説明

半導体装置の製造方法

【課題】リーク電流が小さく、信頼性に優れたキャパシタを有する半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、下部電極上に、アモルファス状態の結晶核を形成した後、熱処理を行うことにより、結晶核を結晶化させる。下部電極上に、結晶核と同じ材料から構成されるアモルファス状態の容量絶縁膜を形成した後、熱処理を行うことにより、アモルファス状態の容量絶縁膜を結晶化させる。容量絶縁膜上に、上部電極を形成することによりキャパシタを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、DRAM等に容量絶縁膜を用いたキャパシタが用いられている。特許文献1(特開2004−146559号公報)には、チタン酸ストロンチウム膜を容量絶縁膜として用いたキャパシタの製造方法が開示されている。この製造方法では、チタン酸ストロンチウム膜を成膜後、不活性雰囲気中で500〜650℃の範囲の温度で熱処理を行っている。
【0003】
図1に、容量絶縁膜としてチタン酸ストロンチウム(STO)結晶膜を用いた、従来のキャパシタの製造方法を示す。図1Aに示すようにまず、下部電極6を形成する。図1Bに示すように、下部電極6上にアモルファス状態のSTO膜7aを形成する。図1Cに示すように、アモルファス状態のSTO膜に熱処理を行うことにより、結晶化させたSTO膜7bを得る。図1Dに示すように、STO膜7b上に上部電極8を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−146559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示すような、従来のキャパシタの製造方法では、図1Cの熱処理時にSTO膜は結晶化により収縮し、STO膜内に大きな結晶粒界が存在することとなっていた。このような容量絶縁膜は結晶粒界間に亀裂7cが生じ、キャパシタ内に電荷を蓄積させた時には亀裂7cを通して大きなリーク電流が生じることとなっていた。そして、結果的にキャパシタの特性を劣化させることとなっていた。
【0006】
図1では、容量絶縁膜としてチタン酸ストロンチウム(STO)膜を使用した例を挙げて、従来例を説明した。しかし、容量絶縁膜として、STO以外の材料からなる膜の成膜及び熱処理による結晶化を行う場合にも、図1に示したのと同様の問題が発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態は、
下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に、アモルファス状態の結晶核を形成する工程と、
熱処理を行うことにより、前記結晶核を結晶化させる工程と、
前記下部電極上に、前記結晶核と同じ材料から構成されるアモルファス状態の容量絶縁膜を形成する工程と、
熱処理を行うことにより、前記アモルファス状態の容量絶縁膜を結晶化させる工程と、
前記容量絶縁膜上に、上部電極を形成することによりキャパシタを得る工程と、
を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0008】
他の実施形態は、
下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に、結晶化させた結晶核を形成する工程と、
前記下部電極上に、前記結晶核と同じ材料から構成されると共に前記結晶核を元にして結晶化させた容量絶縁膜を形成する工程と、
前記容量絶縁膜上に、上部電極を形成することによりキャパシタを得る工程と、
を有する半導体装置の製造方法に関する。
【0009】
他の実施形態は、
下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に、結晶化させた結晶核を元にして成長した結晶粒界を有する容量絶縁膜を形成する工程と、
前記容量絶縁膜上に、上部電極を形成することによりキャパシタを得る工程と、
を有する半導体装置の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
リーク電流が小さく、信頼性に優れたキャパシタを有する半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来のキャパシタの製造方法を説明する図である。
【図2】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図3】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図4】第1実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。
【図5】第2実施例の半導体装置を説明する図である。
【図6】第2実施例の半導体装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
