説明

半導体製造装置

【課題】ウェハの洗浄処理に用いる液体の不必要な使用を抑える。
【解決手段】洗浄装置1は、貯留槽10に貯留されている薬液を処理槽20に送液してウェハWの洗浄処理を行い、使用した薬液を回収ライン90で貯留槽10に回収し、その回収で不足する分を供給ライン30から補充する。この供給ライン30から補充される薬液流量を検出部41で検出し、演算部42によって単位時間当たりの積算流量を求め、それを判定部43によって閾値と比較して、供給ライン30からの薬液補充量を監視する。これにより、貯留槽10への薬液の回収不足、薬液から析出した結晶物による回収溝24aの閉塞を早期に発見し、不必要な薬液補充を抑えることが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置に関し、特に、ウェハに対して液体を用いた処理を行う半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の高集積化に伴い、狭ピッチ化した低抵抗な銅(Cu)の埋め込み配線を用いた半導体デバイスを形成する傾向がある。この場合、例えば、そのようなCu配線の上層に層間絶縁膜を形成して、そのCu配線に接続されるビアを形成するため、そのCu配線に達する微小コンタクトホールがエッチングにより形成される。通常、エッチング後には、コンタクトホールの側壁等に付着したエッチング残渣や、エッチングにより露出させたCu配線表面に生成された酸化物等を除去するため、洗浄が行われる。
【0003】
このようなエッチング後の洗浄に用いる洗浄装置は、従来、バッチ式のものが広く利用されているが、近年のウェハの大口径化に伴い、枚葉式のものも利用されるようになってきている。
【0004】
枚葉式洗浄装置では、例えば、貯留槽に蓄えられた洗浄液が送液され、その洗浄液が、回転している洗浄対象のウェハにスプレーされて、ウェハの洗浄が行われる。洗浄液には、例えば、上記のような層間絶縁膜エッチング後の洗浄処理の場合、フッ化アンモニウム、リン酸アンモニウム、臭化アンモニウム等の酸アンモニウム塩を含んだ薬液が用いられる(例えば、特許文献1参照。)。そして、ウェハの洗浄に用いられた洗浄液は、その後、フィルタを経由して元の貯留槽に戻される。これにより、貯留槽は、常にほぼ一定量の洗浄液が蓄えられた状態になり、このように洗浄液を循環利用することでコストダウンが図られている。ウェハ洗浄時に洗浄液が減少し、貯留槽への戻りが減少した場合には、未使用の洗浄液が蓄えられたより上流側の供給槽からその貯留槽に不足分の洗浄液が補充される。製造ラインでは、処理規模拡大のために、このような洗浄処理を、信頼性高く自動で行うことのできるシステムの構築が推し進められている。
【特許文献1】特開2003−100867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなエッチング後の洗浄処理を、その洗浄液として酸アンモニウム塩溶液を用い、枚葉式洗浄装置によって行う場合には、次のような問題が発生してしまう場合があった。
【0006】
即ち、ウェハ洗浄時にスプレーした酸アンモニウム塩溶液には、洗浄によりウェハから除去されたエッチング残渣、例えばポリマ等の有機系の反応生成物といった不純物が混入する。酸アンモニウム塩溶液は、そのような不純物の混入により、酸アンモニウム塩を含む結晶を生成してしまう場合がある。洗浄処理では、その洗浄効果を高めるために、用いる洗浄液中の酸アンモニウム塩の含有量を高くしたり、液温を数十度程度に昇温したりすることが行われるが、その場合、酸アンモニウム塩を含む結晶は一層生成しやすくなる。
【0007】
このような結晶は、ウェハに対する洗浄液のスプレーが行われる洗浄処理槽の内壁に析出しやすい。洗浄処理槽には、用いた洗浄液を貯留槽に戻すための回収ラインが設けられているが、洗浄液中の酸アンモニウム塩の結晶化が進むと、その結晶物によって回収ラインが塞がれてしまう場合があった。
【0008】
このように、結晶物による回収ラインの閉塞が起こると、洗浄液の貯留槽への戻りが減少してしまう。その減少分は、未使用洗浄液が蓄えられた上流側の供給槽から貯留槽に補充されるが、回収ラインが結晶物で塞がっている間は、このような補充が継続的に行われることになる。その場合、本来不必要な未使用洗浄液が消費され、洗浄液の循環利用によるメリットが失われてしまう。さらに、このような貯留槽への洗浄液の補充は、貯留槽内の洗浄液量を検知して自動で行われるために、作業者が全く気付かぬうちに行われてしまっている場合がある。
【0009】
なお、ここでは洗浄液に酸アンモニウム塩溶液を用いた洗浄液循環型の洗浄装置を例にしたが、洗浄装置或いは酸アンモニウム塩溶液に限らず、一定の条件で結晶物を生成するような液体を用いる薬液循環型の装置においては、同様の問題が起こり得る。
【0010】
このような点に鑑み、処理に用いる液体の不必要な使用を抑えることのできる半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、次のような半導体製造装置が提供される。この半導体製造装置は、所定量の液体が貯留される貯留槽、前記貯留槽に貯留された液体が用いられてウェハの処理が行われる処理槽、前記処理槽で用いられた液体を前記貯留槽に回収する回収ライン、及び前記貯留槽に前記回収ラインによる回収で不足する量の液体を供給する供給ラインを有する。さらに、この半導体製造装置は、前記供給ラインからの液体の供給に伴って変化する第1の値を検出する検出部、前記検出部で検出された前記第1の値を用いて前記供給ラインからの液体供給量に応じた第2の値を演算する演算部、及び前記演算部で演算された前記第2の値と予め設定された閾値との比較に基づき前記供給ラインからの液体供給量が正常か否かを判定する判定部を有する。
【0012】
このような半導体製造装置によれば、供給ラインから貯留槽への液体供給に伴って変化する第1の値が検出され、その第1の値が用いられて、供給ラインからの液体供給量に応じた第2の値が演算され、その第2の値が用いられて、液体供給の正常性が判定される。
【発明の効果】
【0013】
開示の半導体製造装置によれば、ウェハ処理に用いる液体の不必要な使用を効果的に抑制することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、ウェハの洗浄装置及びそのような洗浄装置を備えた洗浄システムを例に、図面を参照して詳細に説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0015】
図1は第1の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。
図1に示す第1の実施の形態の洗浄装置1は、ウェハWの洗浄処理に用いる洗浄液、ここでは酸アンモニウム塩溶液(薬液)が貯留される貯留槽10、及びその貯留槽10の薬液が用いられてウェハWの洗浄処理が行われる処理槽20を備えている。
【0016】
貯留槽10に貯留される薬液は、より上流側に設けられている供給槽に接続された供給ライン30から供給されるようになっている。供給ライン30には、貯留槽10へ供給する薬液の流量を測定する流量計31、及び開/閉によって薬液を流通/停止させるバルブ32が配置されている。
【0017】
洗浄装置1は、供給ライン30の流量計31で測定される流量を示す電気信号を検出する検出部41、検出部41で検出された電気信号の経時変化から一定時間の積算流量を求め、その積算流量を用いて単位時間当たりの積算流量を演算する演算部42を有している。さらに、洗浄装置1は、演算部42で演算された単位時間当たりの積算流量を、予め設定された単位時間当たりの積算流量の閾値と比較し、貯留槽10への薬液の供給量が正常であるか否かを判定する判定部43を有している。
