説明

半導体装置及びその評価方法

【課題】大規模なコンタクトチェーン又は大規模な配線パターンにおける複数の素子の電気的な測定を行う際に、不具合箇所の検出をより容易に行える回路構成を有する半導体装置とその評価方法を得られるようにする。
【解決手段】半導体装置は、直列に接続された複数の被測定単位素子101からなる被測定素子回路と、隣り合う被測定単位素子101間の各ノードにそれぞれ接続された複数の選択素子104と、複数の選択素子104と接続されるノード情報伝達回路107とを備えている。被測定素子回路の両端の第1のテストパッド102又は第2のテストパッド103に電圧を印加したときに各ノードに発生する電位が、ノード情報伝達回路107に入力され、入力された各ノードの電位を接続された順に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子の電気的測定を行うための半導体装置及びその評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路の製造プロセスにおいて、製造ラインの状態の管理及び特性不良の原因の解析等をするために、半導体基板の上に半導体集積回路を構成する各素子の特性を簡便に測定するテスト素子が設けられている。これらのテスト素子は、ウェハの製造プロセスの実施中又は製造プロセスの終了時に測定され、各素子が所定の機能を満たしているか否かの試験を行うと共に、製造プロセスが正常に行われたか否かの試験を行うことにより、製造ラインの状態を確認することができる。また、これらのテスト素子は、各素子の特性に異常が認められた時には、さらに詳細なテスト素子の評価が行われ、異常の原因を特定するために用いられる。
【0003】
一般に、テスト素子は、スクライブラインと呼ばれる半導体集積回路チップをウェハから切り出して1つのチップに分割するための切断用領域に形成されることが多い。スクライブラインはチップ同士を容易に分割できる十分な幅を必要とするが、それと同時に1枚のウェハからは可能な限り多くの半導体集積回路チップを得ることが望ましく、可能な限りスクライブラインの幅を小さくする必要がある。このため、前記のテスト素子に用いられる領域は面積が制限された領域とならざるを得ない。さらに、スクライブラインには、測定に用いるテストパッドも形成される。限られた面積にテスト素子とテストパッドとを形成するために、テストパッドの数が制限され、多数のテストパッドをスクライブラインの上に設けることが困難である。従って、限られた数のテストパッドを効率的に用いるように被測定素子を設けることが重要となる。
【0004】
近年の半導体プロセスの微細化、高性能化及び高集積度化に伴い、ウェハの上に形成される半導体素子の規模は拡大の一途である。半導体素子の規模が拡大すると共に、プロセスの不具合を検出するためのテスト素子又は製造ラインの状態をモニタするためのテスト素子もその規模を拡大せざるを得ない。しかしながら、半導体素子の規模の拡大に伴ってテスト素子の数が増加すると、不具合が発生したときに膨大な数のテスト素子の中から不具合箇所を検出することは極めて困難であり、原因究明を行うことが難しい。
【0005】
例えば、図14は上層配線層11と下層配線層12とを接続するコンタクト孔13(又はヴィア)の抵抗を評価及び検査する従来のテストパターンの一例であるコンタクトチェーンを示している。図14(a)は平面構成を示し、図14(b)は断面構成を示している。従来のテストパターンは、多数個のコンタクト孔をチェーン状に接続し抵抗値を測定することにより、異常な高抵抗又はオープン不良を検出して、ウェハの良否の判定等を行う。コンタクトチェーンのコンタクト規模が小さいときには電子顕微鏡等の観察器具を用いて、ウェハを物理的に観察して不具合箇所を特定することが可能であるが、規模が数十万個から数百万個もの大規模になると物理的な解析によって場所を特定することは不可能である。
【0006】
図15(a)及び図15(b)はテストパターンを模式的に示している。図15(a)は、一の抵抗記号が1個のコンタクト又は複数個のコンタクトチェーンを表している。図15(a)に示すように、コンタクトを複数のチェーン状に接続して抵抗値を測定することにより、断線不良を発見することはできるが、その発生場所を特定することは困難である。
【0007】
図15(b)はコンタクト同士の間又はコンタクトチェーン間のノードをテストパッドに引き出した回路を模式的に示している。図15(b)に示したノードによって分割されたコンタクト又はコンタクトチェーンを順次測定することができるため、不具合箇所をより容易に検出することが可能となる。しかしながら、前述したとおり、スクライブラインの面積は制限されており、該スクライブラインに形成されるテストパッドの数も制限されることから、図15(b)に示すような回路をスクライブラインに形成してウェハの不具合箇所を検出することは現実的には難しい。
【0008】
また、不具合箇所を検出することが可能な小規模のテスト回路を複数設けて、それらを順次測定することにより、不具合箇所の特定を行うことも可能である。しかし、図15(b)と同様に、スクライブライン領域の面積の制限から、テスト回路及びテストパッドを複数設けることは現実的に困難である。
【0009】
なお、不具合箇所を検出する対象として、図14に示すコンタクトチェーンを例に説明したが、図16に示すスネーク状の配線層からなるテストパターンにおいても同様の問題が発生する。また、図17に示すようなスタックトコンタクトチェーンにおいても同様の問題が発生する。図17(a)はスタックトコンタクトチェーンの平面図を示し、図17(b)はスタックトコンタクトチェーンの断面図を示している。スタックトコンタクトチェーンは図17(a)及び図17(b)に示すように複数のコンタクト孔と配線層とが積層された構成である。
【0010】
ところで、図14から図17に示した従来例は、コンタクト若しくはヴィアのオープン不良又は配線の断線不良を検出するためのテスト素子を示しており、短絡不良の検出を行う場合には、図18に示すテスト素子を用いる。図18に示すテスト素子は、一般にスネーク&コム(snake&comb)等と呼ばれるテスト素子であり、第1配線パターン1のそれぞれの端子である“O1”端子と“O2”端子との間に所定の電圧を印加して両端子間に流れる電流値を測定してオープン不良の有無を検出すると共に、“O1”端子又は“O2”端子と第2配線パターン2の“S1”端子との間に所定の電圧を印加して短絡電流が流れるか否かによって短絡不良の有無を検出する。一般に、第1配線パターン1をスネークと呼び、第2配線パターン2をコムと呼ぶ。
【0011】
図18に示した短絡不良検出用のテスト素子においても、その規模の拡大と共に不良の物理的位置を特定することは困難である。
【0012】
また、限られた領域に測定パッドを制限して形成したテスト回路をできるだけ多く設けてウェハを測定し、測定したウェハから不具合箇所を検出する方法が提案されている。ここで、その一例について説明する(例えば、特許文献1を参照。)。
【0013】
図19は従来のテスト回路の構成を示している。
【0014】
図19に示すように、従来のテスト回路は、半導体基板の上に複数の被測定素子201が行列状に設けられ、各被測定素子201の両端には選択用のスイッチ202が接続されている。各被測定素子201は列選択回路203及び行選択回路204と接続され、列選択回路203及び行選択回路204にはアドレス発生回路205が接続されている。アドレス発生回路205は、外部からの制御信号により行列状に設けられた複数の被選択素子201の中から1つの被選択素子201を選択する列アドレス及び行アドレスを発生させ、列選択回路203及び行選択回路204に出力することにより、列選択回路203及び行選択回路204によって特定の被選択素子201が選択される。また、各被測定素子201はスイッチ回路206を介して共通バス線207に接続されて、半導体素子の外部の測定器208に接続されている。なお、アドレス発生回路205は具体的にはシフトレジスタ回路により構成され、外部からのクロック信号によりアドレス信号を1番地ずつカウントアップしていく機能を有する。
【0015】
