説明

周波数偏移干渉計及び選択的データ処理

【課題】 安定且つ高速に被検体の光学プロファイルを測定することができる周波数偏移干渉計及びその方法を提供する。
【解決手段】 連続同調型光源16により被検体12の光学プロファイルを測定する周波数偏移干渉計10が提供される。被検体12の一連の干渉画像が捕捉されると共に、干渉画像が形成された時のビーム周波数が取得される。捕捉された被検体の干渉画像から、監視ビーム周波数が所定のビーム周波数間隔パターンに略一致する限定された数の干渉画像が選択される。選択された干渉画像に基づいて更に処理が継続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異なる測定ビーム周波数において干渉画像を捕捉する周波数偏移干渉法及び干渉画像間の関係を利用した被検体の光学プロファイルを測定するための処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ほとんどの結像干渉計は、(a)測定ビームを被検体に衝突させる被検体ビームと基準ビームに分割し、(b)被検体ビームと基準ビームを再結合し、(c)再結合した被検体ビームと基準ビームとを用いて被検体を撮像することにより被検体の干渉画像を形成している。周波数偏移干渉計は干渉画像の個々の点における干渉位相が被検体と基準ビームとの局所的光路長差に比例する割合で測定ビーム周波数の変化に応じて変化するという知見を利用したものである。異なるビーム周波数において捕捉された複数の干渉画像の対応する画像点の強度変化を評価することにより、ビーム周波数の変化に伴い画像点の位相が建設的状態と相殺的状態とを循環する速度(即ち、周波数)が決定される。複数の画像点における決定された位相変化の周波数に関連した比例光路長差を、表面トポロジーや光学的厚さの変化のようなそれぞれの被検体の物理的特性を表わす光プロファイルに組み立てることができる。
【0003】
同じ干渉画像の異なる点における干渉位相を比較する他の干渉計とは異なり、周波数偏移干渉計は異なる測定ビーム周波数によって形成された異なる干渉画像の同じ点の干渉位相を比較することにより、より広範囲にわたりより大きな2点間の変化の光プロファイルを算出する。しかし、非常に広い範囲にわたり2点間の変化を正確に算出するために、周波数偏移干渉計は、異なるビーム周波数において比較的多くの干渉画像を捕捉する。連続した形状を成す平坦な光学面を測定するために16枚の干渉画像が捕捉された例やより凹凸のある機械加工部品の測定において128枚の干渉画像が捕捉された例が知られている。
【0004】
等間隔のビーム周波数によって生成された干渉パターンを評価することにより、複数の干渉画像の個々の点の強度データを位相変化速度に変換するアルゴリズムを簡略化することができる。2つの方法によって一連の等間隔のビーム周波数が生成されている。その1つは光源のスペクトル出力を連続して直線的に変化させ、等時間間隔で干渉画像を捕捉する方法である。もう1つの方法は光源のスペクトル出力を等間隔にした離散的周波数に同調する方法である。前者の方法は、ほとんどの光源は様々なシステム上や環境上の影響、あるいはその他の影響により必要な帯域全体にわたり直線的に変化しないため正確性に欠ける。実際のビーム周波数を監視し、より複雑なアルゴリズムを採用すれば高精度が達成できる。後者の方法は多大な時間を要する共に振動や温度変化による雑音の影響を受ける。離散的ビーム周波数毎に光源を調整し安定させる必要があるため余分な時間を必要とする。同調ステップによって振動が生じると共に、長時間の測定により温度等の測定条件がドリフトする傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
安定且つ高速に被検体の光学プロファイルを測定することができる周波数偏移干渉計及びその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、好ましい実施の形態の中で、取り分け一連の干渉画像を高速、即ち、所望のビーム周波数間隔パターンにおける干渉画像を捕捉する速度より速い速度で光源のスペクトルを変化させる。干渉画像が捕捉されるビーム周波数が監視される。捕捉された比較的大量の干渉画像から、等間隔のような所望のビーム周波数間隔パターンを示すビーム周波数によって形成された干渉画像に対応する捕捉干渉画像のサブセットが特定される。捕捉された干渉画像のサブセットが所望の間隔パターンに対し最適化されたアルゴリズムによって処理される一方、捕捉された残りの干渉画像は直後の処理から除外される。
【0007】
光源の所望の帯域の一端から他端にわたるノンストップ同調により、複数の対象ビーム周波数の各々において周波数を安定化させる必要がある離散同調方式と比較して振動が低減されると共にデータ収集時間が短縮される。所望の範囲にわたる同調が行われる間、カメラに連動するフレーム取込器によって、好ましくは処理対象の干渉画像数の数倍を捕捉できる速度で干渉画像が捕捉される。同時に、周波数分析器によって干渉画像が捕捉されたビーム周波数が監視される。周波数分析器は、ビーム周波数が解釈できる干渉パターンを形成するエタロンのような干渉ビーム監視キャビティーを有することができ、カメラは被検体の干渉画像及び干渉画像が形成されたビーム周波数を表わす干渉パターンの両方を収集するよう構成されたデータ収集領域を備えることができる。このように、被検体の干渉画像のみならず、干渉画像が形成されたビーム周波数を表わす干渉パターンもフレーム取込器によって捕捉される。
【0008】
