固定具
【課題】
長尺体にかかるノイズを除去でき、かつ多くの長尺体を保持できる固定具を提供する。
【解決手段】
電線等の長尺体を保持するための平板なベースと、該ベースをシャーシ等の基板に取り付けるための固定手段である、該ベースと一体に形成された複数の係止脚部と、該ベースと一体に形成された挟持部とを備えた固定具であって、前記ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片が形成するとともに、前記係止脚部はベースの長手方向に所定間隔を空けて配設してベースと基板と係止脚部間とで構成する長尺体収納スペースを形成した。
長尺体にかかるノイズを除去でき、かつ多くの長尺体を保持できる固定具を提供する。
【解決手段】
電線等の長尺体を保持するための平板なベースと、該ベースをシャーシ等の基板に取り付けるための固定手段である、該ベースと一体に形成された複数の係止脚部と、該ベースと一体に形成された挟持部とを備えた固定具であって、前記ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片が形成するとともに、前記係止脚部はベースの長手方向に所定間隔を空けて配設してベースと基板と係止脚部間とで構成する長尺体収納スペースを形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気・電子機器類のシャーシ等の基板に電線等の長尺体や様々な部品を取り付け固定するために用いる固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器類や自動車等の内部には、様々な部品や電線等の長尺体が多数配されている。製造や点検、修理の際に作業がしやすいよう、また、電気機器類の通常動作の際に、電線等の長尺体が他の部品に当たり擦れて傷ついたり、不用意に引っ張られて外れたりすることのないよう、これら長尺体類を整理して束ね、パネルや基板等の取り付け対象物に留めつけるための固定具がいろいろと考案されている。
【0003】
ところで、従来からよくあるタイプの、例えば、公開特許公報の特開2004−239325号に開示されている固定具のような、シャーシ(基板)に対してフラットケーブルを保持させるクランプ部とクランプ部をシャーシに固定されるための嵌合脚部とを備えた固定具などがある。この固定具は、ベース上にクランプ部を構成し、ベースの底面に嵌合脚を構成していて、クランプ部は、ベースの上面の一端側にL字状のクランプ片が突出されており、このクランプ片の先端には矢尻上のフックが一体に形成されている。
【0004】
前記ベース上面の他端側にはロック爪を有するロック片が立設されていて、ベース上にフラットケーブルを載置し、クランプ片を下方に弾性変形させてクランプ片のフックをロック片のロック爪に係合させてロックされ、クランプ片とベースとの間にフラットケーブルを保持することができるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−239325号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような固定具は、ベース上にフラットケーブルを載置する構成上、フラットケーブルにかかるノイズを除去するため、別途装置が必要である。
【0007】
また、クランプ片とベースとの間で構成する収納スペースが限られているため、フラットケーブル等の長尺体が多い場合や、追加で長尺体を収納する必要が生じた場合には、収納できないことがあった。
【0008】
また、収納スペースが一箇所であったため、バラバラの電線と帯状のいわゆるフラットケーブルのようなものを、分けて収納保持したい場合に、対応することができなかった。
【0009】
本発明に係る固定具は、上記の問題を解決するためになされたもので、長尺体にかかるノイズを除去でき、かつ多くの長尺体を保持できる固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る固定具は、電線等の長尺体を保持するための平板なベースと、該ベースをシャーシ等の基板に取り付けるための固定手段である、該ベースと一体に形成された複数の係止脚部と、該ベースと一体に形成された挟持部とを備えた固定具であって、
前記ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片を形成するとともに、前記係止脚部はベースの長手方向に所定間隔を空けて配設してベースと基板と係止脚部間とで構成する長尺体収納スペースを形成したことを特徴としている。
【0011】
また、前記挟持部の自由端にはロック片と、該ロック片の先端付近にはロック爪が形成されていて、ロック片がベースに固定される形状に形成することが望ましい。
【0012】
また、前記係止脚部は、ベースの長手方向両端に配設されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、本発明実施例にかかる固定具には、ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片が形成されているので、ベースや弾性押圧片の下に長尺体を配して、基板とベース、弾性押圧片にて長尺体をシャーシ等の基板に押しつけるように挟んで固定することができる。これにより、長尺体にかかる静電気等のノイズを、金属シャーシ等の導電性を有する基板に流して除去することが可能である。
【0014】
狭持部とベースとの間で構成する通常の長尺体収納スペースの他に、ベースと基板と所定間隔を空けて配設した係止脚部間とで構成する第二の長尺体収納スペースを形成しているので、収納する長尺体が多い場合や、追加で長尺体を収納する必要が生じた場合には、狭持部とベースとの間で構成する通常の長尺体収納スペースに収納しきれない長尺体を第二の長尺体収納スペースに収納することができる。