図19に示す従来のテスト回路においては、外部から入力されたアドレス制御信号により選択された特定の被測定素子が外部の測定端子へ順次接続され、外部の測定器により被測定素子の電気的特性を測定することが可能となる。このように従来のテスト回路の構成では外部から入力されるアドレス制御信号から1つの被測定素子を選択するアドレスを発生する発生回路と発生回路から出力される信号を受信する素子選択回路を設けることにより、多数の素子が形成されていても数少ない制御端子及び信号によって順次素子の測定を行って、不具合箇所を特定することが実現できる。
【特許文献1】特開2003−7785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、前述の半導体製造プロセスが正常に行われたか否かを評価するための測定の多くは所定の設定電圧を被測定素子に印加して、その素子に流れる電流を測定する電気的な測定である。通常、このような半導体集積回路の評価に用いられる測定器では、精度の高い測定を行うために電圧を設定した後、電圧が安定するまでの待機時間が必要である。通常、半導体素子の電圧測定の待機時間は、1回の測定につき数十msから数百msの時間とされている。
【0017】
従って、前述の特許文献1に記載された従来のテスト回路では外部制御信号でアドレスを1個進めて被測定素子の測定を行い、次の被測定素子の測定に移るまでに数十msから数百msの時間を要するため、たとえば1000個の素子が設けられた場合にはすべての素子を1条件で測定するのにも数十sから数百sを要することになる。すなわち、このような電気的な測定を素子ごとに測定条件等を変えながらウェハ全面を測定するためには多大な検査時間を要することになる。このように多大な時間を検査に費やすことはコスト的にも非現実的である。また、現在の半導体製造における全製造費用に対する検査に要する費用の割合は非常に大きいものとなっている。
【0018】
前記に鑑み、本発明は、前記従来の問題を解決するため、大規模なコンタクトチェーン又は大規模な配線パターンにおける複数の素子の電気的な測定を行う際に、不具合箇所の検出をより容易に行う回路構成を有する半導体装置とその評価方法が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置を、被測定単位素子の不具合箇所を測定単位素子間のノードの電位から同定する構成とする。
【0020】
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置は、直列に接続された複数の被測定単位素子を含む被測定素子回路と、隣り合う被測定単位素子同士の間の各ノードにそれぞれ接続された複数の選択素子と、複数の選択素子と接続されるノード情報伝達回路とを備え、被測定素子回路の両端に電圧を印加したときに各ノードに発生する電位が、ノード情報伝達回路に入力され、ノード情報伝達回路は、入力された各ノードの電位を外部へ順次出力することを特徴とする。
【0021】
第1の半導体装置によると、ノード情報伝達回路に入力された各ノードの電位が順次出力されるため、電位が変化するまでのノードの個数を計数することにより、不具合箇所を容易に検出することができる。
【0022】
第1の半導体装置において、複数のノードのいずれか1つのノードの電位を固定する電位固定手段をさらに備え、電位が固定されたノードと被測定素子回路の両端との間の各ノードに発生する電位が、ノード情報伝達回路に入力されることが好ましい。
【0023】
このようにすると、被測定素子回路内の任意のノードから被測定素子回路の両端に向かって電位を印加することが可能であるため、被測定素子回路の両端から電位を印加しても検出不可能であった複数の不具合箇所を検出することができる。
【0024】
本発明に係る第2の半導体装置は、それぞれが、直列に接続された複数の被測定単位素子を含み且つ互いに並列に接続された複数の被測定素子回路を有する被測定回路と、被測定素子回路における隣り合う被測定単位素子同士の間の各ノードにそれぞれ接続され、互いに並列に接続された複数の選択回路と、複数の選択回路と接続されるノード情報伝達回路とを備え、複数の被測定素子回路のうちの一の被測定素子回路の両端に電圧を印加したときに各ノードに発生する電位が、一の被測定素子回路に対応する複数の選択回路を制御する信号によりノード情報伝達回路に入力され、ノード情報伝達回路は、入力された各ノードの電位を外部へ順次出力することを特徴とする。
【0025】
第2の半導体装置によると、被測定単位素子が直列に接続された被測定素子回路が複数並列に接続されていたとしても、各被測定単位素子間のノードの電位がノード情報伝達回路に入力され、順次出力されるため、複数の被測定素子回路における複数の不具合箇所を容易に検出することができる。
【0026】
本発明に係る第1の半導体装置の評価方法は、被測定素子回路の両端に電圧を印加する工程(a)と、工程(a)によって各ノードに発生する電位を、複数の選択素子を制御する信号によりノード情報伝達回路に入力する工程(b)と、工程(b)によってノード情報伝達回路に入力された各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(c)と、工程(c)によって出力された各ノードの電位の変化点を検出することにより被測定単位素子における第1の不具合箇所を特定する工程(d)とを備えていることを特徴とする。
【0027】
第1の半導体装置の評価方法によると、複数の被測定単位素子が直列に接続されてなる被測定素子回路における不具合箇所を容易に検出することができる。
【0028】
また、第1の半導体装置の評価方法は、工程(d)の後に、被測定素子回路の両端に、工程(a)とは逆方向に電圧を印加する工程(e)と、工程(e)によって各ノードに発生する電位を、複数の選択素子を制御する信号によりノード情報伝達回路に入力する工程(f)と、工程(f)によってノード情報伝達回路に入力された各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(g)と、工程(g)によって出力された各ノードの電位の変化点を検出することにより被測定端子素子における第2の不具合箇所を特定する工程(h)とをさらに備えていることが好ましい。
【0029】
このようにすると、複数の被測定単位素子からなる被測定素子回路に複数の不具合箇所が存在する場合であっても、第2の不具合箇所を容易に検出することができる。
【0030】
また、第1の半導体装置の評価方法は、工程(h)の後に、複数のノードのいずれか1つのノードに電位を印加する工程(i)と、工程(i)によって各ノードに発生する電位を、複数の選択素子を制御する信号によりノード情報伝達回路に入力する工程(j)と、工程(j)によってノード情報伝達回路に入力された各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(k)と、工程(k)によって出力された各ノードの電位の変化点を検出することにより被測定端子素子における第3の不具合箇所を特定する工程(l)とを備えていることが好ましい。
【0031】
このようにすると、複数の被測定単位素子からなる被測定素子回路に複数の不具合箇所が存在する場合であっても、複数の不具合箇所を容易に検出することができる。
【0032】
本発明に係る第2の半導体装置の評価方法は、複数の被測定素子回路のうちの第1の被測定素子回路の両端に電圧を印加する工程(a)と、工程(a)によって第1の被測定素子回路の各ノードに発生する電位を、第1の被測定素子回路に対応する複数の選択回路を制御する信号によりノード情報伝達回路に入力する工程(b)と、工程(b)によってノード情報伝達回路に入力された第1の被測定素子回路の各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(c)と、工程(c)によって出力された各ノードの電位の変化点を検出することにより第1の被測定素子回路を構成する被測定単位素子のうちの不具合箇所を特定する工程(d)と、複数の被測定素子回路のうち第1の被測定素子回路を除く他の複数の被測定素子回路に対して、工程(a)〜(d)を順次繰り返し実行し、複数の被測定素子回路の全てにおける不具合が発生した被測定単位素子を特定することを特徴とする。
【0033】
