説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】被測定体の表面形状を取得する半導体装置において、表面形状の高解像度化を図る。
【解決手段】被測定体60と各電極28、37との間の静電容量を検出するための各素子29、38が設けられた第1容量検出回路層20および第2容量検出回路層30を積層にし、各素子29、38の各電極28、37を各トレンチ26、35によって保護膜50まで引き伸ばす。これにより、容量検出回路層が一層の場合よりも一定面積当たりに配置できる素子29、38を増加させ、被測定体60の表面形状を高解像度で検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電型の被測定体の表面形状を取得する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の指紋等の凹凸を感知する表面形状認識用センサが、例えば特許文献1で提案されている。具体的に、特許文献1では、層間絶縁膜と、層間絶縁膜上にそれぞれが絶縁分離された複数のセンサ電極と、層間絶縁膜に立てられた支持電極と、支持電極により支持されてセンサ電極上に所定の距離離間し、かつ、対向する対向電極と、対向電極の上に設けられたフィルムとを備えた表面形状認識用センサが提案されている。
【0003】
このようなセンサにおいて、例えば指紋を検出する場合、フィルム上に指が接触すると、その箇所の対向電極がセンサ電極方向に撓み、センサ電極と対向電極とで構成されるコンデンサの容量が変化する。そして、指紋の凹凸形状に応じて各センサ電極における容量の変化をそれぞれ検出することで、指紋の形状を検出できるようになっている。
【特許文献1】特開2000−199701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、例えば指紋の形状を認識する場合、静電対策のために、指を一方の電極として用いるようにはしていない、すなわち、センサ電極方向に変形可能な対向電極を持つ構造を採用しているため、機械的な故障が生じる可能性がある。
【0005】
また、対向電極を支持するための支持電極を設ける必要がある。このため、層間絶縁膜の面に平行な方向および面に垂直な方向に支持電極を配置するためのスペースが必要になってしまう。これにより、一定面積当たりのセンサ電極の数を多く取れないことから、センサ電極を高密度化できず、高解像度での検出ができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、被測定体の表面形状を取得する半導体装置において、表面形状の高解像度化を図ることを目的とする。また、表面形状の高解像度化を図ることができる半導体装置を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1容量検出素子(29)が設けられた第1容量検出回路層(20)と、第1容量検出回路層(20)の上に形成され、第2容量検出素子(38)が設けられた第2容量検出回路層(30)と、第2容量検出回路層(30)の上に形成された層間絶縁膜(40)と、層間絶縁膜(40)および第2容量検出回路層(30)を貫通して第1容量検出回路層(20)に達すると共に、第1容量検出回路層(20)に設けられた第1容量検出素子(29)に繋がる第1トレンチ(26)と、第1トレンチ(26)の側壁に設けられた第1絶縁膜(27)と、第1絶縁膜(27)の内側に形成され、第1容量検出素子(29)の一部をなす第1容量検出電極(28)と、層間絶縁膜(40)を貫通して第2容量検出回路層(30)に達すると共に、第2容量検出回路層(30)に設けられた第2容量検出素子(38)に繋がる第2トレンチ(35)と、第2トレンチ(35)の側壁に設けられた第2絶縁膜(36)と、第2絶縁膜(36)の内側に形成され、第2容量検出素子(38)の一部をなす第2容量検出電極(37)と、層間絶縁膜(40)と層間絶縁膜(40)から露出する第1容量検出電極(28)および第2容量検出電極(37)との上に設けられた保護膜(50)とを備え、保護膜(50)に接触する被測定体(60)と第1容量検出電極(28)との間に蓄積される電荷量に相当する静電容量が第1容量検出素子(29)によって検出され、保護膜(50)に接触する被測定体(60)と第2容量検出電極(37)との間に蓄積される電荷量に相当する静電容量が第2容量検出素子(38)によって検出されることで、被測定体(60)の表面形状が取得されるようになっていることを特徴とする。
【0008】
このように、第1容量検出素子(29)が設けられた第1容量検出回路層(20)と第2容量検出素子(38)が設けられた第2容量検出回路層(30)とを積層にし、各素子(29、38)の各電極(28、37)をトレンチ(26、35)によって層間絶縁膜(40)側に引き伸ばしているため、容量検出回路層が一層の場合よりも一定面積当たりに配置できる素子(29、38)を増加させることができる。したがって、被測定体(60)の表面形状を検出するための各素子(29、38)の高密度化を図ることができ、ひいては被測定体(60)の表面形状を高解像度で検出することができる。
【0009】
