備えた平面図である。スリット112は、導電体103A2に形成されたインダクタの上層側にあり、このインダクタのらせん状の中心に対して放射状に配置される。
図9Eは、図9Dの線A1−A1に沿った断面図である。
図9Fは、第5の実施形態と同様な半導体装置100において、最上層の板状の導電層110Bの一部分に、少なくとも1つ以上のスリット112を備えた平面図である。スリット112は、導電体103A3に形成されたインダクタの上層側にあり、このインダクタのらせん状の中心に対して放射状に配置される。
図9Gは、図9Fの線A1−A1に沿った断面図である。
図9Hは、第6の実施形態と同様な半導体装置100において、最上層の板状の導電層110Bの一部分に、少なくとも1つ以上のスリット112を備えた平面図である。スリット112は、内部回路105の上層側に配置される。
図9Iは、図9Hの線A1−A1に沿った断面図である。
図9Jは、第7の実施形態と同様な半導体装置100において、最上層の板状の導電層110Bの一部分に、少なくとも1つ以上のスリット112を備えた平面図である。
図9Kは、図9Jの線A1−A1に沿った断面図である。
図9Jの線B1−B1に沿った断面図は、図7Bと同様である。
図9Lは、第8の実施形態と同様な半導体装置100において、最上層の板状の導電層110Bの一部分に、少なくとも1つ以上のスリット112を備えた平面図である。
図9Mは、図9Lの線A1−A1に沿った断面図である。
図9Nは、図9Nの線B1−B1に沿った断面図である。
【0066】
第9の実施形態によると、最上層の板状の導電層110Bに少なくとも1つ以上のスリット112を備えるため、板状の導電層110Bに発生する応力を緩和し、板状の面積を有する導電層を実現することができる。
【0067】
また、少なくとも1つ以上のスリット112が含まれる最上層の板状の導電層110Bは、各導電層103A2、103A3で形成したインダクタの上層側に位置する。このため、インダクタからの相互誘導により、導電層110Bには渦電流が発生する。この渦電流による磁界は、このインダクタのインダクタ値を変化させ、Q値を低下させるが、スリット112により渦電流は低減するので、インダクタ値の変動を小さくし、Q値を大きくすることができる。
(第10の実施形態)
【0068】
第10の実施形態では、第1ないし第9の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第1ないし第9の実施形態と同等であるので、省略する。
【0069】
第10の実施形態では、半導体チップの外形寸法とほぼ同じ寸法のウェハレベルチップサイズパッケージ(Wafer Level Chip Size Package 以下WLCSPとする)と呼ばれる半導体装置100について説明する。
図10Aは、第10の実施形態に係る半導体装置100において、WLCSPの構成要素の一部分を模式的に示す平面図である。
図10Bは、図10Aの線A1−A1に沿った断面を模式的に示す断面図である。図10Aに対して、さらに封止層107が形成され、各外部電極102A、102Bの上に無線装置の実装基板218が設けられる。図10B全体は、無線装置200を構成する。ここで図10Bの断面図において、図面の上方に対応する実装基板218側を上層側とし、図面の下方に対応する半導体基板101側を下層側とする。
【0070】
第10の実施形態では、第5の実施形態と同様に、導電層103A3によりインダクタ214がらせん状に形成される。らせん状曲線の中心に位置する一端は、第5の実施形態では内部回路105に接続されるが、第10の実施形態では導電層110Aに接続され、他端はアルミ配線20を介して内部回路105(図10Bの断面図には現れず)に接続される。インダクタ214は、第5の実施形態では導電層103A3に対応する。
【0071】
内部回路105、アルミ配線206、電極104、インダクタ214、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A6を構成する。第6の実施形態と同様に、最上層の導電層110Bは遮蔽体20B1に含まれる。遮蔽体20B1は、能動体20A6に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。能動体20A6は、外部電極102Aを介して実装基板218に接続され、遮蔽体20B1は、外部電極102Bを介して実装基板218に接続され、接地される。
【0072】
第10の実施形態によれば、最上層の導電層110Bが板状のため、この下層側に位置するインダクタ214を、上層側から静電的に遮蔽する。その結果、実装基板218とインダクタ214との間に寄生する結合容量を、大幅に減少させることができる。これにより、インダクタ214が実装基板218から受ける共振周波数変動などの悪影響を無くすことができる。また第10の実施形態では、インダクタ214は外部電極102Aを中心にらせん状に巻かれており、第5の実施形態に比べて、インダクタ214の専有面積を減らせる効果がある。
さらに詳しくは図10Aに示すように、最上層の板状の導電層110Bは半導体基板101全体を覆い、絶縁層106Qを挟んで、内部回路105を有する半導体基板101上にインダクタ214が形成される。外部電極102Aは、導電層110Aおよびインダクタ214に接続され、インダクタ214は、外部電極102Aを中心にらせん状に形成される。インダクタ214両端の一方は導電層110Aを介して外部電極102Aに、他方は内部回路105に接続される。
【0073】
具体的には、図10Bに示すように半導体装置100は、半導体基板101に、絶縁層106P、絶縁層106Q及び封止層107が順次形成された積層構造を有している。導電層110Aは絶縁層106Qを貫通し、インダクタ214と導電層110Aは電気的に接続される。その上端面は封止層107から露出していて、封止層107の表面と同一面を形成している。インダクタ214は、柱状に形成された外部電極102Aを中心に、取り囲むようにらせん状の導電路として形成される。インダクタ214は絶縁層106Pを貫通し、電気的に半導体基板101表面上の電極104に接続され、半導体基板101上のアルミ配線206を介し内部回路105に接続される。
【0074】