第2の半導体装置の評価方法によると、複数の被測定単位素子が直列に接続されてなる被測定素子回路が複数並列に接続されていたとしても、複数の被測定単位素子のなかから不具合箇所を容易に検出することができる。
【0034】
本発明に係る第3の半導体装置は、一の面内で蛇行するように形成され、複数の凹凸部を有するスネーク形状の第1配線パターンと、該第1配線パターンの各凹凸部に沿うように対向して配置された複数のコム形状の第2配線パターンとによって構成された被測定素子回路と、隣り合う第2配線パターン同士の間の各ノードにそれぞれ接続された複数の選択素子と、複数の選択素子と接続されるノード情報伝達回路と、第1配線パターンと複数の第2配線パターンから選択された所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加した場合に、第1配線パターンと所定の第2配線パターンとの間に流れる電流値を外部測定器により測定するための端子とを備え、ノード情報伝達回路は、選択素子を順次非選択化することにより、第2配線パターンを順次切り離すことを特徴とする。
【0035】
第3の半導体装置によると、ノード情報伝達回路は、選択素子を順次非選択化することにより第2配線パターンを順次切り離すため、切り離された第2配線パターンにより短絡電流が流れなくなった場合に、短絡箇所が切り離された第2配線パターンに含まれていることが分かる。
【0036】
本発明に係る第4の半導体装置は、一の面内で蛇行するように形成され、複数の凹凸部を有するスネーク形状の第1配線パターンと、該第1配線パターンの各凹凸部に沿うように対向して配置された複数のコム形状の第2配線パターンとによって構成された被測定素子回路と、複数の第2配線パターンと接続されるノード情報伝達回路と、第1配線パターンと複数の第2配線パターンから選択された所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加した場合に、第1配線パターンと所定の第2配線パターンとの間に流れる電流値を外部測定器により測定するための端子とを備え、ノード情報伝達回路は、接続された第2配線パターンの電位を第1配線パターンの電位と同電位にすることを特徴とする。
【0037】
第4の半導体装置によると、ノード情報伝達回路は、接続された第2配線パターンの電位を第1配線パターンの電位と同電位にするため、短絡不調が生じている場合には、短絡電流が流れ込まなくなるので、所定の第2配線パターンに不良があったことが分かる。
【0038】
本発明に係る第3の半導体装置の評価方法は、第1配線パターンと複数の第2配線パターンから選択された所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加する工程(a)と、ノード情報伝達回路により複数の選択素子を順次非選択化し、第2配線パターンを順次切り離す工程(b)と、工程(b)によって切り離されなかった第1配線パターンと複数の第2配線パターン間に流れる電流を順次モニタする工程(c)と、工程(c)によって出力された各ノードの電流値の変化点を検出することにより、複数の第2配線パターンにおける不具合箇所を特定する工程(d)とを備えていることを特徴とする。
【0039】
第3の半導体装置の評価方法によると、スネーク&コム形状の被測定素子回路であっても、複数の第2配線パターンのなかから不具合箇所、特に短絡不良を容易に検出することができる。
【0040】
本発明に係る第4の半導体装置の評価方法は、第1配線パターンと複数の第2配線パターンから選択された所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加する工程(a)と、ノード情報伝達回路により第2配線パターンの電位を第1配線パターンの電位と同電位に設定する工程(b)と、工程(b)によって順次変化する第1配線パターンと複数の第2配線パターンとの間に流れる電流を順次モニタする工程(c)と、工程(c)によって各ノードの電流値の変化点を検出することにより複数の第2配線パターンにおける不具合箇所を特定する工程(d)とを備えていることを特徴とする。
【0041】
第4の半導体装置の評価方法によると、スネーク&コム形状の被測定素子回路であっても、複数の第2配線パターンのなかから不具合箇所、特に短絡不良を容易に検出することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明に係る半導体装置及びその評価方法によると、不具合箇所を検出することが困難な大規模なコンタクトチェーン又は大規模な配線パターンに対して、短時間の測定で不具合箇所の有無を容易に測定することが可能となり、半導体製造プロセスの不具合による歩留まりの低下に対して早期に対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその評価方法について図面を参照しながら説明する。
【0044】
図1は第1の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示している。
【0045】
図1に示すように、第1の実施形態に係る半導体装置は、2個以上の被測定単位素子101(図1においては符号101a、101b、101cで示し、M+1個(Mは正の整数)からなる。)が直列に接続された被測定素子回路と、該被測定素子回路の両端に接続された第1のテストパッド102及び第2のテストパッド103と、被測定単位素子同士の間の各ノードに接続された選択素子である転送スイッチ104と、各転送スイッチ104を開閉する第1の信号入力パッド105と、転送スイッチ104により転送された被測定素子間のノードの電位情報を順次伝播する機能を有するノード情報伝達回路107と、ノード情報を読み出す第3のテストパッド108と、ノード情報伝達回路107を制御する1個以上の第2の信号入力パッド109とを有する。ここで、図1に示すように、各被測定単位素子101と各被測定単位素子101に接続される転送スイッチ104とによってノード情報伝達回路単位(ユニット)106が構成されている。
【0046】
被測定単位素子101は、例えば図14に示したコンタクトチェーン、図16に示した配線断線チェックパターン又は図17に示した多層の配線層間をつなぐスタックトコンタクトチェーンであり、その規模は任意である。
【0047】
次に、本実施形態の半導体装置の評価方法について、以下に説明する。
【0048】
まず、第1の測定モードを実施する。第1の測定モードにより、被測定素子回路の不具合箇所の有無を測定する。
【0049】
転送スイッチ104を第1の信号入力パッド105により非選択状態(ここではハイ(H)状態とする。)とし、被測定素子回路の一端である第1のテストパッド102をH状態、被測定端子回路の他端である第2のテストパッド103をロー(L)状態とし第1のテストパッド102から第2のテストパッド103へ流れる電流を測定する。この電流値が被測定素子回路の抵抗値を鑑みて適当な値であれば被測定素子回路に断線がないことが分かる。一方、断線があった場合には電流がほとんど流れないため不具合が生じていることが分かる。
【0050】
次に、被測定素子回路に断線があった場合には、第2の測定モードを実施する。第2の測定モードにより、不具合箇所を特定する。
【0051】
第2の測定モードは、まず、第1の測定モードと同様に第1のテストパッド102をH状態、第2のテストパッド103をL状態として、第1のテストパッド102から第2のテストパッド103に電流を流す。ここで、例えば被測定素子回路を構成する被測定単位素子101cに断線不良が生じた場合、第1のテストパッド102から不良箇所までの間のノードの電位情報はH電位となり、不良箇所から第2のテストパッド103までの間のノードの電位情報はL電位となる。すなわち、ノードN01及びノードN02の電位情報がH電位であり、ノードN03からノードNMまでの電位情報がL電位である。
【0052】
