説明

塗布膜処理方法および塗布膜処理装置

【課題】装置構成および工程を複雑化させることなく、液浸露光時の塗布膜の基板からの剥がれを防止することが可能な塗布膜処理方法を提供すること。
【解決手段】液体を介して露光処理を施す液浸露光処理を施すために基板の表面に形成された塗布膜を処理する塗布膜処理方法は、塗布膜のエッジ部に溶剤含有液として、溶剤および前記溶剤の溶解度を抑制する溶解抑制液を供給してエッジ部をカットする工程(ステップ3)と、エッジ部をカットする工程に連続して、塗布膜のエッジ部に洗浄液を供給し、エッジ部を洗浄する工程(ステップ5)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を介して露光処理を施す液浸露光処理を施すために半導体基板等の基板の表面に形成された塗布膜を処理する塗布膜処理方法および塗布膜処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造においては、半導体ウエハ上に回路パターンを形成するためにフォトリソグラフィ技術が用いられている。フォトリソグラフィを用いた回路パターンの形成は、半導体ウエハ上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、このレジスト膜に光を照射して回路パターンに対応するようにレジスト膜を露光した後、これを現像処理するといった手順で行われる。
【0003】
半導体デバイスは近時、動作速度の向上等の観点から高集積化の傾向にあるため、フォトリソグラフィ技術においては、半導体ウエハ上に形成される回路パターンの微細化が要求されている。そこで、45nmノードの高解像度を実現するフォトリソグラフィ技術として、ウエハと露光用の投影レンズとの間に空気よりも高い屈折率を有する純水等の液体を供給し、液体の屈折率を利用して投影レンズからの照射光の波長を短くすることにより露光の線幅を細くする液浸(Immersion)露光が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
ところで、液浸露光に際しては、レジスト膜への液体の染み込みならびにレジスト成分の液体への溶出が防止されるように、レジスト膜を被覆する撥水性を有する保護膜が形成される場合が多い。また、レジスト膜の例えば下層には反射防止膜が形成される場合も多い。ウエハの表面に設けられるレジスト膜等の膜は通常、塗布液を塗布されて形成された後、エッジ部に溶剤が供給されてエッジカット処理されるが、このようなエッジカット処理ではダレや乱れ、ハンプといった処理不良が発生しやすく、また、上述のようにウエハの表面の膜が多層となることから、エッジ部の処理不良が一層発生しやすくなる。
【0005】
エッジ部に処理不良が発生すると、液浸露光機の液浸ヘッドがウエハのエッジ部上を横切る際に、ウエハ上に形成された各種膜のエッジ(端面)に応力が加わり、これらの膜が剥がれてしまうおそれがある。剥がれた膜は、ウエハの表面に付着すると現像欠陥を引き起こす懸念があり、液浸露光機のレンズを汚染する懸念もある。
【0006】
このような問題を解消するには、塗布膜を形成してエッジカットを行った後、液浸露光前に塗布膜のエッジ部を洗浄して膜剥がれを防止することも考えられるが、エッジカット後には通常、ソフトベーク処理が行われるため、装置構成および工程が複雑になってしまう。
【特許文献1】国際公開2005−029559号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、装置構成および工程を複雑化させることなく、液浸露光時の塗布膜の基板からの剥がれを防止することが可能な塗布膜処理方法および塗布膜処理装置、ならびにこのような塗布膜処理方法を実行させるための制御プログラムを記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、液体を介して露光処理を施す液浸露光処理を施すために基板の表面に形成された塗布膜を処理する塗布膜処理方法であって、塗布膜のエッジ部に溶剤含有液として、溶剤および前記溶剤の溶解度を抑制する溶解抑制液、または希釈された溶剤を供給してエッジ部をカットする工程と、前記エッジ部をカットする工程に連続して、塗布膜のエッジ部に洗浄液を供給し、エッジ部を洗浄する工程とを含むことを特徴とする塗布膜処理方法を提供する。
【0009】
本発明の第1の観点において、前記エッジ部をカットする工程は、前記溶剤と前記溶解抑制液とを混合して一つのノズルから塗布膜のエッジ部に供給することにより行うことができる。また、前記エッジ部をカットする工程は、前記溶剤と前記溶解抑制液とを別個のノズルから塗布膜のエッジ部に供給することにより行うこともできる。前記エッジ部をカットする工程に先立って、塗布膜のエッジ部に洗浄液を供給し、エッジ部を前洗浄する工程をさらに含むようにすることもできる。前記洗浄液としては純水を用いるようにすることができる。
【0010】
前記エッジ部を洗浄する工程は、洗浄液として前記エッジ部をカットする工程に用いられた溶解抑制液を用いるようにすることができ、この場合に、前記溶解抑制液を供給したノズルで前記洗浄液として前記溶解抑制液を供給することが好ましい。前記溶解抑制剤および前記洗浄液として純水を用いることができる。
【0011】
