説明

地図表示システム、端末装置、地図情報提供サーバ、地図表示装置、および、地図表示方法

【課題】下位のレイヤの地図データの表示の際には、カーソルが指定できるスクロール可能な領域をあらかじめ定義しておいた地図を表示し、当該領域を越えたスクロール操作が行われないようにすることができる地図表示システム、端末装置、地図情報提供サーバ、地図表示装置、および、地図表示方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成し、領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部に表示させ、入力部より入力されたスクロール操作信号に基づいて、表示部に表示された地図表示画面をスクロール表示させ、スクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力された場合、表示部に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図表示システム、端末装置、地図情報提供サーバ、地図表示装置、および、地図表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、部分的に数段階の階層構造を有する地図データを表示する地図描画システムにおいて、階層構造の異なる地図の境界部で自動的に拡大地図(もしくは縮小地図)の表示ができる地図表示システムが開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の自動車ナビゲーションの地図描画方法では、市街地など商業施設や住宅が高密度で存在する領域には、通常のレイヤ(例えば、1〜3次メッシュ)より下位のレイヤ(例えば、4次メッシュ)を用意しておき、市街地の詳細な地図データ(例えば、拡大地図)を表示できるようにしている。この場合、市街地の表示からスクロールされて下位のレイヤが存在しない(すなわち、4次メッシュ等によって表示される市街地等の詳細な地図データが無い)エリアを表示する場合には、上位のレイヤ(例えば、3次メッシュによって表示される広域地図等の縮小地図)をスクロール表示するという制御が行われていた。
【0004】
また、従来から、地図スクロール表示時に、車両が走行できない所定の領域をスクロールする場合、操作手段の操作感を変更する地図表示装置が開示されている。
【0005】
例えば、特許文献2に記載の地図表示装置では、ユーザのスクロール操作によって海等の車両が走行できない領域が地図表示領域の大部分を占めた場合や、地図表示領域の中心等に含まれる場合には、操作感を変更(例えば、反力を加えたり、軽くしたり)するなどしてユーザが不要な領域へのスクロールが行われないように制限、もしくは、素早く通過させるような制御がされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平02−251986号公報
【特許文献2】特開2005−181572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の地図描画方法においては、ユーザが下位のレイヤの地図データ(例えば、施設内地図データ等)を閲覧している際に、施設内地図データがない領域までスクロール操作を行った場合、上位メッシュに切り替えて上位レイヤの地図データ(例えば、市街地地図データや広域地図データ等)を再描画するという制御が行われてしまうという問題点を有していた。すなわち、施設内地図を閲覧しているユーザに対して施設外の市街地地図等の領域の上位メッシュ地図を閲覧できるようにしても、ユーザに必要な情報を与えていることにはならず、再度施設内に戻る操作をさせなくてはならないという問題点を有していた。
【0008】
また、特許文献2に記載の従来の地図表示装置において、背景の地図情報(海等のユーザが不要な領域)に基づいてスクロール操作の操作感の変更が行われるだけであって、複数の階層構造をなすレイヤ間の上下移動のスクロール操作や、地図内に設定された特定の領域の外へのスクロール操作に対する操作感の変更は考慮されていないという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、下位のレイヤの地図データ(例えば、施設内地図等)の表示の際には、カーソルが指定できるスクロール可能な領域をあらかじめ定義しておいた地図を表示し、当該スクロール可能な領域を越えたスクロール操作が行われないようにすることができる地図表示システム、端末装置、地図情報提供サーバ、地図表示装置、および、地図表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するため、本発明の地図表示システムは、制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバ、および、上記地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置を備えた地図表示システムであって、上記地図情報提供サーバの上記記憶部は、施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、を備え、上記地図情報提供サーバの上記制御部は、上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段と、上記領域設定地図データを上記端末装置へ送信する地図データ送信手段と、を備え、上記端末装置の上記制御部は、上記案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信手段と、上記地図情報提供サーバの上記地図データ送信手段から送信される上記領域設定地図データを受信する地図データ受信手段と、上記地図データ受信手段により受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示手段と、上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段と、を備え、上記スクロール表示手段は、上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の地図表示システムは、上記記載の地図表示システムにおいて、上記領域設定手段は、上記スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の地図表示システムは、上記記載の地図表示システムにおいて、上記領域設定手段は、上記スクロール操作可能な領域として、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の地図表示システムは、上記記載の地図表示システムにおいて、上記地図表示画面は、メッシュ地図として表示され、上記領域設定手段は、上記スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の地図表示システムは、上記記載の地図表示システムにおいて、地図情報提供サーバの上記記憶部は、交通機関の時刻表データと道路網データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段、を更に備え、上記地図情報提供サーバの上記制御部は、上記端末装置から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの案内経路を、上記経路探索情報記憶手段に記憶された上記経路探索情報を用いて探索する経路探索手段、を更に備え、上記案内地点情報は、上記経路探索手段により探索された上記案内経路上に設定されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の端末装置は、地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置であって、上記制御部は、案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信手段と、上記地図情報提供サーバから送信される、上記案内地点情報送信手段により送信された上記案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを受信する地図データ受信手段と、上記地図データ受信手段により受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示手段と、上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段と、を備え、上記スクロール表示手段は、上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の地図情報提供サーバは、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置にネットワークを介して通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバであって、上記記憶部は、施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段と、上記領域設定手段により生成された上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を生成する地図表示画面生成手段と、上記地図表示画面生成手段により生成した上記地図表示画面を上記端末装置へ送信することにより、当該端末装置の上記表示部に当該地図表示画面を表示させる領域設定地図表示制御手段と、上記端末装置の上記入力部より入力された上記スクロール操作信号を取得し、上記スクロール操作信号に基づくスクロール表示制御信号を上記端末装置に送信し、上記端末装置の上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示制御手段と、を備え、上記スクロール表示制御手段は、上記端末装置の上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力されたことを受信した場合、上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限するスクロール表示制限信号を送信し、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の地図表示装置