説明

地図情報更新システム

【課題】ナビゲーション装置に記憶される地図情報の更新によってユーザにどのような利便性が発生するのかを容易に確認することが可能な地図情報更新システムを提供する。
【解決手段】地図情報配信センタ3のCPU11は、ナビ地図情報37Aの更新要求と共に、走行履歴データを受信した場合には、受信した走行履歴データに基づいて、過去に走行した各経路の「出発地」と「目的地」に対応する経路を更新用地図情報14Aに格納される最新バージョンの地図情報等に基づいて探索する。そして、この探索した各経路の経路情報に基づいて走行情報比較テーブル52を作成する。そして、CPU11は、この走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」とを各項目毎に比較して、効果の高い順に上位のものから数ケースずつ選択し、これらを表示する「表示データ」を作成してナビゲーション装置2へ送信する(S111〜S116)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図情報更新システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、地図情報の更新前後の比較結果を通知する地図情報更新システムが種々提案されている。
【0003】
例えば、地図データ中の更新対象を特定するための情報と、更新用地図データとが対応付けられて含まれている更新用情報を用いて地図データの更新対象部分を更新して記憶し、表示対象の地図中に更新用地図データによって更新された部分が含まれている場合には、その更新部分が非更新部分と区別して視認可能なように更新部分又は非更新部分の少なくとも何れか一方の表示状態を変えて表示するように構成した地図情報更新システムがある(例えば、特許文献1参照。)。
そして、このような構成により、その表示された地図を見たユーザーは、どの部分が更新された部分であるかを直感的に理解することができる。
【特許文献1】特開2005−91225号公報(段落(0030)〜(0040)、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された地図情報更新システムでは、表示された地図のどの部分が更新された部分であるかを容易に認識することはできるが、その更新によってユーザにどのような利便性が発生するのかを容易に確認することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ナビゲーション装置に記憶される地図情報の更新によってユーザにどのような利便性が発生するのかを容易に確認することが可能な地図情報更新システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る地図情報更新システムは、ナビゲーション装置(2)に記憶された地図情報を更新する地図情報更新システム(1)において、過去に設定された複数の出発地及び目的地の組み合わせを記憶する設定地点記憶手段(18、38)と、前記地図情報を記憶する地図情報記憶手段(14、37)と、前記地図情報を更新した更新後地図情報を記憶する更新後地図情報記憶手段(14、37)と、複数の前記出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して、前記地図情報を用いて探索された経路と前記更新後地図情報を用いて探索された経路とを比較する比較手段(10、23)と、前記比較手段により得られた比較結果を通知する通知手段(10、17、23、25、27)と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に係る地図情報更新システムは、請求項1に記載の地図情報更新システムにおいて、前記比較手段(10、23)は、前記更新後地図情報を用いて探索された経路による前記地図情報を用いて探索された経路に対する改善値を算出することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る地図情報更新システムは、請求項2に記載の地図情報更新システム(1)において、前記通知手段(10、17、23、25、27)は、前記更新後地図情報を用いて探索された経路による前記地図情報を用いて探索された経路に対する改善値が最も大きい経路を通知することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る地図情報更新システムは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地図情報更新システム(1)において、前記地図情報が更新されたか否かを判定する更新判定手段(23)を更に備え、
前記更新判定手段によって前記地図情報が更新されたと判定された場合には、前記通知手段(23、25)は、前記比較結果を通知することを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係る地図情報更新システムは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の地図情報更新システム(1)において、前記地図情報の更新要求があったか否かを判定する更新要求判定手段(10)を更に備え、
前記更新要求判定手段によって前記地図情報の更新要求があったと判定された場合には、前記通知手段(10、17、23、25、27)は、前記比較結果を通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記構成を有する請求項1に係る地図情報更新システムでは、過去に設定された複数の出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して、ナビゲーション装置に記憶された地図情報を用いて探索された経路と、この地図情報を更新した更新後地図情報を用いて探索された経路とが比較される。そして、この比較により得られた比較結果がユーザへ通知される。
これにより、ナビゲーション装置に記憶される地図情報の更新によって、どのような利便性が発生するのかを、ユーザが過去に設定した出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して比較して、その結果が報知される。このため、ユーザは、実際に利用する経路についての比較結果を確認することが可能となり、地図情報の更新による利便性を容易に確認することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係る地図情報更新システムでは、過去に設定された複数の出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して、更新後地図情報を用いて探索された経路による地図情報を用いて探索された経路に対する改善値を算出して、この改善値がユーザへ通知される。
これにより、ユーザは、実際に利用する経路について、更新後地図情報を用いて探索された経路による地図情報を用いて探索された経路に対する改善値を確認することが可能となり、地図情報の更新による利便性を更に容易に確認することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係る地図情報更新システムでは、過去に設定された複数の出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して、更新後地図情報を用いて探索された経路による地図情報を用いて探索された経路に対する改善値を算出して、この改善値が最も大きい経路がユーザへ通知される。
これにより、ユーザは、実際に利用する経路について、更新後地図情報を用いて探索された経路による地図情報を用いて探索された経路に対する改善値が最も大きい経路を確認することが可能となり、地図情報の更新による利便性を更に容易に確認することが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係る地図情報更新システムでは、地図情報が更新されたと判定された場合には、過去に設定された複数の出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して、更新後地図情報を用いて探索された経路による更新前の地図情報を用いて探索された経路とが比較される。そして、この比較により得られた比較結果がユーザへ通知される。
これにより、ナビゲーション装置に記憶される地図情報を更新したことによって、どのような利便性が発生したのかを、ユーザが過去に設定した出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して比較して、その結果が報知される。このため、ユーザは、実際に利用する経路についての比較結果を確認することが可能となり、地図情報の更新によって得られた利便性を容易に確認することが可能となる。
【0015】
更に、請求項5に係る地図情報更新システムでは、地図情報の更新要求があったと判定された場合には、過去に設定された複数の出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して、ナビゲーション装置に記憶された地図情報を用いて探索された経路と、この地図情報を更新した更新後地図情報を用いて探索された経路とが比較される。そして、この比較により得られた比較結果がユーザへ通知される。
