説明

可変流量および圧力を備える液圧ポンプならびに改良型開ループ電気制御

本発明は、正確に制御されたオイル流量および圧力を送出するための可変容量形ポンプシステムであって、流入路、流出路を有する可変容量形ポンプ、可変容量形ポンプの排出量を制御するための第1の室および第2の室を含む可変容量形ポンプシステムである。本発明はまた、流出路からの流体を受けかつ選択的に流体を第2の室へ送出する流体制御装置を含む。流体は流入路から、可変容量形ポンプからの流出路へ送出され、流体はまた、流出路から第1の室および流体制御装置へ送出される。流体圧が第1の室において第2の室よりも高いとき、可変容量形ポンプの排出量は低減され、および流体圧が第2の室において第1の室よりも高いとき、可変容量形ポンプの排出量は増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年5月4日出願の米国仮特許出願第60/927,651号のPCT国際出願である。上述の出願の開示を本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、可変流量ポンプの出力を制御することに関する。具体的には、本発明は、エンジンで使用される可変オイルポンプ用の制御システムであって、オイルポンプの出力を制御するために使用される制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
自動車において使用されるエンジンは一般に、エンジン軸受ならびにエンジンの他の構成部品に潤滑性を与える何らかの形態のポンプを有する。一般に、これらのオイルポンプは、エンジンのクランクシャフトによって直接的または間接的に駆動され、非常に複雑な圧力調整システムを有していない。これらのシステムは一般的に十分であるが、いくつかの欠点がある。中でも、圧力調整システムが単純であるため、オイルポンプの出力および種々のエンジン部品への流体の送出に関する制御が幾分制限されていることである。
【0004】
この制御の欠如の一例は、種々のエンジン構成部品に最大量のオイル流量を必要とはしない特定のエンジン運転条件があることである。しかしながら、オイルポンプの制御に関して柔軟性が欠如しているため、油圧が、これらの種々の運転条件下において必要とされる値を超えてしまう可能性があり、これにより、オイルポンプが過度に電力を消費し、かつエンジンの効率を低下させることとなる。これは主に、オイルポンプの設計が、通常、全エンジン運転条件下において、オイルポンプが、最悪のケースの条件に必要とされる油圧および流量より高いレベルで送出させようとする設計となっているためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、オイルポンプを直接的または間接的のいずれかで制御するためのソレノイドを作動させるエンジン制御ユニットを使用することによる、可変流量ポンプの制御方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、正確に制御されたオイル流量および油圧を送出するための可変容量形ポンプシステムであって、流入路、流出路を有する可変容量形ポンプと、可変容量形ポンプの排出量を制御する第1の室と、可変容量形ポンプの排出量を制御する第2の室とを含む可変容量形ポンプシステムである。本発明はまた、流出路から流体を受けかつ選択的に流体を第2の室に送出する流体制御装置を含む。
【0007】
流体は流入路から、可変容量形ポンプからの流出路へ送出され、流体はまた流出路から第1の室および流体制御装置へ送出される。流体圧が第1の室において第2の室よりも高いとき、可変容量形ポンプの排出量は低減され、および流体圧が第2の室において第1の室よりも高いとき、可変容量形ポンプの排出量は増大する。
【0008】
本発明のさらなる適用範囲は、以下の詳細な説明から明らかとなる。詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示すものであるが、あくまでも例示を目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0009】
本発明は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による、ポンプの流量および圧力を制御するシステムの概略図である。
【図2】本発明による、ポンプの流量および圧力を制御するシステムに使用されるポンプの断面図である。
【図3】本発明による、ポンプの流量および圧力を制御するシステムに使用される電磁弁モジュールの性能特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の好ましい実施形態の説明は本質的に例示に過ぎず、本発明、その応用、または使用を限定することを意図するものではない。
【0012】
図を全体的に参照すると、本発明による流体を汲み上げるシステムを、全体的に10で示す。システム10は、エンジン側またはエンジン12と、ポンプ側または可変容量形ポンプ14と、オイルサンプ16とを有する。システム10は、可変容量形ポンプ要素または可変出力ポンプ要素のいずれかによってオイルポンプ14を制御するために設けられている。本発明においては、限定はされないが、例えば他のタイプのベーンポンプ、ギアポンプ、ピストンポンプなど、他のタイプのポンプシステムも使用できることを理解されたい。
【0013】
本発明のシステム10には、少なくとも潤滑回路(全体的に18で示す)、エンジン制御ユニット(すなわち、ECU)またはコンピュータ20がある。オイルポンプ14は、オイルサンプ16からオイルを汲み出し、それを高圧で潤滑回路18に送出する。
【0014】