は、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部と記憶部とを少なくとも備えた地図表示装置であって、上記記憶部は、施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段と、上記領域設定手段により生成した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示手段と、上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段と、を備え、上記スクロール表示手段は、上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の地図表示方法は、制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバ、および、上記地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置を備えた地図表示システムにおいて実行される地図表示方法であって、上記地図情報提供サーバの上記記憶部は、施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、を備えており、上記端末装置の上記制御部において実行される、案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信ステップと、上記地図情報提供サーバの上記制御部において実行される、上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される上記案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定ステップと、上記地図情報提供サーバの上記制御部において実行される、上記領域設定地図データを上記端末装置へ送信する地図データ送信ステップと、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記地図情報提供サーバの上記地図データ送信ステップにて送信される上記領域設定地図データを受信する地図データ受信ステップと、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記地図データ受信手段にて受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示ステップと、上記端末装置の上記制御部において実行される、上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示ステップと、を含み、上記スクロール表示ステップにおいて、上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の地図表示方法は、地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置において実行される地図表示方法であって、上記制御部において実行される、案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信ステップと、上記地図情報提供サーバから送信される、上記案内地点情報送信ステップにて送信された上記案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを受信する地図データ受信ステップと、上記地図データ受信ステップにて受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示ステップと、上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示ステップと、を含み、上記スクロール表示ステップにおいて、上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の地図表示方法は、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置にネットワークを介して通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバにおいて実行される地図表示方法であって、上記記憶部は、施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、を備えており、上記制御部において実行される、上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定ステップと、上記領域設定ステップにて生成された上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を生成する地図表示画面生成ステップと、上記地図表示画面生成ステップにて生成した上記地図表示画面を上記端末装置へ送信することにより、当該端末装置の上記表示部に当該地図表示画面を表示させる領域設定地図表示制御ステップと、上記端末装置の上記入力部より入力された上記スクロール操作信号を取得し、上記スクロール操作信号に基づくスクロール表示制御信号を上記端末装置に送信し、上記端末装置の上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示制御ステップと、を含み、上記スクロール表示制御ステップにおいて、上記端末装置の上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力されたことを受信した場合、上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限するスクロール表示制限信号を送信し、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の地図表示方法は、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部と記憶部とを少なくとも備えた地図表示装置において実行される地図表示方法であって、上記記憶部は、施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、を備えており、上記制御部において実行される、上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定ステップと、上記領域設定ステップにて生成した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示ステップと、上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示ステップと、を含み、上記スクロール表示ステップにおいて、上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、地図情報提供サーバにおいて、施設内地図データを記憶部に記憶し、記憶部に記憶され、端末装置から送信される案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成し、領域設定地図データを端末装置へ送信し、端末装置において、案内地点情報を地図情報提供サーバに送信し、地図情報提供サーバから送信される領域設定地図データを受信し、受信した領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部に表示させ、入力部より入力されたスクロール操作信号に基づいて、表示部に表示された地図表示画面をスクロール表示させ、入力部からスクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力された場合、表示部に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することができる。これにより、本発明は、施設内地図データを取得した際に、ポリゴンで施設内部又は施設内部を含む有効な領域を定義したものを表示し、その領域のみをスクロール可能とし、それ以外のエリアをスクロール不可能として表示する。このように構成することで、本発明は、ユーザが果てしなくスクロールできてしまうことを防ぐことができるという効果を奏する。例えば、ユーザが詳細地図データを表示する下位のレイヤにより表示された画面をスクロールしている場合、本発明は、ユーザによるスクロール操作で広域地図を表示する上位のレイヤしか存在しない隣接領域に画面がスクロールし、自動的に広域地図へ表示が切り替わってしまうのを防ぐことができるという効果を奏する。そして、本発明は、カーソル操作によりスクロール操作が入力された際に、表示している施設内地図のカーソルの移動可能領域へのスクロール操作であればスクロール操作を受けつけ、カーソルの移動可能領域外へのスクロール操作であればスクロール操作を受けつけないようにすることができるので、端末装置を片手で操作等する場合であっても、ユーザの所望の地図情報の取得が容易となるという効果を奏する。
【0023】
また、この発明によれば、スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定することができる。これにより、本発明は、ユーザが見たい施設内部のフロア領域のみをスクロールさせながら表示させることができ、無駄なスクロール操作を排除できるという効果を奏する。
【0024】
また、この発明によれば、スクロール操作可能な領域として、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定する。これにより、本発明は、通路でつながった構造の施設の施設内地図上でスクロール操作をする場合に、スクロール操作によるカーソルの移動をスムーズに行うことができる(例えば、カーソルを当該通路に通さなくても両施設間をスクロール操作により移動できる)ため、片手でのスクロール操作等が容易に行えるという効果を奏する。
【0025】
また、この発明によれば、地図表示画面は、メッシュ地図として表示され、スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定することができる。これにより、本発明は、メッシュ地図を用いた地図表示システムにおいてスクロール操作可能な領域の設定が、メッシュに基づいて容易に行えるという効果を奏する。また、本発明は、施設内地図の周辺(入り口付近等)もスクロールして表示することができるため、建物外の地図情報も見ることができるという効果を奏する。
