説明

建設機械の原動機制御装置

本発明は、原動機10によって駆動される油圧ポンプ24と、この油圧ポンプ24から吐出される圧油により駆動されるアクチュエータ5と、第1の操作部材22aの操作に応じて油圧ポンプ24からアクチュエータ5への圧油の流れを制御する制御弁25とを有する建設機械における原動機制御装置において、第1の操作部材22aの操作に応じて原動機10の第1の設定回転数Ntを設定する第1の設定手段41と、第2の操作部材34の操作に応じて原動機10の第2の設定回転数Nxを設定する第2の設定手段43と、第1のモードまたは第2のモードを選択する選択部材35と、選択部材35により第1のモードが選択されると第1の設定回転数Ntと第2の設定回転数Nxの大きい方の値に原動機回転数を制御し、選択部材35により第2のモードが選択されると第2の設定回転数Nxに原動機回転数を制御する回転数制御手段30,13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、操作量に応じて原動機回転数が変更可能な建設機械の原動機制御装置に関する。
【背景技術】
従来、この種の制御装置として特許第2634330号公報に開示されたものが知られている。
この公報記載の装置では、回転数設定器(燃料レバー)の操作量に応じた回転数と走行ペダルの操作量に応じた回転数をそれぞれ設定し、その大きい方の値を目標回転数として選択する。これにより目標回転数の下限値が回転数設定器の操作量に応じた回転数に制限されるので、回転数設定器により設定回転数を作業(掘削など)に適した値に設定しておけば、エンジン回転数の変動を少なくすることができ、作業性がよい。また、走行時に回転数設定器の設定回転数をアイドル回転数に設定しておけば、走行ペダルの操作量に応じて原動機回転数が変化するので、燃費の向上、騒音の低減を達成できる。
上述した公報記載の装置では、走行ペダルの操作量を調整して車両の走行速度の調整を行うため、例えば車両を一定速度で走行する場合には、走行ペダルを所定のハーフペダル位置に保持する必要がある。しかしながら、ハーフペダルにより定速走行状態を持続することは、運転者にとって負担が大きい。
【発明の開示】
本発明の目的は、速度調整が容易な建設機械の原動機制御装置を提供することにある。
本発明は、原動機によって駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油により駆動されるアクチュエータと、第1の操作部材の操作に応じて油圧ポンプからアクチュエータへの圧油の流れを制御する制御弁とを有する建設機械に適用される。そして、その原動機制御装置は、第1の操作部材の操作に応じて原動機の第1の設定回転数を設定する第1の設定手段と、第2の操作部材の操作に応じて原動機の第2の設定回転数を設定する第2の設定手段と、第1のモードまたは第2のモードを選択する選択部材と、選択部材により第1のモードが選択されると第1の設定回転数と第2の設定回転数の大きい方の値に原動機回転数を制御し、選択部材により第2のモードが選択されると第2の設定回転数に原動機回転数を制御する回転数制御手段とを備える。
また、本発明による建設機械の原動機制御装置は、第1の操作部材の操作に応じて原動機の第1の設定回転数を設定する第1の設定手段と、第2の操作部材の操作に応じて原動機の第2の設定回転数を設定する第2の設定手段と、第1のモードまたは第2のモードを選択する選択部材と、選択部材により第1のモードが選択されると第1の設定回転数に原動機回転数を制御し、選択部材により第2のモードが選択されると第2の設定回転数に原動機回転数を制御する回転数制御手段とを備える。
これにより第2のモードでは、第1の操作部材を最大操作した状態で第2の操作部材の操作量に応じてアクチュエータの駆動速度を変更することができ、アクチュエータの速度調整が容易になる。
第1の操作部材、第2の操作部材をそれぞれ足踏み式操作部材、手動式操作部材とすることが好ましい。
選択部材は、第2の操作部材の近傍に設けることが好ましい。アクチュエータは、走行モータとすればよい。
