説明

単結晶CVDダイヤモンドの新規なレーザー用途

ダイヤモンド成長表面の温度が900〜1,400℃の範囲であり、かつこのダイヤモンドがヒートシンクに取り付けられた方法により製造された単結晶CVDダイヤモンド。ダイヤモンドの成長は、単位H2当たりCH4が8%超の、150トル超の雰囲気の成膜チャンバー内でマイクロ波プラズマCVD法により行われる。このダイヤモンドは、レーザー用ヒートシンクとして使用できる。周波数変換器として、単結晶ダイヤモンドを含むラマンレーザー変換器用χ(3)非線形結晶質としての別の用途がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府出資の供述)
本発明は、国立科学財団(米国)によって与えられた認可番号EAR‐0421020のもとで政府の援助でなされたものである。政府は本発明の一定の権利を有する。
【0002】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、ダイヤモンドのレーザー関連用途に関係する。より具体的には、本発明は、成膜チャンバー内でマイクロ波プラズマ化学蒸着法(MPCVD)を用いて製造した単結晶ダイヤモンドのレーザー関連用途に関係する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の説明)
ダイヤモンドは、その宝石としての特性に加えて、最も硬い既知物質であり、最も高い既知の熱伝導率を有しており、幅広い種類の電磁放射線に対して透明である。また、ダイヤモンドは、その高いラマン周波数シフト(Δν=1332.5cm-1)と非常に高いラマン利得係数(g>15cm・GW-1)を組み合わせること[G.A.Pasmanik,Laser Focus World 35,137(1999)]により、誘導ラマン散乱(SRS)発生の最も興味ある結晶の一つである。モノクリスタリン(または単結晶)ダイヤモンドは、特に、低熱膨張係数、最も高い既知の熱伝動率、化学的不活性、耐摩耗性、低摩擦、及び紫外線(UV)から遠赤外線(IR)までの光学的透明性を含む、幅広い範囲の重要な特性を有している。したがって、それは、宝石としてのその価値に加えて多数の産業及び研究用途におけるその広範な用途のために貴重なものである。
【0004】
少なくとも過去20年間、化学蒸着法(CVD)による少量のダイヤモンドを製造する方法は入手可能であった。B.V.Spitsyn等、「ダイヤモンド及びその他の表面でダイヤモンド蒸気の成長」(Vapor Growth of Diamond on Diamond and Other Surfaces)、Journal of Crystal Growth、vol.52、219〜226頁によって報告されているように、その方法は、減圧下及び800〜1,200℃の温度で、メタン又は他の単純な炭化水素と、水素ガスの組み合わせを用いて、基体上へのダイヤモンドのCVDを必要とする。水素ガスを含むことによって、ダイヤモンドが核をなし成長する時に、黒鉛の生成が防止される。この技術で、1μm/時間までの成長速度が報告されている。
【0005】
その後の研究、例えば、「マイクロ波プラズマ内ガス相からのダイヤモンドの合成」(Diamond Synthesis from Gas Phase in Microwave Plasma)、Journal of Crystal Growth、vol.62、642〜644頁に報告されているKamo等のそれは、マイクロ波プラズマ化学蒸着法(MPCVD)を使用して、800〜1,000℃の温度の中、1〜8kPaの圧力で、2.45GHzの周波数での300〜700Wのマイクロ波出力により、ダイヤモンドを製造することを実証した。Kamo等の方法では、1〜3%の濃度のメタンガスが使用された。このMPCVD法を使用して、3μm/時間の最大成長速度が報告されている。上記の方法において、そして多数の他の報告された方法において、成長速度は、1時間当たりわずか数マイクロメーターに限定されている。
【0006】
しかし、最近の試みは、MPCVD法で成長したダイヤモンドの成長速度、品質及びサイズを向上させている。
【0007】
Hemleyらの米国特許第6,858,078号は、ダイヤモンド製造の装置及び方法を対象にしたもので、その全文を参考として本明細書に援用する。
【0008】
2006年5月23日出願の米国特許出願番号11/438,260は、成膜チャンバー内でマイクロ波プラズマ化学蒸着法(MPCVD)を用いて、高成長速度で、無色、単結晶ダイヤモンドの製造を対象としたもので、その全文を参考として本明細書に援用する。