【0015】
さらに、第二の長尺体収納スペースがあるため、複数あるいは異種類の長尺体を、分けて収納保持したい場合に、一部の長尺体を狭持部とベースの間で構成する通常の長尺体収納スペースに収納し、その他の長尺体をベースと基板と所定間隔を空けて配設した係止脚部間とで構成する第二の長尺体収納スペースに収納することにより対応することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、本発明実施例にかかる固定具は、前記挟持部の自由端にはロック片と、該ロック片の先端付近にはロック爪が形成されていて、ロック片がベースに固定される形状に形成しているので、狭持部とベースとで構成する通常の長尺体収納スペースに長尺体を確実に固定することができるという利点がある。
【0017】
また、請求項3に記載の発明によれば、本発明実施例にかかる固定具は、前記係止脚部は、ベースの長手方向両端に配設することにより、ベースと基板と係止脚部との間に構成する第二の長尺体収納スペースをベースの長手方向に最大限に大きくとることができる。
【0018】
本発明実施例にかかる固定具は、弾性押圧片がベースから斜め下方(基板側)に向けて形成されているので、基板に取り付けた際には、該弾性押圧片が基板に当接して上方にたわみ、本体材料の合成樹脂等の性質である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働くため、常に弾性押圧片は基板に圧接する。基板の断面の板厚が変化しようとも、弾性押圧片のたわみ具合が変化することにより固定具1を支え、ガタツキを防止する。よって、さまざまな厚さの基板に対応することができる。
【0019】
また、本発明実施例にかかる固定具の、ベースや挟持部等、保持する長尺体が接触する部分は、角を削いで面取りし、丸みをつけた形状になっている。以上により、本発明実施例の固定具に電線等の長尺体を挟持しても、電線等の長尺体の絶縁被覆に傷をつけたりすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態(以下、「実施例」という)について、図面に基づいて詳しく説明する。本発明実施例にかかる固定具1は、合成樹脂等の剛性と弾力性を併せ持つ材料にて形成することが望ましく、また、耐熱性や導電性をもたせるために、合成樹脂にガラス繊維や金属フィラー、カーボンフィラーなどを混入しても良いが、材料はこれに限定するものではない。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明実施例にかかる固定具1を示す正面図、図2は図1の左側面図、図2は右側面図、図4は平面図、図5は底面図である。(背面図は図1と線対称に表れるため省略する。)本発明実施例にかかる固定具1は、平らな板状に形成されたベース2と、電線等の長尺体を保持するための挟持部4と、これらベース2、挟持部4を各種機器内の基板等に固定するための手段である脚部9、係止脚部11が一体に形成されている。
【0022】
前記ベース2は平らな板状に形成されており、該ベース2の一方の端からは平らな板状の挟持部4が可撓部3を介して一続きに延設されており、挟持部4の端から挟持部と一体に、ロック片5が弾性屈曲部6を頂点とした略V字状に形成され、ロック片の先端部分には操作部8が、操作部8付近には鉤型状にロック爪7が形成されている。
【0023】
また、ベース2のもう一方の端の先には、略四角形状の挿入口14が開口形成されている。図2や図4で見るとわかりやすいが、該挿入口14の略四角形の一つの辺は、前記ベース2の端部にあたり、このベース2の端部の辺に接する、(略四角形の)他の2辺は薄板状の係止脚部11、11が互いに対向する状態でベース2から一続きに形成されている。そして、該略四角形状の残りの一辺には、ベース2の端部にあたる辺と対向して係止部15が形成されている。
【0024】
該係止脚部11、11の、係止部15側の端の上部は係止部15と一体に繋がった状態に形成されている。なお、係止脚部11、11の外側(互いに向かい合った面の背面側)下端(基板方向)には爪12がそれぞれ鉤爪状に形成されている。
【0025】
ベース2の底面側には略L字を描く薄板状の脚部9がベース2と一体に形成されており、脚部9の係止脚部11側の端には凸部16が形成されている。また、ベース2には該ベース2の正面と背面(図1に見る正面と背面)から、ベース2の長手方向に長い薄板状の弾性押圧片10が、ベース2と一体に僅かに下方に向けて(底面側に向けて)斜めに形成されている。
【0026】
図6は本発明実施例にかかる固定具の使用状態を示す正面図である。図1の状態から、固定具1の挟持部4や、操作部8などを手や工具等で押すと、固定具1の他の部分より薄肉状に形成された可撓部3がたわんで屈曲し、挟持部4は可撓部3を基点に、ベース2の方向へと略円弧を描くように移動し、可撓部3はヒンジの役割を果たす。そして、ロック片5の弾性屈曲部6が挿入口14に入り、ロック爪7が係止部15に係止、図6に示す状態となる。
【0027】
以下、本発明実施例に係る固定具を基盤等、板状の取り付け対象物30(以下基板30という)に取り付ける方法を図に基づいて説明する。
【0028】
各種機器内部にある基板30には、図11に示すように、予め略四角形の孔31、孔32が開口形成されている。孔32の縁の一辺には凹部33が形成されている。図7は本発明実施例に係る固定具を、基板30に取り付けている状態を示す正面図である。固定具1の挿入口14のあたりを手で持ち、脚部9を基板30の孔32に差し込み、脚部9を矢印C方向へとスライドさせる。
【0029】
