説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】メモリセルの微細化を図ること。
【解決手段】本発明は、半導体基板10上に電荷蓄積層14、第1導電層20、及びパターン化した第1マスク層22を順次形成する工程と、第1マスク層間の中央部に開口部30を有するように、第1マスク層の側壁に第2マスク層28を形成する工程と、開口部に第2導電層32を形成する工程と、第2導電層の表面に第3マスク層34を形成する工程と、第2マスク層と第3マスク層とをマスクにエッチングを行い、第1溝部36を形成し、第1溝部間に第1導電層からなるゲート電極38を形成する工程と、半導体基板内に第1溝部で画定される拡散領域40を形成する工程と、第1溝部に第1絶縁膜42を形成し、第2マスク層と第1絶縁膜とをマスクにエッチングを行い、第2溝部44を形成し、第2溝部により電荷蓄積層を分離させる工程と、第2溝部に第2絶縁膜を形成する工程と、を有する半導体装置の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、チャネル方向で分離された電荷蓄積層を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データの書き換えが可能で、電源をOFFしても記憶データを保持し続ける半導体装置である不揮発性メモリが広く利用されている。代表的な不揮発性メモリであるフラッシュメモリにおいては、メモリセルを構成するトランジスタが電荷蓄積層と呼ばれるフローティングゲートもしくは絶縁膜を有している。この電荷蓄積層に電荷を蓄積させることによりデータを記憶する。絶縁膜を電荷蓄積層とするフラッシュメモリとしてONO(Oxide Nitride Oxide)膜中の電荷蓄積層に電荷を蓄積させるSONOS(Silicon Oxide Nitride Oxide Silicon)型構造のフラッシュメモリがある。
【0003】
SONOS型構造のフラッシュメモリの1つに、ソース領域とドレイン領域とを切り替えて動作させて、1つのメモリセル内の電荷蓄積層に2つの電荷蓄積領域を形成する、仮想接地型フラッシュメモリがある。仮想接地型フラッシュメモリによれば、1メモリセルに2ビットの情報を記憶することが可能となる。
【0004】
近年、メモリセルの高集積化、微細化の要求が大きくなっている。仮想接地型フラッシュメモリにおいて、メモリセルの高集積化、微細化が進み、チャネル長が短くなると、2つの電荷蓄積領域が互いに接近し合う。これにより、CBD(Complementary bit disturb)と呼ばれる、電荷蓄積領域に蓄積した電荷が互いに干渉し合う現象の影響が大きくなり、互いの電荷の切り分け(つまり、データの読み分け)が難しくなる。
【0005】
電荷蓄積領域に蓄積した電荷が互いに干渉し合うことを抑制する方法として、電荷蓄積層をチャネル方向で空間的に分離させ、電荷蓄積領域に蓄積した電荷のチャネル方向での移動を抑制することで、CBDの影響を抑える方法が提案されている。例えば、特許文献1から特許文献4に、チャネル方向で分離された電荷蓄積層を有するフラッシュメモリの製造方法について開示されている。
【特許文献1】特開2007−81106号公報
【特許文献2】特開2000−4014号公報
【特許文献3】特表2006−521024号公報
【特許文献4】特表2004−505460号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図1(a)から図2(c)は、特許文献4に記載されたフラッシュメモリ(従来例1)の製造方法を示す断面図である。図1(a)を参照に、半導体基板70上に、トンネル絶縁膜72、電荷蓄積層74、及びトップ絶縁膜76からなるONO膜78とマスク層80とを順次形成する。フォトリソ技術及びエッチング技術を用い、マスク層80、トップ絶縁膜76、及び電荷蓄積層74を除去して、開口部82を形成する。マスク層80をマスクに、半導体基板70に不純物を注入する。これにより、開口部82で画定され、ソース・ドレイン領域となる拡散領域84が形成される。
【0007】
図1(b)を参照に、拡散領域84上に、厚い酸化膜86を形成する。その後、マスク層80を除去する。図1(c)を参照に、ONO膜78上であって、酸化膜86の側壁に導電層88を形成した後、導電層88をマスクに、ONO膜78をエッチングして、電荷蓄積層74を分離させる。
【0008】
図2(a)を参照に、ONO膜78が分離された領域の半導体基板70上に、ゲート絶縁膜90を形成する。図2(b)を参照に、分離されたONO膜78の間であって、ゲート絶縁膜90上にゲート電極92を形成する。その後、ゲート電極92の表面を平坦化する。図2(c)を参照に、ゲート電極92上にワードライン94を形成する。
【0009】
前述したように、フラッシュメモリは、電荷蓄積層に電荷を蓄積することにより、データの記憶を行う。このため、蓄積可能な電荷量を考慮すると、電荷を蓄積する電荷蓄積領域は、ある程度大きい場合が好ましい。したがって、メモリセルの微細化を図るためには、拡散領域84の幅を狭くすることとなる。拡散領域84の幅を狭くするためには、図1(a)で示した、開口部82の幅を狭くすることになる。開口部82は、フォトリソ技術及びエッチング技術を用いて形成するが、フォトリソ技術及びエッチング技術の特性上、幅の狭い開口部82を形成することは困難である。このため、従来例1に係る製造方法は、メモリセルの微細化を図るには不向きである。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、分離された電荷蓄積層を有し、拡散領域の幅を狭めて、メモリセルの微細化を図ることが可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、半導体基板上に電荷蓄積層、第1導電層、及び第1マスク層を順次形成し、前記第1マスク層をパターン化することにより、前記半導体基板内に形成すべき拡散領域の上方に前記第1マスク層を残存させる工程と、前記第1マスク層間の中央部に開口部を有するように、前記第1マスク層の側壁に第2マスク層を形成する工程と、前記開口部に第2導電層を形成する工程と、前記第2導電層の表面に第3マスク層を形成する工程と、前記第2マスク層と前記第3マスク層とをマスクに、前記第1マスク層、前記第1導電層、及び前記電荷蓄積層を除去して第1溝部を形成し、前記第1溝部間に前記第1導電層からなるゲート電極を形成する工程と、前記半導体基板内に、前記第1溝部で画定される前記拡散領域を形成する工程と、前記第1溝部に埋め込まれるように第1絶縁膜を形成する工程と、前記第3マスク層を除去した後、前記第2マスク層と前記第1絶縁膜とをマスクに、前記第2導電層、前記ゲート電極、及び前記電荷蓄積層を除去して第2溝部を形成し、前記第2溝部により前記電荷蓄積層を分離させる工程と、前記第2溝部に第2絶縁膜を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法である。本発明によれば、チャネル方向で分離された電荷蓄積層を有し、拡散領域の幅を狭めることができるため、メモリセルの微細化を図ることができる。