被検体を測定するための捕捉干渉画像の処理の途中において、干渉画像が捕捉されたビーム周波数が評価され、関連ビーム周波数が所望のビーム周波数間隔パターンに対応する一連の捕捉干渉画像が特定される。一般に、その後の処理を簡略化する上において等間隔が望ましい。間隔の刻み幅、即ち、等間隔周波数間の差の変更が可能であり、使用可能なビーム周波数を所望の等間隔パターンに一致させることができる。等間隔を前提とする離散フーリエ変換のような、捕捉された干渉画像を処理する周知のアルゴリズムは、間隔そのものが等しい限り、異なるビーム間隔の刻み幅に対応することができる。明確な測定範囲を広げる場合には狭い周波数間隔によって捕捉された干渉パターンが好ましく、所望の測定精度を得るためには広範な周波数範囲(即ち、かかる周波数間隔の数を増やすこと)が好ましい。
周波数同調型光源は、一連のレーザー・モードを示すレーザー・キャビティー及び一連のフィードバック・モードを示す固定長のフィードバック・キャビティーを備えた外部キャビティー・レーザーであることが好ましい。レーザー発振キャビティーとフィードバック・キャビティーとが共通モードのとき、捕捉された干渉画像が最も高いコントラストを示す。通常の動作条件下において、フィードバック・キャビティーの固定光路長がレーザー発振キャビティーの光路長の整数倍にセットされることが好ましい。従って、レーザー発振キャビティーのモードとフィードバック・キャビティーのモードとは、一般にフィードバック・モード間隔の所定の倍数において一致する。
【0009】
外部レーザーの第1のノンストップ、即ち、連続同調掃引において、瞬時レーザー発振キャビティー・モードに一致する第1のフィードバック・モード・セットにおいて捕捉された干渉画像が処理対象として選択されることが好ましい。第1の同調掃引に続き、レーザー発振キャビティー・モード調整器(例えば、電流調整器)によって一連のレーザー発振キャビティー・モードが、別の一連のフィードバック・キャビティー・モードに一致するよう同一フィードバック・モードの倍数によってシフトされる。外部レーザーの第2のノンストップ同調掃引において、シフトされたレーザー発振キャビティー・モードに一致する第2のフィードバック・モードのセットにおいて捕捉された干渉画像が処理対象として選択されることが好ましい。その後のノンストップ同調掃引において、同調範囲のすべてのフィードバック・モードに対応する捕捉干渉画像が継続処理対象として選択されるまで、レーザー発振キャビティー・モードを連続的にシフトして別のフィードバック・キャビティー・モードに一致させることができる。ビーム監視キャビティーをフィードバック・モードの間隔に相当する固定光路長に設定することにより、等間隔のフィードバック・モードにおける捕捉干渉画像を特定するのを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態による周波数偏移干渉計を示す図。
【図2】リトロー格子角とビーム周波数との関係を示すデータ収集方法の対比図。
【図3】A〜Cは測定対象物表面の干渉画像の進行を示す図。
【図4】本発明の1つ以上の実施の形態によるデータ収集・処理ステップを示すフローチャート。
【図5】被検体表面及びその測定ビーム周波数に関する干渉データが1つのカメラによって記録される別の周波数偏移干渉計を示す図。
【図6】カメラの共通画像取得面内における被検体表面及び測定ビーム周波数の干渉画像を示す図。
【図7】一連の同調掃引によって処理対象干渉データを収集するレーザー発信モード調整器を備えた同調型外部キャビティー・レーザーを示す図。
【図8】レーザー発振キャビティー・モードとフィードバック・キャビティー・モードとを比較するビーム周波数の複名数線を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
光学平面14の基準面(即ち、フィゾー面)13との比較により被検体12の表面11(例えば、表面形状)を測定するフィゾー干渉計を成す本発明の実施の形態による画像をベースにした周波数偏移干渉計10を図1に示す。130μm〜300mmに及ぶ被検体12の表面11と光学平面の基準面13との距離により、様々な被検体の様々な測定を行うことができる。マイケルソン干渉計及びマッハツェンダー干渉計を含む他の構成の干渉計を用いて本発明を実施することができる。しかし、これ等の構造を有する干渉計は異なる測定ビーム周波数において非検体の多数の干渉画像を生成・処理できることが好ましい。
【0012】
例えば、図示の干渉計10は、ビーム・スプリッター18及び光ファイバー20を介して帯域の一端から他端に及ぶ一連の調整可能なビーム周波数を有する測定ビーム22を出力する周波数同調型光源16を備えている。同じビーム・スプリッター18に光学的に接続された別の光ファイバー24により、測定ビーム22の周波数を監視するために、周波数同調型光源16の出力のごく一部が周波数分析器26に送られる。
周波数同調型光源16はモードホップのない連続同調レーザー源であることが好ましい。例えば、リトロー型又はリットマン型の外部キャビティー・ダイオード・レーザーは、所望の精度を得るために必要な帯域全体にわたり連続同調できる。ビーム・スプリッター18は同調型レーザー16の出力内の空き領域又はファイバー接合部内において動作することができる。ファイバー20の出力端28により、点光源が測定ビーム22のサイズ及び角度の広がりを制限するコリメーター30を備えた干渉計10のビーム整形部に送られる。
【0013】
立方ビーム・スプリッターとして示す、ビーム・スプリッター32により、平行化された測定ビーム22の少なくとも一部がフィゾー面13を備えた測定アーム38に送られ、ビーム・スプリッターとしても機能するフィゾー面13により、被検体ビーム34と基準ビーム36に分割される。被検体ビーム34は基準平面14及びフィゾー面13を通して伝播し、被検体12の表面11において反射し、フィゾー面13及び基準平面14を通る戻り経路を通して戻ってくる。基準ビーム36はフィゾー面13において反射する。反射した被検体ビーム34はビーム・スプリッター32への戻り経路におけるフィゾー面13において反射した基準ビーム36と再結合する。戻り測定ビーム22は被検体ビーム34が非検体12の表面11に接触することにより、基準ビーム36に対する波面形状の変化として得られた情報を含んでいる。