そのまま挿入口14のあたりを基板30に押し付けると、係止脚部11が矢印D方向に移動し、係止脚部11の先端、つまり爪12、12が孔31に入り込む。爪12、12の先端部分は僅かに内側にむかって徐々に先端が小さくなる傾斜をつけて形成してあるので、軽く押すと簡単に爪12、12は孔31内に入り込むようになっている。手を離すと係止脚部11は本体材料の持つ弾性復元力により元の形状に戻り、係止脚部11の爪12の鉤状になった部分が孔31の縁に引っかかり係止する。以上により、固定具1は基板30に取り付けられた状態となる。片手で基板30に軽く押し付けるだけで取り付けができるので便利である。この状態を左側面から示したものが図9である。
【0030】
また、固定具1のベース2からは、薄板状の弾性押圧片10、10が正面と背面側に一体に形成されており、該弾性押圧片10、10の自由端が基板30の表面側に圧接する。弾性押圧片10、10は基板30の厚みによって押されて上方向(挟持部4方向)へたわみ、本体材料の合成樹脂の性質である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働くため、基板30を常に圧接し、固定具1を支える役割を果たす。このとき、基板30の厚みによって、弾性押圧片10、10のたわむ量が変化するので、固定具1の取り付け先となる基板30の板厚が変更されても、弾性押圧片10、10のたわみ量を変化して対応することができ、ガタつくことが無い。
【0031】
そして、ベース2の上に電線等の長尺体34を配置して、挟持部4または操作部8を指などで押すと、可撓部3が撓んで曲がり、挟持部4がベース2の方向へ略円弧を描いて移動する。続けて、ロック片5の弾性屈曲部6を挿入口14に押し込むと、ロック片5は挿入口14の端の係止部15に押されて、固定具1の材料である合成樹脂等の性質により、略V字形状に形成されているロック片5の操作部8が挟持部4に近づく方向にたわむ。ロック片5が挿入口14に入り込むと、弾性屈曲部6は弾性復元して元の形状に戻るので、ロック爪7が係止部15に係止してロック状態になる。ロック爪7が係止部15に係止する際には、カチッというクリック音が発生し、操作部に触れている作業者の手指にも節度感が感じられるので、作業者は作業終了を音と節度感にて感知することができる。
以上の手順で、固定具1は図8に示すように、挟持部4とベース2の間に長尺体34を保持した状態となる。(基板30と長尺体34は図を見やすくするために断面図となっている。)不意に長尺体34が強く引っ張られるなどした場合でも、ロック爪7の係止部15への係止は外れることがないので、固定具1は長尺体34を安定して保持することができる。また、指で操作部8を押すだけでロック状態になるので、作業が簡単である。
【0032】
図10は図8の左側面図である。基板30は図を見やすくするため断面図となっている。この図に示したとおり、係止脚部11、11の間、つまり挿入口14内にロック片5が入り込んで、係止部15とロック爪7が係止しているので、挿入口14からロック片5は外れない。この状態で係止脚部11、11を手などでつまんで押しても、係止脚部11と係止脚部11の間にロック片5が入り込んでいるので、係止脚部11、11は内側(矢印A方向)へとたわむことがない。よって、係止脚部11、11が内側にたわまないため、爪12は基板30の孔31のエッジに係止したまま外れない。
以上により、固定具1は基板30に確実に固定された状態となる。ロック爪7と係止部15との係止を解除しない限り、ロック片5は挿入口14の外に出ず、すなわちロック片5が挿入口14内に入りこんだ状態となっているため係止脚部11、11は内側(矢印A方向)へと撓むことがないので、爪12が基板30の孔31のエッジに係止したままの状態を保ち、外部から何らかの外力が固定具1に加わったり、長尺体34が強い力で引っ張られたりしても、固定具1は基板30から外れたりすることがなく、安定して長尺体34を基板30に留めつけておくことができる。
【0033】
図12は本発明実施例にかかる固定具の使用状態を示す斜視図である。長尺体34は短く省略した形状にて示す。
【0034】
本発明実施例に係る固定具1から電線を取り外し、また固定具1を基板から取り外す方法を、以下詳しく説明する。固定具1が基板30に取り付けられている状態、つまり図8や図10、図12に示す状態から、固定具1の操作部8を指や工具などで挟持部4側に向けて少し押すと、略V字形状のロック片5は挟持部4方向へと少したわみ、係止部15へのロック爪7の係止が解除され、図9に示す状態となる。ここで、長尺体34は固定具1から取り外すことができる。
【0035】
そして、係止脚部11、11を外側から図に示す矢印A方向へと手または工具等でつまむと、係止脚部11、11の先端の爪12、12が、基板30の孔31の縁から外れる。そのまま図7に示す矢印Dの反対方向へと係止脚部11、11を持ち上げて係止脚部11、11を孔31から外し、脚部9を矢印Cの反対方向へとスライドさせ、脚部9を矢印Bの反対方向へと持ち上げると、固定具1は基板30から簡単に外れる。
【0036】
本発明実施例にかかる固定具1の脚部9には凸部16が形成されている。固定具1を基板30に取り付ける際には、脚部9を挿入するのは凹部33が形成されている方、つまり孔32なので、取り付ける際に固定具1の向きを間違えなくて済むので、固定具1の取り付け方向がその後の作業効率に影響を及ぼす場合などに、いちいち手順表を見ずとも取り付け方向が判別でき便利である。
【実施例2】
【0037】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、脚部9に凸部16を形成しない形状であっても構わない。この場合、固定具1は図13、図14に示すような形状となる。この場合、固定具1の取り付け先である基板30に予め開口形成しておく孔は、凹部33のない孔、つまり孔31のような略四角形の孔を同形状にて2箇所、脚部9と係止脚部11に対応する場所に開口形成しておけば良いので、板金加工コストがさらに安くあがる。
