説明

半導体装置の製造方法

【課題】 半導体支持部材上にダイボンディング材を印刷法により塗布して半導体チップを接合するときのタクトタイムを削減することができ、なおかつBステージ化での硬化不足や過度の硬化による組立不具合を十分防止できて、信頼性に優れる半導体装置を生産性よく製造することを可能とする半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の半導体装置の製造方法は、半導体チップを搭載するための半導体支持部材10上に、光硬化性成分及び熱硬化性成分を含み溶剤の含有量が5質量%以下であるダイボンディング用樹脂ペーストを印刷法により塗布して樹脂ペーストの塗膜30を設ける第1工程と、塗膜30への光照射により光硬化性成分を光硬化する第2工程と、半導体支持部材10と半導体チップ50とを、光照射された塗膜32を挟んで圧着して接合する第3工程とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、より詳しくは、IC、LSI等の半導体チップ(以下、チップという場合もある。)と、チップを搭載するためのリードフレームや絶縁性支持基板等(以下、基板という場合もある。)の半導体支持部材とが、接合材料(以下、ダイボンディング材という場合もある。)により接合された半導体装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の半導体チップとリードフレームや絶縁性支持基板等の半導体支持部材との接合材料、いわゆるダイボンディング材として、Au−Si共晶合金、半田、銀ペースト等が従来から知られている。
【0003】
Au−Si共晶合金は、耐熱性及び耐湿性は高いが、弾性率が大きいために、大型チップに適用した場合に割れやすい傾向がある。また、Au−Si共晶合金は、高価であるという難点もある。一方、半田は、安価であるものの、耐熱性に劣り、その弾性率はAu−Si共晶合金と同様に高く、大型チップへの適用は難しい。これに対し、銀ペーストは、安価で、耐湿性が高く、Au−Si共晶合金及び半田と比較して弾性率が低く、さらに350℃の熱圧着型ワイヤボンダーに適用できる耐熱性を有する(例えば、特許文献1を参照)。そのため、上記のダイボンディング材の中でも銀ペーストが広く用いられてきた。しかし、ICやLSIの高集積化が進み、それに伴ってチップが大型化してくると、銀ペーストをチップ全面に広げて塗布することは困難であり、銀ペーストによる接合は効率的であるとはいえない。
【0004】
チップの大型化に対応できるダイボンディング材として、特定のポリイミド樹脂を用いた接着フィルムや、特定のポリイミド樹脂に導電性フィラーや無機フィラーを配合したダイボンディング用接着フィルム等が知られている(例えば、特許文献2〜4を参照)。しかし、これらの接着フィルムは低温接着性に劣る傾向がある。また、支持基板に接着フィルムを貼り付ける場合、予め接着フィルムをチップサイズに切り出すか又は打ち抜くことを行い、更にそれを貼り付けるための貼付装置が必要になる。接着フィルムを打ち抜いて用いる場合には無駄も生じてしまう。また、支持基板の大部分は基板内部に内層配線が形成されているため、表面に凹凸が多いところに接着フィルムを貼り付ける場合、空隙が生じやすく、信頼性が損なわれることがある。
【0005】
接着フィルム以外のダイボンディング材としては、溶剤に接着剤組成物を溶解或いは分散させて調製されるダイボンディング用樹脂ペーストが知られている(例えば、特許文献5及び6を参照)。このような樹脂ペーストは、低温接着性に優れた接着剤組成物を選択することが可能である。また、樹脂ペーストはスクリーン印刷などの印刷法によって支持基板上の必要な部分にのみ塗布することができるという利点を有している。樹脂ペーストの塗膜は、加熱乾燥によりBステージ化され、半導体チップを搭載した後加熱硬化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−179769号公報
【特許文献2】特開平07−228697号公報
【特許文献3】特開平06−145639号公報
【特許文献4】特開平06−264035号公報
【特許文献5】特開2006−342300号公報
【特許文献6】特開2007−246875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、有機基板等の絶縁性支持基板上にチップが搭載されたBOC(Board On Chip)型の半導体装置が多用されている。この半導体装置は大量生産されることが多く、タクトタイムの減少が求められている。
【0008】
BOCなどの組み立て工程では、従来以下のような工程が行われている。まず、絶縁性支持基板上に、スクリーン印刷法でダイボンディング用樹脂ペーストを塗布する。次に、これをオーブン中で加熱乾燥させることでダイボンディング用樹脂ペーストの溶剤揮発及び半硬化を行い、塗布した樹脂ペーストをBステージ化する。その後、Bステージ化された樹脂ペーストを挟んで絶縁性支持基板上にSiチップを圧着させ、オーブン中で加熱させることでダイボンディング用樹脂ペーストを完全硬化させる。
【0009】
しかしながら、上述の従来の加熱乾燥によるBステージ化を経るプロセスでは、通常60分以上の乾燥時間が必要であり、大きなタクトタイムのロスとなっていた。Bステージ化のタクトタイムを減少させるために、オーブン中で加熱する時間を短くすると、溶剤が十分に揮発せずBステージ化以降の工程での加熱時に揮発して、ボイド、チップ汚染などの不具合を生じることがある。
【0010】
更に、オーブン等のBステージ化装置には、1バッチ毎に複数枚の樹脂ペーストが塗布された基板が配置される。オーブン内の温度分布にバラつきがあると、オーブン内での位置によっては硬化不足や過度の硬化が起こり、後の半導体装置の組立において不具合が発生する場合がある。Bステージ化温度のバラつきとしては、一般的には設定温度に対して±10℃程度バラつくことがある。また、Bステージ化の装置等のバラつきによって、Bステージ化時間にバラつきが生じ、後の半導体装置の組立において不具合が発生する場合もある。Bステージ化時間のバラつきとしては、一般的には設定時間に対して±5分程度バラつくことがある。他方、Bステージ化のタクトタイム削減のため、加熱温度を高くして短時間で加熱乾燥させた場合は、樹脂ペーストの反応制御が難しくなり、硬化不足や過度の硬化がより起こりやすくなる。絶縁性支持基板等の耐熱性の観点からも、Bステージ化の際はなるべく高温でないプロセスが求められているため、タクトタイムの削減が難しかった。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、半導体支持部材上にダイボンディング材を印刷法により塗布して半導体チップを接合するときのタクトタイムを削減することができ、なおかつBステージ化での硬化不足や過度の硬化による組立不具合を十分防止できて、信頼性に優れる半導体装置を生産性よく製造することを可能とする半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明は、半導体チップを搭載するための半導体支持部材上に、光硬化性成分及び熱硬化性成分を含み溶剤の含有量が5質量%以下であるダイボンディング用樹脂ペーストを印刷法により塗布して樹脂ペーストの塗膜を設ける第1工程と、塗膜への光照射により光硬化性成分を光硬化する第2工程と、半導体支持部材と半導体チップとを、光照射された塗膜を挟んで圧着することにより接合する第3工程と、を備える半導体装置の製造方法を提供する。
【0013】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、上記特定のダイボンディング用樹脂ペーストを用いることにより、光照射によって硬化度合のバラつきなく塗膜をBステージ化することができる。これにより、Bステージ化におけるタクトタイムを削減することができ、なおかつ、加熱温度や加熱時間のバラつきに起因する硬化不足や過度の硬化による組立不具合を十分防止できて、信頼性に優れる半導体装置を生産性よく製造することが可能となる。
【0014】
従来、ダイボンディング用樹脂ペーストは溶剤を加えることで粘度やチキソトロピー指数が調整されていた。このときに用いられる溶剤は、Bステージ化のときにほとんど若しくは完全に揮発させることを前提に加えられているため、室温、大気圧中では容易に揮発せず、Bステージ化での条件で揮発できる溶剤が選択される。しかし、Bステージ化が終了した時点でも溶剤がペースト内部に残留してしまうと、後の工程であるダイアタッチやアフターキュア、ワイヤーボンディング、モールド、封止材硬化、リフロー等の工程で溶剤が揮発してボイドが形成され、組立不具合になることがある。なお、揮発し易い溶剤を用いた場合は、樹脂ペーストの保管安定性が悪くなる。また、溶剤は有害なものが多く、加熱時には爆発の危険性を有するものもある。これに対して、本発明に係る上記特定の成分を含有する樹脂ペーストは、溶剤の含有量が5質量%以下であっても良好に印刷法による塗布を行うことができ、上記の問題を防止することができる。
【0015】
