説明

基板処理装置および固体原料補充方法

【課題】簡単な構成で固体原料を補充できる基板処理装置および簡単に固体原料を補充できる固体原料補充方法を提供する。
【解決手段】固体原料容器300と、固体原料容器と処理室201との間の配管232bと、固体原料容器と接続された配管380であって、補充用の固体原料を保持する原料補充容器350が取り付けられる取付部を備える配管380と、配管380と真空排気手段246との間に接続された配管259と、配管380に接続され、パージガスを導入するための配管284と、配管259の途中に接続されたバルブ268と、配管284の途中に接続されたバルブ269と、を備え、原料補充容器から固体原料容器へ固体原料を補充するために原料補充容器が取付部に取り付けられた際に、配管内380を真空引きし、その後配管380内にパージガスを導入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および固体原料補充方法に関し、特に、半導体ウエハ等の基板を処理するための基板処理装置および当該基板処理装置に固体原料を補充する固体原料補充方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハの表面に薄膜を形成する場合、内部に半導体ウエハ載置部を備えた処理室を有する基板処理装置が使用される。処理室には原料ガスを供給する原料供給系が接続されており、原料供給系から原料ガスが処理室内に供給され、半導体ウエハ上に薄膜が形成される。
【0003】
基板処理装置を使用した薄膜形成で、GaCl3のような常温において固体である物質を原料として使用する場合、固体原料を収容した固体原料タンクを設け、固体原料タンク内で固体原料を昇華させ、昇華した気体原料を原料ガスとして、原料供給系の配管を通して処理室内に供給する。
【0004】
従来は、固体原料タンク内の固体原料がなくなると、空になった固体原料タンクを原料供給系の配管から外して固体原料が充分に充填されている固体原料タンクと交換することが行なわれている。
【0005】
このような従来技術にあっては、固体原料タンクの交換のために空になった固体原料タンクを原料供給系の配管から外した際に、原料供給系の配管が大気開放され、配管内に大気中の水分などが付着して、水分除去するためのパージ時間が長くなるという問題がある。
【0006】
そこで、固体原料タンクを外すことなく固体原料タンクに原料を補充することができる技術が開発されている(特許文献1参照)。
【0007】
この技術では、固体原料を保持する原料容器と、原料容器に接続され原料容器に固体原料を補充する原料補充容器と、原料補充容器を加熱するヒータと、原料容器と原料補充容器の内部の圧力を調整可能な圧力調整手段とを備える装置を使用して、原料補充容器の内部の圧力を減圧し、原料補充容器の内部を加熱して固体原料を昇華させて気体原料へ変態させ、原料容器の内部の圧力を減圧することで原料補充容器からの気体原料を原料容器に捕集し、原料補充容器の内部を降温することを所定回数繰り返すことによって、原料補充容器から原料容器に固体原料を補充している。
【0008】
また、固体原料を加熱して蒸発させて成膜用の原料ガスを得るために、固体原料を貯留する固体原料貯留部と、固体原料貯留部から供給される固体原料を溶融させて液体原料を得る固体原料受け入れ室と、固体原料受け入れ室と連通し、固体原料受け入れ室から供給されるを気化させる気化室と、を備えた装置も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−40695号公報
【特許文献2】特開2010−144221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような固体原料補充技術では、装置構成が複雑なものとなり、補充方法も複雑なものとなる。
【0011】
本発明の主な目的は、簡単な構成で固体原料を補充できる基板処理装置および簡単に固体原料を補充できる固体原料補充方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、
基板を収容可能な処理室と、
前記基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記処理室へ供給する原料供給系と、
制御部と、
を有する基板処理装置であって、
前記原料供給系は、
前記固体原料を収容する固体原料容器と、
前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、
前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、
前記第2の配管と真空排気手段との間に接続された第3の配管と、
前記第2の配管に接続され、パージガスを導入するための第4の配管と、
前記第3の配管の途中に接続された第1のバルブと、
前記第4の配管の途中に接続された第2のバルブと、を備え、
前記制御部は、前記原料補充容器から前記固体原料容器へ前記固体原料を補充するために前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際に、前記第2の配管内を真空引きし、その後前記第2の配管内に前記パージガスを導入するように、前記真空排気手段と前記第1のバルブと前記第2のバルブとを制御する制御手段である基板処理装置が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、
基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記基板を処理する処理室へ供給する原料供給系であって、前記固体原料を収容する固体原料容器と、前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、前記第2の配管と真空排気手段との間に接続された第3の配管と、前記第2の配管に接続され、パージガスを導入するための第4の配管と、前記第3の配管の途中に接続された第1のバルブと、前記第4の配管の途中に接続された第2のバルブと、を備える前記原料供給系の前記取付部に前記原料補充容器を取り付ける工程と、
前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた状態で、前記第2のバルブを閉じ、前記第1のバルブを開けて、前記第2の配管内を前記真空排気手段で真空引きする工程と、
その後、前記第1のバルブを閉じ、前記第2のバルブを開けて、前記第2の配管内に前記パージガスを導入する工程と、
その後、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を前記第2の配管を介して補充する工程と、
を備える固体原料補充方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な構成で固体原料を補充できる基板処理装置および簡単に固体原料を補充できる固体原料補充方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の構成を説明するための概略斜透視図である。
【図2】図2は、本発明の好ましい第1の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉の一例とそれに付随する原料供給系や排気系等を説明するための概略構成図であって、処理炉部分を概略縦断面で示す概略構成図である。
【図3】図3は、図2に示す処理炉の内部構造を説明するための概略横断面図である。
【図4】図4は、図2に示す処理炉のノズルを説明するための概略図である。
【図5】図5は、図4のA部の概略部分拡大図である。
【図6】図6は、本発明の好ましい第1の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置に原料補充カートリッジを取り付けた際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための図である。
【図7】図7は、本発明の好ましい第1の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置に原料補充カートリッジを取り付けた際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための一部切り欠き概略正面図である。
【図8】図8は、本発明の好ましい第1の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置に原料補充カートリッジを取り付けた際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための、図7のAA線概略矢視図である。
【図9】図9は、本発明の好ましい第1の実施の形態で好適に用いられる原料補充カートリッジを説明するための概略部分断面図である。
【図10】図10は、本発明の好ましい第1の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置から原料補充カートリッジを取り外した際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための一部切り欠き概略正面図である。
【図11】図11は、本発明の好ましい第1の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置から原料補充カートリッジを取り外した際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための、図10のAA線概略矢視図である。
【図12】図12は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉の一例とそれに付随する原料供給系や排気系等を説明するための概略構成図であって、処理炉部分を概略縦断面で示す概略構成図である。
【図13】図13は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置に原料補充カートリッジを取り付けた際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための図である。
【図14】図14は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置に原料補充カートリッジを取り付けた際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための一部切り欠き概略正面図である。
【図15】図15は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置に原料補充カートリッジを取り付けた際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための、図14のBB線概略矢視図である。
【図16】図16は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる原料補充カートリッジを説明するための概略部分断面図である。
【図17】図17は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる原料補充カートリッジを説明するための概略部分断面図である。