さらに、前記エッジ部をカットする工程は、塗布膜のエッジ部に、最初に溶剤および溶解抑制剤を供給し、引き続き希釈された溶剤を供給するようにすることができる。
【0012】
本発明の第2の観点では、液体を介して露光処理を施す液浸露光処理を施すために基板の表面に形成された塗布膜を処理する塗布膜処理装置であって、前記処理容器内で基板を回転可能に水平に保持するスピンチャックと、前記スピンチャックを回転させる回転機構と、前記スピンチャックに保持された基板の表面の塗布膜のエッジ部に、溶剤含有液として、溶剤および前記溶剤の溶解度を抑制する溶解抑制液、または希釈された溶剤を供給する溶剤含有液供給機構と、前記スピンチャックに保持された基板の表面の塗布膜のエッジ部に洗浄液を供給する洗浄液供給機構とを具備し、前記スピンチャックによって基板を保持して回転させた状態で、前記溶剤含有液供給機構から塗布膜のエッジ部に溶剤含有液を供給して当該エッジ部をカットし、前記洗浄液供給機構から前記エッジ部に洗浄液を供給して前記エッジ部を洗浄することを特徴とする塗布膜処理装置を提供する。
【0013】
上記第2の観点において、前記洗浄液供給機構は、洗浄液として純水を用いるものとすることができる。また、前記洗浄液供給機構は、洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルを有するものとすることができる。
【0014】
前記溶剤含有液供給機構は、前記溶剤と前記溶解抑制剤を混合状態で供給する混合供給ノズルを有するものとすることができる。また、前記溶剤含有液供給機構は、前記溶剤を供給する溶剤供給ノズルと、前記溶解抑制剤を供給する溶解抑制剤ノズルとを有するものとすることができる。この場合に、前記洗浄液供給機構は、洗浄液として前記溶剤含有液供給機構から供給される溶解抑制液を用いることができ、前記混合供給ノズルまたは前記溶解剤抑制ノズルは、前記洗浄液供給機構の洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルとしても機能するようにすることができる。また、この場合に、前記溶解抑制液および洗浄液として純水を用いることが好ましい。
【0015】
さらに、前記溶剤含有液供給機構は、前記希釈された溶剤を供給する希釈溶剤供給ノズルを有するものとすることができる。さらにまた、塗布液供給機構をさらに具備し、前記基板を回転しながら塗布液供給機構から基板に塗布液を供給して塗布膜を形成し、その後、前記溶剤含有液供給機構から前記塗布膜のエッジ部に溶剤含有液を供給するように構成することができる。
【0016】
本発明の第3の観点では、コンピュータ上で動作し、塗布膜処理装置を制御する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、前記制御プログラムは、実行時に、請求項1から請求項9のいずれかの方法が行われるように、コンピュータに前記塗布膜処理装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基板の表面に形成された塗布膜のエッジ部をカットする際に、溶剤含有液として、溶剤および前記溶剤の溶解度を抑制する溶解抑制液、または希釈された溶剤を供給するので、溶剤によるエッジ部の溶解性が抑制されて、ソフトベーク処理を行わなくてもエッジ部のダレや乱れ、ハンプといった処理不良を抑制することができ、このようなエッジ部をカットする工程の後、ソフトベーク処理を経ることなく洗浄液で洗浄することにより、液浸露光の際に膜剥がれを生じるような欠陥を除去することができる。このため、装置構成および工程を複雑化させることなく、液浸露光時の塗布膜の基板からの剥がれを有効に防止することができる。特に、溶解抑制液および洗浄液として純水を用いることにより、エッジ部をカットする工程の後、すぐに溶解抑制液として用いた純水を洗浄液として供給して洗浄を行うことができるので、上記効果を一層高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る塗布膜処理方法を実施可能な塗布膜処理装置の一実施形態としてのトップコーティングユニットを備えたパターン形成装置の概略平面図であり、図2はその概略斜視図である。
【0019】
パターン形成装置1は、半導体基板であるウエハWに所定のレジストパターンを形成するためのものであり、ウエハにレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、かつ露光後の現像を行う塗布・現像装置2と、ウエハWに露光処理を施す露光装置14とを備えている。塗布・現像装置2は、ウエハWの搬送ステーションであるカセットステーション11と、ウエハWに所定の処理を施す複数の処理ユニットを有する処理ステーション12と、処理ステーション12および露光装置14の間でウエハWを受け渡すためのインターフェイスステーション13とを備えている。カセットステーション11、処理ステーション12、インターフェイスステーション13および露光装置14は、この順にパターン形成装置1の長さ方向(Y方向)に直列に配置されている。
【0020】
