半導体装置及びその製造方法
【課題】本発明は、アルミ配線パターンに含まれるアルミニウムと銅配線に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、導電膜である窒化チタン膜に起因する半導体基板の反りを低減することの可能な半導体装置及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】第2の層間絶縁膜18に形成されたコンタクト孔27により露出された銅配線16の上面16aを覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜21を設けると共に、アルミ配線パターン23と第1の導電膜21及び第2の層間絶縁膜18との間に、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜22を設ける。
【解決手段】第2の層間絶縁膜18に形成されたコンタクト孔27により露出された銅配線16の上面16aを覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜21を設けると共に、アルミ配線パターン23と第1の導電膜21及び第2の層間絶縁膜18との間に、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜22を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウム(Al)を用いて半導体装置の配線層及びコンタクトプラグを同時に形成する方法として、アルミリフロー法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このアルミリフロー法では、スパッタ法で形成したアルミニウム膜を400℃以上に加熱することで流動化させ、コンタクトホール内をアルミニウム膜で充填する。
【0003】
近年、半導体装置の配線材料として電気抵抗の低い銅(Cu)が用いられている。銅は、その表面に自然酸化膜が形成されやすいため、ワイヤボンディング等を行うための最上層の配線としては適さない。そこで一般的に、最上層の配線は、アルミニウム膜で形成することが多い。
【0004】
例えば、銅を用いて形成した銅配線上に、アルミリフロー法を用いて、アルミニウム膜よりなり、かつ配線及びコンタクトプラグ有したアルミ配線パターンを形成する場合、コンタクトプラグの底部において、アルミリフロー法で加えられる熱により、アルミニウム膜に含まれるアルミニウムと銅配線に含まれる銅との反応を防止するためのバリア膜が必須となる。
【0005】
コンタクトプラグの底部でアルミニウムと銅との反応が生じると、高抵抗の合金が形成されるため、半導体装置の動作不良の原因となる。上記バリア膜としては、主に窒化チタン(TiN)膜が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−69564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、バリア性を確保するために、窒化チタン膜の膜厚を厚くした場合、窒化チタン膜が圧縮応力の高い膜であるため、半導体基板に反りが生じてしまうという問題があった。
このような反りが半導体基板に生じてしまうと後続の製造工程において、半導体製造装置内へ半導体基板を安定して固定できない。
また、反りの生じた半導体基板を無理に半導体製造装置のステージ等に固定しようとすると、半導体基板に割れ等の破損が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、半導体基板上に配置された第1の層間絶縁膜に設けられた銅配線と、前記銅配線の上面に設けられ、前記銅配線の上面の一部を露出するコンタクト孔を有する第2の層間絶縁膜と、前記コンタクト孔の側面及び底面を覆うと共に、前記コンタクト孔の側面から前記第2の層間絶縁膜の上面に亘って設けられた導電膜と、前記導電膜を介して、前記第2の層間絶縁膜の上面及び前記コンタクト孔内に設けられたアルミ配線パターンと、を有する半導体装置であって、前記導電膜は、窒化チタン膜を含む第1の導電膜と、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜と、を含み、前記コンタクト孔により露出された前記銅配線の上面を覆うように、前記第1の導電膜を配置すると共に、前記アルミ配線パターンと前記第1の導電膜及び前記第2の層間絶縁膜との間に前記第2の導電膜を配置したことを特徴とする半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体装置によれば、コンタクト孔により露出された銅配線の上面を覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜を配置すると共に、アルミ配線パターンと第1の導電膜及び第2の層間絶縁膜との間に、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜を配置することにより、半導体基板の反りの発生要因となる窒化チタン膜(アルミ配線パターンに含まれるアルミニウムと銅配線に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する膜)がコンタクト孔により露出された銅配線の上面のみに配置されるため、窒化チタン膜により半導体基板に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0010】
これにより、アルミ配線パターンに含まれるアルミニウムと銅配線に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、導電膜である窒化チタン膜に起因する半導体基板の反りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図3】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その4)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その5)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その6)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その7)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その8)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その9)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その10)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施の形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0013】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
図1を参照するに、本実施の形態の半導体装置10は、半導体基板11と、第1の層間絶縁膜12と、銅配線用バリア膜14と、銅(Cu)配線16と、第2の層間絶縁膜18と、導電膜である第1の導電膜21及び第2の導電膜22と、アルミ配線パターン23と、を有する。
【0014】
半導体基板11は、板状とされた基板である。半導体基板11としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。
第1の層間絶縁膜12は、半導体基板11上に設けられている。第1の層間絶縁膜12の銅配線16が形成される領域には、側面25a及び底面25bよりなる内面により区画された溝25が設けられている。第1の層間絶縁膜12としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
【0015】