最近は、組立時間の短時間化のみならず、エネルギーの節約も一層望まれている。本発明の半導体装置の製造方法によれば、Bステージ化の際の熱エネルギーを低減することができる。
【0016】
更に、本発明の半導体装置の製造方法によれば、以下の従来技術が有する問題を防止することが可能となる。
【0017】
半導体装置の複雑化、小型化、さらには基板厚の薄化に伴って、チップやリードフレーム、基板は熱に対して繊細になっている。従来のスクリーン印刷用のダイボンディング用樹脂ペーストを用いた場合、チップを貼り付ける前の接着性向上のための半硬化(Bステージ化)は140℃以上で行われる。半導体チップと圧着される前の半導体支持部材に高温が加わると、有機基板等では反りが発生して半導体チップとの接合不具合が発生することがある。特に、μ−BGA向けの基板では、半導体装置の小型化に伴い薄厚化が進んでおり、基板反りが発生しやすくなっている。本発明の方法によれば、上記特定の樹脂ペーストを用いることにより、低温でのBステージ化が可能となり上記の問題を防止することができる。
【0018】
本発明の半導体装置の製造方法においては、アウトガスの抑制、タック性低減の観点から、上記第2工程における光照射の露光量が1mJ/cm以上であることが好ましい。
【0019】
露光量が1mJ/cm未満であると、光硬化性成分が十分に硬化しきれなくなるおそれがあり、その場合、第3工程以後に熱硬化性成分の熱硬化を行うときにアウトガスとなりやすくなる。また、光硬化性成分が十分に硬化しきれないと、タック性が大きくなりすぎて組立時に不具合が生じやすくなる。
【0020】
また、アウトガスの抑制、タック性低減の観点から、上記第2工程における光照射が窒素雰囲気下で行われることが好ましい。空気中で光照射が行われると、空気中の酸素が光硬化反応を阻害して、光硬化性成分が十分に硬化しきれず、第3工程以後に熱硬化性成分の熱硬化を行うときにアウトガスになりやすくなる。また、タック性が大きくなりすぎて組立時に不具合が生じやすくなる。
【0021】
本発明の半導体装置の製造方法においては、第3工程の前に、半導体支持部材を60〜180℃で60分以下の間加熱することができる。このようなプリベーク工程を設けることにより、第2工程後に時間が経過して樹脂ペーストの塗膜表面に水分が付着した場合に、第3工程が行われる前にその水分を除去することができる。樹脂ペーストの塗膜に水分が多く付着した状態で第3工程以降の組立工程を行うと、ボイド、ひび割れ等の原因となる。上記のプリベーク工程は、第3工程の直前に行うことが好ましい。
【0022】
本発明の半導体装置の製造方法は、信頼性の観点から、第3工程の後に、半導体チップと接合された半導体支持部材を60〜200℃で5〜300分間加熱する工程を更に備えることが好ましい。このような工程を備えることにより、樹脂ペーストの硬化反応を更に進めることができる。なお、第3工程後の時点でダイシェア強度が十分確保されていれば、上記のアフターキュアを省略することができる。
【0023】
本発明の半導体装置の製造方法は、上記各工程を経た後の半導体チップと半導体支持部材とをワイヤーボンディングにより電気的に接続し、その後半導体チップを樹脂封止する工程を更に備えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、半導体支持部材上にダイボンディング材を印刷法により塗布して半導体チップを接合するときのタクトタイムを削減することができ、なおかつBステージ化での硬化不足や過度の硬化による組立不具合を十分防止できて、信頼性に優れる半導体装置を生産性よく製造することを可能とする半導体装置の製造方法を提供することができる。
【0025】
また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、従来の加熱によるBステージ化よりも低温でのBステージ化が可能であり、基板反りやアウトガス、さらには環境に対する負荷を抑制することができる。
【0026】
また、本発明の半導体装置の製造方法によれば、Bステージ化後の工程で溶剤が残留することに起因して生じるボイドなどの不具合を十分抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
【図2】本発明に半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
【図3】スクリーン印刷における印刷ファクターを説明するための模式断面図である。
【図4】スクリーン印刷された塗膜について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとし、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0029】
図1及び図2は、本発明の半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
【0030】
本実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体チップを搭載するための半導体支持部材上に、光硬化性成分及び熱硬化性成分を含み溶剤の含有量が5質量%以下であるダイボンディング用樹脂ペーストを印刷法により塗布して樹脂ペーストの塗膜を設ける第1工程(図1の(a)を参照)と、塗膜への光照射により光硬化性成分を光硬化する第2工程(図1の(b)を参照)と、半導体支持部材と半導体チップとを、光照射された塗膜を挟んで圧着して接合する第3工程(図1の(c)を参照)と、を備える。本実施形態の半導体装置の製造方法は、さらにこれら各工程を経た後の半導体チップと半導体支持部材とをワイヤーボンディングにより電気的に接続し、その後半導体チップを樹脂封止する工程(図2の(a)及び(b)を参照)とを備えていることが好ましい。
【0031】
本実施形態においては、半導体支持部材として電極12が設けられた絶縁性支持基板10を用いているが、半導体支持部材としては、例えば、42アロイリードフレームや銅リードフレーム等のリードフレーム;ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂等のプラスチックフィルム;ガラス不織布等の基材にポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂等のプラスチックを含浸・硬化させたもの;アルミナ等のセラミックス製等の絶縁性支持基板、スタックパッケージの場合の下部半導体チップ;ディスプレイ等の場合のガラス基板などが挙げられる。
【0032】
印刷法としては、スクリーン印刷法などが挙げられる。
【0033】
本実施形態に係るスクリーン印刷においては、絶縁性支持基板10上に、開口部が設けられたマスク20を配置し、スキージ40の移動によりダイボンディング用樹脂ペーストを開口部に埋め込んで樹脂ペーストの塗膜30を形成する。
【0034】
なお、スクリーン印刷は印刷機を用いて行うことができる。印刷機は、印刷速度、印刷圧、スキージ角度、版離れ速度、被印刷物である半導体支持部材とマスクとの距離(クリアランス)などの印刷ファクターを選択できるものが好ましい。図3は、スクリーン印刷における印刷ファクターを説明するための模式断面図である。スキージ40の移動速度(図3の矢印A)は1〜200mm/秒が好ましい。また、印刷圧は0〜30Nが好ましい。なお、印刷圧とは、マスク20に対して垂直方向のスキージ40による圧力を指し、印刷圧が0Nのときはスキージ40とマスク20が接していない状態を指す。また、スキージ角度(図3のB)は10〜90°が好ましい。また、版離れ速度は0.1〜10mm/sが好ましい。版離れ速度とは、マスク開口部が樹脂ペーストで満たされた後に半導体支持部材10とマスク20とが離れるときの速度(図3の矢印C)を指す。クリアランス(図3のD)は0〜10mmが好ましい。なおクリアランスが0mmのときは半導体支持部材10とマスク20が接していることを指す。
【0035】
本実施形態においては、マスク20の厚みを調節することによって、樹脂ペーストを塗布した後の膜厚、すなわち塗膜30の厚み調整することができる。マスクとしては、メタルマスクなどを用いることができる。また、マスクは用途によって選択でき、マスクの開口部がメッシュ状になっているものを用いてもよい。
【0036】
塗膜30の厚みは、コスト低減の観点から、500μm以下が好ましく、30〜200μmがより好ましい。塗膜30の厚みが30μm未満であると、信頼性が低下しやすくなる傾向にある。
【0037】
本実施形態で用いられるダイボンディング用樹脂ペーストについては後述する。
【0038】
上記第2工程における光照射としては、高圧水銀灯等の露光装置を用いた紫外線の照射が挙げられる。他の光源としては、例えば、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED−UVランプ等が挙げられる。
【0039】
光照射に用いられる光の波長は、光重合開始剤の種類、配合比率によって適宜設定されるが、一般的な光重合開始剤の吸収領域である10〜400nmが好ましい。
【0040】
