説明

基板洗浄方法、基板洗浄液および基板処理装置

【課題】ゲルマニウム層が露出した基板表面を洗浄でき、かつゲルマニウム層の膜減り抑制と優れた洗浄効率とを両立できる基板洗浄方法を提供する。
【解決手段】ゲルマニウム層が露出した基板表面に洗浄液を供給する基板洗浄方法であって、洗浄液として、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値に調整されたオゾン水を用いる。基板処理装置は、ゲルマニウム層が露出した表面を有する基板Wを保持するスピンチャック12と、スピンチャック12に保持された基板Wの表面に、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値に調整されたオゾン水からなる洗浄液を供給する洗浄液供給機構20とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゲルマニウム層が露出した基板表面を洗浄するための基板洗浄方法、基板洗浄液および基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコンを用いた半導体デバイスの微細化は極限に達しつつあり、かつ、消費電力の削減も大きな課題となっている。そこで、シリコンに代わる半導体材料として、シリコンよりも移動度が高いゲルマニウムが注目されている。
半導体デバイスの製造工程では、半導体基板の表面から不要物を除去する洗浄処理が欠かせない。シリコン基板の表面から異物を除去するための洗浄液の一例は、アンモニア過酸化水素水混合液(NHOH/H/HO)である。アンモニア過酸化水素水混合液をシリコン基板表面に供給すると、その混合液中の過酸化水素水による酸化によってシリコン酸化層が形成され、そのシリコン酸化層が当該混合液中のアンモニア水によって微量にエッチングされる。これにより、シリコン基板表面の異物がシリコン酸化層とともにリフトオフされる。これが、アンモニア過酸化水素水による洗浄のメカニズムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−281463号公報
【特許文献2】米国特許第7569493号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明者は、ゲルマニウム層が露出した基板表面の洗浄にアンモニア過酸化水素水を適用し、その妥当性を検証した。その結果、ゲルマニウム層に許容できないロス(膜減り)が生じることが分かった。その一つの原因は、過酸化水素水による酸化によってゲルマニウム層の表面に生じるゲルマニウム酸化物が水に溶解するためであると推定される。すなわち、ゲルマニウム層の表面の酸化、およびそれによって生じたゲルマニウム酸化物のエッチングが高速に進行し、ゲルマニウム層の膜減りが高速に進行する。
【0005】
図15は、アンモニア過酸化水素水混合液の濃度とゲルマニウム層の膜減り速度(Ge loss rate。一分間の液供給による膜減り量)との関係を調べた結果を示す。横軸は、アンモニア過酸化水素水中の水(DIW:脱イオン水)の希釈比率(体積比)xである。
アンモニア過酸化水素水をNHOH:H:DIW=1:1:20000という超希釈状態とし、かつ処理時間を短くしても、デバイス製作の上の許容限度(たとえば3nm)を超える膜減りが発生する可能性がある。より具体的には、基板表面全域を確実に洗浄するためには、最短でも30秒程度は基板表面に洗浄液を供給する必要がある。しかし、図15の結果からは、前記超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液であっても、30秒間の供給で5nm程度の膜減りが生じることがわかる。アンモニア過酸化水素水混合液の供給を数秒間に制限すれば膜減りの問題は解決されるかもしれないが、基板を十分に洗浄できないおそれがある。加えて、基板処理装置による処理液供給制御によって、処理液の供給を数秒間に限定することは極めて困難である。さらにまた、前述のような超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液を安定的に精製するのも容易ではない。たとえば、第1段階で100倍希釈、第2段階で200倍希釈をそれぞれ行う2段階希釈のためのユニットを設けることが考えられるが、生産性の著しい低下は避けられない。
【0006】
そこで、この発明の目的は、ゲルマニウム層が露出した基板表面を洗浄でき、かつゲルマニウム層の膜減り抑制と優れた洗浄効率とを両立できる基板洗浄方法、基板洗浄液および基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、ゲルマニウム層が露出した基板表面に洗浄液を供給する基板洗浄方法であって、前記洗浄液として、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値に調整されたオゾン水を用いる、基板洗浄方法を提供する(請求項1)。
オゾン水は、0.5ppm〜20ppmという低い酸化剤濃度での連続供給が容易である。前述の超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液(NHOH:H:DIW=1:1:20000)における酸化剤濃度は17ppmである。したがって、オゾン水は、酸化剤濃度の観点において、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液の代替液として適切である。
【0008】