銅配線用バリア膜14は、溝25の側面25a及び底面25bを覆うように設けられている。銅配線用バリア膜14は、銅配線16に含まれる銅が第1の層間絶縁膜12に拡散することを防止するための膜である。銅配線用バリア膜14としては、例えば、窒化タンタル膜(TaN膜)とタンタル膜(Ta膜)との積層膜を用いることができる。
銅配線16は、銅配線用バリア膜14を介して、溝25を埋め込むように設けられている。銅配線16の上面16aは、平坦な面とされており、第1の層間絶縁膜12の上面12aに対して略面一とされている。
【0016】
第2の層間絶縁膜18は、第1の層間絶縁膜12の上面12a及び銅配線16の上面16aに設けられている。第2の層間絶縁膜18には、銅配線16の上面16aの一部を露出すると共に、側面27a及び底面27bよりなる内面により区画されたコンタクト孔27が形成されている。コンタクト孔27の底面27bは、コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16aにより構成されている。
【0017】
第1の導電膜21は、アルミ配線パターン23の一部が配置されるコンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)を覆うように設けられている。第1の導電膜21は、圧縮応力の強い窒化チタン膜(TiN膜)を含むバリア膜である。窒化チタン膜は、アルミ配線パターン23の母材となるアルミニウム膜(図示せず)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅(Cu)とアルミ配線パターン23に含まれるアルミニウム(Al)とが反応することを防止するための膜である。
【0018】
このように、アルミ配線パターン23の母材となるアルミニウム膜(図示せず)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅とアルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに設けることにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも設けた場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板11に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0019】
これにより、アルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0020】
第1の導電膜21としては、例えば、窒化チタン膜の単層、或いは、窒化チタン膜と、他の金属膜(例えば、チタン膜(Ti膜)、タンタル膜(Ta膜)、タングステン膜(W膜)、及びこれらの金属を窒化させた膜等)との積層膜を用いることができる。
第1の導電膜21として窒化チタン膜の単層を用いる場合、第1の導電膜21の厚さは、例えば、30nmとすることができる。
【0021】
第2の導電膜22は、アルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18a、及びコンタクト孔27に形成された第1の導電膜21を覆うように設けられている。言い換えれば、第2の導電膜22は、アルミ配線パターン23と第1の導電膜21及び第2の層間絶縁膜18との間に配置されている。第2の導電膜22は、圧縮応力の強い窒化チタン膜を含まない導電膜である。
【0022】
第2の導電膜22としては、アルミ配線パターン23の母材となる第1のアルミニウム膜(後述する図9参照)をアニール処理した際に、アルミニウム膜がリフロー(流動化)しやすい金属膜を用いるとよい。
具体的には、第2の導電膜22としては、チタン膜(Ti膜)の単層を用いるとよい。第2の導電膜22としてチタン膜(Ti膜)の単層を用いる場合、第2の導電膜22の厚さは、例えば、20nmとすることができる。
【0023】
なお、第2の導電膜22は、圧縮応力の強い窒化チタン膜を含まない膜であればよく、チタン膜の単層に限定されない。具体的には、第2の導電膜22として、窒化チタン膜以外の金属膜を積層した積層膜を用いてもよい。
さらに、図9に示す工程のアニール処理を考慮すると、第2の導電膜22を積層膜とした場合、最上層の膜には、第1のアルミニウム膜38を容易にリフロー(流動化)させることが可能なチタン膜を設けるとよい。
【0024】
アルミ配線パターン23は、コンタクトプラグ31と、配線32と、を有する。コンタクトプラグ31は、第1及び第2の導電膜21,22を介して、コンタクト孔27を充填するように配置されている。コンタクトプラグ31は、第1及び第2の導電膜21,22を介して、銅配線16と電気的に接続されている。
【0025】
配線32は、第2の層間絶縁膜18の上面18aに形成された第2の導電膜22上に設けられており、コンタクトプラグ31の上端と一体に構成されている。配線32は、コンタクトプラグ31を介して、銅配線16と電気的に接続されている。
上記構成とされたアルミ配線パターン23の材料としては、アルミニウムを含む合金(例えば、Al−Si−Cu合金)を用いることができる。
【0026】
本実施の形態の半導体装置によれば、アルミ配線パターン23の母材となるアルミニウム膜(図示せず)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅とアルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに設けることにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも設けた場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0027】
これにより、アルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0028】
なお、図1に示す本実施の形態の半導体装置10では、コンタクト孔27の側面27a及び底面27bを覆うように第1の導電膜21を設けた場合を例に挙げて説明したが、第1の導電膜21は、コンタクト孔27の底面27bを覆うように配置されておればよく、第1の導電膜21をコンタクト孔27の側面27aに設けなくてもよい。この場合、本実施の形態の半導体装置10と同様な効果を得ることができる。
【0029】
図2〜図11は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。図2〜図11において、図1に示す半導体装置10と同一構成部分には、同一符号を付す。なお、図10及び図11において、第1のアルミニウム膜38と第2のアルミニウム膜39は一体となるため、第1のアルミニウム膜38と第2のアルミニウム膜39との間には境界線が存在しないが、説明の便宜上、図10及び図11では、第1のアルミニウム膜38と第2のアルミニウム膜39との間の境界線を模式的に図示する。
【0030】
次に、図2〜図11を参照して、本実施の形態の半導体装置10の製造方法について説明する。
始めに、図2に示す工程では、半導体基板11上に、溝25を有した第1の層間絶縁膜12を形成する。具体的には、半導体基板11であるシリコン基板上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、第1の層間絶縁膜12となるシリコン酸化膜(SiO2膜)を成膜する。次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、シリコン酸化膜(SiO2膜)に溝25を形成する。これにより、溝25を有した第1の層間絶縁膜12が形成される。
【0031】
次いで、溝25の側面25a及び底面25b、及び第1の層間絶縁膜12の上面12aを覆う銅配線用バリア14を成膜し、その後、銅配線用バリア14上に、溝25を埋め込む銅膜35(銅配線16の母材となる膜)を成膜する。銅配線用バリア14は、例えば、窒化タンタル膜(TaN膜)と、タンタル膜(Ta膜)とを順次成膜することで形成する。
【0032】
