説明

受信装置、通信端末装置及び利得制御方法

【課題】 2つ以上の通信システムの信号を受信する場合において、1フレーム等の所定の周期にて信号レベルが大きく変動する妨害波が存在する場合においても、回路規模を増大させずに、コストアップもせずに、さらに処理を複雑化することなく、妨害波信号による希望波信号の通信品質の低下を抑えること。
【解決手段】 第1の可変利得増幅器103は、第1中間周波数信号に対して利得制御信号により利得を制御する。利得制御部141は、電力演算部110の演算結果と通信圏内検出部142の検出結果に基づいて生成した利得制御信号を出力する。通信圏内検出部142は、第1の通信システムが運営されていることを検出し、第1の通信システム圏内検出信号(サービスエリア検出信号)を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信システムの通信信号を受信することができる受信装置、通信端末装置及び利得制御方法に関し、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格がそれぞれ定められているUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)方式及びGSM(Global System for Mobile Communications)方式や、UMTS方式と国内で運営されているPDC(Personal Digital Cellular)方式等を受信することができる受信装置、通信端末装置及び利得制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信システムはその普及するに伴い、周波数利用効率を高めるため、時代と共に周波数領域で多重化するFDM(Frequency Division Multiplex:周波数分割多重化)方式から、時間領域で多重化するTDM(Time Division Multiplex:時分割多重化)方式、更に、直交符号による拡散技術を利用したCDM(Code Division Multiplex、符号分割多重化)方式へと変遷してきた。
【0003】
そして、例えば、移動体通信の分野においては、ユーザー数の増加への対応、及び、より通信速度の高いサービスの提供が求められている。そのため、従来運営されてきた通信システムに比べて、より周波数利用効率を高めるため、同一周波数帯で新しい通信方式に移行することが求められる。その場合、従来から当該システムを利用してきたユーザーの端末装置も新方式に対応するように変更が必要となる。しかしながら、ユーザーに新方式に対応した端末装置を買い換える負担を与えることは望ましくないため、ユーザーの端末装置の買い替えによる更新が進むことを想定し、新方式への移行期間を設けてユーザーの端末装置の更新が完了するまでは、従来方式も同時に運営されることが望まれる。また、新方式に対応した基地局装置の設置には多くの時間を要し、従来方式で運営されてきたすべてのサービスエリアの基地局装置を一度に変更することは容易ではなく、新方式の運営開始直後は、サービスエリアが特定の狭い範囲に限定されていることが多い。そのため、同一周波数帯で、従来方式と新方式の両者が混在して同時に運営できることが要望される。
【0004】
従って、新方式への移行が完了するまでの期間は両方式に対応した端末装置、即ち、複数の通信システムの通信信号を受信することができるマルチモード受信装置が必要となる。
【0005】
また、これらのサービスを運営する業者にとっては、周波数利用効率はできるだけ高くして運営したいため、従来方式と新方式の運営周波数はできるだけ近い周波数が利用できることが望まれる。
【0006】
このような背景から、マルチモード受信装置においては、従来方式で通信時に新方式の通信信号が妨害波となったり、その逆に新方式で通信時に従来方式の通信信号が妨害波となる場合がある。例えば、新方式にとって従来方式の通信信号が妨害波となることにより、新方式の通信品質が本来の品質を確保できない場合、新方式への移行期間中に「新方式の通信品質が悪い」という印象がユーザー側に広まってしまい、ユーザーが新方式に対応した端末装置を購入する購買意欲を損ねかねない。即ち、新方式へ移行する場合は、従来方式の通信信号による妨害により通信品質が低下することを避けねばならない。
【0007】
ところで、前述のとおり、周波数利用効率を高めることを実現するには、従来方式と新方式を運営する際に、その使用周波数をできるだけ近接させることが望ましい。この場合、従来方式と新方式とで、互いに妨害波が近接することになるため、受信回路において、受信しようとする信号の帯域外の信号を抑圧するために設けられるチャネルフィルタに要求される近接チャネルの所要抑圧量が高くなってしまう。近年はディジタル回路の高集積化が進歩したことにより、ディジタル回路であれば比較的大規模な回路であっても、アナログ回路で同等の性能の回路を実現する場合に比べて小型かつ安価に実現できるようになってきた。そのため、チャネルフィルタは、高次のディジタルフィルタを利用することにより、チャネルフィルタに要求される近接チャネルの所要抑圧量の確保が実現されている。
【0008】
