基板搬送設備
【課題】収納対象の基板を収納容器に迅速に収納することができる基板搬送設備を提供する。
【解決手段】矩形状の基板を載置支持する複数の支持板45が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、収納容器2に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板45の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板45上に位置するように収納容器に収納する収納手段とが設けられ、支持板45が、基板を載置支持する載置面48aより下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域Eの内外に伸びる凹入部50を備えている。
【解決手段】矩形状の基板を載置支持する複数の支持板45が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、収納容器2に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板45の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板45上に位置するように収納容器に収納する収納手段とが設けられ、支持板45が、基板を載置支持する載置面48aより下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域Eの内外に伸びる凹入部50を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状の基板を載置支持する複数の支持板が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、前記収納容器に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する前記支持板の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、前記浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した前記収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように前記収納容器に収納する収納手段とが設けられている基板搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる基板搬送設備は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに使用されるガラス基板等の矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並設された支持板上に載置支持した状態で収納可能な収納容器に対して、浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように収納手段にて収納するものであるから、収納対象の基板を擦れ等による損傷が少ない状態で収納容器に収納することができるものである。
そして、このような基板搬送設備において、従来では、支持板が、その上面が平坦に形成されており、収納対象の基板は支持板の平坦な上面に直接に載置支持するように構成されており、収納対象の基板を収納手段にて収納して収納対象の基板を支持板上に位置させた後は、浮上用空気噴出体を噴出停止状態に切り換えて空気の噴出を停止させ、収納対象の基板を支持板にて載置支持させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−315850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の基板搬送設備では、支持板の上面が平坦に形成されているために、浮上用空気噴出体を噴出停止状態に切り換えても、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間に空気が滞留することになり、支持板にて収納対象の基板を載置支持できるまでに時間がかかることになる。よって、従来の基板搬送設備では、収納対象の基板を収納容器に迅速に収納することができないものであった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、収納対象の基板を収納容器に迅速に収納することができる基板搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる基板搬送設備は、矩形状の基板を載置支持する複数の支持板が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、前記収納容器に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する前記支持板の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、前記浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した前記収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように前記収納容器に収納する収納手段とが設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記支持板が、前記基板を載置支持する載置面より下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域の内外に伸びる凹入部を備えている点にある。
【0007】
すなわち、支持板に、基板を載置支持する載置面より下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域の内外に伸びる凹入部が備えられているから、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を凹入部を通して外方に積極的に排気させることができる。よって、浮上用空気噴出体を噴出停止状態に切り換えたときに、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を速やかに外方に排気させて、収納対象の基板を載置面にて載置支持することができる。
従って、収納対象の基板を収納容器に迅速に収納することができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【0008】
本発明にかかる基板搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記凹入部が、前記支持予定領域の中央部から前記支持予定領域の外部に伸びる形状に形成されている点にある。
【0009】
すなわち、凹入部が、支持予定領域の中央部から支持予定領域の外部に伸びる形状に形成されているから、収納対象の基板における中央部下方の空気を凹入部を通して外方に排気させることができる。これにより、空気が滞留し易い収納対象の基板における中央部下方の空気を積極的に外方に排気させることができるので、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を効率よく外方に排気させることができる。よって、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができる。
従って、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかる基板搬送設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記凹入部が、前記支持予定領域における基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成されている点にある。
【0011】
すなわち、凹入部が、支持予定領域における基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成されているから、基板収納方向の上流側端部から下流側端部の全体に亘る収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を外方に排気させることができる。これにより、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を効率よく且つより速やかに外方に排気させることができる。しかも、収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間に空気を噴出するときには、凹入部を利用して基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って流動させることができ、その流動により収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間の全体に亘って空気を的確に供給することができ、収納手段による基板の収納を安定よく行い易いものとなる。
従って、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができながら、収納手段による基板の収納を安定よく行い易い物品搬送設備を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかる基板搬送設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記浮上用空気噴出体が、前記基板収納方向と交差する横幅方向に間隔を隔てた状態で並設され、前記支持板が、前記横幅方向に並設された前記浮上用空気噴出体の間に位置するように前記凹入部を備えて構成されている点にある。
【0013】
すなわち、支持板が、横幅方向に並設された浮上用空気噴出体の間に位置するように凹入部を備えて構成されているから、浮上用空気噴出体にて収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間に噴出された空気の流動が、支持板における載置部を形成する部分にて邪魔され難く、基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って空気を適正に流動させることができる。よって、収納手段による基板の収納をより安定よく行い易いものとなる。
従って、収納手段による基板の収納をより安定よく行い易い物品搬送設備を提供することができるに至った。
【0014】
本発明にかかる基板搬送設備の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記支持板が、上面が平坦な支持用基板と前記載置面を備えかつ前記支持用基板の上面から上方に突出する複数の突起部とを備えて構成され、且つ、前記突起部を前記支持用基板に基板収納方向並びにこの方向と交差する横幅方向に並設することにより前記凹入部が形成されている点にある。
【0015】
すなわち、支持板を、上面が平坦な支持用基板と前記載置面を備えかつ支持用基板の上面から上方に突出する複数の突起部とを備えて構成し、突起部を支持用基板に基板収納方向並びに横幅方向に並設することにより凹入部を形成しているから、基板収納方向に沿う凹入部分と横幅方向に沿う凹入部分とが互いに交差するように凹入部を形成することができる。よって、単に、支持用基板に複数の突起部を備えるという簡易な構成でありながら、基板収納方向にも横幅方向にも空気を外方に排気可能な凹入部を形成することができ、収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間の空気を速やかに外方に排気することができる。
従って、支持板における凹入部を形成し易くしながら、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【0016】
本発明にかかる基板搬送設備の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれか1つにおいて、前記収納容器を昇降自在に支持する昇降手段と、前記収納対象の基板を載置支持する前記支持板を前記浮上用空気噴出体及び前記収納手段に対応する収納用高さに位置させるべく前記昇降手段の作動を制御する昇降用制御手段とが設けられている点にある。
【0017】
すなわち、昇降手段にて収納容器を昇降させて、複数の支持板のいずれかを浮上用空気噴出体及び収納手段に対応する収納用高さに位置させることにより、その支持板に載置支持するように収納対象の基板を収納することができるので、収納対象の基板を複数の支持板に対してランダムに載置支持することができる。
また、収納容器を昇降手段にて昇降させることにより、収納容器より構成が複雑な浮上用空気噴出体及び収納手段を昇降移動させる必要がないため、支持板と浮上用空気噴出体及び取り出し手段との高さ方向での位置合わせを簡単に行うことができる。
従って、収納対象の基板を複数の支持板に対してランダムに載置支持することができ且つ支持板と浮上用空気噴出体及び取り出し手段との高さ方向での位置合わせを簡単に行うことができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、基板処理設備は、矩形状の基板1を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器2を収納する複数の収納部4を備えた物品収納棚5と、収納部4と基板入出部6との間で収納容器2を搬送する収納容器搬送装置としてのスタッカークレーン7と、基板入出部6に位置する収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して基板1を処理する基板処理装置(図示せず)に搬送し且つ基板処理装置から搬送される基板1を一枚ずつ収納容器2に収納する基板搬送装置8とを備えて構成されている。ここで、基板搬送装置8が本発明に係る基板搬送設備に相当する。
そして、この基板処理設備においては、収納容器2を物品収納棚5に保管しながら、保管した収納容器2を基板入出部6に搬送し、その基板入出部6に搬送された収納容器2から基板1を1枚単位で取り出して基板処理装置に搬送して所定の処理を行い、その所定の処理が行われた基板1を基板入出部6に位置する収納容器2に対して1枚単位で収納させるようにしている。
【0019】
図1及び図2に示すように、物品処理設備には、クリーン空間13において浄化空気を天井部より床部に通風させるダウンフロー式の浄化空気通風手段23が設けられており、そのダウンフローのクリーン空間13内に、収納棚5、スタッカークレーン7、及び、基板搬送装置8が装備されている。
浄化空気通風手段23について説明を加えると、図2に示すように、浄化空気通風手段23は、クリーン空間13の床部が多孔状のグレーティング床14にて形成され、クリーン空間13の天井部がHEPAフィルタなどからなるエアーフィルタ15にて形成されるとともに、グレーティング床14の下方側に形成された吸気室16とエアーフィルタ15の上方側に形成されたチャンバー室17とが通風ファン18及びプレフィルタ21を備えた循環路19にて連通されており、クリーン空間13内の空気を、プレフィルタ21とエアーフィルタ15とで清浄化させながら循環させて、浄化空気を天井部より床部に通風させるように構成されている。そして、循環路19には、通風ファン18より上流側に外気取入流路20が接続され、通風ファン18より下流側に排気流路22が接続されており、浄化空気通風手段23にて循環されるクリーン空間13内の空気の一部を外気と交換されている。
【0020】
また、図1に示すように、基板搬送装置8によって基板入出部6の収納容器2と基板処理装置との間で基板1を搬送する基板搬送エリア24には、物品収納棚5側の端部が開放され且つ基板処理装置側の端部が基板処理装置と連通するように基板搬送空間を覆う区画壁25が設けられ、この区画壁25の天井部に複数のエリア用ファンフィルタユニット26が設けられている。そして、複数のエリア用ファンフィルタユニット26にて、クリーン空間13の浄化空気をさらに清浄化させた浄化空気を天井側より床部側に通風させて、区画壁25にて覆われる基板搬送空間をダウンフローの空間としている。