第10の実施形態では、最上層の板状の導電層110Bをインダクタ214の上層側に全面に覆う事により、実装基板218とインダクタ214の形成層との層間の寄生容量による容量結合を無くし、実装基板218からインダクタ214への外乱による影響を低減できる。
(第11の実施形態)
【0075】
第11の実施形態では、第10の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第10の実施形態と同等であるので、省略する。
【0076】
図11Aは、第11の実施形態に係る半導体装置100において、WLCSPの構成要素の一部分を模式的に示す平面図である。
図11Bは、図11Aの線A1−A1に沿った断面を模式的に示す断面図である。図11Aに対して、さらに封止層107が形成され、各外部電極102A、102Bの上に無線装置などの実装基板218が設けられる。図11B全体は、無線装置200を構成する。
【0077】
図11Aに示すように、最上層の板状の導電層110Bは半導体基板101全体を覆い、絶縁層106Qを挟んで、内部回路105を有する半導体基板101上に、導電層103A3によりインダクタ214が形成される。外部電極102Aは、導電層110Aおよびインダクタ214に接続され、インダクタ214は、外部電極102Aを中心にらせん状に形成される。インダクタ214両端の一方は導電層110Aを介して外部電極102Aに、他方は内部回路105に接続される。
【0078】
また、内部回路105に接続されている端子にはキャパシタ204が接続され、一方が半導体基板101に接続される。内部回路105に接続する配線は、半導体基板101上のアルミ配線206で接続される。最上層の板状の導電層110Bは、電極104を通して半導体基板101に接続される。
【0079】
具体的には、図11Bに示すように半導体装置100は、半導体基板101に、絶縁層106P、絶縁層106Q及び封止層107が順次形成された積層構造を有している。導電層110Aは絶縁層106Qを貫通し、インダクタ214と導電層110Aは電気的に接続される。その上端面は封止層107から露出していて、封止層107の表面と同一面を形成している。インダクタ214は、柱状に形成された外部電極102Aを中心に、取り囲むようにらせん状の導電路として形成される。インダクタ214は絶縁層106Pを貫通し、電気的に半導体基板101表面上の電極104に接続され、半導体基板101上のアルミ配線206を介し内部回路105とキャパシタ204に接続される。また、キャパシタ204の一方は半導体基板101に接続される。
【0080】
内部回路105、アルミ配線206、キャパシタ204、電極104、インダクタ214、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A7を構成する。第10の実施形態と同様に、最上層の導電層110Bは遮蔽体20B1に含まれる。遮蔽体20B1は、能動体20A7に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。能動体20A7は、外部電極102Aを介して実装基板218に接続され、遮蔽体20B1は、外部電極102Bを介して実装基板218に接続され、接地される。
【0081】
キャパシタ204は、金属・絶縁体・金属(MIM:Metal Insulate Metal)構造を用いた容量、ゲート酸化膜容量、対接地間アルミ配線容量等、あらゆる容量を含みそれを限定しない。図11Bには、簡略的なMIM構造のキャパシタ204を示す。
【0082】
第11の実施形態では、最上層の板状の導電層110Bをインダクタ214の上層側に全面に覆う事により、実装基板218とインダクタ214の形成層との層間の寄生容量による容量結合を無くし、実装基板218からインダクタ214への外乱による影響を低減できる。
【0083】
また、半導体基盤101にキャパシタ204を有し、インダクタ214を形成している外部電極102Aを電源に接続した場合、内部回路105に及ぼす電源からの外乱の影響を低減する事に効果がある。また、外部電極102Aを入出力端子として接続した場合はマッチング回路として用いる事ができる。これらは、図11C、図11Dように第11の実施形態を用いる事により、半導体基板101の面積を増大させる事無く内蔵化が可能となる。近年の大規模な集積された多ピンICでは、小型化、コスト削減に効果があり、かつ、電源系からの外乱に対し耐性を強化する事ができる。
(第12の実施形態)
【0084】
第12の実施形態では、第11の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第11の実施形態と同等であるので、省略する。
【0085】
図12Aは、第12の実施形態に係る半導体装置100において、WLCSPの構成要素の一部分を模式的に示す平面図である。
図12Bは、図12Aの線A1−A1に沿った断面を模式的に示す断面図である。図12Aに対して、さらに封止層107が形成され、各外部電極102A、102Bの上に無線装置などの実装基板218が設けられる。図12B全体は、無線装置200を構成する。
【0086】
第11の実施形態では、図11Aに示すように、内部回路105を有する半導体基板101上に、導電層103A3によりインダクタ214が形成される。これに対して第12の実施形態では、図12Aに示すように、導電層103A3によりインダクタ214は半導体基板101上に形成され、らせん状を呈するインダクタ214の一部分の真上を平行に、インダクタ214と一部分を接続した状態で、またインダクタ214と大略同等な幅で、導電層110Aが形成される。このインダクタ214と導電層110Aとは、複合インダクタ214Aを構成する。導電層110Aと最上層の板状の導電層110Bは、同一面上に形成され、スリット11Pで分離される。最上層の板状の導電層110Bは、導電層110Aを除き、半導体基板101全体を覆う。
【0087】
第11の実施形態記載と同様、外部電極102Aは、導電層110Aおよびインダクタ214に接続され、インダクタ214は、外部電極102Aを中心にらせん状に形成される。インダクタ214は途中の導電路で導電層110Aに接続され、平行にらせん状に形成される。インダクタ214両端の一方は導電層110Aを介して外部電極202に、他方は内部回路105に接続される。
