説明

半導体装置及びその製造方法、電源装置

【課題】耐湿性及び耐電圧性を確保しながら、デバイス特性が劣化しないようにする。
【解決手段】半導体装置を、キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップ1と、半導体チップの表面を覆い、カップリング剤を含有する第1樹脂層5と、第1樹脂層の表面を覆い、界面活性剤を含有する第2樹脂層6と、第1樹脂層及び第2樹脂層で覆われた半導体チップを封止する封止樹脂層7とを備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャリア走行層及びキャリア供給層を含む半導体積層構造を有する高電子移動度トランジスタ(HEMT:high electron mobility transistor)がある。
近年、GaN系の化合物半導体であるAlGaN/GaNのヘテロ接合を利用し、GaNを電子走行層とし、AlGaNを電子供給層として用い、これらを積層したHEMT構造を備えるGaN−HEMTの開発が活発である。
【0003】
GaNは、バンドギャップが約3.4eVであり、Siのバンドギャップ(約1.1eV)及びGaAsのバンドギャップ(約1.4eV)よりも大きく、高い破壊電界強度を有する材料である。また、GaNは、大きい飽和電子速度を有する材料である。このため、GaNは、高電圧動作が可能で、高出力が得られる電源用半導体装置を実現するための材料として極めて有望である。また、GaN−HEMTは、例えば、電子装置に備えられる電源装置に用いられる高効率のスイッチング素子や電気自動車に用いられる高耐圧の電力デバイスとして期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許2984804号公報
【特許文献2】特許3196821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、GaN−HEMTを上述の高効率スイッチング素子や高耐圧電力デバイスなどの用途に用いる場合、例えばエポキシ樹脂などの封止樹脂によって半導体チップを封止しただけでは、耐湿性及び耐電圧性が不十分であった。
そこで、樹脂封止に先立ち、半導体チップの表面を、封止樹脂よりも高い耐電圧性を有する樹脂で被覆することで、耐湿性及び耐電圧性を確保することが考えられる。
【0006】
しかしながら、半導体チップの表面側には電極や配線などが形成されているため、半導体チップの表面は平坦になっておらず、図6(A)に示すように、凹凸(段差)ができている。なお、図6(A)では、トランジスタのソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極の上方の表面に形成されている凹凸を示している。このため、例えばリードフレームや基板などの支持板100上にダイアタッチ剤101によって半導体チップ102を固定し、樹脂封止に先立ち、半導体チップ102の表面を凹凸に沿って樹脂層103で被覆すると、凸部分のコーナー部で膜厚が薄くなってしまう。このように膜厚が薄くなっている部分があると、局所的に高電圧が印加されることになるため、封止樹脂よりも高い耐電圧性を有する樹脂層103で被覆したとしても、十分な耐電圧性を確保することができない。つまり、半導体チップ102の表面を、単に高い耐電圧性を有する樹脂層103で被覆しただけでは、耐電圧性を確保するのは難しい。なお、ダイアタッチ剤をダイボンド剤ともいう。
【0007】
この場合、図6(B)に示すように、半導体チップ102の表面の凸部分のコーナー部で樹脂層103の膜厚が厚くなるように、樹脂層全体の膜厚を厚くすることが考えられる。
しかしながら、樹脂層全体の膜厚を厚くすると、半導体チップ102の中央部から外周部までの位置によってその上に形成される樹脂層103の膜厚に差が生じてしまう。このため、半導体チップ102の中央部から外周部までの位置によって樹脂層103から半導体チップ102に加わる応力に差が生じてしまう。この結果、半導体チップ102の中央部から外周部までの位置によってトランジスタ特性がばらついてしまい、デバイス特性が劣化してしまうことになる。
【0008】
そこで、耐湿性及び耐電圧性を確保しながら、デバイス特性が劣化しないようにしたい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本半導体装置及び電源装置は、キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップと、半導体チップの表面を覆い、カップリング剤を含有する第1樹脂層と、第1樹脂層の表面を覆い、界面活性剤を含有する第2樹脂層と、第1樹脂層及び第2樹脂層で覆われた半導体チップを封止する封止樹脂層とを備えることを要件とする。
【0010】
本半導体装置の製造方法は、キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップの表面を覆うようにカップリング剤を含有する第1樹脂層を形成し、第1樹脂層の表面を覆うように界面活性剤を含有する第2樹脂層を形成し、第1樹脂層及び第2樹脂層で覆われた半導体チップを封止する封止樹脂層を形成することを要件とする。
【発明の効果】
【0011】