一方、基板上の異物の除去性能には、基板を構成する物質および異物を構成する物質のゼータ電位が深く関与している。基板材料および基板上の異物のゼータ電位の挙動は、たとえば特許文献2に開示されている。これによれば、pHが7よりも大きい領域(より好ましくは8以上の領域)において、いずれの材料もゼータ電位が負値となる。したがって、pHを7よりも大きい状態とすれば、材料同士が同極性電位となり、材料間に斥力が生じる結果、異物が基板に付着しにくくなる。すなわち、異物が基板から離れやすくなり、かつ基板に再付着しにくくなる。
【0009】
さらに、本件発明者は、ゲルマニウム層の膜減りと異物除去率との関係について調べた。その結果、前述の超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液においては、100%の異物除去率を得ようとすると、ゲルマニウム層の膜減りが2nm程度生じることが分かった。この膜減りは、許容範囲内ではあるが、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液を洗浄液として用いる場合の問題点は、前述のとおりである。一方、オゾン水を洗浄液として用いたところ、100%の異物除去率を得ようとすると、3nmを超える膜減りが生じることが分かった。その一方で、本件発明者は、オゾン水にアルカリ物質を添加してそのpHを調整すると、pHが大きくなるほど、100%の異物除去率のときのゲルマニウム層膜減りが減少し、pHを7よりも大きくすれば、ゲルマニウム層の膜減りを3nm以下にできることを突き止め、本発明の完成に至ったものである。
【0010】
すなわち、この発明によれば、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値に調整されたオゾン水を用いて基板が洗浄されるので、ゲルマニウム層の膜減りを抑制しながら、ゲルマニウム層が露出した基板表面の精密な洗浄を実現できる。
前記アルカリ物質は、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、およびコリンからなる群から選択した一種以上を含むことが好ましい(請求項2)。
【0011】
また、前記洗浄液の酸化剤濃度が、0.5ppm〜20ppmであることが好ましい(請求項3)。これにより、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液と同程度の酸化剤濃度となる。
前記洗浄液は、アルカリ物質の添加によって、pHが9.5以上に調整されていることがより好ましい。これにより、ゲルマニウム層の膜減り速度が酸化剤濃度にあまり依存しなくなるため、酸化剤濃度を厳密に制御する必要がなくなる。
【0012】
さらに、この発明は、ゲルマニウム層が露出した基板表面を洗浄するための洗浄液であって、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値(より好ましくは9.5以上)に調整されたオゾン水からなる基板洗浄液を提供する(請求項4)。この基板洗浄液を用いて、前述の基板洗浄方法を実施できる。この場合も、前記アルカリ物質が、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、およびコリンからなる群から選択した一種以上を含むことが好ましい(請求項5)。また、酸化剤濃度が、0.5ppm〜20ppmであることが好ましい(請求項6)。
【0013】
また、この発明は、ゲルマニウム層が露出した表面を有する基板を保持する基板保持手段と、前記基板保持手段に保持された基板の表面に、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値(より好ましくは9.5以上)に調整されたオゾン水からなる洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを含む、基板処理装置を提供する(請求項7)。この構成により、基板保持手段に保持された基板に対して、前述の基板洗浄方法を実行できる。この場合も、前記アルカリ物質が、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、およびコリンからなる群から選択した一種以上を含むことが好ましい(請求項8)。また、前記洗浄液の酸化剤濃度が、0.5ppm〜20ppmであることが好ましい(請求項9)。
【0014】
より具体的には、前記洗浄液供給手段が、前記洗浄液を調合する調合手段を含むことが好ましい(請求項10)。
この発明の一実施形態では、前記調合手段が、アルカリ水溶液を流通させるアルカリ水溶液供給配管と、前記アルカリ水溶液供給配管の途中に設けられた混合ユニットと、前記混合ユニットに結合され、当該混合ユニットに向けてオゾン水を流通させるオゾン水配管とを含む(請求項11)。すなわち、アルカリ水溶液供給配管を流通するアルカリ水溶液にオゾン水を合流させて混合させることによって、pH調整されたオゾン水の連続流を形成でき、このようなオゾン水を連続供給できる。
【0015】
この発明の他の実施形態では、前記調合手段が、アルカリ水溶液を流通させるアルカリ水溶液供給配管と、前記アルカリ水溶液供給配管の途中に設けられたガス溶解ユニットと、前記ガス溶解ユニットに結合され、当該ガス溶解ユニットに向けてオゾンガスを流通させるオゾンガス配管とを含む(請求項12)。この構成によれば、アルカリ水溶液供給配管を流通するアルカリ水溶液にオゾンガスを溶け込ませることによって、pH調整されたオゾン水の連続流を形成でき、このようなオゾン水を連続供給できる。
【0016】