次いで、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、第1の層間絶縁膜12の上面12aよりも上方に形成された余分な銅配線用バリア14及び銅膜35を除去することで、溝25内に銅配線用バリア14及び銅膜35を残存させる。
これにより、溝25内に、銅配線用バリア14、及び上面16aが第1の層間絶縁膜12の上面12aに対して略面一とされた銅配線16を形成する。つまり、ダマシン法により、溝25内に、銅配線用バリア14及び銅配線16を形成する。
【0033】
次いで、第1の層間絶縁膜12の上面12a及び銅配線16の上面16aに、銅配線16の上面16aの一部を露出するコンタクト孔27を有した第2の層間絶縁膜18を形成する。
具体的には、CVD法により、第2の層間絶縁膜18となるシリコン酸化膜(SiO2膜)を成膜する。次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、該シリコン酸化膜(SiO2膜)にコンタクト孔27を形成する。これにより、コンタクト孔27を有した第2の層間絶縁膜18が形成される。コンタクト孔27は、側面27a及び底面27b(銅配線16の上面16aの一部で構成された面)よりなる内面により区画されている。
【0034】
次いで、第1の導電膜21を形成する前(直前)に、水素雰囲気下において、半導体基板11を加熱(例えば、加熱温度が300℃程度)することで、コンタクト孔27から露出された銅配線16の上面16aに形成された自然酸化膜(図示せず)を還元除去する。
これにより、自然酸化膜が介在することで、第1の導電膜21と銅配線16との間の抵抗が高くなることを防止できる。
【0035】
次いで、図3に示す工程では、スパッタリング法により、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b、及び第2の層間絶縁膜18の上面18aを覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜21を形成する。具体的には、スパッタリング法により、第1の導電膜21として単層の窒化チタン膜(例えば、厚さ30nm)を成膜する。
【0036】
なお、第1の導電膜21として、単層の窒化チタン膜以外の膜、例えば、窒化チタン膜と、他の金属膜(例えば、チタン膜(Ti膜)、タンタル膜(Ta膜)、タングステン膜(W膜)、及びこれらの金属を窒化させた膜等)とを積層させた積層膜を形成してもよい。
【0037】
次いで、図4に示す工程では、第1の導電膜21が形成されたコンタクト孔27を充填するフォトレジスト膜36を形成する。
具体的には、第1の導電膜21が形成されたコンタクト孔27を充填するように、フォトレジスト膜36を塗布し、その後、フォトレジスト膜36を全面露光し、その後、現像させることで、コンタクト孔27内にのみフォトレジスト膜36を残存させる。
これにより、第2の層間絶縁膜18の上面18aに形成された第1の導電膜21は、フォトレジスト膜36から露出される。
【0038】
なお、上記全面露光の替わりに、コンタクト孔27の形成領域を覆うマスクが形成されたレチクルを準備し、次いで、該レチクルを介して、フォトレジスト膜36を露光し、その後、現像処理することで、コンタクト孔27にのみフォトレジスト膜36を残存させてもよい。
【0039】
次いで、図5に示す工程では、フォトレジスト膜36をマスクとするドライエッチング(エッチバック)により、第2の層間絶縁膜18の上面18aに形成された不要な第1の導電膜21を選択的に除去する。
これにより、コンタクト孔27内に、図1に示す第1の導電膜21(コンタクト孔27の側面27a及び底面27bを覆う第1の導電膜21)が形成される。なお、上記ドライエッチングでは、第1の導電膜21(本実施の形態の場合、窒化チタン膜)を選択的にエッチング可能な条件を用いる。
【0040】
このように、アルミ配線パターン23の母材となる第1のアルミニウム膜38(図8参照)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅と第1のアルミニウム膜38に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに形成することにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも形成した場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板11に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0041】
これにより、第1のアルミニウム膜38(アルミ配線パターン23)に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0042】
次いで、図6に示す工程では、図5に示すコンタクト孔27に残存するフォトレジスト膜36を除去する。具体的には、ウエットエッチング或いはアッシングにより、フォトレジスト膜36を除去する。
【0043】
次いで、図7に示す工程では、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b、及び第2の層間絶縁膜18の上面18aを覆うように、コンタクト孔27を埋め込まない厚さとされ、かつ窒化チタン膜を含まない第2の導電膜22を形成する。
具体的には、スパッタリング法により、第2の導電膜22として単層のチタン膜(例えば、厚さ20nm)を成膜する。なお、この段階では、第2の導電膜22は、パターニングされていない。
【0044】
このように、第1のアルミニウム膜38が形成される第2の導電膜22としてチタン膜を形成することにより、後述する図9に示す工程のアニール処理時において、第1のアルミニウム膜38を容易にリフロー(流動化)させることが可能となるので、コンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38でしっかりと充填する(埋め込む)ことができる。
なお、第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)には、アルミニウム膜のリフロー(流動化)を促進させる機能がない。そのため、第1のアルミニウム膜38と接触する領域には、第2の導電膜22を形成する必要がある。
【0045】
また、第2の導電膜22は、圧縮応力の強い窒化チタン膜を含まない膜であればよく、単層のチタン膜に限定されない。具体的には、第2の導電膜22として、窒化チタン膜以外の金属膜を積層した積層膜を形成してもよい。
さらに、図9に示す工程のアニール処理を考慮すると、第2の導電膜22を積層膜とした場合、最上層の膜には、第1のアルミニウム膜38を容易にリフロー(流動化)させることが可能なチタン膜を形成するとよい。
【0046】
次いで、図8に示す工程では、スパッタリング法により、第2の導電膜22の表面22aに、第2の導電膜22が形成されたコンタクト孔27を埋め込む程度の厚さとされた第1のアルミニウム膜38を成膜する。
このとき、図8に示すように、第1のアルミニウム膜38でコンタクト孔27が完全に埋め込まれなくてもよい。第1のアルミニウム膜38は、図1に示すコンタクトプラグ31、及び配線32の一部となる膜である。第1のアルミニウム膜38の材料としては、アルミを含む合金(例えば、Al−Si−Cu合金)を用いることができる。
【0047】
次いで、図9に示す工程では、半導体基板11をアニール処理することで、第1のアルミニウム膜38を流動化(リフロー)させて、第1及び第2の導電膜21,22が形成されたコンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38で充填する。
具体的には、アルゴン雰囲気下において、図8に示す半導体基板11を高温(400〜500℃の温度)でアニール処理することで、第1及び第2の導電膜21,22が形成されたコンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38で充填する。
これにより、コンタクト孔27に、第1のアルミニウム膜38よりなるコンタクトプラグ31が形成される。
【0048】