したがって、本半導体装置及びその製造方法、電源装置によれば、耐湿性及び耐電圧性を確保しながら、デバイス特性が劣化しないようにすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態にかかる半導体装置の構成を示す模式的断面図である。
【図2】(A)〜(F)は、第1実施形態にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図3】(A)〜(C)は、第1実施形態の変形例にかかる半導体装置の製造方法を説明するための模式的断面図である。
【図4】第1実施形態にかかる半導体装置の構成を示す模式的平面図である。
【図5】第2実施形態にかかる電源装置に含まれるPFC回路の構成を示す模式図である。
【図6】(A)、(B)は、本発明の課題を説明するための模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる半導体装置及びその製造方法、電源装置について説明する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法について、図1〜図4を参照しながら説明する。
【0014】
本実施形態にかかる半導体装置は、窒化物系(例えばGaN系)の化合物半導体を用いた化合物半導体装置であって、キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップを樹脂封止した半導体パッケージである。なお、半導体チップを、半導体素子ともいう。
以下、ディスクリートパッケージを例に挙げて説明する。
【0015】
本半導体装置は、図4に示すように、半導体チップ1と、半導体チップ1を搭載するステージ2と、ゲートリード21と、ソースリード22と、ドレインリード23と、ボンディングワイヤ4(ここではAlワイヤ)と、封止樹脂層7とを備える。なお、封止樹脂層7をモールド樹脂ともいう。
そして、半導体チップ1は、ステージ2上に搭載されており、例えばはんだ等のダイアタッチ剤3を用いて固定されている。
【0016】
また、ステージ2上に搭載された半導体チップ1のゲートパッド24、ソースパッド25及びドレインパッド26は、それぞれ、ゲートリード21、ソースリード22及びドレインリード23に、Alワイヤ4によって接続されており、これらが封止樹脂層7によって封止されている。
ここでは、半導体チップ1の基板裏面がダイアタッチ剤3によって固定されたステージ2は、ドレインリード23と電気的に接続されている。なお、これに限られるものではなく、ステージ2がソースリード22と電気的に接続されるようにしても良い。
【0017】
ここでは、半導体チップ1は、GaN電子走行層及びAlGaN電子供給層を含むGaN系半導体積層構造を有するGaN−HEMTを備え、例えば電子機器や電源装置に備えられるスイッチング素子に用いられる電源向けのGaN−HEMTチップである。このGaN系HEMTチップ1は、GaN系半導体積層構造の上方にゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を備え、これらの電極の上方に絶縁膜及び配線を含む配線層を備える。このように、GaN−HEMTチップ1は、その表面側に電極や配線などが形成されているため、その表面は平坦になっておらず、図1に示すように、凹凸ができている。なお、図1では、トランジスタのソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極の上方の表面に形成されている凹凸を示している。また、GaN−HEMTチップ1の表面は、絶縁膜で覆われており、ゲートパッド24、ソースパッド25、ドレインパッド26が露出している(図4参照)。なお、GaN−HEMTをGaN系HEMTともいう。また、GaN−HEMTチップをGaN系HEMTチップともいう。
【0018】
ここで、半導体チップ1の表面の絶縁膜は、無機系の絶縁膜、有機系の絶縁膜などである。例えば、無機系の絶縁膜としては、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸化チタン(TiO;例えばTiO)、酸化アルミニウム(AlO;例えばAl)、アモルファスシリコン(a−Si)等のうち少なくとも一つの材料からなる絶縁膜が用いられる。また、有機系の絶縁膜としては、ポリイミド、SiOF(フッ素添加酸化シリコン)、SiOC(炭素添加酸化シリコン)、CF(フッ素添加カーボン)、MSQ(メチル含有ポリシロキサン;メチルシルセスキオキサン)等のうち少なくとも一つの材料からなる絶縁膜が用いられる。なお、無機系の絶縁膜を、無機膜ともいう。また、有機系の絶縁膜を、有機膜ともいう。また、絶縁膜を、層間絶縁膜ともいう。
【0019】
ところで、例えば高効率スイッチング素子や高耐圧電力デバイスなどの用途に用いる場合、例えば無機フィラー含有エポキシ樹脂などの封止樹脂層7によって半導体チップ1を封止しただけでは、耐湿性及び耐電圧性が不十分である。
そこで、本実施形態では、図1に示すように、半導体チップ1の表面をカップリング剤を含有する第1樹脂層5で覆い、さらに、第1樹脂層5の表面を界面活性剤を含有する第2樹脂層6で覆い、第1樹脂層5及び第2樹脂層6で覆われた半導体チップ1を封止樹脂層7で封止している。つまり、本実施形態では、樹脂封止に先立ち、封止樹脂層7よりも高い耐電圧性を有する第1樹脂層5及び第2樹脂層6、特に、カップリング剤を含有する第1樹脂層5及び界面活性剤を含有する第2樹脂層6によって、半導体チップ1の表面を被覆するようにしている。このため、半導体チップ1の表面は、第1樹脂層5、第2樹脂層6、封止樹脂層7を順に積層させた3層構造の樹脂層によって覆われている。