カセットステーション11は、複数枚、例えば13枚のウエハWが収容されたウエハカセット(CR)を載置するカセット載置台11aと、カセット載置台11a上のウエハカセット(CR)と後述する処理ステーション12の第3処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットとの間でウエハWを搬送するためのウエハ搬送部11cとを有している。カセット載置台11a上には、ウエハカセット(CR)を位置決めするための位置決め部11bが、パターン形成装置1の幅方向(X方向)に複数、例えば5個設けられており、ウエハカセット(CR)は、その開口がウエハ搬送部11cの筐体の壁面に設けられた開閉部11eと対向するように、位置決め部11b位置に載置される。ウエハ搬送部11cは、その筐体内に配置された、ウエハWを保持可能な搬送ピック11dを有し、この搬送ピック11dによりカセット載置台11a上の各ウエハカセット(CR)とトランジションユニットとの間でウエハWを搬送するように構成されている。
【0021】
処理ステーション12は、筐体15内に配置されており、その前面側(図1下方)に、カセットステーション11側からインターフェイスステーション13側に向かって順に、第1処理ユニット群Gと第2処理ユニット群Gとを有し、その背面側(図1上方)に、カセットステーション11側からインターフェイスステーション13側に向かって順に、第3処理ユニット群G、第4処理ユニット群Gおよび第5処理ユニット群Gを有している。また、処理ステーション12は、第3処理ユニット群Gと第4処理ユニット群Gとの間に第1主搬送部Aを有し、第4処理ユニット群Gと第5処理ユニット群Gとの間に第2主搬送部Aを有している。
【0022】
第1処理ユニット群Gは、ウエハWに露光時の光の反射を防止する反射防止膜を形成する例えば2つのボトムコーティングユニット(BARC)と、ウエハWの表面にレジストを塗布してレジスト膜を形成する例えば3つのレジスト塗布ユニット(COT)とが積み重ねられて構成されている。第2処理ユニット群Gは、ウエハWに形成された露光後のレジスト膜を現像する例えば3つの現像ユニット(DEV)と、ウエハWに形成されたレジスト膜の表面に保護膜用塗布液を供給して、後述する液浸露光用の液体に対する撥水膜としての保護膜を形成する例えば2つのトップコーティングユニット(ITC)とが積み重ねられて構成されている。トップコーティングユニット(ITC)については後に詳細に説明する。
【0023】
第3処理ユニット群G、第4処理ユニット群G、第5処理ユニット群Gは、ウエハWに疎水化処理を施すアドヒージョンユニットやレジスト塗布後のウエハWに加熱処理を施すプリベークユニット、現像処理後のウエハWに加熱処理を施すポストベークユニット、露光後現像前のウエハWに加熱処理を施すポストエクスポージャーベークユニット等の熱処理ユニットが積み重ねられて構成されている。また、第3処理ユニット群Gは、カセットステーション11と第1主搬送部Aとの間でのウエハWの受け渡し部となるトランジションユニットを有している。第5処理ユニット群Gは、第2主搬送部Aとインターフェイスステーション13の後述する第1ウエハ搬送機構21との間でのウエハWの受け渡し部となるトランジションユニットを有している。
【0024】
第1主搬送部Aは、ウエハWを保持可能な第1主ウエハ搬送アーム16を有し、この第1主ウエハ搬送アーム16は、第1処理ユニット群G、第3処理ユニット群Gおよび第4処理ユニット群Gの各ユニットに選択的にアクセスできるようになっている。第2主搬送部Aは、ウエハWを保持可能な第2主ウエハ搬送アーム17を有し、この第2主ウエハ搬送アーム17は、第2処理ユニット群G、第4処理ユニット群Gおよび第5処理ユニット群Gの各ユニットに選択的にアクセスできるようになっている。
【0025】
第1処理ユニット群Gとカセットステーション11との間および第2処理ユニット群Gとインターフェイスステーション13との間にはそれぞれ、第1および第2処理ユニット群G、Gに供給される処理液の温度調節装置や温度湿度調節用のダクト等を備えた温度湿度調節ユニット18が設けられている。また、第1および第2処理ユニット群G、Gの下側にはそれぞれ、これらに薬液を供給するケミカルユニット(CHM)が設けられている。
【0026】
インターフェイスステーション13は、図3の概略斜視図に示すように、筐体内に配置された、処理ステーション12側の第1インターフェイスステーション13aと、露光装置14側の第2インターフェイスステーション13bとを有している。第1インターフェイスステーション13aには、第5処理ユニット群Gの開口部と対面するように、ウエハWを搬送するための第1ウエハ搬送機構21が設けられており、第2インターフェイスステーション13bには、X方向に移動可能なウエハWを搬送するための第2ウエハ搬送機構22が設けられている。
【0027】
第1インターフェイスステーション13aの正面側には、ウエハ周辺部の余分なレジストを除去するためにウエハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置(WEE)と、露光装置14に搬送されるウエハWを一時収容するイン用バッファカセット(INBR)と、露光装置14から搬送されたウエハWを一時収容するアウト用バッファカセット(OUTBR)と、露光装置14に搬送される前後のウエハを洗浄する2つの洗浄ユニット(CLN)とが積み重ねられて構成された第6処理ユニット群Gが配置されている。第1インターフェイスステーション13aの背面側には、ウエハWを高精度に温調する高精度温調ユニット(CPL)が例えば2段に積み重ねられて構成された第7処理ユニット群Gが配置されている。
