説明

強化されたスペクトル測定システムに関する装置および方法

スペクトル測定システムからのデータのダイナミックレンジを改善可能な方法および装置を提供する。分光器測定を行う際、画像の品質と、ユーザが所望の特徴を区別する能力を改善することができる光源およびスペクトル測定システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スペクトル測定システムからのデータのダイナミックレンジを改善可能な方法および装置と、分光器測定を行う際、画像の品質と、ユーザが所望の特徴を区別する能力を改善することができる光源およびスペクトル測定システムに関わる。
(関連出願)
【0002】
本出願は、2003年9月26日に出願した係属中の米国暫定特許出願第60/506,408号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
気体、液体、固体、化合物、生体液または組織などの生物学的材料、塗料またはコーティングその他材料の光学特性を測定する方法として、光学分光法が知られる。
【0004】
一般的な分光法は、材料を光で照明してから、材料が送るか放出する光を測定することにより、所望の材料のスペクトル特性を測定する。異なるエネルギーレベルの光に対する材料の相対反応は材料の有益な特性であり、光学シグニチャーとも呼ばれ、材料の性質の特定や材料がどれだけ存在するかを判断するために用いることができる。
【0005】
材料の混合物がある時、混合物の光学的特徴は一般に、混合物の成分の光学的特徴の組合せである。視認検査、またはより一般的にはコンピュータベースアルゴリズムのいずれかによる特定の材料の波長特性の相対量分析を用いて、混合物に存在する材料の量を決定することができる。
【0006】
材料の光学的特徴またはスペクトルは一般に、特定の波長または波長域の発光または吸収の強度として表され、一方の軸に波長、他方の軸に波長の関数としての光度または吸収度を取った二次元グラフで表されることが多い。これらのグラフは形状が単純または複雑で、強度または吸収度の間の範囲は、異なる波長によって非常に大きくなることがある。
【0007】
化合物からの光の吸収または発光の強度の測定に用いる測定道具は一般に分光器または分光計と呼ばれ、周知である。これら装置の限界は、広範囲の強度値にわたって正確な測定が困難なことである。
【0008】
反射分光学の場合を考えると、サンプルによっては、サンプルから発せられる光が関心のある波長の一部で非常に明るく、その他で非常に弱い場合がある。検出器測定範囲をしばしば超過する。
【0009】
検出器もまた、検出システムのスペクトル特性により自身の波長反応を有することが多く、これがさらに正確な測定を行う能力を限定することがある。
【0010】
多くの分光計は、測定する材料を照明するのに好適な光源と共に動作し、材料の所望の光学特性の測定に有益な波長を与えるように設計される。測定装置は一般に、光源の光学特性に対して較正される。これもまた、一部光源は測定に有益な波長を十分に提供しないため、システムの測定能力における限定要因となる。
【0011】
分光器または分光計システムはしばしば、特定の用途または測定する材料に対してセットアップする必要があり、広範囲な化合物の測定について迅速に再構成することが難しい。
【0012】
そのため、改良されたダイナミックレンジと改良された精度を提供し、広範囲なサンプルを正確に測定するため迅速に構成可能なスペクトル測定システムおよび分光学的光源に対する必要が満たされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本書の装置および方法は、分光器システムのようなスペクトル測定システム(すなわち、サンプルから放射される光の波長依存強度分布を測定するシステム)を提供し、このスペクトル測定システムは、コンピュータ管理照明システム(CCIS)と、動作可能にリンクされたコンピュータ制御のスペクトル測定センサ(CCSMS)でもよい、動作可能にリンクされたスペクトル測定センサ(SMS)とからなる。CCISはSMSとインタラクティブに動作し、ダイナミックレンジを拡張し、測定信号対ノイズ比率を改善し、または精度を改善した測定など強化測定を行う。
【0014】
コンピュータ管理照明システムは、可変選択スペクトル出力および可変波長依存強度分布を有する照明光を提供可能なチューナブル光源からなる。ある実施例では、CCISは一般に白色光と呼ばれる広帯域可視照明の光源と、プリズムや回折格子のようなスペクトルフォーマ、画素化SLMのような空間光変調器(SLM)または透過SLMのような好適なチューナブルデバイス、反射SLM、透過SLMのようなチューナブルデバイス、反射SLM(デジタルマイクロミラー装置(DMD)またはシリコン装置の液晶(LCOS)など)または音響光学チューナブルフィルタ(AOTF)からなる。例えば、光源からの光はビームとして波長分散素子に向けられ、波長分散素子はこのビームをスペクトルに分散させ、SLM上に画像化する。SLMの総素(またはその他光制御素子)は迅速に切り替えられ、光の選択した波長および光の選択した波長の選択した量によって照明光を形成し、伝播できるようにする。そして伝播する光は光学的に混合され、分光装置またはシステムの照明経路に向けられる。
【0015】
白色光の利用は、CCISの好適な一実施例であるが、他の波長、例えば紫外線または赤外線を利用することも可能で、また、測定に有益な強い特性放出を持つより狭い帯域の照明または光源、例えば、蛍光励起に有益な365nm、405nm、436nm、546nmその他波長の強い放出を有する水銀アーク灯を用いることができる。
【0016】
SLMはコントローラと動作可能に接続され、コントローラは、SLMの画素のオン/オフパターンを制御するコンピュータ実行プログラミングを含む。コントローラは、システムの残りのあらゆる所望箇所に設置することができる。例えば、コントローラは、照明源のハウジング内部か、ワイヤ、光ファイバケーブル、携帯リンクまたは無線リンクによりシステムの残りに遠隔に接続して設置することができる。必要に応じて、コントローラは一般には単体のコンピュータであるが、複数のリンクされたコンピュータ、複数のリンクされないコンピュータ、フルコンピュータとは別個のコンピュータチップその他好適なコントローラ装置でよく、特定の照明特性、すなわち、サンプル材料のスペクトル特性の測定に適した既知の波長帯に対応する特定の所望の選択されたスペクトル出力および波長依存強度を提供する1個以上のコンピュータ実行プログラムを含むことができる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
1つの様態では、本装置および方法は、可変選択スペクトル出力および可変選択波長依存強度分布を提供するCCISを提供し、CCISは、a)光路に沿って移動する光線からスペクトルを提供可能なスペクトルフォーマ、およびb)スペクトルフォーマの下流に位置し、光学的に接続された画素化SLMで、画素化SLMはSLMに作用するほぼ全ての光を反射し、ある実施例では、光線からの光の反射を少なくとも第1および第2反射光路の間で切替可能であり、少なくとも1個以上の光路はスペクトルフォーマに反射を返さないものとから光路からなる。SLMは、例えば、デジタルマイクロミラー装置またはLCOSでよい。SLMは、画素化SLMの画素のオン/オフパターンを制御してスペクトルの光の所望のセグメントを第1反射光路に反射し、SLMに作用するスペクトルの他のほぼ全ての光を別の光路に反射するコンピュータ実行プログラミングを含む少なくとも1個のコントローラに動作可能に接続され、所望の光セグメントは主に所望の選択スペクトル出力および所望の波長依存強度分布からなる。
【0018】
スペクトルフォーマは、プリズムおよび回折格子の少なくとも一方からなることができ、これは反射回折格子、透過回折格子、可変波長光学フィルタまたはモザイク光学フィルタでよい。このシステムは、スペクトルフォーマとSLMとの間にスペクトルフォーマからSLMへスペクトルの実質的に強化された画像を提供する強化光学素子からなってもよく、ならなくともよい。SLMは第1SLMでよく、所望の光セグメントは、第2SLMの画素のオン/オフパターンを制御して、所望その他の光セグメントを一方向に反射し、スペクトルの他の光を少なくとも1個の別の方向に反射させるコンピュータ実行プログラミングを含む同じコントローラまたは別のコントローラに動作可能に接続された第2SLMに向けることができる。システムはさらに、第1SLMより下流に位置し、照明システムから向ける光線として光を投影する光学投影装置からなることができる。
【0019】
CCISはさらに、SLMに光学的に接続され、これより下流にある照明光検出器からなることができ、照明光検出器はまた、所望のセグメントが所望の選択スペクトル出力と所望の波長依存強度分布を含むか否かを照明光検出器から判断し、画素化SLMの画素のオン/オフパターンを調整して、所望のセグメントと所望の選択スペクトル出力と所望の波長依存強度分布との間の対応を改善することのできるコンピュータ実行プログラミングを含むコントローラに動作可能に接続される。照明光検出器は、少なくとも1個の別の方向の光路に位置することができ、CCD、CID、CMOSおよびフォトダイオードアレイの少なくとも1個からなることができる。
【0020】
別の様態では、本装置および方法は、本書で述べるように可変選択スペクトル出力と波長依存強度分布を有し、サンプル材料に光を投影する大きさのCCISからなるスタンドアロンの光源を提供する。このCCISは、本書で述べる各種素子と、SLMに光学的に接続され、その下流にある投影システムとからなることができ、投影システムは、材料を照射するため向けられた光線として所望のセグメントを投影する。
【0021】
同様の投影システムはまた、本書のスペクトル測定システムの他の構成部品を含む単一ハウジング内に収納した光源に組み込むことができる。例えば、高出力光源、スペクトルフォーマ、強化画像を提供する強化光学素子、SLM、投影システム等の全てを単一ハウジングに設置することができ、これより少ないか多い素子を単一ハウジングに設置することができる。
【0022】