戻り測定ビーム22の少なくとも一部がビーム・スプリッター32において反射し干渉計10の結像アーム40に入射する。結像アーム40の結像光学系42によって、カメラ44のデータ収集面43(例えば、検出器アレイ)に被検体表面11の像が形成される。形成された画像は被検体ビーム34と基準ビーム36との相互作用によって生成された干渉画像である。画像内の各点は建設的干渉状態(最も明るい強度)と相殺的干渉状態(最も暗い強度)との間の干渉によって変調された強度を有している。建設的干渉と相殺的干渉の2πサイクル内における画像点の角度位相は、2π波長を単位として、その画像点を形成した被検体ビーム成分と基準ビーム成分との2πを法とする伝播光路長差である。
【0014】
ビーム・スプリッター32は平行光を案内及び再案内するための立方体として示されているが、例えば、板状のビーム・スプリッターを測定ビームの伸長部分に配することにより小型で同様の動作をさせることができる。光を失わないようにするためにビーム・スプリッターを測定アームに沿って配されより多くの戻り光を結像アームに反射するための1/4波長リターダ(図示せず)と一緒に使用される偏光ビーム・スプリッターとすることができる。結像光学系42は結像された表面の特徴の透視誤差を抑制するためにテレセントリック結像系であることが好ましい。
【0015】
カメラ44に関連したフレーム取込器46により、データ処理コンピュータ50に記録及び処理される干渉画像が捕捉される。フレーム取込器46は同調型光源16がその帯域の一端から他端に掃引される際に、間隔を空けずに一連の干渉画像を捕捉するために高サイクル速度で駆動されることが好ましい。フレーム取込器46はカメラ44に接続されたハードウェアとして、あるいはコンピュータ50で実行されるソフトウェアとして実現することができる。
【0016】
干渉画像の記録に加え、干渉画像が形成された周波数もコンピュータ50(例えば、ランダム・アクセス・メモリ)に記録される。ビーム周波数は、干渉計の形態を成すことが好ましい周波数分析器26によって取得される。従って、周波数分析器26は、ビーム周波数の変化に応じて位置及び濃度が変化する干渉縞を形成する、好ましくはエタロンである、干渉ビーム監視キャビティー52を有している。電荷結合ダイオード(CCD)アレイ54によって、ビーム監視キャビティー52の干渉パターンが取得される。これもハードウェア又はソフトウェアとして実現されるフレーム取込器56がフレーム取込器46に同期して駆動され、フィゾー干渉計10の干渉画像と同時に形成されるビーム監視キャビティー52の干渉パターンが捕捉される。ビーム周波数を監視する周波数分析器の詳細については、本引用によりそっくりそのまま本明細書に組み込まれたものとする“OPTICAL FEEDBACK FROM MODE SELECTIVE TUNER”と題する共同所有の米国特許第7,259,860号明細書に開示されている。
【0017】
コンピュータ50又はその他の処理装置において、ビーム監視キャビティー52から記録した干渉パターンが解釈され、記録された干渉画像が形成されたときの測定ビーム22の周波数が観察される。観察されたビーム周波数を用いて、記録された干渉画像のうち、どの周波数が被検体表面11の処理情報を簡素化するための所定のパターンに対応するか選定することができる。更に、観察されたビーム周波数を同調型光源16のフィードバックとして用いることにより、光源16の動作を校正又は調整することができる。周波数分析器26は一般により制御された環境が得られるため同調型レーザー16の近傍に配置することが好ましいが、干渉計10による意図した測定に有害な場所を除き、測定周波数22は周波数分析経路における他の場所でサンプリングすることもできる。
【0018】
図2はリトロー格子角とビーム周波数との関係を示す図である。ここで、同調型光源は、リトロー構成において旋回可能な回折格子を有する外部キャビティー・ダイオード・レーザーであると仮定する。旋回可能な回折格子の格子角により、レーザーの共振に利用可能なフィードバック周波数が制御される。横座標が経過時間に対応するよう格子角を時間と共に変化させることが好ましい、即ち、ビーム周波数が時間の関数としてプロットされることが好ましい。実際には、時間と共にビーム周波数をより直線的に変化されるために、回折格子の角速度の(2次項で規定されるような)微調整が必要である。レーザーの周波数応答には、レーザー発振の選択性やその他の条件により階段的変化が含まれているが、同調そのものは連続的であることが好ましい。
【0019】
レーザー帯域幅の一端から他端にかけ、格子角が間断なく変化することが好ましい。帯域幅の両端における回折格子の角運動の開始時及び終了時を除き、回折格子及び関連駆動部や実装されたコンポーネントに、帯域内においてレーザーの周波数を離散的に同調する場合に起こるような衝撃や衝撃に伴う振動を与えてはならない。時間に対し、より直線的な周波数応答を得るために行う回折格子の角速度の変更は、同様の衝撃や振動を避けるために緩やかであることが好ましい。
【0020】
比較のため、図2には特定の格子角度位置においてビーム周波数が急激に変化するステップ同調型レーザーの動作を示す階段状の線58及び光源16が目標としているような格子角度位置の変化に応じてビーム周波数がより緩やかに(例えば、比例して)変化する連続同調型レーザーの動作を示す直線60が示してある。太い縦線62はステップ同調型レーザーにおいて干渉画像フレームが捕捉される格子角度位置を示している。縦線62より細く且つ狭い間隔で並ぶ縦線64は本発明の目的であるフレーム取込器46によって干渉画像が捕捉されることが好ましい格子角度位置を示している。