走行状態か作業状態かを判定し、走行状態が判定されたときは作業状態が検出されたときより第1の設定回転数を大きな値に設定するようにしてもよい。この場合、ブレーキ非作動と中立操作が検出されると走行状態と判定すればよい。
本発明は、ホイール式油圧ショベルに適用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明が適用されるホイール式油圧ショベルの外観を示す図。
図2は、図1のホイール式油圧ショベルの走行用油圧回路図。
図3は、図1のホイール式油圧ショベルの作業用油圧回路図。
図4は、本発明の実施の形態に係わる原動機制御装置のブロック図。
図5は、図4の制御回路の詳細を示す図。
図6は、エンジン回転数の制御手順を示すフローチャート。
図7は、設定ダイヤルと切換スイッチの配置の一例を示す図。
図8は、図5の変形例を示す図。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図1〜図6を参照して本発明による原動機制御装置をホイール式油圧ショベルに適用した実施の形態を説明する。
図1に示すようにホイール式油圧ショベルは、走行体1と、走行体1の上部に旋回可能に搭載された旋回体2とを有する。旋回体2には運転室3とブーム4a、アーム4b、バケット4cからなる作業用フロントアタッチメント4が設けられている。ブーム4aはブームシリンダ4dの駆動により起伏し、アーム4bはアームシリンダ4eの駆動により起伏し、バケット4cはバケットシリンダ4fの駆動によりクラウドまたはダンプする。走行体1には油圧駆動による走行モータ5が設けられ、走行モータ5の回転はプロペラシャフト、アクスルを介して車輪6(タイヤ)に伝達される。
図2は、図1に示したホイール式油圧ショベルの走行用油圧回路図である。この油圧回路は、原動機10により駆動されるメインポンプ24と、メインポンプ24からの圧油によって駆動する走行モータ5と、メインポンプ24から走行モータ5への圧油の流れを制御するコントロールバルブ25と、パイロットポンプ21と、足踏み式の走行ペダル22aによって駆動されるパイロットバルブ22と、図示しない前後進切換スイッチの操作により前進位置、後進位置、中立位置に切り換えられる前後進切換バルブ23とを備える。
スイッチ操作により前後進切換バルブ23を前進位置または後進位置に切り換え、走行ペダル22aを操作すると、コントロールバルブ25にはパイロットポンプ21からのパイロット圧が作用する。これによりメインポンプ24からの圧油がコントロールバルブ25を介して走行モータ5に供給され、走行モータ5の回転により車両を前進または後進させることができる。パイロットバルブ22には圧力センサ31が接続され、圧力センサ31により走行指令としてのパイロット圧Ptが検出される。
作業用油圧回路の一例として、ブームシリンダの油圧回路を図3に示す。この油圧回路は、メインポンプ26と、メインポンプ26からの圧油によって伸縮するブームシリンダ4dと、メインポンプ26からブームシリンダ4dへの圧油の流れを制御するコントロールバルブ27と、パイロットポンプ21と、操作レバー28aによって駆動されるパイロットバルブ28とを有する。なお、図示は省略するがフロントアタッチメント駆動用の他のアクチュエータの油圧回路も同様である。
操作レバー28aを操作するとその操作量に応じてパイロットバルブ28が駆動され、コントロールバルブ27にはパイロットポンプ21からのパイロット圧が作用する。これによりメインポンプ26からの圧油がコントロールバルブ27を介してブームシリンダ4dに導かれ、ブームシリンダ4dの伸縮によりブーム4aが昇降する。なお、メインポンプ26を省略してメインポンプ24からの圧油によりシリンダ4dを駆動してもよい。
本実施の形態では、後述するペダルモード(第1のモード)またはダイヤルモード(第2のモード)によりエンジン回転数を制御してポンプ吐出量を調整し、車両の速度調整を行う。