ここで、ディジタルフィルタにおいて、妨害波成分を十分に抑圧するためには、受信信号をアナログ値からディジタル値に変換するA/D変換器において、希望波より数十dBも高い信号レベルの妨害波成分により飽和しないことと、希望波と妨害波が同時に入力された状態でも、希望波成分が量子化雑音に埋もれてしまい、通信に必要なS/N比(信号電力対雑音電力比)を確保できない状態にならないことが要求される。
【0009】
このような条件を満足するため、A/D変換器に入力される信号レベルを適切なレベルに調整するため、従来の自動利得制御回路としては、帯域内と帯域外の信号レベルを監視する自動利得制御回路を用いた受信装置が知られている。
【0010】
例えば、希望波の隣接あるいは次隣接チャネルといった、比較的希望波に近傍した周波数帯に存在する妨害波が、希望波信号よりも電界強度が強い場合に、妨害波の影響により自動利得制御が適切に行われない場合、受信装置を構成する回路の飽和が生じることにより、希望波信号の品質が劣化するという問題があった。このような課題を解決するために、例えば、帯域内の信号を検波する帯域内検波器と、帯域外の信号を検波する帯域外検波器とを備え、両者の出力電圧に基づいて可変減衰手段の減衰量を変化する自動利得制御回路が開示されている(例えば、特許文献1)。
【0011】
ここで、妨害波がTDM方式である場合、例えば、基地局装置側から送信される送信信号は、同一チャネル(同一周波数)で1フレーム毎に、送信と送信断が繰り返される。従って、TDM方式が運営されているエリアにおいては、端末装置が希望波信号を受信している際に、TDM方式の1フレーム毎に妨害波の信号レベルが大きく変動するという妨害波が存在することになる。
【0012】
その様子を、図9(a)〜(e)に示すタイミングチャートを用いて説明する。図9では、第2の通信システムにおいて、TDM方式のように信号レベルが大きく変動しないシステムについて示す。
【0013】
図9(a)は、第1の通信システムのスロット構成を示す。なお、図中では、SLOT5のタイミングで第1の通信システムの基地局が送信信号を出力する様子を示す。
【0014】
また、図9(b)は、第1の通信システムの基地局の送信信号レベルを示す。この様に、TDM方式である第1の通信システムは、1フレーム毎に、同一のスロットで、第1の通信システムの送信信号1271a、1271b、1271cのように、同一スロットで送信を繰り返し、その他のスロットでは送信信号が停止する。
【0015】
また、図9(c)は、第2の通信システムの基地局の送信信号レベルを示す。また、図9(d)は、第1の通信システムの基地局の送信信号と、第2の通信システムの基地局の送信信号を同時に受信した場合の、第1中間周波数の信号レベルを示す。なお、図9は、利得制御部の利得を固定とした場合について示しており、その場合、第1中間周波数信号レベルは、A/D変換器が飽和レベルに達するため、第1の通信システムの通信信号による飽和期間1272a、1272b、1272cのように、1フレーム毎に、同一スロットで希望波帯に存在する受信信号は抑圧されることになり、通信品質が劣化する。
【0016】
また、図9(e)は、自動利得制御回路を用いた受信装置における可変利得増幅器出力信号レベルを示す。このように、図9(d)に示す第1中間周波数信号が、可変利得増幅器に入力されることにより、利得制御が行われ、利得抑圧期間1274a、1274b、1274cのように、利得を低下させることにより、第1中間周波数信号のレベルをA/D変換器のダイナミックレンジ内に引き込むことができるが、第1の通信システムの送信期間が終わった後、妨害波の信号レベルが低下したことを検出し、可変利得増幅器の利得を上昇する、利得上昇期間1275a、1275b、1275cが存在する。この期間においては、第1のI信号及び第1のQ信号のレベルが大きく変動することになり、復号時にそのレベル変動がノイズと同様の影響をもたらすことにより、通信品質が低下する。
【特許文献1】特開2001−326549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、従来の装置においては、突発的に妨害波の入力レベルが変化した場合に、それを検出して自動利得制御が働き、A/D変換器に入力される信号レベルを目標値に自動調整するように動作する。そのため、自動利得制御が安定するまでの間は受信回路が飽和したり、或いは、希望波信号の信号レベルが変動を生じるなどの理由により、希望波信号が抑圧されたり歪む為、通信品質が低下する。よって、前述のとおり、自動利得制御が安定するまでの間に生じる通信品質の低下が、TDM方式の1フレーム毎に生じることになるという問題がある。即ち、運営される通信システムの従来方式がTDM方式の場合、従来方式と新方式が同時に運営されると、新方式の通信品質が低下するという問題がある。
【0018】
また、従来の装置においては、自動利得制御を行う際に、希望波信号の信号レベルが弱電界の場合において、利得を低くすると、回路のNFが低下することにより、通信品質が低下する場合がある。即ち、希望波信号があるレベル以下である場合は、同機能を利用することにより、通信品質が低下してしまうという課題があり、妨害波が入力されない場合においても、通信品質が低下してしまうという問題がある。これを避けるため、従来の帯域内と帯域外の信号レベルを監視する自動利得制御回路では、帯域内電力演算部と全帯域電力演算部の2つの電力演算部が必要であり、回路規模の増大やコストアップの要因になるという問題がある。
【0019】
