説明

基板処理装置および基板処理方法

【課題】処理液を用いた基板処理を良好に行うことができるとともに、処理時間をより短縮することができる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板処理装置1は、基板Wに対して処理液による処理を施す処理チャンバ10と、基板収容器17を保持する収容器保持部4と、収容器保持部4と処理チャンバ10との間で基板Wを搬送するインデクサロボット6、シャトル搬送機構7および主搬送ロボット9を備えている。シャトル搬送機構7が備えられたシャトル搬送空間14の上部には、172nmの波長を中心とする紫外線を照射するランプハウスが設けられている。シャトル搬送機構7によって基板Wを搬送するのと同時に、搬送中の基板Wに紫外線を照射することによって、基板Wに付着している有機物を分解・除去したり、基板W表面に酸化膜を形成する処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板に対して処理液を用いた処理を施すための基板処理装置および基板処理方法に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
たとえば、半導体装置の製造工程では、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の表面に対して処理液を用いた処理が行われる。処理液としては処理の内容によって様々な種類の処理液が用いられる。たとえば、基板表面の酸化膜のエッチング処理に用いられるフッ酸、基板表面のレジストを剥離するレジスト剥離処理に用いられるSPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)、基板表面の酸化膜形成に用いられる過酸化水素水やオゾン水、基板表面の有機物除去に用いられるAPM(アンモニアと過酸化水素水の混合液)、基板を純水リンス処理した後の乾燥処理で用いられるIPA(イソプロピルアルコール)などが挙げられる。たとえば、枚葉式の基板処理装置では、水平に保持されて回転している基板の表面にこれらの処理液が供給されることにより基板の処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-267145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらの処理液を用いた処理では、処理対象の基板表面に形成された膜の種類によっては、所望の処理を行うために処理液を長時間基板に供給する必要があり、その場合は基板の処理時間が長くなり、さらに処理液の消費量が多くなるといった問題が生じていた。また、処理液を基板に供給することにより、基板表面に処理液に含まれる不純物が付着するおそれがあり、これらの不純物を基板表面から除去する必要があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、処理液を用いた処理において基板表面を良好に処理することができるとともに、基板の処理時間をより短縮することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板に対して処理を施すための基板処理装置(1)であって、基板に対して処理液による処理を施すための基板処理部(10)と、基板を収容する基板収容器を保持する収容器保持部(4)と、前記収容器保持部と前記基板処理部との間で基板を搬送するための基板搬送手段(6、7、9)と、前記基板搬送手段が配置された基板搬送空間に設けられ、前記基板搬送手段により搬送中の基板に対して、172nmの波長を中心とする紫外線を照射する紫外線照射手段(57、58)とを含むことを特徴とする基板処理装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
【0007】
本発明によれば、基板処理部において基板に対して処理液による処理を施すことができ、基板は基板搬送手段によって収容器保持部と基板処理部との間で搬送される。その際、基板搬送手段が配置された基板搬送空間には、172nmの波長を中心とする紫外線(以下、単に「紫外線」という。)を発生する紫外線照射手段が設けられており、基板搬送手段によって搬送中の基板は、この紫外線照射手段から紫外線が照射される。これにより、収容器保持部から基板処理部に搬送される基板は、基板処理部で処理液による処理が施される前に、基板搬送手段による搬送中に紫外線が照射される。または、基板処理部で処理液による処理が施された後、収容器保持部に搬送される基板は、基板搬送手段による搬送中に紫外線が照射される。
【0008】
ここで、基板表面に紫外線が照射された際の作用・効果について説明する。172nmの波長を中心とする紫外線は、大気中の酸素に吸収されることにより、励起酸素原子を生成する。また、この紫外線は大気中の酸素に吸収されることにより、オゾンを生成する。さらに、この生成されたオゾンからも励起酸素原子が生成される。また、この紫外線は、有機物の分子結合を切断する作用を有するため、基板表面に付着している有機物は紫外線が照射されることによって容易に分解される。この分解された有機物と上記の励起酸素原子が反応することにより、CO、CO、HO等の揮発性物質となり、揮発除去される。このように、基板表面に紫外線が照射されることによって、基板に付着している有機物は分解、除去される。また、基板表面に付着している有機物が除去されることにより、基板表面の親水性が向上する。また、オゾンが生成されることにより、基板表面に酸化膜が形成されるといった作用もある。
【0009】
したがって、本発明によれば、処理液による処理前もしくは処理後の搬送中の基板表面に紫外線が照射されることによって、基板表面の有機物が除去される、もしくは基板表面に酸化膜が形成される処理を施すことができる。これにより、処理液による処理にかかる時間を短縮することができる。また、処理液の消費量を少なくすることができる。さらに本発明によれば、紫外線の照射は基板が搬送されている際に並行して行われるので、装置のスループットを低下させることなく、紫外線照射による処理を基板に施すことができる。これにより、基板表面を良好に処理することができるとともに基板の処理時間をより短縮することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記基板搬送空間内の酸素濃度を調整する酸素濃度調整手段(60、62、66、67、68、70、74、75)をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置である。
【0011】
この発明によれば、酸素濃度調整手段によって基板搬送空間内の酸素濃度が調整される。これにより、紫外線照射手段により紫外線が照射される際の大気中の酸素濃度が調整されるので、紫外線照射により生成される励起酸素原子およびオゾンの量を調整することができる。したがって、励起酸素原子による基板表面の有機物除去処理もしくはオゾンによる酸化膜形成処理のいずれの処理を基板Wに施すかを酸素濃度調整手段によって選択することができる。
【0012】
前記酸素濃度調整手段は、前記基板搬送空間内に不活性ガスを含む気体を供給する不活性ガス供給手段(60、66、68、74)を含み、前記不活性ガス供給手段による不活性ガスの供給量を調整することにより前記基板搬送空間内の酸素濃度を調整するものであってもよい。(請求項3)
【0013】
この発明によれば、不活性ガス供給手段によって基板搬送空間内に不活性ガスを含む気体を供給し、不活性ガスの供給量を調整することにより、基板搬送空間内における酸素濃度を調整することができる。具体的には、不活性ガスの供給量を増加させることで基板搬送空間内の酸素濃度を低くすることができ、不活性ガスの供給量を減少させることで基板搬送空間内の酸素濃度を高くすることができる。基板搬送空間内の酸素濃度を低くすることによって、紫外線照射によって発生する励起酸素原子による基板表面上の有機物除去処理を行うことができる。一方、基板搬送空間内の酸素濃度を高くすることによって、紫外線照射によって発生するオゾン量が増加するので、基板表面における酸化膜形成処理を行うことができる。