図4は、エンジンの回転数を制御する制御回路のブロック図である。エンジン10のガバナレバー11は、リンク機構12を介してパルスモータ13に接続され、パルスモータ13の回転によりエンジン回転数が変更される。すなわちパルスモータ13の正転でエンジン回転数が上昇し、逆転で低下する。ガバナレバー11にはリンク機構12を介してポテンショメータ14が接続され、ポテンショメータ14によりエンジン10の回転数に応じたガバナレバー角度を検出し、エンジン制御回転数Nθとして制御回路30に入力される。
制御回路30には、走行ペダル22aの操作量に応じたパイロット圧力Ptを検出する圧力センサ31と、ブレーキスイッチ32と、前後進切換弁23の切換位置を検出する位置センサ33と、ダイヤル操作量Xに応じた信号を出力してエンジン回転数を指令する手動式の設定ダイヤル34と、ペダルモード、ダイヤルモードを選択的に切り換える切換スイッチ35とがそれぞれ接続されている。
ブレーキスイッチ32は走行、作業および駐車位置に切り換えられて作業/走行信号を出力する。走行位置に切り換えられると駐車ブレーキを解除し、ブレーキペダルによりサービスブレーキの作動を許容する。作業位置に切り換えられると駐車ブレーキとサービスブレーキを作動する。駐車位置に切り換えられると駐車ブレーキを作動する。走行位置に切り換えられるとブレーキスイッチ32はオフ信号を出力し、作業および駐車位置に切り換えられるとオン信号を出力する。
設定ダイヤル34は走行時に操作可能なように運転席近傍の操作パネルに設けられる。切換スイッチ35は設定ダイヤル34から手を離さずに操作が可能なように設定ダイヤル34に隣接して設けられる。設定ダイヤル34と切換スイッチ35の配置の一例を図7に示す。
回転数制御回路30は以下のような演算を実行し、パルスモータ13に制御信号を出力する。
図5は、回転数制御回路30の詳細を説明する概念図である。回転数演算部41,42には、各々図示のように圧力センサ31による検出値Ptと目標回転数Nt,Ndの関係が予め記憶され、この特性から走行ペダル22aの操作量に応じた目標回転数Nt,Ndをそれぞれ演算する。なお、回転数演算部41の特性は走行に適した特性であり、目標回転数演算部42の特性は作業用アタッチメント4を使用して作業を行う場合に適した特性である。これらの特性によれば、ペダル操作量の増加に伴い目標回転数Nt,Ndがアイドル回転数Niから直線的に増加している。目標回転数Ntの増加の傾きは目標回転数Ndの増加の傾きより急であり、目標回転数Ntの最大値Ntmaxは目標回転数Ndの最大値Ndmaxより大きい。
回転数演算部43には、図示のように設定ダイヤル34の操作量Xと目標回転数(設定回転数)Nxの関係が予め記憶され、この特性からダイヤル操作量Xに応じた目標回転数Nxを演算する。なお、目標回転数Nxの最大値Nxmaxは、回転数演算部42の最大値Ndmaxに等しく設定されている(Nxmax=Ndmax)。
選択部44は、ブレーキスイッチ32と位置センサ33と圧力センサ31からの信号に応じて回転数演算部41,42の目標回転数Nt,Ndのいずれか一方を選択する。この場合、ブレーキスイッチ32が走行位置(オフ信号出力)に切り換えられ、かつ、前後進切換弁23が中立位置以外にあり、かつ、走行ペダル22aの操作によるパイロット圧Ptが所定値以上のとき、すなわち走行時には目標回転数Ntを選択し、それ以外の条件、つまり非走行時には目標回転数Ndを選択する。
最大値選択部45は、選択部44で選択された目標回転数NtまたはNdと、回転数演算部43で演算された目標回転数Nxのうち、大きい方の値をNmaxとして選択する。
モード切換部46は、切換スイッチ35からの信号に応じて最大値選択部45で選択された目標回転数Nmaxまたは回転数演算部43で演算された目標回転数Nxのいずれかを選択する。この場合、切換スイッチ35がペダルモードに切り換えられると目標回転数Nmaxを選択し、ダイヤルモードに切り換えられると目標回転数Nxを選択する。
サーボ制御部47は、モード切換部46で選択された回転数(回転数指令値Nin)とポテンショメータ14により検出されたガバナレバー11の変位量に相当する制御回転数Nθとを比較する。そして、図6に示す手順にしたがって両者が一致するようにパルスモータ13を制御する。