この発明のさらに他の実施形態では、前記調合手段が、オゾン水を流通させるオゾン水供給配管と、前記オゾン水供給配管の途中に設けられた混合ユニットと、前記混合ユニットに結合され、当該混合ユニットに向けてアルカリ水溶液を流通させるアルカリ水溶液配管とを含む(請求項13)。この構成によれば、オゾン水供給配管を流通するオゾン水にアルカリ水溶液を合流させて溶け込ませることによって、pH調整されたオゾン水の連続流を形成でき、このようなオゾン水を連続供給できる。
【0017】
この発明のさらに他の実施形態では、前記調合手段が、オゾン水を流通させるオゾン水供給配管と、前記オゾン水供給配管の途中に設けられたガス溶解ユニットと、前記ガス溶解ユニットに結合され、当該ガス溶解ユニットに向けてアルカリガスを流通させるアルカリガス配管とを含む(請求項14)。この構成によれば、オゾン水供給配管を流通するオゾン水にアルカリガスを溶け込ませることによって、pH調整されたオゾン水の連続流を形成でき、このようなオゾン水を連続供給できる。
【0018】
前記基板保持手段が一枚の基板を保持するように構成されていて、前記基板処理装置が基板を1枚ずつ処理する枚葉型基板処理装置であってもよい。この場合に、前記基板処理装置は、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる基板回転手段と、前記基板保持手段に保持された基板に向けて洗浄液を供給するノズルとを含んでいてもよい。
また、前記基板保持手段が複数枚の基板を一括して保持するように構成されていて、前記基板処理装置が前記基板保持手段に保持された複数枚の基板を一括して洗浄液中に浸漬させるための洗浄槽を有するバッチ型基板処理装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1(a)〜(e)は、ゲルマニウム層をチャネル層として用いるMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect-Transistor)の製造工程を概説するための図解的な断面図である。
【図2】図2は、アンモニアを添加してpHを調整したオゾン水を洗浄液として用いて、ゲルマニウム層が露出した基板に対して洗浄を行い、ゲルマニウム層の膜減り(Ge loss)と異物除去率との関係を調べた結果を示す。
【図3】図3は、比較例として、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液に関して、ゲルマニウム層が露出した基板に対して洗浄を行い、ゲルマニウム層の膜減りと異物除去率との関係を調べた結果を示す。
【図4】図4は、pHに対するゲルマニウム層膜減りの挙動をアンモニア過酸化水素水混合液とオゾン水(アンモニアでpH調整したもの)とについて調べた結果を示す。
【図5】図5は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図6】図6は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図7】図7は、この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図8】図8は、この発明の第4の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図9】図9は、この発明の第5の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図10】図10は、この発明の第6の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図11】図11は、この発明の第7の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図12】図12は、この発明の第8の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図13】図13は、この発明の第9の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図14】図14は、この発明の第10の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す。
【図15】図15は、アンモニア過酸化水素水混合液の濃度とゲルマニウム層の膜減り速度(一分間の液供給による膜減り量)との関係を調べた結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)〜(e)は、ゲルマニウム層をチャネル層として用いるMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect-Transistor)の製造工程を概説するための図解的な断面図である。図1(a)に示すように、シリコン基板1上にSiGeバッファ層2が形成され、このバッファ層2がSTI(Shallow Trench Isolation)構造4によって分離されている。この状態から、図1(b)に示すように、SiGeバッファ層2の表層部がエッチングされ、清浄な表面2aが露出させられる。その清浄な表面2a上に、図1(c)に示すように、チャネル層としてのゲルマニウム層3がエピタキシャル成長させられる。その後、図1(d)に示すように、ゲート構造5がゲルマニウム層3上に形成される。ゲート構造5は、たとえば、ゲルマニウム層3に接するHigh-kメタル層6と、High-kメタル層6上に積層されたゲートメタル層7とを含む。High-kメタル層6は、たとえば窒化チタン(TiN)層からなっていてもよい。ゲートメタル層7は、たとえばタングステン(W)層からなっていてもよい。ゲート構造5は、その両側にゲルマニウム層3を露出させる帯状パターンに形成される。このゲート構造5の両側壁に、図1(e)に示すように、スペーサ8(サイドウォール)が形成される。
