説明

圧電振動片、圧電振動子、それらの製造方法、及び圧電発振器

【課題】 水晶振動片と保持器とをシリコーン系の導電接着剤を用いて接続する場合においても、通電性を阻害することのない接続電極を、工程数を増やすことなく形成することにより、安価な圧電振動子を提供する。
【解決手段】 圧電振動子である水晶振動子1は、水晶振動片2の接続電極34が保持器30にシリコーン系の導電接着剤35によって接続されている。水晶振動片2の表面には、前述した接続電極34、接続電極34と接続する励振電極33、及び腕部22、23の先端近傍に設けられた周波数調整用電極38が形成されている。接続電極34は、水晶振動片2の表面に設けられた第一金属層であるクロム層38aの1層構造であり、周波数調整用電極38は、クロム層38aと、クロム層38aの表面に設けられた第二金属層である金層38bと、金層38bに重ねて設けられた金又は銀で形成される錘金属層38cの3層構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶のような圧電基材を用いた圧電振動片を有する圧電振動子、当該圧電振動片及び圧電振動子の製造方法、及び当該圧電振動片を備える圧電発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の圧電振動子は、図9の正断面図に示すように、圧電基材である水晶振動片200が、水晶振動片200を支持する保持器201と接続されることで構成される。この接続は、シリコーン系の導電接着剤205によって行われ、水晶振動片200の端部に形成される接続電極206の表面層であるクロム拡散層202と保持器201に形成される支持電極201aとがシリコーン系の導電接着剤205を介して電気的に接続されている。接続電極206は、水晶振動片200の表面に設けられた下地クロム層204と、下地クロム層204の表面に設けられた金電極層203と、さらに金電極層203の表面に下地クロム層204の一部を拡散させたクロム拡散層202とによって形成されている(例えば、特許文献1の図2)。
【0003】
シリコーン系の導電接着剤205は、シリコーン樹脂を母体として、例えば銀からなる導電粒(フィラーとも呼ばれる。)を混在させたペースト状態の接着剤であり、塗布後加熱して硬化させる。
シリコーン系の導電接着剤中のシリコーン樹脂は、金が周囲にある場合に比較し、銀が周囲にあった方が硬化反応が早い。このため、接続電極206などの電極材として金を用いた場合、金電極表面部分よりも導電性接着剤自体に含まれる銀周囲が先に硬化する。一方、シリコーン系の導電接着剤が硬化反応する際には、接着剤自体が収縮する。従って、シリコーン系の導電接着剤が硬化する場合には、硬化反応の遅い部分である金電極表面部周囲の銀粒が硬化収縮により金電極表面より遠ざかる方向に移動する。
【0004】
このようなことにより、シリコーン系導電接着剤の硬化後は、結果的にシリコーン系の導電接着剤と金電極表面との界面に導電粒の存在しないシリコーン樹脂層が生成される場合があり、その後導電粒とともにシリコーン樹脂が硬化すると推察される。いずれにしても、接続電極の表面が金などその周囲でのシリコーン樹脂の硬化反応がシリコーン系導電接着剤自体に含まれる銀などの導電粒に比べ遅い材料であった場合に接続電極との界面にシリコーン樹脂層が生成される場合がある。
【0005】
クロム拡散層202は、前述のように生成されるシリコーン樹脂層に起因する、シリコーン系の導電接着剤205による金電極層203と保持器201の支持電極201aとの接続の通電性の阻害を防止するために設けるものである。
【0006】
【特許文献1】特開2000−151345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の背景技術に示した圧電振動子では、クロム拡散層202を形成するための加熱処理などの拡散工程が必要となることから、工程数が多くなり生産性を阻害するという問題を有していた。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水晶振動片と保持器とをシリコーン系の導電接着剤を用いて接続する場合においても、通電性を阻害することのない接続電極を、工程数を増やすことなく形成することにより、安価な圧電振動子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる問題を解決するために、本発明の圧電振動片は、シリコーン系の導電接着剤により保持器に接続された圧電振動片であって、一対の腕部を振動部とする音叉形状の圧電基材と、前記圧電基材の表面に前記腕部に亘って設けられたクロム系又はニッケル系の金属からなる第一金属層により形成された励振電極と、前記圧電基材の基部側表面に前記励振電極と接続して設けられた前記第一金属層により形成された接続電極とを備え、前記接続電極の表面に少なくとも一部露出する前記第一金属層が前記シリコーン系の導電接着剤と接合する状態でその基部にて前記保持器に接着固定されることを特徴とする。