【0021】
図1及び図2に示すように、物品収納棚5の夫々は、棚前後方向に並ぶ前後一対の支柱にて構成された支柱組28が棚横幅方向に並べて立設され、支柱組28を構成する前後一対の支柱に亘って複数の物品支持部29が上下方向に並べて架設されており、収納容器2を物品支持部29にて載置支持させた状態で収納する収納部4が縦横に並べられる状態で複数設けられている。ちなみに、物品収納棚5は、グレーティング床14上に互いに対向する状態で一対設けられている。
そして、物品収納棚5に設けられた複数の収納部4のうちの一部が基板入出部6とされている。説明を加えると、図3に示すように、物品収納棚5に設けられた最下段の複数の収納部4のうちの一部の収納部4は、その収納部4に収納された収納容器2に対して物品収納棚5の背面側を通して基板搬送装置8にて基板2を一枚ずつ取り出すことや一枚ずつ収納することができるように構成されており、基板入出部6とされている。
【0022】
図1及び図2に示すように、スタッカークレーン7は、互いに対向する状態で設けられた一対の収納棚5の間に形成された移動空間をその長手方向に沿って走行移動する移動台車31と、移動台車31に立設された台車走行方向に並ぶ一対の昇降マスト32に昇降自在に案内支持される昇降台33と、昇降台33に支持されて収納部4と自己との間で収納容器2を移載可能なフォーク式の物品移載装置34とが備えられており、移動台車31の水平移動、昇降台33の昇降移動、および、物品移載装置34の作動により、基板入出部6としての収納部4とこれ以外の収納部4との間で収納容器2を搬送するように構成されている。
【0023】
図3に示すように、物品移載装置34は、上下軸芯周りに旋回自在な旋回台35、及び、その旋回台35上に設けられた載置部36を出退移動自在に支持するリンク機構37から構成されている。そして、物品移載装置34は、リンク機構37の伸縮により物品移載装置34を昇降台33上に引退させた状態や物品移載装置34を収納部4側に突出させた状態に切り換え可能で、且つ、旋回台35の旋回により物品移載装置34の出退方向を180度変更可能に構成されている。
【0024】
本発明に係る基板搬送設備である基板搬送装置8は、図3等に示すように、基板入出部6に位置する収納容器2と基板搬送コンベヤ51との間で基板1を1枚ずつ受け渡すように構成されている。そして、基板搬送装置8としては、基板1を載置支持する複数の支持板45が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器2と、基板1を載置搬送する基板搬送コンベヤ51と、収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して基板搬送コンベヤ51に受け渡し且つ基板搬送コンベヤ51から受け取った基板1を一枚ずつ収納容器2に収納する基板中継ユニット70と、基板入出部6に位置する収納容器2を昇降自在に支持する昇降手段61と、基板搬送装置8の作動を制御する制御装置H(図19参照)とが備えられている。
次に、基板搬送装置8について詳細な説明を加えるが、基板取り出し方向の下流側(基板収納方向の上流側)を前方側とし、基板取り出し方向の上流側(基板収納方向の下流側)を後方側とし、基板取り出し方向(基板収納方向)に沿う方向を前後方向と称し、この方向と交差する方向を横幅方向として説明する場合がある。
【0025】
〔収納容器〕
図5及び図6に示すように、収納容器2は、前後面が開口する横倒れ姿勢の四角筒状に形成された容器本体41と、容器本体41の前側端部に前面の開口を閉塞する状態で設けられた蓋部材42と、容器本体41の後側端部に後面の開口を閉塞する状態で設けられたファンフィルタユニット43と、収納容器2内に上下方向に間隔を隔てた状態で並設された複数の支持板45とを備えて構成されている。
【0026】
容器本体41は、フレーム材にて直方体形状に枠組み形成するとともに左右面及び上下面の開口を板材にて閉塞させることにより、上述の前後面が開口する横倒れ姿勢の四角筒状に形成されている。そして、容器本体41の前面の開口を基板出し入れ口44として、容器本体41に対して基板出し入れ口44を通して基板1の出し入れが可能に構成されている。
【0027】
図5に示すように、蓋部材42は、基板出し入れ口44と同形状の開口が形成されるように蓋形成用のフレーム材にて枠組み形成されており、その開口は透明な板材にて閉塞されている。
また、蓋部材42には、容器本体41に上方から係合する被係合枠46が設けられている。つまり、蓋部材42は、蓋部材42を容器本体41に対して下方に移動させて被係合枠46を容器本体41に係合させることにより蓋部材42を容器本体41に装着することができ、蓋部材42を容器本体41に対して上方に移動させることにより蓋部材42を容器本体41から離脱させることができるように構成されている。
そして、蓋部材42は、容器本体41に装着された状態において、容器本体41との間に隙間が形成される形状に形成されており、ファンフィルタユニット43にて収納容器2内に導入された空気は、容器本体41と蓋部材42との間に形成された隙間を通して外部に排出される。
【0028】
図6に示すように、ファンフィルタユニット43は、容器本体41の後面の開口から基板出し入れ口44に向けて通風させるように容器本体41の後端部に着脱自在に装着されている。
尚、詳細な説明は省略するが、ファンフィルタユニット43には、受電部とこの受電部に供給された電力を蓄えるバッテリとが備えられており、ファンフィルタユニット43は、収納容器2が収納部4に収納されている状態では、収納部4の夫々に備えられた給電部から受電部に給電された電力により作動し、収納容器2がスタッカークレーン7にて搬送されているとき等の受電部が給電部から離れて受電部に電力が供給されない状態では、バッテリに蓄えられた電力により作動するように構成されている。
【0029】
図7に示すように、複数の支持板45の夫々は、プレス加工により上方に突出する複数の突起部48が形成された支持用基板47と、載置支持した基板1の横幅方向及び後方への移動を規制する規制部材49とが備えられている。そして、突起部48の上面は、水平な平面に形成されており基板1を載置支持する載置面48aとされている。
また、複数の支持板45の夫々は、図9等に示すように、その前端部分45aの上面が前方側ほど下方に位置する傾斜する平面に形成され、前端部分45a及び突起部48以外の部分の上面が水平な平面に形成されており、基板1を載置支持する支持予定領域Eが前端部分45aからそれ以外の部分に亘って設定されている。
ちなみに、突起部48は、直径10mmの円形状で且つガラス基板1の厚みより薄い厚み0.2mmに形成されている。
【0030】
そして、複数の支持板45の夫々には、突起部48を支持用基板47に前後方向並びに横幅方向に並設することにより凹入部50が形成されている。
説明を加えると、支持板45における突起部48を形成していない部分が載置面48aより下方に凹入することになる。上述の如く支持用基板47に突起部48を並設することにより、載置面48aより下方に凹入する凹入部50が格子状に形成されることとなり、このように形成された凹入部50は、支持予定領域Eの中央部から支持予定領域Eの外部に伸びる形状で、且つ、支持予定領域Eにおける前端部から後端部に亘って直線状に伸びる形状に形成される。支持板45の上面と基板1の下面との間に空気が供給されることにより、基板1が支持板45から浮上するのであるが、支持板45の上面と基板1の下面との間への空気の供給が停止されたときに、例えば図7の点線矢印にて示しているように、支持板45と基板1との間に存在する空気が、凹入部50に沿って支持予定領域Eの外部まで流動することになる。その結果、支持板45と基板1との間に存在する空気を速やかに排出することができ、突起部48にて基板1を安定して載置支持することができる。
【0031】
規制部材49は、支持予定領域Eの左右両側に位置するように支持用基板47における左右両端部において前後方向に間隔を隔てて並設され且つ支持予定領域Eの後方側に位置するように支持用基板47における後端部において横幅方向に間隔を隔てて並設されている。
【0032】
〔昇降手段〕
図3及び図4に示すように、昇降手段61は、基板入出部6に設けられており、昇降用モータ62(図19参照)にて昇降移動して収納容器2を載置支持する左右一対の支持台63と、左右一対の支持台63を各別に昇降自在に案内支持する左右一対の案内支柱64とを備えて構成されている。
そして、図4に示すように、基板入出部6には、収納容器2における蓋部材42の被係合枠46に係合する係合部材65が区画壁25の天井部に支持される状態で設けられており、スタッカークレーン7にて収納容器2が昇降手段61にて載置支持されるように基板入出部6に搬入されるに伴って被係合枠46が係合部材65に係合し且つ容器本体41から離脱して蓋部材42が容器本体41から取り外され、スタッカークレーン7にて基板入出部6から収納容器2が搬出されるに伴って被係合部枠46が容器本体41に係合し且つ係合部材65から離脱して蓋部材42が容器本体41に装着される。
よって、昇降手段61にて収納容器2における容器本体41を載置支持した支持台63を昇降させることにより、蓋部材42を係合部材65に支持させた状態で収納容器2における蓋部材42以外の部分を昇降移動させて、基板出し入れ口44の開口量が変更されるように構成されている。
【0033】
〔基板中継ユニット〕
次に、基板中継ユニット70について説明を加える。
図3に示すように、基板中継ユニット70は、横幅方向に沿って走行する走行台車74にて横幅方向に移動自在に構成されており、基板入出部6に位置する収納容器2との間で基板1を一枚ずつ取り出す又は収納するときには、走行台車74の走行により基板入出部6に位置する収納容器2に隣接する位置に基板中継ユニット70が配置されるように構成されている。
図8に示すように、基板中継ユニット70は、取り出し対象又は収納対象の基板1の下面とこの基板1を載置支持する支持板45の上面との間に空気を噴出する浮上用空気噴出体71と、浮上用空気噴出体71よりも基板取り出し方向の下流側に空気を供給する供給用空気噴出体72と、浮上用空気噴出体71による空気の噴出により支持板45から浮上した取り出し対象の基板1を浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上方を通過させる状態で収納容器2から取り出し、且つ、浮上用空気噴出体71による空気の噴出により浮上した収納対象の基板1をその基板1を載置支持する支持板45上に位置するように浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上方を通過させる状態で収納容器2に収納する基板出し入れ機構73とを備えて構成されている。
ちなみに、基板出し入れ機構73は、基板1を収納容器2から取り出す取り出し手段と基板1を収納容器2に収納する収納手段とに兼用されている。
【0034】
〔走行台車〕
図3及び図4に示すように、走行台車74は、横幅方向に沿って設けられた一対の走行用レール76の夫々に対応して設けられて走行用モータ77にて回転駆動される走行用車輪78を備え、浮上用空気噴出体71、供給用空気噴出体72及び基板出し入れ機構73を支持するように構成され、走行用モータ77にて走行用車輪78を回転駆動させることにより、基板中継ユニット70を横幅方向に走行移動させて収納容器2と隣接する位置と基板搬送コンベヤ51と隣接する位置とに移動可能に構成されている。
【0035】
〔基板出し入れ機構〕
基板出し入れ機構73は、基板1を挾持搬送する挾持搬送手段81と基板1を載置搬送する載置支持搬送手段88とを備えて構成されている。
挾持搬送手段81は、基板1を収納容器2から取り出す場合には、取り出し対象の基板1における基板取り出し方向の下流側端部を挾持する挾持部82を基板取り出し方向に沿う移動経路に沿って基板取り出し方向の上流側から下流側に移動させて、取り出し対象の基板1の全体が収納容器2内に位置する収納位置(図9及び図10参照)から取り出し対象の基板1の一部が収納容器2外に位置する中継位置(図11及び図12参照)まで取り出し対象の基板1を搬送し、また、基板1を収納容器2に収納する場合には、挾持部82を移動経路に沿って基板搬入方向の上流側から下流側に移動させて、中継位置に位置する収納対象の基板1を、挾持部82の先端部分にて押圧する状態で中継位置から収納位置まで搬送するように構成されている。
そして、挾持搬送手段81は、基板1を収納容器2から取り出すときは取り出し対象の基板1における横幅方向の両端部を挾持し、基板1を収納容器2に収納するときは収納対象の基板2における横幅方向の両端部を押圧するように、挾持部82を横幅方向に一対設けて構成されている。これにより、縦軸芯周りでの基板1の回転を防止し且つ基板1を安定した姿勢で搬送することができながら、基板1に対して接触する位置を基板取り出し方向の下流側端部のごく一部とすることができる。
【0036】
挾持部82は、協働により基板1を上下方向に挾持する一対の挾持作用部分83と、一対の挾持作用部分83を支持する支持部分84とを備えて構成されている。一対の挟持作用部分83は、支持部分84の横側方に突出する状態で、互いに遠近移動自在に支持されている。そして、一対の挟持作用部分83は、一対の挾持作用部分83を互いに近接させて基板1を挾持する挾持状態(図11参照)と、一対の挾持作用部分83を互いに離間させた挾持解除状態(図9参照)と、一対の挾持作用部分83を挾持状態よりさらに近接させて互いに接触させる押圧状態(図13参照)とに切り換え可能に構成されている。
【0037】
挟持部82は、基板取り出し方向に沿う移動経路に沿って直線状に移動自在な移動体87に支持されており、この移動体87の移動経路に沿う移動によって挟持部82が基板取り出し方向に移動自在に構成されている。移動体87の上部には、移動体87に対して縦軸芯周りで揺動自在に連結された揺動連結部材85が設けられ、その揺動連結部材85において基板取り出し方向に延びる部分の端部には、その上部に挟持部82が固定支持されている。これにより、挾持部82は、移動体87に縦軸芯周りに揺動自在に支持されている。
ちなみに、挾持部82が揺動する縦軸芯は、平面視において支持部分84が存在する箇所から外れた箇所に位置しており、挾持作用部分83が存在する箇所に位置している。
【0038】
また、挾持搬送手段81は、取り出し対象の基板1を中継位置に搬送した状態で取り出し対象の基板1に対する挾持を解除した挾持部82を、載置支持搬送手段88にて搬送される取り出し対象の基板1の搬送経路(基板1を搬送するときに基板1が占める空間)から退避させた退避位置に移動させる退避操作手段としての揺動案内部材89を備えて構成されている。
この揺動案内部材89は、移動体87の移動経路に沿う移動により挾持部82に接当して、挾持部82を基板取り出し方向と交差する横幅方向の外方側に案内させるように縦軸芯周りに揺動させることにより、挟持部82を退避位置に退避させるように構成されている。
【0039】
揺動案内部材89について説明を加えると、揺動案内部材89は、揺動連結部材85及び案内ローラ86を案内する案内溝89aを備えて構成されている。つまり、揺動連結部材85は、案内溝89aが形成されている板体を貫通する状態で案内溝89aの内壁と接当するように設けられており、案内ローラ86は、揺動連結部材85の基板取り出し方向に延びる部分の端部においてその下方側に案内溝89の内壁と当接するように一対設けられている。
そして、案内溝89aは、基板取り出し方向の上流側の部分が移動体87の移動経路に沿う直線状に形成され、この上流側の部分と連続する下流側の部分が横幅方向の外方側に曲がる曲線状に形成されている。
つまり、図9〜図13に示すように、取り出し対象の基板1を収納位置から中継位置に搬送する又は収納対象の基板1を中継位置から収納位置に搬送するべく移動体87を移動経路に沿って移動させている間は、案内ローラ86は案内溝89aにおける直線状に形成された部分にて直線状に案内されるため、挾持部82の姿勢は挾持作用部分83と支持部分84とが移動経路に沿う方向に並ぶ姿勢に保持される。