【0018】
貯留槽10には、貯留されている薬液の液面を検知する第1,第2センサ61,62が設けられている。貯留槽10に貯留されている薬液が減少し、その液面が底側の第1センサ61を下回ったことが検知されると、制御部63の開弁指示信号に基づいて供給ライン30のバルブ32が開き、上側の第2センサ62で検知されるまで、薬液が補充されるようになっている。バルブ32は、第2センサ62による液面の検知後、制御部63の閉弁指示信号に基づいて閉じられるようになっている。
【0019】
なお、供給ライン30の途中には、分岐点33から、ここでは2本の分岐供給ライン34,35が設けられており、別の洗浄装置1a,1bにも同じ供給槽から薬液を供給することができるようになっている。
【0020】
貯留槽10から処理槽20までは、処理槽20に薬液を送液するための送液ライン70が設けられている。送液ライン70には、貯留槽10の薬液を送り出すポンプ71、送液する薬液を加熱するヒータ72、薬液に含まれる異物を除去するフィルタ73のほか、バルブ74、流量計75が配置されている。送液ライン70の先端部には、薬液スプレー用のノズル76が設けられている。貯留槽10から送液ライン70を送液されてきた薬液は、このノズル76からウェハW側にスプレーされるようになっている。
【0021】
また、送液ライン70の途中には、貯留槽10から送り出され、フィルタ73を通過した後の薬液を、再び貯留槽10に戻すための分岐ライン80が設けられている。分岐ライン80には、バルブ81及び流量計82が配置されている。
【0022】
送液ライン70で貯留槽10から処理槽20へ薬液を送液する際には、送液ライン70のバルブ74が開けられ、分岐ライン80のバルブ81が閉じられた状態とされる。また、分岐ライン80を用いて薬液を貯留槽10に戻す際には、送液ライン70のバルブ74が閉じられ、分岐ライン80のバルブ81が開けられた状態とされる。分岐ライン80を用いて貯留槽10の薬液を循環させることにより、処理槽20への送液前に、ヒータ72による薬液温度の安定化や、フィルタ73による異物の除去を行うことが可能になっている。
【0023】
送液ライン70からの薬液によってウェハWの洗浄処理が行われる処理槽20は、ウェハWを支持する支持台21、支持台21を回転させる回転機構22、ウェハWの周囲に配置される上カップ23、及びその下側に配置された下カップ24を備えている。
【0024】
上カップ23は、ウェハWと下カップ24の側壁との間において、下カップ24に対して昇降可能になっている。下カップ24は、ウェハWの洗浄処理に用いられた薬液を回収するための回収溝24a、及びその内側に設けられて処理槽20内に貯まる廃棄すべき薬液等の液体を廃液するための廃液溝24bを備えている。図1に示したように上カップ23が下カップ24から離れる側に上昇しているときには、回収溝24aが開口された状態になる。上カップ23が下カップ24側に下降したときには、回収溝24aが上カップ23で塞がれた状態になる。また、回収溝24aには、薬液を貯留槽10に戻すための回収ライン90との接続部にフィルタ24cが設けられている。
【0025】
図2は処理槽底部のライン配置の一例を示す模式図である。
図2に示すように、下カップ24の回収溝24aには、回収ライン90が接続されており、この回収ライン90は、図1に示したように、貯留槽10まで延びている。また、廃液溝24bには、第1廃液ライン101及び排気ライン110が接続されている。なお、排気ライン110は、その開口端が廃液溝24bの底面から一定の高さになるように設けられており、廃液溝24bに流入した薬液等が直ぐに排気ライン110内に流入してしまわないようになっている。また、排気ライン110の開口端上部には、薬液等が直接浸入するのを防止するカバー110aが設けられている。
【0026】
図1に示したように、下カップ24の回収溝24aから延びる回収ライン90には、ポンプ91及びフィルタ92が配置されおり、回収溝24aに入った薬液を貯留槽10に回収することができるようになっている。また、回収ライン90は、バルブ93を開弁状態にすることによって第2廃液ライン102と接続可能になっている。
【0027】
また、洗浄装置1には、支持台21上のウェハWに対し、薬液スプレーによる洗浄後、純水による純水洗浄を行うため、バルブ121、流量計122及びノズル123を配置した純水ライン120が設けられている。
【0028】
上記のような構成を有する洗浄装置1における処理槽20でのウェハWの洗浄処理は、例えば、次の図3及び図4に示すようにして行われる。
図3は薬液循環処理時の説明図、図4は廃液処理時の説明図である。
【0029】
まず図3には、回収溝24aに入った薬液を回収ライン90から貯留槽10に回収する場合の処理槽20の状態を示している。この場合、上カップ23は、下カップ24に対して上昇させた位置に配置される。そして、支持台21上にウェハWを配置し、回転機構22でウェハWを回転させながら、送液ライン70のノズル76からウェハWに対して薬液をスプレーし、薬液によるウェハWの洗浄処理を行う。
【0030】
このとき、ウェハWにスプレーされた薬液は、回転するウェハWに衝突した後、遠心力によってウェハWの側方へ飛ばされ、ウェハWの側方へ飛ばされた薬液は、重力によって落下しながら大部分が下カップ24の回収溝24aに回収される(図中太矢印)。ウェハWの回転数や薬液のスプレー量等の洗浄条件をコントロールすることにより、廃液溝24bへの薬液の流入は、スプレー量に対してごく少量に抑えることができる。
【0031】
但し、スプレー時の薬液温度にもよるが、スプレーされた薬液の一部は、水分を多く含むミストを発生させたり、水分が蒸発してより高濃度化されたりする場合がある。その場合、そのようなミストや蒸発した水分は排気ライン110から排気され、高濃度化された薬液が回収溝24aに回収されるようになる。また、回収溝24aには、ウェハWから洗い流された洗浄物が混入した薬液、例えば層間絶縁膜エッチング後の反応生成物等が混入した薬液が回収されるようになる。
【0032】
このようにして回収溝24aに回収された薬液は、回収ライン90を経て、混入した洗浄物がフィルタ24c,92で除去されて、貯留槽10に戻されるようになっている。貯留槽10に戻された薬液は、再び送液ライン70から処理槽20に送液され、同じ或いは別のウェハWの洗浄に用いられる。
【0033】
また、図4には、処理槽20に供給した液体を回収せずに廃液する場合の処理槽20の状態を示している。例えば、純水ライン120から純水をスプレーし、薬液洗浄後のウェハWを純水洗浄する場合に、この図4のような状態にする。この場合、上カップ23は、下カップ24側に下降させた位置に配置され、回収溝24aが上カップ23で塞がれる。そして、回転するウェハWに対してスプレーされた純水は、ウェハWの側方に飛ばされ、回収溝24aを塞いでいる上カップ23に衝突して廃液溝24bに落ち、第1廃液ライン101から廃液される(図中太矢印)。
【0034】
このように、図4に示したような状態では、薬液と純水の混合溶液、或いは純水を、回収溝24aから貯留槽10へ混入させないようにして、廃液することができるようになっている。
【0035】