【0012】
上記構成において、前記第2絶縁膜を形成する工程は、分離された前記電荷蓄積層の間から前記ゲート電極まで延在するように、前記第2絶縁膜を形成する工程である構成とすることができる。
【0013】
上記構成において、前記第2絶縁膜を形成する工程は、前記第2溝部全体に埋め込まれるように、前記第2絶縁膜を形成する工程である構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記第2絶縁膜を形成する工程は、分離された前記電荷蓄積層の間に空洞部が形成され、前記ゲート電極の間に前記第2絶縁膜が形成されるように、前記第2絶縁膜を形成する工程である構成とすることができる。
【0015】
上記構成において、前記第2溝部を形成する工程は、前記第3マスク層を除去し、前記第2マスク層と前記第1絶縁膜とをマスクに、前記第2導電層を除去した後、前記第2マスク層の側壁に側壁絶縁膜を形成し、前記第2マスク層と前記第1絶縁膜と前記側壁絶縁膜とをマスクに、前記ゲート電極と前記電荷蓄積層とを除去して、前記第2溝部を形成する工程である構成とすることができる。この構成によれば、第2溝部の幅を細くすることができるため、メモリセルの微細化を更に図ることができる。
【0016】
上記構成において、前記第3マスク層を形成する工程の後、前記第1マスク層、前記第2マスク層、及び前記第3マスク層上に、第4マスク層をワードラインが形成されるべき領域に形成する工程と、前記第4マスク層をマスクに、前記第2マスク層、前記第3マスク層、前記第2導電層、前記第1導電層、前記電荷蓄積層、及び前記半導体基板をエッチングして、第3溝部を形成する工程と、前記第3溝部に埋め込まれるように、素子分離膜を形成する工程と、を有する構成とすることができる。この構成によれば、隣接するメモリセル間で、電荷蓄積層を分離させて形成することができる。これにより、電荷蓄積層に適用可能な材料の選択肢を広げることができる。
【0017】
上記構成において、前記第1導電層と前記第2導電層とは、同じ材料からなる構成とすることができる。この構成によれば、第2溝部の形成を容易に行うことができる。
【0018】
上記構成において、前記第2マスク層と前記第3マスク層とは、前記第1溝部を形成する際、前記第1マスク層より除去され難い材料からなる構成とすることができる。
【0019】
本発明は、半導体基板内に設けられた拡散領域と、前記拡散領域上の前記半導体基板上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜間の中央部の前記半導体基板上に設けられた第2絶縁膜と、前記第1絶縁膜間の前記半導体基板上に設けられ、前記第2絶縁膜により分離された電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層上に設けられたゲート電極と、を具備し、前記第2絶縁膜は、前記ゲート電極に突出するように延在していることを特徴とする半導体装置である。本発明によれば、チャネル方向で分離された電荷蓄積層を有し、幅の狭い拡散領域を設けることができるため、微細なメモリセルからなる半導体装置を得ることができる。
【0020】
本発明は、半導体基板内に設けられた拡散領域と、前記拡散領域上の前記半導体基板上に設けられた第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜間の前記半導体基板上に設けられ、前記第1絶縁膜間の中央部で分離された電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層の分離された領域の上方に設けられた第2絶縁膜と、前記電荷蓄積層上に、前記第2絶縁膜を挟むように設けられたゲート電極と、を具備し、分離された前記電荷蓄積層の間には、空洞部が形成されていることを特徴とする半導体装置である。本発明によれば、チャネル方向で分離された電荷蓄積層を有し、幅の狭い拡散領域を設けることができるため、微細なメモリセルからなる半導体装置を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、チャネル方向で分離された電荷蓄積層を有し、拡散領域の幅を狭めることができるため、メモリセルの微細化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照に本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0023】
図3(a)から図6(c)を用い、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法を説明する。図3(a)を参照に、p型シリコン半導体基板(または半導体基板内のp型領域)10上に、トンネル絶縁膜12、電荷蓄積層14、及びトップ絶縁膜16からなるONO膜18を形成する。トンネル絶縁膜12は、例えば厚さ7nmのシリコン酸化膜からなる。電荷蓄積層14は、例えば厚さ7nmのシリコン窒化膜からなる。トップ絶縁膜16は、例えば厚さ10nmのシリコン酸化膜からなる。ONO膜18上に、例えば厚さ100nmのアモルファスシリコン膜からなる第1導電層20を形成する。第1導電層20上に、例えば厚さ50nmのシリコン窒化膜からなる第1マスク層22を形成する。第1マスク層22上に、例えばアモルファスカーボン膜からなる反射防止膜24を形成する。反射防止膜24上に、例えば厚さ100nmのフォトレジスト膜26を、後述する拡散領域が形成されるべき領域の上方に残存させるようにパターン化して形成する。パターン化後のフォトレジスト膜26の幅W1は、例えば50nmであり、間隔X1は、例えば80nmである。なお、反射防止膜24は、フォトレジスト膜26をパターン化する際の露光工程において、半導体基板10等からの光の反射を抑制するために設けられた膜である。
