説明

半導体装置

【課題】パッドに荷重がかかった場合でも、層間絶縁膜の膜剥がれやパッドの剥離の発生率を低くする。
【解決手段】ボンディングパッド72を含む半導体装置100において、ボンディングパッド72と平面視で重なる領域(94)に下部多層配線構造90、中間ビア用層間絶縁膜48、上部多層配線構造92をこの順で積層し、パッド配置領域94において、上部多層配線構造92の上部配線およびビアは、ボンディングパッド72と接続して形成し、中間ビア用層間絶縁膜48には、上部多層配線構造92の配線またはビアと下部多層配線構造90の配線またはビアとを接続する導電材料が形成されず、下部多層配線構造90に含まれるビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率が、上部多層配線構造92に含まれるビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率よりも小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、とくに、基板上にボンディングパッド等のパッドが設けられた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多層配線構造の層間絶縁膜として、たとえば比誘電率(k値)が2.7以下のいわゆる低誘電率絶縁膜(low−k膜)が用いられるようになっている。しかし、低誘電率膜は一般的に機械的強度が弱い。そのため、ボンディングパッドへのワイヤボンディングやプロービングによりボンディングパッドに荷重がかかった場合に、層間絶縁膜のクラックや剥離等が生じ、最終製品の歩留りが劣化するという問題があった。
【0003】
特許文献1(WO2005/096364号公報)には、膜強度及び密着性が低い低誘電率層間絶縁膜を用いた半導体装置において、上下配線層中に形成された補強配線パターンが重なり合う領域に、回路とは電気的に接続されていない多数の補強ビアパターンを形成し、補強配線パターンを相互に接続した構成が記載されている。これにより、構造的な強度を高めることによって、プロセス時やパッケージング時に発生する膜剥がれや膜破壊を抑制できるとされている。
【0004】
特許文献2(特開2004−235416号公報)には、半導体基板上にボンディングパッドを有し、ボンディングパッドの下に形成され、回路配線が形成される層よりも銅面積率が大きい上部銅配線層と上部銅配線層と電気的に絶縁され、上部銅配線層よりも半導体基板側に形成された下部銅配線層とを含む半導体装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2005/096364号公報
【特許文献2】特開2004−235416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載されたように、ボンディングパッド下に銅面積率が大きい上部銅配線層を設けることにより、プロービングおよびワイヤボンディング時の低誘電率膜等の絶縁膜への荷重を軽減することができ、ボンディングパッドへの衝撃に対する耐性が向上すると考えられる。しかし、近年、LSIの世代が進んでパッドピッチが狭くなっており、ボンディングワイヤのワイヤ径が小さくなっている。これに伴い、ボンディング時の単位面積あたりの荷重が大きくなる傾向にある。そのため、とくに低誘電率膜の構成比率を高めた場合、ボンディングパッド下の銅面積率が大きい上部銅配線層だけではボンディングパッドへの衝撃を吸収しきれないことがある。その場合、下層において、層間絶縁膜の膜剥がれ等が生じて層構造が変形し、ボンディングパッドの剥離の発生率が高くなるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
基板と、
前記基板上に形成され、低誘電率膜により構成された層間絶縁膜を少なくとも一部の層に含む多層配線構造と、
前記基板上の前記多層配線構造上に形成されたパッドと、を含み、
前記多層配線構造が、
前記パッドと平面視で重なる領域に形成された配線を含む配線用層間絶縁膜と、前記パッドと平面視で重なる領域に形成されたビアを含むビア用層間絶縁膜とが積層された下部多層配線構造と、
前記下部多層配線構造上に、前記パッドと平面視で重なる領域に形成された配線を含む配線用層間絶縁膜と、前記パッドと平面視で重なる領域に形成されたビアを含むビア用層間絶縁膜とが積層された上部多層配線構造と、
前記下部多層配線構造と上部多層配線構造との間に形成された中間絶縁膜と、
を含み、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記上部多層配線構造の前記配線および前記ビアは、前記パッドと接続して形成され、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記中間絶縁膜には、前記上部多層配線構造の前記配線または前記ビアと、前記下部多層配線構造の前記配線または前記ビアとを接続する導電材料が形成されず、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記下部多層配線構造に含まれる前記ビア用層間絶縁膜中の前記ビアが占める面積率が、前記上部多層配線構造に含まれる前記ビア用層間絶縁膜中の前記ビアが占める面積率よりも小さい半導体装置が提供される。
