説明

地図表示装置

【課題】表示装置の画面に地図画像を表示しているときに、当該画面外の地図上に存在する施設を容易に認識することができる「地図表示装置」を提供すること。
【解決手段】表示装置の画面に所定の位置(例えば、車両の現在位置)周辺の地図画像30を表示しているときに、表示装置の画面内に枠状マーク40を配置し、当該枠状マーク40内に、ユーザが指定したジャンルの画面外施設を示す施設マーク41,42を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車載用ナビゲーション装置のように、記憶装置に記憶した地図データに基づいて地図画像を描画して表示装置の画面に表示する地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な車載用ナビゲーション装置には、ナビゲーションに係る一切の処理を制御するCPU等の制御部、地図データを格納したDVD−ROM等の記憶装置、表示装置、自車の現在位置を検出するためのGPS受信機、自車の進行方位や走行速度等を検出するためのジャイロや車速センサ等が設けられている。そして、制御部により、自車の現在位置を含む地図データを記憶装置から読み出し、この地図データに基づいて自車位置周囲の地図画像を表示装置の画面に描画すると共に、自車の現在位置を指示する自車位置マークを画面上に重ね合わせて表示し、自車の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定して自車位置マークを移動させたりして、自車が現在何処を走行しているのかを一目で分かるようにしている。
【0003】
また、車載用ナビゲーション装置には、通常、ユーザが設定した目的地に向けて道路を間違うことなく走行できるように案内する機能(経路誘導機能)が搭載されている。この経路誘導機能によれば、制御部により、地図データを用いて出発地(例えば、自車の現在位置)から目的地までを結ぶ最適な経路を、横型探索法やダイクストラ法等のシュミレーション計算を行って探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上にその誘導経路を他の道路と識別可能に表示したり、また誘導経路上で接近中の交差点まで所定距離に達したときに、地図画像上でその交差点の案内図(交差点拡大図、該交差点での進行方向を示す矢印、該交差点までの距離、交差点名など)を表示したりすることで、いずれの道路を走行すればよいか、また交差点でどの方向に進んだらよいかをユーザが把握できるようになっている。
【0004】
さらに、車載用ナビゲーション装置には施設検索機能も搭載されている。この施設検索機能は、ユーザが検索対象として所望の施設の例えば、ジャンルをリモコン操作等により指定すると、制御部により、施設情報を含んだ地図データを参照してその指定ジャンルの施設を検索し、検索した施設の名称、自車位置から当該施設までの距離等を表示装置の画面に表示したり、また、地図画像上に当該施設の位置を示すランドマークを表示するものである。必要に応じて所望の施設(ランドマーク)を画面上でタッチ(又はリモコン操作により選択)することで、当該施設に関する情報を得ることもできる。かかる施設検索は、上記のように誘導経路に沿って走行中の場合に限らず、目的地を設定しないで単に停車中の場合などにも同様に行われ、画面に地図画像を表示させている状態であれば必要に応じて行うことができる。
【0005】
このように特定のジャンルの施設の位置を示すランドマークを地図画像上に表示する車載用ナビゲーション装置において、例えば、ユーザが所望の施設を目的地に設定しようとするときや、その施設に関する情報を得ようとするときに、表示装置の画面に表示された地図画像上に当該施設のランドマークが表示されていない場合には、ユーザは、リモコン操作等により地図画像をスクロールさせて当該施設のランドマークを探すことがある。
【0006】
上記の従来技術に関連する技術として、例えば特許文献1には、特定の地域の地図画面上に、隣の地区画面を素早く見ることができるように隣の地区画面に移動するための移動用矢印を設けるという技術が記載されている。
【特許文献1】特開2008−9105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来技術の車載用ナビゲーション装置(地図表示装置)においては、表示画面外の所望の施設を検索するために、地区画面を移動させなければならない。また、移動させた方向に所望の施設が存在するのか否かは不明であり、どのあたりまで移動させればよいか分からない。その結果、所望の施設を探すために別な方向に地区画面を移動させることもある。このように、表示画面内の所望の施設の検索が困難である。
【0008】