【0020】
なお、第1樹脂層5及び第2樹脂層6を、ジャンクションコーティングレジン(Junction Coating Resin:JCR)ともいう。また、第1樹脂層5、第2樹脂層6及び封止樹脂層7を、表面保護膜ともいう。
このような樹脂封止パッケージ構造を採用することで、デバイス特性の劣化を抑制しながら、耐湿性及び耐電圧性を確保することが可能となる。
【0021】
つまり、まず、第1樹脂層5がカップリング剤を含有するため、半導体チップ1の表面の絶縁膜と第2樹脂層6との間の密着強度を大きくすることができ、密着性及び耐湿性を大幅に向上させることができる。
また、半導体チップ1の表面を凹凸に沿って被覆する第1樹脂層5に、膜厚の薄くなっている部分があったとしても、第1樹脂層5を、封止樹脂層7よりも高い耐電圧性を有する第2樹脂層6で被覆するため、十分な耐電圧性を確保することができる。つまり、半導体チップ1の表面を凹凸に沿って第1樹脂層5で被覆し、樹脂封止したものでは、凸部分のコーナー部で第1樹脂層5の膜厚が薄くなり、この部分に局所的に高電圧が印加されてしまい、封止樹脂も耐電圧性が低いため、全体として十分な耐電圧性を確保することができない。これに対し、本実施形態のように、半導体チップ1の表面を凹凸に沿って第1樹脂層5で被覆し、さらに、封止樹脂層7よりも高い耐電圧性を有する第2樹脂層6で被覆することで、十分な耐電圧性を確保することが可能となる。ここでは、第2樹脂層6は、半導体チップ1の表面の凹凸の全体が埋め込まれるように形成されている。このため、第2樹脂層6は、第1樹脂層5のように凸部分のコーナー部で膜厚が薄くならず、局所的に高電圧が印加されることもないため、耐電圧を大幅に向上させることができる。
【0022】
さらに、第2樹脂層6が界面活性剤を含有するため、第2樹脂層6の表面張力は小さくなる。このため、第2樹脂層6は半導体チップ1の表面の凹凸を埋め込み、その表面が平坦となる。この場合、第2樹脂層6と封止樹脂層7との接合界面は、第1樹脂層5と第2樹脂層6との接合界面よりも平坦になる。つまり、第2樹脂層6と封止樹脂層7との接合界面の平坦度は、第1樹脂層5と第2樹脂層6との接合界面の平坦度よりも高くなる。これにより、半導体チップ1の表面上に形成される樹脂層5、6の膜厚が半導体チップ1の中央部から外周部までの位置によって変化せず、膜厚に差が生じないため、例えば樹脂硬化時の残留応力が大きいところと小さいところが生じない。したがって、樹脂層5、6から半導体チップ1に加わる応力に差が生じないため、半導体チップ1の中央部から外周部までの位置によってトランジスタ特性がばらつかず、デバイス特性が劣化しない。
【0023】
このように、半導体チップ1と封止樹脂層7との間に設ける樹脂層を2層構造としている。そして、その一方の第1樹脂層5にカップリング剤を含ませて、密着性や耐湿性を確保する役割を持たせ、他方の第2樹脂層6に界面活性剤を含ませて、耐電圧性を確保しながら、デバイス特性の劣化を抑制する役割を持たせるようにしている。
特に、第1樹脂層5と第2樹脂層6とは、樹脂成分が同一であることが好ましい。例えば、第1樹脂層5にポリイミド系の樹脂を用いる場合は、第2樹脂層6にもポリイミド系の樹脂を用いるのが好ましい。これにより、第1樹脂層5と第2樹脂層6との間の密着性をより向上させることができる。また、第1樹脂層5と第2樹脂層6との間に作用する応力を抑制することができるため、半導体チップ1の表面の絶縁膜、第1樹脂層5及び第2樹脂層6の全体の密着性をより向上させることもできる。
【0024】
具体的には、第1樹脂層5は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂のいずれかを含むことが好ましい。つまり、第1樹脂層5は、カップリング剤を含有するポリイミド樹脂、カップリング剤を含有するポリアミド樹脂、カップリング剤を含有するシリコーン樹脂のいずれかの樹脂からなる樹脂層であることが好ましい。また、第1樹脂層5は、カップリング剤を含有するポリイミド樹脂、カップリング剤を含有するポリアミド樹脂、カップリング剤を含有するシリコーン樹脂の少なくとも1種類を含む樹脂層であることが好ましい。例えば、これらの樹脂のいずれかが混ざっている樹脂層であることが好ましい。なお、第1樹脂層5を、第1絶縁層又は第1絶縁膜ともいう。
【0025】
ここで、カップリング剤は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、又は、アルミニウムカップリング剤などを使用することができる。
また、カップリング剤は、有機官能基として、例えばビニル基、エポキシ基、ニトロ基、メタクリル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアナト基、カルボキシル基、水酸基のうちの少なくとも一つを含んでいても良い。また、カップリング剤は、加水分解性基として、例えばクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、イソプロペノキシ基、アミノ基のうちの少なくとも一つを含んでいても良い。さらに、カップリング剤は、これらの有機官能基と加水分解性基とを含んでいても良い。