【0009】
2006年11月15日出願の米国特許出願番号11/599,361は、高成長速度で製造された無色、単結晶ダイヤモンドの新規用途を対象としたもので、その全文を参考として本明細書に援用する。また、この出願は、高成長速度で種々の色の単結晶ダイヤモンドの製造法、及びこのような単結晶、着色ダイヤモンドの新規用途を対象にしている。
【0010】
現在に至るまで、単結晶ダイヤモンドをレーザー成分として使用する試みは、比較的わずかしか行われなかった。
【0011】
1995年5月30日発行の米国特許第5,420,879号は、レーザービーム放射媒質として合成ダイヤモンド結晶を含み、225から300nmの波長を有するレーザービームを発生する個体レーザーを対象とする。この発明で使用された合成ダイヤモンド結晶は、化学蒸着法ではなく、高圧法により製造されている。
【0012】
2003年12月23日発行の米国特許第6,667,999号は、光学的に透明な熱伝達媒質として高出力レーザー発振器又は増幅器を冷却する方法及び装置を開示する。この特許は、熱伝達媒質として単結晶CVDダイヤモンドの使用を開示していない。
2003年6月3日発行の米国特許第6,574,255号は、単結晶CVDダイヤモンドを、しかしフイルムとして、含むことができる外部空洞光ポンプ半導体レーザーを開示する。
このように、単結晶CVDダイヤモンドの新規なレーザーへの使用を開発するニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6,858,078号明細書
【特許文献2】米国特許出願番号11/438,260明細書
【特許文献3】米国特許出願番号11/599,361明細書
【特許文献4】米国特許第5,420,879号明細書
【特許文献5】米国特許第6,667,999号明細書
【特許文献6】米国特許第6,574,255号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】B.V.Spitsyn等、「ダイヤモンド及びその他の表面でダイヤモンド蒸気の成長」(Vapor Growth of Diamond on Diamond and Other Surfaces)、Journal of Crystal Growth、vol.52、219〜226頁
【非特許文献2】Kamo等、「マイクロ波プラズマ内ガス相からのダイヤモンドの合成」(Diamond Synthesis from Gas Phase in Microwave Plasma)、Journal of Crystal Growth、vol.62、642〜644頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
(概要)
したがって、本発明は、周波数変換器としての用途を含む、単結晶CVDダイヤモンドの新規レーザー用途を対象とする。
【0016】
本発明の追加の特徴及び利点は、後続の明細書中に説明され、一部分でも、その明細書から明らかであり、又は本発明の実施から習得されるに違いない。本発明の目的及び他の利点は、明細書及び特許請求の範囲、並びに添付の図面に具体的に説明された構成により理解され、達成されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これらの及びその他の利点を達成するために、かつ本発明の目的に従って、実例で示され、かつ広く説明されるように、本発明の実施形態は、ダイヤモンド成分を含むレーザーを含んでいる。この改善は、ダイヤモンド成分が単結晶CVDダイヤモンドを含んでいることである。
【0018】
一つの実施形態において、このダイヤモンド成分が、
成長するダイヤモンド結晶の温度が900〜1,400℃の範囲であり、かつダイヤモンドが、高い融点及び高い熱伝導率を有する物質から製造されたヒートシンクホルダー内に取り付けられて、ダイヤモンドの成長表面を横切る温度勾配を最小にするように、ダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、と
単位H2当たり約8%から約30%超のCH4を含み、150トル超の雰囲気をもつ成膜チャンバー内で、マイクロ波プラズマ化学蒸着法によりダイヤモンドの成長表面上に単結晶ダイヤモンドを成長させること、
を含む方法により製造される。
【0019】
一つの別の実施形態において、ダイヤモンドを製造するために用いたヒートシンクホルダーが、モリブデンを含んでいる。