【0026】
また、この発明によれば、地図情報提供サーバにおいて、交通機関の時刻表データと道路網データとを含む経路探索情報を記憶部に記憶し、端末装置から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、記憶部に記憶された経路探索情報を用いて探索することができ、案内地点情報は、探索された案内経路上に設定することができる。これにより、本発明は、乗り換え検索等を行った際に、領域設定を行った乗換駅等の施設内地図を携帯端末において入手することができるという効果を奏する。これにより、ユーザは、駅構内を歩きながら携帯端末を片手に持って操作する場合であっても、画面に表示された地図を的確にスクロール操作でき、簡単に経路を確認できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、第1の実施形態における地図表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、第1の実施形態における地図表示システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、スクロール操作可能な領域の一例を示す図である。
【図4】図4は、地図表示画面のスクロール操作の制限の一例を示す図である。
【図5】図5は、第2の実施形態における地図情報提供サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【図6】図6は、第2の実施形態における地図情報提供サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第3の実施形態における地図表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】図8は、第3の実施形態における地図表示装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明にかかる地図表示システム、端末装置、地図情報提供サーバ、地図表示装置、および、地図表示方法並びにプログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0029】
以下、本発明の構成および処理について、第1の実施形態(地図表示システム)、第2の実施形態(地図情報提供サーバ(サーバ主導型))、第3の実施形態(地図表示装置(スタンドアローン型))の順にて詳細に説明する。
【0030】
[第1の実施形態]
最初に、本発明の第1の実施形態(地図表示システム)について、図1〜図4を参照して以下に説明する。ここで、図1は、第1の実施形態における地図表示システムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。また、図2は、第1の実施形態における地図表示システムの処理の一例を示すフローチャートである。また、図3は、スクロール操作可能な領域の一例を示す図である。また、図4は、地図表示画面のスクロール操作の制限の一例を示す図である。
【0031】
[地図表示システムの構成]
まず、第1の実施形態における地図表示システムの構成の一例について、図1を参照して以下に説明する。
【0032】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態の地図表示システムは、概略的に、制御部202と記憶部206とを少なくとも備える地図情報提供サーバ200、および、地図情報提供サーバ200にネットワーク300を介して通信可能に接続された、表示部114と表示部114に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部112と位置検出部116と制御部102とを少なくとも備える端末装置100を備えて構成される。これら地図表示システムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0033】
[地図情報提供サーバ200の構成]
ここで、図1において、地図情報提供サーバ200は、端末装置100から送信される案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成し、領域設定地図データを端末装置100へ送信する等の機能を有する。地図情報提供サーバ200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、端末装置100と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備えて構成される。制御部202は、各種処理を行う制御手段であり、経路探索等を行う。記憶部206は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(経路探索情報ファイル206aおよび施設内地図データファイル206b等)を格納する。
【0034】
これら記憶部206の各構成要素のうち、経路探索情報ファイル206aは、制御部202が、端末装置100から受信した経路探索条件(例えば、出発地、目的地、出発時刻、到着時刻、利用交通機関等)を満たす少なくとも1つの経路を作成する際に用いる、交通機関の時刻表データと道路網データと利用料金データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段である。ここで、経路探索情報ファイル206aに記憶される時刻表データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関の時刻表を表す数値情報等である。また、経路探索情報ファイル206aに記憶される道路網データは、徒歩、自転車、自動車、オートバイ等で移動する場合の経路作成に用いる各種の道路等のマップの緯度経度情報や位置情報等である。また、経路探索情報ファイル206aに記憶される利用料金データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用料金や、自動車、オートバイ等で移動する場合に消費する燃料料金等を表す数値情報等であり、制御部202が交通費を計算する際に用いてもよい。これら時刻表データと道路網データと利用料金データは、経路探索情報ファイル206aに予め記憶されており、地図情報提供サーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータをダウンロードして経路探索情報ファイル206aに記憶された経路探索情報をアップデートしてもよい。
【0035】
また、施設内地図データファイル206bは、施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段である。ここで、施設内地図データファイル206bに記憶された施設内地図データとは、例えば、地下街やビル内の案内地図を指していてもよい。また、施設内地図データファイル206bに記憶された施設内地図データは、対象の施設に対してそれぞれ独立して階層ごと(すなわち、フロアごと等)に1つずつ地図データを持ち、地図1つ1つにID(識別タグ)を付与しておくものであってもよい。また、施設内地図データファイル206bに記憶された施設内地図データは、1つのレイヤに複数の施設の内部および周辺(例えば、2つのビル間にある中庭等)の地図データを持たせるものであってもよい。例えば、当該施設内地図データは、共通の高さ(例えば、階数等)の施設群で1つのレイヤを構成させるというものであり、施設内地図データが表示された地図表示画面をスクロールさせると、隣のビルの内部および施設間の渡り廊下の内部が見えるという地図データであってもよい。
【0036】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、経路探索部202a、領域設定部202b、および、地図データ送信部202cを備えて構成される。
【0037】
このうち、経路探索部202aは、端末装置100から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、経路探索情報ファイル206aに記憶された経路探索情報を用いて探索する経路探索手段である。
【0038】
また、領域設定部202bは、施設内地図データファイル206bに記憶され、端末装置100から送信される案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段である。ここで、案内地点情報は、経路探索部202aにより探索された案内経路上に設定された地点情報であってもよい。また、領域設定部202bは、スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定してもよく、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定してもよい。また、領域設定部202bは、地図表示画面がメッシュ地図として表示される場合、スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定してもよい。
【0039】
また、地図データ送信部202cは、ネットワーク300を介して領域設定地図データを端末装置100へ送信する地図データ送信手段である。
【0040】
[端末装置100の構成]
また、図1において、端末装置100は、地図情報提供サーバ200にアクセスし、地図情報提供サーバ200へ案内地点情報や経路探索条件を送信し、受信した領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部114に表示し、入力部112より入力されたスクロール操作信号に基づいて、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示し、入力部112からスクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力された場合、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する等の機能を有する。端末装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、携帯電話やPHSやPDA等の携帯通信端末装置などである。また、端末装置100は、表示部114に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号、案内地点情報、経路探索条件等を入力する入力部112(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マウス、マイク、ジョイスティック等)を備えている。また、端末装置100は、地図情報提供サーバ200から受信した領域設定地図データ等に基づいて描画した地図表示画面を表示する表示部114(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)と、リアルタイムに現在位置を検出できるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置検出部116とを備えている。また、入出力制御インターフェース部108は、入力部112、表示部114、位置検出部116等の制御を行う。