【実施例3】
【0038】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、図15(正面図)とその底面図である図16に示すように脚部9や係止脚部11、11の外周の形状を丸孔の縁に係止するよう変更すれば、丸孔を開口形成した基板に取り付けることも可能である。丸孔は四角い孔より板金加工が簡単なので、加工コストがさらに安くあがる。つまり、基板に開口形成された孔がどのような形状であっても該孔の縁に係止するように、固定具の脚部9と係止脚部11の外周の該孔に係止する部分の形状を変更して形成すれば良い。
【実施例4】
【0039】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、脚部9が無い形状に形成することもできる。この場合、基板に予め開口形成しておく孔は1つで済むので、板金加工コストがさらに安くあがる。
【実施例5】
【0040】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、表面にメッキ等の処理をすることにより、電線等の長尺体34にかかるノイズを、固定具1を通じて金属シャーシ等の導電性を有する基板に流して除去することが可能である。
【0041】
また、本発明上記実施例1から5にかかる固定具1は、図17(正面図)とその左側面図である図18に示すように、電線等の長尺体34をベース2と基板30との間に挟んで固定することもできる。長尺体34は弾性押圧片10、10によって基板に圧接された状態となり、これにより、長尺体34にかかっているノイズを金属シャーシ等の導電性を有する基板に流して除去することが可能である。また、狭持部4とベース2との間で構成する通常の長尺体収納スペースの他に、ベース2と基板30とベースの長手方向に所定間隔を空けて配設した係止脚部9と係止脚部11との間で構成する第二の長尺体収納スペースを形成しているため、長尺体34をベース2と基板30との間に挟んで固定することもできるので、従来品に比べて多くの長尺体を挟持固定できる。さらに、異種または複数の長尺体を、分けて収納保持したい場合に、一部の長尺体を狭持部4とベース2の間で構成する通常の長尺体収納スペースに収納し、その他の長尺体をベース2と基板30と所定間隔を空けて配設した係止脚部9,11との間で構成する第二の長尺体収納スペースに収納することにより対応することができる。なお、前記係止脚部9と11は、ベースの長手方向両端に配設することにより、ベース2と基板30と係止脚部9,11との間に構成する第二の長尺体収納スペースをベース2の長手方向に最大限に大きくとることができる。
【0042】
なお、上記実施例では、前記挟持部を平らな板のような形状にて示したが、挟持部の自由端部分に前記ロック片がついていればよいのであり、挟持部の形状は保持する長尺体の形状や量に合わせて、いかようにも変更できることはもちろんである。
【0043】
本発明実施例に係る固定具1は、電気・電子機器類や自動車内の基板に電線等の長尺体や様々な部品を取り付け固定するために用いるが、この他の用途にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明実施例に係る固定具を示す正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の底面図である。
【図6】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す正面図である。
【図7】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す正面図である。
【図8】本発明実施例に係る固定具を基板に取り付けている状態を示す正面図である。
【図9】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す正面図である。
【図10】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す左側面図である。
【図11】本発明実施例に係る固定具を取り付けるための基板を示す図である。
【図12】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す斜視図である。
【図13】本発明実施例に係る固定具の第二の実施例を示す正面図である。
【図14】図13の左側面図である。
【図15】本発明に係る固定具の第三の実施例を示す正面図である。
【図16】図15の底面図である。
【図17】本発明に係る固定具の使用状態の実施例を示す正面図である。
【図18】図16の左側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 固定具
2 ベース
3 可撓部
4 挟持部
5 ロック片
6 弾性屈曲部
7 ロック爪
8 操作部
9 脚部
10 弾性押圧片
11 脚部
12 爪
13 肉厚部
14 挿入口
15 係止部
16 凸部
30 基板
31 孔
32 孔
33 凹部
34 長尺体
【技術分野】
【0001】
本発明は電気・電子機器類のシャーシ等の基板に電線等の長尺体や様々な部品を取り付け固定するために用いる固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器類や自動車等の内部には、様々な部品や電線等の長尺体が多数配されている。製造や点検、修理の際に作業がしやすいよう、また、電気機器類の通常動作の際に、電線等の長尺体が他の部品に当たり擦れて傷ついたり、不用意に引っ張られて外れたりすることのないよう、これら長尺体類を整理して束ね、パネルや基板等の取り付け対象物に留めつけるための固定具がいろいろと考案されている。