【0014】
前記不活性ガス供給手段は、不活性ガスを含む気体の供給方向を変更する供給方向変更手段(60、62、66、67、68、70、74、75)を含み、前記供給方向変更手段は前記基板搬送手段による基板の搬送方向に応じて、不活性ガスを含む気体の供給方向を変更するものであってもよい。(請求項4)
【0015】
この発明によれば、供給方向変更手段によって基板搬送空間内における不活性ガスを含む気体の供給方向を変更することができる。これにより、基板搬送手段により搬送中の基板の搬送方向に応じて、不活性ガスを含む気体の供給方向を変更することができる。具体的には、基板の搬送方向が変更された際には、供給方向変更手段は、基板の搬送方向の下流側から上流側に向けて不活性ガスを含む気体が供給されるように設定する。これにより、基板表面の不活性ガス濃度をより高めることができるので、基板表面の酸素濃度を低下させることができる。
【0016】
前記紫外線照射手段は、前記基板処理部において処理が施された後であって、前記収容器保持部に搬送中の基板に対して紫外線を照射するものであってもよい。(請求項5)
【0017】
この発明によれば、基板処理部において処理液による処理が施された後の基板に対して、紫外線照射手段によって紫外線を照射することができる。これにより、処理液を基板に供給することにより基板表面に付着した不純物を紫外線照射によって除去することができる。また、処理液による処理が施された後の基板に対して、紫外線照射による酸化膜形成処理を行うことができる。酸化膜形成処理は、たとえば過酸化水素水やオゾン水などの処理液を基板に供給することにより行うことも考えられるが、本発明によれば処理液を用いずに酸化膜を形成することができる。したがって、処理液の消費量を抑えることができる。また、基板の搬送中に並行して酸化膜形成処理を行うことができるので、基板の処理時間を短縮することもできる。
【0018】
前記紫外線照射手段は、前記収容器保持部から前記基板処理部に搬送中の未処理の基板に対して紫外線を照射するものであってもよい。(請求項6)
【0019】
この発明によれば、基板処理部において処理液による処理が施される前の未処理の基板に対して、紫外線照射手段によって紫外線を照射することができる。これにより、未処理の基板の表面に付着している有機物を紫外線照射によって分解、除去することができる。したがって、基板表面の親水性を向上させることができる。そのため、その後に施される処理液による処理では、基板表面に対する処理液の反応性が向上し、処理液による処理をより効率的に施すことができる。したがって、基板処理部における処理液による処理時間を短縮することができ、処理液の消費量を抑えることができる。また、処理液による処理が施される前の未処理の基板に対して、紫外線照射による酸化膜形成処理を行うことができる。酸化膜形成処理は、たとえば過酸化水素水やオゾン水などの処理液を基板に供給することにより行うことも考えられるが、本発明によれば処理液を用いずに酸化膜を形成することができる。したがって、処理液の消費量を抑えることができる。また、基板の搬送中に酸化膜形成処理を並行して行うことができるので、基板の処理時間を短縮することもできる。
【0020】
前記紫外線照射手段は、172nmの波長を中心とする紫外線を発生するエキシマランプ(58)であってもよい。(請求項7)
【0021】
請求項8に係る発明は、基板処理部において基板に対して処理液による処理を施す基板処理工程(S4、S5、S6、S14、S15)と、基板を収容する基板収容器を保持する収容器保持部と前記基板処理部との間で基板を搬送する基板搬送工程(S1、S2、S3、S7、S8、S9、S11、S12、S13、S17、S18、S19)と、前記基板搬送工程と並行して行われ、搬送中の基板に対して172nmの波長を中心とする紫外線を照射する紫外線照射工程(S8、S12)とを備えたことを特徴とする基板処理方法である。この発明によれば、請求項1に関連して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0022】
前記紫外線照射工程は、前記基板処理工程の後に行われてもよい。(請求項9)この発明によれば、請求項5に関連して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0023】
前記紫外線照射工程は、前記基板処理工程に先立って行われてもよい。(請求項10)この発明によれば、請求項6に関連して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1、第2実施形態に係る基板処理装置の図解的な平面図である。
【図2】本発明の第1、第2実施形態に係る処理チャンバの図解的な側面図である。
【図3】本発明の第1、第2実施形態に係るシャトル搬送空間の図解的な側面図である。
【図4】本発明の第1、第2実施形態に係る基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置による処理動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る基板処理装置による処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、この発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の図解的な平面図である。この基板処理装置1は、クリーンルーム内に設置され、半導体ウエハなどの基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。
【0026】
基板処理装置1は、基板Wに対して処理を施す処理部2と、この処理部2の一方側に結合されたインデクサ部3と、インデクサ部3の処理部2と反対側に並べて配置された複数個(図1では3つ)の収容器保持部4とを備えている。収容器保持部4は、基板収容器17を保持するためのものであり、所定の水平方向(図1に示すY方向)に沿って配列されている。基板収容器17は、たとえば25枚の基板Wを密閉状態で収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)である。基板収容器17の一側面には基板Wを取り出すための開口(図示しない)が形成されており、基板収容器17の一側面の蓋(図示しない)によって開口が開閉されるようになっている。
【0027】
インデクサ部3には、収容器保持部4の配列方向に長手を有するインデクサ搬送路5が形成されている。このインデクサ搬送路5には、インデクサロボット6が配置されている。インデクサロボット6は、インデクサ搬送路5に沿って往復移動可能に設けられており、各収容器保持部4に保持された基板収容器17に対向することができる。また、インデクサロボット6は、アームと、アームの先端に結合されて、基板Wを保持するためのハンド(図示せず)とを備えており、基板収容器17に対向した状態で、その基板収容器17にハンドをアクセスさせて、基板収容器17から未処理の基板Wを取り出したり、処理済の基板Wを基板収容器17に収納したりすることができる。このインデクサロボット6は、上ハンドおよび下ハンドを備えたダブルアーム型のものである。さらに、インデクサロボット6はインデクサ搬送路5の中央部に位置した状態で、処理部2に対してハンドをアクセスさせて、後述するシャトル搬送機構7に未処理の基板Wを受け渡したり、シャトル搬送機構7から処理済の基板Wを受け取ったりすることができる。
【0028】