【0041】
ここで、位置検出部116は、緯度、経度、高度(高さ情報)に関する位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置や、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置等の位置発信装置から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段である。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置は、建物(多層階建物)内の各フロアの各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、端末装置100が通信可能範囲に入ると、端末装置100は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。本発明において、制御部102は、位置検出部116にて取得した位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を抽出する。
【0042】
また、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、端末装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、端末装置100や地図情報提供サーバ200等の外部機器と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。また、ネットワーク300は、端末装置100と地図情報提供サーバ200等の外部機器とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網、一般電話回線網を含む。)、イントラネット、電力線通信(PLC)等であってもよい。
【0043】
また、制御部102は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、探索条件送信部102a、案内地点情報送信部102b、地図データ受信部102c、領域設定地図表示部102d、および、スクロール表示部102eを備えて構成される。
【0044】
このうち、探索条件送信部102aは、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を地図情報提供サーバ200に送信する探索条件送信手段である。
【0045】
また、案内地点情報送信部102bは、案内地点情報を地図情報提供サーバ200に送信する案内地点情報送信手段である。
【0046】
また、地図データ受信部102cは、地図情報提供サーバ200の地図データ送信部202cから送信される領域設定地図データを受信する地図データ受信手段である。
【0047】
また、領域設定地図表示部102dは、地図データ受信部102cにより受信した領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部114に表示させる領域設定地図表示手段である。
【0048】
また、スクロール表示部102eは、入力部112より入力されたスクロール操作信号に基づいて、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段である。ここで、スクロール表示部102eは、入力部112からスクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力された場合、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する。
【0049】
以上で、第1の実施形態における地図表示システムの構成の一例の説明を終える。
【0050】
[地図表示システムの処理]
次に、このように構成された第1の実施形態における地図表示システムの処理の一例について、以下に図2〜図4を参照して詳細に説明する。
【0051】
図2に示すように、まず、端末装置100の探索条件送信部102aは、ユーザにより入力部112を介して入力された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を地図情報提供サーバ200に送信する(ステップSA−1)。
【0052】
そして、地図情報提供サーバ200の経路探索部202aは、端末装置100から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を受信し、当該経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、経路探索情報ファイル206aに記憶された経路探索情報を用いて探索する(ステップSA−2)。
【0053】
そして、端末装置100の案内地点情報送信部102bは、案内地点情報を地図情報提供サーバ200に送信する(ステップSA−3)。ここで、案内地点情報は、ユーザにより入力部112を介して入力された位置情報(例えば、住所、電話番号、建物名等の施設名、緯度・経度情報、ビルの階数等の高さ(階層)情報等)、位置検出部116の処理により取得された位置情報(例えば、GPSにより特定される緯度・経度に基づくリアルタイムの屋外の位置情報、IMESにより特定される建物ID、階層情報を含む建物内の位置情報等)であってもよい。
【0054】
そして、地図情報提供サーバ200の領域設定部202bは、端末装置100の案内地点情報送信部102bから案内地点情報を受信し、施設内地図データファイル206bに記憶され、端末装置100から送信される案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する(ステップSA−4)。ここで、案内地点情報は、経路探索部202aの処理により探索された案内経路上に設定された地点情報であってもよい。例えば、地図情報提供サーバ200の経路探索部202aで探索された案内経路を表示した地図表示画面が端末装置100の表示部114に表示された場合、端末装置100の制御部102は、ユーザのスクロール操作によりカーソルが移動した案内経路上の地点(例えば、案内経路上の目的地、乗換駅等)を認識し、当該地点の情報を案内地点情報として設定してもよい。また、施設内地図データは、建物の各フロアの地図情報であってもよい。また、領域設定部202bは、スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定してもよく、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定してもよい。また、領域設定部202bは、地図表示画面がメッシュ地図として表示される場合、スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定してもよい。
【0055】
ここで、図3を参照し、本実施形態の地図情報提供サーバ200の領域設定部202bにおいて設定されるスクロール操作可能な領域の一例について説明する。なお、図3に示す一例は、本実施形態に限らず、他の実施形態においても同様に適用できる。
【0056】
本実施形態の地図情報提供サーバ200の領域設定部202bは、図3(a)に示すように、スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁(太い破線)を結んだ領域を設定してもよい。すなわち、領域設定部202bは、図3(a)に示すように、施設内地図データをポリゴン表示する際に、カーソルが移動可能な領域(つまり、パスがひかれる可能性がある領域すべて)をスクロール可能に、そうでない領域をスクロール不可能にするような領域を設定してもよい。
【0057】
また、本実施形態の地図情報提供サーバ200の領域設定部202bは、図3(b)に示すように、スクロール操作可能な領域として、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域(太い破線)を設定してもよい。すなわち、領域設定部202bは、図3(b)に示すように、複数の施設が所定の階数において通路で接続されており、通路を介して移動可能な施設案内地図であった場合には、ユーザがスクロールカーソルを通路内を通過するように操作するのは難しいため、最大のカーソルの移動範囲を定義して、その領域だけをスクロール可能にし、それ以外の領域をスクロール不可能にするような領域(例えば、施設内エリアを含む最外点を結んで定義される領域等)と設定してもよい。
【0058】
また、本実施形態の地図情報提供サーバ200の領域設定部202bは、図3(c)(d)に示すように、地図表示画面がメッシュ地図として表示される場合、スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定してもよい。すなわち、領域設定部202bは、図3(c)に示すように、施設内地図を表現するメッシュに基づいて、施設内地図が包含されるメッシュを少なくとも含む最小の矩形領域をスクロール操作可能な領域としてもよく、図3(d)に示すように、施設内地図を包含するメッシュのみから構成される領域をスクロール操作可能な領域としてもよい。
【0059】
そして、地図情報提供サーバ200の地図データ送信部202cは、ネットワーク300を介して領域設定地図データを端末装置100へ送信する(ステップSA−5)。
【0060】