また、支持電極を無くした構成としているため、半導体装置に機械的な故障が生じないようにすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、保護膜(50)、層間絶縁膜(40)、第2容量検出回路層(30)、および第1容量検出回路層(20)を貫通するアース用トレンチ(70)と、アース用トレンチ(70)の側壁に設けられたアース用絶縁膜(71)と、アース用絶縁膜(71)の上に形成され、保護膜(50)から露出すると共に保護膜(50)側とは反対側がグランドに接続されるアース電極(72)とを備えていることを特徴とする。
【0011】
これにより、アース電極72を介して被測定体60の静電気をグランドに流すことにできる。したがって、半導体装置の静電耐量を向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、第1容量検出回路層(20)において、第2容量検出回路層(30)側とは反対側に、容量検出素子が設けられた容量検出回路層が少なくとも一層設けられており、層間絶縁膜(40)、第2容量検出回路層(30)、および第1容量検出回路層(20)を貫通して容量検出素子に繋がるトレンチが設けられ、このトレンチの側壁に絶縁膜が形成され、絶縁膜の上に容量検出電極が形成されていることを特徴とする。
【0013】
これにより、一定面積当たりに配置できる表面形状を検出する素子の数をさらに増加させることができるため、容量検出素子のさらなる高密度化、およびさらなる高解像度化を図ることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、第1容量検出回路層(20)に第1容量検出素子(29)を形成する第1工程と、第1工程の後、第1容量検出回路層(20)の上に第2容量検出回路層(30)を形成して、第2容量検出回路層(30)に第2容量検出素子(38)を形成する第2工程と、第2工程の後、第2容量検出回路層(30)の上に層間絶縁膜(40)を形成する第3工程と、層間絶縁膜(40)および第2容量検出回路層(30)を貫通して第1容量検出回路層(20)に達すると共に、第1容量検出回路層(20)に設けられた第1容量検出素子(29)に繋がる第1トレンチ(26)と、層間絶縁膜(40)を貫通して第2容量検出回路層(30)に達すると共に、第2容量検出回路層(30)に設けられた第2容量検出素子(38)に繋がる第2トレンチ(35)とを形成する第4工程と、第1トレンチ(26)の側壁に第1絶縁膜(27)を形成し、第2トレンチ(35)の側壁に第2絶縁膜(36)を形成する第5工程と、第1絶縁膜(27)の上に第1容量検出素子(29)の一部をなす第1容量検出電極(28)を形成し、第2絶縁膜(36)の上に第2容量検出素子(38)の一部をなす第2容量検出電極(37)を形成する第6工程と、層間絶縁膜(40)と層間絶縁膜(40)から露出する第1容量検出電極(28)および第2容量検出電極(37)との上に保護膜(50)を形成する第7工程とを含んでいることを特徴とする。
【0015】
このように、第1容量検出回路層(20)と第2容量検出回路層(30)とを積層にし、各層(20、30)を貫通するトレンチ(26、35)を設けることにより、各電極(28、37)を層間絶縁膜(40)側に引き伸ばして形成することで、容量検出回路層が一層の場合よりも一定面積当たりの素子(29、38)を増加させて配置することができる。したがって、各素子(29、38)の配置を高密度化することができ、ひいては被測定体(60)の表面形状を高解像度で検出することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、第7工程の後、保護膜(50)、層間絶縁膜(40)、第2容量検出回路層(30)、および第1容量検出回路層(20)を貫通するアース用トレンチ(70)を形成し、アース用トレンチ(70)の側壁にアース用絶縁膜(71)を形成した後、アース用絶縁膜(71)の上にグランドに接続されるアース電極(72)を形成する第8工程が含まれることを特徴とする。
【0017】
これにより、半導体装置にアース電極(72)を設けることができる。このアース電極(72)によって、被測定体(60)の静電気をグランドに流すようにすることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明のように、第1容量検出回路層(20)は、第1半導体層(21)とこの第1半導体層(21)の上に形成された第1絶縁層(22)とを有し、第2容量検出回路層(30)は、第2半導体層(31)とこの第2半導体層(31)の上に形成された第2絶縁層(32)とを有しており、第2工程では、第1容量検出回路層(20)の第1絶縁層(22)に第1半導体層(21)が露出する開口部(22a)を設け、開口部(22a)から露出する第1容量検出回路層(20)にレーザ光を照射してレーザ再結晶化を施すことにより、第1絶縁層(22)の上に第2半導体層(31)を形成し、第2半導体層(31)の上に第2絶縁層(32)を形成することで、第1容量検出回路層(20)の上に第2容量検出回路層(30)を形成することもできる。
【0019】
これによると、レーザ光を照射するだけであるので、第1絶縁層(22)の上に容易に第2半導体層(31)を形成することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明のように、第2工程では、第1容量検出回路層(20)の第1絶縁層(22)と第2容量検出回路層(30)の第2半導体層(31)とを常温接合することにより、第1容量検出回路層(20)の上に第2容量検出回路層(30)を形成することもできる。