【0003】
ところで、従来からよくあるタイプの、例えば、公開特許公報の特開2004−239325号に開示されている固定具のような、シャーシ(基板)に対してフラットケーブルを保持させるクランプ部とクランプ部をシャーシに固定されるための嵌合脚部とを備えた固定具などがある。この固定具は、ベース上にクランプ部を構成し、ベースの底面に嵌合脚を構成していて、クランプ部は、ベースの上面の一端側にL字状のクランプ片が突出されており、このクランプ片の先端には矢尻上のフックが一体に形成されている。
【0004】
前記ベース上面の他端側にはロック爪を有するロック片が立設されていて、ベース上にフラットケーブルを載置し、クランプ片を下方に弾性変形させてクランプ片のフックをロック片のロック爪に係合させてロックされ、クランプ片とベースとの間にフラットケーブルを保持することができるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−239325号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような固定具は、ベース上にフラットケーブルを載置する構成上、フラットケーブルにかかるノイズを除去するため、別途装置が必要である。
【0007】
また、クランプ片とベースとの間で構成する収納スペースが限られているため、フラットケーブル等の長尺体が多い場合や、追加で長尺体を収納する必要が生じた場合には、収納できないことがあった。
【0008】
また、収納スペースが一箇所であったため、バラバラの電線と帯状のいわゆるフラットケーブルのようなものを、分けて収納保持したい場合に、対応することができなかった。
【0009】
本発明に係る固定具は、上記の問題を解決するためになされたもので、長尺体にかかるノイズを除去でき、かつ多くの長尺体を保持できる固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る固定具は、電線等の長尺体を保持するための平板なベースと、該ベースをシャーシ等の基板に取り付けるための固定手段である、該ベースと一体に形成された複数の係止脚部と、該ベースと一体に形成された挟持部とを備えた固定具であって、
前記ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片を形成するとともに、前記係止脚部はベースの長手方向に所定間隔を空けて配設してベースと基板と係止脚部間とで構成する長尺体収納スペースを形成したことを特徴としている。
【0011】
また、前記挟持部の自由端にはロック片と、該ロック片の先端付近にはロック爪が形成されていて、ロック片がベースに固定される形状に形成することが望ましい。
【0012】
また、前記係止脚部は、ベースの長手方向両端に配設されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、本発明実施例にかかる固定具には、ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片が形成されているので、ベースや弾性押圧片の下に長尺体を配して、基板とベース、弾性押圧片にて長尺体をシャーシ等の基板に押しつけるように挟んで固定することができる。これにより、長尺体にかかる静電気等のノイズを、金属シャーシ等の導電性を有する基板に流して除去することが可能である。
【0014】
狭持部とベースとの間で構成する通常の長尺体収納スペースの他に、ベースと基板と所定間隔を空けて配設した係止脚部間とで構成する第二の長尺体収納スペースを形成しているので、収納する長尺体が多い場合や、追加で長尺体を収納する必要が生じた場合には、狭持部とベースとの間で構成する通常の長尺体収納スペースに収納しきれない長尺体を第二の長尺体収納スペースに収納することができる。
【0015】
さらに、第二の長尺体収納スペースがあるため、複数あるいは異種類の長尺体を、分けて収納保持したい場合に、一部の長尺体を狭持部とベースの間で構成する通常の長尺体収納スペースに収納し、その他の長尺体をベースと基板と所定間隔を空けて配設した係止脚部間とで構成する第二の長尺体収納スペースに収納することにより対応することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、本発明実施例にかかる固定具は、前記挟持部の自由端にはロック片と、該ロック片の先端付近にはロック爪が形成されていて、ロック片がベースに固定される形状に形成しているので、狭持部とベースとで構成する通常の長尺体収納スペースに長尺体を確実に固定することができるという利点がある。
【0017】
また、請求項3に記載の発明によれば、本発明実施例にかかる固定具は、前記係止脚部は、ベースの長手方向両端に配設することにより、ベースと基板と係止脚部との間に構成する第二の長尺体収納スペースをベースの長手方向に最大限に大きくとることができる。
【0018】
本発明実施例にかかる固定具は、弾性押圧片がベースから斜め下方(基板側)に向けて形成されているので、基板に取り付けた際には、該弾性押圧片が基板に当接して上方にたわみ、本体材料の合成樹脂等の性質である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働くため、常に弾性押圧片は基板に圧接する。基板の断面の板厚が変化しようとも、弾性押圧片のたわみ具合が変化することにより固定具1を支え、ガタツキを防止する。よって、さまざまな厚さの基板に対応することができる。
【0019】
