説明

半導体装置及び半導体装置の製造方法

【課題】アンダーフィル剤の流出を確実に防止することのできる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板1と、前記基板上にフリップチップ実装された半導体チップと、前記基板と前記半導体チップとの間を埋めるアンダーフィルと、を具備し、前記基板上には、前記半導体チップの搭載されるチップ搭載領域20と、前記チップ搭載領域の外部に配置され、電極パッド12の設けられた電極パッド領域30と、前記チップ搭載領域と前記電極パッド領域との間に設けられたダム領域40とが設けられ、前記ダム領域には、複数のダム用突起が、複数列に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置及びその製造方法に関し、特に、基板上に半導体チップがフリップチップ実装された半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品を高密度化を実現するために、フリップチップ実装の重要性が高まっている。フリップチップ実装は、半導体チップの電極形成面を基板と対向させ、バンプを介して半導体チップを基板上に実装する手法である。基板と半導体チップとの電気的接続に要する領域が半導体チップ面積以下にできるので、高密度実装が可能となる。
【0003】
図1は、フリップチップ実装により、半導体チップを基板に実装するときの様子を示す説明図である。基板101上に、バンプ102を介して、半導体チップ200が搭載されている。基板101には、半導体チップ200の搭載領域とは別の場所に、電極パッド103が設けられている。基板101と半導体チップ200との間には、バンプ102による隙間が生じる。このすき間を埋めるため、基板101と半導体チップ200との間にアンダーフィル剤104がにより充填される。アンダーフィル剤104を充填するとき、アンダーフィル剤104の供給量が多いと、図2に示されるように、半導体チップ200の搭載される領域の外部にアンダーフィル剤104が広がってしまう。また、半導体チップ200と基板101との間のギャップが狭くても、同様にアンダーフィル剤が広がってしまう。広がったアンダーフィル剤104が電極パッド103などを覆ってしまうと、電極パッド103における電気的接合が妨げられ、信頼性を落としてしまうことになる。
【0004】
関連して、特許文献1(実開平6−31150号公報)には、プリント配線基板上に実装した半導体回路素子の周囲に、ボンディングパッドを封止する樹脂の流れ止めるための第1のカードリングを設けることと、第1のガードリングの外周の所望の位置に第1のガードリングを乗り越えてあふれ出した樹脂の流れるための第2のガートリングを設けることとが記載されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2003−92374号公報)には、絶縁膜を介して配線基板に半導体チップの実装された半導体装置において、半導体チップと電極との間の絶縁膜に溝を設けることが記載されている。
【0006】
また、特許文献3(特開2006−237367号公報)には、エリアアレイの搭載領域の外周を取り囲むように配置した導体パターンと、この導体パターンに積層された熱溶融はんだ層と、導体パターンと熱溶融はんだ層とで堰塞されることによりエリアアレイの搭載領域に略充填されたアンダーフィルとを備えるプリント配線板が記載されている。
【0007】
また、特許文献4(特開2005−276879号公報)には、アンダーフィル材の流出を確実に防止するための技術が記載されている。この特許文献4には、チップ実装領域とチップ実装領域との間にダムが設けられた実装基板と、実装基板のチップ実装領域にフリップチップ実装された半導体チップと、実装基板と半導体チップとの間に充填されたアンダーフィル材とを備え、チップ実装領域の所定の辺とその所定の辺に対応するダムとの間の距離が、チップ実装領域の他の辺に対応するダムとの間の距離よりも長いことを特徴とする半導体装置が記載されている。
【0008】
【特許文献1】実開平6−31150号公報
【特許文献2】特開2003−92374号公報
【特許文献3】特開2006−237367号公報
【特許文献4】特開2005−276879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、既述の技術を用いても、アンダーフィル剤の流出を確実に防止することは難しかった。
従って、本発明の目的は、アンダーフィル剤の流出を確実に防止することのできる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する括弧付き符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであり、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明に係る半導体装置は、基板と、基板上にフリップチップ実装された半導体チップと、基板と前記半導体チップとの間を埋めるアンダーフィルとを具備する。基板上には、前記半導体チップの搭載されるチップ搭載領域と、前記チップ搭載領域の外部に配置され、電極パッドの設けられた電極パッド領域と、前記チップ搭載領域と前記電極パッド領域との間に設けられたダム領域とが設けられている。前記ダム領域には、複数のダム用突起が複数列で配列されている。