【0024】
図3(b)を参照に、フォトレジスト膜26をマスクに、例えばRIE(反応性イオンエッチング)法を用いて、反射防止膜24と第1マスク層22をエッチングする。これにより、第1マスク層22は、拡散領域が形成されるべき領域の上方に残存するようにパターン化され、幅W2は50nm、間隔X2は80nmとなる。その後、フォトレジスト膜26と反射防止膜24とを除去する。
【0025】
図3(c)を参照に、第1マスク層22を覆うように、例えば厚さ50nmのシリコン酸化膜からなる第2マスク層28を、例えばCVD(化学気相成長)法を用いて堆積する。その後、第2マスク層28に全面エッチングを行い、第1マスク層22の表面を露出させる。これにより、第2マスク層28は、第1マスク層22の側壁に、幅W3が例えば30nmとして残存する。即ち、第1マスク層22間の中央部には、間隔X3が例えば20nmである開口部30が形成される。
【0026】
図4(a)を参照に、開口部30に埋め込まれるように、例えばアモルファスシリコン膜からなる第2導電層32を、例えばCVD法を用いて堆積する。その後、第1マスク層22及び第2マスク層28の表面が露出するように、例えばCMP(化学機械研磨)法を用いて、第1マスク層22及び第2マスク層28上に形成された第2導電層32を除去する。これにより、第2導電層32は、開口部30に形成される。
【0027】
図4(b)を参照に、例えば熱酸化法を用いて、第2導電層32の表面を酸化させて、第2導電層32の表面に、シリコン酸化膜からなる第3マスク層34を形成する。
【0028】
図4(c)を参照に、第2マスク層28と第3マスク層34とをマスクに、例えばウエットエッチング法により、第1マスク層22をエッチングする。
【0029】
図5(a)を参照に、第2マスク層28と第3マスク層34とをマスクに、例えばRIE法を用いて、第1導電層20とONO膜18とをエッチングする。これにより、第1溝部36と、第1溝部36の間であって、ONO膜18上に、第1導電層20からなるゲート電極38が形成される。第1溝部36の幅は、第1マスク層22の幅と同じ大きさであり、例えば50nmである。また、ゲート電極38の幅は、例えば80nmである。その後、第2マスク層28と第3マスク層34とをマスクに、半導体基板10内に、例えば砒素をイオン注入する。これにより、半導体基板10内に、第1溝部36で画定された、ソース・ドレイン領域となるn型拡散領域40が形成される。拡散領域40の幅は、第1溝部36の幅とほぼ同程度であり、例えば50nmである。また、拡散領域40間がチャネル長Tとなる。
【0030】
図5(b)を参照に、例えば高密度プラズマCVD法を用いて、第1溝部36に埋め込まれるように、シリコン酸化膜を堆積する。これにより、拡散領域40上の半導体基板10上に、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜42が形成される。
【0031】
図5(c)を参照に、第2導電層32の表面が露出するように、例えばCMP法を用いて、第3マスク層34等を除去する。
【0032】
図6(a)を参照に、第2マスク層28と第1絶縁膜42とをマスクに、例えばRIE法を用いて、第2導電層32、ゲート電極38、トップ絶縁膜16、及び電荷蓄積層14をエッチングして、第2溝部44を形成する。これにより、電荷蓄積層14は、第1絶縁膜42間の中央部(拡散領域40間の中央部)で分離される。即ち、電荷蓄積層14は、チャネル方向で分離される。
【0033】
図6(b)を参照に、第2溝部44に埋め込まれるように、例えば高密度プラズマCVD法を用いて、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜46を堆積する。ここで、第2絶縁膜46は、分離された電荷蓄積層14の間からゲート電極38の一部にまで突出して延在するように堆積する。その後、第2絶縁膜46に全面エッチングを行い、ゲート電極38の表面を露出させる。ここで、第2溝部44に埋め込まれた第2絶縁膜46は、狭い領域に形成されているため、エッチングが進み難く、ゲート電極38上の第2絶縁膜46が完全にエッチングで除去されても、第2溝部44に埋め込まれた第2絶縁膜46は残存する。また、第1絶縁膜42の上面とゲート電極38の上面とは、同一面となる。
【0034】
図6(c)を参照に、ゲート電極38上にポリシリコン膜を堆積し、フォトリソ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜からなるワードライン49を、拡散領域40に交差する方向に延伸するように形成する。
【0035】
実施例1に係る製造方法によれば、図3(b)のように、半導体基板10上にONO膜18と第1導電層20と第1マスク層22とを順次形成し、第1マスク層22をパターン化して、拡散領域が形成されるべき領域の上方に第1マスク層22を残存させる。図3(c)のように、第1マスク層22間の中央部に開口部30を有するように、第1マスク層22の側壁に、第2マスク層28を形成する。図4(a)のように、開口部30に第2導電層32を形成し、図4(b)のように、第2導電層32の表面に、第3マスク層34を形成する。図4(c)及び図5(a)のように、第2マスク層28と第3マスク層34とをマスクに、第1マスク層22、第1導電層20、及びONO膜18をエッチングして第1溝部36を形成し、第1溝部36間に第1導電層20からなるゲート電極38を形成する。そして、半導体基板10内に、第1溝部36で画定される拡散領域40を形成する。図5(b)のように、第1溝部36に埋め込まれるように、第1絶縁膜42を形成した後、図5(c)及び図6(a)のように、第2マスク層28と第1絶縁膜42とをマスクに、第3マスク層34、第2導電層32、ゲート電極38、トップ絶縁膜16、及び電荷蓄積層14をエッチングして第2溝部44を形成し、第2溝部44により電荷蓄積層14を分離させる。図6(b)のように、第2溝部44に、分離された電荷蓄積層14の間からゲート電極38の一部にまで延在する第2絶縁膜46を形成する。
【0036】
このような製造方法により、拡散領域40間の中央部で、第2絶縁膜46により電荷蓄積層14を分離させることができる。つまり、チャネル方向で電荷蓄積層14を分離させることができる。このように、電荷蓄積層14がチャネル方向で分離されていることで、電荷蓄積領域に蓄積された電荷が、チャネル方向に移動することを抑制できる。したがって、チャネル長Tが短くなった場合でも、電荷蓄積領域に蓄積された電荷が互いに干渉し合う、CBDの影響を抑制することができ、メモリセルの微細化を図ることが可能となる。