また、本発明実施例にかかる固定具の、ベースや挟持部等、保持する長尺体が接触する部分は、角を削いで面取りし、丸みをつけた形状になっている。以上により、本発明実施例の固定具に電線等の長尺体を挟持しても、電線等の長尺体の絶縁被覆に傷をつけたりすることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態(以下、「実施例」という)について、図面に基づいて詳しく説明する。本発明実施例にかかる固定具1は、合成樹脂等の剛性と弾力性を併せ持つ材料にて形成することが望ましく、また、耐熱性や導電性をもたせるために、合成樹脂にガラス繊維や金属フィラー、カーボンフィラーなどを混入しても良いが、材料はこれに限定するものではない。
【実施例1】
【0021】
図1は本発明実施例にかかる固定具1を示す正面図、図2は図1の左側面図、図2は右側面図、図4は平面図、図5は底面図である。(背面図は図1と線対称に表れるため省略する。)本発明実施例にかかる固定具1は、平らな板状に形成されたベース2と、電線等の長尺体を保持するための挟持部4と、これらベース2、挟持部4を各種機器内の基板等に固定するための手段である脚部9、係止脚部11が一体に形成されている。
【0022】
前記ベース2は平らな板状に形成されており、該ベース2の一方の端からは平らな板状の挟持部4が可撓部3を介して一続きに延設されており、挟持部4の端から挟持部と一体に、ロック片5が弾性屈曲部6を頂点とした略V字状に形成され、ロック片の先端部分には操作部8が、操作部8付近には鉤型状にロック爪7が形成されている。
【0023】
また、ベース2のもう一方の端の先には、略四角形状の挿入口14が開口形成されている。図2や図4で見るとわかりやすいが、該挿入口14の略四角形の一つの辺は、前記ベース2の端部にあたり、このベース2の端部の辺に接する、(略四角形の)他の2辺は薄板状の係止脚部11、11が互いに対向する状態でベース2から一続きに形成されている。そして、該略四角形状の残りの一辺には、ベース2の端部にあたる辺と対向して係止部15が形成されている。
【0024】
該係止脚部11、11の、係止部15側の端の上部は係止部15と一体に繋がった状態に形成されている。なお、係止脚部11、11の外側(互いに向かい合った面の背面側)下端(基板方向)には爪12がそれぞれ鉤爪状に形成されている。
【0025】
ベース2の底面側には略L字を描く薄板状の脚部9がベース2と一体に形成されており、脚部9の係止脚部11側の端には凸部16が形成されている。また、ベース2には該ベース2の正面と背面(図1に見る正面と背面)から、ベース2の長手方向に長い薄板状の弾性押圧片10が、ベース2と一体に僅かに下方に向けて(底面側に向けて)斜めに形成されている。
【0026】
図6は本発明実施例にかかる固定具の使用状態を示す正面図である。図1の状態から、固定具1の挟持部4や、操作部8などを手や工具等で押すと、固定具1の他の部分より薄肉状に形成された可撓部3がたわんで屈曲し、挟持部4は可撓部3を基点に、ベース2の方向へと略円弧を描くように移動し、可撓部3はヒンジの役割を果たす。そして、ロック片5の弾性屈曲部6が挿入口14に入り、ロック爪7が係止部15に係止、図6に示す状態となる。
【0027】
以下、本発明実施例に係る固定具を基盤等、板状の取り付け対象物30(以下基板30という)に取り付ける方法を図に基づいて説明する。
【0028】
各種機器内部にある基板30には、図11に示すように、予め略四角形の孔31、孔32が開口形成されている。孔32の縁の一辺には凹部33が形成されている。図7は本発明実施例に係る固定具を、基板30に取り付けている状態を示す正面図である。固定具1の挿入口14のあたりを手で持ち、脚部9を基板30の孔32に差し込み、脚部9を矢印C方向へとスライドさせる。
【0029】
そのまま挿入口14のあたりを基板30に押し付けると、係止脚部11が矢印D方向に移動し、係止脚部11の先端、つまり爪12、12が孔31に入り込む。爪12、12の先端部分は僅かに内側にむかって徐々に先端が小さくなる傾斜をつけて形成してあるので、軽く押すと簡単に爪12、12は孔31内に入り込むようになっている。手を離すと係止脚部11は本体材料の持つ弾性復元力により元の形状に戻り、係止脚部11の爪12の鉤状になった部分が孔31の縁に引っかかり係止する。以上により、固定具1は基板30に取り付けられた状態となる。片手で基板30に軽く押し付けるだけで取り付けができるので便利である。この状態を左側面から示したものが図9である。
【0030】
また、固定具1のベース2からは、薄板状の弾性押圧片10、10が正面と背面側に一体に形成されており、該弾性押圧片10、10の自由端が基板30の表面側に圧接する。弾性押圧片10、10は基板30の厚みによって押されて上方向(挟持部4方向)へたわみ、本体材料の合成樹脂の性質である弾性復元力により元の形状に戻ろうとする力が働くため、基板30を常に圧接し、固定具1を支える役割を果たす。このとき、基板30の厚みによって、弾性押圧片10、10のたわむ量が変化するので、固定具1の取り付け先となる基板30の板厚が変更されても、弾性押圧片10、10のたわみ量を変化して対応することができ、ガタつくことが無い。
【0031】
そして、ベース2の上に電線等の長尺体34を配置して、挟持部4または操作部8を指などで押すと、可撓部3が撓んで曲がり、挟持部4がベース2の方向へ略円弧を描いて移動する。続けて、ロック片5の弾性屈曲部6を挿入口14に押し込むと、ロック片5は挿入口14の端の係止部15に押されて、固定具1の材料である合成樹脂等の性質により、略V字形状に形成されているロック片5の操作部8が挟持部4に近づく方向にたわむ。ロック片5が挿入口14に入り込むと、弾性屈曲部6は弾性復元して元の形状に戻るので、ロック爪7が係止部15に係止してロック状態になる。ロック爪7が係止部15に係止する際には、カチッというクリック音が発生し、操作部に触れている作業者の手指にも節度感が感じられるので、作業者は作業終了を音と節度感にて感知することができる。