【0021】
ゲルマニウム層3のエピタキシャル成長工程(図1(c))後、ゲート構造5を形成する工程(図1(d))の後、およびスペーサ8を形成する工程(図1(e))の後には、基板表面にゲルマニウム層3が露出している。この状態の基板に対して、その表面の異物を除去するための基板洗浄処理が行われる。
この基板洗浄処理のために、この実施形態では、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値(好ましくは、9.5以上)に調整されたオゾン水が、洗浄液として用いられる。添加すべきアルカリ物質としては、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH。(CH3)4NOH水溶液)、およびコリンからなる群から選択した一種以上を用いることができる。以下では、アンモニアを用いる例について説明する。
【0022】
図2は、アンモニアを添加してpHを調整したオゾン水を洗浄液として用いて、ゲルマニウム層が露出した基板に対して洗浄を行い、ゲルマニウム層の膜減り(Ge loss)と異物除去率との関係を調べた結果を示す。比較のためにpH調整がされていないオゾン水(pH7)による同様の実験結果を併せて示す。
異物除去率とは、予め微粒子を付着させたウエハ(基板)から除去された当該微粒子の割合をいう。具体的には、ウエハ表面の粒子数Nを計測し、その後にウエハの表面にパーティクル(たとえばSi粒子)を付着させてウエハ表面の粒子数Nを計測し、さらに、洗浄後にウエハ表面の粒子数Nを計測する。この場合の異物除去率は、次式によって計算される。
【0023】
異物除去率(%)=100×(N−N)/(N−N
図2から、pHが大きくなるほど、ゲルマニウム層の膜減りに対する異物除去率が急峻に立ち上がり、異物除去率100%での膜減りが減少していくことが分かる。そして、pHが7よりも大きくなるように調整することで、異物除去率100%でのゲルマニウム層の膜減りを3nm以下にできることが分かる。
【0024】
図3は、比較例として、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液に関して、ゲルマニウム層が露出した基板に対して洗浄を行い、ゲルマニウム層の膜減りと異物除去率との関係を調べた結果を示す。図3から、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液においては、100%の異物除去率を得ようとすると、ゲルマニウム層の膜減りが2nm程度生じることが分かる。この膜減りは、許容範囲内ではあるが、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液を洗浄液として用いる場合の問題点は、「発明が解決しようとする課題」の項で前述したとおりである。
【0025】
図2および図3の比較から、pHを9以上に調整することにより、超希釈状態のアンモニア過酸化水素水混合液と同等の膜減りおよび異物除去率を達成できることが分かる。さらに、図2から、pHを10以上に調整することによって、ゲルマニウム層の膜減りを無視し得る程度(0.5nm以下)に抑制しながら、100%の異物除去率を達成できることが分かる。
【0026】
図4は、pHに対するゲルマニウム層膜減りの挙動をアンモニア過酸化水素水混合液とオゾン水(アンモニアでpH調整したもの)とについて調べた結果を示す。アンモニア過酸化水素水混合液のpHは、過酸化水素水に対するアンモニア水の混合比を増やすことによって調整した。過酸化水素水単液のときのpHは7である。オゾン水のpHは、オゾン水にアンモニア水(NHOH)を加えて調整した。ただし、参考のために、塩酸を添加してpHを7未満に調整したサンプルについての実験結果A,Bも併せて示してある。オゾン水単液のpHは7である。各液は、酸化剤濃度を一定に保ち、pHのみを変化させるように調整した。
【0027】
図4から、アンモニア過酸化水素水混合液と、アンモニア水でpH調整したオゾン水とは、酸化剤とアンモニアという同じ化学構成であるにもかかわらず、pHに対するゲルマニウム層膜減りの挙動が全く異なることが分かる。すなわち、アンモニア過酸化水素水混合液においては、アンモニア水の比率が大きく、pHが高いほど、ゲルマニウム層膜減り速度が大きい。これに対して、アンモニアを添加したオゾン水においては、pHが高くなるほど、ゲルマニウム層膜減り速度が小さくなっている。
【0028】
図2および図4から導き出される結論は、アンモニア等のアルカリ物質を添加してpHを7よりも大きい値に調整したオゾン水は、ゲルマニウム層が露出した基板の洗浄に関してアンモニア過酸化水素水混合液とは全く異なる挙動を示し、異物除去性能とゲルマニウム層膜減り抑制とを両立できる最適な洗浄液であるということである。そして、この傾向は、pHが高くなるほど顕著に現れる。
【0029】
さらに詳細に分析すると、図4の結果から、pHが9.5以上の領域では、ゲルマニウム等の膜減り速度が、オゾン水の酸化剤濃度に依存しなくなっていることが分かる。したがって、アルカリ物質の添加によってpHを9.5以上に調整したオゾン水を洗浄液として用いることにより、オゾン水の酸化剤濃度を精密に制御しなくても、優れた異物除去性能とゲルマニウム層の膜減り抑制とを両立できる。
【0030】