【0028】
第1ウエハ搬送機構21は、ウエハWを受け渡すためのフォーク21aを有している。このフォーク21aは、第5処理ユニット群G、第6処理ユニット群G、第7処理ユニット群Gの各ユニットにアクセス可能であり、これにより各ユニット間でのウエハWの搬送を行う。
【0029】
第2ウエハ搬送機構22は、ウエハWを受け渡すためのフォーク22aを有している。このフォーク22aは、第6処理ユニット群Gの洗浄ユニット(CLN)、第7処理ユニット群Gの各ユニット、露光装置14の後述するインステージ14aおよびアウトステージ14bにアクセス可能であり、これら各部の間でウエハWの搬送を行う。
【0030】
第1インターフェイスステーション13aの上部には、第1インターフェイスステーション13aまたはインターフェイスステーション13の気流を調整する気流調整部23が設けられ、第2インターフェイスステーション13bの上部には、露光装置から搬送されたウエハWが乾燥しないように第2インターフェイスステーション13bまたはインターフェイスステーション13を加湿する加湿部が設けられている。
【0031】
露光装置14は、ウエハWを純水等の液体に浸漬させた状態でレジスト膜を所定のパターンに露光する、いわゆる液浸露光を行うように構成されており、インターフェイスステーション13から搬送された露光処理前のウエハWを載置するインステージ14aと、インターフェイスステーション13に搬送される露光処理後のウエハWを載置するアウトステージ14bとを有している。
【0032】
図2に示すように、カセットステーション11の下部にはこのパターン形成装置1の全体を制御する制御部19が設けられている。制御部19は、図4のブロック図に示すように、パターン形成装置1の各ユニットおよび各搬送機構等の各構成部を制御するマイクロプロセッサ(MPU)を備えたプロセスコントローラ31と、オペレータがパターン形成装置1の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、パターン形成装置1の各構成部の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェイス32と、処理に必要な情報が記憶された記憶部33とを有している。
【0033】
記憶部33は、パターン形成装置1で実行される各種処理をプロセスコントローラ31の制御にて実現するための種々の制御プログラムや、処理条件データや処理手順等が記録されたレシピ、さらは処理に必要なデータベース等を格納している。
【0034】
処理に際しては、ユーザーインターフェイス32からの指示等を受けて、任意のレシピを記憶部33から呼び出してプロセスコントローラ31に実行させることで、プロセスコントローラ31の制御下で、パターン形成装置1において所望の各種処理が行われる。レシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、不揮発性メモリなどの読み出し可能な記憶媒体に記憶されている。なお、レシピは適宜の装置から例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0035】
次に、パターン形成装置1における処理工程について説明する。
このように構成されたパターン形成装置1においては、まず、搬送ピック11dにより、ウエハカセット(CR)から1枚のウエハWを取り出し、処理ステーション12の第3処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送する。次に、第1および第2主搬送部A、Aにより、レシピの順序に従って、第1〜5処理ユニット群G〜Gの所定のユニットにウエハWを順次搬送し、ウエハWに一連の処理を施す。
【0036】
ここでは、例えば、ボトムコーティングユニット(BARC)での反射防止膜の形成、レジスト塗布ユニット(COT)でのレジスト膜の形成、トップコーティングユニット(ITC)での保護膜の形成、プリベークユニットでのプリベーク処理を順次行う。トップコーティングユニット(ITC)では、保護膜の形成と、その後のエッジ部のカットおよびエッジ部の洗浄を行う。トップコーティングユニット(ITC)の処理については、後に詳細に説明する。
【0037】
なお、ボトムコーティングユニット(BARC)での反射防止膜の形成に代えてアドヒージョンユニットでのアドヒージョン処理を行う場合もあり、レジスト膜上に反射防止膜を形成し、反射防止膜上に保護膜を形成する場合もある。
【0038】
処理ステーション12でのウエハWの一連の処理が終了し、ウエハWを第5処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送したら、ウエハWを、第1ウエハ搬送機構21によって洗浄ユニット(CLN)に搬送して洗浄する。なお、ウエハWを、洗浄ユニット(CLN)に搬送する前に、周辺露光装置(WEE)に搬送して周辺露光し、その後、イン用バッファカセット(INBR)に搬送する場合もある。なお、トップコーティングユニット(ITC)でのエッジ洗浄処理のみで十分な場合には、洗浄ユニット(CLN)での洗浄は必ずしも必要はない。
【0039】