ところで、処理槽20を上記図1及び図3のような状態にし、薬液を循環させてウェハWの洗浄処理を行った場合、ヒータ72の加熱による水分蒸発、スプレー時の蒸発、廃液溝24bへの流入等により、循環する薬液は徐々に減少していく。即ち、貯留槽10の薬液の液面が、洗浄処理の継続と共に次第に下がっていく。そして、液面が第1センサ61を下回ったときには、第2センサ62で液面を検知するまでバルブ32が開けられ、新たな薬液が上流側の供給槽から補充される。バルブ32の開閉は、ヒータ72による加熱温度、廃液溝24bに流入する薬液量、ウェハWの回転数、薬液のスプレー量等にも依存するが、通常は1日当たり数回程度である。
【0036】
しかし、上記のように酸アンモニウム塩を含む薬液を用いると、洗浄処理の継続と共に、酸アンモニウム塩を含む結晶が回収溝24aに析出し、回収ライン90の入口を塞いでいってしまう場合がある。このような回収ライン90の閉塞が起こると、処理槽20から貯留槽10への薬液の戻りが滞り、貯留槽10内の薬液の減少が、回収ライン90の閉塞が起こっていない正常時に比べ、より速く進行してしまう。
【0037】
図5は結晶析出の説明図である。
上記図1及び図3のようにしてウェハWの洗浄処理を継続して実施すると、その間、回収溝24aには、水分の蒸発した高濃度化された薬液や、エッチング残渣等の洗浄物が混入した薬液が回収される。この回収溝24aにおける高濃度化された酸アンモニウム塩溶液の存在や、洗浄物と酸アンモニウム塩との反応等のために、回収溝24aの側壁や底面には、図5に示すような酸アンモニウム塩を含む結晶物130が析出しやすくなる。この結晶物130の析出は、ウェハWの洗浄効果を高めるために薬液中の酸アンモニウム塩濃度を数十%迄高くしていたり、薬液温度を高くしていたりすると一層起こりやすくなる。
【0038】
そして、洗浄処理の継続と共に、析出した結晶物130が回収溝24a内に徐々に堆積していくと、回収ライン90との接続部が結晶物130によって完全に或いは大部分閉塞されてしまう場合がある。このような閉塞が起こった後も継続してウェハWの洗浄処理を実施してしまうと、洗浄に用いた薬液が回収溝24aに貯まっていってしまい、最終的には回収溝24aに貯まった薬液が溢れて廃液溝24bから廃液されていってしまうようになる(図中太矢印)。
【0039】
処理槽20でこのような回収溝24aの閉塞や、それによる薬液の廃液溝24bへの流出が起こると、回収ライン90から貯留槽10に戻る薬液が減少するため、洗浄処理を継続するほど貯留槽10内の薬液量が減少していくことになる。
【0040】
その減少は、供給ライン30からの薬液補充で補われるが、ここで仮に第1,第2センサ61,62とそれらの検知に基づくバルブ32の開閉のみで薬液補充を制御していると、回収溝24aが閉塞した場合に、新たな薬液が頻繁に補充されていってしまう。例えば、供給ライン30から補充される薬液の流量が1.0L/min、貯留槽10の第1,第2センサ61,62間の薬液量が数Lの場合、数分ごとにバルブ32が開閉されてしまうこともある。
【0041】
さらに、第1,第2センサ61,62とそれらの検知に基づくバルブ32の開閉のみで薬液補充を制御する場合であって、その制御を自動で行う場合には、このような貯留槽10への頻繁な薬液補充が作業者に気付かれにくくなってしまう。
【0042】
そこで、この洗浄装置1では、貯留槽10への薬液補充にあたり、流量計31、検出部41、演算部42及び判定部43を用い、供給ライン30から貯留槽10に補充する薬液量を監視するようにしている。
【0043】
洗浄装置1では、貯留槽10への薬液補充の際、供給ライン30から貯留槽10に補充された薬液の流量を示す電気信号(第1の値)が流量計31から検出部41に検出される。洗浄装置1の演算部42は、まず、検出部41で検出された電気信号の経時変化を用い、数時間や1日といった一定時間について、供給ライン30から貯留槽10に補充された薬液の積算流量(体積)を求める。そして、演算部42は、その積算流量を用い、貯留槽10に補充された薬液の単位時間当たりの積算流量(第2の値)を演算する。
【0044】
この演算により求められる、一定時間における単位時間当たりの積算流量は、その一定時間での貯留槽10への薬液補充量(供給ライン30からの薬液供給量)に応じた大きさの値である。即ち、この一定時間における単位時間当たりの積算流量が大きいほど、一定時間での貯留槽10への薬液補充量が多いことになる。
【0045】
洗浄装置1の判定部43は、その演算された単位時間当たりの積算流量を、予め設定された単位時間当たりの積算流量の閾値と比較し、貯留槽10への薬液補充に異常があるか否かを判定する。この判定に用いる閾値は、例えば、回収溝24aに結晶物130の析出がなく、通常の水分蒸発等を伴って薬液が貯留槽10に正常に戻ってくる場合に、供給ライン30から貯留槽10に補充される薬液の、単位時間当たりの積算流量とする。或いは、その単位時間当たりの積算流量の値にプラス及び/又はマイナス方向に一定のマージンを持たせた値とする。
【0046】
判定部43は、演算部42で演算された単位時間当たりの積算流量と閾値とを比較し、供給ライン30から補充された薬液の単位時間当たりの積算流量が閾値を下回る場合には、貯留槽10への薬液補充が正常に行われていると判定する。また、判定部43は、比較の結果、補充された薬液の単位時間当たりの積算流量が閾値を上回る場合には、貯留槽10への薬液の戻りが正常時よりも減少していて、貯留槽10への薬液補充が正常時に比べて頻繁に行われていると判定する。
【0047】
洗浄装置1で、このようにして供給ライン30から貯留槽10に補充される薬液量を監視することで、処理槽20から貯留槽10に薬液が正常に戻ってきているか、即ち、処理槽20の回収溝24aが結晶物130で閉塞されていないかを判定する。
【0048】
このように、洗浄装置1では、第1,第2センサ61,62及びバルブ32のほか、流量計31、検出部41、演算部42及び判定部43を用い、供給ライン30から貯留槽10に補充する薬液量を監視する。これにより、処理槽20の回収溝24aの閉塞や、それによる貯留槽10への薬液の戻りの減少を、迅速に見つけ出すことができ、薬液の循環系内からの不必要な廃液を抑制し、その循環系内への不必要な薬液補充を抑制することが可能になる。
【0049】
なお、この洗浄装置1では、供給ライン30から貯留槽10に補充する薬液量を、単位時間当たりの積算流量を用いて監視するようにしている。例えば、図1に示したように、供給ライン30の薬液を分岐供給ライン34,35から別の洗浄装置1a,1bにも流すことができる構成とすると、洗浄装置1の貯留槽10への薬液補充と同時に、洗浄装置1a,1bの貯留槽にも薬液補充が行われることもある。上流側の供給槽からの供給圧力が一定の場合には、各洗浄装置1,1a,1bに補充される薬液の流量には差が生じてくる。その流量の差は、薬液補充が行われる洗浄装置1,1a,1b等の台数が多くなるほど起こりやすくなる。洗浄装置1について、単に供給ライン30の流量計31から検出される流量を一定の閾値と比較することによって異常を判定しようとすると、常に精度の良い判定が行えるとは限らない。従って、別の洗浄装置1a,1bとも接続される洗浄装置1について、貯留槽10に補充される薬液量を精度良く監視するためには、供給ライン30での単位時間当たりの積算流量を用いることが好ましい。
【0050】
以上、第1の実施の形態の洗浄装置1について説明したが、この洗浄装置1には、さらに、判定部43による判定結果を表示する表示部を設けるようにしてもよい。
なお、上記の洗浄装置1において、判定部43が異常と判定した場合には、表示部に表示された判定結果を見た作業者が、或いは洗浄装置1が自動で、ウェハWの洗浄処理を停止し、異常の原因となった結晶物130を溶解する純水洗浄等を行うようにすればよい。