光照射は、アウトガスの抑制、タック低減の観点から、塗膜に対する露光量が1mJ/cm以上であることが好ましく、タック低減及びタクトタイムの観点から、1〜4000mJ/cmがより好ましく、1000〜3000mJ/cmであることが更により好ましい。なお、本願においてタクトタイムとは、Bステージ化までの時間であり、光照射の場合には露光時間を意味し、熱乾燥の場合には熱を加えている時間を意味する。熱乾燥の場合における熱を加えている時間とは、例えば、昇温、恒温(維持)、降温の工程を経る場合にはそれらの工程の合計の時間を意味し、恒温のみの場合にはその工程の時間を意味する。露光量が1mJ/cm未満であると、光硬化性成分が十分に硬化しきれなくなるおそれがあり、その場合、第3工程以後に熱硬化性化合物の熱硬化を行うときにアウトガスとなりやすくなる。また、光重合性化合物が十分に硬化しきれないと、タック性が大きくなりすぎて組立時に不具合が生じやすくなる。
【0041】
光照射は、室温(10〜25℃程度)で1秒〜5分程度照射することが好ましい。更に、光照射は、真空下、窒素下、空気下などの雰囲気下で行なうことができるが、酸素阻害を低減するために、離形処理されたPETフィルムやポリプロピレンフィルムなどのフィルムを塗膜上に積層した状態や、窒素雰囲気下で行われることが好ましく、特に酸素濃度1ppm以下の窒素雰囲気下で行われることがより好ましい。空気中で光照射が行われると、空気中の酸素が光硬化反応を阻害して、光硬化性成分が十分に硬化しきれず、第3工程以後に熱硬化性成分の熱硬化を行うときにアウトガスになりやすくなる。また、タック性が大きくなりすぎて組立時に不具合が生じやすくなる場合がある。
【0042】
本実施形態においては、必要に応じて、パターニングされたマスクを介して露光を行うこともできる。
【0043】
上記第3工程は、例えば、ダイボンド装置を用いて、半導体支持部材10の光照射された塗膜32に半導体チップ50を搭載し、この半導体チップ50が搭載された半導体支持部材10を、図1(c)に示されるように、例えばヒートブロック51を用いて、例えば、1〜200N、20〜200℃で0.01〜90秒程度加熱、加圧することにより行うことができる。これにより、塗膜32中の熱硬化性成分が熱硬化して、塗膜32はダイボンディング層となり、半導体支持部材と半導体チップとが接合(ダイボンド)される。なお、ダイボンド時の加熱温度、圧力、圧着時間、圧着速度は、Bステージ化の条件や樹脂ペーストの組成に応じて適宜変更が可能である。半導体チップや半導体支持部材の耐圧性の観点から、第3工程は100N以下の圧力で行われることが好ましい。また、チップや支持部材の耐熱性の観点から、第3工程は175℃以下の温度で行われることが好ましく、信頼性の観点から、60〜170℃の温度で行われることが好ましい。また、タクトタイムの観点から、第3工程は10秒以下の時間で行われることが好ましい。
【0044】
半導体チップ50としては、例えば、IC、LSI等が挙げられる。
【0045】
本実施形態においては、上記第3工程の前に、半導体支持部材を60〜180℃で60分以下の間加熱するプリベーク工程を設けることができる。これにより、第2工程後に時間が経過して樹脂ペーストの塗膜表面に水分が付着した場合に、第3工程が行われる前にその水分を除去することができる。樹脂ペーストの塗膜に水分が多く付着した状態で第3工程以降の組立工程を行うと、ボイド、ひび割れ等の原因となる。プリベーク工程と第3工程との間が長く経過するほど樹脂ペーストが水分を吸湿しやすいため、上記のプリベーク工程は、第3工程の直前に行うことが好ましい。
【0046】
上記のプリベーク工程はオーブンを用いて行うことができ、熱処理炉やホットプレートを用いて行ってもよい。
【0047】
プレベーク工程は、樹脂ペースト表面の水分を取り除くことが主な目的であり、樹脂ペーストの硬化を進行させることを目的とはしていない。そのため、樹脂ペーストの硬化反応を進めない観点から、60〜150℃の低温で行われることが好ましく、60〜120℃の低温で行われることがより好ましい。時間については、30分以下が好ましく、15分以下がより好ましい。アウトガスの低減、基板反りの防止の観点からも、より短時間、より低温でプリベーク工程を行うことが好ましく、タクトタイムの観点からもより短時間で行うことが好ましい。
【0048】
本実施形態においては、上記第3工程の後に、アフターキュアを行うことができる。アフターキュア工程は、オーブンを用いて行うことができ、熱処理炉やホットプレートを用いて行ってもよい。オーブンを用いてアフターキュアを行う場合、室温からの昇温工程をプログラムに取り入れることによって穏やかに硬化反応が開始され、アウトガスを抑制することが可能となる。ダイボンディング層のクラックを防ぐ観点からは、室温からの昇温、及び室温への降温工程を10分以上かけ徐々に加熱、降温することが好ましい。アフターキュアの温度としては、80℃〜200℃が挙げられるが、アウトガス、基板耐性の観点から、175℃以下であることが望ましい。基板反りを抑制する観点からは、できるだけ温度が低いほうが望ましい。用いるダイボンディング用樹脂ペーストに活性領域の温度が低い硬化促進剤を配合、若しくは、低温反応性の熱硬化性化合物を配合することにより、低温(好ましくは130℃以下)でのアフターキュア(Cステージ化)が可能となる。
【0049】
なお、上記第3工程によって、w−BGAのワイヤボンドやμ−BGAの配線の際に半導体チップが動かないようにチップが十分固定されていれば、アフターキュアを省略することも可能である。
【0050】
その後、図2の(a)に示すように、ダイボンディング層34によって接合された半導体チップ10の電極と半導体支持部材の電極12とをワイヤーボンディング52により電気的に接続する。その後、図2の(b)に示すように、半導体チップ50を封止樹脂60によって樹脂封止し、更に必要に応じてはんだボール54の搭載を行って半導体装置(半導体パッケージ)100を得ることができる。
【0051】
ダイボンディング層のCステージ化は、実装組立工程での問題がない場合、封止材を後硬化するときに併せて行ってもよい。なお、ここでいう実装組立工程での問題とは、半導体チップと半導体支持部材との固定が不十分であることに起因して、ワイヤーボンディング時にチップが振動してしまいワイヤーボンディングの不具合が生じることや、樹脂封止時にチップ側面での封止材の流れによってチップが剥がれてしまうことをいう。また、ここでいうCステージ化とは、Bステージ化直後の樹脂ペーストの硬化状態よりさらに硬化が進んでいる状態(Cステージ)にする工程であり、通常、Cステージの樹脂ペーストはBステージのものよりTgや弾性率が高くなる。
【0052】
次に、本実施形態において用いられるダイボンディング用樹脂ペーストについて説明する。
【0053】
ダイボンディング用樹脂ペーストは、光硬化性成分と熱硬化性成分を含み、溶剤の含有量が5質量%以下であるものが用いられる。信頼性の観点から、ダイボンディング用樹脂ペーストは実質的に溶剤を含まないことが好ましい。
【0054】
本明細書において溶剤とは、従来のダイボンディング用樹脂ペーストの粘度やチキソトロピー指数を調整するために樹脂組成物の希釈に用いられるものを指し、例えば、光反応性基及び熱硬反応性基を有さず、分子量が500以下且つ25℃において液状である有機化合物などである。
【0055】
本実施形態においては、以下の方法に従ってダイボンディング用樹脂ペーストの不揮発分を測定し、この不揮発分が95質量%以上であれば溶剤の含有量が5質量%以下であると判断することができる。まず、ダイボンディング用樹脂ペーストを200μm以下の塗膜にし、この塗膜に波長365nmの光を露光量1000mJ/cmで露光し、次いでオーブンで室温からの140℃まで30分間かけて昇温し、140℃を1時間保持する。このような工程を経ることで、光硬化性成分及び熱硬化性成分などの反応性の化合物は十分反応して200℃程度では揮発しにくくなる。そして、200℃/2時間の条件で不揮発分を測定する。
【0056】
本実施形態に係るダイボンディング用樹脂ペーストは、光硬化性成分として、光重合性化合物及び光重合開始剤を含み、熱硬化成分として、熱硬化性樹脂、必要により硬化促進剤や熱重合開始剤を含むものが挙げられる。
【0057】
また、本実施形態に係るダイボンディング用樹脂ペーストは、適度な弾性率とぬれ性を付与する観点から、熱可塑性樹脂を更に含有することが好ましく、チキソ性の付与、信頼性の向上、放熱性等の観点から、フィラーを更に含有することが好ましい。
【0058】
光重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物が好ましいものとして挙げられる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、プロパギル基、ブテニル基、エチニル基、フェニルエチニル基、マレイミド基、ナジイミド基、(メタ)アクリル基などが挙げられる。反応性の観点から、(メタ)アクリル基が好ましい。このような(メタ)アクリル基(CH=CR−CO−;RはH又はCH)を含む化合物としては、単官能(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。なお、ここでの単官能、多官能とはエチレン性不飽和基についていうものである。本発明においては、多官能(メタ)アクリレート化合物、特に2官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0059】