図9に示す第2の層間絶縁膜18の上面18aの上方に形成された第1のアルミニウム膜38の厚さは、図1に示す配線32を形成するには厚さが薄いため、後述する図10に示す工程において、第2のアルミニウム膜39を成膜する必要がある。
【0049】
なお、第1のアルミニウム膜38を高温(400〜500℃)でスパッタしない理由は、アルミニウムは凝集しやすいため、スパッタ時に半導体基板11を高温(400〜500℃)に保つと、スパッタされて堆積したアルミニウムがアルミニウム膜の表面ですぐに凝集して、コンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38で充填する(埋め込む)ことができないためである。
【0050】
次いで、図10に示す工程では、スパッタリング法により、第1のアルミニウム膜38上に、第2のアルミニウム膜39を成膜する。このとき、第2の層間絶縁膜18の上面18aの上方に形成された第1及び第2のアルミニウム膜38,39の合計の厚さが、図1に示す配線32の厚さと略等しくなるように、第2のアルミニウム膜39を成膜する。
【0051】
次いで、図11に示す工程では、図10に示す第1及び第2のアルミニウム膜38,39をパターニングすることにより、コンタクトプラグ31と一体とされた配線32を形成する。
具体的には、図10に示す第2のアルミニウム膜39の上面39aのうち、配線32の形成領域に対応する面を覆うフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、次いで、該フォトレジスト膜をマスクとする異方性エッチング(具体的には、ドライエッチング)により、第1及び第2のアルミニウム膜38,39をエッチングすることで、配線32を形成する。これにより、コンタクトプラグ31及び配線32よりなるアルミ配線パターン23が形成されると共に、本実施の形態の半導体装置10が製造される。
【0052】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、アルミ配線パターン23の母材となる第1のアルミニウム膜38をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅と第1のアルミニウム膜38に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに形成することにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも形成した場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板11に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0053】
これにより、第1のアルミニウム膜38(アルミ配線パターン23)に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
10…半導体基板、11…半導体基板、12…第1の層間絶縁膜、12a,16a,18a,22a,39a…上面、14…銅配線用バリア膜、16…銅配線、18…第2の層間絶縁膜、21…第1の導電膜、22…第2の導電膜、23…アルミ配線パターン、25…溝、25a,27a…側面、25b,27b…底面、27…コンタクト孔、31…コンタクトプラグ、32…配線、35…銅膜、36…フォトレジスト膜、38…第1のアルミニウム膜、39…第2のアルミニウム膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウム(Al)を用いて半導体装置の配線層及びコンタクトプラグを同時に形成する方法として、アルミリフロー法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このアルミリフロー法では、スパッタ法で形成したアルミニウム膜を400℃以上に加熱することで流動化させ、コンタクトホール内をアルミニウム膜で充填する。
【0003】
近年、半導体装置の配線材料として電気抵抗の低い銅(Cu)が用いられている。銅は、その表面に自然酸化膜が形成されやすいため、ワイヤボンディング等を行うための最上層の配線としては適さない。そこで一般的に、最上層の配線は、アルミニウム膜で形成することが多い。
【0004】
例えば、銅を用いて形成した銅配線上に、アルミリフロー法を用いて、アルミニウム膜よりなり、かつ配線及びコンタクトプラグ有したアルミ配線パターンを形成する場合、コンタクトプラグの底部において、アルミリフロー法で加えられる熱により、アルミニウム膜に含まれるアルミニウムと銅配線に含まれる銅との反応を防止するためのバリア膜が必須となる。
【0005】
コンタクトプラグの底部でアルミニウムと銅との反応が生じると、高抵抗の合金が形成されるため、半導体装置の動作不良の原因となる。上記バリア膜としては、主に窒化チタン(TiN)膜が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−69564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、バリア性を確保するために、窒化チタン膜の膜厚を厚くした場合、窒化チタン膜が圧縮応力の高い膜であるため、半導体基板に反りが生じてしまうという問題があった。
このような反りが半導体基板に生じてしまうと後続の製造工程において、半導体製造装置内へ半導体基板を安定して固定できない。
また、反りの生じた半導体基板を無理に半導体製造装置のステージ等に固定しようとすると、半導体基板に割れ等の破損が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、半導体基板上に配置された第1の層間絶縁膜に設けられた銅配線と、前記銅配線の上面に設けられ、前記銅配線の上面の一部を露出するコンタクト孔を有する第2の層間絶縁膜と、前記コンタクト孔の側面及び底面を覆うと共に、前記コンタクト孔の側面から前記第2の層間絶縁膜の上面に亘って設けられた導電膜と、前記導電膜を介して、前記第2の層間絶縁膜の上面及び前記コンタクト孔内に設けられたアルミ配線パターンと、を有する半導体装置であって、前記導電膜は、窒化チタン膜を含む第1の導電膜と、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜と、を含み、前記コンタクト孔により露出された前記銅配線の上面を覆うように、前記第1の導電膜を配置すると共に、前記アルミ配線パターンと前記第1の導電膜及び前記第2の層間絶縁膜との間に前記第2の導電膜を配置したことを特徴とする半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の半導体装置によれば、コンタクト孔により露出された銅配線の上面を覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜を配置すると共に、アルミ配線パターンと第1の導電膜及び第2の層間絶縁膜との間に、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜を配置することにより、半導体基板の反りの発生要因となる窒化チタン膜(アルミ配線パターンに含まれるアルミニウムと銅配線に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する膜)がコンタクト孔により露出された銅配線の上面のみに配置されるため、窒化チタン膜により半導体基板に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0010】
これにより、アルミ配線パターンに含まれるアルミニウムと銅配線に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、導電膜である窒化チタン膜に起因する半導体基板の反りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その1)である。