そして、端末装置100の地図データ受信部102cは、地図情報提供サーバ200の地図データ送信部202cから送信される領域設定地図データを受信する(ステップSA−6)。
【0061】
そして、端末装置100の領域設定地図表示部102dは、地図データ受信部102cの処理により受信した領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部114に表示させる(ステップSA−7)。ここで、領域設定地図表示部102dは、画面上の指示位置を明示するために、地図表示画面にカーソルを重畳して表示してもよい。
【0062】
そして、端末装置100のスクロール表示部102eは、ユーザにより入力部112を介して入力されたスクロール操作信号を取得する(ステップSA−8)。
【0063】
そして、端末装置100のスクロール表示部102eは、受信したスクロール操作信号が領域設定地図データのスクロール操作可能な領域を越える信号であるか否かを判断する(ステップSA−9)。
【0064】
そして、スクロール操作可能な領域を越える信号でないと判断された場合(ステップSA−9:NO)、端末装置100のスクロール表示部102eは、受信したスクロール操作信号に基づいて、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させる(ステップSA−10)。
【0065】
一方、スクロール操作可能な領域を越える信号であると判断された場合(ステップSA−9:YES)、端末装置100のスクロール表示部102eは、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する(ステップSA−11)。ここで、スクロール表示の制限とは、スクロール操作可能な領域の外縁までスクロール表示をさせ、それ以降の操作を無効としてもよく、一切のスクロール操作を無効としてもよく、入力部112にてユーザの入力操作に対する反力等を与えるような物理的制御をしてもよい。
【0066】
ここで、図4を参照し、本実施形態の端末装置100の表示部114において表示される地図表示画面のスクロール操作の制限の一例を説明する。なお、図4に示す一例は、本実施形態に限らず、他の実施形態においても同様に適用できる。
【0067】
本実施形態の端末装置100のスクロール表示102eは、図4(a)に示すように、ユーザにより入力部112を介して入力されたスクロール操作信号に従って画面上を移動するスクロールカーソル等(図4(a)中の「+」)を、フロアがポリゴン表示された領域の外縁(破線)よりも外へ移動しないように表示してもよい。
【0068】
また、本実施形態の端末装置100のスクロール表示102eは、図4(b)に示すように、ユーザにより入力部112を介して入力されたスクロール操作信号に従って画面上を移動するスクロールカーソル等(図4(b)中の「+」)を、地図情報提供サーバ200の領域設定部202bの処理により定義された最大スクロール移動範囲(メッシュが含まれる範囲)の外側へスクロールされないようにしてもよい。
【0069】
以上で、第1の実施形態における地図表示システムの処理の一例の説明を終える。
【0070】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態(地図情報提供サーバ200(サーバ主導型))について、図5および図6を参照して以下に説明する。ここで、図5は、第2の実施形態における地図情報提供サーバの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。また、図6は、第2の実施形態における地図情報提供サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
なお、第2の実施形態においては、地図情報提供サーバ200にて端末装置100の表示部114に表示させるデータを生成し、これらのデータを端末装置100へ送信することにより、当該端末装置100を表示部114として機能させている。このように、第2の実施形態は、地図情報提供サーバ200にてサーバ主導で処理を行う点がその他の実施形態と異なる。
【0072】
[地図情報提供サーバ200(サーバ主導型)の構成]
まず、第2の実施形態における地図情報提供サーバ200(サーバ主導型)の構成の一例について、図5を参照して以下に説明する。
【0073】
図5に示すように、本発明の第2の実施形態の地図情報提供サーバ200は、表示部114と表示部114に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部112と位置検出部116と制御部102とを少なくとも備える端末装置100にネットワークを介して通信可能に接続された、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えて構成される。これら地図情報提供サーバ200および端末装置100の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0074】
図5において、地図情報提供サーバ200は、施設内地図データファイル206bに記憶され、端末装置100から送信される案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成し、生成された領域設定地図データを表示した地図表示画面を生成し、生成した地図表示画面を端末装置100へ送信することにより、当該端末装置100の表示部114に当該地図表示画面を表示させ、端末装置100の入力部112より入力されたスクロール操作信号を取得し、スクロール操作信号に基づくスクロール表示制御信号を端末装置100に送信し、端末装置100の表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させ、端末装置100の入力部112からスクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力されたことを受信した場合、地図表示画面をスクロール表示させるのを制限するスクロール表示制限信号を送信し、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する等の機能を有する。
【0075】
なお、地図情報提供サーバ200における通信制御インターフェース部204および記憶部206(経路探索情報ファイル206aおよび施設内地図データファイル206b等)の機能、また、端末装置100における入力部112、表示部114、および、位置検出部116の機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0076】
また、図5において、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、経路探索部202a、領域設定部202b、地図表示画面生成部202d、領域設定地図表示制御部202e、および、スクロール表示制御部202fを備えて構成される。
【0077】
このうち、経路探索部202aは、端末装置100から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、経路探索情報ファイル206aに記憶された経路探索情報を用いて探索する経路探索手段である。
【0078】
また、領域設定部202bは、施設内地図データファイル206bに記憶され、端末装置100から送信される案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段である。ここで、案内地点情報は、経路探索部202aにより探索された案内経路上に設定された地点情報であってもよい。また、領域設定部202bは、スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定してもよく、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定してもよい。また、領域設定部202bは、地図表示画面がメッシュ地図として表示される場合、スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定してもよい。
【0079】
また、地図表示画面生成部202dは、領域設定部202bにより生成された領域設定地図データを表示した地図表示画面を生成する地図表示画面生成手段である。
【0080】
また、領域設定地図表示制御部202eは、地図表示画面生成部202dにより生成した地図表示画面を端末装置100へ送信することにより、当該端末装置100の表示部114に当該地図表示画面を表示させる領域設定地図表示制御手段である。
【0081】
また、スクロール表示制御部202fは、端末装置100の入力部112より入力されたスクロール操作信号を取得し、スクロール操作信号に基づくスクロール表示制御信号を端末装置100に送信し、端末装置100の表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示制御手段である。ここで、スクロール表示制御部202fは、端末装置100の入力部112からスクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力されたことを受信した場合、地図表示画面をスクロール表示させるのを制限するスクロール表示制限信号を送信し、表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する。
【0082】
以上で、第2の実施形態における地図情報提供サーバ200の構成の一例の説明を終える。
【0083】
[地図情報提供サーバ200(サーバ主導型)の処理]
次に、このように構成された第2の実施形態における地図情報提供サーバ200の処理の一例について、以下に図6を参照して詳細に説明する。
【0084】
図6に示すように、まず、端末装置100の制御部102は、ユーザにより入力部112を介して入力された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を、地図情報提供サーバ200へ送信する(ステップSB−1)。
【0085】
そして、地図情報提供サーバ200の経路探索部202aは、端末装置100から送信された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を受信し、当該経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、経路探索情報ファイル206aに記憶された経路探索情報を用いて探索する(ステップSB−2)。