【0088】
また、内部回路105に接続されている端子にはキャパシタ204が接続され、一方が半導体基板101に接続される。内部回路105に接続する配線は、半導体基板101上のアルミ配線206で接続される。
【0089】
具体的には、図12Bに示すように外部電極102Aは、第11の実施形態と同等である。インダクタ214は、最上層の板状の導電層110Bと絶縁層106Qを挟んで形成され、柱状に形成された外部電極102Aを中心に、取り囲むようにらせん状の導電路として形成される。インダクタ214はその途中の導電路で絶縁層106Qを貫通し、導電層110Aと電気的に接続される。最上層の板状の導電層110Bは、インダクタ214の導電路周辺においてにスリット11Pが形成され、それ以外はインダクタ214を含めて下層側に位置する半導体基盤101を遮蔽している。複合インダクタ214Aを構成する導電層110Aとインダクタ214は、平行して外部電極102Aを中心にらせん状に形成される。
【0090】
インダクタ214の取り出し端子にて、導電層110Aは絶縁層106Qを貫通し、インダクタ214に接続される。インダクタ214は更に絶縁層106Pを貫通し、半導体基板101表面上の電極104に電気的に接続される。電極104は、半導体基板101上のアルミ配線206を介し、内部回路105とキャパシタ204に接続される。また、キャパシタ204の一方は、半導体基板101に接続される。
【0091】
内部回路105、アルミ配線206、キャパシタ204、電極104、複合インダクタ214A、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A8を構成する。第11の実施形態と同様に、最上層の導電層110Bは遮蔽体20B1に含まれる。遮蔽体20B1は、能動体20A8に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。能動体20A8は、外部電極102Aを介して実装基板218に接続され、遮蔽体20B1は、外部電極102Bを介して実装基板218に接続され、接地される。
【0092】
図12Cでは、複合インダクタ214Aを構成している導電層110Aは、複数個に分割され、平行して形成されている下層側のインダクタ214と、細切れで電気的に接続している。最上層の板状の導電層110Bは、第11の実施形態と同様である。また、内部回路105に接続しているキャパシタ204の有無は必ずしも限定せず、複合インダクタ214Aのみの構成であってもよい。
【0093】
第12の実施形態では、第11の実施形態同様、最上層の板状の導電層110Bをインダクタ214の上層側に前面に覆う事により、実装基板218からインダクタ214への影響を低減できると共に、第11の実施形態と比較し、インダクタ214と導電層110Aが並列接続している為、寄生抵抗を削減できインダクタのQ値を向上する事に有効である。その他の効果は第11の実施形態と同一である。また図12Cのように細切れにする事により、実装基板218との遮蔽効果を向上させる効果がある。
(第13の実施形態)
【0094】
第13の実施形態では、第10の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第10の実施形態と同等であるので、省略する。
【0095】
図13Aは、第13の実施形態に係る半導体装置100において、WLCSPの構成要素の一部分を模式的に示す平面図である。
図13Bは、図13Aの線A1−A1に沿った断面を模式的に示す断面図である。図13Aに対して、さらに封止層107が形成され、各外部電極102A、102Bの上に無線装置などの実装基板218が設けられる。図13B全体は、無線装置200を構成する。
【0096】
第13の実施形態は、第10の実施形態と比較し、導電層103A3によるインダクタ214の形成においては同等であるが、図13Aに示すように内部回路105に接続されるキャパシタ204Pが、インダクタ214の一部分と、最上層の板状の導電層110Bの一部分の導電層110B1とで構成される事を特徴としている。導電層110B1は、全体を覆っている導電層110Bとはスリット11Qで分離されている。図13Bに示すようにキャパシタ204Pは、インダクタ214の一部分と、絶縁層106Qを挟んで導電層110B1とで形成している。導電層110B1、インダクタ214以外の導電層103A3、および電極104は、互いに接続され、絶縁層106Qおよび絶縁層106Pを貫通し、半導体基板101に接続される。
【0097】
また、図13Cのように、インダクタ214の配線層の途中でキャパシタ204Qを構成する事により、インダクタ値を任意に選択する事ができる。
【0098】
内部回路105、アルミ配線206、電極104、インダクタ214、キャパシタ204P、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A9を構成する。第10の実施形態と同様に、最上層の導電層110Bは遮蔽体20B1に含まれる。接地導体111、電極104、導電層103B、最上層の導電層110B1、および外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20B2を構成する。各遮蔽体20B1、20B2は、能動体20A9に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。能動体20A9は、外部電極102Aを介して実装基板218に接続され、各遮蔽体20B1、20B2は、外部電極102Bを介して実装基板218に接続され、接地される。
【0099】
キャパシタ204Pは、第13の実施形態の構成に限らず、第13の実施形態における各導電層同士で構成してもよい。キャパシタ204Pの容量値は、スリット11Qの面積で任意に調整する事ができる。
(第14の実施形態)
【0100】
第14の実施形態では、第11の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第11の実施形態と同等であるので、省略する。
【0101】
図14Aは、第14の実施形態に係る半導体装置100において、WLCSPの構成要素の一部分を模式的に示す平面図である。