これにより、ナビゲーション装置に記憶される地図情報の更新によって、どのような利便性が発生するのかを、ユーザが過去に設定した出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して比較して、その結果が報知される。このため、ユーザは、実際に利用する経路についての比較結果を確認することが可能となり、地図情報の更新要否を容易に決定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明に係る地図情報更新システムについて具体化した実施例1及び実施例2に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
先ず、本発明に係る地図情報更新システムをナビゲーションシステムについて具体化した実施例1について図1乃至図6に基づいて説明する。
ここで、実施例1に係るナビゲーションシステム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は実施例1に係るナビゲーションシステム1を示したブロック図である。
【0018】
図1に示すように本実施例に係るナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報や後述のようにナビ地図情報37A(図3参照)を更新する前に、地図情報の更新によって得られる利便性を通知する地図情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と地図情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。
尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
【0019】
また、このネットワーク4には、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5が接続され、ナビゲーション装置2と地図情報配信センタ3とは、ネットワーク4を介して、警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や交通規制情報等の交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報は、道路渋滞情報の場合、VICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞を通過するのに要する所要時間、渋滞度(渋滞無し/混雑/渋滞の別等)、渋滞中の車速、旅行時間、渋滞車線の進行方向、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、VICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0020】
地図情報配信センタ3は、図1に示すようにサーバ10と、サーバ10に接続された地図情報記録部としてのセンタ側地図情報データベース(センタ側地図情報DB)14と、ナビ更新履歴情報データベース(ナビ更新履歴情報DB)15と、センタ側交通情報データベース(センタ側交通情報DB)16と、センタ側通信装置17と、走行履歴データベース(走行履歴DB)18とを備える。
また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12を備えている。また、サーバ10は、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、所定エリアの地図情報を新たなバージョンの地図情報に更新する為の更新情報(差分データ)をセンタ側地図情報DB14から抽出し、ナビゲーション装置2に対して配信する地図情報更新処理や、後述のようにナビ地図情報37A(図2参照)を更新することによって得られる利便性等の更新情報をナビゲーション装置2へ通知する更新情報通知処理(図4参照)等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ19を備えている。尚、CPU11に代えてMPU等を使用することができる。
【0021】
また、センタ側地図情報DB14には、地図情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である更新用地図情報14Aがバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部又は全部を更新用地図情報14Aに更新する為の更新情報についても記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定するための作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
【0022】
また、センタ側地図情報DB14に記憶された更新用地図情報14Aには、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(道路リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0023】
ここで、特に地図表示データとしては、約10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
また、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路、1桁又は2桁の国道から構成される高規格道路区分と、3桁以上の国道、主要地方道、県道、市町村道から構成される一般道路区分と、細街路から構成される細街路区分の3つの配信道路区分に区分されて、それぞれバージョン毎に更新用地図情報14Aに格納されて管理されている。
【0024】
そして、地図情報配信センタ3は、後述のようにナビゲーション装置2から更新情報の要求を受信した場合には、ナビ地図情報37A(図2参照)を更新することによって得られる利便性を通知する(図4参照)。また、地図情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの地図情報の配信要求があったタイミングで、センタ側地図情報DB14に格納された更新用地図情報14Aの内、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aによってナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新を行う。具体的には、実施例1に係るナビゲーションシステム1では、ナビゲーション装置2から更新用地図情報14Aの配信要求があった場合には、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aに更新するための差分データをナビゲーション装置2に対して配信することにより更新が行われる。ここで、ナビゲーション装置2に対して送信される差分データとしては、最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aの新設道路を特定するための新設道路情報を含む全情報を送信することとしても良いし、現在のナビゲーション装置に記憶される地図情報から最もバージョンの新しい更新用地図情報14Aに更新するための必要最小限の情報(新設道路を特定するための新設道路情報を含む更新部分の情報のみ)を送信することとしても良い。
【0025】
一方、ナビ更新履歴情報DB15には、ナビゲーション装置2に記憶されている地図情報について現在までに更新を行った更新履歴に関する情報が、ナビゲーション装置2を特定するナビ識別IDとともに記憶される。更新履歴としては、具体的に地図情報を構成するリンクデータやノードデータが高規格道路区分、一般道路区分及び細街路区分の3つの配信道路区分毎にどのバージョンの地図情報が用いられているかが記憶されており、ナビゲーション装置2の地図情報の更新を行う毎に新たな更新履歴に書き換えられる。
【0026】
また、センタ側交通情報DB16には、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5から受信した交通情報を収集して作成した現況の道路の渋滞等に関する情報である現況交通情報16Aが格納されている。
また、このセンタ側交通情報DB16には、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5から受信した過去の交通情報に基づいて生成された統計交通情報16Bが格納されている。尚、この統計交通情報16Bは、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。
【0027】
更に、センタ側交通情報DB16には、現況交通情報16A及び統計交通情報16Bに基づいて、各道路又は各リンク毎に作成された現況の各渋滞に対する将来における、自車位置から所定時刻毎(例えば、現在時刻から約15分毎、約30分毎、約1時間毎等である。)の渋滞予測情報等である予測交通情報16Cが格納されている。
そして、地図情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2から要求があったタイミングで、センタ側交通情報DB16に格納された現況交通情報16Aに基づいて各交差点間の交通情報や、統計交通情報16B、渋滞予測情報等である予測交通情報16C等を選択して配信する。
【0028】
また、走行履歴DB18には、後述のようにナビゲーション装置2から受信した更新情報の要求と共に該ナビゲーション装置2から受信した過去の走行履歴データ(図3参照)やナビ識別IDが格納される。
また、ネットワーク4としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0029】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置2は、県単位等の所定バージョンの地図情報が記録されたCD−ROM6を読取部28(図2参照)に装着することによって、この所定バージョンの地図情報を読み取って、ナビ地図情報37Aを更新可能に構成されている。尚、ナビゲーション装置2の読取部28で読み取り可能であれば、CD−ROM6に替えて、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、MD、DVD、MO、ICカード、光カード等を使用してもよい。