【図3】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その2)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その3)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その4)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その5)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その6)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その7)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その8)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その9)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図(その10)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施の形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の半導体装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0013】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
図1を参照するに、本実施の形態の半導体装置10は、半導体基板11と、第1の層間絶縁膜12と、銅配線用バリア膜14と、銅(Cu)配線16と、第2の層間絶縁膜18と、導電膜である第1の導電膜21及び第2の導電膜22と、アルミ配線パターン23と、を有する。
【0014】
半導体基板11は、板状とされた基板である。半導体基板11としては、例えば、シリコン基板を用いることができる。
第1の層間絶縁膜12は、半導体基板11上に設けられている。第1の層間絶縁膜12の銅配線16が形成される領域には、側面25a及び底面25bよりなる内面により区画された溝25が設けられている。第1の層間絶縁膜12としては、例えば、シリコン酸化膜(SiO2膜)を用いることができる。
【0015】
銅配線用バリア膜14は、溝25の側面25a及び底面25bを覆うように設けられている。銅配線用バリア膜14は、銅配線16に含まれる銅が第1の層間絶縁膜12に拡散することを防止するための膜である。銅配線用バリア膜14としては、例えば、窒化タンタル膜(TaN膜)とタンタル膜(Ta膜)との積層膜を用いることができる。
銅配線16は、銅配線用バリア膜14を介して、溝25を埋め込むように設けられている。銅配線16の上面16aは、平坦な面とされており、第1の層間絶縁膜12の上面12aに対して略面一とされている。
【0016】
第2の層間絶縁膜18は、第1の層間絶縁膜12の上面12a及び銅配線16の上面16aに設けられている。第2の層間絶縁膜18には、銅配線16の上面16aの一部を露出すると共に、側面27a及び底面27bよりなる内面により区画されたコンタクト孔27が形成されている。コンタクト孔27の底面27bは、コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16aにより構成されている。
【0017】
第1の導電膜21は、アルミ配線パターン23の一部が配置されるコンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)を覆うように設けられている。第1の導電膜21は、圧縮応力の強い窒化チタン膜(TiN膜)を含むバリア膜である。窒化チタン膜は、アルミ配線パターン23の母材となるアルミニウム膜(図示せず)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅(Cu)とアルミ配線パターン23に含まれるアルミニウム(Al)とが反応することを防止するための膜である。
【0018】
このように、アルミ配線パターン23の母材となるアルミニウム膜(図示せず)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅とアルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに設けることにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも設けた場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板11に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0019】
これにより、アルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0020】
第1の導電膜21としては、例えば、窒化チタン膜の単層、或いは、窒化チタン膜と、他の金属膜(例えば、チタン膜(Ti膜)、タンタル膜(Ta膜)、タングステン膜(W膜)、及びこれらの金属を窒化させた膜等)との積層膜を用いることができる。
第1の導電膜21として窒化チタン膜の単層を用いる場合、第1の導電膜21の厚さは、例えば、30nmとすることができる。
【0021】
第2の導電膜22は、アルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18a、及びコンタクト孔27に形成された第1の導電膜21を覆うように設けられている。言い換えれば、第2の導電膜22は、アルミ配線パターン23と第1の導電膜21及び第2の層間絶縁膜18との間に配置されている。第2の導電膜22は、圧縮応力の強い窒化チタン膜を含まない導電膜である。
【0022】
第2の導電膜22としては、アルミ配線パターン23の母材となる第1のアルミニウム膜(後述する図9参照)をアニール処理した際に、アルミニウム膜がリフロー(流動化)しやすい金属膜を用いるとよい。
具体的には、第2の導電膜22としては、チタン膜(Ti膜)の単層を用いるとよい。第2の導電膜22としてチタン膜(Ti膜)の単層を用いる場合、第2の導電膜22の厚さは、例えば、20nmとすることができる。
【0023】
なお、第2の導電膜22は、圧縮応力の強い窒化チタン膜を含まない膜であればよく、チタン膜の単層に限定されない。具体的には、第2の導電膜22として、窒化チタン膜以外の金属膜を積層した積層膜を用いてもよい。
さらに、図9に示す工程のアニール処理を考慮すると、第2の導電膜22を積層膜とした場合、最上層の膜には、第1のアルミニウム膜38を容易にリフロー(流動化)させることが可能なチタン膜を設けるとよい。
【0024】
アルミ配線パターン23は、コンタクトプラグ31と、配線32と、を有する。コンタクトプラグ31は、第1及び第2の導電膜21,22を介して、コンタクト孔27を充填するように配置されている。コンタクトプラグ31は、第1及び第2の導電膜21,22を介して、銅配線16と電気的に接続されている。
【0025】
配線32は、第2の層間絶縁膜18の上面18aに形成された第2の導電膜22上に設けられており、コンタクトプラグ31の上端と一体に構成されている。配線32は、コンタクトプラグ31を介して、銅配線16と電気的に接続されている。
上記構成とされたアルミ配線パターン23の材料としては、アルミニウムを含む合金(例えば、Al−Si−Cu合金)を用いることができる。
【0026】
本実施の形態の半導体装置によれば、アルミ配線パターン23の母材となるアルミニウム膜(図示せず)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅とアルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに設けることにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも設けた場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0027】
