説明

増幅器における可変フィードバック

【課題】線形性の改善されたノイズ指数および低ノイズ増幅器を提供する。
【解決手段】受信信号強度インジケータ201の出力に基づく可変ネガティブフィードバック203を含む増幅器M1が開示されている。フィードバックは、高受信信号レベルについて増加され、低受信信号レベルについて減少されるとしてもよい。実施形態において、可変フィードバック203は、複数の離散的なインピーダンス設定を含むとしてもよい。振幅および/または時間ヒステリシスは、組み込まれていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
その開示は、通信受信機、および特に、ノイズ指数および低ノイズ増幅器のような増幅器の線形性の改善のための技術に関する。
【背景】
【0002】
通信システムにおいて、送信機は、無線周波数(RF)キャリア上の信号を変調し、通信チャネルを超えて受信機に信号を送信する。受信機において、低ノイズ増幅器(LNA)は、典型的には受信信号(希望信号、ノイズ、および望まれない妨害波を含んでいてもよい)を増幅し、処理用の後の受信機ステージに増幅信号を供給する。LNAは、通常、過度のノイズを導入せずに、低レベルの希望信号を増幅するための低ノイズ指数を持つように設計されている。他方では、希望信号および/または妨害波の強さが高い場合、妨害波が希望信号を悪くしないように、LNAがよい線形性、または低い歪みを持つことが望ましい。低ノイズ指数およびよい線形性の設計目標は、しばしば矛盾している。また、単一のLNA設計は、しばしば他方を交換しなければならない。
【0003】
LNAのような増幅器の好ましいオペレーティング特性を自動的に決定し、オペレーション中に増幅器のパラメータを動的に調節し、これにより線形性についてのノイズ指数を最良に交換することが望ましいだろう。
【概要】
【0004】
現開示の局面は、入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための増幅器であって、前記増幅器は、前記入力信号に前記出力信号を結合するためのネガティブフィードバック要素を具備し、モデファイ(修正)入力信号を発生させ、前記フィードバック要素は、可変(configurable)インピーダンスを具備する、増幅器、前記モデファイ入力信号にゲインを提供するためのゲイン要素であって、前記ゲイン要素の出力は、前記出力信号に結合される、ゲイン要素、前記出力信号から得られる信号のレベルを測定するための信号強度検出要素であって、前記信号強度検出要素の前記出力は、前記信号強度検出要素によって測定された前記信号レベルに応じて前記可変インピーダンスを制御するために、前記フィードバック要素に結合されている、信号強度検出要素、を提供する。
【0005】
現開示の他の局面は、入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための増幅器であって、前記増幅器は、前記入力信号に前記出力信号を結合するためのフィードバック要素を具備し、モデファイ入力信号を発生させ、前記フィードバック要素は、可変インピーダンスを具備する、増幅器、前記モデファイ入力信号にゲインを提供するためのゲイン要素であって、前記ゲイン要素の出力は、前記出力信号に結合されている、ゲイン要素、前記入力信号から得られる信号のレベルを測定するための信号強度検出要素であって、前記信号強度検出要素の前記出力は、前記信号強度検出要素によって測定された前記信号レベルに応じて可変インピーダンスを制御するために、フィードバック要素に結合されている、信号強度検出要素、を提供する。
【0006】
現開示のさらに他の局面は、入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための方法を提供し、前記方法は、可変インピーダンスによって、ネガティブフィードバックを用いて前記入力信号に前記出力信号を結合することであって、前記結合された信号は、モデファイ入力信号を発生させる、こと、前記モデファイ入力信号にゲインを提供すること、前記出力信号から得られる信号のレベル測定すること、前記測定された信号レベルに応じて前記可変インピーダンスのインピーダンスを制御すること、を具備する。
【0007】