【0030】
次に、本実施例に係るナビゲーションシステム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2を用いて説明する。図2は本実施例に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
【0031】
図2に示すように本実施例に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、道路交通情報センタ(VICS(登録商標))5や地図情報配信センタ3等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置27と、記憶媒体としてのCD−ROM6から県単位等で記録された所定バージョンの地図情報を読みとる読取部28と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ29が接続される。
【0032】
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
【0033】
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出する。また、方位センサ32は、地磁気センサやジャイロセンサ、或いは、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等により構成され、自車方位を検出する。また、距離センサ33は、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等から構成され、自車の移動距離を検出する。
【0034】
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶されたナビ側交通情報データベース(ナビ側交通情報DB)36、ナビ側地図情報データベース(ナビ側地図情報DB)37、走行履歴データベース(走行履歴DB)38及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、本実施例においては、データ記録部22の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0035】
ここで、ナビ側交通情報DB36には、地図情報配信センタ3や道路交通情報センタ(VICS)5から受信した渋滞の実際の長さ、所要時間、渋滞の原因、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路渋滞情報や、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の交通情報から作成した現況交通情報36Aが格納される。また、ナビ側交通情報DB36の統計交通情報36Bには、地図情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された上述の統計交通情報16Bに格納された各データが記憶されている。そして、統計交通情報36Bの各内容は、地図情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された上述の統計交通情報16Bに格納された各データの更新情報をダウンロードすることによって更新される。
尚、ナビゲーション装置2は、CD−ROM等によって供給された上述の統計交通情報16Bに格納された各データを統計交通情報36Bに記憶し、所定期間毎に(例えば、1週間乃至3ヶ月毎等である。)、走行履歴に基づいて更新するように構成してもよい。
尚、この統計交通情報36Bは、祭り、パレード、花火大会等のイベントの開催予定場所、予定日時等のイベント予定情報、例えば、駅周辺や大型商業施設周辺の道路には週末を除く毎日の特定時刻に渋滞が発生するとか、海水浴場周辺の道路には夏季休暇時期に渋滞が発生する等の統計的渋滞情報や渋滞予測情報を含んでもよい。
【0036】
更に、ナビ側交通情報DB36には、地図情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された上述の予測交通情報16Cに格納された各データが記憶されている。そして、予測交通情報36Cの各内容は、地図情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された上述の予測交通情報16Cに格納された各データの更新情報をダウンロードすることによって更新される。
尚、ナビゲーション装置2は、CD−ROM等によって供給された上記予測交通情報16Cに格納された各データを予測交通情報36Cに記憶し、所定期間毎に(例えば、1週間乃至3ヶ月毎等である。)、現況交通情報36A及び統計交通情報36Bに基づいて更新するように構成してもよい。
【0037】
また、ナビ側地図情報DB37には、ナビゲーション装置2の走行案内や経路探索に使用されるとともに地図情報配信センタ3による更新対象となるナビ地図情報37Aが格納されている。ここで、ナビ地図情報37Aには、更新用地図情報14Aと同様に経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOIに関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
そして、ナビ側地図情報DB37の内容は、地図情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された差分データをダウンロードすることによって更新される。また、ナビ側地図情報DB37の内容は、読取部28に装着されたCDーROM6に記録された所定バージョンの地図情報を該読取部28を介して読み取ることによっても更新される。
また、走行履歴DB38には、後述の過去に走行した経路に関する出発地及び目的地等の過去の走行履歴に関する情報を記憶した走行履歴データテーブル51(図3参照)が格納されている。
【0038】
また、図2に示すように、ナビゲーション装置2を構成するナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや地図情報配信センタ3から受信した交通情報等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述のように、ナビ地図情報37A(図2参照)を更新することによって得られる利便性等の更新情報をユーザへ通知する更新情報通知処理プログラム(図4参照)が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
【0039】
また、本実施例においては、前記ROM43に各種のプログラムが記憶され、前記データ記録部22に各種のデータが記憶されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0040】
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27、読取部28の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
この操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部23は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。更に、液晶ディスプレイ25の前面には、タッチパネルが設けられ、画面に表示されたボタン上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。尚、操作部24としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。
【0041】
また、液晶ディスプレイ25には、ナビ地図情報37Aに基づく地図が表示されて各リンク上の交通情報が表示される経路案内画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「最新機能メリットボタンを押して下さい。」等がある。
【0042】
また、通信装置27は、地図情報配信センタ3と通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、地図情報配信センタ3との間で最もバージョンの新しい更新地図情報や現況交通情報等の送受信を行う。また、通信装置27は、地図情報配信センタ3に加えて、道路交通情報センタ(VICS)5等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
そして、読取部28は、装着されたCDーROM6に記録された所定バージョンの地図情報を読み取る。
【0043】
ここで、ナビゲーション装置2の走行履歴DB38に格納される過去の走行履歴が記憶された走行履歴データテーブル51について図3に基づいて説明する。図3はナビゲーション装置2の走行履歴DB38に格納される走行履歴データテーブル51の一例を示す図である。
図3に示すように、過去の走行履歴が記憶された走行履歴データテーブル51は、走行した年月日及び走行開始時刻を表す「日時」と、走行した経路の出発地及び目的地(到着地)を表す「出発地→目的地」と、走行した経路の所要時間を表す「所要時間(min)」と、走行した経路の走行距離を表す「走行距離(km)」と、走行した経路の消費燃料を表す「消費燃料(l)」とから構成されている。