【0008】
本発明者等は、鋭意検討し、ボンディングパッドにワイヤボンディングやプロービングを行う際に、ボンディングパッドにかかる荷重が、下層に行くにつれて、徐々に層間絶縁膜に吸収される構成とすることにより、層間絶縁膜の膜剥がれ等による層構造の変形を防ぎ、ボンディングパッドの剥離の発生率を低くすることができることを見出した。このような構成とするために、本発明では、多層配線構造の上部と下部とを中間絶縁膜で分けて、各部でビアが占める面積率を異ならせるようにしている。
【0009】
特許文献1には、補強ビアパターンを設ける構成が記載されているが、本発明の構成のように、多層配線構造の上部と下部とを分けて、各部でビアが占める面積率を異ならせることは考慮されていない。また、特許文献2でも、配線の面積率が規定されているが、ビアについては考慮されていない。そのため、従来、層間絶縁膜の膜剥がれ等による層構造の変形を防ぎ、ボンディングパッドの剥離の発生率を低くするという点で依然として問題があった。
【0010】
本発明の構成によれば、上部多層配線構造において、パッドと平面視で重なる領域内でパッドと接続された配線やビアが設けられている。これにより、上部多層配線構造の強度を高めることができ、プロービングおよびワイヤボンディング時にパッドに荷重がかかっても、層間絶縁膜のクラックの発生等を防ぐことができる。さらに、上部多層配線構造の下方には、導電材料が形成されていない中間絶縁膜が設けられている。そのため、パッドへの衝撃を中間絶縁膜で緩和することができ、衝撃に対する耐性をある程度向上することができる。さらに、中間絶縁膜の下方に形成された下部多層配線構造においては、ビアの面積率が低く設定されているので、上部多層配線構造および中間絶縁膜で吸収できなかったパッドへの衝撃が、下部多層配線構造の下層に行くにつれて、徐々に層間絶縁膜に吸収され、緩和される構成とすることができる。これにより、層間絶縁膜の膜剥がれやパッドの剥離の発生率を低くすることができ、最終製品の歩留りを向上させることができる。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パッドが形成された半導体装置において、パッドに荷重がかかった場合でも、層間絶縁膜の膜剥がれやパッドの剥離の発生率を低くすることができ、最終製品の歩留りを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における半導体装置の構成の一例を示す平面図である。
【図3】図1に示した半導体装置の断面図である。
【図4】半導体装置のボンディングパッドにボンディングワイヤをボンディングする手順を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における半導体装置の効果を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における半導体装置の効果を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における半導体装置の構成の他の例を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態における半導体装置の構成の他の例を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態における半導体装置の構成の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態における半導体装置の構成の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施の形態における半導体装置の構成を示す断面図である。図2は、本実施の形態における半導体装置の平面図である。
【0016】
半導体装置100は、基板1と、基板上に形成された多層配線構造と、当該多層配線構造の上に形成されたボンディングパッド72(パッド)とを含む。本実施の形態における半導体装置100は、平面視でボンディングパッド72と重なるボンディングパッド72下の領域(以下、パッド配置領域94という。)の構造に特徴があるため、ここでは、ボンディングパッド72が形成された領域のみを示している。
【0017】
基板1上には、たとえばトランジスタ等を埋め込む層間絶縁膜2が形成されている。多層配線構造は、層間絶縁膜2の上に形成される。ここで、層間絶縁膜2は、たとえばシリコン酸化膜等、比較的機械的強度が高い材料により構成することができる。ここでは図示していないが、層間絶縁膜2には複数のコンタクトが形成されており、当該コンタクトを介して基板1の拡散層が上層の配線等と電気的に接続される。
【0018】
本実施の形態において、基板1上の層間絶縁膜2上に形成された多層配線構造は、基板1に近い側の下部に形成された下部多層配線構造90と、下部多層配線構造90の上のボンディングパッド72に近い側の上部に形成された上部多層配線構造92とを含む。また、下部多層配線構造90と上部多層配線構造92との間には、中間ビア用層間絶縁膜48(中間絶縁膜)が設けられている。
【0019】