図5は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を示す図であり、アルカリ物質を添加してpHを7よりも大きな値に調整したオゾン水によって基板Wを洗浄するための装置を示す。基板Wは、図1(c)(d)(e)のように、表面にゲルマニウム層が露出している状態の基板である。
この基板処理装置は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉型の基板処理装置であり、処理室10と、処理室10に収容された処理カップ11と、処理カップ11内に配置されたスピンチャック12(基板保持手段)と、処理液ノズル13とを含む。
【0031】
スピンチャック12は、基板Wを水平姿勢に保持して鉛直軸線まわりに回転可能に設けられている。スピンチャック12は、鉛直方向に沿って延びた回転軸14を有している。この回転軸14は、電動モータ等の回転駆動機構15(基板回転手段)によって回転駆動されるようになっている。処理液ノズル13は、処理液配管16の先端に設けられており、スピンチャック12に保持された基板Wの上面に向けて処理液を吐出するように構成されている。スピンチャック12に保持された基板Wに着液した処理液は、回転する基板W上で遠心力を受けて外方へと拡がり、基板Wから飛び出す。この飛び出した処理液は、処理カップ11によって受け止められ、廃液または回収される。
【0032】
処理液配管16は、洗浄液供給機構20に接続され、この洗浄液供給機構20から洗浄液の供給を受けるように構成されている。洗浄液供給機構20は、第1混合ユニット21と、第2混合ユニット22と、脱イオン水配管23と、アンモニア水配管24と、オゾン水配管25とを含み、これらは調合手段を構成している。
脱イオン水配管23は、脱イオン水供給源26と第1混合ユニット21との間を接続しており、脱イオン水供給源26からの脱イオン水を第1混合ユニット21に供給する。脱イオン水配管23の途中には、流量調整弁27と、開閉弁28とが介装されている。アンモニア水配管24は、アンモニア水供給源31と第1混合ユニット21との間を接続しており、アンモニア水供給源31からのアンモニア水を第1混合ユニット21に供給する。アンモニア水配管24の途中には、流量調整弁32と、開閉弁33とが介装されている。
【0033】
第1混合ユニット21は、脱イオン水配管23からの脱イオン水の流路中にアンモニア水配管24からのアンモニア水を注入し、これによって、希釈されたアンモニア水を生成するように構成されている。希釈されたアンモニア水は、アンモニア水供給配管35(アルカリ水溶液供給配管)に導かれる。アンモニア水供給配管35は、処理液配管16に結合されている。アンモニア水供給配管35の途中に第2混合ユニット22が設けられている。
【0034】
第2混合ユニット22は、アンモニア水供給配管35からのアンモニア水の流路中にオゾン水配管25からのオゾン水を注入し、これによって、アンモニアでpH調整されたオゾン水を生成するように構成されている。オゾン水配管25は、オゾン水供給源36と第2混合ユニット22との間を接続し、オゾン水供給源36からのオゾン水を第2混合ユニット22に供給する。オゾン水配管25の途中には、流量調整弁37と、開閉弁38とが介装されている。
【0035】
流量調整弁27は、たとえば、脱イオン水の流量を1550ミリリットル/分に調整する。流量調整弁32は、たとえば、アンモニア水の流量を70ミリリットル/分に調整する。したがって、アンモニア水供給配管35には、1620ミリリットル/分の流量で、希釈されたアンモニア水が流れる。流量調整弁37は、たとえば、オゾン水の流量を180ミリリットル/分に調整する。オゾン水配管25から供給されるオゾン水の酸化剤濃度10ppmであってもよい。この場合、最終的に、アンモニア水が混合された1ppmのオゾン水が1800ミリリットル/分の流量で処理液配管16から処理液ノズル13へと供給され、洗浄液として、基板Wの表面に供給される。この場合の洗浄液は、1730:70の割合でアンモニア水が混合されたO/NHOHである。アンモニア水供給源31が供給するアンモニア水の濃度が8.97wt%である場合、洗浄液中のアンモニア濃度は0.34wt%である。
【0036】
このような構成により、アンモニアによってpH調整されたオゾン水を洗浄液として用いて、基板Wに対して洗浄処理を施すことができる。
図6は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。図6において、前述の図5に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、複数枚の基板Wに対して一括して処理を施すバッチ型の基板処理装置である。具体的には、この基板処理装置は、処理液配管16によって洗浄液供給機構20に接続された処理槽17(洗浄槽)と、処理槽17内で複数枚の基板Wを一括して保持する基板保持機構18(基板保持手段)とを有している。基板保持機構18は、たとえば、垂直姿勢の複数枚の基板Wを水平方向に積層させた状態で保持するように構成されている。処理槽17は、洗浄液供給機構20から供給される洗浄液をその内部に貯留し、基板保持機構18に保持された複数枚の基板Wをその貯留された洗浄液中に浸漬させるように構成されている。
【0037】
この構成により、複数枚の基板Wに対して、アンモニアによってpH調整されたオゾン水からなる洗浄液による処理(基板洗浄処理)を一括して施すことができる。
図7は、この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。この図7において、前述の図5に示された構成との対応部分に同一符号を付す。