半導体装置の製造方法では、予め結晶化した結晶核を形成した後、容量絶縁膜を形成する。この容量絶縁膜は、結晶核を元にして結晶化を進行させることにより形成する。従って、容量絶縁膜内に生じる結晶粒径を小さくすることができ、結晶粒界間の亀裂を各結晶粒に分散して結晶粒界間の亀裂幅を小さくすることができる。この結果、キャパシタの電荷蓄積時に、結晶粒界間の亀裂をリークパスとしたリーク電流を低減することができる。
【0013】
(第1実施例)
図2〜4は、本実施例の半導体装置の製造方法を説明する図である。図2Aに示すように、原子層堆積法(ALD法:Atomic Layer Deposition法)によって下部電極6を形成する。下部電極6としては例えば、Ru膜を形成することができる。下部電極6としてRu膜を形成する場合、下記工程(a1)〜(a4)を1サイクルとして、所望の回数のサイクルを繰り返すことにより、所望の膜厚のRu膜を形成することができる。
(a1)原料ガスを供給して、所定平面上に原料を堆積させる工程、
(a2)原料ガスをパージする工程、
(a3)反応ガスを供給して、所定平面上に堆積した原料をRu膜とする工程、
(a4)反応ガスをパージする工程。
【0014】
この場合、原料ガスとしては、Ru(EtCp)2、RuCp2、Ru(OD)3、Ru(THD)3を用いることができる。また、反応ガスとしては、O2、NH3 plasma、H2を用いることができる。
【0015】
図2Bに示すように、下部電極6上に、アモルファス状態の結晶核9aを形成する。結晶核9aとしては例えば、HfO2、ZrO、TiO2、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウム(STO)などを用いることができる。好ましくは、STOを用いるのが良い。
【0016】
例えば、STOを形成する場合、ALD法により原子層の堆積を行うALD装置の反応室に下部電極6をセットし、下記工程(a)〜(h)を1サイクルとして1又は2サイクルを行うことによって形成することができる。
(a)Sr原料ガスを供給して、下部電極上にSr原料を堆積させる工程、
(b)Sr原料ガスをパージする工程、
(c)酸化性ガスを供給して、下部電極上のSr原料を酸化する工程、
(d)酸化性ガスをパージする工程、
(e)Ti原料ガスを供給して、下部電極上にTi原料を堆積させる工程、
(f)Ti原料ガスをパージする工程、
(g)酸化性ガスを供給することにより、下部電極上にチタン酸ストロンチウム(STO)を形成する工程、
(h)酸化性ガスをパージする工程。
【0017】
従来のALD法では、1サイクルを行うごとに、下部電極上の全面に1分子層が形成される。そこで、本実施例では、下部電極上の全面に1分子層が形成されないように、Sr原料ガス、酸化性ガス、及びTi原料ガスの供給時間を短く調整する。
【0018】
例えば、上記工程(a)のSr原料ガスの供給時間は30〜300秒、上記工程(c)の酸化性ガスの供給時間は30〜300秒、上記工程(e)のTi原料ガスの供給時間は30〜300秒、上記工程(g)の酸化性ガスの供給時間は30〜300秒が好ましい。Sr原料ガス、酸化性ガス、及びTi原料ガスの供給時間を上記の範囲に設定することにより、下部電極上に安定して結晶核を形成することができる。
【0019】
例えば、Sr原料ガスとしては、Sr(METHD)2、Sr(THD)2、Sr(C5i−Pr32)、Sr(DPM)2・2tetraeneを用いることができる。Ti原料ガスとしては、Ti(MPD)(THD)2、Ti(O−i−Pr)4、Ti(O−i−Pr)2(THD)2を用いることができる。また、酸化性ガスとしては、O2 plasma、O3、H2O、H2O plasmaを用いることができる。また、例えば、酸化性ガスの濃度は150g/m3であり、上記サイクルは150〜350℃で実施することができる。
【0020】
この結晶核9aは、透過型電子顕微鏡による観察によって確認することができる。結晶核9aの最長部分の長さは、0.5〜2nmが好ましい。なお、結晶核の最長部分の長さは、透過型電子顕微鏡写真に対して画像解析を行うことによって測定することができる。
【0021】
図2Cに示すように、結晶核9aに対して熱処理を行うことにより、アモルファス状態の結晶核9aを、結晶化させた結晶核9bとする。結晶核の結晶化は、500〜650℃の熱処理を行うことにより実施することができる。この熱処理は、熱処理装置(ラピッドサーマル装置、乃至炉体装置)を用いて行うことができる。熱処理の条件としては例えば、不活性雰囲気(N2、Ar)中で550℃、1min(ラピッドサーマル装置を使用する場合)、600℃、10min(炉体装置を使用する場合)とすることができる。
【0022】
図3Aに示すように、下部電極6上に、ALD法により膜成長を行わせて、結晶核9bと同じ材料から構成されるアモルファス状態の容量絶縁膜10aを形成する。容量絶縁膜10aとしてSTO膜を形成する場合、ALD装置の反応室に結晶核9bを形成した下部電極6をセットし、下記工程(b1)〜(b8)を1サイクルとして、所望回数のサイクルを行うことによって、所望の膜厚の容量絶縁膜10aを形成する。