図6において、まずステップS21で回転数指令値Ninと制御回転数Nθとをそれぞれ読み込み、ステップS22に進む。ステップS22では、Nθ−Ninの結果を回転数差Aとしてメモリに格納し、ステップS23において、予め定めた基準回転数差Kを用いて、|A|≧Kか否かを判定する。肯定されるとステップS24に進み、回転数差A>0か否かを判定し、A>0ならば制御回転数Nθが回転数指令値Ninよりも大きい、つまり制御回転数が目標回転数よりも高いから、エンジン回転数を下げるためステップS25でモータ逆転を指令する信号をパルスモータ13に出力する。これによりパルスモータ13が逆転しエンジン回転数が低下する。
一方、A≦0ならば制御回転数Nθが回転数指令値Ninよりも小さい、つまり制御回転数が目標回転数よりも低いから、エンジン回転数を上げるためステップS26でモータ正転を指令する信号を出力する。これにより、パルスモータ13が正転し、エンジン回転数が上昇する。ステップS23が否定されるとステップS27に進んでモータ停止信号を出力し、これによりエンジン回転数が一定値に保持される。ステップS25〜S27を実行すると始めに戻る。
次に、本実施の形態に係わる原動機制御装置の特徴的な動作について説明する。
(1)ペダルモード
まず、切換スイッチ35によりペダルモードを選択した場合について説明する。ペダルモードとは走行ペダル22aの操作によりエンジン回転数を設定可能とするものであり、例えば走行時に最大トルクを発生させる通常走行時に適する。
走行時にはブレーキスイッチ32を走行位置に操作し、前後進切換スイッチを前進位置または後進位置に操作し、設定ダイヤル34をアイドル位置に操作する。この状態で走行ペダル22aを操作すると、その操作量に応じてコントロールバルブ25が切り換えられ、メインポンプ24からの圧油により走行モータ5が回転する。
このとき制御回路30での演算により選択部44では目標回転数Ntが選択され、最大値選択部45でも目標回転数Ntが選択される。これにより回転数指令値Ninとして目標回転数Ntがセットされ、サーボ制御によるパルスモータ13への信号出力により、エンジン回転数が目標回転数Ntに制御される。この場合、エンジン回転数は、走行に適した回転数演算部41の特性に従い変更される。したがって、良好な加速性を得ることができるとともに、燃費の向上、および騒音の低減を達成できる。
車両停止状態で作業(掘削など)を行う場合、ブレーキスイッチ32を作業位置に操作し、前後進切換スイッチを中立位置に操作する。この状態で操作レバー28aを操作すると、その操作量に応じてコントロールバルブ27が切り換えられ、ブームシリンダ4dが駆動する。
このとき制御回路30での演算により選択部44では目標回転数Ndが選択され、最大値選択部45では目標回転数Ndと設定ダイヤル34による目標回転数Nxの大きい方の値が選択される。したがって、設定ダイヤル34による目標回転数Nxを作業に適した値にセットしておけば、走行ペダル22aの操作によらずエンジン回転数の変動を抑えることができ、良好な作業性が得られる。
(2)ダイヤルモード
次に、切換スイッチ35によりダイヤルモードを選択した場合について説明する。ダイヤルモードとは、走行ペダル22aの操作によらず、設定ダイヤル34の操作によりエンジン回転数を設定するものであり、図5によれば選択部44,45で回転数が選択されることがなく、設定ダイヤル34で設定された値にエンジン回転数が制御されるものである。このモードでは、エンジン回転数は設定ダイヤル34により設定されるため、走行ペダル22aを操作してもエンジン回転数は変化せず、コントロールバルブ25の切換量のみが変化して速度制御される。したがって、設定ダイヤル34により例えばエンジン回転数を所定の低い回転数に設定しておけば、そのエンジン回転数に対応するメインポンプ24の最大吐出流量に基づく速度を最大速度として設定することができるため、走行速度を所定速度以下に制限したい場合や、車両を定速で走行させる場合に適する。