【0044】
尚、走行した経路の走行距離は、走行したリンク毎の距離をナビ地図情報37Aから読み出し、合計することによって算出することができる。また、平均燃費(km/l)のデータが、高規格道路区分と一般道路区分と細街路区分の3つの区分に属する各道路種別毎に予めデータ記録部22、ROM43又はフラッシュメモリ44に格納されている。例えば、高規格道路区分の道路を走行する際の平均燃費は10(km/l)、一般道路区分の道路を走行する際の平均燃費は6(km/l)等と予めデータ記録部22、ROM43又はフラッシュメモリ44に格納されている。従って、CPU41は、走行したリンク毎の距離を各道路種別毎にそれぞれ合計し、各合計距離毎に該当する道路種別の平均燃費で割り算して合計することによって、出発地から目的地まで走行した経路の消費燃料(l)を算出することができる。更に、CPU41は、出発地から目的地まで走行した経路の消費燃料(l)を走行した経路の全走行距離(km)で割り算することによって、経路全体の平均燃費(km/l)も算出することができる。
【0045】
次に、前記構成を有するナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41及び地図情報配信センタ3のCPU11が実行する、ナビ側地図情報DB37のナビ地図情報37Aを更新することによって得られる利便性を通知する更新前更新情報通知処理について図4に基づいて説明する。
図4は実施例1に係るナビゲーションシステム1において、ナビゲーション装置2のCPU41及び地図情報配信センタ3のCPU11が実行する、ナビ側地図情報DB37のナビ地図情報37Aを更新することによって得られる利便性を通知する「更新前更新情報通知処理」を示すフローチャートである。尚、図4にフローチャートで示される各プログラムは、ナビゲーション装置2のROM43、地図情報配信センタ3のROM13に記憶されており、各CPU41、11により所定時間毎に(例えば、約10ミリ秒毎乃至100ミリ秒毎である。)実行される。
【0046】
図4に示すように、先ず、ナビゲーション装置2のCPU41は、ステップ(以下、Sと略記する)11において、操作部24を介してナビ地図情報37Aの更新を指示する更新要求指示が入力されたか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、操作部24を介してナビ地図情報37Aの更新を指示する更新要求指示が入力されていない場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0047】
一方、操作部24を介してナビ地図情報37Aの更新を指示する更新要求指示が入力された場合には(S11:YES)、CPU41は、S12の処理に移行する。
S12において、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新を要求する要求コマンドを地図情報配信センタ3へ送信する。また、CPU41は、このナビ地図情報37Aの更新を要求する要求コマンドと同時に、当該ナビゲーション装置2を識別するナビ識別ID、ナビ地図情報37Aに格納される現在の地図情報のバージョン、走行履歴DB38に格納された走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データ(「日時」、「出発地→目的地」、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各データである。)等を地図情報配信センタ3へ通信装置27を介して送信する。
尚、CPU41は、走行履歴データテーブル51に記憶される3ヶ月前乃至6ヶ月前から現在までの各走行履歴データを送信するようにしてもよい。
【0048】
他方、図4に示すように、地図情報配信センタ3のCPU11は、S111において、ナビゲーション装置2からナビ地図情報37Aの更新を要求する要求コマンドをセンタ側通信装置17を介して受信したか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、ナビ地図情報37Aの更新を要求する要求コマンドを受信していない場合には(S111:NO)、CPU11は、当該処理を終了する。
【0049】
一方、ナビ地図情報37Aの更新を要求する要求コマンドを受信した場合には(S111:YES)、CPU11は、S112の処理に移行する。S112において、CPU11は、この要求コマンドと同時にセンタ側通信装置17を介して受信したナビ識別ID、ナビ地図情報37Aに格納される現在の地図情報のバージョン、走行履歴データ(「日時」、「出発地→目的地」、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各データである。)等を走行履歴DB18に格納する。
続いて、S113において、CPU11は、走行履歴DB18から受信した走行履歴データのうち「日時」と「出発地→目的地」を順次読み出し、該「日時」の曜日、季節、出発時間に基づいて「出発地→目的地」に対応する経路を、更新用地図情報14Aに格納される最新バージョンの地図情報と現況交通情報16A、統計交通情報16B等に基づいて探索して、この探索した各経路に関する経路情報をRAM12に記憶する。
【0050】
そして、S114において、CPU11は、この探索した各経路に関する経路情報に基づいて、各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を算出して予想走行情報としてRAM12に記憶する。その後、CPU11は、走行履歴DB18に記憶されるナビゲーション装置2の走行履歴データ(受信した「日時」、「出発地→目的地」、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各データである。)と、RAM12に記憶する各予想走行情報(探索した各経路の経路情報に基づいて算出した「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各データである。)とから走行情報比較テーブル52(図5参照)を作成して走行履歴DB18に記憶する。
これにより、CPU11は、この走行情報比較テーブル52に基づいて、「日時」、「出発地→目的地」に対応するナビ地図情報37Aの「更新前(現在のバージョン)」と「更新後(最新バージョン)」における各経路について、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に比較することが可能となる。
【0051】
ここで、走行履歴DB18に格納される走行情報比較テーブル52について図5に基づいて説明する。図5は実施例1に係る走行情報比較テーブル52の一例を示す図である。
図5に示すように、走行情報比較テーブル52は、受信した走行履歴データに含まれる走行した年月日及び走行開始時刻を表す「日時」と、走行した経路の出発地及び目的地(到着地)を表す「出発地→目的地」と、更新用地図情報14Aに格納される最新バージョンの地図情報と現況交通情報16A、統計交通情報16B等に基づいて探索した各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を表す「更新後地図探索」と、受信した各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を表す「更新前地図探索」とから構成されている。
【0052】
尚、走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」の「走行距離(km)」は、探索した各経路のリンク毎の距離を更新用地図情報14Aに格納される最新バージョンの地図情報から読み出し、合計することによって算出することができる。また、平均燃費(km/l)のデータが、高規格道路区分と一般道路区分と細街路区分の3つの区分に属する各道路種別毎に予め走行履歴DB18又はROM13等に格納されている。例えば、高規格道路区分の道路を走行する際の平均燃費は10(km/l)、一般道路区分の道路を走行する際の平均燃費は6(km/l)等と予め走行履歴DB18又はROM13等に格納されている。従って、走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」の「消費燃料(l)」は、探索した各経路のリンク毎の距離を各道路種別毎にそれぞれ合計し、各合計距離毎に該当する道路種別の平均燃費で割り算して合計することによって、出発地から目的地まで走行した経路の消費燃料(l)を算出することができる。更に、CPU11は、出発地から目的地まで探索した経路の「消費燃料(l)」を該探索した経路の「走行距離(km)」で割り算することによって、探索した経路全体の平均燃費(km/l)も算出することができる。
【0053】
続いて、S115において、CPU11は、走行履歴DB18に格納される走行情報比較テーブル52に基づいて、該走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」とを「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に比較する。そして、CPU11は、改善された効果の高い順に上位のものから数ケース(例えば、3ケース乃至5ケースである。)ずつ各項目毎に選択して、RAM12に記憶する。
【0054】