【0021】
図3A〜3Cは、狭い時間間隔、即ち狭い格子角度位置間隔で捕捉された被検体表面11の一連の3つの異なる干渉画像70、72、及び74を示している。カメラ44の所望の積分間隔を考慮した狭い時間間隔でフレーム取込器46が干渉画像70、72、及び74を捕捉できるよう格子角が時間に応じて徐々に変化することが好ましい。即ち、フレーム間の時間間隔は、カメラが所望の解像度及びS/N比で干渉画像を得るために必要な積分間隔より長いことが好ましい。干渉画像70、72、及び74は、ビーム周波数の漸進的変化に応じて変化する識別可能な干渉パターン71、73、及び75として示してあるが、実行可能な干渉パターンの中には、特に光学的精度にまで研磨されていない機械加工表面については、識別可能な干渉縞がないスペックルとして現れるものもある。好ましい処理においては、個々の干渉パターンにおける隣接ピクセルを比較するのではなく、複数の干渉画像における(非検体表面11の個々の点を現す)個々のピクセルの強度(位相)変化を検討する。
【0022】
高速データ収集及び処理ルーチンを図4に示す。ステップ78の入力において、捕捉すべきフレームFの数M、時間に応じてビーム周波数を変更するための同調速度Δv/Δt、及びフレームF〜Fが捕捉される周波数帯域v〜vを含む、データ収集パラメータがセットされる。これ等の入力パラメータM、Δv/Δt、及びv〜vに基づき、コンピュータ50が、ステップ80において、同調型光源16を制御することにより、帯域幅の一端vから他端vへのノンストップ同調が開始される。ステップ82、84、及び86において、漸進的に変化するビーム周波数v、v−−−−−vにおいて、一連の干渉画像がフレームF、F、−−−−−、Fとして捕捉される。v〜vの所望の周波数帯域を通して、合計MのフレームFが捕捉された後、ステップ88において同調が終了し、フレームF〜Fの一連の捕捉干渉画像から選択し更に処理するためのステップ90のアルゴリズムに制御が移る。
【0023】
例えば、359テラヘル(THz)〜363テラヘル(THz)の帯域幅v〜vにわたり、捕捉速度が200フレーム/秒、各フレームFが約4ミリ秒(ms)の積分間隔で取得される場合、捕捉されるフレームFの数Mは256フレームになる。捕捉されるフレームFの数Mが実際に使用されるフレームの数Nの少なくとも2〜3倍であることが好ましい。積分間隔はカメラ44の応答時間に応じてフレーム取込速度の逆数まで変化する。実際に使用されるフレームの数は処理要件に応じて変化し、例えば、32〜256フレームまで変化する。所望の精度及び測定範囲に応じて、別のデータ収集速度及び周波数帯域を使用することもできる。
【0024】
選択アルゴリズムのパラメータをセットするための追加入力がステップ92に用意されている。パラメータには、例えば、処理対象のフレームFの数N、隣接する選択フレームF間の公称目的周波数間隔Δv及び目的周波数間隔ΔvとN個の選択フレームFにおける実際の周波数間隔Δv〜ΔvN−1の各々との差が間隔許容誤差TΔv内に収まる公称目的周波数間隔Δvの許容変動幅σを含めることができる。例えば、入力パラメータにはフレームFの数N128、公称目的周波数間隔Δv35ギガヘルツ(GHz)、目的間隔の許容変動幅σ、及び間隔許容誤差TΔvを含めることができる。間隔許容誤差TΔvは、図示のフィゾー干渉計10において、被検体表面11と基準面13との距離に相当する、干渉計の被検体アームと基準アームとの光路長差に依存する。この光路長差が大きいほど間隔許容誤差TΔvは厳しくなる(即ち、反比例の関係にある)。例えば、被検体表面11と基準面13との距離が20ミリメートルの場合、一例として、間隔許容誤差TΔvを約100メガヘルツ(MHz)に設定することができる。しかし、被検体表面11と基準面13との距離が200ミリメートルに増大した場合には、間隔許容誤差TΔvを厳しくする必要があり、例えば約10メガヘルツ(MHz)に設定する必要がある。また、一般にデータを収集する間レーザー16を同調する必要があるため、レーザー周波数の変化が間隔許容誤差TΔvより小さくなるようカメラの積分間隔及びレーザーの同調速度を選択する必要がある。
【0025】
入力パラメータN、Δv、σ、及びTΔvに基づき、ステップ92において、継続処理対象の限定された数NのフレームFを選択することができる。継続処理対象から外れたフレームFは廃棄される。数Nの選択されたフレームFの干渉データ及び選択されたフレームF間の周波数間隔Δvがステップ94に送られ、更に処理が行われる。ステップ94において、特定の周波数間隔パターン(例えば、選択されたフレームF間の周波数間隔Δv)を仮定した、離散フーリエ変換(DFT)アルゴリズムのような、処理アルゴリズムによって選択された干渉フレームFの干渉データが処理される。
【0026】
ステップ92で選択された処理フレームFを最適化又はステップ94のDFTアルゴリズムのパラメータに適合させることができる。例えば、観測された周波数がDFTアルゴリズムの所望の値域内において対象周波数に一致するフレームFのみを選択することができる。σの制約は受けるが、DFTアルゴリズムの対象周波数を収集されたデータの周波数間隔に適合させることができる。個々のフレームFの最小コントラストを含む品質を評価し、品質基準を満足しないフレームFを廃棄することにより信頼値の低いデータを用いることによる歪曲測定を回避することができる。
【0027】
カメラ44のデータ収集面43の各ピクセル(i、j)の強度データI(i、j、n)が複数の選択された干渉画像(n=1〜N)に強度データ・セットとして収集される。各選択された強度データ・セットにおいて、個々のピクセル(i、j)がNの異なる測定ビーム周波数v(n)において生成された干渉画像の局部値に相当するNの強度値に関連付けられる。各ピクセルのデータ・セットはカメラ44のデータ収集面43の個々のピクセルに結像される被検体表面11及び基準面13それぞれの有限領域からの被検体ビーム成分34と基準ビーム成分36との2πを法とする位相オフセットに関する干渉情報を有している。