次に、ウエハWを、第2ウエハ搬送機構22によって高精度温調ユニット(CPL)に搬送して所定の温度に調整し、さらに、第2ウエハ搬送機構22によって露光装置14のインステージ14aに搬送し、この露光装置14でウエハWに液浸露光処理を施す。露光装置14での液浸露光処理は、ウエハWと露光用の投影レンズとの間に、純水等の液体を供給するとともに、投影レンズをウエハWで移動させながら、液体を介し、投影レンズによってレジスト膜にマスクのパターン像を所定の倍率で投影露光することにより行う。液浸露光処理、ウエハWをアウトステージ14bに搬送したら、第2ウエハ搬送機構22によってウエハWを洗浄ユニット(CLN)に搬送して洗浄する。
【0040】
洗浄ユニット(CLN)での洗浄後、第1ウエハ搬送機構21によりウエハWを第5処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送し、さらに、レシピの順序に従って、ウエハWを、第1および第2主搬送部A、Aにより第1〜5処理ユニット群G〜Gの所定のユニットに順次搬送し、ウエハWに一連の処理を施す。ここでは、例えば、ポストエクスポージャーベークユニットでのポストエクスポージャーベーク処理、現像ユニット(DEV)での現像処理、ポストベークユニットでのポストベーク処理を順次行う。そして、ウエハWを、第3処理ユニット群Gに設けられたトランジションユニットに搬送した後、カセットステーション11のウエハカセット(CR)へと搬送する。
【0041】
次に、トップコーティングユニット(ITC)について詳細に説明する。
図5はパターン形成装置1に設けられたトップコーティングユニット(ITC)の側面方向の概略断面図であり、図6はその平面方向の概略断面図である。
【0042】
トップコーティングユニット(ITC)は、ウエハWを収容する処理容器としてのチャンバー40と、チャンバー40内でウエハWを回転可能に水平に保持するスピンチャック41と、スピンチャック41に保持されたウエハWの上面(表面)に保護膜用塗布液を供給する保護膜用塗布液供給機構42と、スピンチャック41に保持されたウエハWの周縁部(エッジ部)に保護膜を除去するための溶剤(除去液または剥離液)を供給する溶剤供給機構43と、スピンチャック41に保持されたウエハWの周縁部に純水(洗浄液)を供給する純水供給機構44と、スピンチャック41に保持されたウエハWから流れ落ちた、あるいは振り切られた保護膜用塗布液、溶剤および純水を受け止めるカップ体45と、スピンチャック41を回転および昇降させるモータ等の駆動機構46とを備えている。
【0043】
チャンバー40は、例えば第2主搬送部A(図1参照)と対向する側壁部に、第2主ウエハ搬送アーム17によってウエハWを搬入出するための搬入出口40aを有するとともに、この搬入出口40aを開閉するシャッター40bを有している。スピンチャック41は、ウエハWを例えば真空吸着により保持するようになっている。
【0044】
保護膜用塗布液供給機構42は、所定の溶剤、例えばフッ素系の溶剤に対して可溶な性質を有する保護膜用塗布液を供給する保護膜用塗布液供給源42aと、保護膜用塗布液供給源42aからの保護膜用塗布液をスピンチャック41に保持されたウエハW上に供給する保護膜用塗布液供給ノズル42bとを有している。保護膜用塗布液供給源42aには、保護膜用塗布液供給ノズル42bに保護膜用塗布液を導くための導管42cが接続され、導管42cには、内部を流通する保護膜用塗布液の流量を調整するバルブ42dが設けられている。保護膜用塗布液供給ノズル42bは、ノズルアーム42eに支持されており、その基端部がチャンバー40内に設けられたY方向に延びるガイドレール(図示せず)にスライド可能に接続されている。また、保護膜用塗布液ノズル42bは昇降可能に設けられている。
【0045】
溶剤供給機構43は、所定の溶剤、例えばシンナーを供給する溶剤供給源43aと、溶剤供給源43aからの溶剤をスピンチャック41に保持されたウエハWの上面側周縁部に吐出して供給する溶剤供給ノズル43bとを有している。溶剤供給源43aには、溶剤供給ノズル43bに溶剤を導くための導管43cが接続され、導管43cには内部を流通する溶剤の流量を調整するバルブ43dが設けられている。溶剤供給ノズル43bは、ノズルアーム43eに支持されており、ノズルアーム43eはY方向に延びるガイドレール(図示せず)にスライド可能に接続されている。また、溶剤供給ノズル43bは昇降可能に設けられている。さらに、溶剤供給ノズル43bはウエハWの表面に対して角度可変に設けられている。
【0046】
純水供給機構44は、溶解抑制剤および洗浄液として機能する純水を供給する純水供給源44aと、純水供給源44aからの純水をスピンチャック41に保持されたウエハWの上面側周縁部に吐出して供給する純水供給ノズル44bとを有している。純水供給源44aには、純水供給ノズル44bに純水を導くための導管44cが接続され、導管44cには、内部を流通する純水の流量を調整するバルブ44dが設けられている。純水供給ノズル44bはノズルアーム44eに支持されており、ノズルアーム44eはY方向に延びるガイドレール(図示せず)にスライド可能に接続されている。また、純水供給ノズル44bは昇降可能に設けられている。さらに、純水供給ノズル44bはウエハWの表面に対して角度可変に設けられている。
【0047】
なお、ウエハWの裏面側には、2つの裏面洗浄ノズル47が設けられており、これにより裏面がウエハの裏面が洗浄可能となっている。
【0048】
