説明

廃複合樹脂成形物の成形装置及びその成形方法

【課題】内部に無数の気泡や表面に気体が逃げる際の跡ができるのを回避して高品質な成形物を成形する。
【解決手段】原料脱気手段により内部の水蒸気やガス等の気体を脱気した溶融状態の廃複合樹脂原料により成形物を成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物である使用済みの合成樹脂材(以下、廃樹脂材という。)及び同じく産業廃棄物である、例えば石炭灰(フライアッシュを含み、これらを総称して石炭灰と いう。)等の無機フィラー(以下、廃無機フィラーという。)を主原料とし、コンクリート代用品としての成形物を成形する廃複合樹脂成形物の成形装置及びその成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業廃棄物として排出される廃樹脂材及び廃無機フィラーは、通常は埋立処分や焼却処分により無価値化されているが、これらを資源として再利用して有価値化するため、例えば特許文献1に示す成形物の製造方法が提案されている。この成形物製造方法は、廃樹脂材を約70〜90wt%、廃無機フィラーを約10〜30wt%の割合で混合して溶融し、所定形状の成形物を製造することを特徴としている。
【0003】
しかし、上記した製造方法により成形される成形物は、廃無機フィラーの含有量が10〜30wt%であるため、廃無機フィラーの再資源率が悪く、また成形物中における廃無機フィラーの分散状態が不均一なため、耐薬品性、耐強度性、耐候性等が悪く、コンクリート代用成形物として使用できなかった。
【0004】
本出願人は、上記した従来の欠点を解決するため、特願2003−300692号において廃無機フィラーを30〜60wt%の割合で含有可能で、廃無機フィラーをほぼ均一に分散させた成形物の成形原料である複合樹脂組成物及びその製造方法を提案した。
【0005】
しかし、上記したように廃無機フィラーの含有率が高く、それ自体としては耐薬品性、耐強度性、耐候性等を有した複合樹脂組成物を成形物の成形原料としても、直ちに高品質の成形物を製造できるものではない。
【0006】
即ち、上記した複合樹脂組成物にはその輸送中に水分が付着したり、付着した水分が内部に浸透して結合水になっている。このような水分を含んだ複合樹脂組成物をそのまま溶融して成形物を成形すると、成形物には付着した水分や結合水が水蒸気化して無数の気泡ができたり、表面に水蒸気が外に出る際の跡ができたりして成形物の品質を低下させている。また、上記複合樹脂組成物を溶融した際には廃樹脂材や廃無機フィラーからガスが発生し、この複合樹脂組成物を原料として成形物を成形すると、水蒸気の場合と同様にこのガスにより無数の気泡ができたり、表面にガスが外に出る際の跡ができ、成形物自体の特性や外観品質を悪くしていた。
【0007】
この欠点は、成形原料である複合樹脂組成物に付着した水分や結合水に関しては、溶融に先立って除温乾燥処理することにより解決できるが、この除温乾燥処理に多大な時間と手間がかかり、成形作業効率を悪くする問題を有している。
【特許文献1】特開平11−70524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、廃複合樹脂原料に含まれた水分や溶融時に発生するガスにより成形部の内部に無数の気泡ができたり、表面に気体が逃げる際の跡ができて成形物の品質を悪くする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の廃複合樹脂成形物の成形装置は、少なくとも廃合成樹脂材及び該廃合成樹脂材より熱伝導率が高い廃無機フィラーを所定の割合で混合した廃複合樹脂原料を加熱及び混練して溶融する加熱混練手段と、溶融状態の廃複合樹脂原料を加圧して内部の気体を脱泡して排気する原料脱気手段と、脱気状態で計量された所定量の廃複合樹脂原料を金型内に充填して成形物を成形する成形手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、廃複合樹脂成形物の成形方法は、少なくとも廃合成樹脂材及び該廃合成樹脂材より熱伝導率が高い廃無機フィラーを所定の割合で混合した廃複合樹脂原料を加熱及び混練して溶融する加熱混練工程と、加熱混練工程から排出された溶融状態の廃複合樹脂原料を加圧して蒸気及びガスを脱泡して排気する脱気工程と、脱気された溶融状態の廃複合樹脂原料を計量して金型内に充填して成形物を成形する成形工程とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、内部に無数の気泡や表面に気体が逃げる際の跡ができるのを回避して成形物を高品質に成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、原料脱気手段により内部の水蒸気やガス等の気体を脱気した溶融状態の廃複合樹脂原料により成形物を成形することを最良の形態とする。