【0051】
また、上記の洗浄装置1においては、供給ライン30に流量計31を配置し、その電気信号を用いて薬液循環系内の異常の有無を判定するようにしたが、他の部分に設けた流量計を用いて異常の有無を判定することも可能である。
【0052】
例えば、回収ライン90の回収溝24aとポンプ91の間に流量計を配置し、この部分で測定される流量を用い、薬液循環系内の異常即ち回収溝24aの閉塞の有無を判定する。但し、この部分は、回収される薬液のほか、処理槽20側から大気が流入する可能性が高いため、測定される流量の取り扱いに十分に留意する必要がある。
【0053】
或いは、第1廃液ライン101に流量計を配置し、回収溝24aから廃液溝24bに溢れ出してくる薬液の流量を測定することで、回収溝24aの閉塞の有無を判定する。但し、この部分は、薬液洗浄後の純水洗浄時の液が流れる所でもあり、測定される流量が、溢れ出した薬液であるのか、純水洗浄時の液であるのかを明確に区別しなければならない点に十分に留意する必要がある。
【0054】
次に、第2の実施の形態について説明する。
図6は第2の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。なお、図6では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0055】
図6に示す第2の実施の形態の洗浄装置200は、供給ライン30のバルブ32の開閉状態を示す電気信号を検出する検出部201、その検出された電気信号を用いて演算を行う演算部202、及びその演算結果を用いて異常の有無を判定する判定部203を有している。洗浄装置200は、この点において上記第1の実施の形態の洗浄装置1と相違している。
【0056】
処理槽20の回収溝24aの閉塞によって貯留槽10への薬液の戻りが減少すると、回収溝24aの閉塞が起こっていない正常時に比べ、一定時間におけるバルブ32の開閉動作がより頻繁に行われるようになる。このことから、この洗浄装置200では、例えば、一定時間における単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数により、供給ライン30から貯留槽10に補充される薬液量を監視し、薬液の循環系内における異常の有無を判定する。
【0057】
この場合、バルブ32には、その開閉状態を電気信号として検出部201により検出可能なものを使用する。洗浄装置200では、まず、演算部202が、検出部201で検出された電気信号(第1の値)の経時変化を用い、一定時間における単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数(第2の値)を演算する。この演算により求められる一定時間における単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数は、その一定時間での貯留槽10への薬液補充量に応じた大きさの値であり、この値が大きいほど、一定時間での貯留槽10への薬液補充量が多いということになる。
【0058】
そして、演算後は、判定部203が、その演算された単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数を、予め設定された単位時間当たりの開閉動作回数の閾値と比較し、貯留槽10への薬液補充に異常があるか否かを判定する。この判定に用いる閾値は、例えば、回収溝24aに結晶物130の析出がなく、薬液が貯留槽10に正常に戻ってくる場合に供給ライン30から貯留槽10に薬液が補充されるときの、単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数とする。或いは、その単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数の値にプラス及び/又はマイナス方向に一定のマージンを持たせた値とする。
【0059】
判定部203は、演算部202で演算された単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数と閾値とを比較し、その値が閾値を下回る場合には、貯留槽10への薬液補充が正常に行われていると判定する。また、判定部203は、比較の結果、演算された単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数が閾値を上回る場合には、貯留槽10への薬液の戻りが正常時よりも減少していて、貯留槽10への薬液補充が正常時に比べて頻繁に行われていると判定する。
【0060】
このような洗浄装置200によっても、処理槽20の回収溝24aの閉塞を迅速に見つけ出すことができ、薬液の循環系内からの不必要な廃液を抑制し、その循環系内への不必要な薬液補充を抑制することが可能になる。
【0061】
また、第2の実施の形態の洗浄装置200では、このように単位時間当たりのバルブ32の開閉動作回数を用いるほか、バルブ32のある開閉動作から次の開閉動作までのインターバル時間によって薬液の循環系内における異常の有無を判定することも可能である。例えば、インターバル時間として、バルブ32の先の開閉動作における閉弁から、次の開閉動作における開弁までの時間を用いる。
【0062】
処理槽20の回収溝24aに閉塞が起こっていると、貯留槽10への薬液の戻りが正常時よりも減少し、供給ライン30からの薬液補充がより頻繁となるため、バルブ32の開閉動作のインターバル時間が短くなる。このことから、洗浄装置200では、検出部201でバルブ32の開閉状態を示す電気信号(第1の値)を検出し、演算部202で所定のインターバル時間(第2の値)を演算して、それを判定部203で予め設定された閾値と比較する。判定部203は、演算部202で得られたインターバル時間が閾値を上回れば正常と判定し、閾値を下回れば異常と判定する。これにより、薬液の循環系内における異常の有無を判定することができる。
【0063】
次に、第3の実施の形態について説明する。
図7は第3の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。なお、図7では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0064】
図7に示す第3の実施の形態の洗浄装置300は、第1,第2センサ61,62による液面の検知信号を検出する検出部301、その検知信号を用いて演算を行う演算部302、及びその演算結果を用いて異常の有無を判定する判定部303を有している。洗浄装置300は、この点において上記第1の実施の形態の洗浄装置1と相違している。
【0065】
第1,第2センサ61,62では、貯留槽10への薬液補充のたびに、貯留槽10内の薬液の液面が検知される。従って、貯留槽10に薬液が頻繁に補充されるほど、第1,第2センサ61,62による検知回数は増加する。
【0066】
洗浄装置300では、演算部302が、第1,第2センサ61,62から検出部301で検出される検知信号(第1の値)の経時変化を用い、例えば、一定時間における単位時間当たりの第1,第2センサ61,62による検知回数(第2の値)を演算する。そして、判定部303が、その演算された単位時間当たりの検知回数を、予め設定された単位時間当たりの検知回数の閾値と比較し、貯留槽10への薬液補充に異常があるか否かを判定する。
【0067】