そして、図14及び図15に示すように、収納位置の取り出し対象の基板1に対して挾持を解除した後に、移動体87を基板取り出し方向の下流側に移動させることにより、案内ローラ86は案内溝89aにおける曲線状に形成された部分にて横幅方向の外方側に移動するように曲線状に案内されるため、挾持部82の姿勢は支持部分84が挾持作用部分83に対して横幅方向外方側に位置するように移動経路に対して傾いた姿勢に変更される。また、この状態から移動体87を基板取り出し方向の上流側に移動させることにより、案内ローラ86は案内溝89aにおける曲線状に形成された部分にて横幅方向の内方側に移動するように曲線状に案内されるため、挾持部82の姿勢は挾持作用部分83と支持部分84とが移動経路に沿う方向に並ぶ姿勢に変更される。
そして、図10及び図12に示すように、挾持部82は、移動経路に沿う方向に並ぶ姿勢では、平面視において一対の挾持作用部分83及び支持部分84が基板1の搬送経路の横幅内に位置するため、基板1に対して基板取り出し方向の下流側から挾持又は押圧することができ、図15に示すように、移動経路に対して傾いた姿勢では、平面視において一対の挾持作用部分83の一部及び支持部分84が基板1の搬送経路から横外方側に外れて位置するため、挾持部82に邪魔されることなく載置支持搬送手段88にて基板1を搬送することができる。
ちなみに、挾持部82は移動経路に対して傾いた姿勢では退避位置(図14及び図15参照)に位置している。このとき、一対の挾持作用部分83は、平面視において基板1の搬送経路上に存在することになるが、一対の挟持作用部分83を挾持解除状態とすることにより、基板1の通過を許容することができる。
【0040】
〔載置支持搬送手段〕
載置支持搬送手段88は、基板1を収納容器2から取り出す場合には、挾持搬送手段81にて中継位置に搬送された取り出し対象の基板1を載置支持して、取り出し対象の基板1を中継位置から取り出し対象の基板1の全体が収納容器2外に位置する取り出し位置(図14参照)に搬送し、基板1を収納容器2に収納する場合には、基板搬送コンベヤ51から受け取った収納対象の基板1を取り出し位置から中継位置に搬送するように構成されている。
ちなみに、載置支持搬送手段88は、基板中継ユニット70を横幅方向に走行移動させるときには基板1をその全体が載置支持搬送手段88上に位置する取り出し位置で載置支持するとともに、取り出し位置に位置する取り出し対象の基板1を基板搬送コンベヤ51に受け渡し、基板搬送コンベヤ51から受け取った収納対象の基板1を取り出し位置に搬送するように構成されている。
【0041】
載置支持搬送手段88について説明を加えると、載置支持搬送手段88は、基板1の下面に向けて空気を供給して水平姿勢で基板を非接触状態で支持する送風式支持手段52と、その送風式支持手段52にて支持された基板1に対して搬送方向の推進力を付与する推進力付与手段53とを設けて構成されている。
送風式支持手段52は、基板1の搬送経路の下方に設けられて上方に向けて空気を送風するブロア54と、このブロア54と基板1の搬送経路との間に設けられた多孔状の整風板55と、ブロア54に空気を供給するコンベア用空気供給装置56(図19参照)とを備えて構成されている。また、推進力付与手段53は、基板取り出し方向に並設されて基板1の下面に接触する複数の支持用搬送ローラ57と、中継位置に位置する基板1の上面に接触して支持用搬送ローラ57との協働により基板1を挾持する挾持用搬送ローラ58とを備えて構成され、基板1における横幅方向の両端部を載置支持及び挾持するように、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が横幅方向に一対設けて構成されている。
【0042】
複数の支持用搬送ローラ57として、基板1の横幅方向への移動を規制する鍔を備えた鍔付きの支持用搬送ローラ57と、鍔を備えていない鍔無しの支持用搬送ローラ57とが設けられており、鍔無しの支持用搬送ローラ57は、中継位置に位置する基板1の下面に接触し且つ挾持用搬送ローラ58との協働に基板1を挾持するように、載置支持搬送手段88(基板出し入れ機構73)における基板取り出し方向の上流側端部に配設されており、鍔付きの支持用搬送ローラ57は、中継位置に位置する基板1の下面に接触しないように、載置支持搬送手段88(基板出し入れ機構73)における鍔無しの支持用搬送ローラ57よりも基板取り出し方向の下流側に並設されている。
ちなみに、挾持用搬送ローラ58は、鍔無しの支持用搬送ローラ57と同様に、載置支持搬送手段88(基板出し入れ機構73)における基板取り出し方向の上流側端部に配設されている。
つまり、載置支持搬送手段88は、中継位置が基板1における基板取り出し方向の下流側端部が複数の支持用搬送ローラにおける鍔無しの支持用搬送ローラ57で支持され且つ挾持用搬送ローラ58との協働により挾持される位置となるように構成されており、挾持搬送手段81による取り出し対象の基板1の搬送は、支持用搬送ローラ57と挾持用搬送ローラ58とで挾持されるように、基板1における基板取り出し方向の下流側端部が載置支持搬送手段88における基板取出方向の上流側端部に位置するように搬送する。
要するに、中継位置が、基板1における基板取り出し方向の下流側端部が載置支持搬送手段88における基板取り出し方向の上流側端部に配設された鍔無しの支持用搬送ローラ57と挾持用搬送ローラ58との協働により挾持される位置であり、収納位置に近い位置であるため、挾持搬送装置81による基板1の搬送距離が短くなるので、挾持部82の移動距離を短くすることができる。
【0043】
また、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が載置支持及び挾持する箇所は、挟持搬送手段81が挟持する箇所よりも横幅方向で外方側となるように支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が配設されている。これにより、挟持搬送手段81による基板1の搬送範囲と、載置支持搬送手段88による基板1を搬送範囲とが基板取り出し方向で重複するように構成されている。よって、挟持搬送手段81によって載置支持搬送手段88にて基板1を搬送可能な中継位置まで基板1を搬送することができ、逆に、載置支持搬送手段88によって挟持搬送手段81にて搬送可能な中継位置まで基板1を搬送することができる。その結果、挟持搬送手段81と載置支持搬送手段88との間での受け渡しを的確に行える。しかも、挟持搬送手段81から載置支持搬送手段88に基板1を受け渡すときには、基板1を挟持部82に挟持した状態から載置支持した状態に移行することになるが、支持用搬送ローラ57と挾持用搬送ローラ58との協働により基板1を挟持した状態で搬送することができるので、挟持搬送手段81と載置支持搬送手段88との間での受け渡しを的確に行いながら基板1を適正に搬送することができる。
【0044】
そして、載置支持搬送手段88は、基板1の横幅方向中央部を送風式支持手段52にて非接触状態で支持し、且つ、基板1の横幅方向の両端部を推進力付与手段53にて接触支持及び挾持して、搬送用モータ59にて支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58を回転駆動させることにより基板1を搬送方向に沿って搬送するように構成されている。
ちなみに、基板搬送コンベヤ51は、載置支持搬送手段88と同様に、ブロアと整風板と空気供給装置とを備えた送風式支持手段、及び、複数の支持用搬送ローラを備えた推進力付与手段とを備えて構成されている。尚、基板搬送コンベヤ51には、挾持用搬送ローラは設けられていない。
【0045】
図16に示すように、浮上用空気噴出体71は、上方に向けて空気を噴出する空気噴出口91と、この空気噴出口91の基板取り出し方向の上流側端部から上方側に伸びる形状に形成されて空気噴出口91から上方に向けて噴出された空気を浮上用空気噴出体71の上面に沿って収納容器2側に向けて水平方向に流動するように誘導する誘導曲面92とを備えて、容器隣接箇所Aにおいて、基板出し入れ機構73にて取り出される取り出し対象の基板1及び収納される収納対象の基板1の下面と浮上用空気噴出体71の上面との間に向けて空気を噴出する補助空気噴出体を兼用するように構成されている。
【0046】
つまり、図16(a)において矢印で示すように、浮上用空気噴出体71の空気噴出口91から上方に向けて噴出された空気は、コアンダ効果により誘導曲面92に沿って流動した後、その誘導曲面92に連なる浮上用空気噴出体71の上面に沿って水平方向に流動し、そのまま基板取り出し方向の上流側に位置する収納容器2に向けて水平方向に流動するため、空気噴出口91から噴出された空気は、取り出し対象の基板1の下面と浮上用空気噴出体71の上面との間に向けて空気が噴出されるように誘導曲面92にて誘導され、その後は、取り出し対象の基板1の下面とこの基板1を載置支持する支持板45の上面との間に空気が噴出されるように収納容器2側に向けて水平方向に流動する。
【0047】
供給用空気噴出体72は、浮上用空気噴出体71と同様に構成された噴出体を水平方向に流動する空気の向きを逆方向となるように設けたものであり、上方に向けて空気を噴出する逆方向用空気噴出口93と、この逆方向用空気噴出口93よりも上方側でかつ基板取り出し方向の下流側に位置して逆方向用空気噴出口93から上方に向けて噴出された空気を供給用空気噴出体72の上面に沿って収納容器2側とは反対側に向けて水平方向に流動するように誘導する逆方向用誘導曲面94とを備えて構成されている
つまり、逆方向用空気噴出口93から噴出された空気は、容器隣接箇所Aにおいて浮上用空気噴出体71の空気噴出口91よりも基板取り出し方向の下流側に空気を供給するように収納容器2側とは反対側である基板取り出し方向の下流側に向けて水平方向に流動する。
【0048】
図8及び図17に示すように、浮上用空気噴出体71は、横幅方向に間隔を隔てた状態で複数並設され、供給用空気噴出体72は、横幅方向で浮上用空気噴出体71の間に配設されており、複数の浮上用空気噴出体71と複数の供給用空気噴出体72とは横幅方向の両端に浮上用空気噴出体71が位置する状態で横幅方向に交互に一列に並べられている。これにより、図17中矢印にて示すように、基板1を搬送するときには、供給用空気噴出体72にて噴出される空気を浮上用空気噴出体71の空気噴出口91に対して基板取り出し方向の下流側に供給することができる。これにより、浮上用空気噴出体71の空気噴出口91からの空気の噴出により、その基板取り出し方向の下流側が負圧となっても、供給用空気噴出体72からの空気によりその部分が正圧化されて基板1を適正に支持することができる。
そして、基板出し入れ機構73における基板取り出し方向の上流側端部には、上面の高さが整風板55の上面と同じ高さとなる状態で且つ基板取り出し方向の上流側に伸びる状態で連設板96が支持されており、供給用空気噴出体72は、その上面が連設板96の上面と同じ高さで且つ基板取り出し方向に連なる状態で連設板96に支持されており、浮上用空気噴出体71は、その上面が連設板96の上面よりの数ミリ(例えば2〜3mm程度)下方に位置する高さで且つ基板取り出し方向の下流側に空気噴出口91から噴出された空気が通る隙間が形成される状態で連設板96に支持されている。
つまり、浮上用空気噴出体71は、その上面が供給用空気噴出体72の上面よりも数ミリ下方に位置するように設けられている。
【0049】
浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72には空気供給装置としての噴出体用空気供給装置95(図19参照)から空気が供給され、この噴出体用空気供給装置95は供給する空気の供給量を調整自在に構成されている。そして、噴出体用空気供給装置95から浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72に空気を供給することにより、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72は空気を噴出する噴出状態に切り換えられ、噴出体用空気供給装置95から浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72への空気の供給を停止させることにより、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72は空気の噴出を停止させた噴出停止状態に切り換えられる。
【0050】
次に、制御装置Hについて説明する。
図18及び図19に示すように、基板中継ユニット70には、挾持部82にて挾持されている基板1及び挾持部82にて押圧されている基板1の存否を検出する基板存否検出センサ101、収納容器2が基板1の取り出す並びに収納に適正な高さに位置しているか否かを検出する容器高さ検出センサ102、基板1が取り出し位置に位置しているか否かを検出する取り出し位置検出センサ103、基板1が中継位置に位置しているか否かを検出する中継位置検出センサ104、及び、載置支持搬送手段88による基板1の搬送速度を減速させる減速位置検出センサ105が設けられ、基板入出部6には、収納容器2から基板1の一部が外部にはみ出しているか否かを検出する基板はみ出し検出センサ106が設けられており、これらの検出センサからの検出情報が制御装置Hに入力されるように構成されている。
【0051】
そして、制御装置Hは、これらの検出センサや上位のコントローラからの指令等に基づいて、基板中継ユニット70における走行台車74、基板出し入れ機構73及び噴出体用空気供給装置95の作動、並びに、昇降手段61及び基板搬送コンベヤ51の作動を制御するように構成されている。
【0052】
制御装置Hは、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72から噴出する空気の噴出量が目標供給量に向けて段階的に多くなるように噴出体用空気供給装置95の作動を制御する空気供給用制御手段、及び、取り出し対象又は収納対象の基板1を載置支持する支持板45を浮上用空気噴出体71及び基板出し入れ機構73に対応する高さ(取り出し用高さであり且つ収納用高さである)に位置させるべく昇降手段61の作動を制御する昇降用制御手段としての機能も備えられている。
つまり、制御装置Hは、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72を噴出停止状態から噴出状態に切り換える際に、噴出体用空気供給装置95から浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72に供給する空気の量を段階的に多くし、これら浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72から噴出する空気の噴出量が目標供給量に向けて段階的に多くなるように噴出体用空気供給装置95の作動を制御するように構成されている。
また、制御装置Hは、基板1を収納容器2から取り出す又は収納する場合は、その取り出す又は収納する基板1を載置支持する支持板45を浮上用空気噴出体71及び基板出し入れ機構73に対応する高さに位置させて、浮上用空気噴出体71から噴出される空気が取り出す又は収納する基板1の下面とその基板1を載置支持する載置板45の上面との間に噴出させ、且つ、浮上用空気噴出体71による空気の噴出により浮上した基板1を挾持部82にて挾持又は押圧可能とするべく、昇降手段61の作動を制御するように構成されている。
【0053】
基板存否センサ101は、一対の挾持部82の夫々に挾持作用部分83の直前における基板1の存否を検出するように一対設けられており、制御手段Hは、一対の基板存否センサ101の両方が基板1の存在を検出する検出状態であると基板1を挾持或いは押圧していると判別し、一対の基板存否センサ101の一方又は両方が基板1を検出していない非検出状態であると基板1を挾持及び押圧していないと判別するように構成されており、挾持部82にて挾持又は押圧している状態において基板1を挾持及び押圧していないと判別すると、基板搬送装置8の作動を停止させる。
【0054】