2官能以上の(メタ)アクリレートとしては、特に制限はしないが、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート等の2官能(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート、下記一般式(A−1)で表される化合物、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、多官能ウレタンアクリレート若しくはウレタンメタクリレート、多官能尿素アクリレート若しくは尿素メタクリレートなどが挙げられる。
【0060】
【化1】


上記一般式(A−1)中、R19及びR20は各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、g及びhは各々独立に、1〜20の整数を示す。
【0061】
単官能(メタ)アクリレートとしては、フェノールEO変性(メタ)アクリレート(EO;エチレンオキサイド)、フェノールPO変性(メタ)アクリレート(PO;プロピレンオキサイド)、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、フェノール性水酸基含有(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート、フェニルフェノールグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族系(メタ)アクリレート、イミド基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレートなどのイソボロニル基含有(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル基含有(メタ)アクリレート、などが挙げられる。
【0062】
単官能(メタ)アクリレートを用いる場合、Bステージ化後の被着体との密着性、硬化後の接着性、耐熱性の観点から、ウレタン基、イソシアヌル基、イミド基及び水酸基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。特に、イミド基を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましい。
【0063】
さらに、光重合性化合物として、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の、ビニル基や(メタ)アクリルアミド基を有する化合物を使用することもできる。
【0064】
2官能(メタ)アクリレート化合物を用いる場合、光重合性化合物における2官能(メタ)アクリレート化合物の含有割合が5〜90質量%であることが粘度調整の観点から好ましい。
【0065】
また、本実施形態に係るダイボンディング用樹脂ペーストは、ぬれ性や接着性の観点から、光硬化性成分として、光硬化性と熱硬化性の両方の機能を有する化合物を含有することが好ましい。
【0066】
このような化合物としては、光硬化性の基として(メタ)アクリル基を有し、熱硬化性の基としてエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物を好ましく用いることができる。
【0067】
エポキシ基を有する(メタ)アクリレートの5%重量減少温度は、保存安定性、接着性、低アウトガス性、耐熱・耐湿信頼性の観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上、更に好ましくは200℃以上である。エポキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートの5%重量減少温度は、フィルム形成時の加熱乾燥による揮発もしくは表面への偏析を抑制できる点で150℃以上であることが好ましく、熱硬化時のアウトガスによるボイド及びはく離や接着性低下を抑制できる点で180℃以上であることが更に好ましく、200℃以上であることが更により好ましく、リフロー時に未反応成分が揮発することによるボイド及びはく離を抑制できる点で260℃以上であることが最も好ましい。このようなエポキシ基を有する単官能(メタ)アクリレートは、芳香環を有すものが好ましい。5%重量減少温度が150℃以上の多官能エポキシ樹脂を単官能(メタ)アクリレートの原料として用いることにより、高い耐熱性が得られる。
【0068】
エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に限定はしないが、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチルメタクリレートグリシジルエーテルの他、エポキシ基と反応する官能基及びエチレン性不飽和基を有する化合物と多官能エポキシ樹脂とを反応させて得られる化合物等が挙げられる。上記エポキシ基と反応する官能基としては、特に限定はしないが、イソシアネート基、カルボキシル基、フェノール性水酸基、水酸基、酸無水物、アミノ基、チオール基、アミド基などが挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0069】
エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物は、例えば、トリフェニルホスフィンやテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下、1分子中に少なくとも2つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂と、エポキシ基1当量に対し0.1〜0.9当量の(メタ)アクリル酸とを反応させることによって得られる。また、ジブチルスズジラウレートの存在下、多官能イソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート及びヒドロキシ基含有エポキシ化合物とを反応させ、又は多官能エポキシ樹脂とイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとを反応させることにより、グリシジル基含有ウレタン(メタ)アクリレート等が得られる。
【0070】
エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物は、不純物イオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、特には塩素イオンや加水分解性塩素等を1000ppm以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロマイグレーション防止や金属導体回路の腐食防止の観点から好ましい。例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン等を低減した多官能エポキシ樹脂を原料として用いることで上記不純物イオン濃度を満足することができる。全塩素含量はJIS K7243−3に準じて測定できる。
【0071】
上記耐熱性と純度を満たすエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、特に限定はしないが、ビスフェノールA型(又はAD型、S型、F型)のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA及び/又はF型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA及び/又はF型のグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン樹脂のグリシジルエーテル、3官能型(又は4官能型)のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官能型(又は4官能型)のグリシジルアミン、ナフタレン樹脂のグリシジルアミン等を原料としたものが挙げられる。
【0072】
特に、熱圧着性、低応力性及び接着性を改善するためには、エポキシ基及びエチレン性不飽和基の数がそれぞれ3つ以下であることが好ましく、特にエチレン性不飽和基の数は2つ以下であることが好ましい。このような化合物としては特に限定はしないが、下記一般式(A−2)、(A−3)、(A−4)、(A−5)又は(A−6)で表される化合物等が好ましく用いられる。下記一般式(A−2)〜(A−6)において、R12及びR16は水素原子又はメチル基を示し、R10、R11、R13及びR14は2価の有機基を示し、また、R15は、エポキシ基を有する有機基であり、R17及びR18はそれぞれ、1つがエチレン性不飽和基を有する有機基であり、残りがエポキシ基を有する有機基である。更に、(A−5)中のfは、0〜3の整数を示す。