また、貯留槽10に薬液が頻繁に補充されるほど、先の薬液補充時の第1,第2センサ61,62による検知と、その次の薬液補充時の第1,第2センサ61,62による検知とのインターバル時間は短くなる。このことから、検知のインターバル時間を用いて異常の有無を判定するようにしてもよい。
【0068】
この場合、洗浄装置300では、演算部302が、第1,第2センサ61,62から検出部301で検出される検知信号(第1の値)の経時変化を用い、第1,第2センサ61,62による検知のインターバル時間(第2の値)を演算する。そして、判定部303が、その演算されたインターバル時間を、予め設定されたインターバル時間の閾値と比較し、演算部302で得られたインターバル時間が閾値を上回れば貯留槽10への薬液補充が正常であると判定し、閾値を下回れば異常と判定する。
【0069】
このような洗浄装置300によっても、異常を迅速に見つけ出し、薬液の循環系内からの不必要な廃液を抑制し、その循環系内への不必要な薬液補充を抑制することができるようになる。
【0070】
次に、第4の実施の形態について説明する。
図8は第4の実施の形態の洗浄システムの概略構成図である。なお、図8では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0071】
図8に示す第4の実施の形態の洗浄システム400は、同じ供給槽404から薬液補充が行われる洗浄装置1,1a,1bを有している。ここでは、供給槽404から供給ライン30が延び、その末端側に洗浄装置1が配置され、この供給ライン30の途中の分岐点33から分岐供給ライン34,35が延び、その末端側にそれぞれ洗浄装置1a,1bが配置されている。
【0072】
供給ライン30には、供給槽404から分岐点33までの間に、ポンプ405、バルブ406及びフィルタ407が配置されている。バルブ406には、その開閉状態を電気信号として検出可能なものが使用される。洗浄システム400は、バルブ406の開閉動作を検出する検出部401、その検出された電気信号を用いて演算を行う演算部402、及びその演算結果を用いて異常の有無を判定する判定部403を有している。なお、この洗浄システム400では、個々の洗浄装置1,1a,1bは、必ずしも検出部、演算部及び判定部を備えていることを要しない。
【0073】
洗浄システム400では、個々の洗浄装置1,1a,1bのうち、例えば洗浄装置1の貯留槽10において、薬液の液面が第1センサ61で検知されると、制御部63によりバルブ406,32が共に開けられ、第2センサ62で液面が検知されるまで薬液が補充される。同様に、洗浄装置1aの貯留槽10aで薬液の液面が第1センサ61aで検知されると、制御部63aによりバルブ406,32aが共に開けられ、第2センサ62aで液面が検知されるまで薬液が補充される。洗浄装置1bの貯留槽10bでも同様に、薬液の液面が第1センサ61bで検知されると、制御部63bによりバルブ406,32bが共に開けられ、第2センサ62bで液面が検知されるまで薬液が補充される。
【0074】
このように洗浄システム400では、個々の洗浄装置1,1a,1bの貯留槽10,10a,10bに対する薬液補充が、同じ供給槽404からそれぞれ行われるようになっている。このような洗浄システム400においては、個々の洗浄装置1,1a,1bのいずれかで薬液の循環系内における閉塞が発生していると、結果的にその上流のバルブ406の開閉頻度が増加するようになる。
【0075】
そこで、この洗浄システム400では、まず、演算部402が、検出部401で検出された電気信号の経時変化を用い、例えば、一定時間における単位時間当たりのバルブ406の開閉動作回数を演算する。そして、判定部403が、その演算された単位時間当たりのバルブ406の開閉動作回数を、予め設定された単位時間当たりの開閉動作回数の閾値と比較し、貯留槽10,10a,10bのいずれかへの薬液補充に異常があるか否かを判定する。
【0076】
また、この洗浄システム400では、バルブ406の開閉動作回数のほか、バルブ406のある開閉動作から次の開閉動作までのインターバル時間によって、貯留槽10,10a,10bのいずれかへの薬液補充に異常があるか否かを判定することも可能である。
【0077】
このような洗浄システム400によっても、異常を迅速に見つけ出し、薬液の循環系内からの不必要な廃液を抑制し、その循環系内への不必要な薬液補充を抑制することが可能になる。
【0078】
なお、この洗浄システム400においては、個々の洗浄装置1,1a,1bのそれぞれに、或いはいずれかに、検出部、演算部及び判定部を設けておき、それらを用いてバルブ406からの電気信号を基に異常の有無を判定するようにすることも可能である。
【0079】
次に、第5の実施の形態について説明する。
図9は第5の実施の形態の洗浄システムの概略構成図である。なお、図9では、図8に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0080】
図9に示す第5の実施の形態の洗浄システム500は、供給槽404に窒素(N2)等の加圧用ガスを供給するためのガス供給ライン510、ガス供給ライン510に配置された加圧制御用のバルブ511を有している。バルブ511には、その開閉状態を電気信号として検出可能なものが使用される。供給ライン30には、フィルタ407が配置されている。また、洗浄システム500は、バルブ511の開閉状態を示す電気信号を検出する検出部501、その検出された電気信号を用いて演算を行う演算部502、及びその演算結果を用いて異常の有無を判定する判定部503を有している。なお、この洗浄システム500では、個々の洗浄装置1,1a,1bは、必ずしも検出部、演算部及び判定部を備えていることを要しない。
【0081】
洗浄システム500では、例えば洗浄装置1の貯留槽10において薬液の液面が第1センサ61で検知されると、バルブ511が開けられて供給槽404内の薬液が加圧されると共に、バルブ32が開けられて第2センサ62が液面を検知するまで薬液が補充される。他の洗浄装置1a,1bの場合も同様である。
【0082】
このような洗浄システム500においては、個々の洗浄装置1,1a,1bのいずれかで薬液の循環系内における閉塞が発生していると、結果的にガスの加圧を制御するバルブ511の開閉頻度が増加するようになる。
【0083】
そこで、この洗浄システム500では、まず、演算部502が、検出部501で検出された電気信号の経時変化を用い、例えば、一定時間における単位時間当たりのバルブ511の開閉動作回数を演算する。そして、判定部503が、その演算された単位時間当たりのバルブ511の開閉動作回数を、予め設定された単位時間当たりの開閉動作回数の閾値と比較し、貯留槽10,10a,10bのいずれかへの薬液補充に異常があるか否かを判定する。
【0084】
なお、洗浄システム500では、バルブ511の開閉動作回数のほか、バルブ511のある開閉動作から次の開閉動作までのインターバル時間によって、貯留槽10,10a,10bのいずれかへの薬液補充に異常があるか否かを判定することも可能である。
【0085】
また、洗浄システム500では、個々の洗浄装置1,1a,1bのそれぞれに、或いはいずれかに、検出部、演算部及び判定部を設けておき、それらを用いてバルブ511からの電気信号を基に異常の有無を判定するようにすることも可能である。
【0086】
このような洗浄システム500によっても、異常を迅速に見つけ出し、薬液の循環系内からの不必要な廃液を抑制し、その循環系内への不必要な薬液補充を抑制することが可能になる。
【0087】
次に、第6の実施の形態について説明する。