図14Bは、図14Aの線A1−A1に沿った断面を模式的に示す断面図である。図14Aに対して、さらに封止層107が形成され、各外部電極102A、102Bの上に無線装置などの実装基板218が設けられる。図14B全体は、無線装置200を構成する。
【0102】
第14の実施形態は、第11の実施形態と比較し、導電層103A3によるインダクタ214の形成においては同等であるが、図14Aに示すように内部回路105に接続されるキャパシタ204Rが、インダクタ214を構成する領域の下層側において全面に配置されることを特徴としている。キャパシタ204Rは、上層側電極と下層側電極で構成され、上層側電極はアルミ配線206に接続され、下層側電極は、遮蔽体20B3に接続される。インダクタ214は、最上層の導電層110Bとキャパシタ204Rの下層側電極とで挟んで構成される。最上層の導電層110Bとキャパシタ204Rの下層側電極は、互いに電気的に接続され、接地される。
【0103】
内部回路105、アルミ配線206、キャパシタ204Rの上層側電極、電極104、インダクタ214、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A10を構成する。接地導体111、キャパシタ204Rの下層側電極、電極104、導電層103B、最上層の導電層110B、および外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20B3を構成する。遮蔽体20B3は、能動体20A10に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。能動体20A10は、外部電極102Aを介して実装基板218に接続され、各遮蔽体20B1、20B2は、外部電極102Bを介して実装基板218に接続され、接地される。
【0104】
この構造を用いる事により、半導体基板101と実装基板218からのインダクタ214への外乱の影響を低減できる効果がある。
(第15の実施形態)
【0105】
第15の実施形態では、第12および第14の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第12および第14の実施形態と同等であるので、省略する。
【0106】
図15Aは、第15の実施形態に係る半導体装置100において、WLCSPの構成要素の一部分を模式的に示す平面図である。
図15Bは、図15Aの線A1−A1に沿った断面を模式的に示す断面図である。図15Aに対して、さらに封止層107が形成され、各外部電極102A、102Bの上に無線装置などの実装基板218が設けられる。図15B全体は、無線装置200を構成する。
【0107】
第15の実施形態は、第12の実施形態と比較し、導電層103A3によるインダクタの形成においては同等であるが、図15Aに示すように内部回路105に接続されるキャパシタ204Rが、第14の実施形態と同様にインダクタ214を構成する領域の下層側において全面に配置されることを特徴としている。
【0108】
内部回路105、アルミ配線206、キャパシタ204Rの上層側電極、電極104、複合インダクタ214A、最上層の導電層110A、および外部電極102Aは、能動体20A11を構成する。接地導体111、キャパシタ204Rの下層側電極、電極104、導電層103B、最上層の導電層110B、および外周に形成される外部電極102Bは、遮蔽体20B3を構成する。遮蔽体20B3は、能動体20A11に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。能動体20A11は、外部電極102Aを介して実装基板218に接続され、各遮蔽体20B1、20B2は、外部電極102Bを介して実装基板218に接続され、接地される。
【0109】
第15の実施形態は、第12および第14の実施形態の両方の効果を有する。
(第16の実施形態)
【0110】
第16の実施形態では、第6ないし第9の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第6ないし第9の実施形態と同等であるので、省略する。
【0111】
図16Aは、第16の実施形態に係る半導体装置100において、WLCSPの構成要素の一部分を模式的に示す平面図である。
図16Bは、図16Aの線A1−A1に沿った断面を模式的に示す断面図である。図16Aに対して、さらに封止層107が形成され、各外部電極102A、102Bの上に無線装置などの実装基板218が設けられる。図16B全体は、無線装置200を構成する。
【0112】
第16の実施形態は、第6ないし第9の実施形態の半導体装置において、面積が最上層の板状の導電層110Bよりも少なくとも大きい導電層114を、実装基板218上に有し、この導電層114を接地させるとともに、外部電極102Bを導電層114に接続させることを特徴としている。
【0113】
内部回路105は、能動体20A4を構成する。接地導体111、電極104、導電層103B、最上層の導電層110B、外周に形成される外部電極102B、および導電層114は、遮蔽体20B4を構成する。無線装置は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A4、遮蔽体20B4、および実装基板218を含む。遮蔽体20B4は、能動体20A4に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0114】
第16の実施形態によると、第6ないし第9の実施形態の半導体装置において、最上層の板状の導電層110Bの下層側を遮蔽し、実装基板218上で独立して実装することになり、他のブロックからの干渉を低減することができる。
(第17の実施形態)
【0115】
第17の実施形態では、第7ないし第9、第10、および第11の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第7ないし第9、第10、および第11の実施形態と同等であるので、省略する。
【0116】