潤滑回路18は、オイルフィルタ22、および変圧変換器26を含む。流体をエンジンのクランクシャフト、軸受、コネクティングロッド、およびカムシャフトに送出する。この実施形態ではオイルフィルタ22および変圧変換器26を示すが、本発明の他の実施形態は、オイルフィルタ22、または圧力変換器26を含まないこともある。具体的には、システム10は開ループ系として動作する能力を有するため、圧力変換器26をなくすことができる。潤滑回路18の絞りを概略的にくびれ24で示す。潤滑回路18はまた、一般的に当該技術分野で公知であるように、任意にピストン冷却ジェット、チェーン給油器、可変カムタイミング位相器、およびシリンダー起動停止システムなどのアイテムを含み得る。潤滑回路18はまた、流体を、エンジン12の一部である主オイルギャラリ28に送出する。
【0015】
ECU20は、測定されたエンジン回転数30、エンジン温度32、およびエンジン負荷、トルクまたはスロットル34のための電気入力端子を含む。ECU20はまた、本実施形態に示すように、変換器26からの測定された油圧36のための電気入力も有し得る。ECU20はまた、オイルポンプ14を制御するために使用される電気制御信号を送信するための出力端子38も有する。
【0016】
オイルポンプ14はまた、流入または吸入路42と、流出または排出路およびマニホルド44とを含むハウジング40を含む。オイルポンプ14はまた、任意に圧力逃がし弁46、および/またはオイルポンプ14内部内で使用するために排出オイルを清浄化するための内部オイルフィルタ48を含む。本実施形態では圧力逃がし弁46および内部オイルフィルタ48を含むものの、これらの装置は本発明の動作に必要なものではない。
【0017】
オイルポンプ14は、可変流量ポンプ要素(全体的に50で示す)を含む。可変流量ポンプ要素50は、排出量の制御ポンプ要素、例えば偏心リング52を含む。偏心リング52の位置が、所与の駆動速度においてポンプ要素50によって排出された理論流量を決定する。ハウジング40には、偏心リング52の対向する両側に2つの制御室54、56が設けられている。制御室54、56は双方とも、偏心リング52の領域に制御力を及ぼすことを目的として圧力が制御された流体を含む。第1の室、例えば、低減室54は、可変流量ポンプ要素50の流速を低減させるために、偏心リング52に加えられる圧力を有し、および第2の室、例えば、増大室56は、可変流量ポンプ要素50の流速を増大させるために、偏心リング52に加えられる圧力を有する。偏心リング52内には、複数のスロット130を有するロータ128が配置されていて、各スロット130はベーン132を収容している。ロータ128は軸の周りで回転し、エンジンのクランクシャフト12から受ける回転力によって駆動される。
【0018】
ハウジング40と偏心リング52との間にはスプリング58が位置決めされ、偏心リング52に力を加えて、可変流量ポンプ要素50の最大流体汲み上げ排出量の方へ偏心リング52を付勢する。チャネル60およびチャネル62の形態の少なくとも1つのチャネルも含まれる。低減室54に、チャネル60を介したオイルポンプ排出マニホルド44からの、または、代替的な実施形態では、チャネル62を介して潤滑回路18の下流のどこか他の箇所(例えば、通常主オイルギャラリ28から)においてのいずれかから油圧を供給する。
【0019】
オイルポンプ14はまた、電磁弁モジュール64の形態の流体制御装置を含み、流体制御装置は、電磁弁ステージ66および圧力調整弁ステージ68を含む。電磁弁モジュール64を使用して増大室56における流体圧の量を制御する。
【0020】
電磁弁ステージ66は、ソレノイド70、アーマチュアばね72、およびハウジング74を含む。ソレノイド70は、電線のコイル76と、鉄アーマチュア78とを含み、コイル76を通る電流が電磁場を生成して、アーマチュアを圧縮ばね72に対して動かしてハウジング74にある弁孔80を開放し、それによりハウジングに流体が流れることを可能とするように構成される。
【0021】
圧力調整弁ステージ68は、スプール82と、スプールばね84と、スプール82をラジアルに収納するためのボア86(すなわち、ハウジング74内の)を画成する領域とを含む。スプール82は、2つの環状溝のある外径と、スプール供給ポート88と、スプール制御ポート92とを有する。スプール供給ポート88はハウジング供給ポート90と連続的に流体のやりとりを行い、かつスプール制御ポート92はハウジング制御ポート94と連続的に流体のやりとりを行う。スプール供給ポート88はまた、制限的なオリフィス孔102を介して第1の流体室100とも連続的に流体のやりとりを行う。スプール82を、流体室100の制御圧、ばね84、および第2の流体室104の供給圧の合力によってボア86に軸方向に位置決めする。制限的なオリフィス孔102によって流体室104と流体室100との間に圧力差が生じ、その機能については、後で説明する。
【0022】
チャネル60(または代替的な実施形態では62)を、低減室54に供給する共通の流入チャネル118に接続する。流入チャネル118には、圧力供給チャネル120が接続される;この実施形態では、オイルフィルタ48が圧力供給チャネル120に含まれかつそこに配置される。ハウジング供給ポート90には、圧力供給チャネル120、および含まれる場合にはフィルタ48から油圧が供給される;圧力供給チャネル120は、流入チャネル118を介してチャネル60(または62)から圧力を受け取る。圧力供給チャネル120をチャネル122に接続し、チャネル122をポート106に接続して流体を流体室104に供給する。圧力供給チャネル120はまた、ハウジング供給ポート90と流体のやりとりを行う。潤滑回路18はまた任意に別の制限的なオリフィス124を含み、そこに流体が流れ、その後ポート106を通って流体が流れる。制限的なオリフィス124を設ける目的は、ポート106を通る流体の流速を低下させることによってスプール82の動きを減衰させることである。
【0023】