照明源はまた、光源からSLMおよびスペクトルフォーマの少なくとも一方に向けて発せられる望ましくないエネルギーを除去するため、チューナブル光源に動作可能に接続された熱管理システムからなることができる。CCISは例えば、光源からSLM、強化光学素子、スペクトルフォーマの少なくとも1個に向けて発せられた望ましくないエネルギーを除去するため、光源に動作可能に接続された熱除去素子からなることができる。熱除去素子は例えば、スペクトルフォーマと第1SLMとの間、ランプとスペクトルフォーマとの間その他所望の場所に設置することができる。熱除去素子はダイクロイックミラーからなることができる。ダイクロイックミラーは、所望の波長を透過し、望ましくない波長を反射するか、その逆が可能である。望ましくないエネルギーはエネルギー吸収面に向け、ラジエータに熱伝導することができる。熱除去素子は、望ましくない波長を吸収し、所望の波長を透過する液体を含む光学セルでよい。液体は、実質的に水でよく、光学セルとリザーバとの間の再循環経路の流入口および流出口を介して光学セルを流れることができる。再循環経路とリザーバは冷蔵装置からなることができ、これは冷蔵ユニット、熱電クーラーまたは熱交換器でよい。
【0023】
CCISはさらに、空間光変調器に光学的に接続され、これより下流に位置するスペクトル再結合器からなることができ、スペクトル再結合器は、例えばプリズム、ランベルト光学拡散素子、ホログラフィック光学拡散素子のような指向性光拡散器、小型レンズアレイ、または矩形ライトパイプなどからなることができる。一実施例では、スペクトル再結合器は、ライトパイプと、小型レンズアレイおよびホログラフィック光学拡散素子の少なくとも一方との動作可能な組合せからなることができる。
【0024】
CCISまたはスペクトル測定システムは、必要に応じて、分光計その他スペクトル測定システムの照明光ガイドを光源の出力に機械的および/または光学的に接続するためのアダプタその他装置からなることができる。分光計の照明光ガイドは、光ファイバー、光ファイバー束、液体光導体、中空反射光導体または自由空間光学コネクタの少なくとも1個でよい。光導体は、分光計と一体でも、モジュール式で分光計と分離可能でもよい。
【0025】
本装置および方法のある様態では、照明光は、材料から発せられた光で、スペクトル測定に用いる放射光であるもの、またはそうでないものを画像化にも用いるように材料を照射するよう向けられる。かかる画像は、光検出器、光ダイオードアレイ、CCD検出器、CMOS検出器、アバランシェ光ダイオード、その他のタイプの画像装置などのセンサを用いて生成する。
【0026】
本装置および方法のある様態では、照明光は、材料を介して、または容器、サンプリング窓、キュベットその他材料を入れた光学経路を介して透過され、材料に吸収されない透過光を光学測定センサによって測定できるよう、材料を照射するように向けられる。
【0027】
本装置および方法のある様態では、照明光は、材料内の蛍光(その他発せられた光)を励起し、材料から、または容器、サンプリング窓、キュベットその他材料を入れた光学経路を介して光が発せられ、光学測定センサによって測定できるよう、材料を照射するように向けられる。
【0028】
本装置および方法のある様態では、分光計のSMSはフィルタ処理されていないセンサでよい。フィルタ処理されていない画像センサは、センサに作用する光に対するセンサ材料の自然な光学対応に依存して、分光データ信号を生成する。SMSは例えば、光検出器、光ダイオードアレイ、CCD検出器、CMOS検出器、アバランシェ光ダイオードその他タイプの単一センサ素子、センサ素子のリニアアレイ、またはステアリングアレイ検出器などの感知素子の二次元アレイなどのスペクトル測定装置でよい。
【0029】
本装置および方法のある様態では、SMSは、センサに届く光の波長を制限するため、その前に設置される光学フィルタを有することができる。例示するセンサは、線形可変フィルタ、マトリクスフィルタ、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、バンドパスフィルタまたはバンドブロックフィルタを含む。マトリクス光学フィルタは、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、バンドパスフィルタまたはバンドブロックフィルタの少なくとも2個でよい。ロングパスフィルタは、紫外線や蛍光励起光などの望ましくない波長がセンサに作用するのを防ぐのに有益である。ショートパスフィルタは、赤外線などの望ましくない波長がセンサに作用するのを防ぐのに有益である。バンドパスフィルタは、可視光などの選択された1つの波長のみが検出器に作用できるようにするために有益である。バンドブロックフィルタは、蛍光励起光がセンサに作用するのを防ぐのに有益である。線形可変フィルタは、SMSの波長分散素子として回折格子を用いた場合、高次回折がセンサに作用するのを防ぐのに有益である。
【0030】
SMSはまた、測定中の材料から発せられる光との間に介設された波長分散素子を有するセンサでよく、感知素子のアレイ全体に光を分散させ、各感知素子が特定の光波長と関連するよう較正する。
【0031】
本装置および方法のある実施例では、SMSはCCISと同期して、所望の光波長によって照明され、デジタルデータとして捕捉される材料の波長依存エネルギー分布の測定シーケンスを提供することができる。そしてこのデジタルデータを所望に応じて組合せ、または処理して、有益な所望の情報を提供することができる。
【0032】
本装置および方法のある実施例では、SMSはCCISと同期して、所望の光波長で照明し、デジタルスペクトル測定データとして捕捉される材料の測定シーケンスを提供することができる。そしてこのデジタルスペクトル測定データを所望に応じて組合せ、または処理して、有益な情報を提供し、CCISの照明パターンその他を所望に応じて判断することができる。
【0033】
本装置および方法はまた、CCISに同期したSMSからなることができ、SMSはゼロ検出器として動作し、照明光検出器および/またはSMSの強度値が全波長でゼロまたは一定になるまでCCISのスペクトル出力を調整し、減衰照明に関する情報を用いて、照明中の材料の分光プロフィールを導く。
【0034】
本装置および方法の一実施例では、スペクトル測定システムまたはSMSは、既存の市販分光計またはスペクトル測定システムまたは既存市販分光器システムに類似の方法で構築されたカスタム設計の分光器システムの与えるデジタルまたはアナログ分光計信号を受入可能なデータ捕捉装置またはサブシステムを提供する。データ捕捉装置はCCISに一体化してもよく、または分光器システムのモジュール構成要素としてもよい。これは、スペクトル測定システムの各種構成部品の少なくとも1個を制御するコンピュータ実行プログラミングを含むコントローラに動作可能に接続できる。
【0035】
別の実施例では、このコントローラは、SMSから捕捉した材料のスペクトルデータを分析可能で、必要に応じて、材料の照明の強度を調整し、SMSの動作範囲について強化された測定スペクトルを提供できるコンピュータ実行プログラミングを含む。
【0036】
さらに別の実施例では、コントローラは、SMSから捕捉した材料のスペクトルデータを分析可能で、必要に応じて材料の照明の強度を調整し、センサの動作範囲について強化された測定スペクトルを提供でき、照明光の調整に用いた情報を、測定したスペクトルデータを表すのに適した方法で捕捉した分光器データをスケーリングするのに用いながら、各所望波長(一般に全波長)の測定強度間の適切な関係を復元し、測定のダイナミックレンジを拡張するコンピュータ実行プログラミングを含む。
【0037】
CCISおよびSMSはコントローラに動作可能に接続することができ、コントローラは、SMSのデータ取得のタイミングと波長分布とCCISの照明持続時間を制御するコンピュータ実行プログラミングを含む。コントローラまたは分光器データ測定サブシステムは、システムの残りの所望の箇所に設置することができる。例えば、コントローラは、照明源のハウジング内、またはワイヤ、光ファイバケーブル、携帯リンクまたは無線リンクによってシステムの残りと遠隔に接続して設置することができる。必要に応じて、コントローラは一般には単体のコンピュータであるが、複数のリンクされたコンピュータ、複数のリンクされないコンピュータ、フルコンピュータとは別個のコンピュータチップその他好適なコントローラ装置でよく、分光データ取得の制御および/または特定の照明特性、すなわち、分光に適した既知の波長帯に対応する特定の所望の選択されたスペクトル出力および波長依存強度の制御を提供する1個以上のコンピュータ実行プログラムを含むことができる。
【0038】
スペクトル測定システムは、さらに、スペクトル測定データまたはスペクトル測定データのシーケンスから情報を分析し、人間のオペレータにとって意味のある方法でこれを表すことができるコンピュータ制御のスペクトルデータ取得および処理システムからなることができる。
【0039】
さらに別の様態では、本装置および方法は、a)光路に沿って、スペクトルフォーマを介して光線を向け、光線からスペクトルを与えることと、b)スペクトルの所望の光セグメントを与えるSLMなどのチューナブル光フィルタによってスペクトルを伝播し、主に選択したスペクトル出力と選択した波長依存強度分布からなる照明光を与え、照明光をサンプルに伝達してから、サンプルを表すスペクトル、例えばサンプルから反射され、サンプルを透過し、またはサンプルから発せられたスペクトルか、補償スキームから導いたスペクトルを感知する材料のスペクトル測定方法で、サンプルのスペクトルを作成し、ゼロ応答を与え、ゼロ応答を作る照明光調整を判断することを特徴とする。
【0040】
この方法はさらに、スペクトルフォーマと同じで上流のハウジングに位置する光源から光線を発射することからなることができる。この方法はさらに、第1反射光路と第2反射光路との間で修正光線を切り替えることからなることができる。この方法はさらに、スペクトルフォーマとSLMまたはスペクトルフォーマからSLMへスペクトルの実質的に強化された画像を与える他のSLMとの間で強化光学素子によって光線を通過させることからなることができる。
【0041】
この方法はさらに、SLMに光学的に接続され、その下流にある照明光検出器に照明光を送ることからなることができる。照明光検出器は、第2反射光路その他所望の場所に設置してよい。照明光検出器はコントローラに動作可能に接続することができ、コントローラは、照明光が所望の選択されたスペクトル出力および所望の波長依存強度分布を含むか否かを照明光検出器から判断し、そこから、照明光が所望の選択スペクトル出力と所望の波長依存強度分布を含むか否かを判断することができるコンピュータ実行プログラミングを含む。この方法は、SLMを調整し、照明光と所望の選択スペクトル出力と所望の波長依存強度分布との間の対応を改善することからなることができる。さらに別の様態では、本装置および方法は、スタンドアロン光源からの主に所望の選択スペクトル出力と所望の波長依存強度分布からなる修正光の出射からなる。