また、従来の装置においては、妨害波の入力レベルにより、利得制御回路から出力される帯域内の信号レベルが変化するが、帯域内の信号レベルを検出する回路はその入力される信号レベルが変化する範囲のダイナミックレンジを確保する必要があり、電力演算部をディジタル回路で実現する際に、演算の分解能を高くする必要があり、回路規模の増大あるいは、演算部の処理量が増加してしまうという問題がある。
【0020】
更に、前記した特許文献1では、希望波信号を検波する第1の検波手段と、妨害波を含んだ信号レベルを検波する第2の検波手段を備え、その両者の検波電圧がそれぞれ規定値に収束するように自動利得制御する必要があり、自動利得制御のループゲインや時定数の設定などが複雑化するという問題がある。
【0021】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、2つ以上の通信システムの信号を受信する場合において、1フレーム等の所定の周期にて信号レベルが大きく変動する妨害波が存在する場合においても、回路規模を増大させずに、コストアップもせずに、さらに処理を複雑化することなく、妨害波信号による希望波信号の通信品質の低下を抑えることができる受信装置、通信端末装置及び利得制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の受信装置は、第1の通信システムの通信圏内であることを検出する通信圏内検出手段と、前記第1の通信システムとはシステムが異なる第2の通信システムの通信信号の受信中に妨害波となる前記第1の通信システムの通信信号を受信する受信手段と、前記受信手段にて受信した前記通信信号のレベルが目標値に収束するように利得を制御するとともに、前記通信圏内検出手段の検出結果に基づいて前記第2の通信システムの通信信号の受信中にて前記目標値を制御する利得制御手段と、を具備する構成を採る。
【0023】
本発明の通信システムは、第1の通信システムの信号及び前記第1の通信システムの周波数帯と近接した周波数帯で運営される第2の通信システムの通信信号を送信する基地局装置と、前記基地局装置から送信された前記第1の通信システムの通信信号及び前記第2の通信システムの通信信号を受信する通信端末装置とを有する通信システムであって、前記通信端末装置は、第1の通信システムの通信圏内であることを検出する通信圏内検出手段と、前記第1の通信システムとはシステムが異なる第2の通信システムの通信信号の受信中に妨害波となる前記第1の通信システムの通信信号を受信する受信手段と、前記受信手段にて受信した前記通信信号のレベルが目標値に収束するように利得を制御するとともに、前記第2の通信システムの通信信号の受信中に前記通信圏内検出手段の検出結果に基づいて前記目標値を制御する利得制御手段と、を具備する構成を採る。
【0024】
本発明の利得制御方法は、第1の通信システムの通信圏内であることを検出するステップと、前記第1の通信システムとはシステムが異なる第2の通信システムの通信信号の受信中に妨害波となる前記第1の通信システムの通信信号を受信するステップと、受信した前記通信信号のレベルが目標値に収束するように利得を制御するとともに、前記第1の通信システムの通信圏内であるか否かの検出結果に基づいて前記第2の通信システムの通信信号の受信中にて前記目標値を制御するステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、2つ以上の通信システムの信号を受信する場合において、1フレーム等の所定の周期にて信号レベルが大きく変動する妨害波が存在する場合においても、回路規模を増大させずに、コストアップもせずに、さらに処理を複雑化することなく、妨害波信号による希望波信号の通信品質の低下を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、受信装置111の構成を示すブロック図である。図1に示すように、TDM方式の妨害波特性に耐性を持たせた受信装置111は、通信信号を受信する受信アンテナ101と、受信アンテナ101で受信した信号を増幅し、第1中間周波数信号に変換するフロントエンド部(以下、F/E部という)102と、第1中間周波数信号を利得制御信号により利得が制御される第1の可変利得増幅器103と、第1の可変利得増幅器103から出力された受信信号をアンダーサンプリングして量子化するA/D変換器104と、量子化された受信信号を直交復調して希望波成分と妨害波成分の合成信号のベースバンド信号である、第1のI信号と、第1のQ信号を出力する直交復調器105と、第1のI信号を帯域制限し、近接する妨害波を除去した第2のI信号を出力するIchチャネルフィルタ106と、第1のQ信号を帯域制限し、近接する妨害波を除去した第2のQ信号を出力するQchチャネルフィルタ108を備えたチャネルフィルタ部121と、第2のI信号と第2のQ信号とを、それぞれ2乗して両者を加算することにより帯域内受信信号の電力値に比例した値を演算し、帯域内電力値信号を出力する電力演算部110と、第1の通信システムが運営されていることを検出し、第1の通信システム圏内検出信号(サービスエリア検出信号)を出力する通信圏内検出部142と、電力演算部110からの帯域内電力値信号と通信圏内検出部142からの第1の通信システム圏内検出信号に基づいて、第1の可変利得増幅器103制御用の利得制御信号を出力する利得制御部141により構成される。
【0028】