次に、この状態で第1の信号入力パッド105をH状態からL状態に切り替えることにより転送スイッチ104を導通状態とすると、ノードN01からノードNMの間のノードの電位情報がノード情報伝達回路107に伝わる。外部から第2の信号入力パッド109に適切な制御信号を入力することにより、ノード情報伝達回路107が受け取ったノードの電位情報が第3のテストパッド108に転送される。第3のテストパッド108にはノードの電位情報が、ノードNMからノードN01まで順次転送され、その順に出力される。ノードNMから断線箇所までは、L電位の電位情報が出力され、断線箇所からノードN01までは、H電位の電位情報が出力されるため、L電位からH電位に変化するまでのL電位のノードの個数を数えることにより、断線箇所を含む被測定単位素子の数を計ることができる。これにより、被測定素子回路における不具合箇所を容易に検出することができる。
【0053】
このように、第1の実施形態の半導体装置の評価方法によると、大規模なコンタクトチェーン等に発生した断線による不具合箇所を短時間で容易に検出することができるため、短時間で不具合の原因を特定することもできる。
【0054】
次に、ノード情報伝達回路107の具体的な実施例について、図2及び図3を用いて説明する。
【0055】
図2は第1の実施形態に係る半導体装置の一例として、ノード情報を逐次伝播する回路であるノード情報伝達回路107に代えて、各ユニット106毎にフリップフロップ回路(F/F)110が接続された構成を示している。転送スイッチ104は、第1の信号入力パッド105がH状態では前段のフリップフロップ回路110の出力信号が後段のフリップフロップ回路110の入力信号となるように接続される。また、転送スイッチ104は、第1の信号入力パッド105がL状態では被測定単位素子101a等の各ノードが後段のユニット106のフリップフロップ回路110の入力信号となるように接続される。
【0056】
図3はフリップフロップ回路110の構成の一例を示している。図2には、結線を示していないが、各フリップフロップ回路110内のノードはリセット信号(RST)111により測定前に予めリセットされる。
【0057】
図2に示す半導体装置の評価方法は、前述のように、第2の測定モードにおいて、第1の信号入力パッド105をH状態からL状態に切り替えることにより転送スイッチ104を導通状態とすると、ノードN01からノードNMの間の各ノードの電位情報が対応するフリップフロップ回路110の入力信号となる。この状態で、クロック信号(CLK)112にパルス信号を印加することにより、ノードの電位情報が各フリップフロップ回路110に伝えられる。
【0058】
次に、第1の信号入力パッド105をL状態からH状態に切り替えることにより、各フリップフロップ回路110が直列に接続されて、クロック信号112により、フリップフロップ回路110が受け取った各ノードの電位情報がNMからN01まで順次、OUT端子である第3のテストパッド108に伝播される。ここで、L電位からH電位に変化するまでに入力したクロック信号112のパルス数を数えることにより、断線箇所を含む被測定単位素子の数を計ることができる。これにより、被測定素子回路における不具合箇所を容易に検出することができる。
【0059】
このように、ノード情報を逐次伝播する回路にフリップフロップ回路を用いた例を示したが、通常用いられるシフトレジスタ回路を用いても同様な効果を持つ回路を構成することができる。
【0060】
また、第1の実施形態は、テストパッドの数が制限されるスクライブラインにコンタクトチェーン等を設けることを想定しているが、通常のチップが形成される領域に設けられていても不具合箇所を容易に検出することができる。
【0061】
第1の実施形態に係る半導体装置及びその評価方法によると、従来の半導体装置及びその評価方法では不具合箇所を検出することが困難であった大規模のコンタクトチェーン等においても、短時間で不具合箇所を特定することが可能となる。
【0062】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0063】
本発明の第1の実施形態の半導体装置及びその評価方法によると、大規模なコンタクトチェーン等に発生した断線による不具合箇所を容易に検出することができる。しかしながら、複数個の不具合箇所が発生した場合にはH電位を印加した第1のテストパッド102に近い不具合箇所のみが検出されることになり、第2の不具合箇所については検出することができない。本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその評価方法は、大規模なコンタクトチェーン等に断線による不具合箇所が2箇所生じた場合の評価方法である。
【0064】
図4は第2の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示している。第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0065】
図4に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置の回路構成は、第1の実施形態と同様である。ここで、第2の実施形態においては、断線による不具合箇所が被測定単位素子101bと被測定単位素子101cとに発生している。
【0066】
第2の実施形態に係る半導体装置の評価方法は、第1の実施形態における第1の測定モードと同様にして、第1のテストパッド102をH状態、第2のテストパッド103をL状態とし第1のテストパッド102から第2のテストパッド103へ流れる電流を測定することによって、被測定素子回路の不具合箇所の有無を測定すると共に、第1の不具合箇所を検出する。すなわち、第1のテストパッド102から第1の不具合箇所までの間のノードの電位情報はH電位となり、第1の不具合箇所から第2の不具合箇所を含む第2のテストパッド103までの間のノードの電位情報はL電位となる。ここでは、第1のテストパッド102と第1の断線箇所との間にあるノードN01がH電位となり、ノードN02からノードNMがL電位となる。このノードの電位情報を第1の実施形態の第2の測定モードと同様にして、ノードの電位情報がノード情報伝達回路107を介して第3のテストパッド108に転送して、第3のテストパッド108からの出力がL電位からH電位に変化するまでに入力したクロック信号112のパルス数を数えることにより、被測定単位素子101bに第1の不具合が発生していることを検出できる。
【0067】
次に、第1のテストパッド102をL状態、第2のテストパッド103をH状態とすることにより、第2のテストパッド103から第2の不具合箇所までの間のノードの電位情報がH電位となり、第2の不具合箇所から第1の不具合箇所を含む第1のテストパッド102までの間のノードの電位情報がL電位となる。ここでは、第2のテストパッド103から第2の断線箇所までの間であるノードNMからノードN03がH電位となり、ノードN02及びノードN01がL電位となる。このノードの電位情報を前述と同様にして、ノード情報伝達回路107を介して第3のテストパッド108に転送して、第3のテストパッドからの出力がH電位からL電位に変化するまでに入力したクロック信号のパルス数を数えることにより、被測定単位素子101cに第2の不具合が発生していることを検出できる。
【0068】
第2の実施形態に係る半導体装置及びその評価方法によると、大規模のコンタクトチェーン等に2箇所の不具合が発生している場合においても、それぞれの不具合箇所を短時間で特定することが可能である。
【0069】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0070】
本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態の半導体装置及びその評価方法によると、大規模なコンタクトチェーン等に発生した2箇所以下の断線による不具合箇所を容易に検出することができる。しかしながら、第1及び第2の実施形態の半導体装置及びその評価方法では、不具合箇所のうちテストパッドに最も近い不具合箇所のみ検出可能であり、3箇所以上の不具合を検出することができない。本発明の第3の実施形態は、大規模なコンタクトチェーン等に複数の不具合箇所が生じた場合に不具合箇所が検出できる半導体装置及びその評価方法である。
【0071】
図5は第3の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示している。本実施形態においても第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0072】