図10は第6の実施の形態の洗浄システムの概略構成図である。なお、図10では、図8に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0088】
図10に示す第6の実施の形態の洗浄システム600は、供給ライン30にバルブ406及びフィルタ407が配置され、供給槽404内の薬液が常時ガスで加圧されるようになっている。
【0089】
この洗浄システム600では、例えば洗浄装置1の貯留槽10において薬液の液面が第1センサ61で検知されると、バルブ406,32が共に開けられ、加圧されている供給槽404内の薬液が、第2センサ62で液面が検知されるまで貯留槽10に補充される。他の洗浄装置1a,1bの場合も同様である。
【0090】
洗浄システム600では、上記洗浄システム400と同様、検出部401及び演算部402により、一定時間における単位時間当たりのバルブ406の開閉動作回数が演算され、判定部403により、閾値との比較が行われて異常の有無が判定される。また、洗浄システム400と同様、バルブ406のインターバル時間によって異常の有無を判定することも可能である。
【0091】
このような洗浄システム600によっても、異常を迅速に見つけ出し、薬液の循環系内からの不必要な廃液を抑制し、その循環系内への不必要な薬液補充を抑制することが可能になる。
【0092】
次に、第7の実施の形態について説明する。
図11は第7の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。なお、図11では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0093】
図11に示す第7の実施の形態の洗浄装置700は、処理槽20の下カップ24に設けられたバイパスライン710を有している。バイパスライン710の一端は、回収溝24aの回収ライン90との接続部近傍に接続され、他端は、より上方の位置で回収溝24aの側面に接続されている。バイパスライン710は、その両端で回収溝24aと連通されている。さらに、この洗浄装置700は、そのバイパスライン710の所定高さの位置に配置された液面検知用のセンサ711を有している。
【0094】
なお、バイパスライン710は、内部の薬液の液面を、外部に配置したセンサ711で検知可能な材料を用いて形成される。或いは、センサ711を配置する所定高さの位置の一部のみが、そのような材料を用いて形成されていてもよい。
【0095】
このような構成を有する洗浄装置700において、回収溝24aと回収ライン90との接続部に結晶物130が析出し、その接続部が閉塞されてしまうと、その後、回収溝24a内には薬液L1が貯まっていくようになる。洗浄装置700では、そのように回収溝24a内に貯まっていく薬液L1が、回収溝24aと共に、それに連通するバイパスライン710内にも下部から流入して貯まっていくようになっている。
【0096】
このとき、回収溝24a内の薬液L1の液面と、バイパスライン710内の薬液L1の液面とはほぼ一致する。即ち、バイパスライン710内の薬液L1の液面がセンサ711で検知された場合には、回収溝24a内にもその検知位置程度まで薬液L1が貯まっている考えることができる。洗浄装置700では、このセンサ711の検知により、回収溝24aの閉塞の有無が判定される。
【0097】
このような洗浄装置700によっても、異常を迅速に見つけ出し、薬液の循環系内からの不必要な廃液を抑制し、その循環系内への不必要な薬液補充を抑制することが可能になる。
【0098】
なお、ここでは、バイパスライン710を設け、そこに流入した薬液L1の液面をセンサ711によって検知することとしたが、バイパスライン710を設けず、回収溝24a内に貯まった薬液L1の液面を所定高さの位置で直接検知可能なセンサを設けてもよい。例えば、回収溝24aの側壁の所定高さの位置に窓を設け、回収溝24a内の薬液L1が窓の位置に達したときの液面を、窓の外から検知するセンサを設けることができる。
【0099】
また、この第7の実施の形態で述べた手法は、第2,第3の実施の形態の洗浄装置200,300、及び第4,第5,第6の実施の形態の洗浄システム400,500,600においても同様に適用可能である。
【0100】
次に、第8の実施の形態について説明する。
図12は第8の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。なお、図12では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0101】
図12に示す第8の実施の形態の洗浄装置800は、回収溝24aに純水を供給する純水供給ライン810、バルブ811及びヒータ812が設けられ、回収ライン90にバルブ94が設けられている点で、上記第1の実施の形態の洗浄装置1と相違する。この洗浄装置800における薬液の循環系内の異常の有無は、上記第1の実施の形態で述べたのと同様にして判定される。
【0102】
ここで、この洗浄装置800において、回収溝24aの結晶物130による閉塞により、薬液の循環系内に異常があると判定された場合を想定する。
その場合、まず、送液ライン70のバルブ74が閉じられ、処理槽20への送液が停止される。その後、この洗浄装置800では、回収ライン90のバルブ93,94を閉じた状態で、純水供給ライン810のバルブ811が開けられ、回収溝24a内に一定量の常温の純水又はヒータ812で加熱した純水(温水)L2が貯められ、バルブ811が閉じられる。
【0103】
酸アンモニウム塩を含む結晶は、純水に非常に溶解しやすい性質を有している。そのため、このように回収溝24aに純水L2を貯めることで、比較的容易に結晶物130を溶解させることができる。
【0104】
結晶物130を溶解させた後は、回収ライン90のバルブ94は閉じたまま、バルブ93を開き、回収溝24a内の純水L2に結晶物130を溶解させた液体を、第2廃液ライン102から廃液する。
【0105】
このような純水を用いた回収溝24aの洗浄処理を1回又は複数回実施し、回収溝24aから結晶物130を除去する。その後は、バルブ93を閉じ、貯留槽10に通じる側のバルブ94を開け、貯留槽10内の薬液を用いたウェハWの洗浄処理を再開すればよい。
【0106】
洗浄装置800では、このような処理槽20の洗浄処理が、薬液の循環系内に異常があると判定された後、その判定結果に基づき、自動で行われるようになっている。
このような洗浄装置800によれば、不必要な薬液の使用を抑制することが可能になるほか、ウェハWの洗浄処理及び処理槽20の洗浄処理を、自動で安定的に行うことが可能になる。
【0107】
なお、この洗浄装置800において、回収溝24a内に純水L2を貯める際には、その量、即ち回収溝24a内での液面の高さに十分留意する必要がある。これは、回収溝24aから廃液溝24bに溢れるほどの純水L2を入れてしまうと、溢れた純水L2が廃液溝24bに設けた排気ライン110に流入してしまう可能性があるためである。このような観点から、回収溝24aには、その内部に貯めた純水L2の液面高さを検知するセンサ820を設けておくことが好ましい。このほか、上記第7の実施の形態で述べたような薬液L1の液面高さを検知するための機構を、この第8の実施の形態の純水L2の液面高さの検知に流用してもよい。
【0108】
また、この第8の実施の形態で述べた処理槽20の洗浄処理手法は、第2,第3,第7の実施の形態の洗浄装置200,300,700、及び第4,第5,第6の実施の形態の洗浄システム400,500,600においても同様に適用可能である。
【0109】
次に、第9の実施の形態について説明する。