処理部2には、インデクサ部3のインデクサ搬送路5の中央部から、このインデクサ搬送路5と直交する水平方向(図1に示すX方向)に延びて、インデクサ部3の内部空間に連通可能な搬送路8が形成されている。搬送路8の中央には、上ハンドおよび下ハンドを備えたダブルアーム型の主搬送ロボット9が配置されている。処理部2には、4つの処理チャンバ10が、主搬送ロボット9を取り囲むように配置されている。各処理チャンバ10は、基板Wに対して所定の処理(処理液を用いた処理)を施すためのものである。各処理チャンバ10のX方向に隣接する位置には、それぞれ流体ボックス11が配置されている。流体ボックス11は、各処理チャンバ10への処理液の供給および各処理チャンバ10からの処理液の廃棄等に関する配管、継ぎ手、バルブ、流量計、レギュレータ、ポンプ、温度調整器、処理液貯留タンク等の流体関連機器を収納する。
【0029】
主搬送ロボット9は、後述するシャトル搬送機構7に対してハンドをアクセスさせて、シャトル搬送機構7から未処理の基板Wを受け取ったり、処理済の基板Wをシャトル搬送機構7に受け渡したりすることができる。また、主搬送ロボット9は、複数の処理チャンバ10にハンドをアクセスさせることができ、各処理チャンバ10との間で相互に基板Wの受け渡しを行うことができるようになっている。
【0030】
搬送路8には、インデクサロボット6と主搬送ロボット9との間の基板Wの受け渡しを仲介するシャトル搬送機構7が設けられている。シャトル搬送機構7は、搬送路8をX方向に沿って移動可能に設けられており、インデクサロボット6の近傍位置と主搬送ロボット9の近傍位置との間で往復移動することができる。インデクサロボット6の近傍位置に配置された状態では、インデクサロボット6から未処理の基板Wを受け取ったり、処理済の基板Wをインデクサロボット6に受け渡すことができる。(図1では実線で示し、以下第1受け渡し位置という。)主搬送ロボット9の近傍位置に配置された状態では、主搬送ロボット9に未処理の基板Wを受け渡したり、処理済の基板Wを主搬送ロボット9から受け取ったりすることができる。(図1では破線で示し、以下第2受け渡し位置という。)
【0031】
また、シャトル搬送機構7の移動領域とインデクサ搬送路5との間には第1隔壁12が設けられ、シャトル搬送機構7の移動領域と主搬送ロボット9との間には第2隔壁13が設けられている。したがって、シャトル搬送機構7は、第1隔壁12、第2隔壁13、周囲の処理チャンバ10および流体ボックス11によって囲まれたシャトル搬送空間14内に配置されている。シャトル搬送空間14は、インデクサ搬送路5および主搬送ロボット9が設けられている搬送路8から雰囲気的に隔離されている。また、第1隔壁12には第1窓部15が設けられており、第1窓部15はシャッターによって開閉可能に構成されている。インデクサロボット6とシャトル搬送機構7との間で基板Wの受け渡しが行われる際には、第1窓部が開けられて基板Wの受け渡しが行われる。一方、第2隔壁13には第2窓部16が設けられており、第2窓部16もシャッターによって開閉可能に構成されている。主搬送ロボット9とシャトル搬送機構7との間で基板Wの受け渡しが行われる際には、第2窓部が開けられて基板Wの受け渡しが行われる。シャトル搬送機構7およびシャトル搬送空間14の詳細については後述する。
【0032】
図2は、処理チャンバ10の図解的な側面図である。処理チャンバ10は、基板Wをほぼ水平に保持するスピンチャック21と、スピンチャック21に保持された基板Wの表面にリンス液の一例としての純水を供給するためのリンスノズル22と、スピンチャック21に保持された基板Wの表面に薬液を供給するための薬液ノズル23と、スピンチャック21に保持された基板Wの表面付近の雰囲気をその周囲から遮断するための遮断板24とを備えている。
【0033】
スピンチャック21は、ほぼ鉛直に延びるスピン軸25の上端に、円板状のスピンベース26がほぼ水平に取り付けられた構成を有している。スピンベース26の上面には、複数個の挟持部材27がスピン軸5の中心軸線を中心とする円周にほぼ等間隔で配置されている。複数個の挟持部材27は、基板Wの端面を互いに異なる複数の位置で挟持することにより、その基板Wをほぼ水平な姿勢で保持することができる。
【0034】
スピン軸25には、モータ28が結合されている。モータ28が発生する回転力により、スピン軸25をその中心軸線まわりに回転させることができる。そして、複数の挟持部材27によって基板Wを保持した状態で、スピン軸25を回転させることにより、基板Wをスピンベース26とともに回転させることができる。
【0035】
リンスノズル22は、スピンチャック21の上方に設けられたアーム49の先端に取り付けられている。アーム49は、スピンチャック21の側方でほぼ鉛直に延びたアーム支持軸29に支持されており、このアーム支持軸29からほぼ水平に延びている。アーム支持軸29には、アーム駆動機構30が結合されている。アーム駆動機構30からアーム支持軸29に駆動力を入力して、アーム支持軸29を所定角度範囲内で回動させることにより、アーム49を所定角度範囲内で揺動させることができるようになっている。
【0036】
リンスノズル22には、リンス液供給管31が接続されている。リンス液供給管31の途中部には、リンス液バルブ32が介装されている。リンス液バルブ32が開かれると、リンス液供給管31からリンスノズル22に純水が供給される。
【0037】
薬液ノズル23は、スピンチャック21の上方で、吐出口を基板Wの回転中心に向けて配置されている。薬液ノズル23には、薬液供給管33が接続されている。薬液供給管33の途中部には、薬液バルブ34が介装されている。薬液バルブ34が開かれると、薬液供給管34から薬液ノズル33に薬液が供給される。
【0038】
遮断板24は、基板Wとほぼ同じ径またはそれ以上の径を有する円板状に形成され、スピンチャック21の上方でほぼ水平に配置されている。遮断板24の上面には、スピンチャック21のスピン軸25と共通の鉛直軸線を中心とする回転軸35が固定されている。回転軸35は中空に形成されている。回転軸35の内部には、IPA流通管36が挿通されている。
【0039】
IPA流通管36には、IPA供給管37が接続されている。このIPA供給管37を通して、常温(約25℃)のIPA(イソプロピルアルコール)液がIPA流通管36に供給されるようになっている。IPA供給管37の途中部には、IPAバルブ38が介装されている。また、IPA流通管36は、遮断板24の下面にまで延びており、その先端は、IPA液を吐出するためのIPAノズル39を形成している。
【0040】
また、回転軸35の内壁面とIPA流通管36との間は、窒素ガスが流通する窒素ガス流通路40を形成している。窒素ガス流通路40には、窒素ガス供給管41が接続されている。この窒素ガス供給管41を通して、図示しない供給源からの窒素ガスが窒素ガス流通路40に供給されるようになっている。窒素ガス供給管41の途中部には、窒素ガスバルブ42が介装されている。窒素ガス流通路40は、遮断板24の下面において、IPAノズル39の周囲で環状に開口して、窒素ガスを吐出するための窒素ガス吐出口43を形成している。
【0041】
回転軸35は、ほぼ水平に延びたアーム44の先端付近から垂下した状態に取り付けられている。そして、このアーム44には、遮断板24をスピンチャック21の上方に大きく離間した位置(図2に実線で示す位置)とスピンチャック21に保持された基板Wの表面に微小な間隔を隔てて近接する位置(図2に破線で示す位置)との間で昇降させるための遮断板昇降駆動機構45が結合されている。さらに、アーム44に関連して、遮断板24をスピンチャック21による基板Wの回転にほぼ同期させて回転させるための遮断板回転駆動機構46が設けられている。
【0042】