【0021】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される半導体装置は、静電容量方式を採用することにより、被測定体の表面の凹凸形状を取得するものである。例えば、人の指紋を取得することができるものである。
【0024】
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の概略断面図である。この図に示されるように、シリコン基板10の上に絶縁層11が形成され、この絶縁層11の上に第1容量検出回路層20が設けられている。シリコン基板10はグランドに接続される。絶縁層11は、例えば、シリコン基板10が熱処理されたSiO層である。
【0025】
第1容量検出回路層20は、第1半導体層21とこの第1半導体層21の上に形成された第1絶縁層22とを備えている。第1半導体層21の表層部には、ソースとして機能するソース領域23と、ドレインとして機能するドレイン領域24とが離間して形成されている。第1半導体層21として、例えばシリコンが採用される。また、第1絶縁層22は、例えば、第1半導体層21の一面が熱処理されてSiO層とされる。
【0026】
このソース領域23およびドレイン領域24の組が、シリコン基板10の一面に平行な方向に多数形成されている。そして、第1半導体層21が、第1半導体層21を貫通して絶縁層11に達する絶縁部25によって区画されることで、区画された各領域が電気的に絶縁されている。なお、絶縁部25は、例えば、第1半導体層21にトレンチが形成され、このトレンチにSiO等の絶縁材が充填されることで形成される。
【0027】
また、第1容量検出回路層20の上に第2容量検出回路層30が設けられている。第2容量検出回路層30は、第1絶縁層22の上に形成された第2半導体層31と、この第2半導体層31の上に形成された第2絶縁層32とを備えている。第2半導体層31には、第1半導体層21と同様に、ソース領域33とドレイン領域34とが多数形成されている。第2半導体層31として、例えばシリコンが採用され、第2絶縁層32として例えばSiOが採用される。
【0028】
第2容量検出回路層30の第2絶縁層32の上には、層間絶縁膜40が形成されている。この層間絶縁膜40として、例えばSiN等の材質のものが採用される。
【0029】
そして、層間絶縁膜40および第2容量検出回路層30を貫通して第1容量検出回路層20に達すると共に、第1容量検出回路層20に設けられた第1容量検出素子29に繋がる第1トレンチ26が形成されている。そして、第1トレンチ26の側壁に第1絶縁膜27が設けられており、第1絶縁膜27の上にゲート電極としての第1容量検出電極28が形成されている。第1絶縁膜27は、例えば第1トレンチ26の側壁が酸化処理されることで形成される。また、第1容量検出電極28として、例えば、ポリシリコンや金属材料が採用され、低抵抗かつ埋め込み性の良いものが好ましい。
【0030】
第1容量検出電極28の一方は、第1絶縁層22の上であって、第1半導体層21に形成されたソース領域23とドレイン領域24との間のチャネル領域の上方に配置されており、他方は層間絶縁膜40から露出している。
【0031】
そして、絶縁部25によって区画された各領域が、信号増幅素子として機能する第1容量検出素子29とされる。つまり、第1容量検出素子29は、第1半導体層21、ソース領域23、ドレイン領域24、第1絶縁層22、および第1容量検出電極28によってMOSトランジスタが構成されている。
【0032】
また、層間絶縁膜40を貫通して第2容量検出回路層30に達すると共に、第2容量検出回路層30に設けられた前記第2容量検出素子38に繋がる第2トレンチ35が形成されている。そして、第2トレンチ35の側壁に第2絶縁膜36が設けられており、第2絶縁層32の上にゲート電極としての第2容量検出電極37が形成されている。
【0033】
第2容量検出電極37の一方は、第2絶縁層32の上であって、第2半導体層31に形成されたソース領域33とドレイン領域34との間のチャネル領域の上方に配置されており、他方は層間絶縁膜40から露出している。
【0034】
上記第1トレンチ26および第2トレンチ35は、シリコン基板10の一面に平行な方向に互い違いに形成されている。すなわち、第2容量検出回路層30の第2半導体層31に形成されたソース領域33とドレイン領域34との組は、第1トレンチ26および第1絶縁膜27によって区画されることで、各領域が電気的に絶縁されている。
【0035】
そして、第1トレンチ26および第1絶縁膜27によって区画された各領域が、信号増幅素子として機能する第2容量検出素子38とされる。つまり、第2容量検出素子38は、第2半導体層31、ソース領域33、ドレイン領域34、第2絶縁層32、および第2容量検出電極37によってMOSトランジスタが構成されている。なお、第2容量検出素子38に係る材料等は、第1容量検出素子29と同様である。
【0036】
以上のように、第1容量検出回路層20と第2容量検出回路層30とを積層し、第1容量検出素子29と第2容量検出素子38とを互い違い配置することで、シリコン基板10の一面に垂直な方向において第1容量検出素子29の領域と第2容量検出素子38の領域とをオーバーラップさせることができる。すなわち、各素子29、38を高密度化することができる。そして、各トレンチ26、35の孔を利用して各素子29、38の各電極28、37を層間絶縁膜40まで引き伸ばしているため、層間絶縁膜40の厚さにもよるが、シリコン基板10の一面に対する各電極28、37の高さ合わせを自由に設定することができる。