【0026】
例えば、シランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランを用いることができるが、これ以外にも、ビニルトリクロルシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(2メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)3−グリシドキシプロピル3メチルジエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。つまり、これらのうち少なくとも一つを用いることができる。
【0027】
また、例えば、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤としては、上記シランカップリング剤の例示において、シランを、チタン、ジルコニウム、アルミニウムに置き換えたものを用いることができる。
特に、第1樹脂層5は、カップリング剤の含有量(配合量)が10wt%以下であることが好ましい。これにより、第1樹脂層5の樹脂成分の低下に起因する第1樹脂層自体の強度の低下を招くことなく、半導体チップ1の表面の絶縁膜や第2樹脂層6との間の密着性を向上させることができる。
【0028】
また、第2樹脂層6は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂のいずれかを含むことが好ましい。つまり、第2樹脂層6は、界面活性剤を含有するポリイミド樹脂、界面活性剤を含有するポリアミド樹脂、界面活性剤を含有するシリコーン樹脂のいずれかの樹脂からなる樹脂層であることが好ましい。また、第2樹脂層6は、界面活性剤を含有するポリイミド樹脂、界面活性剤を含有するポリアミド樹脂、界面活性剤を含有するシリコーン樹脂の少なくとも1種類を含む樹脂層であることが好ましい。例えば、これらの樹脂のいずれかが混ざっている樹脂層であることが好ましい。なお、第2樹脂層6を、第2絶縁層又は第2絶縁膜ともいう。
【0029】
ここで、界面活性剤は、例えば、フッ素系、炭化水素系、シリコーン系などの界面活性剤を使用することができる。特に、フッ素系の界面活性剤を用いるのが好ましい。例えば、フッ素系の界面活性剤としては、PFOA(パーフルオロオクタン酸)を用いることができるが、これ以外にも、PFOS(パーフルオロスルホン酸)、長鎖PFCAs(PFOAよりも炭素数の多いパーフルオロカルボン酸)、PFBS(パーフルオロブタンスルホン酸)、PFHXA(パーフルオロヘキサン酸)などを用いることができる。つまり、これらのうち少なくとも一つを用いることができる。
【0030】
特に、第2樹脂層6は、界面活性剤の含有量(配合量)が1ppm以上5000ppm以下であることが好ましい。これにより、第2樹脂層6の樹脂成分の低下に起因する第2樹脂層自体の強度の低下を招くことなく、また、第1樹脂層5や封止樹脂層6との間の密着性を低下させることなく、第2樹脂層6の表面の平坦性を向上させることができる。
また、封止樹脂層7は、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂を含むことが好ましい。つまり、封止樹脂層7は、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂のいずれかの樹脂からなる樹脂層であることが好ましい。また、封止樹脂層7は、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂の少なくとも1種類を含む樹脂層であることが好ましい。例えば、これらの樹脂のいずれかが混ざっている樹脂層であることが好ましい。なお、封止樹脂層7を、第3絶縁層又は第3絶縁膜ともいう。
【0031】
特に、封止樹脂層7は、無機粒子を含むことが好ましい。つまり、無機粒子を含有する封止樹脂層7を用いるのが好ましい。これにより、半導体チップ1を封止する樹脂パッケージ全体の熱伝導率を大幅に向上させることができる。例えば、無機粒子としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニアなどを使用することができる。このほか、ガラス粒子、種々のセラミックス粒子、FRP(繊維強化プラスチック)粒子なども使用することができる。また、粒子の形状は特に制限されない。例えば、真球状、粒状、塊状、破砕状、多孔質状、凝集状、フレーク状、スパイク状、フィラメント状、ファイバー状、ウイスカー状など、用途に応じて各種の形状の粒子を使用することができる。なお、無機粒子は、無機フィラーともいう。なお、第1樹脂層5及び第2樹脂層6には無機粒子は含まれていない。これは、半導体チップ1に近いところに無機粒子があると半導体チップ1にダメージを与えるおそれがあるからである。
【0032】
また、封止樹脂層7は、カップリング剤を含有するものであることが好ましい。これにより、第2樹脂層6と封止樹脂層7との間の密着性を向上させることができる。