【0073】
【化2】

【0074】
本実施形態において、光重合性化合物(例えば、(メタ)アクリレート化合物)の5%重量減少温度は、100℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることが更により好ましく、180℃以上であることがより一層好ましい。ここでの5%質量減少温度は、光重合性化合物に関して、示差熱熱重量同時測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製:TG/DTA6300)を用いて、昇温速度10℃/min、窒素フロー(400ml/min)の条件で測定される。例えば、5%重量減少温度が高い単官能(メタ)アクリレートを用いた場合、露光によってBステージ化した後に残存した未反応単官能(メタ)アクリレートが熱圧着又は熱硬化時に揮発することを抑制できる。
【0075】
光重合性化合物の配合量としては、樹脂ペーストの粘度調整の観点から、樹脂ペースト全量を基準として10〜80質量%であることが好ましい。
【0076】
本実施形態においては、光硬化性成分として光重合性化合物と光重合開始剤が共に用いられ、光照射によるBステージ化で光硬化性成分の反応をほぼ終了させることが好ましい。
【0077】
光重合開始剤としては、光照射によってラジカル、酸又は塩基などを生成する化合物を用いることができる。中でもマイグレーションなどの耐腐食性の観点から、光照射によりラジカル及び/又は塩基を生成する化合物を用いることが好ましく、露光後の加熱処理が不要となる点や高感度である点でラジカルを生成する化合物がより好ましく用いられる。光照射によって酸又は塩基を生成する化合物は、エポキシ樹脂の重合及び/又は反応を促進する機能を発現する。
【0078】
光照射によりラジカルを生成する化合物としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン及びフェナントレンキノン等の芳香族ケトン;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体及び2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;9−フェニルアクリジン及び1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド及びビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド;オキシムエステル系化合物;マレイミド化合物が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0079】
上記光照射によりラジカルを生成する化合物の中でも、溶剤を含有しない接着剤組成物での溶解性の点で、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましく用いられる。また、空気雰囲気下中でも露光によって、Bステージ化が可能となる点では、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましく用いられる。
【0080】
本実施形態に係るダイボンディング用樹脂ペーストに、露光によって塩基を生成する化合物(光塩基発生剤)を配合することにより、樹脂ペーストの被着体への高温接着性及び耐湿性を更に向上させることができる。この理由としては、光塩基発生剤から生成した塩基がエポキシ樹脂の硬化触媒として効率よく作用することにより、架橋密度をより一層高めることができるため、また生成した硬化触媒が基板などを腐食することが少ないためと考えられる。また、接着剤組成物に光塩基発生剤を含有させることにより、架橋密度を向上させることができ、高温放置時のアウトガスをより低減させることができる。さらに、硬化プロセス温度を低温化、短時間化させることができると考えられる。
【0081】
光塩基発生剤は、放射線(光)照射により塩基を発生する化合物であれば特に制限は受けず用いることができる。発生する塩基としては、反応性、硬化速度の点から強塩基性化合物が好ましい。より具体的には、光塩基発生剤によって発生する塩基の水溶液中でのpKa値は、7以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。pKaは、一般的に、塩基性の指標として酸解離定数の対数である。
【0082】
放射線照射により発生する塩基としては、例えば、イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ピペラジン及び2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン誘導体、ピペリジン及び1,2−ジメチルピペリジン等のピペリジン誘導体、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリエタノールアミン等のトリアルキルアミン誘導体、4−メチルアミノピリジン及び4−ジメチルアミノピリジン等の4位にアミノ基またはアルキルアミノ基が置換したピリジン誘導体、ピロリジン、n−メチルピロリジン等のピロリジン誘導体、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1(DBU)等の脂環式アミン誘導体、ベンジルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン及びベンジルジエチルアミン等のベンジルアミン誘導体、プロリン誘導体、トリエチレンジアミン、モルホリン誘導体、1級アルキルアミンが挙げられる。
【0083】
上記以外の光重合開始剤として、活性光線(光)の照射により1級アミノ基を発生するオキシム誘導体、光ラジカル発生剤として市販されている2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ スペシャリティ ケミカルズ社製、イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ スペシャリティ ケミカルズ社製、イルガキュア369)、3,6−ビス−(2メチル−2モルホリノ−プロピオニル)−9−N−オクチルカルバゾール(ADEKA社製、オプトマーN―1414)、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体(ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等の置換基がフェニル基に置換されていてもよい)、ベンゾイソオキサゾロン誘導体、カルバメート誘導体等を用いることができる。
【0084】
光重合開始剤の配合量としては、樹脂ペーストの反応感度や安定性の観点から、樹脂ペースト全量を基準として0.01〜5質量%であることが好ましい。
【0085】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ基を有する化合物、フェノール樹脂、1分子中に少なくとも2個の熱硬化性イミド基を有するイミド化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0086】
なお、本実施形態に係るダイボンディング用樹脂ペーストに含まれる熱硬化性成分は、光照射によるBステージ化では反応せず、その後の加熱、さらにはCステージ化で反応させること想定しているため、光硬化開始剤存在下で反応しないものを用いることが好ましい。
【0087】
エポキシ基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル型エポキシ化合物;ダイマー酸などの多価カルボン酸とその無水物を原料とするグリシジルエステル型エポキシ化合物;脂肪族アミンを原料とするグリシジルアミン型エポキシ化合物等の脂肪族エポキシ化合物、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、レゾルシノール、メチルレゾルシノール、カテコール、メチルカテコール、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシメチルナフタレン、ジヒドロキシジメチルナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレンなどの1種以上とエピハロヒドリンとの縮合により得られるジグリシジル化物等の芳香環を有するエポキシ化合物などの1分子内に2個のエポキシ基を有する化合物が挙げられる。
【0088】
また、フェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂を用いることもできる。このような樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールF、または、ハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0089】