【図18】図18は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置に原料補充カートリッジを取り外した際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための図である。
【図19】図19は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置から原料補充カートリッジを取り外した際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための一部切り欠き概略正面図である。
【図20】図20は、本発明の好ましい第2の実施の形態で好適に用いられる基板処理装置から原料補充カートリッジを取り外した際の状態と、原料供給タンクと原料補充カートリッジの周囲の配管等を説明するための、図19のBB線概略矢視図である。
【図21】図21は、比較のための、原料供給タンクを取り外して固体原料を補充する技術を説明するための図であり、原料供給タンクを取り付けた状態を示している。
【図22】図22は、比較のための、原料供給タンクを取り外して固体原料を補充する技術を説明するための図であり、原料供給タンクを取り外した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
まず、本発明の好ましい第1および第2の実施の形態で好適に使用される基板処理装置について説明する。この基板処理装置は、半導体装置の製造に使用される半導体製造装置の一例として構成されているものである。
【0018】
下記の説明では、基板処理装置の一例として、基板に対し成膜処理等をおこなう縦型の装置を使用した場合について述べる。しかし、本発明は、縦型装置の使用を前提としたものでなく、例えば、枚葉装置を使用しても良い。また、成膜処理だけでなく、エッチング処理等にも使用してもよい。
【0019】
図1を参照すれば、基板処理装置101では、基板の一例となるウエハ200を収納したカセット110が使用されており、ウエハ200は半導体シリコン等の材料から構成されている。基板処理装置101は筐体111を備えており、筐体111の内部にはカセットステージ114が設置されている。カセット110はカセットステージ114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入されたり、カセットステージ114上から搬出されたりする。
【0020】
カセットステージ114上にはカセット110が、工程内搬送装置(図示せず)によって、カセット110内のウエハ200が垂直姿勢を保持しかつカセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くように載置される。カセットステージ114は、カセット110を筐体111の後方に右回り縦方向90°回転し、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体111の後方を向くように動作可能となるよう構成されている。
【0021】
筐体111内の前後方向の略中央部にはカセット棚105が設置されており、カセット棚105は複数段複数列にて複数個のカセット110を保管するように構成されている。カセット棚105にはウエハ移載機構125の搬送対象となるカセット110が収納される移載棚123が設けられている。
【0022】
カセットステージ114の上方には予備カセット棚107が設けられ、予備的にカセット110を保管するように構成されている。
【0023】
カセットステージ114とカセット棚105との間には、カセット搬送装置118が設置されている。カセット搬送装置118は、カセット110を保持したまま昇降可能なカセットエレベータ118aと、搬送機構としてのカセット搬送機構118bとを備えている。カセット搬送装置118はカセットエレベータ118aとカセット搬送機構118bとの連動動作により、カセットステージ114とカセット棚105と予備カセット棚107との間で、カセット110を搬送するように構成されている。
【0024】
カセット棚105の後方には、ウエハ移載機構125が設置されている。ウエハ移載機構125は、ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置125aと、ウエハ移載装置125aを昇降させるためのウエハ移載装置エレベータ125bとを備えている。ウエハ移載装置125aにはウエハ200をピックアップするためのツイーザ125cが設けられている。ウエハ移載装置125はウエハ移載装置125aとウエハ移載装置エレベータ125bとの連動動作により、ツイーザ125cをウエハ200の載置部として、ウエハ200をボート217に対して装填(チャージング)したり、ボート217から脱装(ディスチャージング)したりするように構成されている。
【0025】
筐体111の後部上方には、ウエハ200を熱処理する処理炉202が設けられており、処理炉202の下端部が炉口シャッタ147により開閉されるように構成されている。
【0026】
処理炉202の下方には処理炉202に対しボート217を昇降させるボートエレベータ115が設けられている。ボートエレベータ115の昇降台にはアーム128が連結されており、アーム128にはシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219はボート217を垂直に支持するとともに、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0027】
ボート217は複数の保持部材を備えており、複数枚(例えば50〜150枚程度)のウエハ200をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0028】
カセット棚105の上方には、清浄化した雰囲気であるクリーンエアを供給するクリーンユニット134aが設置されている。クリーンユニット134aは供給ファン(図示せず)および防塵フィルタ(図示せず)を備えており、クリーンエアを筐体111の内部に流通させるように構成されている。
【0029】
筐体111の左側端部には、クリーンエアを供給するクリーンユニット134bが設置されている。クリーンユニット134bも供給ファン(図示せず)および防塵フィルタ(図示せず)を備えており、クリーンエアをウエハ移載装置125aやボート217等の近傍を流通させるように構成されている。当該クリーンエアは、ウエハ移載装置125aやボート217等の近傍を流通した後に、筐体111の外部に排気されるようになっている。
【0030】
続いて、基板処理装置101の主な動作について説明する。
【0031】
工程内搬送装置(図示略)によってカセット110がカセットステージ114上に搬入されると、カセット110は、ウエハ200がカセットステージ114の上で垂直姿勢を保持し、カセット110のウエハ出し入れ口が上方向を向くようにカセットステージ114上に載置される。その後、カセット110は、カセットステージ114によって、カセット110内のウエハ200が水平姿勢となり、カセット110のウエハ出し入れ口が筐体111の後方を向くように、筐体111の後方に右周り縦方向90°回転させられる。
【0032】
その後、カセット110は、カセット棚105ないし予備カセット棚107の指定された棚位置へカセット搬送装置118によって自動的に搬送され受け渡され、一時的に保管された後、カセット棚105ないし予備カセット棚107からカセット搬送装置118によって移載棚123に移載されるか、もしくは直接移載棚123に搬送される。
【0033】
カセット110が移載棚123に移載されると、ウエハ200はカセット110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってカセット110のウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、ボート217に装填(チャージング)される。ボート217にウエハ200を受け渡したウエハ移載装置125aはカセット110に戻り、後続のウエハ200をボート217に装填する。
【0034】
予め指定された枚数のウエハ200がボート217に装填されると、処理炉202の下端部を閉じていた炉口シャッタ147が開き、処理炉202の下端部が開放される。その後、ウエハ200群を保持したボート217がボートエレベータ115の上昇動作により処理炉202内に搬入(ローディング)され、処理炉202の下部がシールキャップ219により閉塞される。
【0035】
ローディング後は、処理炉202にてウエハ200に対し任意の処理が実施される。その処理後は、上述の逆の手順で、ウエハ200およびカセット110が筐体111の外部に搬出される。
【0036】
(第1の実施の形態)
次に図2〜図5を参照して前述した基板処理装置101に使用される第1の実施の形態の処理炉202や原料供給系230、排気系240等について説明する。
【0037】
図2を参照すれば、処理炉202にはウエハ200を加熱するための加熱装置(加熱手段)であるヒータ207が設けられている。ヒータ207は上方が閉塞された円筒形状の断熱部材と複数本のヒータ素線とを備えており、断熱部材に対しヒータ素線が設けられたユニット構成を有している。ヒータ207の内側には、ウエハ200を処理するための石英製の反応管203が設けられている。
【0038】
反応管203の下部にはマニホールド209が設けられている。マニホールド209は、保持部材としてのヒータベース221に固定されている。反応管203の下端部およびマニホールド209の上部開口端部には、それぞれ環状のフランジが設けられ、これらのフランジ間には気密部材(以下Oリング)220が配置され、両者の間は気密にシールされている。
【0039】
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219はマニホールド209の下端に垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ219は例えばステンレス等の金属からなり、円盤状に形成されている。マニホールド209の下部開口端部に設けられた環状のフランジとシールキャップ219の上面との間には気密部材(以下Oリング)220が配置され、両者の間は気密にシールされている。少なくとも、反応管203、マニホールド209、及びシールキャップ219により処理室201が形成されている。
【0040】
シールキャップ219にはボート217を支持するボート支持台218が設けられている。ボート217はボート支持台218に固定された底板210とその上方に配置された天板211とを有しており、底板210と天板211との間に複数本の支柱212が架設された構成を有している(図1参照)。ボート217には複数枚のウエハ200が保持されている。複数枚のウエハ200は、互いに一定の間隔をあけながら水平姿勢を保持した状態で反応管203の管軸方向に多段に積載されボート217の支柱212に支持されている。
【0041】
シールキャップ219の処理室201と反対側にはボートを回転させる回転機構227が設けられている。回転機構227はシールキャップ219を貫通してボート支持台218に接続されており、回転機構227によって、ボート支持台218を介してボート217を回転させることでウエハ200を回転させる。