なお、上述の第1樹脂層5、第2樹脂層6、封止樹脂層7を形成するための材料として例示したものは、任意に組み合わせることができる。例えば、第1樹脂層5及び第2樹脂層6にポリイミド系の樹脂を用い、界面活性剤にフッ素系の界面活性剤を用い、封止樹脂層7に例えばオルソクレゾールノボラック(OCN)系又は多芳香環レジン(MAR)系のエポキシ樹脂を用いることで、耐湿性及び耐電圧性の更なる向上が期待できる。
【0033】
次に、本実施形態にかかる半導体装置(ディスクリートパッケージ)の製造方法について説明する。
まず、図2(A)、図2(B)に示すように、キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップ1を、例えばはんだ等のダイアタッチ剤3を用いてリードフレームのステージ2上に固定する。
【0034】
つまり、まず、図示していないが、半導体チップ1の裏面に、例えばスパッタ法、蒸着法、めっき法等の技術を用いて、例えばTi、Ni、Auを順に積層させた金属被膜(密着層)を形成する。
次に、図2(A)に示すように、リードフレームのステージ2上の半導体チップ1が搭載される領域に、例えばAgペースト又ははんだペーストなどのダイアタッチ剤3を、例えばディスペンス法、印刷法、転写等の技術を用いて供給する。
【0035】
そして、図2(B)に示すように、半導体チップ1をフェイスアップで搭載し、例えばコンベア式リフロー炉にて約180℃で約10分間加熱して、ダイアタッチ剤3によって半導体チップ1をリードフレームのステージ2上に接合する。これにより、半導体チップ1が、リードフレームのステージ2上に固定される。なお、この工程をダイボンディング工程という。
【0036】
次に、図2(C)に示すように、例えばAlワイヤなどのワイヤ4を用いたボンディングによって、半導体チップ1のゲートパッド24をゲートリード21に接続し、ドレインパッド26をドレインリード23に接続し、ソースパッド25をソースリード22に接続する(図4参照)。これにより、半導体チップ1の各パッド24〜26とリードフレームの各リード21〜23とが電気的に接続される。なお、この工程をワイヤボンディング工程という。
【0037】
次に、図2(D)に示すように、半導体チップ1の表面を覆うようにカップリング剤を含有する第1樹脂層5を形成する。なお、この工程を第1樹脂層形成工程という。
例えば、まず、シラン系カップリング剤を含有するポリイミド樹脂ワニスを、スプレー法やディスペンス法等によって、ワイヤボンディングされた半導体チップ1の表面に塗布する。その後、ポリイミド樹脂を加熱して硬化させる。このようにして、半導体チップ1の表面にカップリング剤を含有する第1樹脂層5を形成する。
【0038】
なお、ここでは、半導体チップ1の表面にカップリング剤を含有する樹脂材料を塗布し、この樹脂材料を硬化させているが、これに限られるものではない。例えば、半導体チップ1の表面(絶縁膜)にあらかじめカップリング剤を塗布した後、樹脂材料を塗布し、この樹脂材料を硬化させるようにしても良い。この場合、樹脂材料は、カップリング剤を含有するものであっても良いし、カップリング剤を含有しないものであっても良い。この場合も、この工程で形成される第1樹脂層5は、カップリング剤を含有するものとなる。
【0039】
次に、図2(E)に示すように、第1樹脂層5の表面を覆うように界面活性剤を含有する第2樹脂層6を形成する。なお、この工程を第2樹脂層形成工程という。
例えば、フッ素系の界面活性剤を含有するポリイミド樹脂ワニスを、スプレー法やディスペンス法等によって、第1樹脂層5によって覆われた半導体チップ1上に塗布し、ポリイミド樹脂を加熱して硬化させることで、界面活性剤を含有する第2樹脂層6を形成する。
【0040】
そして、図2(F)に示すように、第1樹脂層5及び第2樹脂層6で覆われた半導体チップ1を封止する封止樹脂層7を形成する。なお、この工程を樹脂封止工程という。
例えば、ステージ2を含むリードフレームと、第1樹脂層5及び第2樹脂層6で覆われた半導体チップ1と、これらを接続するワイヤ4とを含む組立体を、樹脂封止装置の金型にセットし、例えばトランスファーモールド法で熱硬化性のアルミナフィラー含有エポキシ樹脂を用いて封止する。これにより、第1樹脂層5及び第2樹脂層6で覆われた半導体チップ1を封止する封止樹脂層7として、アルミナフィラー含有エポキシ樹脂層が形成される。なお、樹脂封止装置を、モールド装置ともいう。
【0041】
なお、第2樹脂層6と封止樹脂層7との密着性を向上させるために、封止樹脂層7を形成する封止樹脂材料として、カップリング剤を含有する封止樹脂材料を用いても良い。この場合、封止樹脂層7は、カップリング剤を含有するものとなる。また、この樹脂封止に先立って、半導体チップ1を覆っている第2樹脂層6の表面にあらかじめカップリング剤を塗布した後、封止樹脂材料で封止するようにしても良い。この場合、封止樹脂材料は、カップリング剤を含有するものであっても良いし、カップリング剤を含有しないものであっても良い。この場合も、この工程で形成される封止樹脂層7は、カップリング剤を含有するものとなる。
【0042】
その後、樹脂封止された組立体は、樹脂封止装置の金型から外され、図示しないアウタリードの切断工程などを経てリードフレームから切り離し、個々に分離することで、所望の半導体装置(ディスクリートパッケージ)が得られる。
したがって、本実施形態にかかる半導体装置及びその製造方法によれば、耐湿性及び耐電圧性を確保しながら、デバイス特性が劣化しないようにすることができるという利点がある。