【0037】
層間絶縁膜40と層間絶縁膜40から露出する第1容量検出電極28および第2容量検出電極37との上には、層間絶縁膜40と各電極28、37とを保護するための保護膜50が設けられている。保護膜50としてポリイミド、SiO、SiN等の耐傷性や可動イオンストッパーといった機能を併せ持った材質のものが採用される。この保護膜50の上に被測定体60が接触させられるようになっている。被測定体60は、例えば人の指である。
【0038】
また、保護膜50、層間絶縁膜40、第2容量検出回路層30、および第1容量検出回路層20を貫通するアース用トレンチ70が形成され、このアース用トレンチ70の側壁にアース用絶縁膜71が形成されている。さらに、アース用絶縁膜71の上にアース電極72が形成され、アース電極72の一方がグランド電位のシリコン基板10に接続され、他方が保護膜50から露出している。アース電極72としては、金属等の低抵抗材料が好ましい。
【0039】
上記構成において、各電極28、37が多数配置された領域が検出エリアとされる。また、このような構成の半導体装置においては、図示しない領域に、各素子29、38のチャネルに流れる電流を検出して半導体装置の外部に出力するための信号を生成する信号生成素子や当該信号を外部に出力する信号出力素子等も備えている。以上が、本実施形態に係る半導体装置の全体構成である。
【0040】
次に、図1に示される半導体装置の製造方法について、図を参照して説明する。まず、図2(a)に示す工程では、シリコン基板10と第1半導体層21とで絶縁層11を挟み込んだSOI基板を用意する。そして、図2(b)に示す工程では、第1半導体層21にトレンチを設けてこのトレンチ内に絶縁材を充填することにより絶縁部25を形成し、第1半導体層21を複数の領域に区画する。
【0041】
続いて、図2(c)に示す工程では、第1半導体層21の表面を熱処理することにより、第1半導体層21の上に第1絶縁層22を形成する。この後、図2(d)に示す工程では、第1絶縁層22上に第1容量検出電極28の一部を例えばマスク蒸着等により形成する。
【0042】
そして、図3(a)に示す工程では、第1絶縁層22上に形成した第1容量検出電極28の一部をマスクとしてイオン注入および熱処理を行うことにより、第1半導体層21に不純物拡散層としてのソース領域23およびドレイン領域24を形成する。図3(b)に示す工程では、第1絶縁層22と第1容量検出電極28の一部の上に絶縁膜を形成し、第1容量検出電極28を覆う。この絶縁膜は、第1絶縁膜27の一部となるものである。
【0043】
なお、図2(a)〜図3(b)に示す第1容量検出素子29を形成する工程は、本発明の第1工程に相当する。
【0044】
次に、図3(c)に示す工程では、第1絶縁層22の上に第2半導体層31を形成し、この第2半導体層31の表面を熱酸化して第2絶縁層32を形成する。そして、図3(d)に示す工程では、第2絶縁層32の上にマスク蒸着等により第2容量検出電極37の一部を形成する。この場合、第2容量検出電極37は、第1容量検出電極28の間に配置されるように、すなわちシリコン基板10の一面に平行な方向に各電極28、37が互い違いになるように第2容量検出電極37を形成する。
【0045】
この後、図4(a)に示す工程では、図3(a)に示す工程と同様に、第2半導体層31にソース領域33およびドレイン領域34を形成し、図4(b)に示す工程では、図3(b)に示す工程と同様に、絶縁膜で第2容量検出電極37を覆う。
【0046】
なお、図3(c)〜図4(b)に示す第2容量検出素子38を形成する工程は、本発明の第2工程に相当する。
【0047】
そして、図4(c)に示す工程では、第2絶縁層32の上に層間絶縁膜40を形成する。なお、図4(c)に示す工程は、本発明の第3工程に相当する。
【0048】
図5(a)に示す工程では、層間絶縁膜40および第2容量検出回路層30を貫通して第1容量検出回路層20に達すると共に、第1容量検出回路層20に設けられた第1容量検出素子29に繋がる第1トレンチ26と、層間絶縁膜40を貫通して第2容量検出回路層30に達すると共に、第2容量検出回路層30に設けられた前記第2容量検出素子38に繋がる第2トレンチ35とを形成する。
【0049】
この場合、層間絶縁膜40上にレジストを形成してトレンチ形成予定場所を開口し、各電極28、37をストッパとして層間絶縁膜40および第2容量検出回路層30をエッチングすることにより、各電極28、37が露出するように各トレンチ26、35を形成する。そして、熱処理を行うことで各トレンチ26、35の側壁酸化を行い、第1トレンチ26の側壁に第1絶縁膜27を形成し、第2トレンチ35の側壁に第2絶縁膜36を形成する。
【0050】
なお、図5(a)示す各トレンチ26、35および各絶縁膜27、36を形成する工程は、本発明の第4工程および第5工程に相当する。
【0051】
図5(b)に示す工程では、各絶縁膜27、36の内側に例えば蒸着の方法によって金属層80を形成する。そして、図5(c)に示す工程では、層間絶縁膜40をストッパとして、金属層80をエッチングすることにより、各トレンチ26、35内に各電極28、37を形成する。なお、図5(b)および図5(c)示す各電極28、37を形成する工程は、本発明の第6工程に相当する。
【0052】