この基板処理装置は、図5の装置と同じく、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の基板処理装置であり、図5の装置とは洗浄液供給機構20の構成が異なる。この実施形態では、オゾン水配管25が第1混合ユニット21に接続され、アンモニア水配管24が第2混合ユニット22に接続されている。したがって、第1混合ユニット21は、脱イオン水配管23からの脱イオン水の流路中にオゾン水配管25からのオゾン水を注入し、これによって、希釈されたオゾン水を生成するように構成されている。希釈されたオゾン水は、オゾン水供給配管39に導かれる。オゾン水供給配管39は、処理液配管16に結合されている。オゾン水供給配管39の途中に第2混合ユニット22が設けられている。
【0038】
第2混合ユニット22は、オゾン水供給配管39からのオゾン水の流路中にアンモニア水配管24からのアンモニア水を注入し、これによって、アンモニアでpH調整されたオゾン水を生成するように構成されている。
流量調整弁27は、たとえば、脱イオン水の流量を1550ミリリットル/分に調整する。流量調整弁32は、たとえば、アンモニア水の流量を70ミリリットル/分に調整する。流量調整弁37は、たとえば、オゾン水の流量を180ミリリットル/分に調整する。オゾン水配管25から供給されるオゾン水の酸化剤濃度10ppmであってもよい。この場合、最終的に、アンモニア水が混合された1ppmのオゾン水が1800ミリリットル/分の流量で処理液配管16から処理液ノズル13へと供給され、洗浄液として、基板Wの表面に供給される。この場合の洗浄液は、1730:70の割合でアンモニア水が混合されたO/NHOHである。アンモニア水供給源31が供給するアンモニア水の濃度が8.97wt%である場合、洗浄液中のアンモニア濃度は0.34wt%である。
【0039】
このような構成により、アンモニアによってpH調整されたオゾン水を洗浄液として用いて、基板Wに対して洗浄処理を施すことができる。
図8は、この発明の第4の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。図8において、前述の図6および図7に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、図6の装置と同じく、複数枚の基板Wに対して一括して処理を施す、バッチ型の基板処理装置である。そして、洗浄液供給機構20として、図7に示された構成が組み合わされている。このような構成によっても、複数枚の基板Wに対して、アンモニアによってpH調整されたオゾン水からなる洗浄液による処理(基板洗浄処理)を一括して施すことができる。
【0040】
図9は、この発明の第5の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。この図9において、前述の図5に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、図5の装置と同じく、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の基板処理装置であり、図5の装置とは洗浄液供給機構20の構成が異なる。この実施形態では、第2混合ユニット22に代えて、ガス溶解ユニット40がアンモニア水供給配管35の途中に介装されている。このガス溶解ユニット40において、希釈アンモニア水中にオゾンガスが溶解させられ、それによって、アンモニアによってpH調整されたオゾン水が生成される。
【0041】
具体的には、ガス溶解ユニット40には、オゾンガス配管41の一端が接続されている。オゾンガス配管41の他端は、オゾンガス供給源42に接続されている。オゾンガス配管41の途中には、流量調整弁43および開閉弁44が介装されている。ガス溶解ユニット40としては、たとえば、液体を透過せず気体のみを透過する半透膜を用いることができる。
【0042】
このような構成により、混合ユニット21において、脱イオン水にアンモニア水が注入されて希釈アンモニア水が生成される。この希釈アンモニア水に対して、ガス溶解ユニット40において、オゾンガスが溶解させられる。これにより、pH調整されたオゾン水が生成される。このオゾン水が、処理液配管16から処理液ノズル13へと供給され、洗浄液として、基板Wの表面に供給される。こうして、アンモニアによってpH調整されたオゾン水を洗浄液として用いて、基板Wに対して洗浄処理を施すことができる。
【0043】
図10は、この発明の第6の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。図10において、前述の図6および図9に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、図6の装置と同じく、複数枚の基板Wに対して一括して処理を施す、バッチ型の基板処理装置である。そして、洗浄液供給機構20として、図9に示された構成が組み合わされている。このような構成によっても、複数枚の基板Wに対して、アンモニアによってpH調整されたオゾン水からなる洗浄液による処理(基板洗浄処理)を一括して施すことができる。
【0044】
図11は、この発明の第7の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。この図11において、前述の図7に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、図7の装置と同じく、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の基板処理装置であり、図7の装置とは洗浄液供給機構20の構成が異なる。この実施形態では、オゾン水供給配管39の途中に、第2混合ユニット22に代えて、ガス溶解ユニット46が介装されている。このガス溶解ユニット46において、アンモニアガスがオゾン水中に溶解させられ、それによって、アンモニアによってpH調整されたオゾン水が生成される。