【0043】
実際、上述の実施形態のように構成される半導体装置において、半導体チップ動作時のパッケージ全体の耐電圧を測定したところ、1200V以上であった。また、85℃/85RH%、1000hrの高温高湿試験(温度サイクル試験)後の耐電圧を測定したところ、1200V以上であった。さらに、各測定後の半導体チップ/第1樹脂層/第2樹脂層/封止樹脂層の断面SEM解析を行なったところ、クラックや破断箇所は認められず、初期の状態を良好に維持していることを確認した。
【0044】
これに対し、比較例として、上述の実施形態の第1及び第2樹脂層の代わりに単層のポリイミド樹脂を用いた半導体装置を作製し、同様に半導体チップ動作時のパッケージ全体の耐電圧を測定したところ、600V程度で、上述の実施形態のものの半分以下であった。また、85℃/85RH%、1000hrの高温高湿試験後の耐電圧を測定したところ、100V以下に低下した。さらに、各測定後の半導体チップ/樹脂層/封止樹脂層の断面SEM解析を行なったところ、クラックが認められた。
【0045】
このように、上述の実施形態のように構成された半導体装置によれば、耐湿性、耐電圧性、放熱性に優れ、特性劣化の少ない高信頼性を持つ半導体装置を実現することができ、歩留りを大幅に向上させることが可能となる。
なお、上述の実施形態の半導体装置の製造方法において、図3(A)〜図3(C)に示すように、第2樹脂層6を形成した後、封止樹脂層7で封止する前に、第2樹脂層6をレベリング処理して、第2樹脂層6の膜厚を薄くしても良い。この場合、第2樹脂層6のレベリング処理には、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)、エッチングやミリングなどの化学的手法及び/又は物理的手法を用いれば良い。これにより、例えば樹脂硬化時の残留応力などの半導体チップ1に作用する応力を低減することができ、デバイス特性の劣化を抑制することが可能となる。つまり、半導体チップ1に備えられる各トランジスタのそれぞれに加わる応力自体を低減することができ、各トランジスタ自体の特性劣化を抑制することが可能となる。
【0046】
また、上述の実施形態では、ディスクリートパッケージを例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、他の半導体パッケージであっても良い。
また、上述の実施形態では、リードフレームを用いて半導体装置を製造するため、製造された半導体装置は、リードフレームのステージ2上に半導体チップ1を備えるものとなっているが、これに限られるものではない。例えば、パッケージ基板上に半導体チップを備える半導体装置に本発明を適用することもできる。なお、リードフレームのステージやパッケージ基板を、支持板ともいう。
【0047】
また、上述の実施形態では、半導体パッケージを例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、回路基板上に半導体チップを備える半導体装置に本発明を適用することもできる。なお、回路基板を支持板ともいう。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる電源装置について、図5を参照しながら説明する。
【0048】
本実施形態にかかる電源装置は、上述のGaN−HEMTを含む半導体パッケージを備える電源装置である。
以下、サーバに用いられる電源装置に備えられるPFC(power factor correction)回路に、上述の半導体パッケージに含まれるGaN−HEMTを用いる場合を例に挙げて説明する。
【0049】
本PFC回路は、図5に示すように、ダイオードブリッジ30と、チョークコイル31と、第1コンデンサ32と、上述の半導体パッケージに含まれるGaN−HEMT33と、ダイオード34と、第2コンデンサ35とを備える。
ここでは、本PFC回路は、回路基板上に、ダイオードブリッジ30、チョークコイル31、第1コンデンサ32、上述の半導体パッケージに含まれるGaN−HEMT33、ダイオード34、及び、第2コンデンサ35が実装されて構成されている。
【0050】
本実施形態では、上述の半導体パッケージのドレインリード23、ソースリード22及びゲートリード21が、それぞれ、回路基板のドレインリード挿入部、ソースリード挿入部及びゲートリード挿入部に挿入され、例えばはんだなどによって固定されている。このようにして、回路基板に形成されたPFC回路に、上述の半導体パッケージに含まれるGaN−HEMT33が接続されている。
【0051】
そして、本PFC回路では、GaN−HEMT33のドレイン電極Dに、チョークコイル31の一方の端子及びダイオード34のアノード端子が接続されている。また、チョークコイル31の他方の端子には第1コンデンサ32の一方の端子が接続され、ダイオード34のカソード端子には第2コンデンサ35の一方の端子が接続されている。そして、第1コンデンサ32の他方の端子、GaN−HEMT33のソース電極S及び第2コンデンサ35の他方の端子が接地されている。また、第1コンデンサ32の両端子には、ダイオードブリッジ30の一対の端子が接続されており、ダイオードブリッジ30の他の一対の端子は、交流(AC)電圧が入力される入力端子に接続されている。また、第2コンデンサ35の両端子は、直流(DC)電圧が出力される出力端子に接続されている。また、GaN−HEMT33のゲート電極Gには、図示しないゲートドライバが接続されている。そして、本PFC回路では、ゲートドライバによってGaN−HEMT33を駆動することで、入力端子から入力されたAC電圧を、DC電圧に変換して、出力端子から出力するようになっている。