図17に示すように第17の実施形態の無線装置200は、第16の実施形態において、さらに実装基板218上の導電層114の一部分がくり貫かれ、この導電層114とは絶縁された領域の導電層115を有すことを特徴としている。第7ないし第9、第10、および第11の実施形態の半導体装置100では、最上層の板状の導電層110Bの一部分がくり貫かれた領域に、最上層の板状の導電層110Bと絶縁された大略同層の導電層110Aが有り、この導電層110Aの上層側の外部電極102Aが導電層115に接続する。
【0117】
内部回路105、電極104、導電層103A5、最上層の導電層110A、外部電極102A、および導電層115は、能動体20A5を構成する。接地導体111、電極104、導電層103B、最上層の導電層110B、外周に形成される外部電極102B、および導電層114は、遮蔽体20B4を構成する。無線装置は、半導体基板101、各絶縁層106P、106Q、能動体20A5、遮蔽体20B4、および実装基板218を含む。遮蔽体20B4は、能動体20A5に対して、各絶縁層106P、106Qを介在して離隔され、電気的に絶縁される。
【0118】
第17の実施形態によると、第7ないし第9、第10、および第11の実施形態の無線装置において、半導体装置100の最上層の板状の導電層110Bの下層側の内部回路105を遮蔽するとともに、板状の導電層110Bと絶縁された導電層110A上の外部電極102Aが、実装基板218上で独立して実装することになり、他のブロックからの干渉を低減することができる。
(第18の実施形態)
【0119】
第18の実施形態では第17の実施形態と異なる点を中心に説明する。その他の構成、動作、および効果は、第17の実施形態と同等であるので、省略する。
【0120】
図18Aおよび図18Bに示すように第18の実施形態の無線装置200は、第17の実施形態の無線装置200と同様な構成の各無線装置200P、200Qを有することを特徴としている。
【0121】
第18の実施形態によると、無線装置200P、200Qのそれぞれに含まれる内部回路105が静電的に、また電磁的に遮蔽されるため、互いの干渉を低減することができる。
【0122】
例えば、無線装置用半導体基板101内に送信部と受信部の内部回路105があり、それらが同時に動作する場合、送信の出力信号が半導体基板101の内部や実装基板218上を通じて受信部に周り込み、受信特性を劣化される課題がある。この場合に送信部と受信を第18の実施形態の構成にすることで課題が解決される。
【0123】
なお、無線装置200が第17の実施形態と同様の構成を3個以上有する場合も、同様にして説明できる。
【0124】
以上説明したように、本発明は、無線装置の基板に実装したとき、無線基板からの影響を低減した半導体装置に関する方法等に有用である。
以上、実施の形態におけるこれまでの説明は、すべて本発明を具体化した一例であって、本発明はこれらの例に限定されず、本発明の技術を用いて当業者が容易に構成可能な種々の例に展開可能である。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、半導体装置およびこれを用いた無線装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1A】第1の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図1B】第1の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図2A】第2の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図2B】第2の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図3A】第3の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図3B】第3の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図4A】第4の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図4B】第4の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図5A】第5の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図5B】第5の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図6A】第6の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図6B】第6の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図6C】第6の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図7A】第7の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図7B】第7の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図7C】第7の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図8A】第8の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図8B】第8の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図8C】第8の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図9A】第9の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図9B】第9の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図9C】第9の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図9D】第9の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図9E】第9の