【0037】
また、発明が解決しようとする課題で述べたように、従来例1に係る製造方法では、メモリセルの微細化を図るために、拡散領域の幅を狭くする場合、拡散領域を形成すべき領域上に幅の狭い開口部を有するマスク層を形成することとなる。フォトリソ技術及びエッチング技術の特性上、マスク層に、幅の狭い開口部を形成することは困難である。しかしながら、実施例1に係る製造方法によれば、図3(b)から図5(a)のように、第1マスク層22が形成された領域の下方の半導体基板10内に拡散領域40が形成される。つまり、メモリセルの微細化を図るために、拡散領域40の幅を狭くする場合でも、実施例1に係る製造方法によれば、第1マスク層22の幅を狭くすればよいため、製造が容易である。したがって、実施例1の製造方法によれば、従来例1の製造方法に比べて、幅の狭い拡散領域40を形成することができ、メモリセルの微細化を図ることが可能となる。
【0038】
さらに、図5(a)のように、第1溝部36間にゲート電極38を形成した後、半導体基板10内に、第1溝部36で画定される拡散領域40を形成している。例えば、拡散領域40を形成してから、ゲート電極38を形成する場合、ゲート電極38を堆積する際等に生じる熱により、拡散領域40に注入された不純物が、半導体基板10内に拡散してしまう場合が生じる。しかしながら、実施例1の製造方法によれば、ゲート電極38を形成した後、拡散領域40を形成しているため、拡散領域40に注入された不純物が、半導体基板10内に拡散することを抑制できる。
【0039】
さらに、実施例1に係る製造方法を用いると、拡散領域40と分離された電荷蓄積層14とを、自己整合的に形成することができる。
【0040】
さらに、従来例1に係る製造方法では、図1(a)のように、ONO膜78上に直接、マスク層80を形成している。このため、図1(b)のように、マスク層80を除去する際、トップ絶縁膜76にも影響を及ぼしてしまい、トップ絶縁膜76を所望の膜質及び膜厚に維持することが難しい。しかしながら、実施例1に係る製造方法を用いると、ONO膜18上に直接、マスク層を形成することなく、図5(a)のように、拡散領域40の形成や、図6(a)のように、電荷蓄積層14の分離等ができ、さらに、ゲート電極38をONO膜18上に形成をすることができる。このため、トップ絶縁膜16を所望の膜質及び膜厚に維持することができる。
【0041】
また、実施例1に係る製造方法では、第1マスク層22は、シリコン窒化膜からなり、第2マスク層28と第3マスク層34とは、シリコン酸化膜からなる場合を例に示した。このように、第1マスク層22と、第2マスク層28及び第3マスク層34とは、異なる材料からなる場合が好ましい。つまり、図4(c)のように、第1マスク層22を除去する際に、第2マスク層28と第3マスク層34とが、第1マスク層22より除去され難い材料からなる場合が好ましい。
【0042】
また、図4(a)のように、第2導電層32の材料は第1導電層20の材料と同じである場合が好ましい。これにより、図6(a)のように、電荷蓄積層14をチャネル方向で分離させるための第2溝部44を、容易に形成することができる。さらに、第2導電層32にアモルファスシリコン膜を用いることで、図4(b)のように、熱酸化法という簡便な方法により、第2導電層32の表面に、第1マスク層22(シリコン窒化膜)と異なる材料からなる第3マスク層34(シリコン酸化膜)を容易に形成することができる。
【0043】
また、図6(a)のように、トンネル絶縁膜12が残存するように、第2溝部44を形成する場合が好ましい。これにより、第2溝部44を形成する際に、半導体基板10にダメージを与えることを抑制できる。第2溝部44下方の半導体基板10は、チャネル領域となるため、半導体基板10にダメージを与えないことが好ましい。
【0044】
上記製造方法における、実施例1に係る半導体装置を、図7(a)及び図7(b)に示す。図7(a)は、実施例1に係る半導体装置の上面図であり、図7(b)は、図7(a)のB−B間の断面図である。なお、図7(a)においては、電荷蓄積層14、第2絶縁膜46、拡散領域40、及びワードライン49を図示している。図7(a)及び図7(b)を参照に、半導体基板10内に延伸するように形成された拡散領域40上に第1絶縁膜42が形成され、第1絶縁膜42間の中央部に第2絶縁膜46が延伸して形成されている。第1絶縁膜42間の半導体基板10上には、第2絶縁膜46により分離された電荷蓄積層14を有するONO膜18が形成されている。ONO膜18上には、ゲート電極38が形成され、第2絶縁膜46は、分離された電荷蓄積層14の間からゲート電極38に突出するように延在して形成されている。ゲート電極38上には、拡散領域40に交差する方向に延伸するワードライン49が形成されている。
【0045】
次に、図8(a)及び図8(b)を用い、実施例1の変形例1に係るフラッシュメモリの製造方法について説明する。まず、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法で示した、図3(a)から図6(a)の製造工程を実施する。図8(a)を参照に、第2溝部44全体に埋め込まれるように、例えば高密度プラズマCVD法を用いて、シリコン酸化膜を堆積する。その後、ゲート電極38の表面が露出するよう、ゲート電極38上に形成されたシリコン酸化膜等を除去する。これにより、第2溝部44全体に埋め込まれるように、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜46を形成することができる。
【0046】
図8(b)を参照に、ゲート電極38上にポリシリコン膜を堆積し、フォトリソ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜からなるワードライン49を、拡散領域40に交差する方向に延伸するように形成する。
【0047】
実施例1の変形例1に係る製造方法によっても、電荷蓄積層14をチャネル方向で分離させることができ、また、幅の狭い拡散領域40を形成することができるため、メモリセルの微細化を図ることができる等、実施例1に係る製造方法と同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、上記製造方法における、実施例1の変形例1に係る半導体装置においては、第2絶縁膜46は、分離された電荷蓄積層14の間からゲート電極38の側面全面を覆うように突出して形成される。つまり、第2絶縁膜46の上面とゲート電極38の上面とが同一面に形成される。