ダイヤルモード時には、設定ダイヤル34による目標回転数Nxがモード切換部46で選択され、回転数指令値Ninとして目標回転数Nxがセットされる。これにより走行ペダル22aの操作に拘わらずエンジン回転数は目標回転数Nxに制御される。すなわち、ダイヤル操作量に応じて応じてポンプ吐出量が変化する。
したがって、走行ペダル22aを最大操作すると、走行モータ5には目標回転数Nxに応じた圧油が供給され、設定ダイヤル34の操作に応じて車両の最高速度の調整が可能となる。この場合、ダイヤル操作量を増やすとエンジン回転数が増加して最高走行速度が上昇し、ダイヤル操作量を減らすとエンジン回転数が減少して最高走行速度が低下する。これにより走行ペダル22aを最大に踏み込んだ状態で、任意の速度で車両を定速走行することができる。その結果、ペダル操作量を調整する必要がなく、運転者の負担が軽減される。
本実施の形態によれば以下のような効果を奏することができる。
(1) 切換スイッチ35の切換に応じてペダルモードまたはダイヤルモードを選択し、ペダルモードではペダル操作による目標回転数Nt,Ndとダイヤル操作による目標回転数Nxの大きい方の値を選択し、ダイヤルモードではダイヤル操作による目標回転数Nxを選択するようにした。これによりダイヤルモード時に走行ペダル22aを最大操作した場合の車両走行速度はダイヤル操作量Xに応じた値となる。その結果、車両の速度調整が容易になり、定速走行を容易に行うことができる。ペダルモード時には駆動トルクを最大限に発生させることができ、高速走行が容易である。
(2) 切換スイッチ35を設定ダイヤル34の近傍に設けたので、設定ダイヤル34から手を離さずに切換スイッチ35を操作することができる。その結果、定速走行、通常走行の切換を即座に行うことができる。
(3) 走行時の目標回転数Ntの増加の傾きおよび最高回転数Ntmaxが作業時の目標回転数Ndの増加の傾きおよび最高回転数Ndmaxよりそれぞれ大きくなるように、走行用の目標回転数Ntと作業用の目標回転数Ndの特性を別々に設定した。これによりペダルモード時に、良好な走行加速性を得ることができるとともに、作業用の目標回転数Ndの傾きは小さいので作業時のエンジン回転数の調整が容易である。
(4) ブレーキスイッチ32と位置センサ33により走行、作業を検出し、その検出結果に応じて目標回転数NtまたはNdを選択するので、目標回転数選択のための操作を別途行う必要がない。
なお、上記実施の形態では、3つの目標回転数演算部41〜43を設けたが、目標回転数演算部42は省略してもよい。選択部材を切換スイッチ35により構成したが、スイッチ以外の操作部材(例えばダイヤル)により構成してもよい。第2の設定部材を設定ダイヤル34により構成したが、ダイヤル以外の操作部材(例えば押し釦式のスイッチや直線スライド式のスイッチなど)により構成してもよい。判定手段としてブレーキスイッチ32と位置センサ33からの信号により走行状態を判定したが、車速センサ等により走行状態を判定してもよい。
上記実施の形態では、最大値選択部45において、目標回転数NtまたはNdと目標回転数Nxのうち大きい方の値を選択するようにしたが、図8に示すように最大値選択部45を省略してもよい。これにより設定ダイヤル34の操作量に拘わらず、ペダルモード時には走行ペダル22aの操作によりエンジン回転数を設定し、ダイヤルモード時に設定ダイヤル34の操作によりエンジン回転数を設定することができる。すなわち走行ペダル22aと設定ダイヤル34による独立したエンジン制御が可能である。
以上では、走行用油圧モータ5の速度調整を容易にする例を示したが、これに限定されず、例えば車両の上部旋回体を旋回させる旋回用油圧モータに適用してもよい。したがって、第1の操作部材も走行ペダル22aに限定されない。
【産業上の利用の可能性】
以上では、建設機械としてホイール式油圧ショベルを例に挙げて説明したが、ホイール式以外の建設機械にも本発明を適用することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機によって駆動される油圧ポンプと、