(b1)Sr原料ガスを供給して、下部電極上にSr原料を堆積させる工程、
(b2)Sr原料ガスをパージする工程、
(b3)酸化性ガスを供給して、下部電極上のSr原料を酸化する工程、
(b4)酸化性ガスをパージする工程、
(b5)Ti原料ガスを供給して、下部電極上にTi原料を堆積させる工程、
(b6)Ti原料ガスをパージする工程、
(b7)酸化性ガスを供給することにより、下部電極上にチタン酸ストロンチウム(STO)膜を形成する工程、
(b8)酸化性ガスをパージする工程。
【0023】
Sr原料ガスの種類、Ti原料ガスの種類、酸化性ガスの種類、酸化性ガスの濃度、上記サイクルの実施温度は図2Bと同じ条件で実施することができる。また、容量絶縁膜10aの厚さは例えば、10nmとすることができる。
【0024】
図3Bに示すように、容量絶縁膜10aに対して熱処理を行うことにより結晶核9bを元にして結晶化が進行し、アモルファス状態の容量絶縁膜10aを結晶化させた容量絶縁膜10bとする。上記熱処理は500〜650℃で実施することができる。
【0025】
図4に示すように、容量絶縁膜上に、ALD法によって上部電極8を形成する。上部電極8は、下部電極6と同じ方法・条件によって形成することができる。上部電極8としては例えば、Ru膜を形成することができる。これにより、下部電極6、容量絶縁膜10b、及び上部電極8を有するキャパシタを得る。図4に示すように、容量絶縁膜10bは、結晶核9bを元にして結晶化が進行することにより形成される。従って、容量絶縁膜10b内に生じる結晶粒径を小さくして結晶粒界間の亀裂を各結晶粒に分散し、結晶粒界間の亀裂幅を小さくすることができる。この結果、キャパシタの電荷蓄積時に、結晶粒界間の亀裂をリークパスとしたリーク電流を低減することができる。
【0026】
容量絶縁膜10b内に生じる結晶粒界は、透過型電子顕微鏡による観察によって確認することができる。結晶粒界の最長部分の長さは4〜10nmが好ましい。結晶粒界の最長部分は、結晶核と同様の方法によって確認することができる。
【0027】
なお、図2〜4では、キャパシタを構成する下部電極6、容量絶縁膜10b、及び上部電極8は、平面状の膜として示した。しかし、キャパシタの形状はこれに限定されるわけではなく、例えば、開口の内面上に順に、下部電極、容量絶縁膜、及び上部電極を形成したシリンダー構造のキャパシタとしても良い。また、凹状の下部電極の内面と外面上に順に、容量絶縁膜、及び上部電極を形成したクラウン構造のキャパシタとしても良い。
【0028】
(第2実施例)
本実施例は、第1実施例のキャパシタを有するDRAM(Dynamic Random Access Memory)に関するものである。本実施例では、キャパシタは一例としてシリンダー構造のものを記載した。
【0029】
以下、図5及び6を参照して本実施例を説明する。図5は、DRAMを構成するメモリセル部の平面レイアウトを示す概念図である。図5の右手側は、後述する、ワード配線Wとなるゲート電極105とサイドウォール105bとを切断する面を基準とした透過断面図として示している。簡略化のために、キャパシタは図5においては省略し、断面図(図6)にのみ記載した。
【0030】
図6は、メモリセル部(図5)のA−A’線に対応する断面模式図である。尚、これらの図は半導体装置の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なっている。
【0031】
メモリセル部は、図6に示すように、メモリセル用のMOSトランジスタTr1と、MOSトランジスタTr1に複数のコンタクトプラグを介して接続されたキャパシタCapとから概略構成されている。
【0032】
図5、図6において、半導体基板101は、所定濃度のP型不純物を含有するシリコン(Si)によって形成されている。この半導体基板101には、素子分離領域103が形成されている。素子分離領域103は、半導体基板101の表面にSTI(Shallow Trench Isolation)法によりシリコン酸化膜(SiO2)等の絶縁膜を埋設することで、活性領域K以外の部分に形成され、隣接する活性領域Kとの間を絶縁分離している。本実施例では、1つの活性領域Kに2ビットのメモリセルが配置されるセル構造に本発明を適用した場合の例を示している。
【0033】
本実施例では、図5に示す平面構造のように、細長い短冊状の活性領域Kが複数、個々に所定間隔をあけて右斜め下向きに整列して配置されており、一般に6F2型メモリセルと呼ばれるレイアウトに沿って配列されている。
【0034】
各活性領域Kの両端部と中央部には個々に不純物拡散層が形成され、MOSトランジスタTr1のソース・ドレイン領域として機能する。ソース・ドレイン領域(不純物拡散層)の真上に配置されるように基板コンタクト部205a、205b、205cの位置が規定されている。
【0035】