カップ体45は、上部が開口し、ウエハWを保持したスピンチャック41が下降した位置にあるときにスピンチャック41に保持されたウエハWを囲繞するように設けられている。また、カップ体45は、その上端部が上方に向かって内側に傾斜しており、ウエハWから振り切られた保護膜用塗布液、溶剤および純水を確実に受け止めることができるようになっている。カップ体45内の底壁の径方向中間部には、この底壁を外周側と内周側とに隔絶する隔壁45bが設けられており、この底壁の隔壁45bよりも外周側には、受け止めた保護膜用塗布液、溶剤および純水を排出する排液管45dがチャンバー40を貫通するように接続されている。カップ体45の底壁の隔壁45bよりも内周側には、排気管45cがチャンバー40を貫通するように接続されている。カップ体45内の隔壁45bよりも上方、かつスピンチャック41に保持されたウエハWの下方には、保護膜用塗布液、溶剤および純水を案内するガイドリング45aが設けられている。ガイドリング45aは、外側に向かって下方に傾斜しており、保護膜用塗布液、溶剤および純水をカップ体45内の隔壁45bよりも外周側に案内するように構成されている。
【0049】
次に、このように構成されたトップコーティングユニット(ITC)における動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。
まず、搬入出口40aからチャンバー40内にウエハWを搬入し、スピンチャック41を上昇させてウエハWに吸着させ、スピンチャック41に保持させ、シャッター40bによって搬入出口40aを閉塞するとともに、カップ体45によってウエハWが囲様されるようにスピンチャック41を下降させる(ステップ1)。そして、スピンチャック41とともにウエハWを回転させつつ、保護膜用塗布液供給機構42の保護膜用塗布液供給ノズル42bからウエハW上の中央部に保護膜用塗布液を供給して、保護膜用塗布液をウエハWの周縁部に向かって拡げ塗布することにより、ウエハW上のレジスト膜の表面に保護膜を形成する(ステップ2)。
【0050】
保護膜の形成後、スピンチャック41によってウエハWを回転させつつ、溶剤供給機構43の溶剤供給ノズル43bからウエハWの周縁部に溶剤を供給するとともに、純水供給機構44の純水供給ノズル44bから溶解抑制剤としての純水を供給して、ウエハWのエッジ部の保護膜を含む塗布膜を溶解させ、エッジ部のカットを行う(ステップ3)。このとき、裏面洗浄ノズル47からシンナー等を供給してウエハWの裏面の洗浄を行う。この裏面洗浄は、溶剤供給ノズル43bからの供給に先行して、保護膜用塗布液の供給と並行して行ってもよい。
【0051】
このように、溶剤とともに溶解抑制剤として純水が供給されるため、溶剤によるエッジ部の溶解性が抑制されて、ソフトベーク処理を行わなくてもエッジ部のダレや乱れ、ハンプといった処理不良を抑制することができる。ここでは、図8に示すように、保護膜103を形成した後の塗布膜周縁部への溶剤および純水の供給は、適切な位置に溶剤や純水を供給することができるように、また、ウエハW上での跳ねが抑止されるように、溶剤供給ノズル43bおよび純水供給ノズル44bを適度な角度に調整して溶剤および純水の供給を行うことができる。なお、図8中の符号101、102はそれぞれ、保護膜103を形成する前にウエハWの表面に形成した反射防止膜およびレジスト膜である。
【0052】
続いて、溶剤供給機構43による溶剤の供給および純水供給機構44の純水の供給を停止し、ウエハWを高速回転して乾燥処理を行う(ステップ4)。この場合に、溶剤の溶解性が純水により抑制されているので溶剤を完全に乾燥させる必要はない。
【0053】
次に、純水供給機構44の純水供給ノズル44bから洗浄液として純水を供給してエッジ洗浄を行う(ステップ5)。これにより、ウエハWの表面側周縁部が洗浄され、液浸露光により膜剥がれが生じるような塗布膜周縁部の欠陥を除去することができる。
【0054】
純水によるウエハWの表面側周縁部の洗浄後、スピンチャック41によってウエハWを回転させた状態で、純水供給機構44による純水の供給を停止し、ウエハWの振り切り乾燥を行う(ステップ6)。その後、スピンチャック41を停止するとともに上昇させ、シャッター40bを開いて搬入出口40aを開放し、ウエハWを搬入出口40aを介してチャンバー40外に搬出する(ステップ7)。
【0055】
本実施形態では、上述したような溶解抑制剤としての純水を用いてエッジカットを行うことによるエッジ部のダレや乱れ、ハンプといった処理不良を抑制する効果、およびエッジカットを行った後に洗浄を行うことによる、膜剥がれに繋がるような欠陥を除去する効果により、液浸露光の際の膜剥がれを有効に防止することができる。また、純水により溶剤の溶解が抑制されているため、洗浄前にソフトベーク処理を施す必要がなく、装置構成および工程の複雑化を回避することができる。
【0056】
さらに、溶解抑制剤として純水を用いるので、エッジ部のカットの際に用いた純水ノズル43bを洗浄の際にも使用することができ、効率的である。さらに、トップコートユニット(ITC)のような塗布系ユニットにより、塗布に連続してエッジカットおよびエッジ洗浄を実施することができるので、スループットが高いとともに、ユニットを付加することがなく、装置の大型化を招くことがない。
【0057】
なお、上記エッジ部をカットする工程に先立って、純水によりウエハWのエッジ部を洗浄するようにしてもよい。これによりエッジ部のカットの際により清浄な状態にすることができる。