例えば、走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」との「所要時間(min)」については、CPU11は、「日時」が2007年○月○○日△△:□□で、「出発地→目的地」が「C→D」の場合について「30分削減」されるケースが、最も時間が短縮されたケースとしてRAM12に記憶する。また、CPU11は、「日時」が2007年1月1日10:13で、「出発地→目的地」が「A→B」の場合について「20分削減」されるケースが、2番目に時間が短縮されたケースとしてRAM12に記憶する。更に、CPU11は、「日時」が2007年△月○○日□□:△△で、「出発地→目的地」が「A→F」の場合について「15分削減」されるケースが、3番目に時間が短縮されたケースとしてRAM12に記憶する。
【0055】
そして、S116において、CPU11は、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に改善された効果の高い順に上位のものから数ケースずつ選択した改善値(例えば、「C→D」で「30分削減」、「A→B」で「20分削減」、「A→B」で「20km削減」、「E→F」で「15km削減」、「A→B」で「2.0リットル削減」、「E→F」で「1.1リットル削減」等である。)を示す表示データを作成してRAM12に記憶する。その後、CPU11は、走行履歴DB18から受信した走行履歴データに対応するナビ識別IDを読み出し、当該ナビ識別IDに対応するナビゲーション装置2へ、RAM12からこの「表示データ」を読み出して送信すると共に、更新用地図情報14Aの最新バージョンのバージョン情報を送信後、当該処理を終了する。
【0056】
また一方、図4に示すように、ナビゲーション装置2のCPU41は、S13において、通信装置27を介して、地図情報配信センタ3からを「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に改善される内容を示す「表示データ」を受信するのを待つ(S13:NO)。
そして、地図情報配信センタ3からを「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に改善される内容を示す「表示データ」を受信した場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。
【0057】
S14において、CPU41は、受信した「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に改善される内容を示す「表示データ」をRAM42に記憶する。また、この「表示データ」と同時に受信した更新用地図情報14Aの最新バージョンのバージョン情報をRAM42に記憶する。そして、CPU41は、ナビ地図情報37Aを最新バージョンの地図情報に更新した場合に改善される内容の表示を受け付けるメニュー表示(選択受け付け)を液晶ディスプレイ25に表示する。
そして、S15において、CPU41は、操作部24を介して、液晶ディスプレイ25に表示されたメニュー表示から項目が選択された場合には、この項目に対応した表示データを、上記S14でRAM42に記憶した各項目毎に改善される内容を示す「表示データ」から読み出し、液晶ディスプレイ25に表示後、当該処理を終了する。また一方、CPU41は、操作部24を介して、メニュー表示の中止が指示された場合には、当該処理を終了する。
【0058】
ここで、CPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例について図6に基づいて説明する。図6は実施例1に係るナビゲーション装置2のCPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
【0059】
図6の左端に示すように、先ず、CPU41は、更新用地図情報14Aの最新バージョンのバージョン情報(例えば、最新バージョンは、「バージョンxx」である。)をRAM42から読み出し、液晶ディスプレイ25に「地図更新(契約更新)をした場合には、バージョンxxに更新可能です。」と表示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端縁部の左側に、ナビ地図情報37Aを最新バージョンの地図情報に更新した場合に改善される内容の表示を指示する最新機能メリットボタン60を表示する。また、CPU41は、この最新機能メリットボタン60の右側に、ナビ地図情報37Aを更新した場合に改善される内容の表示の中止を指示するキャンセルボタン61を表示する。
【0060】
そして、図6の中央部に示すように、最新機能メリットボタン60がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、「所要時間(min)」の項目の改善される内容の表示を指示する時間削減メリットボタン62と、「走行距離(km)」の項目の改善される内容を示す「表示データ」の表示を指示する距離削減メリットボタン63と、「消費燃料(l)」の項目の改善される内容を示す「表示データ」の表示を指示する燃料節約メリットボタン64とを液晶ディスプレイ25の上下方向に配置して表示する。また、CPU41は、時間削減メリットボタン62の右側に、「(時間短縮ケース)」を表示する。また、CPU41は、距離削減メリットボタン63の右側に、「(距離削減ケース)」を表示する。更に、CPU41は、燃料節約メリットボタン64の右側に、「(燃料節約ケース)」を表示する。
尚、キャンセルボタン61がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、ナビ地図情報37Aを更新した場合に改善される内容の表示を中止する。
【0061】
続いて、図6の右側上端に示すように、時間削減メリットボタン62がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、「所要時間(min)」の項目の改善される内容を示す「表示データ」をRAM42から読み出して液晶ディスプレイ25に表示する。これにより、過去に走行した経路のうち、ナビ地図情報37Aを更新することによって得られる時間削減効果の高い順に上位のものから3ケースが表示される。
また、図6の右側中央に示すように、距離削減メリットボタン63がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、「走行距離(km)」の項目の改善される内容を示す「表示データ」をRAM42から読み出して液晶ディスプレイ25に表示する。これにより、過去に走行した経路のうち、ナビ地図情報37Aを更新することによって得られる距離削減効果の高い順に上位のものから3ケースが表示される。
【0062】
更に、図6の右側下端に示すように、燃料節約メリットボタン64がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、「消費燃料(l)」の項目の改善される内容を示す「表示データ」をRAM42から読み出して液晶ディスプレイ25に表示する。これにより、過去に走行した経路のうち、ナビ地図情報37Aを更新することによって得られる燃料節約効果の高い順に上位のものから3ケースが表示される。
また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端部に、1つ前の画面表示に戻ることを指示する戻るボタン66を表示する。また、CPU41は、戻るボタン66の右側に、ナビ地図情報37Aを最新バージョンの地図情報に更新した場合に改善される内容の表示の中止を指示するキャンセルボタン67を表示する。これにより、戻るボタン66がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、1つ前の画面表示を行う。また、キャンセルボタン67がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、ナビ地図情報37Aを更新した場合に改善される内容の表示を中止する。
【0063】
以上詳細に説明した通り、実施例1に係るナビゲーションシステム1では、地図情報配信センタ3のCPU11は、ナビ地図情報37Aの更新を要求する要求コマンドと共に、ナビ識別ID、ナビ地図情報37Aに格納される現在の地図情報のバージョン、走行履歴DB38に格納される走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データを受信した場合には、受信した走行履歴データに基づいて、過去に走行した各経路の「出発地」と「目的地」に対応する経路を更新用地図情報14Aに格納される最新バージョンの地図情報と現況交通情報16A、統計交通情報16B等に基づいて探索して、この探索した各経路に関する経路情報をRAM12に記憶する(S111〜S113)。そして、CPU11は、この探索した各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を算出して予想走行情報としてRAM12に記憶する。その後、CPU11は、走行履歴DB18に記憶されるナビゲーション装置2の走行履歴データと、RAM12に記憶する各予想走行情報とから走行情報比較テーブル52を作成する。そして、CPU11は、この走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」とを各項目毎に比較して、改善された効果の高い順に上位のもの(改善値)から数ケースずつ選択し、これらを表示する「表示データ」を作成してナビゲーション装置2へ送信する(S114〜S116)。
【0064】
一方、ナビゲーション装置2のCPU41は、受信した「表示データ」をRAM42に記憶後、ナビ地図情報37Aを最新バージョンの地図情報に更新した場合に改善される内容の表示を受け付けるメニュー表示(選択受け付け)を液晶ディスプレイ25に表示する。その後、メニュー表示から項目が選択された場合には、この項目に対応した「表示データ」を液晶ディスプレイ25に表示する(S13〜S15)。