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、表示装置の画面に地図画像を表示しているときに、当該画面外の地図上に存在する施設を容易に認識することができる地図表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の従来技術の課題を解決するために、本発明に係る地図表示装置は、画面を通して情報を提供する表示手段と、操作に応じた信号を出力する操作手段と、施設情報を含む地図データを記憶する記憶手段と、前記地図データに基づいて地図画像を表示する地図描画手段と、前記表示手段の画面の縁に沿う枠を描画する第1のマーク描画手段と、前記施設情報に基づいて施設のジャンルに応じた施設マークを描画する第2のマーク描画手段と、前記表示手段、前記操作手段、前記地図描画手段、前記第1のマーク描画手段及び前記第2のマーク描画手段と動作可能に接続された制御手段とを有し、前記制御手段は、前記地図描画手段に所定の位置周辺の地図の画像を描画させて前記表示手段の画面に表示させているときに、前記枠を前記第1のマーク描画手段に描画させて前記表示手段の画面内の当該地図に配置し、さらに前記操作手段を介して指定されたジャンルの施設のうち前記表示手段の画面外に存在する施設を画面外施設として検出し、当該画面外施設の前記施設マークを前記第2のマーク描画手段に描画させて当該枠内に配置した画像を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、表示装置の画面に所定の位置(例えば、車両の現在位置)周辺の地図画像が表示されている場合に、例えば周辺施設検索を実行したときに、表示装置の画面内に枠の画像を配置し、当該枠内に、ユーザが指定したジャンルの画面外施設を示す施設マークを配置している。これにより、ユーザは、当該ジャンルの施設が画面外の地図上に存在することが容易に認識することができる。
【0011】
なお、画面外施設を示す施設マークは、枠内の、当該画面外施設の所定の位置に対する方位に応じた位置に配置されることが好ましい。これにより、ユーザは、当該施設が画面外の地図上のどの方位に位置するのか容易に認識することができる。
【0012】
また、画面外施設を示す施設マークは、例えば当該画面外施設の所定の位置からの距離に応じた大きさで描画されることが好ましい。これにより、ユーザは、当該施設が画面外の地図のどの位離れた距離に位置するのか容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置(地図表示装置)の構成を示すブロック図である。
【0015】
本実施形態の車載用ナビゲーション装置20において、1はDVDドライブを示し、このDVDドライブ1によって駆動されるDVD(DVD−ROM)1aには、各縮尺レベル(1/12500、1/25000、1/50000等)に応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られた地図データが格納されている。この地図データには、地図上に存在する各種施設(コンビニエンスストア、スーパー・ディスカウントショップ、デパート、駅、空港、ガソリンスタンド、ホームセンター等)に関するデータ(名称、位置、住所、電話番号、営業時間、ジャンル等の各種情報)の他に、経路探索やマップマッチング等の各種処理に必要な道路ユニットのデータと、交差点や分岐など複数の道路が交わる点に対応するノード(経緯度で表現された点)と、各ノード間を結ぶ道路や車線等に対応するリンクとを含んでいる。本実施形態では、地図データを格納する媒体としてDVD−ROMを使用しているが、これに代えて、CD−ROMやHDD等の他の記憶媒体を使用してもよい。
【0016】
2は後述するナビゲーション装置本体を操作するための操作部を示し、例えば、後述する表示装置の前面に設けられたタッチパネルの形態を有している。この操作部(タッチパネル)2は、ユーザが指等で触れたときに接触位置に応じた信号を出力する。なお、タッチパネルに代えて、操作部2を、後述する表示装置の画面上の各種メニュー、各種項目等を選択したり、選択したメニュー等を実行させるための各種操作ボタン、ジョイスティック等が設けられたリモコン送信機の形態を有していてもよい。
【0017】
3はGPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して自車の現在位置の経度や緯度を検出するGPS受信機、4は自車の進行方位を検出するためのジャイロ等の角度センサや、一定の走行距離毎にパルスを発生する距離センサ等を備えた自立航法センサを示す。
【0018】
7は液晶表示(LCD)パネルや有機ELパネル等からなり、車載用ナビゲーション装置20に係る種々の情報を表示する表示装置を示す。
【0019】
ナビゲーション装置本体10において、11はDVDドライブ1を介してDVD1aから読み出した地図データを一時的に格納するバッファメモリ、12はマイクロコンピュータ等により構成された制御部を示す。制御部12は、基本的には、GPS受信機3から出力される信号に基づいて自車の現在位置を検出したり、自立航法センサ4から出力される信号に基づいて自車の走行速度を算出したり、DVDドライブ1を制御して表示させたい地図のデータをDVD―ROM1aからバッファメモリ11に読み出したり、その読み出した地図データを用いて設定された探索条件で出発地(例えば、自車の現在位置)から目的地までの誘導経路を探索したりするなど、ナビゲーションに係る種々の処理を実行する。また、制御部12は、自車の現在位置や地図画面上のカーソルを検索基点として、操作部2を介して指定されたジャンルの当該検索基点周辺の施設を検索したり、検索した施設の名称、住所、電話番号等の情報を表示装置7の画面に表示したり、地図画像上に当該施設の位置を示すランドマークを表示したりするなど、施設検索に係る種々の処理を実行する。