【0049】
次に、図9(a)及び図9(b)を用い、実施例1の変形例2に係るフラッシュメモリの製造方法について説明する。まず、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法で示した、図3(a)から図6(a)の製造工程を実施する。図9(a)を参照に、例えばプラズマ酸化法を用いて、ゲート電極38を酸化させる。これにより、ゲート電極38の間の第2溝部44は、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜46で埋め込まれる。また、アスペクト比の関係上、第2溝部44の底部付近は、酸化が進み難いため、電荷蓄積層14も酸化が進むが、分離された電荷蓄積層14の間は、シリコン酸化膜で完全に満たされず、空洞部48が形成される。その後、ゲート電極38の表面が露出するよう、ゲート電極38上に形成されたシリコン酸化膜を除去する。
【0050】
図9(b)を参照に、ゲート電極38上にポリシリコン膜を堆積し、フォトリソ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜からなるワードライン49を、拡散領域40に交差する方向に延伸するように形成する。
【0051】
実施例1の変形例2に係る製造方法によっても、電荷蓄積層14をチャネル方向で分離させることができ、また、幅の狭い拡散領域40を形成することができるため、メモリセルの微細化を図ることができる等、実施例1に係る製造方法と同様の効果を得ることができる。
【0052】
実施例1の変形例2では、プラズマ酸化法を用いて、ゲート電極38を酸化させて、ゲート電極38の間の第2溝部44を、第2絶縁膜46で埋め込む場合を例に示した。しかしながら、プラズマ酸化法以外にも、ラジカル酸化法や熱酸化法等を用いて、ゲート電極38を酸化させて、ゲート電極38の間の第2溝部44に、第2絶縁膜46を形成する場合でもよい。
【0053】
また、上記製造方法における、実施例1の変形例2に係る半導体装置においては、半導体基板10内に延伸するように形成された拡散領域40上に第1絶縁膜42が形成され。第1絶縁膜42間の半導体基板10上には、第1絶縁膜42間の中央部で分離された電荷蓄積層14を有するONO膜18が形成される。電荷蓄積層14の分離された領域の上方には第2絶縁膜46が形成され、ONO膜18上に、第2絶縁膜46を挟むようにゲート電極38が形成される。そして、分離された電荷蓄積層14の間には、空洞部48が形成される。ゲート電極38上には、拡散領域40に交差する方向に延伸するワードライン49が形成される。
【実施例2】
【0054】
図10(a)から図12(c)を用い、実施例2に係るフラッシュメモリの製造方法について説明する。まず、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法で示した、図3(a)及び図3(b)の製造工程を実施する。図10(a)を参照に、第1マスク層22を覆うように、例えば厚さ35nmのシリコン酸化膜からなる第2マスク層28を、例えばCVD法を用いて堆積する。その後、第2マスク層28に全面エッチングを行い、第1マスク層22の表面を露出させる。これにより、第2マスク層28は、第1マスク層22の側壁に、幅W3が例えば20nmとして残存する。即ち、第1マスク層22間の中央部には、間隔X3が例えば40nmである開口部30が形成される。
【0055】
図10(b)を参照に、例えば熱酸化法を用いて、第1導電層20を酸化させる。これにより、開口部30の第1導電層20の表面に、シリコン酸化膜50が形成される。
【0056】
図10(c)を参照に、開口部30に埋め込まれるように、例えばアモルファスシリコン膜からなる第2導電層32を、例えばCVD法を用いて堆積する。その後、第1マスク層22及び第2マスク層28の表面が露出するように、例えばCMP(化学機械研磨)法を用いて、第1マスク層22及び第2マスク層28上に形成された第2導電層32を除去する。これにより、第2導電層32は、開口部30に形成される。その後、例えば熱酸化法を用いて、第2導電層32の表面を酸化させて、第2導電層32の表面に、シリコン酸化膜からなる第3マスク層34を形成する。
【0057】
図11(a)を参照に、第2マスク層28と第3マスク層34とをマスクに、例えばウエットエッチング法を用いて、第1マスク層22をエッチングする。続いて、第2マスク層28と第3マスク層34とをマスクに、例えばRIE法を用いて、第1導電層20とONO膜18とをエッチングする。これにより、第1溝部36と、第1溝部36の間であって、ONO膜18上に、第1導電層20からなるゲート電極38が形成される。その後、第2マスク層28と第3マスク層34とをマスクに、半導体基板10内に、例えば砒素をイオン注入する。これにより、半導体基板10内に、第1溝部36で画定された、ソース・ドレイン領域となるn型拡散領域40が形成される。拡散領域40間がチャネル長Tとなる。
【0058】
図11(b)を参照に、例えば高密度プラズマCVD法を用いて、第1溝部36に埋め込まれるように、シリコン酸化膜を堆積する。これにより、拡散領域40上の半導体基板10上に、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜42が形成される。第2導電層32の表面が露出するように、例えばCMP法を用いて、第3マスク層34等を除去する。続いて、第2マスク層28と第1絶縁膜42とをマスクに、第2導電層32をエッチングする。この際、シリコン酸化膜50が形成されていることで、第2導電層32を効率よくエッチングすることができる。
【0059】
図11(c)を参照に、例えばCVD法により、シリコン酸化膜を全面堆積した後、シリコン酸化膜を全面エッチングする。これにより、第2マスク層28の側壁に、シリコン酸化膜からなる側壁絶縁膜52が形成される。この際、側壁絶縁膜52間の間隔X4は、例えば20nmである。なお、側壁絶縁膜52には、シリコン酸化膜の他にも、例えばカーボン膜を用いることもできる。
【0060】