本発明の圧電振動片によれば、前記圧電基材の表面に設けられたクロム系又はニッケル系の第一金属層を接続電極とすることにより、工程数を増やすことなくクロム系又はニッケル系の金属層を表面に露出した接続電極を得ることができる。従って、シリコーン系の導電接着剤を用いる接続を行っても通電の阻害されない圧電振動片を安価に提供することが可能となる。
【0010】
また、前記接続電極は、前記第一金属層のみから形成されていることが望ましい。
このようにすれば、第一金属層のみから形成されているため、効率良く接続電極を形成することができる。
【0011】
また、少なくとも前記励振電極を覆うように絶縁性の表面保護層が形成されていることが望ましい。
このようにすれば、励振電極の表面に付着する導電性異物による電極間短絡を防止することが可能となる。
【0012】
また、前記接続電極は、前記第一金属層と当該第一金属層の一部に重ねて設けられた前記第二金属層を有することが望ましい。
このようにすれば、接続電極の表面に第一金属層と第二金属層とを有しているため、シリコーン系の導電接着剤を用いる接続の場合は第一金属層で通電を確保でき、他の接続方法、例えば、はんだ接続の場合は、第二金属層の部分ではんだ濡れ性を高め通電を確保することができる。即ち、接続方法が変わっても通電の阻害されない接続が可能な圧電振動片を提供することが可能となる。
【0013】
また、前記接続電極は、前記接続電極の外縁近傍が前記第二の金属層、前記接続電極の中心部が前記第一の金属で形成されていることが望ましい。
このようにすれば、接続の際に双方の金属層によって接続が行われるために、接続強度、通電性など確実な接続を行うことができる。
【0014】
また、前記圧電基材の前記一対の腕部における前記励振電極より先端側の部位には、少なくとも前記第一金属層と該第一金属層に重ねて設けられた第二金属層とを有する周波数調整用電極が形成されていることが望ましい。
このようにすれば、クロム又はニッケルの第一金属層が圧電基材及び第二金属層の双方に対しての密着性が良い金属層であるため、圧電基材に対する周波数調整電極の密着性を確保することが可能となる。即ち、前述の効果に加え、さらに周波数調整電極の密着性を確保することにより、周波数調整電極の剥離などによる圧電振動片の共振周波数変化を防止して、共振周波数を長期間安定させることが可能となる。
【0015】
また、前記第二金属層は金で形成されており、前記周波数調整用電極は、前記第二金属層の表面に形成された周波数調整用の錘金属層をさらに有することが望ましい。
このようにすれば、第二金属層が化学変化(特に酸化現象)が起こらない金で形成されているため、第二金属層の表面に周波数調整用の錘金属層を重ねて設ける場合であっても酸化などによる第二金属層と周波数調整用の金属層との密着性の悪化を防止することができる。即ち、周波数調整用の錘金属層の密着性を確保することにより、周波数調整用の錘金属層の剥離などによる圧電振動片の共振周波数変化を防止して、共振周波数を長期間安定させることが可能となる。
【0016】
本発明の圧電振動子は、保持器と、前記保持器と接続された前述の圧電振動片と、を有し、前記圧電振動片の前記接続電極の表面に少なくとも一部露出する前記第一金属層が前記シリコーン系の導電接着剤と接合する状態でその基部にて前記保持器に接着固定されていることを特徴とする。
本発明の圧電振動子によれば、前記圧電基材の表面に設けられたクロム系又はニッケル系の第一金属層を接続電極とすることにより、工程数を増やすことなくクロム系又はニッケル系の金属層を表面に露出した接続電極を得ることができる。従って、シリコーン系の導電接着剤を用いる接続を行っても通電の阻害されない圧電振動子を安価に提供することが可能となる。
【0017】
本発明の圧電振動片の製造方法は、圧電基材の表面に、少なくとも前記圧電基材を発振させるための励振電極と、前記励振電極と接続し、前記保持器と接続する接続電極と、前記圧電基材の発振周波数を調整する周波数調整用電極と、を有する圧電振動片の製造方法であって、前記圧電基材の表面に、クロム又はニッケルの第一金属層と前記第一金属層の表面を覆う金の第二金属層とからなる電極膜を形成する工程と、前記電極膜の表面に第一のマスクを設け、前記第一のマスクに覆われていない部分の前記電極膜を除去し、前記それぞれの電極に分割する工程と、前記周波数調整用電極を覆う第二のマスクを設け、前記第二のマスクに覆われていない、少なくとも前記励振電極及び接続電極の第二金属層を除去し、第一の金属層を露出する工程と、前記周波数調整用電極を除く領域を覆う第三のマスクを設け、前記第三のマスクに覆われていない前記周波数調整用電極に重ねて周波数調整用の錘金属層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の圧電振動片の製造方法によれば、圧電基材の表面に、第一金属層による接続電極を形成し、第一金属層に重ねて設ける第二金属層によって周波数調整用電極を形成し、周波数調整用電極に重ねて周波数調整用の錘電極を形成することが可能となる。従って、接続電極による接続の通電性を確保し、さらに、第二金属層が化学変化(特に酸化現象)が起こらない金で形成されているため、第二金属層の表面に周波数調整用の錘金属層を重ねて設ける場合であっても酸化などによる第二金属層と周波数調整用の金属層との密着性の悪化を防止することができる。即ち、接続電極による通電性の信頼性を高め、さらに周波数調整用の錘金属層の密着性を確保することにより、周波数調整用の錘金属層の剥離などによる圧電振動子の周波数変化を防止して、周波数を長期間安定させることが可能な、長期信頼性を高めることが可能な圧電振動片を提供することができる。