【0020】
さらに、制御部12は、本発明に関係する処理として、例えば、操作部2から周辺施設検索を実行すること指示する旨の信号を入力したときに、表示装置7の画面内の地図に枠状マークを表示したり、検索基点周辺の施設のうち表示装置7の画面外の施設を画面外施設として検出したり、当該画面外施設を示す施設マークを枠状マーク内に表示したりするなどの処理を実行する。この周辺施設検索に係る処理については、後で詳しく説明する。
【0021】
13はバッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図画像の描画処理を行う地図描画部を示す。この地図描画部13はまた、本発明に関係する処理として、表示装置7の画面の縁に沿う枠状の領域内の地図画像を、当該画面のその他の領域内の地図画像と異なる表示輝度(例えば、低い表示輝度)で描画することにより枠状マークを生成する。
【0022】
14は動作状況に応じて各種メニュー画面(操作画面)及び自車位置マーク、カーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部を示す。また、操作画面・マーク発生部14は、地図データを用いて施設のジャンルに応じた当該施設を示すランドマークを描画する。
【0023】
15は誘導経路に関するデータを格納しておくための誘導経路記憶部を示す。この誘導経路記憶部15には、制御部12によって探索された誘導経路の出発地から目的地までの全てのノード(経緯度で表現された点の座標)に関するデータが記憶される。16は誘導経路描画部を示し、制御部12からの制御に基づいて、誘導経路記憶部15から誘導経路のデータを読み出し、当該誘導経路を他の道路とは異なる表示態様(例えば、色を変える、線幅を太くするなど)で描画する機能を有している。
【0024】
17は、本発明に関係する処理として、地図データを用いて画面外施設のジャンルに応じた当該画面外施設を示す施設マークを描画する画面外施設マーク描画部を示す。この画面外施設マーク描画部17では、検索基点の位置と画面外施設の位置との距離に応じた表示態様(例えば、施設マークの大きさや表示輝度など)で施設マークを描画する。
【0025】
18は画像合成部を示し、制御部12からの制御に基づいて、地図描画部13で描画された地図画像に、誘導経路描画部16で描画された誘導経路、操作画面・マーク発生部14で生成された各種メニュー画面及び各種マーク、画面外施設マーク描画部17で描画された施設マーク等を重ね合わせて、表示装置7の画面に表示させる機能を有している。19は音声出力部を示し、制御部12からの制御に基づいて音声信号(例えば、ナビゲーションに係る案内情報)をスピーカ8に出力する。
【0026】
以上の構成に係る車載用ナビゲーション装置20において、DVD−ROM1aは「記憶手段」に、操作部2は「操作手段」に、表示装置7は「表示手段」に、制御部12は「制御手段」に、地図描画部13は「地図描画手段」及び「第1のマーク描画手段」に、画面外施設マーク描画部17は「第2のマーク描画手段」にそれぞれ対応している。
【0027】
以下、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置20の制御部12において行う周辺施設検索に係る処理について、その処理フローの一例を示す図2を参照しながら説明する。なお、前提条件として、車載用ナビゲーション装置20において、ユーザが、周辺施設検索対象として、操作部2を介して「コンビニエンスストア」という第1階層の施設ジャンルのうちの「ローソン」及び「セブンイレブン」という第2階層の施設ジャンルを指定しているものとする。
【0028】
車載用ナビゲーション装置20に電源が投入されると、最初のステップS11では、制御部12からの制御に基づき、地図描画部13において、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて車両の現在位置周辺の地図画像を描画させると共に、操作画面・マーク発生部14において自車位置マーク及び周辺施設検索ボタンを生成し、画像合成部18において当該地図画像上に自車位置マーク及び周辺施設検索ボタンを重ねて、その画像を表示装置7の画面に表示する。
【0029】
図3は、表示装置7の画面に表示される車両の現在位置周辺の地図画像の一例を示す図である。この図3に示すように、表示装置7の画面の地図画像30上に車両の現在位置を示す自車位置マーク31が配置されている。なお、車両の現在位置周辺の地図の一部分が、表示装置7の画面に地図画像30として表示される。また、画面の左下部の地図画像30上には周辺施設検索ボタン32が配置されている。この周辺施設検索ボタン32は、自車位置周辺の施設を検索することを指示するためのボタンである。