【0042】
この方法はさらに、投影光線を介した材料の直接照明か、分光計またはその他光学測定システムの光導体に光線を向けることの少なくとも一方により、材料を照明するため出力光線を向けることからなることができる。この方法は、CCISからの照明光によって照明された材料の出射する光の分光データなどの分光器データを捕捉し、処理、分析または表示のために分光データをコンピュータメモリに保存することからなることができる。
【0043】
この方法はさらに、CCISからの照明光で基準材料を照明し、そこから戻る光をSMSで測定し、基準白色材料の測定スケールのハイエンドが平坦な線になるなど、特定の所望基準スペクトルが得られるまで基準材料を照明する光を調整し、基準照明データセットを作るため照明の作成方法に関する情報を保存することからなることができる。これを繰り返し、複数の基準照明データセットのライブラリを作るか、および/または修正して所望の材料固有とし、所望の材料照明データセットを作成することができる。
【0044】
この方法はさらに、所望の材料と基準照明データセットとの比較その他分析または処理によって、所望材料照明データセットの材料の性質および量に関する情報を導くことからなることができる。
【0045】
この方法はさらに、所望の関心材料の特性、例えば、分光装置が爆破検出装置の場合、爆発材料の範囲の特性、または化学的プロセス分析計の不純物の範囲の検出を強化できる照明パターンのシーケンスで材料を照明することからなることができる。かかるシーケンスは、迅速な方法(すなわち毎秒多数のサンプリング)で実行することができる。ある実施例では、照明パターンは、関心材料の特性だが、関心材料の濃度に比例して反応強度が変化し、存在する関心材料の濃度または量を判断することができる。照明パターンはまた、2個以上の関心材料の混合物の特性で、関心材料の各種混合物の濃度に比例して反応強度が変化し、存在する関心材料の濃度または量を判断することができる。この方法はさらに、デジタルまたはアナログ分光データのシーケンスを組合せ、これらを処理または組み合わせて、有益な情報を与える材料の分光データを形成することからなることができる。
【0046】
これらおよびその他の様態、特徴および実施例を、以下の詳細な説明および添付の図面を含み、本書に記載する。本書の記載は、広範囲な様態、特徴および実施例を示し、かかる複数の様態、特徴および実施例は、所望の方法で組合せ、順序を変えることができる。さらに、本書には、一定の装置、システム、方法その他情報について各種参照を記載し、かかる参照は、参照が本書のどこに現れるかにかからわらず、全ての教示および開示について参照によってその全体を本書に組み込む。このように組み込んだ参照には、米国特許第6,781,691号、2004年7月16日出願の「照明の集中および形成に関連する装置および方法」という名称の係属中米国特許出願第10/893,132号、2004年9月27日出願の「カラー撮像内視鏡システムに関連する装置および方法」という名称の係属中米国特許出願、2004年9月27日出願の「照明露光の精密制御に関連する装置および方法」という名称の係属中米国特許出願、2004年9月27日出願の「拡張ダイナミックレンジ撮像内視鏡システムに関連する装置および方法」という名称の係属中米国特許出願、2004年9月27日出願の「光線療法、光線力学療法および診断を実行するための装置および方法」という名称の係属中米国特許出願が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本装置および方法その他は、分光器システム、分光放射測定システム、分光測光システムなどの気体、液体、固体、化合物、生体液または組織などの生物学的材料、塗料またはコーティングその他材料の光学特性を測定するスペクトル測定システムからなる。このスペクトル測定システムは、可変選択スペクトル出力と可変選択波長依存強度分布を持ち、対象材料に対して向けられる照明光を生成および発することのできるコンピュータ制御照明システム(CCIS)からなる。スペクトル測定システムはまた、CCISに動作可能にリンクされ、対象材料からの光を検出し、対象材料からの光の少なくともスペクトル分布と波長依存強度分布を表すスペクトルデータを生成するよう構成されたスペクトル測定センサ(SMS)からなる。さらに、CCISによって生成された光のスペクトル出力と波長依存強度分布は、異なる分光器測定技術に対応するよう可変とすることができる。
【0048】
例えば、照明光のスペクトル分布と波長依存強度分布は、対象材料が照明光を受けた時、対象材料が光を発射、反射または透過しないように変えることができる。また、照明光のスペクトル出力と波長依存強度分布は、発射強度が所望の全波長を通じて実質的に等しいか平坦であるよう、実質的に一定の波長依存強度分布を持つスペクトル出力を有する光を、対象材料が発射、反射および/または透過するよう変えることができる。別の例として、照明光のスペクトル分布と波長依存強度分布は、スペクトル測定システムのダイナミックレンジを強化するよう変えることができる。さらに別の例では、照明光のスペクトル分布と波長依存強度分布は、対象材料の2個以上の構成要素の異なるスペクトル特性を測定するよう変えることができる。さらに別の例では、照明光のスペクトル分布と波長依存強度分布は、対象材料が、実質的に一定の波長依存強度分布を持つスペクトル出力を有する光を発射、反射および/または透過し、照明光スペクトルを、基準材料からの光の同一の実質的に一定な波長依存強度分布スペクトルを生じる基準材料の照明光スペクトルと比較できるよう変えることができる。
【0049】
光に関する一般的な情報を考えると、光のエネルギー分布とは、物体、化合物または生物とのインタラクションの性質を決定するものである。光のエネルギー分布を決定する一般的な方法は、各種波長で光の量または強度を測定し、光のエネルギー分布またはスペクトルを決定することである。特定の目的のために光源からの光を有益にするには、望ましくない波長または強度を除去するか、光の望ましい波長または強度の相対量を強化するよう調整することができる。例えば、高い信号対雑音比率および高い帯域外除去は、光のスペクトル特性を強化する。
【0050】
システムからなるキットその他を含むか、システムまたは方法を製造または実行するための本書によるシステムおよび方法は、どの色または波長の光をシステムから投影するか、および各波長をどのくらいの強度にするかを選択的かつ可変的に決定する能力を提供する。この波長は単一波長、単一帯域波長、波長/波長帯域の群、または光線の全波長でよい。光が、波長/波長帯域の群からなる場合、その群は、連続的でも非連続的でもよい。波長は、ある波長に対する別の波長の相対レベルを増減できるよう(ある波長群の1つの波長の強度を下げることで、下げた波長に対して別の波長を効果的に上げるなど)、減衰することができる。このようなスペクトル出力および波長依存強度分布の細かい制御により、単一の照明システムで分光器のために高度に専門化した照明光を提供することができるため、有利である。
【0051】
(定義)
以下のパラグラフにおいて、本書で用いる用語の一部を定義する。本書で用いる用語はすべて、この部分で下記に特に記載するものを含み、文脈または定義で別に指定しない限り、通常の意味に従って用いられる。また、別に指定しない限り、請求の範囲中で用いられる場合を除き、「または」の利用は「および」を含み、逆もまた当てはまる。非限定的用語は、明示的に記載されない限り限定的と解釈してはならない(例えば、「を含む」および「からなる」は、明示的に別に記載されない限り、「限定せずに含む」を意味する)。
【0052】
「コントローラ」とは、本書の装置および方法の空間光変調器、検出器その他要素を制御可能な装置である。「コントローラ」は、コンピュータ実行プログラミングを含むか、これにリンクされる。一般に、コントローラは、中央処理装置(CPU)からなる1個以上のコンピュータその他装置からなり、他の装置を指示して、画素化SLMの画素のオン/オフパターン、画素化光検出器(電荷結合素子(CCD)や電荷注入素子(CID)など)の画素のオン/オフ状態などの一定の機能または行動を実行させ、および/または検出器から得たデータを編集し、これには、かかるデータを用いて画像を作成または再構築することや、上流空間光変調器を制御するためのフィードバックが含まれる。コンピュータは、コード化されたデータを保存可能で、数学的または論理的オペレーションを高速で実行するよう設定またはプログラムすることができる電子装置からなる。コントローラは周知であり、本装置および方法の特定の様態のために、望ましいコントローラを選択することは、本開示に鑑み、技術の範囲内である。
【0053】
「空間光変調器」(SLM)は、選択的に光を変調することができる装置である。本装置および方法は、照明システムの光路に配設された1個以上の空間光変調器からなる。画素化空間光変調器は個々の画素のアレイからなり、個々の画素は、光路に沿って光を透過、反射または送出するか、あるいは光をブロックし、これが光路に沿って連続するのを防ぐか中断するような光通過特性を有する複数のスポットである。かかる画素化アレイは周知で、複数パターンのアパーチャアレイとも呼ばれ、強誘電体液晶デバイス、電気泳動ディスプレイ、または静電マイクロシャッターのアレイによって形成することができる。米国特許第5,587,832号、米国特許第5,121,239号、R.Vuelleumier、「新しい電気機械的マイクロシャッター表示装置」、Eurodisplay’84議事録、ディスプレイ研究会議、1984年9月参照。
【0054】