この発明によれば、注入時に流出したアンダーフィルは、複数のダム用突起により表面張力を受け、堰き止められる。この際、複数のダム用突起が複数列で配置されているので、半導体チップ側に近い側の列をアンダーフィルが乗り越えても、次の列によりアンダーフィルが堰き止められる。また、複数列で配置されていることにより、更に過剰にアンダーフィル剤が流出したとしても、アンダーフィルがダム領域の全域で蓄えられる。すなわち、流出したアンダーフィルは、ダム領域で保持されることによって、堰き止められる。これにより、より確実にアンダーフィルを堰き止めることができる。
【0012】
本発明に係るプリント配線板は、半導体チップをフリップ実装するためのチップ搭載領域と、前記チップ搭載領域の外側に配置され、電極パッドの設けられた電極パッド領域と、前記チップ搭載領域と前記電極パッド領域との間に設けられたダム領域とを具備する。ダム領域には、複数のダム用突起が複数列で配列されている。
【0013】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、チップ搭載領域と、前記チップ搭載領域の外側に配置された電極パッド領域と、前記チップ搭載領域と前記電極パッド領域との間に設けられたダム領域とを有する基板を用意する工程と、前記電極パッド領域に電極パッドを形成する工程と、前記ダム領域内に、複数のダム用突起を複数列で配列する工程と、前記チップ搭載領域に、前記半導体チップを搭載する工程と、前記搭載する工程の後に、前記基板と前記半導体チップとの間にアンダーフィルを供給する工程とを具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アンダーフィル剤の流出を確実に防止することのできる半導体装置及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。半導体装置に対する小型化の要求を満たすための技術として、CPUやメモリなどの複数機能を1つの半導体チップに収めるシステム・オン・チップ(SoC)技術、複数の半導体チップを1つのパッケージに収めるシステム・イン・パッケージ(SiP)技術、及び複数の半導体パッケージを積層し直接接続するパッケージ・オン・パッケージ(PoP)技術などが知られている。本実施形態では、半導体装置として、PoP構造におけるベースパッケージを一例として説明する。
【0016】
図3は、本実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。この半導体装置は、配線基板1(プリント配線板)と、半導体チップ2と、アンダーフィル3と、封止剤5とを備えている。配線基板1上には複数のバンプ11と、複数のダム用突起13と、複数の電極パッド12とが設けられている。半導体チップ2は複数のバンプ11を介して配線基板1上に実装されている。アンダーフィル3は、樹脂製であり、半導体チップ2と配線基板1との間に充填されている。半導体チップ2及び複数のダム用突起13は、樹脂製の封止剤5により、封止されている。
【0017】
図4は、配線基板1を示す平面図である。配線基板1には、チップ搭載領域20と、電極パッド領域30と、ダム領域40とが設けられている。
【0018】
チップ搭載領域20は、矩形状である。チップ搭載領域20には、複数のバンプ11が形成されている。複数のバンプ11は、半導体チップ2との電気的接続を行うために設けられている。
【0019】
電極パッド領域30は、チップ搭載領域20を取り囲むように、枠状に設けられている。電極パッド領域30は、チップ搭載領域20から離れた位置に設けられている。電極パッド領域30には、複数の電極パッド12が設けられている。複数の電極パッド12は、このPoP構造のベースパッケージを、上に積層される半導体パッケージと電気的に接続するために設けられており、PoPランドとも言われる。
【0020】
ダム領域40は、チップ搭載領域20の一辺(第1辺21)と、第1辺21に対向する電極パッド領域30との間に設けられている。ダム領域40には、アンダーフィル充填時におけるアンダーフィルの流出防止を目的として、複数のダム用突起13が配置されている。複数のダム用突起13は、複数列で配置されている。具体的には、第1辺21に沿う列が、第1辺21から電極パッド領域30に向かって複数列に並んでいる。また、ダム領域40とチップ搭載領域20との間には、アンダーフィルを注入するための隙間が設けられている。
【0021】