【0052】
したがって、本実施形態にかかる電源装置によれば、信頼性を向上させることができるという利点がある。つまり、上述の第1実施形態及び変形例における信頼性の高い半導体チップを備えるため、信頼性の高い電源装置を構築することができるという利点がある。
なお、ここでは、上述の半導体装置(GaN−HEMT又はGaN−HEMTを含む半導体パッケージ)を、サーバに用いられる電源装置に備えられるPFC回路に用いる場合を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、上述の半導体装置(GaN−HEMT又はGaN−HEMTを含む半導体パッケージ)を、サーバ以外のコンピュータなどの電子機器(電子装置)に用いても良い。また、上述の半導体装置(半導体パッケージ)を、電源装置に備えられる他の回路(例えばDC−DCコンバータなど)に用いても良い。
[その他]
なお、本発明は、上述した各実施形態及び変形例に記載した構成に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0053】
以下、上述の各実施形態及び変形例に関し、更に、付記を開示する。
(付記1)
キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップと、
前記半導体チップの表面を覆い、カップリング剤を含有する第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の表面を覆い、界面活性剤を含有する第2樹脂層と、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層で覆われた前記半導体チップを封止する封止樹脂層とを備えることを特徴とする半導体装置。
【0054】
(付記2)
前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とは、樹脂成分が同一であることを特徴とする、付記1に記載の半導体装置。
(付記3)
前記封止樹脂層は、カップリング剤を含有することを特徴とする、付記1又は2に記載の半導体装置。
【0055】
(付記4)
前記第1樹脂層は、前記カップリング剤の含有量が10wt%以下であることを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記5)
前記第2樹脂層は、前記界面活性剤の含有量が1ppm以上5000ppm以下であることを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0056】
(付記6)
前記第1樹脂層は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂のいずれかを含むことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記7)
前記第2樹脂層は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂のいずれかを含むことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0057】
(付記8)
前記封止樹脂層は、エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂を含むことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記9)
前記封止樹脂層は、無機粒子を含むことを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0058】
(付記10)
前記第2樹脂層と前記封止樹脂層との接合界面は、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との接合界面よりも平坦になっていることを特徴とする、付記1〜9のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記11)
キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップと、
前記半導体チップの表面を覆い、カップリング剤を含有する第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の表面を覆い、界面活性剤を含有する第2樹脂層と、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層で覆われた前記半導体チップを封止する封止樹脂層とを備える半導体装置を備えることを特徴とする電源装置。
【0059】
(付記12)
キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップの表面を覆うようにカップリング剤を含有する第1樹脂層を形成し、