容器高さ検出センサ102は、収納容器2に複数の支持板45の夫々に対応して上下方向に並設された複数の検出板107の存否を検出するように設けられており、制御手段Hは、収納容器2が複数の支持板45のいずれかが浮上用空気噴出体71及び基板出し入れ機構73に対応する高さに位置して容器高さ検出センサ102にて複数の検出板のいずれかを検出する検出状態であると収納容器2が適正な高さであると判別し、収納容器2が対応する高さから上下方向にずれて容器高さ検出センサ102が複数の検出板のいずれも検出しない非検出状態であると収納容器2が適正な高さではないと判別するように構成されており、基板1を収納容器2に対して出し入れする際に収納容器2が適正な高さではないと判別すると、基板搬送装置8の作動を停止させる。
【0055】
取り出し位置検出センサ103は、取り出し位置に位置する基板1の基板取り出し方向の上流側端部に対応する位置と下流側端部に対応する位置とに一対設けられており、制御手段Hは、基板1が取り出し位置に位置して一対の取り出し位置検出センサ103が基板1を検出する検出状態であると基板1が取り出し位置に位置していると判別し、基板1が取り出し位置からずれて一対の取り出し位置検出センサ103の一方又は両方が非検出状態であると基板1が取り出し位置に位置していないと判別するように構成されている。
【0056】
中継位置検出センサ104は、中継位置に位置する基板1の基板取り出し方向の下流側端部に対応する位置とこの位置よりさらに下流側の位置とに基板取り出し方向に隣接する状態で一対設けられており、制御手段Hは、基板取り出し方向の上流側に位置する中継位置検出センサ104が基板1を検出する検出状態であり下流側に位置する中継位置検出センサ104が基板1を検出しない非検出状態であると基板1が中継位置に位置していると判別し、基板1が中継位置からずれて一対の中継位置検出センサ104の両方が検出状態又は非検出状態であると基板1が中継位置に位置していないと判別するように構成されている。
【0057】
減速位置検出センサ105は、取り出し用と収納用との一対が取り出し位置に位置する基板1の前後幅内に位置するように設けられており、制御手段Hは、載置支持搬送手段88にて基板1を中継位置から取り出し位置に搬送するにあたり、搬送開始直後は搬送速度を搬送高速度となるように加速させ、取り出し用の減速位置検出センサ105が基板1を検出する検出状態となると、搬送速度を搬送高速度より低速の搬送低速度となるように減速させ、また、載置支持搬送手段88にて基板搬送コンベヤ51から受け取った基板1を取り出し位置に搬送するにあたり、基板搬送コンベヤ51から受け取る基板1の搬送速度を維持させ、収納用の減速位置検出センサ105が基板1を検出する検出状態となると、搬送速度を受け取った基板の搬送速度より低速の搬送低速度となるように減速させるように、推進力付与手段53の作動を制御するように構成されている。
【0058】
基板はみ出し検出センサ106は、収納容器2の直前における基板1の存否を検出するように設けられており、制御手段Hは、基板はみ出し検出センサ106が基板1を検出する検出状態であると基板1が収納容器2からはみ出していると判別し、基板はみ出し検出センサ106が基板1を検出してない非検出状態であると基板1が収納容器2からはみ出していないと判別するように構成されている。
【0059】
制御手段Hにより基板搬送装置8の作動について、基板入出部6に位置する収納容器2から基板1を取り出して図外の基板処理装置に搬送する場合を説明する。
まず、基板中継ユニット70が基板入出部6に位置する収納容器2と隣接して位置するように走行台車74を走行させる。次に、取り出し対象の基板1を載置支持する支持板45が浮上用空気噴出手段71及び基板出し入れ機構73に対応する高さとなるように昇降手段61にて収納容器2を昇降移動させた状態で、噴出体用空気供給装置95を作動させて浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72を噴出状態とし、且つ、コンベヤ用空気供給装置56を作動させて送風式支持手段52を整風板55から上方に向けて空気を噴出する状態とする。このとき、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72は、取り出し対象の基板1を支持する支持板45における基板取り出し方向の下流側端部に隣接する容器隣接箇所Aに配設されることになる。これにより、浮上用空気噴出体71にて噴出される空気を取り出し対象の基板1の下面と支持板45との間に適正に供給することができ、取り出し対象の基板1を的確に支持板45から浮上させることができる。浮上用空気噴出体71の空気の噴出により取り出し対象の基板1が支持板45から浮上させた状態で、挾持解除状態の挾持部82を収納位置の取り出し対象の基板1を挾持可能な挾持位置(図9及び図10参照)に移動させるように移動体87を基板取り出し方向の下流側から上流側に移動させる。
【0060】
そして、挾持部82を挾持状態に切り換えて挾持部82にて取り出し対象の基板1を挾持し、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が基板1を基板取り出し方向の上流側から下流側に搬送するように回転させた状態で、挾持状態の挾持部82を中継位置に対応する挾持解除位置(図11及び図12参照)まで移動させるように移動体87を基板取り出し方向の上流側から下流側に移動させて基板1を中継位置に搬送する。このとき、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上部にも空気が供給されていることから、その空気により形成される空気層によって浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上部を通過する基板1を的確に支持することができる。その後、基板1を中継位置に搬送した状態で支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させ、且つ、噴出体用空気供給装置95の作動を停止させて浮上用空気噴出体71を噴出停止状態とする。
【0061】
そして、挾持部82を挾持解除状態に切り換えた後、挾持解除状態の挾持部82を退避位置(図14及び図15参照)に移動させるべく移動体87を基板取り出し方向の上流側から下流側に移動させ、且つ、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58を基板1を基板取り出し方向の上流側から下流側に搬送するように回転させて、基板1を取り出し位置に搬送した後、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させる。
その後は、基板中継ユニット70が基板搬送コンベヤ51と隣接して位置するように走行台車74を走行させた状態で、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が基板1を基板取り出し方向の上流側から下流側に搬送するように回転させて、基板1を基板搬送コンベヤ51に受け渡し、基板搬送コンベヤ51にて基板1を基板処理装置に搬送する。
【0062】
次に、基板処理装置から搬出された基板1を基板入出部6に位置する収納容器2に収納する場合を説明する。
まず、基板中継ユニット70が基板搬送コンベヤ51と隣接して位置するように走行台車74を走行させ、且つ、コンベヤ用空気供給装置56を作動させて送風式支持手段52を整風板55から上方に向けて空気を噴出させる。この状態で、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が基板1を基板収納方向の上流側から下流側に搬送するように回転させて、基板処理装置から搬出されて基板搬送コンベヤ51にて搬送される基板1を受け取って取り出し位置に搬送する。その後、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させて、基板中継ユニット70が基板入出部6に位置する収納容器2と隣接して位置するように走行台車74を走行させる。
【0063】
そして、収納対象の基板1を載置支持する支持板45が浮上用空気噴出手段71及び基板出し入れ機構73に対応する高さとなるように昇降手段61にて収納容器2を昇降移動させた状態で、噴出体用空気供給装置95を作動させて浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72を噴出状態とする。このような状態で、押圧状態の挾持部82を挾持位置よりも基板1の挾持量だけ基板収納方向の上流側の押圧終了位置(図13参照)に移動させるように移動体87を基板収納方向の上流側から下流側に移動させて基板1を収納位置に搬送する。その後、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させ、且つ、噴出体用空気供給装置95及びコンベヤ用空気供給装置56を停止させるとともに、次に基板1の収納を行うのであれば挾持部82を退避位置に移動させるように、また、次に基板1の取り出しを行うのであれば挾持部82を挾持解除位置に移動させるように、移動体87を基板収納方向の下流側から上流側に移動させる。
このように噴出体用空気供給装置95を停止させることにより浮上用空気噴出体が噴出停止状態となるため、収納対象の基板の上面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間への空気の供給が停止され、上述の如く、基板と支持板との間に存在する空気が排出される。
【0064】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、凹入部50を、支持予定領域Eにおける中央部から支持予定領域の外部に伸びる形状に形成したが、凹入部50を、支持予定領域Eにおける周縁部から支持予定領域の外部に伸びる形状に形成して、支持予定領域Eの中央に凹入部50が形成されないようにしてもよい。
【0065】
(2) 上記実施の形態では、凹入部50を、支持予定領域Eにおける基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成したが、凹入部50を、支持予定領域Eにおける基板収納方向の中間部から上流側端部又は中間部から下流側端部に亘って、直線状に伸びる形状に形成してもよく、また、凹入部50を、曲線状に形成してもよい。
【0066】
(3) 上記実施の形態では、支持板45を、横幅方向に並設された浮上用空気噴出体71の間に位置するように凹入部50を備えて構成したが、支持板45を、横幅方向に並設された浮上用空気噴出体71と全部又は一部が基板収納方向に重複して位置するように凹入部50を備えて構成してもよい。
【0067】
(4) 上記実施の形態では、支持板45を支持用基板47と複数の突起部48とで構成し、突起部48を基板収納方向並びに横幅方向に並設することにより支持板45に凹入部50を形成したが、支持板45を上面にて載置面48aが形成される支持基板にて構成し、この支持基板に下方に凹入する溝を形成することにより支持板45に凹入部50を形成してもよい。
【0068】
(5) 上記実施の形態では、収納容器2を昇降自在に支持する昇降手段61を設けたが、浮上用空気噴出体71、供給用空気噴出体72及び基板出し入れ機構73を昇降自在に支持する昇降装置を設けてもよい。この場合、昇降用制御手段(制御装置)Hにて、浮上用空気噴出体71、供給用空気噴出体72及び基板出し入れ機構73を取り出し対象又は収納対象の基板1を載置支持する支持板45に対応する高さに位置させるべく昇降装置の作動を制御する。
【0069】
(6) 上記実施の形態では、収納容器2の容器本体41を、枠組み形成してその左右面と上下面との夫々に開口を形成して内外に通風可能に構成したが、収納容器2の容器本体41を、筒状に形成してその左右面と上下面との夫々に閉口させて内外に通風不可能に構成してもよい。
上記実施の形態では、収納容器2に蓋部材42とファンフィルタユニット43とを備えさせたが、蓋部材42とファンフィルタユニット43とのうちの一方又は両方を備えなくてもよい。
【0070】
(7) 上記実施の形態では、収納容器2の容器本体41を、前後面が開口する横倒れ姿勢の四角筒状に形成して、左右面と上下面とを閉口させることにより左右面側及び上下面側から空気の排出を不可能な構成としたが、収納容器2の容器本体41を、前後面、上下面及び左右面の夫々が開口する枠組み形状に形成して、左右面と上下面とを開口させることにより左右面及び上下面側から空気の排出を可能な構成としてもよい。
上記実施の形態では、収納容器2に蓋部材と42ファンフィルタユニット43とを備えさせたが、蓋部材42とファンフィルタユニット43とのうちの一方又は両方を備えなくてもよい。
【0071】
(8) 上記実施の形態では、プレス加工により突起部48を形成したが、インク等の塗料を支持板45の上面に噴射させて突起部48を形成する等、支持板45の上面に印刷することにより突起部48を形成してもよく、また、別体の突起部材を支持用基板47の上面に貼付することにより突起部48を形成してもよい。
【0072】
(9) 上記実施の形態では、複数の浮上用空気噴出体71と複数の供給用空気噴出体72とを、横幅方向の両端に浮上用空気噴出体71が位置する状態で横幅方向に交互に一列に並べたが、複数の浮上用空気噴出体71と複数の供給用空気噴出体72との並べ方を適宜変更してもよい。
つまり、例えば、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の一方又は両方を2つ又は3つ以上横幅方向に連続する状態に並べてもよく、また、横幅方向の一端又は両端に供給用空気噴出体72が位置する状態で並べてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】基板処理設備の正面図
【図2】基板処理設備の側面図
【図3】基板処理設備の平面図
【図4】基板搬送装置の側面図
【図5】収納容器の斜視図
【図6】収納容器の斜視図
【図7】支持板を示す図
【図8】基板中継ユニットの平面図
【図9】挾持位置の挾持部を示す側面図
【図10】挾持位置の挾持部を示す平面図
【図11】挾持解除位置の挾持部を示す側面図
【図12】挾持解除位置の挾持部を示す平面図
【図13】押圧終了位置の挾持部を示す側面図
【図14】退避位置の挾持部を示す側面図
【図15】退避位置の挾持部を示す平面図
【図16】浮上用空気噴出体と供給用空気噴出体とを示す側面図
【図17】浮上用空気噴出体と供給用空気噴出体とを示す斜視図
【図18】検出センサを示す概略図
【図19】制御ブロック図
【符号の説明】
【0074】
1 基板
2 収納容器
45 支持板
47 支持用基板
48 突起部
48a 載置面
50 凹入部
61 昇降手段
71 浮上用空気噴出体
73 収納手段
E 支持予定領域
H 昇降用制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形状の基板を載置支持する複数の支持板が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、前記収納容器に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する前記支持板の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、前記浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した前記収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように前記収納容器に収納する収納手段とが設けられている基板搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる基板搬送設備は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに使用されるガラス基板等の矩形状の基板を上下方向に間隔を隔てて並設された支持板上に載置支持した状態で収納可能な収納容器に対して、浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように収納手段にて収納するものであるから、収納対象の基板を擦れ等による損傷が少ない状態で収納容器に収納することができるものである。