【0020】
一つの他の実施形態において、ダイヤモンドの成長表面を横切る全ての温度勾配が、約30℃未満である。
【0021】
一つの別の実施形態において、ダイヤモンドの成長表面を横切る全ての温度勾配が、約20℃未満である。
【0022】
一つの他の実施形態において、単結晶ダイヤモンドが、成膜チャンバー雰囲気中で、単位CH4当たり約5から約25%のO2の使用を更に含む方法により製造される。
【0023】
レーザーにおける単結晶CVDダイヤモンド成分の具体的用途は、ヒートシンク(又は光学的に透明な熱伝達媒質)、周波数変換器、エラトンの光窓、ラマンシフター、利得源、及びその他の光学部品を含むことができる。
【0024】
本発明の別の実施形態は、単結晶ダイヤモンドを含むラマンレーザー変換器用χ(3)非線形結晶質である。
【0025】
前記の一般的説明及び後続の詳細な説明は、共に、典型的なもの、説明のためのものであり、かつ請求されるように本発明の更なる説明を提供する意図があると理解されるべきである。
【0026】
(図面の簡単な説明)
添付した図面は、本発明の更なる理解を提供することを含み、本明細書に組み入れて、その一部を構成している。その図面は、本発明の実施形態を図解し、その説明と合わせて本発明の原理の説明に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ヒートシンクとして単結晶CVDダイヤモンドを組み込んだレーザーの断面図である。
【図2】ヒートシンクとして単結晶CVDダイヤモンドを組み込んだレーザー薄ディスクレーザーヘッドの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(詳細な説明)
高い硬度、高い熱伝導率などの極限的物理特性のために、合成ダイヤモンドは、多くの工業的、科学的用途で使用される。その高いラマン周波数シフト(Δν=1332.5cm-1)及び非常に高いラマン利得係数(g>15cm・GW-1)[G.A.Pasmanik,Laser Focus World 35,137 (1999)]により、ダイヤモンドは、誘導ラマン散乱(SRS)発生用の優れた結晶になる潜在能力を持っている。まもなく公表される書類で確認されるように、単結晶CVDダイヤモンドは、潜在的に、ラマンレーザー変換器用の効果的な誘導ラマン散乱(SRS)結晶媒質である。
【0029】
本発明で用いる単結晶CVDダイヤモンドを製造する詳細な方法に関する参考文献は、米国特許出願番号11/599,361に見出すことができ、これを、上で議論したように、参考文献として本明細書に援用する。
【0030】
本発明の種々の実施形態は、図1に関連して説明される。図1は、ポンプレーザー利得媒質の実施形態を図解するもので、活性レーザー媒質101、及びミラー103と104を組み込んでいる。このレーザーは、利得媒質及び光空洞共振器からなる。利得媒質は、外部エネルギー102をレーザービーム105内に伝達する。吸収されるが、レーザーエネルギーに変換されないポンプエネルギーは、熱となり、除かれねばならない。一つ又は複数のヒートシンク106は、活性レーザー媒質と熱的に接続されていて、未利用の熱を取り除く。
【0031】
活性レーザー媒質又は利得媒質101は、例えば、Nd:YAG物質などの固体利得媒質であることができ、又は、ある実施形態では、単結晶CVDダイヤモンドであることができる。一般的に、熱流路は、レーザー利得媒質102の第一表面から実質的に軸方向である。
【0032】
業界では知られているように、エネルギーでレーザー利得媒質をポンピングする作用は、レーザー利得媒質内にレーザーエネルギーの誘導放出を引き起こす。レーザー利得媒質により受け取られたポンプエネルギーの一部分だけが誘導放出で使用されるので、吸収され、しかも誘導放出の促進に使用されなかったエネルギーは、レーザー利得媒質内に熱を発生させる。レーザー利得媒質内に発生した熱は、問題を引き起こすことがある。したがって、任意にかつ熱的にレーザー利得媒質102に結合されるヒートシンク106を用いて熱を消散させることが重要である。ヒートシンクは、レージング波長及びポンプ波長の両方で実質的に光学的に透明でなければならない。更に、それは、活性媒質に比較して非常に高い熱伝導率をもたなければならない。
【0033】
一つの実施形態において、ヒートシンク106は、単結晶CVDダイヤモンド、先に述べた所望の特性を有する物質を含んでいる。
【0034】