【0045】
具体的には、ガス溶解ユニット46には、アンモニアガス配管47(アルカリガス配管)の一端が接続されている。アンモニアガス配管47の他端は、アンモニアガス供給源48に接続されている。アンモニアガス配管47の途中には、流量調整弁49および開閉弁50が介装されている。ガス溶解ユニット46としては、第5の実施形態(図9)のガス溶解ユニット40と同様のものを用いることができる。
【0046】
このような構成により、混合ユニット21において、脱イオン水にオゾン水が注入されて希釈されたオゾン水が生成される。この希釈オゾン水に対して、ガス溶解ユニット46において、アンモニアガスが溶解させられることにより、pH調整されたオゾン水が生成される。このオゾン水が、処理液配管16から処理液ノズル13へと供給され、洗浄液として、基板Wの表面に供給される。こうして、アンモニアによってpH調整されたオゾン水を洗浄液として用いて、基板Wに対して洗浄処理を施すことができる。
【0047】
図12は、この発明の第8の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。図12において、前述の図6および図11に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、図6の装置と同じく、複数枚の基板Wに対して一括して処理を施す、バッチ型の基板処理装置である。そして、洗浄液供給機構20として、図11に示された構成が組み合わされている。このような構成によっても、複数枚の基板Wに対して、アンモニアによってpH調整されたオゾン水からなる洗浄液による処理(基板洗浄処理)を一括して施すことができる。
【0048】
図13は、この発明の第9の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。この図13において、前述の図5に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、図5の装置と同じく、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の基板処理装置であり、図5の装置とは洗浄液供給機構20の構成が異なる。この実施形態では、第2混合ユニット22が省かれており、混合ユニット21において、オゾン水、アンモニア水および脱イオン水の混合が行われる。オゾン水配管25は、オゾン水供給源36と混合ユニット21とを接続しており、その途中に流量調整弁37および開閉弁38が介装されている。混合ユニット21は、脱イオン水配管23からの脱イオン水が流れる流路に対して、アンモニア水配管24からのアンモニア水と、オゾン水配管25からのオゾン水とを注入するように構成されている。こうして、アンモニア水によってpH調整されたオゾン水が処理液配管16とへ供給される。処理液配管16は、混合ユニット21に接続されている。
【0049】
流量調整弁27は、たとえば、脱イオン水の流量を1550ミリリットル/分に調整する。流量調整弁32は、たとえば、アンモニア水の流量を70ミリリットル/分に調整する。流量調整弁37は、たとえば、オゾン水の流量を180ミリリットル/分に調整する。オゾン水配管25から供給されるオゾン水の酸化剤濃度10ppmであってもよい。この場合、最終的に、アンモニア水が混合された1ppmのオゾン水が1800ミリリットル/分の流量で処理液配管16から処理液ノズル13へと供給され、洗浄液として、基板Wの表面に供給される。この場合の洗浄液は、1730:70の割合でアンモニア水が混合されたO/NHOHである。アンモニア水供給源31が供給するアンモニア水の濃度が8.97wt%である場合、洗浄液中のアンモニア濃度は0.34wt%である。
【0050】
このような構成により、アンモニアによってpH調整されたオゾン水を洗浄液として用いて、基板Wに対して洗浄処理を施すことができる。
図14は、この発明の第10の実施形態に係る基板処理装置の構成を説明するための図である。図14において、前述の図6および図13に示された構成との対応部分に同一符号を付す。この基板処理装置は、図6の装置と同じく、複数枚の基板Wに対して一括して処理を施す、バッチ型の基板処理装置である。そして、洗浄液供給機構20として、図13に示された構成が組み合わされている。このような構成によっても、複数枚の基板Wに対して、アンモニアによってpH調整されたオゾン水からなる洗浄液による処理(基板洗浄処理)を一括して施すことができる。
【0051】
以上、この発明の具体的な実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。たとえば、アルカリ物質(アンモニア等)でpH調整されたオゾン水は、アルカリ水溶液およびオゾン水を調合槽内で混合して生成されてもよい。また、アルカリ物質(アンモニア水)でpH調整されたオゾン水は、オゾン水で満たされた水槽内へアンモニアガス等のアルカリガスを供給することによって生成することもできる。さらに、アルカリ物質(アンモニア等)でpH調整されたオゾン水は、アルカリ水等のアルカリ水溶液で満たされた水槽へオゾンガスを供給することによって生成することもできる。