スプール82の軸方向位置を変更することにより、スプール制御ポート92とハウジング供給ポート90との間、およびスプール制御ポート92とハウジング排出ポート108との間の流体のやりとりする量を増減させる。これは結果的に、スプール制御ポート92およびハウジング制御ポート94の制御圧(例えば、図3の符号98を参照)を、ハウジング供給ポート90の圧力(例えば、図3の符号96を参照)よりも幾分低くする調整に影響をもたらす。低圧力レベルは、ばね84のばね定数およびばね84の組み立て時の長さならびにスプール82の各端部の領域によって決定される。低圧力レベルを、ハウジング制御ポート94を通して増大室56に供給し、その圧力がスプリング58と共に偏心リング52に作用して可変流量ポンプ要素50の流速を増大させる。低圧力レベルは、スプリング58と共に偏心リング52のための「基準圧力」の働きをするので、低減室54の圧力が、増大室56の圧力とスプリング58との合力を超える場合、低減室54の圧力は偏心リング52を動かしてポンプ流量を低減させ、それにより、増大室56の圧力およびスプリング58と力平衡が得られるまで低減室54の圧力を低減させる。
【0024】
反対に、低減室54の圧力が基準圧力よりも低い場合、増大室56の圧力およびスプリング58は偏心リングを動かしてポンプ流量を増大させる。圧力調整弁ステージ68を、合計3つの流体連結ポート、すなわち、スプール供給ポート88、ハウジング供給ポート90およびハウジング排出ポート108を有するように本発明の一態様に従って示す。
【0025】
流体圧の低いエンジン12の始動中、ポンプ14は図2に示す位置にあり、スプリング58がポンプ14を最大排出量へと付勢する。エンジン12の始動中の流体圧が低い間はまた、ばね84がスプール82を図2で見ると左側に付勢し、ばね72が図2で見ると左側にアーマチュア78を付勢する。次いで、ポンプ14が流体を汲み上げるにつれ、増大室56および低減室54において圧力が等しくなる。偏心リング52が図2に示す位置にある場合、ロータ128およびベーン132によって流体の最大量を汲み上げる。ロータ128が回転するとベーン132は摺動してスロット130に入ったり出たりし、各ベーン132間の空間が拡大収縮し、吸入路42から流体を吸い込み、かつ排出路44へ流体を追い込む。
【0026】
拡大収縮する各ベーン132間の空間容積は、偏心リング52の位置がロータ128に対して変化するにつれ、変動する。ベーン132は常に偏心リング52と滑り接触している;ベーン132と偏心リング52との間の滑り接触は、遠心力、ベーン132下部の油圧、または偏心リング52と動くベーン延長リング(図示せず)など任意の従来の手段によって維持し得ると共に、各ベーン132を支持する。
【0027】
スプリング58および増大室56の圧力から偏心リング52に対して加えられる合力に比べて、低減室54の圧力が偏心リング52に対してより大きな力を加えるような、増大室56の圧力が低減しかつ低減室54の圧力が増大するとき、偏心リング52は、図2で見る場合、排出量が低減するような位置へ下方に動く。低減室54に十分な圧力がある場合、ポンプ14の排出量は実質的にゼロであり、ベーン132間の空間は拡大も収縮もせず、流体は汲み上げられない。低減室54および増大室56の流体圧の大きさが等しい場合、スプリング58は、ポンプ14を最大排出量となるように付勢する。偏心リング52の位置を、ポンプ14の排出量が実質的にゼロから最大排出量までの範囲となるように変えることができる。
【0028】
図3に、縦軸に(例えば、スプール制御ポート92およびハウジング制御ポート94における)電磁弁制御圧98を、横軸上の(例えば、スプール供給ポート88およびハウジング供給ポート90における)供給圧96とECU電気出力線/ワイヤ38を通る電磁弁66への電流との双方の関数としてグラフで示している。
【0029】
本発明の一態様によれば、曲線は、2つの特徴的なゾーン、例えば、オフセット制御圧ゾーン112および可変制御圧ゾーン114を有する。オフセット制御圧ゾーン112から可変制御圧ゾーン114への移行は、電磁弁66への電流が増大するにつれ供給圧が低減することで発生する。
【0030】
作動中、ポンプ14は低供給圧96において始動する(始動時)。上述のように、低供給圧96では、ばね84は図2で見た場合、スプール82を左側に優勢的に保持し、それにより、スプール制御ポート92とハウジング排出ポート108との間の流体のやりとりする量を低減させかつスプール制御ポート92とハウジング供給ポート90との間の流体のやりとりを増大させ、増大室56における流体の圧力と量とを増大させる。ばね72は、図2で見た場合、左側にアーマチュア78を保持し、スプリング58は、図2に示す位置に偏心リング52を保持し、ポンプ14は最大変位の位置にある。ポンプ14が流体を汲み上げるため、流体室100および流体室104内の圧力が増大する。この点において、流体がポート106から流体室104へ、ならびにハウジング供給ポート90からスプール供給ポート88へ流れる。ハウジング供給ポート90から、流体の一部がスプール供給ポート88および制限的なオリフィス孔102を通って流体室100へ流れ、そこで、圧力が増大し始め、かつ別の流体の一部がハウジング供給ポート90からスプール制御ポート92へ流れる。スプール制御ポート92にある流体の一部は、ハウジング制御ポート94および増大室56へ流れる。
【0031】
初めに、流体室104および流体室100において同時に供給圧96が増大するとき、流体室104および流体室100に流れる流体の圧力は実質的に等しい。それゆえ、供給圧96は増大し続け、ばね84からの力が、例えば制限的なオリフィス孔102を介して連通した流体室100における制御圧力とともに、流体室104の供給圧力に打ち勝ち、スプール82を図2で見た場合、左側に保持する。
【0032】
供給圧96が増大し続けるとき、流体室100の圧力も増大し続け、流体室100の流体圧は、鉄アーマチュア78から加えられた力と共に、最終的に、ハウジング74に対してソレノイドアーマチュア78を保持するばね72に打ち勝ち、それにより弁孔80を開放する。
【0033】
弁孔80が開放され、かつ制限的なオリフィス孔102を通る、制限された流体流があるとき、流体室100の流体圧はもはや、スプール供給ポート88における供給圧96と比較して等しくなく、低減されている。これにより、流体室100と流体室104との間の圧力差を生じる。流体室100の圧力が、流体室104の圧力に対して降圧し続けるとき、流体室104においてスプール82に作用する圧力差は、最終的に、スプール82に加えられる、ばね84および流体室100の圧力からの合力に打ち勝ち、図2で見た場合、スプール82を右側に動かして、スプール制御ポート92とハウジング排出ポート108との間の流体のやりとりを増大させ、かつスプール制御ポート92とハウジング供給ポート90との間の流体のやりとりを低減させて、増大室56の圧力および流体量を低減させる。