【0030】
次のステップS12では、制御部12において、ユーザが周辺施設検索ボタン32に対応するタッチパネル(操作部2)の領域に指で触れることにより、自車位置の周辺施設を検索することを指示された(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS13に進む。
【0031】
ステップS13では、制御部12において、DVD−ROM1aに格納されている地図データを参照し、自車位置周辺の施設のうち、ユーザに指定されたジャンル(ここでは、「ローソン」及び「セブンイレブン」)に該当する施設を検索する。このとき、制御部12は、例えば、自車位置を検索基点とし、さらにこの検索基点を中心とする半径5kmの範囲を検索範囲として、該当する施設を検索する。このとき、検索数が所定の数(例えば、20)に満たない場合には検索範囲を更に5km広げて、該当する施設を検索する。検索数が所定の数になるまで、このような動作を繰り返す。このようにして周辺施設を検索すると、ステップS14に進む。
【0032】
ステップS14では、制御部12において、地図データを参照し、ステップS13にて検索した周辺施設の個々に対して、検索基点(ここでは、自車位置)に対する当該周辺施設の位置の方位と、検索基点と当該周辺施設の位置との距離を算出する。
【0033】
次のステップS15では、制御部12において、検索した周辺施設のうち、表示装置7の画面外の地図上に位置する周辺施設を画面外施設として検出する。このとき、制御部12は、表示装置7の画面に表示される地図画像30の縮尺から表示装置7の画面の所定単位(例えば、1cm)に相当する距離を算出し、ステップS14にて算出した検索基点に対する個々の周辺施設の方位及び距離を参照することにより、検索した周辺施設から画面外施設を検出する。このようにして画面外施設を検索すると、ステップS16に進む。
【0034】
ステップS16では、制御部12からの制御に基づき、地図画像描画部13において枠状マークを描画し、さらに制御部12において、当該枠状マークを表示装置7の画面内に配置する。このとき、地図画像描画部13は、例えば表示装置7の画面の縁に沿う枠状の領域内の地図画像を、当該画面のその他の領域内の地図画像よりも低い表示輝度で描画することにより、枠状マークを生成する。
【0035】
次のステップS17では、制御部12からの制御に基づき、画面外施設マーク描画部17において、ステップS15にて検出した画面外施設を示す施設マークを、ステップS14にて算出した当該画面外施設の検索基点からの距離に応じた大きさで描画する。そして、制御部12において、その画面外施設の施設マークを、枠状マーク内の、ステップS14にて算出した当該画面外施設の検索基点に対する方位に応じた位置に配置する。
【0036】
次のステップS18では、制御部12からの制御に基づき、画像合成部18において、地図画像30に枠状マーク及び画面外施設の施設マークを配置した画像を生成して、その画像を表示装置7の画面に表示する。この後、本処理フローは「終了」となる。
【0037】
図4は、周辺施設検索を実行した結果、表示装置7の画面に表示される画像の一例を示す図である。
【0038】
この図4に示すように、表示装置7の画面に車両の現在位置周辺の地図画像30が表示されているときに、周辺施設検索を実行すると、表示装置7の画面内の地図画像30上に、カーソル33、枠状マーク40、画面外施設の「ローソン」を示す施設マーク41a,41b、及び、画面外施設の「セブンイレブン」を示す施設マーク42a,42b,42c,42dが配置される。カーソル33は表示装置7の画面の中央部に配置されていて、カーソル33の位置は検索基点を示している。このカーソル33は地図画像30をスクロールさせるためのものである。ユーザが指でカーソル33に触れて、指を任意の方向に移動させると、操作部(タッチパネル)2はその動作に応じた信号を出力する。これにより、制御部12において、表示装置7の画面に対して地図画像30を当該方向にスクロールさせる。
【0039】
また、枠状マーク40に対応する地図画像30の領域は、地図画像30のその他の領域よりも低い輝度となっていて、枠状マーク40の下の地図画像30が見えるようになっている。
【0040】
更に、画面外施設の施設マーク41a,41b及び42a〜42dは、枠状マーク40内の、当該画面外施設の検索基点に対する方位に応じた位置に配置されている。例えば、施設マーク41bは枠状マーク40内の北東の方位に配置されていて、当該施設マーク41bに対応する「ローソン」が北東方向に存在することを示している。
【0041】
更にまた、画面外施設の施設マーク41a,41b及び42a〜42dは、当該画面外施設の検索基点からの距離に応じた大きさで描画されている。例えば、画面外施設の「セブンイレブン」を示す施設マーク41b及び41cは枠状マーク40内のほぼ同じ方位の位置に配置されているものの、施設マーク41bは施設マーク41cよりも大きく、施設マーク41bに対応する「セブンイレブン」は施設マーク41cに対応する「セブンイレブン」よりも近くに存在することを示している。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置20によれば、表示装置7の画面に車両の現在位置周辺の地図画像30が表示されているときに、周辺施設検索を実行すると、表示装置7の画面内に枠状マーク40を配置し、当該枠状マーク40内に、ユーザが指定したジャンルの画面外施設を示す施設マーク41,42を配置している。これにより、ユーザは、当該ジャンルの施設が画面外の地図上に存在することが容易に認識することができる。