【0018】
本発明の圧電振動片の製造方法は、圧電基材の表面に、少なくとも前記圧電基材を発振させるための励振電極と、前記励振電極と接続し、前記保持器と接続する接続電極と、前記圧電基材の発振周波数を調整する周波数調整用電極と、を有する圧電振動子の製造方法であって、前記圧電基材の表面に、クロム又はニッケルの第一金属層を形成する工程と、前記第一金属層の表面に、第一のマスクを設け、前記第一のマスクに覆われていない部分の前記第一金属層を除去し、前記それぞれの電極に分割する工程と、前記周波数調整電極の部分を除く領域を覆う第三のマスクを設け、前記第三のマスクに覆われていない前記第一金属層に重ねて周波数調整用の錘金属層を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の圧電振動片の製造方法によれば、圧電基材の表面に、第一金属層による接続電極を形成し、周波数調整用電極の部分の第一金属層に重ねて周波数調整用の錘金属層を形成することが可能となる。従って、接続の通電性を確保する接続電極と周波数調整用電極を簡単に形成することができる。
【0019】
本発明の圧電振動子の製造方法によれば、圧電基材と接続した状態でこれを保持する保持器と、前記圧電基材の表面に、少なくとも前記圧電基材を発振させるための励振電極と、前記励振電極と接続し、前記保持器と接続する接続電極と、前記圧電基材の発振周波数を調整する周波数調整用電極と、を有する圧電振動子の製造方法であって、請求項9又は請求項10に記載の圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片を、シリコーン系の導電性接着剤を用いて基部にて前記保持器に接着固定し、前記接続電極の表面に露出した前記第一金属層と前記シリコーン系の導電性接着剤とが接合する状態に前記接続電極と前記保持器とを電気的に接続する工程を有することを特徴とする。
本発明の圧電振動片の製造方法によれば、圧電基材の表面に、第一金属層による接続電極を形成し、第一金属層に重ねて設ける第二金属層によって周波数調整用電極を形成し、周波数調整用電極に重ねて周波数調整用の錘電極を形成することが可能となる。従って、接続電極による接続の通電性を確保し、さらに、第二金属層が化学変化(特に酸化現象)が起こらない金で形成されているため、第二金属層の表面に周波数調整用の錘金属層を重ねて設ける場合であっても酸化などによる第二金属層と周波数調整用の金属層との密着性の悪化を防止することができる。即ち、接続電極による通電性の信頼性を高め、さらに周波数調整用の錘金属層の密着性を確保することにより、周波数調整用の錘金属層の剥離などによる圧電振動子の周波数変化を防止して、周波数を長期間安定させることが可能な、長期信頼性を高めることが可能な圧電振動子を提供することができる。
【0020】
また、保持器と、シリコーン系の導電性接着剤により前記保持器に接続された請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の圧電振動片と、少なくとも前記圧電振動片を発振させる機能を有する回路素子と、を有し、前記圧電振動片の前記接続電極の表面に少なくとも一部露出する前記第一金属層が前記シリコーン系の導電接着剤と接合する状態でその基部にて前記保持器に接着固定されていることを特徴とする圧電発振器を提供することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係る圧電振動子の最良の形態について、以下に図面を用いて説明する。なお、本発明は、後述の実施形態に限定されるものではない。
(第一の実施形態)
【0022】
本発明に係る圧電振動子の第一の実施形態として、屈曲振動モード、又は縦振動モードの圧電振動子の一例として、音叉形状の水晶片(以下、「水晶振動片」という。)を用いた面実装タイプの水晶振動子について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、第一の実施形態の水晶振動子を示す概略の斜視図である。図2は、水晶振動片と保持器の接続部分の概略を示し、図1のP−P断面図である。
【0023】
===水晶振動子の全体構成===
図1に示すように、本実施形態に係る水晶振動子1は、基部21から2つ(一対)の腕部22、23が延びた薄板状の圧電基材の一例である水晶振動片2と、水晶振動片2と接続してこれを保持する保持器30とから成る。保持器30は、セラミックによって形成されており、その凹部に水晶振動片2を収納する。凹部の底面は段差構造になっており一段高い部分が水晶振動片の保持部31であり、水晶振動片の保持部31形成された金属配線31a(図2に示す)と水晶振動片2の接続電極34とがシリコーン系の導電接着剤35によって接続されている。なお、一段低い部分32は、水晶振動片2の振動部分である腕部22、23を中空に保持するためのものである。