図5の横(X)方向には、折れ線形状(湾曲形状)にビット配線106が延設され、このビット配線106が図1の縦(Y)方向に所定の間隔で複数配置されている。また、図5の縦(Y)方向に延在する直線形状のワード配線Wが配置されている。個々のワード配線Wは図5の横(X)方向に所定の間隔で複数配置され、ワード配線Wは各活性領域Kと交差する部分において、図6に示されるゲート電極105を含むように構成されている。本実施例では、MOSトランジスタTr1は、溝型のゲート電極を備えている。
【0036】
図6の断面構造に示すように、半導体基板101において素子分離領域103に区画された活性領域Kにソース・ドレイン領域として機能する不純物拡散層108が離間して形成され、個々の不純物拡散層108の間に、溝型のゲート電極105が形成されている。
【0037】
ゲート電極105は、多結晶シリコン膜と金属膜との多層膜により半導体基板101の上部に突出するように形成されており、多結晶シリコン膜はCVD法での成膜時にリン等の不純物を含有させて形成することができる。ゲート電極用の金属膜には、タングステン(W)や窒化タングステン(WN)、タングステンシリサイド(WSi)等の高融点金属を用いることができる。
【0038】
また、図6に示すように、ゲート電極105と半導体基板101との間にはゲート絶縁膜105aが形成されている。また、ゲート電極105の側壁には窒化シリコン(Si34)などの絶縁膜によるサイドウォール105bが形成されている。ゲート電極105上にも窒化シリコンなどの絶縁膜105cが形成されており、ゲート電極105の上面を保護している。
【0039】
不純物拡散層108は、半導体基板101にN型不純物として、例えばリンを導入することで形成されている。不純物拡散層108と接触するように基板コンタクトプラグ109が形成されている。この基板コンタクトプラグ109は、図5に示した基板コンタクト部205c、205a、205bの位置にそれぞれ配置され、例えば、リンを含有した多結晶シリコンから形成される。基板コンタクトプラグ109の横(X)方向の幅は、隣接するゲート配線Wに設けられたサイドウォール105bによって規定される、セルフアライン構造となっている。
【0040】
図6に示すように、ゲート電極上の絶縁膜105c及び基板コンタクトプラグ109を覆うように第1の層間絶縁膜104が形成され、第1の層間絶縁膜104を貫通するようにビット線コンタクトプラグ104Aが形成されている。ビット線コンタクトプラグ104Aは、基板コンタク部205aの位置に配置し、基板コンタクトプラグ109と導通している。ビット線コンタクトプラグ104Aは、チタン(Ti)及び窒化チタン(TiN)の積層膜からなるバリア膜(TiN/Ti)上にタングステン(W)等を積層して形成されている。
【0041】
ビット線コンタクトプラグ104Aに接続するようにビット配線106が形成されている。ビット配線106は窒化タングステン(WN)およびタングステン(W)からなる積層膜で構成されている。
【0042】
ビット配線106を覆うように、第2の層間絶縁膜107が形成されている。第1の層間絶縁膜104及び第2の層間絶縁膜107を貫通して、基板コンタクトプラグ109に接続するように容量コンタクトプラグ107Aが形成されている。容量コンタクトプラグ107Aは、基板コンタクト部205b、205cの位置に配置される。
【0043】
第2の層間絶縁膜107上には、窒化シリコンを用いた第3の層間絶縁膜111およびシリコン酸化膜を用いた第4の層間絶縁膜112が形成されている。第3の層間絶縁膜111および第4の層間絶縁膜112を貫通して、容量コンタクトプラグ107Aと接続するようにキャパシタCapが形成されている。キャパシタCapは、第1実施例で詳細に説明した方法を用いて形成する。
【0044】
下部電極113は、容量コンタクトプラグ107Aと導通している。第3の層間絶縁膜111上には、酸化シリコン等で形成した第5の層間絶縁膜120、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等で形成した上層の配線層121、表面保護膜122が形成されている。
【0045】
キャパシタの上部電極115には、所定の電位が与えられており、キャパシタ素子に保持された電荷の有無を判定することによって、情報の記憶動作を行うDRAM素子として機能する。
【符号の説明】
【0046】
1 半導体基板
6 下部電極
7a アモルファス状態の容量絶縁膜
7b 結晶状態の容量絶縁膜
7c 亀裂
8 上部電極
9a STO非晶質
9b STO結晶
9c STO結晶粒界
101 半導体基板
103 素子分離領域
104、107、111、112、120 層間絶縁膜
104A ビット線コンタクトプラグ
105 ゲート電極
105a ゲート絶縁膜
105b サイドウォール
105c 絶縁膜
106 ビット配線
107A 容量コンタクトプラグ
108 不純物拡散層
109 基板コンタクトプラグ
113 下部電極
115 上部電極
121 配線層
122 表面保護膜
205a、205b、205c 基板コンタクト部
Cap キャパシタ
K 活性領域
Tr1 MOSトランジスタ