【0058】
次に、トップコーティングユニット(ITC)の溶剤供給機構および純水供給機構の変形例について説明する。図9はトップコーティングユニット(ITC)の溶剤供給機構および純水供給機構の変形例を示す図である。
図9に示す例では、溶剤供給機構43および純水供給機構44のノズルを共通化したものである。すなわち、導管43bと導管44bをミキシングバルブ48に接続し、溶剤と純水を混合するようにし、ミキシングバルブ48に接続された導管49を介してノズル50から混合液を供給するようにする。この場合には、バルブ43d、44dの操作によりこれらの割合を調整して混合液を吐出する。これにより、より確実にエッジ部のダレや乱れ、ハンプといった処理不良を抑制することができる。そして、洗浄の際にはバルブ43dを閉じて溶剤の供給を停止し、純水のみが供給されるようにすればよい。このような構成により、装置の簡素化を図ることができるといった効果を得ることもできる。
【0059】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、トップコーティングユニット(ITC)で保護膜を形成し、かつエッジ部のカットおよび洗浄を実施する例を示したが、保護膜は必ずしも必要はなく、その場合には、レジスト塗布ユニット(COT)において、レジスト膜塗布後にエッジ部のカットおよび洗浄を行う構成にすればよい。すなわち、レジスト塗布ユニット(COT)は、ウエハWの表面に供給される塗布液が保護膜用塗布液からレジスト液に代わるだけで、トップコーティングユニット(ITC)と同様の塗布系ユニットであって同様の構成を有しているから、上記の溶剤供給機構および純水供給機構等を付加すれば、同様に塗布膜のエッジ部のカットおよび洗浄を行うことができ、同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、上記実施形態では、塗布系ユニットであるトップコーティングユニット(ITC)で塗布処理を行った後に、そのユニットで連続してエッジ部のカットおよび洗浄を行ったが、塗布系ユニットでは簡単なエッジ処理のみ行い、エッジ部のカットおよび洗浄を他のユニットで行うようにしてもよい。さらに、溶解抑制液として純水を用いた例について示したが、必ずしも純水に限らず、溶剤の溶解性を抑制する効果を有するものであれば適用可能である。
【0061】
さらに、エッジ部のカットの際に溶剤と純水を用いる代わりに、希釈シンナー等の希釈溶剤を用いてもよい。また、エッジ部のカットの際に、溶剤と純水を供給してエッジカットを行った後、連続して希釈溶剤で処理するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る塗布膜処理方法を実施可能な塗布膜処理装置の一実施形態としてのトップコーティングユニットを備えたパターン形成装置の概略平面図。
【図2】図1のパターン形成装置の概略斜視図。
【図3】図1のパターン形成装置に設けられたインターフェイスステーションの概略斜視図。
【図4】図1のパターン形成装置に設けられた制御部の概念図。
【図5】図1のパターン形成装置に設けられたトップコーティングユニットの概略構成を示す垂直断面図である。
【図6】図1のパターン形成装置に設けられたトップコーティングユニットの概略構成を示す水平断面図である。
【図7】図1のパターン形成装置に設けられたトップコーティングユニットの処理動作を示すフローチャート。
【図8】図1のパターン形成装置に設けられたトップコーティングユニットでエッジ部カットを行う際のノズルの状態を説明するための図。
【図9】図1のパターン形成装置に設けられたトップコーティングユニットの溶剤供給機構および純水供給機構の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0063】
10:制御部
31:プロセスコントローラ
32:ユーザーインターフェイス
33:記憶部
34:ユニットコントローラ
40:チャンバー(処理容器)
41:スピンチャック
43:溶剤供給機構
43b:溶剤供給ノズル
44:純水供給機構(洗浄液供給機構)
44b:純水供給ノズル
101:反射防止膜(塗布膜)
102:レジスト膜(塗布膜)
103:保護膜(塗布膜)
COT:レジスト塗布ユニット(塗布膜処理装置)
ITC:トップコーティングユニット(塗布膜処理装置)
W:ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を介して露光処理を施す液浸露光処理を施すために基板の表面に形成された塗布膜を処理する塗布膜処理方法であって、
塗布膜のエッジ部に溶剤含有液として、溶剤および前記溶剤の溶解度を抑制する溶解抑制液、または希釈された溶剤を供給してエッジ部をカットする工程と、
前記エッジ部をカットする工程に連続して、塗布膜のエッジ部に洗浄液を供給し、エッジ部を洗浄する工程と
を含むことを特徴とする塗布膜処理方法。
【請求項2】
前記エッジ部をカットする工程は、前記溶剤と前記溶解抑制液とを混合して一つのノズルから塗布膜のエッジ部に供給することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の塗布膜処理方法。
【請求項3】