基板1は、たとえばシリコン基板等の半導体基板とすることができる。ここで、図示していないが、基板1上にはトランジスタ、抵抗およびキャパシタ等の半導体素子やこれらの半導体素子を接続するための回路配線を有する内部回路が設けられている。回路配線は、多層配線構造中のいずれかの層に形成された配線、基板1に形成された拡散層、および基板1上に形成され、不純物拡散されたポリシリコン等の導電層により形成することができる。本実施の形態において、内部回路は、パッド配置領域94外の領域に設けられてもよく、内部回路の一部がパッド配置領域94内に形成されたCircuit-under Pad(CUP)構造とすることもできる。Circuit-under Pad(CUP)構造の場合、パッド配置領域94内において、内部回路は、下部多層配線構造90に設けられた構成とすることができる。
【0020】
下部多層配線構造90は、エッチング阻止膜13、下部配線用層間絶縁膜14、バリア絶縁膜17、下部ビア用層間絶縁膜18、下部配線用層間絶縁膜24、バリア絶縁膜27、下部ビア用層間絶縁膜28、下部配線用層間絶縁膜34、バリア絶縁膜37、下部ビア用層間絶縁膜38、下部配線用層間絶縁膜44、およびバリア絶縁膜47がこの順で積層された構成を有する。
【0021】
下部配線用層間絶縁膜14、下部配線用層間絶縁膜24、下部配線用層間絶縁膜34、および下部配線用層間絶縁膜44には、それぞれ、下部配線15、下部配線25、下部配線35、および下部配線45が形成されている。下部配線15、下部配線25、下部配線35、および下部配線45は、それぞれ、銅を主成分として構成された金属膜と、各金属膜の下面および側面に、それぞれ形成された、バリアメタル膜16、バリアメタル膜26、バリアメタル膜36、およびバリアメタル膜46とにより構成される。バリアメタル膜16、バリアメタル膜26、バリアメタル膜36、およびバリアメタル膜46は、たとえばTaやRu等の高融点金属を含む材料により構成することができる。一例として、これらは、Taを含む積層膜により構成することができる。
【0022】
また、下部ビア用層間絶縁膜18、下部ビア用層間絶縁膜28、および下部ビア用層間絶縁膜38には、それぞれ、下部ビア19、下部ビア29、および下部ビア39が形成されている。下部ビア19、下部ビア29、および下部ビア39も、配線と同様、それぞれ、銅を主成分として構成された金属膜と、各金属膜の下面および側面に、それぞれ形成された、バリアメタル膜26、バリアメタル膜36、およびバリアメタル膜46とにより構成することができる。これらのバリアメタル膜も、バリアメタル膜16と同様の構成とすることができる。なお、ここでは、下部ビア19、下部ビア29、および下部ビア39は、それぞれ、下部配線25、下部配線35、下部配線45と一体に形成されたデュアルダマシン構造としているが、これらはシングルダマシン構造とすることもできる。
【0023】
上部多層配線構造92は、上部配線用層間絶縁膜54、バリア絶縁膜57、上部ビア用層間絶縁膜58、および上部配線用層間絶縁膜64がこの順で積層された構成を有する。
【0024】
上部配線用層間絶縁膜54および上部配線用層間絶縁膜64には、それぞれ、上部配線55および上部配線65が形成されている。上部配線55および上部配線65も、下部多層配線構造90の配線と同様、それぞれ、銅を主成分として構成された金属膜と、各金属膜の下面および側面に、それぞれ形成された、バリアメタル膜56およびバリアメタル膜66とにより構成することができる。また、上部ビア用層間絶縁膜58には、上部ビア59が形成されている。上部ビア59も、銅を主成分として構成された金属膜と、各金属膜の下面および側面に形成されたバリアメタル膜66とにより構成されている。これらのバリアメタル膜も、バリアメタル膜16と同様の構成とすることができる。なお、ここでは、上部ビア59は上部配線65と一体に形成されたデュアルダマシン構造としているが、これらはシングルダマシン構造とすることもできる。上部配線55と上部配線65とは、上部ビア59を介して接続されている。
【0025】
ここで、下部多層配線構造90および上部多層配線構造92に含まれる各配線およびビアのバリアメタル膜の膜厚は、たとえば3nmから20nm程度とすることができる。また、各配線は、バリアメタル膜と金属膜とを合わせた全体の膜厚が、たとえば32nmノードだと、80nmから120nm程度とすることができる。
【0026】
下部配線用層間絶縁膜14、下部配線用層間絶縁膜24、下部配線用層間絶縁膜34、および下部配線用層間絶縁膜44は、たとえば、ポーラスシリカ、ポーラスSiOC、ポーラスSiOCH、ポーラスでないSiOCやSiOCH、HSQ(Hydrogen Silsesquioxane)、ラダーオキサイド(Lox:Ladder Oxide)、アモルファスカーボン等の通常用いられる低誘電率膜により構成することができる。これらの膜厚は、たとえば50nmから120nm程度とすることができる。
【0027】
上部配線用層間絶縁膜54および上部配線用層間絶縁膜64も、下部多層配線構造90の下部配線用層間絶縁膜と同様の材料により構成することができる。上部配線用層間絶縁膜54の膜厚は、たとえば50nmから120nm程度とすることができる。上部配線用層間絶縁膜64の膜厚は、たとえば800nm程度とすることができる。
【0028】