現開示の他の局面は、入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための増幅器であって、前記増幅器は、可変インピーダンスを持ち、前記入力信号に前記出力信号を結合し、モデファイ入力信号を発生させるための手段を具備する、増幅器と、前記モデファイ入力信号にゲインを提供するための手段と、前記出願信号から得られる信号のレベルを測定するための信号強度検出手段であって、前記信号強度検出手段の前記出力は、前記可変インピーダンスを制御するために、前記入力信号に前記出力信号を結合するための前記手段に結合されている、信号強度検出手段と、を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、LNAについての従来の回路形態を示す。
【図2】図2は、現開示の実施形態に係る可変インピーダンスを持つシャントフィードバックを備えるLNAの実施形態を示す。
【図3】図3は、RSSIロジックブロック202および可変インピーダンスブロック203の実施形態を示す。
【図4】図4は、制御信号203aがそれぞれ2つのスイッチ203.1および203.2を制御するための2つの活性化信号203a.1および203a.2を含む実施形態を示す。
【図5】図5は、それぞれ3つの制御信号203.1,203a.2,および203a.3によって制御される3つのスイッチ203.1,203.2,および203.3を持つ可変インピーダンスブロック203の実施形態を示す。
【図6】図6は、制御信号203aを生成するために、シュミットトリガ202S.1が振幅ヒステリシスをインプリメントする実施形態を示す。
【図6A】図6Aは、コンパレータ202T.1において時間ヒステリシスを使用するRSSIロジックブロック202の実施形態を示す。
【図7】図7は、RSSIブロック201の実施形態を示す。
【図8】図8は、RSSIブロック201の代替の実施形態を示す。図8の実施形態は、興味のある信号の周波数選択評価を与える。
【図9】図9は、トランジスタM1のソースで直列フィードバックを組み込むLNAを示し、直列フィードバックは現開示の技術によって可変である。
【詳細な説明】
【0009】
図1は、LNAについての従来の回路形態を示す。図1において、電源電圧Vsは、入力マッチによってトランジスタM1のゲート(G)に結合される。トランジスタM1のドレイン(D)は、出力マッチおよび負荷に結合される。回路は、ゲイン要素(トランジスタM1)によって出力信号(ドレイン電圧)を生成するために、有効に入力信号に利得を供給する。
【0010】
LNAの線形性を改善するために、インピーダンスZFBのシャント(shunt)フィードバックは、ドレイン(D)からゲート(G)まで提供される。フィードバックは、直列RCネットワーク、またはいずれかの他のネットワークでもよい。フィードバックは、ゲイン要素(トランジスタM1)に対するモデファイ入力信号(ゲート電圧)を発生させるために、入力信号(Vs)に出力信号(ドレイン電圧)を結合する。
【0011】
フィードバックが一般的にLNAの線形性を改善している間に、それはまたゲインを減少させおよびノイズを加えてもよく、それによってLNAのノイズ指数を下げる、ことに注意すべきである。現開示の局面は、検出された信号のレベルに基づいてフィードバックの量を設定することを与える。
【0012】
図2は、現開示の実施形態に係る可変インピーダンスを持つシャントフィードバックを備えるLNAの実施形態を示す。図2において、トランジスタM1のドレイン電圧201aは、受信信号強度インジケータ(RSSI)ブロック201に連結される。RSSIは、ドレイン電圧201aの振幅(または他のレベル指標)を測定し、それに比例するRSSI信号202aを生産する。RSSI信号202aは、RSSI論理ブロック202に連結され、RSSI信号202aのレベルに依存する制御信号203aを出力する。制御信号203aは、可変インピーダンスブロック203の変化する(variable)インピーダンスZconfigを制御するために、可変インピーダンスブロック203に入力される。シャントフィードバックが利用される実施形態では、変化するインピーダンスZconfigは、Zconfigが、測定された信号が低い場合により大きいインピーダンス、測定された信号が高い場合により少ないインピーダンスを持つように、RSSI201によって測定された信号レベルと逆に変えられる。受信信号が強い場合に、より大きいフィードバックによって与えられるよりよい線形性(シャントフィードバックについてのより低いインピーダンス)が一般的に好ましいゆえ、このことは有益であり、それゆえ、受信信号が弱い場合に、少ないフィードバックに対応するより高いゲイン(シャントフィードバックについてのより高いインピーダンス)は一般的に好ましい。