次に、利得制御部141の構成について、図2を用いて説明する。図2は、利得制御部141の詳細な構成を示すブロック図である。
【0029】
利得制御部141は、通信圏内検出部142から出力された第1の通信システム圏内検出信号に基づき、帯域内電力値信号の第1の帯域内電力の目標値216と、第2の帯域内電力の目標値217とを選択する選択手段240と、選択手段240で選択された帯域内電力の目標値と帯域内電力値信号とを比較する比較部219と、比較部219の比較結果に基づき、第1の可変利得増幅器103の利得を制御する利得制御信号を出力する利得制御信号生成部220により構成される。
【0030】
次に、受信装置111の動作について説明する。
【0031】
受信アンテナ101で受信した受信信号は、F/E部102により第1中間周波数信号に変換される。
【0032】
第1中間周波数信号は、利得制御信号で利得が制御された第1の可変利得増幅器103により増幅される。増幅された第1中間周波数信号は、A/D変換器104によりアンダーサンプリングされ、第2中間周波数信号に変換される。第2中間周波数信号は、直交復調器105により、第1のI信号及び第1のQ信号に変換される。第1のI信号及び第1のQ信号は、それぞれ、チャネルフィルタ部121に備えられたIchチャネルフィルタ106と、Qchチャネルフィルタ108により帯域制限され、それぞれ、近接する妨害波を十分に除去した第2のI信号と、第2のQ信号が出力される。第2のI信号と第2のQ信号とは、電力演算部110に入力され、帯域内電力値信号を出力する。この帯域内電力値信号は、利得制御部141に入力される。
【0033】
通信圏内検出部142は、第1の通信システムが運営されていることを検出した場合に、検出結果に基づいて、第1の通信システム圏内検出信号を出力する。この第1の通信システム圏内検出信号は、利得制御部141に入力される。利得制御部141は、帯域内電力値の目標値を、第1の通信システム圏内検出信号に基づき、決定する。
【0034】
即ち、帯域内電力値信号の目標値は、選択手段240により、第1の通信システムが運営されていることを検出しない場合は、第1の帯域内電力の目標値216を選択し、第1の通信システムが運営されていることを検出した場合は、第2の帯域内電力の目標値217を選択し、帯域内電力値信号が、帯域内電力値信号の目標値に近づくように利得制御信号を出力する。
【0035】
通信圏内検出部142からの第1の通信システム圏内検出信号は、一般に基地局装置と同期が取れている場合と、そうでない場合を示す信号であり、同期が取れていることを示す信号としては、例えば、従来の携帯通信端末において、その通信システムの運営エリアから外れた場合に、その表示部に表示される「圏外」表示を制御する信号であり、従来の通信端末装置で広く用いられている信号である。
【0036】
ここで、TDM方式の妨害波特性に耐性を持たせたマルチモード受信装置111では、第1の通信システムと、第2の通信システムの通信が可能な受信装置であるため、第1の通信システムを運営する第1の通信システムの基地局装置と同期を取ることができる為、第1の通信システム圏内検出信号を得ることは容易である。
【0037】
即ち、第1の通信システムの基地局装置と、当該マルチモード受信装置111との間で同期が取れるということは、その通信を行ったエリアが、第1の通信システムが運営されているエリアであると判断することができ、当該エリアにおいては、TDM方式である第1の通信システムの通信信号が、第2の通信システムでの通信時に妨害波として受信しうることを判断することができる。
【0038】
以上により、TDM方式である第1の通信システムが運営されているエリアにおいては、帯域内電力値の目標値は、第1の帯域内電力の目標値216よりも、小さい値である第2の帯域内電力の目標値217を選択することにより、A/D変換器104の入力信号レベルが低く設定されるように利得制御信号を出力する。従って、TDM方式である第1の通信システムの妨害波信号が入力された場合に、従来の自動利得制御部を備えた受信装置のような、TDM方式の1フレーム毎に生じる妨害波レベルの変動により、自動利得制御が安定するまでの間に生じる通信品質の低下を避けることができる。
【0039】
即ち、図3(e)に、本発明の自動利得制御回路を用いた受信装置111における可変利得増幅器出力信号レベル(第1のシステム圏内検出時)を示す。なお、図3(a)〜図3(d)については、図9(a)〜図9(d)と同一であるので、その説明は省略する。
【0040】
このように、本実施の形態1によれば、TDM方式である第1の通信システムが運営されていることを検出した場合は、第1の通信システムの通信信号が入力された場合においても、A/D変換器104が飽和しないように利得制御信号を制御するので、TDM方式である第1の通信システムが運営されているエリアにおいても、第2の通信システムの通信品質の低下を抑えることができる。
【0041】
また、本実施の形態1によれば、TDM方式である第1の通信システムが運営されていたエリア内において、新方式である第2の通信システムに移行する移行期間において、TDM方式特有の1フレーム周期で信号レベルが大きく変動する妨害波が存在する場合においても、回路の飽和を防ぐことができ、これにより、第2の通信システムの通信品質の低下を抑えることができる。また、帯域外電力演算部が不要となるため、回路規模の縮小とコストダウンを実現することができる。従って、従来方式のTDM方式である第1の通信システムと、第1の通信システムとは異なる新方式の第2の通信システムの利用周波数を近接させて運営した場合においても、第2の通信システムの通信品質の低下が少ないので、例えば、従来方式から新方式に移行する移行期間中に「新方式の通信品質が優れている」という印象を得ることができる。