図5に示すように、第3の実施形態に係る半導体装置は、被測定単位素子101が2個以上(図5ではM+1個)直列に接続した被測定素子回路を有しており、被測定単位素子同士の間のノードに、転送スイッチ104と、被測定単位素子の電位をVDD電位にプルアップするPMOSトランジスタ113とが接続されている。被測定素子回路の両端には第1のテストパッド102及び第2のテストパッド103が接続されており、転送スイッチ104には、第1の信号入力パッド105が接続されている。各PMOSトランジスタ113のゲート端子は、各被測定単位素子に対応したフリップフロップ回路110に接続され、フリップフロップ回路110の入力信号は第4のテストパッド114に引き出され、出力信号は第3のテストパッド108に引き出されている。ここで、被測定単位素子101a、101b及び101mの3箇所に断線が発生しているとする。
【0073】
第3の実施形態に係る半導体装置は、第1の信号入力パッド105をH状態として、フリップフロップ回路110が直列に接続されるようにする。第4のテストパッド114にフリップフロップ回路110の段数分の任意のH状態又はL状態の電位情報をクロック信号112に同期に入力することにより、全てのフリップフロップ回路110の電位状態を外部から任意に設定することができる。すなわち、任意のフリップフロップ回路110の電位状態をL状態とすることにより、電位状態がL状態のフリップフロップ回路110と接続しているPMOSトランジスタ113と電源VDDとが導通状態となり、ノードN01からノードNMの中から任意のノードを強制的にH状態とすることが可能である。このようにしてノードの電位状態を設定した後に、第1の実施形態に示すようにノードの電位情報を出力パッド108から読み出すことにより、どの被測定単位素子に不具合が発生したかを検出することができる。
【0074】
以下、具体的に被測定単位素子101a、101b及び101mに断線による不具合が発生したことを評価する方法について説明する。
【0075】
第1及び第2の実施形態に係る半導体装置の評価方法と同様の方法によって、第1のテストパッド102と第2のテストパッド103とをそれぞれH状態又はL状態とすることにより、H電位を印加したテストパッドに近い場所の不具合箇所が検出されるため、第1のテストパッド102に最も近い不具合箇所である被測定単位素子101a及び第2のテストパッド103に最も近い不具合箇所である被測定単位素子101mに断線が発生していることを検出することが可能である。
【0076】
次に、例えばノードN03を強制的にH状態に設定した後、各ノードの電位情報を読み出せば被測定単位素子101bに不具合が発生していることを検出できる。
【0077】
このように、第1及び第2の実施形態に係る半導体装置の評価方法では、L状態からH状態に切り替わるノードを測定することにより断線箇所を検出しているため、直列に接続された被測定単位素子に複数箇所の断線が発生した場合、H状態に設定されたテストパッドから最も近い位置の断線のみが検出される。しかしながら、L状態のノードの中には複数の断線が含まれている可能性があるが、第1及び第2の実施形態による評価方法では検出することができない。第3の実施形態に係る半導体装置の評価方法は、L状態のノードを強制的にH状態に設定できるため、第3の不具合箇所を検出することが可能であり、さらに複数の断線が発生した場合にもその不具合箇所を特定することができる。
【0078】
図6は複数の断線箇所を効率的に検出する作業手順を示す図である。図中の式は、各ノードの符号をそのまま位置情報として示している。例えばノードn03を示す式のn03=n01+(n02−n01)/2は、ノードn01の位置にノードn01からノードn02の間の1/2を加えた場所であり、ノードn01とノードn02の中間点を示す。
【0079】
図6に示すように、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る半導体装置の評価方法により、第1のテストパッド102とノードn01との間及び第2のテストパッド103とノードn02との間に断線による不具合箇所が検出された場合、ノードn01とノードn02との間に不具合箇所があるかどうか、また不具合箇所がある場合のその数は不明であるため、ノードn01とノードn02との間を評価する。まず、ノードn01とノードn02との中間点であるノードn03を強制的にH状態とする。このようにして、L状態となるノードの位置から第3の不具合箇所を検出する。ここで、例えばノードn04がL状態になったとすれば、ノードn04から見てノードn03側にある被測定単位素子に不具合が発生しており、ノードn04とノードn01との間には更なる不具合箇所があるかどうかは不明である。次に、ノードn01とノードn04との中間点であるノードn05を強制的にH状態として、L状態となるノードを測定することにより不具合箇所を検出する。この操作を不具合箇所が検出されなくなるまで繰り返し行う。
【0080】
なお、不具合箇所が含まれている可能性のある領域の中間点のノードを強制的にH状態としているが、不具合箇所が含まれている可能性のある領域に設けられた被測定単位素子は整数個であるから、正確な中間点に代えて中間点の近傍であってもよい。
【0081】
また、図5に示した回路構成は、各ノードにPMOSトランジスタを接続して、ノードの電位をVDD電位にプルアップする回路例を示したが、この構成に代えて、図7に示すように、各ノードの電位をVSSにプルダウンするようにしても同様の効果を得ることが可能である。
【0082】
第3の実施形態に係る半導体装置及びその評価方法によると、大規模のコンタクトチェーン等に任意の数の不具合箇所が発生している場合においても、それらの複数個の不具合箇所を短時間で特定することが可能である。
【0083】
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について説明する。
【0084】
第1〜第3の実施形態の半導体装置及びその評価方法では、第1のテストパッド102と第2のテストパッド103との間に複数の被測定単位素子が直列に接続した一被測定素子回路について、被測定素子回路に不具合箇所が複数発生しても容易に不具合箇所を検出することができる。本発明の第4の実施形態は、複数の被測定単位素子が直列に接続した被測定素子回路の両端がテストパッドに接続された構成が並列に複数設けられた半導体装置についてその不具合箇所を容易に検出する半導体装置及びその評価方法である。
【0085】
図8は第4の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示している。本実施形態においても第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0086】
図8に示すように、複数の被測定単位素子101が直列に接続した被測定素子回路115(1151,…,115K)の両端には第1のテストパッド102及び第2のテストパッド103が接続されている。同様に被測定素子回路の両端がテストパッドに接続された構成が並列に設けられて被測定回路を形成しており、K個目の構成は、被測定素子回路115Kの両端に第5のテストパッド116及び第6のテストパッド117が接続されている。それぞれの被測定素子回路における被測定単位素子同士の間の各ノードには、対応する選択回路118が接続され、一の選択回路118には各被測定素子回路のK個の被測定単位素子が接続されている。また、各選択回路118には、被測定素子回路に応じて複数の信号入力パッド(図8においてはK個)が接続され、信号入力パッドから入力される選択信号により被測定素子回路1151から被測定素子回路115Kの中の1つのノードの情報信号が選択されてノード情報伝達回路107に伝えられて、第3のテストパッド108から引き出される。このように、第4の実施形態に係る半導体装置は、ノード情報伝達回路107を複数の被測定素子回路で共有しているため、限られたスクライブライン領域を有効に活用したテストパターンが設けられている。
【0087】