そして、このような基板搬送設備において、従来では、支持板が、その上面が平坦に形成されており、収納対象の基板は支持板の平坦な上面に直接に載置支持するように構成されており、収納対象の基板を収納手段にて収納して収納対象の基板を支持板上に位置させた後は、浮上用空気噴出体を噴出停止状態に切り換えて空気の噴出を停止させ、収納対象の基板を支持板にて載置支持させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−315850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の基板搬送設備では、支持板の上面が平坦に形成されているために、浮上用空気噴出体を噴出停止状態に切り換えても、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間に空気が滞留することになり、支持板にて収納対象の基板を載置支持できるまでに時間がかかることになる。よって、従来の基板搬送設備では、収納対象の基板を収納容器に迅速に収納することができないものであった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、収納対象の基板を収納容器に迅速に収納することができる基板搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる基板搬送設備は、矩形状の基板を載置支持する複数の支持板が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、前記収納容器に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する前記支持板の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、前記浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した前記収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように前記収納容器に収納する収納手段とが設けられているものであって、その第1特徴構成は、
前記支持板が、前記基板を載置支持する載置面より下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域の内外に伸びる凹入部を備えている点にある。
【0007】
すなわち、支持板に、基板を載置支持する載置面より下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域の内外に伸びる凹入部が備えられているから、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を凹入部を通して外方に積極的に排気させることができる。よって、浮上用空気噴出体を噴出停止状態に切り換えたときに、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を速やかに外方に排気させて、収納対象の基板を載置面にて載置支持することができる。
従って、収納対象の基板を収納容器に迅速に収納することができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【0008】
本発明にかかる基板搬送設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記凹入部が、前記支持予定領域の中央部から前記支持予定領域の外部に伸びる形状に形成されている点にある。
【0009】
すなわち、凹入部が、支持予定領域の中央部から支持予定領域の外部に伸びる形状に形成されているから、収納対象の基板における中央部下方の空気を凹入部を通して外方に排気させることができる。これにより、空気が滞留し易い収納対象の基板における中央部下方の空気を積極的に外方に排気させることができるので、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を効率よく外方に排気させることができる。よって、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができる。
従って、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかる基板搬送設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記凹入部が、前記支持予定領域における基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成されている点にある。
【0011】
すなわち、凹入部が、支持予定領域における基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成されているから、基板収納方向の上流側端部から下流側端部の全体に亘る収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を外方に排気させることができる。これにより、収納対象の基板とこれを載置支持する支持板との間の空気を効率よく且つより速やかに外方に排気させることができる。しかも、収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間に空気を噴出するときには、凹入部を利用して基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って流動させることができ、その流動により収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間の全体に亘って空気を的確に供給することができ、収納手段による基板の収納を安定よく行い易いものとなる。
従って、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができながら、収納手段による基板の収納を安定よく行い易い物品搬送設備を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかる基板搬送設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記浮上用空気噴出体が、前記基板収納方向と交差する横幅方向に間隔を隔てた状態で並設され、前記支持板が、前記横幅方向に並設された前記浮上用空気噴出体の間に位置するように前記凹入部を備えて構成されている点にある。
【0013】
すなわち、支持板が、横幅方向に並設された浮上用空気噴出体の間に位置するように凹入部を備えて構成されているから、浮上用空気噴出体にて収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間に噴出された空気の流動が、支持板における載置部を形成する部分にて邪魔され難く、基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って空気を適正に流動させることができる。よって、収納手段による基板の収納をより安定よく行い易いものとなる。
従って、収納手段による基板の収納をより安定よく行い易い物品搬送設備を提供することができるに至った。
【0014】
本発明にかかる基板搬送設備の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれか1つにおいて、前記支持板が、上面が平坦な支持用基板と前記載置面を備えかつ前記支持用基板の上面から上方に突出する複数の突起部とを備えて構成され、且つ、前記突起部を前記支持用基板に基板収納方向並びにこの方向と交差する横幅方向に並設することにより前記凹入部が形成されている点にある。
【0015】
すなわち、支持板を、上面が平坦な支持用基板と前記載置面を備えかつ支持用基板の上面から上方に突出する複数の突起部とを備えて構成し、突起部を支持用基板に基板収納方向並びに横幅方向に並設することにより凹入部を形成しているから、基板収納方向に沿う凹入部分と横幅方向に沿う凹入部分とが互いに交差するように凹入部を形成することができる。よって、単に、支持用基板に複数の突起部を備えるという簡易な構成でありながら、基板収納方向にも横幅方向にも空気を外方に排気可能な凹入部を形成することができ、収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間の空気を速やかに外方に排気することができる。
従って、支持板における凹入部を形成し易くしながら、収納対象の基板を収納容器により迅速に収納することができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【0016】
本発明にかかる基板搬送設備の第6特徴構成は、第1〜第5特徴構成のいずれか1つにおいて、前記収納容器を昇降自在に支持する昇降手段と、前記収納対象の基板を載置支持する前記支持板を前記浮上用空気噴出体及び前記収納手段に対応する収納用高さに位置させるべく前記昇降手段の作動を制御する昇降用制御手段とが設けられている点にある。
【0017】
すなわち、昇降手段にて収納容器を昇降させて、複数の支持板のいずれかを浮上用空気噴出体及び収納手段に対応する収納用高さに位置させることにより、その支持板に載置支持するように収納対象の基板を収納することができるので、収納対象の基板を複数の支持板に対してランダムに載置支持することができる。
また、収納容器を昇降手段にて昇降させることにより、収納容器より構成が複雑な浮上用空気噴出体及び収納手段を昇降移動させる必要がないため、支持板と浮上用空気噴出体及び取り出し手段との高さ方向での位置合わせを簡単に行うことができる。
従って、収納対象の基板を複数の支持板に対してランダムに載置支持することができ且つ支持板と浮上用空気噴出体及び取り出し手段との高さ方向での位置合わせを簡単に行うことができる基板搬送設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、基板処理設備は、矩形状の基板1を上下方向に間隔を隔てて並べる状態で複数枚保持する収納容器2を収納する複数の収納部4を備えた物品収納棚5と、収納部4と基板入出部6との間で収納容器2を搬送する収納容器搬送装置としてのスタッカークレーン7と、基板入出部6に位置する収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して基板1を処理する基板処理装置(図示せず)に搬送し且つ基板処理装置から搬送される基板1を一枚ずつ収納容器2に収納する基板搬送装置8とを備えて構成されている。ここで、基板搬送装置8が本発明に係る基板搬送設備に相当する。
そして、この基板処理設備においては、収納容器2を物品収納棚5に保管しながら、保管した収納容器2を基板入出部6に搬送し、その基板入出部6に搬送された収納容器2から基板1を1枚単位で取り出して基板処理装置に搬送して所定の処理を行い、その所定の処理が行われた基板1を基板入出部6に位置する収納容器2に対して1枚単位で収納させるようにしている。
【0019】
図1及び図2に示すように、物品処理設備には、クリーン空間13において浄化空気を天井部より床部に通風させるダウンフロー式の浄化空気通風手段23が設けられており、そのダウンフローのクリーン空間13内に、収納棚5、スタッカークレーン7、及び、基板搬送装置8が装備されている。
浄化空気通風手段23について説明を加えると、図2に示すように、浄化空気通風手段23は、クリーン空間13の床部が多孔状のグレーティング床14にて形成され、クリーン空間13の天井部がHEPAフィルタなどからなるエアーフィルタ15にて形成されるとともに、グレーティング床14の下方側に形成された吸気室16とエアーフィルタ15の上方側に形成されたチャンバー室17とが通風ファン18及びプレフィルタ21を備えた循環路19にて連通されており、クリーン空間13内の空気を、プレフィルタ21とエアーフィルタ15とで清浄化させながら循環させて、浄化空気を天井部より床部に通風させるように構成されている。そして、循環路19には、通風ファン18より上流側に外気取入流路20が接続され、通風ファン18より下流側に排気流路22が接続されており、浄化空気通風手段23にて循環されるクリーン空間13内の空気の一部を外気と交換されている。
【0020】
また、図1に示すように、基板搬送装置8によって基板入出部6の収納容器2と基板処理装置との間で基板1を搬送する基板搬送エリア24には、物品収納棚5側の端部が開放され且つ基板処理装置側の端部が基板処理装置と連通するように基板搬送空間を覆う区画壁25が設けられ、この区画壁25の天井部に複数のエリア用ファンフィルタユニット26が設けられている。そして、複数のエリア用ファンフィルタユニット26にて、クリーン空間13の浄化空気をさらに清浄化させた浄化空気を天井側より床部側に通風させて、区画壁25にて覆われる基板搬送空間をダウンフローの空間としている。
【0021】
図1及び図2に示すように、物品収納棚5の夫々は、棚前後方向に並ぶ前後一対の支柱にて構成された支柱組28が棚横幅方向に並べて立設され、支柱組28を構成する前後一対の支柱に亘って複数の物品支持部29が上下方向に並べて架設されており、収納容器2を物品支持部29にて載置支持させた状態で収納する収納部4が縦横に並べられる状態で複数設けられている。ちなみに、物品収納棚5は、グレーティング床14上に互いに対向する状態で一対設けられている。
そして、物品収納棚5に設けられた複数の収納部4のうちの一部が基板入出部6とされている。説明を加えると、図3に示すように、物品収納棚5に設けられた最下段の複数の収納部4のうちの一部の収納部4は、その収納部4に収納された収納容器2に対して物品収納棚5の背面側を通して基板搬送装置8にて基板2を一枚ずつ取り出すことや一枚ずつ収納することができるように構成されており、基板入出部6とされている。
【0022】
図1及び図2に示すように、スタッカークレーン7は、互いに対向する状態で設けられた一対の収納棚5の間に形成された移動空間をその長手方向に沿って走行移動する移動台車31と、移動台車31に立設された台車走行方向に並ぶ一対の昇降マスト32に昇降自在に案内支持される昇降台33と、昇降台33に支持されて収納部4と自己との間で収納容器2を移載可能なフォーク式の物品移載装置34とが備えられており、移動台車31の水平移動、昇降台33の昇降移動、および、物品移載装置34の作動により、基板入出部6としての収納部4とこれ以外の収納部4との間で収納容器2を搬送するように構成されている。
【0023】
図3に示すように、物品移載装置34は、上下軸芯周りに旋回自在な旋回台35、及び、その旋回台35上に設けられた載置部36を出退移動自在に支持するリンク機構37から構成されている。そして、物品移載装置34は、リンク機構37の伸縮により物品移載装置34を昇降台33上に引退させた状態や物品移載装置34を収納部4側に突出させた状態に切り換え可能で、且つ、旋回台35の旋回により物品移載装置34の出退方向を180度変更可能に構成されている。
【0024】
本発明に係る基板搬送設備である基板搬送装置8は、図3等に示すように、基板入出部6に位置する収納容器2と基板搬送コンベヤ51との間で基板1を1枚ずつ受け渡すように構成されている。そして、基板搬送装置8としては、基板1を載置支持する複数の支持板45が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器2と、基板1を載置搬送する基板搬送コンベヤ51と、収納容器2から基板1を一枚ずつ取り出して基板搬送コンベヤ51に受け渡し且つ基板搬送コンベヤ51から受け取った基板1を一枚ずつ収納容器2に収納する基板中継ユニット70と、基板入出部6に位置する収納容器2を昇降自在に支持する昇降手段61と、基板搬送装置8の作動を制御する制御装置H(図19参照)とが備えられている。
次に、基板搬送装置8について詳細な説明を加えるが、基板取り出し方向の下流側(基板収納方向の上流側)を前方側とし、基板取り出し方向の上流側(基板収納方向の下流側)を後方側とし、基板取り出し方向(基板収納方向)に沿う方向を前後方向と称し、この方向と交差する方向を横幅方向として説明する場合がある。
【0025】
〔収納容器〕