【0086】
そして、端末装置100の制御部102は、案内地点情報を地図情報提供サーバ200に送信する(ステップSB−3)。ここで、案内地点情報は、ユーザにより入力部112を介して入力された位置情報(例えば、住所、電話番号、建物名等の施設名、緯度・経度情報、ビルの階数等の高さ(階層)情報等)、位置検出部116の処理により取得された位置情報(例えば、GPSにより特定される緯度・経度に基づくリアルタイムの屋外の位置情報、IMESにより特定される建物ID、階層情報を含む建物内の位置情報等)であってもよい。
【0087】
そして、地図情報提供サーバ200の領域設定部202bは、施設内地図データファイル206bに記憶され、端末装置100から送信される案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する(ステップSB−4)。ここで、案内地点情報は、経路探索部202aの処理により探索された案内経路上に設定された地点情報であってもよい。また、領域設定部202bは、スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定してもよく、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定してもよい。また、領域設定部202bは、地図表示画面がメッシュ地図として表示される場合、スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定してもよい。
【0088】
そして、地図情報提供サーバ200の地図表示画面生成部202dは、領域設定部202bの処理により生成された領域設定地図データを表示した地図表示画面を生成する(ステップSB−5)。
【0089】
そして、地図情報提供サーバ200の領域設定地図表示制御部202eは、地図表示画面生成部202dの処理により生成した地図表示画面を端末装置100へ送信することにより(ステップSB−6)、当該端末装置100の表示部114に当該地図表示画面を表示させる(ステップSB−7)。ここで、領域設定地図表示制御部202eは、画面上の指示位置を明示するために、地図表示画面にカーソルを重畳して表示させてもよい。
【0090】
そして、端末装置100の制御部102は、ユーザによって端末装置100の入力部112より入力されたスクロール操作信号を取得し、地図情報提供サーバ200に送信する(ステップSB−8)。
【0091】
そして、地図情報提供サーバ200のスクロール表示制御部202fは、端末装置100の制御部102から送信されたスクロール操作信号を受信する(ステップSB−9)。
【0092】
そして、地図情報提供サーバ200のスクロール表示制御部202fは、受信したスクロール操作信号が領域設定地図データのスクロール操作可能な領域を越える信号であるか否かを判断する(ステップSB−10)。
【0093】
そして、スクロール操作可能な領域を越える信号でないと判断された場合(ステップSB−10:NO)、地図情報提供サーバ200のスクロール表示制御部202fは、受信したスクロール操作信号に基づくスクロール表示制御信号を端末装置100に送信し、(ステップSB−11)、端末装置100の表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させる(ステップSB−12)。
【0094】
一方、スクロール操作可能な領域を越える信号であると判断された場合(ステップSB−10:YES)、地図情報提供サーバ200のスクロール表示制御部202fは、地図表示画面をスクロール表示させるのを制限するスクロール表示制限信号を端末装置100に送信し(ステップSB−13)、端末装置100の表示部114に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する(ステップSB−14)。
【0095】
以上で、第2の実施形態における地図情報提供サーバ200の処理の一例の説明を終える。
【0096】
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態(地図表示装置400(スタンドアローン型))について、図7および図8を参照して以下に説明する。ここで、図7は、第3の実施形態における地図表示装置の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。また、図8は、第3の実施形態における地図表示装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【0097】
なお、第3の実施形態においては、全ての機能を地図表示装置400に集約し、地図情報提供サーバ200に接続することなく、経路探索条件を満たす案内経路を探索し、案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成し、領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部414に表示させ、入力部412より入力されたスクロール操作信号に基づいて、表示部414に表示された地図表示画面をスクロール表示させ、入力部412からスクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力された場合、表示部414に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する等の機能を有する。このように、第3の実施形態は、地図表示装置400がスタンドアローン型に構成され単独で処理を行う点がその他の実施形態と異なる。
【0098】
[地図表示装置400(スタンドアローン型)の構成]
まず、第3の実施形態における地図表示装置400(スタンドアローン型)の構成の一例について、図7を参照して以下に説明する。
【0099】
図7に示すように、本発明の第3の実施形態の地図表示装置400は、入力部412と表示部414と位置検出部416と制御部402と記憶部406とを少なくとも備えて構成される。これら地図表示装置400の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0100】
図7において、入出力制御インターフェース部408、入力部412、表示部414、および、位置検出部416の各機能は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。また、記憶部406の各部(経路探索情報ファイル406aおよび施設内地図データファイル406b等)についても、地図情報提供サーバ200ではなく地図表示装置400に備えられている点を除き、各機能が第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0101】
また、制御部402の各部(経路探索部402a〜スクロール表示部402d等)については、本実施形態の地図表示装置400がスタンドアローン型であり、通信制御インターフェース部を備えないため、制御部402が受信部を備えていない点を除き、各機能は第1の実施形態と基本的に同様である。
【0102】
また、図7において、制御部402は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部402は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部402は、機能概念的に、経路探索部402a、領域設定部402b、領域設定地図表示部402c、および、スクロール表示部402dを備えて構成される。
【0103】
このうち、経路探索部402aは、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、経路探索情報ファイル406aに記憶された経路探索情報を用いて探索する経路探索手段である。
【0104】
また、領域設定部402bは、施設内地図データファイル406bに記憶され、案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段である。ここで、領域設定部402bは、スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定してもよく、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定してもよい。また、領域設定部402bは、地図表示画面がメッシュ地図として表示される場合、スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定してもよい。
【0105】
また、領域設定地図表示部402cは、領域設定部402bにより生成した領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部414に表示させる領域設定地図表示手段である。
【0106】
また、スクロール表示部402dは、ユーザによって入力部412より入力されたスクロール操作信号に基づいて、表示部414に表示された地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段である。ここで、スクロール表示部402dは、入力部412からスクロール操作可能な領域を越えるスクロール操作信号が入力された場合、表示部414に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する。
【0107】
以上で、第3の実施形態における地図表示装置400の構成の一例の説明を終える。
【0108】
[地図表示装置400(スタンドアローン型)の処理]
次に、このように構成された第3の実施形態における地図表示装置400の処理の一例について、以下に図8を参照して詳細に説明する。
【0109】
図8に示すように、まず、地図表示装置400の制御部402は、ユーザにより入力部412を介して入力された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を取得する(ステップSC−1)。
【0110】