図12(a)を参照に、第2マスク層28と第1絶縁膜42と側壁絶縁膜52とをマスクに、例えばRIE法を用いて、シリコン酸化膜50、ゲート電極38、トップ絶縁膜16、及び電荷蓄積層14をエッチングして、第2溝部44を形成する。これにより、電荷蓄積層14は、第1絶縁膜42間の中央部(拡散領域40間の中央部)で分離される。即ち、電荷蓄積層14は、チャネル方向で分離される。
【0061】
図12(b)を参照に、第2溝部44に埋め込まれるように、例えば高密度プラズマCVD法を用いて、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜46を堆積する。ゲート電極38の表面が露出するよう、ゲート電極38上に形成された第2絶縁膜46を除去する。これにより、第2溝部44に第2絶縁膜46が残存し、第2絶縁膜46は、分離された電荷蓄積層14の間からゲート電極38まで突出するように延在して形成される。
【0062】
図12(c)を参照に、ゲート電極38上にポリシリコン膜を堆積し、フォトリソ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜からなるワードライン49を、拡散領域40に交差する方向に延伸するように形成する。
【0063】
実施例2に係る製造方法によれば、図11(b)のように、第2マスク層28と第1絶縁膜42とをマスクに、第2導電層32を除去した後、図11(c)のように、第2マスク層28の側壁に、側壁絶縁膜52を形成する。図12(a)のように、第2マスク層28と第1絶縁膜42と側壁絶縁膜52とをマスクに、シリコン酸化膜50、ゲート電極38、トップ絶縁膜16、及び電荷蓄積層14を除去して、第2溝部44を形成している。
【0064】
分離された電荷蓄積層14の間隔を狭くする場合、実施例1に係る製造方法では、図3(c)で示した、開口部30の間隔X3を狭くすることとなる。開口部30には、図4(a)で示したように、第2導電層32を形成するため、開口部30の間隔X3が狭いと、第2導電層32の形成が困難となる課題が生じる。しかしながら、実施例2の製造方法によれば、分離された電荷蓄積層14の間隔は、図12(a)のように、第2マスク層28の側壁に形成した側壁絶縁膜52の間隔により画定される。つまり、分離された電荷蓄積層14の間隔を狭くする場合でも、図10(a)のように、開口部30の間隔X3を広くすることができ、開口部30に形成する第2導電層32を、容易に形成することが可能となる。したがって、実施例2に係る製造方法は、実施例1に係る製造方法に比べて、第2溝部44の幅を狭くすることができ、メモリセルの微細化を更に図ることが可能となる。
【0065】
また、実施例2の製造方法によれば、図10(a)のように、第1マスク層22の側壁に第2マスク層28を形成し、図11(c)のように、第2マスク層28の側壁に側壁絶縁膜52を形成している。そして、図12(a)のように、第2マスク層28と側壁絶縁膜52とを用いて、第2溝部44を形成している。このように、第2マスク層28と側壁絶縁膜52との2段構成をしたスペーサ層を用いることで、第2マスク層28の幅と側壁絶縁膜52の幅とを、それぞれ狭くすることができる。第2マスク層28と側壁絶縁膜52とは、幅が狭いほど、側壁を垂直に形成することが可能となる。したがって、実施例2の製造方法を用いることで、第2溝部44の幅を精度よく形成することが可能となる。
【0066】
さらに、実施例2の製造方法によれば、図10(b)のように、開口部30の第1導電層20の表面に、シリコン酸化膜50を形成する場合を例に示したが、これに限られず、シリコン酸化膜50は形成しない場合でもよい。この場合、図11(b)のように、第2導電層32をエッチングする際、コントロールエッチ(時間制御)で第2導電層32をエッチングすることになる。
【0067】
また、実施例2の製造方法においても、実施例1の変形例1及び実施例1の変形例2のような製造方法を適用してもよい。
【実施例3】
【0068】
図13(a)から図19(c)を用い、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法について説明する。まず、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法で示した、図3(a)から図4(b)の製造工程を実施する。図13(a)から図13(c)を参照に、第1マスク層22、第2マスク層28、及び第3マスク層34上に、フォトレジスト膜54を、延伸するようにパターン化して形成する。フォトレジスト膜54は、後述するワードライン49が形成されるべき領域に形成する。
【0069】
図14(a)から図14(c)を参照に、フォトレジスト膜54と第1マスク層22とをマスクに、第2マスク層28、第3マスク層34、第2導電層32、第1導電層20、ONO膜18、及び半導体基板10を、例えばRIE法を用いてエッチングする。これにより、第3溝部56が形成される。
【0070】
図15(a)から図15(c)を参照に、フォトレジスト膜54を除去した後、第3溝部56に埋め込まれるように、例えばシリコン酸化膜からなる素子分離膜58を、例えばCVD法により形成する。
【0071】
図16(a)から図16(c)を参照に、第2マスク層28、第3マスク層34、及び素子分離膜58をマスクに、第1マスク層22、第1導電層20、及びONO膜18をエッチングし、第1溝部36を形成する。第1溝部36間のONO膜18上には、第1導電層20からなるゲート電極38が形成される。その後、第2マスク層28、第3マスク層34、及び素子分離膜58をマスクに、半導体基板10内に、例えば砒素をイオン注入する。これにより、半導体基板10内に、第1溝部36で画定される、ソース・ドレイン領域となるn型拡散領域40が形成される。
【0072】
図17(a)から図17(c)を参照に、第1溝部36に埋め込まれるように、例えば高密度プラズマCVD法を用い、シリコン酸化膜からなる第1絶縁膜42を形成する。その後、第2導電層32の表面が露出するように、例えばCMP法を用いて、第3マスク層34等を除去する。
【0073】
図18(a)から図18(c)を参照に、第2マスク層28、第1絶縁膜42、及び素子分離膜58をマスクに、例えばRIE法を用いて、第2導電層32、ゲート電極38、トップ絶縁膜16、及び電荷蓄積層14をエッチングして、第2溝部44を形成する。これにより、電荷蓄積層14は、第1絶縁膜42間の中央部(拡散領域40間の中央部)で分離される。即ち、電荷蓄積層14は、チャネル方向で分離される。第2溝部44に埋め込まれるように、例えば高密度プラズマCVD法を用いて、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜46を堆積する。ここで、第2絶縁膜46は、分離された電荷蓄積層14の間からゲート電極38の一部にまで突出して延在するように形成する。