以上の手順で、固定具1は図8に示すように、挟持部4とベース2の間に長尺体34を保持した状態となる。(基板30と長尺体34は図を見やすくするために断面図となっている。)不意に長尺体34が強く引っ張られるなどした場合でも、ロック爪7の係止部15への係止は外れることがないので、固定具1は長尺体34を安定して保持することができる。また、指で操作部8を押すだけでロック状態になるので、作業が簡単である。
【0032】
図10は図8の左側面図である。基板30は図を見やすくするため断面図となっている。この図に示したとおり、係止脚部11、11の間、つまり挿入口14内にロック片5が入り込んで、係止部15とロック爪7が係止しているので、挿入口14からロック片5は外れない。この状態で係止脚部11、11を手などでつまんで押しても、係止脚部11と係止脚部11の間にロック片5が入り込んでいるので、係止脚部11、11は内側(矢印A方向)へとたわむことがない。よって、係止脚部11、11が内側にたわまないため、爪12は基板30の孔31のエッジに係止したまま外れない。
以上により、固定具1は基板30に確実に固定された状態となる。ロック爪7と係止部15との係止を解除しない限り、ロック片5は挿入口14の外に出ず、すなわちロック片5が挿入口14内に入りこんだ状態となっているため係止脚部11、11は内側(矢印A方向)へと撓むことがないので、爪12が基板30の孔31のエッジに係止したままの状態を保ち、外部から何らかの外力が固定具1に加わったり、長尺体34が強い力で引っ張られたりしても、固定具1は基板30から外れたりすることがなく、安定して長尺体34を基板30に留めつけておくことができる。
【0033】
図12は本発明実施例にかかる固定具の使用状態を示す斜視図である。長尺体34は短く省略した形状にて示す。
【0034】
本発明実施例に係る固定具1から電線を取り外し、また固定具1を基板から取り外す方法を、以下詳しく説明する。固定具1が基板30に取り付けられている状態、つまり図8や図10、図12に示す状態から、固定具1の操作部8を指や工具などで挟持部4側に向けて少し押すと、略V字形状のロック片5は挟持部4方向へと少したわみ、係止部15へのロック爪7の係止が解除され、図9に示す状態となる。ここで、長尺体34は固定具1から取り外すことができる。
【0035】
そして、係止脚部11、11を外側から図に示す矢印A方向へと手または工具等でつまむと、係止脚部11、11の先端の爪12、12が、基板30の孔31の縁から外れる。そのまま図7に示す矢印Dの反対方向へと係止脚部11、11を持ち上げて係止脚部11、11を孔31から外し、脚部9を矢印Cの反対方向へとスライドさせ、脚部9を矢印Bの反対方向へと持ち上げると、固定具1は基板30から簡単に外れる。
【0036】
本発明実施例にかかる固定具1の脚部9には凸部16が形成されている。固定具1を基板30に取り付ける際には、脚部9を挿入するのは凹部33が形成されている方、つまり孔32なので、取り付ける際に固定具1の向きを間違えなくて済むので、固定具1の取り付け方向がその後の作業効率に影響を及ぼす場合などに、いちいち手順表を見ずとも取り付け方向が判別でき便利である。
【実施例2】
【0037】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、脚部9に凸部16を形成しない形状であっても構わない。この場合、固定具1は図13、図14に示すような形状となる。この場合、固定具1の取り付け先である基板30に予め開口形成しておく孔は、凹部33のない孔、つまり孔31のような略四角形の孔を同形状にて2箇所、脚部9と係止脚部11に対応する場所に開口形成しておけば良いので、板金加工コストがさらに安くあがる。
【実施例3】
【0038】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、図15(正面図)とその底面図である図16に示すように脚部9や係止脚部11、11の外周の形状を丸孔の縁に係止するよう変更すれば、丸孔を開口形成した基板に取り付けることも可能である。丸孔は四角い孔より板金加工が簡単なので、加工コストがさらに安くあがる。つまり、基板に開口形成された孔がどのような形状であっても該孔の縁に係止するように、固定具の脚部9と係止脚部11の外周の該孔に係止する部分の形状を変更して形成すれば良い。
【実施例4】
【0039】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、脚部9が無い形状に形成することもできる。この場合、基板に予め開口形成しておく孔は1つで済むので、板金加工コストがさらに安くあがる。
【実施例5】
【0040】
また、本発明実施例にかかる固定具1は、表面にメッキ等の処理をすることにより、電線等の長尺体34にかかるノイズを、固定具1を通じて金属シャーシ等の導電性を有する基板に流して除去することが可能である。
【0041】
また、本発明上記実施例1から5にかかる固定具1は、図17(正面図)とその左側面図である図18に示すように、電線等の長尺体34をベース2と基板30との間に挟んで固定することもできる。長尺体34は弾性押圧片10、10によって基板に圧接された状態となり、これにより、長尺体34にかかっているノイズを金属シャーシ等の導電性を有する基板に流して除去することが可能である。また、狭持部4とベース2との間で構成する通常の長尺体収納スペースの他に、ベース2と基板30とベースの長手方向に所定間隔を空けて配設した係止脚部9と係止脚部11との間で構成する第二の長尺体収納スペースを形成しているため、長尺体34をベース2と基板30との間に挟んで固定することもできるので、従来品に比べて多くの長尺体を挟持固定できる。さらに、異種または複数の長尺体を、分けて収納保持したい場合に、一部の長尺体を狭持部4とベース2の間で構成する通常の長尺体収納スペースに収納し、その他の長尺体をベース2と基板30と所定間隔を空けて配設した係止脚部9,11との間で構成する第二の長尺体収納スペースに収納することにより対応することができる。なお、前記係止脚部9と11は、ベースの長手方向両端に配設することにより、ベース2と基板30と係止脚部9,11との間に構成する第二の長尺体収納スペースをベース2の長手方向に最大限に大きくとることができる。