【0065】
これにより、ナビゲーション装置2のCPU41から地図情報配信センタ3へナビ地図情報37Aに記憶される地図情報の更新を要求した場合には、CPU41は、走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データの「日時」、「出発地」及び「目的地」について、ナビ地図情報37Aの地図情報に基づいて探索した各経路と、最新バージョンの更新用地図情報14A、現況交通情報16A及び統計交通情報16B等に基づいて探索した各経路との比較結果を、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に情報配信センタ3から受信して、液晶ディスプレイ25に表示することが可能となる。
【0066】
また、CPU41は、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に、改善された効果の高い順に上位のもの(改善値)から数ケースずつ液晶ディスプレイ25に表示する。このため、ユーザは、実際に利用する経路についての比較結果を各項目毎に、数ケースずつ確認することが可能となり、地図情報の更新による利便性を容易に確認することが可能となり、ナビ地図情報37Aの更新要否を容易に決定することが可能となる。
【実施例2】
【0067】
次に、本発明に係る地図情報更新システムを実施例1に係るナビゲーションシステム1を構成するナビゲーション装置2について具体化した実施例2について図7及び図8に基づいて説明する。
従って、以下の説明において上記図1乃至図6の実施例1に係るナビゲーション装置2の構成と同一符号は、前記実施例1に係るナビゲーション装置2の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0068】
先ず、図7に基づいてナビゲーション装置2のCPU41が実行する、ナビ地図情報37Aの更新後に、このナビ地図情報37Aの更新によって得られた利便性を通知する更新後更新情報通知処理について説明する。図7は実施例2に係るナビゲーション装置2のCPU41が実行する「更新後更新情報通知処理」を示すフローチャートである。
尚、図7に、S211〜S217のフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により所定時間毎(例えば、約10ミリ秒乃至100ミリ秒毎である。)に実行される。
【0069】
図7に示すように、先ず、S211において、CPU41は、読取部28に装着されたCD−ROM6から県単位等の所定バージョンの地図情報を読み込み、ナビ地図情報37Aを更新したか否かを判定する判定処理を実行する。そして、ナビ地図情報37Aを更新していない場合には(S211:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
一方、ナビ地図情報37Aを更新した場合には(S211:YES)、CPU41は、S212の処理に移行する。S212において、CPU41は、走行履歴DB38に格納された走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データ(「日時」、「出発地→目的地」、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各データである。)等を読み出してRAM42に記憶する。
【0070】
尚、CPU41は、走行履歴データテーブル51に記憶される3ヶ月前乃至6ヶ月前から現在までの各走行履歴データを送信するようにしてもよい。
また、CPU41は、読取部28に装着されたCD−ROM6から県単位等の所定バージョンの地図情報読み込み、ナビ地図情報37Aを更新した場合に限らず、情報配信センタ3から最新バージョンの地図情報に更新するための差分データを受信してナビ地図情報37Aを更新した場合や、販売店等においてナビ地図情報37Aを一括更新した場合等においても、S212以降の処理を行うようにしてもよい。
【0071】
そして、S213において、CPU41は、RAM42から走行履歴データのうち「日時」と「出発地→目的地」を順次読み出し、該「日時」の曜日、季節、出発時間に基づいて「出発地→目的地」に対応する経路を、更新したナビ地図情報37Aの地図情報と現況交通情報36A、統計交通情報36B等に基づいて探索して、この探索した各経路に関する経路情報をRAM42に記憶する。
続いて、S214において、CPU41は、この探索した各経路に関する経路情報に基づいて、各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を算出して予想走行情報としてRAM42に記憶する。その後、CPU41は、RAM42に記憶されるナビゲーション装置2の走行履歴データ(「日時」、「出発地→目的地」、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各データである。)と、RAM42に記憶する各予想走行情報(探索した各経路の経路情報に基づいて算出した「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各データである。)とから上記走行情報比較テーブル52(図5参照)を作成して走行履歴DB38に記憶する。
これにより、CPU41は、この走行情報比較テーブル52に基づいて、「日時」、「出発地→目的地」に対応するナビ地図情報37Aの「更新前の地図情報」により探索した各経路と「更新後の地図情報」により探索した各経路について、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に比較することが可能となる。
【0072】
尚、この走行情報比較テーブル52は、走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データに含まれる走行した年月日及び走行開始時刻を表す「日時」と、走行した経路の出発地及び目的地(到着地)を表す「出発地→目的地」と、更新したナビ地図情報37Aの地図情報と現況交通情報36A、統計交通情報36B等に基づいて探索した各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を表す「更新後地図探索」と、走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データに含まれる各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を表す「更新前地図探索」とから構成されている。
【0073】
そして、S215において、CPU41は、ナビ地図情報37Aの地図情報を更新したことによって改善された内容の表示を受け付けるメニュー表示(選択受け付け)を液晶ディスプレイ25に表示する。
続いて、S216において、CPU41は、操作部24を介して、液晶ディスプレイ25に表示されたメニュー表示から「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」のいずれかの項目に対応する選択メニューが選択された場合には、走行履歴DB38に格納される走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」との選択された項目に対応した各データを比較する。そして、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新前後において、改善された効果の高い順に上位のものから数ケース(例えば、3ケース乃至5ケースである。)選択して、RAM42に記憶する。
【0074】
例えば、走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」との「所要時間(min)」については、CPU41は、「日時」が2007年○月○○日△△:□□で、「出発地→目的地」が「C→D」の場合について「30分削減」されるケースが、最も時間が短縮されたケースとしてRAM42に記憶する。また、CPU41は、「日時」が2007年1月1日10:13で、「出発地→目的地」が「A→B」の場合について「20分削減」されるケースが、2番目に時間が短縮されたケースとしてRAM42に記憶する。更に、CPU41は、「日時」が2007年△月○○日□□:△△で、「出発地→目的地」が「A→F」の場合について「15分削減」されるケースが、3番目に時間が短縮されたケースとしてRAM42に記憶する。
【0075】
そして、S217において、CPU41は、この選択された項目に対応した改善効果の高い順に上位のもの数ケースをRAM42から読み出して、液晶ディスプレイ25に表示後、当該処理を終了する。また一方、CPU41は、操作部24を介して、メニュー表示の中止が指示された場合には、当該処理を終了する。
【0076】
ここで、CPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例について図8に基づいて説明する。図8は実施例2に係るナビゲーション装置2のCPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
【0077】
図8の左端に示すように、先ず、CPU41は、更新された地図情報のバージョン情報をナビ地図情報37Aから読み出し、液晶ディスプレイ25に「バージョンxxに地図更新完了。」と表示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端縁部の左側に、ナビ地図情報37Aの地図情報を更新したことによって改善された内容の表示を指示する最新機能メリットボタン70を表示する。また、CPU41は、この最新機能メリットボタン70の右側に、ナビ地図情報37Aの地図情報を更新したことによって改善された内容の表示の中止を指示するOKボタン71を表示する。