このような複数のダム用突起13は、充填時に流出したアンダーフィルに対して表面張力を加え、堰き止める。この際、複数のダム用突起が複数列で配置されているので、半導体チップ側に近い側の列をアンダーフィルが乗り越えても、次の列によりアンダーフィルが堰き止められる。また、流出したアンダーフィルは、ダム領域40に染み込むようにして蓄えられる。これにより、アンダーフィルがより確実に堰き止めることができる。
【0022】
図5は、ダム領域40の拡大図であり、複数のダム用突起13の配列を示している。図5には、列方向と行方向との関係が示されている。複数のダム用突起13の各々は、千鳥状に配列されている。千鳥状で複数のダム用突起13を配置すれば、流出したアンダーフィルに十分な表面張力を与えた上で、ダム領域40に染み込ませて蓄えることができる。
【0023】
アンダーフィルを堰き止めるための表面張力を大きくするためには、複数のダム用突起13を細長くし、密に配置することが望ましいと考えられる。ダム用突起13を樹脂により形成するのであれば、粘度の高いものを用い、突起をなるべく、高く、細く、狭間隔で配列することが望ましいと考えられる。但し、ダム用突起13を密に配置しすぎると、アンダーフィルがダム領域40に染み込みにくくなり、電極パッド形成領域30側に乗り越え易くなることがある。
このような観点から、複数のダム用突起13における列と列との距離b(図5中、b)は、100μm以上500μm以下であることが好ましい。なお、ここでの距離bは、各ダム用突起13の中心を基準とした距離としている。この距離bが100μmよりも短いと、アンダーフィルがダム領域40に染み込まず、ダム領域40を乗り越えてしまい易くなる。一方この距離bが500μmよりも長いと、表面張力が十分にアンダーフィルに加えられず、ダム領域30から電極パッド形成領域30側へアンダーフィルが染み出し易くなる。また、同様の観点から、複数のダム用突起からなる行と行と距離(図5中、a)は、100μm以上、500μm以下であることが好ましい。
さらに同様の観点から、複数のダム用突起13の各々は、直径が50μm以上200μm以下であることが好ましい。
また、ダム用突起13は、直径が50μm以上200μm以下である場合に、2(個/mm)〜50(個/mm)の密度で配置されていることが好ましい。密度が2(個/mm)より小さいと、アンダーフィルがダム領域40に染み込まず、ダム領域40を乗り越えてしまい易くなる。密度が50(個/mm)よりも大きいと、表面張力が十分にアンダーフィルに加えられず、ダム領域30から電極パッド形成領域30側へアンダーフィルが染み出し易くなる。
【0024】
各ダム用突起13は、例えば、はんだや樹脂により形成されている。
例えば、はんだで各ダム用突起13を形成する場合、その形成方法として、はんだペーストを印刷する方法、及びノズルから塗布する方法などを用いることができる。
印刷によって形成する場合、各ダム用突起13の数、サイズ、配列間隔、及び配列パターンは、印刷マスクにより一意に決まる。また、チップ搭載領域20における複数のバンプ21がはんだバンプである場合には、バンプ21を形成する工程と同一工程で各ダム用突起13を形成することができる。従って、ダム用突起13を形成するために工程を追加する必要がなく、生産性を落とすことはない。
一方、ノズルから塗布する方法は、印刷マスクを用意する必要がないので、ダム領域40における複数のダム用突起13の配置パターンを容易に変更することができる。したがって、複数のダム用突起13を最適なパターンで配置しやすくなる。
【0025】
ダム領域40の幅(第1辺21から対向する電極形成領域30へ向かう方向の幅)は、アンダーフィルを確実に堰き止める観点から、0.3mm以上、0.5mm以下であることが好ましい。その幅が0.3mmより小さいと、アンダーフィルがダム領域40を超えて電極形成領域30へ流出し易くなる。一方、その幅が0.5mmより大きいと、パッケージサイズが大きくなってしまう傾向にある。
【0026】
ダム領域40とチップ搭載領域20との間の隙間の幅は、0.6mm以上、0.8mm以下であることが好ましい。その隙間の幅が0.6mmより小さいと、アンダーフィルを正確に供給することが難しくなる。一方、その隙間の幅が0.8mmより大きいと、パッケージサイズが大きくなってしまう傾向にある。
【0027】
次に、本実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0028】
まず、図3を用いて説明した配線基板1を形成する。次に、少なくとも片面に電極の形成された半導体チップ2を用意し、チップ搭載領域20に搭載する。このとき、半導体チップ2の電極形成面を配線基板1と対向させて、フリップチップ実装する。
【0029】
次に、図6に示されるように、半導体チップ2と配線基板1との間に形成されたバンプ11による隙間を埋めるため、アンダーフィル樹脂3を充填する。この際、ディスペンサ4を用いて、チップ搭載領域20の第1辺21とダム領域40との間から、アンダーフィル樹脂3を注入する。アンダーフィル樹脂3は、毛細管現象により、半導体チップ2と配線基板1との隙間を埋める。