【0042】
また、本実施の形態1によれば、妨害波の信号レベルを検出するまでも無く、TDM方式である第1の通信システムが運営されているエリアである場合は、帯域内受信電力値信号の目標値を低く設定して自動利得制御を行うため、従来の自動利得制御部を備えた受信装置に備えていた全帯域電力演算部が無くても、利得制御動作を正常に行うことができるので、回路規模の縮小と、それに伴うコストダウンを実現することができる。
【0043】
なお、本実施の形態1において、アンダーサンプリング方式の受信回路を用いて説明したが、これに限らず、A/D変換器104でアンダーサンプリングを行わず、例えば、第1中間周波数信号を第2中間周波数信号に変換する第2の周波数変換器を備えたダブルスーパーヘテロダイン方式であったり、受信信号を直接ベースバンド信号に変換するダイレクトコンバージョンなどといった回路構成をとった場合においても、同様の効果が得られる。また、第1の通信システム圏内検出信号は、第1の通信システムの通信圏内であるか圏外であるかを検出する信号として使用するものであり、選択手段240は、その情報に応じて帯域内電力値信号の目標値を切り替えるものであるが、第1の通信システムの通信圏内であることのみに限定しているものではない。
【0044】
また、利得制御部141は、機能をソフトウェア記述することができる。因みに、世界各地において、利用される通信システムは異なるため、世界各地で利用できるマルチモード受信装置であるグローバルマルチモード受信装置を構成する上で、構成をハードウェアのみで実現すると、世界各地の各通信システムに対応したハードウェアを実現する必要があり、開発費が増大する可能性がある。しかし、利得制御部141の機能をソフトウェア記述することにより、ソフトウェアの書き換えによりパラメータやアルゴリズムの変更が容易に行えるため、世界各地の各通信システムに対応したハードウェアを実現する場合に比べて、開発が容易になるとともに開発費を削減することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る受信装置412の構成を示すブロック図である。
【0046】
本実施の形態2に係る受信装置412は、図1に示す実施の形態1に係る受信装置111において、図4に示すように、受信電界強度測定部を追加する。なお、図4においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0047】
図3に示すように、実施の形態2は、実施の形態1において説明した第1の通信システムが運営されていることを検出し、第1の通信システム圏内検出信号を出力する通信圏内検出部142と、第1の通信システムの受信電界強度を測定する受信電界強度測定部445とを含み、通信圏内検出部142から出力された第1の通信システム圏内検出信号と、受信電界強度測定部445で測定した第1の通信システムの受信電界強度信号に基づき利得制御信号を出力する利得制御部446を備えたものであり、帯域内受信電力値の目標値を選択する際に、帯域内電力値の目標値を、第2の帯域内電力の目標値217とした場合においても、A/D変換器104が飽和しない条件を満足する場合は、第2の帯域内電力の目標値217を選択せずに、第1の帯域内電力の目標値216を選択して自動利得制御を行うものである。
【0048】
一般に、TDM方式では、基地局装置と同期を取るために、制御チャネルと呼ばれるチャネルが設けられており、待ち受け時は、その制御チャネルを用いて基地局装置と端末装置の間で同期を取る。また、一般に、マルチモード受信装置では、例えば、第2の通信システムで通信時にも、第1の通信システムでも基地局装置と同期をとることが望まれる。即ち、一方の通信システムで通信時においても、もう一方の通信システムも、基地局装置と同期を取る構成をとる。
【0049】
よって、例えば、新方式である第2の通信システムで通信時において、従来方式である第1の通信システムの受信電界強度を測定することにより、第1の通信システムの基地局装置とのおおよその距離を推定することが可能である。もし、第1の通信システムの制御チャネルの受信レベルが高い場合は、第1の通信システムの基地局装置が、当該マルチモード受信装置に近い位置に存在することを意味し、その受信レベルと同等レベルの第1の通信システムの送信信号が、第2の通信システムで通信時に入力されうると判断することができる。
【0050】
このように、本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、第1の通信システムの待ち受け時の受信電界強度に基づき、帯域内電力値の目標値を決定することで、第1の通信システムによる妨害波レベルが低く、受信回路の飽和による通信品質の低下が生じない程度の信号レベルである場合は、第2の通信システムで通信時に、第1の可変利得増幅器103における利得を高い状態で受信することができるため、第1の可変利得増幅器103において利得を低くした場合に生じるNFの劣化を避けることができる。
【0051】