【実施例】
【0013】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図1〜図5において、廃複合樹脂組成物成形装置1は原料溶融混練手段3と原料脱気手段5と成形手段7とから構成され、その内の原料溶融混練手段3は加熱筒部材9内に、電動モータ11に連結された混練スクリュー13が回転可能に支持し、加熱筒部材9に取り付けられたヒータ15により投入された廃複合樹脂原料17を加熱溶融しながら回転する混練スクリュー13により撹拌混練して溶融した廃複合樹脂原料17を生成して原料脱気手段5へ移送させる。尚、加熱筒部材9の排出側には図示しない開閉部材が設けられ、後述する脱気作用時には加熱筒部材9の排出側開口を閉鎖して溶融した廃複合樹脂原料17が脱気容器19内に導入されないようにさせる。
【0014】
原料溶融混練手段3により加熱混練される廃複合樹脂原料17は、主に産業廃棄物として排出される廃樹脂材を約40〜70wt%、廃樹脂材より熱伝導率が高い廃無機フィラーを約30〜60wt%の割合で混合したものを主原料とする。廃樹脂材としてはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、脱塩ポリ塩化ビニール、ポリウレタン、メタクリル樹脂等の熱可塑性樹脂で、例えば10mm以下、好ましくは5mm以下の大きさに破砕したものが適している。
【0015】
廃樹脂材としては、単一種類の合成樹脂でなくても、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリウレタン等のように溶融温度が近い合成樹脂の組合せ、または例えばポリプロピレンやポリエチレンと脱塩ポリ塩化ビニールやメタクリル樹脂等のように溶融温度が異なる合成樹脂の組合せであってもよい。また、廃複合樹脂原料17としては、上記廃樹脂材に対し、バージン樹脂を適宜の割合で混合してもよい。
【0016】
廃無機フィラーとしては、主として産業廃棄物として排出される石炭灰、高炉スラグ、炭化物、珪藻土、貝殻粉、炭酸カルシウム、アルミナや一部フィラー換算された使用済みの熱硬化性樹脂等で、廃樹脂材より熱伝導率が高いものであればよい。この廃無機フィラーは、例えば100マイクロm以下、好ましくは45マイクロm以下に微粉砕されたものが適している。また、廃無機フィラーとしては、単一種類または複数種類の組合せであってもよい。
【0017】
廃複合樹脂原料17としては、上記廃樹脂材及び廃無機フィラーの他に、例えば難燃材、強化材、滑材、可塑剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、抗菌剤等、成形物の用途に応じた各種の助剤及び、例えば廃熱硬化性樹脂材を微粉砕した増量材を添加してもよい。そしてこれら廃樹脂材及び廃無機フィラーと必要に応じて添加される助剤及び増量材からなる廃複合樹脂原料17を、先ず、常温にて撹拌して廃樹脂材の表面に廃無機フィラーをほぼ均一に付着して均一混合状態にしておく。
【0018】
溶融した廃複合樹脂原料17が供給される原料脱気手段5は後述する成形手段7の供給側に設けられ、その脱気容器19に設けられた排気ダクト21には、例えばブロア装置又は真空ポンプ等の負圧発生装置23が接続され、負圧発生装置23の駆動により脱気容器19内の空気を排気して内部を所望の負圧に形成する。
【0019】
脱気容器19内には加圧板25の基端部が揺動可能に支持され、該加圧板25は連結されたエアーシリンダー等の作動部材27により、脱気容器19内に対して原料溶融混練手段3から溶融した廃複合樹脂原料17が導入可能な導入位置と導入された溶融状態の廃複合樹脂原料17を加圧する加圧位置との間で揺動される。また、脱気容器19の排出開口部19aには後述する成形手段7の押出し筒部材51の基端部に接続される圧送筒部材28が設けられ、該圧送筒部材28内には電動モータ30に連結された送りスクリュー32が回転可能に支持され、該送りスクリュー32は加圧板25による加圧に伴って圧送筒部材28内に導入された廃複合樹脂原料17をその回転に伴って成形手段7の押出し筒部材51内へ圧送する。尚、図中の符号34は送りスクリュー32と平行して回転駆動可能に設けられた補助スクリューであり、送りスクリュー32との協働により溶融した廃複合樹脂原料17を圧送筒部材28内に巻込むように作用する。