そして、経路探索部402aは、制御部402の処理により取得された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、経路探索情報ファイル406aに記憶された経路探索情報を用いて探索する(ステップSC−2)。
【0111】
そして、制御部402は、領域設定地図データを作成する地点を特定する案内地点情報を取得する(ステップSC−3)。ここで、案内地点情報は、ユーザにより入力部412を介して入力された位置情報(例えば、住所、電話番号、建物名等の施設名、緯度・経度情報、ビルの階数等の高さ(階層)情報等)、位置検出部416の処理により取得された位置情報(例えば、GPSにより特定される緯度・経度に基づくリアルタイムの屋外の位置情報、IMESにより特定される建物ID、階層情報を含む建物内の位置情報等)であってもよい。また、案内地点情報は、経路探索部402aの処理により探索された案内経路上に設定された地点情報であってもよい。
【0112】
そして、領域設定部402bは、施設内地図データファイル406bに記憶され、制御部402の処理により取得された案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する(ステップSC−4)。
【0113】
そして、領域設定地図表示部402cは、領域設定部402bの処理により生成した領域設定地図データを表示した地図表示画面を表示部414に表示させる(ステップSC−5)。
【0114】
そして、スクロール表示部402dは、ユーザにより入力部412を介して入力されたスクロール操作信号を取得する(ステップSC−6)。
【0115】
そして、スクロール表示部402dは、受信したスクロール操作信号が領域設定地図データのスクロール操作可能な領域を越える信号であるか否かを判断する(ステップSC−7)。
【0116】
そして、スクロール操作可能な領域を越える信号でないと判断された場合(ステップSC−7:NO)、スクロール表示部402dは、受信したスクロール操作信号に基づいて、表示部414に表示された地図表示画面をスクロール表示させる(ステップSC−8)。
【0117】
一方、スクロール操作可能な領域を越える信号であると判断された場合(ステップSC−7:YES)、スクロール表示部402dは、表示部414に表示された地図表示画面をスクロール表示させるのを制限する(ステップSC−9)。ここで、スクロール表示の制限とは、スクロール操作可能な領域の外縁までスクロール表示をさせ、それ以降の操作を無効としてもよく、一切のスクロール操作を無効としてもよく、入力部412にてユーザの入力操作に対する反力等を与えるような物理的制御をしてもよい。
【0118】
以上で、第3の実施形態における地図表示装置400の処理の一例の説明を終える。
【0119】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0120】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0121】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0122】
また、端末装置100、地図情報提供サーバ200、および、地図表示装置400に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0123】
例えば、端末装置100、地図情報提供サーバ200、および、地図表示装置400の各装置が備える処理機能、特に制御部102、制御部202、および、制御部402にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じて端末装置100、地図情報提供サーバ200、および、地図表示装置400に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDなどの記憶部206、および、記憶部406などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0124】
また、このコンピュータプログラムは、端末装置100、地図情報提供サーバ200、および、地図表示装置400に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0125】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0126】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0127】
記憶部206、および、記憶部406に格納される各種のデータベース等(経路探索情報ファイル206a,406aおよび施設内地図データファイル206b,406b等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0128】
また、端末装置100、地図情報提供サーバ200、および、地図表示装置400は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。特に、端末装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、携帯電話やPHSやPDA等の携帯端末通信装置等である。
【0129】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上詳述したように、本発明によれば、下位のレイヤの地図データの表示の際には、カーソルが指定できるスクロール可能な領域をあらかじめ定義しておいた地図を表示し、当該領域を越えたスクロール操作が行われないようにすることができる地図表示システム、端末装置、地図情報提供サーバ、地図表示装置、および、地図表示方法を提供することができるので、地図表示を支援する情報機器や情報処理分野などの様々な分野において極めて有用である。
【符号の説明】
【0131】
100 端末装置
102 制御部
102a 探索条件送信部
102b 案内地点情報送信部
102c 地図データ受信部
102d 領域設定地図表示部
102e スクロール表示部
104 通信制御インターフェース部
108 入出力制御インターフェース部
112 入力部
114 表示部
116 位置検出部
200 地図情報提供サーバ
202 制御部
202a 経路探索部
202b 領域設定部
202c 地図データ送信部
202d 地図表示画面生成部
202e 領域設定地図表示制御部
202f スクロール表示制御部
206 記憶部
206a 経路探索情報ファイル
206b 施設内地図データファイル
300 ネットワーク
400 地図表示装置
402 制御部
402a 経路探索部
402b 領域設定部
402c 領域設定地図表示部
402d スクロール表示部
406 記憶部
406a 経路探索情報ファイル
406b 施設内地図データファイル
408 入出力制御インターフェース部
412 入力部
414 表示部
416 位置検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバ、および、当該地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置を備えた地図表示システムであって、
上記地図情報提供サーバの上記記憶部は、
施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、
を備え、
上記地図情報提供サーバの上記制御部は、
上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段と、
上記領域設定地図データを上記端末装置へ送信する地図データ送信手段と、
を備え、
上記端末装置の上記制御部は、
上記案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信手段と、
上記地図情報提供サーバの上記地図データ送信手段から送信される上記領域設定地図データを受信する地図データ受信手段と、
上記地図データ受信手段により受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示手段と、
上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段と、
を備え、
上記スクロール表示手段は、
上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、地図表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示システムにおいて、
上記領域設定手段は、
上記スクロール操作可能な領域として、施設内地図の外縁を結んだ領域を設定することを特徴とする、地図表示システム。
【請求項3】
請求項1に記載の地図表示システムにおいて、
上記領域設定手段は、
上記スクロール操作可能な領域として、内側に施設内地図が包含される最小の矩形領域を設定することを特徴とする、地図表示システム。
【請求項4】
請求項1に記載の地図表示システムにおいて、
上記地図表示画面は、メッシュ地図として表示され、
上記領域設定手段は、
上記スクロール操作可能な領域として、施設内地図が包含されるメッシュから構成される領域を設定することを特徴とする、地図表示システム。
【請求項5】
請求項1に記載の地図表示システムにおいて、
上記地図情報提供サーバの上記記憶部は、
交通機関の時刻表データと道路網データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段、
を更に備え、
上記地図情報提供サーバの上記制御部は、
上記端末装置から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす上記出発地から上記目的地までの案内経路を、上記経路探索情報記憶手段に記憶された上記経路探索情報を用いて探索する経路探索手段、
を更に備え、
上記案内地点情報は、上記経路探索手段により探索された上記案内経路上に設定されていることを特徴とする、地図表示システム。
【請求項6】
地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置であって、
上記制御部は、
案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信手段と、