前記エッジ部をカットする工程は、前記溶剤と前記溶解抑制液とを別個のノズルから塗布膜のエッジ部に供給することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の塗布膜処理方法。
【請求項4】
前記エッジ部をカットする工程に先立って、塗布膜のエッジ部に洗浄液を供給し、エッジ部を前洗浄する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項4に記載の塗布膜処理方法。
【請求項5】
前記洗浄液として純水を用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の塗布膜処理方法。
【請求項6】
前記エッジ部を洗浄する工程は、洗浄液として前記エッジ部をカットする工程に用いられた溶解抑制液を用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の塗布膜処理方法。
【請求項7】
前記エッジ部を洗浄する工程は、前記溶解抑制液を供給したノズルで前記洗浄液として前記溶解抑制液を供給して行うことを特徴とする請求項6に記載の塗布膜処理方法。
【請求項8】
前記溶解抑制剤および前記洗浄液として純水を用いることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の塗布膜処理方法。
【請求項9】
前記エッジ部をカットする工程は、塗布膜のエッジ部に、最初に溶剤および溶解抑制剤を供給し、引き続き希釈された溶剤を供給することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の塗布膜処理方法。
【請求項10】
液体を介して露光処理を施す液浸露光処理を施すために基板の表面に形成された塗布膜を処理する塗布膜処理装置であって、
前記処理容器内で基板を回転可能に水平に保持するスピンチャックと、
前記スピンチャックを回転させる回転機構と、
前記スピンチャックに保持された基板の表面の塗布膜のエッジ部に、溶剤含有液として、溶剤および前記溶剤の溶解度を抑制する溶解抑制液、または希釈された溶剤を供給する溶剤含有液供給機構と、
前記スピンチャックに保持された基板の表面の塗布膜のエッジ部に洗浄液を供給する洗浄液供給機構と
を具備し、
前記スピンチャックによって基板を保持して回転させた状態で、前記溶剤含有液供給機構から塗布膜のエッジ部に溶剤含有液を供給して当該エッジ部をカットし、前記洗浄液供給機構から前記エッジ部に洗浄液を供給して前記エッジ部を洗浄することを特徴とする塗布膜処理装置。
【請求項11】
前記洗浄液供給機構は、洗浄液として純水を用いることを特徴とする請求項10に記載の塗布膜処理装置。
【請求項12】
前記洗浄液供給機構は、洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルを有することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の塗布膜処理装置。
【請求項13】
前記溶剤含有液供給機構は、前記溶剤と前記溶解抑制剤を混合状態で供給する混合供給ノズルを有することを特徴とする請求項10に記載の塗布膜処理装置。
【請求項14】
前記溶剤含有液供給機構は、前記溶剤を供給する溶剤供給ノズルと、前記溶解抑制剤を供給する溶解抑制剤ノズルとを有することを特徴とする請求項13に記載の塗布膜処理装置。
【請求項15】
前記洗浄液供給機構は、洗浄液として前記溶剤含有液供給機構から供給される溶解抑制液を用いることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の塗布膜処理装置。
【請求項16】
前記混合供給ノズルまたは前記溶解剤抑制ノズルは、前記洗浄液供給機構の洗浄液を供給する洗浄液供給ノズルとしても機能することを特徴とする請求項15に記載の塗布膜処理装置。
【請求項17】
前記溶解抑制液および洗浄液として純水を用いることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の塗布膜処理装置。
【請求項18】
前記溶剤含有液供給機構は、前記希釈された溶剤を供給する希釈溶剤供給ノズルを有することを特徴とする請求項10から請求項17のいずれか1項に記載の塗布膜処理装置。
【請求項19】
さらに、塗布液供給機構を具備し、前記基板を回転しながら塗布液供給機構から基板に塗布液を供給して塗布膜を形成し、その後、前記溶剤含有液供給機構から前記塗布膜のエッジ部に溶剤含有液を供給することを特徴とする請求項10から請求項18のいずれか1項に記載の塗布膜処理装置。
【請求項20】
コンピュータ上で動作し、塗布膜処理装置を制御する制御プログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記制御プログラムは、実行時に、請求項1から請求項9のいずれかの方法が行われるように、コンピュータに前記塗布膜処理装置を制御させることを特徴とするコンピュータ読取可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−153450(P2008−153450A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340186(P2006−340186)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】