【0042】
なお、上記実施例では、前記挟持部を平らな板のような形状にて示したが、挟持部の自由端部分に前記ロック片がついていればよいのであり、挟持部の形状は保持する長尺体の形状や量に合わせて、いかようにも変更できることはもちろんである。
【0043】
本発明実施例に係る固定具1は、電気・電子機器類や自動車内の基板に電線等の長尺体や様々な部品を取り付け固定するために用いるが、この他の用途にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明実施例に係る固定具を示す正面図である。
【図2】図1の左側面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の底面図である。
【図6】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す正面図である。
【図7】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す正面図である。
【図8】本発明実施例に係る固定具を基板に取り付けている状態を示す正面図である。
【図9】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す正面図である。
【図10】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す左側面図である。
【図11】本発明実施例に係る固定具を取り付けるための基板を示す図である。
【図12】本発明実施例に係る固定具の使用状態を示す斜視図である。
【図13】本発明実施例に係る固定具の第二の実施例を示す正面図である。
【図14】図13の左側面図である。
【図15】本発明に係る固定具の第三の実施例を示す正面図である。
【図16】図15の底面図である。
【図17】本発明に係る固定具の使用状態の実施例を示す正面図である。
【図18】図16の左側面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 固定具
2 ベース
3 可撓部
4 挟持部
5 ロック片
6 弾性屈曲部
7 ロック爪
8 操作部
9 脚部
10 弾性押圧片
11 脚部
12 爪
13 肉厚部
14 挿入口
15 係止部
16 凸部
30 基板
31 孔
32 孔
33 凹部
34 長尺体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線等の長尺体を保持するための平板なベースと、該ベースをシャーシ等の基板に取り付けるための固定手段である、該ベースと一体に形成された複数の係止脚部と、該ベースと一体に形成された挟持部とを備えた固定具であって、
前記ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片を形成するとともに、前記係止脚部はベースの長手方向に所定間隔を空けて配設してベースと基板と係止脚部間とで構成する長尺体収納スペースを形成したことを特徴とした固定具。
【請求項2】
前記挟持部の自由端にはロック片と、該ロック片の先端付近にはロック爪が形成されていて、ロック片がベースに固定される形状に形成したことを特徴とした請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記係止脚部は、ベースの長手方向両端に配設されていることを特徴とした、請求項1または2のいずれかに記載の固定具。
【請求項1】
電線等の長尺体を保持するための平板なベースと、該ベースをシャーシ等の基板に取り付けるための固定手段である、該ベースと一体に形成された複数の係止脚部と、該ベースと一体に形成された挟持部とを備えた固定具であって、
前記ベースにはベースの斜め下方に向けて弾性押圧片を形成するとともに、前記係止脚部はベースの長手方向に所定間隔を空けて配設してベースと基板と係止脚部間とで構成する長尺体収納スペースを形成したことを特徴とした固定具。
【請求項2】
前記挟持部の自由端にはロック片と、該ロック片の先端付近にはロック爪が形成されていて、ロック片がベースに固定される形状に形成したことを特徴とした請求項1に記載の固定具。
【請求項3】
前記係止脚部は、ベースの長手方向両端に配設されていることを特徴とした、請求項1または2のいずれかに記載の固定具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−211741(P2006−211741A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16628(P2005−16628)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000226507)株式会社ニックス (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000226507)株式会社ニックス (96)
【Fターム(参考)】
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