上記地図情報提供サーバから送信される、上記案内地点情報送信手段により送信された上記案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを受信する地図データ受信手段と、
上記地図データ受信手段により受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示手段と、
上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段と、
を備え、
上記スクロール表示手段は、
上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、携帯端末装置。
【請求項7】
表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置にネットワークを介して通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバであって、
上記記憶部は、
施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部は、
上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段と、
上記領域設定手段により生成された上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を生成する地図表示画面生成手段と、
上記地図表示画面生成手段により生成した上記地図表示画面を上記端末装置へ送信することにより、当該端末装置の上記表示部に当該地図表示画面を表示させる領域設定地図表示制御手段と、
上記端末装置の上記入力部より入力された上記スクロール操作信号を取得し、上記スクロール操作信号に基づくスクロール表示制御信号を上記端末装置に送信し、上記端末装置の上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示制御手段と、
を備え、
上記スクロール表示制御手段は、
上記端末装置の上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力されたことを受信した場合、上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限するスクロール表示制限信号を送信し、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、地図情報提供サーバ。
【請求項8】
表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部と記憶部とを少なくとも備えた地図表示装置であって、
上記記憶部は、
施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部は、
上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定手段と、
上記領域設定手段により生成した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示手段と、
上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示手段と、
を備え、
上記スクロール表示手段は、
上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、地図表示装置。
【請求項9】
制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバ、および、上記地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置を備えた地図表示システムにおいて実行される地図表示方法であって、
上記地図情報提供サーバの上記記憶部は、
施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、
を備えており、
上記端末装置の上記制御部において実行される、案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信ステップと、
上記地図情報提供サーバの上記制御部において実行される、上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される上記案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定ステップと、
上記地図情報提供サーバの上記制御部において実行される、上記領域設定地図データを上記端末装置へ送信する地図データ送信ステップと、
上記端末装置の上記制御部において実行される、上記地図情報提供サーバの上記地図データ送信ステップにて送信される上記領域設定地図データを受信する地図データ受信ステップと、
上記端末装置の上記制御部において実行される、上記地図データ受信手段にて受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示ステップと、
上記端末装置の上記制御部において実行される、上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示ステップと、
を含み、
上記スクロール表示ステップにおいて、
上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、地図表示方法。
【請求項10】
地図情報提供サーバにネットワークを介して通信可能に接続された、表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置において実行される地図表示方法であって、
上記制御部において実行される、
案内地点情報を上記地図情報提供サーバに送信する案内地点情報送信ステップと、
上記地図情報提供サーバから送信される、上記案内地点情報送信ステップにて送信された上記案内地点情報から特定される施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを受信する地図データ受信ステップと、
上記地図データ受信ステップにて受信した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示ステップと、
上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示ステップと、
を含み、
上記スクロール表示ステップにおいて、
上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、地図表示方法。
【請求項11】
表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部とを少なくとも備える端末装置にネットワークを介して通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備える地図情報提供サーバにおいて実行される地図表示方法であって、
上記記憶部は、
施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、
を備えており、
上記制御部において実行される、
上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、上記端末装置から送信される案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定ステップと、
上記領域設定ステップにて生成された上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を生成する地図表示画面生成ステップと、
上記地図表示画面生成ステップにて生成した上記地図表示画面を上記端末装置へ送信することにより、当該端末装置の上記表示部に当該地図表示画面を表示させる領域設定地図表示制御ステップと、
上記端末装置の上記入力部より入力された上記スクロール操作信号を取得し、上記スクロール操作信号に基づくスクロール表示制御信号を上記端末装置に送信し、上記端末装置の上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示制御ステップと、
を含み、
上記スクロール表示制御ステップにおいて、
上記端末装置の上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力されたことを受信した場合、上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限するスクロール表示制限信号を送信し、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、地図表示方法。
【請求項12】
表示部と当該表示部に表示された画面をスクロール表示させるスクロール操作信号を少なくとも入力する入力部と制御部と記憶部とを少なくとも備えた地図表示装置において実行される地図表示方法であって、
上記記憶部は、
施設内地図データを記憶する施設内地図データ記憶手段、
を備えており、
上記制御部において実行される、
上記施設内地図データ記憶手段に記憶され、案内地点情報から特定される上記施設内地図データにスクロール操作可能な領域を設定した領域設定地図データを生成する領域設定ステップと、
上記領域設定ステップにて生成した上記領域設定地図データを表示した地図表示画面を上記表示部に表示させる領域設定地図表示ステップと、
上記入力部より入力された上記スクロール操作信号に基づいて、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるスクロール表示ステップと、
を含み、
上記スクロール表示ステップにおいて、
上記入力部から上記スクロール操作可能な領域を越える上記スクロール操作信号が入力された場合、上記表示部に表示された上記地図表示画面をスクロール表示させるのを制限することを特徴とする、地図表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−169835(P2010−169835A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11416(P2009−11416)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】