W ワード配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に、アモルファス状態の結晶核を形成する工程と、
熱処理を行うことにより、前記結晶核を結晶化させる工程と、
前記下部電極上に、前記結晶核と同じ材料から構成されるアモルファス状態の容量絶縁膜を形成する工程と、
熱処理を行うことにより、前記アモルファス状態の容量絶縁膜を結晶化させる工程と、
前記容量絶縁膜上に、上部電極を形成することによりキャパシタを得る工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に、結晶化させた結晶核を形成する工程と、
前記下部電極上に、前記結晶核と同じ材料から構成されると共に前記結晶核を元にして結晶化させた容量絶縁膜を形成する工程と、
前記容量絶縁膜上に、上部電極を形成することによりキャパシタを得る工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に、結晶化させた結晶核を元にして成長した結晶粒界を有する容量絶縁膜を形成する工程と、
前記容量絶縁膜上に、上部電極を形成することによりキャパシタを得る工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記結晶核を形成する工程において、
原子層堆積法(Atomic Layer Deposition)法によって前記結晶核を形成する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記結晶核を形成する工程において、
下記工程(a)〜(h)からなるサイクルを1回以上、行う、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
(a)Sr原料ガスを供給して、下部電極上にSr原料を堆積させる工程、
(b)Sr原料ガスをパージする工程、
(c)酸化性ガスを供給して、下部電極上のSr原料を酸化する工程、
(d)酸化性ガスをパージする工程、
(e)Ti原料ガスを供給して、下部電極上にTi原料を堆積させる工程、
(f)Ti原料ガスをパージする工程、
(g)酸化性ガスを供給することにより、下部電極上にチタン酸ストロンチウム(STO)を形成する工程、
(h)酸化性ガスをパージする工程。
【請求項6】
前記工程(a)において、前記Sr原料ガスを30〜300秒の間、供給し、
前記工程(c)において、前記酸化性ガスを30〜300秒の間、供給し、
前記工程(e)において、前記Ti原料ガスを30〜300秒の間、供給し、
前記工程(g)において、前記酸化性ガスを30〜300秒の間、供給する、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記Sr原料ガスは、Sr(METHD)2、Sr(THD)2、Sr(C5i−Pr32)、及びSr(DPM)2・2tetraeneからなる群から選択された少なくとも一種のガスであり、
前記酸化性ガスは、O2 plasma、O3、H2O、及びH2O plasmaからなる群から選択された少なくとも一種のガスであり、
前記Ti原料ガスは、Ti(MPD)(THD)2、Ti(O−i−Pr)4、及びTi(O−i−Pr)2(THD)2からなる群から選択された少なくとも一種のガスであり、
前記結晶核及び容量絶縁膜は、チタン酸ストロンチウム(STO)から構成される、請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記サイクルを1又は2回、行う請求項5〜7の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記結晶核を結晶化させる工程において、
前記熱処理は500〜650℃の温度で行われる、請求項4〜8の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記結晶核及び容量絶縁膜は、HfO2、ZrO、TiO2、又はチタン酸バリウムストロンチウム(BST)から構成される、請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記下部電極を形成する工程の前に更に、
MOS型トランジスタを形成する工程と、
前記MOS型トランジスタのソース領域及びドレイン領域の一方に接続されるようにビット線を形成する工程と、
を有し、
前記下部電極を形成する工程において、
前記MOS型トランジスタのソース領域及びドレイン領域の他方に接続されるように下部電極を形成する、請求項1〜10の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−238777(P2011−238777A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109124(P2010−109124)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】