【0013】
図2の設計において、RSSIブロック201が負荷と比較される高入力インピーダンスを持つ設計をされてもよいことに、注意すべきである。トランジスタM1のドレインにおけるRSSIブロック201のローディングは、出力マッチ205の設計の要因とされてもよい。
【0014】
実施形態において、制御信号230aは、可変インピーダンスブロック203内の一つのスイッチまたは複数のスイッチを制御するための一つまたは複数の活性化信号を含むとしてもよい。図3は、RSSI論理ブロック202と可変隠避イーダンスブロック203の実施形態を示す。図3において,制御信号203aは、あるスイッチ203.1を制御するためのある活性化信号203a.1を含む。示されている実施形態において、活性化信号203a.1は、コンパレータ202.1によって発生される。コンパレータ202.1は、RSSI信号202aの振幅とリファレンス信号Vref1とを比較する。コンパレータ202.1は、202aがリファレンス信号Vref1よりも大きい場合、203a.1に対して高レベルを、202aがリファレンス信号Vref1よりも小さい場合、203a.1に対して低出力レベルを出力する。実施形態において、高出力レベルは、1.5ボルトまたはそれより高くすることができ、その一方で、低出力レベルは、0.8ボルトまたはそれより低くすることができる。
【0015】
実施形態において、信号203a.1についての高出力レベルはスイッチ203.1を閉じ、その一方で、信号203a.1についての低出力レベルはスイッチ203.1を開く。スイッチ203.1が開いている場合、可変インピーダンスブロック203は有効にノード201と204の間の開回路であることは理解される。すなわち、LNAにおけるシャントフィードバックはない。あるいは、スイッチ203.1が閉まっている場合、可変インピーダンスブロック203はインピーダンスZ1を持つ。したがって、示された実施形態は、LNA出力信号201aがリファレンスレベルVref1を超える場合、インピーダンスZ1のシャントフィードバックを与え、LNA出力信号201aがリファレンスレベルVref1を下回る場合、シャントフィードバックを与えない。実施形態において、Vref1は250mVである。
【0016】
他の実施形態は、フィードバック対フィードバックがないことよりもむしろ、シャントフィードバックの2つの異なるレベルを与えることができることに注意すべきである。例えば、実施形態において、800オームのシャントフィードバックは、LNA出力信号201がリファレンスレベル未満の場合に与えられてもよく、また2800オームのシャントフィードバックは、LNA出力信号201がリファレンスレベルを超える場合に与えられてもよい。そのような実装のための回路構成は当業者によって実現可能であり、ここでは記述されないだろう。
【0017】
実施形態において、制御信号203aは、可変インピーダンスブロック203における1以上のスイッチを制御するための1以上の活性化信号を含むとしてもよい。図4は、制御信号203aが、それぞれ2つのスイッチ203.1および203.2を制御するための2つの活性化信号203a.1および203a.2を含む実施形態を示す。活性化信号203a.1および203a.2は、それぞれ、コンパレータ202.1および202.2によって発生される。コンパレータ202.1および202.2は、RSSI信号202aとリファレンス信号Vref1およびVref2とを比較する。実施形態において、Vref2は、Vref1よりも大きい。
【0018】
RSSI信号202aがVref1およびVref2の双方より小さい場合、その時、スイッチ203.1および203.2の双方は開になる。この場合、図2におけるトランジスタM1のドレインからゲートへのフィードバックはない。RSSI信号202aがVref1よりも大きいがVref2よりも小さい場合、スイッチ203.1は閉じられ、その一方でスイッチ203.2は開になる。この場合、トランジスタM1のドレインからゲートへのフィードバックは、インピーダンスZ1+Z2を持つ。最後に、RSSI信号202aがVref1およびVref2の双方より大きい場合、スイッチ203.1および203.2の双方は閉じられる。この場合、トランジスタM1のドレインからゲートへのフィードバックは、インピーダンスZ1を持つ。したがって、図4に示されるシャントフードバックは、RSSI信号202aのレベルの増加に伴う離散的ステップにおいて増加 (すなわちインピーダンス減少)することが理解される。