反射画素化SLMは、少なくとも2つの異なる反射角度の間で切替可能な高反射ミラーのアレイからなる。反射画素化SLMの一例は、デジタルマイクロミラー装置(DMD)ならびにその他微小電気機械的構造(MEMS)である。DMDは、米国テキサス州ダラスのTexas Instruments, Inc.から入手可能である。この実施例では、ミラーは3種類の状態を有する。パークまたは「0」状態では、ミラーはアレイの面と平行で、アレイからまっすぐ戻る直行光を反射する。ある通電状態または「−10」状態では、ミラーはアレイの面に対して−10°で固定される。第2の通電状態または「+10」状態では、ミラーはアレイの面に対して+10°で固定される。他の変位角も可能で、この装置の異なるモデルで利用可能である。ミラーが「オン」位置にある時、ミラーに当たる光は照明光路に向けられる。ミラーが「オフ」位置にある時、光は照明光路から離れて向けられる。オンとオフは、通電または非通電状態に対応するよう選択することができ、また、オンとオフは、異なる通電状態に対応して選択することができる。必要に応じて、投影光路から離れて向けられた光も集光し、あらゆる所望の目的に用いることができる(言い換えると、DMDは同時または連続して2個以上の有益な光路を提供できる)。DMDのパターンは、2個以上のスペクトルおよび強度分布を同時または連続して生成するよう構成可能で、DMDの異なる部分を用いて、2個以上の異なる投影光路に沿って投影または画像化を行うことができる。
【0055】
「スペクトルフォーマ」は、光線をそれぞれのスペクトル成分に分離するプリズム、屈折回折格子や透過回折格子などの平面または曲面の回折格子、線形可変波長フィルタその他空間的に可変の波長フィルタやモザイク光学フィルタからなる光学フィルタ等、あらゆる所望の光学および/または電気素子でよい。線形可変波長フィルタは、JDS Uniphase社のOCLIによるフィルタのような透過された波長がフィルタの面を通じて変化する光学フィルタで、透過波長は、フィルタの一端から他端への入射光の位置の間で連続的に変化する。このフィルタは、線形可変、非線形可変または段階的可変でよい。
【0056】
「照明光路」は、光源から対象またはシーンへの光路で、「検出光路」は、サンプルから発せられた光(例えば、サンプルから反射された光、サンプルから発射(例、蛍光)された光、サンプルを透過した光)の検出器までの光路である。この光は、紫外線(UV)、青色光、可視光、近赤外線(NIR)および赤外線(IR)を含む。
【0057】
「上流」および「下流」はその従来の意味で用いられ、上流はある装置が光源に近いことを示し、下流はある物体が光源から離れていることを示す。
【0058】
本装置および方法の範囲には、手段プラス機能およびステッププラス機能概念の両方を含む。しかしながら、本出願に記載する用語は、「手段」という単語が特に請求の範囲に記載されていない限り、請求の範囲では「手段プラス機能」関係を示すとして解釈せず、「手段」という単語が請求の範囲に特に記載されている場合、請求の範囲では「手段プラス機能」関係を示すとして解釈する。同様に、本出願に記載する用語は、「ステップ」という単語が特に請求の範囲に記載されていない限り、方法またはプロセスの請求の範囲では「ステッププラス機能」関係を示すとして解釈せず、「ステップ」という単語が請求の範囲に特に記載されている場合、請求の範囲では「ステッププラス機能」関係を示すとして解釈する。
【0059】
本出願の他の用語およびフレーズは、上記定義および本出願の他の部分に従って定義される。
【0060】
図1Aおよび図1Bは、本発明の実施例によるスペクトル測定システム10の略図である。スペクトル測定システム10は、照明光14を生成および出射するCCIS12と、対象材料20からの出射光18を検出するよう構成されたスペクトル測定センサ16とからなる。照明光14は、必要に応じて変えるスペクトル出力および波長依存強度分布からなり、対象材料20に向けられる。対象材料20は照明光14を受け、照明光14の全部または一部を吸収し、照明光14の全部または一部を反射(図1A)し、照明光14の全部または一部を透過(図1B)し、光を発し(図示せず)、対象材料からの出射光18を生成するか、照明光とインタラクトする。すると、スペクトル測定センサ16は出射光18を検出し、出射光18の少なくともスペクトル分布と波長依存強度分布を表すデータを生成する。ある実施例では、スペクトル測定システム10は、データ捕捉装置とデータ取得および処理装置の少なくとも一方からなる。データ捕捉装置はコンピュータ制御照明装置12とスペクトル測定センサ16の少なくとも一方からのデータを将来必要に応じて利用するため記録するよう動作可能である。データ取得および処理装置は、コンピュータ制御照明装置12とスペクトル測定センサ16の少なくとも一方からのデータを必要に応じて利用するため分析するよう動作可能である。データ捕捉装置とデータ取得および処理装置は、例えば、スペクトル測定コンピュータ16の一部または図2に示すコントローラ24の一部でよい。
【0061】
図2は、本発明の実施例によるCCIS12の略図である。CCIS12は、照明光14を生成および発射するためのチューナブル光源22と、照明光14のスペクトル出力および波長依存強度分布を変化させて所望の照明光14を与えるコントローラ24とからなる。
【0062】
チューナブル光源22は、白色光または無支援の人間の目に対して可視である光から、一定の色および強度のみ含む色まで、実質的にあらゆる所望の色および強度の光を提供する。特定の波長、波長帯域または波長セットを意味する色または「スペクトル出力」と、「波長依存強度分布」を意味する強度は、必要に応じて組み合わせ、変化させることができる。チューナブル光源はまた、UV光や赤外光など他の種類の光も提供することができる。
【0063】
チューナブル光源22は、光28を生成する光源26と、所望のスペクトル出力と波長依存強度分布を生成するチューナブルフィルタ30とからなる。チューナブルフィルタ30は、光源26からの光28を変調可能なあらゆる所望の装置でよい。例えば、チューナブルフィルタ22は、光28をそのスペクトル成分34に分けるスペクトルフォーマ32と、選択したスペクトル成分を組み合わせ、所望のスペクトル出力と波長依存強度分布を有する照明光14を生成し、選択したスペクトル成分から望ましくないスペクトル成分38を分離する画素化SLM36とからなることができる。画素化SLM36の個々の画素を選択的にオンまたはオフすることにより、所望のスペクトル出力と所望の波長依存強度分布を有する照明光14を生成することができる。例えば、典型的な線形スペクトルの光の純粋な緑線のみなど、スペクトル成分34から光の狭い波長1つのみを生成したり、非線形スペクトルを生成することができる。オンまたはオフする画素の一部のデューティサイクルを変えることで、実質的に光のあらゆるスペクトル分布を作成することが出来る。画素化SLM32は透過形あるいは反射形でよい。他の実施例では、チューナブルフィルタは、音響光学的チューナブルフィルタ、LCOSその他所望のチューナブル装置からなることができる。好適なチューナブル光源は、米国特許第6,781,691号および米国特許出願第10/893,132号に記載される。
【0064】
ある実施例では、CCIS12は、照明光14を検出し、照明光14のスペクトル出力と波長依存強度分布を表すデータをコントローラ24に送信するための照明光検出器40からなることができる。照明光検出器40は、照明光14を感知し、照明光14のスペクトル分布と波長依存強度分布を表すデータを生成できるあらゆる所望の装置でよい。例えば、照明光検出器40は、分光計、分光放射計、電荷結合素子(CCD)、電荷注入素子(CID)相補型MOS(CMOS)および光ダイオードアレイからなることができる。ある実施例では、照明光検出器40は、レンズ42などのビームスプリッタから照明光14を受け、対象材料に向けて投影された照明光14がセンサ40に影響されないようにする。
【0065】
コントローラ24は、チューナブル光源22に照明光14のスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させるよう命じるコンピュータ実行プログラミングを含む。ある実施例では、コントローラは、スペクトル測定センサ16(図1Aおよび図1B)と照明光検出器40の少なくとも一方に動作可能に接続することができ、センサ16および40の一方または両方をチューナブル光源22と協調させ、照明光14のスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させることができる。このようなスペクトル測定センサ16との協調は一般に、スペクトル測定センサ16によって生成されたデータを受け取り、スペクトル出力および/または波長依存強度分布を変化させて1以上の異なる分光器測定技術(図3から図8Dと共により詳細に説明)を実行することからなる。このようなセンサ40との協調は一般に、照明光14のスペクトル出力と波長依存強度分布が選択されたスペクトル出力と波長依存強度分布であるか否かを判断し、照明光14のスペクトル出力および/または波長依存強度分布を必要に応じて変化させることからなる。ある実施例では、コントローラ20はSLM32に動作可能に接続され、コンピュータ実行プログラミングが画素のオン/オフパターンを制御する。好適なコントローラについては例えば米国特許第6,781,691号および米国特許出願第10/893,132号に記載される。
【0066】
ある実施例では、コントローラ24は、データ捕捉装置とデータ取得および処理装置の少なくとも一方からなることができる。処理済データにより、コントローラ24は、人間のオペレータによる分光器測定や評価の進行のモニタなど、あらゆる所望の理由について表示するデジタル画像などの画像を生成することができる。さらに、コントローラ24は、CCIS12によって生成された照明光のスペクトル出力、波長依存強度分布またはその両方を変化させるか否か、させる場合はどの程度かを判断するため、処理済データを利用することができる。
【0067】