これにより、アルミ配線パターン23に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0028】
なお、図1に示す本実施の形態の半導体装置10では、コンタクト孔27の側面27a及び底面27bを覆うように第1の導電膜21を設けた場合を例に挙げて説明したが、第1の導電膜21は、コンタクト孔27の底面27bを覆うように配置されておればよく、第1の導電膜21をコンタクト孔27の側面27aに設けなくてもよい。この場合、本実施の形態の半導体装置10と同様な効果を得ることができる。
【0029】
図2〜図11は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。図2〜図11において、図1に示す半導体装置10と同一構成部分には、同一符号を付す。なお、図10及び図11において、第1のアルミニウム膜38と第2のアルミニウム膜39は一体となるため、第1のアルミニウム膜38と第2のアルミニウム膜39との間には境界線が存在しないが、説明の便宜上、図10及び図11では、第1のアルミニウム膜38と第2のアルミニウム膜39との間の境界線を模式的に図示する。
【0030】
次に、図2〜図11を参照して、本実施の形態の半導体装置10の製造方法について説明する。
始めに、図2に示す工程では、半導体基板11上に、溝25を有した第1の層間絶縁膜12を形成する。具体的には、半導体基板11であるシリコン基板上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、第1の層間絶縁膜12となるシリコン酸化膜(SiO2膜)を成膜する。次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、シリコン酸化膜(SiO2膜)に溝25を形成する。これにより、溝25を有した第1の層間絶縁膜12が形成される。
【0031】
次いで、溝25の側面25a及び底面25b、及び第1の層間絶縁膜12の上面12aを覆う銅配線用バリア14を成膜し、その後、銅配線用バリア14上に、溝25を埋め込む銅膜35(銅配線16の母材となる膜)を成膜する。銅配線用バリア14は、例えば、窒化タンタル膜(TaN膜)と、タンタル膜(Ta膜)とを順次成膜することで形成する。
【0032】
次いで、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、第1の層間絶縁膜12の上面12aよりも上方に形成された余分な銅配線用バリア14及び銅膜35を除去することで、溝25内に銅配線用バリア14及び銅膜35を残存させる。
これにより、溝25内に、銅配線用バリア14、及び上面16aが第1の層間絶縁膜12の上面12aに対して略面一とされた銅配線16を形成する。つまり、ダマシン法により、溝25内に、銅配線用バリア14及び銅配線16を形成する。
【0033】
次いで、第1の層間絶縁膜12の上面12a及び銅配線16の上面16aに、銅配線16の上面16aの一部を露出するコンタクト孔27を有した第2の層間絶縁膜18を形成する。
具体的には、CVD法により、第2の層間絶縁膜18となるシリコン酸化膜(SiO2膜)を成膜する。次いで、フォトリソグラフィ技術及びドライエッチング技術を用いて、該シリコン酸化膜(SiO2膜)にコンタクト孔27を形成する。これにより、コンタクト孔27を有した第2の層間絶縁膜18が形成される。コンタクト孔27は、側面27a及び底面27b(銅配線16の上面16aの一部で構成された面)よりなる内面により区画されている。
【0034】
次いで、第1の導電膜21を形成する前(直前)に、水素雰囲気下において、半導体基板11を加熱(例えば、加熱温度が300℃程度)することで、コンタクト孔27から露出された銅配線16の上面16aに形成された自然酸化膜(図示せず)を還元除去する。
これにより、自然酸化膜が介在することで、第1の導電膜21と銅配線16との間の抵抗が高くなることを防止できる。
【0035】
次いで、図3に示す工程では、スパッタリング法により、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b、及び第2の層間絶縁膜18の上面18aを覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜21を形成する。具体的には、スパッタリング法により、第1の導電膜21として単層の窒化チタン膜(例えば、厚さ30nm)を成膜する。
【0036】
なお、第1の導電膜21として、単層の窒化チタン膜以外の膜、例えば、窒化チタン膜と、他の金属膜(例えば、チタン膜(Ti膜)、タンタル膜(Ta膜)、タングステン膜(W膜)、及びこれらの金属を窒化させた膜等)とを積層させた積層膜を形成してもよい。
【0037】
次いで、図4に示す工程では、第1の導電膜21が形成されたコンタクト孔27を充填するフォトレジスト膜36を形成する。
具体的には、第1の導電膜21が形成されたコンタクト孔27を充填するように、フォトレジスト膜36を塗布し、その後、フォトレジスト膜36を全面露光し、その後、現像させることで、コンタクト孔27内にのみフォトレジスト膜36を残存させる。
これにより、第2の層間絶縁膜18の上面18aに形成された第1の導電膜21は、フォトレジスト膜36から露出される。
【0038】
なお、上記全面露光の替わりに、コンタクト孔27の形成領域を覆うマスクが形成されたレチクルを準備し、次いで、該レチクルを介して、フォトレジスト膜36を露光し、その後、現像処理することで、コンタクト孔27にのみフォトレジスト膜36を残存させてもよい。
【0039】
次いで、図5に示す工程では、フォトレジスト膜36をマスクとするドライエッチング(エッチバック)により、第2の層間絶縁膜18の上面18aに形成された不要な第1の導電膜21を選択的に除去する。
これにより、コンタクト孔27内に、図1に示す第1の導電膜21(コンタクト孔27の側面27a及び底面27bを覆う第1の導電膜21)が形成される。なお、上記ドライエッチングでは、第1の導電膜21(本実施の形態の場合、窒化チタン膜)を選択的にエッチング可能な条件を用いる。
【0040】
このように、アルミ配線パターン23の母材となる第1のアルミニウム膜38(図8参照)をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅と第1のアルミニウム膜38に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに形成することにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも形成した場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板11に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0041】
これにより、第1のアルミニウム膜38(アルミ配線パターン23)に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0042】
次いで、図6に示す工程では、図5に示すコンタクト孔27に残存するフォトレジスト膜36を除去する。具体的には、ウエットエッチング或いはアッシングにより、フォトレジスト膜36を除去する。
【0043】
次いで、図7に示す工程では、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b、及び第2の層間絶縁膜18の上面18aを覆うように、コンタクト孔27を埋め込まない厚さとされ、かつ窒化チタン膜を含まない第2の導電膜22を形成する。
具体的には、スパッタリング法により、第2の導電膜22として単層のチタン膜(例えば、厚さ20nm)を成膜する。なお、この段階では、第2の導電膜22は、パターニングされていない。
【0044】
このように、第1のアルミニウム膜38が形成される第2の導電膜22としてチタン膜を形成することにより、後述する図9に示す工程のアニール処理時において、第1のアルミニウム膜38を容易にリフロー(流動化)させることが可能となるので、コンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38でしっかりと充填する(埋め込む)ことができる。