【0034】
ECU20は、電気出力38を介してソレノイドコイル76に電流を選択的に送る能力を有する。これは電磁場をもたらし、アーマチュア78をばね72に抗して動くように付勢する。ばね72に抗してアーマチュア78のみを付勢することによって、アーマチュア78を動かすことはない;しかしながら、電磁場に起因するアーマチュア78からばね72に加えられる力は、流体室100において必要とされる圧力量を低減させ、アーマチュア78を動かしかつ弁孔80を開放させるためのばね72からの力に打ち勝つようにし、それにより、流体室100の圧力を低減し、圧力調整弁ステージ68および圧力調整弁ステージ68の上流にあるもの全て(すなわち、共通流入チャネル118および圧力供給チャネル120)の圧力も同様に低減させる。
【0035】
システム10の所望の運転条件に基づいて電流を選択する。ソレノイドコイル76に加えられる電流量が増大するとき、ばね72の力に打ち勝つために流体室100に必要な圧力量は低減する。ソレノイドコイル76に供給される電流は、一定値に設定されるか、あるいは流体室100の圧力、従って、スプール82の位置を調整するように可変とされるかのいずれかである。システム10によって自動的に制御圧98を調整して、増大室56の圧力を正しく維持し、共通流入チャネル118において目標圧力を達成する。
【0036】
オイルポンプ14は、依然としてECU20なしで機能する。なぜなら、ゼロアンペアの電流において図3の可変制御圧ゾーン114に示すように、電磁弁モジュール64が、電気出力がなくてもある程度の圧力調整作業を行うためである。ソレノイドコイル76に供給される電流がない場合でも、ばね72の力に打ち勝つための十分な圧力が流体室100に増大しているとき、アーマチュア78は依然として動く。これにより、ソレノイドコイル76に電流が供給されたか否かにかかわらず、アーマチュア78のいずれの動きよりも前に流体室100の圧力は最大圧力に達する。
【0037】
オイルポンプ14を開ループ制御モードまたは閉ループ制御モードで動作させ得る。オイルポンプ14を、ECU20によって開ループ制御モードにおいて動作させ得る。なぜなら、ECU20は、変換器26を通る油圧を測定しなくとも、潤滑回路18における油圧がECU20の内部の「ルックアップ」テーブルからの電気出力38を介したソレノイド70へ流れる電流に応じていることがかなり確かであるとしているためである。これは、システムが、共通流入チャネル118および圧力供給チャネル120のフィードバック圧力に直接従って制御しているためである。
【0038】
オイルポンプ14をECU20によって閉ループ制御モードで動作させて、ECU20にプログラムされたソフトウェア論理制御に従って、電気出力38を通ったソレノイド70への電気信号を調整することによって油圧を、および変換器26によって潤滑回路18において測定された油圧をアクティブに制御し得る。所望であれば、ECU20は、潤滑回路18に要求されるオイル増加量を予測する能力を有する。これは、ポンプ、およびオイルを消費するエンジンサブシステム、例えば可変カムタイミングまたはシリンダーの起動停止などを同時に作動させることによってなされる。本発明を通して、ECU20はまた、いずれかの公知の条件、限定はしないが、測定されたエンジン回転数30、エンジン温度32、および/またはエンジン負荷34などに依存して潤滑回路18により高いまたはより低い油圧を選択することによって、所定の感圧型エンジンサブシステムを選択的に起動させる能力も有する。
【0039】
さらに、オイルポンプ14は、先の3つの制御モードの要素を組み合わせることにより、混合制御モードにおいて動作する能力も有する。非限定的な例として、正常なパラメータ範囲外の条件においてECU20の制御なしにオイルポンプ14自体を調整可能とし、次いで開ループ制御を使用して迅速に所望の値付近に油圧を達成させ、それから閉ループ制御を使用して所望の油圧を正確に達成することが有用である。
【0040】
本発明の代替的な実施形態を図1に示し、ここでは、仮想線134で示す追加的な制限線により、直接圧力供給チャネル120から直接ハウジング制御ポート94へ流体が流れることが可能である。この実施形態では、ハウジング制御ポート94はもはや、スプール制御ポート92から流体をアクティブに受けず、電磁弁モジュール64を使用して、単にハウジング制御ポート94からハウジング排出ポート108への流体の送出を制御する。スプール82は、ハウジング制御ポート94がもはや初期のエンジン始動後にスプール制御ポート92からの流体をアクティブに受けないことを除いて、依然として先の実施形態と同様に動作する。
【0041】
本発明の説明は、本質的に単に例示に過ぎず、それゆえ、本発明の趣旨から逸脱しない変形形態は本発明の範囲内にあるものとする。そのような変形形態は、本発明の趣旨および範囲から逸脱しないものとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステムであって、
流入路および流出路を有する可変容量形ポンプ;
前記可変容量形ポンプの排出量を制御する第1の室;
前記可変容量形ポンプの排出量を制御する第2の室;および
前記流出路からの流体を受けかつ選択的に流体を前記第2の室へ送出する流体制御装置であって、流体は前記流入路から、前記可変容量形ポンプからの前記流出路へ送出され、流体は前記流出路から前記第1の室および前記流体制御装置へ送出され、および流体圧が前記第1の室において前記第2の室よりも高いとき、前記可変容量形ポンプの排出量が低減され、流体圧が前記第2の室において前記第1の室よりも高いとき、前記可変容量形ポンプの排出量が増大される、流体制御装置
を含むシステム。