第4の実施形態に係る半導体装置の評価方法は、まず、第1の実施形態の半導体装置の評価方法と同様にして、それぞれの被測定素子回路の両端に接続されたテストパッドをH状態又はL状態とすることにより、各被測定素子回路内の断線の有無を順次測定して、断線による不具合が検出された場合には、ノードを測定することにより第1の断線箇所を特定している。また、さらに断線による不具合箇所が発生している場合には、第2及び第3の実施形態の半導体装置の評価方法と同様にして、不具合箇所の検出及び特定をすることができる。このようにして、複数の被測定素子回路が設けられた半導体装置においても不具合箇所を容易に検出することができる。
【0088】
図9は第4の実施形態に係る半導体装置の一変形例を示している。
【0089】
図9に示すように、各被測定素子回路の両端はパッド選択回路119に接続して、共通のテストパッドに接続される。このため、各被測定素子回路にそれぞれのテストパッドが接続される構成と比べてテストパッドの数を削減することができるため、限られたスクライブライン領域をさらに有効に活用することができる。
【0090】
図10はパッド選択回路119の詳細を示している。
【0091】
図10に示すように、第1のテストパッド102は、それぞれPMOSトランジスタとNMOSトランジスタとが平行に接続されたCMOS転送スイッチST1〜STKを介して各被測定素子回路に接続されている。CMOS転送スイッチST1〜STKがパッド選択回路であり、それぞれのCMOS転送スイッチを構成するNMOSトランジスタのゲート電極は信号入力パッド1051〜105Kが接続された選択用信号に接続され、PMOSトランジスタのゲート電極は選択用信号のインバータ回路を介した反転信号に接続されている。
【0092】
なお、信号入力パッド1051〜105Kは、H状態とすることにより選択状態になり、通常は非選択状態のL状態である。例えば、被測定素子回路1151を選択する場合には、第1の信号入力パッド1051のみをH状態とし、他の信号入力パッドをL状態とすれば、ノード情報伝達回路107に被測定素子回路1151のみが接続されて、第3のテストパッド108から被測定素子回路1151の各ノードの情報が引き出されることになる。
【0093】
このようにして、各被測定素子回路に発生した不具合箇所を検出することができ、第2の実施形態及び第3の実施形態に示した評価方法を用いることによって、各被測定素子回路に複数の不具合が発生した場合においてもその不具合箇所を容易に特定することが可能である。
【0094】
なお、第4の実施形態においては、図示を簡略化するために被測定素子回路を2回路のみ図示しているが、並列させる被測定素子回路数は、任意に設定すれば良い。また、図示は省略しているが、被測定素子回路を複数設ける場合にはテストパッドの数を減少させるためにデコード方式を用いることも可能である。
【0095】
第4の実施形態に係る半導体装置及びその評価方法によると、複数の大規模のコンタクトチェーン等が並列に設けられた被測定回路を有する半導体装置に不具合が発生した場合においても、その不具合箇所を短時間で容易に特定することが可能である。
【0096】
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。
【0097】
第1〜第4の実施形態の半導体装置及びその評価方法においては、複数の被測定単位素子を直列に接続した一被測定素子回路について、被測定素子回路にオープン不良箇所が複数発生しても不具合箇所を容易に検出することができる。
【0098】
本発明に係る第5の実施形態は、短絡不良検出パターンである被測定素子回路についてその不具合箇所を容易に検出できる半導体装置及びその評価方法である。
【0099】
図11は第5の実施形態に係る半導体装置を示している。図11に示す半導体装置は、図18に示したスネーク&コムパターンを変形した構成を持ち、第1配線パターン1の両端部に“O1”端子と“O2”端子とを有する。図18に示した短絡(ショート)を検出するコム側(短絡検査用)の第2配線パターン2は、所定の配線単位10に分割されており、図11においては、第2配線パターン2、第3配線パターン及び第4配線パターン4で示される。分割された短絡検査用の配線パターン2、3、4は、図11に示すスイッチングトランジスタ5、6により順次接続されている。
【0100】
スイッチングトランジスタ5、6の各ゲートは、該スイッチングトランジスタ5、6と対応して配置されたシフトレジスタ回路7、8の各出力ノードと接続されている。図11に示した回路例においては、スイッチングトランジスタ5、6にP型MOSトランジスタを用いている。従って、シフトレジスタ回路7、8の各出力ノードは初期状態で“L”レベルであり、各スイッチングトランジスタ5、6は同通状態であるように設定されており、短絡検査用の各配線パターン2、3、4は、初期状態では互いに電気的に接続されて、端子“S1”と同電位となっている。
【0101】
オープン不良を検出する際には、第1配線パターン1の両端の“O1”端子と“O2”端子とに電圧を印加して端子間に流れる電流値を測定してオープン不良の有無を検出する。短絡不良を検出するには“O1”端子もしくは“O2”端子と短絡検査用配線パターンの“S1”端子間に電圧を印加して短絡電流が流れるか否かで短絡不良の有無を検出する。このとき、前述したように、短絡検査用の各配線パターンの2、3、4は“S1”端子と電気的に接続されて同電位になっている。
【0102】
以下に、“O1”端子とS1”端子との間又は“O2”端子とS1”端子との間に短絡不良が発生した場合に、不良箇所を同定する手段について説明する。ここでは、短絡検査用の第3配線パターン3と第1配線パターン1との間で短絡不良が発生したと仮定して説明する。
【0103】
前述したように、各シフトレジスタ回路7、8の出力値は、初期状態では“L”レベルに固定されている。従って、シフトレジスタ回路7の入力を“H”レベルに設定し、且つ“CLK”端子にクロック信号を入力すると、初段のシフトレジスタ回路7の出力はクロック信号の入力に対応して“L”状態から“H”状態に切り替わる。これによりスイッチングトランジスタ5は導通状態から遮断状態に切り替わり、短絡検査用の第2のパターン2が“S1”端子から切り離される。パターン2には短絡不良は生じていないため、“O1”端子又は“O2” 端子と“S1”端子との間の短絡電流に変化はない。
【0104】
次に“CLK”端子にクロック信号を入力すると2段目のシフトレジスタ回路8の出力値が“H”レベルに変化して、2段目のシフトレジスタ回路8と接続されるスイッチングトランジスタ6が遮断状態となって、2段目の短絡検査用の第3配線パターン3が“S1”端子から切り離される。
【0105】
このように、“O1”端子又は“O2”端子とS1”端子との間に短絡電流が流れているか否かを確認しながら、“CLK”端子に順次クロック信号を入力することにより、短絡検査用の配線パターン2、3、4を順次切り離す。ここで、短絡不良の発生箇所を含む配線パターンが“S1”端子と接続されている間は短絡電流は流れる。しかしながら、クロック入力が進行して、短絡検査用の第3配線パターン3が切り離されると、“O1”端子又は“O2”端子とS1”端子との間に短絡電流が流れなくなるため、不良箇所が第3配線パターン3に含まれていることが判明する。従って、入力したクロックパルスの個数を数えれば、不良位置を容易に同定することができる。
【0106】
このように、第5の実施形態によると、大規模な短絡検査用配線パターンにおいても、短絡不良の発生箇所を容易に同定することが可能となる。
【0107】
なお、第5の実施形態においては、スイッチングトランジスタ5、6をP型MOSトランジスタで構成したが、N型MOSトランジスタ等の他のスイッチング手段でも同様の効果を持つ検査パターンを構成することができる。
【0108】
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態について図12を参照しながら説明する。第5の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0109】