下部ビア用層間絶縁膜18、下部ビア用層間絶縁膜28、下部ビア用層間絶縁膜38、中間ビア用層間絶縁膜48、および上部ビア用層間絶縁膜58は、たとえば、ポーラスシリカ、ポーラスSiOC、ポーラスSiOCH、ポーラスでないSiOCやSiOCH、HSQ(Hydrogen Silsesquioxane)、ラダーオキサイド(Lox:Ladder Oxide)、アモルファスカーボン等の低誘電率膜やSiO等の絶縁膜等、通常用いられる絶縁膜材料により構成することができる。これらの膜厚は、たとえば30nmから150nm程度とすることができる。
【0029】
バリア絶縁膜17、バリア絶縁膜27、バリア絶縁膜37、バリア絶縁膜47、バリア絶縁膜57、およびバリア絶縁膜67は、たとえば、SiCNやSiC等により構成することができる。これらの膜厚は、たとえば10nmから50nm程度とすることができる。
【0030】
中間ビア用層間絶縁膜48は、下部多層配線構造90の下部ビア用層間絶縁膜と同様の材料により構成することができる。中間ビア用層間絶縁膜48の膜厚は、たとえば30nmから800nm程度とすることができる。
【0031】
上部多層配線構造92の上部配線用層間絶縁膜64の上には、バリア絶縁膜67、ビア用層間絶縁膜68、保護絶縁膜73、およびポリイミド膜74がこの順で積層されている。保護絶縁膜73およびポリイミド膜74により、パッシベーション膜が構成される。保護絶縁膜73は、たとえばSiCN膜とすることができる。
【0032】
なお、図2において、パッド配線75上にはポリイミド膜74が形成されているが、説明のためにポリイミド膜74を透過した構成を示している。図2には、パッド配線75のパッド内縁75aおよびパッド外縁75b、ポリイミド膜74の内縁74a、パッドビア69の外縁69bを示している。ボンディングパッド72のパッドビア69の外周部およびパッド配線75は、ポリイミド膜74が覆われており、ポリイミド膜74の内縁74aで規定された領域内で、パッドビア69が露出している。パッド配線75のパッド内縁75aおよびパッド外縁75bは、ポリイミド膜74で覆われている。図2に示すように、本実施の形態において、パッド配置領域94は、ボンディングパッド72のパッド外縁75bで囲まれた領域とすることができる。
【0033】
ボンディングパッド72は、パッドビア69とパッド配線75とにより構成される。パッドビア69およびパッド配線75は、たとえばアルミニウムを主成分とする金属材料により構成される。パッドビア69の膜厚は、たとえば平坦部で0.8μmから2μm程度とすることができる。ボンディングパッド72は、その下層に形成されたバリアメタル膜70を介して、上部配線65に接触して形成されている。バリアメタル膜70は、たとえばTa等の高融点金属を含む材料により構成することができる。一例として、バリアメタル膜70は、TiNを含む材料を用いることができる。バリアメタル膜70の膜厚は、たとえば平坦部で50nmから300nm程度とすることができる。
【0034】
本実施の形態において、上部多層配線構造92に含まれる上部配線65および上部配線55は、平面視でボンディングパッド72とほぼ同じ領域を占める。上部配線65および上部配線55は、パッド配置領域94全体に一体に形成された構成とすることができる。本実施の形態において、上部配線65および上部配線55は、内部回路が形成される層よりも面積率が大きい構成とすることができる。本実施の形態において、上部多層配線構造92に含まれる各上部配線用層間絶縁膜中の配線が占める面積率は、70%以上とすることができる。これにより、耐衝撃性を向上させることができる。また、上部多層配線構造92に含まれる各上部配線用層間絶縁膜中の配線が占める面積率は、95%以下とすることができる。これにより、配線形成時の化学機械研磨処理(CMP:Chemical Mechanical Polishing)時のディシングを防止することができる。ここで、面積率(データ率ともいう。)とは、平面視でパッド配置領域94に存在する配線の面積の合計を、パッド配置領域94の面積(図中パッド外縁75bで囲まれた領域)で割った値とする。
【0035】
また、上部配線65と上部配線55とは、パッド配置領域94内で、上部ビア59を介して接続されている。つまり、本実施の形態において、上部多層配線構造92は、その中に形成された配線およびビアが、パッド配置領域94内でボンディングパッド72と電気的に接続された層のことである。なお、ボンディングパッド72は、上部配線65、上部ビア59、および上部配線55等を介して半導体装置100の内部回路(不図示)と接続された構成とすることができる。
【0036】
一方、本実施の形態において、パッド配置領域94内では、下部多層配線構造90の最上層の下部配線45と上部多層配線構造92の最下層の上部配線55とを接続するビア等の導電材料は存在しない。本実施の形態において、下部多層配線構造90と上部多層配線構造92との間には、中間ビア用層間絶縁膜48が設けられている。また、中間ビア用層間絶縁膜48には、パッド配置領域94において、下部多層配線構造90の最上層の下部配線45と、上部多層配線構造92の最下層の上部配線55とを接続する導電材料が形成されていない。つまり、本実施の形態において、下部多層配線構造90は、その中に形成された配線およびビアが、パッド配置領域94内でボンディングパッド72と接続されていない層のことである。ただし、下部多層配線構造90に含まれる配線およびビアも、パッド配置領域94以外に形成されたビア等を介してボンディングパッド72と電気的に接続された構成とすることもできる。
【0037】