【0019】
1つおよび2つのリファレンスレベルについて上で議論された技術は、RSSI論理202および可変インピーダンスブロック203が2つを超えるリファレンスレベルに適応することを可能にするために容易に拡張されてもよい。例えば、付加的なコンパレータがRSSI論理202に加えられてもよく、さらに付加的なスイッチおよびインピーダンスのペアが、図4におけるスイッチおよびインピーダンスのペア203.2/Z2の後に直列に加えられてもよい。そのような変更は、容易に回路設計の当業者によって引き出すことができ、現開示の範囲内にあると考えられる。
【0020】
加えて、可変インピーダンスブロック203の代替の実装はまた熟考され、現開示の範囲内である。例えば、図5に示されるように、スイッチおよびインピーダンスは、ペアを形成するために直列に接続されることができ、複数のペアは、可変インピーダンスブロックを形成するために並列に接続されることができる。図5は、それぞれ3つの制御信号203a.1,203a.2,および203a.3によって制御される3つのスイッチ203.1,203.2,203.3を持つ可変インピーダンスブロック203の実施形態を示す(制御信号の発生は図示せず)。他の実装は、また回路設計の当業者によって容易に引き出すことができる。
【0021】
制御信号203aとスイッチのアクションとの関係が上述と同じ必要はないことに注意すべきである。例えば、代替の実施形態において、制御信号203aの高レベルは、可変インピーダンスブロック203におけるスイッチを閉じるよりむしろ開くとしてもよい。説明された回路構成の各種の他の変更は当業者にとって明らかであり、そのような変 更は、現開示の範囲内であると考えられる。
【0022】
あるシナリオにおいて、RSSI信号202aの一時的な変動は、可変インピーダンスブロック203におけるスイッチの望まないスイッチングを引き起こすかもしれない。実施形態において、RSSI論理202は、そのような望まないスイッチングを減少させるために、1以上のコンパレータにおける振幅および/または時間ヒステリシスを組み込むとしてもよい。
【0023】
図6は、制御信号203aを発生させるために、シュミットトリガ202S.1が振幅ヒステリシスをインプリメントする実施形態を示す。シュミットトリガ202S.1は、2つのしきい値Vref1_plusおよびVref1_minus(図6に図示せず)を持つための前セットがなされるとしてもよく、Vref1_plusはVref1_minusより大きい。この実施形態において、もし制御信号203aが低い場合、その時、スイッチングしきい値はVref1_plusだろう。他方では、もし制御信号203aが高い場合、スイッチングしきい値はVref1_minusだろう。本実施形態は、制御信号203aが、RSSI出力202aにおいて小スケール振幅バリエーションに継続的に応答することを防止する。シュミットトリガの設計は、従来技術においてよく知られており、さらにここで説明はされないだろう。
【0024】
代わりに、または振幅ヒステリシスと共に、時間ヒステリシスはRSSI論理ブロック202に組み入まれるとしてもよい。図6Aは、コンパレータ202T.1において時間ヒステリシスを使用するRSSIロジックブロック202の実施形態を示す。時間ヒステリシスの下で、コンパレータ202T.1の出力203a.1は、時間の所定期間が過ぎて、RSSI出力202aの振幅と関係するいくつかの他の基準が満たされるまで、レベル間の移行(transition)について許可されない。実施形態において、基準は、時間の所定期間のすべてまたはある部分の間に振幅レベルがしきい値レベルを超える(出力の上向きの移行のため)または下で維持される(下向きの移行のため)条件を具備する。時間ヒステリシス回路構成は、コンパレータ202T.1内に設計されるとしてもよく、または分離ブロック(図示せず)として提供されるとしてもよい。そのような時間ヒステリシスの実装の回路構成は当業者にとって明確であり、さらにここでは説明されないことに注意すべきである。