【0024】
水晶振動片2の表面には、前述した接続電極34、接続電極34と接続する励振電極33、及び腕部22、23の先端近傍に設けられた周波数調整用電極38が形成されている。接続電極34と励振電極33とは第一金属層であるクロム層38aで形成されている。図2で示すように、周波数調整用電極38は、水晶振動片2の表面に設けられたクロム層38aと、クロム層38aの表面に設けられた第二金属層である金層38bと、金層38bに重ねて設けられた金又は銀で形成される錘金属層38cの3層構造になっている。なお、電極の構成の詳細については後述する。
また、接続電極34と周波数調整用電極38を除く領域の励振電極33の表面には、図2に2点鎖線で示す表面保護層39が形成されることもある。
【0025】
水晶振動片2が収納された保持器30の上面37には、金属蓋体36が密着されて保持器30の凹部内は気密状態に保たれている。
【0026】
===水晶振動片の電極構成===
水晶振動片の電極構成について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、水晶振動片の斜視図であり、(a)は、斜め上方から見たときの斜視図、(b)は、斜め下方から見たときの斜視図である。図4は、水晶振動片の各部位を模式的に示す側断面図であり、(a)は、腕部の断面図(図3(a)のA−A断面)、(b)は、基部の断面図(図3(a)のB−B断面)、(c)は、腕部先端付近の断面図(図3(a)のC−C断面)である。
【0027】
図3(a)、(b)に示すように、水晶振動片2の腕部22、23の上面部25および下面部26の中央部分には、所定のギャップ27を隔てて形成された2つの電極パターン40によって励振電極33がそれぞれ形成されている。図3(a)、(b)では、2つの電極パターン40を区別するために、一方の電極パターン40には右下がりの斜線を付し、他方の電極パターン40には、右上がりの斜線を付して、それぞれ図示してある。
【0028】
ここで、励振電極33は、水晶振動片2の腕部22、23の上面部25および下面部26における中央部分にそれぞれ形成されているので、水晶振動片2の上面部25側の励振電極33と下面部26側の励振電極33とは、上面部25の縁部分251、252、253、254と、下面部26の縁部分261、262、263、264と、各側面部271、272とに形成された電極パターン40からなる導通用電極46によって電気的に接続されている。
【0029】
従って、図1に示すように、電極パターン40のうち、基部21に形成されている接続電極(マウント部ともいう)34を介して励振電極33に交流電圧を印加すれば、腕部22、23が所定の周波数で振動する。この場合、導通用電極46も水晶振動片2を励振する機能を有している。なお、腕部22、23の先端側にはレーザートリミング等により周波数調整を行うための周波数調整用電極38が形成されている。
【0030】
水晶振動片2の腕部22、23の電極パターン40は、図4(a)に示すように、腕部22、23の表面にクロムからなる第一金属層41(以下、「クロム層」という。)の1層構造によって設けられている。クロム層41は、所定のギャップ27によって分割されて電極パターン40が形成されている(本図では電極パターン40の一例として励振電極33を示してある)。なお、励振電極33を構成するクロム層41の表面、及び電極を分割するギャップ27により水晶の上面部25及び下面部26が露出している部分には、図4中の一点鎖線で示すシリコーン酸化膜などの表面保護層39が設けられることがある。
【0031】
基部21に設けられる接続電極34は、図4(b)に示すように、水晶振動片2の基部21の表面に、前述の励振電極33と同じクロム層41の1層構造によって形成されている。接続電極34は、ギャップ44により2つに分割されており、それぞれが励振電極33に接続されている。
【0032】
水晶振動片2の腕部22、23の先端近傍に設けられる周波数調整用電極38は、図4(c)に示すように、3層構造で形成されている。3層構造を説明すると、腕部22、23の表面に、前述の励振電極33、接続電極34と同じクロム層41が第1金属層として形成されている。クロム層41の表面には、第2金属層として金層47が形成されている。さらに、金層47の表面には、金、又は銀で形成される第3金属層としての錘金属層49が形成されている。錘金属層49は、周波数調整が可能な質量が形成できれば表裏の両面に設けなくてもよく、表裏の面の内どちらか一方の面に設けられる構成を用いることもできる。
【0033】
なお、クロム層41は、金層47と水晶振動片2の表面との密着性を高めるために形成する。また、金層47は、錘金属層49を形成するまでにクロム層41が大気に触れるなどして起こる表面の酸化などの表面変質層によるクロム層41と錘金属層49との密着性の劣化を防止するために形成する。従って、酸化など化学変化を起こさない金(Au)が用いられている。