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図9F】第9の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図9G】第9の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図9H】第9の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図9I】第9の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図9J】第9の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図9K】第9の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図9L】第9の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図9M】第9の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図9N】第9の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図10A】第10の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図10B】第10の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図11A】第11の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図11B】第11の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図11C】第11の実施形態に係る半導体装置の回路図を示す。
【図11D】第11の実施形態に係る半導体装置の回路図を示す。
【図12A】第12の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図12B】第12の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図12C】第12の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図13A】第13の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図13B】第13の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図13C】第13の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図14A】第14の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図14B】第14の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図15A】第15の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図15B】第15の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図16A】第16の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図16B】第16の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図17】第17の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図18A】第18の実施形態に係る半導体装置の平面図を示す。
【図18B】第18の実施形態に係る半導体装置の断面図を示す。
【図19A】従来例に係る半導体装置の平面図を示す。
【図19B】従来例に係る半導体装置の断面図を示す。
【図19C】従来例に係る半導体装置の回路図を示す。
【図19D】従来例に係る半導体装置の回路図を示す。
【符号の説明】
【0127】
10 くり貫き領域
20A 能動体
20B 遮蔽体
100 半導体装置
101 半導体基板
102A、102B 外部電極
103 導電層
104 電極
105 内部回路
106P、106Q 絶縁層
107 封止層
108 電極
110A、110B 最上層の導電層
111 接地導体
112、112P、112Q スリット
114、115 導電層
200 無線装置
204 キャパシタ
206 アルミ配線
214 インダクタ
218 実装基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基盤と、
前記半導体基盤の上層側に導電体で形成される遮蔽体と、
前記半導体基盤の上層側に導電体および半導体で形成される能動体と、
前記遮蔽体と前記能動体の間に形成され、前記遮蔽体と前記能動体とを電気的に絶縁する絶縁層とを有し、
前記遮蔽体は、
板状に形成される第1導電層と、
前記第1導電層の上層側に形成され、前記第1導電層に接続される第1外部電極とを含み、
前記能動体は、前記半導体基盤と前記第1導電層の間に形成され、前記半導体基盤に接続される第2導電層を含むことを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
前記能動体は、
前記第2導電層の上層側に形成される第2外部電極と、
前記第2導電層と前記第2外部電極の間において前記第1導電層と大略同層に形成され、前記第2導電層と前記第2外部電極に接続される第3導電層とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2導電層は、インダクタを含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記能動体は、前記半導体基盤に形成される内部回路を含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2導電層は、前記内部回路に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記能動体は、