【0030】
この際、配線基板1と半導体チップ2の間のギャップに対して少量のアンダーフィル樹脂が塗布された場合には、図7に示されるように、アンダーフィル樹脂3は外側に向かって広がる前に半導体チップ2の下部へ浸透する。その後、半導体チップ2及びダム領域40の複数のダム用突起13が被覆されるように、封止用の樹脂を供給する。これにより、図3で示したような構造の半導体装置が得られる。
【0031】
しかし、半導体装置を大量生産する際に、全ての半導体装置において、配線基板1と半導体チップ2とのギャップを同じにすることは難しい。同様に、毎回、アンダーフィル樹脂3の充填量を同じにすることも難しい。従って、配線基板1と半導体チップ2との間のギャップに対して多量のアンダーフィル樹脂3が供給されることもある。図8は、多量のアンダーフィル樹脂3が供給されたときの様子を説明するための説明図である。過剰に供給されたアンダーフィル樹脂3は、半導体チップ2の下部に浸透することができず、電極パッド領域30側へ広がっていく。しかし、本実施形態では、ダム領域40に複数のダム用突起13が設けられているので、過剰に塗布されたアンダーフィル樹脂3が堰き止められる。この際、複数のダム用突起が複数列で配置されていることにより、半導体チップ側に近い側の列をアンダーフィル樹脂3が乗り越えても、次の列によりアンダーフィルが堰き止められる。また、過剰にアンダーフィル樹脂3が流出した場合でも、ダム領域40に染み込むようにして堰き止められることとなる。よって、より確実にアンダーフィル樹脂3の流出を防止することができる。その後、図9に示されるように、半導体チップ2及びダム領域40の複数のダム用突起13が被覆されるように、封止用の樹脂が供給される。これにより、外観上は図3で示した構造と変わらない半導体装置が得られる。
【0032】
以上の方法により製造された半導体装置は、更にその上に半導体パッケージが積層され、積層された半導体パッケージと電極パッド3との間が電気的に接続される。これにより、PoP構造が形成される。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、ダム領域40において複数のダム用突起13が複数列に配置されるので、ダム領域40においてアンダーフィル樹脂を蓄えることにより、アンダーフィル樹脂の流出を防ぐことができる。このため、ダム領域40の面積に対して、アンダーフィル樹脂の流出防止効果を高めることができ、高密度実装が可能となる。
【0034】
尚、本実施形態では、チップ搭載領域20の第1辺21に対応する位置にダム領域40が設けられる例について説明した。最もアンダーフィル樹脂3が電極パッド形成領域30側へ到達し易いのは、アンダーフィル樹脂の供給の行われる第1辺21である。従って、ダム領域40は、本実施形態で説明したように、少なくとも第1辺21に対応する位置に設けられていることが望ましい。但し、ダム領域40は、チップ搭載領域20の全周に対応して枠状に配置されていてもよい。
【0035】
尚、特許文献1(実開平6−31150)には、第1のガードリングと第2のガードリングとを設けた構造が開示されている。しかし、本実施形態のように複数のダム用突起13を複数列に配置することは記載されていない。
また、特許文献2(特開2003−92374)には、溝を設けることが記載されている。しかし、本実施形態のように複数のダム用突起13を複数列に配置することは記載されていない。
また、特許文献3(特開2006−237367)には、突起状の熱溶融はんだ層を設けることについての記載がある。しかし、本実施形態のように複数のダム用突起13を複数列に配置することは記載されていない。
また、特許文献4(特開2005−276879)には、ダムを設けることについての記載がある。しかし、本実施形態のように複数のダム用突起13を複数列に配置することは記載されていない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】フリップチップ実装を説明するための説明図である。
【図2】アンダーフィル樹脂の流出する様子を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る半導体装置の概略断面図である。
【図4】配線基板1の平面図である。
【図5】ダム領域40を示す拡大図である。
【図6】アンダーフィル樹脂を注入する際の様子を説明するための説明図である。
【図7】少量のアンダーフィル樹脂が注入されたときの様子を示す説明図である。
【図8】多量のアンダーフィル樹脂が注入されたときの様子を示す説明図である。
【図9】多量のアンダーフィル樹脂が注入されたときの半導体装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 配線基板
2 半導体チップ
3 アンダーフィル樹脂
4 ディスペンサ
5 オーバーモールド樹脂
11 はんだバンプ
12 電極パッド
13 突起
20 チップ搭載領域
21 第1辺