なお、第1の通信システムと、第2の通信システムを同時に通信できる受信装置である場合も、同様の効果が得られる。また、一方の通信システムで通信時に、時々もう一方の通信システムの同期を取るような、通信システムを時間的に切り替えて通信を行う受信装置の場合も同様の効果が得られる。
【0052】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る受信装置513の構成を示すブロック図である。
【0053】
本実施の形態3に係る受信装置513は、図1に示す実施の形態1に係る受信装置111において、図5に示すように、Ich可変利得増幅器507と、Qch可変利得増幅器509を追加し、利得制御部141の代わりに利得制御部522を有する。なお、図5においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0054】
図5に示すように、実施の形態3は、チャネルフィルタ部121の前段に設けたIch可変利得増幅器507とQch可変利得増幅器509とからなる第2の利得制御部523と、実施の形態1において説明した第1の通信システムが運営されていることを検出し、第1の通信システム圏内検出信号を出力する通信圏内検出部142と、通信圏内検出部142からの第1の通信システム圏内検出信号に基づいて、第1の可変利得増幅器103を制御する利得制御信号を出力すると共に、第2の利得制御部523を制御する第2の利得制御信号を出力する利得制御部522とを備えたものである。
【0055】
第1の通信システム圏内検出信号により、帯域内電力値の目標値は、第1の通信システムが運営されていることを検出しない場合は、第1の帯域内電力の目標値216を選択し、第1の通信システムが運営されていることを検出した場合は、第2の帯域内電力の目標値217を選択され、帯域内電力値信号が、選択された帯域内電力の目標値に近づくように利得制御が行われる。即ち、第1の帯域内電力の目標値216を選択した場合と、第2の帯域内電力の目標値217を選択した場合において、第1の可変利得増幅器103の利得が異なる。
【0056】
例えば、帯域内受信電力と熱雑音レベルのS/N比が30dBである場合、受信電力に含まれる熱雑音はほとんど無視できる。そのような信号レベルを受信している際に、帯域内電力値の目標値を、第1の帯域内電力の目標値216とした場合と、第2の帯域内電力の目標値217とした場合において、同一の帯域内受信電力が入力された場合、第1の可変利得増幅器103の利得の差は、第1の帯域内電力の目標値216と、第2の帯域内電力の目標値217の目標値の差と同等となる。ここで、第1の帯域内電力の目標値216と、第2の帯域内電力の目標値217は、利得制御部522において記憶されている為、第2の利得制御信号の利得の差を演算して第2の利得制御信号を生成することが可能である。即ち、その利得の差を打ち消すように、第2の利得制御部523に備えられたIch可変利得増幅器507と、Qch可変利得増幅器509の利得を制御する第2の利得制御信号を利得制御部522により生成することにより、電力演算部110に入力される信号レベルをほぼ一定に保つことができる。
【0057】
このように、本実施の形態3によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、電力演算部110に入力される信号レベルをほぼ一定値に保つことができるので、電力演算部110の入力ダイナミックレンジを広くする必要が無いため、回路規模を小さくすることができる。また、帯域外の電力値を求める必要が無いため、全帯域電力演算部が不要となり、回路規模の縮小やコストダウンを実現することができる。
【0058】
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る受信装置614の構成を示すブロック図である。
【0059】
本実施の形態4に係る受信装置614は、図1に示す実施の形態1に係る受信装置111において、図6に示すように、利得制御部141の代わりに利得制御部652を有する。なお、図6においては、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0060】
図6に示すように、実施の形態4において、TDM方式の妨害波特性に耐性を持たせた受信装置614は、第2の通信システムの受信電界強度に基づき、第1の可変利得増幅器103の利得を制御する利得制御部652を備えたものである。
【0061】
図7は、利得制御部652の構成図を示す。
【0062】
図7において、利得制御部652は、図1の利得制御部141に、選択手段240から出力された帯域内電力の目標値と、利得制御信号生成部220からの利得制御信号に基づき、受信アンテナ101より入力されている受信信号のうち、帯域内に存在する電力値を求める第2の通信システムの受信電界強度測定部751を備えたものである。
【0063】
本構成によれば、受信アンテナ101より入力された受信信号のうち、帯域内信号レベルと、利得制御信号の関係は一意の関係になる。即ち、選択手段240から出力された、帯域内電力の目標値と、利得制御信号の関係から、受信アンテナ101より入力されている帯域内信号のレベルの絶対値を求めることができる。
【0064】
以上により、第2の通信システムで通信時に、利得制御部652において、第2の通信システムの信号レベルを求めることができる。
【0065】