【0034】
従って、周波数調整用電極38は、クロム層41と錘金属層49の形成を同一真空槽内で行うなどクロム層41の表面の変質を防止することができれば、クロム層41の表面に錘金属層49を直接形成する2層構造としてもよい。
【0035】
前述の第一の実施形態によれば、水晶振動片2の表面に設けられた接続電極34をクロム層41の第一金属層とすることにより、拡散工程などを用いることなくクロム層を表面に露出した接続電極34を得ることができる。従って、シリコーン系の導電接着剤35を用いる接続を行っても通電の阻害されない水晶振動子1を安価に提供することが可能となる。
また、前述のクロム層41の第一金属層を下地電極とし、その表面に周波数調整用電極38を構成する金層47、錘金属層49を設けることも可能となる。即ち、水晶振動片2との密着性を高めた周波数調整用電極38を形成することができる。
【0036】
===接続電極の変形例===
ここで接続電極の変形例について説明する。図5(a)〜(d)は、それぞれ水晶振動片の異なる変形例であり、接続電極の部分を示すD−D断面図および平面図である。
【0037】
図5(a)によれば、水晶振動片2の表面に設けられた接続電極34は、クロム層50と金層51の2層構造になっている。クロム層50は、接続電極34の全領域に設けられており、金層51は、接続電極34の水晶振動片2の幅方向両端部分に帯状にクロム層50に重ねて形成されている。
【0038】
図5(b)によれば、接続電極34は、上述と同じく2層構造になっている。クロム層50は、接続電極34の全領域に設けられている。クロム層50に重ねて設けられた金層51は、方形状の窓明け部が複数形成されており、クロム層50がその窓明け部で露出している。
【0039】
図5(c)によれば、接続電極34は、上述と同じく2層構造になっている。クロム層50は、接続電極34の全領域に設けられている。クロム層50に重ねて設けられた金層51は、円状の窓明け部が形成されており、クロム層50がその窓明け部で露出している。
【0040】
図5(d)によれば、接続電極34は、上述と同じく2層構造になっている。クロム層50は、接続電極34の全領域に設けられている。クロム層50に重ねて設けられた金層51は、接続電極34の水晶振動片2の幅方向中央部分に帯状に形成されている。
【0041】
前述の接続電極の各変形例によれば、接続電極34にクロムが露出する部分と金が露出する部分とを有していることにより、シリコーン系の導電接着剤35を用いて接続を行う場合においても部分的に露出しているクロム層50によって通電が阻害されることなく接続が可能である。また、金層51が露出している部分も有しているため、はんだ付けによる接続を行う場合でも良好なはんだ流れを生じさせることが可能となる。従って、本変形例を用いることによりシリコーン系の導電接着剤を用いての接続とはんだ付けを用いての接続との双方の接続に対応できる接続電極34を形成することができる。
(第二の実施形態)
【0042】
本発明にかかる圧電振動子の製造方法について、音叉型の水晶振動子の製造方法を一例にして図面を用いて説明する。図6は、音叉型の水晶振動子の製造工程のうち、水晶振動片の電極を形成する工程フローを示す図であり、B−B断面は基部21を示し、C−C断面は腕部22、23の先端部に形成される周波数調整用電極38の部位を示す。
【0043】
水晶振動片2の製造は、電極の形成に先立って、水晶振動片の外形形状を形成するが、本説明では省略し電極を形成する工程について説明する。なお、水晶振動片2の製造工程では、圧電基材である水晶基板の上下両面に同時に電極を形成する、また、側面にも同様に電極を形成する。
【0044】
先ず、図6(a)に示すように、外形形状が形成された水晶振動片2の全表面(図6では、基部21及び腕部22、23の先端部を示している)に電極膜を構成する第一の金属層であるクロム層41、クロム層41の表面に第二の金属層である金層47を形成する。クロム層41、金層47は、真空スパッタリング或いは真空蒸着などによって形成する。
【0045】
次に、クロム層41、金層47を分割しそれぞれの電極形状を形成する。第一のマスクであるフォトレジスト60を金層の表面に形成した後、それぞれの電極形状に焼き付け(露光ともいう)を行う。続いて現像を行って、図6(b)に示すように、フォトレジスト60を各電極の形状に残す。フォトレジスト60の各電極を分割する部分は、フォトレジスト60が存在しない窓開き部61となっている。
【0046】
次に、フォトレジスト60をマスクとして金層47及びクロム層41をエッチング加工する。このエッチング加工によりフォトレジスト60の窓開き部61に対応する金層47、及びクロム層41が除去されて間隙部62(電極分割線ともいう)が形成され、図6(c)に示すようにクロム層41及び金層47をそれぞれの電極に対応した形状に残す。その後、フォトレジスト60を除去し、クロム層41及び金層47から構成された電極を形成する。
【0047】