前記第2導電層の上層側に形成される第2外部電極と、
前記第2導電層と前記第2外部電極の間において前記第1導電層と大略同層に形成され、前記第2導電層と前記第2外部電極に接続される第3導電層とを含むことを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2導電層は、インダクタを含むことを特徴とする、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記インダクタは、前記第2外部電極を中心にらせん状に形成されることを特徴とする、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第3導電層は、前記インダクタの少なくとも一部分の真上を平行に、前記インダクタと大略同等な幅で形成されることを特徴とする、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第3導電層は、少なくとも2個に分割されることを特徴とする、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記能動体は、前記第2導電層と前記内部回路との接続点に、一端が接続されるキャパシタを含むことを特徴とする、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記キャパシタの他端は、前記半導体基盤に接続されることを特徴とする、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記キャパシタの他端は、前記遮蔽体に接続されることを特徴とする、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1導電層は、比較的広い面積の第1導電膜と比較的狭い面積の第2導電膜に分割され、
前記遮蔽体は、
前記第1導電膜を備えた第1遮蔽体と、
前記第2導電膜を備えた第2遮蔽体とを含み、
前記キャパシタの他端は、前記第2導電部に接続されることを特徴とする、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記遮蔽体は、前記半導体基盤に形成され、前記半導体基盤に接続される接地導体を含み、
前記キャパシタの他端は、前記接地導体に接続されることを特徴とする、請求項13に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記キャパシタは、金属・絶縁体・金属構造を用いて形成されることを特徴とする、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記遮蔽体は、前記半導体基盤に形成され、前記半導体基盤に接続される接地導体を含み、
前記第1導電層は、前記接地導体に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記第1外部電極は、接地されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項19】
前記第1導電層は、開口部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項20】
前記第1外部電極は、前記第1導電層の外周に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項21】
前記遮蔽体と前記能動体と前記絶縁層とをN組(Nは2以上の整数)分と、
1個の前記半導体基盤とを有することを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項22】
半導体基盤と、前記半導体基盤の上層側に導電体で形成される遮蔽体と、前記半導体基盤の上層側に導電体および半導体で形成される能動体と、前記遮蔽体と前記能動体の間に形成され前記遮蔽体と前記能動体とを電気的に絶縁する絶縁層とを有し、前記遮蔽体は板状に形成される第1導電層と前記第1導電層の上層側に形成され前記第1導電層に接続される第1外部電極とを含み、前記能動体は前記半導体基盤と前記第1導電層の間に形成され、前記半導体基盤に接続される第2導電層を含む半導体装置と、
前記第1外部電極の上層側に前記第1導電層よりも広く形成され、前記第1外部電極に接続される第3導電層と、
前記第3導電層を取り付ける実装基板とを有することを特徴とする、無線装置。
【請求項23】
前記能動体は、前記第2導電層の上層側に形成される第2外部電極を含み、
前記第3導電層は、電気的に互いに絶縁された、比較的広い面積の第1導電膜と比較的狭い面積の第2導電膜に分割され、
前記第1導電膜は、第1外部電極に接続され、
前記第2導電膜は、第2外部電極に接続されることを特徴とする、請求項22に記載の無線装置。
【請求項24】
前記半導体装置と前記第3導電層とをN組(Nは2以上の整数)分と、
1個の前記実装基板とを有することを特徴とする、請求項22に記載の無線装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図9J】
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【図9K】
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【図9L】
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【図9M】
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【図9N】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【公開番号】特開2008−21789(P2008−21789A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−191680(P2006−191680)
【出願日】平成18年7月12日(2006.7.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】