CCIS12は、必要に応じて他の構成部品からなることができる。例えば、CCIS12は、対象材料20に向かって照明光14を投影する投影システムと、チューナブル光源22によって生成された望ましくないエネルギーを除去するための熱管理システムの少なくとも一方からなることができる。投影システムは、対象材料20領域上の照明光14の被覆領域の幾何学的形状を拡大、縮小または変更することが望ましく、これを達成するあらゆる所望の光学装置からなることができる。例えば、投影システムはレンズを含み、照明光14を、投影システムがない場合の被覆領域より小さい対象材料20の領域に焦点を合わせることができ、または、投影システムは、投影システムがない場合の被覆領域より大きい対象材料20の領域に照明光を分散することができ、および/または、投影システムは、矩形サンプルに対応する細長い領域等、照明する対象材料の領域の形状に対応する形状の照明光14を投影するよう、照明光14を修正することができる。熱管理システムはあらゆる所望の構成部品または構成部品のアセンブリからなることができ、光源26から発せられた望ましくないエネルギーを除去するためチューナブル光源22に対して構成することができる。例えば、熱管理システムは、エネルギー吸収面、望ましくはラジエータに熱を伝導するよう熱的に接続されたエネルギー吸収面、または水などの望ましくない波長を吸収し所望の波長を透過する液体を含む光学セルからなることができる。熱管理システムが光学セルからなる実施例では、光学セルはまた、新しい液体を供給できるよう流入口と流出口とからなり、液体は必要に応じて光学セルとリザーバとの間の再循環経路を流れることができる。再循環経路またはリザーバはさらに、冷蔵ユニット、熱電クーラおよび熱交換器などの冷却装置からなることができる。好適な投影および熱管理システムについては、米国特許第6,781,691号および米国特許出願第10/893,132号に記載される。
【0068】
コンピュータ制御照明システム12は、所望のスペクトル出力と波長依存強度分布を有する照明光14を提供でき、必要に応じてスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させることができるため、スペクトル測定システム10は、広範囲な分光器測定技術を実行するために容易に利用することができる。例えば、照明光14のスペクトル分布と波長依存強度分布は、対象材料20が照明光14を受ける時、対象材料が出射光18を発せず(図1Aおよび図1B)出射光18を反射したり、出射光18を透過したりしないよう、変化させることができる。あるいは、照明光14のスペクトル出力と波長依存強度分布は、対象材料が、実質的に一定の波長依存強度分布のスペクトル出力を有する出射光18を発し、反射し、および/または透過するよう変化させることができる。別の例として、照明光14のスペクトル分布と波長依存強度分布は、スペクトル測定システム10のダイナミックレンジを強化するよう変化させることができる。さらに別の例では、照明光14のスペクトル分布と波長依存強度分布は、対象材料20の2個以上の成分の異なるスペクトル特性を測定するよう変化させることができる。さらに別の例では、照明光14のスペクトル分布と波長依存強度分布は、対象材料20が、実質的に一定の波長依存強度分布のスペクトル出力を有する出射光18を発し、反射しおよび/または透過するよう変化させ、照明光スペクトルを基準材料からの光の同じ実質的に一定な波長依存強度分布スペクトルを生成する基準材料の照明光スペクトルと比較することができる。
【0069】
図3は、チューナブル光源22(図2)によって、あらゆる所望のスペクトル出力および波長依存強度分布を有する照明光14(図1Aから図2)に修正された光22(図2)の略図である。例えば、照明光14のスペクトル出力および波長依存強度分布は、スペクトル50からなることができる。スペクトル50は、光源26(図2)からの光22のスペクトル52から生成することができ、実質的に一定の波長依存強度分布の広いスペクトル出力を含むことができる。あるいは、照明光14のスペクトル出力と波長依存強度分布は、スペクトル52から生成でき、狭いスペクトル出力を含むスペクトル54からなることができる。あるいは、照明光14のスペクトル出力と波長依存強度分布は、スペクトル52から生成でき、任意の波長依存強度分布の任意のスペクトル出力を含むスペクトル56からなることができる。
【0070】
CCIS12は、無限の範囲のスペクトル出力と波長依存強度分布を有する照明光14を生成することができるため、スペクトル測定システム10(図1Aおよび1B)を容易に適合して、多くの異なる対象材料のスペクトル特性を効率的に測定することができる。
【0071】
図4は、本発明の実施例により、時間をかけて波長範囲全体に実質的に一定の波長依存強度分布の狭いスペクトル出力をシーケンスまたは掃引することによって生成された照明光14(図1Aから図2)の略図である。例えば、まず第1インスタントにおいて、チューナブル光源22は約425から450ナノメータの波長スペクトル出力を有する照明光14のスペクトル58を生成する。そして、1ミリ秒ほどの短さを含む第1インスタント後のあらゆる期間でよい第2インスタントにおいて、チューナブル光源22は約450から475ナノメータの波長スペクトル出力を有する照明光14のスペクトルを生成することができる。実質的に一定の波長依存強度分布を持つ狭いスペクトル出力を所望の波長範囲にわたって掃引した後、照明光の連続スペクトルのそれぞれに対応する対象材料20(図1Aおよび図1B)からの出射光18(図1Aおよび図1B)の個々のスペクトルを組み合わせてスペクトル59を作る。
【0072】
別の実施例では、時間をかけて波長範囲全体に実質的に一定の波長依存強度分布の狭いスペクトル出力をシーケンスまたは掃引することを、同一または異なる波長範囲について反復できる。シーケンスまたは掃引の反復は、時間をかけて対象材料のスペクトル特性の変化を測定し、および/または対象材料のスペクトル特性の異なる光学特性を測定し、対象材料20の異なる成分の決定に用いるために望ましい。
【0073】
図5aは、スペクトル出力と波長依存強度分布を有する照明光14(図1Aから図2)の略図で、そのスペクトル出力は本発明の実施例により時間と共に波長依存強度分布でのみ変化する。スペクトル60、61、62のそれぞれは、実質的に同じスペクトル出力だが、異なる波長依存強度分布を有する照明光14を表す。照明光14の波長依存強度分布のみ変えることは、対象材料20のスペクトル特性が、狭いスペクトル出力より広い範囲を有するスペクトル出力の波長依存強度分布の変化に敏感な時に望ましい。図5bは、グラフ64、65および66に示すように、実質的に異なるスペクトル出力と実質的に異なる波長依存強度分布を有する照明光14(図1Aから図2)の略図である。このようにスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させる。
【0074】
図6A、6Bおよび6Cは、本発明の実施例による、スペクトル測定システム10(図1Aおよび1B)のダイナミックレンジ拡張の略図で、時間と共に広い波長範囲を掃引する狭いスペクトル出力を有する照明光を生成および用いる。
【0075】
ダイナミックレンジ拡張は、照明光14(図1Aから図2)のスペクトル出力の一部の波長依存強度分布を変え、スペクトル測定センサ16(図1Aおよび1B)の過剰露光および/または露光不足を補うプロセスである。過剰露光および露光不足は、通常のカメラで撮影する画の過剰露光または露光不足に似て、スペクトル測定センサ16によって生成されたデータから形成した画像が、対象材料のスペクトル特性を正確に表示しないことを意味する。従来は、過剰露光および露光不足は、対象材料に向けられた照明光の全波長の強度を増減することにより補正していた。しかし、過剰露光および露光不足は照明光のスペクトルの1つまたは数種の波長による場合が多いため、照明光の全波長の強度の増減は、過剰露光および/または露光不足の原因でない照明光の一定の波長の強度を有害に増減してしまうことがしばしばあった。そのため、対象材料20(図1Aおよび図1B)の表示スペクトル特性の精度が悪影響を受けることがある。
【0076】
チューナブル光源22により、過剰露光および/または露光不足の原因となるスペクトル出力の一部の波長依存強度分布を、スペクトル出力の残りの部分の波長依存強度分布を増減せずに必要に応じて増減できる。その結果、スペクトル測定システム10(図1Aおよび図1B)のダイナミックレンジを拡張して、対象材料のスペクトル特性をより正確に測定できるようになる。センサのダイナミックレンジの拡張については、例えば、2003年9月26日出願の「拡張ダイナミックレンジ撮像内視鏡システムに関連する装置および方法」という名称の米国暫定特許出願第60/506,273号および2004年9月27日出願の「拡張ダイナミックレンジ撮像内視鏡システムに関連する装置および方法」という名称の米国特許出願にさらに記載される。
【0077】
図6Aは、時間と共に掃引される広い波長範囲の一定の波長によって過剰露光されているスペクトル測定システム10のスペクトル測定センサ16の略図である。チューナブル光源22(図2)は、図4と共に説明したように、スペクトル68からなる照明光14を生成することができる。照明光14の各連続スペクトルに対応する対象材料20からの出射光18(図1Aおよび図1B)の個々のスペクトルを組み合わせて、スペクトル70を作る。スペクトル70は、例えば約550ナノメータから600ナノメータの波長からなる波長範囲で、スペクトル測定センサ16を過剰露光するような波長を含む。
【0078】
図6Bは、時間と共に掃引した広い波長範囲の全波長の波長依存強度分布を下げた後の図6Aで略図で示した照明光14の略図である。その結果、照明光はスペクトル72からなり、照明光14の各連続スペクトルに対応する対象材料20からの出射光18の個々のスペクトルを組み合わせてスペクトル74を作る。広いスペクトルの全波長の波長依存強度分布を下げることにより、スペクトル74が含む波長は強度が非常に低くなり、センサ16はこれらを正確に検出することができない。そのため、対象材料のスペクトル特性の測定は不正確になることがある。
【0079】
図6Cは、時間と共に掃引した広い範囲の波長の一部の波長依存強度分布を選択的に下げた後の図6Aに略図で示す照明光14の略図である。その結果、照明光はスペクトル76、78および80からなり、照明光14の各連続スペクトルに対応する対象材料20からの出射光18の個々のスペクトルを組み合わせてスペクトル82を作る。スペクトル測定センサ16の過剰露光を生じる広いスペクトルの中の波長のみ波長依存強度分布を下げることで、スペクトル82の実質的に全ての波長がセンサの最適感度範囲に対応する強度を持つ。そのため、対象材料のスペクトル特性の測定が、センサの許す限り正確となる。
【0080】
図7A、図7Bおよび図7Cは、本発明の実施例による、広いスペクトル出力を有する照明光14(図1Aから図2)を生成し、これを用いるスペクトル測定システム10(図1A、図1B)のダイナミックレンジ拡張の略図である。図7Aから図7Cに示すスペクトル測定システム10のダイナミックレンジ拡張の略図は、図6Aから図6Cに示すシステム10のダイナミックレンジ拡張の略図と類似である。図7Aから図7Cと図6Aから図6Cに示すダイナミックレンジ拡張の主な差は、照明光14の生成プロセスが異なることである。