第5の実施形態と同様に、短絡検査用の配線パターンは、第2の配線パターン2、第3の配線パターン3及び第4の配線パターン4のように所定数に分割されている。分割された各配線パターン2、3、4と対応して、シフトレジスタ回路7、8、9が直列に接続されており、シフトレジスタ回路7、8、9の間の各ノードは分割された短絡検査用の各配線パターン2、3、4とそれぞれ接続されている。シフトレジスタ回路7、8、9は、初期状態で“L”レベルに設定されている。ここでも、短絡検査用の第3配線パターン3と第1配線パターン1との間に短絡不良が発生していると仮定して説明する。
【0110】
“O1”端子又は“O2”端子に“H”電位を印加すると、短絡検査用の第3配線パターン3における短絡不良により、“H”電位を印加した“O1”端子又は“O2”端子から電流が回路に流れ込むことにより、短絡不良の発生が確認される。
【0111】
初段のシフトレジスタ回路7の入力値を“H”レベルに設定して“CLK”端子にクロック信号を入力することにより、シフトレジスタ回路7の出力は“H”状態となる。このとき、もし第1配線パターン1と短絡検査用の第2配線パターン2との間に短絡不良が生じていれば、双方の電位が“H”状態なるため電流が流れ込まなくなり、短絡不良が第1配線パターン1と第2配線パターン2との間に生じていたことが分かる。しかし、短絡箇所は第1配線パターン1と第3配線パターン3との間であるため、短絡電流に変化は生じない。これにより、第1配線パターン1と第2配線パターン2との間には短絡不良がなかったことが分かる。
【0112】
さらに“CLK”端子にクロック信号を順次入力することにより、シフトレジスタ回路7、8、9の出力値が順次“H”レベルに切り替わっていき、切り替わったシフトレジスタ回路7、8、9の出力端子と接続される短絡検査用の配線パターン2等に短絡不良が生じていない限りは短絡電流に変化は生じない。
【0113】
クロック信号を順次入力して、短絡検査用の第3配線パターン3と接続されるシフトレジスタ回路8の出力値が“H”レベルに切り替わると、“O1”端子又は“O2”端子と同電位となるため、短絡電流は流れ込まなくなる。これにより、第3配線パターン3に不良があったことが判明する。従って、入力したクロックパルスの個数を数えれば、不良位置を容易に同定することができる。
【0114】
このように、第6の実施形態においては、大規模な短絡検査用パターンにおける短絡不良の発生箇所を容易に同定することが可能となる。
【0115】
図13に、第6の実施形態に係る半導体装置の詳細な回路の一例を示す。図2に示した第1の実施形態に係る回路構成と同等の構成であり、図2におけるノード情報伝達回路単位(ユニット)106と同等のノード情報伝達回路単位106を有している。
【0116】
図13においては、短絡検査用の第2配線パターン2が追加され、ユニット106に含まれるフリップフロップ回路110の出力端子と接続されている。オープン不良を検出する際には、第1の実施形態で示したように、“O1”端子をH状態とし、他端の“O2”端子をL状態に設定して、両端子間に流れる電流を測定することにより、オープン不良の有無を検出する。オープン不良が発生していることが判明したときには、第1の実施形態で示した手法により、不良位置を同定することができる。
【0117】
これに対し、短絡不良を検出するには、“C1”端子をまずH状態として、複数のフリップフロップ回路110を直列に接続する。その後、“O1”端子又は“O2”端子をH状態に固定する。ここで、RST信号を印加することにより、各フリップフロップ回路110の出力値はL状態となるため、短絡検査用の第2配線パターン2に短絡不良が存在した場合には、H状態の“O1”端子又は“O2”端子から電流が流れ込むため、短絡不良が判明する。
【0118】
その後は、第5の実施形態に示した手法と同様に、CLK端子にクロックパルスを順次入力して、短絡検査端子の電位を順次H状態とすることにより、“O1”端子又は“O2”端子から電流が流れ込まなくなる状態を発生させ、その状態に至るクロックのパルス数を数えることにより、短絡不良箇所を同定する。
【0119】
このように、第1〜第4の実施形態で用いたノード情報伝達回路単位106と同一の基本回路構成に短絡検査用パターンを追加することにより、短絡検査を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明に係る半導体装置及びその評価方法は、大規模なコンタクトチェーン又は大規模な配線パターンで素子の電気的測定を行う際に、不具合箇所を短時間でより容易に検出することが可能であり、半導体装置の製造工程の安定管理等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の回路構成の一例を示す回路図 である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置におけるフリップフロップ回路 の一例を示す回路図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る評価方法の手順を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の一変形例に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の一変形例に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るパッド選択回路を示す回路図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図12】本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の回路構成を示す回路図である。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の回路構成の詳細を示す回路図である。
【図14】(a)及び(b)は従来のコンタクトチェーンを示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図15】(a)及び(b)は従来のテストパターンを模式的に示す回路図である。
【図16】従来の配線層用の断線チェックパターンを示す平面図である。
【図17】(a)及び(b)は従来のスタックトコンタクトチェーンを示し、(a)は平面図であり、(b)は断面図である。
【図18】従来の配線層用の短絡チェックパターン(スネーク&コム)を示す平面図である。
【図19】従来例に係る半導体装置(テスト回路)の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0122】
101a 被測定単位素子
101b 被測定単位素子
101c 被測定単位素子
102 第1のテストパッド
103 第2のテストパッド
104 転送スイッチ
105 第1の信号入力パッド
106 ノード情報伝達回路単位(ユニット)
107 ノード情報伝達回路
108 第3のテストパッド
109 第2の信号入力パッド
110 フリップフロップ回路
111 リセット信号
112 クロック信号
113 PMOSトランジスタ
114 第4のテストパッド
115 被測定素子回路
116 第5のテストパッド
117 第6のテストパッド
118 選択回路
119 パッド選択回路
1 第1配線パターン
2 第2配線パターン
3 第3配線パターン
4 第4配線パターン
5 スイッチングトランジスタ
6 スイッチングトランジスタ
7 シフトレジスタ回路
8 シフトレジスタ回路
9 シフトレジスタ回路
10 配線単位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された複数の被測定単位素子を含む被測定素子回路と、
隣り合う前記被測定単位素子同士の間の各ノードにそれぞれ接続された複数の選択素子と、
前記複数の選択素子と接続されるノード情報伝達回路とを備え、
前記被測定素子回路の両端に電圧を印加したときに前記各ノードに発生する電位が、前記ノード情報伝達回路に入力され、
前記ノード情報伝達回路は、入力された前記各ノードの電位を外部へ順次出力することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記複数のノードのいずれか1つのノードの電位を固定する電位固定手段をさらに備え、