前記第1樹脂層の表面を覆うように界面活性剤を含有する第2樹脂層を形成し、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層で覆われた前記半導体チップを封止する封止樹脂層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0060】
(付記13)
前記第2樹脂層を形成した後、前記封止樹脂層で封止する前に、前記第2樹脂層の膜厚を薄くすることを特徴とする、付記12に記載の半導体装置の製造方法。
(付記14)
前記第1樹脂層を形成する工程は、前記半導体チップの表面に前記カップリング剤を含有する第1樹脂材料を塗布し、前記第1樹脂材料を硬化させる工程を含むことを特徴とする、付記12又は13に記載の半導体装置の製造方法。
【0061】
(付記15)
前記第1樹脂層を形成する工程は、前記半導体チップの表面に前記カップリング剤を塗布した後、第1樹脂材料を塗布し、前記第1樹脂材料を硬化させる工程を含むことを特徴とする、付記12又は13に記載の半導体装置の製造方法。
(付記16)
前記封止樹脂層を形成する工程は、カップリング剤を含有する封止樹脂材料で封止する工程を含むことを特徴とする、付記12〜15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0062】
(付記17)
前記封止樹脂層を形成する工程は、前記半導体チップを覆っている前記第2樹脂層の表面にカップリング剤を塗布した後、封止樹脂材料で封止する工程を含むことを特徴とする、付記12〜15のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記18)
前記第1樹脂層は、前記カップリング剤の含有量が10wt%以下であることを特徴とする、付記12〜17のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0063】
(付記19)
前記第2樹脂層は、前記界面活性剤の含有量が1ppm以上5000ppm以下であることを特徴とする、付記12〜18のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記20)
前記封止樹脂層は、無機粒子を含むことを特徴とする、付記12〜19のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0064】
1 半導体チップ
2 ステージ
3 ダイアタッチ剤
4 ワイヤ
5 第1樹脂層
6 第2樹脂層
7 封止樹脂層
21 ゲートリード
22 ソースリード
23 ドレインリード
24 ゲートパッド
25 ソースパッド
26 ドレインパッド
30 ダイオードブリッジ
31 チョークコイル
32 第1コンデンサ
33 GaN−HEMT
34 ダイオード
35 第2コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップと、
前記半導体チップの表面を覆い、カップリング剤を含有する第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の表面を覆い、界面活性剤を含有する第2樹脂層と、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層で覆われた前記半導体チップを封止する封止樹脂層とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2樹脂層と前記封止樹脂層との接合界面は、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層との接合界面よりも平坦になっていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップと、
前記半導体チップの表面を覆い、カップリング剤を含有する第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の表面を覆い、界面活性剤を含有する第2樹脂層と、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層で覆われた前記半導体チップを封止する封止樹脂層とを備える半導体装置を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項4】
キャリア走行層及びキャリア供給層を含む窒化物半導体積層構造を備える半導体チップの表面を覆うようにカップリング剤を含有する第1樹脂層を形成し、
前記第1樹脂層の表面を覆うように界面活性剤を含有する第2樹脂層を形成し、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層で覆われた前記半導体チップを封止する封止樹脂層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−164937(P2012−164937A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26232(P2011−26232)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】