【請求項2】
前記可変容量形ポンプが最大排出量に付勢され、かつ前記流体制御装置が、前記可変容量形ポンプの前記流出路が流体を前記第2の室に送出可能とするように付勢され、および前記第2の室に流体が送出されるとき、前記可変容量形ポンプの排出量が増大する、請求項1に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項3】
アーマチュアに動作可能に連通したアーマチュアばねを有するソレノイドであって、前記アーマチュアは、前記流体制御装置の弁孔に動作可能に連通し、かつ前記アーマチュアばねは前記アーマチュアを前記弁孔の方へ付勢して、流体が前記弁孔に流れないようにする、ソレノイド;および
前記アーマチュアを取り囲むコイルであって、前記コイルに電流が供給されるときに、前記アーマチュアが前記アーマチュアばねに力を加え、前記弁孔から離すように前記アーマチュアを動かすために必要な流体圧を低減させ、および前記アーマチュアから前記アーマチュアばねへ前記弁孔の流体圧とともに加えられる力が、アーマチュアばねから前記アーマチュアに加えられる力よりも大きいとき、前記アーマチュアが前記流体制御装置の前記弁孔から離れるように動き、流体が前記弁孔を通過可能となるようにされている、コイル
を含む電磁弁ステージを有する電磁弁モジュールを前記流体制御装置が含む、請求項1に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項4】
前記アーマチュアばねから前記アーマチュアに加えられた力よりも大きい、前記弁孔に増大した流体圧をさらに含み、前記アーマチュアが変位されて、流体が前記弁孔を通過可能となる、請求項3に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項5】
ボア内に配置され、スプール供給ポートおよびスプール制御ポートを有するスプール;
前記スプール供給ポートと連続的に流体のやりとりを行いかつ前記スプール制御ポートと選択的に可変的に流体のやりとりを行い、前記流出路と流体のやりとりを行いかつそこから流体を受けるハウジング供給ポート;
前記スプール制御ポートおよび前記第2の室と連続的に流体のやりとりを行うハウジング制御ポート;
前記スプールと動作可能に連通し、第1の流体室内に配置されたスプールばねであって、前記第1の流体室は前記スプール供給ポートと流体のやりとりを行う、スプールばね;
前記流出路と流体のやりとりを行いかつそこから流体圧を受ける第2の流体室;および
前記スプール制御ポートと選択的に可変的に流体のやりとりを行うハウジング排出ポートであって、および低流体圧下、前記第1の流体室に配置された前記スプールばねが前記スプールを付勢して、前記スプール制御ポートと前記ハウジング排出ポートとの流体のやりとりを実質的に低減させ、かつ前記スプール供給ポートが、前記ハウジング供給ポートからの流体圧を受けて流体圧を前記スプール制御ポートに送出して、前記スプール制御ポートが流体を前記ハウジング制御ポートに送出し、前記第1の流体室が前記スプール供給ポートから流体圧を受け、かつ前記第2の流体室が前記流出路から流体を受ける、ハウジング排出ポート
を含む圧力調整弁ステージを有する電磁弁モジュールを前記流体制御装置が含む、請求項1に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項6】
前記第2の流体室および前記第1の流体室の流体圧が実質的に等しく、かつ前記スプールばねが前記スプールを付勢して、前記スプール制御ポートと前記ハウジング排出ポートとの流体のやりとりが低減され、前記スプール供給ポートが前記ハウジング供給ポートからの流体圧を受け、および流体圧を前記スプール制御ポートへ送出して前記スプール制御ポートが流体を前記ハウジング制御ポートに送出し、前記第1の流体室が前記スプール供給ポートからの流体圧を受け、前記第2の流体室が前記流出路からの流体を受けることをさらに含む、請求項5に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項7】
前記第1の流体室の流体圧が低減されて、前記スプールに加えられた前記第2の流体室の流体圧が、前記スプールばねおよび前記第1の流体室の流体圧の合力よりも大きく、それにより前記スプールを前記ボア内で動かして、前記スプール制御ポートと前記ハウジング供給ポートとの流体のやりとりを低減させ、かつ前記スプール制御ポートと前記ハウジング排出ポートとの流体のやりとりを増大させることをさらに含む、請求項6に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項8】
前記流出路が前記ハウジング制御ポートと流体のやりとりを行う、請求項7に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項9】
前記ポンプが、
排出量の制御ポンプ要素;
低減室をさらに含む前記第1の室;
増大室をさらに含む前記第2の室;
前記増大室および前記低減室を形成するために前記排出量の制御ポンプ要素を囲むハウジングであって、前記増大室が前記流体制御装置と動作可能に連通し、前記流入路および前記流出路がハウジング内部に形成されている、ハウジング;および
前記ハウジングに配置され、前記排出量の制御ポンプ要素を、前記可変容量形ポンプの排出量を作り出す位置に付勢するばねであって、前記流体制御装置が前記増大室に流体圧をもたらして、前記増大室の圧力、および前記ハウジングに配置された前記ばねから前記排出量の制御ポンプ要素へ加えられた力が、前記排出量の制御ポンプ要素へ加えられた前記低減室の圧力よりも大きいとき、前記可変容量形ポンプの排出量を増大させる、ばね
をさらに含む、請求項1に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項10】
前記低減室の圧力が、前記増大室の流体圧と、前記排出量制御要素に加えられた、前記ハウジングに配置された前記ばねからの力とを合わせた圧力よりも大きいとき、前記可変容量形ポンプの排出量が低減される、請求項9に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項11】