なお、第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)には、アルミニウム膜のリフロー(流動化)を促進させる機能がない。そのため、第1のアルミニウム膜38と接触する領域には、第2の導電膜22を形成する必要がある。
【0045】
また、第2の導電膜22は、圧縮応力の強い窒化チタン膜を含まない膜であればよく、単層のチタン膜に限定されない。具体的には、第2の導電膜22として、窒化チタン膜以外の金属膜を積層した積層膜を形成してもよい。
さらに、図9に示す工程のアニール処理を考慮すると、第2の導電膜22を積層膜とした場合、最上層の膜には、第1のアルミニウム膜38を容易にリフロー(流動化)させることが可能なチタン膜を形成するとよい。
【0046】
次いで、図8に示す工程では、スパッタリング法により、第2の導電膜22の表面22aに、第2の導電膜22が形成されたコンタクト孔27を埋め込む程度の厚さとされた第1のアルミニウム膜38を成膜する。
このとき、図8に示すように、第1のアルミニウム膜38でコンタクト孔27が完全に埋め込まれなくてもよい。第1のアルミニウム膜38は、図1に示すコンタクトプラグ31、及び配線32の一部となる膜である。第1のアルミニウム膜38の材料としては、アルミを含む合金(例えば、Al−Si−Cu合金)を用いることができる。
【0047】
次いで、図9に示す工程では、半導体基板11をアニール処理することで、第1のアルミニウム膜38を流動化(リフロー)させて、第1及び第2の導電膜21,22が形成されたコンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38で充填する。
具体的には、アルゴン雰囲気下において、図8に示す半導体基板11を高温(400〜500℃の温度)でアニール処理することで、第1及び第2の導電膜21,22が形成されたコンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38で充填する。
これにより、コンタクト孔27に、第1のアルミニウム膜38よりなるコンタクトプラグ31が形成される。
【0048】
図9に示す第2の層間絶縁膜18の上面18aの上方に形成された第1のアルミニウム膜38の厚さは、図1に示す配線32を形成するには厚さが薄いため、後述する図10に示す工程において、第2のアルミニウム膜39を成膜する必要がある。
【0049】
なお、第1のアルミニウム膜38を高温(400〜500℃)でスパッタしない理由は、アルミニウムは凝集しやすいため、スパッタ時に半導体基板11を高温(400〜500℃)に保つと、スパッタされて堆積したアルミニウムがアルミニウム膜の表面ですぐに凝集して、コンタクト孔27を第1のアルミニウム膜38で充填する(埋め込む)ことができないためである。
【0050】
次いで、図10に示す工程では、スパッタリング法により、第1のアルミニウム膜38上に、第2のアルミニウム膜39を成膜する。このとき、第2の層間絶縁膜18の上面18aの上方に形成された第1及び第2のアルミニウム膜38,39の合計の厚さが、図1に示す配線32の厚さと略等しくなるように、第2のアルミニウム膜39を成膜する。
【0051】
次いで、図11に示す工程では、図10に示す第1及び第2のアルミニウム膜38,39をパターニングすることにより、コンタクトプラグ31と一体とされた配線32を形成する。
具体的には、図10に示す第2のアルミニウム膜39の上面39aのうち、配線32の形成領域に対応する面を覆うフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、次いで、該フォトレジスト膜をマスクとする異方性エッチング(具体的には、ドライエッチング)により、第1及び第2のアルミニウム膜38,39をエッチングすることで、配線32を形成する。これにより、コンタクトプラグ31及び配線32よりなるアルミ配線パターン23が形成されると共に、本実施の形態の半導体装置10が製造される。
【0052】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、アルミ配線パターン23の母材となる第1のアルミニウム膜38をアニール処理した際に、銅配線16に含まれる銅と第1のアルミニウム膜38に含まれるアルミニウムとが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止する第1の導電膜21(窒化チタン膜を含むバリア膜)を、コンタクト孔27の側面27a及び底面27b(コンタクト孔27が露出する銅配線16の上面16a)のみに形成することにより、第1の導電膜21をアルミ配線パターン23の形成領域に対応する第2の層間絶縁膜18の上面18aにも形成した場合と比較して、窒化チタン膜の形成領域が少なくなるため、窒化チタン膜に起因して半導体基板11に印加される応力を大幅に緩和することが可能となる。
【0053】
これにより、第1のアルミニウム膜38(アルミ配線パターン23)に含まれるアルミニウムと銅配線16に含まれる銅とが反応して高抵抗の合金が生成されることを防止した上で、窒化チタン膜に起因する半導体基板11の反りを低減することができる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
10…半導体基板、11…半導体基板、12…第1の層間絶縁膜、12a,16a,18a,22a,39a…上面、14…銅配線用バリア膜、16…銅配線、18…第2の層間絶縁膜、21…第1の導電膜、22…第2の導電膜、23…アルミ配線パターン、25…溝、25a,27a…側面、25b,27b…底面、27…コンタクト孔、31…コンタクトプラグ、32…配線、35…銅膜、36…フォトレジスト膜、38…第1のアルミニウム膜、39…第2のアルミニウム膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に配置された第1の層間絶縁膜に設けられた銅配線と、
前記銅配線の上面に設けられ、前記銅配線の上面の一部を露出するコンタクト孔を有する第2の層間絶縁膜と、
前記コンタクト孔の側面及び底面を覆うと共に、前記コンタクト孔の側面から前記第2の層間絶縁膜の上面に亘って設けられた導電膜と、
前記導電膜を介して、前記第2の層間絶縁膜の上面及び前記コンタクト孔内に設けられたアルミ配線パターンと、
を有する半導体装置であって、
前記導電膜は、窒化チタン膜を含む第1の導電膜と、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜と、を含み、
前記コンタクト孔により露出された前記銅配線の上面を覆うように、前記第1の導電膜を配置すると共に、前記アルミ配線パターンと前記第1の導電膜及び前記第2の層間絶縁膜との間に前記第2の導電膜を配置したことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の導電膜を、前記コンタクト孔の側面を覆うように配置したことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の導電膜は、チタン膜であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記アルミ配線パターンの材料は、アルミニウムを含む合金であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記アルミ配線パターンは、前記コンタクト孔に設けられたコンタクトプラグと、前記第2の層間絶縁膜上に設けられ、前記コンタクトプラグと一体に構成された配線と、を有することを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の層間絶縁膜は、溝を有し、
前記銅配線は、前記溝の側面及び底面を覆う銅配線用バリア膜を介して、前記溝に設けることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項7】