次に、金層47の不要部分を除去しクロム層41を露出する。図6(d)に示すように、第二のマスクであるフォトレジスト63を金層47の表面に形成した後、金層47を残す部分(本例では、周波数調整用電極38を形成する部分)のフォトレジスト63が残るように焼き付け(露光ともいう)、続いて現像を行う。図6(d)では、フォトレジスト63が残らない部分は2点鎖線で表している。
続いて、フォトレジスト63をマスクとして、金層47のエッチングを行う。このエッチング加工により、周波数調整用電極38を除く領域の金層47が除去されてクロム層41が露出し、フォトレジスト63を除去することによって、図6(e)に示すように、接続電極34は、クロム層41の1層構造の電極となり、周波数調整用電極38は、クロム層41と、金層47の2層構造の電極となる。
【0048】
次に、周波数調整用電極38の金層47の表面に錘金属層49を形成する。図6(f)に示すように、前述の工程で露出したクロム層41と金層47の表面を第三のマスクである金属マスク64で覆う。金属マスク64は、錘金属層49に対応する部分に窓開け部65が設けられている。続いて、金属マスク64を覆うように金(Au)を真空蒸着し、窓明け部65に錘金属層49を形成する。
【0049】
次に、図6(g)に示すように、金属マスク64を除去することにより、錘金属層49を周波数調整用電極38の表面に露出する。
【0050】
このような水晶振動片の製造方法とすれば、音叉型水晶振動片2の表面に、クロム層による接続電極34を形成し、クロム層41に重ねて設ける金層47によって周波数調整用電極38を形成し、当該周波数調整用電極38に重ねて周波数調整用の錘金属層49を形成することが可能となる。従って、接続電極34の通電性を確保することができる。また、金層47が化学変化(特に酸化現象)の起こりにくい、金で形成されているため、金層47の表面に錘金属層49を重ねて設けても、酸化などによる密着性の悪化を防止することができる水晶振動片2を提供することができる。即ち、本発明の水晶振動片2を用いた水晶振動子1は、接続電極34の通電性の信頼性を高め、さらに錘金属層49の密着性を確保することにより、錘金属層49の剥離などによる周波数変化を防止して周波数を長期間安定することができる、換言すれば長期信頼性を高めた水晶振動子1を提供することが可能となる。
(第三の実施形態)
【0051】
本発明に係る第三の実施形態としての水晶振動片の製造方法を、音叉型水晶振動子の製造方法を一例にして図面を用いて説明する。図7は、音叉型水晶振動片の電極を形成する工程フローを示す図であり、B−B断面は基部21を示し、C−C断面は腕部22、23の先端部に形成される周波数調整用電極38の部位を示す。
【0052】
前述の第二の実施形態と同様に、音叉型水晶振動片2の製造は、電極の形成に先立って、水晶振動片の外形形状を形成するが、本説明では省略し電極を形成する工程について説明する。なお、水晶振動片2の製造工程では、圧電基材である水晶基板の上下両面に同時に電極を形成する、また、側面にも同様に電極を形成する。
【0053】
先ず、図7(a)に示すように、外形形状が形成された水晶振動片2の全表面(図7では、基部21及び腕部22、23の先端部を示している。)に電極膜を構成する第一の金属層であるクロム層41を形成する。クロム層41は、真空スパッタリング或いは真空蒸着などによって形成する。
【0054】
次に、クロム層41を分割しそれぞれの電極形状を形成する。第一のマスクであるフォトレジスト70をクロム層41の表面に形成した後、それぞれの電極形状に焼き付け(露光ともいう)を行う。続いて現像を行って、図7(b)に示すように、フォトレジスト70を各電極の形状に残す。フォトレジスト70の各電極を分割する部分は、フォトレジスト70が存在しない窓開き部71となっている。
【0055】
次に、フォトレジスト70をマスクとしてクロム層41をエッチング加工する。このエッチング加工によりフォトレジスト70の窓開き部71に対応するクロム層41が除去されて間隙部72(電極分割線ともいう)が形成され、図7(c)に示すようにクロム層41をそれぞれの電極に対応した形状に残す。その後、フォトレジスト71を除去し、クロム層41の電極を形成する。
【0056】
次に、周波数調整用電極38の当該クロム層41の表面に錘金属層49を形成する。図7(d)に示すように、クロム層41の表面を第二のマスクである金属マスク74で覆う。金属マスク74は、錘金属層49に対応する部分に窓開け部75が設けられている。続いて、金属マスク74を覆うように金(Au)を真空蒸着し、窓明け部75に錘金属層49を形成する。
【0057】
次に、図7(e)に示すように、金属マスク74を除去することにより、錘金属層49を周波数調整用電極38の表面に露出する。また、基部21においては、間隙部72によってクロム層41が電極分割された接続電極34を露出する。
【0058】
このような水晶振動片の製造方法とすれば、クロム層41の表面に直接金(Au)の錘金属層49を形成することから、加工工程を短縮した製造方法を提供することができる。即ち、第二の実施形態の効果に加え、より安価な水晶振動片を提供することが可能となる。
(第四の実施形態)
【0059】