【0078】
そして、図8の中央部に示すように、最新機能メリットボタン70がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、「所要時間(min)」の項目の改善される内容の表示を指示する時間削減メリットボタン72と、「走行距離(km)」の項目の改善される内容を示す「表示データ」の表示を指示する距離削減メリットボタン73と、「消費燃料(l)」の項目の改善される内容を示す「表示データ」の表示を指示する燃料節約メリットボタン74とを液晶ディスプレイ25の上下方向に配置して表示する。また、CPU41は、時間削減メリットボタン72の右側に、「(時間短縮ケース)」を表示する。また、CPU41は、距離削減メリットボタン73の右側に、「(距離削減ケース)」を表示する。更に、CPU41は、燃料節約メリットボタン74の右側に、「(燃料節約ケース)」を表示する。
尚、OKボタン71がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新によって改善された内容の表示を中止する。
【0079】
続いて、図8の右側上端に示すように、時間削減メリットボタン72がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、走行履歴DB38に格納される走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」との「所要時間(min)」の項目に対応した各データを比較する。そして、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新前後において、改善された効果の高い順に上位のものから3ケース選択して、液晶ディスプレイ25に表示する。これにより、過去に走行した経路のうち、ナビ地図情報37Aの更新によって時間削減効果の高い順に上位のものから3ケースが表示される。
また、図8の右側中央に示すように、距離削減メリットボタン73がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、走行履歴DB38に格納される走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」との「走行距離(km)」の項目に対応した各データを比較する。そして、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新前後において、改善された効果の高い順に上位のものから3ケース選択して、液晶ディスプレイ25に表示する。これにより、過去に走行した経路のうち、ナビ地図情報37Aの更新によって距離削減効果の高い順に上位のものから3ケースが表示される。
【0080】
更に、図8の右側下端に示すように、燃料節約メリットボタン74がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、走行履歴DB38に格納される走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」との「消費燃料(l)」の項目に対応した各データを比較する。そして、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新前後において、改善された効果の高い順に上位のものから3ケース選択して、液晶ディスプレイ25に表示する。これにより、過去に走行した経路のうち、ナビ地図情報37Aの更新によって燃料節約効果の高い順に上位のものから3ケースが表示される。
また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端部に、1つ前の画面表示に戻ることを指示する戻るボタン76を表示する。また、CPU41は、戻るボタン76の右側に、ナビ地図情報37Aの更新によって改善される内容の表示の中止を指示するOKボタン77を表示する。これにより、戻るボタン76がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、1つ前の画面表示を行う。また、OKボタン77がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新によって改善された内容の表示を中止する。
【0081】
以上詳細に説明した通り、実施例2に係るナビゲーションシステム1では、ナビゲーション装置2のCPU41は、ナビ地図情報37Aを更新した場合には、走行履歴DB38に格納される走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データのうち「日時」と「出発地→目的地」を順次読み出し、該「日時」の曜日、季節、出発時間に基づいて「出発地→目的地」に対応する経路を、更新したナビ地図情報37Aの地図情報と現況交通情報36A、統計交通情報36B等に基づいて探索して、この探索した各経路に関する経路情報をRAM42に記憶する(S211〜S213)。そして、CPU41は、この探索した各経路に関する経路情報に基づいて、各経路の「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」を算出して予想走行情報としてRAM42に記憶する。その後、CPU41は、ナビゲーション装置2の走行履歴データと、RAM42に記憶する各予想走行情報とから走行情報比較テーブル52を作成する。そして、CPU41は、ナビ地図情報37Aの地図情報を更新したことによって改善された内容の表示を受け付けるメニュー表示(選択受け付け)を液晶ディスプレイ25に表示する。その後、メニュー表示から項目が選択された場合には、走行情報比較テーブル52の「更新後地図探索」と「更新前地図探索」との選択された項目に対応した各データを比較する。そして、CPU41は、ナビ地図情報37Aの更新前後において、改善された効果の高い順に上位のものから数ケース(例えば、3ケース乃至5ケースである。)選択して、液晶ディスプレイ25に表示する(S214〜S217)。
【0082】
これにより、ナビゲーション装置2のナビ地図情報37Aの地図情報が更新された場合には、CPU41は、走行履歴データテーブル51に記憶された各走行履歴データの「日時」、「出発地」及び「目的地」について、更新前のナビ地図情報37Aに基づいて探索した各経路と、更新されたナビ地図情報37A、現況交通情報36A及び統計交通情報36B等に基づいて探索した各経路との比較結果を、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」のうち選択された項目について液晶ディスプレイ25に表示することが可能となる。
【0083】
また、CPU41は、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の選択された項目について、改善された効果の高い順に上位のもの(改善値)から数ケースずつ液晶ディスプレイ25に表示する。このため、ユーザは、実際に利用する経路についての比較結果を選択した項目について、数ケースずつ確認することが可能となり、ナビ地図情報37Aの更新による改善効果を容易に確認して、この更新したナビ地図情報37Aによる利便性を容易に確認することが可能となる。
【0084】
尚、本発明は前記実施例1及び実施例2に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0085】
(A)例えば、上記ステップ116において、CPU11は、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に改善された効果の最も高い改善値を示す表示データを作成してRAM12に記憶する。その後、CPU11は、走行履歴DB18から受信した走行履歴データに対応するナビ識別IDを読み出し、当該ナビ識別IDに対応するナビゲーション装置2へ、RAM12からこの「表示データ」を読み出して送信すると共に、更新用地図情報14Aの最新バージョンのバージョン情報を送信するようにしてもよい。
また、上記ステップS15において、CPU41は、操作部24を介して、液晶ディスプレイ25に表示されたメニュー表示を介して改善された内容を表示するように指示された場合には、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に改善された効果の最も高い改善値を示す「表示データ」をRAM42から読み出し、液晶ディスプレイ25に表示するようにしてもよい。
これにより、ユーザは、実際に利用する経路について、地図更新による改善値が最も大きい経路を確認することが可能となり、ナビ地図情報37Aを更新した場合の利便性を容易に確認することが可能となる。
【0086】
ここで、CPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例について図9に基づいて説明する。図9は他の実施例に係るナビゲーション装置2のCPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
図9の左側に示すように、先ず、CPU41は、更新用地図情報14Aの最新バージョンのバージョン情報(例えば、最新バージョンは、「バージョンxx」である。)をRAM42から読み出し、液晶ディスプレイ25に「地図更新(契約更新)をした場合には、バージョンxxに更新可能です。」と表示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端縁部の左側に、ナビ地図情報37Aを最新バージョンの地図情報に更新した場合に改善される内容の表示を指示する最新機能メリットボタン60を表示する。また、CPU41は、この最新機能メリットボタン60の右側に、ナビ地図情報37Aを更新した場合に改善される内容の表示の中止を指示するキャンセルボタン61を表示する。