【0074】
図19(a)から図19(c)を参照に、ゲート電極38上にポリシリコン膜を堆積し、フォトリソ技術及びエッチング技術を用いて、ポリシリコン膜からなるワードライン49を、拡散領域40に交差する方向に延伸するように形成する。これにより、ワードライン49下に、ゲート電極38等が形成され、隣接するワードライン49間には、素子分離膜58が形成される。
【0075】
実施例3に係る製造方法によれば、図13(a)から図13(c)のように、第1マスク層22、第2マスク層28、及び第3マスク層34上に、フォトレジスト膜54を、ワードライン49が形成されるべき領域に、延伸するように形成する。図14(a)から図14(c)のように、フォトレジスト膜54と第1マスク層22とをマスクに、第2マスク層28、第3マスク層34、第2導電層32、第1導電層20、ONO膜18、及び半導体基板10をエッチングして、第3溝部56を形成する。図15(a)から図15(c)のように、第3溝部56に埋め込まれるように、素子分離膜58を形成する。
【0076】
このような製造方法により、図19(a)から図19(c)のように、チャネル方向に垂直な方向で隣接するメモリセル間で、電荷蓄積層14を分離させることができる。例えば、電荷蓄積層14が、チャネル方向に垂直な方向で分離されていない場合、電荷蓄積層14に蓄積された電荷が移動し、隣接するメモリセルの閾値電圧に影響を及ぼす場合がある。しかしながら、実施例3に係る製造方法によれば、電荷蓄積層14は、チャネル方向に垂直な方向で隣接するメモリセル間で、分離されているため、電荷蓄積層14に蓄積された電荷が移動し、隣接するメモリセルの閾値電圧に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0077】
また、図19(a)から図19(c)のように、電荷蓄積層14は、メモリセル内でチャネル方向に分離され、且つ、隣接するメモリセル間でも分離されている。言い換えると、電荷蓄積層14は、電荷が蓄積される電荷蓄積領域ごとに、孤立して形成されている。このため、電荷蓄積層14に、例えばポリシリコン膜のような導電膜を用いた場合でも、ゲート電極38下に局所的に電荷を蓄積させることができる。したがって、実施例3に係る製造方法によれば、電荷蓄積層14に用いることのできる材料の選択肢を広げることができる。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1(a)から図1(c)は、従来例1に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その1)である。
【図2】図2(a)から図2(c)は、従来例1に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その2)である。
【図3】図3(a)から図3(c)は、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その1)である。
【図4】図4(a)から図4(c)は、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その2)である。
【図5】図5(a)から図5(c)は、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その3)である。
【図6】図6(a)から図6(c)は、実施例1に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その4)である。
【図7】図7(a)は、実施例1に係るフラッシュメモリの上面図であり、図7(b)は、図7(a)のB−B間の断面図である。
【図8】図8(a)及び図8(b)は、実施例1の変形例1に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図である。
【図9】図9(a)及び図9(b)は、実施例1の変形例2に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図である。
【図10】図10(a)から図10(c)は、実施例2に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その1)である。
【図11】図11(a)から図11(c)は、実施例2に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その2)である。
【図12】図12(a)から図12(c)は、実施例2に係るフラッシュメモリの製造方法を示す断面図(その3)である。
【図13】図13(a)は、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法を示す上面図(その1)であり、図13(b)及び図13(c)は、図13(a)のB−B間及びC−C間の断面図である。
【図14】図14(a)は、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法を示す上面図(その2)であり、図14(b)及び図14(c)は、図14(a)のB−B間及びC−C間の断面図である。
【図15】図15(a)は、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法を示す上面図(その3)であり、図15(b)及び図15(c)は、図15(a)のB−B間及びC−C間の断面図である。
【図16】図16(a)は、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法を示す上面図(その4)であり、図16(b)及び図16(c)は、図16(a)のB−B間及びC−C間の断面図である。
【図17】図17(a)は、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法を示す上面図(その5)であり、図17(b)及び図17(c)は、図17(a)のB−B間及びC−C間の断面図である。
【図18】図18(a)は、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法を示す上面図(その6)であり、図18(b)及び図18(c)は、図18(a)のB−B間及びC−C間の断面図である。