また、とくに制限されないが、下部多層配線構造90に含まれる各下部配線用層間絶縁膜中の配線が占める面積率は、たとえば15%以上とすることができる。これにより、耐衝撃性を向上させることができる。下部多層配線構造90に含まれる各下部配線用層間絶縁膜中の配線が占める面積率は、95%以下とすることができる。これにより、配線形成時の化学機械研磨処理時のディシングを防止することができる。
【0038】
このような構成の半導体装置100では、パッド配置領域94において、下部多層配線構造90に含まれる各ビア用層間絶縁膜中の下層ビアが占める面積率が、上部多層配線構造92に含まれる上部ビア用層間絶縁膜58中の上部ビア59が占める面積率よりも小さい構成とすることができる。ここで、面積率(データ率ともいう。)とは、平面視でパッド配置領域94に存在するマスク上のビアの占有面積の合計を、パッド配置領域94の面積(図中パッド外縁75bで囲まれた領域)で割った値とする。
【0039】
図3(a)は、上部多層配線構造92の上部ビア用層間絶縁膜58と、その中に形成された上部ビア59の構成の一例を示す平面図である。図3(a)は、図1のA−A'断面図に該当する。図3(b)は、下部多層配線構造90の下部ビア用層間絶縁膜38と、その中に形成された下部ビア39の構成の一例を示す平面図である。図3(b)は、図1のB−B'断面図である。ここでは、各層中でビアが占める面積率の違いを把握しやすいように、ビアを模式的に示す。
【0040】
図3(a)に示すように、上部ビア用層間絶縁膜58においては、上部ビア59が、5列×5行の25個形成されている。一方、図3(b)に示すように、下部ビア用層間絶縁膜38においては、下部ビア39が、2列×2行の4個形成されている。また、図示していないが、下部ビア用層間絶縁膜28および下部ビア用層間絶縁膜18においても、下部ビア用層間絶縁膜38と同様、上部ビア用層間絶縁膜58よりも各層中でビアが占める面積率が小さい構成とすることができる。
【0041】
図3では、上部ビア59と下部ビア39とが同じビア径を有する例を示している。ビア径が等しい場合、下部ビア用層間絶縁膜18、下部ビア用層間絶縁膜28、および下部ビア用層間絶縁膜38において、上部ビア用層間絶縁膜58よりもビアの個数が少ない構成とすることができる。
【0042】
このような構成とすることにより、プロービングおよびワイヤボンディング時に、ボンディングパッド72に衝撃が生じても、その衝撃を吸収することができ、層間絶縁膜の膜剥がれ等の発生率を低くすることができる。以下にそのメカニズムを説明する。
【0043】
図4は、半導体装置100のボンディングパッド72にボンディングワイヤ78をボンディングする手順を示す断面図である。ボンディングパッド72にワイヤボンディングを行う際は、先端にボール77が形成されたボンディングワイヤ78のボール77をボンディングパッド72に当接して、所定の条件の荷重および超音波を印加しながらボール77をボンディングパッド72に接合する。このとき、ボンディングパッド72には、荷重がかかるので、衝撃が生じる。
【0044】
図5(a)は、本実施の形態において、ボンディングパッド72に生じた衝撃が半導体装置100の多層配線構造に広がる様子を模式的に示す断面図である。
本実施の形態において、上述したように、ボンディングパッド72直下には、ボンディングパッド72とほぼ同じ領域を占める上部配線65が形成されている。また、上部配線65の下方には、ボンディングパッド72とほぼ同じ領域を占める上部配線55が形成されており、上部配線65と上部配線55との間には、面積率の大きい上部ビア59が存在している。そのため、上部配線55、上部ビア59および上部配線65により、1つの分厚いボンディングパッドが存在するような構成となっている。この部分を図中、上部多層配線構造92として示している。銅等の金属膜で構成された配線やビアは、外部から加えられた力を跳ね返そうとする性質である弾性が酸化膜等の層間絶縁膜より大きいため、ボンディングパッド72下に、このような構成の配線およびビアを配置することにより、強度が確保でき、ボンディングワイヤ時の衝撃に対する耐性を向上することができる。これにより、半導体装置100の上層における層間絶縁膜のクラック等を防ぐことができる。
【0045】
また、上部多層配線構造92の下方には、導電材料が形成されていない中間ビア用層間絶縁膜48が設けられている。そのため、ボンディングパッド72への衝撃を中間ビア用層間絶縁膜48で緩和することができ、衝撃に対する耐性をある程度向上することができる。
【0046】
しかし、ボンディングパッド72にかかった衝撃のうち、上部多層配線構造92および中間ビア用層間絶縁膜48では吸収しきれなかった荷重が中間ビア用層間絶縁膜48を介して下部多層配線構造90にもかかることがある。そのため、下部多層配線構造90において、膜剥がれ等が生じて、層構造に変形が生じることがある。
【0047】
このような膜剥がれ等を防ぐためには、上部からの荷重を均一に分散させることが重要である。本実施の形態における半導体装置100のように、下部多層配線構造90の各ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率を小さくすることにより、ワイヤボンディングおよびプロービング時の荷重を、下方に分散させる作用を効果的に働かせることができる。各ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率を小さくすることにより、上層からの荷重が、下に行くに従って徐々に緩和され、衝撃を吸収することができる。これにより、膜剥がれを防ぐことができる。