また、選択手段240は、第2の通信システムの受信電界強度測定部751より出力された第2の通信システムの帯域内電力値信号が、希望波信号のレベルが所定の値より低い場合等の、第1の可変利得増幅器103の利得を低下することにより生じるNFの劣化により通信品質が低下すると判断される場合においては、選択手段240より出力される帯域内電力の目標値は、第1の帯域内電力の目標値216を出力する。即ち、利得制御部652は、希望波信号のレベルが所定の値より低い場合には、目標値を制御しないようにする。
【0066】
なお、一般に、通信端末において、通信を行う際は、その受信信号レベルを監視する機能が備えられているから、実施の形態4を簡単な構成で容易に実現することができる。
【0067】
このように、本実施の形態4によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、受信アンテナ101より入力される第2の通信システムの通信信号のレベルが低い場合において、帯域内電力の目標値を低くしたことにより生じる、第1の可変利得増幅器103により生じるNFの劣化を避けて動作させることができる。即ち、帯域内と帯域外の信号レベルを監視する自動利得制御回路で必要であった全帯域電力演算部を備えることなく、希望波信号レベルが低い条件下において、第1の可変利得増幅器103の利得を低下することにより生じるNFの劣化を避けることができる。
【0068】
なお、上記実施の形態1〜実施の形態4の受信装置は、通信端末装置に適用することができる。
【0069】
(実施の形態5)
図8は、本実施の形態5の通信システム800を示す図である。図8は、異なる通信システムにて運営されている各基地局装置からの信号を、通信端末装置801に備えられた受信装置が受信する通信システムを示す図であり、第1の通信システムと第2の通信システムが同一エリアで運営されるものを示す。なお、通信端末装置801に備えられる受信装置は、図1の受信装置111、図4の受信装置412、図5の受信装置513または図6の受信装置614の内の任意の受信装置を適用することができる。
【0070】
第1の通信システムにて運営される基地局802は、基地局アンテナ803より第1の通信システムの基地局送信信号を送信する。同様に、第2の通信システムにて運営される基地局804は、基地局アンテナ805より第2の通信システムの基地局送信信号を送信する。第1の通信システムの基地局送信信号は、第1の通信システムのサービスエリア#810の範囲まで通信が可能となるように基地局の設置や送信電力が設定され、第2の通信システムの基地局送信信号は、第2の通信システムのサービスエリア#811の範囲まで通信が可能となるように基地局の設置や送信電力が設定されているものとする。
【0071】
また、通信端末装置801は、第1の通信システムのサービスエリア#810と第2の通信システムのサービスエリア#811とが重なった図8に斜線にて示す領域#812にて通信を行うものである。通信端末装置801は、第2の通信システムの基地局送信信号を受信したい信号(希望波)とし、第1の通信システムの基地局送信信号は、その通信において干渉を与える妨害波とする。この時、第1の通信システムの基地局送信信号は図3(b)、第2の通信システムの基地局送信信号は図3(c)に示すものである。
【0072】
このように、本実施の形態5によれば、上記実施の形態1〜実施の形態4の効果に加えて、本発明の受信装置を備えた通信端末装置801を用いた通信システム800の構成をとることにより、第1の通信システムのサービスエリア#810及び第2の通信システムのサービスエリア#811のように、同一地域において、第1の通信システムと第2の通信システムが運営される場合に、第1の通信システムの基地局送信信号の周波数が、第2の通信システムの基地局送信信号の周波数に近接している場合においても、第1の通信システムの基地局送信信号により生じる第2の通信システムの通信品質の劣化を低減した通信サービスを提供することができる。
【0073】
なお、図8において、基地局装置802と基地局装置804は、異なる場所に設置される場合について示したが、これに限らず、同一の基地局装置から第1の通信システム基地局送信信号と第2の通信システム基地局送信信号を送信するようにしても良い。この場合においても、第1の通信システムのサービスエリアと第2の通信システムのサービスエリアとが重なった領域が存在するため、同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、3GPPで規格がそれぞれ定められているUMTS方式及びGSM方式や、UMTS方式と国内で運営されているPDC方式などを一つの端末装置で受信することができる受信装置、通信端末装置及び利得制御方法に用いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る利得制御部の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る受信装置における信号レベルを示す図
【図4】本発明の実施の形態2に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態3に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態4に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態4に係る利得制御部の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態5に係る通信システムを示す図