また、スピンチャック21は、有底円筒容器状のカップ47に収容されている。カップ47の底部には、廃液ライン48が接続されている。この廃液ライン48を介して、カップ47の底部に集められた液体(薬液、リンス液、IPA液)を廃棄することができる。
【0043】
図3はシャトル搬送空間14の図解的な側面図である。シャトル搬送空間14にはシャトル搬送機構7とランプハウス57が配置されている。シャトル搬送機構7は、シャトル本体部51、ハンド52、53、昇降シリンダ54、55および搬送レール56を有する。昇降シリンダ54、55はシャトル本体部51に固定されている。ハンド52は昇降シリンダ54の上端に固定され、ハンド53は昇降シリンダ55の上端に固定されている。基板Wの搬送時には、ハンド52、53の上面側で基板Wが保持される。シャトル搬送空間14の底部には搬送レール56がX方向に沿って配置されている。シャトル本体部51は搬送レール56上に設置されており、搬送レール56に沿って第1受け渡し位置と第2受け渡し位置との間で往復移動可能に構成されている。
【0044】
ハンド52とハンド53とは互いに上下に配置される。ハンド52、53は、互いに離間する開状態と互いに近接する閉状態とに昇降シリンダ54、55により切り替えられる。なお、ハンド52、53をそれぞれ独立に駆動する昇降シリンダ54、55の代わりに、ハンド52、53を一体的に駆動して開状態と閉状態とに切り替える機構を用いてもよい。
【0045】
また、シャトル搬送空間14では、図示しないセンサによりハンド52、53上の基板Wの有無が検出される。その検出を容易に行うために、ハンド52とハンド53とは水平方向に互いにずらして配置される。なお、ハンド52、53上の基板Wの有無の検出が可能であれば、ハンド52の直上にハンド53が配置されてもよい。
【0046】
シャトル搬送空間14の上部には、ランプハウス57が設置されている。ランプハウス57の中には、複数のエキシマランプ58が含まれている。エキシマランプ58は172nmの波長を中心とする紫外線を発生する。エキシマランプ58から発せられた紫外線は、ランプハウス57の下面に設けられた石英ガラス59を透過して、ハンド52、53に保持された基板Wに照射される。
【0047】
第1隔壁12の上方には、第1給排気口60が設けられている。第1給排気口60はシャトル搬送空間14のY方向に沿って延びるように設けられている。第1給排気口60には第1給排気配管61が接続されており、第1給排気配管61は図示しない排気機構に接続されている。第1給排気配管61の途中部には第1排気バルブ62が介装されている。また、第1給排気配管61には第1ガス供給配管63が分岐接続されている。第1ガス供給配管63は、さらに第1窒素ガス供給配管64と第1クリーンエア供給配管65とに分岐している。第1窒素ガス供給配管64には図示しない窒素ガス供給源が接続されており、第1クリーンエア供給配管65には図示しないクリーンエア供給源が接続されている。第1窒素ガス供給配管64には第1窒素ガスバルブ66が介装され、第1クリーンエア供給配管65には第1クリーンエアバルブ67が介装されている。これにより、第1給排気口60から窒素ガスもしくはクリーンエアもしくはこれらの混合気体をシャトル搬送空間14に供給したり、第1給排気口60からシャトル搬送空間14内の排気を行うことができる。
【0048】
第2隔壁16の上方には、第2給排気口68が設けられている。第2給排気口68はシャトル搬送空間14のY方向に沿って延びるように設けられている。第2給排気口68には第2給排気配管69が接続されており、第2給排気配管69は図示しない排気機構に接続されている。第2給排気配管69の途中部には第2排気バルブ70が介装されている。また、第2給排気配管69には第2ガス供給配管71が分岐接続されている。第2ガス供給配管71は、さらに第2窒素ガス供給配管72と第2クリーンエア供給配管73とに分岐している。第2窒素ガス供給配管72には窒素ガス供給源が接続されており、第2クリーンエア供給配管73にはクリーンエア供給源が接続されている。第2窒素ガス供給配管72には第2窒素ガスバルブ74が介装され、第2クリーンエア供給配管73には第2クリーンエアバルブ75が介装されている。これにより、第2給排気口68から窒素ガスもしくはクリーンエアもしくはこれらの混合気体をシャトル搬送空間14に供給したり、第2給排気口68からシャトル搬送空間14内の排気を行うことができる。
【0049】
図4は、基板処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。基板処理装置1は、たとえば、マイクロコンピュータで構成される制御装置80を備えている。マイクロコンピュータには、CPU、RAMおよびROMなどが含まれる。制御装置80は、予め定められたプログラムに従って、インデクサロボット6、シャトル搬送機構7、主搬送ロボット9、モータ28、アーム駆動機構30、遮断板昇降駆動機構45および遮断板回転駆動機構46の駆動を制御し、リンス液バルブ32、薬液バルブ34、IPAバルブ38、窒素ガスバルブ42、第1排気バルブ62、第1窒素ガスバルブ66、第1クリーンエアバルブ67、第2排気バルブ70、第2窒素ガスバルブ74、第2クリーンエアバルブ75の開閉を制御する。また、ランプハウス57の照射動作を制御する。
【0050】
次に、この基板処理装置1による基板Wの処理動作を説明する。図5は、第1実施形態の基板処理装置1による基板Wの処理動作のフローチャートである。基板処理装置1の処理チャンバ10では、基板Wの表面をフッ酸(HF)による洗浄処理を行う。また、リンス処理の後には有機溶剤(たとえばIPA)を供給してから乾燥する溶剤乾燥処理を行う。
【0051】
まず、未処理の基板Wが収容された基板収容器17が図示しない搬送機構によっていずれかの収容器保持部4まで搬送されて収容器保持部4に保持される。インデクサロボット6は、基板収容器17に対向する位置まで移動し、ハンドを基板収容器17にアクセスさせて、基板収容器17から未処理の基板Wを取り出して、シャトル搬送機構7に対向する位置(インデクサ搬送路5の中央部)まで移動する。シャトル搬送機構7は第1受け渡し位置に位置している。第1窓部15のシャッターが開かれて、インデクサロボット6は、未処理の基板Wを保持したハンドをシャトル搬送機構7のハンド52上にアクセスさせて、ハンド52に未処理の基板Wを受け渡す(ステップS1)。
【0052】
未処理の基板Wを受け取ったシャトル搬送機構7は、第1受け渡し位置から第2受け渡し位置まで移動する。この際、ランプハウス57は紫外線の照射を行っていない。第2受け渡し位置まで移動したシャトル搬送機構7は、第2窓部16のシャッターが開かれた状態で、主搬送ロボット9のハンドがシャトル搬送機構7のハンド52の下にアクセスすることにより、基板Wを主搬送ロボット9に受け渡す(ステップS2)。
【0053】
主搬送ロボット9は、処理チャンバ10内に未処理の基板Wを搬入し、スピンチャック21に受け渡す(ステップS3)。このとき、遮断板24は、基板Wの搬入の妨げにならないように、スピンチャック21の上方に大きく離間した位置に退避されている。また、リンスノズル22(アーム49)は、基板Wの搬入の妨げにならないように、スピンチャック21の上方から退避されている。
【0054】
スピンチャック21に基板Wが保持されると、モータ28が駆動されて、基板Wの回転が開始される。基板Wの回転速度は、たとえば、1000rpmである。そして、薬液バルブ34が開かれて、薬液ノズル23から回転中の基板Wの表面の中央に向けて、薬液(フッ酸)が供給される。基板Wの表面中央に供給された薬液は、基板Wの回転による遠心力によって基板Wの周縁部に拡がり、基板Wの表面の全域に供給される。その結果、基板Wの表面全域が薬液により処理(フッ酸により洗浄)される(薬液処理;ステップS4)。基板Wの表面に薬液が所定時間にわたって供給されると、薬液バルブ34が閉じられて、薬液処理が終了する。次に、アーム駆動機構30の駆動が制御されて、リンスノズル22がスピンチャック21に保持された基板Wの上方に配置される。