前記銅配線層の上面は、前記第1の層間絶縁膜の上面に対して略面一であることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板上に配置された第1の層間絶縁膜に、銅配線を形成する工程と、
前記銅配線の上面に、前記銅配線の上面の一部を露出するコンタクト孔を有した第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記コンタクト孔により露出された前記銅配線の上面を覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜を形成後に、前記コンタクト孔の側面及び底面、及び前記第2の層間絶縁膜の上面を覆うように、前記コンタクト孔を埋め込まない厚さとされ、かつ窒化チタン膜を含まない第2の導電膜を形成する工程と、
スパッタリング法により、前記第2の導電膜の表面に、前記第2の導電膜が形成された前記コンタクト孔を埋め込む程度の厚さとされた第1のアルミニウム膜を成膜する工程と、
前記半導体基板をアニール処理することで、前記第1のアルミニウム膜をリフローさせ、前記コンタクト孔を前記第1のアルミニウム膜で充填する工程と、
前記アニール処理後に、スパッタリング法により、前記第1のアルミニウム膜上に、第2のアルミニウム膜を成膜する工程と、
前記第2の導電膜、前記第1のアルミニウム膜、及び前記第2のアルミニウム膜のうち、前記第2の層間絶縁膜の上面に形成された部分をパターニングすることで、前記第1及び第2のアルミニウム膜よりなるアルミ配線パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記アニール処理では、アルゴン雰囲気下において、前記半導体基板を400〜500℃の温度で加熱することを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の導電膜を形成する工程では、前記コンタクト孔の側面を覆うように前記第1の導電膜を形成することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1の導電膜を形成する前に、水素雰囲気下において、前記半導体基板を加熱することで、前記コンタクト孔から露出された前記銅配線の上面に形成された自然酸化膜を還元除去する工程を含むことを特徴とする請求項8ないし10のうち、いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1の層間絶縁膜に溝を形成する工程を有し、
ダマシン法により、前記溝の側面及び底面を覆う銅配線用バリア膜、及び該銅配線用バリア膜を介して、前記溝を埋め込む前記銅配線を形成することを特徴とする請求項8ないし11のうち、いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項1】
半導体基板上に配置された第1の層間絶縁膜に設けられた銅配線と、
前記銅配線の上面に設けられ、前記銅配線の上面の一部を露出するコンタクト孔を有する第2の層間絶縁膜と、
前記コンタクト孔の側面及び底面を覆うと共に、前記コンタクト孔の側面から前記第2の層間絶縁膜の上面に亘って設けられた導電膜と、
前記導電膜を介して、前記第2の層間絶縁膜の上面及び前記コンタクト孔内に設けられたアルミ配線パターンと、
を有する半導体装置であって、
前記導電膜は、窒化チタン膜を含む第1の導電膜と、窒化チタン膜を含まない第2の導電膜と、を含み、
前記コンタクト孔により露出された前記銅配線の上面を覆うように、前記第1の導電膜を配置すると共に、前記アルミ配線パターンと前記第1の導電膜及び前記第2の層間絶縁膜との間に前記第2の導電膜を配置したことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の導電膜を、前記コンタクト孔の側面を覆うように配置したことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の導電膜は、チタン膜であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記アルミ配線パターンの材料は、アルミニウムを含む合金であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記アルミ配線パターンは、前記コンタクト孔に設けられたコンタクトプラグと、前記第2の層間絶縁膜上に設けられ、前記コンタクトプラグと一体に構成された配線と、を有することを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の層間絶縁膜は、溝を有し、
前記銅配線は、前記溝の側面及び底面を覆う銅配線用バリア膜を介して、前記溝に設けることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項7】
前記銅配線層の上面は、前記第1の層間絶縁膜の上面に対して略面一であることを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板上に配置された第1の層間絶縁膜に、銅配線を形成する工程と、
前記銅配線の上面に、前記銅配線の上面の一部を露出するコンタクト孔を有した第2の層間絶縁膜を形成する工程と、
前記コンタクト孔により露出された前記銅配線の上面を覆うように、窒化チタン膜を含む第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜を形成後に、前記コンタクト孔の側面及び底面、及び前記第2の層間絶縁膜の上面を覆うように、前記コンタクト孔を埋め込まない厚さとされ、かつ窒化チタン膜を含まない第2の導電膜を形成する工程と、
スパッタリング法により、前記第2の導電膜の表面に、前記第2の導電膜が形成された前記コンタクト孔を埋め込む程度の厚さとされた第1のアルミニウム膜を成膜する工程と、
前記半導体基板をアニール処理することで、前記第1のアルミニウム膜をリフローさせ、前記コンタクト孔を前記第1のアルミニウム膜で充填する工程と、
前記アニール処理後に、スパッタリング法により、前記第1のアルミニウム膜上に、第2のアルミニウム膜を成膜する工程と、
前記第2の導電膜、前記第1のアルミニウム膜、及び前記第2のアルミニウム膜のうち、前記第2の層間絶縁膜の上面に形成された部分をパターニングすることで、前記第1及び第2のアルミニウム膜よりなるアルミ配線パターンを形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記アニール処理では、アルゴン雰囲気下において、前記半導体基板を400〜500℃の温度で加熱することを特徴とする請求項8記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第1の導電膜を形成する工程では、前記コンタクト孔の側面を覆うように前記第1の導電膜を形成することを特徴とする請求項9記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1の導電膜を形成する前に、水素雰囲気下において、前記半導体基板を加熱することで、前記コンタクト孔から露出された前記銅配線の上面に形成された自然酸化膜を還元除去する工程を含むことを特徴とする請求項8ないし10のうち、いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1の層間絶縁膜に溝を形成する工程を有し、
ダマシン法により、前記溝の側面及び底面を覆う銅配線用バリア膜、及び該銅配線用バリア膜を介して、前記溝を埋め込む前記銅配線を形成することを特徴とする請求項8ないし11のうち、いずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−129465(P2012−129465A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281873(P2010−281873)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】
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