強度データ・セットはフーリエ変換のような計算によって被検体の地形的局部高H(i、j)又は同様の光学的厚さ変動の概算値に変換される。フーリエ変換を用いて、各データ・セットの強度値を対応する被検体表面11の点の局部高H(i、j)に直接関連する変調周波数FMを有するピーク振幅正弦曲線の形をとって、規則的に変化するビーム周波数v(n)の関数として表すことができる。個々の局部高H(i、j)はサンプリングされた(即ち、選択された)ビーム周波数範囲v(n)にわたり個々のピクセルに作用した建設的干渉及び相殺的干渉のサイクル数に対応する固有の変調周波数FMに関連しており、固有の変調周波数はピーク振幅正弦曲線の周波数FM又はその別名であることがフーリエ変換から明らかである。
【0028】
このような処理の例が、ここに引用することによりそっくりそのまま本明細書に組み込まれたものとする米国特許第6714361号明細書(発明の名称、MULTI−STAGE DATA PROCESSING FOR FREQUENCY−SCANNING INTERFEROMETER)に記載されている。間隔が不規則な測定ビーム周波数による強度パターンも基準ビームと被検体ビームとの局部光路長差の同様な値に変換することができるが、各データ・セットの1つのピクセルのデータから被検体表面11の局部高H(i、j)の概算値を求める計算は等間隔のビーム周波数間隔Δvにおける干渉画像フレームFを使用し、高速フーリエ変換(FFT)によってピーク振幅正弦曲線を求めることにより簡略化される。
【0029】
等周波数間隔Δv又は二次あるいは高次多項式間隔パターンのような別の間隔パターンにおいて機能する別のアルゴリズムを用意することもできる。段階的に処理を行い、間隔の狭いビーム周波数による限定された数の干渉画像を評価して長い光学距離の測定を行うと共に、間隔の広いビーム周波数による別の限定された数の干渉画像を評価することにより測定精度を高めることができる。
【0030】
光学平面104の基準面(例えば、フィゾー面)103との比較により被検体102の表面101(例えば、表面トポロジー)を測定するフィゾー構造を有する別の周波数偏移干渉計100を図5に示す。波数偏移干渉計10と同様、周波数偏移干渉計100は、v〜vの所望の帯域にわたり連続的に同調可能なリトロー型又はリットマン型の外部キャビティー・レーザーであることが好ましい連続同調型光源106を有している。測定ビーム108を成す同調型光源106の広がりを有する出力がコリメーター110により整形され、測定ビーム108のサイズ及び角度の広がりが制限される。
【0031】
立方ビーム・スプリッターであることが好ましいビーム・スプリッター112が測定ビーム108の分岐及び再結合の分岐合流点として機能する。測定ビーム108の主要部分がビーム・スプリッター112を通過して測定アーム114に入射すると共に、測定ビーム108の二次的部分が監視アーム116に反射される。ビーム・スプリッター112の反射率が可変であり、測定ビーム108の光強度を測定アーム114及び監視アーム116に対し異なる割合で分配することができる。一般に、監視アーム116の方がパワーの消費が少ない。
【0032】
伝播した測定ビーム108の主要部分はフィゾー基準面103において、更に基準面103を透過し被検体表面101で反射される被検体ビーム120と基準面103で反射される基準ビーム122とに分割される。ビーム・スプリッター112への戻り経路上の基準面103において、反射された被検体ビーム120が反射された基準ビーム122と再結合する。測定ビーム108の再結合した被検体ビーム120及び基準ビーム122の少なくとも一部がビーム・スプリッター112で反射され結像アーム124に入射する。
【0033】
監視アーム116に入射した測定ビーム108の反射された二次的部分は
周波数分析器128の干渉ビーム監視キャビティー126に伝播する。ビーム監視キャビティー126はビーム周波数の変化に応じて位置及び濃度が変化する干渉縞を形成するエタロン構成のものであることが好ましい。ビーム監視キャビティー126で反射された戻り測定ビーム108の二次的部分はビーム・スプリッター112を透過して結像アーム124に入射する。
【0034】
結像アーム124の結像光学系130により、測定アーム114のフィゾー・キャビティー(即ち、被検体面及び基準面101、103)及び監視アーム116のビーム監視キャビティー126がカメラ134のデータ収集面133に結像される。図6において、測定アーム114のフィゾー・キャビティーの被検体及び基準面101、103の干渉画像136がカメラ134のデータ収集面133の第1部分138に現れ、監視アーム116のビーム監視キャビティー126干渉画像140がカメラ134のデータ収集面133の第2部分142に現れる。測定アーム114及び監視アーム116の一方又は両方を空間開口するか又はビーム監視キャビティー126を被検体面101と基準面103との間のフィゾー・キャビティーの画像フィールドの外部に配置することにより、監視アーム116からの干渉画像140がデータ収集面133の第2部分142内において、データ収集面133の第1部分138内の干渉画像136から空間的に分離されていることが好ましい。
【0035】
ハードウェア又はソフトウェアとして動作可能なフレーム取込器148によって、カメラ134のデータ収集面133に同時に現れる干渉画像136、140が同時に捕捉される。同一カメラ・フレームF内の干渉画像136、140を捕捉することにより、被検体面101の干渉データをそのデータが収集されたビーム周波数データに同期させることができる。