【0048】
一方、下部多層配線構造90の各ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率が大きい場合、下部多層配線構造90にかかった荷重がそのまま下方に伝達され、各層での緩和の度合いが少なくなる。図5(b)は、下部多層配線構造90の各ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率が大きい場合の構成を示す。このような構成においては、下部多層配線構造90にかかった荷重がそのまま下層に伝達する。そして、最下層の下部配線15および下部ビア19層間(図中破線で囲んだ箇所)に荷重が集中する。ここで、基板1と第1層配線層である下部配線15との間に形成された層間絶縁膜2は、通常、低誘電率膜ではなくシリコン酸化膜等の比較的硬い絶縁膜により構成される。また、基板1も硬度が高い。そのため、下部多層配線構造90の下方に緩和層は存在せず、荷重が分散されない。このように荷重が分散されないと、荷重の集中した箇所で膜剥がれ等が発生し、層構造に変形が生じる。これにより、プロービングやワイヤボンディング時の層間絶縁膜へのクラック発生や、輸送時の横揺れや梱包材への衝突、または最終製品への組み込み工程における衝撃等により、ボンディングパッド72の剥離等が生じやすくなる。
【0049】
また、各下部ビア用層間絶縁膜では、ヤング率が大きい銅等により構成されたビアと、ヤング率が小さい層間絶縁膜の2種類の部分が存在する。このように、同じ層に、ヤング率の大きく異なる部分が存在すると、プロービングやワイヤボンディングの上方からの荷重による変形の仕方が、場所によって異なることになる。たとえば、ビア用層間絶縁膜としてポーラスSiOCを用いた場合、ヤング率は約4GPaとなる。一方、銅のヤング率は110GPa程度である。そのため、下部ビア用層間絶縁膜において、変形の仕方に差が生じる。このように、ヤング率の大きく異なる2つの材料が混在する場合、一方の材料の比率を極端に大きくした方が、全体のヤング率を均一に近づけることができ、荷重に対する変形は少なくなる。
【0050】
本実施の形態において、下部多層配線構造90に含まれる下部ビア用層間絶縁膜18、下部ビア用層間絶縁膜28、および下部ビア用層間絶縁膜38の各層中のビアが占める面積率は、4%未満とすることができる。これにより、各層において、絶縁膜の比率を大きくでき、層全体の弾性率を均一に近づけることができ、荷重に対する変形を小さくすることができる。これにより、プロービングやワイヤボンディング時の層間絶縁膜へのクラック発生や、絶縁膜やボンディングパッド72の剥がれをより効果的に防ぐことができる。
【0051】
図6は、図1に示した構成のパッド配置領域94における下部多層配線構造90の各下部配線用層間絶縁膜中のビアが占める面積率とワイヤシア試験不良率との関係を示す図である。
ここで、各ビア用層間絶縁膜としては、ポーラスSiOC、各配線用層間絶縁膜としては、ポーラスシリカを用いた。また、上部多層配線構造92の上部ビア用層間絶縁膜58における上部ビア59の面積率は20%とした。また、下部多層配線構造90に含まれる各下部配線用層間絶縁膜中の配線が占める面積率は、それぞれ25%、上部多層配線構造92に含まれる各上部配線用層間絶縁膜中の配線が占める面積率は、それぞれ88.9%とした。
【0052】
このような構成の半導体装置100において、ボンディングワイヤ78に針を引っ掛け、横方向に引っ張るBall-shear Testを行った。ボンディング時の荷重を最適化した12gとしたとき、ビアが占める面積率を3.2%とした場合のワイヤシア試験不良率はほぼゼロであった。一方、ビアが占める面積率を4.5とした場合、ワイヤシア試験不良率が2%程度、ビアが占める面積率を7.3%とした場合、ワイヤシア試験不良率が8%程度に上昇した。また、ボンディング時の荷重が最適条件ではないが、たとえば10gの場合でも、ビアが占める面積率を3.2%とした場合、ワイヤシア試験不良率をビアが占める面積率を7.3%とした場合の80%程度に低減することができた。
【0053】
また、本実施の形態において、上部多層配線構造92に含まれる上部ビア用層間絶縁膜58において、ビアが占める面積率は、4%以上、より好ましくは7%以上とすることができる。ビアが占める面積率を7%以上とすることにより、上部多層配線構造92における強度を充分保つことができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態における半導体装置100の構成によれば、上部多層配線構造92において、パッド配置領域94内にボンディングパッド72と接続された配線やビアが設けられている。また、上部多層配線構造92に含まれる層中のビアが占める面積率が高く設定されるため、上部多層配線構造92の強度を高めることができ、プロービングおよびワイヤボンディング時にボンディングパッド72に荷重がかかっても、層間絶縁膜のクラックの発生等を防ぐことができる。
【0055】