前記排出量の制御ポンプ要素が偏心リングをさらに含む、請求項9に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項12】
前記排出量の制御ポンプ要素内に配置されたロータ;および
複数の対応するスロットに配置された複数のベーンであって、前記複数の対応するスロットは前記ロータに形成され、かつ前記複数のベーンは前記排出量の制御ポンプ要素と滑り接触しており、前記複数のベーンのそれぞれ、前記ロータ、および前記排出量制御要素の間に空間が形成されて、前記可変容量形ポンプの排出量がゼロよりも大きいとき、前記排出量の制御ポンプ要素を、前記ロータの回転につれて前記複数のベーンのそれぞれの間の空間が拡大収縮するように位置決めし、それにより流体を前記流入路から前記流出路へ汲み上げるようにする、複数のベーン
をさらに含む、請求項9に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項13】
前記潤滑回路が、
前記可変容量形ポンプに動作可能に連通した主オイルギャラリ;
前記可変容量形ポンプによって汲み上げられる流体の量を変更する前記可変容量形ポンプへの流体の送出を促進する、前記主オイルギャラリと流体のやりとりを行う少なくとも1つのチャネル;
サンプと流体のやりとりを行う吸入路をさらに含む前記流入路であって、前記サンプ内の流体が前記可変容量形ポンプによって汲み上げられる、前記流入路;
前記流体が前記可変容量形ポンプによって排出される排出路をさらに含む前記流出路、
前記少なくとも1つのチャネルから前記流体制御装置へ流体を送出するための、前記少なくとも1つのチャネルと動作可能に連通した圧力供給チャネル;
をさらに含み、前記可変容量形ポンプが、前記サンプから前記吸入路へ流体を吸い込み、および前記主オイルギャラリ、前記少なくとも1つのチャネル、および前記圧力供給チャネルを介して前記排出路から流体を送出する、請求項1に記載の可変容量形ポンプの流量および圧力を制御するシステム。
【請求項14】
ポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステムであって、
潤滑回路を含むエンジン;
吸入路、排出路、および排出量の制御ポンプ要素を有し、前記潤滑回路と動作可能に連通した可変容量形ポンプ;および
前記可変容量形ポンプによって汲み上げられた流体量を制御する電磁弁モジュールであって、前記可変容量形ポンプから流体を受けて前記可変容量形ポンプにおける前記排出量の制御ポンプ要素の位置を制御し、それにより、前記潤滑回路を介して、前記可変容量形ポンプによって汲み上げられる流体量を制御する電磁弁モジュール
を含む、システム。
【請求項15】
前記電磁弁モジュールが、電磁弁ステージおよび圧力調整弁ステージをさらに含む、請求項14に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項16】
前記電磁弁ステージが、
コイルに囲まれ、かつアーマチュアばねからの圧力を受けるアーマチュアであって、前記アーマチュアばねが前記アーマチュアを付勢して、流体が弁孔を流れないようにする、アーマチュア;
をさらに含み、かつ
前記コイルに電流が供給されるとき、前記アーマチュアが前記アーマチュアばねに電磁力を加え、前記弁孔に必要とされる流体圧を低減させて、前記アーマチュアを前記弁孔から離れるように動かし、および前記アーマチュアばねに加えられる前記アーマチュアからの電磁力と合わされた前記弁孔の流体圧が、前記アーマチュアばねから前記アーマチュアに加えられた力よりも大きいとき、前記アーマチュアは前記弁孔から離れるように動いて、流体が前記弁孔を流れることが可能となり、前記圧力調整弁ステージの圧力を解放する、請求項15に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項17】
前記圧力調整弁ステージの流体圧が前記アーマチュアに、前記アーマチュアばねから前記アーマチュアに加えられた力よりも大きい力を加え、それにより、前記アーマチュアを前記弁孔から離れるように動かし、かつ流体が前記弁孔を流れることが可能となり、前記圧力調整弁ステージの圧力を低減させることをさらに含む、請求項16に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項18】
前記圧力調整弁ステージが、
スプールを収容するボアであって、前記スプールが、ハウジング供給ポートと流体のやりとりを行うスプール供給ポート、およびハウジング制御ポートと流体のやりとりを行うスプール制御ポートを有し、前記ハウジング制御ポートが前記可変容量形ポンプと流体のやりとりを行う、ボア;
第1の流体室に動作可能に配置されたスプールばねであって、前記第1の流体室は前記スプール供給ポートと流体のやりとりを行っており、前記第1の流体室の一部が前記スプールの一部によって形成されている、スプールばね;
前記排出路と流体のやりとりを行う第2の流体室であって、前記第2の流体室の一部が前記スプールの一部によって形成されている、第2の流体室;
前記スプール制御ポートと選択的に可変的に流体のやりとりを行うハウジング排出ポート;
をさらに含み、かつ
前記第1の流体室および前記第2の流体室が低流体圧下にあるとき、前記スプールばねは前記ボアに前記スプールを位置決めして、前記スプール制御ポートと前記ハウジング排出ポートとの流体のやりとりを低減させ、かつ前記スプール供給ポートは前記ハウジング供給ポートから流体圧を受け、それにより前記スプール制御ポートに流体を送出し;かつ
流体圧が前記第2の流体室において増大し、かつ流体圧が前記第1の流体室において低減して、前記第2の流体室の流体圧が、前記第1の流体室の流体圧と前記スプールばねから前記スプールに加えられた力との合力よりも大きいとき、前記スプールは前記ボア内を動いて、前記スプール制御ポートと前記ハウジング供給ポートまたは前記スプール供給ポートとの流体のやりとりを低減させ、かつ前記スプール制御ポートと前記ハウジング排出ポートとの流体のやりとりを増大させる、請求項15に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項19】