【0042】
シールキャップ219は反応管203の外部に設けられた昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降され、これによりボート217を処理室201内に対し搬入搬出することが可能となっている。
【0043】
以上の処理炉202では、複数枚のウエハ200がボート217に搭載された状態で、ボート217がボート支持台218で支持されながら処理室201に挿入される。処理室201に挿入されたボート217には、バッチ処理される複数のウエハ200が水平姿勢で反応管203の管軸方向に多段に積載されている。ヒータ207が処理室201に挿入されたウエハ200を所定の温度に加熱するようになっている。
【0044】
図2〜図5を参照すれば、処理室201へは複数種類、ここでは2種類のガスを供給する供給経路としての2本のガス供給管232a、232bが設けられている。ガス供給管232a、232bの端部は、マニホールド209の下部を貫通するように設けられており、ガス供給管232bは、処理室201内でガス供給管232aと合流して、2本のガス供給管232a、232bが一本の多孔ノズル233の下端部に連通されている。ノズル233の上部には、図5に示すように、ガスを放出する複数のガス供給孔238bが設けられている。
【0045】
ノズル233は、処理室201内にほぼ垂直に設けられ、反応管203の下部より上部にわたりウエハ200の積載方向に沿って配設されている。反応管203の上部は、ガス供給管232bから供給される原料ガスの分解温度以上の領域に延在するように配置されている。一方、ガス供給管232bが処理室201内でガス供給管232aと合流する箇所は、原料ガスの分解温度未満の領域であり、ウエハ200およびウエハ付近の温度よりも低い温度の領域である。
【0046】
ガス供給管232aには、上流側から順に、流量制御手段としてのマスフローコントローラ241および開閉弁であるバルブ251および250が設けられている。さらに、ガス供給管232aには、バルブ250とバルブ251との間に、後述の排気管247に接続されたベントライン257およびバルブ256が設けられている。
【0047】
主に、ガス供給管232a、マスフローコントローラ241、バルブ250、251、ノズル233、ベントライン257およびバルブ256によりガス供給系230aが構成されている。
【0048】
また、ガス供給管232aにはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管232dが、バルブ250の下流側で接続されている。キャリアガス供給管232dにはマスフローコントローラ244およびバルブ254が設けられている。主に、キャリアガス供給管232d、マスフローコントローラ244、バルブ254によりキャリアガス供給系(不活性ガス供給系)230dが構成されている。キャリアガス供給系230dからは、例えば、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスが供給される。
【0049】
ガス供給管232aでは、気体状の原料ガスがマスフローコントローラ241で流量調整されて供給される。なお、原料ガスを処理室201に供給していない間は、バルブ250を閉じ、バルブ256を開けて、バルブ256を介して原料ガスをベントライン257に流しておく。
【0050】
そして、原料ガスを処理室201に供給する際には、バルブ256を閉じ、バルブ250を開けて、原料ガスをバルブ250の下流のガス供給管232aに供給する。一方、キャリアガスがマスフローコントローラ244で流量調整されてバルブ254を介してキャリアガス供給管232dから供給され、原料ガスはバルブ250の下流側でこのキャリアガスと合流し、ノズル233を介して処理室201に供給される。
【0051】
本実施の形態では、原料ガスとして、例えばアンモニアガス(NH3)が、ガス供給管232aに供給され、ノズル233を介して処理室201に供給される。アンモニアガスを供給しているのは、GaN膜を成膜する場合を想定しているためであり、成膜する膜の種類に応じて、アンモニアガスの代わりに、オゾンガス、H2O、H2+CO2ガス等が適宜供給される。
【0052】
ガス供給管232bの上流側端部には、固体原料400を収容した固体原料タンク300が接続されている。ガス供給管232bには、固体原料タンク300から順に開閉弁であるバルブ265および261が設けられている。さらに、ガス供給管232bには、バルブ265とバルブ261との間に、後述の排気管231に接続されたベントライン258およびバルブ262が設けられている。固体原料タンク300には、配管375を介してガス供給管282が接続されている。ガス供給管282には、上流側から順に、流量制御手段としてのマスフローコントローラ242、開閉弁であるバルブ263および264が設けられている。バルブ265とバルブ261との間のガス供給管232bと、バルブ263とバルブ264との間のガス供給管282との間には配管283が接続されている。配管283には開閉弁であるバルブ266が設けられている。バルブ261〜266、ガス供給管282の一部、ガス供給管232bの一部および配管283は、図7、8に示すように、集合バルブ260として構成されている。
【0053】
固体原料タンク300を加熱するヒータ450、451、452が設けられている。ヒータ450、451、452によって固体原料タンク300の底面、側面、天井部がそれぞれ加熱され、固体原料タンク300の収容された固体原料400を所定温度に加熱すると共に、再固化による固体原料タンク300の内壁への原料の付着を防止している。また、バルブ261からマニホールド209までのガス供給管232bには、ヒータ281が巻回され、固体原料タンク300からバルブ261までの間のガス供給管232bには、ヒータ285が巻回され、ベントライン258には、ヒータ421が巻回され、再固化による管内壁への原料の付着を防止するため、加熱可能に構成されている。さらに、後述するバルブ267にもヒータ453が取り付けられ、再固化によるバルブ内壁への原料の付着を防止するため、加熱可能に構成されている。
【0054】
また、バルブ265と固体原料タンク300との間のガス供給管232bには、圧力センサ410が設けられている。圧力センサ410は、加熱高温対応可能である。圧力センサ410によって固体原料タンク300内に分圧をモニタし、固体原料タンク300中で原料が昇華して、適切な圧力状態にあるかどうかや、原料の残量が減少することで圧力が降下しないかなどを観察する。
【0055】
主に、ガス供給管282、マスフローコントローラ242、バルブ263、264、配管375、固体原料タンク300、ガス供給管232b、バルブ265、261、ノズル233、ベントライン258およびバルブ262によりガス供給系230bが構成されている。
【0056】
また、ガス供給管232bにはキャリアガスを供給するためのキャリアガス供給管232cが、バルブ261の下流側で接続されている。キャリアガス供給管232cにはマスフローコントローラ243およびバルブ253が設けられている。主に、キャリアガス供給管232c、マスフローコントローラ243、バルブ253によりキャリアガス供給系(不活性ガス供給系)230cが構成されている。キャリアガス供給系230cからは、例えば、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスが供給される。
【0057】
ヒータ450、451、452により、固体原料400を収容した固体原料タンク300を所定温度に加熱すると、固体原料400が昇華して、気体となって、固体原料タンク300内の空間304に所定温度に対応した所定分圧で存在する。その状態で、キャリアガスとして例えば、窒素(N)ガスをマスフローコントローラ242で流量調整して、配管282に供給する。窒素(N)ガスは、バルブ263、264、配管375を介して固体原料タンク300内の空間304に供給され、気体となった固体原料400が窒素(N)ガスと共に配管232bに流入する。気体となった固体原料400を処理室201に供給していない間は、バルブ261を閉じ、バルブ262を開けて、バルブ262を介して原料ガスをベントライン258に流しておく。
【0058】
そして、気体となった固体原料400を処理室201に供給する際には、バルブ262を閉じ、バルブ261を開けて、気体となった固体原料400を窒素(N)ガスと共にバルブ261の下流のガス供給管232bに供給する。一方、キャリアガスである窒素(N)ガスがマスフローコントローラ243で流量調整されてバルブ253を介してキャリアガス供給管232cから供給され、気体となった固体原料400と窒素(N)ガスは、バルブ261の下流側でキャリアガス供給管232cから供給されるキャリアガス(窒素ガス)と合流し、ノズル233を介して処理室201に供給される。
【0059】
本実施の形態では、固体原料400として、例えばGaClが用いられ、昇華して気体となったGaClが、ガス供給管232bに供給され、ノズル233を介して処理室201に供給される。固体原料400として、GaClを使用しているのは、GaN膜を成膜する場合を想定しているためであり、成膜する膜の種類に応じて、GaClの代わりに、AlCl等が適宜用いられる。
【0060】
主に、ガス供給系230a、ガス供給系230b、キャリアガス供給系230c、キャリアガス供給系230dにより原料供給系230が構成されている。
【0061】
なお、配管283およびバルブ266は、パージ用であり、通常は閉じておき、パージする際には、バルブ264、265を閉じ、バルブ263、266を開け、バルブ261または262を開けて、ガス供給管282、バルブ263、配管283、バルブ266、ガス供給管232bおよびバルブ261を介して,またはガス供給管282、バルブ263、配管283、バルブ266、ベントライン258およびバルブ262を介してパージを行う。
【0062】
マニホールド209には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が接続されている。排気管231には処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ255を介して真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されており、処理室201内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気し得るように構成されている。真空ポンプ246の下流側の排気管247は廃ガス処理装置(図示せず)等に接続されている。なお、APCバルブ255は、弁を開閉して処理室201内の真空排気・真空排気停止ができ、更に弁開度を調節してコンダクタンスを調整して処理室201内の圧力調整をできるようになっている開閉弁である。主に、排気管231、APCバルブ255、真空ポンプ246、圧力センサ245により排気系240が構成される。
【0063】