図5及び図6に示すように、収納容器2は、前後面が開口する横倒れ姿勢の四角筒状に形成された容器本体41と、容器本体41の前側端部に前面の開口を閉塞する状態で設けられた蓋部材42と、容器本体41の後側端部に後面の開口を閉塞する状態で設けられたファンフィルタユニット43と、収納容器2内に上下方向に間隔を隔てた状態で並設された複数の支持板45とを備えて構成されている。
【0026】
容器本体41は、フレーム材にて直方体形状に枠組み形成するとともに左右面及び上下面の開口を板材にて閉塞させることにより、上述の前後面が開口する横倒れ姿勢の四角筒状に形成されている。そして、容器本体41の前面の開口を基板出し入れ口44として、容器本体41に対して基板出し入れ口44を通して基板1の出し入れが可能に構成されている。
【0027】
図5に示すように、蓋部材42は、基板出し入れ口44と同形状の開口が形成されるように蓋形成用のフレーム材にて枠組み形成されており、その開口は透明な板材にて閉塞されている。
また、蓋部材42には、容器本体41に上方から係合する被係合枠46が設けられている。つまり、蓋部材42は、蓋部材42を容器本体41に対して下方に移動させて被係合枠46を容器本体41に係合させることにより蓋部材42を容器本体41に装着することができ、蓋部材42を容器本体41に対して上方に移動させることにより蓋部材42を容器本体41から離脱させることができるように構成されている。
そして、蓋部材42は、容器本体41に装着された状態において、容器本体41との間に隙間が形成される形状に形成されており、ファンフィルタユニット43にて収納容器2内に導入された空気は、容器本体41と蓋部材42との間に形成された隙間を通して外部に排出される。
【0028】
図6に示すように、ファンフィルタユニット43は、容器本体41の後面の開口から基板出し入れ口44に向けて通風させるように容器本体41の後端部に着脱自在に装着されている。
尚、詳細な説明は省略するが、ファンフィルタユニット43には、受電部とこの受電部に供給された電力を蓄えるバッテリとが備えられており、ファンフィルタユニット43は、収納容器2が収納部4に収納されている状態では、収納部4の夫々に備えられた給電部から受電部に給電された電力により作動し、収納容器2がスタッカークレーン7にて搬送されているとき等の受電部が給電部から離れて受電部に電力が供給されない状態では、バッテリに蓄えられた電力により作動するように構成されている。
【0029】
図7に示すように、複数の支持板45の夫々は、プレス加工により上方に突出する複数の突起部48が形成された支持用基板47と、載置支持した基板1の横幅方向及び後方への移動を規制する規制部材49とが備えられている。そして、突起部48の上面は、水平な平面に形成されており基板1を載置支持する載置面48aとされている。
また、複数の支持板45の夫々は、図9等に示すように、その前端部分45aの上面が前方側ほど下方に位置する傾斜する平面に形成され、前端部分45a及び突起部48以外の部分の上面が水平な平面に形成されており、基板1を載置支持する支持予定領域Eが前端部分45aからそれ以外の部分に亘って設定されている。
ちなみに、突起部48は、直径10mmの円形状で且つガラス基板1の厚みより薄い厚み0.2mmに形成されている。
【0030】
そして、複数の支持板45の夫々には、突起部48を支持用基板47に前後方向並びに横幅方向に並設することにより凹入部50が形成されている。
説明を加えると、支持板45における突起部48を形成していない部分が載置面48aより下方に凹入することになる。上述の如く支持用基板47に突起部48を並設することにより、載置面48aより下方に凹入する凹入部50が格子状に形成されることとなり、このように形成された凹入部50は、支持予定領域Eの中央部から支持予定領域Eの外部に伸びる形状で、且つ、支持予定領域Eにおける前端部から後端部に亘って直線状に伸びる形状に形成される。支持板45の上面と基板1の下面との間に空気が供給されることにより、基板1が支持板45から浮上するのであるが、支持板45の上面と基板1の下面との間への空気の供給が停止されたときに、例えば図7の点線矢印にて示しているように、支持板45と基板1との間に存在する空気が、凹入部50に沿って支持予定領域Eの外部まで流動することになる。その結果、支持板45と基板1との間に存在する空気を速やかに排出することができ、突起部48にて基板1を安定して載置支持することができる。
【0031】
規制部材49は、支持予定領域Eの左右両側に位置するように支持用基板47における左右両端部において前後方向に間隔を隔てて並設され且つ支持予定領域Eの後方側に位置するように支持用基板47における後端部において横幅方向に間隔を隔てて並設されている。
【0032】
〔昇降手段〕
図3及び図4に示すように、昇降手段61は、基板入出部6に設けられており、昇降用モータ62(図19参照)にて昇降移動して収納容器2を載置支持する左右一対の支持台63と、左右一対の支持台63を各別に昇降自在に案内支持する左右一対の案内支柱64とを備えて構成されている。
そして、図4に示すように、基板入出部6には、収納容器2における蓋部材42の被係合枠46に係合する係合部材65が区画壁25の天井部に支持される状態で設けられており、スタッカークレーン7にて収納容器2が昇降手段61にて載置支持されるように基板入出部6に搬入されるに伴って被係合枠46が係合部材65に係合し且つ容器本体41から離脱して蓋部材42が容器本体41から取り外され、スタッカークレーン7にて基板入出部6から収納容器2が搬出されるに伴って被係合部枠46が容器本体41に係合し且つ係合部材65から離脱して蓋部材42が容器本体41に装着される。
よって、昇降手段61にて収納容器2における容器本体41を載置支持した支持台63を昇降させることにより、蓋部材42を係合部材65に支持させた状態で収納容器2における蓋部材42以外の部分を昇降移動させて、基板出し入れ口44の開口量が変更されるように構成されている。
【0033】
〔基板中継ユニット〕
次に、基板中継ユニット70について説明を加える。
図3に示すように、基板中継ユニット70は、横幅方向に沿って走行する走行台車74にて横幅方向に移動自在に構成されており、基板入出部6に位置する収納容器2との間で基板1を一枚ずつ取り出す又は収納するときには、走行台車74の走行により基板入出部6に位置する収納容器2に隣接する位置に基板中継ユニット70が配置されるように構成されている。
図8に示すように、基板中継ユニット70は、取り出し対象又は収納対象の基板1の下面とこの基板1を載置支持する支持板45の上面との間に空気を噴出する浮上用空気噴出体71と、浮上用空気噴出体71よりも基板取り出し方向の下流側に空気を供給する供給用空気噴出体72と、浮上用空気噴出体71による空気の噴出により支持板45から浮上した取り出し対象の基板1を浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上方を通過させる状態で収納容器2から取り出し、且つ、浮上用空気噴出体71による空気の噴出により浮上した収納対象の基板1をその基板1を載置支持する支持板45上に位置するように浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上方を通過させる状態で収納容器2に収納する基板出し入れ機構73とを備えて構成されている。
ちなみに、基板出し入れ機構73は、基板1を収納容器2から取り出す取り出し手段と基板1を収納容器2に収納する収納手段とに兼用されている。
【0034】
〔走行台車〕
図3及び図4に示すように、走行台車74は、横幅方向に沿って設けられた一対の走行用レール76の夫々に対応して設けられて走行用モータ77にて回転駆動される走行用車輪78を備え、浮上用空気噴出体71、供給用空気噴出体72及び基板出し入れ機構73を支持するように構成され、走行用モータ77にて走行用車輪78を回転駆動させることにより、基板中継ユニット70を横幅方向に走行移動させて収納容器2と隣接する位置と基板搬送コンベヤ51と隣接する位置とに移動可能に構成されている。
【0035】
〔基板出し入れ機構〕
基板出し入れ機構73は、基板1を挾持搬送する挾持搬送手段81と基板1を載置搬送する載置支持搬送手段88とを備えて構成されている。
挾持搬送手段81は、基板1を収納容器2から取り出す場合には、取り出し対象の基板1における基板取り出し方向の下流側端部を挾持する挾持部82を基板取り出し方向に沿う移動経路に沿って基板取り出し方向の上流側から下流側に移動させて、取り出し対象の基板1の全体が収納容器2内に位置する収納位置(図9及び図10参照)から取り出し対象の基板1の一部が収納容器2外に位置する中継位置(図11及び図12参照)まで取り出し対象の基板1を搬送し、また、基板1を収納容器2に収納する場合には、挾持部82を移動経路に沿って基板搬入方向の上流側から下流側に移動させて、中継位置に位置する収納対象の基板1を、挾持部82の先端部分にて押圧する状態で中継位置から収納位置まで搬送するように構成されている。
そして、挾持搬送手段81は、基板1を収納容器2から取り出すときは取り出し対象の基板1における横幅方向の両端部を挾持し、基板1を収納容器2に収納するときは収納対象の基板2における横幅方向の両端部を押圧するように、挾持部82を横幅方向に一対設けて構成されている。これにより、縦軸芯周りでの基板1の回転を防止し且つ基板1を安定した姿勢で搬送することができながら、基板1に対して接触する位置を基板取り出し方向の下流側端部のごく一部とすることができる。
【0036】
挾持部82は、協働により基板1を上下方向に挾持する一対の挾持作用部分83と、一対の挾持作用部分83を支持する支持部分84とを備えて構成されている。一対の挟持作用部分83は、支持部分84の横側方に突出する状態で、互いに遠近移動自在に支持されている。そして、一対の挟持作用部分83は、一対の挾持作用部分83を互いに近接させて基板1を挾持する挾持状態(図11参照)と、一対の挾持作用部分83を互いに離間させた挾持解除状態(図9参照)と、一対の挾持作用部分83を挾持状態よりさらに近接させて互いに接触させる押圧状態(図13参照)とに切り換え可能に構成されている。
【0037】
挟持部82は、基板取り出し方向に沿う移動経路に沿って直線状に移動自在な移動体87に支持されており、この移動体87の移動経路に沿う移動によって挟持部82が基板取り出し方向に移動自在に構成されている。移動体87の上部には、移動体87に対して縦軸芯周りで揺動自在に連結された揺動連結部材85が設けられ、その揺動連結部材85において基板取り出し方向に延びる部分の端部には、その上部に挟持部82が固定支持されている。これにより、挾持部82は、移動体87に縦軸芯周りに揺動自在に支持されている。
ちなみに、挾持部82が揺動する縦軸芯は、平面視において支持部分84が存在する箇所から外れた箇所に位置しており、挾持作用部分83が存在する箇所に位置している。
【0038】
また、挾持搬送手段81は、取り出し対象の基板1を中継位置に搬送した状態で取り出し対象の基板1に対する挾持を解除した挾持部82を、載置支持搬送手段88にて搬送される取り出し対象の基板1の搬送経路(基板1を搬送するときに基板1が占める空間)から退避させた退避位置に移動させる退避操作手段としての揺動案内部材89を備えて構成されている。
この揺動案内部材89は、移動体87の移動経路に沿う移動により挾持部82に接当して、挾持部82を基板取り出し方向と交差する横幅方向の外方側に案内させるように縦軸芯周りに揺動させることにより、挟持部82を退避位置に退避させるように構成されている。
【0039】
揺動案内部材89について説明を加えると、揺動案内部材89は、揺動連結部材85及び案内ローラ86を案内する案内溝89aを備えて構成されている。つまり、揺動連結部材85は、案内溝89aが形成されている板体を貫通する状態で案内溝89aの内壁と接当するように設けられており、案内ローラ86は、揺動連結部材85の基板取り出し方向に延びる部分の端部においてその下方側に案内溝89の内壁と当接するように一対設けられている。
そして、案内溝89aは、基板取り出し方向の上流側の部分が移動体87の移動経路に沿う直線状に形成され、この上流側の部分と連続する下流側の部分が横幅方向の外方側に曲がる曲線状に形成されている。
つまり、図9〜図13に示すように、取り出し対象の基板1を収納位置から中継位置に搬送する又は収納対象の基板1を中継位置から収納位置に搬送するべく移動体87を移動経路に沿って移動させている間は、案内ローラ86は案内溝89aにおける直線状に形成された部分にて直線状に案内されるため、挾持部82の姿勢は挾持作用部分83と支持部分84とが移動経路に沿う方向に並ぶ姿勢に保持される。
そして、図14及び図15に示すように、収納位置の取り出し対象の基板1に対して挾持を解除した後に、移動体87を基板取り出し方向の下流側に移動させることにより、案内ローラ86は案内溝89aにおける曲線状に形成された部分にて横幅方向の外方側に移動するように曲線状に案内されるため、挾持部82の姿勢は支持部分84が挾持作用部分83に対して横幅方向外方側に位置するように移動経路に対して傾いた姿勢に変更される。また、この状態から移動体87を基板取り出し方向の上流側に移動させることにより、案内ローラ86は案内溝89aにおける曲線状に形成された部分にて横幅方向の内方側に移動するように曲線状に案内されるため、挾持部82の姿勢は挾持作用部分83と支持部分84とが移動経路に沿う方向に並ぶ姿勢に変更される。
そして、図10及び図12に示すように、挾持部82は、移動経路に沿う方向に並ぶ姿勢では、平面視において一対の挾持作用部分83及び支持部分84が基板1の搬送経路の横幅内に位置するため、基板1に対して基板取り出し方向の下流側から挾持又は押圧することができ、図15に示すように、移動経路に対して傾いた姿勢では、平面視において一対の挾持作用部分83の一部及び支持部分84が基板1の搬送経路から横外方側に外れて位置するため、挾持部82に邪魔されることなく載置支持搬送手段88にて基板1を搬送することができる。
ちなみに、挾持部82は移動経路に対して傾いた姿勢では退避位置(図14及び図15参照)に位置している。このとき、一対の挾持作用部分83は、平面視において基板1の搬送経路上に存在することになるが、一対の挟持作用部分83を挾持解除状態とすることにより、基板1の通過を許容することができる。
【0040】
〔載置支持搬送手段〕
載置支持搬送手段88は、基板1を収納容器2から取り出す場合には、挾持搬送手段81にて中継位置に搬送された取り出し対象の基板1を載置支持して、取り出し対象の基板1を中継位置から取り出し対象の基板1の全体が収納容器2外に位置する取り出し位置(図14参照)に搬送し、基板1を収納容器2に収納する場合には、基板搬送コンベヤ51から受け取った収納対象の基板1を取り出し位置から中継位置に搬送するように構成されている。
ちなみに、載置支持搬送手段88は、基板中継ユニット70を横幅方向に走行移動させるときには基板1をその全体が載置支持搬送手段88上に位置する取り出し位置で載置支持するとともに、取り出し位置に位置する取り出し対象の基板1を基板搬送コンベヤ51に受け渡し、基板搬送コンベヤ51から受け取った収納対象の基板1を取り出し位置に搬送するように構成されている。
【0041】
載置支持搬送手段88について説明を加えると、載置支持搬送手段88は、基板1の下面に向けて空気を供給して水平姿勢で基板を非接触状態で支持する送風式支持手段52と、その送風式支持手段52にて支持された基板1に対して搬送方向の推進力を付与する推進力付与手段53とを設けて構成されている。
送風式支持手段52は、基板1の搬送経路の下方に設けられて上方に向けて空気を送風するブロア54と、このブロア54と基板1の搬送経路との間に設けられた多孔状の整風板55と、ブロア54に空気を供給するコンベア用空気供給装置56(図19参照)とを備えて構成されている。また、推進力付与手段53は、基板取り出し方向に並設されて基板1の下面に接触する複数の支持用搬送ローラ57と、中継位置に位置する基板1の上面に接触して支持用搬送ローラ57との協働により基板1を挾持する挾持用搬送ローラ58とを備えて構成され、基板1における横幅方向の両端部を載置支持及び挾持するように、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が横幅方向に一対設けて構成されている。
【0042】