【0025】
実施形態において、時間ヒステリシスは、検出された振幅レベルにおけるいくつかの移行のみに対して選択的に導入されるとしてもよい。例えば、時間ヒステリシスは、検出された振幅レベルがしきい値レベルより下に落ちた場合に利用されるとしてもよく、その一方で、時間ヒステリシスは、検出された振幅レベルがしきい値を超えた場合に利用される必要はないとしてもよい。
【0026】
可変インピーダンスブロック203が、インピーダンスが離散的ステップで可変である実装に制限される必要はないことに注意すべきである。連続的に可変インピーダンスを備えたバラクタ(varactor)もまた現開示の範囲内で使用されるとしてもよい。そのような実装は、バラクタのインピーダンスをコントロールするために、RSSIブロック201の出力に連続的に比例する制御信号203aを利用してもよい。本実施形態において、RSSIロジックブロック202はバイパスされてもよい。
【0027】
図7は、RSSIブロック201の実施形態を示す。図7の実施形態において、単純なダイオード検出器は、入力信号Vinの低周波数エンベロープを検出するために使用される。ダイオード検出器の出力Voutは、Vinの振幅にしたがう。実施形態において、RC回路の3dBの帯域幅は30MHzである。
【0028】
図8は、RSSIブロック201代替の実施形態を示す。図8の実施形態は、興味のある信号の周波数選択評価を与える。示される実施形態において、ミキサー802は、入力信号Vin 800につながれる。実施形態において、ローカルオシレータ(LO)804の周波数は、Vin 800における希望信号成分の周波数に調整されることができ、それにより、ミキサー802の出力で希望信号をベースバンドに変換する。そして、ミキサー出力は、フィルタ806に提供されるとしてもよい。実施形態において、フィルタ806は、ベースバンドに変換された希望信号に関連する低周波数成分を取り除き、パッシブジャマーに関連付けられる高周波数成分のみを残す高域パスフィルタ(high-pass filter)でもよい。高周波数成分のエンベロープは、その後、ダイオード検出器808によって検出され、出力信号810として提供される。Vin 800における希望信号成分をろ過するために、ミキサー802および高域パスフィルタ806のコンビネーションが、バンド・リジェクト(band-reject)・フィルタとして作用することが、理解されるだろう。図8に示される周波数選択RSSIは、このように、信号のジャマー部分の強度に基づいてのみ、図2における可変インピーダンス203を制御するとしてもよい。このことは、受信信号が希望信号から主に構成される場合に、LNAのゲインがフィードバックによって縮小される必要がないので、LNAのノイズ指数を改善するだろう。
【0029】
現開示に係るさらなる実施形態において、RSSIは、図2におけるトランジスタM1のドレインよりむしろゲートの信号強度を測定するために構成されてもよい。実施形態において、RSSIへの入力は、トランジスタM1のゲート電圧204から得られるとしてもよい。RSSI201が出力よりむしろLNA入力を有効にロードすることができたため、この設計が図2に示される実施形態よりも小さいLNAゲインに帰着してもよいことは、注意すべきである。示されない代替の実施形態において、RSSIの入力は、Vsから直接的に、すなわち、入力マッチ206に先立って、与えられるとしてもよい。
【0030】
ここで示された技術は、LNAの組み込みシャントフィードバックに制限される必要はないことに、注意すべきである。任意のタイプのフィードバックは現開示の技術にしたがって可変とすることができる。例えば、図9は、トランジスタM1のソース(S)におけるLNA組み込み直列フィードバック903を示し、直列フィードバックは、現開示の技術にしたがって可変である。より大きなインピーダンスは、図9に示される直列フォードバックスキームについてより大きいフィードバックと等価であるため、対応するRSSI論理フィードバック902および可変インピーダンスブロック903は、シャントフィードバックについて以前に記述された実施形態から修正される必要があるだろうということに、注意すべきである。そのような修正は、当業者にとって明らかであり、現開示の範囲以内にあると考えられる。
【0031】