前記第1の流体室の流体圧および前記第2の流体室の流体圧が等しいとき、前記スプールばねは前記スプールを付勢して、前記スプール制御ポートと前記ハウジング排出ポートとの流体のやりとりを低減させ、かつ前記スプール供給ポートは前記ハウジング供給ポートからの流体圧を受け、それにより前記スプール制御ポートに流体を送出することをさらに含む、請求項18に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項20】
前記排出路を、前記ハウジング供給ポートと流体のやりとりをさせることをさらに含む、請求項18に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項21】
前記ポンプが、
偏心リングをさらに含む前記排出量の制御ポンプ要素;
前記偏心リングを囲んで増大室および低減室を形成するハウジングであって、前記増大室は前記電磁弁モジュールと動作可能に連通し、かつ前記低減室は前記潤滑回路と動作可能に連通し、前記吸入路および前記排出路が内部に配置されたハウジング;
前記偏心リング内に配置され、一連のスロットを有するロータ;
一連のベーンであって、前記一連のベーンの各々が、前記一連のスロットのそれぞれ1つ内に摺動可能に配置され、前記一連のベーンは前記偏心リングと滑り接触して、前記一連のベーンのそれぞれ、前記ロータ、および前記偏心リングの間に空間が形成される、一連のベーン;
前記増大室に選択的に流体を供給する前記電磁弁モジュール;および
前記可変容量形ポンプがゼロ超の排出量を有するような方向に前記偏心リングを付勢する前記ハウジング内に配置されたばねであって、前記電磁弁モジュールが流体を前記増大室に送出するとき、前記増大室の前記流体圧および前記ばねから前記偏心リングに加えられた力が、前記可変容量形ポンプの排出量を増大させ、および前記低減室の流体圧が、前記増大室における流体圧および前記偏心リングに加えられたばね力よりも大きいとき、前記可変容量形ポンプの排出量が低減される、ばね
をさらに含む、請求項14に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項22】
前記可変容量形ポンプの排出量がゼロ超のとき、前記ロータの回転につれて前記一連のベーンが前記一連のスロットに出たり入ったりして前記一連のベーンの各々の間の空間を拡大収縮させ、それによりポンプ作用を引き起こし、および前記可変容量形ポンプの排出量が実質的にゼロであるとき、前記一連のベーン間の空間は実質的に一定のままであり、前記可変容量形ポンプは流体を汲み上げない、請求項21に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項23】
前記潤滑回路が、
流体を保持するサンプであって、前記サンプから前記吸入路が流体を吸い込む、サンプ;
前記排出路から流体を受け、前記エンジンと動作可能に連通する主オイルギャラリ;
前記ポンプへ流体を送出するための、前記主オイルギャラリと流体のやりとりを行う少なくとも1つの流体チャネル;
前記少なくとも1つの流体チャネルおよび前記電磁弁モジュールと流体のやりとりを行う圧力供給チャネル;
をさらに含み、かつ
前記ポンプから排出された流体が、前記少なくとも1つの流体チャネルから前記電磁弁モジュールへ前記圧力供給チャネルを介して送出され、および前記ポンプが流体を汲み上げているとき、前記吸入路が前記サンプから流体を吸い込み、前記排出路が流体を前記主オイルギャラリに送出する、請求項14に記載のポンプを介した流体および流体圧の送出を制御するシステム。
【請求項24】
ポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステムであって、
エンジン;
ハウジングを有する可変容量形ポンプであって、前記ハウジングが、吸入路および排出路を有する、可変容量形ポンプ;
前記ハウジング内に配置された偏心リングであって、前記ハウジングが前記偏心リングを囲んで増大室および低減室を形成する、偏心リング;
前記ハウジング内で前記偏心リングの位置を変更させる圧力調整弁ステージ;
前記圧力調整弁ステージを通る流体の流れを変える電磁弁ステージ;
前記エンジンと前記可変容量形ポンプとの間の流体の流れを促進させる潤滑回路であって、前記排出路からの流体を受ける潤滑回路;
を含み、かつ
前記潤滑回路が前記圧力調整弁ステージに流体を送出して、前記圧力調整弁ステージの流体圧を増大させ、前記圧力調整弁ステージが前記増大室に流体圧を送出して、前記ハウジング内における前記偏心リングの位置を変更し、それにより、前記ポンプによって汲み上げられる流体量を変更し、かつ前記電磁弁ステージが前記圧力調整弁ステージの流体圧を変更し、前記増大室に送出される流体圧を変更する、システム。
【請求項25】
前記ポンプが:
一連のスロットを有するロータであって、回転力を有する装置によって駆動されて前記偏心リング内で回転するようにされるロータ;
一連のベーンであって、前記一連のベーンの1つ1つが、前記一連のスロットの別個の1つ内に摺動可能に配置されており、前記一連のベーンは前記偏心リングと滑り接触して、前記一連のベーンのそれぞれ、前記ロータ、および前記偏心リングの間に空間が形成される、一連のベーン;
前記ハウジング内に配置され、前記偏心リングと接触しているばね
をさらに含み、
前記ハウジングに配置された前記ばねから前記偏心リングへ加えられた力と前記増大室の圧力との合力が、前記低減室から前記偏心リングへ加えられた力よりも大きいとき、前記可変容量形ポンプの排出量が増大され、前記偏心リングは、前記一連のベーンがさらに摺動して前記一連のスロットに出たり入ったりするような位置となり、および前記一連のベーンのそれぞれの間の空間がより大きく拡大収縮して、前記吸入路へより大量の流体を引き込みかつ前記排出路から流体を排出し;かつ