【0081】
図7Aは、照明光14のスペクトル出力の一定の波長によって過剰露光されているスペクトル測定システム10のスペクトル測定センサ16の略図である。スペクトル84は、照明光14のスペクトル出力と波長強度分布を表し、スペクトル86は、対象材料20がスペクトル84に表される照明光14を受けた後の、対象材料20からの出射光18(図1Aおよび図1B)の波長の範囲とそれぞれの強度を表す。
【0082】
図7Bは、スペクトル出力の全波長の波長依存強度分布を下げた後の図7Aに略図で示す照明光14の略図である。スペクトル88は、照明光14のスペクトル出力と波長強度分布を表し、スペクトル90は、対象材料20がスペクトル88で表す照明光14を受けた後の、対象材料20からの出射光18の波長の範囲およびそれぞれの強度を表す。
【0083】
図7Cは、スペクトル出力の一部の波長依存強度分布を下げた後の図7Aに略図で示す照明光14の略図である。スペクトル92は、照明光14のスペクトル出力と波長強度分布を表し、スペクトル94は、対象材料20がスペクトル92で表す照明光14を受けた後の、対象材料20からの出射光18の波長の範囲およびそれぞれの強度を表す。
【0084】
図8A、図8B、図8Cおよび図8Dは、既知の基準対象材料96と未知の対象材料20(図1Aから図2)を含む複数の測定の略図である。基準対象材料96と、照明光14を受けた後、既知の基準対象材料96からの出射光18(図1Aおよび図1B)の一定のスペクトル出力と波長依存強度分布を生成する照明光14(図1Aおよび図1B)のスペクトル出力と波長依存強度分布を知ることで、同じか実質的に同じ出射光18を生成する同じ照明光14を用いて、スペクトル出力と波長依存強度分布から未知の対象材料を決定することができる。
【0085】
既知の基準対象材料96は、未知の対象材料20と同じ材料であってもよく、そうでなくてもよい。既知の基準対象材料と未知の対象材料が同じ場合、実質的に同じ照明光からのそのスペクトル出力と波長依存強度分布は実質的に同じになる。しかし、既知の基準対象材料と未知の対象材料が同じでない場合、未知の対象材料の決定は、例えば、同じ照明光でそれらを照射してから、これにより生じたサンプルから発するスペクトルを比較するか、同じか実質的に同じ出射光を生成するよう構成された異なる照明光でこれらを照射してから、照明光の類似または相違を分析することからなることができる。既知の基準対象材料96と未知の対象材料20からの出射光18の、同じか、実質的に同じスペクトル出力と波長依存強度分布は、例えば、光の非存在(照明光が実質的強度を持っていても、すなわち、対象材料20および96が出射光18を発せず、反射せず、透過しない)、実質的に一定の波長依存強度分布を有するスペクトル出力(例:図8Bおよび図8D)からなる。他の実施例では、変化させた波長依存強度分布を有するスペクトル出力を異ならせた異なる照明光を、光の各種相違および類似を比較対照するコンピュータプログラムと共に用いて1個あるいは2個以上の考えられる一致を決定する。
【0086】
図8Aおよび図8Bは、基準対象材料96の材料に対応するデータと、出射光18aの一定のスペクトル出力と波長依存強度分布に対応するデータと、照明光14aのスペクトル出力と波長依存強度分布に対応するデータとからなる基準照明データセットの生成の略図である。ある実施例では、2個以上の基準照明データセットは、データセットのライブラリからなることができる。ライブラリの各データセットは、実質的に同じ条件下で生成することができ、例えば、基準対象材料96と各データセットの一定のスペクトル出力と波長依存強度分布は実質的に同じでよい。これは、より正確な比較のためデータ値の平均を出す合成データセットを設けるために望ましい。他の実施例では、ライブラリの各データセットは異なる条件下で生成することができ、例えば、基準対象材料96を各データセットに対して変化させ、および/または一定のスペクトル出力と波長依存強度分布を各データセットに対して変化させることができる。これは、未知の対象材料に厳密に一致する基準材料を設けるために望ましい。
【0087】
図8Aは、既知の基準対象材料96からの出射光18bのスペクトル分布と波長依存強度分布を検出するステップの略図である。チューナブル光源22(図2)は、スペクトル98からなる照明光14bを生成する。スペクトル測定センサ16(図1Aおよび図1B)は、既知の基準対象材料96が照明光14bを受けた後、スペクトル100からなる出射光18bを検出する。
【0088】
図8Bは、照明光14bのスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させ、光のスペクトルを通じて実質的に一定の強度を有する基準材料から出射光18aを生成する次のステップの略図である。チューナブル光源22は、照明光14aを生成するため照明光を変化させ、スペクトル102を生じさせる。スペクトル測定センサ16は、既知の基準対象材料96が照明光14aを受けた後、スペクトル104からなる出射光18aを検出する。スペクトル104は、実質的に一定の波長依存強度分布を有するスペクトル出力からなる。
【0089】
図8Cおよび図8Dは、出射光18a(図8B)と同じか実質的に同じスペクトル分布波長依存強度分布を有する未知の対象材料20からの出射光18cを生成するための照明光14cの生成の略図である。
【0090】
図8Cは、未知の対象材料20からの出射光18のスペクトル分布および波長依存強度分布を検出するステップの略図である。チューナブル光源22(図2)は、スペクトル106からなる照明光14dを生成する。図の実施例では、照明光14dとスペクトル106は、照明光14およびスペクトル104と実質的に同じである。対象サンプル20が基準サンプル96と同じだった場合、スペクトル108がスペクトル104と実質的に同じになる。しかしながら、図の実施例では、対象サンプルは基準サンプル96と異なり、異なるスペクトル108が得られる。スペクトル測定センサ16(図1Aおよび図1B)は、既知の基準対象材料96が照明光14bを受けた後、スペクトル108からなる出射光18dを検出する。
【0091】
図8Dは、チューナブル光源22を用いて照明光のスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させ、未知の対象材料20からスペクトルを通じて実質的に一定の強度の出射光18cを生成するスペクトル110を有する照明光14cを生成することからなる次のステップの略図である。スペクトル測定センサ16は、未知の対象材料20が照明光14cを受けた後、スペクトル112からなる出射光18cを検出する。スペクトル112は、スペクトル104(図8B)のように実質的に一定の波長依存強度分布を有するスペクトル出力からなる。
【0092】
ある様態では、本発明は、デジタルでも非デジタルでもよい、特定のチューナブル光源からなる本書で説明するような光エンジンとそれに関連する方法を含む。本書の他に述べるように、これらシステムおよび方法の1つの様態は、例えば、曇のない空の下の10月14日のオーストラリア、シドニーの正午、または精密に442nmの医療的に有益な光などの精密に所望される波長パターンに対応する精細調整した可変波長範囲をエンジンが提供できるような能力に関連する。例えば、このようなスペクトルは、一般に広いスペクトル光源(必要に応じて一部実施例では狭いスペクトル光源を用いることができる)からの光の分散スペクトルを受け、デジタル光プロセッサによってスペクトル全体で所望の波長および波長強度を選択できるようにして、光の波長の所望の強度分布を与えることによって作られる。すると、オリジナル光源からの残りの光はヒートシンク、ライトシンクに分路されるか、その他処分される(あるインスタンスでは、未使用の光はそれ自体、出射光などを測定する追加光源として用いることができる)。
【0093】
本発明では、ヒートシンクに分路される光または対象に送られる光のいずれかまたは両方、あるいはその他必要に応じて光を測定する。光がライトシンクへの光を含む場合、必要に応じて、測定は光源からのスペクトル分布と測定された光の比較統合を含み、ライトエンジンから投影される光を決定することができる。例えば、ライトシンクからの光を光源からの光から減じて、対象に送る光を含めて提供することができる。そして光源のボリュームを適宜上下させ、所望の量の光を対象に与えながら、所望以上の光、所望以上のパワーを光源から発せず、また用いないようにする。これまで、ある光源のパワー入力/出力を増減させることは、光源の波長プロフィールを変化させてしまうため望ましくないことが多かった。本システムおよび方法では、光源の改変された波長出力を検出し、デジタル光プロセッサをこれに適合するよう修正し、対象に究極的に投影された光が所望の波長強度分布であり続けるようにしたため、このことが問題とならない。
【0094】
この様態は、次のように図9のフローチャートに示される。スペクトル全体の波長強度分布は正しいか?正しい場合、分析を続け、正しくない場合、スペクトル全体の波長強度分布を必要に応じて変更する。強度対象光分布は適切か?適切でない場合、光源からのパワー出力を上げ、繰り返す。適切な場合、次のステップに進む。余分な光があるか(例えば、ライトシンクに送られる)?ある場合、光源へ/からのパワーを下げる。ない場合、許容可能として、そのままにする。パワーを増減する場合。スペクトル分布(例:対象へ発せられる光および/または光パワー源から発せられる光)を再チェックし、変化している場合、デジタル光プロセッサを変化したスペクトル入力に適合するよう再構成する。ライトエンジンが変更された場合、光源のボリュームが上下されたか再度評価する。必要に応じて繰り返す。
【0095】
本書の各種実施例のその他利点は、このシステムがよりパワーフレンドリーで、熱の生成が少ないため、堅牢なパーツの必要性が小さく、さらに、例えば生成される熱の削減や、伝達される電気の削減および透過される光の削減により、システムの各種パーツの寿命の延長に役立つことである。同時に、これによって、光源のパワー出力の増減のためスペクトル分布が変化する恐れがあるため、他の場合には利用できなかった特定のエネルギー的に有利な光源を利用することができるようになる。
【0096】