反応管203内には温度検出器としての温度センサ(図示せず)が設置されており、温度センサにより検出された温度情報に基づきヒータ207への供給電力を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となるように構成されている。
【0064】
反応管203内の中央部にはボート217が設けられている。ボート217は、ボートエレベータ115(図1参照)により反応管203に対し昇降(出入り)することができるようになっている。ボート217が反応管203内に導入されると、マニホールド209の下端部がOリング220を介してシールキャップ219で気密にシールされる。ボート217はボート支持台218に支持されている。処理の均一性を向上するために、ボート回転機構227を駆動し、ボート支持台218に支持されたボート217を回転させる。
【0065】
以上のマスフローコントローラ241、242、243、244、バルブ250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、268、269、APCバルブ255、ヒータ207、281、285、421、450、451、452、温度センサ(図示せず)、圧力センサ245、真空ポンプ246、ボート回転機構227、ボートエレベータ115、および後述するバルブ268、269等の各部材はコントローラ280に接続されている。コントローラ280は、基板処理装置101の全体の動作を制御する制御部(制御手段)の一例であって、マスフローコントローラ241、242、243、244の流量調整、バルブ250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、バルブ268、269の開閉動作、APCバルブ255の開閉および圧力センサ245に基づく圧力調整動作、ヒータ281、285、421、450、451、452の温度調整動作、温度センサ(図示せず)に基づくヒータ207の温度調整動作、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構227の回転速度調節、ボートエレベータ115の昇降動作等をそれぞれ制御するようになっている。なお、バルブ250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、268、269はエアーバルブであり、それぞれ電磁弁を介してコントローラ280で制御される。
【0066】
次に、上述した基板処理装置101を使用して、GaN膜を形成するプロセスについて説明する。なお、以下のステップは、コントローラ280の制御によって行われる。
【0067】
ヒータ207を制御して処理室201内を所定の温度に保持する。
【0068】
その後、複数枚のウエハ200がボート217に装填されると、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内に搬入される。この状態で、シールキャップ219はOリング220を介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
【0069】
その後、ボート217をボート駆動機構227により回転させ、ウエハ200を回転させる。その後、APCバルブ255を開いて真空ポンプ246により処理室201内を真空引きし、ウエハ200の温度等が安定したら、次のステップを順次実行する。
【0070】
本実施の形態では、ALD(Atomic Layer Deposition)法を用いてGaN膜の成膜を行う。ALD法とは、ある成膜条件(温度等)の下で、成膜に用いる少なくとも2種類の原料となる原料ガスを1種類ずつ交互に基板上に供給し、1原子単位で基板上に吸着させ、表面反応を利用して成膜を行う手法である。このとき、膜厚の制御は、原料ガスを供給するサイクル数で行う(例えば、成膜速度が1Å/サイクルとすると、20Åの膜を形成する場合、20サイクル行う)。
【0071】
粉末加工されたGaClを固体原料400として収容した固体原料タンク300をヒータ450、451、452で所定の温度に加熱しておく。また、ヒータ281、285によりガス供給管232bを、ヒータ421によりベントライン258を、それぞれ所定の温度に加熱しておく。
【0072】
排気管231のAPCバルブ255を所定の角度開いておき、バルブ263、264、265を開けてキャリアガスとして窒素(N)ガスを配管282から固体原料タンク300に供給し、バルブ261を開けて気体となったGaClを窒素ガスと共にガス供給管232bに供給する。一方、バルブ253を開けてキャリアガスである窒素(N)ガスをキャリアガス供給管232cから供給し、気体となったGaClと窒素ガスを、バルブ261の下流側でキャリアガス供給管232cから供給される窒素ガスと合流させ、ノズル233を介して処理室201に供給する。
【0073】
次に、バルブ261およびバルブ253を閉めて、気体となったGaClと窒素ガスの処理室201への供給を止め、排気管231のAPCバルブ255は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を排気し、残留GaClを処理室201内から除去する。
【0074】
排気管231のAPCバルブ255を所定の角度開いたままで、バルブ251、250を開けてNHガスをガス供給管232aに供給する。一方、バルブ254を開けてキャリアガスである窒素ガスをキャリアガス供給管232dから供給し、NHガスを、バルブ251の下流側でキャリアガス供給管232dから供給される窒素ガスと合流させ、ノズル233を介して処理室201に供給する。
【0075】
次に、バルブ250およびバルブ254を閉めて、NHガスと窒素ガスの処理室201への供給を止め、排気管231のAPCバルブ255は開いたままとし、真空ポンプ246により処理室201内を排気し、残留NHガスとを処理室201内から除去する。
【0076】
以上の、気体となったGaClの処理室201への供給、GaClの処理室201からの除去、NHガスの処理室201への供給、NHガスの処理室201からの除去の4工程を1サイクルとし、所定回数繰り返すことにより、ウエハ200上にGaN膜の成膜を行なう。
【0077】
所定膜厚のGaN膜を形成する成膜処理がなされると、N等の不活性ガスを処理室201内へ供給しつつ排気することで処理室201内を不活性ガスでパージする。その後、処理室201内の雰囲気を不活性ガスで置換し、処理室201内の圧力を大気圧に復帰する。その後、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を下降して、マニホールド209の下端を開口し、処理済ウエハ200をボート217に搭載された状態でマニホールド209の下端から処理室201の外部に搬出する。その後、処理済ウエハ200をボート217より取り出す。
【0078】
以上のようにして、ウエハ200へのGaN膜の成膜を繰り返して、固体原料タンク300が空になると、固体原料タンク300に固体原料400の補充を行う。
【0079】
次に、固体原料タンク300に固体原料400の補充を行うための構造と、補充方法について説明する。
【0080】
図2、6〜8を参照すれば、固体原料タンク300は密閉された構造となっている。固体原料タンク300の底部303には、中央が低く、周辺部が高い傾斜部302が設けられている。固体原料タンク300の天井板310には、貫通孔314、316が設けられている。貫通孔314には、継ぎ手322を介してガス供給管232bのバルブ265が接続されている。貫通孔316には、配管375が接続されている。配管375にはバルブ267が接続され、バルブ267には配管380が接続され、配管380には、固体原料400を補充するための原料補充カートリッジ350が取り付けられている。配管375には、また、継ぎ手321を介してガス供給管282のバルブ264が接続されている。
【0081】
配管375のフランジ374には、Oリング373を介してバルブ267のフランジ372がクランプ384によって固定されている。バルブ267のフランジ371には、Oリング370を介して配管380のフランジ369がクランプ383によって固定されている。配管380のフランジ368には、Oリング367を介して原料補充カートリッジ350のバルブ270のフランジ366がクランプ382によって固定されている。配管380のフランジ368は、貫通孔316の真上に位置している。バルブ267およびバルブ270は手動のバタフライバルブである。
【0082】
配管380には、パージガス供給配管284および配管259が接続されている。パージガス供給配管284にはバルブ269が設けられている。パージガス供給配管284に供給するパージガスとしては、例えば、窒素(N)ガスが用いられる。配管259は、真空ポンプ246の下流側の排気管231に接続されている(図2参照)。配管259にはバルブ268が設けられている。バルブ268、269の開閉動作は、コントローラ280で制御される。
【0083】
なお、上述した原料供給系230には、ガス供給系230a、ガス供給系230b、キャリアガス供給系230c、キャリアガス供給系230dだけでなく、固体原料タンク300に接続されたパージガス供給配管284、配管259およびバルブ268、269も含まれる。
【0084】
図9を参照すれば、原料補充カートリッジ350は、びん351と、バルブ270と、アダプター360とを備え、びん351にはアダプター360を介してバルブ270が取り付けられている。びん351の口部353の外周部にはねじ溝355が設けられている。アダプター360の一端部361の内周部にはねじ溝362が設けられている。びん351の口部353とアダプター360との間には、PTFE製のパッキン357が設けられ、アダプター360は、びん351の口部353にパッキン357を介して取り付けられている。アダプター360の他端部にはフランジ363が設けられている。アダプター360のフランジ363には、Oリング364を介してバルブ270のフランジ365がクランプ381によって固定されている。
【0085】
図7、図8は、原料補充カートリッジ350を配管380に取り付けた状態を示しており、図10、図11は、原料補充カートリッジ350を配管380から取り外した状態を示している。図10を参照すれば、原料補充カートリッジ350を配管380から取り外した後には、配管380のフランジ368には、Oリング367を介して閉止板377がクランプ382によって固定される。
【0086】
次に、原料補充カートリッジ350を使用して、固体原料タンク300に固体原料400を補充する方法について説明する。
【0087】
固体原料タンク300が空になると、原料補充カートリッジ350を配管380に取り付ける。この際には、配管380のフランジ368に、Oリング367を介して原料補充カートリッジ350のバルブ270のフランジ366をクランプ382によって固定する。なお、バルブ267、270は閉じたままである。原料補充カートリッジ350を配管380に取り付けた後、バルブ268を開け、配管259、排気管231を介して真空ポンプ246により、配管380内を真空引きする。その後、バルブ268を閉じ、バルブ269を開け、配管380内を窒素ガスでパージする。パージ完了後、バルブ269を閉じる。
【0088】