電位が固定された前記ノードと前記被測定素子回路の両端との間の前記各ノードに発生する電位が、前記ノード情報伝達回路に入力されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
それぞれが、直列に接続された複数の被測定単位素子を含み且つ互いに並列に接続された複数の被測定素子回路を有する被測定回路と、
前記被測定素子回路における隣り合う前記被測定単位素子同士の間の各ノードにそれぞれ接続され、互いに並列に接続された複数の選択回路と、
前記複数の選択回路と接続されるノード情報伝達回路とを備え、
前記複数の被測定素子回路のうちの一の被測定素子回路の両端に電圧を印加したときに前記各ノードに発生する電位が、前記一の被測定素子回路に対応する前記複数の選択回路を制御する信号により前記ノード情報伝達回路に入力され、
前記ノード情報伝達回路は、入力された前記各ノードの電位を外部へ順次出力することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の半導体装置の評価方法であって、
前記被測定素子回路の両端に電圧を印加する工程(a)と、
前記工程(a)によって前記各ノードに発生する電位を、前記複数の選択素子を制御する信号により前記ノード情報伝達回路に入力する工程(b)と、
前記工程(b)によって前記ノード情報伝達回路に入力された前記各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(c)と、
前記工程(c)によって出力された前記各ノードの電位の変化点を検出することにより前記被測定単位素子における第1の不具合箇所を特定する工程(d)とを備えていることを特徴とする半導体装置の評価方法。
【請求項5】
前記工程(d)の後に、
前記被測定素子回路の両端に、前記工程(a)とは逆方向に電圧を印加する工程(e)と、
前記工程(e)によって前記各ノードに発生する電位を、前記複数の選択素子を制御する信号により前記ノード情報伝達回路に入力する工程(f)と、
前記工程(f)によって前記ノード情報伝達回路に入力された前記各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(g)と、
前記工程(g)によって出力された前記各ノードの電位の変化点を検出することにより前記被測定端子素子における第2の不具合箇所を特定する工程(h)とをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の評価方法。
【請求項6】
前記工程(h)の後に
前記複数のノードのいずれか1つのノードに電位を印加する工程(i)と、
前記工程(i)によって前記各ノードに発生する電位を、前記複数の選択素子を制御する信号により前記ノード情報伝達回路に入力する工程(j)と、
前記工程(j)によって前記ノード情報伝達回路に入力された前記各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(k)と、
前記工程(k)によって出力された前記各ノードの電位の変化点を検出することにより前記被測定端子素子における第3の不具合箇所を特定する工程(l)とを備えていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の評価方法。
【請求項7】
請求項3に記載の半導体装置の評価方法であって、
前記複数の被測定素子回路のうちの第1の被測定素子回路の両端に電圧を印加する工程(a)と、
前記工程(a)によって前記第1の被測定素子回路の各ノードに発生する電位を、前記第1の被測定素子回路に対応する複数の選択回路を制御する信号により前記ノード情報伝達回路に入力する工程(b)と、
前記工程(b)によって前記ノード情報伝達回路に入力された前記第1の被測定素子回路の前記各ノードの電位を外部へ順次出力する工程(c)と、
前記工程(c)によって出力された前記各ノードの電位の変化点を検出することにより前記第1の被測定素子回路を構成する前記被測定単位素子のうちの不具合箇所を特定する工程(d)と、
前記複数の被測定素子回路のうち前記第1の被測定素子回路を除く他の複数の被測定素子回路に対して、前記工程(a)〜(d)を順次繰り返し実行し、前記複数の被測定素子回路の全てにおける不具合が発生した被測定単位素子を特定することを特徴とする半導体装置の評価方法。
【請求項8】
一の面内で蛇行するように形成され、複数の凹凸部を有するスネーク形状の第1配線パターンと、該第1配線パターンの各凹凸部に沿うように対向して配置された複数のコム形状の第2配線パターンとによって構成された被測定素子回路と、
隣り合う前記第2配線パターン同士の間の各ノードにそれぞれ接続された複数の選択素子と、
前記複数の選択素子と接続されるノード情報伝達回路と、
前記第1配線パターンと前記複数の第2配線パターンから選択された所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加した場合に、前記第1配線パターンと前記所定の第2配線パターンとの間に流れる電流値を外部測定器により測定するための端子とを備え、
前記ノード情報伝達回路は、選択素子を順次非選択化することにより、前記第2配線パターンを順次切り離すことを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
一の面内で蛇行するように形成され、複数の凹凸部を有するスネーク形状の第1配線パターンと、該第1配線パターンの各凹凸部に沿うように対向して配置された複数のコム形状の第2配線パターンとによって構成された被測定素子回路と、
前記複数の第2配線パターンと接続されるノード情報伝達回路と、
前記第1配線パターンと前記複数の第2配線パターンから選択された所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加した場合に、前記第1配線パターンと前記所定の第2配線パターンとの間に流れる電流値を外部測定器により測定するための端子とを備え、
前記ノード情報伝達回路は、接続された前記第2配線パターンの電位を前記第1配線パターンの電位と同電位にすることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項8に記載の半導体装置の評価方法であって、
前記第1配線パターンと前記複数の第2配線パターンから選択された前記所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加する工程(a)と、
前記ノード情報伝達回路により前記複数の選択素子を順次非選択化し、前記第2配線パターンを順次切り離す工程(b)と、
前記工程(b)によって切り離されなかった前記第1配線パターンと前記複数の第2配線パターン間に流れる電流を順次モニタする工程(c)と、
前記工程(c)によって出力された前記各ノードの電流値の変化点を検出することにより、前記複数の第2配線パターンにおける不具合箇所を特定する工程(d)とを備えていることを特徴とする半導体装置の評価方法。
【請求項11】
請求項9に記載の半導体装置の評価方法であって、
前記第1配線パターンと前記複数の第2配線パターンから選択された所定の第2配線パターンとの間に電圧を印加する工程(a)と、
前記ノード情報伝達回路により前記第2配線パターンの電位を前記第1配線パターンの電位と同電位に設定する工程(b)と、
前記工程(b)によって順次変化する前記第1配線パターンと前記複数の第2配線パターンとの間に流れる電流を順次モニタする工程(c)と、
前記工程(c)によって前記各ノードの電流値の変化点を検出することにより前記複数の第2配線パターンにおける不具合箇所を特定する工程(d)とを備えていることを特徴とする半導体装置の評価方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2009−188371(P2009−188371A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189537(P2008−189537)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】