複数の支持用搬送ローラ57として、基板1の横幅方向への移動を規制する鍔を備えた鍔付きの支持用搬送ローラ57と、鍔を備えていない鍔無しの支持用搬送ローラ57とが設けられており、鍔無しの支持用搬送ローラ57は、中継位置に位置する基板1の下面に接触し且つ挾持用搬送ローラ58との協働に基板1を挾持するように、載置支持搬送手段88(基板出し入れ機構73)における基板取り出し方向の上流側端部に配設されており、鍔付きの支持用搬送ローラ57は、中継位置に位置する基板1の下面に接触しないように、載置支持搬送手段88(基板出し入れ機構73)における鍔無しの支持用搬送ローラ57よりも基板取り出し方向の下流側に並設されている。
ちなみに、挾持用搬送ローラ58は、鍔無しの支持用搬送ローラ57と同様に、載置支持搬送手段88(基板出し入れ機構73)における基板取り出し方向の上流側端部に配設されている。
つまり、載置支持搬送手段88は、中継位置が基板1における基板取り出し方向の下流側端部が複数の支持用搬送ローラにおける鍔無しの支持用搬送ローラ57で支持され且つ挾持用搬送ローラ58との協働により挾持される位置となるように構成されており、挾持搬送手段81による取り出し対象の基板1の搬送は、支持用搬送ローラ57と挾持用搬送ローラ58とで挾持されるように、基板1における基板取り出し方向の下流側端部が載置支持搬送手段88における基板取出方向の上流側端部に位置するように搬送する。
要するに、中継位置が、基板1における基板取り出し方向の下流側端部が載置支持搬送手段88における基板取り出し方向の上流側端部に配設された鍔無しの支持用搬送ローラ57と挾持用搬送ローラ58との協働により挾持される位置であり、収納位置に近い位置であるため、挾持搬送装置81による基板1の搬送距離が短くなるので、挾持部82の移動距離を短くすることができる。
【0043】
また、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が載置支持及び挾持する箇所は、挟持搬送手段81が挟持する箇所よりも横幅方向で外方側となるように支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が配設されている。これにより、挟持搬送手段81による基板1の搬送範囲と、載置支持搬送手段88による基板1を搬送範囲とが基板取り出し方向で重複するように構成されている。よって、挟持搬送手段81によって載置支持搬送手段88にて基板1を搬送可能な中継位置まで基板1を搬送することができ、逆に、載置支持搬送手段88によって挟持搬送手段81にて搬送可能な中継位置まで基板1を搬送することができる。その結果、挟持搬送手段81と載置支持搬送手段88との間での受け渡しを的確に行える。しかも、挟持搬送手段81から載置支持搬送手段88に基板1を受け渡すときには、基板1を挟持部82に挟持した状態から載置支持した状態に移行することになるが、支持用搬送ローラ57と挾持用搬送ローラ58との協働により基板1を挟持した状態で搬送することができるので、挟持搬送手段81と載置支持搬送手段88との間での受け渡しを的確に行いながら基板1を適正に搬送することができる。
【0044】
そして、載置支持搬送手段88は、基板1の横幅方向中央部を送風式支持手段52にて非接触状態で支持し、且つ、基板1の横幅方向の両端部を推進力付与手段53にて接触支持及び挾持して、搬送用モータ59にて支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58を回転駆動させることにより基板1を搬送方向に沿って搬送するように構成されている。
ちなみに、基板搬送コンベヤ51は、載置支持搬送手段88と同様に、ブロアと整風板と空気供給装置とを備えた送風式支持手段、及び、複数の支持用搬送ローラを備えた推進力付与手段とを備えて構成されている。尚、基板搬送コンベヤ51には、挾持用搬送ローラは設けられていない。
【0045】
図16に示すように、浮上用空気噴出体71は、上方に向けて空気を噴出する空気噴出口91と、この空気噴出口91の基板取り出し方向の上流側端部から上方側に伸びる形状に形成されて空気噴出口91から上方に向けて噴出された空気を浮上用空気噴出体71の上面に沿って収納容器2側に向けて水平方向に流動するように誘導する誘導曲面92とを備えて、容器隣接箇所Aにおいて、基板出し入れ機構73にて取り出される取り出し対象の基板1及び収納される収納対象の基板1の下面と浮上用空気噴出体71の上面との間に向けて空気を噴出する補助空気噴出体を兼用するように構成されている。
【0046】
つまり、図16(a)において矢印で示すように、浮上用空気噴出体71の空気噴出口91から上方に向けて噴出された空気は、コアンダ効果により誘導曲面92に沿って流動した後、その誘導曲面92に連なる浮上用空気噴出体71の上面に沿って水平方向に流動し、そのまま基板取り出し方向の上流側に位置する収納容器2に向けて水平方向に流動するため、空気噴出口91から噴出された空気は、取り出し対象の基板1の下面と浮上用空気噴出体71の上面との間に向けて空気が噴出されるように誘導曲面92にて誘導され、その後は、取り出し対象の基板1の下面とこの基板1を載置支持する支持板45の上面との間に空気が噴出されるように収納容器2側に向けて水平方向に流動する。
【0047】
供給用空気噴出体72は、浮上用空気噴出体71と同様に構成された噴出体を水平方向に流動する空気の向きを逆方向となるように設けたものであり、上方に向けて空気を噴出する逆方向用空気噴出口93と、この逆方向用空気噴出口93よりも上方側でかつ基板取り出し方向の下流側に位置して逆方向用空気噴出口93から上方に向けて噴出された空気を供給用空気噴出体72の上面に沿って収納容器2側とは反対側に向けて水平方向に流動するように誘導する逆方向用誘導曲面94とを備えて構成されている
つまり、逆方向用空気噴出口93から噴出された空気は、容器隣接箇所Aにおいて浮上用空気噴出体71の空気噴出口91よりも基板取り出し方向の下流側に空気を供給するように収納容器2側とは反対側である基板取り出し方向の下流側に向けて水平方向に流動する。
【0048】
図8及び図17に示すように、浮上用空気噴出体71は、横幅方向に間隔を隔てた状態で複数並設され、供給用空気噴出体72は、横幅方向で浮上用空気噴出体71の間に配設されており、複数の浮上用空気噴出体71と複数の供給用空気噴出体72とは横幅方向の両端に浮上用空気噴出体71が位置する状態で横幅方向に交互に一列に並べられている。これにより、図17中矢印にて示すように、基板1を搬送するときには、供給用空気噴出体72にて噴出される空気を浮上用空気噴出体71の空気噴出口91に対して基板取り出し方向の下流側に供給することができる。これにより、浮上用空気噴出体71の空気噴出口91からの空気の噴出により、その基板取り出し方向の下流側が負圧となっても、供給用空気噴出体72からの空気によりその部分が正圧化されて基板1を適正に支持することができる。
そして、基板出し入れ機構73における基板取り出し方向の上流側端部には、上面の高さが整風板55の上面と同じ高さとなる状態で且つ基板取り出し方向の上流側に伸びる状態で連設板96が支持されており、供給用空気噴出体72は、その上面が連設板96の上面と同じ高さで且つ基板取り出し方向に連なる状態で連設板96に支持されており、浮上用空気噴出体71は、その上面が連設板96の上面よりの数ミリ(例えば2〜3mm程度)下方に位置する高さで且つ基板取り出し方向の下流側に空気噴出口91から噴出された空気が通る隙間が形成される状態で連設板96に支持されている。
つまり、浮上用空気噴出体71は、その上面が供給用空気噴出体72の上面よりも数ミリ下方に位置するように設けられている。
【0049】
浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72には空気供給装置としての噴出体用空気供給装置95(図19参照)から空気が供給され、この噴出体用空気供給装置95は供給する空気の供給量を調整自在に構成されている。そして、噴出体用空気供給装置95から浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72に空気を供給することにより、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72は空気を噴出する噴出状態に切り換えられ、噴出体用空気供給装置95から浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72への空気の供給を停止させることにより、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72は空気の噴出を停止させた噴出停止状態に切り換えられる。
【0050】
次に、制御装置Hについて説明する。
図18及び図19に示すように、基板中継ユニット70には、挾持部82にて挾持されている基板1及び挾持部82にて押圧されている基板1の存否を検出する基板存否検出センサ101、収納容器2が基板1の取り出す並びに収納に適正な高さに位置しているか否かを検出する容器高さ検出センサ102、基板1が取り出し位置に位置しているか否かを検出する取り出し位置検出センサ103、基板1が中継位置に位置しているか否かを検出する中継位置検出センサ104、及び、載置支持搬送手段88による基板1の搬送速度を減速させる減速位置検出センサ105が設けられ、基板入出部6には、収納容器2から基板1の一部が外部にはみ出しているか否かを検出する基板はみ出し検出センサ106が設けられており、これらの検出センサからの検出情報が制御装置Hに入力されるように構成されている。
【0051】
そして、制御装置Hは、これらの検出センサや上位のコントローラからの指令等に基づいて、基板中継ユニット70における走行台車74、基板出し入れ機構73及び噴出体用空気供給装置95の作動、並びに、昇降手段61及び基板搬送コンベヤ51の作動を制御するように構成されている。
【0052】
制御装置Hは、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72から噴出する空気の噴出量が目標供給量に向けて段階的に多くなるように噴出体用空気供給装置95の作動を制御する空気供給用制御手段、及び、取り出し対象又は収納対象の基板1を載置支持する支持板45を浮上用空気噴出体71及び基板出し入れ機構73に対応する高さ(取り出し用高さであり且つ収納用高さである)に位置させるべく昇降手段61の作動を制御する昇降用制御手段としての機能も備えられている。
つまり、制御装置Hは、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72を噴出停止状態から噴出状態に切り換える際に、噴出体用空気供給装置95から浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72に供給する空気の量を段階的に多くし、これら浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72から噴出する空気の噴出量が目標供給量に向けて段階的に多くなるように噴出体用空気供給装置95の作動を制御するように構成されている。
また、制御装置Hは、基板1を収納容器2から取り出す又は収納する場合は、その取り出す又は収納する基板1を載置支持する支持板45を浮上用空気噴出体71及び基板出し入れ機構73に対応する高さに位置させて、浮上用空気噴出体71から噴出される空気が取り出す又は収納する基板1の下面とその基板1を載置支持する載置板45の上面との間に噴出させ、且つ、浮上用空気噴出体71による空気の噴出により浮上した基板1を挾持部82にて挾持又は押圧可能とするべく、昇降手段61の作動を制御するように構成されている。
【0053】
基板存否センサ101は、一対の挾持部82の夫々に挾持作用部分83の直前における基板1の存否を検出するように一対設けられており、制御手段Hは、一対の基板存否センサ101の両方が基板1の存在を検出する検出状態であると基板1を挾持或いは押圧していると判別し、一対の基板存否センサ101の一方又は両方が基板1を検出していない非検出状態であると基板1を挾持及び押圧していないと判別するように構成されており、挾持部82にて挾持又は押圧している状態において基板1を挾持及び押圧していないと判別すると、基板搬送装置8の作動を停止させる。
【0054】
容器高さ検出センサ102は、収納容器2に複数の支持板45の夫々に対応して上下方向に並設された複数の検出板107の存否を検出するように設けられており、制御手段Hは、収納容器2が複数の支持板45のいずれかが浮上用空気噴出体71及び基板出し入れ機構73に対応する高さに位置して容器高さ検出センサ102にて複数の検出板のいずれかを検出する検出状態であると収納容器2が適正な高さであると判別し、収納容器2が対応する高さから上下方向にずれて容器高さ検出センサ102が複数の検出板のいずれも検出しない非検出状態であると収納容器2が適正な高さではないと判別するように構成されており、基板1を収納容器2に対して出し入れする際に収納容器2が適正な高さではないと判別すると、基板搬送装置8の作動を停止させる。
【0055】
取り出し位置検出センサ103は、取り出し位置に位置する基板1の基板取り出し方向の上流側端部に対応する位置と下流側端部に対応する位置とに一対設けられており、制御手段Hは、基板1が取り出し位置に位置して一対の取り出し位置検出センサ103が基板1を検出する検出状態であると基板1が取り出し位置に位置していると判別し、基板1が取り出し位置からずれて一対の取り出し位置検出センサ103の一方又は両方が非検出状態であると基板1が取り出し位置に位置していないと判別するように構成されている。
【0056】
中継位置検出センサ104は、中継位置に位置する基板1の基板取り出し方向の下流側端部に対応する位置とこの位置よりさらに下流側の位置とに基板取り出し方向に隣接する状態で一対設けられており、制御手段Hは、基板取り出し方向の上流側に位置する中継位置検出センサ104が基板1を検出する検出状態であり下流側に位置する中継位置検出センサ104が基板1を検出しない非検出状態であると基板1が中継位置に位置していると判別し、基板1が中継位置からずれて一対の中継位置検出センサ104の両方が検出状態又は非検出状態であると基板1が中継位置に位置していないと判別するように構成されている。
【0057】
減速位置検出センサ105は、取り出し用と収納用との一対が取り出し位置に位置する基板1の前後幅内に位置するように設けられており、制御手段Hは、載置支持搬送手段88にて基板1を中継位置から取り出し位置に搬送するにあたり、搬送開始直後は搬送速度を搬送高速度となるように加速させ、取り出し用の減速位置検出センサ105が基板1を検出する検出状態となると、搬送速度を搬送高速度より低速の搬送低速度となるように減速させ、また、載置支持搬送手段88にて基板搬送コンベヤ51から受け取った基板1を取り出し位置に搬送するにあたり、基板搬送コンベヤ51から受け取る基板1の搬送速度を維持させ、収納用の減速位置検出センサ105が基板1を検出する検出状態となると、搬送速度を受け取った基板の搬送速度より低速の搬送低速度となるように減速させるように、推進力付与手段53の作動を制御するように構成されている。
【0058】
基板はみ出し検出センサ106は、収納容器2の直前における基板1の存否を検出するように設けられており、制御手段Hは、基板はみ出し検出センサ106が基板1を検出する検出状態であると基板1が収納容器2からはみ出していると判別し、基板はみ出し検出センサ106が基板1を検出してない非検出状態であると基板1が収納容器2からはみ出していないと判別するように構成されている。
【0059】
制御手段Hにより基板搬送装置8の作動について、基板入出部6に位置する収納容器2から基板1を取り出して図外の基板処理装置に搬送する場合を説明する。