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を配合する場合、その配合量は、耐熱性及び接着性の観点から、樹脂ペースト全量を基準として10〜80質量%であることが好ましい。
【0090】
フェノール樹脂は、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有するものであり、たとえば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0091】
熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを配合する場合、その配合量は、パッケージの信頼性を考慮して、フェノールの官能基当量がエポキシの官能基当量以下になるように調整することが好ましい。
【0092】
パッケージ信頼性を向上できる観点からは、エポキシ樹脂とフェノール樹脂を併用することが好ましい。この場合、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の配合量はそれぞれ樹脂ペースト全量を基準として10〜80質量%及び10〜80質量%であることが好ましい。
【0093】
1分子中に少なくとも2個の熱硬化性イミド基を有するイミド化合物としては、例えば、オルトビスマレイミドベンゼン、メタビスマレイミドベンゼン、パラビスマレイミドベンゼン、1,4−ビス(p−マレイミドクミル)ベンゼン、1,4−ビス(m−マレイミドクミル)ベンゼン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
【0094】
また、下記の式(C−1)〜(C−3)で表されるイミド化合物を用いることが好ましい。
【0095】
【化3】


式中、XおよびYは、O、CH、CF、SO、S、CO、C(CHまたはC(CFを示し;R、R、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、フッ素、塩素または臭素を示し;Dはエチレン性不飽和二重結合を有するジカルボン酸残基を示し;mは0〜4の整数を示す。
【0096】
式(C−1)のイミド化合物としては、例えば、4,4−ビスマレイミドジフェニルエーテル、4,4−ビスマレイミドジフェニルメタン、4,4−ビスマレイミド−3,3’−ジメチル−ジフェニルメタン、4,4−ビスマレイミドジフェニルスルホン、4,4−ビスマレイミドジフェニルスルフィド、4,4−ビスマレイミドジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−マレイミドフェニル)プロパン、4,4−ビスマレイミドジフェニルフルオロメタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−マレイミドフェニル)プロパン等が挙げられる。
【0097】
式(C−2)のイミド化合物としては、例えば、ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕フルオロメタン、ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕ケトン、2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
【0098】
熱硬化性化合物としてイミド化合物を配合する場合、その配合量は、ペーストの保管安定性を考慮して、樹脂ペースト全量を基準として5〜20質量%であることが好ましい。
【0099】
硬化促進剤としては、イミダゾール類、イミダゾリジン類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、有機ホスフィン(トリフェニルホスフィンやその誘導体、ホスフィンオキサイド類、ジホスフィン類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等のホスフィン−ホウ素化合物)、スズ化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。
【0100】
硬化促進剤の配合量としては、樹脂ペーストの反応感度や安定性の観点から、樹脂ペースト全量を基準として0.1〜5質量%であることが好ましい。
【0101】
熱重合開始剤としては、有機過酸化物などが挙げられる。
【0102】
本実施形態に係るダイボンディング用樹脂ペーストは、低応力性、被着体との密着性、熱圧着性を向上させる点で、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
【0103】
熱可塑性樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、ポリブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンイミド樹脂、ポリウレタンアミドイミド樹脂、シロキサンポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂、これらの共重合体、これらの前駆体(ポリアミド酸等)、ポリベンゾオキサゾール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0104】
これらの中で、(メタ)アクリル系樹脂、ブタジエン系樹脂、ポリブタジエンアクリロニトリル共重合体等が好ましく、ポリブタジエンアクリロニトリル共重合体及びブタジエン系樹脂がより好ましく、ポリブタジエンアクリロニトリル共重合体が特に好ましい。その中でも、カルボキシル基を有する共重合体が特に好ましい。
【0105】
上記の共重合体として具体的には、ブタジエンとアクリロニトリルと必要に応じて他の重合性化合物とのコポリマーを主鎖とし、その末端の少なくとも一方にカルボキシル基を有するものが挙げられる。印刷性、接着強度及び作業性の観点からは、この共重合体の数平均分子量は500〜10000であることが好ましく、1000〜7000であることがより好ましい。更に、下記一般式(1)で表されるカルボキシル基を有するブタジエン−アクリロニトリル共重合体がより好ましい。
【0106】
【化4】


一般式(1)中、x/yは95/5〜50/50であり、nは5〜50の整数である。
【0107】
上記一般式(1)で表される化合物は、市販品として入手することも可能である。例えば、Hycar CTBN−2009×162、CTBN−1300×31、CTBN−1300×8、CTBN−1300×13、CTBNX−1300×9(いずれもPTI JAPAN株式会社製)が市販品として入手可能である。
【0108】
また、カルボキシル基を有するブタジエン系樹脂として、カルボキシル基を有する低分子量液状ポリブタジエンである、NISSO−PB−C−2000(日本曹達株式会社製、商品名)(日本曹達(株)製、商品名)等が挙げられる。
【0109】
これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0110】
熱可塑性樹脂のTgは150℃以下であることが好ましく、120℃以下であることがより好ましく、100℃以下であることがさらにより好ましく、80℃以下であることが最も好ましい。このTgが150℃を超える場合、樹脂ペーストの粘度が上昇する傾向がある。また、被着体に熱圧着する際に150℃以上の高温を要する傾向がある。ここで、「Tg」とは、熱可塑性樹脂をフィルム化したときの主分散ピーク温度を意味し、レオメトリックス社製粘弾性アナライザー「RSA−2」(商品名)を用いて、フィルム厚100μm、昇温速度5℃/min、周波数1Hz、測定温度−150〜300℃の条件で測定したときのTg付近のtanδピーク温度を主分散ピーク温度とする。
【0111】
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、1000〜500000の範囲内で制御されていることが好ましく、熱圧着性と高温接着性とを高度に両立できる点で1000〜300000であることがより好ましい。ここで、「重量平均分子量」とは、島津製作所社製高速液体クロマトグラフィー「C−R4A」(商品名)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
【0112】
熱可塑性樹脂の配合量としては、ペースト硬化物の弾性率、若しくは信頼性の観点から、樹脂ペースト全量を基準として10〜80質量%であることが好ましい。
【0113】
本実施形態のダイボンディング用樹脂ペーストは、信頼性、チキソ性、放熱性等の観点から、フィラーを更に含有することが好ましい。
【0114】
フィラーとしては、例えば、銀粉、金粉、銅粉等の導電性(金属)フィラー;シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機物質フィラー;等が挙げられる。これらのうち、銀粉、金粉、銅粉等の導電性(金属)フィラーは、接着剤に導電性、伝熱性またはチキソトロピー性を付与する目的で添加することができる。また、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機物質フィラーは、接着剤に低熱膨張性、低吸湿率、チキソトロピー性を付与する目的で添加することができる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0115】