【0055】
そして、リンス液バルブ32が開かれて、スピンチャック21により基板Wが回転されつつ、その基板Wの表面にリンスノズル22から純水が供給される。また、純水の供給時には、アーム49が所定の角度範囲内で揺動される。これにより、基板Wの表面における純水の着液位置が、基板Wの回転中心から基板Wの周縁部に至る範囲内を円弧状の軌跡を描きつつ移動する。その結果、純水が基板Wの表面の全域にむらなく供給され、基板Wの表面に付着している薬液が純水で洗い流される(リンス処理;ステップS5)。
【0056】
基板Wの表面に供給された純水は、基板Wの回転による遠心力によって、基板Wの周縁から側方へ飛散する。基板Wから飛散した純水は、カップ47の底部に集められ、廃液ライン48を介して廃棄される。なお、純水の供給時に、リンスノズル22が基板Wの回転中心から基板Wの周縁部に移動せずに、リンスノズル22が基板Wの上方に固定された状態で基板Wに純水を供給してもよい。
【0057】
リンス液バルブ32が開かれてから予め定める時間が経過すると、リンス液バルブ32が閉じられる。そして、アーム駆動機構30の駆動が制御されて、リンスノズル22(アーム49)がスピンチャック21の上方から退避される。
【0058】
次いで、遮断板昇降駆動機構45の駆動が制御されて、遮断板24が基板Wの表面に近接する位置に下降される。そして、遮断板回転駆動機構46の駆動が制御されて、遮断板24が基板Wと同方向に同じ回転速度で回転される。その一方で、窒素ガスバルブ42が開かれて、窒素ガス吐出口43から基板W(の表面)と遮断板24との間に窒素ガスが供給される。また、IPAバルブ38が開かれて、IPAノズル39から基板Wの表面にIPA液が供給される。基板Wの表面にIPA液が供給されている間、基板Wは、予め定める回転速度(たとえば、1000rpm)で回転されている。これにより、IPA液が基板Wの表面の全域にむらなく行き渡り、基板Wの表面の全域において、純水とIPA液との良好な置換が達成される。
【0059】
IPAバルブ38が開かれてから予め定める時間が経過すると、IPAバルブ38が閉じられる。そして、モータ28の駆動が制御されて、基板Wの回転速度が予め定める回転速度(たとえば、3000rpm)に上げられる。これにより、基板Wの表面に付着しているIPA液が遠心力により振り切られて除去される(乾燥処理;ステップS6)。基板Wから除去されたIPA液は、カップ47の底部に集められ、廃液ライン48を介して廃棄される。
【0060】
IPA液の供給停止から予め定める時間が経過すると、窒素ガスバルブ42が閉じられる。また、モータ28の駆動が停止されて、基板Wの回転が停止される。さらに、遮断板昇降駆動機構45の駆動が制御されて、遮断板24が基板Wの表面に近接する位置からスピンチャック21の上方に大きく離間した位置に上昇される。これにより、基板Wに対する薬液処理、リンス処理および乾燥処理が終了する。そして、主搬送ロボット9のハンドが処理チャンバ10に進入して、処理済みの基板Wを処理チャンバ10から搬出する。
【0061】
処理チャンバ10から搬出された処理済みの基板Wは、第2窓部16が開かれた状態で、主搬送ロボット9によって第2受け渡し位置に位置しているシャトル搬送機構7のハンド53に受け渡される(ステップS7)。シャトル搬送機構7に基板Wが受け渡された後は、第2窓部16のシャッターは閉じられる。処理済みの基板Wを受け取ったシャトル搬送機構7は、第2受け渡し位置から第1受け渡し位置まで移動する。
【0062】
この際、ランプハウス57は搬送中の処理済みの基板Wに対して紫外線を照射する。また、シャトル搬送機構7に基板Wが受け渡されると同時もしくはその直前から、第1給排気口60から窒素ガスを噴出し、第2給排気口68から排気を行うことによりシャトル搬送空間14内を窒素ガス雰囲気とする。具体的には、第1窒素ガスバルブ66を開けて、第1クリーンエアバルブ67と第1排気バルブ62を閉じる。一方、第2排気バルブ70を開けて、第2窒素ガスバルブ74と第2クリーンエアバルブ75を閉じる。これにより、窒素ガス供給源から第1窒素ガス供給配管64、第1ガス供給配管63および第1給排気配管61を介して第1給排気口60から窒素ガスが噴出されるとともに、第2給排気口68から第2給排気配管69を介して排気機構に向けて排気が行われる。
【0063】
したがって、シャトル搬送空間14内は、第1受け渡し位置から第2受け渡し位置に向けて流れる窒素ガスの気流が形成される。したがって、シャトル搬送機構7のハンド53に保持されている処理済みの基板Wの表面には窒素ガス雰囲気が形成される。したがって、シャトル搬送機構7のハンド53に保持されている処理済みの基板Wは、第2受け渡し位置から第1受け渡し位置に搬送されるのと同時に、窒素ガス雰囲気下でランプハウス57から紫外線が照射される。第1受け渡し位置に移動したシャトル搬送機構7は、第1窓部15のシャッターが開かれた状態で、ハンド53の下にアクセスしたインデクサロボット6のハンドに基板Wが受け渡される(ステップS8)。インデクサロボット6は、受け取った処理済みの基板Wを基板収容器17に収納する(ステップS9)。
【0064】
このように第1実施形態では、処理チャンバ10で処理された基板Wは、処理チャンバ10から収容器保持部4まで搬送されるまでの間に、172nmの波長を中心とする紫外線が照射される。具体的には、シャトル搬送機構7で第2受け渡し位置から第1受け渡し位置まで搬送される際に、シャトル搬送空間14の上部に設置されたランプハウス57から紫外線が照射される。また、シャトル搬送空間14内にはこのとき第1給排気口60から第2給排気口68に向けて窒素ガスが供給されている。したがって、処理チャンバ10で処理液(薬液、リンス液、IPA液)により処理が施された後の基板Wは、基板収容器17に収容されるまでの搬送中に紫外線が照射され、これにより基板Wに付着している有機物が分解、除去される。
【0065】
この第1実施形態では、処理チャンバ10においてIPA液が基板Wに供給される。有機溶剤であるIPA液には有機不純物が含まれているおそれがあり、基板WにIPA液が供給されることにより、これらの有機不純物が基板W表面に付着し、乾燥処理が終了した後の基板Wに残留することがある。また、処理チャンバ10内の雰囲気中にIPA液に含まれる有機不純物が浮遊し、これらの有機不純物が乾燥処理後の基板Wに再付着するおそれがある。したがって、処理チャンバ10で処理液により処理が施された後の基板Wに対して、紫外線が照射されることによって、このような有機不純物を分解、除去することができる。さらに、この第1実施形態では、シャトル搬送機構7による搬送動作と同時に基板Wへの紫外線照射が並行して行われるので、装置のスループットを低下させることなく、紫外線照射による処理を基板に施すことができる。
【0066】
紫外線照射による有機物分解・除去処理は、大気中の酸素に172nmの波長を中心とする紫外線が吸収されることにより、励起酸素原子が生成され、この励起酸素原子が紫外線により分解された基板W上の有機物と反応することによって、揮発性物質となり揮発除去される。一方、この紫外線は大気中の酸素に吸収されることにより、オゾンが生成され、オゾンが基板W表面に作用して、基板W表面に酸化膜が形成される。よって、紫外線が照射される際の大気雰囲気中の酸素濃度によって、基板Wへの作用が異なり、雰囲気中の酸素濃度を低くすることによって、より効率的に基板W表面の有機物を分解・除去することができる。この第1実施形態では、基板Wが搬送される方向に逆行するように基板W表面上に第1給排気口60から窒素ガスが供給されるので、基板Wの表面上をより効率的に窒素ガス雰囲気とすることができる。したがって、基板W表面上の酸素濃度を低下させることができ、より効率的に基板W表面の有機物を分解・除去することができる。