【0036】
図7は前記実施の形態における周波数同調型光源16又は106として使用できるリトロー構成の同調型外部キャビティー・レーザー160を示す図である。本発明の目的に適用可能なリトロー構成の外部キャビティー・レーザーの例が何れもFarmiga他の米国特許第7、209、499号明細書及び米国特許出願公開第2009/0185585号明細書に開示されている。また、同様に本発明の目的に適用可能なリットマン構成の外部キャビティー・レーザーの例がDunn他の米国特許出願公開第2010/0128746号明細書に開示されている。ここに引用することにより、前記3つの文献は本明細書に組み込まれたものとする。
【0037】
外部キャビティー・レーザー160は、レーザー・ダイオードのようなレーザー発振キャビティー162、及びレーザー発振キャビティー162の部分反射出力面166と旋回可能な反射回折格子168との間に伸びるフィードバック・キャビティー164を有している。レーザー発振キャビティー162から出力されたコヒーレント光170がレンズ172に捕捉、平行化され、平行ビーム174としてフィードバック・キャビティー164の残余の長さにわたって伝播する。回折格子168において、一次回折光が平行ビーム176として逆反射され、レーザー発振キャビティー162に向けて戻る一方、一次回折光が出力ビーム178として反射される。逆反射ビーム176がレンズ172によって部分反射出力面166に集束され再度分割され、その一方は出力面166を透過してレーザー発振キャビティー162にフィードバックとして再入射し、他方は出力面166で反射してフィードバック・キャビティー164内に留まる。
【0038】
レーザー発振キャビティー162が公称光路長Lを有し、フィードバック・キャビティーがレーザー発振キャビティー162の公称光路長Lの整数倍Mである公称光路長Fを有している。図では2つの光路長L、Fが物理的な長さとして示しているが、2つのキャビティー162、164の光媒体の屈折率を示すことも意図している。例えば、公称光路長Lはレーザー発振キャビティー162の物理的な長さとレーザー発振キャビティー162内のレーザー発振媒体の屈折率との積である。
【0039】
反射回折格子168はレーザー発振キャビティー及びフィードバック・キャビティー162、164の共通軸182に沿って配された軸180を中心に旋回可能である。従って、軸180を中心に回折格子168を旋回させても公称光路長Fは変わらない。しかし、旋回角を変化させるとレーザー発振キャビティー162に逆反射される周波数(波長)が一連の周波数にわたり漸進的に変化する。波長がフィードバック・キャビティー長Fの2倍に均等に分割できる周波数はフィードバック・キャビティー164内において共振することができる。同様に、波長がレーザー発振キャビティー長の2倍に均等に分割できる周波数はレーザー発振キャビティー内において共振することができる。このような条件を満たす共振周波数はモードと呼ばれている。レーザー発振キャビティー162及びフィードバック・キャビティー164において共通共振が確立されたとき出力ビーム178の光パワーが最大になる。2つのキャビティー162、164の公称光路長LとFとの間の整数倍Mの関係により、レーザー発振キャビティー・モードの各々がフィードバック・キャビティー・モードの1つに一致することができる。
【0040】
図8に示すように、モード倍数Mが3のとき、レーザー発振キャビティー・モードA、B、C、Dがフィードバック・キャビティー・モードa、d、g、jにそれぞれ一致する。従って、1回の周波数掃引(即ち、回折格子168の漸進的旋回)において、ビーム178の出力パワーは等間隔のレーザー発振キャビティー・モードA、B、C、Dにおいてピークに達する。これ等の周波数が更に処理を進めるフレームFを選択するための対象周波数であると認識されることが好ましい。
【0041】
電流調整器のようなモード調整器によりレーザー発振キャビティーの公称モードA〜Dの間隔をフィードバック・キャビティー・モードa〜lの間隔Sにシフトし、フィードバック周波数と同様の周波数領域にわたり外部キャビティー・レーザー180を再掃引することにより、対象周波数の間隔を更に狭くして、フィードバック・キャビティー・モードa〜lの間隔に一致させることができる。モード周波数間隔を漸次シフトする電流駆動周波数ステップ・レーザーの例が、ここに引用することにより本明細書に組み込まれたものとする、Dunn他の米国特許出願公開第2010/0128745号明細書に開示されている。
【0042】
例えば、電流調整器としてのモード調整器186によってレーザー・ダイオードのレーザー発振キャビティー182の電流を調整することにより、レーザー発振媒体の屈折率を変え、それによってレーザー発振キャビティーの光路長Lを約1/M波長だけ長くすることができる。多数の波長によってレーザー発振キャビティー及びフィードバック・キャビティー162、164を満たされるため、フィードバック・キャビティー・モードa〜lの周波数間隔Sにシフトされるが、新しいレーザー発振キャビティー・モードA1、B1、C1、D1の間隔Sは実質的に同じである。モード・シフトは干渉縞の間隔変化ではなく、干渉縞の集合的位相シフトに相当する。このようにシフトされるため、新しいレーザー発振キャビティー・モードA1、B1、C1、D1は別のフィードバック・キャビティー・モード・セットb、e、h、kに対応している。
【0043】