前記から、本装置および方法の特定の実施例を図解のために本書で説明したが、本装置および方法の精神および範囲から逸脱せずに各種修正が可能であることが理解される。従って、本装置および方法は、かかる修正および本書に記載され、主題全ての置き換えおよび組合せを含み、請求の範囲によるものを除いて限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1A】図1Aは、本発明の実施例にかかる、対象材料を照明するCCISと、対象材料の反射する光を検出するスペクトル測定センサとを有するスペクトル測定システムの略図である。
【図1B】図1Bは、本発明の実施例にかかる、対象材料を照明光で照明するCCISと、対象材料の透過する光を検出する検出器とを有するスペクトル測定システムの略図である。
【図2】図2は、図1Aおよび図1Bに示す例示CCISの略図である。
【図3】図3は、チューナブル光源によって、実質的に一定の波長依存強度分布(平坦スペクトル)か、狭いスペクトル出力(低域帯域幅スペクトル)、または任意の波長依存強度分布を持つ任意のスペクトル出力(任意スペクトル)を持つ広いスペクトル出力を有する照明光に修正された光の略図である。
【図4】図4は、実質的に一定の波長依存強度分布を持つ狭いスペクトル出力を有し、そのスペクトル出力は時間とともに波長でのみ変化(広範囲の波長で掃引)するものと、本発明の実施例によるかかる照明光によって生成された対象材料から発せられる光の組合せスペクトルの略図である。
【図5A】図AおよびBは逐次スペクトル測定を示し、図5Aは選択した波長の照明光量を連続的に減らして連続測定を行う場合、
【図5B】図5Bは、異なるスペクトル形状で連続測定を行う場合を示す。
【図6A】図6A、BおよびCは、時間と共に広範囲の波長で掃引される狭いスペクトル出力を有する照明光を生成し、これを用いる本書のスペクトル測定システムによるダイナミックレンジ拡張を略図的に示す。図6Aは時間とともに掃引される広範囲な波長の中の一定の波長によって過剰露光されるスペクトル測定システムのスペクトル測定センサ16の略図である。
【図6B】図6Bは、時間と共に掃引される広範囲の波長の全波長の波長依存強度分布を下げる略図で、対象材料から発せられる光の一定の波長強度を効果的に下げることになる。
【図6C】図6Cは、時間と共に掃引される広範囲の波長の一定の波長の波長依存強度分布を下げる略図で、対象材料から発せられる光の全波長について容易に測定可能な強度を生じる。
【図7A】図7A、BおよびCは、広いスペクトル出力を有する照明光を生成し、これを用いる本書によるスペクトル測定システムによるダイナミックレンジ拡張の略図である。図7Aは、照明光のスペクトル出力の一定の波長について飽和に達した検出光センサの略図である。
【図7B】図7Bは、広いスペクトル出力の全波長の波長依存強度分布を下げる略図で、対象材料からの光の一定の波長の強度を過度に下げることになる。
【図7C】図7Cは、広いスペクトル出力の一定の波長の波長依存強度分布を下げる略図で、対象材料からの光の全波長について望ましい強度を生じる。
【図8A】図8A、B、CおよびDは、対象材料および基準材料を含む測定シーケンスの略図である。図8Aは、広い波長スペクトルからなる照明光で基準サンプルを照明し、これによって検出されたスペクトルを示す。
【図8B】図8Bは、検出されたスペクトルが平坦であるよう一定の波長の強度を下げることにより調整された照明光での基準サンプルの照明を示す。
【図8C】図8Cは、図8Bの調整済み光を対象サンプルの照明に用いる場合を示し、検出されたスペクトルは平坦ではなくなり、ここから対象サンプルのスペクトルを判断できるようになる。
【図8D】図8Dは、対象の同一サンプルの照明を調整し、平坦な検出スペクトルを生じさせる場合を示す。こうして対象サンプルのスペクトルを調整済み照明スペクトルから推定することができる。
【図9】図9は、本発明によるパワー管理スキームを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変選択スペクトル出力と可変選択波長依存強度分布からなる照明光を対象材料に向かって放出するよう構成されたチューナブル光源と、
チューナブル光源に動作可能に接続され、照明光の可変選択スペクトル出力と可変選択波長依存強度分布を変化させ、対象材料のスペクトル特性を測定するよう構成された所望のスペクトル出力と波長依存強度分布を与えるよう構成されたコンピュータ実行プログラミングを含むコントローラとからなるコンピュータ制御照明システムと、
対象材料から発した光を検出し、対象材料から発した光のスペクトルデータを決定し、対象スペクトルデータを与えるよう構成されたスペクトル測定センサで、スペクトル測定センサは、対象スペクトルデータをコンピュータ制御照明システムに通信するためコンピュータ制御照明システムに動作可能に接続されているものとからなり、
コントローラは、対象スペクトルデータを受け、対象スペクトルデータを組み込み、チューナブル光源を調整して、照明光の可変選択スペクトル出力と可変選択波長依存強度分布を変化させ、照明光の所望のスペクトル出力と波長依存強度分布を強化するよう構成されることを特徴とするスペクトル測定システム。
【請求項2】
スペクトル測定センサは、対象材料から反射された光を検出することを特徴とする請求の範囲第1項記載のスペクトル測定システム。
【請求項3】
スペクトル測定センサは、対象材料を透過した光を検出することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項記載のスペクトル測定システム。
【請求項4】
スペクトル測定センサは、対象材料から発した光を検出することを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項5】
照明光は、赤外線、紫外線または可視光の少なくとも2個からなることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項6】
コンピュータ制御照明システムは、照明光を検出し、照明光スペクトルデータを決定し、照明光スペクトルデータをコントローラに送出するよう構成された照明光検出器からなり、コントローラは、照明光スペクトルデータを受け、照明光スペクトルデータを組み込み、チューナブル光源を調整して、照明光の可変選択スペクトル出力と可変選択波長依存強度分布を変化させ、照明光の所望のスペクトル出力と波長依存強度分布を強化するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項7】
チューナブル光源は、
光源と、
次からなるチューナブルフィルタで、
光源からの光路に沿って移動する光線からスペクトルを提供することができるスペクトルフォーマと、
スペクトルフォーマの下流に位置し、これに光学的に接続された画素化空間光変調器(SLM)で、画素化SLMは、実質的に源からの光の選択されたスペクトル出力と波長依存強度分布のみ通過させるよう構成され、画素化SLMはコントローラに動作可能に接続され、コントローラは、画素化SLMの画素のオン/オフパターンを制御して、実質的に照明光の所望の波長分布のみ通過させるコンピュータ実行プログラミングを含むものとからなることを特徴とする請求の範囲第1項から第6項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項8】
画素化SLMは反射画素化SLMであることを特徴とする請求の範囲第7項記載のスペクトル測定システム。
【請求項9】
チューナブル光源は、
光源と、
実質的に光源からの光の選択されたスペクトル出力と波長依存強度分布のみ通過させるよう動作可能に構成された音響光学的チューナブルフィルタ(AOTF)からなるチューナブルフィルタで、AOTFはコントローラに動作可能に接続され、コントローラは、実質的に照明光のみ通過させるようAOTFの透過特性を制御するコンピュータ実行プログラミングを含むものとからなることを特徴とする請求の範囲第1項から第6項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項10】
コントローラは少なくとも対象スペクトルデータを保存し、対象スペクトルデータを分析し、対象スペクトルデータを表示することを特徴とする請求の範囲第1項から第9項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項11】
コントローラは、照明光の選択されたスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させ、所望の光スペクトル部分を掃引する狭い波長帯域の照明光で対象材料を照明するよう構成されたことを特徴とする請求の範囲第1項から第10項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項12】
所望の光スペクトル部分は、本質的に可視光のみからなることを特徴とする請求の範囲第11項記載のスペクトル測定システム。
【請求項13】
所望の光スペクトル部分は、本質的にUV光のみからなることを特徴とする請求の範囲第11項記載のスペクトル測定システム。
【請求項14】
所望の光スペクトル部分は、本質的に赤外光のみからなることを特徴とする請求の範囲第11項記載のスペクトル測定システム。
【請求項15】
コントローラは、対象スペクトルデータに対応して照明光の選択したスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させ、所望の全検出波長を通じて対象材料から発せられた光の実質的に平坦な強度を喚起するよう構成され、光の実質的平坦な強度は実質的にゼロより大きく、コントローラは変化させることから対象材料のスペクトル特性を決定することを特徴とする請求の範囲第1項から第14項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項16】
コントローラは、対象スペクトルデータに対応して照明光の選択したスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させ、スペクトル測定センサのみに比較して、強化されたシステムのダイナミックレンジを提供するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第1項から第15項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項17】