図6(a)に示す工程では、層間絶縁膜40と層間絶縁膜40から露出する各電極28、37の上に保護膜50を形成する。なお、図6(a)示す保護膜50を形成する工程は、本発明の第7工程に相当する。
【0053】
この後、図6(b)に示す工程では、保護膜50、層間絶縁膜40、第2容量検出回路層30、および第1容量検出回路層20を貫通するアース用トレンチ70を形成し、このアース用トレンチ70の側壁にアース用絶縁膜71を形成する。この場合、保護膜50上にレジストを形成してアース用トレンチ70の形成予定場所を開口し、シリコン基板10をストッパとして保護膜50、層間絶縁膜40、第2容量検出回路層30、および第1容量検出回路層20をエッチングすることにより、アース用トレンチ70を形成する。
【0054】
そして、図6(c)に示す工程では、例えば蒸着の方法によって、アース用絶縁膜71上にアース電極72を形成する。なお、図6(b)および図6(c)示すアース電極72を形成する工程は、本発明の第8工程に相当する。
【0055】
上記各工程において、もしくは別工程にて、シリコン基板10や各半導体層20、30等に信号生成素子や信号出力素子等も形成することにより、図1に示される半導体装置が完成する。
【0056】
次に、図1に示される半導体装置において、被測定体60の表面形状を検出する作動について説明する。保護膜50の上に、被測定体60として人の指が接触させられると、この被測定体60が上部電極とされ、第1容量検出電極28および第2容量検出電極37が下部電極とされるコンデンサが構成される。そして、被測定体60と各電極28、37との間に蓄積される電荷量に相当する静電容量を検出する。
【0057】
具体的には、被測定体60と第1容量検出電極28との間の保護膜50に電荷(図1中に○で示す)が蓄積される。被測定体60と各電極28、37との距離が小さいほど、保護膜50に蓄積される電荷量は多くなる。そして、保護膜50に蓄積された電荷量に応じて各電極28、37のゲート電位が変化する。このとき、ソース-ドレイン間に電圧を加えると電荷量に応じて各素子29、38のチャネルにそれぞれ流れる電流は増幅する。この電流量を検出することにより、被測定体60の表面が保護膜50からどれくらい離れているのかを検出することができる。
【0058】
被測定体60の表面に凹凸があると、被測定体60の表面位置によって被測定体60の表面と各電極28、37との距離が異なる。したがって、各素子29、38の各チャネルに流れる電流量をそれぞれ検出することにより、検出エリアに接触させられた被測定体60の表面形状を検出することができる。このようにして、被測定体60の表面形状を取得する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態では、被測定体60と各電極28、37との間の静電容量を検出するための各素子29、38が設けられた第1容量検出回路層20および第2容量検出回路層30を積層し、各素子29、38の各電極28、37を各トレンチ26、35によって保護膜50まで引き伸ばしたことが特徴となっている。
【0060】
これにより、一層に素子29、38を形成した場合に比べて、一定面積当たりに配置できる素子29、38の数を増やすことができ、素子29、38の高密度化を図ることができる。これにより、被測定体60の表面形状を高解像度で検出することが可能となる。
【0061】
また、被測定体60を上部電極としているため、この上部電極を半導体装置に設けない構成とすることができる。すなわち、半導体装置に機械的な故障が生じないようにすることができる。
【0062】
さらに、アース電極72によって被測定体60の静電気をグランドに流すことにできるため、半導体装置の静電耐量を向上させることができる。被測定体60が人の指である場合、特に有効である。
【0063】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第1容量検出回路層20を形成する手法について、図7を参照して説明する。
【0064】
まず、シリコン基板10、絶縁層11、および第1半導体層21で構成されるSOI基板を用意する。シリコン基板10は例えば5μmの厚さである。そして、図7(a)に示す工程では、SOI基板の第1半導体層21に、シリコン基板10に達する第1トレンチ26を形成し、熱処理を施すことで第1トレンチ26の側壁に第1絶縁膜27を形成する。第1トレンチ26については、レジストを用いてエッチングする方法により形成できる。
【0065】
そして、図7(b)に示す工程では、図7(a)の工程を終えたSOI基板を裏返し、図7(c)に示す工程により、シリコン基板10にイオン注入を行い、熱処理することでソース領域23およびドレイン領域24を形成する。
【0066】
続いて、図7(d)に示す工程では、第1トレンチ26の底に絶縁部材81を堆積し、第1トレンチ26から露出するシリコン基板10を絶縁部材81で覆う。この後、図7(e)に示す工程では、第1トレンチ26内に第1容量検出電極28の一部を例えば蒸着の方法により形成する。このようにして、第1容量検出回路層20を形成することができる。
【0067】
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第1容量検出回路層20の上に第2半導体層31を形成する手法について、図8を参照して説明する。
【0068】
まず、図2(a)〜図3(b)に示す工程を行った後、図8(a)に示す工程では、第1絶縁層22の上にレジストを形成して任意の場所を開口し、第1半導体層21をストッパとして第1絶縁層22をエッチングすることにより開口部22aを形成する。