この油圧ポンプから吐出される圧油により駆動されるアクチュエータと、
第1の操作部材の操作に応じて前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの圧油の流れを制御する制御弁とを有する建設機械における原動機制御装置において、
前記第1の操作部材の操作に応じて前記原動機の第1の設定回転数を設定する第1の設定手段と、
第2の操作部材の操作に応じて前記原動機の第2の設定回転数を設定する第2の設定手段と、
第1のモードまたは第2のモードを選択する選択部材と、
前記選択部材により第1のモードが選択されると前記第1の設定回転数と前記第2の設定回転数の大きい方の値に原動機回転数を制御し、前記選択部材により第2のモードが選択されると前記第2の設定回転数に原動機回転数を制御する回転数制御手段とを備えることを特徴とする建設機械の原動機制御装置。
【請求項2】
原動機によって駆動される油圧ポンプと、
この油圧ポンプから吐出される圧油により駆動されるアクチュエータと、
第1の操作部材の操作に応じて前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの圧油の流れを制御する制御弁とを有する建設機械における原動機制御装置において、
前記第1の操作部材の操作に応じて前記原動機の第1の設定回転数を設定する第1の設定手段と、
第2の操作部材の操作に応じて前記原動機の第2の設定回転数を設定する第2の設定手段と、
第1のモードまたは第2のモードを選択する選択部材と、
前記選択部材により第1のモードが選択されると前記第1の設定回転数に原動機回転数を制御し、前記選択部材により第2のモードが選択されると前記第2の設定回転数に原動機回転数を制御する回転数制御手段とを備えることを特徴とする建設機械の原動機制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建設機械の原動機制御装置において、
前記第1の操作部材は足踏み式操作部材であり、前記第2の操作部材は手動式操作部材である。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の建設機械の原動機制御装置において、
前記選択部材は、前記第2の操作部材の近傍に設ける。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の建設機械の原動機制御装置において、
前記アクチュエータは、走行モータである。
【請求項6】
請求項5に記載の建設機械の原動機制御装置は、さらに走行状態か作業状態かを判定する判定手段を有し、
前記第1の設定手段は、前記判定手段により走行状態が判定されると、作業状態が検出されたときより前記第1の設定回転数を大きな値に設定する。
【請求項7】
請求項6に記載の建設機械の原動機制御装置において、
前記判定手段は、ブレーキ非作動を検出するブレーキ検出手段と、前記第1の操作部材の中立操作を検出する中立検出手段とを有し、ブレーキ非作動と中立操作が検出されると走行状態と判定する。
【請求項8】
原動機によって駆動される油圧ポンプと、
この油圧ポンプから吐出される圧油により駆動されるアクチュエータと、
第1の操作部材の操作に応じて前記油圧ポンプから前記アクチュエータへの圧油の流れを制御する制御弁と、
請求項1〜7に記載の原動機制御装置を備えるホイール式油圧ショベル。

【国際公開番号】WO2004/029434
【国際公開日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【発行日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−539436(P2004−539436)
【国際出願番号】PCT/JP2002/009964
【国際出願日】平成14年9月26日(2002.9.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】