フィラーの配合量は、樹脂ペースト全量を基準として5〜70質量%とすることができる。
【0116】
本実施形態のダイボンディング用樹脂ペーストは、印刷中に泡、ボイドの発生を抑制する観点から、脱泡剤、破泡剤及び抑泡剤からなる群より選択される1種以上の添加剤を更に含有することが好ましい。
【0117】
上記添加剤の具体例としては、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコーン系添加剤が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0118】
上記添加剤の配合量は、樹脂ペースト全量を基準として0.01〜10質量%とすることができる。
【0119】
樹脂ペーストの粘度(25℃)は、5〜1000Pa・sであることが好ましく、20〜500であることがより好ましく、50〜200Pa・sであることが特に好ましい。樹脂ペーストの粘度が5〜1000Pa・sであると、印刷作業性の観点から好ましい。樹脂ペーストの粘度は、スクリーン印刷における印刷速度、下降オフセット(印刷圧)、版離れ速度、スキージ角度、メタルマスクと半導体支持部材の距離(クリアランス)、メタルマスク開口部の形状、メタルマスク開口部側面の表面処理、などの印刷ファクター応じて適宜調整することが好ましく、たとえば、スクリーンメッシュ版等のようにマスク開口部にメッシュ等が張ってある場合は、メッシュ部の抜け性を考慮して5〜100Pa・sの範囲であることが好ましく、ステンシル版等の場合は20〜500Pa・sの範囲に調整されていることが好ましい。また、Bステージ化後のダイボンディング層に残存するボイドが多く見られる場合は、150Pa・s以下の粘度に調整することが好ましい。
【0120】
樹脂ペーストのチキソトロピー指数は、1.5〜10.0であることが好ましく、2.0〜7.0であることがより好ましく、2.0〜5.0であることが特に好ましい。樹脂ペーストのチキソトロピー指数が1.5以上であると、スクリーン印刷法によって供給・塗布されたペーストにおけるダレ等の発生を抑制して、印刷形状を良好に保つとの観点から好ましい。さらに、このチキソトロピー指数が10.0以下であると、スクリーン印刷法によって供給・塗布されたペーストにおける「欠け」やカスレ等の発生抑制の観点から好ましい。
【0121】
上記粘度は、E型回転粘度計を用いて、25℃で、回転数0.5rpmで測定したときの値とする。チキソトロピー指数は、E型回転粘度計で、25℃で、回転数0.5rpmで測定したときの値と、回転数5rpmで測定したときの値との比(チキソトロピー指数=[0.5rpmでの粘度]/[5rpmでの粘度])で定義される。
【0122】
上述した本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体支持部材上にダイボンディング材を印刷法により塗布して半導体チップを接合するときのタクトタイムを削減することができ、なおかつBステージ化での硬化不足や過度の硬化による組立不具合を十分防止できて、信頼性に優れる半導体装置を生産性よく製造することが可能となる。また、従来の加熱によるBステージ化よりも低温でのBステージ化が可能であり、基板反りやアウトガス、さらには環境に対する負荷を抑制することができる。更に、Bステージ化後の工程で溶剤が残留することに起因して生じるボイドなどの不具合を十分抑制することができる。
【0123】
本発明によれば、上記の効果の他に以下に説明するドッグイヤーの問題を解消することが可能である。
【0124】
図4の(a)は、スクリーン印刷が施される基板上に配置されたマスク20を上方から見た図である。スクリーン印刷では、基板上に配置されたマスク20上に樹脂ペーストが供給され、スキージが矢印aの方向(印刷方向)に移動することにより開口部22に樹脂ペーストが埋め込まれる。これにより、開口部22の形状に対応した樹脂ペーストの塗膜が形成される。このスクリーン印刷により形成された塗膜について、その印刷方向aに沿って切断してできる断面(図4(a)におけるIII−III線に沿った断面)を観察したところ、図4の(b)に示すように塗膜の端部に盛り上がり(以下、これをドッグイヤーという。)が生じていた。図4(b)中、aが印刷方向を示し、bが盛り上がりを示す。そして、従来の樹脂ペーストは溶剤を含んでいるため、加熱乾燥によりBステージ化されると溶剤が揮発して、図4の(c)に示すように膜厚が薄くなる。しかし、このBステージ化の前後でドッグイヤーの高さはあまり変化しないことがあり、その場合、Bステージ化前の塗膜における膜厚H1に対するドッグイヤーの高さH2の比率(H2/H1)よりも、Bステージ化後の塗膜における膜厚H3に対するドッグイヤーの高さH4の比率(H4/H3)(以下、これをドッグイヤー比率という場合もある。)は著しく増大することになる。このようなドッグイヤーの増大は、ダイアタッチ時にボイドが発生したりチップが傾いて搭載されたりするなど、組立不具合の要因になり得る。
【0125】
本実施形態の半導体装置の製造方法によれば、上記各工程を備えることにより、上記の組立不具合の発生を防止して信頼性に優れる半導体装置を生産性よく製造することが可能となる。この理由を本発明者らは、光照射によって塗膜をBステージ化できることにより、上述した溶剤の揮発に起因するドッグイヤー比率の増大を抑制することができたためと考えている。
【0126】
本実施形態においては、樹脂ペーストの粘度、もしくはチキソトロピー指数を適宜調整して、スクリーン印刷による塗膜の印刷形状を保持することが好ましい。塗布後の膜厚に対するドッグイヤーの比率は、印刷ファクターを調整することによって低減しておくことが好ましい。なお、ドッグイヤーとは、印刷された塗膜について、図4(b)に示されるようにスクリーン印刷の印刷方向aに沿った断面を見たときに、印刷部分の最後のところに生じる犬の耳のような形状の突起bを意味する。このドッグイヤーの高さが、半導体チップを搭載するときに大きいと、搭載されたチップが基板に対して平行に搭載されなかったり、ボイドを巻き込んだり、充分に接着されないなどの現象により、半導体パッケージの信頼性が低下する。なお、本実施形態においては、上記本発明に係るダイボンディング用樹脂ペーストを用いることにより、Bステージ化後のドッグイヤー比率の増大を十分抑制することができ、上記の問題を有効に防止することができる。
【0127】
ドッグイヤー比率は、非接触型の形状測定装置((株)KEYENCE製、KS−1100シリーズなど)を用いて、塗膜表面の形状を測定し、図4(b)及び(c)に示されるように断面の形状をビジュアル化することにより求めることができる。図4(b)はBステージ化前における塗膜の断面形状を示し、ドッグイヤー比率はH2/H1である。また、図4(c)はBステージ化後における塗膜の断面形状を示し、ドッグイヤー比率はH4/H3である。
【0128】
本実施形態においては、下記の条件で形成される塗膜を光照射によりBステージ化したときのドッグイヤー比率を指標として、印刷ファクター及び樹脂ペースト粘度若しくはチキソトロピー指数を調整することが好ましい。
基板(レジスト):MCL−E−679F(AUS−308)
マスク:厚さ100ミクロンのメタルマスク
印刷形状:3mm×10mm×100μm厚
印刷機:ミナミ(株)製、MK−838SV
【0129】
本実施形態においては、上記の条件で形成し、光照射によりBステージ化した塗膜のドッグイヤー比率が、50%以下となることが好ましい。
【実施例】
【0130】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0131】
<樹脂ペーストの調製>
(樹脂ペースト1及び2)
表1に示す各材料を同表に示す割合(質量部)で混合して、樹脂ペースト1及び2をそれぞれ調製した。なお、表1における各記号は下記の材料を意味する。
【0132】
FA−125M:ネオペンチルグリコールジメタクリレート(日立化成工業社製、商品名)。
EPICRON 830:DIC(株)製、商品名、フェノールホルムアルデヒド重縮合物のエピクロロヒドリンによるジグリシジルエーテル化編成物。
IRGACURE−819:BASF JAPAN(株)製、商品名、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド)。
2P4MHZ−PW:四国化成工業社製、商品名、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール
パーブチルD:日油(株)製、商品名、ジ−t−ブチルパーオキシド。
CTBN1300×8:ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製、商品名、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体。