レーザー出力は、ヒートシンク106を通る光学軸に沿って通過させられる。ヒートシンクは、レーザー出力がレージング周波数で実質的に透明であるから、レーザー出力から著しい熱を吸収しない。レーザー利得媒質102の表面からの熱は、ヒートシンクを経て消散のために熱交換器に伝達され、レーザー利得媒質内部を冷却する。
【0035】
他の実施形態では、単結晶CVDダイヤモンドは、厚ディスクレーザー(例えば、ND:GGG、100kW以下の厚ディスクレーザー)、ジグザグ増幅器(例えば、NdとYb:主にYAG、約5,000W)、単一モードファイバーレーザー(例えば、主にYb:シリカ、1,000W単一モードファイバーレーザー)、ロッドレーザー(例えば、NdとYb:主にYAG、1,000Wロッドレーザー)、及び薄ディスク増幅器又はレーザー(例えば、NdとYb:主にYAG、2,000W)を含み、しかもこれらに限定されない、その他のタイプのレーザーのヒートシンクとして用いられてもよい。好ましい実施形態では、単結晶CVDダイヤモンドは、薄ディスクレーザーのヒートシンク物質として用いられ、この薄ディスクレーザーは、単結晶CVDダイヤモンドにより容易に冷却される。
【0036】
図2は、薄ディスクレーザーを図解するもので、これはレーザービーム波長よりかなり小さいレーザー結晶203を含み、それ故、発生した熱は、主に一端面を通して、即ち横方向よりはむしろ縦方向で取り出される。一つの実施形態では、例えば、レーザー結晶203は、約100−200μmの厚さをもつYb:YAGディスクである。ヒートシンク204は、熱的にかつ物理的にレーザー結晶203に接続されている。冷却された端面は、レーザー放射及びポンプ放射の両者を反射する誘電体コーティング205を有する。別の実施態様では、別のヒートシンクは、その他の面で、熱的にかつ物理的にレーザー結晶203に接続されていてもよい。
【0037】
図2には示されていないが、ポンプ光201を発生するポンプ光学素子は、複数のポンプ放射経路に対して配置される。熱は、ヒートシンクを経て縦方向で取り出され、それにより熱レンズ効果を最小化する。これは、良好なビーム品質及び安定な操作を生み出す。
【0038】
本発明の一つの実施形態では、ヒートシンクは、単結晶CVDダイヤモンドを含む。
【0039】
一つの実施形態では、一つ又は複数のヒートシンクが、米国特許出願番号11/599,361に従って製造された単結晶CVDダイヤモンドを含む。
【0040】
この出願に開示された方法で製造されたダイヤモンドは、十分に大きく、欠陥がなく、かつ透明であり、例えば、窓及び光学部品、ラマンシフター、利得源、レーザー放射媒質、利得媒質、ヒートシンク、周波数変換器、及びラマンレーザー変換器用χ(3)非線形結晶質としてレーザーに用いられるであろう。
【0041】
上記のレーザー用途に用いられる単結晶ダイヤモンドは、米国特許出願番号11/599,361に開示された方法に従って製造することができるが、それは、例えば、米国特許第6,858,078号、及び米国特許出願番号11/438,260に開示された方法を含む、その他の方法に従っても製造することができる。
【0042】
本発明は、その精神又は本質的特徴から離れることなく、幾つかの形態で具体化することが可能であるから、上記の実施形態が、特に断らない限り、先の説明のいかなる細部描写によっても限定されるものではなく、むしろ添付の特許請求の範囲で限定された精神及び範囲内で広く解釈されるべきであると理解されなければならない。それ故、特許請求の範囲の境界に入る全ての変化及び変性、又はこのような境界の等価物は、添付の特許請求の範囲により包含されるよう意図されていると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0043】
101 活性レーザー媒質
102 外部エネルギー
103 ミラー
104 ミラー
105 レーザービーム
106 ヒートシンク
201 ポンプ光
203 レーザー結晶
204 ヒートシンク
205 誘電体コーティング


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤモンド成分を含むレーザーであって、ダイヤモンド成分が単結晶CVDダイヤモンドを含む前記レーザー。
【請求項2】
単結晶CVDダイヤモンドが、
(i)成長するダイヤモンド結晶の温度が900〜1,400℃の範囲であり、かつダイヤモンドが、高い融点及び高い熱伝導率を有する物質から製造されたヒートシンクホルダー内に取り付けられて、ダイヤモンドの成長表面を横切る温度勾配を最小にするように、ダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、と