また、本発明の圧電振動子の一例としての前述の音叉型水晶振動子を用いた圧電発振器を、図8により説明する。図8は、本発明の圧電発振器の断面斜視図である。
図8によれば、本発明の圧電発振器100は、保持器としての例えば、セラミック製のパッケージ102内の基台104に、水晶振動片2がシリコーン系の導電性接着剤106などにより電気的接続を取りながら固定されている。また、該パッケージ102の底部110には、水晶振動片2と電気的に接続された、少なくとも水晶振動片2を動作させる機能を有する発振回路108が固定されている。ここで水晶振動片2と発振回路108は干渉しない位置にある。さらに、蓋体112が、該パッケージ102の上部接合部114に接合されて気密性を保持した構成となっている。
【0060】
本発明によれば、前述の水晶振動子を用いるため、シリコーン系の導電接着剤を用いる接続を行っても通電の阻害されず、また長期信頼性を高めた圧電発振器100を安価に提供することが可能となる。
【0061】
なお、前述の実施の形態では、第一の金属層としてクロム(Cr)を用いて説明したがこれに限らず、ニッケル(Ni)などの水晶振動片と金との双方との密着度を確保できる金属であればよい。
【0062】
また、錘金属層を形成する金属を、金(Au)で説明したがこれに限らず、銀(Ag)など周波数調整のための溶融が可能な金属であればよい。
【0063】
また、錘金属層は、水晶振動片の表裏に形成する構造で説明したがこれに限らず、周波数調整が十分行える質量を確保することが可能であれば、片面のみに錘金属層を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】第一の実施形態の水晶振動子を示す概略の斜視図。
【図2】水晶振動片と保持器の接続部分の概略を示し、図1のP−P断面図。
【図3】水晶振動片の斜視図であり、(a)は、斜め上方から見たときの斜視図、(b)は、斜め下方から見たときの斜視図。
【図4】水晶振動片の各部位を模式的に示す側面断面図であり、(a)は、腕部の断面図(図3(a)のA−A断面)、(b)は、基部の断面図(図3(a)のB−B断面)、(c)は、腕部先端付近の断面図(図3(a)のC−C断面)。
【図5】接続電極の変形例を示す平面図およびD−D断面図であり、(a)〜(d)は、それぞれが個々の接続電極の変形例を示す図。
【図6】音叉型水晶振動子の製造工程のうち、第二の実施形態における水晶振動片の電極を形成する工程フローを示す図。
【図7】音叉型水晶振動子の製造工程のうち、第三の実施形態における水晶振動片の電極を形成する工程フローを示す図。
【図8】圧電振動子の一例としての音叉型水晶振動子を用いた圧電発振器の一部破断した分解斜視図。
【図9】従来の圧電振動子を示す正断面図。
【符号の説明】
【0065】
1…圧電振動子としての音叉型の水晶振動子、2…音叉型の水晶振動片、21…基部、22、23…圧電振動片の腕部、30…保持器、31…保持部、31a…保持部の金属配線、33…励振電極、34…接続電極、35、106…シリコーン系の導電性接着剤、36…金属蓋体、38…周波数調整用電極、38a…第一金属層としてのクロム層、38b…第二金属層としての金層、38c…第三金属層としての錘金属層、39…表面保護層、40…電極パターン、41…クロム層、45…励振電極、47…金層、49…錘金属層、60、70…第一のマスクとしてのフォトレジスト、61、71…レジストマスクの窓開け部、62、72…間隙部、63…第二のマスクとしてのレジストマスク、64、74…第三のマスクとしての金属マスク、65、75…金属マスクの窓明け部、100…圧電発振器、102…保持器としてのパッケージ、108…回路素子としての発振回路、251、252、253、254…圧電振動片の上面部の縁部分、261、262、263、264…圧電振動片の下面部の縁部分、271、272…圧電振動片の側面部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン系の導電接着剤により保持器に接続される圧電振動片であって、
一対の腕部を振動部とする音叉形状の圧電基材と、
前記圧電基材の表面に前記腕部に亘って設けられたクロム系又はニッケル系の金属からなる第一金属層により形成された励振電極と、
前記圧電基材の基部側表面に前記励振電極と接続して設けられた前記第一金属層により形成された接続電極とを備え、
前記接続電極の表面に少なくとも一部露出する前記第一金属層が前記シリコーン系の導電接着剤と接合する状態でその基部にて前記保持器に接着固定されることを特徴とする圧電振動片。
【請求項2】
請求項1に記載の圧電振動片において、
前記接続電極は、前記第一金属層のみから形成されていることを特徴とする圧電振動片。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれか一項に記載の圧電振動片において、
少なくとも前記励振電極を覆うように絶縁性の表面保護層が形成されていることを特徴とする圧電振動片。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の圧電振動片において、