【0020】
脱気容器19の外面には冷却部材29及び加熱部材31が取付けられ、脱気容器19内に導入された溶融状態の廃複合樹脂原料17を冷却部材29及び加熱部材31により冷却及び加熱して収縮及び膨張させることにより内部のガスや水蒸気を流動し易くして上記負圧条件下及び加圧条件下での脱泡を促進させる。
【0021】
成形手段7は、従来公知の押出し成形機で、本体フレーム33には所定の間隔をおいて相対する固定側取付盤35及び可動側取付盤37が設けられ、これら固定側取付盤35及び可動側取付盤37間には複数本のタイバー39が横架されている。そしてタイバー39には可動盤41がタイバー39の軸線方向へ摺動するように支持され、可動盤41には可動金型43が取付けられている。
【0022】
尚、固定側取付盤35には固定金型45が可動金型43に相対して取付けられている。また、可動金型43には油圧シリンダー等の型締部材47が連結され、型締部材47の作動に伴って可動盤41を移動して可動金型43及び固定金型45を型閉作動及び型開作動させる。
【0023】
固定側取付盤35側に応じた本体フレーム33には押出し装置49が設けられる。該押出し装置49は本体フレーム33上において成形手段7の軸線方向へ移動可能に支持され、本体フレーム33に設けられたシリンダー等の作動部材59により押出し筒部材51の先端ノズルを、固定金型45の湯道に圧接する位置と湯道から離間した位置の間で往復移動させる。該押出し装置49を構成する押出し筒部材51の基端部(図示する右側)には上記した原料脱気手段5が上記した圧送筒部材28を介して接続されている。押出し筒部材51の基端部には原料脱気手段5から供給される溶融状態の廃複合樹脂原料17を流入させるための開口部51aが形成されると共に押出し筒部材51内には油圧シリンダー53のロッド53aに連結されたピストン55が軸線方向へ摺動するように支持される。
【0024】
そして押出し筒部材51内に所定量の溶融した廃複合樹脂原料17が導入されると、図示しない計量スクリューを逆回転して廃複合樹脂原料17を成形品の容量に合わせて計量して押出筒部材51の前方(図面左方向)に移動させる。その後、計量に伴って後方(右方向)へ移動した計量スクリューの回転を停止し、それに連結された油圧シリンダー53を作動してピストン55を図示する左方へ向って移動して内部の溶融状態で計量された廃複合樹脂原料17を型締めされた可動金型43及び固定金型45の成形空間内に押し出して図示しない成形物を成形する。
【0025】
次に、廃複合樹脂組成物成形装置1による成形物の成形作用及び成形方法を説明する。
先ず、廃樹脂材及び廃無機フィラーを上記した所定の割合で撹拌して均一に混合された廃複合樹脂原料17を原料溶融混練手段3の加熱筒部材9内に投入し、ヒータ15により廃複合樹脂原料17中の廃樹脂材が溶融する温度まで加熱しながら回転する混練スクリュー13により撹拌混練して溶融状態の廃複合樹脂原料17を生成する。
【0026】
そして回転する混練スクリュー13により所定量の廃複合樹脂原料17を、負圧発生装置23により負圧状態に形成された脱気容器19内に押出して溜めた後に開閉部材を作動して加熱筒部材の排出側開口を閉鎖させると共に混練スクリュー13の回転を停止し、加熱筒部材9内に残っている溶融状態の廃複合樹脂原料17が脱気容器19内に導入されるのを規制する。(図6参照)。
【0027】
そして脱気容器19内に溜められた溶融状態の廃複合樹脂原料17内部の水蒸気やガスは上記した負圧による圧力差により外部に飛び出して脱泡された後に排気されるが、その際に、先ず溶融した廃複合樹脂原料17を冷却部材29及び加熱部材31により加熱及び冷却して収縮及び膨張を繰り返して内部に溜まったガスや水蒸気を流動させることにより負圧条件下及び後述する加圧条件下での脱泡をさせ易くする。
【0028】
また、上記した負圧条件下において溶融状態の廃複合樹脂原料17を導入位置から加圧位置へ揺動する加圧板25により加圧して圧縮することにより内部に溜まったガスや水蒸気の気体を押出して脱泡させながら圧送筒部材28の基端部側に供給する(図7及び図8参照)。尚、脱泡された気体は負圧発生装置23の駆動に伴って脱気容器19外へ排気されるため、溶融した廃複合樹脂原料17に再び混ざり合うことを防止する。
【0029】