原料補充カートリッジ350のバルブ270と、バルブ267とを開け、原料補充カートリッジ350のびん351内の固体原料400を固体原料タンク300に落下させて供給する。供給された固体原料400は、固体原料タンク300の底部303の傾斜部302により、固体原料タンク300の中央部へ均等に供給される。固体原料400を固体原料タンク300に供給した後においても、固体原料400と天井板310との間には空間304が形成されるようにする。
【0089】
固体原料400の固体原料タンク300への供給が終わると、バルブ270と、バルブ267とを閉じ、バルブ268を開け、配管259、排気管231を介して真空ポンプ246により、配管380内を真空引きする。その後、バルブ268を閉じ、バルブ269を開け、配管380内を窒素ガスでパージする。パージ完了後、バルブ269を閉じる。
【0090】
その後、クランプ382を外して、原料補充カートリッジ350を配管380から取り外す。原料補充カートリッジ350を配管380から取り外した後には、配管380のフランジ368には、Oリング367を介して閉止板377がクランプ382によって固定される(図10参照)。
【0091】
一方、取り外した原料補充カートリッジ350は、原料供給メーカーへ送付され、次の固体原料400が、原料補充カートリッジ350に充填される。
【0092】
(第2の実施の形態)
次に図12を参照して前述した基板処理装置101に使用される第2の実施の形態の処理炉202や原料供給系230、排気系240等について説明する。本実施の形態の処理炉202および排気系240は第1の実施の形態の処理炉202および排気系240と同じである。本実施の形態の原料供給系230は、原料供給系230も、第1の実施の形態では、ガス供給管282および配管283にはヒータが設けられていないのに対して、本実施の形態では、ガス供給管282にヒータ422が設けられ、配管283にヒータ423が設けられている点が実施の形態の原料供給系230と異なるが、他の点は同じである。また、第2の実施の形態の基板処理装置101を使用してGaNを形成するプロセスも第1の実施の形態と同じである。
【0093】
次に、固体原料タンク300に固体原料400の補充を行うための構造と、補充方法について説明する。
【0094】
図12〜15を参照すれば、本実施の形態の固体原料タンク300は、第1の実施の形態の固体原料タンク300の構造と同じである。固体原料タンク300の貫通孔316には、配管375が接続されている。配管375にはバルブ267が接続され、バルブ267には配管380が接続され、配管380には、固体原料400を補充するための原料補充カートリッジ470が取り付けられている。
【0095】
配管375のフランジ374には、Oリング373を介してバルブ267のフランジ372がクランプ384によって固定されている。バルブ267のフランジ371には、Oリング370を介して配管380のフランジ369がクランプ383によって固定されている。配管380のフランジ368には、Oリング367を介して原料補充カートリッジ470のバルブ480のフランジ466がクランプ382によって固定されている。配管380のフランジ368は、貫通孔316の真上に位置している。バルブ267およびバルブ480は手動のバタフライバルブである。
【0096】
配管380には、パージガス供給配管284および配管259が接続されている。パージガス供給配管284にはバルブ269が設けられている。パージガス供給配管284に供給するパージガスとしては、例えば、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガスが用いられる。配管259は、真空ポンプ246の下流側の排気管231に接続されている(図12参照)。配管259にはバルブ268が設けられている。バルブ268、269の開閉動作は、コントローラ280で制御される。パージガス供給配管284にはヒータ425が設けられ、配管259にはヒータ426が設けられている。
【0097】
バルブ269の上流側のパージガス供給配管284には配管494の一端が接続されている。配管494にはバルブ485が設けられている。配管494の他端には継手512が設けられている。バルブ268の下流側の配管259には配管495の一端が接続されている。配管495にはバルブ487が設けられている。配管495の他端には継手511が設けられている。バルブ485と継手512の間の配管494とバルブ487と継手511の間の配管495との間には、配管493が接続されている。配管493にはバルブ486が設けられている。
【0098】
なお、原料供給系230には、ガス供給系230a、ガス供給系230b、キャリアガス供給系230c、キャリアガス供給系230dだけでなく、固体原料タンク300に接続されたパージガス供給配管284、配管259およびバルブ269、268も含まれる。
【0099】
原料補充カートリッジ470は、容器471と、バルブ480と、バルブ483と、バルブ484とを備えている。容器471は、容器本体472と、その下の容器取り付け用配管部473とを備えている。容器取り付け用配管部473の上端部は、容器本体472に連通している。容器取り付け用配管部473の下端部にはフランジ463が設けられている。容器取り付け用配管部473のフランジ463には、Oリング464を介してバルブ480のフランジ465がクランプ481によって固定されている。
【0100】
容器取り付け用配管部473には配管491が接続されている。配管491にはバルブ483が接続されている。容器本体472の上部には配管492が接続されている。配管492にはバルブ484が接続されている。
【0101】
容器本体472には、蓋474がねじ476で取り付けられている。容器本体472と蓋474との間には、Oリング等の封止部材(図示せず)が設けられている。蓋474には、固体原料400が見えるように窓475が設けられている。
【0102】
図13〜図15は、原料補充カートリッジ470を配管380に取り付けた状態を示している。上述のように、原料補充カートリッジ470のバルブ480は、クランプ382によって配管380に固定されている。バルブ483は配管494の継手512に接続されている。バルブ484は配管495の継手511に接続されている。
【0103】
図16〜図20は、原料補充カートリッジ470を配管380に取り付ける前および取り外した後の状態を示している。なお、取り外した場合には、固体原料400は容器471内には残っていない。原料補充カートリッジ470を配管380に取り付ける前および取り外した後では、バルブ480のフランジ466には、Oリング489を介して閉止板488がクランプ482によって固定されている。バルブ483には閉止栓498が取り付けられ、バルブ484には閉止栓499が取り付けられている。また、配管380のフランジ368には、Oリング367を介して閉止板377がクランプ382によって固定されている。配管494の継手512には閉止栓478が取り付けられ、配管495の継手511には閉止栓479が取り付けられている。
【0104】
本実施の形態では、マスフローコントローラ241、242、243、244、バルブ250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、268、269、483、484、485、486、487、APCバルブ255、ヒータ207、281、285、421、422、423、424、425、426、450、451、452、453、温度センサ(図示せず)、圧力センサ245、真空ポンプ246、ボート回転機構227、ボートエレベータ115等の各部材はコントローラ280に接続されている。コントローラ280は、基板処理装置101の全体の動作を制御する制御部(制御手段)の一例であって、マスフローコントローラ241、242、243、244の流量調整、バルブ250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、268、269、483、484、485、486、487の開閉動作、APCバルブ255の開閉および圧力センサ245に基づく圧力調整動作、ヒータ281、285、421、422、423、424、425、426、450、451、452、453の温度調整動作、温度センサ(図示せず)に基づくヒータ207の温度調整動作、真空ポンプ246の起動・停止、ボート回転機構227の回転速度調節、ボートエレベータ115の昇降動作等をそれぞれ制御するようになっている。なお、バルブ250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、268、269、483、484、485、486、487はエアーバルブであり、それぞれ電磁弁を介してコントローラ280で制御される。
【0105】
次に、原料補充カートリッジ470を使用して、固体原料タンク300に固体原料400を供給または補充する方法について説明する。
【0106】
まず、基板処理装置101を立ち上げる場合の運用について説明する。基板処理装置101を立ち上げる際には、図16〜図20に示すように、原料補充カートリッジ470は配管380に取り付けられていない。配管380のフランジ368には、閉止板377が取り付けられている。配管494の継手512には閉止栓478が取り付けられ、配管495の継手511には閉止栓479が取り付けられている。バルブ250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、268、269、483、484、485、486、487は全て閉じられており、ヒータ281、285、421、422、423、424、425、426、450、451、452、453は全てオフの状態となっている。
【0107】
まず、バルブ263、264、265、261を開き、ガス供給管282から、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガス等のパージガスを供給して、固体原料タンク300およびガス供給管232bを介して固体原料タンク300上部配管ラインをパージし、また、バルブ268、269、485、486、487を開き、パージガス供給配管284から、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガス等のパージガスを供給して、バルブ267上部配管ラインをパージした後、ヒータ281、285、421、422、423、424、425、426、450、451、452、453をオンにして、全ラインを100℃以上に設定して、12時間〜48時間水分除去を実施する。
【0108】
その後、ヒータ450、451、452を制御して、固体原料タンク300を使用温度(40℃〜150℃)に設定し、ヒータ453、ヒータ281、285、421、422、423、424を制御して、バルブ267およびガス供給管282、ガス供給管232b、ベントライン258、配管283、375を、固体原料タンク300を使用温度+5℃から10℃に設定し、ヒータ424、425、426はオフとする。バルブ265、261を閉じ、バルブ266、262を開けて、ガス供給管282から、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガス等のパージガスを供給して、ガス供給管282、配管283およびベントライン258を介してバイパスラインパージを実施する。また、バルブ268、487を閉じて、バルブ267上部配管ラインを加圧状態とする。