さらに、上部多層配線構造92の下方には、導電材料が形成されていない中間ビア用層間絶縁膜48が設けられている。そのため、ボンディングパッド72への衝撃を中間ビア用層間絶縁膜48で緩和することができ、衝撃に対する耐性をある程度向上することができる。そのため、パッド配置領域94での各層の変形を防ぐことができ、ボンディングパッド72の剥がれを防ぐことができる。
【0056】
さらに、中間ビア用層間絶縁膜48の下方に形成された下部多層配線構造90においては、ビアが占める面積率が低く設定されているので、上部多層配線構造92および中間ビア用層間絶縁膜48で吸収できなかったボンディングパッド72への衝撃が、下部多層配線構造90の下層に行くにつれて、徐々に層間絶縁膜に吸収され、緩和される構成とすることができる。これにより、層間絶縁膜の膜剥がれやパッドの剥離の発生率を低くすることができ、最終製品の歩留りを向上させることができる。
【0057】
また、プロービングにより製品の出荷判断をする場合、プロービングの針がボンディングパッド72に当たるが、その際の衝撃にも強く、ボンディングパッド72下の層間絶縁膜にクラックが発生するのも防ぐことができる。
【0058】
また、下部多層配線構造90に含まれる下部ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率が低いため、内部回路の一部がパッド配置領域94内に形成されたCircuit-under Pad(CUP)構造とした場合でも、内部回路の配線配置に影響を与えることなく、上記のような効果を得ることができる。
【0059】
次に、本実施の形態における半導体装置100の変形例を説明する。
図7は、図5(a)に示した半導体装置100の変形例を示す模式図である。図5(a)に示した例では、下部多層配線構造90の各下部ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率が、互いに略等しい例を示したが、これらは、互いに異なる構成とすることができる。
【0060】
図7に示した例では、下部多層配線構造90の各下部ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率は、最下層の下部ビア用層間絶縁膜18(ビア19が形成された層間絶縁膜)において最も高い構成となっている。図5(b)を参照して上述したように、下部多層配線構造90の下方には緩衝層が存在せず、下部多層配線構造90の下方では荷重を緩和することができない。そのため、下部配線15が下方に沈み込むと、収縮ができず、変形が生じる可能性がある。そのため、下部ビア用層間絶縁膜18においては、ビアが占める面積率を高くして、強度を保つようにすることができる。このような構成としても、下部ビア用層間絶縁膜18においても、ビアが占める面積率は、上述したのと同様に、下部多層配線構造90の上部ビア用層間絶縁膜中のビアが占める面積率よりも低く設定されるので、下部多層配線構造90により衝撃を吸収して緩和する効果を保つことができる。
【0061】
図7(a)に示した構成においては、上層に行くほどビアが占める面積率が低くなる構成となっている。図8は、この構成に対応する半導体装置100の構成の一例を示す図である。このような構成とすることにより、上部多層配線構造92にかかった荷重を上層側から徐々に緩和するようにすることができる。
【0062】
図7(b)に示した構成においては、中間の下部ビア用層間絶縁膜28(ビア29が形成された層間絶縁膜)において、ビアが占める面積率が最も低くなる構成となっている。図9は、この構成に対応する半導体装置100の構成の一例を示す図である。このような構成とすることにより、下部多層配線構造90にかかった荷重および下部配線15からの力を中間層で緩和することができる。
【0063】
図10は、本実施の形態における半導体装置100がバンプ79を介して配線基板80とフリップチップ接続された構成を示す断面図である。
ここでは、半導体装置100は、図1に示した構成のボンディングパッド72に変えてパッド82を有する。パッド82は、ボンディングパッド72と同様パッドビア69とパッド配線75とにより構成される。パッドビア69およびパッド配線75を構成する材料は、アルミニウムを主成分とする金属材料や銅を主成分とする金属材料等、一般的なフリップチップ用のパッド材料により構成することができる。また、バンプ79は、金、金/ニッケル合金、半田等、一般的なフリップチップ用のバンプ材料により構成することができる。その他の構成は、図1に示した半導体装置100と同様とすることができる。
【0064】
このような構成においても、半導体装置100のパッド82と配線基板80とをバンプ79を介して接続する際、パッド82には衝撃が生じる。本実施の形態における半導体装置100において、上述したように、衝撃を緩和する構造を有しているため、バンプ時やその後の工程において、層間絶縁膜の剥離やバンプの剥離の発生率が少なくなり、最終製品の歩留りを向上することができる。
【0065】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0066】
たとえば、本実施の形態において、上部多層配線構造92は2層の配線、下部多層配線構造90は4層の配線を含み、ボンディングパッド72のパッド配線を含めて合計7層の配線を例示しているが、各構造の配線の層数は、適宜変更可能とすることができる。
【0067】