30 電極パッド領域
40 ダム領域
101 配線基板
102 はんだバンプ
103 電極パッド
104 アンダーフィル剤
200 半導体チップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上にフリップチップ実装された半導体チップと、
前記基板と前記半導体チップとの間を埋めるアンダーフィルと、
を具備し、
前記基板上には、
前記半導体チップの搭載されるチップ搭載領域と、
前記チップ搭載領域の外部に配置され、電極パッドの設けられた電極パッド領域と、
前記チップ搭載領域と前記電極パッド領域との間に設けられたダム領域とが設けられ、
前記ダム領域には、複数のダム用突起が、複数列に配置されている
半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載された半導体装置であって、
前記複数のダム用突起は、千鳥状に配置されている
半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された半導体装置であって、
前記複数のダム用突起の各々の直径は、50μm以上、200μm以下である
半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載された半導体装置であって、
前記複数のダム用突起の密度は、2(個/mm)〜50(個/mm)である
半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された半導体装置であって、
更に、
前記電極パッドを被覆しないように、前記半導体チップ及び前記ダム用突起を被覆する封止剤
を具備する
半導体装置。
【請求項6】
半導体チップをフリップ実装するためのチップ搭載領域と、
前記チップ搭載領域の外側に配置され、電極パッドの設けられた電極パッド領域と、
前記チップ搭載領域と前記電極パッド領域との間に設けられたダム領域と、
を具備し、
前記ダム領域には、複数のダム用突起が複数列で配列されている
プリント配線板。
【請求項7】
請求項6に記載されたプリント配線板であって、
前記チップ搭載領域には、前記半導体チップと電気的に接続されるためのバンプが形成されている
プリント配線板。
【請求項8】
チップ搭載領域と、前記チップ搭載領域の外側に配置された電極パッド領域と、前記チップ搭載領域と前記電極パッド領域との間に設けられたダム領域とを有する基板を用意する工程と、
前記電極パッド領域に電極パッドを形成する工程と、
前記ダム領域内に、複数のダム用突起を複数列で配列する工程と、
前記チップ搭載領域に、前記半導体チップを搭載する工程と、
前記搭載する工程の後に、前記基板と前記半導体チップとの間にアンダーフィルを供給する工程と、
を具備する
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載された半導体装置の製造方法であって、
前記チップ搭載領域は、矩形状であり、
前記ダム領域は、前記チップ搭載領域の第1辺と対向する前記電極パッド領域との間に設けられ、
前記供給する工程は、前記第1辺から前記アンダーフィルを供給する工程を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載された半導体装置の製造方法であって、
前記搭載する工程は、前記基板上に前記半導体チップを搭載するためのバンプを形成する工程と、前記バンプを形成する工程の後に前記半導体チップを前記基板上に載せる工程とを備え、
前記配列する工程は、前記バンプを形成する工程と同一工程で前記複数のダム用突起を形成する工程を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれかに記載された半導体装置の製造方法であって、
前記配列する工程は、前記複数のダム用突起を千鳥状に配置する工程を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項8乃至11のいずれかに記載された半導体装置の製造方法であって、
前記配列する工程は、前記複数のダム用突起を、各々の直径が50μm以上、200μm以下となるように、配置する工程を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項7乃至12のいずれかに記載された半導体装置の製造方法であって、
更に、
前記供給する工程の後に、前記半導体チップ及び前記複数のダム用突起が封止されるように、封止剤を配置する工程、
を具備する
半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−177061(P2009−177061A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16204(P2008−16204)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】