【0043】
また、画面外施設を示す施設マーク41,42が、枠状マーク40内の、当該画面外施設の検索基点に対する方位に応じた位置に配置されている。これにより、ユーザは、当該施設が画面外の地図上のどの方位に位置するのか容易に認識することができる。更に、画面外施設を示す施設マーク41,42が、当該画面外施設の検索基点からの距離に応じた大きさで描画されている。これにより、ユーザは、当該施設が画面外の地図のどの位離れた距離に位置するのか容易に認識することができる。以上より、例えば、表示装置の画面に図4に示す画像が表示されているときに、ユーザがカーソル33を用いて地図画像30をスクロールさせて当該施設を探す場合に、地図画像30をどの方向にスクロールさせればよいのか容易に判断することができる。
【0044】
なお、上述した実施形態において、表示装置7の画面に図4に示す画像が表示されているときに、画面外施設を示す施設マーク41,42のいずれかを指定すると、制御部12は、地図データを参照して、当該画面外施設の詳細な情報(例えば、施設の名称、住所、電話番号、営業時間等の情報)を表示装置7の画面に表示させるようにしてもよい。
【0045】
また、画面外施設を示す施設マーク41,42のいずれかを指定したときに、制御部12は、指定した画面外施設の施設マークのみ、あるいは当該画面外施設と同じジャンルの画面外施設の施設マークを削除するようにしてもよい。反対に、指定した画面外施設の施設マークのみ、あるいは当該画面外施設と同じジャンルの画面外施設の施設マークを残して、その他の画面外施設の施設マークを削除するようにしてもよい。これらにより、枠状マーク40内に施設マークが多数存在する場合に、画面外施設の情報を絞り込むことができる。
【0046】
更に、画面外施設を示す施設マーク41,42のいずれかを指定したときに、制御部12は、地図データを参照して、当該画面外施設が表示装置7の画面内に表示される地図の縮尺を算出し、当該縮尺で、地図描画部13に車両の現在位置周辺の地図画像を描画させて、表示装置7の画面に表示させてもよい。あるいは、制御部12は、地図データを参照して、地図描画部13に当該画面外施設周辺の地図画像を描画させて、表示装置7の画面に表示させてもよい。
【0047】
更にまた、画面外施設を示す施設マーク41,42のいずれかを指定したときに、制御部12は、当該画面外施設を目的地又は経由地に設定し、地図データを参照して当該画面外施設までの誘導経路を探索するようにしてもよい。
【0048】
上述した実施形態においては、表示装置7の画面に車両の現在位置周辺の地図画像30が表示されているときに、周辺施設検索を実行すると、図4に示すように画面外施設の施設マーク41,42を、当該画面外施設の検索基点からの距離に応じた大きさで描画されているが、画面外施設の施設マークの表示態様がこれに限定されないことはもちろんである。
【0049】
例えば、図5に示すように、画面外施設の施設マーク43,44を、当該画面外施設の検索基点からの距離に応じた輝度で描画されてもよい。この場合、例えば、画面外施設の「セブンイレブン」を示す施設マーク44cは同じく「セブンイレブン」を示す施設マーク44bよりも高い輝度となっていて、施設マーク44cに対応する「セブンイレブン」は施設マーク44bに対応する「セブンイレブン」よりも近くに存在することを示している。
【0050】
また、図6に示すように、画面外施設の施設マーク45,46の近傍に、当該画面外施設の検索基点からの距離数を付してもよい。
【0051】
更に、図7に示すように、画面外施設の施設マーク47,48を、当該画面外施設の検索基点からの距離に応じた枠状マーク40内の位置に配置してもよい。この場合、例えば、画面外施設の「ローソン」を示す施設マーク47c、47dは共に北東に方位に配置されているものの、施設マーク47dは施設マーク47cよりも検索基点(カーソル33の位置)に近い位置にあり、施設マーク47dに対応する「ローソン」は施設マーク47cに対応する「ローソン」よりも近くに存在することを示している。
【0052】