【0109】
次に、原料補充カートリッジ470を取り付ける際の運用について説明する。図16、17、19、20を参照すれば、原料補充カートリッジ470のバルブ480に取り付けられている閉止板488を取り外し、バルブ483に取り付けられている閉止栓498およびバルブ484に取り付けられている閉止栓499を取り外す。また、配管380のフランジ368に取り付けられている閉止板377を取り外し、配管494の継手512に取り付けられている閉止栓478および配管495の継手511に取り付けられている閉止栓479を取り外す。そして、図14、16に示すように、原料補充カートリッジ470のバルブ480を配管380のフランジ368に取り付け、バルブ483を配管494の継手512に取り付け、バルブ484を配管495の継手511に取り付けることによって、原料補充カートリッジ470を取り付ける。
【0110】
次に、図13〜15を参照して、バルブ269を開けた状態で、バルブ268を5秒間開け、その後、25秒間閉めることを繰り返して、15回以上のサイクルパージを実施して、大気開放された、バルブ267とバルブ480との間の配管380、バルブ269と配管380との間のパージガス供給配管284、およびバルブ269と配管380との間の配管259をパージする。
【0111】
また、バルブ487を開き、バルブ486を閉じ、バルブ485、483を開いて、パージガス供給配管284から、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガス等のパージガスを供給して、原料補充カートリッジ470内、配管494、バルブ483、配管491、配管492、バルブ484および配管495をパージして、水分除去を行う。この際には、配管491を介して原料補充カートリッジ470の下部からパージガスが原料補充カートリッジ470内に導入され、原料補充カートリッジ470の上部に取り付けた配管492からパージガスが排出されるので、パージガスによって、原料補充カートリッジ470の固定原料400の水分も除去される。
【0112】
バルブ269、268を閉じて、原料充填待機状態とする。バルブ266、262を閉じ、バルブ264、261を開けて、ガス供給管282から、窒素(N)ガスまたはアルゴン(Ar)ガス等のパージガスを供給して、固体原料タンク300内のパージを実施する。
【0113】
その後、バルブ487を閉じ、バルブ267、480を開いて、固体原料400を原料補充カートリッジ470から固体原料タンク300に供給する。その後、バルブ267を閉じ、バルブ269、268を開けて、パージを行う。
【0114】
その後、バルブ487を開けて、原料補充カートリッジ470内をパージする。バルブ264、265を閉じ、バルブ266、261を開けて、プロセス供給待機状態とする。
【0115】
ヒータ424、425、426を80℃に設定し、固体原料400を原料補充カートリッジ470から固体原料タンク300に充填後12時間経過後、バルブ480を閉じ、バルブ483、484を閉じ、バルブ15を開けて、原料補充カートリッジ470内のパージを停止する。バルブ268、487を閉じて、パージガスを封入する。
【0116】
原料補充カートリッジ470のバルブ480を配管380のフランジ368から取り外し、バルブ483を配管494の継手512から取り外し、バルブ484を配管495の継手511から取り外して、原料補充カートリッジ470を取り外す。原料補充カートリッジ470のバルブ480に閉止板488を取り付け、バルブ483に閉止栓498を取り付け、バルブ484に閉止栓499を取り付ける。配管380のフランジ368に閉止板377を取り付け、配管494の継手512に閉止栓478を取り付け、配管495の継手511に閉止栓479を取り付ける。バルブ469、487を開いて常時ラインパージする。
【0117】
以上のようにして、基板処理装置101を立ち上げた後、原料補充カートリッジ470を取り付けて、固体原料400を固体原料タンク300に供給する方法について説明したが、固体原料タンク300の固体原料400が空になった後に、原料補充カートリッジ470を取り付けて、固体原料400を固体原料タンク300に供給する際にも上記と同様な操作を行う。
【0118】
上記のようにして、固体原料400を、原料補充カートリッジ470から固体原料タンク300に供給することにより、水分を0.5ppm以下にして固体原料400を固体原料タンク300に供給することができるので、塩化ガスと水分が反応することを十分に抑制でき、固体原料タンク300内が腐食せず、半永久的に固体原料400を供給することが可能である。
【0119】
また、原料補充カートリッジ470内をパージ可能となっているので、原料補充カートリッジ470内への固体原料400の供給時に混入した水分を除去することが可能である。
【0120】
図21、22を参照して、比較のための、固体原料タンクを取り外して固体原料を補充する技術を説明する。本比較例においては、上記実施の形態の固体原料タンク300に代えて固体原料タンク330を使用する。固体原料タンク330には、バルブ325、継ぎ手323および継ぎ手321を介してガス供給管282のバルブ264が接続されている。固体原料タンク330には、また、バルブ326、継ぎ手324および継ぎ手322を介してガス供給管232bのバルブ265が接続されている。
【0121】
成膜等のウエハ200の処理を行う場合は、固体原料400として収容した固体原料タンク330を所定の温度に加熱しておき、バルブ263、264、325、326、265、261を開けて、キャリアガスとして窒素(N)ガスを配管282から固体原料タンク330に供給し、気体となった固体原料400を窒素ガスと共にガス供給管232bに供給する。
【0122】
固体原料タンク330が空になると、バルブ264、325、326、265を閉めて、継手323、324を外して、固体原料タンク330を取り外す。その時、バルブ264と継手323との間の配管282’およびバルブ265と継手324との間の配管232b’は、大気開放され、配管内282’および配管232b’に大気中の水分などが付着する。そのため、交換した固体原料タンク330を取り付けた後、バルブ264とバルブ325との間の配管282’およびバルブ265とバルブ326との間の配管232b’の水分を除去するために、バルブ264、265、261を閉じ、バルブ263、266、262を開けて配管282から窒素(N)ガスを導入し、配管258に流して、窒素ガスパージを行う必要があり、パージ時間が長くなるという問題がある。
【0123】
上述した本発明の好ましい第1および第2の実施の形態では、配管380に原料補充カートリッジ350、470を取り付け、原料補充カートリッジ350、470から固体原料400を固体原料タンク300に供給する構造なので、装置構成も簡単であり、固体原料400も簡単に補充することができる。また、固体原料400を原料補充カートリッジ350、470から固体原料タンク300に直接供給できる。さらに、特許文献1のように、固体原料タンク300以外の補充用の固体原料タンクを使用する必要もない。
【0124】
さらに、また、本発明の第1および第2の好ましい実施の形態では、固体原料400の補充時に固体原料タンク300を取り外す必要がない。固体原料タンク300を取り外さないので、バルブ264と固体原料タンク300との間に配管およびバルブ265と固体原料タンク300との間に配管が大気開放されることがなく、固体原料400の補充時にこれらの配管の水分除去のためのパージを行う必要がない。そのため、固体原料400の補充時間が比較例と比べて大幅に短縮できる。
【0125】
また、配管380には、真空ポンプ246に接続された配管259が接続され、さらに、パージ用のパージガスを供給するパージガス供給配管284が接続され、また、バルブ270(480)、267が設けられているので、原料補充カートリッジ350、470を配管380に取り付けた後、配管380内を真空引きし、その後窒素ガスパージを行うことができる。従って、配管380内を窒素ガス雰囲気にした状態で原料補充カートリッジ350、470から固体原料タンク300に固体原料400を補充できる。その結果、固体原料400補充時に、固体原料タンク300内が大気雰囲気に晒されることはない。
【0126】
固体原料タンク300の底部303には、中央が低く、周辺部が高い傾斜部302を設けているので、補充された固体原料400が、固体原料タンク300の中央ではなく、端の方から供給されても、傾斜部302によって、中央部に均等に移動し易くなっている。
【0127】
なお、上記では、ALD法によってGaN膜を成膜する方法を例に説明したが、ALD法によって成膜することや、GaN膜を成膜することは一例であり、他の方法、例えば、CVD法で成膜してもよく、他の膜、例えば、AlN膜を成膜してよい。
【0128】
また、上記では、固体原料のGaClを使用したが、TMGa(トリメチルガリウム)やTMAl(トリメチルアルミニウム)を使用することもできる。これらは、GaN、AlNの成膜に好適に使用される。
【0129】
(本発明の好ましい態様)
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0130】
(付記1)
本発明の好ましい一態様によれば、
基板を収容可能な処理室と、
前記基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記処理室へ供給する原料供給系と、
制御部と、
を有する基板処理装置であって、
前記原料供給系は、
前記固体原料を収容する固体原料容器と、
前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、
前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、
前記第2の配管と真空排気手段との間に接続された第3の配管と、
前記第2の配管に接続され、パージガスを導入するための第4の配管と、
前記第3の配管の途中に接続された第1のバルブと、
前記第4の配管の途中に接続された第2のバルブと、を備え、
前記制御部は、前記原料補充容器から前記固体原料容器へ前記固体原料を補充するために前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際に、前記第2の配管内を真空引きし、その後前記第2の配管内に前記パージガスを導入するように、前記真空排気手段と前記第1のバルブと前記第2のバルブとを制御する制御手段である基板処理装置が提供される。
【0131】
(付記2)
付記1の基板処理装置であって、好ましくは、前記原料補充容器にパージガスを導入する前記原料補充容器のパージガス導入部が取り付けられる原料補充容器パージガス導入部取付部と、前記原料補充容器からパージガスを排出する前記原料補充容器のパージガス排出部が取り付けられる原料補充容器パージガス排出部取付部とをさらに備え、