レーザー発振キャビティー・モードA、B、C、Dをフィードバック・キャビティー・モードの間隔SによりモードA1、B1、C1、D1にシフトした後、軸180を中心に反射回折格子168を再度旋回させることができる。レーザー発振キャビティー・モードA1、B1、C1、D1がフィードバック・キャビティー・モードb、e、h、kに一致するこれ等の新しい周波数が、更に処理を進めるフレームFを選択するための対象周波数であると認識されることが好ましい。合計Mの同調掃引が行われすべてのフィードバック・キャビティー・モードa〜lが対象周波数に選択されるまで、所望の周波数範囲における回折格子186の一連の掃引と共に、フィードバック・モード間隔Sを通したレーザー発振キャビティー・モードの一連のシフトを行うことができる。固定長のフィードバック・キャビティー164により、フィードバック・キャビティー・モードa〜lに対応する対象周波数が等間隔になる。
フィードバック・キャビティー164の固定光路長に対応する光路長位置にモード監視キャビティー188を配置してフィードバック・キャビティーの対象周波数モードの特定に役立てることができる。図1の周波数分析器26あるいは図5のビーム監視キャビティー126と同様に、モード監視キャビティー188を干渉計に組み込むことができる。
【0044】
図1及び図5に示すフレーム取込器46、148は限定された積分間隔における干渉パターンの一連の画像からデータ・フレームを捕捉する。積分間隔における結像干渉パターンの変動が最小になるよう、旋回可能な反射回折格子168のような周波数同調装置の同調速度が積分間隔に応じて設定される。例えば、画像のコントラストが干渉データ処理の閾値を満足するか閾値を超える同調速度を最高同調速度とすることができる。
従来のレーザー・ダイオードにおいて、レーザー発振キャビティー・モードの間隔はレーザー発振キャビティーにおいて増幅される周波数の関数として徐々に変動する。この現象は(前記本明細書に組み込まれた)Farmiga他の米国特許出願公開第2009/0185585号明細書に記載されている。無視できるほど小さい場合もあるが、間隔変動は一般にレーザー発振媒体の屈折率がスペクトル周波数に敏感であるために生じるものである。レーザー発振キャビティー162とフィードバック・キャビティー164とのモード・マッチングを行うために、所定の多数のフィードバック・キャビティー・モードの間隔を所望の同調範囲内及び同調範囲外のレーザー発振キャビティー・モードを配列する間隔に一致させることができる。例えば、所定の多数のフィードバック・キャビティー・モードと1対のレーザー発振キャビティー・モードの間隔を同調範囲の中央付近で一致させ、1掃引において、レーザー発振キャビティー・モードに一致させたフィードバック・キャビティー・モードが実質的にフィードバック・キャビティー・モードの整数倍の間隔で等間隔にすることができる。別の方法として、所定の多数のフィードバック・キャビティー・モードと1対のレーザー発振キャビティー・モードの間隔をモードスペクトル内の別のモード対に一致させることにより、整合されたフィードバック・モードの間隔はより不規則にはなるが、各同調掃引においてより多くのフィードバック・キャビティー・モードをレーザー発振キャビティー・モードに一致させることができる。
【0045】
限定された数の例について説明したが、当業者は本発明全体の教示を逸脱せずに、本発明のはるかに広い適応性について理解することができる。例えば、別の光源及び波長同調方式を用いて、収集したサンプルの周波数間隔に影響を与えるために徐々に同調速度を変化させることを含み、別の安定した同調方式が可能である。大量の干渉画像がフレーム取込みによって狭いビーム周波数間隔で短時間に収集できることから、 2つ以上のビーム周波数間隔パターンに対応する干渉画像を生成し処理することができる。例えば、限定された周波数範囲にわたり狭い間隔で捕捉された一連の干渉画像を処理することにより測定範囲を広げることができる。また、広い周波数範囲にわたり粗い間隔で捕捉された別の一連の干渉画像を処理することにより測定精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0046】
10 フィゾー干渉計、周波数偏移干渉計
11 被検体表面
13 基準面
16 周波数同調型光源
18 ビーム・スプリッター
20 光ファイバー
22 測定ビーム
26 周波数分析器
30 コリメーター
32 ビーム・スプリッター
34 被検体ビーム
36 基準ビーム
38 測定アーム
40 結像アーム
42 結像光学系
43 データ収集面
44 カメラ
46 フレーム取込器
50 コンピュータ
52 干渉監視キャビティー
54 CCDアレイ
56 フレーム取込器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数偏移干渉計により被検体を測定する方法であって、
前記周波数偏移干渉計の同調型光源の測定ビーム周波数をビーム周波数領域にわたり変化させるステップと、
前記ビーム周波数領域にわたる前記測定ビームに応じて漸次変化する前記被検体の干渉画像を前記周波数偏移干渉計により形成するステップと、
前記ビーム周波数領域にわたる前記測定ビームの周波数変化に応じて前記被検体の前記一連の変化する干渉画像に対応する干渉画像データのセットを記録するステップと、
前記記録された干渉データのセットから所定のビーム周波数間隔パターンを示すビーム周波数によって形成された干渉画像に対応するサブセットを特定するステップと、
前記記録された干渉データのサブセットを処理することにより前記被検体の光学プロファイルを生成するための測定値を導出するステップと、