【0087】
そして、図9の右側に示すように、最新機能メリットボタン60がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、「所要時間(min)」の項目の最も改善される「時間削減メリット」と、「走行距離(km)」の項目の最も改善される「距離削減メリット」と、「消費燃料(l)」の項目の最も改善される「燃料節約メリット」とを液晶ディスプレイ25に表示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端部に、ナビ地図情報37Aを更新した場合に改善される内容の表示の中止を指示するOKボタン68を表示する。
【0088】
(B)また、例えば、上記ステップ216乃至S217において、CPU41は、操作部24を介して、液晶ディスプレイ25に表示されたメニュー表示を介して改善された内容を表示するように指示された場合には、「所要時間(min)」、「走行距離(km)」、「消費燃料(l)」の各項目毎に、ナビ地図情報37Aの更新前後において、改善された効果の最も高い改善値のものを選択して、液晶ディスプレイ25に表示するようにしてもよい。
これにより、ユーザは、実際に利用する経路について、ナビ地図情報37Aの更新によって得た改善値のうち最も大きい経路を確認することが可能となり、更新したナビ地図情報37Aの利便性を容易に確認することが可能となる。
【0089】
ここで、CPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例について図10に基づいて説明する。図10は他の実施例に係るナビゲーション装置2のCPU41が液晶ディスプレイ25に表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
図10の左側に示すように、先ず、CPU41は、更新された地図情報のバージョン情報をナビ地図情報37Aから読み出し、液晶ディスプレイ25に「バージョンxxに地図更新完了。」と表示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端縁部の左側に、ナビ地図情報37Aの地図情報を更新したことによって改善された内容の表示を指示する最新機能メリットボタン70を表示する。また、CPU41は、この最新機能メリットボタン70の右側に、ナビ地図情報37Aの地図情報を更新したことによって改善された内容の表示の中止を指示するOKボタン71を表示する。
【0090】
そして、図10の右側に示すように、最新機能メリットボタン70がタッチパネル又は操作ボタンを介して押下された場合には、CPU41は、「所要時間(min)」の項目の最も改善される「時間削減メリット」と、「走行距離(km)」の項目の最も改善される「距離削減メリット」と、「消費燃料(l)」の項目の最も改善される「燃料節約メリット」とを液晶ディスプレイ25に表示する。また、CPU41は、液晶ディスプレイ25の下端部に、ナビ地図情報37Aの更新によって改善された内容の表示の中止を指示するOKボタン78を表示する。
【0091】
(C)また、上記ステップ113の処理において、走行履歴データテーブル51に記憶される走行履歴データのうち「日時」と「出発地→目的地」を順次読み出し、走行回数の多い経路(例えば、5回以上走行している経路である。)について、更新用地図情報14Aに格納される最新バージョンの地図情報と現況交通情報16A、統計交通情報16B等に基づいて探索して、この探索した各経路に関する経路情報を取得するようにしてもよい。
また、上記ステップ213において、RAM42に記憶した走行履歴データのうち「日時」と「出発地→目的地」を順次読み出し、走行回数の多い経路(例えば、5回以上走行している経路である。)について、更新したナビ地図情報37Aの地図情報と現況交通情報36A、統計交通情報36B等に基づいて探索して、この探索した各経路に関する経路情報を取得するようにしてもよい。
これにより、ユーザは、利用する回数の多い経路について、ナビ地図情報37Aの更新によって得られる利便性、又は、更新したナビ地図情報37Aによって得られた利便性を容易に確認することが可能となる。
【0092】
(D)また、実施例1において、ナビゲーション装置2のCPU41は、ナビ地図情報37Aの更新を指示する更新要求指示が入力された時だけでなく、目的地到着時毎、24時間毎、1週間毎等に、走行履歴DB38に格納された走行履歴データをナビ識別IDと共に情報配信センタ3へ送信するようにしてもよい。一方、情報配信センタ3のCPU11は、受信した走行履歴データとナビ識別IDを走行履歴DB18に順次、ナビ識別ID別に格納するようにしてもよい。
これにより、上記ステップ12でCPU41が、情報配信センタ3へ送信するデータ量を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】実施例1に係るナビゲーションシステムを示したブロック図である。
【図2】ナビゲーションシステムのナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置の走行履歴DBに格納される走行履歴データテーブルの一例を示す図である。
【図4】実施例1に係るナビゲーション装置のCPU及び地図情報配信センタのCPUが実行する、ナビ側地図情報DBのナビ地図情報を更新することによって得られる利便性を通知する「更新前更新情報通知処理」を示すフローチャートである。
【図5】実施例1に係る走行情報比較テーブルの一例を示す図である。
【図6】実施例1に係るナビゲーション装置のCPUが液晶ディスプレイに表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
【図7】実施例2に係るナビゲーション装置のCPUが実行する「更新後更新情報通知処理」を示すフローチャートである。
【図8】実施例2に係るナビゲーション装置のCPUが液晶ディスプレイに表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
【図9】他の実施例に係るナビゲーション装置のCPUが液晶ディスプレイに表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
【図10】他の実施例に係るナビゲーション装置のCPUが液晶ディスプレイに表示するメニュー表示(選択受け付け)及び選択された項目の効果表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 ナビゲーションシステム
2 ナビゲーション装置
3 地図情報配信センタ
4 ネットワーク
10 サーバ
11、41 CPU
12、42 RAM
13、43 ROM
14 センタ側地図情報DB
14A 更新用地図情報
16 センタ側交通情報DB
17 センタ側通信装置
18、38 走行履歴DB
19、45 タイマ
24 操作処理部
25 液晶ディスプレイ
36 ナビ側交通情報DB
37 ナビ側地図情報DB
37A ナビ地図情報
51 走行履歴データテーブル
52 走行情報比較テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置に記憶された地図情報を更新する地図情報更新システムにおいて、
過去に設定された複数の出発地及び目的地の組み合わせを記憶する設定地点記憶手段と、
前記地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
前記地図情報を更新した更新後地図情報を記憶する更新後地図情報記憶手段と、
複数の前記出発地及び目的地の組み合わせのそれぞれに対して、前記地図情報を用いて探索された経路と前記更新後地図情報を用いて探索された経路とを比較する比較手段と、
前記比較手段により得られた比較結果を通知する通知手段と、
を備えたことを特徴とする地図情報更新システム。
【請求項2】
前記比較手段は、前記更新後地図情報を用いて探索された経路による前記地図情報を用いて探索された経路に対する改善値を算出することを特徴とする請求項1に記載の地図情報更新システム。
【請求項3】
前記通知手段は、前記更新後地図情報を用いて探索された経路による前記地図情報を用いて探索された経路に対する改善値が最も大きい経路を通知することを特徴とする請求項2に記載の地図情報更新システム。
【請求項4】
前記地図情報が更新されたか否かを判定する更新判定手段を更に備え、
前記更新判定手段によって前記地図情報が更新されたと判定された場合には、前記通知手段は、前記比較結果を通知することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地図情報更新システム。
【請求項5】
前記地図情報の更新要求があったか否かを判定する更新要求判定手段を更に備え、
前記更新要求判定手段によって前記地図情報の更新要求があったと判定された場合には、前記通知手段は、前記比較結果を通知することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の地図情報更新システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−209316(P2008−209316A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47900(P2007−47900)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】