前記制御部は、前記原料補充容器から前記固体原料容器へ前記固体原料を補充するために前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられ、前記原料補充容器のパージガス導入部が前記原料補充容器パージガス導入部取付部に取り付けられ、前記原料補充容器のパージガス排出部が前記原料補充容器パージガス排出部取付部に取り付けられた際に、前記第2の配管内を真空引きし、その後前記第2の配管内に前記パージガスを導入するように、前記真空排気手段と前記第1のバルブと前記第2のバルブとを制御し、前記原料補充容器のパージガス導入部から前記パージガスを前記原料補充容器に導入し、前記原料補充容器のパージガス排出部から前記パージガスを排出するように、前記真空排気手段と前記第1のバルブと、前記第2のバルブと、前記パージガス導入部と、前記パージガス排出部と、を制御する制御手段である。
【0132】
(付記3)
付記2の基板処理装置であって、好ましくは、前記原料補充容器のパージガス導入部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の下部に接続され、前記原料補充容器のパージガス排出部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の上部に接続されている。
【0133】
(付記4)
付記1〜3のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、前記第2の配管と前記固体原料容器との間に設けられた第3のバルブを備える。
【0134】
(付記5)
付記1〜4のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、前記第2の配管は、前記固体原料容器の天井部に接続される。
【0135】
(付記6)
付記1〜5のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、前記固体原料容器は、容器内部の底部に中央が低く、周辺部が高い傾斜部を備える。
【0136】
(付記7)
本発明の好ましい他の態様によれば、
基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記基板を処理する処理室へ供給する原料供給系であって、前記固体原料を収容する固体原料容器と、前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、前記第2の配管と真空排気手段との間に接続された第3の配管と、前記第2の配管に接続され、パージガスを導入するための第4の配管と、前記第3の配管の途中に接続された第1のバルブと、前記第4の配管の途中に接続された第2のバルブと、を備える前記原料供給系の前記取付部に前記原料補充容器を取り付ける工程と、
前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた状態で、前記第2のバルブを閉じ、前記第1のバルブを開けて、前記第2の配管内を前記真空排気手段で真空引きする工程と、
その後、前記第1のバルブを閉じ、前記第2のバルブを開けて、前記第2の配管内に前記パージガスを導入する工程と、
その後、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を前記第2の配管を介して補充する工程と、
を備える固体原料補充方法が提供される。
【0137】
(付記8)
付記7の固体原料補充方法であって、好ましくは、
前記原料補充容器にパージガスを導入する前記原料補充容器のパージガス導入部を前記原料供給系の原料補充容器パージガス導入部取付部に取り付け、前記原料補充容器からパージガスを排出する前記原料補充容器のパージガス排出部を前記原料供給系の原料補充容器パージガス排出部取付部に取り付ける工程と、
その後、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を前記第2の配管を介して補充する前に、前記原料補充容器のパージガス導入部から前記パージガスを前記前記原料補充容器に導入し、前記原料補充容器のパージガス排出部から前記パージガスを排出する工程と、をさらに備える。
【0138】
(付記9)
付記8の固体原料補充方法であって、好ましくは、前記原料補充容器のパージガス導入部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の下部に接続され、前記原料補充容器のパージガス排出部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の上部に接続されている。
【0139】
(付記10)
付記8または9の固体原料補充方法であって、好ましくは、前記原料供給系は、前記第2の配管と前記固体原料容器との間に設けられた第3のバルブを備え、前記原料補充容器を取り付ける工程と、前記真空引きする工程と、前記パージガスを導入する工程では、前記第3のバルブを閉じ、前記固体原料を補充する工程では前記第3のバルブを開ける。
【0140】
(付記11)
付記8〜10のいずれかのの固体原料補充方法であって、好ましくは、前記原料補充容器が第4のバルブを備え、前記原料補充容器は前記第4のバルブを介して、前記取付部に前記原料補充容器を取り付けられ、前記原料補充容器を取り付ける工程と、前記真空引きする工程と、前記パージガスを導入する工程では、前記第4のバルブを閉じ、前記固体原料を補充する工程では前記第4のバルブを開ける。
【0141】
(付記12)
付記8〜11のいずれかの固体原料補充方法であって、好ましくは、前記第2の配管は、前記固体原料容器の天井部に接続され、前記固体原料を補充する工程では、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を落下させる。
【0142】
(付記13)
付記8〜12のいずれかの固体原料補充方法であって、好ましくは、前記固体原料容器は、容器内部の底部に中央が低く、周辺部が高い傾斜部を備える。
【0143】
(付記14)
本発明の好ましいさらに他の態様によれば、
基板を収容可能な処理室と、
前記基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記処理室へ供給する原料供給系と、
を有する基板処理装置であって、
前記原料供給系は、
前記固体原料を収容する固体原料容器と、
前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、
前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、を備える基板処理装置が提供される。
【0144】
(付記15)
付記14の基板処理装置であって、好ましくは、前記第2の配管は、前記固体原料容器の天井部に接続される。
【0145】
(付記16)
付記15の基板処理装置であって、好ましくは、前記取付部は、前記第2の配管が前記固体原料容器の天井部に接続される箇所の真上に位置する。
【0146】
(付記17)
付記14〜16のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、前記第2の配管と前記固体原料容器との間に設けられた第1のバルブを備える。
【0147】
(付記18)
付記14〜17のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、前記固体原料容器は、容器内部の底部に中央が低く、周辺部が高い傾斜部を備える。
【0148】
(付記19)
付記14〜18のいずれかの基板処理装置であって、好ましくは、 前記第2の配管と真空排気手段との間に接続された第3の配管と、前記第2の配管に接続され、パージガスを導入するための第4の配管と、をさらに備える。
【0149】
(付記20)
本発明の好ましいさらに他の態様によれば、
基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記基板を処理する処理室へ供給する原料供給系であって、前記固体原料を収容する固体原料容器と、前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、を備える前記原料供給系の前記取付部に前記原料補充容器を取り付ける工程と、
前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた状態で、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を前記第2の配管を介して補充する工程と、
を備える固体原料補充方法が提供される。
【0150】
(付記21)
付記20の固体原料補充方法であって、好ましくは、前記第2の配管は、前記固体原料容器の天井部に接続され、前記固体原料を前記第2の配管を介して補充する工程では、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を落下させて補充する。
【0151】
(付記22)
付記20または21の固体原料補充方法であって、好ましくは、前記取付部は、前記第2の配管が前記固体原料容器の天井部に接続される箇所の真上に位置する。
【0152】
(付記23)
付記20〜22のいずれかの固体原料補充方法であって、好ましくは、前記第2の配管と前記固体原料容器との間に設けられた第1のバルブを備え、前記固体原料を補充する工程では、前記第1のバルブを開ける。
【0153】
(付記24)
付記20〜23のいずれかの固体原料補充方法であって、好ましくは、前記原料補充容器が第2のバルブを備え、前記原料補充容器は前記第2のバルブを介して、前記取付部に取り付けられ、前記固体原料を補充する工程では前記第2のバルブを開ける。
【0154】
(付記25)
付記20〜24のいずれかの固体原料補充方法であって、好ましくは、前記固体原料容器は、容器内部の底部に中央が低く、周辺部が高い傾斜部を備える。
【0155】
(付記26)
本発明の好ましいさらに他の態様によれば、
基板を収容可能な処理室と、
前記基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記処理室へ供給する原料供給系と、
を有する基板処理装置であって、
前記原料供給系は、
前記固体原料を収容する固体原料容器と、
前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、
補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が前記固体原料容器に取り付けられる取付部と、
前記原料補充容器にパージガスを導入する前記原料補充容器のパージガス導入部が取り付けられる原料補充容器パージガス導入部取付部と、
前記原料補充容器からパージガスを排出する前記原料補充容器のパージガス排出部が取り付けられる原料補充容器パージガス排出部取付部と、
前記原料補充容器から前記固体原料容器へ前記固体原料を補充するために前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられ、前記原料補充容器のパージガス導入部が前記原料補充容器パージガス導入部取付部に取り付けられ、前記原料補充容器のパージガス排出部が前記原料補充容器パージガス排出部取付部に取り付けられた際に、前記原料補充容器のパージガス導入部から前記パージガスを前記原料補充容器に導入し、前記原料補充容器のパージガス排出部から前記パージガスを排出するように、前記パージガス導入部と前記パージガス排出部とを制御する制御手段と、