なお、配線やビアが形成された層間絶縁膜の上層には、化学的機械的研磨時の保護用としてキャップ絶縁膜が存在する場合もあるが、以上の実施の形態では記載を省略している。また、下部多層配線構造90に含まれる層間絶縁膜の一部が低誘電率膜でなくてもよく、上部多層配線構造92で用いられる層間絶縁膜の一部が低誘電率膜であってもよく、適宜組み合わせて用いることができる。
【0068】
さらに、たとえば、下部多層配線構造90に含まれる各下部ビア用層間絶縁膜中の下部ビアのピッチは、上部多層配線構造92に含まれる上部ビア用層間絶縁膜中の上部ビアのピッチよりも広くすることもできる。
【符号の説明】
【0069】
1 基板
2 層間絶縁膜
13 エッチング阻止膜
14、24、34、44 下部配線用層間絶縁膜
15、25、35、45 下部配線
16、26、36、46 バリアメタル膜
17、27、37、47 バリア絶縁膜
18、28、38 下部ビア用層間絶縁膜
19、29、39 下部ビア
48 中間ビア用層間絶縁膜
54、64 上部配線用層間絶縁膜
55、65 上部配線
56、66 バリアメタル膜
57、67 バリア絶縁膜
58 上部ビア用層間絶縁膜
59 上部ビア
68 ビア用層間絶縁膜
69 パッドビア
69b 外縁
70 バリアメタル膜
72 ボンディングパッド
73 保護絶縁膜
74 ポリイミド膜
74a 内縁
75 パッド配線
75a パッド内縁
75b パッド外縁
77 ボール
78 ボンディングワイヤ
79 バンプ
80 配線基板
82 パッド
90 下部多層配線構造
92 上部多層配線構造
94 パッド配置領域
100 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され、低誘電率膜により構成された層間絶縁膜を少なくとも一部の層に含む多層配線構造と、
前記基板上の前記多層配線構造上に形成されたパッドと、を含み、
前記多層配線構造が、
前記パッドと平面視で重なる領域に形成された配線を含む配線用層間絶縁膜と、前記パッドと平面視で重なる領域に形成されたビアを含むビア用層間絶縁膜とが積層された下部多層配線構造と、
前記下部多層配線構造上に、前記パッドと平面視で重なる領域に形成された配線を含む配線用層間絶縁膜と、前記パッドと平面視で重なる領域に形成されたビアを含むビア用層間絶縁膜とが積層された上部多層配線構造と、
前記下部多層配線構造と前記上部多層配線構造との間に形成された中間絶縁膜と、
を含み、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記上部多層配線構造の前記配線および前記ビアは、前記パッドと接続して形成され、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記中間絶縁膜には、前記上部多層配線構造の前記配線または前記ビアと、前記下部多層配線構造の前記配線または前記ビアとを接続する導電材料が形成されず、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記下部多層配線構造に含まれる前記ビア用層間絶縁膜中の前記ビアが占める面積率が、前記上部多層配線構造に含まれる前記ビア用層間絶縁膜中の前記ビアが占める面積率よりも小さい半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記下部多層配線構造に含まれる前記ビア用層間絶縁膜の少なくとも一層は、前記低誘電率膜により構成された半導体装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体装置において、
前記低誘電率膜はポーラス膜である半導体装置。
【請求項4】
請求項1から3いずれかに記載の半導体装置において、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記下部多層配線構造に含まれる前記ビア用層間絶縁膜中の前記ビアが占める面積率が、4%未満である半導体装置。
【請求項5】
請求項1から4いずれかに記載の半導体装置において、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記上部多層配線構造に含まれる前記ビア用層間絶縁膜中の前記ビアが占める面積率が7%以上である半導体装置。
【請求項6】
請求項1から5いずれかに記載の半導体装置において、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記上部多層配線構造に含まれる前記配線用層間絶縁膜中の前記配線が占める面積率が、70%以上である半導体装置。
【請求項7】
請求項1から6いずれかに記載の半導体装置において、
前記下部多層配線構造は、複数の前記ビア用層間絶縁膜を含み、
前記パッドと平面視で重なる領域において、前記下部多層配線構造の前記複数のビア用層間絶縁膜のうち、前記基板に最も近い前記ビア用層間絶縁膜の前記ビアが占める面積率が他の前記ビア用層間絶縁膜の前記ビアが占める面積率より高い半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−9713(P2011−9713A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110440(P2010−110440)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】