ここでの技術は、図1の基礎的な形態(topology)を利用する低ノイズ増幅器に関して記述されており、この技術はそのような増幅器の形態に制限される必要はないことに注意すべきである。例えば、複合トランジスタを含むオペレーショナル増幅器は、ゲイン要素として使用されてもよい。ここで示された技術は、単一端信号(single-end signals)にも差分信号(differential signals)にも適用する。
【0032】
ここに記述された教示に基づいて、ここに示された局面は、他の局面と無関係に実装され、これらの局面の2以上が様々な方法で組み合わされてもよいことは明白に違いない。例えば、RSSIロジックおよび可変インピーダンスブロックについて示された特定の実施形態は、もっぱらRSSIブロックについて示された特定の実施形態に実装されるとしてもよく、RSSIブロックについて示された特定の実施形態と共に実装されてもよい。
【0033】
ここに記述された技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいはそれの任意のコンビネーションにより実装されてもよい。もしハードウェアで実装されると、技術はディジタルハードウェア、アナログハードウェア、あるいはそれのコンビネーションを使用して実現されてもよい。例えば、RSSI論理ブロックは、デジタルアナログ変換器(DAC)を使用してアナログRSSI出力をデジタル化することによってデジタル分野に実装されるとしてもよい。もしソフトウェアに実装されると、この技術は、1以上の指示またはコードが記憶されているコンピュータ読み出し可能媒体を含むコンピュータプログラムプロダクトによって少なくとも一部分で実現されるとしてもよい。
【0034】
制限ではなく例示の手段によって、そのようなコンピュータ読み出し可能媒体は、synchronous dynamic random access memory(SDRAM)のようなRAM、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、ROM、electrically erasable programmable read-only memory(EEPROM)、erasable programmable read-only memory(EPROM)、FLASHメモリ、CD−ROMまたは他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、または、コンピュータによってアクセス可能な指示またはデータ構造の形で所望のプログラムを運ぶまたは記憶するために使用可能なあらゆる他の実体的媒体、を具備する。
【0035】
コンピュータプログラムプロダクトのコンピュータ読み出し可能媒体に関連した指示またはコードは、コンピュータ、例えば1以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、または、他の等価な統合または離散的な論理回路構成、によって実行されるとしてもよい。
【0036】
この明細書および請求項において、要素が他の要素に対して“接続”または“結合”されるとして言及される場合、それは、他の要素に対して直接的に接続または結合されてもよく、または、介在する要素が存在するとしてもよい。対照的に、要素が他の要素に対して“直接的に接続”または“直接的に結合”されるとして言及される場合、介在するエレメントは存在しない。
【0037】
多くの局面および例が記述された。しかしながら、これらの例への様々な変更は可能であり、ここに示された法則は、他の局面に同様に適用されてもよい。これらおよび他の局面は次の請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための増幅器において、
前記入力信号に前記出力信号を結合し、モデファイ信号を発生させるためのネガティブフィードバック要素であって、前記フィードバック要素は可変インピーダンス具備する、フィードバック要素と、
前記モデファイ入力信号にゲインを提供するためのゲイン要素であって、前記ゲイン要素の出力は前記出力信号に結合される、ゲイン要素と、
前記出力信号から得られる信号のレベルを測定するための信号強度検出要素であって、前記信号強度検出要素の出力は、前記信号強度検出要素によって測定された前記信号レベルに応じて前記可変インピーダンスを制御するために、前記フィードバック要素に結合される、信号強度検出要素と、
を具備する増幅器。
【請求項2】