そして内部の気体が脱泡されて押出し筒部材51内に供給された溶融状態の廃複合樹脂原料を、逆回転する計量スクリューにより成形品の容量に合わせて計量して押出筒部材51の前方(図面左方向)に移動させた後に、計量作用に伴って後方(右方向)へ移動した計量スクリューの回転を停止し、次に油圧シリンダー53の作動に伴って摺動するピストン55により押出して型締めされた可動金型43及び固定金型45の成形空間内に充填して成形物を成形する。
【0030】
このように成形された成形物57は、原料脱気手段5により水分による水蒸気や溶融時に発生するガス等が脱気された廃複合樹脂原料17により成形されるため、成形物57に気体による無数の気泡ができたり、成形物57の表面に気体が金型外に放出される際の跡ができるのを回避し、耐薬品性、耐強度性、耐候性等に優れ、かつ外観良好な成形物57に成形することができる。
【0031】
本実施例は、成形物57を成形する際に溶融した廃複合樹脂原料19の内部に溜まった水蒸気や溶融時に発生するガスを脱泡した後に金型内に充填して成形するため、これら気体により成形物57の内部に無数の気泡ができることにより品質低下を招いたり、成形物57の表面に気体の逃げ道である跡ができて外観不良になるのを回避し、高品質な成形物57を得ることができる。
【0032】
1.上記説明は、成形手段7を、押出し筒部材51内にて油圧シリンダー53に連結されたピストン55を往復移動して水蒸気やガス等の気体が脱気された溶融状態の廃複合樹脂原料17を金型内に充填して成形物57を成形する装置及び方法としたが、成形手段としては図9に示すように押出し筒部材51内に、電動モータ81に連結された不等ピッチの押出しスクリュー83を回転可能に支持し、押出しスクリュー83の回転に伴って供給された溶融状態の廃複合樹脂原料17を計量した後に金型内に射出して成形物を成形する装置及び方法であってもよい。
【0033】
2.成形手段7を上記1のように構成する場合にあっては、原料脱気手段5を以下のように構成することができる。即ち、図10に示すように加圧板25が揺動するように支持された脱気容器19の排出口部19aを押出し筒部材51の基端部に直接接続し、揺動する加圧板25により脱気された溶融状態の廃複合樹脂原料17を押出し筒部材51内に直接供給させる。この場合にあっては、加圧板25の揺動に伴って押出し筒部材51内に供給された溶融状態の廃複合樹脂原料17は押出しスクリュー83の羽根により堰止められるため、揺動する加圧板25による加圧により圧縮されて内部の気体を脱泡させる。
【0034】
3.原料脱気手段5を以下のように構成してもよい。即ち、図11に示すように脱気容器19内に、電動モーター110に連結された不等ピッチの加圧スクリュー111を回転するように支持し、回転する加圧スクリュー111により供給された溶融状態の廃複合樹脂原料17を加圧して圧縮することにより内部の気体を脱泡させる。
【0035】
この構成にあっては、押出し装置112を押出し筒部材内にて摺動するピストンを支持したシリンダー形式とする場合、脱気容器19の排出開口部側と押出し筒部材の基端部の間に実施例1に示す圧送スクリュー32が回転可能に支持された圧送筒部材28により連結し、また押出し装置112を押出し筒部材115内に、電動モーター117に連結された押出しスクリュー119を回転可能に支持したスクリュー形式とする場合にあっては、図示するように脱気容器19の排出開口部を押出し筒部材115の基端部に直接接続した構成とする。
【0036】
4.本発明の成形手段は、溶融した廃複合樹脂原料を計量して金型内に充填(射出)する機能を有した構造であればよく、従来公知の成形機とは異なり、廃複合樹脂原料を攪拌混練しながら溶融する機能を必要としない。このため、一回の充填(射出)当たり、大容量の廃複合樹脂原料を金型内に充填(射出)して大型の成形品を成形することができる。
【0037】
5.本発明において成形原料になる廃複合樹脂原料17は、上記したように産業廃棄物として排出される廃樹脂材及び廃樹脂材より熱伝導率が高い廃無機フィラーを主原料とするが、本発明の廃複合樹脂原料17としては上記に使用済みの成形物57を微粉砕して所望の割合で添加したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】廃複合樹脂組成物成形装置を示す斜視図である。
【図2】原料溶融混練手段の縦断面を拡大して示す説明図である。
【図3】原料脱気手段の縦断面を拡大して示す説明図ある。
【図4】原料脱気手段の横断面を拡大して示す説明図ある。