また、上述した実施形態においては、周辺施設検索を実行したときに、例えば図4に示す枠状マーク40及び画面外施設を示す施設マーク41,42を地図画像30上に表示するようにしているが、当該画像を地図画像上に表示するタイミングがこれに限定されないことはもちろんである。例えば、誘導経路に沿って車両を案内しているときに、常時、車両の現在位置周辺の地図画像上に枠状マーク及び画面外施設を示す施設マークを表示するようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施形態においては、本発明の地図表示装置を車載用ナビゲーション装置20に適用した場合について説明したが、適用対象がこれに限定されないことはもちろんである。例えば、本発明の地図表示装置を車載用ナビゲーション装置以外のナビゲーション装置や、地図表示機能を有するパーソナルコンピュータ等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用ナビゲーション装置(地図表示装置)の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る車載用ナビゲーション装置の制御部において行う周辺施設検索に係る処理の一例を示すフロー図である。
【図3】表示装置の画面に表示される車両の現在位置周辺の地図画像の一例を示す図である。
【図4】周辺施設検索を実行した結果、表示装置の画面に表示される画像の一例を示す図(その1)である。
【図5】周辺施設検索を実行した結果、表示装置の画面に表示される画像の一例を示す図(その2)である。
【図6】周辺施設検索を実行した結果、表示装置の画面に表示される画像の一例を示す図(その3)である。
【図7】周辺施設検索を実行した結果、表示装置の画面に表示される画像の一例を示す図(その4)である。
【符号の説明】
【0055】
1a…DVD−ROM(記憶手段)、
2…操作部(操作手段)、
7…表示装置(表示手段)、
10…車載用ナビゲーション装置本体、
12…制御部(制御手段)、
13…地図描画部(地図描画手段、第1のマーク描画手段)、
17…画面外施設マーク描画部(第2のマーク描画手段)、
20…車載用ナビゲーション装置(地図表示装置)、
40…枠状マーク(枠)、
41〜48…画面外施設の施設マーク(施設マーク)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を通して情報を提供する表示手段と、
操作に応じた信号を出力する操作手段と、
施設情報を含む地図データを記憶する記憶手段と、
前記地図データに基づいて地図画像を表示する地図描画手段と、
前記表示手段の画面の縁に沿う枠を描画する第1のマーク描画手段と、
前記施設情報に基づいて施設のジャンルに応じた施設マークを描画する第2のマーク描画手段と、
前記表示手段、前記操作手段、前記地図描画手段、前記第1のマーク描画手段及び前記第2のマーク描画手段と動作可能に接続された制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記地図描画手段に所定の位置周辺の地図の画像を描画させて前記表示手段の画面に表示させているときに、前記枠を前記第1のマーク描画手段に描画させて前記表示手段の画面内の当該地図に配置し、さらに前記操作手段を介して指定されたジャンルの施設のうち前記表示手段の画面外に存在する施設を画面外施設として検出し、当該画面外施設の前記施設マークを前記第2のマーク描画手段に描画させて当該枠内に配置した画像を前記表示手段の画面に表示させることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記地図データに基づいて前記所定の位置に対する前記画面外施設の位置の方位を算出し、当該画面外施設の施設マークを前記枠内の当該方位に応じた位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記地図データに基づいて前記所定の位置から前記画面外施設までの距離を算出し、当該距離に応じた大きさで当該画面外施設の施設マークを前記第2のマーク描画部に描画させることを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記地図データに基づいて前記所定の位置から前記画面外施設までの距離を算出し、当該距離に応じた前記枠内の位置に当該画面外施設の施設マークを配置することを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記地図データに基づいて前記所定の位置から前記画面外施設までの距離を算出し、当該距離数を付した当該画面外施設の施設マークを前記第2のマーク描画部に描画させることを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記地図データに基づいて前記所定の位置から前記画面外施設までの距離を算出し、当該距離に応じた輝度で前記画面外施設の施設マークを前記第2のマーク描画部に描画させることを特徴とする請求項2に記載の地図表示装置。
【請求項7】
前記枠は、当該枠に対応する前記地図画像の領域を、前記地図画像のその他の領域と異なる表示態様で描画されたものであることを特徴とする請求項1に記載の地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−270887(P2009−270887A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−120414(P2008−120414)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】