前記出力信号から得られる前記信号は前記出力信号である、請求項1の増幅器。
【請求項3】
前記出力信号から得られる前記信号は前記出力信号のバンド・リジェクト・フィルタ化されたバージョンである、請求項1の増幅器。
【請求項4】
前記ゲイン要素はトランジスタであり、前記トランジスタのドレイン電圧は前記出力信号であり、前記トランジスタのゲイン電圧は前記モデファイ入力信号である、請求項2の増幅器。
【請求項5】
前記増幅器は前記信号強度検出要素の出力に結合されている論理要素をさらに具備し、前記論理要素の出力は前記可変インピーダンスを制御するためのフィードバック要素に結合されている、請求項4の増幅器。
【請求項6】
前記論理要素は,前記信号強度検出要素の前記出力信号と第1のリファレンス電圧とを比較するための第1のコンパレータを具備する、請求項5の増幅器。
【請求項7】
前記可変インピーダンスは第1のスイッチと結合される第1のインピーダンス要素を具備し、前記第1のスイッチは前記第1のコンパレータの出力と結合された制御信号によって制御される、請求項6の増幅器。
【請求項8】
前記第1のスイッチは、前記第1のインピーダンス要素と直列に結合されており、前記第1のスイッチは、前記信号強度検出要素の前記出力信号が前記第1のリファレンス電圧よりも大きいことに応じて閉じられ、前記第1のスイッチは、前記信号強度検出要素の前記出力信号が前記第1のリファレンス電圧よりも小さいことに応じて開く、請求項7の増幅器。
【請求項9】
前記論理要素は、前記信号強度検出要素の前記出力信号と第2のリファレンス電圧とを比較するための第2のコンパレータをさらに具備し、前記可変インピーダンスは、第2のスイッチと並列に結合されている第2のインピーダンス要素をさらに具備し、前記第2のインピーダンス要素および前記第2のスイッチは、前記第1のインピーダンスおよび前記第1のスイッチと直列に結合されており、前記第2のスイッチは、前記第2のコンパレータの出力と結合される制御信号によって制御され、前記第2のスイッチは、前記信号強度検出要素の前記出力信号が前記第2のリファレンス電圧よりも大きいことに応じて閉じられ、前記第2のスイッチは、前記信号強度検出要素の前記出力信号が前記第2のリファレンス電圧よりも小さいことに応じて開く、請求項8の増幅器。
【請求項10】
前記論理要素は、前記信号強度検出要素の前記出力信号と第2のリファレンス電圧とを比較するための第2のコンパレータをさらに具備し、前記可変インピーダンスは、第2のスイッチと直列に結合されている第2のインピーダンス要素をさらに具備し、前記第2のインピーダンス要素および前記第2のスイッチは、前記第1のインピーダンスおよび前記第1のスイッチと並列に結合されており、前記第2のスイッチは、前記第2のコンパレータの出力と結合される制御信号によって制御され、前記第2のスイッチは、前記信号強度検出要素の前記出力信号が前記第2のリファレンス電圧よりも大きいことに応じて閉じられ、前記第2のスイッチは、前記信号強度検出要素の前記出力信号が前記第2のリファレンス電圧よりも小さいことに応じて開く、請求項8の増幅器。
【請求項11】
前記第1のコンパレータは、振幅ヒステリシスを組み込む、請求項6の増幅器。
【請求項12】
前記第1のコンパレータは、時間ヒステリシスを組み込む、請求項6の増幅器。
【請求項13】
前記第1のコンパレータは、前記信号強度検出要素の前記出力における下向きの移行のみに時間ヒステリシスを組み込む、請求項12の増幅器。
【請求項14】
前記可変インピーダンスは、前記出力信号の測定されたレベルに反比例するインピーダンスを持つバラクタを具備する、請求項4の増幅器。
【請求項15】
前記信号強度検出要素は、ダイオード検出器を具備する、請求項4の増幅器。
【請求項16】
前記信号強度検出要素に前記出力信号を結合するバンド・リジェクト・フィルタをさらに具備する、請求項3の増幅器。
【請求項17】
前記バンド・リジェクト・フィルタは、
前記出力信号を、希望周波数を持つローカルオシレータと混合するミキサーと、
前記ミキサーの出力と結合された高パスフィルタと、
をさらに具備する、請求項16の増幅器。
【請求項18】
前記ゲイン要素はトランジスタであり、前記出力信号は前記トランジスタのトレインソース電流であり、前記入力信号は前記トランジスタのゲート電圧であり、モデファイ入力信号は前記トランジスタのゲートソース電圧であり、前記フィードバック要素は固定された電圧に前記トランジスタのソースを結合するインピーダンスである、請求項1の増幅器。