前記接続電極は、前記第一金属層と当該第一金属層の一部に重ねて設けられた前記第二金属層とを有することを特徴とする圧電振動片。
【請求項5】
請求項4に記載の圧電振動片において、
前記接続電極は、前記接続電極の外縁近傍が前記第二の金属層、前記接続電極の中心部が前記第一の金属で形成されていることを特徴とする圧電振動片。
【請求項6】
請求項1に記載の圧電振動片において、
前記圧電基材の前記一対の腕部における前記励振電極より先端側の部位には、少なくとも前記第一金属層と該第一金属層に重ねて設けられた第二金属層とを有する周波数調整用電極が形成されていることを特徴とする圧電振動片。
【請求項7】
請求項6に記載の圧電振動片において、
前記第二金属層は金で形成されており、前記周波数調整用電極は、前記第二金属層の表面に形成された周波数調整用の錘金属層をさらに有することを特徴とする圧電振動片。
【請求項8】
保持器と、
前記保持器と接続された請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の圧電振動片と、を有し、
前記圧電振動片の前記接続電極の表面に少なくとも一部露出する前記第一金属層が前記シリコーン系の導電接着剤と接合する状態でその基部にて前記保持器に接着固定されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項9】
圧電基材の表面に、少なくとも前記圧電基材を発振させるための励振電極と、前記励振電極と接続し、前記保持器と接続する接続電極と、前記圧電基材の発振周波数を調整する周波数調整用電極と、を有する圧電振動片の製造方法であって、
前記圧電基材の表面に、クロム又はニッケルの第一金属層と前記第一金属層の表面を覆う金の第二金属層とからなる電極膜を形成する工程と、
前記電極膜の表面に第一のマスクを設け、前記第一のマスクに覆われていない部分の前記電極膜を除去し、前記それぞれの電極に分割する工程と、
前記周波数調整用電極を覆う第二のマスクを設け、前記第二のマスクに覆われていない、少なくとも前記励振電極及び接続電極の第二金属層を除去し、第一の金属層を露出する工程と、
前記周波数調整用電極を除く領域を覆う第三のマスクを設け、前記第三のマスクに覆われていない前記周波数調整用電極に重ねて周波数調整用の錘金属層を形成する工程と、を有することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項10】
圧電基材の表面に、少なくとも前記圧電基材を発振させるための励振電極と、前記励振電極と接続し、前記保持器と接続する接続電極と、前記圧電基材の発振周波数を調整する周波数調整用電極と、を有する圧電振動子の製造方法であって、
前記圧電基材の表面に、クロム又はニッケルの第一金属層を形成する工程と、
前記第一金属層の表面に、第一のマスクを設け、前記第一のマスクに覆われていない部分の前記第一金属層を除去し、前記それぞれの電極に分割する工程と、
前記周波数調整電極の部分を除く領域を覆う第三のマスクを設け、前記第三のマスクに覆われていない前記第一金属層に重ねて周波数調整用の錘金属層を形成する工程と、を有することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項11】
圧電基材と接続した状態でこれを保持する保持器と、前記圧電基材の表面に、少なくとも前記圧電基材を発振させるための励振電極と、前記励振電極と接続し、前記保持器と接続する接続電極と、前記圧電基材の発振周波数を調整する周波数調整用電極と、を有する圧電振動子の製造方法であって、
請求項9又は請求項10に記載の圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片を、シリコーン系の導電性接着剤を用いて基部にて前記保持器に接着固定し、前記接続電極の表面に露出した前記第一金属層と前記シリコーン系の導電性接着剤とが接合する状態に前記接続電極と前記保持器とを電気的に接続する工程を有することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
【請求項12】
保持器と、
シリコーン系の導電性接着剤により前記保持器に接続された請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の圧電振動片と、
少なくとも前記圧電振動片を発振させる機能を有する回路素子と、を有し、
前記圧電振動片の前記接続電極の表面に少なくとも一部露出する前記第一金属層が前記シリコーン系の導電接着剤と接合する状態でその基部にて前記保持器に接着固定されていることを特徴とする圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−13900(P2006−13900A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188344(P2004−188344)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】