【0069】
続いて、図8(b)に示す工程では、第1絶縁層22側から第1半導体層21側にレーザ光を照射すると共に、レーザ光を走査することにより、レーザ再結晶化を施す。レーザ再結晶化は、例えば600℃以下の低温プロセスにより行う。これにより、図8(c)に示すように、第1絶縁層22上に第2半導体層31としてのポリシリコン層を形成することができる。この後、例えば図3(c)に示す工程を行うことで第2容量検出回路層30を形成することができる。
【0070】
以上のようにして、第1容量検出回路層20の上に第2容量検出回路層30の第2半導体層31を形成することができる。
【0071】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第1容量検出回路層20の上に第2半導体層31を形成する手法について、図9を参照して説明する。
【0072】
図2(a)〜図3(b)に示す工程を行ったものを用意すると共に、第2半導体層31を用意し、図9に示されるように、第1絶縁層22の表面と第2半導体層31の接合面とを、室温〜500℃の範囲でArで表面活性化し、第1絶縁層22と第2半導体層31とを常温接合する。以上により、第1容量検出回路層20上に第2半導体層31を形成することができる。
【0073】
(第5実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第1容量検出回路層20の上に第2容量検出回路層30を形成する手法について、図10を参照して説明する。
【0074】
まず、図2(a)〜図3(b)に示す工程を行ったものを2つ用意する。ただし、その一方となる第2容量検出回路30は、SIO基板上ではなくシリコン基板上に形成したものでよい。そして、図10に示されるように、第1容量検出回路層20の第1絶縁層22と第2容量検出回路層30としてのシリコン基板31とを常温接合する。これにより、第1容量検出回路層20の上に第2容量検出回路層30を形成することができる。
【0075】
(第6実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、各トレンチ26、35の側壁に各絶縁膜27、36を形成する際に、垂直ドライエッチングによる異方性エッチングを行う手法を採用することについて、図11を参照して説明する。本実施形態で示される手法は、図5(a)に示す工程で採用することができる。なお、本実施形態では、第1トレンチ26に第1絶縁膜27を形成する場合について説明する。
【0076】
まず、図11(a)に示す工程では、第1半導体層21に第1トレンチ26を形成した後、第1トレンチ26の側壁を酸化処理して第1絶縁膜27を形成する。この場合、第1容量検出電極28も酸化されるため、第1容量検出電極28の上にも第1絶縁膜27が形成される。
【0077】
そして、図11(b)に示す工程では、第1トレンチ26内において、垂直ドライエッチングによる異方性エッチングを行う。これにより、第1容量検出電極28上の第1絶縁膜27と第1半導体層21上の第1絶縁膜27を除去し、第1容量検出電極28を第1トレンチ26に露出させる。第2トレンチ35についても本工程により第2容量検出電極37上の第2絶縁膜36を除去することができる。本工程が完了すると、例えば図5(a)に示される状態とすることができる。
【0078】
以上のように、各トレンチ26、35の側壁を酸化した後、各電極28、37上に形成された各絶縁膜27、36を垂直ドライエッチングによる異方性エッチングによって除去することができる。
【0079】
(第7実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、各トレンチ26、35の側壁に各絶縁膜27、36を形成する手法について、図12を参照して説明する。本実施形態で示される手法は、図5(a)に示す工程で採用することができる。なお、本実施形態では、第1トレンチ26に第1絶縁膜27を形成する場合について説明する。
【0080】
まず、図4(c)に示されるように、各トレンチ26、35を形成する前の状態のものを用意した後、図12(a)に示す工程では、第2半導体層31および第1絶縁層22を貫通して第1容量検出電極28に達する第1トレンチ26を形成する。
【0081】
続いて、図12(b)に示す工程では、第1トレンチ26の側壁に第1絶縁膜27を形成する。この場合、第1絶縁膜27で第1トレンチ26内を充填する。そして、図12(c)に示す工程では、第1容量検出電極28をストッパとして第1絶縁膜27をエッチングして除去する。これにより、第1トレンチ26の側壁に第1絶縁膜27を形成すると共に、第1トレンチ26内に第1容量検出電極28が露出するようにすることができる。第2トレンチ35についても本工程により第2トレンチ35の側壁に第2絶縁膜36を形成すると共に第2トレンチ35内に第2容量検出電極37が露出するようにすることができる。本工程が完了すると、例えば図5(a)に示される状態とすることができる。
【0082】
以上のように、各トレンチ26、35内に先に各絶縁膜27、36を形成しておき、その後、各電極28、37が各トレンチ26、35内で露出するように各絶縁膜27、36をエッチングにより除去することができる。
【0083】
(他の実施形態)