【請求項19】
入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための増幅器において、
前記増幅器は、
前記入力信号に前記出力信号を結合し、モデファイ信号を発生させるためのフィードバック要素であって、前記フィードバック要素は可変インピーダンスを具備する、フィードバック要素と、
前記モデファイ入力信号にゲインを提供するためのゲイン要素であって、前記ゲイン要素の出力は前記出力信号に結合される、ゲイン要素と、
前記出力信号から得られる信号のレベルを測定するための信号強度検出要素であって、前記信号強度検出要素の出力は、前記信号強度検出要素によって測定された前記信号レベルに応じて前記可変インピーダンスを制御するために、前記フィードバック要素に結合される、信号強度検出要素と、
を具備する増幅器。
【請求項20】
入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための方法において、
可変インピーダンス経由でネガティブフィードバックを使用して、前記入力信号に前記出力信号を結合することであって、前記信号はモデファイ入力信号を発生させるために連結される、こと、
前記出力信号を発生させるために、モデファイ入力信号にゲインを提供すること、
前記出力信号から得られる信号のレベルを測定すること、
前記測定された信号レベルに応じて前記可変インピーダンスのインピーダンスを制御すること、
を具備する、方法。
【請求項21】
前記出力信号から得られる前記信号は、前記出力信号であり、前記モデファイ入力信号にゲインを提供することは、トランジスタのゲートに前記モデファイ入力信号を結合することを含み、前記ゲインは、前記トランジスタのゲート電圧と前記トランジスタのドレイン電圧との間であり、前記測定された信号レベルに応じて前記可変インピーダンスのインピーダンスを制御することは、
前記測定された信号レベルと第1のリファレンス電圧とを比較することと、前記測定された信号レベルが前記第1のリファレンス電圧を超える場合に、前記出力信号から前記可変インピーダンスを経由して前記入力信号へのフィードバックを増加することと、をさらに具備する、請求項20の方法。
【請求項22】
前記測定された信号レベルに応じて前記可変インピーダンスの前記インピーダンスを制御することは、
前記測定された信号レベルと第2のリファレンス電圧とを比較することと、前記測定されたレベルが前記第2のリファレンス電圧より小さい場合に、時間の所定期間の後前記出力信号から前記可変インピーダンス経由で前記入力信号へのフィードバックを減少することとをさらに具備し、前記第2のリファレンス電圧は前記第1のリファレンス電圧よりも小さい、請求項21の方法。
【請求項23】
前記出力信号から得られる信号のレベルを測定することは、
希望信号を取り除くために前記出力信号をフィルタリングすることを含む、請求項20の方法。
【請求項24】
前記フィルタリングすることは、前記出力信号からベースバンド信号にダウンコンバートすることと、前記ベースバンド信号を高パスフィルタリングすること、を具備する、請求項23の方法。
【請求項25】
入力信号を増幅し、出力信号を発生させるための増幅器において、
可変インピーダンスを備え、前記入力信号に前記出力信号を結合し、モデファイ入力信号を発生させるための可変インピーダンス手段と、
前記モデファイ入力信号にゲインを提供し、前記出力信号を発生させるための手段と、
前記出力信号から得られる信号のレベルを測定するための信号強度検出手段と、
前記信号強度検出手段の出力に基づいて、前記可変インピーダンス手段を制御するための論理手段と、
を具備する、増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−59059(P2013−59059A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231852(P2012−231852)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【分割の表示】特願2010−528180(P2010−528180)の分割
【原出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】