【0052】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 シリコン基板
2 SiGeバッファ層
3 ゲルマニウム層
4 STI構造
5 ゲート構造
6 High-kメタル層
7 ゲートメタル層
8 スペーサ
10 処理室
11 処理カップ
12 スピンチャック
13 処理液ノズル
14 回転軸
15 回転駆動機構
16 処理液配管
17 処理槽
18 基板保持機構
20 洗浄液供給機構
21 第1混合ユニット
22 第2混合ユニット
23 脱イオン水配管
24 アンモニア水配管
25 オゾン水配管
26 脱イオン水供給源
27 流量調整弁(DIW)
28 開閉弁(DIW)
31 アンモニア水供給源
32 流量調整弁(アンモニア水)
33 開閉弁(アンモニア水)
35 アンモニア水供給配管
36 オゾン水供給源
37 流量調整弁(オゾン水)
38 開閉弁(オゾン水)
39 オゾン水供給配管
40 ガス溶解ユニット
41 オゾンガス配管
42 オゾンガス供給源
43 流量調整弁(オゾンガス)
44 開閉弁(オゾンガス)
46 ガス溶解ユニット
47 アンモニアガス配管
48 アンモニアガス供給源
49 流量調整弁(アンモニアガス)
50 開閉弁(アンモニアガス)
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲルマニウム層が露出した基板表面に洗浄液を供給する基板洗浄方法であって、
前記洗浄液として、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値に調整されたオゾン水を用いる、基板洗浄方法。
【請求項2】
前記アルカリ物質が、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、およびコリンからなる群から選択した一種以上を含む、請求項1に記載の基板洗浄方法。
【請求項3】
前記洗浄液の酸化剤濃度が、0.5ppm〜20ppmである、請求項1または2に記載の基板洗浄方法。
【請求項4】
ゲルマニウム層が露出した基板表面を洗浄するための洗浄液であって、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値に調整されたオゾン水からなる基板洗浄液。
【請求項5】
前記アルカリ物質が、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、およびコリンからなる群から選択した一種以上を含む、請求項4に記載の基板洗浄液。
【請求項6】
酸化剤濃度が、0.5ppm〜20ppmである、請求項4または5に記載の基板洗浄液。
【請求項7】
ゲルマニウム層が露出した表面を有する基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持された基板の表面に、アルカリ物質の添加によってpHが7より大きい値に調整されたオゾン水からなる洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを含む、基板処理装置。
【請求項8】
前記アルカリ物質が、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)、およびコリンからなる群から選択した一種以上を含む、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記洗浄液の酸化剤濃度が、0.5ppm〜20ppmである、請求項7または8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記洗浄液供給手段が、前記洗浄液を調合する調合手段を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記調合手段が、アルカリ水溶液を流通させるアルカリ水溶液供給配管と、前記アルカリ水溶液供給配管の途中に設けられた混合ユニットと、前記混合ユニットに結合され、当該混合ユニットに向けてオゾン水を流通させるオゾン水配管とを含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記調合手段が、アルカリ水溶液を流通させるアルカリ水溶液供給配管と、前記アルカリ水溶液供給配管の途中に設けられたガス溶解ユニットと、前記ガス溶解ユニットに結合され、当該ガス溶解ユニットに向けてオゾンガスを流通させるオゾンガス配管とを含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記調合手段が、オゾン水を流通させるオゾン水供給配管と、前記オゾン水供給配管の途中に設けられた混合ユニットと、前記混合ユニットに結合され、当該混合ユニットに向けてアルカリ水溶液を流通させるアルカリ水溶液配管とを含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記調合手段が、オゾン水を流通させるオゾン水供給配管と、前記オゾン水供給配管の途中に設けられたガス溶解ユニットと、前記ガス溶解ユニットに結合され、当該ガス溶解ユニットに向けてアルカリガスを流通させるアルカリガス配管とを含む、請求項7〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−45961(P2013−45961A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183901(P2011−183901)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】