【0067】
なお、この第1実施形態では、基板Wに供給される有機溶剤としてIPA液が用いられているが、IPA液以外の有機溶剤が用いられてもよい。たとえば、HFE(ハイドロフロロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液が用いられてもよい。また、単体成分のみからなる場合だけでなく、他の成分と混合した液体であってもよい。たとえば、IPA液と純水の混合液であってもよいし、IPA液とHFEの混合液であってもよい。
【0068】
次に、この発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の基板処理装置1の構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態と異なる点は、処理チャンバ10における処理が施される前の基板Wに対して、シャトル搬送機構7で第1受け渡し位置から第2受け渡し位置まで搬送している際に、ランプハウス57から紫外線が照射されることである。以下、第2実施形態の基板処理装置1による基板Wの処理動作を説明する。
【0069】
図6は、基板処理装置1における第2実施形態の基板Wの処理動作を説明するためのフローチャートである。第2実施形態では、基板Wの表面に不純物を注入するイオン注入処理やドライエッチング処理が施された後の基板Wを処理する。これらの基板Wの表面には不要になったレジスト膜が形成されており、このレジスト膜を除去するレジスト除去処理が行われる。
【0070】
まず、未処理の基板Wが収容された基板収容器17が図示しない搬送機構によっていずれかの収容器保持部4まで搬送されて収容器保持部4に保持される。インデクサロボット6は、基板収容器17に対向する位置まで移動し、ハンドを基板収容器17にアクセスさせて、基板収容器17から未処理の基板Wを取り出して、シャトル搬送機構7に対向する位置(インデクサ搬送路5の中央部)まで移動する。シャトル搬送機構7は第1受け渡し位置に位置している。第1窓部15のシャッターが開かれて、インデクサロボット6は、未処理の基板Wを保持したハンドをシャトル搬送機構7のハンド53上にアクセスさせて、ハンド53に未処理の基板Wを受け渡す(ステップS11)。
【0071】
未処理の基板Wを受け取ったシャトル搬送機構7は、第1受け渡し位置から第2受け渡し位置まで移動する。この際、ランプハウス57は搬送中の未処理の基板Wに対して紫外線を照射する。また、シャトル搬送機構7に基板Wが受け渡されるのと同時もしくはその直前から、第2給排気口68から窒素ガスを噴出し、第1給排気口60から排気を行うことによりシャトル搬送空間14内を窒素ガス雰囲気とする。
【0072】
具体的には、第2窒素ガスバルブ74を開けて、第2クリーンエアバルブ75と第2排気バルブ70を閉じる。一方、第1排気バルブ62を開けて、第1窒素ガスバルブ66と第1クリーンエアバルブ67を閉じる。これにより、窒素ガス供給源から第2窒素ガス供給配管72、第2ガス供給配管71および第2給排気配管69を介して第2給排気口68から窒素ガスが噴出されるとともに、第1給排気口60から第1給排気配管61を介して排気機構に向けて排気が行われる。
【0073】
したがって、シャトル搬送空間14内は、第2受け渡し位置から第1受け渡し位置に向けて流れる窒素ガスの気流が形成される。したがって、シャトル搬送機構7のハンド53に保持されている未処理の基板Wの表面には窒素ガス雰囲気が形成される。このように、シャトル搬送機構7のハンド53に保持されている未処理の基板Wは、第1受け渡し位置から第2受け渡し位置に搬送されるのと同時に、窒素ガス雰囲気下でランプハウス57から紫外線が照射される。第2受け渡し位置に移動したシャトル搬送機構7は、第2窓部16のシャッターが開かれた状態で、主搬送ロボット9のハンドがシャトル搬送機構7のハンド53の下にアクセスすることにより、基板Wを主搬送ロボット9に受け渡す(ステップS12)。
【0074】
主搬送ロボット9は処理チャンバ10内に未処理の基板Wを搬入し、スピンチャック21に受け渡す(ステップS13)。このとき、遮断板24は、基板Wの搬入の妨げにならないように、スピンチャック21の上方に大きく離間した位置に退避されている。また、リンスノズル22(アーム49)は、基板Wの搬入の妨げにならないように、スピンチャック21の上方から退避されている。
【0075】
スピンチャック21に基板Wが保持されると、モータ28が駆動されて、基板Wの回転が開始される。基板Wの回転速度は、たとえば、1000rpmである。そして、薬液バルブ34が開かれて、薬液ノズル23から回転中の基板Wの表面の中央に向けて、薬液としてSPM(硫酸と過酸化水素水の混合液)が供給される。基板Wの表面中央に供給されたSPMは、基板Wの回転による遠心力によって基板Wの周縁部に拡がり、基板Wの表面の全域に供給される。その結果、基板Wの表面全域がSPMにより処理される(薬液処理;ステップS14)。すなわち、基板Wの表面に供給されたSPMの強酸化力がレジストに作用し、基板Wの表面からレジストが除去される。
【0076】
なお、このように薬液が基板Wに供給される薬液処理においては、基板Wの表面に接触した薬液が基板Wの表面の膜材料と反応することにより処理が進行する。この第2実施形態では、薬液処理に先立って、基板Wの表面に紫外線が照射されることにより、未処理の基板Wに付着していた有機物が分解、除去される。これにより、基板Wの表面の親水性が向上するため、薬液が基板Wの表面に接触しやすくなる。したがって、薬液の基板Wの表面への反応性が向上し、薬液による基板Wの処理が促進される。
【0077】
基板Wの表面に対してSPMが所定時間にわたって供給されると、薬液バルブ34が閉じられて、薬液処理が終了する。次に、アーム駆動機構30の駆動が制御されて、リンスノズル22がスピンチャック21に保持された基板Wの上方に配置される。
【0078】
そして、リンス液バルブ32が開かれて、スピンチャック21により基板Wが回転されつつ、その基板Wの表面にリンスノズル22から純水が供給される。また、純水の供給時には、アーム49が所定の角度範囲内で揺動される。これにより、基板Wの表面における純水の着液位置が、基板Wの回転中心から基板Wの周縁部に至る範囲内を円弧状の軌跡を描きつつ移動する。その結果、純水が基板Wの表面の全域にむらなく供給され、基板Wの表面に付着しているSPMが純水で洗い流される(リンス処理;ステップS15)。
【0079】
基板Wの表面に供給された純水は、基板Wの回転による遠心力によって、基板Wの周縁から側方へ飛散する。基板Wから飛散した純水は、カップ47の底部に集められ、廃液ライン48を介して廃棄される。なお、純水の供給時に、リンスノズル22がウ基板Wの回転中心から基板Wの周縁部に移動せずに、リンスノズル22が基板Wの上方に固定された状態で基板Wに純水を供給してもよい。
【0080】
リンス液バルブ32が開かれてから予め定める時間が経過すると、リンス液バルブ32が閉じられる。そして、アーム駆動機構30の駆動が制御されて、リンスノズル22(アーム49)がスピンチャック21の上方から退避される。
【0081】
次いで、遮断板昇降駆動機構45の駆動が制御されて、遮断板24が基板Wの表面に近接する位置に下降される。そして、遮断板回転駆動機構46の駆動が制御されて、遮断板24が基板Wと同方向に同じ回転速度で回転される。その一方で、窒素ガスバルブ42が開かれて、窒素ガス吐出口43から基板W(の表面)と遮断板24との間に窒素ガスが供給される。そして、モータ28の駆動が制御されて、基板Wの回転速度が予め定める回転速度(たとえば、3000rpm)に上げられる。これにより、基板Wの表面に付着している純水が遠心力により振り切られて除去される(乾燥処理;ステップS16)。基板Wから除去された純水は、カップ47の底部に集められ、廃液ライン48を介して廃棄される。