図1では、半導体装置にアース電極72が設けられているが、このアース電極72は静電気対策用の電極であり、設けられていなくても良い。アース電極72が設けられていれば、例えば人の指の凹凸形状を検出する際に半導体装置の静電耐量を向上させることができる。
【0084】
また、静電耐圧目的として形成するアース電極72は、シリコン基板10にそのまま接地するのではなく、例えば保護ダイオードに接続しても良い。これにより、アース電極72に流れる電流を一方向に流すようにすることができる。
【0085】
図1に示されるMOS構造は、一例を示すものであって、他の構造であっても構わない。
【0086】
図1では、第1容量検出回路層20と第2容量検出回路層30との二層の積層構造が示されているが、容量検出回路層は3層以上設けられていても良い。積層数が多いほど、一定面積当たりの容量検出素子の数を増やすことができるので、素子をより高密度に配置することができ、ひいてはより高解像度に表面形状を取得することができる。
【0087】
層間絶縁膜40のみによる素子分離が十分とれるのであれば、図13(a)に示す工程のように図4(b)に示す工程を省いても良いし、図13(b)に示す工程のように図5(a)に示す工程にて第2絶縁膜36を省いてもよい。なお、図4(b)および図4(c)が図13(a)に対応することになる。
【0088】
また、第1絶縁層22の上に第1層間絶縁膜41を形成し、これにより、素子分離が十分とれ、かつ、第2容量検出回路層30の形成に支障がなければ、図14に示すように、図3(b)に示す工程にて第1絶縁膜27を省いてもよい。なお、図3(b)が図14(a)に対応し、図4(b)および図4(c)が図14(b)に対応し、図5(a)が図14(c)に対応することになる。
【0089】
第2実施形態では、第1トレンチ26内に第1容量検出電極28の一部を形成していたが、図15に示されるように、第1トレンチ26内に第1容量検出電極28の全部を例えば蒸着の方法により形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図2】図1に示される半導体装置を製造する製造工程を示した図である。
【図3】図2に続く製造工程を示した図である。
【図4】図3に続く製造工程を示した図である。
【図5】図4に続く製造工程を示した図である。
【図6】図5に続く製造工程を示した図である。
【図7】第2実施形態において、第1容量検出回路層を形成する工程を示した図である。
【図8】第3実施形態において、第1絶縁層の上に第2半導体層を形成する工程を示した図である。
【図9】第4実施形態において、第1絶縁層と第2半導体層とを接合する工程を示した図である。
【図10】第5実施形態において、第1容量検出回路層と第2容量検出回路層とを接合する工程を示した図である。
【図11】第6実施形態において、トレンチの底に形成された絶縁膜を取り除く工程を示した図である。
【図12】第7実施形態において、トレンチの側壁に絶縁膜を形成する工程を示した図である。
【図13】他の実施形態において、第2絶縁膜を形成しない工程を示した図である。
【図14】他の実施形態において、第1絶縁膜を形成しない工程を示した図である。
【図15】他の実施形態において、第1トレンチ内に第1容量検出電極の全部を形成する工程を示した図である。
【符号の説明】
【0091】
20 第1容量検出回路層
21 第1半導体層
22 第1絶縁層
26 第1トレンチ
27 第1絶縁膜
28 第1容量検出電極
29 第1容量検出素子
30 第2容量検出回路層
31 第2半導体層
32 第2絶縁層
35 第2トレンチ
36 第2絶縁膜
37 第2容量検出電極
38 第2容量検出素子
40 層間絶縁膜
41 第1層間絶縁膜
50 保護膜
60 被測定体
70 アース用トレンチ
71 アース用絶縁膜
72 アース電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1容量検出素子(29)が設けられた第1容量検出回路層(20)と、
前記第1容量検出回路層(20)の上に形成され、第2容量検出素子(38)が設けられた第2容量検出回路層(30)と、
前記第2容量検出回路層(30)の上に形成された層間絶縁膜(40)と、
前記層間絶縁膜(40)および前記第2容量検出回路層(30)を貫通して前記第1容量検出回路層(20)に達すると共に、前記第1容量検出回路層(20)に設けられた前記第1容量検出素子(29)に繋がる第1トレンチ(26)と、
前記第1トレンチ(26)の側壁に設けられた第1絶縁膜(27)と、
前記第1絶縁膜(27)の内側に形成され、前記第1容量検出素子(29)の一部をなす第1容量検出電極(28)と、
前記層間絶縁膜(40)を貫通して前記第2容量検出回路層(30)に達すると共に、前記第2容量検出回路層(30)に設けられた前記第2容量検出素子(38)に繋がる第2トレンチ(35)と、
前記第2トレンチ(35)の側壁に設けられた第2絶縁膜(36)と、
前記第2絶縁膜(36)の内側に形成され、前記第2容量検出素子(38)の一部をなす第2容量検出電極(37)と、
前記層間絶縁膜(40)と前記層間絶縁膜(40)から露出する前記第1容量検出電極(28)および前記第2容量検出電極(37)との上に設けられた保護膜(50)とを備え、