図13は第9の実施の形態の洗浄装置が備える処理槽の概略構成図である。なお、図13では、図1に示した要素と同一の要素については同一の符号を付している。
【0110】
図13に示す処理槽900には、回収溝24aと連通する回収ライン90の開口端90aが、回収溝24aの底面から一定の高さになるように設けられている。このように、図13に示した処理槽900には、回収ライン90の開口端90aの高さに液面が達するまでの一定量の薬液等の液体L3を貯めておくことができるようになっている。
【0111】
このような処理槽900では、貯まっている液体L3内には飽和限界濃度までは結晶物130が析出しにくく、その液面より上の回収溝24aの壁面に結晶物130が析出しやすい。そのため、回収ライン90の開口端90aが結晶物130で閉塞されにくい。たとえ回収溝24aの壁面から結晶物130が剥がれ落ちて開口端90aを塞いでも、その結晶物130が、既存の液体L3或いは後続の液体と接触することで溶解されやすいため、開口端90aが閉塞され続けることは起こりにくい。
【0112】
このように、処理槽900では、結晶物130の析出を遅らせ、析出した結晶物130をある程度まで液体L3内に溶解させることで、回収ライン90の開口端90aが結晶物130で閉塞されにくくなっている。これにより、薬液の循環系内に異常があると判定される頻度を減らすことが可能になり、また、結晶物130を除去するための洗浄処理の回数を減らすことが可能になる。
【0113】
なお、この第9の実施の形態で述べた手法は、第2,第3,第7,第8の実施の形態の洗浄装置200,300,700,800、及び第4,第5,第6の実施の形態の洗浄システム400,500,600においても同様に適用可能である。
【0114】
以上説明したように、ウェハの洗浄装置及び洗浄システムにおいて、薬液が不足する貯留槽に対する薬液の補充に伴って変化する薬液流量やバルブの開閉状態に基づき、貯留槽に補充される薬液量を監視する。或いは、貯留槽へ回収されずに処理槽に貯まってしまった薬液量を監視する。また、処理槽に常に一定量の液体が貯まるようにして結晶析出を抑制する。
【0115】
これにより、洗浄装置が備える回収ラインが閉塞してしまうのを抑制し、洗浄装置からの薬液の不必要な廃液や、不必要な薬液補充を抑制することのできる洗浄装置及び洗浄システムが実現可能になる。
【0116】
なお、上記の洗浄装置及び洗浄システムにおいて、ポンプの稼動や停止、バルブの開閉、ヒータによる加熱等の処理機能や、制御部、検出部、演算部及び判定部の各信号処理等の処理機能は、コンピュータを用いて実現することが可能である。その場合、コンピュータとしては、個々の洗浄装置が備えるコンピュータのほか、複数台の洗浄装置に接続されたコンピュータを用いることが可能である。
【0117】
また、ここではウェハの洗浄装置及び洗浄システムを例に説明したが、上記の洗浄装置及び洗浄システムにおいて用いた手法は、一定の条件で結晶を析出するような液体を用いる薬液循環型の装置に同様に適用可能である。
【0118】
以上説明した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) 所定量の液体が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽に貯留された液体が用いられてウェハの処理が行われる処理槽と、
前記処理槽で用いられた液体を前記貯留槽に回収する回収ラインと、
前記貯留槽に前記回収ラインによる回収で不足する量の液体を供給する供給ラインと、
前記供給ラインからの液体の供給に伴って変化する第1の値を検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記第1の値を用いて前記供給ラインからの液体供給量に応じた第2の値を演算する演算部と、
前記演算部で演算された前記第2の値と予め設定された閾値との比較に基づき前記供給ラインからの液体供給量が正常か否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする半導体製造装置。
【0119】
(付記2) 前記第1の値は、前記供給ラインを流れる液体の流量であり、
前記第2の値は、一定時間に検出される前記流量を用いて演算された単位時間当たりの積算流量であることを特徴とする付記1記載の半導体製造装置。
【0120】
(付記3) 前記供給ラインは、前記貯留槽と異なる他の貯留槽に液体を供給する分岐供給ラインが接続された分岐点を有し、
前記第1の値は、前記分岐点から前記貯留槽までの間の液体の流量であることを特徴とする付記2記載の半導体製造装置。
【0121】
(付記4) 前記供給ラインは、前記供給ラインからの液体供給時に開閉されるバルブを有し、
前記第1の値は、前記バルブの開閉状態を示す信号であり、
前記第2の値は、一定時間に検出される前記信号を用いて演算された単位時間当たりの前記バルブの開閉動作回数、又は前記バルブの先の開閉動作と後の開閉動作との間のインターバル時間であることを特徴とする付記1記載の半導体製造装置。
【0122】
(付記5) 前記供給ラインは、前記貯留槽と異なる他の貯留槽に液体を供給する分岐供給ラインが接続された分岐点を有し、
前記バルブは、前記分岐点から前記貯留槽までの間に設けられていることを特徴とする付記4記載の半導体製造装置。
【0123】
(付記6) 前記供給ラインは、前記貯留槽と異なる他の貯留槽に液体を供給する分岐供給ラインが接続された分岐点を有し、
前記バルブは、前記分岐点より上流側に設けられていることを特徴とする付記4記載の半導体製造装置。
【0124】
(付記7) 前記分岐点の上流側に配置され前記貯留槽及び前記他の貯留槽へ供給する液体が貯留された供給槽と、前記供給槽内へのガスによる加圧によって前記供給槽内の液体を前記供給ラインに送り出すガス供給ラインと、を有し、
前記バルブは、前記ガス供給ラインに設けられた、前記供給槽内へのガスによる加圧を制御する制御バルブであることを特徴とする付記6記載の半導体製造装置。
【0125】
(付記8) 前記貯留槽に貯留されている液体の液面高さを検知するセンサを有し、
前記第1の値は、前記センサによる検知を示す信号であり、
前記第2の値は、一定時間に検出される前記信号を用いて演算された単位時間当たりの前記センサの検知回数、又は前記センサによる先の検知と後の検知との間のインターバル時間であることを特徴とする付記1記載の半導体製造装置。
【0126】
(付記9) 前記処理槽内に貯まった液体の液面高さを検知する検知部を備えることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の半導体製造装置。
(付記10) 前記処理槽内の前記回収ラインとの連通部を含む領域に水を供給する水供給ラインを備えることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の半導体製造装置。
【0127】
(付記11) 前記水供給ラインを流れる水を加熱する加熱部を備えることを特徴とする付記10記載の半導体製造装置。
(付記12) 前記回収ラインは、前記処理槽内に延在し、前記処理槽内の前記回収ラインの開口端が、前記処理槽内の底面から所定高さの位置に設けられていることを特徴とする付記1から12のいずれかに記載の半導体製造装置。
【0128】
(付記13) 所定量の液体が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽に貯留された液体が用いられてウェハの処理が行われる処理槽と、