【0082】
基板Wを所定の回転速度で回転させた状態で、予め定める時間が経過すると、窒素ガスバルブ42が閉じられる。また、モータ28の駆動が停止されて、基板Wの回転が停止される。さらに、遮断板昇降駆動機構45の駆動が制御されて、遮断板24が基板Wの表面に近接する位置からスピンチャック21の上方に大きく離間した位置に上昇される。これにより、基板Wに対する薬液処理、リンス処理および乾燥処理が終了する。そして、主搬送ロボット9のハンドが処理チャンバ10に進入して、処理済みの基板Wを処理チャンバ10から搬出する。
【0083】
処理チャンバ10から搬出された処理済みの基板Wは、主搬送ロボット9によって、第2窓部16のシャッターが開かれた状態で、第2受け渡し位置に位置しているシャトル搬送機構7のハンド52に受け渡される(ステップS17)。処理済みの基板Wを受け取ったシャトル搬送機構7は、第2受け渡し位置から第1受け渡し位置まで移動する。この際、ランプハウス57は紫外線の照射を行っていない。第1受け渡し位置に移動したシャトル搬送機構7は、第1窓部15のシャッターが開かれた状態で、ハンド52の下にアクセスしたインデクサロボット6のハンドに基板Wが受け渡される(ステップS18)。インデクサロボット6は受け取った処理済みの基板Wを基板収容器17に収納する(ステップS19)。
【0084】
このように、第2実施形態では、処理チャンバ10で処理される前の未処理の基板Wは、収容器保持部4から処理チャンバ10まで搬送されるまでの間に172nmの波長を中心とする紫外線が照射される。具体的には、シャトル搬送機構7で第1受け渡し位置から第2受け渡し位置まで搬送される際に、シャトル搬送空間14の上部に設置されたランプハウス57から紫外線が照射される。また、シャトル搬送空間14内には、このとき第2給排気口68から第1給排気口60に向けて窒素ガスが供給されている。したがって、処理チャンバ10で処理が施される前の未処理の基板Wは、処理チャンバ10に搬入されるまでに紫外線が照射され、基板Wに付着している有機物が分解、除去される。したがって、基板Wの表面の親水性が向上し、その後に基板Wに供給される薬液は基板Wの表面により接触しやすくなり、基板Wの表面の膜との反応性が向上する。これにより、薬液による基板Wの処理が促進される。したがって、薬液による処理にかかる時間を短縮することができる。これにより、少ない量の薬液で基板Wの表面の処理を行うことができるので、薬液の消費量を少なくすることができる。さらに、本実施形態では、シャトル搬送機構7による搬送動作と同時に基板Wへの紫外線照射が並行して行われるので、装置のスループットを低下させることなく、紫外線照射による処理を基板に施すことができる。
【0085】
また、この第2実施形態でも基板Wが搬送される方向に逆行するように基板W表面上に第2給排気口68から窒素ガスが供給されるので、基板Wの表面上をより効率的に窒素ガス雰囲気とすることができる。したがって、基板W表面上の酸素濃度を低下させることができ、より効率的に基板W表面の有機物を分解・除去することができる。
【0086】
以上、この発明の第1および第2実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。前述の第1、第2実施形態では、処理チャンバ10における処理液による処理の前もしくは後に基板Wに紫外線を照射することによって、基板Wの表面の有機物を分解・除去しているが、基板Wに紫外線を照射することによって、基板Wの表面に酸化膜を形成するようにしてもよい。以下、この実施形態について説明する。
【0087】
前述の第1、第2実施形態では、シャトル搬送空間14において基板Wの表面に紫外線を照射する際に、第1給排気口60もしくは第2給排気口68から基板Wの搬送方向に逆行するように基板W表面上に窒素ガスが供給されている。これにより、基板Wの表面上をより窒素ガス雰囲気とした状態で、基板Wに紫外線が照射されることにより、基板Wの表面に付着している有機物が分解・除去されている。
【0088】
これに対し、ランプハウス57から基板Wに紫外線が照射される際に、シャトル搬送空間14内の雰囲気中の酸素濃度を上げることにより、基板W表面には酸化膜が形成される。たとえば、処理チャンバ10で処理される前の基板Wの表面に酸化膜を形成する場合、シャトル搬送機構7によって第1受け渡し位置から第2受け渡し位置まで基板Wが搬送される際に、第2窒素ガスバルブ74と第2クリーンエアバルブ75を開けて、第2排気バルブ70を閉じるとともに、第1排気バルブ62を開けて、第1窒素ガスバルブ66と第1クリーンエアバルブ67を閉じる。これにより、窒素ガス供給源から第2窒素ガス供給配管72、第2ガス供給配管71および第2給排気配管69を介して第2給排気口68から窒素ガスが噴出されるとともに、クリーンエア供給源から第2クリーンエア供給配管73、第2ガス供給配管71および第2給排気配管69を介して第2給排気口68からクリーンエアが噴出される。そして、第1給排気口60から第1給排気配管61を介して排気機構に向けて排気が行われる。
【0089】
したがって、シャトル搬送空間14内は、第2受け渡し位置から第1受け渡し位置に向けて流れる窒素ガスとクリーンエアの混合気流が形成される。したがって、シャトル搬送機構7で搬送されている基板Wの表面上には、窒素ガスのみが噴出しているときよりも酸素濃度が高い雰囲気が形成される。この状態で、ランプハウス57から基板Wに紫外線が照射されると、紫外線が大気中の酸素に吸収されることにより発生するオゾンが基板Wの表面に作用することによって、基板Wの表面に酸化膜が形成される。
【0090】
このように、シャトル搬送機構7のハンド53に保持されている未処理の基板Wは、第1受け渡し位置から第2受け渡し位置に搬送されるのと同時に、その表面に酸化膜が形成される。また、紫外線照射によって発生するオゾンによって形成された酸化膜は、薬液(過酸化水素水やオゾン水)を供給して形成される酸化膜よりも表面粗さを低く抑えることができる。このように、基板Wを搬送するのと同時に基板Wの表面に紫外線を照射して酸化膜を形成することにより、その後の処理液(たとえば過酸化水素水やオゾン水)による酸化膜形成処理を省くことができ、基板Wの処理時間を短縮することができる。また、処理液の消費量も抑えることができる。また、紫外線照射は基板Wが搬送されている際に並行して行われるので、装置のスループットを低下させることなく、紫外線照射による処理を基板に施すことができる。これにより、基板表面を良好に処理することができるとともに基板の処理時間をより短縮することができる。
【0091】
また、処理チャンバ10での処理が施された後の基板Wの表面に酸化膜を形成する場合は、シャトル搬送機構7によって第2受け渡し位置から第1受け渡し位置まで基板Wが搬送される際に、第1窒素ガスバルブ66と第1クリーンエアバルブ67を開けて、第1排気バルブ62を閉じるとともに、第2排気バルブ70を開けて、第2窒素ガスバルブ74と第2クリーンエアバルブ75を閉じる。これにより、窒素ガス供給源から第1窒素ガス供給配管64、第1ガス供給配管63および第1給排気配管61を介して第1給排気口60から窒素ガスが噴出されるとともに、クリーンエア供給源から第1クリーンエア供給配管65、第1ガス供給配管63および第1給排気配管61を介して第1給排気口60からクリーンエアが噴出される。そして、第2給排気口68から第2給排気配管69を介して排気機構に向けて排気が行われる。
【0092】