前記ばねから前記偏心リングへ加えられた力と前記増大室の圧力との合力が、前記低減室から前記偏心リングへ加えられた力よりも小さいとき、前記偏心リングの、前記ロータに対する位置は、前記可変容量形ポンプの排出量が低減される位置とされ、それにより、前記一連のベーンのそれぞれの間の空間の拡大収縮量が低減され、前記吸入路に吸い込まれる流体量を低減させる、請求項24に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。
【請求項26】
前記圧力調整弁ステージが、
スプール供給ポートおよびスプール制御ポートを有するスプールであって、前記スプール制御ポートがハウジング供給ポートと選択的に可変的に流体のやりとりを行う、スプール;
前記スプール供給ポートと連続的に流体のやりとりを行う前記ハウジング供給ポート;
前記スプール制御ポートと連続的に流体のやりとりを行うハウジング制御ポート;
前記スプールを収容するボア;
前記スプールの端部と前記ボアとの間に形成され、前記スプール供給ポートからの流体を受ける第1の流体室;
前記スプールの端部と前記ボアとの間に形成され、前記可変容量形ポンプからの流体圧を受ける第2の流体室;
前記スプール制御ポートと選択的に可変的に流体のやりとりを行うハウジング排出ポート;および
前記スプールを付勢するために前記第1の流体室内に配置されたスプールばねであって、前記圧力調整弁ステージが低圧力下にあるとき、前記スプール制御ポートと前記ハウジング供給ポートとの流体のやりとりが増大され、かつ前記ハウジング供給ポートが前記スプール供給ポートおよび前記スプール制御ポートに流体圧を送出し、前記第1の流体室が前記スプール供給ポートからの流体圧を受けるようにする、スプールばね
をさらに含む、請求項24に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。
【請求項27】
前記第1の流体室の流体圧を解放し、前記第2の流体室が前記潤滑回路からの流体を受け、前記第2の流体室の圧力を増大させて、前記スプールばねから前記スプールに加えられた力に打ち勝つことにより、前記スプールが前記ボア内を動き、それにより、前記ハウジング供給ポートと前記スプール制御ポートとの間の流体のやりとりが低減され、前記スプール制御ポートと前記ハウジング排出ポートとの流体のやりとりを増大させることをさらに含む、請求項26に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。
【請求項28】
前記スプールに加えられる前記第2の流体室の流体圧が、前記スプールに加えられる前記第1の流体室の流体圧と等しいとき、前記スプールばねは前記ボアに前記スプールを付勢して、前記ハウジング供給ポートが前記スプール供給ポートおよび前記スプール制御ポートに流体を送出するようにする、請求項26に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。
【請求項29】
前記排出路が前記ハウジング制御ポートと流体のやりとりを行う、請求項26に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。
【請求項30】
前記電磁弁ステージが、
コイルに囲まれ、前記圧力調整弁ステージが前記増大室に流体圧をもたらすとき、アーマチュアばねによって付勢されて前記圧力調整弁ステージの流体圧を維持するアーマチュア;
前記コイルに供給される電流であって、それにより、前記アーマチュアは前記アーマチュアばねに力を加え、前記圧力調整弁ステージからの前記アーマチュアを動かすために必要な流体圧を低減させる、電流;
をさらに含み、かつ
電流が前記コイルに供給されるときに前記アーマチュアばねに加えられた前記アーマチュアと前記圧力調整弁ステージの流体圧との合力が、前記アーマチュアばねから前記アーマチュアに加えられた力よりも大きいとき、前記アーマチュアが、前記アーマチュアばねによって加えられた力に打ち勝つ方向に動いて、前記圧力調整弁ステージの流体圧の一部を解放する、請求項24に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。
【請求項31】
前記アーマチュアが、前記アーマチュアばねによって加えられた力に打ち勝つ方向に動いて、前記圧力調整弁ステージの流体圧が、前記アーマチュアばねから前記アーマチュアに加えられた力よりも大きいとき、前記圧力調整弁ステージの流体圧の一部を解放することをさらに含む、請求項30に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。
【請求項32】
前記潤滑回路が、
前記エンジンと動作可能に連通した主オイルギャラリ;
前記低減室、前記排出路、および前記主オイルギャラリと流体のやりとりを行う少なくとも1つのチャネル;
前記少なくとも1つのチャネルおよび前記圧力調整弁ステージと流体のやりとりを行う圧力供給チャネル;
前記吸入路と流体のやりとりを行うサンプ;
をさらに含み、かつ
前記少なくとも1つのチャネルにある前記流体が前記ポンプの前記低減室および前記圧力供給チャネルに流れ、かつ前記圧力供給チャネルが前記圧力調整弁ステージに流体を送出することを含む、請求項24に記載のポンプシステムを介した流体送出量を促進させるシステム。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−526237(P2010−526237A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506323(P2010−506323)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/005631
【国際公開番号】WO2008/137037
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500124378)ボーグワーナー・インコーポレーテッド (302)
【Fターム(参考)】