前記処理槽で用いられた液体を前記貯留槽に回収する回収ラインと、
前記処理槽内に貯まった液体の液面高さを検知する検知部と、
を有することを特徴とする半導体製造装置。
【0129】
(付記14) 前記処理槽内の前記回収ラインとの連通部を含む領域に水を供給する水供給ラインを備えることを特徴とする付記13記載の半導体製造装置。
(付記15) 前記水供給ラインを流れる水を加熱する加熱部を備えることを特徴とする付記14記載の半導体製造装置。
【0130】
(付記16) 前記回収ラインは、前記処理槽内に延在し、前記処理槽内の前記回収ラインの開口端が、前記処理槽内の底面から所定高さの位置に設けられていることを特徴とする付記13から15のいずれかに記載の半導体製造装置。
【0131】
(付記17) 所定量の液体が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽に貯留された液体が用いられてウェハの処理が行われる処理槽と、
前記処理槽で用いられた液体を前記貯留槽に回収する回収ラインと、
を有し、
前記回収ラインは、前記処理槽内に延在し、前記処理槽内の前記回収ラインの開口端が、前記処理槽内の底面から所定高さの位置に設けられていることを特徴とする半導体製造装置。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】第1の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。
【図2】処理槽底部のライン配置の一例を示す模式図である。
【図3】薬液循環処理時の説明図である。
【図4】廃液処理時の説明図である。
【図5】結晶析出の説明図である。
【図6】第2の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。
【図7】第3の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。
【図8】第4の実施の形態の洗浄システムの概略構成図である。
【図9】第5の実施の形態の洗浄システムの概略構成図である。
【図10】第6の実施の形態の洗浄システムの概略構成図である。
【図11】第7の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。
【図12】第8の実施の形態の洗浄装置の概略構成図である。
【図13】第9の実施の形態の洗浄装置が備える処理槽の概略構成図である。
【符号の説明】
【0133】
1,1a,1b,200,300,700,800 洗浄装置
10,10a,10b 貯留槽
20,900 処理槽
21 支持台
22 回転機構
23 上カップ
24 下カップ
24a 回収溝
24b 廃液溝
24c,73,92,407 フィルタ
30 供給ライン
31,75,82,122 流量計
32,32a,32b,74,81,93,94,121,406,511,811 バルブ
33 分岐点
34,35 分岐供給ライン
41,201,301,401,501 検出部
42,202,302,402,502 演算部
43,203,303,403,503 判定部
61,61a,61b 第1センサ
62,62a,62b 第2センサ
63,63a,63b 制御部
70 送液ライン
71,91,405 ポンプ
72,812 ヒータ
76,123 ノズル
80 分岐ライン
90 回収ライン
90a 開口端
101 第1廃液ライン
102 第2廃液ライン
110 排気ライン
110a カバー
120 純水ライン
130 結晶物
400,500,600 洗浄システム
404 供給槽
510 ガス供給ライン
710 バイパスライン
711,820 センサ
810 純水供給ライン
W ウェハ
L1 薬液
L2 純水
L3 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の液体が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽に貯留された液体が用いられてウェハの処理が行われる処理槽と、
前記処理槽で用いられた液体を前記貯留槽に回収する回収ラインと、
前記貯留槽に前記回収ラインによる回収で不足する量の液体を供給する供給ラインと、
前記供給ラインからの液体の供給に伴って変化する第1の値を検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記第1の値を用いて前記供給ラインからの液体供給量に応じた第2の値を演算する演算部と、
前記演算部で演算された前記第2の値と予め設定された閾値との比較に基づき前記供給ラインからの液体供給量が正常か否かを判定する判定部と、
を有することを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
前記第1の値は、前記供給ラインを流れる液体の流量であり、
前記第2の値は、一定時間に検出される前記流量を用いて演算された単位時間当たりの積算流量であることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記供給ラインは、前記供給ラインからの液体供給時に開閉されるバルブを有し、
前記第1の値は、前記バルブの開閉状態を示す信号であり、
前記第2の値は、一定時間に検出される前記信号を用いて演算された単位時間当たりの前記バルブの開閉動作回数、又は前記バルブの先の開閉動作と後の開閉動作との間のインターバル時間であることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記貯留槽に貯留されている液体の液面高さを検知するセンサを有し、
前記第1の値は、前記センサによる検知を示す信号であり、
前記第2の値は、一定時間に検出される前記信号を用いて演算された単位時間当たりの前記センサの検知回数、又は前記センサによる先の検知と後の検知との間のインターバル時間であることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記処理槽内の前記回収ラインとの連通部を含む領域に水を供給する水供給ラインを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の半導体製造装置。
【請求項6】
所定量の液体が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽に貯留された液体が用いられてウェハの処理が行われる処理槽と、
前記処理槽で用いられた液体を前記貯留槽に回収する回収ラインと、
前記処理槽内に貯まった液体の液面高さを検知する検知部と、
を有することを特徴とする半導体製造装置。
【請求項7】
所定量の液体が貯留される貯留槽と、
前記貯留槽に貯留された液体が用いられてウェハの処理が行われる処理槽と、
前記処理槽で用いられた液体を前記貯留槽に回収する回収ラインと、
を有し、
前記回収ラインは、前記処理槽内に延在し、前記処理槽内の前記回収ラインの開口端が、前記処理槽内の底面から所定高さの位置に設けられていることを特徴とする半導体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−40756(P2010−40756A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201908(P2008−201908)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】