【図9】従来の受信装置における信号レベルを示す図
【符号の説明】
【0076】
111 受信装置
101 受信アンテナ
102 フロントエンド部
103 第1の可変利得増幅器
104 A/D変換器
105 直交復調器
106 Ichチャネルフィルタ
108 Qchチャネルフィルタ
110 帯域内電力演算部
121 チャネルフィルタ部
141 利得制御部
142 通信圏内検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信システムの通信圏内であることを検出する通信圏内検出手段と、
前記第1の通信システムとはシステムが異なる第2の通信システムの通信信号の受信中に妨害波となる前記第1の通信システムの通信信号を受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信した前記通信信号のレベルが目標値に収束するように利得を制御するとともに、前記第2の通信システムの通信信号の受信中に前記通信圏内検出手段の検出結果に基づいて前記目標値を制御する利得制御手段と、
を具備することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記利得制御手段は、前記通信圏内検出手段にて前記第1の通信システムの通信圏内であることが検出された場合には、前記通信圏内検出手段にて前記第1の通信システムの通信圏内であることが検出されない場合に比べて前記目標値を低くすることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1の通信システムの受信電界強度を測定する受信電界強度測定手段を具備し、
前記利得制御手段は、前記受信電界強度測定手段にて測定された前記第1の通信システムの受信電界強度及び前記通信圏内検出手段の検出結果に基づいて前記目標値を制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の受信装置。
【請求項4】
前記受信手段にて受信した前記通信信号を直交復調してI信号とQ信号を生成する直交復調手段と、
前記直交復調手段にて生成された前記I信号及び前記Q信号のレベルを調整する利得増幅手段と、
前記利得増幅手段にてレベルが調整された前記I信号及び前記Q信号より前記通信信号のレベルを演算する電力演算手段とを具備し、
前記利得制御手段は、受信した前記通信信号のレベルが一定の場合に、異なる前記目標値を設定することにより生じた利得差を打ち消すように、前記利得増幅手段にて調整されるレベルを制御して前記電力演算手段に入力する前記I信号及び前記Q信号のレベルを一定にすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の受信装置。
【請求項5】
前記利得制御手段は、希望波信号のレベルが所定の値より低い場合には、前記目標値を制御しないことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の受信装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の受信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
【請求項7】
第1の通信システムの信号及び前記第1の通信システムの周波数帯と近接した周波数帯で運営される第2の通信システムの通信信号を送信する基地局装置と、
前記基地局装置から送信された前記第1の通信システムの通信信号及び前記第2の通信システムの通信信号を受信する通信端末装置とを有する通信システムであって、
前記通信端末装置は、
第1の通信システムの通信圏内であることを検出する通信圏内検出手段と、
前記第1の通信システムとはシステムが異なる第2の通信システムの通信信号の受信中に妨害波となる前記第1の通信システムの通信信号を受信する受信手段と、
前記受信手段にて受信した前記通信信号のレベルが目標値に収束するように利得を制御するとともに、前記第2の通信システムの通信信号の受信中に前記通信圏内検出手段の検出結果に基づいて前記目標値を制御する利得制御手段と、
を具備することを特徴とする通信システム。
【請求項8】
第1の通信システムの通信圏内であることを検出するステップと、
前記第1の通信システムとはシステムが異なる第2の通信システムの通信信号の受信中に妨害波となる前記第1の通信システムの通信信号を受信するステップと、
受信した前記通信信号のレベルが目標値に収束するように利得を制御するとともに、前記第1の通信システムの通信圏内であるか否かの検出結果に基づいて前記第2の通信システムの通信信号の受信中にて前記目標値を制御するステップと、
を具備することを特徴とする利得制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−109154(P2006−109154A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293912(P2004−293912)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】