したがって、シャトル搬送空間14内は、第1受け渡し位置から第2受け渡し位置に向けて流れる窒素ガスとクリーンエアの混合気流が形成される。この状態で、ランプハウス57から紫外線が照射されることにより、基板Wの表面に酸化膜を形成することができる。このように、処理チャンバ10において処理液による処理が施された後に基板Wに対して、処理チャンバ10から基板収容器17へ搬送するのと同時に、基板Wの表面に酸化膜形成処理を行うことができる。したがって、処理チャンバ10における処理液(たとえば過酸化水素水やオゾン水)による酸化膜形成処理を省くことができ、基板の処理時間を短縮することができる。また、処理液の消費量も抑えることができる。また、紫外線照射は基板が搬送されている際に並行して行われるので、装置のスループットを低下させることなく、紫外線照射による処理を基板に施すことができる。これにより、基板表面を良好に処理することができるとともに基板の処理時間をより短縮することができる。
【0093】
なお、前述の第1、第2実施形態では、処理チャンバ10における処理の前もしくは後のいずれかの搬送工程の際にのみ、紫外線を照射する構成としているが、処理チャンバ10における処理前後の両方の搬送工程において紫外線を照射する構成としてもよい。たとえば、処理チャンバ10の処理前と処理後の両方の搬送工程において、紫外線を照射することで基板Wの表面に付着している有機物を除去するようにしてもよいし、あるいは基板Wの表面に酸化膜を形成する処理を施してもよい。また、処理チャンバ10の処理前と処理後のいずれか一方では紫外線照射による有機物除去処理を行い、他方では紫外線照射による酸化膜形成処理を行ってもよい。
【0094】
また、前述の第1、第2実施形態では、シャトル搬送機構7が配置されたシャトル搬送空間14の上部にランプハウス57を設けて、シャトル搬送機構7による搬送と同時に基板Wに紫外線を照射する構成としているが、インデクサロボット6が配置されているインデクサ搬送路5の上部にランプハウス57を設ける構成としてもよい。そして、インデクサロボット6による搬送の際に、基板Wに紫外線が照射されるようにしてもよい。または、主搬送ロボット9の配置されている搬送路8の上部にランプハウス57を設けて、主搬送ロボット9による搬送の際に基板Wに紫外線が照射されるようにしてもよい。
【0095】
また、前述の第2実施形態では、基板Wに紫外線を照射する際には、シャトル搬送空間14にはクリーンエアと窒素ガスの混合気体が供給される構成としたが、クリーンエアのみを供給するようにしてもよい。このような構成によっても基板W表面への酸化膜形成処理を行うことができる。また、クリーンエアの供給は行わずに、シャトル搬送空間14への窒素ガスの供給流量を増減させることによってシャトル搬送空間14内の酸素濃度を調整するようにしてもよい。
【0096】
また、処理チャンバ10で施される処理としては、前述の第1実施形態のようなHFによる洗浄処理や、前述の第2実施形態のようなSPMによるレジスト除去処理以外の処理であってもよい。たとえば、APM(ammonia−hydrogen peroxide mixture:アンモニア過酸化水素水)などのポリマ除去液を供給して、基板Wの表面からポリマ(レジスト残渣)を除去するポリマ除去処理や、フッ酸、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸、酢酸、アンモニア、過酸化水素水、クエン酸、蓚酸、TMAH、王水のうちの少なくともいずれか1つを含むエッチング液を供給して、基板Wの表面から酸化膜や金属薄膜などをエッチング除去するエッチング処理でもよい。
【0097】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 基板処理装置
2 処理部
3 インデクサ部
4 収容器保持部
5 インデクサ搬送路
6 インデクサロボット
7 シャトル搬送機構
8 搬送路
9 主搬送ロボット
10 処理チャンバ
11 流体ボックス
12 第1隔壁
13 第2隔壁
14 シャトル搬送空間
15 第1窓部
16 第2窓部
17 基板収容器
57 ランプハウス
58 エキシマランプ
60 第1給排気口
61 第1給排気配管
62 第1排気バルブ
63 第1ガス供給配管
64 第1窒素ガス供給配管
65 第1クリーンエア供給配管
66 第1窒素ガスバルブ
67 第1クリーンエアバルブ
68 第2給排気口
69 第2給排気配管
70 第2排気バルブ
71 第2ガス供給配管
72 第2窒素ガス供給配管
73 第2クリーンエア供給配管
74 第2窒素ガスバルブ
75 第2クリーンエアバルブ
80 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して処理を施すための基板処理装置であって、
基板に対して処理液による処理を施すための基板処理部と、
基板を収容する基板収容器を保持する収容器保持部と、
前記収容器保持部と前記基板処理部との間で基板を搬送するための基板搬送手段と、
前記基板搬送手段が配置された基板搬送空間に設けられ、前記基板搬送手段により搬送中の基板に対して、172nmの波長を中心とする紫外線を照射する紫外線照射手段とを備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記基板搬送空間内の酸素濃度を調整する酸素濃度調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記酸素濃度調整手段は、前記基板搬送空間内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段を含み、前記不活性ガス供給手段による不活性ガス供給量を調整することにより前記基板搬送空間内の酸素濃度を調整するものであることを特徴とする請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記不活性ガス供給手段は、不活性ガスの供給方向を変更する供給方向変更手段を含み、前記供給方向変更手段は前記基板搬送手段による基板の搬送方向に応じて、不活性ガスの供給方向を変更することを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記紫外線照射手段は、前記基板処理部において処理が施された後であって、前記収容器保持部に搬送中の基板に対して紫外線を照射することを特徴とする請求項1ないし4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記紫外線照射手段は、前記収容器保持部から前記基板処理部に搬送中の未処理の基板に対して紫外線を照射することを特徴とする請求項1ないし5記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記紫外線照射手段は、172nmの波長を中心とする紫外線を発生するエキシマランプであることを特徴とする請求項1ないし6記載の基板処理装置。
【請求項8】
基板処理部において基板に対して処理液による処理を施す基板処理工程と、
基板を収容する基板収容器を保持する収容器保持部と前記基板処理部との間で基板を搬送する基板搬送工程と、
前記基板搬送工程と並行して行われ、搬送中の基板に対して172nmの波長を中心とする紫外線を照射する紫外線照射工程とを備えたことを特徴とする基板処理方法。
【請求項9】
前記紫外線照射工程は、前記基板処理工程の後に行われることを特徴とする請求項8記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記紫外線照射工程は、前記基板処理工程に先立って行われることを特徴とする請求項8または9記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−204944(P2011−204944A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71345(P2010−71345)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】