を備える基板処理装置が提供される。
【0156】
(付記27)
付記26の基板処理装置であって、好ましくは、前記原料補充容器のパージガス導入部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の下部に接続され、前記原料補充容器のパージガス排出部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の上部に接続されている。
【0157】
(付記28)
付記27の基板処理装置であって、好ましくは、前記原料補充容器のパージガス導入部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の下部に接続された第2の配管と、前記第2の配管に設けられた第1のバルブとを備え、前記原料補充容器のパージガス排出部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の上部に接続された第3の配管と、前記第3の配管に設けられた第2のバルブとを備えている。
【0158】
(付記29)
本発明の好ましいさらに他の態様によれば、
基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記基板を処理する処理室へ供給する原料供給系であって、前記固体原料を収容する固体原料容器と、前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が前記固体原料容器に取り付けられる取付部と、前記原料補充容器にパージガスを導入する前記原料補充容器のパージガス導入部が取り付けられる原料補充容器パージガス導入部取付部と、前記原料補充容器からパージガスを排出する前記原料補充容器のパージガス排出部が取り付けられる原料補充容器パージガス排出部取付部と、を備える前記原料供給系の前記取付部に前記原料補充容器を取り付け、前記原料補充容器にパージガスを導入する前記原料補充容器のパージガス導入部を前記原料供給系の原料補充容器パージガス導入部取付部に取り付け、前記原料補充容器からパージガスを排出する前記原料補充容器のパージガス排出部を前記原料供給系の原料補充容器パージガス排出部取付部に取り付ける工程と、
その後、前記原料補充容器のパージガス導入部から前記パージガスを前記前記原料補充容器に導入し、前記原料補充容器のパージガス排出部から前記パージガスを排出する工程と、
その後、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた状態で、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を補充する工程と、
を備える固体原料補充方法が提供される。
【0159】
(付記30)
付記29の固体原料補充方法であって、好ましくは、前記原料補充容器のパージガス導入部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の下部に接続され、前記原料補充容器のパージガス排出部は、前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた際の前記原料補充容器の上部に接続されている。
【0160】
(付記31)
本発明の好ましいさらに他の態様によれば、
固体原料収容容器と、前記容器の開口部に取り付けられたバタフライバルブとを備える固体原料補充用カートリッジが提供される。
【0161】
(付記32)
本発明の好ましいさらに他の態様によれば、
固体原料収容容器と、
前記固体原料収容容器を取り付ける取付部と、
前記原料補充容器にパージガスを導入するパージガス導入部と、
前記原料補充容器からパージガスを排出するパージガス排出部と、
を備える固体原料補充用カートリッジが提供される。
【0162】
(付記33)
付記32の基板処理装置であって、好ましくは、前記原料補充容器のパージガス導入部は、前記原料補充容器が取り付けられた際の前記原料補充容器の下部に接続され、前記原料補充容器のパージガス排出部は、前記原料補充容器が取り付けられた際の前記原料補充容器の上部に接続されている。
【0163】
(付記34)
付記33の基板処理装置であって、好ましくは、前記パージガス導入部は、前記原料補充容器が取り付けられた際の前記原料補充容器の下部に接続された第1の配管と、前記第1の配管に設けられた第1のバルブとを備え、前記パージガス排出部は、前記原料補充容器が取り付けられた際の前記原料補充容器の上部に接続された第2の配管と、前記第2の配管に設けられた第1のバルブとを備えている。
【0164】
以上、本発明の種々の典型的な実施の形態を説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されない。従って、本発明の範囲は、次の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0165】
101 基板処理装置
115 ボートエレベータ
200 ウエハ
201 処理室
202 処理炉
203 反応管
207、281、425、426、450 ヒータ
209 マニホールド
217 ボート
218 ボート支持台
219 シールキャップ
220、364、367、370、373 Oリング
227 回転機構
230 原料供給系
230a、230b ガス供給系
230c、230d キャリアガス供給系(不活性ガス供給系)
231、247 排気管
232a、232b、282 ガス供給管
232d キャリアガス供給管
233 ノズル
238b ガス供給孔
240 排気系
241、242、243、244 マスフローコントローラ
245 圧力センサ
246 真空ポンプ
250、251、253、254、256、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、480、483、484、485、486、487 バルブ
255 APCバルブ
257、258 ベントライン
259、283、375、380、491、492、493、494、495 配管
260 集合バルブ
280 コントローラ
284 パージガス供給配管
300 固体原料タンク
302 傾斜部
303 底部
304 空間
310 天井板
314、316 貫通孔
321、322 継ぎ手
350、470 原料補充カートリッジ
351 びん
353 口部
360 アダプター
355、362 ねじ溝
357 パッキン
361 一端部
363、365、366、368、369、371、372、374、463、465、466 フランジ
377、488 閉止板
381、382、383、384、481、482 クランプ
400 固体原料
471 容器
472 容器本体
473 容器取り付け用配管部
474 蓋
475 窓
478、479、498、499 閉止栓
511、512 継手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容可能な処理室と、
前記基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記処理室へ供給する原料供給系と、
を有する基板処理装置であって、
前記原料供給系は、
前記固体原料を収容する固体原料容器と、
前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、
前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記原料補充容器にパージガスを導入する前記原料補充容器のパージガス導入部が取り付けられる原料補充容器パージガス導入部取付部と、前記原料補充容器からパージガスを排出する前記原料補充容器のパージガス排出部が取り付けられる原料補充容器パージガス排出部取付部とをさらに備え、
前記制御部は、前記原料補充容器から前記固体原料容器へ前記固体原料を補充するために前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられ、前記原料補充容器のパージガス導入部が前記原料補充容器パージガス導入部取付部に取り付けられ、前記原料補充容器のパージガス排出部が前記原料補充容器パージガス排出部取付部に取り付けられた際に、前記第2の配管内を真空引きし、その後前記第2の配管内に前記パージガスを導入するように、前記真空排気手段と前記第1のバルブと前記第2のバルブとを制御し、前記原料補充容器のパージガス導入部から前記パージガスを前記原料補充容器に導入し、前記原料補充容器のパージガス排出部から前記パージガスを排出するように、前記真空排気手段と前記第1のバルブと、前記第2のバルブと、前記パージガス導入部と、前記パージガス排出部と、を制御する制御手段である請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
基板の処理に用いる気体原料を、固体原料を昇華させて生成し、前記基板を処理する処理室へ供給する原料供給系であって、前記固体原料を収容する固体原料容器と、前記固体原料容器と前記処理室との間に接続された第1の配管と、前記固体原料容器と接続された第2の配管であって、補充用の前記固体原料を保持する原料補充容器が取り付けられる取付部を備える前記第2の配管と、前記第2の配管と真空排気手段との間に接続された第3の配管と、前記第2の配管に接続され、パージガスを導入するための第4の配管と、前記第3の配管の途中に接続された第1のバルブと、前記第4の配管の途中に接続された第2のバルブと、を備える前記原料供給系の前記取付部に前記原料補充容器を取り付ける工程と、
前記原料補充容器が前記取付部に取り付けられた状態で、前記第2のバルブを閉じ、前記第1のバルブを開けて、前記第2の配管内を前記真空排気手段で真空引きする工程と、
その後、前記第1のバルブを閉じ、前記第2のバルブを開けて、前記第2の配管内に前記パージガスを導入する工程と、
その後、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を前記第2の配管を介して補充する工程と、
を備える固体原料補充方法。
【請求項4】
前記原料補充容器にパージガスを導入する前記原料補充容器のパージガス導入部を前記原料供給系の原料補充容器パージガス導入部取付部に取り付け、前記原料補充容器からパージガスを排出する前記原料補充容器のパージガス排出部を前記原料供給系の原料補充容器パージガス排出部取付部に取り付ける工程と、
その後、前記原料補充容器から前記固体原料容器に前記固体原料を前記第2の配管を介して補充する前に、前記原料補充容器のパージガス導入部から前記パージガスを前記前記原料補充容器に導入し、前記原料補充容器のパージガス排出部から前記パージガスを排出する工程と、
をさらに備える請求項3記載の固体原料補充方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−212854(P2012−212854A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10134(P2012−10134)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【出願人】(501417929)株式会社キッツエスシーティー (22)
【Fターム(参考)】