を有して成ることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記記録するステップが、前記周波数偏移干渉計のカメラにより、前記ビーム周波数領域にわたる前記測定ビームの周波数変化に応じ、前記被検体の前記一連の変化する干渉画像から干渉画像データを収集することを含み、前記記録された干渉データのサブセットを特定するステップが、前記所定のビーム周波数間隔パターンを示すビーム周波数によって形成された前記被検体の干渉画像を特定することを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記記録された干渉データのサブセットを特定するステップが、前記所定のビーム周波数間隔パターンを示すビーム周波数によって形成された前記被検体の干渉画像と前記所定のビーム周波数間隔パターンに適合しないビーム周波数によって形成された前記被検体の残りの干渉画像とを区別することを含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記所定のビーム周波数間隔パターンが、ビーム周波数間隔が実質的に等間隔のパターンであり、前記記録された干渉データのサブセットを特定するステップが、ビーム周波数の等間隔パターンの刻み幅を変更して、より等間隔のビーム周波数間隔パターンを示すビーム周波数によって形成された前記被検体の干渉画像を特定することを含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記被検体の前記干渉画像が形成される前記ビーム周波数を監視するステップを有して成り、
(a)前記監視するステップが、ビーム監視キャビティーにより干渉画像を形成することを含み、
(b)前記記録するステップが、前記周波数偏移干渉計のカメラにより、前記被検体の前記干渉画像及び前記ビーム監視キャビティーの干渉パターンの両方を取得する、
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記カメラがデータ収集領域を有して成り、前記ビーム監視キャビティーの前記干渉パターンが、前記被検体の前記干渉画像と共に、前記カメラの前記データ収集領域に形成されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
被検体の光学プロファイルを測定するための周波数偏移干渉計であって、
ビーム周波数領域にわたり漸次変化する測定ビームを出力する同調型光源と、
(a)前記測定ビームを前記被検体に衝突させる被検体ビームと基準ビームとに分割し、(b)前記被検体ビームと基準ビームとを再結合するビーム・ルーティング光学系と、
前記再結合した被検体ビーム及び基準ビームにより前記被検体を結像し、該被検体の干渉画像を形成する結像光学系と、
カメラと協働して前記被検体の前記一連の干渉画像を捕捉するフレーム取込器と、
前記被検体の前記一連の干渉画像が捕捉されたビーム周波数を監視する周波数分析器と、
(a)前記監視されたビーム周波数が所定のビーム周波数パターンに一致したときに捕捉された前記被検体の限定された数の干渉画像を特定し、(b)前記捕捉された前記被検体の限定された数の干渉画像の干渉画像データを処理し、前記被検体の個々の画像点の干渉位相が変化する周波数を前記被検体の光学プロファイルの測定値として決定するプロセッサーと、
を有して成ることを特徴とする干渉計。
【請求項8】
前記周波数分析器が干渉パターンを形成するビーム監視キャビティーを有して成り、前記カメラが前記被検体の前記干渉画像及び前記ビーム監視キャビティーの前記干渉パターンの両方を取得するものであることを特徴とする請求項7記載の干渉計。
【請求項9】
レーザー発振キャビティー・モードを示すレーザー発振キャビティー及びフィードバック・キャビティー・モードを示すフィードバック・キャビティーを有して成る外部キャビティー・レーザーであって、前記レーザー発振キャビティー・モードの間隔が、前記フィードバック・キャビティー・モードの間隔の名目上整数倍であるレーザーを備えた周波数偏移干渉計により被検体を測定する方法であって、
前記外部キャビティー・レーザーを周波数領域にわたり同調し、フレーム取込器によってデータ・フレームとして捕捉される一連の干渉パターンを形成するステップと、
前記データ・フレームの中から、前記レーザー発振キャビティー・モードに一致するフィードバック・キャビティー・モードの第1のセットに対応する対象周波数における、継続処理対象のデータ・フレームを選択するステップと、
前記レーザー発振キャビティー・モードを前記フィードバック・キャビティー・モードの周波数間隔の整数倍シフトするステップと、
前記外部キャビティー・レーザーを前記周波数領域にわたり戻し、フレーム取込器によって追加データ・フレームとして捕捉される一連の干渉パターンを形成するステップと、
前記追加データ・フレームの中から、前記シフトされたレーザー発振キャビティー・モードに一致するフィードバック・キャビティー・モードの第2のセットに対応する対象周波数における、継続処理対象の追加データ・フレームを選択するステップと、
前記レーザー発振キャビティー・モードの異なるシフト位置において収集された前記選択されたデータ・フレームを処理し、前記被検体を測定するステップと、
を有して成ることを特徴とする方法。
【請求項10】
(a)前記フィードバック・キャビティーが前記レーザー発振キャビティーの公称光路長の整数倍に相当する固定光路長を有して成り、
(b)前記同調するステップ及び戻すテップが、前記レーザー発振キャビティーの連続した周波数を前記周波数領域にわたり戻す連続同調掃引を含み、前記フレーム取込器が前記連続した周波数にわたり干渉パターンを捕捉するものであり、
(c)前記シフトするステップ及び戻すステップが、少なくとも同調掃引回数の合計が前記整数倍に達するまで行われる、
ことを特徴とする請求項9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−247894(P2011−247894A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−119225(P2011−119225)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】