【図5】成形方法を示す工程図である。
【図6】原料脱気手段に廃複合樹脂原料を溜めた状態を示す説明図である。
【図7】加圧脱気状態を示す説明図である。
【図8】脱気された廃複合樹脂原料の圧送状態を示す説明図である。
【図9】成形手段の変更実施例を示す説明図である。
【図10】原料脱気手段の変更実施例を示す説明図である。
【図11】原料脱気手段の変更実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 廃複合樹脂組成物成形装置
3 原料溶融混練手段
5 原料脱気手段
7 成形手段
17 廃複合樹脂原料
19 脱気容器
23 負圧発生装置
25 加圧板
49 押出し装置
51 押出し筒部材
53 油圧シリンダー
57 成形物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも廃合成樹脂材及び該廃合成樹脂材より熱伝導率が高い廃無機フィラーを所定の割合で混合した廃複合樹脂原料を加熱及び混練して溶融する加熱混練手段と、溶融状態の廃複合樹脂原料を加圧して内部の気体を脱泡して排気する原料脱気手段と、脱気状態で計量された所定量の廃複合樹脂原料を金型内に充填して成形物を成形する成形手段とを備えた廃複合樹脂成形物の成形装置。
【請求項2】
請求項1の原料脱気手段は、加熱混練手段から排出された溶融した廃複合樹脂原料を加圧して脱気する加圧部材と該加圧部材を往復揺動する作動部材及び内部の空気を排気する排気部材とからなる廃複合樹脂成形物の成形装置。
【請求項3】
請求項1の原料脱気手段は、加熱混練手段から排出された溶融した廃複合樹脂原料を加圧して脱気するスクリュー部材と該スクリュー部材を所定の方向へ回転駆動する駆動部材及び内部の空気を排気する排気部材とからなる廃複合樹脂成形物の成形装置。
【請求項4】
請求項2又は3の原料脱気手段は、加熱混練手段から排出された溶融した廃複合樹脂原料を冷却及び加熱して内部のガスを脱泡可能にする冷却部材及び加熱部材を設けた廃複合樹脂成形物の成形装置。
【請求項5】
請求項1の成形手段は、少なくとも脱気された溶融状態の廃複合樹脂原料が供給される箇所に少なくとも2本のスクリュー部材を平行状態で回転可能に支持し、原料脱気手段から導入される廃複合樹脂原料を巻込み可能にした廃複合樹脂成形物の成形装置。
【請求項6】
請求項1の廃複合樹脂原料は、廃合成樹脂材約40〜70wt%、廃無機フィラー約30〜60wt%からなる廃複合樹脂成形物の成形装置。
【請求項7】
少なくとも廃合成樹脂材及び該廃合成樹脂材より熱伝導率が高い廃無機フィラーを所定の割合で混合した廃複合樹脂原料を加熱及び混練して溶融する加熱混練工程と、加熱混練工程から排出された溶融状態の廃複合樹脂原料を加圧して蒸気及びガスを脱泡して排気する脱気工程と、脱気された溶融状態の廃複合樹脂原料を計量して金型内に充填して成形物を成形する成形工程とからなる廃複合樹脂成形物の成形方法。
【請求項8】
請求項7の廃複合樹脂原料は、廃合成樹脂材約40〜70wt%、廃無機フィラー約30〜60wt%を主原料とする廃複合樹脂成形物の成形方法。
【請求項9】
請求項7の脱気工程は、加熱混練工程から排出された溶融した廃複合樹脂原料を加圧部材により加圧して脱気し、排気部材により排気する廃複合樹脂成形物の成形方法。
【請求項10】
請求項7の脱気工程は、加熱混練工程から排出された溶融した廃複合樹脂原料を回転するスクリュー部材により加圧して脱気し、排気部材により排気する廃複合樹脂成形物の成形方法。
【請求項11】
請求項9又は10の脱気工程は、加熱混練工程から排出された溶融した廃複合樹脂原料を冷却部材及び加熱部材により冷却及び加熱して内部のガスを脱泡可能にする廃複合樹脂成形物の成形方法。
【請求項12】
請求項7の成形工程は、少なくとも脱気された溶融状態の廃複合樹脂原料が供給される箇所に、少なくとも2本のスクリュー部材を平行状態で回転可能に支持し、脱気工程から導入される廃複合樹脂原料を巻込み可能にした廃複合樹脂成形物の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−95921(P2006−95921A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285971(P2004−285971)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(504158711)八洲建設株式会社 (6)
【Fターム(参考)】