前記保護膜(50)に接触する被測定体(60)と前記第1容量検出電極(28)との間に蓄積される電荷量に相当する静電容量が前記第1容量検出素子(29)によって検出され、前記保護膜(50)に接触する前記被測定体(60)と前記第2容量検出電極(37)との間に蓄積される電荷量に相当する静電容量が前記第2容量検出素子(38)によって検出されることで、前記被測定体(60)の表面形状が取得されるようになっていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記保護膜(50)、前記層間絶縁膜(40)、前記第2容量検出回路層(30)、および前記第1容量検出回路層(20)を貫通するアース用トレンチ(70)と、
前記アース用トレンチ(70)の側壁に設けられたアース用絶縁膜(71)と、
前記アース用絶縁膜(71)の内側に形成され、前記保護膜(50)から露出すると共に前記保護膜(50)側とは反対側がグランドに接続されるアース電極(72)とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1容量検出回路層(20)において、前記第2容量検出回路層(30)側とは反対側に、容量検出素子が設けられた容量検出回路層が少なくとも一層設けられており、
前記層間絶縁膜(40)、前記第2容量検出回路層(30)、および前記第1容量検出回路層(20)を貫通して前記容量検出素子に繋がるトレンチが設けられ、このトレンチの側壁に絶縁膜が形成され、前記絶縁膜の上に容量検出電極が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第1容量検出回路層(20)に第1容量検出素子(29)を形成する第1工程と、
前記第1工程の後、前記第1容量検出回路層(20)の上に第2容量検出回路層(30)を形成して、前記第2容量検出回路層(30)に第2容量検出素子(38)を形成する第2工程と、
前記第2工程の後、前記第2容量検出回路層(30)の上に層間絶縁膜(40)を形成する第3工程と、
前記層間絶縁膜(40)および前記第2容量検出回路層(30)を貫通して前記第1容量検出回路層(20)に達すると共に、前記第1容量検出回路層(20)に設けられた前記第1容量検出素子(29)に繋がる第1トレンチ(26)と、前記層間絶縁膜(40)を貫通して前記第2容量検出回路層(30)に達すると共に、前記第2容量検出回路層(30)に設けられた前記第2容量検出素子(38)に繋がる第2トレンチ(35)とを形成する第4工程と、
前記第1トレンチ(26)の側壁に第1絶縁膜(27)を形成し、前記第2トレンチ(35)の側壁に第2絶縁膜(36)を形成する第5工程と、
前記第1絶縁膜(27)の上に前記第1容量検出素子(29)の一部をなす第1容量検出電極(28)を形成し、前記第2絶縁膜(36)の上に前記第2容量検出素子(38)の一部をなす第2容量検出電極(37)を形成する第6工程と、
前記層間絶縁膜(40)と前記層間絶縁膜(40)から露出する前記第1容量検出電極(28)および前記第2容量検出電極(37)との上に保護膜(50)を形成する第7工程とを含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第7工程の後、前記保護膜(50)、前記層間絶縁膜(40)、前記第2容量検出回路層(30)、および前記第1容量検出回路層(20)を貫通するアース用トレンチ(70)を形成し、前記アース用トレンチ(70)の側壁にアース用絶縁膜(71)を形成した後、前記アース用絶縁膜(71)の上にグランドに接続されるアース電極(72)を形成する第8工程が含まれることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1容量検出回路層(20)は、第1半導体層(21)とこの第1半導体層(21)の上に形成された第1絶縁層(22)とを有し、前記第2容量検出回路層(30)は、第2半導体層(31)とこの第2半導体層(31)の上に形成された第2絶縁層(32)とを有しており、
前記第2工程では、前記第1容量検出回路層(20)の前記第1絶縁層(22)に前記第1半導体層(21)が露出する開口部(22a)を設け、前記開口部(22a)から露出する前記第1容量検出回路層(20)にレーザ光を照射してレーザ再結晶化を施すことにより、前記第1絶縁層(22)の上に第2半導体層(31)を形成し、前記第2半導体層(31)の上に第2絶縁層(32)を形成することで、前記第1容量検出回路層(20)の上に前記第2容量検出回路層(30)を形成する工程が含まれていることを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1容量検出回路層(20)は、第1半導体層(21)とこの第1半導体層(21)の上に形成された第1絶縁層(22)とを有し、前記第2容量検出回路層(30)は、第2半導体層(31)とこの第2半導体層(31)の上に形成された第2絶縁層(32)とを有しており、
前記第2工程では、前記第1容量検出回路層(20)の前記第1絶縁層(22)と前記第2容量検出回路層(30)の前記第2半導体層(31)とを常温接合することにより、前記第1容量検出回路層(20)の上に前記第2容量検出回路層(30)を形成する工程が含まれていることを特徴とする請求項4または5に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−174903(P2009−174903A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−11486(P2008−11486)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】