【図19】図19(a)は、実施例3に係るフラッシュメモリの製造方法を示す上面図(その7)であり、図19(b)及び図19(c)は、図19(a)のB−B間及びC−C間の断面図である。
【符号の説明】
【0080】
10 半導体基板
12 トンネル絶縁膜
14 電荷蓄積層
16 トップ絶縁膜
18 ONO膜
20 第1導電層
22 第1マスク層
24 反射防止膜
26 フォトレジスト膜
28 第2マスク層
30 開口部
32 第2導電層
34 第3マスク層
36 第1溝部
38 ゲート電極
40 拡散領域
42 第1絶縁膜
44 第2溝部
46 第2絶縁膜
48 空洞部
49 ワードライン
50 シリコン酸化膜
52 側壁絶縁膜
54 フォトレジスト膜
56 第3溝部
58 素子分離膜
70 半導体基板
72 トンネル絶縁膜
74 電荷蓄積層
76 トップ絶縁膜
78 ONO膜
80 マスク層
82 開口部
84 拡散領域
86 酸化膜
88 導電層
90 ゲート絶縁膜
92 ゲート電極
94 ワードライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に電荷蓄積層、第1導電層、及び第1マスク層を順次形成し、前記第1マスク層をパターン化することにより、前記半導体基板内に形成すべき拡散領域の上方に前記第1マスク層を残存させる工程と、
前記第1マスク層間の中央部に開口部を有するように、前記第1マスク層の側壁に第2マスク層を形成する工程と、
前記開口部に第2導電層を形成する工程と、
前記第2導電層の表面に第3マスク層を形成する工程と、
前記第2マスク層と前記第3マスク層とをマスクに、前記第1マスク層、前記第1導電層、及び前記電荷蓄積層を除去して第1溝部を形成し、前記第1溝部間に前記第1導電層からなるゲート電極を形成する工程と、
前記半導体基板内に、前記第1溝部で画定される前記拡散領域を形成する工程と、
前記第1溝部に埋め込まれるように第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第3マスク層を除去した後、前記第2マスク層と前記第1絶縁膜とをマスクに、前記第2導電層、前記ゲート電極、及び前記電荷蓄積層を除去して第2溝部を形成し、前記第2溝部により前記電荷蓄積層を分離させる工程と、
前記第2溝部に第2絶縁膜を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2絶縁膜を形成する工程は、分離された前記電荷蓄積層の間から前記ゲート電極まで延在するように、前記第2絶縁膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2絶縁膜を形成する工程は、前記第2溝部全体に埋め込まれるように、前記第2絶縁膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第2絶縁膜を形成する工程は、分離された前記電荷蓄積層の間に空洞部が形成され、前記ゲート電極の間に前記第2絶縁膜が形成されるように、前記第2絶縁膜を形成する工程であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第2溝部を形成する工程は、前記第3マスク層を除去し、前記第2マスク層と前記第1絶縁膜とをマスクに、前記第2導電層を除去した後、前記第2マスク層の側壁に側壁絶縁膜を形成し、前記第2マスク層と前記第1絶縁膜と前記側壁絶縁膜とをマスクに、前記ゲート電極と前記電荷蓄積層とを除去して、前記第2溝部を形成する工程であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第3マスク層を形成する工程の後、前記第1マスク層、前記第2マスク層、及び前記第3マスク層上に、第4マスク層をワードラインが形成されるべき領域に形成する工程と、
前記第4マスク層をマスクに、前記第2マスク層、前記第3マスク層、前記第2導電層、前記第1導電層、前記電荷蓄積層、及び前記半導体基板をエッチングして、第3溝部を形成する工程と、
前記第3溝部に埋め込まれるように、素子分離膜を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1導電層と前記第2導電層とは、同じ材料からなることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第2マスク層と前記第3マスク層とは、前記第1溝部を形成する際、前記第1マスク層より除去され難い材料からなることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
半導体基板内に設けられた拡散領域と、
前記拡散領域上の前記半導体基板上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜間の中央部の前記半導体基板上に設けられた第2絶縁膜と、
前記第1絶縁膜間の前記半導体基板上に設けられ、前記第2絶縁膜により分離された電荷蓄積層と、
前記電荷蓄積層上に設けられたゲート電極と、を具備し、
前記第2絶縁膜は、前記ゲート電極に突出するように延在していることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
半導体基板内に設けられた拡散領域と、
前記拡散領域上の前記半導体基板上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜間の前記半導体基板上に設けられ、前記第1絶縁膜間の中央部で分離された電荷蓄積層と、
前記電荷蓄積層の分離された領域の上方に設けられた第2絶縁膜と、
前記電荷蓄積層上に、前記第2絶縁膜を挟むように設けられたゲート電極と、を具備し、
分離された前記電荷蓄積層の間には、空洞部が形成されていることを特徴とする半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−34241(P2010−34241A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194189(P2008−194189)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(504378124)スパンション エルエルシー (229)
【Fターム(参考)】