アエロジル50:日本アエロジル(株)製、商品名、SiO
【0133】
樹脂ペースト1及び2の粘度は、E型回転粘度計を用いて、25℃で、回転数0.5rpmで測定した。
【0134】
【表1】

【0135】
上記で得られた樹脂ペースト1及び2を用いて種々の組立条件にてBステージ化を行ない、タクトタイム、基板の反り、Bステージ化後の重量減少率、アフターキュア後の重量減少率について評価した。
【0136】
<樹脂ペーストの印刷>
(組立例1〜5)
ソルダーレジスト(商品名:AUS−308、太陽インキ製造(株)製)が塗布された絶縁性支持基板(商品名:MCL−E−679F、日立化成工業株式会社製)に、印刷機(ミナミ(株)製、MK−838SV)と厚さ100μmのメタルマスクを用いて、樹脂ペースト1又は2をスクリーン印刷して塗膜を形成した。なお、印刷された塗膜の形状は3mm×10mm×100μm厚であった。印刷条件は、スキージ速度を30mm/秒、スキージ角を60°、スキージオフセットを−0.1mm、クリアランスを0mm、版離れ速度を2mm/秒とした。
【0137】
<Bステージ化>
(組立例1)
樹脂ペースト1を印刷した塗膜に対して、露光機(ミカサ(株)社製、アライナーML−210FM、照度13mW/cm以上(365nm換算)、光源:高圧水銀灯)を用い、酸素濃度1ppm以下の窒素雰囲気下、露光量100mJ/cmの条件で紫外線を照射した。このBステージ化のタクトタイムは0.15分であった。
【0138】
(組立例2)
露光量を1000mJ/cmに変えたこと以外は組立例1と同様にして、Bステージ化を行った。このBステージ化のタクトタイムは1.5分であった。
【0139】
(組立例3)
樹脂ペースト2が印刷された基板を乾燥機に入れ、40℃から130℃まで30分間で昇温させ、その温度を30分間維持し、その後40℃まで30分間かけて降温させた。このBステージ化のタクトタイムは90分であった。
【0140】
(組立例4)
樹脂ペースト2が印刷された基板を乾燥機に入れ、40℃から150℃まで30分間で昇温させ、その温度を30分間維持し、その後40℃まで30分間かけて降温させた。このBステージ化のタクトタイムは90分であった。
【0141】
(組立例5)
樹脂ペースト2が印刷された基板を乾燥機に入れ、40℃から150℃まで30分間で昇温させ、その温度を10分間維持し、その後40℃まで30分間かけて降温させた。このBステージ化のタクトタイムは70分であった。
【0142】
[基板の反り]
上記でBステージ化された塗膜を有する絶縁性支持基板について、非接触型の形状測定装置((株)KEYENCE製、KS−1100シリーズ)を用い、塗膜表面の形状を測定し、断面(塗膜の厚み方向に切断した面)の形状をビジュアル化することにより反りを測定した。
【0143】
[Bステージ化後の重量減少率及びアフターキュア後の重量減少率]
直径約60mm高さ約14mmの円柱状の金属シャーレ(質量:W1(g))の底面内側に、各樹脂ペースト約1.5gをなるべく均一な膜厚になるようにのせて、測定用試料とした。その後、のせた樹脂ペーストの質量(W2(g))を求めた。次に、これらの測定用試料に対して上記のBステージ化の条件でBステージ化を行った後、測定用試料全体の質量(W3(g))を測定した。これらの値を用い下記式からBステージ化後の重量減少率(質量%)を求めた。
Bステージ化後の重量減少率(質量%)=100−[{(W3)−(W1)}/(W2)]×100
【0144】
Bステージ化後の各測定用試料を乾燥機に入れ、200℃で2時間、加熱した。加熱後の測定用試料の質量(W4(g))を測定した。この値を用い下記式からアフターキュア後の重量減少率(質量%)を求めた。
アフターキュア後の重量減少率(質量%)=100−[{(W4)−(W1)}/(W2)]×100
【0145】
【表2】

【0146】
<樹脂ペーストの印刷>
(組立例6〜11)
上記組立例1〜5と同じ条件で印刷を行った。
【0147】
<Bステージ化>
(組立例6)
露光量を900mJ/cmに変え、即ち、露光時間を表3のように変えたこと以外は組立例1と同様にして、Bステージ化を行った。
【0148】
(組立例7)
露光量を1100mJ/cmに変え、即ち、露光時間を表3のように変えたこと以外は組立例1と同様にして、Bステージ化を行った。
【0149】
(組立例8)
樹脂ペースト2が印刷された基板を乾燥機に入れ、40℃から140℃まで30分間で昇温させ、その温度を30分間維持し、その後40℃まで30分間かけて降温させた。
【0150】
(組立例9)
樹脂ペースト2が印刷された基板を乾燥機に入れ、40℃から150℃まで30分間で昇温させ、その温度を25分間維持し、その後40℃まで30分間かけて降温させた。
【0151】
(組立例10)
樹脂ペースト2が印刷された基板を乾燥機に入れ、40℃から150℃まで30分間で昇温させ、その温度を35分間維持し、その後40℃まで30分間かけて降温させた。
【0152】
(組立例11)
樹脂ペースト2が印刷された基板を乾燥機に入れ、40℃から160℃まで30分間で昇温させ、その温度を30分間維持し、その後40℃まで30分間かけて降温させた。
【0153】
<ダイアタッチ>
(組立例2、4、6〜11)
上記各組立例のBステージ化によって形成されたボンディング層上にガラスチップ(10.0mm×12.0mm×50μm厚)を、圧着機(CM−110)を用い、140℃の熱盤上で、50Nの荷重を掛けて1秒間圧着して、濡れ性評価用半導体装置をそれぞれ得た。
【0154】
[濡れ性の評価]
上記で得られた評価用半導体装置について、ガラスチップ圧着後の樹脂ペーストの広がりをガラスチップ上面から目視にて確認し、以下の判定基準により評価した。結果を表3及び表4に示す。
a:気泡及び空隙の総面積が印刷形状の5%以上である(濡れ性不足)
b:メタルマスクの開口部の面積が印刷形状の±5%未満である(適度な濡れ性)
c:ダイアタッチ後の濡れ面積がダイアタッチ前の濡れ面積の105%以上である(濡れ性過剰)
【0155】
【表3】

【0156】
【表4】

【0157】
本発明に係るダイボンディング用樹脂ペーストは、半導体チップを貼り付ける基板上にスクリーン印刷によって容易に供給・塗布でき、光照射によってBステージ化することにより比較的低い温度で半導体チップを貼り付けることができ、さらにはアウトガスの発生を抑制することができる。これにより、半導体支持部材上にダイボンディング材を印刷法により塗布して半導体チップを接合するときのタクトタイムを削減することができ、なおかつBステージ化での硬化不足や過度の硬化による組立不具合を十分防止できて、信頼性に優れる半導体装置を生産性よく製造することが可能となる。
【符号の説明】
【0158】
10…半導体支持部材、12…電極、20…マスク、30…樹脂ペーストの塗膜、32…光照射された塗膜、34…ダイボンディング層、40…スキージ、50…半導体チップ、52…ワイヤーボンディング、54…はんだボール、100…半導体装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップを搭載するための半導体支持部材上に、光硬化性成分及び熱硬化性成分を含み溶剤の含有量が5質量%以下であるダイボンディング用樹脂ペーストを印刷法により塗布して前記樹脂ペーストの塗膜を設ける第1工程と、
前記塗膜への光照射により前記光硬化性成分を光硬化する第2工程と、
前記半導体支持部材と半導体チップとを、光照射された前記塗膜を挟んで圧着することにより接合する第3工程と、を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2工程における光照射の露光量が1mJ/cm以上である、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2工程における光照射が窒素雰囲気下で行われる、請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第3工程の前に、前記半導体支持部材を60〜180℃で60分以下の間加熱する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第3工程の後に、前記半導体チップと接合された前記半導体支持部材を60〜200℃で5〜300分間加熱する工程、を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記各工程を経た後の前記半導体チップと前記半導体支持部材とをワイヤーボンディングにより電気的に接続し、その後前記半導体チップを樹脂封止する工程、を更に備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−99798(P2012−99798A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220245(P2011−220245)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】