強化されたダイナミックレンジは、照明光の特定の波長分布でスペクトル測定センサの過剰露光または露光不足を補償するが、許容可能な波長分布では照明光を実質的に変更しないことによって達成することを特徴とする請求の範囲第1項から第16項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項18】
コンピュータ実行プログラミングは、時間と共に照明光の実質的に一定な選択されたスペクトル出力と波長依存強度分布を提供し、時間と共に対象材料のスペクトル特性のスペクトル特性の変化を測定するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第1項から第17項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項19】
コンピュータ実行プログラミングは、照明光の選択されたスペクトル出力と波長依存強度分布を時間と共に選択的に変化させ、対象材料のスペクトル特性の異なるスペクトル特性を測定するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第1項から第18項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項20】
システムコンピュータ実行プログラミングは、少なくとも1個の既知の基準材料の基準スペクトルデータと対象スペクトルデータを比較するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第1項から第19項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項21】
コンピュータ実行プログラミングは、複数の既知の基準材料の基準スペクトルデータと対象スペクトルデータを比較し、対象スペクトルデータがマッチング基準スペクトルデータと実質的に一致するか否か決定するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第20項記載のスペクトル測定システム。
【請求項22】
コンピュータ実行プログラミングは、複数の既知の基準材料の基準スペクトルデータと対象スペクトルデータを比較し、対象スペクトルデータが少なくとも2個の材料の組合せの基準スペクトルデータと実質的に一致するか否か決定するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第20項記載のスペクトル測定システム。
【請求項23】
システムは、実質的にUV光をブロックし、少なくとも可視光を通過させるよう構成されたロングパスフィルタからなり、コンピュータ実行プログラミングは、実質的にUV光のみで対象材料を照明するよう構成され、スペクトル測定センサは少なくとも可視光を測定するよう構成されることを特徴とする請求の範囲第1項から第22項のいずれかに記載のスペクトル測定システム。
【請求項24】
照明光を放出するよう構成されたチューナブル光源と、チューナブル光源に動作可能に接続され、照明光の所望のスペクトル出力と所望の波長依存強度分布を変化させ、所望のスペクトル出力と所望の波長依存強度分布を与えるよう構成されたコントローラとからなるコンピュータ制御照明システムから所望の可変スペクトル出力と所望の可変波長依存強度分布を含む照明光を生成することと、
照明光を対象材料に向けることと、
スペクトル測定センサで対象からの光を感知することと、
対象材料から発せられる光の少なくともスペクトル分布と波長依存強度分布を表す対象スペクトルデータを決定することと、
対象スペクトルデータをコントローラに送信することとからなり、コントローラは対象スペクトルデータを受け、対象スペクトルデータを組み込んでチューナブル光源を調整することを特徴とする対象材料のスペクトル特性を測定するための方法。
【請求項25】
対象材料から反射された光を検出することからさらになる請求の範囲第24項記載の方法。
【請求項26】
対象材料を透過した光を検出することからさらになる請求の範囲第24項または第25項記載の方法。
【請求項27】
対象材料から発せられた光を検出することからさらになる請求の範囲第24項から第26項のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
照明光は、赤外線、紫外線または可視光の少なくとも2個からなることを特徴とする請求の範囲第24項から第27項のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
照明光の生成は、
光源から光を放出することと、
光源に光学的に接続され、この下流にあるスペクトルフォーマからの光を通過させ、光源から放出された光からスペクトルを与えることと、
スペクトルフォーマの下流に位置し、これに光学的に接続された画素化空間光変調器(SLM)を介してスペクトルを通過させることで、画素化SLMは、実質的に光源からの光の所望のスペクトル出力と波長依存強度分布のみ通過させ、照明光を与えることとからなることを特徴とする請求の範囲第24項から第28項のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
画素化SLMを介したスペクトルの通過は、SLMからスペクトルを反射して、照明光の所望のスペクトル出力と波長依存強度分布を与えることからなることを特徴とする請求の範囲第29項記載の方法。
【請求項31】
画素化SLMを介したスペクトルの通過は、画素化SLMの画素のオン/オフパターンをコントローラに入っているコンピュータ実行プログラミングで制御し、照明光の実質的にスペクトル出力と波長依存強度分布のみ通過させることからなることを特徴とする請求の範囲第29項または第30項記載の方法。
【請求項32】
照明光の選択したスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させ、光スペクトルの所望の部分を掃引する狭い波長帯域照明光で対象材料を照明することからさらになる請求の範囲第24項から第31項のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
対象スペクトルデータに対応して照明光の選択したスペクトル出力と波長依存強度分布を変化させ、所望の全検出波長を通じて対象材料から発せられた光の実質的に平坦な強度を喚起することからさらになり、光の実質的に平坦な強度は実質的にゼロより大きく、変化させることから対象材料のスペクトル特性を決定することを特徴とする請求の範囲第24項から第32項のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
照明光の生成は、少なくとも2つの異なる種類の照明光を連続して生成することからなり、一方の種類は対象材料の第1スペクトル特性を測定するためのスペクトル出力と波長依存強度分布とからなり、第2の種類は、対象材料の第2のスペクトル特性を測定するためのスペクトル出力と波長依存強度分布とからなることを特徴とする請求の範囲第24項から第33項のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
照明光の生成は、時間と共に実質的に同じままの照明光を生成することからなり、この方法はさらに、時間と共に対象材料のスペクトル特性の変化を測定することからなる請求の範囲第24項から第24項のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
照明光の生成は、照明光を変化させて特定の波長範囲でスペクトル測定センサの過飽和と露光不足を補償するが、許容可能な波長分布の照明光を実質的に変化させず、これによってスペクトル測定センサのみに対するシステムのダイナミックレンジを強化することからなることを特徴とする請求の範囲第24項から第35項のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
対象スペクトルデータを少なくとも1個の既知の基準材料の基準スペクトルデータと比較することからさらになる請求の範囲第24項から第36項のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
この方法はさらに、対象スペクトルデータを複数の既知の基準材料の基準スペクトルデータと比較し、対象スペクトルデータがマッチング基準スペクトルデータと実質的に一致するか否かを判断することからさらになることを特徴とする請求の範囲第37項記載の方法。
【請求項39】
この方法はさらに、対象スペクトルデータを複数の既知の基準材料の基準スペクトルデータと比較し、対象スペクトルデータが少なくとも2個のマッチング基準スペクトルデータの組合せと実質的に一致するか否かを判断することからさらになることを特徴とする請求の範囲第38項記載の方法。
【請求項40】
特定の可変選択スペクトル出力と特定の可変選択波長依存強度分布とを有する照明光を発するよう構成されたチューナブル光源からの照明光を用いて複数対象材料の対象材料基準スペクトルデータを取得することと、複数の対象材料のそれぞれの対象材料基準スペクトルデータを記録し、取得した各対象材料スペクトルデータに対応する特定の照明光を記録することとからなる対象材料基準スペクトルデータの生成方法。
【請求項41】
各対象材料の照明光を、対象材料から発せられる波長強度が測定する実質的に全波長にわたって実質的に同じであるように変化させることを特徴とする請求の範囲第40項記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A−C】
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【図7A−C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−506947(P2007−506947A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527253(P2006−527253)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/CA2004/001762
【国際公開番号】WO2005/031292
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(506015074)タイダール フォトニクス,インク. (6)
【Fターム(参考)】