(ii)単位H2当たり約8%から約30%超のCH4を含み、150トル超の雰囲気をもつ成膜チャンバー内で、マイクロ波プラズマ化学蒸着法によりダイヤモンドの成長表面上に単結晶ダイヤモンドを成長させること、
を含む方法により製造された請求項1に記載のレーザー。
【請求項3】
ヒートシンクホルダーがモリブデンを含む請求項2に記載のレーザー。
【請求項4】
ダイヤモンドの成長表面を横切る全ての温度勾配が、約30℃未満である請求項2に記載のレーザー。
【請求項5】
ダイヤモンドの成長表面を横切る全ての温度勾配が、約20℃未満である請求項2に記載のレーザー。
【請求項6】
単結晶ダイヤモンドが、成膜チャンバー雰囲気中で、単位CH4当たり約5から約25%のO2の使用を更に含む方法により製造された請求項2に記載のレーザー。
【請求項7】
単結晶ダイヤモンドを含むレーザー用周波数変換器。
【請求項8】
単結晶ダイヤモンドが化学蒸着法により製造された請求項7に記載の周波数変換器。
【請求項9】
単結晶ダイヤモンドを含むラマンレーザー用周波数変換器。
【請求項10】
単結晶ダイヤモンドを含むラマンレーザーシフター。
【請求項11】
単結晶ダイヤモンドが化学蒸着法により製造された請求項10に記載のラマンレーザーシフター。
【請求項12】
単結晶CVDダイヤモンドが、
(i)成長するダイヤモンド結晶の温度が900〜1,400℃の範囲であり、かつダイヤモンドが、高い融点及び高い熱伝導率を有する物質から製造されたヒートシンクホルダー内に取り付けられて、ダイヤモンドの成長表面を横切る温度勾配を最小にするように、ダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、と
(ii)単位H2当たり約8%から約30%超のCH4を含み、150トル超の雰囲気をもつ成膜チャンバー内で、マイクロ波プラズマ化学蒸着法によりダイヤモンドの成長表面上に単結晶ダイヤモンドを成長させること、
を含む方法により製造された請求項11に記載のラマンレーザーシフター。
【請求項13】
ヒートシンクホルダーがモリブデンを含む請求項12に記載のラマンレーザー周波数変換器。
【請求項14】
ダイヤモンドの成長表面を横切る全ての温度勾配が、約30℃未満である請求項12に記載のレーザー用ラマン周波数変換器。
【請求項15】
ダイヤモンドの成長表面を横切る全ての温度勾配が、約20℃未満である請求項14に記載のレーザー用ラマン周波数変換器。
【請求項16】
単結晶ダイヤモンドが、成膜チャンバー雰囲気中で、単位CH4当たり約5から約25%のO2の使用を更に含む方法により製造された請求項12に記載のレーザー用ラマン周波数変換器。
【請求項17】
請求項1に記載のダイヤモンド成分を含むレーザーにおいて、ダイヤモンド成分が周波数変換器である。
【請求項18】
単結晶ダイヤモンドを含むラマンレーザー変換器用χ(3)非線形結晶質。
【請求項19】
単結晶ダイヤモンドが化学蒸着法により製造されたラマンレーザー変換器用χ(3)非線形結晶質。
【請求項20】
単結晶CVDダイヤモンドが、
(i)成長するダイヤモンド結晶の温度が900〜1,400℃の範囲であり、かつダイヤモンドが、高い融点及び高い熱伝導率を有する物質から製造されたヒートシンクホルダー内に取り付けられて、ダイヤモンドの成長表面を横切る温度勾配を最小にするように、ダイヤモンドの成長表面の温度を制御すること、と
(ii)単位H2当たり約8%から約30%超のCH4を含み、150トル超の雰囲気をもつ成膜チャンバー内で、マイクロ波プラズマ化学蒸着法によりダイヤモンドの成長表面上に単結晶ダイヤモンドを成長させること、
を含む方法により製造されたラマンレーザー変換器用χ(3)非線形結晶質。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−516614(P2010−516614A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547316(P2009−547316)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/001071
【国際公開番号】WO2008/094491
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(500026234)カーネギー インスチチューション オブ ワシントン (25)
【Fターム(参考)】