まず、基板中継ユニット70が基板入出部6に位置する収納容器2と隣接して位置するように走行台車74を走行させる。次に、取り出し対象の基板1を載置支持する支持板45が浮上用空気噴出手段71及び基板出し入れ機構73に対応する高さとなるように昇降手段61にて収納容器2を昇降移動させた状態で、噴出体用空気供給装置95を作動させて浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72を噴出状態とし、且つ、コンベヤ用空気供給装置56を作動させて送風式支持手段52を整風板55から上方に向けて空気を噴出する状態とする。このとき、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72は、取り出し対象の基板1を支持する支持板45における基板取り出し方向の下流側端部に隣接する容器隣接箇所Aに配設されることになる。これにより、浮上用空気噴出体71にて噴出される空気を取り出し対象の基板1の下面と支持板45との間に適正に供給することができ、取り出し対象の基板1を的確に支持板45から浮上させることができる。浮上用空気噴出体71の空気の噴出により取り出し対象の基板1が支持板45から浮上させた状態で、挾持解除状態の挾持部82を収納位置の取り出し対象の基板1を挾持可能な挾持位置(図9及び図10参照)に移動させるように移動体87を基板取り出し方向の下流側から上流側に移動させる。
【0060】
そして、挾持部82を挾持状態に切り換えて挾持部82にて取り出し対象の基板1を挾持し、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が基板1を基板取り出し方向の上流側から下流側に搬送するように回転させた状態で、挾持状態の挾持部82を中継位置に対応する挾持解除位置(図11及び図12参照)まで移動させるように移動体87を基板取り出し方向の上流側から下流側に移動させて基板1を中継位置に搬送する。このとき、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上部にも空気が供給されていることから、その空気により形成される空気層によって浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の上部を通過する基板1を的確に支持することができる。その後、基板1を中継位置に搬送した状態で支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させ、且つ、噴出体用空気供給装置95の作動を停止させて浮上用空気噴出体71を噴出停止状態とする。
【0061】
そして、挾持部82を挾持解除状態に切り換えた後、挾持解除状態の挾持部82を退避位置(図14及び図15参照)に移動させるべく移動体87を基板取り出し方向の上流側から下流側に移動させ、且つ、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58を基板1を基板取り出し方向の上流側から下流側に搬送するように回転させて、基板1を取り出し位置に搬送した後、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させる。
その後は、基板中継ユニット70が基板搬送コンベヤ51と隣接して位置するように走行台車74を走行させた状態で、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が基板1を基板取り出し方向の上流側から下流側に搬送するように回転させて、基板1を基板搬送コンベヤ51に受け渡し、基板搬送コンベヤ51にて基板1を基板処理装置に搬送する。
【0062】
次に、基板処理装置から搬出された基板1を基板入出部6に位置する収納容器2に収納する場合を説明する。
まず、基板中継ユニット70が基板搬送コンベヤ51と隣接して位置するように走行台車74を走行させ、且つ、コンベヤ用空気供給装置56を作動させて送風式支持手段52を整風板55から上方に向けて空気を噴出させる。この状態で、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58が基板1を基板収納方向の上流側から下流側に搬送するように回転させて、基板処理装置から搬出されて基板搬送コンベヤ51にて搬送される基板1を受け取って取り出し位置に搬送する。その後、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させて、基板中継ユニット70が基板入出部6に位置する収納容器2と隣接して位置するように走行台車74を走行させる。
【0063】
そして、収納対象の基板1を載置支持する支持板45が浮上用空気噴出手段71及び基板出し入れ機構73に対応する高さとなるように昇降手段61にて収納容器2を昇降移動させた状態で、噴出体用空気供給装置95を作動させて浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72を噴出状態とする。このような状態で、押圧状態の挾持部82を挾持位置よりも基板1の挾持量だけ基板収納方向の上流側の押圧終了位置(図13参照)に移動させるように移動体87を基板収納方向の上流側から下流側に移動させて基板1を収納位置に搬送する。その後、支持用搬送ローラ57及び挾持用搬送ローラ58の回転を停止させ、且つ、噴出体用空気供給装置95及びコンベヤ用空気供給装置56を停止させるとともに、次に基板1の収納を行うのであれば挾持部82を退避位置に移動させるように、また、次に基板1の取り出しを行うのであれば挾持部82を挾持解除位置に移動させるように、移動体87を基板収納方向の下流側から上流側に移動させる。
このように噴出体用空気供給装置95を停止させることにより浮上用空気噴出体が噴出停止状態となるため、収納対象の基板の上面とこの基板を載置支持する支持板の上面との間への空気の供給が停止され、上述の如く、基板と支持板との間に存在する空気が排出される。
【0064】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、凹入部50を、支持予定領域Eにおける中央部から支持予定領域の外部に伸びる形状に形成したが、凹入部50を、支持予定領域Eにおける周縁部から支持予定領域の外部に伸びる形状に形成して、支持予定領域Eの中央に凹入部50が形成されないようにしてもよい。
【0065】
(2) 上記実施の形態では、凹入部50を、支持予定領域Eにおける基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成したが、凹入部50を、支持予定領域Eにおける基板収納方向の中間部から上流側端部又は中間部から下流側端部に亘って、直線状に伸びる形状に形成してもよく、また、凹入部50を、曲線状に形成してもよい。
【0066】
(3) 上記実施の形態では、支持板45を、横幅方向に並設された浮上用空気噴出体71の間に位置するように凹入部50を備えて構成したが、支持板45を、横幅方向に並設された浮上用空気噴出体71と全部又は一部が基板収納方向に重複して位置するように凹入部50を備えて構成してもよい。
【0067】
(4) 上記実施の形態では、支持板45を支持用基板47と複数の突起部48とで構成し、突起部48を基板収納方向並びに横幅方向に並設することにより支持板45に凹入部50を形成したが、支持板45を上面にて載置面48aが形成される支持基板にて構成し、この支持基板に下方に凹入する溝を形成することにより支持板45に凹入部50を形成してもよい。
【0068】
(5) 上記実施の形態では、収納容器2を昇降自在に支持する昇降手段61を設けたが、浮上用空気噴出体71、供給用空気噴出体72及び基板出し入れ機構73を昇降自在に支持する昇降装置を設けてもよい。この場合、昇降用制御手段(制御装置)Hにて、浮上用空気噴出体71、供給用空気噴出体72及び基板出し入れ機構73を取り出し対象又は収納対象の基板1を載置支持する支持板45に対応する高さに位置させるべく昇降装置の作動を制御する。
【0069】
(6) 上記実施の形態では、収納容器2の容器本体41を、枠組み形成してその左右面と上下面との夫々に開口を形成して内外に通風可能に構成したが、収納容器2の容器本体41を、筒状に形成してその左右面と上下面との夫々に閉口させて内外に通風不可能に構成してもよい。
上記実施の形態では、収納容器2に蓋部材42とファンフィルタユニット43とを備えさせたが、蓋部材42とファンフィルタユニット43とのうちの一方又は両方を備えなくてもよい。
【0070】
(7) 上記実施の形態では、収納容器2の容器本体41を、前後面が開口する横倒れ姿勢の四角筒状に形成して、左右面と上下面とを閉口させることにより左右面側及び上下面側から空気の排出を不可能な構成としたが、収納容器2の容器本体41を、前後面、上下面及び左右面の夫々が開口する枠組み形状に形成して、左右面と上下面とを開口させることにより左右面及び上下面側から空気の排出を可能な構成としてもよい。
上記実施の形態では、収納容器2に蓋部材と42ファンフィルタユニット43とを備えさせたが、蓋部材42とファンフィルタユニット43とのうちの一方又は両方を備えなくてもよい。
【0071】
(8) 上記実施の形態では、プレス加工により突起部48を形成したが、インク等の塗料を支持板45の上面に噴射させて突起部48を形成する等、支持板45の上面に印刷することにより突起部48を形成してもよく、また、別体の突起部材を支持用基板47の上面に貼付することにより突起部48を形成してもよい。
【0072】
(9) 上記実施の形態では、複数の浮上用空気噴出体71と複数の供給用空気噴出体72とを、横幅方向の両端に浮上用空気噴出体71が位置する状態で横幅方向に交互に一列に並べたが、複数の浮上用空気噴出体71と複数の供給用空気噴出体72との並べ方を適宜変更してもよい。
つまり、例えば、浮上用空気噴出体71及び供給用空気噴出体72の一方又は両方を2つ又は3つ以上横幅方向に連続する状態に並べてもよく、また、横幅方向の一端又は両端に供給用空気噴出体72が位置する状態で並べてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】基板処理設備の正面図
【図2】基板処理設備の側面図
【図3】基板処理設備の平面図
【図4】基板搬送装置の側面図
【図5】収納容器の斜視図
【図6】収納容器の斜視図
【図7】支持板を示す図
【図8】基板中継ユニットの平面図
【図9】挾持位置の挾持部を示す側面図
【図10】挾持位置の挾持部を示す平面図
【図11】挾持解除位置の挾持部を示す側面図
【図12】挾持解除位置の挾持部を示す平面図
【図13】押圧終了位置の挾持部を示す側面図
【図14】退避位置の挾持部を示す側面図
【図15】退避位置の挾持部を示す平面図
【図16】浮上用空気噴出体と供給用空気噴出体とを示す側面図
【図17】浮上用空気噴出体と供給用空気噴出体とを示す斜視図
【図18】検出センサを示す概略図
【図19】制御ブロック図
【符号の説明】
【0074】
1 基板
2 収納容器
45 支持板
47 支持用基板
48 突起部
48a 載置面
50 凹入部
61 昇降手段
71 浮上用空気噴出体
73 収納手段
E 支持予定領域
H 昇降用制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の基板を載置支持する複数の支持板が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、
前記収納容器に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する前記支持板の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、
前記浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した前記収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように前記収納容器に収納する収納手段とが設けられている基板搬送設備であって、
前記支持板が、前記基板を載置支持する載置面より下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域の内外に伸びる凹入部を備えている基板搬送設備。
【請求項2】
前記凹入部が、前記支持予定領域の中央部から前記支持予定領域の外部に伸びる形状に形成されている請求項1記載の基板搬送設備。
【請求項3】
前記凹入部が、前記支持予定領域における基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成されている請求項1又は2記載の基板搬送設備。
【請求項4】
前記浮上用空気噴出体が、前記基板収納方向と交差する横幅方向に間隔を隔てた状態で並設され、
前記支持板が、前記横幅方向に並設された前記浮上用空気噴出体の間に位置するように前記凹入部を備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板搬送設備。
【請求項5】
前記支持板が、上面が平坦な支持用基板と前記載置面を備えかつ前記支持用基板の上面から上方に突出する複数の突起部とを備えて構成され、且つ、前記突起部を前記支持用基板に基板収納方向並びにこの方向と交差する横幅方向に並設することにより前記凹入部が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板搬送設備。
【請求項6】
前記収納容器を昇降自在に支持する昇降手段と、前記収納対象の基板を載置支持する前記支持板を前記浮上用空気噴出体及び前記収納手段に対応する収納用高さに位置させるべく前記昇降手段の作動を制御する昇降用制御手段とが設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板搬送設備。
【請求項1】
矩形状の基板を載置支持する複数の支持板が上下方向に間隔を隔てた状態で並設された収納容器と、
前記収納容器に収納する収納対象の基板の下面とこの基板を載置支持する前記支持板の上面との間に空気を噴出し且つ空気を噴出する噴出状態及び空気の噴出を停止させた噴出停止状態とに切り換え可能な浮上用空気噴出体と、
前記浮上用空気噴出体による空気の噴出により浮上した前記収納対象の基板をその基板を載置支持する支持板上に位置するように前記収納容器に収納する収納手段とが設けられている基板搬送設備であって、
前記支持板が、前記基板を載置支持する載置面より下方に凹入し且つ基板を載置支持する支持予定領域の内外に伸びる凹入部を備えている基板搬送設備。
【請求項2】
前記凹入部が、前記支持予定領域の中央部から前記支持予定領域の外部に伸びる形状に形成されている請求項1記載の基板搬送設備。
【請求項3】
前記凹入部が、前記支持予定領域における基板収納方向の上流側端部から下流側端部に亘って直線状に伸びる形状に形成されている請求項1又は2記載の基板搬送設備。
【請求項4】
前記浮上用空気噴出体が、前記基板収納方向と交差する横幅方向に間隔を隔てた状態で並設され、
前記支持板が、前記横幅方向に並設された前記浮上用空気噴出体の間に位置するように前記凹入部を備えて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板搬送設備。
【請求項5】
前記支持板が、上面が平坦な支持用基板と前記載置面を備えかつ前記支持用基板の上面から上方に突出する複数の突起部とを備えて構成され、且つ、前記突起部を前記支持用基板に基板収納方向並びにこの方向と交差する横幅方向に並設することにより前記凹入部が形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の基板搬送設備。
【請求項6】
前記収納容器を昇降自在に支持する昇降手段と、前記収納対象の基板を載置支持する前記支持板を前記浮上用空気噴出体及び前記収納手段に対応する収納用高さに位置させるべく前記昇降手段の作動を制御する昇降用制御手段とが設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の基板搬送設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−64887(P2010−64887A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235450(P2008−235450)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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